電動アシスト搬送機材
【課題】 ベッド昇降機構の操作部と電動搬送装置の操作部を一箇所に集中させ、操作性及び安全性を改善した搬送用ベッドを提供する。
【解決手段】 移動用キャスタ2cを備えたベッド用の台車2と、この台車2に設けられ搬送者が搬送用ハンドルを操作することによりベッドの搬送をアシストする電動搬送装置と、台車2に設けられベッドを上下動させる昇降装置と、この昇降装置の制御部と、この昇降装置の制御部に操作信号を送るスイッチとを有する搬送用ベッド1において、電動搬送装置の操作用ハンドル7が設置された搬送操作部6に昇降装置の操作スイッチとは別の昇降スイッチ40が設けられていることを特徴とする搬送用ベッド。これによって、操作部が一箇所に集中し、操作性が向上する。
【解決手段】 移動用キャスタ2cを備えたベッド用の台車2と、この台車2に設けられ搬送者が搬送用ハンドルを操作することによりベッドの搬送をアシストする電動搬送装置と、台車2に設けられベッドを上下動させる昇降装置と、この昇降装置の制御部と、この昇降装置の制御部に操作信号を送るスイッチとを有する搬送用ベッド1において、電動搬送装置の操作用ハンドル7が設置された搬送操作部6に昇降装置の操作スイッチとは別の昇降スイッチ40が設けられていることを特徴とする搬送用ベッド。これによって、操作部が一箇所に集中し、操作性が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降装置の昇降スイッチを搬送操作部にも設けることにより、効率的な操作を可能とした多機能型の電動アシスト搬送機材(病院用ベッド、ICUベッド、ストレッチャー、在宅用ベッド等を含む)に関する。なお、本発明において、搬送機材とは、搬送用ベッド、車椅子、歩行器及び乳母車等をいう。
【背景技術】
【0002】
近年、病院用ベッド、特にICUベッドの高機能化に伴う重量増大がますます顕著なものとなり、そのようなベッドを一人で移動操作するには、大きな労力を必要とするので、非力な者、例えば看護士にとっては、大きな負担となっている。
【0003】
そこで、ベッドの台車に、台車四隅に配設される走行用キャスタの他、このキャスタを駆動する駆動装置を設けるか又は、前記走行用キャスタとは別に駆動輪を設け、この駆動輪を駆動するための電動装置を設けた搬送用ベッドが提案されている。このような搬送用ベッドにおいて、電動装置の操作用ハンドルの高さ位置を操作者の身長に合わせて調節可能とすることにより、操作者の労力を軽減する工夫がなされたものがある(特開平8−317953号公報)。
【0004】
図14は、上記先行技術である搬送用ベッドを示す要部説明図である。図14において、この搬送用ベッドはベッド本体101と、このベッド本体101のヘッド部又はフット部のフレーム102に取り付けられたベッド搬送装置103とから主として構成されている。ベッド本体101の脚部フレーム102の下端には移動用キャスタ104が設けられている。ベッド搬送装置103は一対の駆動輪105を有する装置本体106と、この装置本体106の上部に設けられた操作部107とをで構成されている。装置本体106の内部には駆動輪105を駆動するモータと、このモータに電力を供給するバッテリと、前記モータに供給される電流を制御する制御装置(図示省略)が設けられている。
【0005】
操作部107の下面には、上下方向に延在する4本のガイドロッド108が立設されており、このガイドロッド108は、装置本体106の上面に設けられたガイド孔に挿通されている。そして操作部107が手動操作によって昇降操作されるとガイドロッド108がガイド孔を摺動して昇降し、これによって操作部107の高さを操作者の身長に応じて調整することができる。
【0006】
従って、この搬送用ベッドを操作する時は、予め手動によって操作部107の高さ調整をした後、操作部107の把持部109を掴み、駆動輪105を駆動させて搬送する。(特許文献1、請求項15、段落0031、0166、図29等)。
【0007】
一方図15は、別の先行技術を示す説明図である。この搬送用ベッドは、ベッド本体115と、このベッド本体の外形範囲内に設けられたY字型ベース110と、このY字型ベース110のアーム112相互間に配置された電動搬送装置114とを有する。電動搬送装置114には、駆動輪と、この駆動輪を駆動するための駆動手段及びその制御装置(夫々図示省略)が設けられている。また、Y字型ベース110のアーム112にはキャスタ113が設けられている。ベッド本体115の脚部材116の下端にも夫々キャスタ113が設けられている。ベッド本体115の例えばヘッド側の端部であって、脚部材116に連結された縦部材117の上部には前記電動搬送装置114を操作する一対の操作用ハンドル118が設けられており、対向するフット側端部にはケアカート119が付設されている。
【0008】
そして、この病院用ベッドを搬送する際は、電動搬送装置114の駆動輪を駆動させ、ベッド本体の操作ハンドル118を操作して任意の場所に搬送する(特許文献2、請求項1、図12等)。
【0009】
このような先行技術において、ベッドを昇降させる操作パネルとしては、例えば可動式のもの採用されており、稼働式の操作パネルは、例えばベッドの中央付近の引っ掛け部材に支持されていた。
【0010】
図13は、可動式操作パネル50を示す斜視図である。この操作パネルは例えば上述したベッドのメインフレーム6に設けられたメインの操作パネル40と電気的に接続されている。パネル表面には、背上げ用UPボタン51a、背上げ用DOWNボタン51b、足上げ用UPボタン52a、足上げ用DOWNボタン52b、ベッド本体用UPボタン53a、ベッド本体用DOWNボタン53bが設けられている。
【0011】
【特許文献1】特開平8−317953号公報
【特許文献2】米国特許第5337845号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献1に開示された先行技術は、ベッドの昇降装置がなく、昇降装置とは無関係に電動搬送装置の操作部のみを操作者の身長に合わせて上下動させるものである。
【0013】
一方、特許文献2に開示された先行技術は、ハンドル位置が固定されており、操作性が損なわれるだけでなく、ハンドル操作位置においてベッドの昇降機構を操作することができないという問題点がある。
【0014】
即ち、従来の病院用又は搬送用ベッドは、ベッドの昇降機構と電動搬送装置との両方の機能を備えていないか又は両方の機能を備えていたとしても、電動搬送装置の操作用ハンドルとベッド昇降装置の操作部とが夫々独立しており、両者を一箇所で操作することができず、操作が煩雑になるという問題点があった。また、例えばベッドの床高が高い状態で身長の低い操作者に合わせて搬送用ハンドルの高さ位置のみを低くしても操作者の視界が確保されず、危険が伴い易いという問題点もあった。
【0015】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、昇降機構と搬送時の搬送アシスト装置としての電動搬送装置とを有する電動アシスト搬送機材において、昇降装置の昇降スイッチを搬送操作部にも設けることにより、効率的な操作を可能とした多機能型の電動アシスト搬送機材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る電動アシスト搬送機材は、移動用キャスタを備えた台車と、この台車上に設けられ被搬送者がのる搬送部と、この台車に設けられ搬送者が搬送用ハンドルを操作することにより前記台車の移動をアシストする電動搬送装置と、前記台車に設けられ前記搬送部を上下動させる昇降装置と、この昇降装置の制御部と、この昇降装置の制御部に操作信号を送る操作スイッチと、を有する電動アシスト搬送機材において、前記電動搬送装置の操作用ハンドルが設置された搬送操作部に前記昇降装置の操作スイッチとは別の昇降スイッチが設けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明において、前記電動搬送装置の制御部は前記操作用ハンドルを前方に倒したとき、搬送をアシストする駆動力を前記電動搬送装置から前記台車に与えるように搬送を制御するものであり、前記昇降スイッチの信号は前記電動搬送装置の制御部から中継装置を介して前記昇降装置の前記制御部に伝達されることを特徴とする。
【0018】
本発明において、電動搬送装置は、使用時に床面に当接する一方、非使用時には床面から離脱する駆動輪と、この駆動輪を駆動させる駆動装置及び駆動を制御する制御装置と、操作用のハンドルと、電源用バッテリと、を有することを特徴とする。
【0019】
また搬送部の昇降装置は、直動アクチュエータ又は油空圧シリンダと、この直動アクチュエータ又は油空圧シリンダの伸縮端に一端が枢着されたリンク部材とを有し、このリンク部材は前記シリンダが伸縮することにより枢着端に対向する他端部が枢軸を介して上下動するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本願の請求項1に係る発明によれば、搬送部の昇降装置の昇降スイッチを搬送操作部にも設けたので、操作性が向上する。また、電動搬送装置の操作ハンドル専用の昇降機能を設ける必要がなくなり装置の複雑化を防止できる上、1度の操作で電動搬送装置の操作用ハンドルの高さと搬送部の高さとを同時に調整することができるので、操作者の身長に合わせて操作用ハンドルの高さを調整することができ、これに伴って搬送部が昇降し、常に操作者の視界を確保した安全な搬送が可能になる。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、電動搬送装置の制御部を操作用ハンドルを前方に倒したとき、搬送をアシストする駆動力を前記台車に与えるように搬送を制御するものとし、昇降スイッチの信号を前記電動搬送装置の前記制御部から中継装置を介して前記昇降装置の制御部に伝達されるものとしたので、信号装置配線の簡素化等を図ることができる。
【0022】
請求項3に係る発明によれば、電動搬送装置が、使用時に床面に当接する一方、非使用時には床面から離脱する駆動輪と、この駆動輪を駆動させる駆動装置及び駆動を制御する制御装置と、操作用のハンドルと、電源用バッテリと、を有しているので、操作者は、適正な操作用ハンドルの高さ位置を調節して電動搬送装置を操作することがで、電動搬送装置によるアシスト操作を効率よく行うことができる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、搬送部の昇降装置が、直動アクチュエータ又は油空圧シリンダと、この直動アクチュエータ又は油空圧シリンダの伸縮端に一端が枢着されたリンク部材とを有し、このリンク部材は前記シリンダが伸縮することにより枢着端に対向する他端部が枢軸を介して上下動することができるので、この昇降装置を用いた搬送部の昇降を簡単な操作で容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る搬送用ベッドを示す斜視図である。
【0025】
この搬送用ベッド1は、1対の長手フレーム2aを備えた台車2と、この台車2に載置されたメインフレーム6と、メインフレーム6に載置されたボトム5とから主として構成されている。台車2の脚部には夫々移動用キャスタ2cが取り付けられている。メインフレーム6はボトム(上床)5とほぼ同様の形状であり、ボトム5は、例えば人体の各部位に応じて区画されており、背ボトム、腰ボトム、膝ボトム及び足ボトム等から構成されている。各ボトムは図示省略した起伏機構によって起伏調節可能に構成されている。
【0026】
台車2に載置されたメインフレーム6のヘッド側又はフット側の幅方向に平行な部分(バンパー、ヘッドボード又はフットボード)には後述する電動搬送装置を操作するための1対の操作レバー7が設けられている。また操作レバー7相互間には後述する操作パネル40が設けられている。
【0027】
この搬送用ベッドには、電動搬送装置とベッドの昇降装置とが設けられている。以下、便宜上、電動搬送装置とベッド本体の昇降装置とを別々に説明する。
【0028】
図2乃至図4は本発明の実施形態に係る搬送用ベッドに設けられた電動搬送装置を示す説明図であり、図2は電動搬送装置の駆動輪を跳ね上げた状態の斜視図、図3は図2におけるベッドの台車部分の側面図、図4は図3の要部拡大図である。なお、図2において、後述するベッド本体の昇降装置は省略されている。
【0029】
図2において、ベッド用の台車2は両端に夫々移動用キャスタ2cが取り付けられた1対の長手フレーム2aと、この長手フレーム2aに夫々垂直に配設され長手フレーム2aを相互に連結する1対の横軸2bとから主として構成されている。
【0030】
台車2の中央箇所である1対の横軸2b相互間に、電動搬送装置(以下、電動アシストユニットともいう)3が配置されている。電動アシストユニット3は台車2に揺動可能に取り付けられた筺体8を有している。この筺体8は、台車2の幅に比較して小さい間隔で配置された1対の駆動輪9を有しており、筺体8内には1対の駆動輪9を夫々駆動させるための右モータ及び左モータ(図示省略)が搭載されている。
【0031】
筺体8の底面には台車2の後方側に向かって支持台10が延設されており、この支持台10上に後述する接地駆動装置4の起動軸4aと連結する受部材11が立設されている。受部材11は筺体8の端面に正対する平面を有しており、接地駆動装置4の起動軸4aはこの平面を貫通するようにして受部材11に連結している。受部材11には台車2の横軸2bに固設されたラグ(突出片)26を軸止めすることによって筺体8が揺動可能に支持されている。
【0032】
台車2の1対の長手フレーム2a相互間には後端部側(操作者側)にもう1本の横軸が配置されており、この横軸の中央部分に接地駆動装置4が設けられている。接地駆動装置4は電動アシストユニット3の駆動輪9を床面に接地させる機能を有する。
【0033】
接地駆動装置4は直動アクチュエータである。軸方向に進退駆動する起動軸4aは筺体8の底面を延設した支持台10上に設けられた受部材11に付勢バネ12を介して連結されている。
【0034】
即ち、起動軸4aは受部材11に挿通した先端部に抜け止めピン27を有し(図3又は図4参照)、起動軸4aの基端側に付勢バネ12を受部材11との間で保持するつば状のストッパ28を有している。付勢バネ12は、例えば圧縮コイルスプリングであり、この付勢バネ12と起動軸4aにおける抜け止めピン27とで、受部材11を介して常時筺体8を引っ張って駆動輪9を床面から離脱させるように付勢している。
【0035】
図5及び図6は、電動アシストユニット3を操作する操作レバー7の拡大図である。操作レバー7は、上述したように台車2に載置されたメインフレーム6の幅方向の部材上に設けられており、操作者が掴んで操作するため左右一対の操作レバーで構成されている。操作レバー7は図5に示すように基端側近傍をフレーム6に突設した取付部14に軸止めし、図6に示すように、例えば操作レバー7の基端側と取付部14との間にコイルスプリング15を張設して基端部近傍の軸止箇所である回動軸29を中心に回動変位可能に構成されている。
【0036】
また操作レバー7は握り易くするために上部側が鉤状に屈曲しており、この鉤状に屈曲した先端部に操作者が操作レバー7を握ったことを知らせる信号、即ち、手動操作から電動アシストユニット3によるアシスト操作に切替える旨の信号を発するスイッチ16が設けられている。
【0037】
更に、操作レバー7には図示省略された、基端部側近傍の回動軸29に操作角度検出手段が設けられている。操作角度検出手段としては、例えばポテンショメータ、スリット式円盤センサ等を用いることができる。この操作角度検出手段の出力信号は後述する操作者による操作信号としてコントローラ17(図9参照)に出力される。
【0038】
なお、切り替えスイッチ16は操作レバー7の先端に設けた押しボタンとして示されているが、他のスイッチであってもよい。例えば、操作レバー7の握り箇所全体に設けた適宜のメカスイッチ及びタッチスイッチ等であってもよい。
【0039】
次に、図7を参照して本実施形態に係る搬送用ベッドのベッドの昇降装置について説明する。ベッド用の台車2は上述したように、両端に夫々移動用キャスタ2cが取り付けられた1対の長手フレーム2aと、この長手フレーム2a相互間に夫々垂直に配設され前記1対の長手フレーム2aを相互に連結する一対の横軸2bから主として構成されている。
【0040】
第1(図中上側)の長手フレーム2aに沿ってその内側にハイローアクトとしての第1直動アクチュエータ31が設けられている。また第2(図中下側)の長手フレーム2aに沿ってその内側に第2の直動アクチュエータ32が設けられている。第1の直動アクチュエータ31の固定端は図7中上側の横軸2bに固定されており、伸縮端である他方端は前記図中上側の長手フレーム2aに隣接するようにその先端部側に配置された第1リンク部材33の一端に枢着されている。第1リンク部材33はへの字状を呈しており、その短辺側端部に第1直動アクチュエータ31の伸縮端が枢着されている。
【0041】
第1リンク部材33に対向するもう1つ(図中下側)の長手フレーム2aに近接するように第2のリンク部材34が配置されており、第1リンク部材33と第2リンク部材34は円柱部材35によって連結されている。第1直動アクチュエータ31が伸長すると第1及び第2のリンク部材33、34は枢軸35aを回転軸として図中反時計方向に回動し、リンク部材の長辺側端部が上方に移動する。第1リンク部材33のへの字状の凸部及びこの凸部に対応する第2リンク部材34の凸部部分が夫々長手フレーム2aに固定された取付部材35bに枢着されており、この枢着部分が枢軸35aとなる。なお、第2リンク部材34における第1リンク部材33のへの字状の短片に相当する部分は割愛されている。
【0042】
一方、第2の直動アクチュエータ32は図中下側の長手フレーム2aに沿って配置され
ている。第2の直動アクチュエータ32の固定端は図7中下側の横軸2bに固定されている。一方、伸縮端は台車2の後方側(図中上側)の長手フレーム2a相互間に、取付部材36aを介して上方向に間隔をおいて掛け渡された枢軸部材36に固着された第1の棒状体37の端部に枢着されている。
【0043】
枢軸部材36には第1の棒状体37に対して所定角度を形成するように固定された第2の棒状体38が固定されており、第1の棒状体37と第2の棒状体38とでへの字状のリンク部材を形成している。第2の棒状体38に対向するように枢軸部材36の第1(図中上側)の長手フレーム2a近傍には第2の棒状体38と同様の長さ及び側面図上第1の棒状体37に対する同様の角度を有する第3の棒状体39が固定されている。
【0044】
第2直動アクチュエータ32が伸長すると枢軸部材36に固定された第2の棒状体38及び第3の棒状体39の端部が図中時計方向に回動して上昇するこのようにして第1の枢軸35に枢着された第1及び第2のリンク部材の長片側端部及び枢軸部材36に固定された第2の棒状体38及び第3の棒状体39の端部が上昇することにより、これらに、例えば4点支持されたベッド本体(図示省略)が上昇する。
【0045】
なお、第1及び第2直動アクチュエータ31と32との間には電動アシストユニット3の筺体8及びこの筺体8に設けられた駆動輪9が配置されている。
【0046】
次に、本実施形態に係る搬送用ベッドの操作パネルについて説明する。図8は、本実施形態に係る搬送用ベッドの操作パネルを示す説明図である。この操作パネル40は、ベッドのヘッド側又はフット側の幅方向のメインフレーム6、例えば中床固定、バンパー、ヘッドボード又はフットボード部分に、例えば埋め込むように設けられている。操作パネル40は、横方向に長い長方形型であり、その図中左端に電動アシストユニット3の主電源スイッチ41が設けられている。操作者は、搬送用ベッドを操作する際、先ずこの主電源スイッチ41をONにする。
【0047】
操作パネル40の中央には電動アシストユニット3の操作レバー7の高さ位置及びベッド本体の高さ位置を連動して調整するためのボタンスイッチ42が設けられている。このボタンスイッチ42は操作レバー7及びベッド本体の高さ位置を高くするためのスイッチ42aと低くするためのスイッチ42bとで構成されている。操作パネル40の図中右端には電源遮断ボタン43が設けられており、この電源遮断ボタン43は強制的にシステム電源を遮断させるためのものである。例えば緊急時又はベッドウォッシャー時に使用される。
【0048】
電動アシストユニット3の主電源スイッチ41と高さ調整用ボタンスイッチ42の間には搬送アシスト許可確認ランプ44が配置されており、例えば点灯時にはアシスト操作条件を満足し、電動アシストユニット3によるアシスト操作が行われていることを示す。高さ調整用ボタンスイッチ42と電源遮断ボタン43の間にはバッテリ残量警告ランプ45が配置されており、電動アシストユニット3の電源バッテリの電圧が許容値以下に低下した場合に点灯してこれを操作者に知らせる。
【0049】
次に、図9を参照して本実施形態に係る搬送用ベッドにおけるコントローラについて説明する。図9は、本実施形態に係る搬送用ベッドの概略構成ブロック図である。コントローラ(制御装置)17は周知のマイクロプロセッサを有するハード構成のもので、例えば電動アシストユニット3の操作レバー7及び上記図8に示した操作パネルからの操作指令等によって各装置を制御する。高さ調整用ボタンスイッチ42aが押されると、ベッド本体を操作レバー7及び操作パネルごと上昇させるため高さ調節機構(図7のシリンダ31及び32)に給電してこれを動作させる。
【0050】
また、電動アシストユニット3の操作用レバー7のスイッチ16がONされると、電動アシストユニット3の接地駆動装置4をオンとして付勢バネ12の付勢力に抗して起動軸4aを伸長させ、受部材11を介して筺体8を変位させて駆動輪9を床面に当接させる。
更に、電動アシストユニット3自体の動作制御手順を設定したり、ボトム5の起伏機構に給電する等の制御を行う。
【0051】
次に、電動アシストユニット3自体の動作制御手順の設定を説明する。先ず、ユニットの主電源オンにより接地駆動装置4をオンとして電動アシストユニット3の駆動輪9を床面に当接する。
【0052】
駆動輪9を床面に当接させた状態で、搬送用ベッド1の例えば商用電源オフ、移動用キャスタ2cのロックがオフであること、ボトム5の背上げ角度、膝挙げ角度等が所定角度以内であること、操作レバー7先端の切り替えスイッチ16がオンされたこと、電動アシストユニット3の操作電源バッテリの電圧が所定値以上であること等を条件に、操作レバー7による操作信号が受け入れられ、電動アシストユニット3の駆動制御が可能となる。
【0053】
コントローラ17においては(搬送力)=(人の操作力)+(入力に応じたモータ出力)というコンセプトで設定がなされ、電動アシストユニット3を駆動させるようにしている。
【0054】
人の操作力は、操作レバー7を傾斜操作したとき操作角度検出手段によって操作信号として取り出されるが、操作レバー7を前方に傾斜させることで前進、手前に傾斜させることで後進の指令として出力するよう設定されている。操作角度検出手段によって操作信号として取り出す際、操作レバー7の傾斜操作の度合いに対応した操作信号を、例えば予め設定した不感帯しきい値±F1、動作変換しきい値±F2、入力しきい値±F3(双方の操作レバー7の操作量の差)と比較して夫々のしきい値に対応した操作指令がなされたとして捉え、その操作指令に基づいて、電動アシストユニット3における右、左モータ24、25に対応した電力を与えて駆動制御する。
【0055】
この場合、+F1〜+F3は、操作レバー7の押し込み操作を示し、−F1〜−F3は引き込み操作を示すものとする。
【0056】
このような設定の基に、コントローラ17において、動作モードとして双方の操作レバー7による操作によって、例えば(A)停止・微調整モードから、所定の前進指令速度に達したら(B)前進・前コーナリングモードに移行させ、また所定の後進指令に達したら(C)後進モードに移行させ、夫々のモードで設定された操作指令に基づいて電動アシストユニット3を駆動させるようにしている。
【0057】
そこでこれら動作モード(A)乃至(C)を図10乃至図12に従って説明する。図10乃至図12は、夫々電動アシストユニットの操作指令を示す説明図であり、双方の操作レバー7の押し込み、引き込み操作を夫々縦軸横軸にとり、それら縦軸横軸が交差する箇所が、そのときの双方の操作レバー7の操作状態を示している。例えば(0、0)は双方の操作レバー7を握った状態で、操作されていない状態を示すものとする。(F1、F2)は双方の操作レバー7とも、押し込み状態で、一方が不感帯しきい値F1の操作力で他方が動作変換しきい値F2であることを示す。更に、(−F1、F2)は一方の操作レバーが引き込み操作で不感帯しきい値−F1の操作力であり、他方が押し込み操作で動作変換しきい値F2の操作力であることを示す。
【0058】
なお、図10乃至図12において記載された符号は、以下に説明する夫々のモードで設定された操作指令を示すものであり、上半分は記載された下半分と対象であるので省略されている。
【0059】
(A)停止・微調整モードにおいては、双方の操作レバーによる操作によって停止保持指令S、前進指令F、コーナ前進(2輪速度差)指令Cf、コーナ前進(1輪速度差)指令Rf、後進指令B、コーナ後進(2輪速度差)指令Cb、コーナ後進(1輪速度差)指令Rbが可能である(図10参照)。
【0060】
(B)前進・前コーナリングモードにおいては、速度保持指令V、前進指令F、コーナ前進(2輪速度差)指令Cf、ブレーキ指令X、更には2輪出力差を生じる指令、1輪出力(1輪惰走)指令、1輪ブレーキ(1輪惰走)指令、1輪出力と1輪ブレーキ指令が可能である(図11参照)。
【0061】
(C)後進モードにおいては、速度保持指令V、ブレーキ指令X、惰走指令−、後進指令Bが可能である(図12参照)。
【0062】
勿論、以上のような設定は一例であり、操作レバー7の操作量と電動アシストユニット3の右、左モータ24、25との駆動関係は、適宜設定することができる。
【0063】
本実施形態に係る搬送用ベッドは以上のように構成されるものであり、以下に、その動作について説明する。
【0064】
先ず、ベッドを搬送する操作者は、種々の操作を行う前に、搬送用ベッド1の操作レバー7を握り、この操作レバーの高さが自分の身長に適合しているか否か確認する。適合していない場合は操作パネル40の中央に設けられている高さ調整用ボタンスイッチ42を操作して高さ位置を調整する。このとき、例えば高くするスイッチ42aを押すと操作信号が、例えば中継装置を介してベッド本体の昇降装置の制御部に送られベッド本体を上昇させる方向に移動させ、この移動に伴って、メインフレーム6に設けられた操作用レバー7も上昇する。一方、操作レバー7の高さ位置を低くするボタンスイッチ42bを押した場合はその信号が、例えば中継装置を介してベッド本体の昇降装置の制御部に送られベッド本体を下降させる方向に移動させ、この移動に伴って、メインフレーム6に設けられた電動搬送用操作レバー7も下降する。
【0065】
このようにして操作レバー7及びベッド本体の高さ位置を調整した後、操作者である、例えば看護士は、ベッド1の電源コードのプラグを差し込み口から引き抜き、台車2における移動用キャスタ2cのロックを解除した後、電動アシストユニット3の主電源スイッチ41をONにする。次いで、両手で操作レバー7を掴んで先端部のスイッチ16をONにする。
【0066】
スイッチ16がONされると、電動アシストユニット3の接地駆動装置4がONされ、これによって起動軸4aが伸長し、受部材11を介して筺体8を変位させて駆動輪9を床面に当接させる。
【0067】
このとき、コントローラ17において、操作者が操作レバー7を握ったことが認識され、且つ電動アシストユニット3の電源バッテリの電圧が所定値以上であること等必要な条件が確認された後、電動アシストユニット3が搬送開始待機状態((A)停止・微調整モード)となる。
【0068】
(A)停止・微調整モードにおいては、看護士が操作レバー7を握った状態は、停止保持指令Sであるとして電動アシストユニット3は停止状態を維持する。また、双方の操作レバー7を前方に押し込んで傾けると、操作角度検出手段から操作信号としてコントローラ17に出力され、その操作がしきい値F1を超えるものであれば前進指令Fであるとして、電動アシストユニット3における右、左モータ24、25に正転駆動させる電力を出力し、ベッド1を前進させることができる。
【0069】
また、一方の操作レバー7を前方に押し込んで傾け、不感帯しきい値F1を超えた操作で、他方の操作レバー7が不感帯しきい値F1より下回る操作である場合、更に双方の操作レバー7の操作量の差が入力しきい値F3を超えたものであるときは、コーナ前進(2輪速度差)指令Cfとして電動アシストユニット3における右、左モータに対応した電力を与えて駆動制御することができる。
【0070】
また、一方の操作レバー7を前方に押し込んで入力しきい値F3を超えたもので、他方の操作レバー7を手前に引き込んで傾け、その操作が不感帯しきい値F1を超え、動作しきい値F2以下であるときはコーナ前進(1輪速度差)指令として、右、左モータ24、25に対応した電力を与えて駆動制御することができ、ベッド1をその場で大きく旋回させることができる。
【0071】
また、双方の操作レバー7を手前に引き込んで傾け、その操作が不感帯しきい値F1を超えたものであるときは、後進指令Bであるとして、電動アシストユニット3における右、左モータ24、25に逆転駆動させる電力を出力し、ベッド1を後進させることができる。
【0072】
更に、一方の操作レバー7が不感帯しきい値F1を超えた引き込み操作で、他方の操作レバー7が不感帯しきい値F1より下回る引き込み操作である場合はコーナ後進(2輪速度差)指令Cbとしてベッド1をコーナ後進させることができる。
【0073】
また、一方の操作レバー7が動作変換しきい値F2を超えた引き込み操作で、他方の操作レバー7が動作変換しきい値F2を下回る押し込み又は引き込み操作である場合はコーナ後進(1輪速度差)指令Rbであるとして、ベッド1を大きくコーナ後進旋回させることができる。
【0074】
そして、双方の操作レバー7の操作が夫々不感帯しきい値F1を超え、互いに逆に操作するような場合は惰走指令−であるとして右、左モータ24、25への電力の供給を遮断する。
【0075】
次に(B)前進・前コーナリングモードにおいては、操作レバー7を握った状態では、速度保持指令Vであるとして、電動アシストユニット3における右、左モータ24、25に電力を与えて所定の速度で前進することができる。
【0076】
また、双方の操作レバー7を前方に押し込んで、その操作が不感帯しきい値F1を超えたものであるときは、前進指令Fであるとして、電動アシストユニット3における右、左モータ24、25に正転駆動させる電力を出力し、ベッド1を前進させることができる。
【0077】
また、一方の操作レバー7が不感帯しきい値F1を超えた押し込み操作で、他方の操作レバー7が不感帯しきい値F1より下回る押し込み又は引き込み操作である場合、コーナ前進(2輪速度差)指令Cfとし、一方の操作レバー7が不感帯しきい値F1を超えた引き込み操作で、他方の操作レバー7が不感帯しきい値F1を下回る押し込み操作か、引き込み操作の場合はブレーキ指令Xであるとして右、左モータ24、25を制動することができる。
【0078】
更には、双方の操作レバー7の操作が夫々不感帯しきい値F1を超え、互いに逆に操作するような場合は、2輪出力差を生じる指令、1輪出力(1輪惰走)指令、1輪ブレーキ(1輪惰走)指令、1輪出力と1輪ブレーキ指令を選択し、右、左モータ24、25を制動することができる。
【0079】
そして(C)後進モードにおいては、操作レバー7を握った状態では速度保持指令Vであるとして右、左モータ24、25に電力を与えて所定の速度を保持しながら後進させることができる。
【0080】
また、少なくとも一方の操作レバー7を不感帯しきい値F1を超えた押し込み操作をするとブレーキ指令であるとして右、左モータ24、25を制動させることができる。
【0081】
また、少なくとも一方の操作レバー7を不感帯しきい値F1を超えた引き込み操作をすると後進指令Bであるとして右、左モータ24、25により後進させることができる。
【0082】
更に、双方の操作レバー7の操作が夫々不感帯しきい値F1を超え、互いに逆に操作するような場合は、惰走指令−であるとして右、左モータ24、25への電力の供給を遮断する。
【0083】
なお、以上のような各モードにおいて、(A)停止・微調整モードから(B)前進・前コーナリングモードへ、また、(A)停止・微調整モードから(C)後進モードへは夫々所定の速度に達したら移行し、逆に(B)前進・前コーナリングモードから(A)停止・微調整モードに移行するには所定速度未満の速度に変化することで一旦前停遷移モードを経て、停止することで達成される。
【0084】
また、(C)後進モードから(A)停止・微調整モードに移行するには所定速度未満の速度に変化することで一旦、後停遷移モードを経て、停止することによって達成される。
【0085】
さらに、(B)前進・前コーナリングモードから(C)後進モードに移行させる際は、前記前進・前コーナリングモードにおける所定前進速度より低下させることで、前進・前コーナリングモードから移行させ、ブレーキ指令によってベッドを停止させることで、一旦、(A)停止・微調整モードに移行させ、後進指令による後進動作で所定後進速度に達することで(C)後進モードに移行することができる。また、(C)後進モードから(B)前進・前コーナリングモードに移行させる際、(C)後進モードにおける所定後進速度より低下させることで後進モードから移行させ、ブレーキ指令によってベッドを停止させることで、一旦、前記(A)停止・微調整モードに移行させ、前進指令による前進動作で所定速度に達することで(B)前進・前コーナリングモードに移行させることができる。
【0086】
またもし、ベッド1を幅方向に動かすときは、主電源を逆転オンして接地駆動装置4を駆動させて起動軸4aを退動させ、付勢バネ12の付勢力を補助力として受部材11を介して筺体8を復帰変位させて駆動輪9を床面から離脱させる。これによってフリー状態にある移動用キャスタ2cによってベッド1を幅方向に移動させることができる。
【0087】
以上のように、看護士が双方の操作レバー7を押し込む操作がそのままベッド1の前進という動作につながり、また操作レバー7を引き込むという操作が後進というで動作につながり、更には、双方の操作レバー7の傾き操作加減でコーナリングを行わせることができるので、違和感なく、意のままにベッド1を動かし、所望の箇所にベッド1をもたらすことができる。
【0088】
所望の位置にベッド1をもたらしたら、ベッド1を停止させ、次いで、主電源を逆転オンにして接地駆動装置4を駆動させて起動軸4aを退動させれば付勢バネ12の付勢力を補助力として受部材11を介して筺体8が復帰変位し、駆動輪9を床面から離脱させることができる。そして、操作パネル40の高さ調整用ボタンスイッチ42bを押してベッド本体を操作用レバー7ごと最下部まで下降させ、その後、移動用キャスタ23をロックし、ベッド1の電源コードのプラグを差し込み口に差し込むこと等で、ベッド1のセッティングが完了する。
【0089】
本実施例によれば、操作者が移乗や診察等の理由から、ベッド高さを調整する場合に、他のナースパネルや手元スイッチを押すために移動する必要がなく、その場で操作することができるので、搬送ベッドの操作性が向上する。
【0090】
また、ヘッド又はフット側でベッドの昇降が可能になることから、別のベッドへ移乗するか又は別のベッドから移乗する場合に両ベッドの高さ調整が容易になる。更に電動アシストユニット3の操作ハンドル専用の昇降装置を設ける必要がなく、既存のベッド昇降装置を兼用することができるので、装置の複雑化を防止することができる。
【0091】
本発明において、ベッド昇降装置の第1及び第2直動アクチュエータに代えてエア又は液体シリンダ(油空圧シリンダ)を使用してもよい。また、本願に係る発明は、搬送用ベッドの他、車椅子、歩行器、乳母車をはじめとする、その機器本体の高さ調節手段に加え、搬送又は移動をアシストする電動搬送装置を設けた各種機器に同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
昇降機構と電動搬送装置との操作系統を一箇所に集中させ、操作性を向上させた本発明に係る搬送用ベッドは、病院をはじめとする各種ベッドの使用機関において特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本実施形態に係る搬送用ベッドの台車部分を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に適用される電動搬送装置の駆動輪を跳ね上げた状態の斜視図である。
【図3】図2におけるベッドの台車部分を示す側面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】本実施形態における操作レバーの一例を示す図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】本実施形態に適用されるベッドの昇降装置を示す説明図である。
【図8】本実施形態の操作パネルを示す説明図である。
【図9】本実施形態に適用されるベッド昇降装置及び電動搬送装置の概略構成ブロック図である。
【図10】本実施形態に係る電動搬送装置の電動アシストユニットの停止・微調整モードにおける操作指令を説明するためのマップである。
【図11】本実施形態に係る電動搬送装置の電動アシストユニットの前進・前コーナリングモードにおける操作指令を説明するためのマップである。
【図12】本実施形態に係る電動搬送装置の電動アシストユニットの後進モードにおける操作指令を説明するためのマップである。
【図13】従来技術における可動式操作パネルを示す斜視図である。
【図14】従来技術を示す説明図である。
【図15】別の従来技術を示す説明図である。
【符号の説明】
【0094】
1:搬送用ベッド
2:台車
2a:長手フレーム
2b:横軸
2c:移動用キャスタ
3:電動アシストユニット
4:接地駆動装置
4a:起動軸
5:ボトム
6:メインフレーム
7:操作レバー
8:筺体
9:駆動輪
10:支持台
11:受部材
12:付勢バネ
14:取付部
15:コイルスプリング
16:スイッチ
17:コントローラ
20:商用電源
21:バッテリ
24:右モータ
25:左モータ
26:ラグ
27:抜け止めピン
28:ストッパ
29:回転軸
31:第1直動アクチュエータ
32:第2直動アクチュエータ
33:第1リンク部材
34:第2リンク部材
35:円柱部材
35a:枢軸
35b:取付部材
36:枢軸部材
36a:取付部材
37:第1の棒状体
38:第2の棒状体
39:第3の棒状体
40:操作パネル
41:電動アシストユニット3の主電源スイッチ
42:高さ位置調整用ボタンスイッチ
42a:上昇用ボタンスイッチ
42b:下降用ボタンスイッチ
43:電源遮断ボタン
44:搬送アシスト許可確認ランプ
45:バッテリ残量警告ランプ
50:可動式操作パネル
51a:背上げ用UPボタン
51b:背上げ用DOWNボタン
52a:足上げ用UPボタン
52b:足上げ用DOWNボタン
53a:ベッド本体用UPボタン
53b:ベッド本体用DOWNボタン
101:ベッド本体
102:フレーム
103:ベッド搬送装置
107:操作部
110:Y字型ベース
112:アーム
114:電動搬送装置
115:ベッド本体
118:操作ハンドル
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降装置の昇降スイッチを搬送操作部にも設けることにより、効率的な操作を可能とした多機能型の電動アシスト搬送機材(病院用ベッド、ICUベッド、ストレッチャー、在宅用ベッド等を含む)に関する。なお、本発明において、搬送機材とは、搬送用ベッド、車椅子、歩行器及び乳母車等をいう。
【背景技術】
【0002】
近年、病院用ベッド、特にICUベッドの高機能化に伴う重量増大がますます顕著なものとなり、そのようなベッドを一人で移動操作するには、大きな労力を必要とするので、非力な者、例えば看護士にとっては、大きな負担となっている。
【0003】
そこで、ベッドの台車に、台車四隅に配設される走行用キャスタの他、このキャスタを駆動する駆動装置を設けるか又は、前記走行用キャスタとは別に駆動輪を設け、この駆動輪を駆動するための電動装置を設けた搬送用ベッドが提案されている。このような搬送用ベッドにおいて、電動装置の操作用ハンドルの高さ位置を操作者の身長に合わせて調節可能とすることにより、操作者の労力を軽減する工夫がなされたものがある(特開平8−317953号公報)。
【0004】
図14は、上記先行技術である搬送用ベッドを示す要部説明図である。図14において、この搬送用ベッドはベッド本体101と、このベッド本体101のヘッド部又はフット部のフレーム102に取り付けられたベッド搬送装置103とから主として構成されている。ベッド本体101の脚部フレーム102の下端には移動用キャスタ104が設けられている。ベッド搬送装置103は一対の駆動輪105を有する装置本体106と、この装置本体106の上部に設けられた操作部107とをで構成されている。装置本体106の内部には駆動輪105を駆動するモータと、このモータに電力を供給するバッテリと、前記モータに供給される電流を制御する制御装置(図示省略)が設けられている。
【0005】
操作部107の下面には、上下方向に延在する4本のガイドロッド108が立設されており、このガイドロッド108は、装置本体106の上面に設けられたガイド孔に挿通されている。そして操作部107が手動操作によって昇降操作されるとガイドロッド108がガイド孔を摺動して昇降し、これによって操作部107の高さを操作者の身長に応じて調整することができる。
【0006】
従って、この搬送用ベッドを操作する時は、予め手動によって操作部107の高さ調整をした後、操作部107の把持部109を掴み、駆動輪105を駆動させて搬送する。(特許文献1、請求項15、段落0031、0166、図29等)。
【0007】
一方図15は、別の先行技術を示す説明図である。この搬送用ベッドは、ベッド本体115と、このベッド本体の外形範囲内に設けられたY字型ベース110と、このY字型ベース110のアーム112相互間に配置された電動搬送装置114とを有する。電動搬送装置114には、駆動輪と、この駆動輪を駆動するための駆動手段及びその制御装置(夫々図示省略)が設けられている。また、Y字型ベース110のアーム112にはキャスタ113が設けられている。ベッド本体115の脚部材116の下端にも夫々キャスタ113が設けられている。ベッド本体115の例えばヘッド側の端部であって、脚部材116に連結された縦部材117の上部には前記電動搬送装置114を操作する一対の操作用ハンドル118が設けられており、対向するフット側端部にはケアカート119が付設されている。
【0008】
そして、この病院用ベッドを搬送する際は、電動搬送装置114の駆動輪を駆動させ、ベッド本体の操作ハンドル118を操作して任意の場所に搬送する(特許文献2、請求項1、図12等)。
【0009】
このような先行技術において、ベッドを昇降させる操作パネルとしては、例えば可動式のもの採用されており、稼働式の操作パネルは、例えばベッドの中央付近の引っ掛け部材に支持されていた。
【0010】
図13は、可動式操作パネル50を示す斜視図である。この操作パネルは例えば上述したベッドのメインフレーム6に設けられたメインの操作パネル40と電気的に接続されている。パネル表面には、背上げ用UPボタン51a、背上げ用DOWNボタン51b、足上げ用UPボタン52a、足上げ用DOWNボタン52b、ベッド本体用UPボタン53a、ベッド本体用DOWNボタン53bが設けられている。
【0011】
【特許文献1】特開平8−317953号公報
【特許文献2】米国特許第5337845号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献1に開示された先行技術は、ベッドの昇降装置がなく、昇降装置とは無関係に電動搬送装置の操作部のみを操作者の身長に合わせて上下動させるものである。
【0013】
一方、特許文献2に開示された先行技術は、ハンドル位置が固定されており、操作性が損なわれるだけでなく、ハンドル操作位置においてベッドの昇降機構を操作することができないという問題点がある。
【0014】
即ち、従来の病院用又は搬送用ベッドは、ベッドの昇降機構と電動搬送装置との両方の機能を備えていないか又は両方の機能を備えていたとしても、電動搬送装置の操作用ハンドルとベッド昇降装置の操作部とが夫々独立しており、両者を一箇所で操作することができず、操作が煩雑になるという問題点があった。また、例えばベッドの床高が高い状態で身長の低い操作者に合わせて搬送用ハンドルの高さ位置のみを低くしても操作者の視界が確保されず、危険が伴い易いという問題点もあった。
【0015】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、昇降機構と搬送時の搬送アシスト装置としての電動搬送装置とを有する電動アシスト搬送機材において、昇降装置の昇降スイッチを搬送操作部にも設けることにより、効率的な操作を可能とした多機能型の電動アシスト搬送機材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る電動アシスト搬送機材は、移動用キャスタを備えた台車と、この台車上に設けられ被搬送者がのる搬送部と、この台車に設けられ搬送者が搬送用ハンドルを操作することにより前記台車の移動をアシストする電動搬送装置と、前記台車に設けられ前記搬送部を上下動させる昇降装置と、この昇降装置の制御部と、この昇降装置の制御部に操作信号を送る操作スイッチと、を有する電動アシスト搬送機材において、前記電動搬送装置の操作用ハンドルが設置された搬送操作部に前記昇降装置の操作スイッチとは別の昇降スイッチが設けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明において、前記電動搬送装置の制御部は前記操作用ハンドルを前方に倒したとき、搬送をアシストする駆動力を前記電動搬送装置から前記台車に与えるように搬送を制御するものであり、前記昇降スイッチの信号は前記電動搬送装置の制御部から中継装置を介して前記昇降装置の前記制御部に伝達されることを特徴とする。
【0018】
本発明において、電動搬送装置は、使用時に床面に当接する一方、非使用時には床面から離脱する駆動輪と、この駆動輪を駆動させる駆動装置及び駆動を制御する制御装置と、操作用のハンドルと、電源用バッテリと、を有することを特徴とする。
【0019】
また搬送部の昇降装置は、直動アクチュエータ又は油空圧シリンダと、この直動アクチュエータ又は油空圧シリンダの伸縮端に一端が枢着されたリンク部材とを有し、このリンク部材は前記シリンダが伸縮することにより枢着端に対向する他端部が枢軸を介して上下動するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本願の請求項1に係る発明によれば、搬送部の昇降装置の昇降スイッチを搬送操作部にも設けたので、操作性が向上する。また、電動搬送装置の操作ハンドル専用の昇降機能を設ける必要がなくなり装置の複雑化を防止できる上、1度の操作で電動搬送装置の操作用ハンドルの高さと搬送部の高さとを同時に調整することができるので、操作者の身長に合わせて操作用ハンドルの高さを調整することができ、これに伴って搬送部が昇降し、常に操作者の視界を確保した安全な搬送が可能になる。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、電動搬送装置の制御部を操作用ハンドルを前方に倒したとき、搬送をアシストする駆動力を前記台車に与えるように搬送を制御するものとし、昇降スイッチの信号を前記電動搬送装置の前記制御部から中継装置を介して前記昇降装置の制御部に伝達されるものとしたので、信号装置配線の簡素化等を図ることができる。
【0022】
請求項3に係る発明によれば、電動搬送装置が、使用時に床面に当接する一方、非使用時には床面から離脱する駆動輪と、この駆動輪を駆動させる駆動装置及び駆動を制御する制御装置と、操作用のハンドルと、電源用バッテリと、を有しているので、操作者は、適正な操作用ハンドルの高さ位置を調節して電動搬送装置を操作することがで、電動搬送装置によるアシスト操作を効率よく行うことができる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、搬送部の昇降装置が、直動アクチュエータ又は油空圧シリンダと、この直動アクチュエータ又は油空圧シリンダの伸縮端に一端が枢着されたリンク部材とを有し、このリンク部材は前記シリンダが伸縮することにより枢着端に対向する他端部が枢軸を介して上下動することができるので、この昇降装置を用いた搬送部の昇降を簡単な操作で容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る搬送用ベッドを示す斜視図である。
【0025】
この搬送用ベッド1は、1対の長手フレーム2aを備えた台車2と、この台車2に載置されたメインフレーム6と、メインフレーム6に載置されたボトム5とから主として構成されている。台車2の脚部には夫々移動用キャスタ2cが取り付けられている。メインフレーム6はボトム(上床)5とほぼ同様の形状であり、ボトム5は、例えば人体の各部位に応じて区画されており、背ボトム、腰ボトム、膝ボトム及び足ボトム等から構成されている。各ボトムは図示省略した起伏機構によって起伏調節可能に構成されている。
【0026】
台車2に載置されたメインフレーム6のヘッド側又はフット側の幅方向に平行な部分(バンパー、ヘッドボード又はフットボード)には後述する電動搬送装置を操作するための1対の操作レバー7が設けられている。また操作レバー7相互間には後述する操作パネル40が設けられている。
【0027】
この搬送用ベッドには、電動搬送装置とベッドの昇降装置とが設けられている。以下、便宜上、電動搬送装置とベッド本体の昇降装置とを別々に説明する。
【0028】
図2乃至図4は本発明の実施形態に係る搬送用ベッドに設けられた電動搬送装置を示す説明図であり、図2は電動搬送装置の駆動輪を跳ね上げた状態の斜視図、図3は図2におけるベッドの台車部分の側面図、図4は図3の要部拡大図である。なお、図2において、後述するベッド本体の昇降装置は省略されている。
【0029】
図2において、ベッド用の台車2は両端に夫々移動用キャスタ2cが取り付けられた1対の長手フレーム2aと、この長手フレーム2aに夫々垂直に配設され長手フレーム2aを相互に連結する1対の横軸2bとから主として構成されている。
【0030】
台車2の中央箇所である1対の横軸2b相互間に、電動搬送装置(以下、電動アシストユニットともいう)3が配置されている。電動アシストユニット3は台車2に揺動可能に取り付けられた筺体8を有している。この筺体8は、台車2の幅に比較して小さい間隔で配置された1対の駆動輪9を有しており、筺体8内には1対の駆動輪9を夫々駆動させるための右モータ及び左モータ(図示省略)が搭載されている。
【0031】
筺体8の底面には台車2の後方側に向かって支持台10が延設されており、この支持台10上に後述する接地駆動装置4の起動軸4aと連結する受部材11が立設されている。受部材11は筺体8の端面に正対する平面を有しており、接地駆動装置4の起動軸4aはこの平面を貫通するようにして受部材11に連結している。受部材11には台車2の横軸2bに固設されたラグ(突出片)26を軸止めすることによって筺体8が揺動可能に支持されている。
【0032】
台車2の1対の長手フレーム2a相互間には後端部側(操作者側)にもう1本の横軸が配置されており、この横軸の中央部分に接地駆動装置4が設けられている。接地駆動装置4は電動アシストユニット3の駆動輪9を床面に接地させる機能を有する。
【0033】
接地駆動装置4は直動アクチュエータである。軸方向に進退駆動する起動軸4aは筺体8の底面を延設した支持台10上に設けられた受部材11に付勢バネ12を介して連結されている。
【0034】
即ち、起動軸4aは受部材11に挿通した先端部に抜け止めピン27を有し(図3又は図4参照)、起動軸4aの基端側に付勢バネ12を受部材11との間で保持するつば状のストッパ28を有している。付勢バネ12は、例えば圧縮コイルスプリングであり、この付勢バネ12と起動軸4aにおける抜け止めピン27とで、受部材11を介して常時筺体8を引っ張って駆動輪9を床面から離脱させるように付勢している。
【0035】
図5及び図6は、電動アシストユニット3を操作する操作レバー7の拡大図である。操作レバー7は、上述したように台車2に載置されたメインフレーム6の幅方向の部材上に設けられており、操作者が掴んで操作するため左右一対の操作レバーで構成されている。操作レバー7は図5に示すように基端側近傍をフレーム6に突設した取付部14に軸止めし、図6に示すように、例えば操作レバー7の基端側と取付部14との間にコイルスプリング15を張設して基端部近傍の軸止箇所である回動軸29を中心に回動変位可能に構成されている。
【0036】
また操作レバー7は握り易くするために上部側が鉤状に屈曲しており、この鉤状に屈曲した先端部に操作者が操作レバー7を握ったことを知らせる信号、即ち、手動操作から電動アシストユニット3によるアシスト操作に切替える旨の信号を発するスイッチ16が設けられている。
【0037】
更に、操作レバー7には図示省略された、基端部側近傍の回動軸29に操作角度検出手段が設けられている。操作角度検出手段としては、例えばポテンショメータ、スリット式円盤センサ等を用いることができる。この操作角度検出手段の出力信号は後述する操作者による操作信号としてコントローラ17(図9参照)に出力される。
【0038】
なお、切り替えスイッチ16は操作レバー7の先端に設けた押しボタンとして示されているが、他のスイッチであってもよい。例えば、操作レバー7の握り箇所全体に設けた適宜のメカスイッチ及びタッチスイッチ等であってもよい。
【0039】
次に、図7を参照して本実施形態に係る搬送用ベッドのベッドの昇降装置について説明する。ベッド用の台車2は上述したように、両端に夫々移動用キャスタ2cが取り付けられた1対の長手フレーム2aと、この長手フレーム2a相互間に夫々垂直に配設され前記1対の長手フレーム2aを相互に連結する一対の横軸2bから主として構成されている。
【0040】
第1(図中上側)の長手フレーム2aに沿ってその内側にハイローアクトとしての第1直動アクチュエータ31が設けられている。また第2(図中下側)の長手フレーム2aに沿ってその内側に第2の直動アクチュエータ32が設けられている。第1の直動アクチュエータ31の固定端は図7中上側の横軸2bに固定されており、伸縮端である他方端は前記図中上側の長手フレーム2aに隣接するようにその先端部側に配置された第1リンク部材33の一端に枢着されている。第1リンク部材33はへの字状を呈しており、その短辺側端部に第1直動アクチュエータ31の伸縮端が枢着されている。
【0041】
第1リンク部材33に対向するもう1つ(図中下側)の長手フレーム2aに近接するように第2のリンク部材34が配置されており、第1リンク部材33と第2リンク部材34は円柱部材35によって連結されている。第1直動アクチュエータ31が伸長すると第1及び第2のリンク部材33、34は枢軸35aを回転軸として図中反時計方向に回動し、リンク部材の長辺側端部が上方に移動する。第1リンク部材33のへの字状の凸部及びこの凸部に対応する第2リンク部材34の凸部部分が夫々長手フレーム2aに固定された取付部材35bに枢着されており、この枢着部分が枢軸35aとなる。なお、第2リンク部材34における第1リンク部材33のへの字状の短片に相当する部分は割愛されている。
【0042】
一方、第2の直動アクチュエータ32は図中下側の長手フレーム2aに沿って配置され
ている。第2の直動アクチュエータ32の固定端は図7中下側の横軸2bに固定されている。一方、伸縮端は台車2の後方側(図中上側)の長手フレーム2a相互間に、取付部材36aを介して上方向に間隔をおいて掛け渡された枢軸部材36に固着された第1の棒状体37の端部に枢着されている。
【0043】
枢軸部材36には第1の棒状体37に対して所定角度を形成するように固定された第2の棒状体38が固定されており、第1の棒状体37と第2の棒状体38とでへの字状のリンク部材を形成している。第2の棒状体38に対向するように枢軸部材36の第1(図中上側)の長手フレーム2a近傍には第2の棒状体38と同様の長さ及び側面図上第1の棒状体37に対する同様の角度を有する第3の棒状体39が固定されている。
【0044】
第2直動アクチュエータ32が伸長すると枢軸部材36に固定された第2の棒状体38及び第3の棒状体39の端部が図中時計方向に回動して上昇するこのようにして第1の枢軸35に枢着された第1及び第2のリンク部材の長片側端部及び枢軸部材36に固定された第2の棒状体38及び第3の棒状体39の端部が上昇することにより、これらに、例えば4点支持されたベッド本体(図示省略)が上昇する。
【0045】
なお、第1及び第2直動アクチュエータ31と32との間には電動アシストユニット3の筺体8及びこの筺体8に設けられた駆動輪9が配置されている。
【0046】
次に、本実施形態に係る搬送用ベッドの操作パネルについて説明する。図8は、本実施形態に係る搬送用ベッドの操作パネルを示す説明図である。この操作パネル40は、ベッドのヘッド側又はフット側の幅方向のメインフレーム6、例えば中床固定、バンパー、ヘッドボード又はフットボード部分に、例えば埋め込むように設けられている。操作パネル40は、横方向に長い長方形型であり、その図中左端に電動アシストユニット3の主電源スイッチ41が設けられている。操作者は、搬送用ベッドを操作する際、先ずこの主電源スイッチ41をONにする。
【0047】
操作パネル40の中央には電動アシストユニット3の操作レバー7の高さ位置及びベッド本体の高さ位置を連動して調整するためのボタンスイッチ42が設けられている。このボタンスイッチ42は操作レバー7及びベッド本体の高さ位置を高くするためのスイッチ42aと低くするためのスイッチ42bとで構成されている。操作パネル40の図中右端には電源遮断ボタン43が設けられており、この電源遮断ボタン43は強制的にシステム電源を遮断させるためのものである。例えば緊急時又はベッドウォッシャー時に使用される。
【0048】
電動アシストユニット3の主電源スイッチ41と高さ調整用ボタンスイッチ42の間には搬送アシスト許可確認ランプ44が配置されており、例えば点灯時にはアシスト操作条件を満足し、電動アシストユニット3によるアシスト操作が行われていることを示す。高さ調整用ボタンスイッチ42と電源遮断ボタン43の間にはバッテリ残量警告ランプ45が配置されており、電動アシストユニット3の電源バッテリの電圧が許容値以下に低下した場合に点灯してこれを操作者に知らせる。
【0049】
次に、図9を参照して本実施形態に係る搬送用ベッドにおけるコントローラについて説明する。図9は、本実施形態に係る搬送用ベッドの概略構成ブロック図である。コントローラ(制御装置)17は周知のマイクロプロセッサを有するハード構成のもので、例えば電動アシストユニット3の操作レバー7及び上記図8に示した操作パネルからの操作指令等によって各装置を制御する。高さ調整用ボタンスイッチ42aが押されると、ベッド本体を操作レバー7及び操作パネルごと上昇させるため高さ調節機構(図7のシリンダ31及び32)に給電してこれを動作させる。
【0050】
また、電動アシストユニット3の操作用レバー7のスイッチ16がONされると、電動アシストユニット3の接地駆動装置4をオンとして付勢バネ12の付勢力に抗して起動軸4aを伸長させ、受部材11を介して筺体8を変位させて駆動輪9を床面に当接させる。
更に、電動アシストユニット3自体の動作制御手順を設定したり、ボトム5の起伏機構に給電する等の制御を行う。
【0051】
次に、電動アシストユニット3自体の動作制御手順の設定を説明する。先ず、ユニットの主電源オンにより接地駆動装置4をオンとして電動アシストユニット3の駆動輪9を床面に当接する。
【0052】
駆動輪9を床面に当接させた状態で、搬送用ベッド1の例えば商用電源オフ、移動用キャスタ2cのロックがオフであること、ボトム5の背上げ角度、膝挙げ角度等が所定角度以内であること、操作レバー7先端の切り替えスイッチ16がオンされたこと、電動アシストユニット3の操作電源バッテリの電圧が所定値以上であること等を条件に、操作レバー7による操作信号が受け入れられ、電動アシストユニット3の駆動制御が可能となる。
【0053】
コントローラ17においては(搬送力)=(人の操作力)+(入力に応じたモータ出力)というコンセプトで設定がなされ、電動アシストユニット3を駆動させるようにしている。
【0054】
人の操作力は、操作レバー7を傾斜操作したとき操作角度検出手段によって操作信号として取り出されるが、操作レバー7を前方に傾斜させることで前進、手前に傾斜させることで後進の指令として出力するよう設定されている。操作角度検出手段によって操作信号として取り出す際、操作レバー7の傾斜操作の度合いに対応した操作信号を、例えば予め設定した不感帯しきい値±F1、動作変換しきい値±F2、入力しきい値±F3(双方の操作レバー7の操作量の差)と比較して夫々のしきい値に対応した操作指令がなされたとして捉え、その操作指令に基づいて、電動アシストユニット3における右、左モータ24、25に対応した電力を与えて駆動制御する。
【0055】
この場合、+F1〜+F3は、操作レバー7の押し込み操作を示し、−F1〜−F3は引き込み操作を示すものとする。
【0056】
このような設定の基に、コントローラ17において、動作モードとして双方の操作レバー7による操作によって、例えば(A)停止・微調整モードから、所定の前進指令速度に達したら(B)前進・前コーナリングモードに移行させ、また所定の後進指令に達したら(C)後進モードに移行させ、夫々のモードで設定された操作指令に基づいて電動アシストユニット3を駆動させるようにしている。
【0057】
そこでこれら動作モード(A)乃至(C)を図10乃至図12に従って説明する。図10乃至図12は、夫々電動アシストユニットの操作指令を示す説明図であり、双方の操作レバー7の押し込み、引き込み操作を夫々縦軸横軸にとり、それら縦軸横軸が交差する箇所が、そのときの双方の操作レバー7の操作状態を示している。例えば(0、0)は双方の操作レバー7を握った状態で、操作されていない状態を示すものとする。(F1、F2)は双方の操作レバー7とも、押し込み状態で、一方が不感帯しきい値F1の操作力で他方が動作変換しきい値F2であることを示す。更に、(−F1、F2)は一方の操作レバーが引き込み操作で不感帯しきい値−F1の操作力であり、他方が押し込み操作で動作変換しきい値F2の操作力であることを示す。
【0058】
なお、図10乃至図12において記載された符号は、以下に説明する夫々のモードで設定された操作指令を示すものであり、上半分は記載された下半分と対象であるので省略されている。
【0059】
(A)停止・微調整モードにおいては、双方の操作レバーによる操作によって停止保持指令S、前進指令F、コーナ前進(2輪速度差)指令Cf、コーナ前進(1輪速度差)指令Rf、後進指令B、コーナ後進(2輪速度差)指令Cb、コーナ後進(1輪速度差)指令Rbが可能である(図10参照)。
【0060】
(B)前進・前コーナリングモードにおいては、速度保持指令V、前進指令F、コーナ前進(2輪速度差)指令Cf、ブレーキ指令X、更には2輪出力差を生じる指令、1輪出力(1輪惰走)指令、1輪ブレーキ(1輪惰走)指令、1輪出力と1輪ブレーキ指令が可能である(図11参照)。
【0061】
(C)後進モードにおいては、速度保持指令V、ブレーキ指令X、惰走指令−、後進指令Bが可能である(図12参照)。
【0062】
勿論、以上のような設定は一例であり、操作レバー7の操作量と電動アシストユニット3の右、左モータ24、25との駆動関係は、適宜設定することができる。
【0063】
本実施形態に係る搬送用ベッドは以上のように構成されるものであり、以下に、その動作について説明する。
【0064】
先ず、ベッドを搬送する操作者は、種々の操作を行う前に、搬送用ベッド1の操作レバー7を握り、この操作レバーの高さが自分の身長に適合しているか否か確認する。適合していない場合は操作パネル40の中央に設けられている高さ調整用ボタンスイッチ42を操作して高さ位置を調整する。このとき、例えば高くするスイッチ42aを押すと操作信号が、例えば中継装置を介してベッド本体の昇降装置の制御部に送られベッド本体を上昇させる方向に移動させ、この移動に伴って、メインフレーム6に設けられた操作用レバー7も上昇する。一方、操作レバー7の高さ位置を低くするボタンスイッチ42bを押した場合はその信号が、例えば中継装置を介してベッド本体の昇降装置の制御部に送られベッド本体を下降させる方向に移動させ、この移動に伴って、メインフレーム6に設けられた電動搬送用操作レバー7も下降する。
【0065】
このようにして操作レバー7及びベッド本体の高さ位置を調整した後、操作者である、例えば看護士は、ベッド1の電源コードのプラグを差し込み口から引き抜き、台車2における移動用キャスタ2cのロックを解除した後、電動アシストユニット3の主電源スイッチ41をONにする。次いで、両手で操作レバー7を掴んで先端部のスイッチ16をONにする。
【0066】
スイッチ16がONされると、電動アシストユニット3の接地駆動装置4がONされ、これによって起動軸4aが伸長し、受部材11を介して筺体8を変位させて駆動輪9を床面に当接させる。
【0067】
このとき、コントローラ17において、操作者が操作レバー7を握ったことが認識され、且つ電動アシストユニット3の電源バッテリの電圧が所定値以上であること等必要な条件が確認された後、電動アシストユニット3が搬送開始待機状態((A)停止・微調整モード)となる。
【0068】
(A)停止・微調整モードにおいては、看護士が操作レバー7を握った状態は、停止保持指令Sであるとして電動アシストユニット3は停止状態を維持する。また、双方の操作レバー7を前方に押し込んで傾けると、操作角度検出手段から操作信号としてコントローラ17に出力され、その操作がしきい値F1を超えるものであれば前進指令Fであるとして、電動アシストユニット3における右、左モータ24、25に正転駆動させる電力を出力し、ベッド1を前進させることができる。
【0069】
また、一方の操作レバー7を前方に押し込んで傾け、不感帯しきい値F1を超えた操作で、他方の操作レバー7が不感帯しきい値F1より下回る操作である場合、更に双方の操作レバー7の操作量の差が入力しきい値F3を超えたものであるときは、コーナ前進(2輪速度差)指令Cfとして電動アシストユニット3における右、左モータに対応した電力を与えて駆動制御することができる。
【0070】
また、一方の操作レバー7を前方に押し込んで入力しきい値F3を超えたもので、他方の操作レバー7を手前に引き込んで傾け、その操作が不感帯しきい値F1を超え、動作しきい値F2以下であるときはコーナ前進(1輪速度差)指令として、右、左モータ24、25に対応した電力を与えて駆動制御することができ、ベッド1をその場で大きく旋回させることができる。
【0071】
また、双方の操作レバー7を手前に引き込んで傾け、その操作が不感帯しきい値F1を超えたものであるときは、後進指令Bであるとして、電動アシストユニット3における右、左モータ24、25に逆転駆動させる電力を出力し、ベッド1を後進させることができる。
【0072】
更に、一方の操作レバー7が不感帯しきい値F1を超えた引き込み操作で、他方の操作レバー7が不感帯しきい値F1より下回る引き込み操作である場合はコーナ後進(2輪速度差)指令Cbとしてベッド1をコーナ後進させることができる。
【0073】
また、一方の操作レバー7が動作変換しきい値F2を超えた引き込み操作で、他方の操作レバー7が動作変換しきい値F2を下回る押し込み又は引き込み操作である場合はコーナ後進(1輪速度差)指令Rbであるとして、ベッド1を大きくコーナ後進旋回させることができる。
【0074】
そして、双方の操作レバー7の操作が夫々不感帯しきい値F1を超え、互いに逆に操作するような場合は惰走指令−であるとして右、左モータ24、25への電力の供給を遮断する。
【0075】
次に(B)前進・前コーナリングモードにおいては、操作レバー7を握った状態では、速度保持指令Vであるとして、電動アシストユニット3における右、左モータ24、25に電力を与えて所定の速度で前進することができる。
【0076】
また、双方の操作レバー7を前方に押し込んで、その操作が不感帯しきい値F1を超えたものであるときは、前進指令Fであるとして、電動アシストユニット3における右、左モータ24、25に正転駆動させる電力を出力し、ベッド1を前進させることができる。
【0077】
また、一方の操作レバー7が不感帯しきい値F1を超えた押し込み操作で、他方の操作レバー7が不感帯しきい値F1より下回る押し込み又は引き込み操作である場合、コーナ前進(2輪速度差)指令Cfとし、一方の操作レバー7が不感帯しきい値F1を超えた引き込み操作で、他方の操作レバー7が不感帯しきい値F1を下回る押し込み操作か、引き込み操作の場合はブレーキ指令Xであるとして右、左モータ24、25を制動することができる。
【0078】
更には、双方の操作レバー7の操作が夫々不感帯しきい値F1を超え、互いに逆に操作するような場合は、2輪出力差を生じる指令、1輪出力(1輪惰走)指令、1輪ブレーキ(1輪惰走)指令、1輪出力と1輪ブレーキ指令を選択し、右、左モータ24、25を制動することができる。
【0079】
そして(C)後進モードにおいては、操作レバー7を握った状態では速度保持指令Vであるとして右、左モータ24、25に電力を与えて所定の速度を保持しながら後進させることができる。
【0080】
また、少なくとも一方の操作レバー7を不感帯しきい値F1を超えた押し込み操作をするとブレーキ指令であるとして右、左モータ24、25を制動させることができる。
【0081】
また、少なくとも一方の操作レバー7を不感帯しきい値F1を超えた引き込み操作をすると後進指令Bであるとして右、左モータ24、25により後進させることができる。
【0082】
更に、双方の操作レバー7の操作が夫々不感帯しきい値F1を超え、互いに逆に操作するような場合は、惰走指令−であるとして右、左モータ24、25への電力の供給を遮断する。
【0083】
なお、以上のような各モードにおいて、(A)停止・微調整モードから(B)前進・前コーナリングモードへ、また、(A)停止・微調整モードから(C)後進モードへは夫々所定の速度に達したら移行し、逆に(B)前進・前コーナリングモードから(A)停止・微調整モードに移行するには所定速度未満の速度に変化することで一旦前停遷移モードを経て、停止することで達成される。
【0084】
また、(C)後進モードから(A)停止・微調整モードに移行するには所定速度未満の速度に変化することで一旦、後停遷移モードを経て、停止することによって達成される。
【0085】
さらに、(B)前進・前コーナリングモードから(C)後進モードに移行させる際は、前記前進・前コーナリングモードにおける所定前進速度より低下させることで、前進・前コーナリングモードから移行させ、ブレーキ指令によってベッドを停止させることで、一旦、(A)停止・微調整モードに移行させ、後進指令による後進動作で所定後進速度に達することで(C)後進モードに移行することができる。また、(C)後進モードから(B)前進・前コーナリングモードに移行させる際、(C)後進モードにおける所定後進速度より低下させることで後進モードから移行させ、ブレーキ指令によってベッドを停止させることで、一旦、前記(A)停止・微調整モードに移行させ、前進指令による前進動作で所定速度に達することで(B)前進・前コーナリングモードに移行させることができる。
【0086】
またもし、ベッド1を幅方向に動かすときは、主電源を逆転オンして接地駆動装置4を駆動させて起動軸4aを退動させ、付勢バネ12の付勢力を補助力として受部材11を介して筺体8を復帰変位させて駆動輪9を床面から離脱させる。これによってフリー状態にある移動用キャスタ2cによってベッド1を幅方向に移動させることができる。
【0087】
以上のように、看護士が双方の操作レバー7を押し込む操作がそのままベッド1の前進という動作につながり、また操作レバー7を引き込むという操作が後進というで動作につながり、更には、双方の操作レバー7の傾き操作加減でコーナリングを行わせることができるので、違和感なく、意のままにベッド1を動かし、所望の箇所にベッド1をもたらすことができる。
【0088】
所望の位置にベッド1をもたらしたら、ベッド1を停止させ、次いで、主電源を逆転オンにして接地駆動装置4を駆動させて起動軸4aを退動させれば付勢バネ12の付勢力を補助力として受部材11を介して筺体8が復帰変位し、駆動輪9を床面から離脱させることができる。そして、操作パネル40の高さ調整用ボタンスイッチ42bを押してベッド本体を操作用レバー7ごと最下部まで下降させ、その後、移動用キャスタ23をロックし、ベッド1の電源コードのプラグを差し込み口に差し込むこと等で、ベッド1のセッティングが完了する。
【0089】
本実施例によれば、操作者が移乗や診察等の理由から、ベッド高さを調整する場合に、他のナースパネルや手元スイッチを押すために移動する必要がなく、その場で操作することができるので、搬送ベッドの操作性が向上する。
【0090】
また、ヘッド又はフット側でベッドの昇降が可能になることから、別のベッドへ移乗するか又は別のベッドから移乗する場合に両ベッドの高さ調整が容易になる。更に電動アシストユニット3の操作ハンドル専用の昇降装置を設ける必要がなく、既存のベッド昇降装置を兼用することができるので、装置の複雑化を防止することができる。
【0091】
本発明において、ベッド昇降装置の第1及び第2直動アクチュエータに代えてエア又は液体シリンダ(油空圧シリンダ)を使用してもよい。また、本願に係る発明は、搬送用ベッドの他、車椅子、歩行器、乳母車をはじめとする、その機器本体の高さ調節手段に加え、搬送又は移動をアシストする電動搬送装置を設けた各種機器に同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
昇降機構と電動搬送装置との操作系統を一箇所に集中させ、操作性を向上させた本発明に係る搬送用ベッドは、病院をはじめとする各種ベッドの使用機関において特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本実施形態に係る搬送用ベッドの台車部分を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に適用される電動搬送装置の駆動輪を跳ね上げた状態の斜視図である。
【図3】図2におけるベッドの台車部分を示す側面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】本実施形態における操作レバーの一例を示す図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】本実施形態に適用されるベッドの昇降装置を示す説明図である。
【図8】本実施形態の操作パネルを示す説明図である。
【図9】本実施形態に適用されるベッド昇降装置及び電動搬送装置の概略構成ブロック図である。
【図10】本実施形態に係る電動搬送装置の電動アシストユニットの停止・微調整モードにおける操作指令を説明するためのマップである。
【図11】本実施形態に係る電動搬送装置の電動アシストユニットの前進・前コーナリングモードにおける操作指令を説明するためのマップである。
【図12】本実施形態に係る電動搬送装置の電動アシストユニットの後進モードにおける操作指令を説明するためのマップである。
【図13】従来技術における可動式操作パネルを示す斜視図である。
【図14】従来技術を示す説明図である。
【図15】別の従来技術を示す説明図である。
【符号の説明】
【0094】
1:搬送用ベッド
2:台車
2a:長手フレーム
2b:横軸
2c:移動用キャスタ
3:電動アシストユニット
4:接地駆動装置
4a:起動軸
5:ボトム
6:メインフレーム
7:操作レバー
8:筺体
9:駆動輪
10:支持台
11:受部材
12:付勢バネ
14:取付部
15:コイルスプリング
16:スイッチ
17:コントローラ
20:商用電源
21:バッテリ
24:右モータ
25:左モータ
26:ラグ
27:抜け止めピン
28:ストッパ
29:回転軸
31:第1直動アクチュエータ
32:第2直動アクチュエータ
33:第1リンク部材
34:第2リンク部材
35:円柱部材
35a:枢軸
35b:取付部材
36:枢軸部材
36a:取付部材
37:第1の棒状体
38:第2の棒状体
39:第3の棒状体
40:操作パネル
41:電動アシストユニット3の主電源スイッチ
42:高さ位置調整用ボタンスイッチ
42a:上昇用ボタンスイッチ
42b:下降用ボタンスイッチ
43:電源遮断ボタン
44:搬送アシスト許可確認ランプ
45:バッテリ残量警告ランプ
50:可動式操作パネル
51a:背上げ用UPボタン
51b:背上げ用DOWNボタン
52a:足上げ用UPボタン
52b:足上げ用DOWNボタン
53a:ベッド本体用UPボタン
53b:ベッド本体用DOWNボタン
101:ベッド本体
102:フレーム
103:ベッド搬送装置
107:操作部
110:Y字型ベース
112:アーム
114:電動搬送装置
115:ベッド本体
118:操作ハンドル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動用キャスタを備えた台車と、この台車上に設けられ被搬送者がのる搬送部と、この台車に設けられ搬送者が搬送用ハンドルを操作することにより前記台車の移動をアシストする電動搬送装置と、前記台車に設けられ前記搬送部を上下動させる昇降装置と、この昇降装置の制御部と、この昇降装置の制御部に操作信号を送る操作スイッチと、を有する電動アシスト搬送機材において、前記電動搬送装置の操作用ハンドルが設置された搬送操作部に前記昇降装置の操作スイッチとは別の昇降スイッチが設けられていることを特徴とする電動アシスト搬送機材。
【請求項2】
前記電動搬送装置の制御部は前記操作用ハンドルを前方に倒したとき、搬送をアシストする駆動力を前記台車に与えるように搬送を制御するものであり、前記昇降スイッチの信号は前記電動搬送装置の制御部から中継装置を介して前記昇降装置の前記制御部に伝達されることを特徴とする請求項1に記載の電動アシスト搬送機材。
【請求項3】
前記電動搬送装置は、使用時に床面に当接する一方、非使用時には床面から離脱する駆動輪と、この駆動輪を駆動させる駆動装置及び駆動を制御する制御装置と、操作用のハンドルと、電源用バッテリと、を有することを特徴とする請求項1に記載の電動アシスト搬送機材。
【請求項4】
前記搬送部の昇降装置は、直動アクチュエータ又は油空圧シリンダと、この直動アクチュエータ又は油空圧シリンダの伸縮端に一端が枢着されたリンク部材とを有し、このリンク部材は前記シリンダが伸縮することにより枢着端に対向する他端部が枢軸を介して上下動するものであることを特徴とする請求項1に記載の電動アシスト搬送機材。
【請求項1】
移動用キャスタを備えた台車と、この台車上に設けられ被搬送者がのる搬送部と、この台車に設けられ搬送者が搬送用ハンドルを操作することにより前記台車の移動をアシストする電動搬送装置と、前記台車に設けられ前記搬送部を上下動させる昇降装置と、この昇降装置の制御部と、この昇降装置の制御部に操作信号を送る操作スイッチと、を有する電動アシスト搬送機材において、前記電動搬送装置の操作用ハンドルが設置された搬送操作部に前記昇降装置の操作スイッチとは別の昇降スイッチが設けられていることを特徴とする電動アシスト搬送機材。
【請求項2】
前記電動搬送装置の制御部は前記操作用ハンドルを前方に倒したとき、搬送をアシストする駆動力を前記台車に与えるように搬送を制御するものであり、前記昇降スイッチの信号は前記電動搬送装置の制御部から中継装置を介して前記昇降装置の前記制御部に伝達されることを特徴とする請求項1に記載の電動アシスト搬送機材。
【請求項3】
前記電動搬送装置は、使用時に床面に当接する一方、非使用時には床面から離脱する駆動輪と、この駆動輪を駆動させる駆動装置及び駆動を制御する制御装置と、操作用のハンドルと、電源用バッテリと、を有することを特徴とする請求項1に記載の電動アシスト搬送機材。
【請求項4】
前記搬送部の昇降装置は、直動アクチュエータ又は油空圧シリンダと、この直動アクチュエータ又は油空圧シリンダの伸縮端に一端が枢着されたリンク部材とを有し、このリンク部材は前記シリンダが伸縮することにより枢着端に対向する他端部が枢軸を介して上下動するものであることを特徴とする請求項1に記載の電動アシスト搬送機材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−326(P2006−326A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178933(P2004−178933)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(390039985)パラマウントベッド株式会社 (165)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(390039985)パラマウントベッド株式会社 (165)
【Fターム(参考)】
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