説明

電動車両

【課題】給電口に設けられた、給電器を接続されるコネクタを、簡易な構成、制御によって、夜間でも視認可能とした電動車両の提供。
【解決手段】給電口82に設けられ、給電器101を接続されるコネクタ83と、ヘッドランプ50の点灯に連動して点灯する照明手段84と、照明手段84の点灯によって蓄光してコネクタを照らす蓄光部82、83と、を有する電動車両100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電口に設けられた、給電器を接続されるコネクタを、夜間でも視認可能とした電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両は、充電ガン等の給電器を接続されるコネクタを備えた給電口を備えている(たとえば、〔特許文献1〕参照)。なお、内燃機関を備えた車両にあっては、燃料を供給する燃料供給口を備えている(たとえば、〔特許文献2〕参照)。
【0003】
電動車両を、夜間、家庭などで充電する際など、手元が暗い場合には、給電器を給電口に挿入したり、コネクタに接続したりする作業が、スムーズに行かないことがある。このような問題を解決するために、給電器あるいは給電口にランプを付け、作業時にランプを点灯させて給電口を照明することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−187467号公報
【特許文献2】特開2000−280765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、作業時にランプを点灯させる場合、ランプを明滅させるためのスイッチや制御装置が必要となる。ランプを給電器側、給電口側の何れに設けるかについては、給電口の照明の確実性を考慮すれば、給電器側に設けるほうが好ましい。ランプを給電口に設ける場合、作業時にランプを点灯させるためには、たとえば、リッドの開閉に応じてランプを明滅させるスイッチ等が必要となる。
【0006】
スイッチ等を設けるとコスト増につながるため、給電口の照明をできる限り簡易な構成、制御によって行うことを可能とすることが望ましい。とくに、充電の作業性を考慮すると、コネクタの位置を視認可能とすることが望ましい。
【0007】
本発明は、給電口に設けられた、給電器を接続されるコネクタを、簡易な構成、制御によって、夜間でも視認可能とした電動車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、給電口に設けられ、給電器を接続されるコネクタと、ヘッドランプの点灯に連動して点灯する照明手段と、前記照明手段の点灯によって蓄光して前記コネクタを照らす蓄光部と、を有することを特徴とする電動車両にある。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記照明手段の光を透過する前記コネクタのキャップを有し、前記コネクタが前記蓄光部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の電動車両にある。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記照明手段が、ヘッドランプに供給される電流から分流された電流を供給されることによって点灯することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車両にある。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記照明手段がLEDであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の電動車両にある。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記照明手段がヘッドランプの光を給電口に導光する導光部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車両にある。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記蓄光部が給電口の前記コネクタの周囲に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の電動車両にある。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記照明手段は、ヘッドランプのスモールランプのみの点灯時には消灯していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の電動車両にある。
【0015】
請求項8に記載の発明は、給電口の、前記蓄光部と異なる部分に、前記照明手段の光を反射して前記蓄光部に蓄光させるための反射部を有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1つに記載の電動車両にある。
【0016】
請求項9に記載の発明は、給電口を閉塞する、外光を透過するリッドを有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1つに記載の電動車両にある。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る本発明は、給電口に設けられ、給電器を接続されるコネクタと、ヘッドランプの点灯に連動して点灯する照明手段と、前記照明手段の点灯によって蓄光して前記コネクタを照らす蓄光部と、を有することを特徴とする電動車両にあるので、コネクタを、蓄光部によって照らし、簡易な構成、制御によって、夜間でも視認可能とし、充電の作業性を確保することが可能な電動車両を提供することができる。
【0018】
請求項2に係る本発明は、前記照明手段の光を透過する前記コネクタのキャップを有し、前記コネクタが前記蓄光部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の電動車両にあるので、コネクタを、キャップを透過した光によって蓄光させそれ自身を照らすことが可能となり、簡易な構成、制御によって、夜間でも視認可能とし、充電の作業性を確保することが可能な電動車両を提供することができる。
【0019】
請求項3に係る本発明は、前記照明手段が、ヘッドランプに供給される電流から分流された電流を供給されることによって点灯することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車両にあるので、照明手段の点灯を、ヘッドランプに供給される電流から分留された電流によって行うことによってヘッドランプに連動して行わせることで、コネクタを、蓄光部によって照らすことにより、簡易な構成、制御によって、夜間でも視認可能とし、充電の作業性を確保することが可能な電動車両を提供することができる。
【0020】
請求項4に係る本発明は、前記照明手段がLEDであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の電動車両にあるので、照明手段としてLEDを用いることで節電が可能となるとともに、コネクタを、蓄光部によって照らし、簡易な構成、制御によって、夜間でも視認可能とし、充電の作業性を確保することが可能な電動車両を提供することができる。
【0021】
請求項5に係る本発明は、前記照明手段がヘッドランプの光を給電口に導光する導光部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車両にあるので、照明手段として導光部材を用いることで照明手段の点灯をヘッドランプに連動して行わせつつ節電が可能となるとともに、コネクタを、蓄光部によって照らし、簡易な構成、制御によって、夜間でも視認可能とし、充電の作業性を確保することが可能な電動車両を提供することができる。
【0022】
請求項6に係る本は、前記蓄光部が給電口の前記コネクタの周囲に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の電動車両にあるので、コネクタを、蓄光部によって周囲から照らし、簡易な構成、制御によって、夜間でも視認可能とし、充電の作業性を確保することが可能な電動車両を提供することができる。
【0023】
請求項7に係る本発明は、前記照明手段は、ヘッドランプのスモールランプのみの点灯時には消灯していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の電動車両にあるので、照明手段の点灯に関する節電を行いながら、コネクタを、蓄光部によって照らし、簡易な構成、制御によって、夜間でも視認可能とし、充電の作業性を確保することが可能な電動車両を提供することができる。
【0024】
請求項8に係る本発明は、給電口の、前記蓄光部と異なる部分に、前記照明手段の光を反射して前記蓄光部に蓄光させるための反射部を有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1つに記載の電動車両にあるので、蓄光部の蓄光効率を反射部によって高めることが可能となるとともに、コネクタを、蓄光部によって照らし、簡易な構成、制御によって、夜間でも視認可能とし、充電の作業性を確保することが可能な電動車両を提供することができる。
【0025】
請求項9に係る本発明は、給電口を閉塞する、外光を透過するリッドを有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1つに記載の電動車両にあるので、蓄光部を外光によって蓄光させることが可能となるとともに、コネクタを、蓄光部によって照らし、簡易な構成、制御によって、夜間でも視認可能とし、充電の作業性を確保することが可能な電動車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明を適用した電動車両の一実施例にかかる駆動系等に関する概略構成を示したブロック図である。
【図2】図1に示した電動車両に備えられた給電部の一実施例にかかる概略構成を示した斜視図である。
【図3】図2に示した給電部に備えられた接続部の一実施例にかかる概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に本発明を適用した車両の駆動系等に関する概略構成を示す。
この車両100は、駆動源として、電動機である走行用のモータ10を搭載した電気自動車(EV)であり、電動車両である。
【0028】
車両100は、モータ10のほかに、モータ10に電力を供給する蓄電池を用いた大容量バッテリである高電圧バッテリ20と、高電圧バッテリ20から供給される電力を変換するとともに所定の出力でモータ10に供給してモータ10を駆動するモータインバータであるインバータ30と、を有している。
【0029】
車両100はまた、高電圧バッテリ20とインバータ30との間に接続されたDC/DCコンバータであるコンバータ40と、高電圧バッテリ20及びインバータ30とコンバータ40との間に介在したコンバータ40用のリレースイッチであるスイッチ41と、コンバータ40に接続された12Vのバッテリ42と、を有している。
【0030】
車両100はまた、モータ10によって回転駆動される駆動軸61及び車輪である駆動輪62と、従動軸63及び車輪である従動輪64と、モータ10の駆動力を駆動軸61を介して駆動輪64に伝達するT/Aすなわちトランスアクスル70とを有している。
【0031】
車両100はまた、メインランプ50a及びスモールランプ50bを備え、高電圧バッテリ20に接続された一対のヘッドランプ50と、高電圧バッテリ20とヘッドランプ50との間に介在したヘッドランプ50用の電源スイッチ51と、運転者等によってヘッドランプ50の明滅を設定するように操作される図示しないヘッドランプスイッチと、を有している。
【0032】
車両100はまた、給電器としての充電ガン101を接続されることで図示しない外部電源を接続され高電圧バッテリ20に給電を行う給電部80と、給電部80と高電圧バッテリ20との間に介在し、給電部80において充電ガン101により供給された電力によって高電圧バッテリ20を充電する充電器81と、車両100の情報を集めて車両100のシステムをどのように動かすかを決定する役割を担った統合コントローラとして機能する制御手段であるEVECUとしてのECU90と、を有している。
【0033】
モータ10は、インバータ30を介して高電圧バッテリ20から入力された電力によって駆動され、トランスアクスル70、駆動軸61を介して駆動輪62を回転駆動させるとともに、従動輪64、従動軸63を従動回転させることで、車両100を走行させる。
【0034】
モータ10は、減速時の車両100の運動エネルギーを、駆動輪62、駆動軸61、トランスアクスル70を介して入力され、電気エネルギーに変換するジェネレータとしても機能する。このように、車両100は、減速時に2輪で回生するようになっている。
【0035】
インバータ30は、モータ10の駆動時に高電圧バッテリ20の電力を所定の出力でモータ10に供給するほか、モータ10がジェネレータとして機能するときにモータ10によって生成された電力を整流等して出力する。この出力は、高電圧バッテリ20の充電、コンバータ40によるバッテリ42の充電等に使用される。
【0036】
ECU90は、図示しないCPU、メモリ、タイマを備えている。ECU90は、以上述べた各構成を含む車両100全般の状態に関する情報を収集し、また車両100全般の駆動等の制御を行う。
【0037】
たとえば、ECU90は、運転者等によってヘッドランプスイッチが操作されると、これに合わせて電源スイッチ51を切り換えてヘッドランプ50を点灯、あるいは消灯させる。ECU90は、車両100外部の照度を検知する照度検知センサによって検知された照度が低下したときにヘッドランプ50が点灯するように電源スイッチ51を切り換えるようになっていても良い。
【0038】
ECU90はまた、インバータ30、スイッチ41、トランスアクスル70の制御を行う。その他、ECU90は、充電器81による高電圧バッテリ20の充電制御、たとえば過充電防止制御等を行う。
【0039】
図1又は図2(a)に示すように、給電部80は、車両100の前方右側に配設されている。図1又は図2に示すように、給電部80は、ボディに凹設された給電口82と、給電口82の底部に配設され充電ガン101を接続される接続部83と、給電口82の内側壁に配設された照明手段であるLED84と、給電口82の開口部に設けられ給電口82を開閉する開閉部材としてのリッド85とを有している。なお、図2(a)はリッド85によって給電口82が閉じられている状態を示しており、図2(b)はリッド85の図示を省略している。また、図2において、右方が車両100の前方に対応している。
【0040】
LED84は、ECU90によって電源スイッチ51がヘッドランプ50を点灯するように切り替えられた状態で、高電圧バッテリ20によりヘッドランプ50に供給される電流から分岐された電流を供給されることによって点灯する。ヘッドランプ50の点灯は主に夜間に行われるため、LED84も主に夜間に点灯することとなる。
【0041】
図3に示すように、接続部83は、図1に示した充電ガン101と電気的に接続される図示しない導電部材を備えたコネクタ86と、コネクタ86を内部に収容した収容部87と、収容部87を開閉する防水用のキャップである蓋部88と、蓋部88を収容部87に回動可能に支持したヒンジ部89とを有している。
【0042】
収容部87は、周縁部分に蓋部88をラッチするラッチ部87aを有しているとともに、その内縁部分が、充電ガン101を嵌め込まれる差込口となっており、充電ガン101の接続口となっている。
【0043】
ヒンジ部89は、蓋部88を開く方向に付勢した図示しないバネを内蔵しており図2(a)に示すように蓋部88が閉じた状態から、ラッチ部87aを押してラッチを解除することで、蓋部88が容易に開いて図3に示した状態となり、また蓋部88を閉じるとラッチ部87aによって容易にラッチされ図2(b)に示した状態となるようになっている。
【0044】
コネクタ86と収容部87とは一体成型されてベース部材91を構成している。ベース部材91は樹脂製の部材であり、夜光塗料等の蓄光剤を含有し、LED84の点灯によって全体が蓄光する蓄光部となっている。蓋部88は一体成型された樹脂製の部材であり、LED84の光を透過するようにその色等を調整されている。本形態において、蓋部88は無色透明の樹脂によって形成されている。よって、LED84が点灯すると、収容部87の外部のみならず、蓋部88が収容部87を閉じている状態でも、収容部87の内部、コネクタ86にも蓄光が行われ、ベース部材91の全体が蓄光する。
【0045】
給電口82、リッド85は、その内壁面全体を、蓄光剤で塗装されている。よって、LED84が点灯すると、蓋部88を除く給電部80の内部の全体に蓄光が行われる。給電口82の内壁の、リッド85を閉じた状態で外部から見える部分にも、LED84の発光ないし外光の照射により蓄光が行われる。なお、ベース部材91は、蓄光剤の塗装によって蓄光部としても良い。
【0046】
以上のような構成の車両100においては、走行終了後の駐車時などに、高電圧バッテリ20の充電が行われる。充電動作は、リッド85の開放動作、この開放動作により露出した蓋部88の開放動作、この開放動作により露出したコネクタ86に対する充電ガン101の接続動作の順で行われる。
【0047】
これらの動作を、夜間、家庭などで充電する際など、手元が暗い状態で行うおうとしても、スムーズに行なえない可能性がある。しかしながら、車両100は、夜間に走行する場合、ヘッドランプ50が点灯されるとこれに連動してLED84が点灯し、蓄光部の蓄光が行われるため、走行終了後の駐車時に、家庭などで充電する際など、手元が暗い場合においても、蓄光部が発光するため、かかる動作がスムーズに行われる。
【0048】
具体的には、リッド85の開放動作は、給電口82の内壁の、リッド85を閉じた状態で外部から見える部分の蓄光部の発光により、リッド85の周縁が照らされることによって、リッド85の位置が視認され、把握されることで、スムーズに行われる。なお、リッド85の位置の確認が手元が暗い状態でも容易である場合や、外観上の理由がある場合等には、かかる部分を蓄光部としないほうが良いこともある。
【0049】
次に、蓋部88の開放動作は、蓋部88の位置、ラッチ部87aの位置、形状が、給電口82の内壁やラッチ部87aを含む収容部87自身等によって形成された蓄光部の発光により、蓋部88、ラッチ部87aが照らされて視認され、把握されることで、スムーズに行われる。
【0050】
さらに、コネクタ86に対する充電ガン101の接続動作は、コネクタ86の位置、形状が、収容部87、コネクタ86自身等によって形成された蓄光部の発光により、コネクタ86が照らされて視認され、把握されることで、スムーズに行われる。
【0051】
蓄光部は、これらの動作がスムーズに行われるように設けられれば良い。よってたとえば、給電口82の内壁の一部あるいは全体は蓄光部と異なる部分である非蓄光部としても良い。
【0052】
上述の動作のうち、手元が暗い状態で行うことが最も難しいのは、コネクタ86に対する充電ガン101の接続動作であるため、蓄光部は、少なくとも、コネクタ86を照らすように設けることを要する。この点において、コネクタ86、収容部87の少なくとも一方を蓄光部とすることが望ましい。
【0053】
蓄光部は、夜間など手元が暗い状態でもコネクタ86等を照らすために、短い蓄光時間でも長時間発光する性能を持つものであることが望ましい。蓄光部が蓄光後発光する時間は、蓄光時間のほか、使用する蓄光剤の材質等によって左右されるが、本形態の蓄光部は、一般的な蓄光剤を用いて形成され、十分に蓄光すると9時間程度発光を持続するものとなっており、夜間走行後に充電動作を行う場合には、通常、十分な発光強度が得られるようになっている。
【0054】
収容部87や給電口82の内壁を蓄光部として用いる場合は、この蓄光部はコネクタ86の周囲に設けられたものであるが、コネクタ86の周囲に設けた蓄光部としては、コネクタ86を照らすことが可能であれば、蓋部88も蓄光部としても良い。
【0055】
LED84による蓄光部の蓄光効率を高めるため、非蓄光部の全体又は一部、たとえば給電口82の内壁の全体又は一部を、LED84の光を反射して蓄光部に蓄光させるための反射部としても良い。また、蓋部88の裏面を反射部として蓋部88を開いた状態でのコネクタ86の視認性を向上しても良い。
【0056】
反射部は、塗膜等により反射率を高める加工によって形成しても良いし、表面の反射率が高い部材を用いることによって形成しても良い。
外光による蓄光部の蓄光を行わせるため、リッド85を、光の透過率の高い部材で形成するなどして、外光を透過させるように構成しても良い。
【0057】
蓄光部に蓄光させる照明手段は、通電によって発光する発光体である場合、LEDでなく、電球等の他の発光体であっても良いが、節電の観点から、LEDとすることが望ましい。
【0058】
節電の観点から、照明手段は、発光体に限らず、図1において符号92で示すように、ヘッドランプ50の光を給電口82に導光して蓄光部に光を照射する、光ファイバー等の導光部材であっても良い。同図に示した例では、導光部材92は、メインランプ50aの光を給電口82に導光するようになっている。
【0059】
同様に、節電の観点から、照明手段を発光体によって構成する場合、スモールランプ50bのみの点灯時には、照明手段は消灯し、メインランプ50aの点灯を条件に照明手段を点灯するようにしても良い。
【0060】
給電部80における照明手段の配設位置は、蓄光部によって少なくともコネクタ86を照らすことが可能であればどのような位置であっても良く、蓄光部の配設位置等に応じて適宜変更可能であって、リッド85の裏面であっても良い。照明手段の光でコネクタ86等を直接照明しようとすると、照明しようとする部位が他の部材の影となることのないように照明手段を配設する必要があり、配設位置が限定されるが、蓄光部を用いれば、蓄光部は広い範囲に設けることが可能であって照明可能範囲が広く、照明手段の配設位置に関する自由度が高いという利点がある。
【0061】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0062】
たとえば、本発明が適用される電動車両は、電気自動車(EV)に限らず、ハイブリッド自動車(HEV)等であっても良い。
【0063】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0064】
50 ヘッドランプ
50b スモールランプ
82 給電口、蓄光部、コネクタの周囲、反射部
84 照明手段、LED
85 リッド
86 コネクタ、蓄光部
87 コネクタの周囲、蓄光部
88 キャップ
91 蓄光部
92 照明手段、導光部材
100 車両、電動車両
101 給電器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電口に設けられ、給電器を接続されるコネクタと、
ヘッドランプの点灯に連動して点灯する照明手段と、
前記照明手段の点灯によって蓄光して前記コネクタを照らす蓄光部と、
を有することを特徴とする電動車両。
【請求項2】
前記照明手段の光を透過する前記コネクタのキャップを有し、
前記コネクタが前記蓄光部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
【請求項3】
前記照明手段が、ヘッドランプに供給される電流から分流された電流を供給されることによって点灯することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車両。
【請求項4】
前記照明手段がLEDであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の電動車両。
【請求項5】
前記照明手段がヘッドランプの光を給電口に導光する導光部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車両。
【請求項6】
前記蓄光部が給電口の前記コネクタの周囲に設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の電動車両。
【請求項7】
前記照明手段は、ヘッドランプのスモールランプのみの点灯時には消灯していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の電動車両。
【請求項8】
給電口の、前記蓄光部と異なる部分に、前記照明手段の光を反射して前記蓄光部に蓄光させるための反射部を有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1つに記載の電動車両。
【請求項9】
給電口を閉塞する、外光を透過するリッドを有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1つに記載の電動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−86623(P2013−86623A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228021(P2011−228021)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】