説明

電圧調整装置、電圧調整システム、プログラムおよび電圧調整方法

【課題】 タップ切り換え回数を抑制しつつ、電圧調整の精度を向上させる。
【解決手段】 負荷時タップ切換変圧器の二次側電圧V1の目標電圧に応じた電圧Vtp0〜3をそれぞれ出力する単巻変圧器と、選択信号に応じて電圧Vtp0〜3から1つを選択し、電圧V4として出力するプログラムコントローラと、電圧V4が不感帯の上限値を超えている第1(下限値未満である第2)の時間を積算し、第1(2)の時間が動作時間に達した場合には、電圧V1を低下(上昇)させるタップ切換指令を出力する電圧調整継電器と、目標電圧を変更する変更時刻に、電圧Vtp0〜3から変更後の目標電圧に応じた電圧を選択する選択信号を出力するとともに、目標電圧を上昇(低下)させる場合には、第2(1)の時間に所定の加算時間が加算されるように、変更時刻より前の所定の期間に電圧V4を低下(上昇)させる選択信号を出力する時計制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧調整装置、電圧調整システム、プログラム、および電圧調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統の電圧品質を維持確保するため、電力需要に応じて系統電圧を調整することが望ましい。例えば図10において一点鎖線で示すように、日中などの電力需要が大きい時間帯には目標電圧V0が高く設定され、夜間などの電力需要が小さい時間帯には目標電圧V0が低く設定される。
【0003】
系統電圧を設定された目標電圧に調整する電圧調整システムとしては、電圧調整継電器から出力されるタップ切換指令に応じて巻線のタップを切り換える負荷時タップ切換変圧器を備えたものが知られている。例えば、特許文献1では、ファジィ推論を用いて電圧調整継電器の動作判定レベルを補正することによって、下位変電所における負荷時タップ切換変圧器のタップ切り換え回数の減少や、二次側電圧の変動幅の抑制を図ることができる電圧調整装置が開示されている。
【0004】
このようにして、電圧調整継電器から出力されるタップ切換指令に応じてタップを切り換え、負荷時タップ切換変圧器の二次側電圧を設定された目標電圧に調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−231949号公報
【特許文献2】特開2009−177868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電圧調整継電器には不感帯および動作時間が設定されており、上記の電圧調整継電器を用いる電圧調整システムでは、目標電圧の変更時などに負荷時タップ切換変圧器の二次側電圧を迅速に調整することができず、また不感帯内での高め電圧推移や低め電圧推移に対しても高精度な電圧調整ができない。例えば図10においては、日中に目標電圧V0(一点鎖線)が高く設定されている間も、二次側電圧V1(実線)が不感帯(短破線)の範囲内にあるため、大部分の時間帯において二次側電圧V1が目標電圧V0より低い電圧で推移している。
【0007】
一方、不感帯を縮小したり、動作時間を短縮したりすることによって、電圧調整の精度を向上させることができる。しかしながら、この場合には、タップ切り換え回数の増加によるタップ切換器の寿命の短縮や、ハンチングの発生などを招く、トレードオフの関係となる。
【0008】
そのため、負荷時タップ切換変圧器のタップ切り換え回数を抑制しつつ、二次側電圧の電圧調整の精度を向上させることが困難である。また、特許文献1の電圧調整装置は、変電所や変圧器ごとの独立した制御に適用することができないため、電力系統の広範な変更を伴うこととなる。
【0009】
さらに、特許文献2の電圧調整システムは、電圧変動情報に基づいて電圧調整の品質を向上させることを目的とするが、目標電圧に対する不感帯の中の高精度の調整を行なうことは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した課題を解決する主たる本発明は、タップ切換指令に応じて巻線のタップを切り換えるタップ切換器を備えた負荷時タップ切換変圧器の二次側電圧である第1の電圧を検出する計器用変圧器から出力された第2の電圧が入力され、互いに異なる前記第1の電圧の目標電圧に応じた複数の第3の電圧をそれぞれ出力する複数の出力タップを備える単巻変圧器と、選択信号に応じて前記複数の第3の電圧から1つを選択し、当該選択された第3の電圧を第4の電圧として出力するプログラムコントローラと、前記第4の電圧が予め整定された基準電圧の不感帯の上限値を超えている第1の時間、および前記第4の電圧が前記不感帯の下限値未満である第2の時間を積算し、前記第1の時間が予め設定された動作時間に達した場合には、前記第1の電圧を低下させる前記タップ切換指令を出力し、前記第2の時間が前記動作時間に達した場合には、前記第1の電圧を上昇させる前記タップ切換指令を出力する電圧調整継電器と、前記目標電圧を変更する変更時刻と当該変更後の目標電圧とを対応付けて示す目標電圧変更情報が記憶されている記憶部と、前記変更時刻に、前記複数の第3の電圧から前記変更後の目標電圧に応じた第3の電圧を選択する前記選択信号を出力するとともに、前記目標電圧を上昇させる場合には、前記第2の時間に前記動作時間未満の所定の加算時間が加算されるように、前記変更時刻より前の所定の期間に前記第4の電圧を低下させる前記選択信号を出力し、前記目標電圧を低下させる場合には、前記第1の時間に前記所定の加算時間が加算されるように、前記変更時刻より前の前記所定の期間に前記第4の電圧を上昇させる前記選択信号を出力する時計制御部と、を有することを特徴とする電圧調整装置である。
【0011】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、負荷時タップ切換変圧器ごとの独立した制御において、タップ切り換え回数を抑制しつつ、二次側電圧の電圧調整の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態における電圧調整システム全体の構成の概略および電圧調整装置の構成を示す回路ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態において、目標電圧を上げる前段の電圧調整システムの動作を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態において、目標電圧を下げる前段の電圧調整システムの動作を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態において、負荷時タップ切換変圧器の二次側電圧が不感帯内で低下する場合の電圧調整システムの動作を説明する図である。
【図5】本発明の一実施形態において、負荷時タップ切換変圧器の二次側電圧が不感帯内で上昇する場合の電圧調整システムの動作を説明する図である。
【図6】本発明の一実施形態において、目標電圧を上げる場合に上側不感帯の縮小機能を動作させた場合の電圧調整システムの動作を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態において、目標電圧を下げる場合に下側不感帯の縮小機能を動作させた場合の電圧調整システムの動作を説明する図である。
【図8】電圧調整システムの他の構成例を示す回路ブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態における電圧調整システムにおいて、目標電圧および負荷時タップ切換変圧器の二次側電圧の変化および電圧調整信号の一例を示す図である。
【図10】一般的な電圧調整システムにおいて、目標電圧および負荷時タップ切換変圧器の二次側電圧の変化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0015】
===電圧調整システム全体の構成の概略および電圧調整装置の構成===
以下、図1を参照して、本発明の一実施形態における電圧調整システム全体の構成の概略および電圧調整装置の構成について説明する。
【0016】
図1に示されている電圧調整システムは、負荷時タップ切換変圧器2の二次側電圧V1を設定された目標電圧V0に調整するシステムであり、例えば、数十ないし百数十kV程度から数kV程度に変換する配電用変電所で用いられる。また、計器用変圧器3の一次側には、二次側電圧V1が供給され、二次側からは、検出電圧V2が出力されている。そして、電圧調整装置1には、検出電圧V2が入力され、電圧調整装置1から負荷時タップ切換変圧器2には、タップ切換指令SWが供給されている。
【0017】
電圧調整装置1は、単巻変圧器11、プログラムコントローラ12、記憶部13、時計制御部14、および電圧調整継電器15を含んで構成されている。
【0018】
単巻変圧器11の一次側には、検出電圧V2が供給され、二次側は、タップ電圧Vtp0ないしVtp3をそれぞれ出力する4個の出力タップを備えている。また、記憶部13から時計制御部14には、目標電圧変更情報Vswおよび電圧変動情報Vflが入力され、時計制御部14からは、選択信号SELが出力されている。さらに、プログラムコントローラ12には、タップ電圧Vtp0ないしVtp3、および選択信号SELが入力され、プログラムコントローラ12からは、選択電圧V4が出力されている。
【0019】
電圧調整継電器15は、不感帯の幅を縮小(例えば、1.5%→1.0%)することができる不感帯縮小回路151を備え、不感帯縮小回路151には、時計制御部14から上側縮小信号HRおよび下側縮小信号LRが入力されている。また、電圧調整継電器15には、選択電圧V4が供給されている。そして、電圧調整継電器15からは、タップ切換指令SWが出力されている。
【0020】
===電圧調整システムの動作の概略===
次に、本実施形態における電圧調整システムの動作の概略について説明する。
負荷時タップ切換変圧器2は、例えば配電用変電所に設置された配電用変圧器であり、一例として、タップ切換指令SWに応じて一次側巻線のタップを切り換えるタップ切換器を備えている。また、当該タップの切り換えに応じて、負荷時タップ切換変圧器2の二次側電圧V1(第1の電圧)が調整される。さらに、計器用変圧器3は、例えばオープンデルタを除く接地形計器用変圧器の一部であり、二次側電圧V1を検出して、検出電圧V2(第2の電圧)として出力する。そして、単巻変圧器11は、検出電圧V2を変圧してタップ電圧Vtp0ないしVtp3(第3の電圧)を生成し、4個の出力タップからそれぞれ出力する。
【0021】
記憶部13には、目標電圧変更情報Vswおよび電圧変動情報Vflが記憶されている。ここで、目標電圧変更情報Vswは、目標電圧V0を変更する変更時刻と、当該変更後の目標電圧V0とを対応付けて示す情報である。一例として、図10の一点鎖線のように目標電圧V0を設定する場合、目標電圧変更情報Vswには、6時に目標電圧V0を(6.66kVから)6.72kVに変更し、22時に目標電圧V0を(6.72kVから)6.66kVに変更するという内容が含まれる。
【0022】
一方、電圧変動情報Vflは、二次側電圧V1が目標電圧V0より所定の割合以上に上昇する上昇時刻、および二次側電圧V1が目標電圧V0より所定の割合以上に低下する低下時刻を示す情報である。なお、電圧変動情報Vflは、二次側電圧V1の測定データの分析などによって得られ、記憶部13に格納されている。
【0023】
一例として、二次側電圧V1が8時前から低下し始め、8時に目標電圧V0との差(V0−V1)が所定の割合(例えば1%)に達する傾向がある場合、電圧変動情報Vflには、8時が低下時刻であるという内容が含まれる。また、一例として、二次側電圧V1が14時前から上昇し始め、14時に目標電圧V0との差(V1−V0)が所定の割合に達する傾向がある場合、電圧変動情報Vflには、14時が上昇時刻であるという内容が含まれる。
【0024】
時計制御部14は、目標電圧変更情報Vswおよび電圧変動情報Vflに基づいて、選択信号SELを出力する。そして、プログラムコントローラ12は、選択信号SELに応じてタップ電圧Vtp0ないしVtp3から1つを選択して、選択電圧V4(第4の電圧)として出力する。なお、電圧調整装置1のうち、時計制御部14およびプログラムコントローラ12の機能は、例えば、単巻変圧器11、記憶部13、および電圧調整継電器15を備えるコンピュータによって実現することができる。また、時計制御部14および電圧調整継電器15の詳細な動作については、目標電圧変更情報Vswおよび電圧変動情報Vflの内容ごとに後述するものとする。
【0025】
電圧調整継電器15は、選択電圧V4と、予め整定された基準電圧Vrefとを比較し、当該比較結果に応じてタップ切換指令SWを出力する。ここで、電圧調整継電器15には、基準電圧Vrefに対する不感帯(下限値VrLないし上限値VrH)、および動作時間Topが予め設定されている。そして、選択電圧V4が不感帯から外れた時間が蓄積され、タップ切換指令SWは、当該蓄積された時間が動作時間Topに達した場合に出力される。
【0026】
より具体的には、電圧調整継電器15は、選択電圧V4が上限値VrHを超えている上側逸脱時間Tup(第1の時間)を積算し、当該積算時間が動作時間Topに達した場合には、二次側電圧V1を低下させるタップ切換指令SWを出力する。また、電圧調整継電器15は、選択電圧V4が下限値VrL未満である下側逸脱時間Tlow(第2の時間)も積算し、当該積算時間が動作時間Topに達した場合には、二次側電圧V1を上昇させるタップ切換指令SWを出力する。
【0027】
なお、電圧調整継電器15の基準電圧Vrefは予め整定されているため、二次側電圧V1の目標電圧V0の変更は、選択電圧V4として選択されるタップ電圧を変更することによって行われる。したがって、プログラムコントローラ12は、選択信号SELに応じて実質的に目標電圧V0を選択している。
【0028】
ここで、タップ電圧Vtp0ないしVtp3がVtp0<Vtp1<Vtp2<Vtp3であるものとし、それぞれに対応する目標電圧をVtg0ないしVtg3とすると、目標電圧Vtg0ないしVtg3は、Vtg0>Vtg1>Vtg2>Vtg3となる。また、基準電圧Vrefに対する不感帯の上限値VrHおよび下限値VrLは、それぞれ目標電圧V0に対する不感帯の上限値V0Hおよび下限値V0Lに対応する。
【0029】
このようにして、電圧調整装置1は、目標電圧変更情報Vswおよび電圧変動情報Vflに基づいて出力される選択信号SELに応じて、二次側電圧V1の目標電圧V0を変更する。以下、目標電圧変更情報Vswおよび電圧変動情報Vflの内容ごとに、電圧調整システムの動作について説明する。なお、以下の説明においては、一例として、タップ電圧Vtp0ないしVtp3のステップを約1%とし、Vtg0=6.78kV、Vtg1=6.72kV、Vtg2=6.66kV、Vtg3=6.60kVとする。また、基準電圧Vrefおよび目標電圧V0に対する不感帯は、それぞれ基準電圧Vrefおよび目標電圧V0を中心として、−1.5%ないし+1.5%の範囲とする。
【0030】
===電圧調整システムの目標電圧変更時の動作===
まず、図2および図3を参照して、目標電圧V0を変更する場合の電圧調整システムの動作について説明する。
【0031】
図2は、一例として、6時(変更時刻)に目標電圧V0を6.72kVに変更するという内容を含む目標電圧変更情報Vswに基づいて、目標電圧V0を6.66kVから上昇させる場合における、目標電圧V0および二次側電圧V1の変化を示している。
【0032】
図2において、5時50分の時点で、時計制御部14は、選択電圧V4としてタップ電圧Vtp2を選択する選択信号SELを出力し、プログラムコントローラ12は、選択信号SELに応じて選択電圧V4=Vtp2を出力している。したがって、目標電圧V0は、Vtg2(=6.66kV)となっている。
【0033】
また、6時より前の期間T1およびT2(所定の期間)に、時計制御部14は、選択電圧V4をタップ電圧Vtp1に低下させる選択信号SELを出力し、プログラムコントローラ12は、選択信号SELに応じて選択電圧V4=Vtp1を出力する。したがって、目標電圧V0は、Vtg1(=6.72kV)となり、不感帯の下限値V0L(≒6.62kV)は、直前の目標電圧V0=Vtg2に対する不感帯の下限値V0L(≒6.56kV)より高くなる。
【0034】
そのため、期間T1およびT2の間、二次側電圧V1(≒6.61kV)は、目標電圧V0=Vtg1に対する不感帯の下限値V0L(≒6.62kV)未満となり、選択電圧V4は、基準電圧Vrefに対する不感帯の下限値VrL未満となる。したがって、下側逸脱時間Tlowには、期間T1およびT2の合計時間(所定の加算時間)が加算される。なお、期間T1およびT2の合計時間は、動作時間Top未満であり、一例として、Top=60秒、T1=T2=20秒とする。
【0035】
さらに、6時になると、時計制御部14は、選択電圧V4としてタップ電圧Vtp1を選択する選択信号SELを出力し、プログラムコントローラ12は、選択信号SELに応じて選択電圧V4=Vtp1を出力する。したがって、目標電圧V0は、Vtg1(=6.72kV)に変更される。
【0036】
そして、電圧調整継電器15は、下側逸脱時間Tlowの積算時間が動作時間Topに達すると、二次側電圧V1を上昇させるタップ切換指令SWを出力する。
【0037】
このようにして、目標電圧V0を上昇させる変更時刻より前に、下側逸脱時間Tlowに期間T1およびT2の合計時間が加算されるため、下側逸脱時間Tlowの積算時間が動作時間Topに達するまでの時間が短縮されている。したがって、目標電圧V0を上昇させる場合に、二次側電圧V1を目標電圧V0に迅速(図2においては20秒)に調整することができる。
【0038】
なお、二次側電圧V1が目標電圧V0より高い電圧で推移している場合には、下側逸脱時間Tlowが加算されない場合もある。しかしながら、この場合には、二次側電圧V1は、変更後の目標電圧V0=Vtg1付近の電圧となっているため、二次側電圧V1を上昇させるタップ切換指令SWが出力される必要はない。
【0039】
図3は、一例として、22時(変更時刻)に目標電圧V0を6.66kVに変更するという内容を含む目標電圧変更情報Vswに基づいて、目標電圧V0を6.72kVから低下させる場合における、目標電圧V0および二次側電圧V1の変化を示している。
【0040】
図3において、21時50分の時点で、時計制御部14は、選択電圧V4としてタップ電圧Vtp1を選択する選択信号SELを出力し、プログラムコントローラ12は、選択信号SELに応じて選択電圧V4=Vtp1を出力している。したがって、目標電圧V0は、Vtg1(=6.72kV)となっている。
【0041】
また、22時より前の期間T1およびT2に、時計制御部14は、選択電圧V4をタップ電圧Vtp2に上昇させる選択信号SELを出力し、プログラムコントローラ12は、選択信号SELに応じて選択電圧V4=Vtp2を出力する。したがって、目標電圧V0は、Vtg2(=6.66kV)となり、不感帯の上限値V0H(≒6.76kV)は、直前の目標電圧V0=Vtg1に対する不感帯の上限値V0H(≒6.82kV)より低くなる。
【0042】
そのため、期間T1およびT2の間、二次側電圧V1(≒6.77kV)は、目標電圧V0=Vtg2に対する不感帯の上限値V0H(≒6.76kV)を超え、選択電圧V4は、基準電圧Vrefに対する不感帯の上限値VrHを超える。したがって、上側逸脱時間Tupには、期間T1およびT2の合計時間が加算される。
【0043】
さらに、22時になると、時計制御部14は、選択電圧V4としてタップ電圧Vtp2を選択する選択信号SELを出力し、プログラムコントローラ12は、選択信号SELに応じて選択電圧V4=Vtp2を出力する。したがって、目標電圧V0は、Vtg2(=6.66kV)に変更される。
【0044】
そして、電圧調整継電器15は、上側逸脱時間Tupの積算時間が動作時間Topに達すると、二次側電圧V1を低下させるタップ切換指令SWを出力する。
【0045】
このようにして、目標電圧V0を低下させる変更時刻より前に、上側逸脱時間Tupに期間T1およびT2の合計時間が加算されるため、上側逸脱時間Tupの積算時間が動作時間Topに達するまでの時間が短縮されている。したがって、目標電圧V0を低下させる場合に、二次側電圧V1を目標電圧V0に迅速(図3においては20秒)に調整することができる。
【0046】
なお、二次側電圧V1が目標電圧V0より低い電圧で推移している場合には、上側逸脱時間Tupが加算されない場合もある。しかしながら、この場合には、二次側電圧V1は、変更後の目標電圧V0=Vtg2付近の電圧となっているため、二次側電圧V1を低下させるタップ切換指令SWが出力される必要はない。
【0047】
===電圧調整システムの電圧変動時の動作===
次に、図4および図5を参照して、二次側電圧V1が変動する場合の電圧調整システムの動作について説明する。
【0048】
図4は、一例として、8時に目標電圧V0と二次側電圧V1との差(V0−V1)が1%(所定の割合)に達し、電圧変動情報Vflには、8時が低下時刻であるという内容が含まれる場合における、目標電圧V0および二次側電圧V1の変化を示している。
【0049】
図4において、8時より前の時点で、時計制御部14は、選択電圧V4としてタップ電圧Vtp1を選択する選択信号SELを出力し、プログラムコントローラ12は、選択信号SELに応じて選択電圧V4=Vtp1を出力している。したがって、目標電圧V0は、Vtg1(=6.72kV)となっている。
【0050】
また、8時の時点で、二次側電圧V1は、目標電圧V0=Vtg1より1%低い電圧(≒6.65kV)まで低下している。ここで、記憶部13には、電圧変動情報Vflとして、8時に二次側電圧V1が低下するという変動パターンが記憶されており、時計制御部14は、当該変動パターンに基づいて、二次側電圧V1が適正電圧となるように選択電圧V4を変更する。
【0051】
具体的には、8時以降の期間T1およびT2に、時計制御部14は、選択電圧V4をタップ電圧Vtp0に低下させる選択信号SELを出力し、プログラムコントローラ12は、選択信号SELに応じて選択電圧V4=Vtp0を出力する。したがって、目標電圧V0は、Vtg0(=6.78kV)となる。
【0052】
そのため、期間T1およびT2の間、二次側電圧V1(≦6.65kV)は、目標電圧V0=Vtg0に対する不感帯の下限値V0L(≒6.68kV)未満となり、選択電圧V4は、基準電圧Vrefに対する不感帯の下限値VrL未満となる。したがって、下側逸脱時間Tlowには、期間T1およびT2の合計時間が加算される。
【0053】
そして、電圧調整継電器15は、下側逸脱時間Tlowの積算時間が動作時間Topに達すると、二次側電圧V1を上昇させるタップ切換指令SWを出力する。
【0054】
このようにして、二次側電圧V1が目標電圧V0より所定の割合以上に低下する低下時刻以降に、下側逸脱時間Tlowに期間T1およびT2の合計時間が加算されるため、下側逸脱時間Tlowの積算時間が動作時間Topに達するまでの時間が短縮されている。したがって、二次側電圧V1が低下する場合に、二次側電圧V1を目標電圧V0に迅速に調整することができる。
【0055】
なお、電圧変動情報Vflは、二次側電圧V1の測定データの分析などによって得られるため、低下時刻に二次側電圧V1が目標電圧V0より所定の割合以上に低下せず、下側逸脱時間Tlowが加算されない場合もある。しかしながら、この場合には、二次側電圧V1は、目標電圧V0=Vtg1付近の電圧となっているため、二次側電圧V1を上昇させるタップ切換指令SWが出力される必要はない。
【0056】
図5は、一例として、14時に目標電圧V0と二次側電圧V1との差(V1−V0)が1%(所定の割合)に達し、電圧変動情報Vflには、14時が上昇時刻であるという内容が含まれる場合における、目標電圧V0および二次側電圧V1の変化を示している。
【0057】
図5において、14時より前の時点で、時計制御部14は、選択電圧V4としてタップ電圧Vtp1を選択する選択信号SELを出力し、プログラムコントローラ12は、選択信号SELに応じて選択電圧V4=Vtp1を出力している。したがって、目標電圧V0は、Vtg1(=6.72kV)となっている。
【0058】
また、14時の時点で、二次側電圧V1は、目標電圧V0=Vtg1より1%高い電圧(≒6.79kV)まで上昇している。ここで、記憶部13には、電圧変動情報Vflとして、14時に二次側電圧V1が上昇するという変動パターンが記憶されており、時計制御部14は、当該変動パターンに基づいて、二次側電圧V1が適正電圧となるように選択電圧V4を変更する。
【0059】
具体的には、14時以降の期間T1およびT2に、時計制御部14は、選択電圧V4をタップ電圧Vtp2に上昇させる選択信号SELを出力し、プログラムコントローラ12は、選択信号SELに応じて選択電圧V4=Vtp2を出力する。したがって、目標電圧V0は、Vtg2(=6.66kV)となる。
【0060】
そのため、期間T1およびT2の間、二次側電圧V1(≧6.79kV)は、目標電圧V0=Vtg2に対する不感帯の上限値V0H(≒6.76kV)を超え、選択電圧V4は、基準電圧Vrefに対する不感帯の上限値VrHを超える。したがって、上側逸脱時間Tupには、期間T1およびT2の合計時間が加算される。
【0061】
そして、電圧調整継電器15は、上側逸脱時間Tupの積算時間が動作時間Topに達すると、二次側電圧V1を低下させるタップ切換指令SWを出力する。
【0062】
このようにして、二次側電圧V1が目標電圧V0より所定の割合以上に上昇する上昇時刻以降に、上側逸脱時間Tupに期間T1およびT2の合計時間が加算されるため、上側逸脱時間Tupの積算時間が動作時間Topに達するまでの時間が短縮されている。したがって、二次側電圧V1が上昇する場合に、二次側電圧V1を目標電圧V0に迅速に調整することができる。
【0063】
なお、電圧変動情報Vflは、二次側電圧V1の測定データの分析などによって得られるため、上昇時刻に二次側電圧V1が目標電圧V0より所定の割合以上に上昇せず、上側逸脱時間Tupが加算されない場合もある。しかしながら、この場合には、二次側電圧V1は、目標電圧V0=Vtg1付近の電圧となっているため、二次側電圧V1を低下させるタップ切換指令SWが出力される必要はない。
【0064】
===電圧調整システムの不感帯縮小機能===
図4においては、8時以降の期間T1およびT2の間、時計制御部14は、選択電圧V4=Vtp0とする選択信号SELを出力して目標電圧V0を上げている。しかしながら、当該期間においては、不感帯の上限値V0Hも高くなるため、急激な電圧上昇時に対応が遅れる恐れがある。一方、図5においては、14時以降の期間T1およびT2の間、時計制御部14は、選択電圧V4=Vtp2とする選択信号SELを出力して目標電圧V0を下げている。しかしながら、当該期間においては、不感帯の下限値V0Lも低くなるため、急激な電圧低下時に対応が遅れる恐れがある。
【0065】
本実施形態の電圧調整システムは、上記のような急激な電圧上昇時や電圧低下時にも迅速に対応することができるよう、電圧調整継電器15に不感帯縮小回路151を備えている。図6は、一例として、図4と同様の電圧変動時において、不感帯縮小回路151が上側不感帯(目標電圧V0〜不感帯の上限値V0H)を縮小させる場合における、目標電圧V0および二次側電圧V1の変化を示している。
【0066】
具体的には、時計制御部14は、選択電圧V4=Vtp0とする選択信号SELと併せて、上側縮小信号HRを出力する。そして、不感帯縮小回路151は、上側縮小信号HRに基づいて、上側不感帯の幅を1.5%(V0H≒6.88kV)から1.0%(V0H≒6.85kV)に縮小する。したがって、不感帯の上限値V0Hは、目標電圧V0=Vtg1(=6.72kV)の場合の不感帯の上限値V0H(≒6.82kV)と略等しくなり、急激な電圧上昇時にも迅速に対応することができる。
【0067】
一方、図7は、一例として、図5と同様の電圧変動時において、不感帯縮小回路151が下側不感帯(目標電圧V0〜不感帯の下限値V0L)を縮小させる場合における、目標電圧V0および二次側電圧V1の変化を示している。
【0068】
具体的には、時計制御部14は、選択電圧V4=Vtp2とする選択信号SELと併せて、下側縮小信号LRを出力する。そして、不感帯縮小回路151は、下側縮小信号LRに基づいて、下側不感帯の幅を1.5%(V0L≒6.56kV)から1.0%(V0L≒6.59kV)に縮小する。したがって、不感帯の下限値V0Lは、目標電圧V0=Vtg1(=6.72kV)の場合の不感帯の下限値V0L(≒6.62kV)と略等しくなり、急激な電圧低下時にも迅速に対応することができる。
【0069】
前述したように、電圧調整装置1において、目標電圧変更情報Vswに基づいて、変更時刻より前の期間T1およびT2(所定の期間)に選択電圧V4を変更して、上側逸脱時間Tup(第1の時間)または下側逸脱時間Tlow(第2の時間)に期間T1およびT2の合計時間(所定の加算時間)を加算することによって、これらの積算時間が予め設定された動作時間Topに達するまでの時間を短縮し、目標電圧V0を変更する場合に、負荷時タップ切換変圧器2のタップ切り換え回数を抑制しつつ、二次側電圧V1を目標電圧V0に調整する精度を向上させることができる。
【0070】
また、電圧変動情報Vflに基づいて、上昇時刻以降または低下時刻以降の期間T1およびT2に選択電圧V4を変更して、上側逸脱時間Tupまたは下側逸脱時間Tlowに期間T1およびT2の合計時間を加算することによって、これらの積算時間が動作時間Topに達するまでの時間を短縮し、二次側電圧V1が変動する場合に、タップ切り換え回数を抑制しつつ、二次側電圧V1を目標電圧V0に調整する精度を向上させることができる。
【0071】
また、上側逸脱時間Tupまたは下側逸脱時間Tlowに加算する期間を、合計時間が動作時間Top未満である複数の期間に分割することによって、単一の期間における加算によって積算時間が動作時間Topに達して過剰制御となることを抑制することができる。
【0072】
また、図1に示した、負荷時タップ切換変圧器2ごとに独立して制御する電圧調整システムにおいて、期間T1およびT2に二次側電圧V1の目標電圧V0を変更して、上側逸脱時間Tupまたは下側逸脱時間Tlowに期間T1およびT2の合計時間を加算することによって、これらの積算時間が動作時間Topに達するまでの時間を短縮し、タップ切り換え回数を抑制しつつ、二次側電圧V1を目標電圧V0に調整する精度を向上させることができる。
【0073】
また、電圧調整装置1から出力されるタップ切換指令SWに応じて配電用変圧器の二次側電圧V1を調整することによって、上記実施形態の電圧調整システムを、電力系統において変電所の大半を占める配電用変電所に適用し、広範な変更をすることなく電力系統の電圧品質を維持確保することができる。
【0074】
また、電圧調整装置1の時計制御部14およびプログラムコントローラ12に相当する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムにおいて、目標電圧変更情報Vsw(および電圧変動情報Vfl)に基づいて、期間T1およびT2に選択電圧V4を変更することによって、上側逸脱時間Tupまたは下側逸脱時間Tlowに期間T1およびT2の合計時間を加算することができる。
【0075】
また、目標電圧変更情報Vsw(および電圧変動情報Vfl)に基づいて、上側逸脱時間Tupまたは下側逸脱時間Tlowに期間T1およびT2の合計時間が加算されるように、期間T1およびT2に選択電圧V4を変更し、上側逸脱時間Tupまたは下側逸脱時間Tlowの積算時間が動作時間Topに達した場合に、負荷時タップ切換変圧器2の二次側電圧V1を変更するタップ切換指令SWを出力することによって、タップ切り換え回数を抑制しつつ、二次側電圧V1を目標電圧V0に調整する精度を向上させることができる。
【0076】
なお、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0077】
上記実施形態では、変更時刻より前の、または上昇/低下時刻以降の期間T1およびT2において、上側逸脱時間Tupまたは下側逸脱時間Tlowを加算しているが、これに限定されるものではない。上側逸脱時間Tupまたは下側逸脱時間Tlowを加算する期間は、合計時間が動作時間Top未満であればよく、例えば、T1=40秒の単一の期間としてもよい。また、3つ以上の期間に分割されていてもよい。
【0078】
また、図8に示すように、二次側電流値aまたは系統運用情報に基づく負荷パターンを記憶部13に格納し、当該負荷パターンに基づいて、負荷が多い場合に高め運用の電圧調整を行い、負荷が少ない場合に低め運用の電圧調整を行ってもよい。図9は、一例として、図10と同様の電圧変化において、朝の負荷上昇時の電圧低下を補正するための上げパルス信号、および夜間にかけての負荷低下による電圧上昇を補正するための下げパルス信号を示している。
【符号の説明】
【0079】
1 電圧調整装置
2 負荷時タップ切換変圧器
3 計器用変圧器
11 単巻変圧器
12 プログラムコントローラ
13 記憶部
14 時計制御部
15 電圧調整継電器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タップ切換指令に応じて巻線のタップを切り換えるタップ切換器を備えた負荷時タップ切換変圧器の二次側電圧である第1の電圧を検出する計器用変圧器から出力された第2の電圧が入力され、互いに異なる前記第1の電圧の目標電圧に応じた複数の第3の電圧をそれぞれ出力する複数の出力タップを備える単巻変圧器と、
選択信号に応じて前記複数の第3の電圧から1つを選択し、当該選択された第3の電圧を第4の電圧として出力するプログラムコントローラと、
前記第4の電圧が予め整定された基準電圧の不感帯の上限値を超えている第1の時間、および前記第4の電圧が前記不感帯の下限値未満である第2の時間を積算し、前記第1の時間が予め設定された動作時間に達した場合には、前記第1の電圧を低下させる前記タップ切換指令を出力し、前記第2の時間が前記動作時間に達した場合には、前記第1の電圧を上昇させる前記タップ切換指令を出力する電圧調整継電器と、
前記目標電圧を変更する変更時刻と当該変更後の目標電圧とを対応付けて示す目標電圧変更情報が記憶されている記憶部と、
前記変更時刻に、前記複数の第3の電圧から前記変更後の目標電圧に応じた第3の電圧を選択する前記選択信号を出力するとともに、前記目標電圧を上昇させる場合には、前記第2の時間に前記動作時間未満の所定の加算時間が加算されるように、前記変更時刻より前の所定の期間に前記第4の電圧を低下させる前記選択信号を出力し、前記目標電圧を低下させる場合には、前記第1の時間に前記所定の加算時間が加算されるように、前記変更時刻より前の前記所定の期間に前記第4の電圧を上昇させる前記選択信号を出力する時計制御部と、
を有することを特徴とする電圧調整装置。
【請求項2】
前記記憶部には、前記第1の電圧が前記目標電圧より所定の割合以上に上昇する上昇時刻、および前記第1の電圧が前記目標電圧より前記所定の割合以上に低下する低下時刻を示す電圧変動情報がさらに記憶されており、
前記時計制御部は、前記上昇時刻以降の前記所定の期間に、前記第1の時間に前記所定の加算時間が加算されるように前記第4の電圧を上昇させる前記選択信号を出力し、前記低下時刻以降の前記所定の期間に、前記第2の時間に前記所定の加算時間が加算されるように前記第4の電圧を低下させる前記選択信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の電圧調整装置。
【請求項3】
前記電圧調整継電器は、不感帯縮小信号に基づいて、前記基準電圧以上の前記不感帯の幅または前記基準電圧以下の前記不感帯の幅を縮小する不感帯縮小回路を備え、
前記時計制御部は、前記所定の期間に、前記選択信号を出力するとともに、前記不感帯縮小信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の電圧調整装置。
【請求項4】
前記所定の期間は、合計時間が前記動作時間未満である複数の期間からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の電圧調整装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れかに記載の電圧調整装置と、
前記タップ切換指令に応じて前記第1の電圧が調整される前記負荷時タップ切換変圧器と、
前記第1の電圧を検出して前記第2の電圧として出力する前記計器用変圧器と、
を備えることを特徴とする電圧調整システム。
【請求項6】
前記負荷時タップ切換変圧器は、配電用変電所に設置された配電用変圧器であることを特徴とする請求項5に記載の電圧調整システム。
【請求項7】
タップ切換指令に応じて巻線のタップを切り換えるタップ切換器を備えた負荷時タップ切換変圧器の二次側電圧である第1の電圧を検出する計器用変圧器から出力された第2の電圧が入力され、互いに異なる前記第1の電圧の目標電圧に応じた複数の第3の電圧をそれぞれ出力する複数の出力タップを備える単巻変圧器と、
前記複数の第3の電圧から選択された第4の電圧が予め整定された基準電圧の不感帯の上限値を超えている第1の時間、および前記第4の電圧が前記不感帯の下限値未満である第2の時間を積算し、前記第1の時間が予め設定された動作時間に達した場合には、前記第1の電圧を低下させる前記タップ切換指令を出力し、前記第2の時間が前記動作時間に達した場合には、前記第1の電圧を上昇させる前記タップ切換指令を出力する電圧調整継電器と、
を備え、前記目標電圧を変更する変更時刻と当該変更後の目標電圧とを対応付けて示す目標電圧変更情報が入力されるコンピュータに、
選択信号に応じて前記複数の第3の電圧から1つを選択し、当該選択された第3の電圧を前記第4の電圧として出力する機能と、
前記変更時刻に、前記複数の第3の電圧から前記変更後の目標電圧に応じた第3の電圧を選択する前記選択信号を出力するとともに、前記目標電圧を上昇させる場合には、前記第2の時間に前記動作時間未満の所定の加算時間が加算されるように、前記変更時刻より前の所定の期間に前記第4の電圧を低下させる前記選択信号を出力し、前記目標電圧を低下させる場合には、前記第1の時間に前記所定の加算時間が加算されるように、前記変更時刻より前の前記所定の期間に前記第4の電圧を上昇させる前記選択信号を出力する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項8】
タップ切換指令に応じて巻線のタップを切り換えるタップ切換器を備えた負荷時タップ切換変圧器の二次側電圧である第1の電圧を検出する計器用変圧器から出力された第2の電圧を、複数の出力タップを備える単巻変圧器によって変圧して、互いに異なる前記第1の電圧の目標電圧に応じた複数の第3の電圧を生成し、
前記目標電圧を変更する変更時刻と当該変更後の目標電圧とを対応付けて示す目標電圧変更情報に基づいて、前記変更時刻に、前記複数の第3の電圧から前記変更後の目標電圧に応じた第3の電圧を第4の電圧として選択するとともに、前記目標電圧を低下させる場合には、前記第4の電圧が予め整定された基準電圧の不感帯の上限値を超えている第1の時間に予め設定された動作時間未満の所定の加算時間が加算されるように、前記変更時刻より前の所定の期間に前記第4の電圧を上昇させ、前記目標電圧を上昇させる場合には、前記第4の電圧が前記不感帯の下限値未満である第2の時間に前記所定の加算時間が加算されるように、前記変更時刻より前の前記所定の期間に前記第4の電圧を低下させ、
積算された前記第1の時間が前記動作時間に達した場合には、前記第1の電圧を低下させる前記タップ切換指令を出力し、積算された前記第2の時間が前記動作時間に達した場合には、前記第1の電圧を上昇させる前記タップ切換指令を出力することを特徴とする電圧調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−135113(P2012−135113A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284867(P2010−284867)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】