説明

電力供給装置、及びこれに用いるリモコン端末装置

【課題】 本発明は、各電力供給部が電力供給を開始するタイミングを制御することのできる電力供給装置、及びこれに用いるリモコン端末装置を提供すること。
【解決手段】 外部電源から供給される電力の電子機器への供給/非供給を切替的に行う複数の電力供給部と、前記複数の電力供給部の電源投入の順番を表す順番指令をリモコン端末装置から受信するための受信部と、前記順番指令に応じて前記複数の電力供給部の電源を投入する電源投入処理部とを含む、電力供給装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に電力を供給する電力供給装置、及びこれに用いるリモコン端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、外部電源から供給される電力をPC(Personal Computer)、サーバ、又はモニタ等の電子機器に分配する電力供給装置があった。このような従来の電力供給装置は、例えば、図1に示すように、外部電源1から電力供給を受ける電力供給部2〜2(nは任意の整数)と、電力供給部2〜2にハブ3、インターネット等の通信回線4、及びハブ5を介して接続される遠隔操作用のPC6とを含む。電力供給部2〜2とハブ3の間、及びハブ5とPC6の間は、LAN(Local Area Network)ケーブルによって接続されている。電力供給部2〜2は、例えば、ラックマウントシステムに搭載されている。
【0003】
各電力供給部2〜2は、外部電源1から供給される電力を分配して出力するための複数のポート7を有しており、各ポート7には、電子機器8に含まれるPC、サーバ、又はモニタ等の各々が接続されている。また、電力供給部2〜2は、各ポート7と外部電源1との間を接続/遮断するリレー等のような継電器を内蔵している。
【0004】
操作者がPC6に対して電力供給部2〜2及びポート7を選択する入力処理を行うと、入力内容を表す制御指令がPC6から通信回線4を経て電力供給部2〜2のうちの該当する電力供給部に入力され、制御指令によって特定されるポート7に接続される継電器が閉成される。これにより、ポート7からPC、サーバ、又はモニタ等の電子機器8に電力供給が行われる(例えば、特許文献1、2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−272954号公報
【特許文献2】特開平2−183693号公報
【特許文献3】特開平2−096444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の電力供給装置では、各電力供給部2〜2が一斉に電力供給を開始すると、突入電流によって電力供給装置が供給可能な電力を超える場合があった。
【0007】
電力供給部2〜2の各々において、各ポート7の継電器を接続するタイミングを遅延させてずらすことは可能であるが、電力供給部2〜2の各々が電力供給を開始するタイミングを制御することはできなかった。
【0008】
そこで、本発明は、各電力供給部が電力供給を開始するタイミングを制御することのできる電力供給装置、及びこれに用いるリモコン端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施の形態の一観点の電力供給装置は、外部電源から供給される電力の電子機器への供給/非供給を切替的に行う複数の電力供給部と、前記複数の電力供給部の電源投入の順番を表す順番指令をリモコン端末装置から受信するための受信部と、前記順番指令に応じて前記複数の電力供給部の電源を投入する電源投入処理部とを含む。
【0010】
また、前記順番指令は、前記電力供給部のIPアドレス又はMACアドレスを用いて特定されてもよい。
【0011】
また、前記電力供給部は前記電子機器を接続するための複数の端子を有するとともに、前記順番指令には、前記複数の端子から電力供給を行う順番を表す端子順番指令を含んでおり、前記電力供給部は、前記受信部で受信される前記順番指令に含まれる前記端子順番指令に応じて、前記複数の端子を介して前記電子機器への電力の供給/非供給を切替的に行ってもよい。
【0012】
また、前記受信部は、前記電力供給部に取り付けられてもよい。
【0013】
また、前記受信部は、前記電力供給部に通信回線を通じて接続されてもよい。
【0014】
本発明の実施の形態の一観点のリモコン端末装置は、前記いずれかの電力供給装置に用いられる。
【0015】
また、リモコン端末装置は、前記電力供給装置からIPアドレス又はMACアドレスを取得し、前記複数の電力供給部の電源投入の順番を表す順番指令を作成する制御部を含んでもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、各電力供給部が電力供給を開始するタイミングを制御することのできる電力供給装置、及びこれに用いるリモコン端末装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来の電力供給装置の構成の一例を示す図である。
【図2】実施の形態の電力供給装置10の構成を示す図である。
【図3】実施の形態の電力供給部11の構成を示す図である。
【図4】実施の形態の電力供給装置10に用いるリモコン装置端末100の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は内部構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態の電力供給装置10に用いるリモコン端末装置100の記憶部114に格納されるデータを示す図である。
【図6】実施の形態の電力供給部11にリモコン端末装置100を接続した状態を示す図である。
【図7】実施の形態の電力供給装置10に用いるリモコン端末装置100内における電源投入の順番を登録する処理を示すフローチャートである。
【図8】電力供給部11が受信した順番指令に基づいて電源を投入する際の処理を示すフローチャートである。
【図9】ポート番号を受信した電力供給部11が電源を投入する際の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の電力供給装置、及びこれに用いるリモコン端末装置を適用した実施の形態について説明する。
【0019】
図2は、実施の形態の電力供給装置10の構成を示す図である。
【0020】
本実施の形態の電力供給装置10は、電力供給部11〜11と、受信部の一形態としての通信部12〜12を含む。通信部12〜12は、電力供給部11〜11の各々に内蔵されている。ここで、nは任意の整数であり、電力供給部11のユニット番号を表す。
【0021】
以下、電力供給部11〜11の各々を区別しない場合には、電力供給部11と称す。同様に、通信部12〜12の各々を区別しない場合には、通信部12と称す。なお、図2には、電力供給部11及び通信部12をそれぞれ複数示すが、電力供給部11及び通信部12は、それぞれ、少なくとも1つあればよい。また、図2には通信部12〜12が電力供給部11〜11に内蔵されている形態を示すが、通信部12〜12は電力供給部11〜11の外部に取り付けられていてもよい。
【0022】
電力供給部11〜11は、それぞれ、外部電源1から供給される電力を出力するためのポート14を4つ含んでおり、各ポート14にはPC、サーバ、又はモニタ等の電子機器8が接続されている。電力供給部11〜11は、外部電源1から供給される電力の電子機器への供給/非供給を切替的に行う。なお、ポート14の数は4つに限定されず、少なくとも1つあればよい。
【0023】
通信部12〜12は、LANケーブル13Aを介してハブ3に接続されており、インターネット等の通信回線4、ハブ5、及びLANケーブル13Bを介してリモコン端末装置100に接続されている。通信部12〜12は、電力供給部11〜11の電源投入の順番を表す順番指令をリモコン端末装置100から受信し、電力供給部11の内部処理部に入力するインターフェイス部である。電力供給部11の内部処理部については、図3を用いて後述する。
【0024】
リモコン端末装置100は、本実施の形態の電力供給装置10に順番指令を送信する。リモコン端末装置100の詳細については、図4を用いて後述する。
【0025】
図3は、実施の形態の電力供給部11の構成を示す図である。図3に示すように、電力供給部11は、外部電源1に接続される4つのリレー15を含む。各リレー15の出力側には、ポート14が接続されている。電力供給部11は、通信部12、ポート14、及びリレー15に加えて、I/O(Input / Output)処理部16、シリアルポート17、制御部18、及び記憶部19を含む。
【0026】
I/O処理部16は、制御部18から入力される順番指令に基づき、リレー15のオン/オフを切り替える処理を行う処理部である。
【0027】
シリアルポート17は、電力供給部11の順番をリモコン端末装置100に登録する際にIPアドレス及びMACアドレスを送信するために、電力供給部11にリモコン端末装置100を接続する際に用いるポートである。リモコン端末装置100は、例えばRS232C等のシリアル通信用のケーブルを介して電力供給部11に接続される。
【0028】
制御部18は、電力供給部11の駆動に必要な制御処理を行う主制御部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって構成される。制御部18は、少なくとも、通信部12を介してリモコン端末装置100から入力される順番指令に基づき、順番指令に該当する他の電力供給部11に電源を投入させるための電源投入指令を送信する処理を行う。
【0029】
なお、制御部18は、通信部12及びI/O処理部16とともに1つのCPUで構成されてもよい。
【0030】
記憶部19は、電力供給部11の駆動に必要なデータを格納するメモリであり、例えば、不揮発性メモリで構成される。記憶部19には、少なくとも、電力供給部11(11〜11のうちのいずれであるか)を特定するためのIP(Internet Protocol)アドレス及びMAC(Media Access Control)アドレスと、4つのリレー15を接続する順番を表す端子順番指令とが格納される。
【0031】
図4は、実施の形態の電力供給装置10に用いるリモコン装置端末100の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は内部構成を示すブロック図である。
【0032】
図4(A)に示すように、リモコン端末装置100は、筐体101、登録ボタン104、全電源ONボタン105、液晶表示部106、及びシリアルポート107を有する。
【0033】
筐体101は、直方体状の樹脂製の内部が空洞の筐体であり、順番選択ボタン102、ポート選択ボタン103、登録ボタン104、全電源ONボタン105、液晶表示部106、及びシリアルポート107を表出させて保持している。
【0034】
順番選択ボタン102は、リモコン装置端末100に電力供給部11の電源投入の順番を登録する際に、登録する順番を操作者が選択する際に押すためのボタンである。
【0035】
ポート選択ボタン103は、ポート14のポート番号を選択する際に、操作者が押すためのボタンである。ポート選択ボタン103を押す度に、ポート番号(1〜4)を順番に切り替えることができる。
【0036】
登録ボタン104は、順番選択ボタン102で選択した順番を登録する際、又は、ポート選択ボタン103で選択したポート14を登録するために操作者が押すためのボタンである。順番選択ボタン102で選択された順番は、登録ボタン104が押されることによって確定する。
【0037】
全電源ONボタン105は、リモコン装置端末100から電力供給部11に順番指令を送信する際に操作者が押すためのボタンである。
【0038】
液晶表示部106は、電力供給部11の順番、IPアドレス、MACアドレス、及びポート番号等を表示するための表示部である。
【0039】
シリアルポート107は、電力供給部11の順番を登録する際にIPアドレス及びMACアドレスを取得するために、リモコン端末装置100を電力供給部11に接続する際に用いるポートである。
【0040】
図4(B)に示すように、リモコン端末装置100は、I/O処理部111、制御部112、通信部113、及び記憶部114を内蔵する。
【0041】
I/O処理部111は、少なくとも、登録ボタン104及び全電源ONボタン105が押圧された場合に、押圧があった旨を表す指令を制御部112に入力する処理、制御部112から表示内容を表す指令が送られた際に液晶表示部106に表示する処理、及びシリアルポート107からIPアドレス及びMACアドレスが入力された場合に、制御部112に入力する処理を行う。
【0042】
制御部112は、登録ボタン104及び全電源ONボタン105になされた入力操作に応じた指令の生成・出力処理、液晶表示部106に表示する表示内容を生成等する処理、及び、シリアルポート107から入力されたIPアドレス及びMACアドレスを記憶部114に格納する処理を行う。制御部112は、例えば、CPUで構成される。
【0043】
通信部113は、制御部112が生成した順番指令を出力し、ハブ5、通信回線4、及びハブ3を介して電力供給部11に伝送するインターフェイス部である。
【0044】
記憶部114は、電力供給部11〜11のIPアドレス、MACアドレス、及びポート番号を表すデータを順番付けて格納するメモリであり、例えば、不揮発性メモリで構成される。
【0045】
なお、I/O処理部111、制御部112、及び通信部113が一つのCPUで構成されてもよい。
【0046】
図5は、実施の形態の電力供給装置10に用いるリモコン端末装置100の記憶部114に格納されるデータの一例を示す図である。図5には、一例として電力供給装置111、11k、11nのIPアドレス、MACアドレス、及びポート番号を示す。なお、kは1<k<nを満たす整数である。
【0047】
電力供給部11〜11のIPアドレス及びMACアドレスは、電力供給部11〜11の各々について割り振られている。このため、リモコン端末装置100の記憶部114には、図5に示すようにIPアドレス、MACアドレス、及びポート番号に関連付けられるとともに電源投入の順番に並べられてデータベースとして格納されている。
【0048】
IPアドレス及びMACアドレスは、電力供給部11〜11からある一つの電力供給部11を特定するために用いられるデータである。ポート番号を表すデータは、電力供給部11の4つのポート14の各々をオンするための制御に用いられるデータである。
【0049】
IPアドレス、MACアドレス、及びポート番号を表すデータは、順番指令を表し、ポート番号を表すデータは端子順番指令を表す。端子順番指令は、順番指令に含まれる。
【0050】
図6は、実施の形態の電力供給部11にリモコン端末装置100を接続した状態を示す図である。図6に示すように、リモコン端末装置100を電力供給部11に接続した状態で、リモコン端末装置100は電力供給部11のIPアドレス及びMACアドレスを取得する。ここで、リモコン端末装置100と電力供給部11は、シリアルポート107(図4(B)参照)とシリアルポート17(図3参照)を例えばRS232C等のシリアル通信用のケーブルで接続すればよい。
【0051】
リモコン端末装置100は、電力供給部11〜11のうち、電源投入の順番を登録したい電力供給部11に接続した状態で、電力供給部11から取得し、電源を投入したい順番にIPアドレス及びMACアドレスを並べて登録する。また、この際に、電力供給部11の順番の登録に加えて、ポート14の順番を登録する。これらを登録することにより、図5に示すデータが得られる。
【0052】
図7は、実施の形態の電力供給装置10に用いるリモコン端末装置100内における電源投入の順番を登録する処理を示すフローチャートである。この処理は、リモコン端末装置100内の制御部112によって実行される。
【0053】
リモコン端末装置100が電力供給部11に接続されると処理が開始される。
【0054】
制御部112は、電力供給部11からIPアドレス及びMACアドレスを取得したか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1の処理は、IPアドレス及びMACアドレスの取得が確認されるまで繰り返し実行される。
【0055】
制御部112は、電力供給部11からIPアドレス及びMACアドレスを取得した場合は、ポート選択ボタン103が押されてポート番号が指定されたか否かを判定する(ステップS2)。
【0056】
制御部112は、ポート番号が指定された場合は、順番が選択されたか否かを判定する(ステップS3)。順番の選択は、リモコン端末装置100の順番選択ボタン102(図4(A)参照)が押されることによって行われる。
【0057】
制御部112は、順番が選択された場合は、順番登録ボタン104が押されて順番が確定されたか否かを判定する(ステップS4)。
【0058】
制御部112は、順番が確定された場合は、IPアドレス、MACアドレス、及びポート番号を順番と関連付けて記憶部114に格納する(ステップS5)。
【0059】
制御部112は、IPアドレス、MACアドレス、及びポート番号を順番と関連付けて記憶部114に格納すると、他のポート14の登録が行われるか否か(終了かどうか)を判定する(ステップS6)。
【0060】
制御部112は、他のポート14の登録が行われずに終了と判断した場合は、一連の処理を終了する。
【0061】
また、制御部112は、ステップS1〜S4、又はS6において、Noと判定した場合は、フローをステップS1にリターンする。
【0062】
以上により、制御部112による処理が終了し、図5に示すデータベースが完成する。
【0063】
次に、リモコン端末装置100から電力供給部11に送信される順番指令に基づき、電源が投入される場合の処理について説明する。
【0064】
図8は、電力供給部11が受信した順番指令に基づいて電源を投入する際の処理を示すフローチャートである。
【0065】
ここでは、リモコン端末装置100は、図2に示すようにLANケーブル13Bを介してハブ5に接続されており、電力供給部11に順番指令が送信され、電力供給部11の制御部18が図8に示す処理を実行する場合について説明する。
【0066】
制御部18は、順番指令を受信すると、記憶部19に順番指令を格納する(ステップS10)。
【0067】
制御部18は、記憶部19に格納した順番指令を順番に従って順次読み出し、IPアドレス及びMACアドレスで特定される電源供給部11(11〜11のいずれか)にポート番号を表すデータ(端子順番指令)を送信する(ステップS11)。なお、IPアドレス及びMACアドレスで電源供給部11を表す場合は、制御部18は、ポート番号に対応するリレー15を接続する。
【0068】
制御部18は、次の順番のデータがあるか否かを確認する(ステップS12)。次のデータがあれば、制御部18はステップS11の処理を繰り返し実行する。次のデータがない場合は、制御部18は処理を終了する。
【0069】
以上のステップS10乃至S12の処理により、リモコン端末装置100内で作成されたデータベース(図5参照)に登録された順番の通りに、電源供給部11(11〜11のいずれか)にポート番号を表すデータが送信される。
【0070】
図9は、ポート番号を受信した電力供給部11が電源を投入する際の処理を示すフローチャートである。この処理は、ポート番号を受信した電力供給部11内の制御部18によって実行される。
【0071】
制御部18は、ポート番号を受信すると(ステップS20)、ポート番号のポート14に対応するリレー15を接続する(ステップS21)。
【0072】
制御部18は、送信された最後のポート番号であるか否かを判定し(ステップS22)、最後のポート番号であれば処理を終了し、まだ他に受信したポート番号があればフローをステップS21にリターンする。
【0073】
これにより、電力供給部11に含まれる4つのポートから順次電力が供給される。
【0074】
以上、本実施の形態の電力供給装置10によれば、図7に示す処理により、リモコン端末装置100で電力供給部11の電源投入の順番を簡単に登録することができる。また、電力供給部11の電源投入の順番を登録することにより、順番指令を生成するためのデータベース(図5参照)を作成することができる。
【0075】
また、本実施の形態の電力供給装置10によれば、図8及び図9に示す処理により、データベース(図5参照)に登録された順番通りに、電源供給部11(11〜11のいずれか)のポート14から電力を電子機器(図2参照)に供給することができる。
【0076】
このため、各電力供給部11〜11が一斉に電力供給を開始することはなく、さらに、各11〜11内の各ポート14が電力供給を開始するタイミングをずらすこともできるので、突入電流の発生を抑制し、安定的に電力を供給できる電力供給装置を提供することができる。
【0077】
従来は、複数ある電力供給部が電力供給を開始するタイミングの設定や制御はできなかったが、本実施の形態の電力供給装置10によれば、リモコン端末装置100を各電力供給部11〜11に接続するだけで電力供給部11〜11の各々が電力供給を開始するタイミングを容易に設定することができる。また、その際に、電力供給部11〜11内のポート14から電力を供給する順番も設定することができるので、より安定的に電力を供給することができる。
【0078】
なお、以上では、電力供給部11〜11の順番に加えて、電力供給部11〜11の各々に含まれるポート14から電力供給を行う順番も登録する形態について説明したが、ポート14から電力供給を行う順番は、必ずしも登録する必要はない。取り扱う電力に応じて、各ポート14で同時に電力供給を開始してもよく、又は、予め決められた順に各ポート14から電力供給を行うようにしてもよい。
【0079】
また、以上では、リモコン端末装置100をLANケーブル13Bに接続し、インターネット等の通信回線4を介して電力供給部11〜11に接続した状態で順番指令を送信する形態について説明したが、リモコン端末装置100のシリアルポート107(図4(A)参照)をシリアル通信用のケーブル(図示せず)を介して電力供給部11のシリアルポート17(図3参照)に接続した状態で順番指令をリモコン端末装置100から電力供給部11に送信するようにしてもよい。
【0080】
本実施の形態の電力供給装置10は、PCを用いなくても電力供給の順番を設定し、電力供給を開始できるので、従来の電力供給装置(図1参照)のようにPCを介して電力供給を開始する場合に比べて、起動時間の間、待機する必要はなく、いつでも電力供給の順番設定及び電力供給の開始を行うことができる。
【0081】
また、本実施の形態の電力供給装置10は、図1に示す従来の電力供給装置と同様に、PC6を含んでもよい。この場合において、リモコン端末装置100をPC6に接続し、順番指令を表すデータベースをPC6のメモリ等に格納させ、PC6に電力供給部の電力供給を順番に従って行わせてもよい。
【0082】
また、以上では、IPアドレスとMACアドレスの両方を用いて電力供給装置11を特定する形態について説明したが、いずれか一方で特定できる場合は、必ずしも両方用いなくてもよい。
【0083】
なお、以上では、LANケーブル13Bに接続したリモコン端末装置100から順番指令を電力供給部11に送信する電力供給装置10について説明したが、LANケーブル13Bの代わりに、無線LANを用いて、各々の電力供給部11とリモコン端末装置100との間で順番指令を送信するように構成してもよい。
【0084】
また、無線LANの代わりに、赤外線通信を用いてリモコン端末装置100と電力供給部11との間で順番指令を送信するように構成してもよい。
【0085】
以上、本発明の例示的な実施の形態の電力供給装置、及びこれに用いるリモコン端末装置について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0086】
3、5 ハブ
4 通信回線
10 電力供給装置
11、11〜11 電力供給部
12、12〜12 通信部
13A、13B LANケーブル
14 ポート
15 リレー
16 I/O処理部
17 シリアルポート
18 制御部
19 記憶部
100 リモコン端末装置
101 筐体
111 I/O処理部
112 制御部
113 通信部
114 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から供給される電力の電子機器への供給/非供給を切替的に行う複数の電力供給部と、
前記複数の電力供給部の電源投入の順番を表す順番指令をリモコン端末装置から受信するための受信部と、
前記順番指令に応じて前記複数の電力供給部の電源を投入する電源投入処理部と
を含む、電力供給装置。
【請求項2】
前記順番指令は、前記電力供給部のIPアドレス又はMACアドレスを用いて特定される、請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記電力供給部は前記電子機器を接続するための複数の端子を有するとともに、前記順番指令には、前記複数の端子から電力供給を行う順番を表す端子順番指令を含んでおり、
前記電力供給部は、前記受信部で受信される前記順番指令に含まれる前記端子順番指令に応じて、前記複数の端子を介して前記電子機器への電力の供給/非供給を切替的に行う、請求項1又は2に記載の電力供給装置。
【請求項4】
前記受信部は、前記電力供給部に取り付けられる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項5】
前記受信部は、前記電力供給部に通信回線を通じて接続される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電力供給装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の電力供給装置に用いるリモコン端末装置。
【請求項7】
前記電力供給装置からIPアドレス又はMACアドレスを取得し、前記複数の電力供給部の電源投入の順番を表す順番指令を作成する制御部を含む、請求項6に記載のリモコン端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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