説明

電力及び情報の伝送装置、システム、及び方法

【課題】 小型化・コンパクト化が必要な装置においても、磁界結合と電界結合間の干渉を最小限にし、電力の伝送と効率のよい情報伝送を行う装置、システム、及び方法を提供すること。
【解決手段】 通信電極部110の電極面を含む平面と電力送受中空コイル部100のコイル軸101とが略垂直に交わり、その電極面の一部が、コイル軸方向視で、電力送受中空コイル部100の中空部分と重ならず、かつ、電力送受中空コイル部100のコイル面と重なるように配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力と情報を非接触で同時に受け渡しを行う装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノート型パーソナルコンピュータ、非接触型ICカード、RFID(Radio Frequency Identification)など、非接触でワイヤレス情報通信を行う装置が普及している。また、コードレス電話や電動髭剃り器など、非接触でワイヤレス充電が可能な装置も普及してきている。そこで、このようなワイヤレス通信とワイヤレス充電を同時に行える装置が望まれるところである。
【0003】
このようにワイヤレス情報通信とワイヤレス充電を同時に行う方法として、電界結合と磁界結合を使用することが一般的であり、この方法により実現している先行技術として、特許文献1と特許文献2がある。
特許文献1には、本体装置と,本体装置に非接触にデータの受け渡しを行うICメモリカードよりなるICメモリカードシステムにおいて,本体装置は,電源電力をICメモリカードに供給する給電回路とICメモリカードに誘導起電力により電力供給するコイルAを備え,ICメモリカードは本体装置のコイルAと誘導的に結合して給電回路から供給される電力を受け取るコイルBとコイルBに接続される電源回路を備え,本体装置とICメモリカードは,誘導結合による手段と異なる手段、例えば、コンデンサを利用した静電結合により非接触結合してデータの受け渡しを行う非接触結合手段(請求項3及び図2)を備えた構成を開示している。
また、特許文献2にも、ほぼ同様な構成が開示されている(図1〜4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−187514
【特許文献2】特公平4−500896
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、最近は通信のより高速化、電源のより高容量化、充電の高速化に加え、装置のより小型化、コンパクト化が求められているが、特に、小型化・コンパクト化する装置においては、ワイヤレス充電を行うために発生させる磁界が、ワイヤレス情報通信を行うために発生させる電界に電磁干渉を与えることが問題となる。すなわち、磁界を発生させる例えばコイルと電界を発生させる例えば電極を近接させると、互いに干渉しあい、特に磁界が電界に与える干渉が大きく、情報通信の効率が低下し通信速度が低速になったり、電極で発熱するなどの問題がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、磁界結合と電界結合間の干渉を最小限にし、電力の伝送と効率のよい情報伝送を同時に行う装置、システム、及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、磁界結合により非接触で電力を送受する電力送受中空コイル部と、電界結合により非接触で通信を行う通信電極部と、を有し、前記通信電極部の電極面を含む平面と前記電力送受中空コイル部のコイル軸とが略垂直に交わり、前記電極面の一部が、コイル軸方向視で、前記電力送受中空コイル部の中空部分と重ならず、かつ、前記電力送受中空コイル部のコイル面と重なるように配置されることを特徴とする電力情報伝送装置が提供される。
なお、ここで言う略垂直とは、完全な垂直である必要はなく、非接触で電力と情報をやり取りするための磁界結合の磁界と電界結合の電界との間の干渉を無視しうる程度の垂直を意味する。
この構成によれば、磁界結合と電界結合間の干渉を最小限にし、電力の伝送と効率のよい情報伝送を同時に行う電力情報伝送装置を提供することが可能となる。
【0007】
また、前記通信電極部は、前記電力送受中空コイル部の前記中空部分の径以上の径を有する開口部を有し、前記中空部分の全体が、コイル軸方向視で、前記開口部と重なるように配置され、前記通信電極部は、前記開口部と前記通信電極部の外周とを結ぶ1または2以上のスリットを有することを特徴としてもよい。
この構成によれば、さらに、通信電極部において、交差する磁束による渦電流を発生しにくくし、発熱を最小化することができる。
【0008】
また、前記スリットは、さらに、前記開口部と前記通信電極部の外周との間に前記開口部を囲むようにしてなることを特徴としてもよい。
この構成によれば、伝送相手の電力情報伝送装置との位置合わせにおいて、ねじれの方向の位置合わせが不要となる。
【0009】
また、前記2以上のスリットを有する電力情報伝送装置において、前記スリットにより分割される通信電極部の一を基準電位とし、他を信号電位とすることを特徴としてもよい。
この構成によれば、電力情報伝送装置間の情報伝送の効率を上げることが可能となる。
【0010】
また、前期電力送受中空コイル部が、扁平コイルであることを特徴としてもよい。
この構成によれば、薄型の電力情報伝送装置が可能となる。
【0011】
また、本発明の別の観点によれば、上記に記載の電力情報伝送装置を用いた電力情報伝送システムであって、第一の電力情報伝送装置と第二の電力情報伝送装置のそれぞれの電力送受中空コイル部のコイル軸が略同一軸線上に配置され、前記第一の電力情報伝送装置と前記第二の電力情報伝送装置のそれぞれの通信電極部の電極面が互いに対向するように配置され、前記第一の電力情報伝送装置の前記電力送受中空コイル部は、前記第二の電力情報伝送装置の前記電力送受中空コイル部と磁界結合を行うために磁界を発生させ、前記第一の電力情報伝送装置の前記通信電極部または前記第二の電力情報伝送装置の前記通信電極部の一方は、他方の電力情報伝送装置の前記通信電極部と電界結合を行うために電界を発生させることを特徴とする電力情報伝送システムが提供される。
なお、ここで言う略同一軸線とは、完全な同一軸線である必要はなく、非接触で電力と情報をやり取りするための磁界結合の磁界と電界結合の電界との間の干渉を無視しうる程度の同一軸線を意味する。
この構成によれば、磁界結合と電界結合間の干渉を最小限にし、電力の伝送と効率のよい情報伝送を同時に行う電力情報伝送システムを提供することが可能となる。
【0012】
さらに、本発明の別の観点によれば、2つの電力情報伝送装置の間で非接触で、磁界結合により電力を送受し、かつ電界結合により通信を行う電力情報伝送方法であって、第一の前記電力情報伝送装置は、第二の前記電力情報伝送装置と磁界結合を行うために磁界を発生させ、前記第一の前記電力情報伝送装置または前記第二の前記電力情報伝送装置の一方は、他方の前記電力情報伝送装置と電界結合を行うために電界を発生させ、前記第一の前記電力情報伝送装置と前記第二の前記電力情報伝送装置との間の前記電界の電気力線が、前記第二の前記電力情報伝送装置と前記第二の前記電力情報伝送装置との間の前記磁界の磁束に重ならないことを特徴とする電力情報伝達方法が提供される。
この構成によれば、磁界結合と電界結合間の干渉を最小限にし、電力の伝送と効率のよい情報伝送を同時に行う電力情報伝送方法を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、小型化・コンパクト化が必要な装置においても、磁界結合と電界結合間の干渉を最小限にし、電力の伝送と効率のよい情報伝送を同時に行うことができる。
また、非接触で電力伝送及び通信を行うことができるため、2つの電力情報伝送装置の間に遮蔽物(皮膚などを含む)があっても効果が減じられることもない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態を示した基本構成図。
【図2】本発明の一実施形態における通信電極部と電力送受中空コイル部を示した構成図。
【図3】本発明の一実施形態における通信電極部を示した構造図。<図3A>開口部とスリットが一つの通信電極部。<図3B>開口部とスリットが二つの通信電極部。<図3C>開口部と、スリットが開口部を囲むようにある通信電極部。<図3D>開口部のない通信電極部。<図3E>開口部のみがある通信電極部。<図3F>スリットのみがある通信電極部。
【図4】本発明の一実施形態における効果を示す図。
【図5】本発明の一実施形態を示したシステムの模式図。
【図6】本発明の一実施形態である、ノート型パーソナルコンピュータに適用した場合の模式図。
【図7】本発明の一実施形態である、埋込型医療機器に適用した場合の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、図面を参照しながら、本発明の各実施形態に係る装置等について説明する。
<第1実施形態>
図1は、電力情報伝送システムについての本実施形態に係る基本的な構成を説明するものである。この電力情報伝送システム1は、2つの電力情報伝送装置10からなっている。ここでは、説明の便宜上、左の電力情報伝送装置10を送信側電力情報伝送装置11、右の電力情報伝送装置10を受信側電力情報伝送装置12とする。
【0016】
送信側電力情報伝送装置11は、電力送受中空コイル部100、通信電極部110、電源部120、変調器140、マイクロコンピュータ160を備えている。電源部120は交流電源からなり、電源部120と電力送受中空コイル部100は接続され、電力送受中空コイル部100は電源部120から電力を供給され、電力送受中空コイル部100には交流電流が流れる。通信電極部110、変調器140、及びマイクロコンピュータ160が直列に接続され、マイクロコンピュータ160が送信情報を生成し、その送信情報を変調器140が所定の変調方式により変調し、その変調された信号が通信電極部110に供給される。
【0017】
受信側電力情報伝送装置12は、電力送受中空コイル部100、通信電極部110、充電部130、復調器150、マイクロコンピュータ160、および機器(負荷)170を備えている。電力送受中空コイル部100と充電部130は接続され、後述するように、送信側電力情報伝送装置11の電力送受中空コイル部100との磁界結合により、電力送受中空コイル部100に発生した電力を充電部130に充電できる。機器170は、その充電部130に接続され、充電された電力を使用できる。通信電極部110、復調器150、及びマイクロコンピュータ160が直列に接続され、後述するように、送信側電力情報伝送装置11の通信電極部110との電界結合により通信電極部110で受信した信号情報は、復調器150で復調され、マイクロコンピュータ160に渡され、受信情報として使用され、情報通信が成立する。
【0018】
送信側電力情報伝送装置11の電力送受中空コイル部100は、受信側電力情報伝送装置12の電力送受中空コイル部100と磁界結合を行うために磁界を発生させるが、送信側電力情報伝送装置11の電力送受中空コイル部100と、受信側電力情報伝送装置12の電力送受中空コイル部100は、互いのコイル軸101がほぼ同一軸線上になるように配置される。これにより、効率のよい磁界結合が行われる。
【0019】
送信側電力情報伝送装置11の通信電極部110は、受信側電力情報伝送装置12の通信電極部110と電界結合を行うために電界を発生させるが、送信側電力情報伝送装置11の通信電極部110と、受信側電力情報伝送装置12の通信電極部110は、互いに対向して配置される。これにより、効率のよい電界結合が行われる。また、受信側電力情報伝送装置12から情報を送信する場合は、送信側電力情報伝送装置11からではなく、受信側電力情報伝送装置12の通信電極部110が、送信側電力情報伝送装置11の通信電極部110と電界結合を行うために電界を発生させる。これにより、双方向の情報通信が可能となる。なお、双方向の情報通信は、時分割方式や周波数分割方式などにより可能である。
【0020】
図2は、この電力情報伝送システム1における電力情報伝送装置10の電力送受中空コイル部100と通信電極部110の構成を説明するものである。通信電極部110の電極面111と電力送受中空コイル部100のコイル軸101は、コイル軸101が電極面111を含む平面にほぼ垂直である関係を有して配置される。換言すれば、電力送受中空コイル部100のコイル面103と通信電極部110の電極面111とが平行である関係を有して配置される。また、コイル軸方向から見た場合において、通信電極部110の一部分が、電力送受中空コイル部100の中空部分102と重ならないように配置される。これにより、電力送受中空コイル部100で生じる中空部分102での磁束が、通信電極部110に交差することがなくなるので、電力伝送に与える影響を抑えることができ、換言すれば、磁界結合と電界結合の干渉を最小限に抑えることができ、効率のよい電力転送と情報通信を行うことができ、また、通信電極部110での発熱などを防ぐことができる。また、コイル軸方向から見た場合において、通信電極部110の一部分が、電力送受中空コイル部100のコイル面103と重なるように配置される。好ましくは、図2に示すように、コイル軸方向から見た場合において、電力送受中空コイル部100の径と通信電極部110の径がほぼ一致しているとよい。電力送受中空コイル部100の外側の磁束が、通信電極部110に交差することがなくなるので、上記と同様な効果を得ることが可能となる。
【0021】
図3は、電力情報伝送装置10の通信電極部110の構造を説明するものである。図3Dに示すような開口部やスリットをまったく有さない通信電極部と図3Fに示すような開口部を有さない通信電極部は、電力送受中空コイル部100で生じる中空部分102での磁束が、通信電極部110に交差するので、電力伝送に与える影響が大きくなる。また、図3Eに示すようなスリットを有さない通信電極部は、上記磁束により渦電流が生じ、電力伝送に与える影響が大きくなるとともに、通信電極部に熱が発生する原因となる。
【0022】
図3A、3B、3Cは、かかる問題を解決した構造を示す。まず、すべてにおいて、通信電極部110は、電力送受中空コイル部100の中空部分102の径以上の径を有する開口部112を有し、かつ、図3Aでは、開口部112と外周113を結ぶ一つのスリット114を有する通信電極部110の構造を、図3Bでは、開口部112と外周113を結ぶ二つのスリット114を有する通信電極部110の構造を示す。通信電極部110がかかる構造を有することにより、上記問題を解決することができる。なお、2つの電力情報伝送装置10の間でアースを共通にすることができる場合は、基準電位を別に設ける必要がないので図3Aの構造を使用することができる。
【0023】
また、図3Cでは、電力送受中空コイル部100の中空部分102の径以上の径を有する開口部112を有するともに、開口部112と通信電極部110の外周113との間に、開口部112を囲むようにしてなるスリット114を有する通信電極部110を示す。好ましくは、開口部112を囲むスリット114と開口部112が同心円状にしてなるとよい。これにより、図3A、3Bに示す通信電極部110は、相手方の電力情報伝送装置10の通信電極部110と位置合わせをする際、ねじれの方向にも位置合わせが必要だが、この図3Cに示す通信電極部110は、それが不要となる。
【0024】
なお、スリット114が2つある場合、換言すれば、通信電極部110が2つの電極からなる場合、その電極の1つを基準電位、もう1つを信号電位とすることにより、情報伝送の効率をあげることができる。また、スリット114が3つ以上ある場合、その電極の1つを基準電位、その他の電極を複数の異なった信号電位とすることにより、情報伝送の効率をあげるとともに、複数の信号を同時に通信することができる。
【0025】
また、電力情報伝送装置10の電力送受中空コイル部100は、扁平コイルであってもよい。より薄い電力情報伝送装置10が可能となる。
【0026】
図4は、本実施形態における効果を説明するものである。同図では、外形40mm、内径15mm、巻数30回の電力送受中空コイル部100と、外形45mm、内径20mm、巻数30回の電力送受中空コイル部100を対向させ、図3Aに示す通信電極部110(外形40mm、内径20mm、スリット幅1mm)を1枚だけ挿入し、電力送受中空コイル部100と通信電極部110の間の間隔はそれぞれ1mmとし、間にABS樹脂製の板を挿入した場合の電力伝送特性を示す。
開口部112とスリット114の両方がない通信電極部110(図3D)や、開口部120はあるがスリット114がない通信電極部110(図3E)を使用する場合(図示せず)、2つの電力送受中空コイル部の間に通信電極部がないときに比べて、電力の伝送損失はおよそ24dBである。一方、開口部112とスリット114の両方がある通信電極部110(図3A、3B、3C)の場合は、その損失は3dB程度にまで低減させることができる。これは、開口部112を設けたことで、電力送受中空コイル部100の中空部分102を通る磁束が通信電極部110に遮られることがなくなり、また、スリット114を設けることによって通信電極部110に渦電流が流れないようになるためである。従って、開口部112とスリット114を設けることにより、伝送損失が20dB程度改善されることがわかる。
【0027】
<第2実施形態>
図5は、本実施形態を示したシステムの模式図である。本実施形態では、DAC220において、地上デジタル放送1チャンネル分(帯域幅約5.7MHz、情報量16.8MbpsのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重方式)信号)を0.3〜6MHzのベースバンド信号に変換した信号を用いて、LED240に電力を供給しながら、情報と電力の同時伝送を行った。なお、通信電極部110には、銅板コンデンサ270を設けることによりベースバンド信号が伝送され、受信された信号は、IQ変調器250により復調され、チューナ260に渡され、モニタ(図示せず)に地上デジタル放送の画像が映し出される。これによれば、電力伝送下で、地上デジタル放送のハイビジョン動画の伝送が可能となる。
【0028】
<第3実施形態>
図6は、本発明に係る電力情報伝送装置を、ノート型パーソナルコンピュータ200に対して適用した場合の模式図である。ノート型パーソナルコンピュータ200は受信側電力情報伝送装置12を、机210は送信側電力情報伝送装置11を有している。同図に示すように、本電力情報伝送装置は、非接触で電力と情報を同時に伝送できるため、机210の上の所定の位置にノート型パーソナルコンピュータを置くだけで、電力が供給され、情報のやり取りができるようになる。従来のように、電源ケーブルやネットワークケーブルを接続する必要がなく、人の動きが多いような場所でも、ケーブルが邪魔にならず、また、ケーブルにつまずくなどの事故も軽減できる。
【0029】
<第4実施形態>
図7は、本発明に係る電力情報伝送装置を、埋込型医療機器280に対して適用した場合の模式図である。埋込型医療機器280は、受信側電力情報伝送装置12を有している。同図に示すように、本電力情報伝送装置10は、非接触で電力を伝送できるため、体外に電極を露出することなく埋込型医療機器280を体内に設置することができ、使用者の身体への負担は少なくて済む。さらに、電力だけでなく、非接触で情報も伝送できるため、体内の機器に給電しながら情報をやり取りすることが可能になるので、血圧、脈拍などの情報を長期間記録したデータなどの受け渡しが可能となる。
使用者は、埋込型医療機器280に充電を行ったり、当機器から情報を取る場合には、当機器側の本受信側電力情報伝送装置12と、電源側の本送信側電力情報伝送装置11のコイル軸を合わせることにより、給電と情報収集が可能となる。
【符号の説明】
【0030】
1 電力情報伝送システム
10 電力情報伝送装置
11 電力情報伝送装置(送信側)
12 電力情報伝送装置(受信側)
100 電力送受中空コイル部
101 コイル軸
102 中空部分
103 コイル面
110 通信電極部
111 電極面
112 開口部
113 外周
114 スリット
120 電源部
130 充電部
140 変調器
150 復調器
160 マイクロコンピュータ
170 機器(負荷)
200 ノート型パーソナルコンピュータ
210 机
220 デジタル・アナログ・コンバータ(DAC)
230 ファンクションジェネレータ
240 LED
250 IQ変調器
260 チューナ
270 銅板コンデンサ
280 埋込型医療機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁界結合により非接触で電力を送受する電力送受中空コイル部と、
電界結合により非接触で通信を行う通信電極部と、を有し、
前記通信電極部の電極面を含む平面と前記電力送受中空コイル部のコイル軸とが略垂直に交わり、
前記電極面の一部が、コイル軸方向視で、前記電力送受中空コイル部の中空部分と重ならず、かつ、前記電力送受中空コイル部のコイル面と重なるように配置されることを特徴とする電力情報伝送装置。
【請求項2】
前記通信電極部は、前記電力送受中空コイル部の前記中空部分の径以上の径を有する開口部を有し、
前記中空部分の全体が、コイル軸方向視で、前記開口部と重なるように配置され、
前記通信電極部は、前記開口部と前記通信電極部の外周とを結ぶ1または2以上のスリットを有することを特徴とする請求項1に記載の電力情報伝送装置。
【請求項3】
前記スリットは、さらに、前記開口部と前記通信電極部の外周との間に前記開口部を囲むようにしてなることを特徴とする請求項2に記載の電力情報伝送装置。
【請求項4】
前記2以上のスリットを有する請求項2または3に記載の電力情報伝送装置において、前記スリットにより分割される通信電極部の一を基準電位とし、他を信号電位とすることを特徴とする請求項2または3に記載の電力情報伝送装置。
【請求項5】
前期電力送受中空コイル部が、扁平コイルであることを特徴とする請求項1に記載の電力情報伝送装置。
【請求項6】
請求項1〜5いずれかに記載の電力情報伝送装置を用いた電力情報伝送システムであって、
第一の電力情報伝送装置と第二の電力情報伝送装置のそれぞれの電力送受中空コイル部のコイル軸が略同一軸線上に配置され、
前記第一の電力情報伝送装置と前記第二の電力情報伝送装置のそれぞれの通信電極部の電極面が互いに対向するように配置され、
前記第一の電力情報伝送装置の前記電力送受中空コイル部は、前記第二の電力情報伝送装置の前記電力送受中空コイル部と磁界結合を行うために磁界を発生させ、
前記第一の電力情報伝送装置の前記通信電極部または前記第二の電力情報伝送装置の前記通信電極部の一方は、他方の電力情報伝送装置の前記通信電極部と電界結合を行うために電界を発生させることを特徴とする電力情報伝送システム。
【請求項7】
2つの電力情報伝送装置の間で非接触で、磁界結合により電力を送受し、かつ電界結合により通信を行う電力情報伝送方法であって、
第一の前記電力情報伝送装置は、第二の前記電力情報伝送装置と磁界結合を行うために磁界を発生させ、
前記第一の前記電力情報伝送装置または前記第二の前記電力情報伝送装置の一方は、他方の前記電力情報伝送装置と電界結合を行うために電界を発生させ、
前記第一の前記電力情報伝送装置と前記第二の前記電力情報伝送装置との間の前記電界の電気力線が、前記第二の前記電力情報伝送装置と前記第二の前記電力情報伝送装置との間の前記磁界の磁束に重ならないことを特徴とする電力情報伝達方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−253398(P2012−253398A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225278(P2009−225278)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(504133110)国立大学法人電気通信大学 (383)
【Fターム(参考)】