説明

電子デバイスおよび触覚タッチスクリーン

【課題】優れた触覚特性を提供することが可能なタッチスクリーンディスプレイを提供すること。
【解決手段】ベースと、ベースに接続され、ベースに対して動くことができるディスプレイデバイスと、ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面であって、ディスプレイデバイスに対するタッチイベントを決定するためのタッチ感知入力表面と、ベースと該ディスプレイデバイスとの間に配置された複数の形状記憶合金のワイヤであって、複数のワイヤのそれぞれは、ディスプレイデバイスの4つのコーナーの各々の近くに配置されており、形状記憶合金のワイヤの各々は、電流の伝導に応答して形状を変化させ、ベースに対する該ディスプレイデバイスの動きを引き起こすように構成されている、複数の形状記憶合金のワイヤと、を備える、タッチスクリーンディスプレイデバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、タッチスクリーンデバイスからの触覚性フィードバックに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス(携帯型電子デバイス)は、幅広い使用を獲得してきており、例えば電話メッセージ伝達、電子メッセージ伝達、およびその他の個人用情報管理(PIM)アプリケーションの機能を含む、様々な機能を提供し得る。携帯型電子デバイスは、モバイル局(例えば、単純なセル式電話、スマートフォン、無線PDA、および無線802.11またはBluetooth能力を有するラップトップコンピュータ)を含む、いくつかのタイプのデバイスを含み得る。これらのデバイスは、データ専用ネットワーク(例えば、MobitexおよびDataTAC)から複雑な音声およびデータのネットワーク(例えば、GSM/GPRS、CDMA、EDGE、UMTS、およびCDMA2000のネットワーク)までの、様々なネットワーク上で実行する。
【0003】
一般に、デバイス(例えば、PDAまたはスマートフォン)は、ハンドヘルドの使用が意図されており、携帯が容易であることが意図されている。一般に、小型のデバイスは、携帯のために望ましい。タッチスクリーンの入/出力デバイスは、そのようなハンドヘルドデバイス上で特に有用である。なぜならば、そのようなハンドヘルドデバイスは小型なので、入出力デバイスのために利用可能な空間が限られているからである。さらに、タッチスクリーンの入/出力デバイス上のスクリーン内容は、実行されている機能および動作に応じて、改変され得る。
【0004】
タッチスクリーンデバイスは、タッチ感知オーバーレイ(touch−sensitive overlay)を有するディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)から構成されている。しかしながら、これらの入/出力デバイスは、ユーザの相互作用および応答に関連する固有の不利益を受ける。特に、そのようなタッチスクリーンデバイスは、入力を明確(positive)に示すためのユーザが所望する触覚特性を提供することができず、良くないユーザ経験を提供している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、入/出力デバイスにおける改良が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一局面にしたがうと、タッチスクリーンディスプレイユニットが提供され得る。タッチスクリーンディスプレイユニットは、ベースと、ベースに接続され、ベースに対して動くことができるディスプレイデバイスと、ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面であって、ディスプレイデバイスに対するタッチイベントを決定するためのタッチ感知入力表面と、ベースとディスプレイデバイスとの間に配置された複数の形状記憶合金のワイヤであって、複数の形状記憶合金のワイヤそれぞれは、ディスプレイデバイスの4つのコーナーの近くに配置されており、複数の形状記憶合金のワイヤの各々は、電流の伝導に応答して、形状を変化させ、ベースに対するディスプレイデバイスの動きを引き起こすように構成されている、複数の形状記憶合金のワイヤと、を含む。タッチイベントは、形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つを介する電流の伝導を引き起こし得、形状記憶合金のワイヤのうちの上記少なくとも1つは、タッチイベントの位置に基づいて決定され、ベースに対するディスプレイデバイスおよびタッチ感知入力表面の動きを引き起こす。
【0007】
別の局面にしたがうと、電子デバイスが提供される。電子デバイスは、ベースと、タッチスクリーンディスプレイと、複数の形状記憶合金および動作コンポーネントを含み得る。タッチスクリーンディスプレイは、ベースに接続されており、ベースに対して動くことができ、ディスプレイデバイスと、ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面とを含み、タッチ感知入力表面に対するタッチイベントを決定するためにコントローラに接続されている。形状記憶合金のワイヤは、ベースとディスプレイデバイスとの間に配置されており、複数のワイヤのそれぞれは、ディスプレイデバイスの4つのコーナーの各々の近くに配置されており、形状記憶合金の各々は、電流の伝導に応答して形状を変化させ、ベースに対するディスプレイデバイスの動きを引き起こすように構成されている。プロセッサは、コントローラ、ディスプレイデバイス、および形状記憶合金のワイヤに動作可能なように接続されており、タッチイベントに応答して、形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つを介する電流の伝導を引き起こし、ベースに対するタッチスクリーンディスプレイの動きを引き起こす。形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つは、タッチイベントの位置に基づいて決定され、電流の伝導は、ベースに対するディスプレイデバイスおよびタッチ感知入力表面の動きを引き起こす。
【0008】
別の局面にしたがうと、電子デバイスを制御する方法が提供される。この方法は、タッチスクリーンディスプレイにおけるタッチ入力を受信することと、タッチスクリーンディスプレイ上のタッチ入力の位置を決定することと、タッチ入力の受信に応答して、電子デバイスのベースとタッチスクリーンディスプレイとの間に配置された複数の形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つを介する電流の伝導を引き起こす。複数の形状記憶合金のワイヤのそれぞれは、タッチスクリーンディスプレイの4つのコーナーの各々の近くに配置されている。形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つは、タッチ入力の位置に基づいて決定され、形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つの形状における変化を引き起こし、ベースに対するタッチスクリーンディスプレイの動きをもたらす。
【0009】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0010】
(項目1)
ベースと、
該ベースに接続され、該ベースに対して動くことができるディスプレイデバイスと、
該ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面であって、該ディスプレイデバイスに対するタッチイベントを決定するためのタッチ感知入力表面と、
該ベースと該ディスプレイデバイスとの間に配置された複数の形状記憶合金のワイヤであって、該複数のワイヤのそれぞれは、該ディスプレイデバイスの4つのコーナーの各々の近くに配置されており、該形状記憶合金のワイヤの各々は、電流の伝導に応答して形状を変化させ、該ベースに対する該ディスプレイデバイスの動きを引き起こすように構成されている、複数の形状記憶合金のワイヤと
を備え、
該タッチイベントは、該形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つを介する電流の伝導を引き起こし、該形状記憶合金のワイヤのうちの該少なくとも1つが該タッチイベントの位置に基づいて決定され、該タッチイベントは、該ベースに対する該ディスプレイデバイスおよび該タッチ感知入力表面の動きを引き起こす、タッチスクリーンディスプレイユニット。
【0011】
(項目2)
上記形状記憶合金のワイヤの各々は、該形状記憶合金を介する電流の伝導に応答して、縮むように構成されている、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイユニット。
【0012】
(項目3)
上記タッチイベントの位置を決定するためのコントローラ
を含む、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイユニット。
【0013】
(項目4)
上記形状記憶合金のワイヤは、マッスルワイヤを含む、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイユニット。
【0014】
(項目5)
上記ディスプレイユニットは、上記タッチ感知入力表面の中央の近くにおける上記タッチイベントの位置に応答して、上記電流が上記ディスプレイデバイスの上記4つのコーナーの各々の近くに配置された上記複数のワイヤの各々を介して伝導されるように構成されている、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイユニット。
【0015】
(項目6)
上記ワイヤの各々は、コイルバネ形状である、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイユニット。
【0016】
(項目7)
中間の側壁によって上記ベースから間隔を空けられたフレームであって、上記ディスプレイデバイスとタッチ感知入力表面とを枠取りしているフレーム
を含む、項目1に記載のタッチスクリーンディスプレイユニット。
【0017】
(項目8)
タッチスクリーンディスプレイユニットであって、
ベースと、
該ベースに接続され、該ベースに対して動くことができるディスプレイデバイスと、
該ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面であって、該ディスプレイデバイスに対するタッチイベントを決定するためのタッチ感知入力表面と、
該ベースと該ディスプレイデバイスとの間に配置された複数の形状記憶合金のワイヤであって、該複数のワイヤのそれぞれは、該ディスプレイデバイスの4つのコーナーの各々の近くに配置されており、該形状記憶合金のワイヤの各々は、電流の伝導に応答して形状を変化させ、該ベースに対する該ディスプレイデバイスの動きを引き起こすように構成されている、複数の形状記憶合金のワイヤと、
該タッチイベントの位置を決定するためのコンとローラと
を含む、タッチスクリーンディスプレイユニットと、
該ベースと該ディスプレイデバイスとの間のプロセッサを含む動作コンポーネントであって、該タッチイベントに応答して、該形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つを介する電流の伝導を引き起こすために、該コントローラ、該ディスプレイデバイス、および該形状記憶合金のワイヤに動作可能なように接続されており、該形状記憶合金のワイヤのうちの該少なくとも1つは該タッチイベントの位置に基づいて決定され、該タッチイベントは、該ベースに対する該ディスプレイデバイスおよび該タッチ感知入力表面の動きを引き起こす、動作コンポーネントと
を備える、電子デバイス。
【0018】
(項目9)
上記ベースの方向における上記ディスプレイデバイスの動きの範囲を制限するための機械的な止め具を含む、項目8に記載の電子デバイス。
【0019】
(項目10)
電子デバイスを制御する方法であって、該方法は、
タッチスクリーンディスプレイにおけるタッチ入力を受信することと、
該タッチスクリーンディスプレイ上の該タッチ入力の位置を決定することと、
該タッチ入力の受信に応答して、該電子デバイスのベースと該タッチスクリーンディスプレイとの間に配置された複数の形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つを介する電流の伝導を引き起こすことであって、該複数の形状記憶合金のワイヤのそれぞれは、該タッチスクリーンディスプレイの4つのコーナーの各々の近くに配置されており、該形状記憶合金のワイヤのうちの該少なくとも1つが、該タッチ入力の位置に基づいて決定され、該電流の伝導は、該形状記憶合金のワイヤのうちの該少なくとも1つの形状における変化を引き起こし、該ベースに対する該タッチスクリーンディスプレイの動きを引き起こす、ことと
を含む、方法。
【0020】
(項目11)
コンピュータ実行可能な命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体であって、該コンピュータ実行可能な命令は、電子デバイスのプロセッサによって実行されたときに、コンピューティングデバイスに、
タッチスクリーンディスプレイにおけるタッチ入力を受信することと、
該タッチスクリーンディスプレイ上の該タッチ入力の位置を決定することと、
該タッチ入力の受信に応答して、該電子デバイスのベースと該タッチスクリーンディスプレイとの間に配置された複数の形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つを介する電流の伝導を引き起こすことであって、該複数の形状記憶合金のワイヤのそれぞれは、該タッチスクリーンディスプレイの4つのコーナーの各々の近くに配置されており、該形状記憶合金のワイヤのうちの該少なくとも1つは、該タッチ入力の位置に基づいて決定され、該電流の伝導は、該形状記憶合金のワイヤのうちの該少なくとも1つの形状における変化を引き起こし、該ベースに対する該タッチスクリーンディスプレイの動きを引き起こす、ことと
を行わせる、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0021】
(摘要)
電子デバイスは、ベースと、タッチスクリーンディスプレイと、形状記憶合金と、動作コンポーネントとを含む。タッチスクリーンディスプレイは、ベースに接続されており、ベースに対して動くことができ、ディスプレイデバイスと該ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面とを含んでおり、タッチ感知入力表面に対するタッチイベントを決定するために、コントローラに接続されている。形状記憶合金は、ベースとディスプレイデバイスとの間に配置されており、電流の伝導に応じて形状を変化させ、ベースに対するディスプレイデバイスの動きを引き起こすように構成されている。動作コンポーネントは、ベースとタッチスクリーンディスプレイとの間のプロセッサを含む。プロセッサは、タッチイベントに応答して形状記憶合金を介する電流の伝導を引き起こし、その結果として、ベースに対するディスプレイデバイスの動きを引き起こすために、コントローラ、ディスプレイデバイス、および形状記憶合金に動作可能なように接続されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
ここで、単なる例示として、添付の図面を参照しながら、本出願の実施形態が記載される。
【0023】
(好適な実施形態の詳細)
説明の単純化および明瞭化のために、適切であると考えられる場合には、複数の図面の間で参照番号が繰り返され得、対応する要素または類似の要素を示し得るということに留意されたい。加えて、本明細書中に記載されている実施形態の完全な理解を提供するために、数多くの具体的な詳細が開示されている。しかしながら、当業者は、本明細書中に記載されている実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施され得ることを、理解できるであろう。その他、周知の方法、手順、およびコンポーネントについては、本明細書中に記載されている実施形態を不明瞭にしないようにするために、詳細には記載されていない。また、記載は、本明細書中に記載されている実施形態の範囲を限定するものとして考えられるべきではない。
【0024】
本明細書中に記載されている実施形態は、概して、ディスプレイを有する携帯型電子デバイスに関する。携帯型電子デバイスの例は、モバイルまたはハンドヘルドの無線通信デバイス(例えば、ページャ、セル式電話、セル式スマートフォン、無線オーガナイザ、パーソナルデジタルアシスタント、無線能力を有するノートブックコンピュータ、等)を含む。
【0025】
携帯型の電子デバイスは、先進的なデータ通信能力(ネットワークまたは送受信局を介することによって、その他の携帯型電子デバイスまたはコンピュータシステムと通信する能力を含む)を有する双方向通信デバイスであり得る。携帯型電子デバイスはまた、音声通信を可能にする能力を有し得る。携帯型電子デバイスは、自らによって提供される機能に応じて、データメッセージ伝達デバイス、双方向ページャ、データメッセージ伝達能力を有するセル式電話、無線インターネット機器、またはデータ通信デバイス(電話能力を有するもの、または有していないもの)と称され得る。携帯型電子デバイスはまた、無線通信能力を有していない携帯型デバイス(例えば、ハンドヘルド電子ゲームデバイス、デジタルフォトアルバム、デジタルカメラ、等)であり得る。
【0026】
図1〜図3を参照すると、携帯型電子デバイス20が示されており、この携帯型電子デバイスは、全体が20で示されている。携帯型電子デバイスは、ベース22と、タッチスクリーンディスプレイ24とを含んでおり、このタッチスクリーンディスプレイは、ベース22に接続されており、ベース22に対して動くことができる。タッチスクリーンディスプレイ24は、ディスプレイデバイス26と、タッチ感知入力表面28とを含んでおり、このタッチ感知入力表面は、ディスプレイデバイスを覆っており、タッチ感知入力表面28に対するタッチイベントを決定するために、コントローラ30に接続されている。形状記憶合金32は、ベース22とディスプレイデバイス26との間に配置されており、電流の伝導に応答して、形状を変化させ、ベース22に対するディスプレイデバイス26の動きをもたらすように構成されている。動作コンポーネントは、ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間のプロセッサ40を含む。プロセッサ40は、タッチイベントに応答して形状記憶合金32を介する電流の伝導を引き起こし、その結果として、ベース22に対するタッチスクリーンディスプレイ24の動きを引き起こすために、コントローラ30、ディスプレイデバイス26、および形状記憶合金32に接続されている。
【0027】
ここで図3を参照すると、携帯型電子デバイス20の例示的な実施形態のブロック図が示されている。携帯型電子デバイス20は、例えば携帯型電子デバイス20の全体動作を制御するプロセッサ40のような、多数のコンポーネントを含んでいる。データ通信および音声通信を含む通信機能は、通信サブシステム42を介して実行される。携帯型電子デバイス20によって受信されたデータは、デコーダ44によって解凍および復号化され得、デコーダ44は、任意の適切な解凍技術(例えば、YK解凍、およびその他の公知の技術)および暗号化技術(例えば、データ暗号化規格(DES)、トリプルDES、または先進暗号化規格(AES)を用いる)にしたがって動作する。通信サブシステム42は、無線ネットワーク100からメッセージを受信し、無線ネットワーク100へとメッセージを送信する。携帯型電子デバイス20のこの例示的な実施形態において、通信サブシステム42は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM)および汎用パケット無線サービス(GPRS)の規格にしたがって構成される。GSM/GPRS無線ネットワークは、世界規模で使用されており、これらの規格はそのうちに、エンハンストデータGSM環境(EDGE)およびユニバーサルモバイルテレコミュニケーションサービス(UMTS)によって、取って代わられることが期待されている。今日をもっても新しい規格が定義されているが、それらの新しい規格は、本明細書中に記載されているネットワークの挙動との類似性を有するであろうことが信じられており、そして、本明細書中に記載されている実施形態は、将来開発されるその他の任意の適切な規格を使用することが意図されているということが、当業者によって理解され得る。通信サブシステム42と無線ネットワーク100とを接続する無線リンクは、GSM/GPRS通信に対して指定された定義されたプロトコルにしたがって動作する、1つ以上の様々な無線周波数(RF)チャネルを表す。これらのチャネルは、より新しいネットワークプロトコルを用いることによって、回線交換の音声通信とパケット交換のデータ通信との両方をサポートすることが可能である。
【0028】
1つの例示的な実装において、携帯型電子デバイス20に関連付けられる無線ネットワーク100は、GSM/GPRS無線ネットワークであるが、異なる実装においては、その他の無線ネットワークもまた、携帯型電子デバイス20に関連付けられ得る。使用され得る様々なタイプの無線ネットワークは、例えば、データ集約型の無線ネットワーク、音声集約型の無線ネットワーク、および同じ物理的な基地局を介して音声通信とデータ通信との両方をサポートし得るデュアルモードネットワークを含む。組み合わせ型デュアルモードネットワークは、符号分割多重アクセス(CDMA)またはCDMA1000ネットワーク、GSM/GPRSネットワーク(上述の通り)、ならびにEDGEおよびUMTSのような将来の第3世代(3G)ネットワークを含む。データ集約型のネットワークのその他の例の一部は、WiFi 802.11、Mobitex(登録商標)、およびDataTAC(登録商標)のネットワーク通信システムを含む。音声集約型のデータネットワークのその他の例は、GSMシステムおよび時分割多重アクセス(TDMA)システムのような個人通信システム(PCS)ネットワークを含む。プロセッサ40はまた、追加的なサブシステムと相互作用し、追加的なサブシステムは、ランダムアクセスメモリ(RAM)46、フラッシュメモリ48、入力表面28を有するディスプレイ26、補助入/出力(I/O)サブシステム50、データポート52、スピーカ54、マイクロフォン56、短距離通信58、およびその他のデバイスサブシステム60、等である。
【0029】
携帯型電子デバイス20のサブシステムの一部は、通信関係の機能を実行するが、その一方で、その他のサブシステムは、「常駐」またはデバイス上の機能を提供し得る。例えば、ディスプレイデバイス26およびタッチ感知入力表面28は、通信関係の機能(例えば、ネットワーク100を介する送信のためのテキストメッセージを入力すること)およびデバイス常駐機能(例えば、電卓またはタスクリスト)の両方のために使用され得る。
【0030】
携帯型電子デバイス20は、ネットワーク登録または活性化手順が完了した後に、無線ネットワーク100を介して通信信号を送受信し得る。ネットワークアクセスは、携帯型電子デバイス20の加入者またはユーザと関連付けられる。本実施形態にしたがう加入者を識別するために、携帯型電子デバイス20は、SIM/RUIMインターフェース64に挿入されるべきSIM/RUIMカード62(すなわち、加入者識別モジュールまたは着脱式のユーザ識別モジュール)を使用することによって、ネットワークと通信する。SIMカードまたはRUIM62は、特に携帯型電子デバイス20の加入者を識別するために、および携帯型電子デバイス20を個人化するために使用され得る、従来の「スマートカード」の一種である。本実施形態において、携帯型電子デバイス20は、SIMカード62がないと、無線ネットワーク100との通信のために、完全な動作をすることができない。SIMカード/RUIM62をSIM/RUIMインターフェース64に挿入することによって、加入者は、全ての加入したサービスにアクセスすることができる。サービスは、例えばeメール、音声メール、ショートメッセージサービス(SMS)、およびマルチメディアメッセージ伝達サービス(MMS)のような、ウェブブラウジングおよびメッセージ伝達を含み得る。より先進的なサービスは、販売時点情報管理(point of sale)、フィールドサービス(field service)、およびセールスフォースオートメーション(sales force automation)を含み得る。SIMカード/RUIM62は、プロセッサおよび情報を格納するためのメモリを含む。SIMカード/RUIM62がSIM/RUIMインターフェース64に挿入されると、SIMカード/RUIM62は、プロセッサ40に結合される。加入者を識別するために、SIMカード/RUIM62は、例えば国際モバイル加入者識別(IMSI)のような、なんらかのユーザパラメータを含み得る。SIMカード/RUIM62を使用することの利点は、加入者がどのような単一の物理的な携帯型電子デバイスによっても、拘束される必要がなくなるということである。SIMカード/RUIM62は、データブック(またはカレンダー)情報および最近の通話情報を含む、携帯型電子デバイスのための追加的な加入者情報を、同様に格納し得る。あるいは、ユーザ識別情報はまた、フラッシュメモリ48にプログラムされ得る。
【0031】
携帯型電子デバイス20は、バッテリーによって電力供給されるデバイスであり、1つ以上の再充電可能なバッテリー68を受け入れるためのバッテリーインターフェース66を含む。少なくとも一部の実施形態において、バッテリー68は、組み込み型マイクロプロセッサを有するスマートバッテリーであり得る。バッテリーインターフェース66は、レギュレータ(図示されず)に結合され、レギュレータは、電力V+を携帯型電子デバイス20に提供する際に、バッテリー68をアシストする。現行の技術は、バッテリーを使用するが、将来の技術(例えば、マイクロ燃料電池)は、携帯型電子デバイス20に電力を提供し得る。
【0032】
携帯型電子デバイス20はまた、オペレーティングシステム70およびソフトウェアコンポーネント72〜82をも含んでおり、これらは、以下でより詳細に記載される。プロセッサ40によって実行されるオペレーティングシステム70およびソフトウェアコンポーネント72〜82は、典型的には、永続性記憶装置(例えば、フラッシュメモリ48)に格納される。永続性記憶装置は、その代わりに、リードオンリメモリ(ROM)または同様の格納要素(図示されず)でもあり得る。当業者は、オペレーティングシステム70およびソフトウェアコンポーネント72〜82の一部(例えば、特殊デバイスアプリケーションまたはそのパーツ)は、揮発性記憶装置(例えば、RAM46)に瞬間的にロードされ得ることを理解し得る。当業者には周知であるように、その他のソフトウェアコンポーネントもまた含まれ得る。
【0033】
基本的なデバイス動作を制御するソフトウェアアプリケーション72のサブセット(データ通信アプリケーションおよび音声通信アプリケーションを含む)は、通常、製造中に携帯型電子デバイス20にインストールされ得る。その他のソフトウェアアプリケーションは、メッセージアプリケーション74を含み、メッセージアプリケーション74は、携帯型電子デバイス20のユーザが電子メッセージを送受信することを可能にする任意の適切なソフトウェアプログラムであり得る。当業者には周知であるように、メッセージアプリケーション74の様々な代替物が存在する。ユーザによって送信または受信されるメッセージは、典型的には、携帯型電子デバイス20のフラッシュメモリ48または携帯型電子デバイス20におけるその他のなんらかの適切な格納要素に格納される。少なくとも一部の実施形態においては、送受信されたメッセージの一部は、デバイス20から遠隔的に(例えば、携帯型電子デバイス20と通信する関連付けられたホストシステムのデータ記憶装置に)格納され得る。
【0034】
ソフトウェアアプリケーションはさらに、デバイス状態モジュール76、個人情報管理(PIM)78、およびその他の適切なモジュール(図示されず)を含み得る。デバイス状態モジュール76は、永続性を提供する。すなわち、デバイス状態モジュール76は、重要なデバイスデータが永続性メモリ(例えば、フラッシュメモリ48)に格納されることによって、携帯型電子デバイス20がオフにされたり、または電力を断たれたりしたときに、データが失われないようにすることを保証する。
【0035】
PIM78は、ユーザが関心のあるデータアイテムを編集および管理するための機能を含む。例えば、そのような機能は、eメール、連絡先、カレンダーイベント、音声メール、アポイントメント、およびタスクアイテムを含むが、それらには限定されない。PIMアプリケーションは、無線ネットワーク100を介してデータアイテムを送受信する能力を有する。PIMデータアイテムは、無線ネットワーク100を介することにより、携帯型電子デバイスの加入者の対応するデータアイテム(ホストコンピュータシステムに格納されていたり、かつ/または関連付けられていたりする)とシームレスに統合、同期化、および更新され得る。この機能は、そのようなアイテムに関して、携帯型電子デバイス20上にミラーリングされたホストコンピュータを形成する。これは、ホストコンピュータシステムが携帯型電子デバイスの加入者のオフィスコンピュータシステムであるときに、特に有利であり得る。
【0036】
携帯型電子デバイス20はまた、接続モジュール80、および情報技術(IT)ポリシーモジュール82をも含んでいる。接続モジュール80は、携帯型電子デバイス20が無線設備および例えばエンタープライズシステムのような任意のホストシステム(携帯型電子デバイス20は、これらとインターフェースを取る権限が付与されている)と通信するために必要な通信プロトコルを実装している。
【0037】
接続モジュール80は、携帯型電子デバイス20と統合され得る一連のAPIを含んでおり、これらのAPIは、携帯型電子デバイス20が、エンタープライズシステムと関連付けられた任意の個数のサービスを使用することを可能にする。接続モジュール80は、携帯型電子デバイス20が、ホストシステムとのエンド・トゥ・エンドのセキュアで認証された通信パイプを確立することを可能にする。接続モジュール80によってアクセスが提供されるアプリケーションのサブセットは、ホストシステムから携帯型電子デバイス20へと、ITポリシーコマンドを受け渡すために使用され得る。これは、無線または有線で実行され得る。その後これらの命令は、デバイス20の構成を改変するために、ITポリシーモジュール82へと受け渡され得る。あるいは、一部の場合においては、ITポリシーの更新もまた、有線接続を介して実行され得る。
【0038】
その他のタイプのソフトウェアアプリケーションもまた、携帯型電子デバイス20上にインストールされ得る。これらのソフトウェアアプリケーションは、携帯型電子デバイス20の製造後に追加されるサードパーティアプリケーションであり得る。サードパーティアプリケーションの例は、ゲーム、電卓、ユーティリティ、等を含む。
【0039】
追加的なアプリケーションは、無線ネットワーク100、補助I/Oサブシステム50、データポート52、短距離通信サブシステム58、または任意のその他の適切なデバイスサブシステム60のうちの少なくとも1つを介して、携帯型電子デバイス20上にロードされ得る。アプリケーションのインストールにおけるこの柔軟性は、携帯型電子デバイス20の機能を増大させ、増強されたデバイス上の機能、通信関連機能、またはそれらの両方を提供し得る。例えば、セキュア通信アプリケーションは、電子商取引機能およびその他の同様の金融取引機能が、携帯型電子デバイス20を用いて実行されることを可能にし得る。
【0040】
データポート52は、加入者が外部デバイスまたはソフトウェアアプリケーションを介して選好度(preference)を設定し、無線通信ネットワーク以外を介して携帯型電子デバイス20に情報またはソフトウェアダウンロードを提供することによって、携帯型電子デバイス20の能力を拡張することを可能にする。代替的なダウンロード経路は、例えば、直接的であってひいては信頼性が高く確実な接続を介することによって、携帯型電子デバイス20へと暗号化キーをロードし、セキュアなデバイス接続を提供するために使用され得る。
【0041】
データポート52は、携帯型電子デバイス20と別のコンピューティングデバイスとの間のデータ通信を可能にする任意の適切なポートであり得る。データポート52は、シリアルまたはパラレルのポートであり得る。一部の実例において、データポート52は、データ転送のためのデータラインと、携帯型電子デバイス20のバッテリー68へと充電電流を提供し得る供給ラインとを含む、USBポートであり得る。
【0042】
短距離通信サブシステム58は、無線ネットワーク100を用いることなしに、携帯型電子デバイス20と様々なシステムまたはデバイスとの間の通信を提供する。例えば、サブシステム58は、赤外線デバイスおよび短距離通信のための関連する回路およびコンポーネントを含み得る。短距離通信規格の例は、赤外線データ協会(IrDA)によって開発された規格、Bluetooth、およびIEEEによって開発された規格の802.11ファミリーを含む。
【0043】
使用中、例えばテキストメッセージ、eメールメッセージ、またはウェブページダウンロードのような、受信された信号は、通信サブシステム42によって処理され、プロセッサ40に入力される。その後、プロセッサ40は、ディスプレイ28または補助I/Oサブシステム50へと出力するために、受信された信号を処理する。加入者はまた、例えば、タッチ感知入力表面28ならびにディスプレイデバイス26、そしておそらくは補助I/Oサブシステム50を用いることによって、データアイテム(例えば、eメール)を編集し得る。補助I/Oサブシステム50は、例えば、マウス、トラックボール、赤外線指紋検出器、または動的なボタン押下能力を有するローラホイールのような、デバイスを含み得る。キーボード(例えば、英数字キーボードおよび/または電話タイプキーボードまたはそれらの両方)もまた提供され得る。編集されたアイテムは、通信サブシステム42を介して、無線ネットワーク100上で送信され得る。
【0044】
音声通信に関して、携帯型電子デバイス20の全体動作は、受信された信号がスピーカ54へと出力され、マイクロフォン56によって送信のための信号が生成されるということを除き、実質的に同様である。代替的な音声またはオーディオI/Oサブシステム(例えば、音声メッセージ録音サブシステム)もまた、携帯型電子デバイス20上に実装され得る。音声またはオーディオ信号の出力は、主にスピーカ54を介して遂行され得るが、ディスプレイ28もまた、追加的な情報(例えば、発呼側の識別、音声コールの持続時間、またはその他の音声コール関連情報)を提供するために使用され得る。
【0045】
再び図1および図2を参照すると、ハウジングは、ベース22とベース22から離れたフレーム84とを含んでおり、フレーム84は、タッチスクリーンディスプレイ24を枠取りしている。側壁86は、ベース22とフレーム84との間に延びている。本実施形態にしたがうと、側壁86は、ベース22およびフレーム84に対して、概して垂直に延びている。ベース22は、例えば上述のようなバッテリー68およびSIMカード62の挿入および取り外しのために解放可能なように取り付けられた、プレート(図示されず)を含んでいる。ベース22、側壁86、およびフレーム84は、例えば射出成形されたものであり得るということが理解され得る。フレーム84は、ウィンドウを枠取りするようにサイズおよび形状が決められ得る。このウィンドウにおいて、タッチスクリーンディスプレイ24は、タッチスクリーンディスプレイ24のタッチ感知入力表面28とのユーザ接触による入力のために、およびディスプレイデバイス26上への出力の表示のために、露出されている。タッチスクリーンディスプレイ24は、形状記憶合金32によってフレーム84の裏面に向けて付勢させられており、その形状記憶合金32は、図2に最もよく示されるように、本実施形態において、4つのコイルバネ(coil spring)を含んでいる。このようにして、フレーム84は、ハウジング内にタッチスクリーンディスプレイ24を維持し、タッチスクリーンディスプレイ24は、ハウジングによって制約されている。それにもかかわらず、タッチスクリーンディスプレイ24は、ハウジング内で動くことが可能である。機械的な抑制部(stop)85は、ベース22の方向におけるタッチスクリーンディスプレイ24の動きの範囲を制限するために含まれている。したがって、機械的な抑制部85は、ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24と形状記憶合金32との間で、動作可能なコンポーネントを保護するように、タッチスクリーンディスプレイ24の動きの範囲を制限している。本実施形態において、機械的な抑制部85は、ベース22から上の方へ延びているポスト(post)を含んでいる。機械的な抑制部85は、任意の適切な機械的な抑制部であり得るが、例えば、側壁86から内側に向かう突出部(projection)または形状記憶合金32のコイルバネの周囲に位置決めされた管(tube)を含んでいる。タッチスクリーンディスプレイ24は、ハウジングとベース22とに接続されており、それらに向かって動くことができることに、留意されたい。タッチスクリーンディスプレイ24のエッジは、支持を提供するようにエッジを囲むエッジ支持部を含み得、これによって、エッジ支持部がハウジングのフレーム84と接触することが、企図されている。図1に示されている実施形態にしたがうと、フレーム84は、略長方形であるが、その他の形状もまた可能である。例えば、フレーム84のコーナーは、丸みが付いているものであってもよい。
【0046】
タッチスクリーンディスプレイ24は、固いディスプレイ支持部88によって支持されており、ディスプレイ支持部88は、タッチスクリーンディスプレイ24に対する構造的な支持を提供し、タッチスクリーンディスプレイ24の損傷または破壊を引き起こす屈曲を抑制している。ディスプレイ支持部88は、任意の適切な材料から形成され得、さらなる機能コンポーネント(例えば、印刷回路基板)を含み得る。タッチスクリーンディスプレイ24は、LCDディスプレイデバイス26を覆っているタッチ感知入力表面28およびその他のコンポーネント(例えば、バックライト(図示されず)のようなオプションのコンポーネントを含む)を含む、コンポーネントのアセンブリであるということに、留意されたい。
【0047】
タッチスクリーンディスプレイ24は、任意の適切なタッチスクリーンディスプレイ、例えば、容量性タッチスクリーンディスプレイ24であり得る。このタッチスクリーンディスプレイ24は、ディスプレイデバイス26(本実施形態においては、LCDディスプレイである)およびタッチ感知入力表面28を含んでいる。タッチ感知入力表面28は、積み重なった多数の層を含んでいることに、留意されたい。それらの層は、例えば、基板層、接地シールド、および電気的に絶縁された容量性タッチセンサ回路層、ならびにカバーレンズを含んでいる。タッチ感知入力表面28の容量性タッチセンサ回路層は、任意の適切な導体材料(例えば、銅または金)から形成された伝導性のリード線(図示されず)を介して、図3に示される電子コントローラ30と接続される。タッチスクリーンディスプレイ24のタッチ感知入力表面28上のタッチの位置は、タッチのX座標およびY座標を決定するためのタッチセンサ回路層を使用して決定される。容量性タッチセンサ回路層はそれぞれ、容量性タッチセンサ回路層のそれぞれの電界の変化を結果としてもたらすユーザからのタッチに応答して、コントローラ30に信号を提供する。それらの信号は、Xタッチ位置およびYタッチ位置のそれぞれを表している。
【0048】
使用中、スクリーンは、携帯型電子デバイス20のユーザによる選択のためのオプションまたはコマンドを含むように、ディスプレイデバイス26上に表示される。容量性タッチセンサ回路層は、電界を提供するように電流によってそれぞれ駆動される。その電界は、タッチ感知入力表面28をユーザがタッチした際に、容量結合の結果として変化する。電界の変化は、タッチが起こっていることをコントローラ30に合図し、タッチ位置のXおよびY座標が、コントローラにおいて決定される。タッチの座標は、LCDディスプレイ32上に表示されたスクリーンからユーザによって選択された、関連付けられたオプションまたはコマンドを決定するために、プロセッサ40によって使用される。プロセッサ40は、決定された関連付けられたオプションまたはコマンドに基づいた動作を実行する。
【0049】
タッチスクリーンディスプレイ24は、静的なタッチイベントによる単一の位置の決定に制限されない。その代わりに、タッチスクリーンディスプレイ24に沿って指をスライドさせることなどの動作が決定され得る。さらに、タッチスクリーンディスプレイ24上の1つ以上の位置におけるタッチが決定され得、指のタッチ位置の間の距離を増大または減少させることなどの動作が決定され得ることが、企図されている。各タイプのタッチイベントおよびタッチ位置(座標)またはタッチは、プロセッサ40における種々のコマンドの始動を結果としてもたらし得る。従って、タッチスクリーンディスプレイ24は、ユーザ相互作用のためのグラフィカルユーザインターフェースを提供する。
【0050】
上で示されるように、タッチスクリーンディスプレイ24は、フレーム84に向かってベース22から離れるように付勢させられている。一実施形態において、形状記憶合金32は、タッチスクリーンディスプレイ24をフレーム84に向かって付勢させている。しかしながら、タッチスクリーンディスプレイ24は、任意の適切な付勢要素(biasing element)またはエレメント(例えば、フォーム付勢要素(foam biasing element)またはその他の適切なエレメント)によって、フレーム84に向かって付勢させられ得ることに、留意されたい。例示的な本実施形態において、形状記憶合金32は、図3、図4Aおよび図4Bに示すようなコイルバネの形状における4つのワイヤ32a、32b、32c、32dを含んでいる。4つのワイヤ32a、32b、32c、32dのそれぞれは、図1の想像線の(ghost)輪郭において示されるように、携帯型電子デバイス20のそれぞれのコーナーに近接して配置され、適切な機械的な接続によって、ベース22と固いディスプレイ支持部88とに機械的に接続される。ワイヤ32a、32b、32c、32dのそれぞれは、1つの端部がバッテリーインターフェース66へと電気的に接続される。この接続は、回路が完成される場合に、それぞれのワイヤ32a、32b、32c、32dに電流を提供するためのものである。それぞれのワイヤ32a、32b、32c、32dのその他端部は、プロセッサ40へと電気的に接続される。この接続は、それぞれの回路の完成を制御し、それによって、ワイヤ32a、32b、32c、32dのそれぞれを介する電流の流れを制御するためのものである。ワイヤ32a、32b、32c、32dは、例えば、マッスル(muscle)ワイヤ、または任意の適切な形状記憶合金32であり得る。さらに、形状記憶合金32は、4つのコイルバネに制限されない。なぜならば、形状記憶合金32のその他の適切な形状が使用され得るからである。例えば、形状記憶合金32は、薄いリボン状の形またはその他の適切な形状をなし得る。さらに、その他の多くの形状記憶合金32が使用され得る。
【0051】
当業者は、形状記憶合金が、別個の温度において種々の形状を呈するということを理解する。その種々の形状は、より低い温度におけるマルテンサイト(martensite)から、より高い温度におけるオーステナイト(austenite)への、温度に依存するマルテンサイト的な相変態の結果としてもたらされる。相変態が起こる温度は、合金に依存している。本実施形態における形状記憶合金は、ワイヤ32a、32b、32c、32dを含んでおり、それらは、マッスルワイヤであり得る。マッスルワイヤは、NitinolまたはFlexinolと一般的に称される、ニッケルチタン合金の薄く、高度に処理されたストランド(strand)である。ワイヤ32a、32b、32c、32dは、温度に依存する2つの形状を有し、室温状態の伸張されたバネ形状(図4Aにおいて数字32a、32bおよび32dによって示される)と、熱せられた状態の圧縮されたバネ形状(数字32cによって示される(縮尺どおりではない))とを含んでいる。したがって、ワイヤ32a、32b、32c、32dのコイルバネのそれぞれの長さは、熱せられた状態においては、減少させられるかまたは縮む。ワイヤが室温に戻る場合に、ワイヤ32a、32b、32c、32dのコイルバネの長さは、伸張された長さへと戻る。ワイヤ32cは、図4Aにおいて熱せられた状態の圧縮されたバネ形状で示されており、図4Bにおいて室温状態の伸張されたバネ形状で示されている。
【0052】
コイルバネ形状のワイヤ32のいずれか、または全てを介して電流が伝導される場合に、それぞれのワイヤは、熱くなり、図4Aのワイヤ32cによって示されるように、熱せられた状態の圧縮されたバネ形状へと相変態を受ける。図4Aのワイヤ32cは、電流(Ioというラベル付けされた矢印によって示される)伝導の結果として活性化されていることを意味し、熱せられた状態の圧縮されたバネ形状への変化を引き起こす。電流の流れが停止する場合に、ワイヤ32cは、冷め、そして本来の相へと戻り、それによって、図4Bに示されるように、室温状態の伸張されたバネ形状に戻る。当業者は、室温からワイヤを活性化させるために必要とされる電流が、合金およびワイヤの直径に依存していると理解する。示されるように、1つの適切な形状記憶合金は、マッスルワイヤである。1つの例示的な実施形態にしたがうと、ワイヤ32a、32b、32c、32dは、0.04mmから1mmの範囲における直径を有するマッスルワイヤである。そのワイヤは、2mmから10mmの範囲におけるコイル直径を有するコイルバネへと形成される。上で示されるように、形状記憶合金は、コイルバネに制限されない。なぜならば、形状記憶合金のその他の形状が使用され得るからである。例えば、薄いリボン状またはその他の適切な形状は、電流が流れる場合に、圧縮された状態に変化し、電流が流れることを停止する場合に、伸張された状態に戻る。
【0053】
本明細書中において上述されたように、タッチスクリーンディスプレイ24上におけるユーザタッチ(user touch)のXおよびY座標は、コントローラ30において決定され、タッチの座標は、ユーザによって選択された、関連付けられたオプションまたはコマンドを決定するために、プロセッサ40によって使用される。タッチの座標はまた、電流の流れを引き起こすように回路を完成することによって、4つのワイヤ32a、32b、32c、32dのいずれを活性化するかを決定するために、プロセッサ40によって使用される。電流の流れは、室温状態の伸張されたバネ形状から、熱せられた状態の圧縮されたバネ形状への、形状における変化を結果としてもたらす。4つのワイヤ32a、32b、32c、32dの活性化される1つまたは複数のワイヤは、ユーザタッチの位置に依存している。
【0054】
一例示において、タッチ感知入力表面28は、図5の想像線の輪郭に示されるように、実際上、5つの領域90、91、92、93、94に分割される。これらの分割が、タッチスクリーンディスプレイ24上において示されないことに、留意されたい。ユーザタッチのXおよびY座標が、例えば、領域90(図5の図面においては携帯型電子デバイス20のタッチスクリーンディスプレイ24の左上手コーナーに示される領域)内にあると決定される場合に、プロセッサ40がワイヤ32aを介する電流の流れを引き起こす回路を完成するときに、ワイヤ32aが活性化される。このことは、室温状態の伸張されたバネ形状から、熱せられた状態の圧縮されたバネ形状への、形状における変化を結果としてもたらす。ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間に接続されたワイヤ32aの長さが縮むと、形状における変化は、タッチスクリーンディスプレイ24の移動を結果としてもたらす。
【0055】
しかしながら、XおよびY座標が、領域92(図5の図面においては携帯型電子デバイス20のタッチスクリーンディスプレイ24の右上手コーナーに示される領域)内にあると決定される場合、プロセッサ40がワイヤ32bを介する電流の流れを引き起こす回路を完成するときに、ワイヤ32b(図5の図面における携帯型電子デバイス20の右上手コーナーに近接したワイヤ)が活性化される。このことは、室温状態の伸張されたバネ形状から、熱せられた状態の圧縮されたバネ形状への、形状における変化を結果としてもたらす。ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間に接続されたワイヤ32bの長さが縮むと、形状における変化は、タッチスクリーンディスプレイ24の移動を結果としてもたらす。
【0056】
XおよびY座標が、領域92(図5の図面においては携帯型電子デバイス20のタッチスクリーンディスプレイ24の右下手コーナーに示される領域)内にあると決定される場合に、プロセッサ40がワイヤ32cを介する電流の流れを引き起こす回路を完成するときに、ワイヤ32c(図5の図面における携帯型電子デバイス20の右下手コーナーに近接したワイヤ)が活性化される。このことは、室温状態の伸張されたバネ形状から、熱せられた状態の圧縮されたバネ形状への、形状における変化を結果としてもたらす。ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間に接続されたワイヤ32cの長さが縮むと、形状における変化は、タッチスクリーンディスプレイ24の移動を結果としてもたらす。
【0057】
XおよびY座標が、領域93(図5の図面においては携帯型電子デバイス20のタッチスクリーンディスプレイ24の左下手コーナーに示される領域)内にあると決定される場合に、プロセッサ40がワイヤ32dを介する電流の流れを引き起こす回路を完成するときに、ワイヤ32d(図5の図面における携帯型電子デバイス20の左下手コーナーに近接したワイヤ)が活性化される。このことは、室温状態の伸張されたバネ形状から、熱せられた状態の圧縮されたバネ形状への、形状における変化を結果としてもたらす。ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間に接続されたワイヤ32dの長さが縮むと、形状における変化は、タッチスクリーンディスプレイ24の移動を結果としてもたらす。
【0058】
XおよびY座標が、領域94(図5の図面における携帯型電子デバイス20のタッチスクリーンディスプレイ24の中央を含む、示されている領域)内にあると決定される場合に、プロセッサ40が、ワイヤ32a、32b、32c、32dを介する電流の流れを引き起こす回路をそれぞれに対して完成するときに、4つのワイヤ32a、32b、32c、32d全てが活性化される。このことは、室温状態の伸張されたバネ形状から、熱せられた状態の圧縮されたバネ形状への、形状における変化を結果としてもたらす。ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間に接続されたワイヤ32a、32b、32c、32dの長さがそれぞれ縮むと、形状における変化は、タッチスクリーンディスプレイ24の移動を結果としてもたらす。
【0059】
ここで、携帯型電子デバイス20のベース22に対するタッチスクリーンディスプレイ24の動きを引き起こす電子デバイス20を制御する方法を記述するために、図6〜図8および図9に対する参照がなされる。最初に図6を参照すると、一実施形態にしたがう、携帯型電子デバイス20の一部分の断面図が示されている。この例示において、ユーザは、矢印「A」の方向に押すことによって、タッチスクリーンディスプレイ24の領域91(図5)において、タッチ感知入力表面28をタッチする(ステップ110)。タッチ感知入力表面28上のタッチの位置のX座標およびY座標は、コントローラ30において決定され、タッチの座標は、プロセッサ40に提供される(ステップ112)。プロセッサ40は、ユーザによって選択された、関連付けられたオプションまたはコマンドをタッチの位置に基づいて決定するために、タッチの座標を用い(ステップ114)、それに応じて、適切な動作またはいくつかの動作を実行する(ステップ116)。タッチの座標はまた、関連したワイヤ32b(活性化すべきワイヤ32)を決定するために、プロセッサ40によって使用され(ステップ118)、それから、プロセッサ40は、室温状態の伸張されたバネ形状から、熱せられた状態の圧縮されたバネ形状へと、形状における変化を結果としてもたらす電流の流れを引き起こすために、ワイヤ32bを含む回路を完成する(ステップ120)。タッチスクリーンディスプレイ24は、図6に示されるように、コイルバネの形状にされたワイヤ32bの長さにおける変化の結果として移動する。図が縮尺どおりではなく、タッチスクリーンディスプレイ24の動きが、説明のために誇張されていることに、留意されたい。示されているように、タッチスクリーンディスプレイ24は、ユーザに対して触覚応答を提供するために、この例示においてピボット運動する。
【0060】
ここで、図7を参照すると、図6に類似している、携帯型電子デバイス20の一部分の断面図が示されている。しかしながら、この例示において、ユーザは、矢印「B」の方向に押すことによって、タッチスクリーンディスプレイ24の領域93(図5)において、タッチ感知入力表面28をタッチする(ステップ110)。タッチ感知入力表面28上のタッチの位置のX座標およびY座標は、コントローラ30において決定され、タッチの座標は、プロセッサ40に提供される(ステップ112)。プロセッサ40は、ユーザによって選択された、関連付けられたオプションまたはコマンドを決定するために、タッチの座標を用い(ステップ114)、ステップ114において決定されたオプションまたはコマンドに基づき、適切な動作またはいくつかの動作を実行する(ステップ116)。タッチの座標はまた、活性化すべき関連したワイヤ32dを決定するために、プロセッサ40によって使用され(ステップ118)、それから、プロセッサ40は、室温状態の伸張されたバネ形状から、熱せられた状態の圧縮されたバネ形状へと、形状における変化を結果としてもたらす電流の流れを引き起こすために、ワイヤ32dを含む回路を完成する(ステップ120)。タッチスクリーンディスプレイ24は、図7に示されるように、コイルバネの形状にされたワイヤ32dの長さにおける変化の結果として移動する。再び、図が縮尺どおりではなく、タッチスクリーンディスプレイ24の動きが、説明のために誇張されていることに、留意されたい。再び、タッチスクリーンディスプレイ24は、ユーザに対して触覚応答を提供するために、この例示においてピボット運動する。
【0061】
ここで、図8を参照すると、図5および図6に類似している、携帯型電子デバイス20の一部分の断面図が示されている。しかしながら、この例示において、ユーザは、矢印「C」の方向に押すことによって、タッチスクリーンディスプレイ24の領域94(図5)において、タッチ感知入力表面28をタッチする(ステップ110)。タッチ感知入力表面28上のタッチの位置のX座標およびY座標は、コントローラ40において決定され、タッチの座標は、再び、プロセッサ40に提供され(ステップ112)、プロセッサ40は、ユーザによって選択された、関連付けられたオプションまたはコマンドを決定し(ステップ114)、ステップ114において決定されたオプションまたはコマンドに基づき、適切ないくつかの動作を実行する(ステップ116)。タッチの座標はまた、関連したコイルバネワイヤ32a、32b、32c、32dを決定するために、プロセッサ40によって使用され(ステップ118)、それから、プロセッサ40は、室温状態の伸張されたバネ形状から、熱せられた状態の圧縮されたバネ形状へと、形状における変化を結果としてもたらす、それぞれのワイヤ32a、32b、32c、32dを介する電流の流れを引き起こすために、それぞれのコイルバネの形状にされたワイヤ32a、32b、32c、32dを含むそれぞれの回路を完成する(ステップ120)。タッチスクリーンディスプレイ24は、図8に示されるように、コイルバネの形状にされたワイヤ32a、32b、32c、32dの全ての長さにおける変化の結果として移動する。ここでもまた、図が縮尺どおりではなく、タッチスクリーンディスプレイ24の動きが、説明のために誇張されていることに、留意されたい。この例示において、4つのワイヤ32a、32b、32c、32dのそれぞれが縮み、ピボット運動するのではなくむしろ、タッチスクリーンディスプレイ24は、ベース22に対し、概して平行に移動する。
【0062】
ワイヤまたはワイヤ群32a、32b、32c、32dにおける相の変化によって引き起こされるベース22に対するタッチスクリーンディスプレイ24の動きによって、ユーザは、グラフィカルユーザインターフェースとのユーザ相互作用の間に、触覚性フィードバックを提供される。
【0063】
上述のように、タッチスクリーンディスプレイ24は、任意の適切なタッチスクリーンディスプレイであり得、容量性タッチスクリーンディスプレイに限定されない。当業者には理解され得るように、タッチスクリーンディスプレイは、例えば、抵抗性タッチスクリーンディスプレイまたは任意の適切なタッチスクリーンディスプレイであり得る。
【0064】
上述のように、タッチスクリーンディスプレイ24は、静的なタッチイベントの単一の位置の決定に限定されない。代わりに、タッチスクリーンディスプレイ24に沿った指のスライドのような動きが決定され得る。さらに、タッチスクリーンディスプレイ24上の2つ以上の位置におけるタッチが決定され得、指のタッチ位置の間の距離を増加させたりまたは減少させたりするような動きが決定され得るということが、企図されている。2つ以上のタッチ位置によって、X座標とY座標との2つ以上の組が、コイル形状のワイヤ32a、32b、32c、32dのどれを活性化するかを決定するために用いられ得る。したがって、2つ以上のワイヤ32a、32b、32c、32dが、ワイヤ32a、32b、32c、32dの全てを活性化することなしに、活性化され得る。例えば、ワイヤ32a、32b、32c、32dのうちの2つ(共通の側を共有するコーナーの近くに配置されている)が活性化され得、タッチスクリーンディスプレイ24のピボット運動を引き起こし得る。またさらに、タッチの位置または動きの変化は、コイル形状のワイヤ32a、32b、32c、32dの1つまたは全てから、コイル形状のワイヤ32a、32b、32c、32dの別のものまたは全てへの、活性化を引き起こし得る。
【0065】
図5に示されている実施形態においては、タッチスクリーンディスプレイ24には5つのエリアが示されているが、これらのエリアは単に例示のために示されており、その他のエリアが使用され得るということが、理解されるべきである。例えば、X座標とY座標とが決定され、続いて、4つのワイヤ32a、32b、32c、32dのうちのもっとも近い1つ以上のワイヤが活性化され得る。さらに、エリアの形状は、示されている形状とは異なり得る。さらに、様々な本数のワイヤが使用され得、これらのワイヤは、ベース22とタッチスクリーンディスプレイ24との間の様々な位置に配置され得る。
【0066】
上述の実施形態においては、タッチスクリーンディスプレイ24はフレーム84によって枠取りされているが、このフレームは、側壁86によってベース22に固定されている。例えば固い側壁ではなくむしろ可撓性の側壁によって、ベース22がタッチスクリーンディスプレイ24に固定され得るということが企図されている。そのような可撓性の側壁は、任意の適切なエラストマから作られ得る。
【0067】
本明細書において記載されてきた実施形態は、携帯型電子デバイスの特定の実装に関するが、これらの実施形態の改変および変形は、本出願の範囲および領域内にあることが理解されるべきである。例えば、携帯型電子デバイスの特徴のうちの多くのサイズおよび形状は異なり得るが、それでもなお、同じ機能を提供し得る。多くのその他の改変および変形が当業者に想到され得る。そのような改変およびバリエーションの全ては、本出願の領域および範囲内にあると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、一実施形態にしたがう携帯型電子デバイスの平面図であり、特定の隠された特徴は、図示を目的として、想像線で示されている。
【図2】図2は、図1の携帯型電子デバイスの断面図である。
【図3】図3は、図1の携帯型電子デバイスの特定の内部コンポーネントを含む、特定のコンポーネントのブロック図である。
【図4A】図4Aは、図3のコンポーネントの一部分を示すブロック図であり、圧縮された状態で示されている形状記憶合金のワイヤを含んでいる。
【図4B】図4Bは、図4に類似したブロック図であり、伸張した状態の形状記憶合金のワイヤを示している。
【図5】図5は、図1の携帯型電子デバイスの平面図であり、スクリーンエリアを想像線で示している。
【図6】図6は、図1の携帯型電子デバイスの断面図であり、タッチスクリーンディスプレイ上の一点におけるタッチイベントを示している。
【図7】図7は、図1に携帯型電子デバイスの断面図であり、タッチスクリーンディスプレイ上の別の点におけるタッチイベントを示している。
【図8】図8は、図1の携帯型電子デバイスの断面図であり、タッチスクリーンディスプレイ上のさらに別の点におけるタッチイベントを示している。
【図9】図9は、図1の電子デバイスを制御する方法におけるステップを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
20 携帯型電子デバイス
22 ベース
24 タッチスクリーンディスプレイ
26 ディスプレイデバイス
28 タッチ感知入力表面
32 形状記憶合金
84 フレーム
85 機械的な抑制部
86 側壁
88 ディスプレイ支持部
92 コーナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
該ベースに接続され、該ベースに対して動くことができるディスプレイデバイスと、
該ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面であって、該ディスプレイデバイスに対するタッチイベントを決定するためのタッチ感知入力表面と、
該ベースと該ディスプレイデバイスとの間に配置された複数の形状記憶合金のワイヤであって、該複数のワイヤのそれぞれは、該ディスプレイデバイスの4つのコーナーの各々の近くに配置されており、該形状記憶合金のワイヤの各々は、電流の伝導に応答して形状を変化させ、該ベースに対する該ディスプレイデバイスの動きを引き起こすように構成されている、複数の形状記憶合金のワイヤと
を備え、
該タッチイベントは、該形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つを介する電流の伝導を引き起こし、該形状記憶合金のワイヤのうちの該少なくとも1つが該タッチイベントの位置に基づいて決定され、該タッチイベントは、該ベースに対する該ディスプレイデバイスおよび該タッチ感知入力表面の動きを引き起こす、タッチスクリーンディスプレイユニット。
【請求項2】
前記形状記憶合金のワイヤの各々は、該形状記憶合金を介する電流の伝導に応答して、縮むように構成されている、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイユニット。
【請求項3】
前記タッチイベントの位置を決定するためのコントローラ
を含む、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイユニット。
【請求項4】
前記形状記憶合金のワイヤは、マッスルワイヤを含む、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイユニット。
【請求項5】
前記ディスプレイユニットは、前記タッチ感知入力表面の中央の近くにおける前記タッチイベントの位置に応答して、前記電流が前記ディスプレイデバイスの前記4つのコーナーの各々の近くに配置された前記複数のワイヤの各々を介して伝導されるように構成されている、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイユニット。
【請求項6】
前記ワイヤの各々は、コイルバネ形状である、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイユニット。
【請求項7】
中間の側壁によって前記ベースから間隔を空けられたフレームであって、前記ディスプレイデバイスとタッチ感知入力表面とを枠取りしているフレーム
を含む、請求項1に記載のタッチスクリーンディスプレイユニット。
【請求項8】
タッチスクリーンディスプレイユニットであって、
ベースと、
該ベースに接続され、該ベースに対して動くことができるディスプレイデバイスと、
該ディスプレイデバイスを覆っているタッチ感知入力表面であって、該ディスプレイデバイスに対するタッチイベントを決定するためのタッチ感知入力表面と、
該ベースと該ディスプレイデバイスとの間に配置された複数の形状記憶合金のワイヤであって、該複数のワイヤのそれぞれは、該ディスプレイデバイスの4つのコーナーの各々の近くに配置されており、該形状記憶合金のワイヤの各々は、電流の伝導に応答して形状を変化させ、該ベースに対する該ディスプレイデバイスの動きを引き起こすように構成されている、複数の形状記憶合金のワイヤと、
該タッチイベントの位置を決定するためのコンとローラと
を含む、タッチスクリーンディスプレイユニットと、
該ベースと該ディスプレイデバイスとの間のプロセッサを含む動作コンポーネントであって、該タッチイベントに応答して、該形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つを介する電流の伝導を引き起こすために、該コントローラ、該ディスプレイデバイス、および該形状記憶合金のワイヤに動作可能なように接続されており、該形状記憶合金のワイヤのうちの該少なくとも1つは該タッチイベントの位置に基づいて決定され、該タッチイベントは、該ベースに対する該ディスプレイデバイスおよび該タッチ感知入力表面の動きを引き起こす、動作コンポーネントと
を備える、電子デバイス。
【請求項9】
前記ベースの方向における前記ディスプレイデバイスの動きの範囲を制限するための機械的な止め具を含む、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項10】
電子デバイスを制御する方法であって、該方法は、
タッチスクリーンディスプレイにおけるタッチ入力を受信することと、
該タッチスクリーンディスプレイ上の該タッチ入力の位置を決定することと、
該タッチ入力の受信に応答して、該電子デバイスのベースと該タッチスクリーンディスプレイとの間に配置された複数の形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つを介する電流の伝導を引き起こすことであって、該複数の形状記憶合金のワイヤのそれぞれは、該タッチスクリーンディスプレイの4つのコーナーの各々の近くに配置されており、該形状記憶合金のワイヤのうちの該少なくとも1つが、該タッチ入力の位置に基づいて決定され、該電流の伝導は、該形状記憶合金のワイヤのうちの該少なくとも1つの形状における変化を引き起こし、該ベースに対する該タッチスクリーンディスプレイの動きを引き起こす、ことと
を含む、方法。
【請求項11】
コンピュータ実行可能な命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体であって、該コンピュータ実行可能な命令は、電子デバイスのプロセッサによって実行されたときに、コンピューティングデバイスに、
タッチスクリーンディスプレイにおけるタッチ入力を受信することと、
該タッチスクリーンディスプレイ上の該タッチ入力の位置を決定することと、
該タッチ入力の受信に応答して、該電子デバイスのベースと該タッチスクリーンディスプレイとの間に配置された複数の形状記憶合金のワイヤのうちの少なくとも1つを介する電流の伝導を引き起こすことであって、該複数の形状記憶合金のワイヤのそれぞれは、該タッチスクリーンディスプレイの4つのコーナーの各々の近くに配置されており、該形状記憶合金のワイヤのうちの該少なくとも1つは、該タッチ入力の位置に基づいて決定され、該電流の伝導は、該形状記憶合金のワイヤのうちの該少なくとも1つの形状における変化を引き起こし、該ベースに対する該タッチスクリーンディスプレイの動きを引き起こす、ことと
を行わせる、コンピュータ読み取り可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−116863(P2009−116863A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264607(P2008−264607)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(500043574)リサーチ イン モーション リミテッド (531)
【氏名又は名称原語表記】Research In Motion Limited
【住所又は居所原語表記】295 Phillip Street, Waterloo, Ontario N2L 3W8 Canada
【Fターム(参考)】