説明

電力計測装置

【課題】比較的に簡易な構成で負荷装置の異常を報知することができる電力計測装置を提供する。
【解決手段】電力計測装置1は、各負荷装置3における消費電力をそれぞれ計測する電力計測部11と、負荷装置3の制御を指示する制御信号を中央制御装置2から受信する制御側通信部12と、制御信号に従った動作をするように各負荷装置3をそれぞれ制御する負荷制御部13と、いずれかの負荷装置3において負荷制御部13が行った制御と電力計測部11が計測した消費電力とが整合しない場合に異常を報知する報知部14とを備える。異常を検出する装置が別途に設けられる場合に比べ、比較的に簡易な構成で負荷装置3の異常を報知することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、負荷装置における消費電力を計測する電力計測装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の電力計測装置が計測した消費電力は、例えば、消費電力が所定の上限値に達したときに自動的に負荷装置への給電を停止するといった自動制御や、使用者に対して省エネを促す報知などに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−114967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、負荷装置の異常を検出する装置を、電力計測装置とは別途に設けた場合、比較的に構成が複雑となって設備コストが高くなりやすい。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、比較的に簡易な構成で負荷装置の異常を報知することができる電力計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電力計測装置は、中央制御装置と少なくとも1個の負荷装置とに接続される電力計測装置であって、各前記負荷装置における消費電力をそれぞれ計測する電力計測部と、前記負荷装置の制御を指示する制御信号を前記中央制御装置から受信する制御側通信部と、前記制御信号に従った動作をするように各前記負荷装置をそれぞれ制御する負荷制御部と、いずれかの前記負荷装置において前記負荷制御部が行った制御と前記電力計測部が計測した消費電力とが整合しない場合に異常を報知する報知部とを備えることを特徴とする。
【0008】
この電力計測装置において、複数個の前記負荷装置に接続されてもよい。
【0009】
また、この電力計測装置において、前記報知部は、前記負荷制御部が停止させるように制御した前記負荷装置において電力が消費されていた場合に異常を報知してもよい。
【0010】
さらに、この電力計測装置において、前記報知部は、前記負荷制御部が動作させるように制御した前記負荷装置において電力が消費されていない場合に異常を報知してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、いずれかの負荷装置において負荷制御部が行った制御と電力計測部が計測した消費電力とが整合しない場合に異常を報知するので、異常を検出する装置が別途に設けられる場合に比べて比較的に簡易な構成で負荷装置の異常を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の電力計測装置1は、中央制御装置2と、少なくとも1個(図では1個)の負荷装置3とに接続される。
【0015】
中央制御装置2は、外部からの入力や、予め記憶されたプログラムに従って、負荷装置3の制御を指示する第1制御信号を出力する。このような中央制御装置2は例えばパーソナルコンピュータを用いて周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0016】
負荷装置3は、例えば電気的な光源や電動機のような負荷(図示せず)と、第2制御信号を受信する制御入力部(図示せず)と、制御入力部に入力された第2制御信号に従って負荷を制御する制御部(図示せず)とを有する。このような負荷装置3は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0017】
電力計測装置1は、各負荷装置3における消費電力をそれぞれ計測する電力計測部11と、第1制御信号を中央制御装置2から受信する制御側通信部12と、制御側通信部12に受信された第1制御信号に従って第2制御信号を生成及び出力することにより各負荷装置3をそれぞれ制御する負荷制御部13とを備える。
【0018】
電力計測部11は、例えば、負荷装置3と電源4とを接続する給電線5を囲むカレントトランス等を用いて周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0019】
負荷制御部13が出力する第2制御信号は、第1制御信号を増幅したものであってもよいし、第1制御信号に適宜の変換が施されたものであってもよい。また、第1制御信号と第2制御信号との送受信は、有線で達成されてもよいし、無線で達成されてもよい。第1制御信号や第2制御信号の媒体としては、例えば、電線や電波を用いることができる。周知の多重伝送技術を用いれば、第1制御信号と第2制御信号とで共通の媒体を用いることや、複数個の負荷装置3で電力計測装置1との通信に共通の媒体を用いることも可能である。上記いずれの場合であっても、制御側通信部12と負荷制御部13とは周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0020】
また、電力計測装置1は、電力計測部11によって計測された消費電力を報知する。消費電力の報知は、電力計測装置1に設けられる液晶パネルなどの表示手段(図示せず)を用いて行われてもよいし、計測された消費電力を示す信号が制御側通信部12から中央制御装置2に送信されることによって行われてもよい。また、消費電力の報知が行われるタイミングとしては、所定時間おきのタイミングや、計測された消費電力が所定値に達したタイミングや、予め設定された時刻などが考えられる。
【0021】
以下、本実施形態の特徴である、電力計測装置1における負荷装置3の異常検出及び報知の動作について説明する。
【0022】
電力計測装置1は、いずれかの負荷装置3において負荷制御部13が行った制御(すなわち、第2制御信号の内容)と電力計測部11が計測した消費電力とが整合しない場合に異常を報知する報知部14を備える。
【0023】
報知部14は、具体的には例えば、動作の停止を指示する第2制御信号が入力された負荷装置3において電力が消費されていた場合、並びに、動作の開始を指示する第2制御信号が入力された負荷装置3において電力が消費されない場合に、それぞれ、その負荷装置3の異常を報知する。より具体的には、報知部14は、電力計測部11で計測された消費電力を、0より大きい所定の消費判定閾値と比較し、上記の消費電力が消費判定閾値以上であれば電力が消費されていると判定し、上記の消費電力が消費判定閾値未満であれば電力が消費されていないと判定する。
【0024】
異常の報知としては、例えば、ブザー等による聴覚的な報知であってもよいし、発光ダイオード等による視覚的な報知であってもよいし、聴覚的な報知や視覚的な報知を中央制御装置2において行わせるための信号を制御側通信部12から送信させるものであってもよい。
【0025】
上記構成によれば、異常を検出する装置が別途に設けられる場合に比べ、比較的に簡易な構成で負荷装置の異常を報知することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 電力計測装置
2 中央制御装置
3 負荷装置
11 電力計測部
12 制御側通信部
13 負荷制御部
14 報知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央制御装置と少なくとも1個の負荷装置とに接続される電力計測装置であって、
各前記負荷装置における消費電力をそれぞれ計測する電力計測部と、
前記負荷装置の制御を指示する制御信号を前記中央制御装置から受信する制御側通信部と、
前記制御信号に従った動作をするように各前記負荷装置をそれぞれ制御する負荷制御部と、
いずれかの前記負荷装置において前記負荷制御部が行った制御と前記電力計測部が計測した消費電力とが整合しない場合に異常を報知する報知部とを備えることを特徴とする電力計測装置。
【請求項2】
複数個の前記負荷装置に接続されることを特徴とする請求項1記載の電力計測装置。
【請求項3】
前記報知部は、前記負荷制御部が停止させるように制御した前記負荷装置において電力が消費されていた場合に異常を報知することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電力計測装置。
【請求項4】
前記報知部は、前記負荷制御部が動作させるように制御した前記負荷装置において電力が消費されていない場合に異常を報知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力計測装置。


【図1】
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