説明

電力供給システム

【課題】 パワーコンディショナの自立運転時に、分散電源や蓄電池からの電力供給による2次災害の発生を抑制することができる電力供給システムを提供する。
【解決手段】 パワーコンディショナ12は、系統連系運転時に交流電力を供給する連系出力部12eと、自立運転時に交流電力を供給する自立コンセント12fとを備え、充放電ユニット14は、パワーコンディショナ12の自立運転時に機器K2へ交流電力を供給する自立コンセント14eを備え、異常検出部14hが自立コンセント14eの出力電路の異常を検出した場合、解列器14cを開成して、自立コンセント14eからの電力供給を遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電装置等の分散電源による発電電力を商用電源と組み合わせ、さらに蓄電池に蓄電して、商用電源、分散電源、蓄電池から機器へ電力を供給する電力供給システムがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−15501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電力供給システムでは、商用電源からの電力供給が停止する停電時に、分散電源の発電電力や蓄電池の蓄電電力を用いた自立運転を行うことによって、機器への電力供給がなされる。しかしながら、機器への配電系統に短絡・漏電等の異常が発生している場合、火災や、機器の故障等の2次災害が発生する虞があった。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、パワーコンディショナの自立運転時に、分散電源や蓄電池からの電力供給による2次災害の発生を抑制することができる電力供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電力供給システムは、系統連系運転時に分散電源の発電電力から生成した交流電力を商用電源が接続された主電路へ供給する第1の出力部、自立運転時に前記分散電源の発電電力から生成した交流電力を出力する第2の出力部を備えたパワーコンディショナと、商用電源および前記第2の出力部から供給される交流電力を用いて蓄電池ユニットを充電し、前記蓄電池ユニットの充電電力を交流電力に変換して、第3の出力部を介して機器へ供給する充放電ユニットと、前記第3の出力部から前記機器までの電路における異常を検出する異常検出部とを備え、前記充放電ユニットは、前記異常検出部が前記異常を検出した場合、前記第3の出力部から交流電力の供給を停止することを特徴とする。
【0007】
この発明において、前記充放電ユニットは、前記パワーコンディショナが系統連系運転から自立運転に切り替わったときに、前記第3の出力部を介して、前記機器の定格電力より小さい電力を前記機器へ供給し、前記異常検出部は、前記第3の出力部の出力電圧が閾値未満であれば、前記異常を検出し、前記充放電ユニットは、前記異常検出部が前記異常を検出した場合、前記第3の出力部から交流電力の供給を停止し、前記異常検出部が前記異常を検出しなかった場合、前記第3の出力部を介して供給する電力を増大させることが好ましい。
【0008】
この発明において、前記異常検出部が前記異常を検出したとき、この異常発生を報知する異常報知部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明では、パワーコンディショナの自立運転時に、分散電源や蓄電池からの電力供給による2次災害の発生を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態の電力供給システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同上のパワーコンディショナの構成を示すブロック図である。
【図3】同上の充放電ユニットの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(実施形態)
本実施形態の電力供給システムは、図1に示す構成を備えており、電力会社から電力を供給されている各需要家において用いられる。本システムは、連携盤11、パワーコンディショナ12、太陽電池13、充放電ユニット14、蓄電池ユニット15、電力計測ユニット16、情報モニタ端末17、切替ボックス18、接続箱19、システムリモコン20を主構成として備える。
【0013】
連携盤11は、集合住宅の各住戸、戸建て住宅、工場、事務所等の需要家内に引き込まれた単相3線式200V/100Vの幹線電路Wa1が接続され、電力会社の商用電源PSから幹線電路Wa1を介して商用電力が供給される。そして、連携盤11は、主電源ブレーカ11a、分岐ブレーカ11b、太陽光発電用ブレーカ11cが収納されている。幹線電路Wa1は、主電源ブレーカ11aを介して複数の分岐ブレーカ11bに接続され、各分岐ブレーカ11bを介して複数の分岐電路Wa2に分岐する。分岐電路Wa2のそれぞれは、照明機器、空調機器、家電機器等の機器K1が接続され、これらの機器K1へ交流電力を供給する。なお、幹線電路Wa1と分岐電路Wa2とが、本発明の主電路に相当する。
【0014】
本システムは、パワーコンディショナ12と、太陽電池13とで構成される太陽光発電装置を備える。太陽光によって太陽電池13が発電した直流電力は、接続箱19を介してパワーコンディショナ12に供給され、パワーコンディショナ12によって交流電力に変換される。
【0015】
図2は、パワーコンディショナ12のブロック構成を示し、コンバータ12a、インバータ12b、解列器12c,12d、連系出力部12e、自立コンセント12f、制御回路12gを備える。
【0016】
コンバータ12aは、太陽電池13の直流出力を所定の直流電圧に変換し、インバータ12bは、コンバータ12aが出力する直流電圧を交流電圧に変換する。制御回路12gは、コンバータ12aおよびインバータ12bの動作を制御するとともに、解列器12c,12dを開閉制御することによって、インバータ12bの交流出力を、連系出力部12eまたは自立コンセント12fから供給する。
【0017】
連系出力部12eからの交流出力は、交流電路Wa3から、連携盤11の太陽光発電用ブレーカ11cを介して、主電源ブレーカ11aの一次側に接続される。而して、連系出力部12eからの交流出力は、太陽光発電用ブレーカ11cおよび主電源ブレーカ11aおよび分岐ブレーカ11bを介して分岐電路Wa2へ供給される。連系出力部12eから出力される交流電力のうち、消費されなかった余剰分は、幹線電路Wa1を介して商用電源PSへ逆潮流(売電)する。なお、パワーコンディショナ12は、連系出力部12eからの交流出力を、商用電源PSが供給する商用電力に協調させる系統連系運転機能を有する。
【0018】
また、自立コンセント12fからの交流出力は、交流電路Wa4を介して充放電ユニット14へ供給される。
【0019】
さらに、本システムは、充放電ユニット14と、蓄電池ユニット15とで構成される蓄電装置を備える。蓄電池ユニット15は、例えばリチウムイオン電池等の二次電池で構成され、充放電ユニット14によって充放電制御がなされる。
【0020】
充放電ユニット14は、連携盤11の分岐ブレーカ11bに分岐電路Wa2経由で接続しており、連携盤11を介して供給される交流電力を直流電力に変換して蓄電池ユニット15を充電する。また、充放電ユニット14は、蓄電池ユニット15に蓄えられている直流電力を交流電力に変換し、交流電路Wa5を介して後述の機器K2へ供給する。すなわち、充放電ユニット14は、AC/DC変換機能とDC/AC変換機能との両方を有する。
【0021】
図3は、充放電ユニット14のブロック構成を示し、双方向電力変換部14a、解列器14b,14c、連系入出力部14d、自立コンセント14e、制御回路14f、直流変換部14g、異常検出部14hを備える。
【0022】
蓄電池ユニット15は、双方向電力変換部14aに接続し、双方向電力変換部14aは、蓄電池ユニット15の直流電力を交流電力に変換する。制御回路14fは、双方向電力変換部14aの動作を制御するとともに、解列器14b,14cを開閉制御することによって、双方向電力変換部14aの交流出力を、連系入出力部14dまたは自立コンセント14eから供給する。また、双方向電力変換部14aは、分岐電路Wa2から連系入出力部14d、解列器14bを介して供給される交流電力を直流電力に変換して、蓄電池ユニット15を充電する。なお、充放電ユニット14は、連系入出力部14dから供給する交流出力を、商用電源PSが供給する商用電力に協調させる系統連系運転機能を有する。
【0023】
電力計測ユニット16は、本システム内の3箇所における電力を測定している。1箇所目は、商用電源PSおよびパワーコンディショナ12から主電源ブレーカ11aを介して供給される交流電力である。2箇所目は、パワーコンディショナ12の連系出力部12eから供給される交流電力である。3箇所目は、分岐電路Wa2から充放電ユニット14に供給される蓄電池ユニット15の充電電力である。電力計測ユニット16は、上記各箇所における電力測定データを、無線信号で情報モニタ端末17へ送信し、情報モニタ端末17は、上記各箇所における電力の測定結果を表示する。
【0024】
さらに、電力計測ユニット16は、上記各箇所における電力測定データに基づいて、商用電源PSが商用電力を供給している通常時と、商用電源PSから商用電力の供給が停止している停電時との判別を行い、この判別結果(停電判別情報)を信号線Wsを介して充放電ユニット14へ送信する。充放電ユニット14は、受信した停電判別情報に基づいて、通常時/停電時を認識することができる。さらに充放電ユニット14は、停電判別情報を、信号線Wsを介してパワーコンディショナ12へ送信し、パワーコンディショナ12は、通常時/停電時を認識して、系統連系運転と自立運転とを切り替えることができる。
【0025】
まず、商用電源PSが商用電力を供給している通常時における各動作について説明する。
【0026】
パワーコンディショナ12は、通常時において、解列器12cを閉成、解列器12dを開成し、太陽電池13の発電電力から生成した交流電力を、連系出力部12eから太陽光発電用ブレーカ11cおよび主電源ブレーカ11aおよび分岐ブレーカ11bを介して分岐電路Wa2へ供給する。すなわち、パワーコンディショナ12は、通常時において、連携盤11を介して交流電力を供給する。この場合、パワーコンディショナ12に設けた自立コンセント12fには、太陽電池13の発電電力から生成した交流電力が供給されていない。なお、連系出力部12eが、系統連系運転専用の出力であって、本発明の第1の出力部に相当する。また、自立コンセント12fが、自立運転専用の出力であって、本発明の第2の出力部に相当する。
【0027】
充放電ユニット14は、通常時において、解列器14bを閉成、解列器14cを開成し、双方向電力変換部14aは、分岐電路Wa2から供給される交流電力を直流電力に変換して、蓄電池ユニット15を充電する。
【0028】
すなわち、通常時において、機器K1の動作電力、および蓄電池ユニット15の充電電力は、商用電源PSおよびパワーコンディショナ12から連携盤11を介して供給される。パワーコンディショナ12が出力する交流電力のうち、機器K1の動作電力および蓄電池ユニット15の充電電力として消費されなかった余剰分は、幹線電路Wa1を介して商用電源PSへ逆潮流(売電)する。このように、パワーコンディショナ12は、通常時において系統連系運転を行う。
【0029】
また、特定の分岐電路Wa2は、通常時において、切替ボックス18を介して交流電路Wa6に接続している。切替ボックス18は、交流電路Wa6の接続先を分岐電路Wa2または後述の交流電路Wa5に切り替えるスイッチ手段を備えており、通常時においては、交流電路Wa6の接続先を分岐電路Wa2に切り替えている。したがって、通常時において、交流電路Wa6に接続している機器K2の動作電力は、商用電源PSおよびパワーコンディショナ12から供給される。
【0030】
次に、商用電源PSが商用電力の供給を停止している停電時の動作について説明する。
【0031】
パワーコンディショナ12は、停電時において、解列器12cを開成することによって、太陽電池13の発電電力から生成した交流電力は、連携盤11側へ出力されなくなる。すなわち、機器K1は動作電力が供給されなくなり、蓄電池ユニット15の充電電力も、商用電源PSおよびパワーコンディショナ12から連携盤11を介して供給されなくなる。
【0032】
しかしながら、パワーコンディショナ12は、停電時において、解列器12dを閉成し、自立コンセント12fに、太陽電池13の発電電力から生成した交流電力を供給する。すなわち、パワーコンディショナ12は、停電時において自立運転を行う。なお、停電時に自動で自立運転に切り替わる構成、または停電時にユーザの手動操作によって自立運転に切り替わる構成のいずれであってもよい。
【0033】
また、充放電ユニット14の制御回路14fは、蓄電池ユニット15の蓄電電力を自己の動作電源としており、停電時においても動作可能である。そして、制御回路14fは、停電時において、解列器14bを開成、解列器14cを閉成し、さらに双方向電力変換部14aは、蓄電池ユニット15に蓄えられている直流電力を交流電力に変換し、解列器14cを介して自立コンセント14eに交流電力を供給する。なお、自立コンセント14eが、本発明の第3の出力部に相当する。
【0034】
自立コンセント14eは、交流電路Wa5を介して切替ボックス18に接続している。切替ボックス18は、停電時において、交流電路Wa6の接続先を交流電路Wa5に切り替える。したがって、停電時において、交流電路Wa6に接続している機器K2の動作電力は、蓄電池ユニット15から充放電ユニット14を介して供給される。ここで、機器K2は、停電時においても動作させたい機器であり、例えば照明機器、空調機器、冷蔵庫等が挙げられる。切替ボックス18の切替動作は、停電時に自動切替を行う自動切替手段(図示なし)を備える構成、ユーザが手動切替する手動操作手段(図示なし)を備える構成のいずれであってもよい。なお、自動切替手段は、例えばリレー等を用いて構成される。
【0035】
このように、充放電ユニット14は、停電時にも動作させたい機器K2に交流電力を供給するための自立コンセント14eを備えており、停電時において、連携盤11を経由することなく、機器K2へ動作電力を供給することができる。なお、自立コンセント14eは、プラグの栓刃が接続されるコンセントの形態、端子が接続される端子台の形態のいずれであってもよい。
【0036】
さらに、パワーコンディショナ12は、太陽電池13の発電電力から生成した交流電力を、自立コンセント12fを介して充放電ユニット14に供給している。充放電ユニット14の直流変換部14gは、自立コンセント12fから供給される交流電力を直流電力に変換する。直流変換部14gが出力する直流電力は、蓄電池ユニット15の充電電力、または双方向電力変換部14aによって自立コンセント14eを介して機器K2へ供給される交流電力に変換される。
【0037】
このような電力供給システムでは、通常時において、連携盤11を経由して、商用電源PSとパワーコンディショナ12とから、蓄電池ユニット15の充電電力を供給する。しかしながら、商用電源PSの停電時において、パワーコンディショナ12の交流出力は連携盤11に出力されない。そこで上記のように、商用電源PSの停電時には、パワーコンディショナ12の自立コンセント12bから蓄電池ユニット15の充電電力を供給することによって、停電時にも太陽光発電によって蓄電池ユニット15を充電することができる。したがって、パワーコンディショナ12の自立コンセント12bから蓄電することができ、停電時の電力供給能力の向上を図ることができる。
【0038】
また、機器K2に供給される電力は、切替ボックス18によって、通常時には連携盤11経由で供給され、停電時には充放電ユニット14の自立コンセント14eから供給されるので、機器K2へ動作電力を常時供給することができる。
【0039】
このように、充放電ユニット14は、停電時において、蓄電池ユニット15の蓄電電力および太陽電池13の発電電力を用いて、自立コンセント14eから機器K2へ交流電力を供給している。
【0040】
そして、本実施形態では、通常時から停電時に切り替わった際(パワーコンディショナ12が系統連系運転から自立運転に切り替わった際)、交流電路Wa5,Wa6、切替ボックス18、機器K2からなる出力電路の短絡・漏電等の異常検出を行う。以下、この異常検出処理について説明する。
【0041】
まず、充放電ユニット14の制御回路14fは、停電時に切り替わった後、双方向電力変換部14aを制御して、自立コンセント14eから供給する交流電力を、機器K2の待機電力に略等しいレベルに制限する。すなわち、機器K2は、消費電力を抑制した待機状態で動作可能な電力(制限電力)を充放電ユニット14から供給される。なお、機器K2の待機電力に略等しいレベルとは、例えば機器K2の待機電力より少し大きい電力であり、機器K2の通常動作時における定格電力より小さい電力である。なお、実際の制限電力は、機器K2の待機電力より少し大きい電力に、交流電路Wa6から電力を供給されて動作する端末(電力計測ユニット16、情報モニタ端末17、システムリモコン20等)の使用電力を足した値になる。
【0042】
ここで、電力計測ユニット16は、交流電路Wa6から機器K2へ供給される電力を測定しており、システムリモコン20は、この測定結果に基づいて機器K2の待機電力を予め導出しておく。そして、制御回路14fは、システムリモコン20が保持している待機電力に関するデータを、システムリモコン20から取得し、この機器K2の待機電力に関するデータに基づいて、制限電力を設定している。
【0043】
また、充放電ユニット14は、有線通信または無線通信機能を有しており、異常検出部14hは、短絡・漏電等の異常検出を行うことを有線通信または無線通信によってシステムリモコン20(機器コントローラ)へ通知する(異常検出開始通知)。例えば、充放電ユニット14は、信号線Wsを介して通信可能に接続している電力計測ユニット16の無線通信機能を用いて、システムリモコン20との間で通信を行う。
【0044】
システムリモコン20は、交流電路Wa6から動作電力を供給されており、機器K1,K2を遠隔制御する機能を有する。そして、異常検出開始通知を受信したシステムリモコン20は、有線通信または無線通信によって、機器K2を待機状態に移行させる。
【0045】
したがって、通常時から停電時に切り替わった際、機器K2は待機状態に制御されるとともに、制限電力を自立コンセント14eから供給される。そして、異常検出部14hは、待機状態の機器K2に対して制限電力を供給している状態で、自立コンセント14eの出力電圧を監視する。
【0046】
異常検出部14hは、自立コンセント14eの出力電圧が閾値以上であれば(例えば、AC100Vの90%以上)、自立コンセント14eの出力電路は正常であると判断する。自立コンセント14eの出力電路が正常である場合、制御回路14fは、双方向電力変換部14aを制御して出力制限を解除し、自立コンセント14eから供給する交流電力を増大させ、機器K2が待機状態から起動可能な電力を供給する。
【0047】
また、自立コンセント14eの出力電路に短絡・漏電等の異常がある場合、自立コンセント14eの出力電圧は低下する。そこで、異常検出部14hは、自立コンセント14eの出力電圧が閾値未満であれば(例えば、AC100Vの90%未満)、自立コンセント14eの出力電路は異常であると判断する。自立コンセント14eの出力電路が異常である場合、制御回路14fは、双方向電力変換部14aの交流出力動作を停止し、解列器14cを開成して、自立コンセント14eからの電力供給を遮断(停止)する。
【0048】
このように、自立コンセント14eから機器K2へ電力を供給する際に、比較的小さい制限電力を用いて電路の異常の有無を判断し、異常時には自立コンセント14eからの電力供給を停止する。したがって、充放電ユニット14による短絡・漏電等の異常検出を有効に動作させることができ、パワーコンディショナ12の自立運転時に、分散電源や蓄電池からの電力供給による火災や機器の故障等の2次災害の発生を抑制することができる。
【0049】
また、充放電ユニット14と蓄電池ユニット15とのペアを複数組設けて、充放電ユニット14毎に互いに異なる交流電路Wa6に接続している場合、充放電ユニット14のそれぞれが独立して、停電時における自立コンセント14eの出力電路の異常検出を行う。そして、自立コンセント14eの出力電路に異常を検出しなかった充放電ユニット14のみが、自立コンセント14eから電力供給を継続する。
【0050】
また、異常検出部14eは、自立コンセント14eの出力電路の異常を検出した場合、有線通信または無線通信によって情報モニタ端末17へ電路異常通知を送信する。例えば、充放電ユニット14は、信号線Wsを介して通信可能に接続している電力計測ユニット16の無線通信機能を用いて、情報モニタ端末17との間で通信を行う。電路異常通知を受信した情報モニタ端末17は、自立コンセント14eの出力電路に短絡・漏電等の異常が発生したことを表示し、ユーザへ報知する。なお、情報モニタ端末17が、本発明の異常報知部に相当する。
【0051】
したがって、ユーザは、情報モニタ端末17の表示画面を見ることによって、電路異常を認識でき、復旧のための対応をとることができる。なお、警報音鳴動によって、異常の発生をユーザへ報知してもよい。
【0052】
なお、本実施形態では、分散電源として太陽電池13を用いているが、燃料電池、風力発電装置等の他の分散電源を用いてもよい。
【符号の説明】
【0053】
11 連携盤
12 パワーコンディショナ
12e 連系出力部(第1の出力部)
12f 自立コンセント(第2の出力部)
13 太陽電池(分散電源)
14 充放電ユニット
14e 自立コンセント(第3の出力部)
14h 異常検出部
15 蓄電池ユニット
K1,K2 機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統連系運転時に分散電源の発電電力から生成した交流電力を商用電源が接続された主電路へ供給する第1の出力部、自立運転時に前記分散電源の発電電力から生成した交流電力を出力する第2の出力部を備えたパワーコンディショナと、
商用電源および前記第2の出力部から供給される交流電力を用いて蓄電池ユニットを充電し、前記蓄電池ユニットの充電電力を交流電力に変換して、第3の出力部を介して機器へ供給する充放電ユニットと、
前記第3の出力部から前記機器までの電路における異常を検出する異常検出部とを備え、
前記充放電ユニットは、前記異常検出部が前記異常を検出した場合、前記第3の出力部から交流電力の供給を停止する
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項2】
前記充放電ユニットは、前記パワーコンディショナが系統連系運転から自立運転に切り替わったときに、前記第3の出力部を介して、前記機器の定格電力より小さい電力を前記機器へ供給し、
前記異常検出部は、前記第3の出力部の出力電圧が閾値未満であれば、前記異常を検出し、
前記充放電ユニットは、前記異常検出部が前記異常を検出した場合、前記第3の出力部から交流電力の供給を停止し、前記異常検出部が前記異常を検出しなかった場合、前記第3の出力部を介して供給する電力を増大させる
ことを特徴とする請求項1記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記異常検出部が前記異常を検出したとき、この異常発生を報知する異常報知部を備えることを特徴とする請求項1または2記載の電力供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−253840(P2012−253840A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122467(P2011−122467)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】