説明

電動車両

【課題】雨水等の影響を受けにくくしつつ,収納ボックスの容積に影響を与えにくい,車両側端子の収納構造を有する電動車両を提供する。
【解決手段】運転者が座るシート2と,シート2の下方に設けられた収納ボックス3と,収納ボックス3の側方を覆うサイドカバー30と,車両に搭載されたバッテリと,バッテリの電力で駆動され,車両を走行させる動力源となるモータとを備え,サイドカバー30を,シート下方から外下方に延びる上傾斜面31と,上傾斜面31の下端部31bから屈曲して,内下方に延びる下傾斜面32とを備えたカバーとし,下傾斜面32に,バッテリに充電するための外部電源の端子に接続される車両側端子41が収容される端子収容凹部33と,端子収容凹部33を覆うリッド34とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,電動車両に関する。より詳しくは,電動車両に搭載されたバッテリに充電するための外部電源の端子に接続される車両側端子の収容構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,電動車両として,例えば特許文献1に見られるような電動車両が知られている。同文献の符号を借りて説明すると,この電動車両は,運転者が座るシート(8)と,このシート(8)の下方に設けられた収納ボックス(7)と,車両に搭載されたバッテリ(11)と,このバッテリ(11)の電力で駆動され,車両を走行させる動力源となるモータとを備え,バッテリ(11)に充電するための外部電源の端子に接続される車両側端子(13a)と,この車両側端子(13a)に接続された充電用コード(13)と,この充電用コード(13)に接続された充電器(12)とが,収納ボックス(7)内に収容されるようになっている。
このような電動車両によれば,車両側端子(13a)等がシート下方の収納ボックス(7)に収納されるので,車両側端子(13a)等が雨水等の影響を受けにくくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平04−91596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の電動車両のように,収納ボックス内に車両側端子等を収容する構造では,収納ボックス内の容積が減少してしまうため,収納ボックスの容積に影響を与えにくい車両側端子等の収納構造が望まれている。
本発明は,雨水等の影響を受けにくくしつつ,収納ボックスの容積に影響を与えにくい,車両側端子の収納構造を有する電動車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の電動車両は,運転者が座るシートと,このシートの下方に設けられた収納ボックスと,この収納ボックスの側方を覆うサイドカバーと,車両に搭載されたバッテリと,このバッテリの電力で駆動され,車両を走行させる動力源となるモータと,を備えた電動車両であって,
前記サイドカバーを,シート下方から外下方に延びる上傾斜面と,この上傾斜面の下端部から屈曲して,内下方に延びる下傾斜面とを備えたカバーとし,前記下傾斜面に,前記バッテリに充電するための外部電源の端子に接続される車両側端子が収容される端子収容凹部と,この端子収容凹部を覆うリッドとを設けたことを特徴とする。 なお,本願において端子とは,電気回路や電気装置の電流の出入口をなす部材をいい,コンセントやプラグを含む。
この電動車両によれば,車両に搭載されたバッテリの電力で駆動されるモータの動力で走行でき,充電時には,外部電源の端子と車両側端子とを接続することでバッテリに充電することができる。
充電時には,リッドを開けて,車両側端子と外部電源の端子とを接続することができ,従来の電動車両とは異なり,シートを開ける必要がないので,より簡便に充電作業を行うことが可能になる。
そして,車両側端子が収容される端子収容凹部は,収納ボックス内にではなく,収納ボックスの側方を覆うサイドカバーを,シート下方から外下方に延びる上傾斜面と,この上傾斜面の下端部から屈曲して,内下方に延びる下傾斜面とを備えたカバーとして,その下傾斜面に設けたので,収納ボックスの容積に影響が及びにくくすることが可能である。すなわち,収納ボックスの容積を確保することが可能である。
また,端子収容凹部は,下傾斜面に設けたので,上傾斜面に設ける場合に比べて,雨水等の影響を受けにくくすることが可能である。
以上のように,この電動車両によれば,車両側端子が雨水等の影響を受けにくいようにしつつ,収納ボックスの容積にも影響を与えにくくすることができる。
しかも,収納ボックスとサイドカバーとの間にはデッドスペースが生じがちであるが,そのデッドスペースを有効活用することが可能になる。
望ましくは,前記リッドは,頂点を上方に向けた三角形状とする。
このように構成すると,端子収容凹部に侵入しようとする雨水等がリッドの頂点から左右に分かれて流れやすくなるので,端子収容凹部内に水が侵入しにくくなる。
望ましくは,前記車両側端子は,コードリールから引き出し可能な充電用コードに接続し,前記コードリールは,前記端子収容凹部の上方に配置する。
このように構成すると,充電時には,リッドを開けて,車両側端子および充電用コードをコードリールから引き出し,車両側端子を外部電源の端子に接続することで充電できるので,より簡単に充電作業を行うことが可能になる。
しかも,コードリールは,端子収容凹部の上方に配置されているので,水が充電用コードを伝ってコードリールに侵入するのを防止することができる。
望ましくは,前記端子収容凹部は,下方に向かうにつれて車両内側に傾斜した内側傾斜面を備え,該端子収容凹部に収容された車両側端子は,前記内側傾斜面に配置される構成とする。
このように構成すると,車両側端子への水の影響がより及びにくくなる。
望ましくは,前記シートの側方にはグラブレールを設け,このグラブレールの下方に前記端子収容凹部を設け,前記グラブレールを支持するブラケットの近傍に前記コードリールを配置する。
このように構成すると,グラブレールが雨よけとしても作用するので,前記端子収容凹部およびリッドに雨水が当たりにくくなる。また,グラブレールおよびグラブレールを支持するブラケットにより,コードリールを外力から保護しやすくなる。
望ましくは,前記端子収容凹部内に,当該端子収容凹部を照らすライトを設ける。
このように構成すると,暗がりでも作業がしやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明に係る電動車両の一実施の形態を示す正面図。
【図2】同じく右側面図。
【図3】同じく部分省略拡大右側面図。
【図4】図3における部分省略IV−IV断面図。
【図5】図3における部分省略V−V断面図。
【図6】充電システムの一例を示すブロック図。
【図7】充電システムの他の例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下,本発明に係る電動車両の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1,図2に示すように,この実施の形態の電動車両1は,鞍乗型車両,より詳しくはスクータ型の電動車両である。
主として図2に示すように,この電動車両1は,運転者が座るシート2と,このシート2の下方に設けられた収納ボックス3と,この収納ボックス3の側方を覆うサイドカバー30と,車両に搭載されたバッテリ40と,このバッテリ40の電力で駆動され,車両を走行させる動力源となるモータ50とを備えている。
【0008】
この車両1の車体フレーム10は,ヘッドパイプ11と,該ヘッドパイプ11から後下がりに延びるダウンフレーム13と,該ダウンフレーム13の下部に連結されて後方に延びる左右一対のアンダーフレーム14と,それらアンダーフレーム14の後部から一体に連なって後上がりに延びる左右一対のリヤフレーム14rとを備えている。
【0009】
左右一対のリヤフレーム14rの間に,上記収納ボックス3が配置され,収納ボックス3の上部に,該収納ボックス3の開口を覆うように上記シート2が配置されている。収納ボックス3は,リヤフレーム14rの適所に固定されている。シート2はその前部が,軸2aで,収納ボックス3の上部先端に回動可能に支持されており,軸2a回りに開閉可能である。シート2を仮想線で示すように開くことにより,収納ボックス3に荷物を出し入れすることができる。
【0010】
この車両1は二人乗りが可能な車両であり,シート2は,同乗者用の後部座席2rを有している。後部座席2rを平面視コの字状に囲うようにグラブレール4が設けられている。図3に示すように,グラブレール4は,その両先端部分4fが,リヤフレーム14rに一体に設けたブラケット14dにボルト4bで固定されており,後部4rが,リヤフレーム14rの後部に一体に設けたブラケット14cにボルト4brで固定されている。なお,収納ボックス3の両側部に設けたフランジ部3fが,グラブレール4の両先端部分4fと共締めによってブラケット14dにボルト4bで固定されている。
【0011】
図2に示すように,前記アンダーフレーム14の後部には,左右一対のブラケット14bが一体に設けられ,このブラケット14b,14bに架設して設けられたピボット軸15によって,スイングアーム16が揺動自在に支持されている。スイングアーム16の後部にモータ50が内蔵されており,このモータ50によって,スイングアーム16の後部に支持された後輪WRが回転駆動される。
【0012】
両アンダーフレーム14,14間には,モータ50に電力を供給するための,前記バッテリ40を内蔵したバッテリケース40Cが両アンダーフレーム14,14で支持されるようにして配置されている。バッテリ40としては,例えば72Vの高電圧バッテリを用いることができる。
【0013】
ヘッドパイプ11には,ステアリングシャフト12が回動可能に支持されている。ステアリングシャフト12の下部にはボトムプレート12bを介して左右一対のフロントフォーク12fが設けられ,これらフロントフォーク12f,12fの先端に前輪WFが回転可能に支持されている。
【0014】
ステアリングシャフト12の上部には左右一対のハンドルバー12hが設けられ,それらハンドルバー12hにはハンドルグリップ12gが設けられている。
したがって,運転者はシート2に座り,ハンドルグリップ12gを握って車両1を運転することができる。
【0015】
車体フレーム10は,該車体フレーム10とともに車体を構成する合成樹脂製の車体カバー20で覆われている。
車体カバー20は,前記ヘッドパイプ11を前方から覆うフロントカウル21と,前記シート2に座った運転者の脚部を前方から覆うようにしてフロントカウル21に連なるレッグシールド22と,前記シート2に座った運転者の足を載せるようにして前記レッグシールド22の下部に連なるとともに前記バッテリケース40Cを上方から覆う低床フロア23と,前記両アンダーフレーム14,14を両側から覆うようにして前記低床フロア23の両側から垂下される左右一対のフロアサイドカバー24と,これら両フロアサイドカバー24の下縁同士を結ぶアンダーカバー25と,前記シート2の下方を前方から覆うようにして低床フロア23の後端から立ち上がるシート下前部カバー26と,前記シート2の下方を両側から覆うようにして前記シート下前部カバー26の両側に連なる左右一対のサイドカバー30と,前記後輪WRを上方から覆って前記両サイドカバー30に連なるリヤカバー27とを備えている。
【0016】
図2〜図5に示すように,この実施の形態の電動車両1は,サイドカバー30を,シート2の下方から外下方に延びる上傾斜面31と,この上傾斜面31の下端部31bから屈曲して,内下方に延びる下傾斜面32とを備えたカバーとし,下傾斜面32に,前記バッテリ40に充電するための外部電源の端子60または47c(図6または図7参照)に接続される車両側端子41が収容される端子収容凹部33と,この端子収容凹部33を覆うリッド34とを設けてある。
【0017】
この電動車両1によれば,車両1に搭載されたバッテリ40の電力で駆動されるモータ50の動力で走行でき,充電時には,外部電源の端子60または47c(図6または図7参照)と車両側端子41とを接続することでバッテリ40に充電することができる。
充電時には,リッド34を開けて,車両側端子41と外部電源の端子とを接続することができ,従来の電動車両(例えば実開平04−91596号)とは異なり,シート2を開ける必要がないので,より簡便に充電作業を行うことが可能になる。
【0018】
そして,車両側端子41が収容される端子収容凹部33は,収納ボックス3内にではなく,収納ボックス3の側方を覆うサイドカバー30を,シート下方から外下方に延びる上傾斜面31と,この上傾斜面31の下端部31bから屈曲して,内下方に延びる下傾斜面32とを備えたカバーとして,その下傾斜面32に設けたので,収納ボックス3の容積に影響が及びにくくすることが可能である。すなわち,収納ボックス3の容積を確保することが可能である。この実施の形態では,図4に示すように,収納ボックス3は左右一対のリヤフレーム14r(図4において一方のみ図示)の間に配置され,端子収容凹部33はリヤフレーム14rの外側に配置されているので,端子収容凹部33は,収納ボックス3の容積に全く影響を及ぼさない。
【0019】
また,端子収容凹部33は,下傾斜面32に設けたので,上傾斜面31に設ける場合に比べて,雨水等の影響を受けにくくすることが可能である。
以上のように,この電動車両1によれば,車両側端子41が雨水等の影響を受けにくいようにしつつ,収納ボックス3の容積にも影響を与えにくくすることができる。
しかも,収納ボックス3とサイドカバー30との間にはデッドスペースが生じがちであるが,そのデッドスペースdsを有効活用することが可能になる。
否充電時には,リッド34を閉じることによって,端子収容凹部33に収容されている車両側端子41を液滴や塵埃から保護することができる。
【0020】
図3に示すように,リッド34は,頂点34aを上方に向けた三角形状としてある。
このように構成すると,端子収容凹部33に侵入しようとする雨水等が,図3に矢印w,wで示すように,リッド34の頂点34aから左右に分かれて流れやすくなるので,端子収容凹部33内に水が侵入しにくくなる。
【0021】
リッド34は,サイドカバー30に対し,軸34b(図4参照)で回動可能に設けることができる。リッド34は公知の係合機構によりサイドカバー30(端子収容凹部33)に対しクリック感をもって開閉することができるように構成することができる。
図4,図5において,35はサイドカバー30とリッド34との間に設けられたリップシールである。
る。
【0022】
図2〜図4に示すように,車両側端子41は,コードリール42から引き出し可能な充電用コード43に接続し,コードリール42は,端子収容凹部33の上方に配置する。コードリール42は,リヤフレーム14rに一体に設けたブラケット42dに取り付けることができる。コードリール42を,前述したグラブレール4の支持用ブラケット14dの近傍(図示のものは前側近傍)に設けることで,グラブレール4およびその支持用ブラケット14dにより,コードリール42を外力から保護しやすくなる。
コードリール42における他方のコード(前記コード43と電気的に接続されているコード)44は,充電器45およびコード45c(図2,図6参照)を介してバッテリ40に接続されている。コードリール42の構造は,公知の構造(例えばコードの自動巻取り機構を有する構造等))を作用することができる。充電器45は公知の充電器を用いることができる。
【0023】
車両側端子41は,端子ホルダー41hに軸41aで前後方向に回動可能に設けられている。46は,車両側端子41を端子収容凹部33内に収容した際に,車両側端子41および端子ホルダー41hを受ける受け部材である。
【0024】
車両側端子41および充電用コード43を引き出し可能な構成とすると,充電時には,リッド34を開けて,車両側端子41および充電用コード43をコードリール42から引き出し,車両側端子41を外部電源の端子(例えばコンセント60)に接続することで充電できるので,より簡単に充電作業を行うことが可能になる。
【0025】
しかも,コードリール42は,端子収容凹部33の上方に配置されているので,水が充電用コード43を伝ってコードリール42に侵入するのを防止することができる。
さらにこの実施の形態では,端子収容凹部33とコードリール42とをリヤフレーム14rの上下に振り分けて配置したので,デッドスペースdsをより有効に活用することが可能になる。
【0026】
望ましくは,図4,図5に示すように,端子収容凹部33から車両側端子41および充電用コード43を引き出した後,リッド34を閉じることで,充電用コード43をホールドする凹部36を,サイドカバー30とリッド34との間に設ける。
このように構成すると,凹部36を通る充電用コード43の状態を固定させることができるため,安定した充電状態を得ることが可能となる。
この実施の形態では,凹部36を端子収容凹部33の前後両側に設けてあるので,車両側端子41および充電用コード43を車両1の前側,後側のいずれに引き出した場合でも,充電用コード43をホールドして安定した充電状態を得ることが可能である。
【0027】
図4に示すように,端子収容凹部33は,下方に向かうにつれて車両内側に傾斜した内側傾斜面33bを備え,端子収容凹部33に収容された車両側端子41は,内側傾斜面33bに配置されている。
このように構成すると,仮に端子収容凹部33内に水が侵入したとしても車両側端子41にかかりにくくなるので,車両側端子41への水の影響がより及びにくくなる。
また,内側傾斜面33bの内側面とコードリール42のコード引き出し口42cとが対向する状態(内側傾斜面33bの内側面がコードリール42のコード引き出し口42cに向かった状態)となり,コードリール42からのコード43の引き出し方向と内側傾斜面33bからのコード43の引き出し方向とが順方向となるため,車両側端子41および充電用コード43を引き出しやすくなる。
【0028】
シート2の側方には前述したグラブレール4が設けられており,端子収容凹部33は,グラブレール4の下方に設けられている。前述したように,前記グラブレール4を支持するブラケット14dの近傍に前記コードリール42が配置されている。
このように構成すると,グラブレール4が雨よけとしても作用するので,端子収容凹部33およびリッド34に雨水が当たりにくくなる。また,グラブレール4およびグラブレール4を支持するブラケット14dにより,コードリール42を外力から保護しやすくなる。
【0029】
端子収容凹部33内には,端子収容凹部33を照らすライト33Lを設ける。
このように構成すると,暗がりでも作業,特に端子同士の接続作業等がしやすくなる。
ライト33LはLEDで構成することができる。ライト33Lの電源はバッテリ40からとることができる。
【0030】
図6は充電システムの一例を示すブロック図である。同図からも分かるように,外部電源の端子であるコンセント60に車両側端子41を接続することで充電器45によりバッテリ40に充電することができる。
なお,図2において,28は充電器45を冷却するためにサイドカバー30に設けた開口である。
【0031】
図7は充電システムの他の例を示すブロック図である。図示の充電システムは,車両1とは別に,充電器47が用意される。充電器47は公知の充電器を採用でき,例えば家庭用電源のコンセント60に接続されるプラグ47pと,車両側端子41に接続されるコネクタ47cとを備えている。同図からも分かるように,コンセント60に充電器47のプラグ47pを接続し,充電器47のコネクタ47cに車両側端子41を接続することでバッテリ40に充電することができる。
【0032】
したがって,図7に示すような充電システムにおいては,充電器47のコネクタ47cが,車両1にとっての「外部電源の端子」である。
図7に示すような充電システムを用いる場合,車両側端子41は,引き出し不能とすることもできる。
この場合,充電器47のコネクタ47cを車両側端子41に接続する際には,リッド34を開け,コネクタ47cを端子収容凹部33内に入れて車両側端子41と接続する。コネクタ47cを前側から入れた際には車両側端子41を前側に回動させることができ,また後側から入れた際には車両側端子41を後側に回動させることができるので,いずれの場合にも,接続後に車両側端子41を倒してリッド34を閉じることができ,その際,前記凹部36にてコネクタ47cのコード47dを保持することができる。
図7に示すような充電システムを用いると,車両1に充電器47を搭載する必要がなくなるので,車両1の小型軽量化を図ることができる。
【0033】
以上,本発明の実施の形態について説明したが,本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく,本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【符号の説明】
【0034】
1:電動車両, 2:シート, 3:収納ボックス, 4:グラブレール, 30:サイドカバー, 31:上傾斜面, 31b:上傾斜面の下端部, 32:下傾斜面, 33:端子収容凹部, 33b:内側傾斜面, 33L:ライト, 34:リッド, 40:バッテリ, 41:車両側端子, 42:コードリール, 50:モータ,

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者が座るシート(2)と,このシート(2)の下方に設けられた収納ボックス(3)と,この収納ボックス(3)の側方を覆うサイドカバー(30)と,車両に搭載されたバッテリ(40)と,このバッテリ(40)の電力で駆動され,車両を走行させる動力源となるモータ(50)と,を備えた電動車両であって,
前記サイドカバー(30)を,シート下方から外下方に延びる上傾斜面(31)と,この上傾斜面(31)の下端部(31b)から屈曲して,内下方に延びる下傾斜面(32)とを備えたカバーとし,前記下傾斜面(32)に,前記バッテリ(40)に充電するための外部電源の端子(60,47c)に接続される車両側端子(41)が収容される端子収容凹部(33)と,この端子収容凹部(33)を覆うリッド(34)とを設けたことを特徴とする電動車両。
【請求項2】
前記リッド(34)は,頂点を上方に向けた三角形状としたことを特徴とする請求項1記載の電動車両。
【請求項3】
前記車両側端子(41)は,コードリール(42)から引き出し可能な充電用コード(43)に接続し,前記コードリール(42)は,前記端子収容凹部(33)の上方に配置したことを特徴とする請求項1または2記載の電動車両。
【請求項4】
前記端子収容凹部(33)は,下方に向かうにつれて車両内側に傾斜した内側傾斜面(33b)を備え,該端子収容凹部(33)に収容された車両側端子(41)は,前記内側傾斜面(33b)に配置されることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の電動車両。
【請求項5】
前記シート(2)の側方にはグラブレール(4)を設け,このグラブレール(4)の下方に前記端子収容凹部(33)を設け,前記グラブレール(4)を支持するブラケット(14d)の近傍に前記コードリール(42)を配置したことを特徴とする請求項3または4に記載の電動車両。
【請求項6】
前記端子収容凹部(33)内に,当該端子収容凹部を照らすライト(33L)を設けたことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の電動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−166763(P2012−166763A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31195(P2011−31195)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】