説明

電力供給装置の起動用電源確保構造

【課題】装置を動作させるための電源を確保し、より確実に起動させることができる電力供給装置の起動用電源確保構造を提供することにある。
【解決手段】電力供給装置10に搭載される内蔵バッテリ18と、電力供給装置に搭載されDC/ACインバータ14の動作を制御するインターフェース19と、電気自動車50に設けられEV駆動用バッテリ51の放電を制御する急速充電コンタクタ52と、を具備し、EV駆動用バッテリと、インターフェースおよび接続プラグ12とを電気的に接続させ、内蔵バッテリの電力をインターフェースおよび接続プラグに供給することにより、DC/ACインバータが動作可能となりつつ、接続プラグを介して前記コンタクタに電力が供給されて、電気自動車から電力供給装置への送電が可能となるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給装置の起動用電源確保構造に関し、詳細には、電気自動車の電力を一般家庭用電気機器の使用電力に変換して当該電気機器に供給可能である電力供給装置の起動用電源確保構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は高電圧エネルギを蓄電可能な電気自動車駆動用バッテリ(以下、EV駆動用バッテリと称す)を備える。このEV駆動用バッテリは、例えば、車両に設けられた充電コネクタ(充電コネクタレセプタクル)に商用電源設備の充電ケーブル(接続電力線)に設けられた充電ガン(充電コネクタ)を接続した状態にて、商用電源設備から高電圧エネルギを供給することで充電される。
【0003】
ところで、近年、災害時などで発電所からの電力供給を確保できない場合に、上述のEV駆動用バッテリの電力を一般家庭用電力供給源、例えばAC100Vの電力供給源として利用することへの要望が高まっている。EV駆動用バッテリは上述の通り高電圧エネルギ、例えばDC330Vの高電圧直流の電力を蓄電するバッテリであるため、一般家庭用電力供給源として利用する際には、電力のDC/AC変換および降圧を行う必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、車両用蓄電池と、蓄電池に接続されAC/DC変換とDC/AC変換を行うインバータと、インバータに接続されたインレット部とを備えた電気自動車と、電気自動車のインレット部に接続可能で電力の授受を行う充放電コネクタを備えた充放電器とを具備した電気自動車を用いた家庭用電力供給システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−178234号公報(例えば、明細書の段落[0022]−[0045]、[図1]−[図3]など参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のシステムは、電気自動車の車両用蓄電池の電力を有効に利用することができるものの、車両自体を設計変更する必要が生じるため、既に利用されている車両に搭載されるEV駆動用バッテリの電力を有効活用することができず、汎用的ではなかった。上述のシステムを備えた住宅を介してしかEV駆動用バッテリの電力を利用することができなかった。つまり、上述のシステムでは、EV駆動用バッテリの電力を有効利用するには制約があった。また、上述のシステムに用いられる電気自動車は、駆動に不要な機器を備え、従来の電気自動車と比べて車両重量が増加することになり、その走行性能を著しく低下させてしまうという問題があった。
【0007】
そこで、電気自動車の充電コネクタに接続可能なプラグが設けられた電源ケーブルを介して電気自動車から送電された電力をDC/AC変換すると共に降圧して電力出力部から外部に出力する電力供給装置が検討されている。ところで、電気自動車の充電コネクタとEV駆動用バッテリとの間には充電コンタクタが設けられており、商用電源設備から電気自動車に電気を供給する場合には、双方向通信により接続状態、EV駆動用バッテリの電池残量などの条件を満たしてはじめて、充電コネクタとEV駆動用バッテリとが電気的に接続した状態となるように構成されている。上述の電力供給装置は、上述の通り、電気自動車の充電コネクタと接続されるため、EV駆動用バッテリの高電圧エネルギが入力されることになる。よって、電力供給装置と電気自動車の接続においても、高い安全性の確保が求められる。例えば電力供給装置と電気自動車で双方向通信を行うことで、電力供給装置と電気自動車の接続状態を確実に判定することができる。このような双方向通信を行うためには、電力供給装置内の機器を動作させるための電源が必要となる。
【0008】
以上のことから、本発明は、上述したような問題を解決するために為されたものであって、装置を動作させるための電源を確保し、より確実に起動させることができる電力供給装置の起動用電源確保構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決する本発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造は、
電気自動車の充電コネクタに接続可能な第一接続プラグが設けられた第一電源ケーブルを介して前記電気自動車から送電された電力をDC/AC変換すると共に降圧する電力変換部と、DC/AC変換および降圧された電力を外部に出力する電力出力部とを備えた電力供給装置の起動用電源確保構造であって、
前記電力供給装置に搭載され、電力が蓄電される内蔵バッテリと、
前記電力供給装置に設けられ、前記電力変換部の動作を制御する動作制御部と、
前記電気自動車に設けられ、前記電気自動車に搭載される駆動用バッテリの前記充電コネクタへの放電を制御する放電制御部と、を具備し、
前記内蔵バッテリと、前記動作制御部および前記第一接続プラグとを電気的に接続させ、前記内蔵バッテリの電力を前記動作制御部および前記第一接続プラグに供給することにより、前記電力変換部が動作可能となりつつ、前記第一接続プラグを介して前記放電制御部に電力が供給されて、前記電気自動車から前記電力供給装置への送電が可能となる
ことを特徴とする。
【0010】
上述した課題を解決する本発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造は、
前述した発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造であって、
前記電気自動車に搭載された補機用バッテリに蓄電される電力を車室内にて出力する車室内電力出力部に接続可能な第二接続プラグが設けられた第二電源ケーブルを具備し、
前記補機用バッテリと、前記動作制御部および前記第一接続プラグとを前記第二電源ケーブルを介して電気的に接続させ、
前記内蔵バッテリの電圧が前記補機用バッテリの電圧よりも高い場合は、前記内蔵バッテリの電力を前記動作制御部および前記第一接続プラグに供給し、前記内蔵バッテリの電圧が前記補機用バッテリの電圧よりも低い場合は、前記補機用バッテリの電力を前記動作制御部および前記第一接続プラグに供給する
ことを特徴とする。
【0011】
上述した課題を解決する本発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造は、
前述した発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造であって、
前記補機用バッテリと、前記内蔵バッテリとを前記第二電源ケーブルを介して電気的に接続させ、
前記内蔵バッテリは、前記第一電源ケーブルを介して前記駆動用バッテリの電力によって充電されるか、もしくは前記第二電源ケーブルを介して前記補機用バッテリの電力によって充電される
ことを特徴とする。
【0012】
上述した課題を解決する本発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造は、
前述した発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造であって、
前記内蔵バッテリと、前記動作制御部および前記第一接続プラグとを電気的に接続させる電力線を具備し、
前記第二電源ケーブルは、前記電力線と電気的に接続されている
ことを特徴とする。
【0013】
上述した課題を解決する本発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造は、
前述した発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造であって、
前記電力線は、前記第一電源ケーブル内に収納される
ことを特徴とする。
【0014】
上述した課題を解決する本発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造は、
前述した発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造であって、
前記第二電源ケーブルにダイオードを介在させ、
前記ダイオードは、前記第二電源ケーブルと前記電力線とが電気的に接続した接続箇所と、前記第二接続プラグとの間に配される
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造によれば、内蔵バッテリと、動作制御部および第一接続プラグとを電気的に接続させ、内蔵バッテリの電力を動作制御部および第一接続プラグに供給することにより、電力変換部が動作可能となりつつ、第一接続プラグを介して放電制御部に電力が供給されて、駆動用バッテリから充電コネクタへ放電することができる。これにより、電気自動車から電力供給装置への送電が可能となる。このように、電力供給装置を動作せるための電源を確保し、より確実に電力供給装置を起動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施例に係る可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造による制御フローを示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造による制御フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造を実施するための形態について、実施例にて説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明の第1の実施例に係る可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造について、図1および図2を参照して説明する。なお、図1は、電気自動車に搭載された電気自動車駆動用バッテリの電力を、可搬式電力供給装置を介して外部へ供給する状態を図示している。
【0019】
本実施例に係る可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造は、図1に示すように、可搬式電力供給装置10を備える。可搬式電力供給装置10は、電気自動車50の急速充電コネクタ(車両側コネクタレセクタプル)53と接続可能な接続プラグ(可搬式電力供給装置側コネクタ)12が先端部に設けられた第一電源ケーブル11を備える。
【0020】
電気自動車50は、上述の急速充電コネクタ53、電気自動車駆動用バッテリ(以下、EV駆動用バッテリと称す)51、電気自動車用制御装置(以下、EV−ECUと称す)56を備える。
【0021】
EV駆動用バッテリ51は、例えばDC330Vの高電圧直流の電力を蓄電可能なバッテリ(二次電池)である。このバッテリ51に蓄電される電力により電気自動車50の電動モータ(図示せず)が駆動される。
【0022】
急速充電コネクタ53は、例えば、JEVS(Japan Electric Vehicle Standard) G 105に準拠した従来の急速充電器の急速充電器側コネクタと接続可能であり、当該急速充電器の急速充電器側コネクタとCAN(Controller Area Network)通信が可能な端子である。急速充電コネクタ53は、急速充電コンタクタ52を介してEV駆動用バッテリ51と接続している。具体的には、急速充電コネクタ53と急速充電コンタクタ52とがDC330V線(第二電力線)62により接続している。急速充電コンタクタ52とEV駆動用バッテリ51とがDC330V線(第一電力線)61により接続している。また、急速充電コネクタ53と急速充電コンタクタ52とはDC12V線(第三電力線)63により接続している。急速充電コンタクタ52は、後述の内蔵バッテリ18または補機用バッテリ54の電力が接続プラグ12、急速充電コネクタ53、DC12V線63を介して供給されることで、EV駆動用バッテリ51と急速充電コネクタ53の間で閉回路と開回路の切り替えを行う機器であって、EV−ECU56からの信号により制御される。つまり、急速充電コンタクタ52は、EV駆動用バッテリ51の放電を制御する放電制御部をなしている。
【0023】
EV−ECU56は、急速充電コンタクタ52、急速充電コネクタ53など電気自動車50の機器を制御する装置である。EV−ECU56は、信号線72により急速充電コンタクタ52と接続し、双方向通信可能な信号線73により急速充電コネクタ53と接続している。
【0024】
EV−ECU56は、さらに、信号線91,92,93,94によりイグニッションポジションセンサ(以下、IGポジションセンサと称す)81、シフトセンサ82、ブレーキセンサ83、電圧計測器(電池残量計測器)84とそれぞれ接続している。IGポジションセンサ81は、イグニッションノブの位置を検出するセンサであって、検出結果を信号線91によりEV−ECU56に送信している。前記検出結果としては、ACC−OFF位置(OFF位置)、ACC−ON位置、ON位置が含まれる。シフトセンサ82は、シフトレバー操作を検出するセンサであって、検出値を信号線92によりEV−ECU56に送信している。前記検出値としては、前進位置(ドライブレンジ、セカンドレンジなどを含む)、後退位置(リバースレンジ)、駐車位置(パーキングレンジ)、中立位置(ニュートラルレンジ)が含まれる。ブレーキセンサ83は、ハンドブレーキ位置を検出するセンサであって、検出値を信号線93によりEV−ECU56に送信している。前記検出値としては、ブレーキON位置、ブレーキOFF位置が含まれる。電圧計測器84は、EV駆動用バッテリ51の電池残量(SOC:State Of Charge)を計測する機器であり、電圧計測値を信号線94によりEV−ECU56に送信している。
【0025】
上述の電気自動車50は、キーレス電波受信機55をさらに備える。キーレス電波受信機55は、電気自動車50のキーレスオペレーションキー57から無線発信される電波信号74を受信する機器である。つまり、キーレス電波受信機55は、キーレス信号受信機をなしている。キーレスオペレーションキー57は、電気自動車50のドア開閉信号を無線発信することにより遠隔操作可能なドア開閉スイッチや可搬式電力供給装置10の起動を、当該キーレスオペレーションキー57の認証コードを含む起動信号を無線発信することにより遠隔操作可能な起動スイッチなどを備える。つまり、キーレスオペレーションキー57は、各スイッチによる電波信号74を無線発信する携帯型電子鍵であり、キーレス操作装置をなしている。キーレス電波受信機55は、DC12V線(第四電力線)64を介して補機用バッテリ54と接続し、信号線71を介してEV−ECU56と接続している。補機用バッテリ54は、例えばDC12Vの低電圧直流の電力を蓄電可能なバッテリ(二次電池)である。補機用バッテリ54は、DC12V線(第五電力線)65を介してACCソケット58と接続し、電力線(図示せず)を介して電装機器(コントローラ、ランプ、エアコン)等の補機類(図示せず)とも接続している。ACCソケット58は、車室内に設けられ、DC12Vを出力可能な端子である。つまり、ACCソケット58は、車室内電力出力部をなしている。
【0026】
電気自動車50が上述した機器を具備することにより、少なくとも急速充電コネクタ53が可搬式電力供給装置10の接続プラグ12と接続した状態にて、キーレス電波受信機55がキーレスオペレーションキー57の上述の起動スイッチONによる起動信号を受信すると、EV−ECU56に信号を送信する。EV−ECU56は、前記信号を受信すると、接続プラグ12と急速充電コネクタ53との接続状態を判定する。EV−ECU56は、例えば、接続プラグ12と急速充電コネクタ53との間のCAN通信による信号の受信の有無により前記接続状態を判定する。EV−ECU56は、前記信号を受信した場合には、接続プラグ12と急速充電コネクタ53とが接続していると判定し、信号線72を介して急速充電コンタクタ52に接続許可信号を送信する。急速充電コンタクタ52は、前記接続許可信号を受信すると、EV駆動用バッテリ51と急速充電コネクタ53間で閉回路を形成する。これにより、EV駆動用バッテリ51に蓄電される電力(DC330V)が急速充電コンタクタ52、急速充電コネクタ53を介して可搬式電力供給装置10側へ送電される。他方、EV−ECU56は、前記信号を受信しない場合には、接続プラグ12と急速充電コネクタ53とが接続していないと判定し、急速充電コンタクタ52は、EV駆動用バッテリ51と急速充電コネクタ53間で開回路を形成する。これにより、電気自動車50から可搬式電力供給装置10への電力の送電は行われないことになる。
【0027】
上述した可搬式電力供給装置10は、筐体1をなしている。筐体1には、例えばキャスタ輪(図示せず)や牽引ハンドル(図示せず)などの搬送用の器具が設けられている。可搬式電力供給装置10は、先端部に設けられた接続プラグ12を有し先端部側が筐体1の外側へ延在する第一電源ケーブル11、先端部に設けられたACCプラグ42を有し先端部側が筐体1の外側へ延在する第二電源ケーブル41、DC/ACインバータ14、AC100Vコンセント15、内蔵バッテリ18、インターフェース(可搬式電力供給装置用制御装置)19を備える。接続プラグ12が第一接続プラグをなし、ACCプラグ42が第二接続プラグをなしている。
【0028】
上述した接続プラグ12は、上述の急速充電器の急速充電器側コネクタと同じ仕様であり、電気自動車50の急速充電コネクタ53と上述のCAN通信が可能な端子であり、当該急速充電コネクタ53と接続可能な端子である。
【0029】
DC/ACインバータ14は、高電圧直流の電力を一般家庭用電気機器の使用可能な電力にDC/AC変換および降圧を行う機器であって、例えばDC330Vの高電圧直流の電力をAC100Vの低電圧交流の電力に変換する機器である。つまり、DC/ACインバータ14が電力変換部をなしている。DC/ACインバータ14は、DC330V線(第一電力線)21により接続プラグ12と接続し、AC100V線(第三電力線)23によりAC100Vコンセント15と接続している。
【0030】
AC100Vコンセント15は、AC100Vの電力を外部に出力可能であって、1つ口または複数口を有すコンセントである。このAC100Vコンセント15に一般家庭用電気機器の電源ケーブルのプラグを差し込むことにより、当該一般家庭用電気機器にAC100Vの電力が供給される。つまり、AC100Vコンセント15が電力出力部をなしている。AC100Vコンセント15は、信号線33を介して電圧計測器16と接続している。電圧計測器16は、信号線34を介してインターフェース19と接続している。これにより、電圧計測器16は、外部からDC/ACインバータ14へAC100Vコンセント15を介して逆流する逆流電圧を計測し、その逆流電圧計測値を信号線34を介してインターフェース19に送信している。
【0031】
インターフェース19は、可搬式電力供給装置10の各機器を制御する装置である。インターフェース19は、双方向通信可能な信号線32により接続プラグ12と接続し、双方向通信可能な信号線32によりDC/ACインバータ14と接続している。インターフェース19は、信号線35によりアラーム20と接続している。アラーム20は、入力された信号に基づきアラームを発する警報機である。インターフェース19は、前記逆流電圧計測値が0Vであるかどうかを判定する。前記逆流電圧計測値が0Vである場合には、信号線31、上述のCAN通信、信号線73を介して、EV−ECU56に可搬式電力供給装置10が起動可能状態である信号を送信する。他方、前記逆流電圧計測値が0Vではない場合には、信号線35を介してアラーム20に当該アラーム20を起動するアラーム起動信号を送信すると共に、信号線32を介してDC/ACインバータ14に当該DC/ACインバータ14の動作を停止する停止信号を送信する。つまり、インターフェース19は、DC/ACインバータ14の動作を制御する動作制御部をなしている。
【0032】
内蔵バッテリ18は、例えばDC12Vの低電圧直流の電力を蓄電可能なバッテリ(二次電池)である。内蔵バッテリ18は、DC12V線(第四電力線)24を介して内蔵充電器17と接続している。内蔵充電器17は、DC330V線(第二電力線)22およびDC330V線21を介して接続プラグ12と接続している。内蔵バッテリ18は、DC12V線(第五電力線)25を介して接続プラグ12と接続している。DC12V線(第五電力線)25にはDC12V線(第六電力線)26が接続される。DC12V線26の他端がインターフェース19と接続している。つまり、内蔵バッテリ18は、DC12V線25およびDC12V線26を介してインターフェース19と接続している。なお、インターフェース19は、DC12V線(図示せず)を介してDC/ACインバータ14およびアラーム20と接続している。
【0033】
ACCプラグ42は、電気自動車50のACCソケット58と接続可能な端子である。ACCプラグ42は、DC12V線(第六電力線)27を介してDC12V線25とDC12V線26の接続箇所44に接続している。ACCプラグ42をACCソケット58と接続した状態にて、上述のイグニッションノブを回してACC−ON位置に合わせることにより、補機用バッテリ54に蓄電される電力(DC12V)が、ACCソケット58、ACCプラグ42、DC12V線27を介して、接続箇所44に供給されることになる。これにより、内蔵バッテリ18は、EV駆動用バッテリ51の電力によって充電される、または第二電源ケーブル41を介して補機用バッテリ54の電力によって充電される。このように、内蔵バッテリ18に電力を蓄電する経路が2つであると共に、内蔵バッテリ18に蓄電する電力の供給源が2つであるため、内蔵バッテリ18の蓄電動作が二重化される。これにより、内蔵バッテリ18の蓄電動作の信頼性が向上し、可搬式電力供給装置10を起動するための機器であるインターフェース19および接続プラグ12への電力供給源をより確実に確保することができる。内蔵バッテリ18の電圧が補機用バッテリ54の電圧よりも高い場合は、内蔵バッテリ18の電力がインターフェース19および接続プラグ12に供給される。内蔵バッテリ18の電圧が補機用バッテリ54の電圧よりも低い場合は、補機用バッテリ54の電力がインターフェース19および接続プラグ12に供給される。このように、インターフェース19および接続プラグ12への電力供給源が2つあることにより、可搬式電力供給装置10を起動するための機器であるインターフェース19および接続プラグ12への電力供給源をより一層確実に確保することができる。また、第二電源ケーブル41のDC12V線27がDC12V線25とDC12V線26の接続箇所44に接続しているため、シンプルな配線により、内蔵バッテリ18もしくは補機用バッテリ54の電力をインターフェース19および接続プラグ12に供給することができる。また、インターフェース19に供給された電力は、上述のDC12V線を介してDC/ACインバータ14およびアラーム20にも供給される。DC12V線27における接続箇所44とACCプラグ42との間にはダイオード43が設けられる。これにより、接続箇所44からACCプラグ42へ逆流する逆流電圧の発生が防止される。
【0034】
なお、上述のDC330V線21、DC12V線25、信号線31は、何れも第一電源ケーブル11に収納される。これにより、各線21,25,31が一本の第一電源ケーブル11に纏まることになり、第一電源ケーブル11の接続プラグ12を急速充電コネクタ53に接続するなどの作業がし易くなり、使用性が良くなる。DC12V線27は、第二電源ケーブル41に収納される。
【0035】
ここで、上述した構成の可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造による制御フローについて、図2を参照し、「実施例1」として可搬式電力供給装置10の内蔵バッテリ18もしくは電気自動車50の補機用バッテリ54からインターフェース19に電力供給し起動させる場合の起動制御フローを説明する。
まず、可搬式電力供給装置10を使用する者(使用者)が電気自動車50のACCソケット58に第二電源ケーブル41のACCプラグ42を接続する(第1ステップS1)。
【0036】
続いて、電気自動車50の上述のイグニッションノブを回してそのポジションをACC−ONに入れる(第2ステップS2)。
【0037】
続いて、電気自動車50の急速充電コネクタ53に第一電源ケーブル11の接続プラグ12を接続する(第3ステップS3)。
【0038】
続いて、キーレスオペレーションキー57の起動スイッチをONにする(第4ステップS4)。これにより、キーレスオペレーションキー57は、キーレスオペレーションキー57の認証コードを含む起動信号を電気自動車50に無線発信する。キーレス電波受信機55は前記起動信号を受信し、当該起動信号をEV−ECU56に送信する。
【0039】
続いて、内蔵バッテリ18の電圧が補機用バッテリ54の電圧より高いか判定する(第5ステップS5)。なお、本実施例では、上述した通り、内蔵バッテリ18および補機用バッテリ54からインターフェース19へ電力供給が可能であるため、内蔵バッテリ18および補機用バッテリ54のうち電圧の高い方から電力がインターフェース19へ自動的に供給される。内蔵バッテリ18の電圧が補機用バッテリ54の電圧よりも高い場合には第6ステップS6に進み、低い場合には第7ステップS7に進む。
【0040】
第6ステップS6にて、内蔵バッテリ18からインターフェース19にDC12V(電力)が供給される。次に、第8ステップS8に進む。
【0041】
他方、第7ステップS7にて、補機用バッテリ54からACCソケット58、ACCプラグ42を介してインターフェース19にDC12V(電力)が供給される。次に、第8ステップS8に進む。
【0042】
第8ステップS8にて、インターフェース19が起動する。
【0043】
続いて、インターフェース19およびEV−ECU56は、接続プラグ12と急速充電コネクタ53との接続状態をそれぞれ判定する(第9ステップS9)。インターフェース19およびEV−ECU56は、例えば、接続プラグ12と急速充電コネクタ53との間のCAN通信による信号の受信の有無により前記接続状態をそれぞれ判定する。前記信号を受信した場合には、接続プラグ12と急速充電コネクタ53とが接続していると判定しステップS10に進む。前記信号を受信しない場合には、接続プラグ12と急速充電コネクタ53とが接続していないと判定し、ステップS21に進む。
【0044】
第10ステップS10にて、EV−ECU56は、キーレスオペレーションキー57が無線発信したキーレスオペレーションキー57の認証コード(認証ID)と、電気自動車50の認証コード(認証ID)とが合致するかどうかを判定する。ここで、キーレスオペレーションキー57の認証コードは、上記の第4ステップS4にて、キーレスオペレーションキー57の前記起動スイッチをONにすることにより、前記起動信号と共にキーレス電波受信機55を介してEV−ECU56に送信される。電気自動車50の認証コードは、予めEV−ECU56の認証コード登録部に登録されている。EV−ECU56における認証コード照合部にて、キーレスオペレーションキー57の認証コードと電気自動車50の認証コードとの照合が行われる。これら認証コードが合致する場合には第11ステップS11に進む。前記認証コードが合致しない場合には第21ステップS21に進む。
【0045】
第11ステップS11にて、インターフェース19は、電圧計測器16によるAC100Vコンセント15の逆流電圧計測値が0Vであるかどうかを判定する。前記逆流電圧計測値が0Vである場合には第12ステップS12に進む。このとき、インターフェース19は、信号線31、上述のCAN通信、信号線73を介してEV−ECU56に可搬式電力供給装置10が起動可能状態である装置側起動前準備完了信号を送信する。他方、前記逆流電圧計測値が0Vでない場合には第21ステップS21に進む。
【0046】
第12ステップS12にて、EV−ECU56は、IGポジションセンサ81による検出結果がOFF位置またはACC−ON位置であるかまたはそれ以外であるかを判定する。前記検出結果がOFF位置またはACC−ON位置である場合には第13ステップS13に進む。前記検出結果がOFF位置およびACC−ON位置のどちらでもない場合には、第21ステップS21に進む。
【0047】
第13ステップS13にて、EV−ECU56は、シフトセンサ82による検出値が駐車位置(パーキングレンジ)であるか否かを判定する。前記検出値が駐車位置である場合には第14ステップS14に進む。前記検出値が駐車位置以外である場合には、第21ステップS21に進む。
【0048】
第14ステップS14にて、EV−ECU56は、ブレーキセンサ83による検出値がブレーキON位置であるか否かを判定する。前記検出値がブレーキON位置である場合には、ステップS15に進む。前記検出値がブレーキON位置以外である場合には第21ステップS21に進む。
【0049】
第15ステップS15にて、EV−ECU56は、電圧計測器84によるEV駆動用バッテリ51の電池残量SOCが30%以上であるか否かを判定する。EV駆動用バッテリ51の電池残量SOCが30%以上である場合には、第16ステップS16に進む。EV駆動用バッテリ51の電池残量SOCが30%より少ない場合には、第21ステップS21に進む。これにより、電気自動車50の始動に必要な電力が確保される。
【0050】
第21ステップS21にて、インターフェース19およびEV−ECU56は、可搬式電力供給装置10の起動を中止する。インターフェース19は、DC/ACインバータ14に当該DC/ACインバータ14の動作を停止する停止信号を送信する。これにより、DC/ACインバータ14の起動が停止される。EV−ECU56は、急速充電コンタクタ52に信号を送信する。これにより、急速充電コンタクタ52は、EV駆動用バッテリ51と急速充電コネクタ53との間で開回路を形成する。つまり、可搬式電力供給装置10の起動が停止される一方、電気自動車50から可搬式電力供給装置10への電力の送電が停止される。続いて、第22ステップS22にて、インターフェース19は、信号線35を介してアラーム20に信号を送信する。アラーム20は、前記信号を受信すると、当該信号に基づきアラーム20が動作する。アラーム20により警告アラームが発報される。
【0051】
他方、第16ステップS16にて、EV−ECU56は接続許可信号を急速充電コンタクタ52に送信し、前記信号に基づき急速充電コンタクタ52がEV駆動用バッテリ51と急速充電コネクタ53との間で閉回路を形成する。これにより、EV駆動用バッテリ51に蓄電される電力が、急速充電コンタクタ52、急速充電コネクタ53を介して可搬式電力供給装置10に供給されることになる。つまり、電気自動車50から可搬式電力供給装置10へDC330Vの電力が送電される(第17ステップS17)。
【0052】
続いて、第18ステップS18にて、可搬式電力供給装置10へ送電されたDC330Vの電力がDC/ACインバータ14にてAC100Vの電力に変換される。これにより、可搬式電力供給装置10のAC100Vコンセント15から外部にAC100Vを供給可能な状態になる。
【0053】
以上説明したように、本「実施例1」に係る電力供給装置の起動用電源確保構造によれば、内蔵バッテリ18と、インターフェース19および接続プラグ12とをDC12V線25およびDC12V線26により電気的に接続し、内蔵バッテリ18の電力をインターフェース19および接続プラグ12に供給することにより、DC/ACインバータ14が動作可能となりつつ、接続プラグ12、急速充電コネクタ53、DC12V線63を介して急速充電コンタクタ52に電力が供給されて、急速充電コンタクタ52がEV駆動用バッテリ51と急速充電コネクタ53との閉回路を形成し、EV駆動用バッテリ51の電力を、急速充電コネクタ53を介して可搬式電力供給装置10へ送電することができる。このように、可搬式電力供給装置10を起動させるための電源を確保することができ、より確実に可搬式電力供給装置10を起動させることができる。
【0054】
なお、上記では、第一電源ケーブル11、内蔵充電器17、内蔵バッテリ18を介してインターフェース19および接続プラグ12にEV駆動用バッテリ51の電力を供給する系統と、第二電源ケーブル41を介してインターフェース19および接続プラグ12に補機用バッテリ54の電力を供給する系統とを併せ持つ可搬式電力供給装置10を用いて説明したが、第一電源ケーブル11、内蔵充電器17、内蔵バッテリ18を介してインターフェース19および接続プラグ12にEV駆動用バッテリ51の電力を供給する系統を持つ可搬式電力供給装置とすることも可能である。このような可搬式電力供給装置であっても、上述の可搬式電力供給装置10と同様な作用効果を奏する。また、このような可搬式電力供給装置において、一次電池を併用することにより、内蔵バッテリからインターフェースや接続プラグへ供給する電力のバックアップ電源を確保することができ、より一層確実に装置を起動させることができる。
【0055】
上記では、搬送用の器具を備える可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造について説明したが、前記搬送用の器具を具備しない電力供給装置の起動用電源確保構造とすることも可能である。
【0056】
上記では、入力された電力をDC/AC変換すると共に降圧するDC/ACインバータ14を備える可搬式電力供給装置10の起動用電源確保構造を用いて説明したが、入力された電力を降圧するDC/DCコンバータと、直流電力を交流電力に変換するDC/ACインバータとを備える可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造とすることも可能である。このような可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造であっても、上述の可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造と同様な作用効果を奏する。
【0057】
上記では、可搬式電力供給装置10を用いて電気自動車50のEV駆動用バッテリ51の電力を一般家庭用電力供給源として利用する場合について説明したが、上述の可搬式電力供給装置10を用いて、車両の駆動源として電動モータと内燃機関とを併用し、車両外部からの電力供給により自動車駆動用バッテリ(電動モータの動力源)を蓄電することができるプラグインハイブリット車の当該自動車駆動用バッテリの電力を一般家庭用電力供給源として利用することもできる。
【0058】
上記では、電気自動車50から送電される電力をDC/AC変換すると共に降圧してAC100Vコンセント15から外部に出力する可搬式電力供給装置10の起動用電源確保構造を用いて説明したが、電力入力部を介して電気自動車から送電された電力をDC/AC変換すると共に降圧してAC100Vコンセント(電力出力部)から外部に出力する可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造であって、一端に電気自動車の充電コネクタに接続可能な接続プラグ(自動車側接続プラグ)が設けられ、他端に前記電力入力部に接続可能な接続部が設けられた電源ケーブルを備える可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造とすることも可能である。このような可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造であっても、上述した可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造と同様な作用効果を奏する。
【実施例2】
【0059】
本発明の第2の実施例に係る可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造について、図1および図3を参照して説明する。
「実施例2」として、上述した第1の実施例に係る可搬式電力供給装置の起動用電源確保構造の構成にて、可搬式電力供給装置10の内蔵バッテリ18からインターフェース19に電力供給し起動させる場合の起動制御フローを説明する。
まず、可搬式電力供給装置10を使用する者(使用者)が電気自動車50のイグニッションノブ(図示せず)のポジションがACC−OFFであるかを確認する。ポジションがACC−OFFである場合はそのままとし、ポジションがACC−ONである場合はイグニッションノブを回してそのポジションをACC−OFFに入れる(第101ステップS101)。
【0060】
続いて、電気自動車50の急速充電コネクタ53に電源ケーブル11の接続プラグ12を接続する(第102ステップS102)。
【0061】
続いて、キーレスオペレーションキー57における可搬式電力供給装置の起動スイッチをONにする(第103ステップS103)。これにより、キーレスオペレーションキー57は、キーレスオペレーションキー57の認証コードを含む起動信号を電気自動車50に無線発信する。キーレス電波受信機55は前記起動信号を受信し、当該起動信号をEV−ECU56に送信する。
【0062】
続いて、内蔵バッテリ18からインターフェース19へDC12Vの電力を供給し(第104ステップS104)、これにより、インターフェース19が起動する(第5ステップS105)。インターフェース19の起動(第105ステップS105)は、前述の「実施例1」におけるインターフェース19の起動(第8ステップS8)に対応し、以降の制御フローは「実施例1」(図2)と同様であり、その説明を省略する。
【0063】
以上説明したように、本「実施例2」に係る電力供給装置の起動用電源確保構造によれば、内蔵バッテリ18と、インターフェース19および接続プラグ12とをDC12V線25およびDC12V線26により電気的に接続し、内蔵バッテリ18の電力をインターフェース19および接続プラグ12に供給することにより、DC/ACインバータ14が動作可能となりつつ、接続プラグ12、急速充電コネクタ53、DC12V線63を介して急速充電コンタクタ52に電力が供給されて、急速充電コンタクタ52がEV駆動用バッテリ51と急速充電コネクタ53との閉回路を形成し、EV駆動用バッテリ51の電力を、急速充電コネクタ53を介して可搬式電力供給装置10へ送電することができる。このように、可搬式電力供給装置10を起動させるための電源を確保することができ、より確実に可搬式電力供給装置10を起動させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係る電力供給装置の起動用電源確保構造は、装置を動作させるための電源を確保し、より確実に起動させることができるため、自動車産業やアウトドアレジャー産業や防災産業などにおいて、極めて有益に利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 筐体
10 可搬式電力供給装置
11 第一電源ケーブル
12 接続プラグ
14 DC/ACインバータ
15 AC100Vコンセント
16 電圧計測器
17 内蔵充電器
18 内蔵バッテリ
19 インターフェース(可搬式電力供給装置用制御装置)
20 アラーム
21,22 DC330V線
23 AC100V線
24〜27 DC12V線
31〜34 信号線
41 第二電源ケーブル
42 ACCプラグ
43 ダイオード
44 接続箇所
50 電気自動車
51 電気自動車駆動用バッテリ(EV駆動用バッテリ)
52 急速充電コンタクタ
53 急速充電コネクタ
54 補機用バッテリ
55 キーレス電波受信機
56 電気自動車用制御装置(EV−ECU)
57 キーレスオペレーションキー
58 ACCソケット
61,62 DC330V線
63〜65 DC12V線
71〜73 信号線
74 電波信号
81 イグニッションポジションセンサ(IGポジションセンサ)
82 シフトセンサ
83 ブレーキセンサ
84 電圧計測器
91〜94 信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車の充電コネクタに接続可能な第一接続プラグが設けられた第一電源ケーブルを介して前記電気自動車から送電された電力をDC/AC変換すると共に降圧する電力変換部と、DC/AC変換および降圧された電力を外部に出力する電力出力部とを備えた電力供給装置の起動用電源確保構造であって、
前記電力供給装置に搭載され、電力が蓄電される内蔵バッテリと、
前記電力供給装置に設けられ、前記電力変換部の動作を制御する動作制御部と、
前記電気自動車に設けられ、前記電気自動車に搭載される駆動用バッテリの前記充電コネクタへの放電を制御する放電制御部と、を具備し、
前記内蔵バッテリと、前記動作制御部および前記第一接続プラグとを電気的に接続させ、前記内蔵バッテリの電力を前記動作制御部および前記第一接続プラグに供給することにより、前記電力変換部が動作可能となりつつ、前記第一接続プラグを介して前記放電制御部に電力が供給されて、前記電気自動車から前記電力供給装置への送電が可能となる
ことを特徴とする電力供給装置の起動用電源確保構造。
【請求項2】
請求項1に記載された電力供給装置の起動用電源確保構造であって、
前記電気自動車に搭載された補機用バッテリに蓄電される電力を車室内にて出力する車室内電力出力部に接続可能な第二接続プラグが設けられた第二電源ケーブルを具備し、
前記補機用バッテリと、前記動作制御部および前記第一接続プラグとを前記第二電源ケーブルを介して電気的に接続させ、
前記内蔵バッテリの電圧が前記補機用バッテリの電圧よりも高い場合は、前記内蔵バッテリの電力を前記動作制御部および前記第一接続プラグに供給し、前記内蔵バッテリの電圧が前記補機用バッテリの電圧よりも低い場合は、前記補機用バッテリの電力を前記動作制御部および前記第一接続プラグに供給する
ことを特徴とする電力供給装置の起動用電源確保構造。
【請求項3】
請求項2に記載された電力供給装置の起動用電源確保構造であって、
前記補機用バッテリと、前記内蔵バッテリとを前記第二電源ケーブルを介して電気的に接続させ、
前記内蔵バッテリは、前記第一電源ケーブルを介して前記駆動用バッテリの電力によって充電されるか、もしくは前記第二電源ケーブルを介して前記補機用バッテリの電力によって充電される
ことを特徴とする電力供給装置の起動用電源確保構造。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載された電力供給装置の起動用電源確保構造であって、
前記内蔵バッテリと、前記動作制御部および前記第一接続プラグとを電気的に接続させる電力線を具備し、
前記第二電源ケーブルは、前記電力線と電気的に接続されている
ことを特徴とする電力供給装置の起動用電源確保構造。
【請求項5】
請求項4に記載された電力供給装置の起動用電源確保構造であって、
前記電力線は、前記第一電源ケーブル内に収納される
ことを特徴とする電力供給装置の起動用電源確保構造。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載された電力供給装置の起動用電源確保構造であって、
前記第二電源ケーブルにダイオードを介在させ、
前記ダイオードは、前記第二電源ケーブルと前記電力線とが電気的に接続した接続箇所と、前記第二接続プラグとの間に配される
ことを特徴とする電力供給装置の起動用電源確保構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−74720(P2013−74720A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211927(P2011−211927)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】