説明

電動絞り装置

【課題】駆動機構の薄型化・小型化が共に可能であり、且つ、絞り羽根に対する高い駆動力の発揮により動作を安定させることができ、しかも、駆動機構の取り付け方向の選択の自由度を増して、設計の容易化を図ることのできる電動絞り装置を提供する。
【解決手段】2枚の絞り羽根20A、20Bを駆動するためのアクチュエータ40は、揺動支点P1を中心に揺動自在に支持され、揺動支点P1から離れた1つの揺動端P2に、揺動方向に両磁極を持つ永久磁石68を有し、且つ、揺動支点から離れた別の1つの揺動端P3に駆動ピンを有する可動子60と、励磁用のコイルを含み、該コイルに通電することにより、永久磁石に磁力を及ぼして可動子を揺動支点を中心に揺動させる固定子50と、を備え、可動子60の揺動支点P1及び駆動ピン63を有する揺動端P3が、コイル52により囲繞される領域の外側に配置されると共に、永久磁石68を有する揺動端P2が、コイル52により囲繞される領域の内側に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノートパソコンや携帯電話等に搭載される小型カメラ用の電動絞り装置に関する。本発明の電動絞り装置には、絞り開度を全閉と全開の2位置に切り替えるシャッタ装置に相当するものも含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の電動絞り装置においては、絞り羽根を駆動するアクチュエータ(駆動機構)として、所定の角度範囲を回動するロータ形式のものが用いられていることが多い。このタイプのアクチュエータは、円柱状の永久磁石を有し且つ回転中心から偏倚した位置に駆動ピンを有するロータと、ロータを回動自在に支持する枠部材と、枠部材の外側に巻回された励磁用のコイルと、枠部材の外周に外嵌されたヨーク等によって構成されている。
【0003】
この場合のコイルは、ロータの回転軸を包囲するように巻回されているのが普通であり、このことから、ロータの回転軸方向における寸法が大きくなり、その結果、電動絞り装置の厚さが厚くなってしまうという問題があった。電動絞り装置の厚みが大きくなると、それを搭載するカメラの薄型化及び小型化にも影響が出てくる。
【0004】
そこで、電動絞り装置の薄型化を図れるアクチュエータが開発され、特許文献1に開示されている。
図7、図8に特許文献1に記載のアクチュエータの構成を示す。このアクチュエータは、永久磁石101を自由端側の途中に搭載し更にその自由端側の先端部に駆動ピン102を有する可動子100と、ボビン112に巻かれた励磁用のコイル110及び磁路を形成するヨーク121を含む固定子120とを備え、コイル110への通電により可動子100を揺動させて、駆動ピン102により駆動力を取り出す形式のアクチュエータであって、前記可動子100の揺動支点103を、コイル112により囲繞される領域の外側に配置したものである。
【0005】
この構成によれば、可動子100が、コイル110に囲繞される領域の外側にある揺動支点103を中心にして揺動するので、可動子100のコイル110に囲繞される領域を薄く扁平に形成することができ、コイル110も薄く幅広く巻回することができる。従って、従来のようなロータの周りにコイルを巻回するものに比べて、揺動支点103の軸方向に関するアクチュエータの薄型化が行なえる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−165432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、図7、図8に示した従来のアクチュエータは、揺動支点103をコイル110の外側に配置しているので、薄型化は可能であるが、永久磁石101を搭載してコイル110内に挿入された同じ自由端の更に先側に駆動ピン102を設けているので、必然的に駆動ピン102の揺動半径R1が永久磁石101の揺動半径R2よりもかなり大きくなってしまい、その結果、駆動ピン102の揺動力(即ち、絞り羽根に与える駆動力)が弱くなるという問題がある。図示例では、R1がR2の2倍程度であるから、駆動ピン102に作用する駆動力は、永久磁石101部分に作用する揺動力の1/2程度となる。従って、駆動ピン102の駆動力が小さくなる分だけ、場合によっては、永久磁石101やコイル110を大型化せざるを得なくなり、薄型化は可能であるものの、装置全体が大型化してしまうおそれがある。
【0008】
また、従来のアクチュエータにおいては、駆動ピン102を設ける方向が、揺動支点103から見た場合に、永久磁石101と大体同じ方向にならざるを得ないので、駆動ピン102の揺動の向きを大きく変更することはできない。つまり、駆動ピン102の揺動方向は、大体のところ、永久磁石101の揺動方向と同じ方向になってしまい、それ以外の方向に設定するのは難しい。従って、電動絞り装置に適用する場合、羽根に対する駆動ピン102の揺動方向が決まると、自ずと、永久磁石101の向きやコイル110の向きが決まってしまい、アクチュエータの取り付け向きの選択の自由度がほとんどない。
【0009】
本発明は、上記事情を考慮し、駆動機構の薄型化・小型化が共に可能であり、且つ、絞り羽根に対する高い駆動力の発揮により動作を安定させることができ、しかも、駆動機構の取り付け方向の選択の自由度を増して、設計の容易化を図ることのできる電動絞り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、光路を形成する開口部を有した地板と、該地板の一方の板面上に前記開口部を挟んで互いに対向するように配され、且つ、軸によりそれぞれ地板の板面に沿って回動自在に支持され、前記各軸を支点に対称的に回動させられることで、前記開口部により形成される光路を絞り調節する2枚の絞り羽根と、前記地板の他方の板面に配され、地板を貫通して前記2枚の絞り羽根の相互の重なり部に形成した両長孔に挿入される駆動ピンを有し、該駆動ピンを移動させることにより、前記光路を絞り調節するために前記絞り羽根を駆動する駆動機構と、を備える電動絞り装置であって、
前記駆動機構は、揺動支点を中心に揺動自在に支持され、前記揺動支点から離れた1つの揺動端に、揺動方向に両磁極を持つ永久磁石を有し、且つ、前記揺動支点から離れた別の1つの揺動端に前記駆動ピンを有する可動子と、励磁用のコイルを含み、該コイルに通電することにより、前記永久磁石に磁力を及ぼして前記可動子を前記揺動支点を中心に揺動させる固定子と、を備え、
前記可動子の揺動支点及び前記駆動ピンを有する揺動端が、前記コイルにより囲繞される領域の外側に配置されると共に、前記永久磁石を有する揺動端が、前記コイルにより囲繞される領域の内側に配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電動絞り装置であって、前記駆動ピンと前記揺動支点とを通る直線上またはその近傍に、前記両絞り羽根を回動自在に支持する前記軸が配されており、前記駆動ピンから前記各軸までの距離が等しく設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の電動絞り装置であって、前記永久磁石を有する揺動端と前記揺動支点とを結ぶ直線に対して交差する方向に、前記駆動ピンを有する揺動端が配されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、駆動機構を構成する可動子の揺動支点を、コイルにより囲繞される領域の外側に設けたので、揺動支点の軸方向に関する装置の薄型化が可能である。
【0014】
また、駆動ピンを、永久磁石と同じ揺動端上の先端にではなくて、コイル外にある別の揺動端上に設けたので、駆動ピンの揺動半径を、永久磁石やコイルの寸法に制約されずに、任意の値に設定できる。例えば、駆動ピンの揺動半径を永久磁石の揺動半径より小さく設定することも可能である。従って、駆動ピンに作用する揺動力を永久磁石に発生する揺動力よりも大きくすることができ、駆動ピンの揺動ストロークは小さくなるが、駆動力を大きく設定できるようになる。その結果、駆動力を大きくできる分だけ、永久磁石やコイルを小型化することができ、薄型化と共に装置全体の小型化を図ることができる。なお、駆動ピンの揺動ストロークが小さくなっても、この形式の羽根駆動の場合、絞り羽根を支持する軸と駆動ピンの距離の設定の仕方によってカバーすることができるので、特に支障となることはない。
【0015】
また、揺動支点を基準に見た場合の永久磁石に対する駆動ピン(揺動端)の配置の方向を、コイルに制約されずに自由に選べる。そのため、駆動機構の取り付け向きを、設計段階で任意に設定することができて、設計の自由度を高められる。
【0016】
請求項2の発明によれば、駆動ピンによる駆動力を、絞り羽根の回動力として最大限に利用することができ、無駄な力の伝達を極力排することができる。また、駆動ピンと絞り羽根を支持する各軸までの距離を等しく設定したので、両方の絞り羽根を同じ条件でバランス良く駆動することができるし、また、略同じ形状の羽根を表向きと裏向きに配置して使用することもできる。
【0017】
請求項3の発明によれば、駆動ピンの揺動方向を、例えば、永久磁石の揺動方向に対して最大で90度変えることができる。このため、駆動ピンを有する揺動端の方向の選定により、絞り羽根と組み合わせる駆動機構の配置を、揺動端の方向に応じて設計段階で自由に選択できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の電動絞り装置について説明する。この実施形態として示す電動絞り装置は、光路を全開と全閉の2位置に切り替えるものであり、シャッタ装置とも呼べるものである。
【0019】
図1は実施形態の電動絞り装置の羽根押えカバーを外した状態を示す概略平面図、図2は羽根押えカバーを付けた状態での側断面図、図3は主要部品間の関係を示す図1と同じ方向から見た断面図、図4は主要部品である地板、羽根、羽根押えカバーの平面図、図5は主要部品であるアクチュエータ(駆動機構)の構成を示す図で、(a)は断面図、(b)は駆動ピン側から見た正面図である。
【0020】
図1〜図4に示すように、この電動絞り装置は、矩形状の地板10と、極薄材料よりなる2枚の絞り羽根20A、20Bと、アクチュエータ50と、羽根押えカバー90と、から概略構成されるもので、地板10は、片面に絞り羽根20A、20Bを収容するための浅いフラットな凹所11を有し、その凹所11内に位置させて、光路を形成する円形の開口部12と、後述する駆動ピン63を貫通させる貫通孔13と、絞り羽根20A、20Bを支持するために立設された軸15A、15Bと、を有する。軸15A、15Bは、貫通孔13を挟んで対向している。また、地板10の外周縁部には、羽根押えカバー90を係合するフック19が設けられている。
【0021】
絞り羽根20A、20Bは、地板10の一方の板面上に形成された凹所11内に、開口部12を挟んで互いに対向するように配されている。両絞り羽根20A、20Bは、略同一形状のもので、一方を表向き、他方を裏向きにして配置されている。各絞り羽根20A、20Bは、先端側縁に地板10の開口部12に対応した半円状の切欠21、基端部に円孔22及び長孔23を有するもので、円孔22を、地板10に立設された各軸15A、15Bに嵌めることで、各軸15A、15Bを支点に、それぞれ地板10の板面に沿って回動自在に支持されている。
【0022】
そして、各軸15A、15Bを支点にして、絞り羽根20A、20Bを対称的に回動させることで、開口部12により形成される光路を絞り調節するようになっている。この場合の絞り羽根20A、20Bは、光路を全閉する位置と全開する位置の2位置に切り替えられる。図1及び図3の実線は全開位置、図3の二点鎖線は全閉位置を示している。羽根押えカバー90は、周縁をフック19に係合されることで、絞り羽根20A、20Bを保護して脱落を押さえる。この羽根押えカバー90にも、地板10の開口部12に対応した開口91と、2つの軸15A、15Bの周辺部に対応した開口92が設けられている。
【0023】
アクチュエータ(駆動機構)40は、固定子50と可動子60とよりなるもので、地板10の反対側の板面に取り付けられている。図5に詳細を示すように、固定子50は、ハウジングを兼ねた上下割構造のボビン51と、ボビン51の外周の凹部に巻かれた励磁用のコイル52と、その外側に嵌合されたヨーク80(図2に図示)とよりなり、ボビン51の内部に可動子60の揺動空間53が確保されている。
【0024】
可動子60は、ボビン51の内部に収容され、揺動支点P1として設けられた支軸62を中心に、ボビン51に揺動自在に支持されており、支軸62を上下に突設した矩形枠状の樹脂製の本体61と、本体61に一端が嵌合された永久磁石68とからなる。可動子60上には、揺動支点P1から離れた第1の揺動端P2と、同じく揺動支点P1から離れた別の第2の揺動端P3とが設けられており、第1の揺動端P2上に、揺動方向に両磁極(N極とS極)を持つ前記永久磁石68が設けられ、第2の揺動端P3上に駆動ピン63が設けられている。そして、コイル52に通電した際に、通電の向きにより図3に矢印A、Bで示すように、ボビン51を貫通する方向にN極とS極とが発生し、それにより、永久磁石68に電磁力を及ぼして、可動子60を揺動させるようになっている。
【0025】
図1に示すように、駆動ピン63は、地板10の貫通孔13を通して反対面に突出しており、2枚の絞り羽根20A、20Bの相互の重なり部に形成してある両長孔23に挿入されている。そして、可動子60が一方側へ回動して駆動ピン63が揺動することにより、両絞り羽根20A、20Bが軸15A、15Bを支点にして相対的に開方向に回動し、可動子60が他方側へ回動して駆動ピン63が揺動することにより、両絞り羽根20A、20Bが軸15A、15Bを支点にして相対的に閉方向に回動するようになっている。
【0026】
ここで、重要なことは、第1に、可動子60の揺動支点P1及び駆動ピン63を有する第2の揺動端P3が、コイル52により囲繞される領域の外側に配置されると共に、永久磁石68を有する第1の揺動端P2が、コイル52により囲繞される領域の内側に配置されていることである。
【0027】
また、第2に、駆動ピン63と揺動支点P1とを通る直線上またはその近傍に、両絞り羽根20A、20Bを回動自在に支持する軸15A、15Bが配されており、駆動ピン63から各軸15A、15Bまでの距離が等しく設定されていることである。
【0028】
また、第3に、永久磁石68を有する第1の揺動端P2と揺動支点P1とを結ぶ直線に対して交差する方向(本例ではほぼ90°の方向)に、駆動ピン63を有する第2の揺動端P3が配されていることである。
【0029】
以上の構成により、次の作用効果を得ることができる。
即ち、アクチュエータ(駆動機構)40を構成する可動子60の揺動支点P1を、コイル52により囲繞される領域の外側に設けていることにより、揺動支点P1の軸方向に関する電動絞り装置の薄型化が可能となっている。
【0030】
また、駆動ピン63を、永久磁石68と同じ第1の揺動端P2上の先端にではなくて、コイル52外にある別の第2の揺動端P3上に設けているので、駆動ピン63の揺動半径R1(図5(a)参照)を、永久磁石68やコイル52の寸法に制約されずに、任意の値に設定できる。例えば、本例のように、駆動ピン63の揺動半径R1を永久磁石68の揺動半径R2より小さく設定することも可能である。従って、駆動ピン63に作用する揺動力を永久磁石68に発生する揺動力よりも大きくすることができ、駆動ピン63の揺動ストロークは小さくなるものの、駆動力を大きく設定できるようになる。
【0031】
その結果、駆動力を大きくできる分だけ、永久磁石68やコイル52を小型化することが可能となり、薄型化と共に、電動絞り装置全体の小型化を図ることができる。なお、駆動ピン63の揺動ストロークが小さくなっても、この形式の羽根駆動の場合、絞り羽根20A、20Bを支持する軸15A、15Bと駆動ピン63の距離の設定の仕方によって十分にカバーすることができるので、特に支障となることはない。
【0032】
また、揺動支点P1を基準に見た場合の永久磁石68に対する駆動ピン63(第2の揺動端)の配置の方向を、コイル52に制約されずに自由に選べる。そのため、アクチュエータ40の取り付け向きを、設計段階で任意に設定することができる。本例では、駆動ピン63の揺動方向を、永久磁石68の揺動方向に対して大体90度程度変換している。このため、駆動ピン63を有する揺動端P3の方向の選定により、絞り羽根20A、20Bと組み合わせるアクチュエータ40の配置を、揺動端P3の方向に応じて、設計段階で自由に選択できる。
【0033】
例えば、図6に示す別実施形態のように、第2の揺動端P3の向きを、永久磁石68を備えた第1の揺動端P2の180度反対側に設定して、アクチュエータ40を取り付けることも可能である。
【0034】
また、駆動ピン63と揺動支点P1とを通る直線上またはその近傍に、両絞り羽根20A、20Bを回動自在に支持する軸15A、15Bを配しているので、駆動ピン63による駆動力を、絞り羽根20A、20Bの回動力として最大限に利用することができ、無駄な力の伝達を極力排することができる。また、駆動ピン63と絞り羽根20A、20Bを支持する各軸15A、15Bまでの距離を等しく設定しているので、両方の絞り羽根20A、20Bを同じ条件でバランス良く駆動することができるし、また、略同じ形状の羽根を表向きと裏向きに配置して使用することもできる。
【0035】
なお、上記実施形態では、絞り開度を2位置(全開と全閉)に切り替える場合を示したが、可動子60に所定の磁気的付勢力を及ぼす磁性部材(付勢部材)や機械的な付勢力を与えるバネなどを付加し、その付勢力と前記磁力とのバランスで絞り開度を中間位置に調節できるように構成することもできる。また、それらの付勢手段により、可動子60を非通電時でも定位置に保持するように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態の電動絞り装置の羽根押えカバーを外した状態を示す概略平面図である。
【図2】同電動絞り装置の羽根押さえカバーを付けた状態での側断面図である。
【図3】同電動絞り装置の主要部品間の関係を示す図1と同じ方向から見た断面図である。
【図4】同電動絞り装置の主要部品である地板、羽根、羽根押えカバーの平面図である。
【図5】同電動絞り装置の主要部品であるアクチュエータ(駆動機構)の構成を示す図で、(a)は断面図、(b)は駆動ピン側から見た正面図である。
【図6】本発明の他の実施形態の概略平面図である。
【図7】従来の電動絞り装置(シャッタ装置)用のアクチュエータの例を示す分解斜視図である。
【図8】同アクチュエータの横断面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 地板
12 開口部
15A,15B 軸
20A,20B 絞り羽根
23 長孔
40 アクチュエータ(駆動機構)
50 固定子
52 コイル
60 可動子
63 駆動ピン
68 永久磁石
P1 揺動支点
P2 第1の揺動端
P3 第2の揺動端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光路を形成する開口部を有した地板と、
該地板の一方の板面上に前記開口部を挟んで互いに対向するように配され、且つ、軸によりそれぞれ地板の板面に沿って回動自在に支持され、前記各軸を支点に対称的に回動させられることで、前記開口部により形成される光路を絞り調節する2枚の絞り羽根と、
前記地板の他方の板面に配され、地板を貫通して前記2枚の絞り羽根の相互の重なり部に形成した両長孔に挿入される駆動ピンを有し、該駆動ピンを移動させることにより、前記光路を絞り調節するために前記絞り羽根を駆動する駆動機構と、を備える電動絞り装置であって、
前記駆動機構は、
揺動支点を中心に揺動自在に支持され、前記揺動支点から離れた1つの揺動端に、揺動方向に両磁極を持つ永久磁石を有し、且つ、前記揺動支点から離れた別の1つの揺動端に前記駆動ピンを有する可動子と、
励磁用のコイルを含み、該コイルに通電することにより、前記永久磁石に磁力を及ぼして前記可動子を前記揺動支点を中心に揺動させる固定子と、を備え、
前記可動子の揺動支点及び前記駆動ピンを有する揺動端が、前記コイルにより囲繞される領域の外側に配置されると共に、前記永久磁石を有する揺動端が、前記コイルにより囲繞される領域の内側に配置されていることを特徴とする電動絞り装置。
【請求項2】
前記駆動ピンと前記揺動支点とを通る直線上またはその近傍に、前記両絞り羽根を回動自在に支持する前記軸が配されており、前記駆動ピンから前記各軸までの距離が等しく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電動絞り装置。
【請求項3】
前記永久磁石を有する揺動端と前記揺動支点とを結ぶ直線に対して交差する方向に、前記駆動ピンを有する揺動端が配されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動絞り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−98625(P2006−98625A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−283585(P2004−283585)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000231590)日本精密測器株式会社 (64)
【Fターム(参考)】