電力変換装置
【課題】筐体内に収納されているユニット同士の電気的接続作業の効率化を図ることができるとともに、筐体内のユニットを収納するスペースを十分に確保することができる電力変換装置を提供する。
【解決手段】筐体内に、電力変換を行う複数のユニットが多段に収納されている。第1ユニット32の下部から下方に向けて第1接続端子54が突出し、第1ユニットに対して下部に隣接して筐体に収納されている第2ユニット33の上部から上方に向けて第2接続端子62が突出し、これら第1接続端子54及び第2接続端子62が、直接に電気的接続されている。そして、第1接続端子54及び第2接続端子62の接続位置は、筐体の着脱自在なカバーで閉塞された前面側の開口部近くである。
【解決手段】筐体内に、電力変換を行う複数のユニットが多段に収納されている。第1ユニット32の下部から下方に向けて第1接続端子54が突出し、第1ユニットに対して下部に隣接して筐体に収納されている第2ユニット33の上部から上方に向けて第2接続端子62が突出し、これら第1接続端子54及び第2接続端子62が、直接に電気的接続されている。そして、第1接続端子54及び第2接続端子62の接続位置は、筐体の着脱自在なカバーで閉塞された前面側の開口部近くである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内に複数のユニットを上下に多段に収納した電力変換装置に係り、特に、ユニット間の電気的接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
プラントの計測設備やコンピュータなどに安定した電源供給を行う電力変換装置として無停電電源装置が知られている。無停電電源装置は、通常、筐体内に複数の制御部品がユニット化された状態で収納されている。
例えば特許文献1の装置は、筐体内に、制御部品を機能別に搭載した複数のユニットが上下に多段に収納されている。
【0003】
この特許文献1〜3の装置は、各ユニットの後部(背面)に、電源側及び負荷側とユニットを接続する配線や各ユニット間を接続する配線が設けられている。また、各ユニットは、筐体内からそれぞれ引き出し自在に収納されており、各ユニットの保守・点検作業を行う場合は、各ユニットを筐体の前面に引き出して行うようにしている。
【特許文献1】特開平6−86567号公報
【特許文献2】特開2007−74865号公報
【特許文献3】特開2007−174851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の装置は、ユニット同士の結線作業を、筐体の背面側で行う、或いは、各ユニットを筐体の前面に引き出して前面側で行わなければならず、ユニット同士の結線作業の効率化の面で問題がある。
また、筐体の背面側に多くの配線が存在しており、配線量が増大することで筐体内のユニットを収納するスペースが小さいという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、筐体内に収納されているユニット同士の電気的接続作業の効率化を図ることができるとともに、筐体内のユニットを収納するスペースを十分に確保することができる電力変換装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電力変換装置は、筐体内に、電力変換を行う複数のユニットが多段に収納された電力変換装置において、第1ユニットの下部から下方に向けて第1接続端子が突出し、前記第1ユニットに対して下部に隣接して収納した第2ユニットの上部から上方に向けて第2接続端子が突出し、これら第1接続端子及び第2接続端子が、直接に電気的接続されているとともに、前記第1接続端子及び前記第2接続端子の接続位置は、前記筐体の着脱自在なカバーで閉塞された開口部の近くである。
【0007】
この発明によると、複数のユニットのうち第1及び第2ユニットが直接に電気的接続されているので、筐体内の配線量が減少して筐体内が広いスペースとなる。このため、筐体内に確保したスペースを、ユニットを収納するために有効に利用することができる。
また、第1接続端子及び前記第2接続端子の接続位置は、前記筐体の着脱自在なカバーで閉塞された開口部の近くなので、カバーを取り外すだけで、第1ユニット及び第2ユニットの電気的接続作業を行うことができる。
【0008】
また、本発明に係る電力変換装置は、前記開口部は、前記筐体の前面に設けられており、前記第1接続端子及び前記第2接続端子は、前記開口部近くの前記第1ユニット及び前記第2ユニットの前面側に設けられているようにしてもよい。
この発明によると、カバーを取り外すと、筐体の前面側に第1ユニットの第1接続端子及び第2ユニットの第2接続端子が位置するので、筐体の前面側の広い作業空間で、第1ユニット及び第2ユニットの電気的接続作業を行うことができる。
【0009】
また、本発明に係る電力変換装置は、前記第1接続端子が、前記第1ユニットの下部に配置した銅バーで形成された端子であり、前記第2接続端子が、前記第2ユニットの上部に配置した銅バーで形成された端子であってもよい。
この発明によると、第1接続端子を構成する銅バーの端子及び第2接続端子を構成する銅バーの端子が互いに当接するので、電気的な接続作業を容易に行うことができる。
【0010】
また、本発明に係る電力変換装置は、前記第1接続端子が、前記第1ユニット内の制御部品に接続し、当該第1ユニットの下部を通過して下方に突出した配線の配線端子であり、前記第2接続端子が、前記第2ユニットの上部に配置した銅バーで形成された端子であってもよい。
この発明によると、第1ユニットの下部から突出する配線端子を微少に移動させて、第2ユニットの上部から突出する銅バーの端子に対応させることができるので、電気的な接続作業を容易に行うことができる。
【0011】
さらに、本発明に係る電力変換装置は、前記複数のユニットが、前記筐体の前面に設けた前記開口部に向けて引き出し自在に、前記筐体に収納されているようにしてもよい。
この発明によると、複数のユニットの保守・点検作業も容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電力変換装置によると、複数のユニットのうち上下に隣接して収納した第1及び第2ユニットが、第1接続端子及び第2接続端子を介して直接に電気的接続されているので、筐体内の配線量が減少して筐体内が広いスペースとなる。したがって、筐体内に確保したスペースを、ユニットを収納するために有効に利用することができる。
また、第1接続端子及び第2接続端子の接続位置は、筐体の着脱自在なカバーで閉塞された開口部の近くなので、カバーを取り外すだけで、第1ユニット及び第2ユニットの電気的接続作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明に係る無停電電源装置を前面側及び背面側から示した斜視図、図2は無停電電源装置の前面カバーを外し、前面扉を開けて筐体内部を示した図、図3は無停電電源装置内の結線図、図4は筐体に複数のユニットが多段に配置されている状態を示す図、図5は第1実施形態の第1リアクトルユニットを示す斜視図、図6は第1実施形態の第1リアクトルユニットを正面から示した図、図7は図6のA−A線矢視図、図8は第1電力変換ユニットを示す斜視図、図9は第1変換ユニットを正面から示した図、図10は第1リアクトルユニット及び第1電力変換ユニットの電気的な接続構造を示す図、図11は第1リアクトルユニット及び第1電力変換ユニットの電気的な接続構造を詳細に示した図である。
【0014】
(無停電電源装置の構成)
図1(a)、(b)に示すように、本発明に係る無停電電源装置は、筐体20の前面開ロ部を前面カバー21及び開閉扉22が覆い、筐体20の側面開ロ部を側面カバー23が覆い、筐体20の背面開口部を背面カバー24が覆い、筐体20の上部開ロ部を天面カバー25が覆っている。
【0015】
前面カバー21及び開閉扉22の最下部から上部側の領域には、空気を筐体20内部に吸い込む吸気スリット26が形成されている。背面カバー24にも、筐体20内部の空気を外部に排出する排気スリット27が形成されている。また、天面カバー25にも、筐体20内部の空気を外部に排出する排気スリット28が形成されているとともに、主回路線及び信号線等の外線引込スペースが形成されている。
【0016】
図2に示すように、筐体20には、内部を左右の空間に仕切る隔壁29が配置されており、左右の空間に2組の無停電電源部UPS1,UPS2が収納されている。2組の無停電電源部UPS1,UPS2は、同一構造のユニットで筐体20内に収納されているので、一方の無停電電源部UPS1のみの説明を行なう。また、本実施形態では、一例として2組の無停電電源部UPS1,UPS2を並列に接続する場合を示しているが、2組以上の無停電電源部をN組並列接続することも可能である。
【0017】
無停電電源部UPS1は、ターミナルユニット30、MC(マグネットコンタクタ)ユニット31、第1リアクトルユニット32、第1電力変換ユニット33、第2リアクトルユニット34及び第2電力変換ユニット35からなる複数のユニットが筐体20内の上下方向に多段に配置されている。
第1リアクトルユニット32は、図3に示すように、3相分の交流リアクトル32a,及び直流リアクトル32b,32cを備えた装置であり、商用電源から入力した交流電流の高周波成分を抑制する装置である。
【0018】
第1電力変換ユニット33は、IGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)などのパワー半導体素子、パワー半導体素子冷却体、電解コンデンサ等を備えた装置であり、商用電源から第1リアクトルユニット32を介して入力した商用電力を交流から直流に変換するコンバータ装置である。
第2電力変換ユニット35も、IGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)などのパワー半導体素子、パワー半導体素子冷却体、電解コンデンサ等を備えた装置であり、第1電力変換ユニット33から入力した直流の電力、或いは本装置に並設された蓄電池36(図3参照)から入力した直流の電力を交流に変換するインバータ装置である。
【0019】
第2リアクトルユニット34は、図3に示すように、3相分の交流リアクトル34a,N相分の交流リアクトル34b,34cを備えた装置であり、第2電力変換ユニット35から出力された交流電流の高周波成分を抑制する装置である。
MCユニット31は、図3に示すように、複数の電磁接触器38a〜38d、複数のリアクトル41a〜41c、主制御部、保護用ヒューズ、制御信号用インターフェース回路等を備えた装置であり、電磁接触器38a〜38dのON・OFF制御により、負荷に安定した交流電力を供給する装置である。
【0020】
また、ターミナルユニット30は、交流入力A相、B相、C相、直送入力Ac相、Bc相及びCc相、中性相Nの商用電源側端子と、蓄電池36接続用の+相端子及び−相端子と、交流出力a相端子、b相端子、c相端子と、中性相N端子を備えている。
【0021】
図4に示すように、筐体20の側面カバー23及び隔壁29には、前面カバー21側(或いは開閉扉22側)及び背面カバー24側に延在する支持案内レール37a〜37fが設けられている。上部に配置した支持案内レール37a,37bは、ターミナルユニット30及びMCユニット31を下側から支持している。また、上下方向の中央部及び下部に配置されている支持案内レール37c〜37fは、第1リアクトルユニット32、第1電力変換ユニット33、第2リアクトルユニット34及び第2電力変換ユニット35を下側から支持している。そして、各ユニットと筐体20の枠体(不図示)とを固定するビス等の固定手段(不図示)を取り外すことで、ターミナルユニット30、MCユニット31、第1リアクトルユニット32、第1電力変換ユニット33、第2リアクトルユニット34及び第2電力変換ユニット35は、支持案内レール37a〜37f上を摺動して前面側に引き出し可能とされている。
【0022】
また、図4に示すように、第1リアクトルユニット32、第1電力変換ユニット33、第2リアクトルユニット34及び第2電力変換ユニット35の前面側には冷却ファンユニット43〜46が内蔵されている。これら冷却ファンユニット43〜46は、前面カバー21、開閉扉22の吸気スリット26から外気を取り込んで各ユニット内を冷却するようになっている。そして、各ユニット内を通過した空気は、背面カバー24の排気スリット27から外部に排出されるようになっている。
【0023】
(第1実施形態の第1リアクトルユニットの構造)
図5に示すように、第1実施形態の第1リアクトルユニット32は、上部が開口した箱形状のケース32dの前面側に冷却ファンユニット43が装着され、ケース32dの底面に、交流リアクトル32a1,32a2,32a3,及び直流リアクトル32b、32cが設置されている。ここで、交流リアクトル32a1,32a2,32a3は、図3で示した交流リアクトル32aを具体的に示し、三相四線式商用電源の三相(A,B,C)の入力端子にそれぞれ接続するものである。
【0024】
ここで、図6及び図7に示すように、ケース32dの底板32d1の冷却ファンユニット43に近接する位置には、交流リアクトル32a1,32a2,32a3,及び直流リアクトル32bの出力側配線と第1電力変換ユニット33の端子とを電気的に接続する複数のリアクトル側銅バー47〜50が外部に突出して設けられている。
リアクトル側銅バー47〜50は、図7に示すように、ケース32dの底板32d1の外面に絶縁板51を介して固定されている固定部52と、この固定部52の一端から折曲されて底板32d1を貫通し、ケース32d内に突出しているリアクトル側端子53と、固定部52の他端から折曲されて底板32d1から離間する方向に突出している出力端子54とで構成されている。
【0025】
各リアクトル側銅バー47〜50のリアクトル側端子53及び出力端子54には、端子固定用ねじ55が挿通するねじ穴53a,54aが形成されている。また、出力端子54の背面を向く面には、端子固定用ねじ55が螺合するナット54bが圧入等により固定されている。
そして、リアクトル側銅バー47〜50の各リアクトル側端子53には、交流リアクトル32a1,32a2,32a3の出力端子が端子固定用ねじ55を介して固定され、他のリアクトル側銅バー50のリアクトル側端子53には、直流リアクトル32bの出力端子が端子固定用ねじ55を介して固定されている。
【0026】
(第1電力変換ユニットの構造)
図8に示すように、第1電力変換ユニット33は、上部が開口した箱形状のケース33dの前面側に冷却ファンユニット44が装着され、ケース33d内には、IGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)などのパワー半導体素子部33a、パワー半導体素子部33aを制御するゲートドライブユニット33bが配置されているとともに、パワー半導体素子部33aを冷却する冷却体(不図示)、電解コンデンサ(不図示)等も備えている。
【0027】
ここで、図8及び図9に示すように、第1電力変換ユニット33の上部の冷却ファンユニット44に近接する位置には、第1リアクトルユニット32のリアクトル側銅バー47〜50と電気的に接続する電力変換側銅バー56〜59が上方に突出して設けられている。
電力変換側銅バー56〜59は、図11に示すように、パワー半導体素子部33aと電気的に接続されて碍子60上に配置されている固定部61と、この固定部61に対して直角に折曲された入力端子62とを備えており、入力端子62には端子固定用ねじ55が挿通するねじ穴62aが形成されている。
【0028】
そして、筐体20内に第1電力変換ユニット33を収納する際には、この第1電力変換ユニット33の上部から突出している電力変換側銅バー56〜59の入力端子62が、筐体20内に先に収納されている第1リアクトルユニット32の下面から突出しているリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54に対して、筐体20の前面側から夫々対向している。
【0029】
(第1リアクトルユニット及び第1電力変換ユニットの電気的接続構造)
次に、筐体20内に収納された第1リアクトルユニット32及び第1電力変換ユニット33を電気的に接続する手順について、図10及び図11を参照して説明する。
先ず、前面カバー21を取り外した(或いは、開閉扉22を開けた)筐体20の前面側から、第1リアクトルユニット32を支持案内レール37cに支持された状態で筐体20内に収納する。次いで、図10に示すように、筐体20の前面側から、第1電力変換ユニット33を支持案内レール37dに支持された状態で筐体20内に収納していく。
【0030】
この際、図11に示すように、第1電力変換ユニット33の電力変換側銅バー56〜59の入力端子62が、既に収納されている第1リアクトルユニット32のリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54に前面側から当接する。そして、互いに対応する電力変換側銅バー56〜59の入力端子62及びリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54のねじ穴62a,54aに端子固定用ねじ55を挿入し、出力端子54に固定されているナット54bに螺合する。これにより、電力変換側銅バー56〜59の入力端子62及びリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54が電気的に接続される。
【0031】
(第1実施形態の作用効果)
次に、本実施形態の作用効果について述べる。
本実施形態の第1リアクトルユニット32は、複数のリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54がユニット下方に突出しており、この第1リアクトルユニット32の下段に収納された第1電力変換ユニット33は、複数の電力変換側銅バー56〜59の入力端子62がユニット上部に突出して設けられており、出力端子54及び入力端子62は端子固定用ねじ55を介して直接に電気的接続されるので、筐体20内の配線量が減少して筐体20内が広いスペースとなるので、各ユニットを収納するために有効に利用することができる。
【0032】
また、筐体20の前面側にリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54及び電力変換側銅バー56〜59の入力端子62が位置しているので、前面カバー21を取り外し、開閉扉22を開けて筐体20の前面側において、第1リアクトルユニット32及び第1電力変換ユニット33の間の結線作業を容易に行なうことができる。
また、筐体20内に先に収納されている第1リアクトルユニット32に対して、支持案内レール37dに支持された第1電力変換ユニット33を筐体20の背面側に向けて収納していくだけで、複数の電力変換側銅バー56〜59の入力端子62に対してリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54が接続可能に対応するので、さらに結線作業の簡便化を図ることができる。
【0033】
なお、第2リアクトルユニット34も、第1リアクトルユニット32と同一構造のユニット下部から下方に突出する複数のリアクトル側銅バーが設けられており、第2電力変換ユニット35も、第1電力変換ユニット33と同一構造のユニット上部から上方に突出する複数の電力変換側銅バーが設けられている。したがって、第2リアクトルユニット34及び第2電力変換ユニット35も、前述した第1リアクトルユニット32及び第1電力変換ユニット33の電気的接続と同様の手順を行なうので、上述した作用効果を奏することができる。
【0034】
(第2実施形態の第1リアクトルユニットの構造)
次に、図12及び図13に示すものは、本発明に係る第2実施形態の第1リアクトルユニット65を示すものであり、図14及び図15は、第2実施形態の第1リアクトルユニットと第1電力変換ユニット33との電気的接続構造を示すものである。なお、図5から図7に示した第1実施形態の第1リアクトルユニット32と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】
図12に示すように、本実施形態の第1リアクトルユニット65は、トレイ形状のケース65dの前面側に冷却ファンユニット43が装着され、ケース65d上に、交流リアクトル32a1,32a2,32a3,及び直流リアクトル32b、32cが設置されている。
図13に示すように、ケース65dの冷却ファンユニット43に近接する位置には、上下方向に貫通する複数の配線通過穴66〜69が形成されている。これら配線通過穴66〜69に、交流リアクトル32a1,32a2,32a3,及び直流リアクトル32bのリアクトル配線70〜73を上部から通過させることで、各リアクトル配線70〜73の出力端子74がケース65dの下方に突出している。
【0036】
本実施形態の第1リアクトルユニット65及び第1電力変換ユニット33を電気的に接続するには、先ず、第1電力変換ユニット33を収納した後に、第1リアクトルユニット65を収納する。そして、図14に示すように、第1リアクトルユニット65のケース65dから下方に突出しているリアクトル配線70〜73の出力端子74を、第1電力変換ユニット33の電力変換側銅バー56〜59の入力端子62に対応させる。
【0037】
そして、図15に示すように、リアクトル配線72の出力端子74のねじ穴と電力変換側銅バー58の入力端子62のねじ穴62aとを対応し、図示しないが他のリアクトル配線70、71、73の出力端子74のねじ穴と電力変換側銅バー56、57、59の入力端子62のねじ穴62aもそれぞれ対応させる。そして、それらのねじ穴に挿入した端子固定用ねじ55をナット75に螺合することにより、交流入力用リアクトル32a1,32a2,32a3,32bのリアクトル配線70〜73及び電力変換側銅バー56〜59の入力端子62が電気的に接続される。
【0038】
(第2実施形態の作用効果)
次に、本実施形態の作用効果について述べる。
本実施形態の第1リアクトルユニット65は、複数のリアクトル配線70〜73の出力端子74がユニット下方に突出しており、この第1リアクトルユニット65の下段に収納された第1電力変換ユニット33は、複数の電力変換側銅バー56〜59の入力端子62がユニット上部に突出して設けられており、出力端子74及び入力端子62は端子固定用ねじ55を介して直接に電気的接続されるので、筐体20内の配線量が減少して筐体20内が広いスペースとなるので、各ユニットを収納するために有効に利用することができる。
【0039】
また、筐体20の前面側に第1リアクトルユニット65の複数のリアクトル配線70〜73の出力端子74及び電力変換側銅バー56〜59の入力端子62が位置しているので、前面カバー21を取り外し、開閉扉22を開けて筐体20の前面側で容易に結線作業を行なうことができる。
なお、第2リアクトルユニット34も、本実施形態の第1リアクトルユニット65と同一構造とすると、前述した第1リアクトルユニット65及び第1電力変換ユニット33の電気的接続構造と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】無停電電源装置を前面側及び背面側から示した斜視図である。
【図2】無停電電源装置の前面カバーを外し、前面扉を開けて筐体内部を示した図である。
【図3】無停電電源装置内の結線図である。
【図4】筐体に複数のユニットが多段に配置されている状態を示す図である。
【図5】本発明に係るユニットである第1実施形態の第1リアクトルユニットを示す斜視図である。
【図6】第1実施形態の第1リアクトルユニットを正面から示した図である。
【図7】図6のA−A線矢視図である。
【図8】本発明に係るユニットである第1電力変換ユニットを示す斜視図である。
【図9】第1変換ユニットを正面から示した図である。
【図10】第1リアクトルユニット及び第1電力変換ユニットの電気的な接続構造を示す図である。
【図11】第1リアクトルユニット及び第1電力変換ユニットの電気的な接続構造を詳細に示した図である。
【図12】本発明に係る第2実施形態の第1リアクトルユニットを示す斜視図である。
【図13】第2実施形態の第1リアクトルユニットを示す平面図である。
【図14】第2実施形態の第1リアクトルユニットと第1電力変換ユニットとの電気的接続構造を示す図である。
【図15】第2実施形態の第1リアクトルユニットと第1電力変換ユニットとの電気的接続構造を詳細に示した図である。
【符号の説明】
【0041】
20…筐体、21…前面カバー(カバー)、22…開閉扉(カバー)、23…側面カバー、24…背面カバー、25…天面カバー、26…吸気スリット、27…排気スリット、28…排気スリット、29…隔壁、30…ターミナルユニット、31…MCユニット、32…第1リアクトルユニット(第1ユニット)、32a…交流リアクトル、32b,32c…直流リアクトル、32a1〜32a3…交流リアクトル、32d…ケース、32d1…底板、33…第1電力変換ユニット(第2ユニット)、33a…パワー半導体素子部、33b…ゲートドライブユニット、33d…ケース、34…第2リアクトルユニット、34a〜34c…交流リアクトル、35…第2電力変換ユニット、36…蓄電池、UPS1,UPS2…無停電電源部、37a〜37f…支持案内レール、38a〜38d…電磁接触器、41a〜41c…リアクトル、43〜46…冷却ファンユニット、47〜50…リアクトル側銅バー、51…絶縁板、52…固定部、53…リアクトル側端子、53a,54a…ねじ穴、54…出力端子(第1接続端子)、54b…ナット、55…端子固定用ねじ、56〜59…電力変換側銅バー、60…碍子、61…固定部、62…入力端子(第2接続端子)、62a…ねじ穴、65…第1リアクトルユニット(第1ユニット)、65d…ケース、66〜69…配線通過穴、70〜73…リアクトル配線(配線)、74…出力端子(配線端子)、75…ナット
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内に複数のユニットを上下に多段に収納した電力変換装置に係り、特に、ユニット間の電気的接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
プラントの計測設備やコンピュータなどに安定した電源供給を行う電力変換装置として無停電電源装置が知られている。無停電電源装置は、通常、筐体内に複数の制御部品がユニット化された状態で収納されている。
例えば特許文献1の装置は、筐体内に、制御部品を機能別に搭載した複数のユニットが上下に多段に収納されている。
【0003】
この特許文献1〜3の装置は、各ユニットの後部(背面)に、電源側及び負荷側とユニットを接続する配線や各ユニット間を接続する配線が設けられている。また、各ユニットは、筐体内からそれぞれ引き出し自在に収納されており、各ユニットの保守・点検作業を行う場合は、各ユニットを筐体の前面に引き出して行うようにしている。
【特許文献1】特開平6−86567号公報
【特許文献2】特開2007−74865号公報
【特許文献3】特開2007−174851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の装置は、ユニット同士の結線作業を、筐体の背面側で行う、或いは、各ユニットを筐体の前面に引き出して前面側で行わなければならず、ユニット同士の結線作業の効率化の面で問題がある。
また、筐体の背面側に多くの配線が存在しており、配線量が増大することで筐体内のユニットを収納するスペースが小さいという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、筐体内に収納されているユニット同士の電気的接続作業の効率化を図ることができるとともに、筐体内のユニットを収納するスペースを十分に確保することができる電力変換装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電力変換装置は、筐体内に、電力変換を行う複数のユニットが多段に収納された電力変換装置において、第1ユニットの下部から下方に向けて第1接続端子が突出し、前記第1ユニットに対して下部に隣接して収納した第2ユニットの上部から上方に向けて第2接続端子が突出し、これら第1接続端子及び第2接続端子が、直接に電気的接続されているとともに、前記第1接続端子及び前記第2接続端子の接続位置は、前記筐体の着脱自在なカバーで閉塞された開口部の近くである。
【0007】
この発明によると、複数のユニットのうち第1及び第2ユニットが直接に電気的接続されているので、筐体内の配線量が減少して筐体内が広いスペースとなる。このため、筐体内に確保したスペースを、ユニットを収納するために有効に利用することができる。
また、第1接続端子及び前記第2接続端子の接続位置は、前記筐体の着脱自在なカバーで閉塞された開口部の近くなので、カバーを取り外すだけで、第1ユニット及び第2ユニットの電気的接続作業を行うことができる。
【0008】
また、本発明に係る電力変換装置は、前記開口部は、前記筐体の前面に設けられており、前記第1接続端子及び前記第2接続端子は、前記開口部近くの前記第1ユニット及び前記第2ユニットの前面側に設けられているようにしてもよい。
この発明によると、カバーを取り外すと、筐体の前面側に第1ユニットの第1接続端子及び第2ユニットの第2接続端子が位置するので、筐体の前面側の広い作業空間で、第1ユニット及び第2ユニットの電気的接続作業を行うことができる。
【0009】
また、本発明に係る電力変換装置は、前記第1接続端子が、前記第1ユニットの下部に配置した銅バーで形成された端子であり、前記第2接続端子が、前記第2ユニットの上部に配置した銅バーで形成された端子であってもよい。
この発明によると、第1接続端子を構成する銅バーの端子及び第2接続端子を構成する銅バーの端子が互いに当接するので、電気的な接続作業を容易に行うことができる。
【0010】
また、本発明に係る電力変換装置は、前記第1接続端子が、前記第1ユニット内の制御部品に接続し、当該第1ユニットの下部を通過して下方に突出した配線の配線端子であり、前記第2接続端子が、前記第2ユニットの上部に配置した銅バーで形成された端子であってもよい。
この発明によると、第1ユニットの下部から突出する配線端子を微少に移動させて、第2ユニットの上部から突出する銅バーの端子に対応させることができるので、電気的な接続作業を容易に行うことができる。
【0011】
さらに、本発明に係る電力変換装置は、前記複数のユニットが、前記筐体の前面に設けた前記開口部に向けて引き出し自在に、前記筐体に収納されているようにしてもよい。
この発明によると、複数のユニットの保守・点検作業も容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電力変換装置によると、複数のユニットのうち上下に隣接して収納した第1及び第2ユニットが、第1接続端子及び第2接続端子を介して直接に電気的接続されているので、筐体内の配線量が減少して筐体内が広いスペースとなる。したがって、筐体内に確保したスペースを、ユニットを収納するために有効に利用することができる。
また、第1接続端子及び第2接続端子の接続位置は、筐体の着脱自在なカバーで閉塞された開口部の近くなので、カバーを取り外すだけで、第1ユニット及び第2ユニットの電気的接続作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明に係る無停電電源装置を前面側及び背面側から示した斜視図、図2は無停電電源装置の前面カバーを外し、前面扉を開けて筐体内部を示した図、図3は無停電電源装置内の結線図、図4は筐体に複数のユニットが多段に配置されている状態を示す図、図5は第1実施形態の第1リアクトルユニットを示す斜視図、図6は第1実施形態の第1リアクトルユニットを正面から示した図、図7は図6のA−A線矢視図、図8は第1電力変換ユニットを示す斜視図、図9は第1変換ユニットを正面から示した図、図10は第1リアクトルユニット及び第1電力変換ユニットの電気的な接続構造を示す図、図11は第1リアクトルユニット及び第1電力変換ユニットの電気的な接続構造を詳細に示した図である。
【0014】
(無停電電源装置の構成)
図1(a)、(b)に示すように、本発明に係る無停電電源装置は、筐体20の前面開ロ部を前面カバー21及び開閉扉22が覆い、筐体20の側面開ロ部を側面カバー23が覆い、筐体20の背面開口部を背面カバー24が覆い、筐体20の上部開ロ部を天面カバー25が覆っている。
【0015】
前面カバー21及び開閉扉22の最下部から上部側の領域には、空気を筐体20内部に吸い込む吸気スリット26が形成されている。背面カバー24にも、筐体20内部の空気を外部に排出する排気スリット27が形成されている。また、天面カバー25にも、筐体20内部の空気を外部に排出する排気スリット28が形成されているとともに、主回路線及び信号線等の外線引込スペースが形成されている。
【0016】
図2に示すように、筐体20には、内部を左右の空間に仕切る隔壁29が配置されており、左右の空間に2組の無停電電源部UPS1,UPS2が収納されている。2組の無停電電源部UPS1,UPS2は、同一構造のユニットで筐体20内に収納されているので、一方の無停電電源部UPS1のみの説明を行なう。また、本実施形態では、一例として2組の無停電電源部UPS1,UPS2を並列に接続する場合を示しているが、2組以上の無停電電源部をN組並列接続することも可能である。
【0017】
無停電電源部UPS1は、ターミナルユニット30、MC(マグネットコンタクタ)ユニット31、第1リアクトルユニット32、第1電力変換ユニット33、第2リアクトルユニット34及び第2電力変換ユニット35からなる複数のユニットが筐体20内の上下方向に多段に配置されている。
第1リアクトルユニット32は、図3に示すように、3相分の交流リアクトル32a,及び直流リアクトル32b,32cを備えた装置であり、商用電源から入力した交流電流の高周波成分を抑制する装置である。
【0018】
第1電力変換ユニット33は、IGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)などのパワー半導体素子、パワー半導体素子冷却体、電解コンデンサ等を備えた装置であり、商用電源から第1リアクトルユニット32を介して入力した商用電力を交流から直流に変換するコンバータ装置である。
第2電力変換ユニット35も、IGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)などのパワー半導体素子、パワー半導体素子冷却体、電解コンデンサ等を備えた装置であり、第1電力変換ユニット33から入力した直流の電力、或いは本装置に並設された蓄電池36(図3参照)から入力した直流の電力を交流に変換するインバータ装置である。
【0019】
第2リアクトルユニット34は、図3に示すように、3相分の交流リアクトル34a,N相分の交流リアクトル34b,34cを備えた装置であり、第2電力変換ユニット35から出力された交流電流の高周波成分を抑制する装置である。
MCユニット31は、図3に示すように、複数の電磁接触器38a〜38d、複数のリアクトル41a〜41c、主制御部、保護用ヒューズ、制御信号用インターフェース回路等を備えた装置であり、電磁接触器38a〜38dのON・OFF制御により、負荷に安定した交流電力を供給する装置である。
【0020】
また、ターミナルユニット30は、交流入力A相、B相、C相、直送入力Ac相、Bc相及びCc相、中性相Nの商用電源側端子と、蓄電池36接続用の+相端子及び−相端子と、交流出力a相端子、b相端子、c相端子と、中性相N端子を備えている。
【0021】
図4に示すように、筐体20の側面カバー23及び隔壁29には、前面カバー21側(或いは開閉扉22側)及び背面カバー24側に延在する支持案内レール37a〜37fが設けられている。上部に配置した支持案内レール37a,37bは、ターミナルユニット30及びMCユニット31を下側から支持している。また、上下方向の中央部及び下部に配置されている支持案内レール37c〜37fは、第1リアクトルユニット32、第1電力変換ユニット33、第2リアクトルユニット34及び第2電力変換ユニット35を下側から支持している。そして、各ユニットと筐体20の枠体(不図示)とを固定するビス等の固定手段(不図示)を取り外すことで、ターミナルユニット30、MCユニット31、第1リアクトルユニット32、第1電力変換ユニット33、第2リアクトルユニット34及び第2電力変換ユニット35は、支持案内レール37a〜37f上を摺動して前面側に引き出し可能とされている。
【0022】
また、図4に示すように、第1リアクトルユニット32、第1電力変換ユニット33、第2リアクトルユニット34及び第2電力変換ユニット35の前面側には冷却ファンユニット43〜46が内蔵されている。これら冷却ファンユニット43〜46は、前面カバー21、開閉扉22の吸気スリット26から外気を取り込んで各ユニット内を冷却するようになっている。そして、各ユニット内を通過した空気は、背面カバー24の排気スリット27から外部に排出されるようになっている。
【0023】
(第1実施形態の第1リアクトルユニットの構造)
図5に示すように、第1実施形態の第1リアクトルユニット32は、上部が開口した箱形状のケース32dの前面側に冷却ファンユニット43が装着され、ケース32dの底面に、交流リアクトル32a1,32a2,32a3,及び直流リアクトル32b、32cが設置されている。ここで、交流リアクトル32a1,32a2,32a3は、図3で示した交流リアクトル32aを具体的に示し、三相四線式商用電源の三相(A,B,C)の入力端子にそれぞれ接続するものである。
【0024】
ここで、図6及び図7に示すように、ケース32dの底板32d1の冷却ファンユニット43に近接する位置には、交流リアクトル32a1,32a2,32a3,及び直流リアクトル32bの出力側配線と第1電力変換ユニット33の端子とを電気的に接続する複数のリアクトル側銅バー47〜50が外部に突出して設けられている。
リアクトル側銅バー47〜50は、図7に示すように、ケース32dの底板32d1の外面に絶縁板51を介して固定されている固定部52と、この固定部52の一端から折曲されて底板32d1を貫通し、ケース32d内に突出しているリアクトル側端子53と、固定部52の他端から折曲されて底板32d1から離間する方向に突出している出力端子54とで構成されている。
【0025】
各リアクトル側銅バー47〜50のリアクトル側端子53及び出力端子54には、端子固定用ねじ55が挿通するねじ穴53a,54aが形成されている。また、出力端子54の背面を向く面には、端子固定用ねじ55が螺合するナット54bが圧入等により固定されている。
そして、リアクトル側銅バー47〜50の各リアクトル側端子53には、交流リアクトル32a1,32a2,32a3の出力端子が端子固定用ねじ55を介して固定され、他のリアクトル側銅バー50のリアクトル側端子53には、直流リアクトル32bの出力端子が端子固定用ねじ55を介して固定されている。
【0026】
(第1電力変換ユニットの構造)
図8に示すように、第1電力変換ユニット33は、上部が開口した箱形状のケース33dの前面側に冷却ファンユニット44が装着され、ケース33d内には、IGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)などのパワー半導体素子部33a、パワー半導体素子部33aを制御するゲートドライブユニット33bが配置されているとともに、パワー半導体素子部33aを冷却する冷却体(不図示)、電解コンデンサ(不図示)等も備えている。
【0027】
ここで、図8及び図9に示すように、第1電力変換ユニット33の上部の冷却ファンユニット44に近接する位置には、第1リアクトルユニット32のリアクトル側銅バー47〜50と電気的に接続する電力変換側銅バー56〜59が上方に突出して設けられている。
電力変換側銅バー56〜59は、図11に示すように、パワー半導体素子部33aと電気的に接続されて碍子60上に配置されている固定部61と、この固定部61に対して直角に折曲された入力端子62とを備えており、入力端子62には端子固定用ねじ55が挿通するねじ穴62aが形成されている。
【0028】
そして、筐体20内に第1電力変換ユニット33を収納する際には、この第1電力変換ユニット33の上部から突出している電力変換側銅バー56〜59の入力端子62が、筐体20内に先に収納されている第1リアクトルユニット32の下面から突出しているリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54に対して、筐体20の前面側から夫々対向している。
【0029】
(第1リアクトルユニット及び第1電力変換ユニットの電気的接続構造)
次に、筐体20内に収納された第1リアクトルユニット32及び第1電力変換ユニット33を電気的に接続する手順について、図10及び図11を参照して説明する。
先ず、前面カバー21を取り外した(或いは、開閉扉22を開けた)筐体20の前面側から、第1リアクトルユニット32を支持案内レール37cに支持された状態で筐体20内に収納する。次いで、図10に示すように、筐体20の前面側から、第1電力変換ユニット33を支持案内レール37dに支持された状態で筐体20内に収納していく。
【0030】
この際、図11に示すように、第1電力変換ユニット33の電力変換側銅バー56〜59の入力端子62が、既に収納されている第1リアクトルユニット32のリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54に前面側から当接する。そして、互いに対応する電力変換側銅バー56〜59の入力端子62及びリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54のねじ穴62a,54aに端子固定用ねじ55を挿入し、出力端子54に固定されているナット54bに螺合する。これにより、電力変換側銅バー56〜59の入力端子62及びリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54が電気的に接続される。
【0031】
(第1実施形態の作用効果)
次に、本実施形態の作用効果について述べる。
本実施形態の第1リアクトルユニット32は、複数のリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54がユニット下方に突出しており、この第1リアクトルユニット32の下段に収納された第1電力変換ユニット33は、複数の電力変換側銅バー56〜59の入力端子62がユニット上部に突出して設けられており、出力端子54及び入力端子62は端子固定用ねじ55を介して直接に電気的接続されるので、筐体20内の配線量が減少して筐体20内が広いスペースとなるので、各ユニットを収納するために有効に利用することができる。
【0032】
また、筐体20の前面側にリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54及び電力変換側銅バー56〜59の入力端子62が位置しているので、前面カバー21を取り外し、開閉扉22を開けて筐体20の前面側において、第1リアクトルユニット32及び第1電力変換ユニット33の間の結線作業を容易に行なうことができる。
また、筐体20内に先に収納されている第1リアクトルユニット32に対して、支持案内レール37dに支持された第1電力変換ユニット33を筐体20の背面側に向けて収納していくだけで、複数の電力変換側銅バー56〜59の入力端子62に対してリアクトル側銅バー47〜50の出力端子54が接続可能に対応するので、さらに結線作業の簡便化を図ることができる。
【0033】
なお、第2リアクトルユニット34も、第1リアクトルユニット32と同一構造のユニット下部から下方に突出する複数のリアクトル側銅バーが設けられており、第2電力変換ユニット35も、第1電力変換ユニット33と同一構造のユニット上部から上方に突出する複数の電力変換側銅バーが設けられている。したがって、第2リアクトルユニット34及び第2電力変換ユニット35も、前述した第1リアクトルユニット32及び第1電力変換ユニット33の電気的接続と同様の手順を行なうので、上述した作用効果を奏することができる。
【0034】
(第2実施形態の第1リアクトルユニットの構造)
次に、図12及び図13に示すものは、本発明に係る第2実施形態の第1リアクトルユニット65を示すものであり、図14及び図15は、第2実施形態の第1リアクトルユニットと第1電力変換ユニット33との電気的接続構造を示すものである。なお、図5から図7に示した第1実施形態の第1リアクトルユニット32と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】
図12に示すように、本実施形態の第1リアクトルユニット65は、トレイ形状のケース65dの前面側に冷却ファンユニット43が装着され、ケース65d上に、交流リアクトル32a1,32a2,32a3,及び直流リアクトル32b、32cが設置されている。
図13に示すように、ケース65dの冷却ファンユニット43に近接する位置には、上下方向に貫通する複数の配線通過穴66〜69が形成されている。これら配線通過穴66〜69に、交流リアクトル32a1,32a2,32a3,及び直流リアクトル32bのリアクトル配線70〜73を上部から通過させることで、各リアクトル配線70〜73の出力端子74がケース65dの下方に突出している。
【0036】
本実施形態の第1リアクトルユニット65及び第1電力変換ユニット33を電気的に接続するには、先ず、第1電力変換ユニット33を収納した後に、第1リアクトルユニット65を収納する。そして、図14に示すように、第1リアクトルユニット65のケース65dから下方に突出しているリアクトル配線70〜73の出力端子74を、第1電力変換ユニット33の電力変換側銅バー56〜59の入力端子62に対応させる。
【0037】
そして、図15に示すように、リアクトル配線72の出力端子74のねじ穴と電力変換側銅バー58の入力端子62のねじ穴62aとを対応し、図示しないが他のリアクトル配線70、71、73の出力端子74のねじ穴と電力変換側銅バー56、57、59の入力端子62のねじ穴62aもそれぞれ対応させる。そして、それらのねじ穴に挿入した端子固定用ねじ55をナット75に螺合することにより、交流入力用リアクトル32a1,32a2,32a3,32bのリアクトル配線70〜73及び電力変換側銅バー56〜59の入力端子62が電気的に接続される。
【0038】
(第2実施形態の作用効果)
次に、本実施形態の作用効果について述べる。
本実施形態の第1リアクトルユニット65は、複数のリアクトル配線70〜73の出力端子74がユニット下方に突出しており、この第1リアクトルユニット65の下段に収納された第1電力変換ユニット33は、複数の電力変換側銅バー56〜59の入力端子62がユニット上部に突出して設けられており、出力端子74及び入力端子62は端子固定用ねじ55を介して直接に電気的接続されるので、筐体20内の配線量が減少して筐体20内が広いスペースとなるので、各ユニットを収納するために有効に利用することができる。
【0039】
また、筐体20の前面側に第1リアクトルユニット65の複数のリアクトル配線70〜73の出力端子74及び電力変換側銅バー56〜59の入力端子62が位置しているので、前面カバー21を取り外し、開閉扉22を開けて筐体20の前面側で容易に結線作業を行なうことができる。
なお、第2リアクトルユニット34も、本実施形態の第1リアクトルユニット65と同一構造とすると、前述した第1リアクトルユニット65及び第1電力変換ユニット33の電気的接続構造と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】無停電電源装置を前面側及び背面側から示した斜視図である。
【図2】無停電電源装置の前面カバーを外し、前面扉を開けて筐体内部を示した図である。
【図3】無停電電源装置内の結線図である。
【図4】筐体に複数のユニットが多段に配置されている状態を示す図である。
【図5】本発明に係るユニットである第1実施形態の第1リアクトルユニットを示す斜視図である。
【図6】第1実施形態の第1リアクトルユニットを正面から示した図である。
【図7】図6のA−A線矢視図である。
【図8】本発明に係るユニットである第1電力変換ユニットを示す斜視図である。
【図9】第1変換ユニットを正面から示した図である。
【図10】第1リアクトルユニット及び第1電力変換ユニットの電気的な接続構造を示す図である。
【図11】第1リアクトルユニット及び第1電力変換ユニットの電気的な接続構造を詳細に示した図である。
【図12】本発明に係る第2実施形態の第1リアクトルユニットを示す斜視図である。
【図13】第2実施形態の第1リアクトルユニットを示す平面図である。
【図14】第2実施形態の第1リアクトルユニットと第1電力変換ユニットとの電気的接続構造を示す図である。
【図15】第2実施形態の第1リアクトルユニットと第1電力変換ユニットとの電気的接続構造を詳細に示した図である。
【符号の説明】
【0041】
20…筐体、21…前面カバー(カバー)、22…開閉扉(カバー)、23…側面カバー、24…背面カバー、25…天面カバー、26…吸気スリット、27…排気スリット、28…排気スリット、29…隔壁、30…ターミナルユニット、31…MCユニット、32…第1リアクトルユニット(第1ユニット)、32a…交流リアクトル、32b,32c…直流リアクトル、32a1〜32a3…交流リアクトル、32d…ケース、32d1…底板、33…第1電力変換ユニット(第2ユニット)、33a…パワー半導体素子部、33b…ゲートドライブユニット、33d…ケース、34…第2リアクトルユニット、34a〜34c…交流リアクトル、35…第2電力変換ユニット、36…蓄電池、UPS1,UPS2…無停電電源部、37a〜37f…支持案内レール、38a〜38d…電磁接触器、41a〜41c…リアクトル、43〜46…冷却ファンユニット、47〜50…リアクトル側銅バー、51…絶縁板、52…固定部、53…リアクトル側端子、53a,54a…ねじ穴、54…出力端子(第1接続端子)、54b…ナット、55…端子固定用ねじ、56〜59…電力変換側銅バー、60…碍子、61…固定部、62…入力端子(第2接続端子)、62a…ねじ穴、65…第1リアクトルユニット(第1ユニット)、65d…ケース、66〜69…配線通過穴、70〜73…リアクトル配線(配線)、74…出力端子(配線端子)、75…ナット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に、電力変換を行う複数のユニットが多段に収納された電力変換装置において、
第1ユニットの下部から下方に向けて第1接続端子が突出し、前記第1ユニットに対して下部に隣接して収納した第2ユニットの上部から上方に向けて第2接続端子が突出し、これら第1接続端子及び第2接続端子が、直接に電気的接続されているとともに、
前記第1接続端子及び前記第2接続端子の接続位置は、前記筐体の着脱自在なカバーで閉塞された開口部の近くであることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記開口部は、前記筐体の前面に設けられており、
前記第1接続端子及び前記第2接続端子は、前記開口部近くの前記第1ユニット及び前記第2ユニットの前面側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第1接続端子は、前記第1ユニットの下部に配置した銅バーで形成された端子であり、前記第2接続端子は、前記第2ユニットの上部に配置した銅バーで形成された端子であることを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記第1接続端子は、前記第1ユニット内の制御部品に接続し、当該第1ユニットの下部を通過して下方に突出した配線の配線端子であり、前記第2接続端子は、前記第2ユニットの上部に配置した銅バーで形成された端子であることを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記複数のユニットは、前記筐体の前面に設けた前記開口部に向けて引き出し自在に、前記筐体に収納されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の電力変換装置。
【請求項1】
筐体内に、電力変換を行う複数のユニットが多段に収納された電力変換装置において、
第1ユニットの下部から下方に向けて第1接続端子が突出し、前記第1ユニットに対して下部に隣接して収納した第2ユニットの上部から上方に向けて第2接続端子が突出し、これら第1接続端子及び第2接続端子が、直接に電気的接続されているとともに、
前記第1接続端子及び前記第2接続端子の接続位置は、前記筐体の着脱自在なカバーで閉塞された開口部の近くであることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記開口部は、前記筐体の前面に設けられており、
前記第1接続端子及び前記第2接続端子は、前記開口部近くの前記第1ユニット及び前記第2ユニットの前面側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第1接続端子は、前記第1ユニットの下部に配置した銅バーで形成された端子であり、前記第2接続端子は、前記第2ユニットの上部に配置した銅バーで形成された端子であることを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記第1接続端子は、前記第1ユニット内の制御部品に接続し、当該第1ユニットの下部を通過して下方に突出した配線の配線端子であり、前記第2接続端子は、前記第2ユニットの上部に配置した銅バーで形成された端子であることを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記複数のユニットは、前記筐体の前面に設けた前記開口部に向けて引き出し自在に、前記筐体に収納されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の電力変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−148193(P2010−148193A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320682(P2008−320682)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】
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