説明

電子ドキュメント内のチャートにグローバルフォーマッティングスキームを適用する方法、システムおよびコンピュータ可読媒体

【課題】電子ドキュメント内のチャートに対しグローバルフォーマッティングスキームを適用するための方法を提供する。
【解決手段】チャートアプリケーションプログラムは、電子ドキュメント内のチャートオブジェクトおよびドキュメントテーマの選択を受取る。ドキュメントテーマは、カラースキーム、フォントスキーム、およびスタイルマトリクスを含むフォーマッティングスキームの組合せを含む。次いで選択されたドキュメントテーマを自動的に、選択された電子ドキュメント内のチャートに対して適用する。選択されたドキュメントテーマを選択されたチャートに適用するにあたって、チャートアプリケーションプログラムは自動的に、カラー、フォント、ライン、エフェクト、およびフィルを含むチャートオブジェクトの多数のプロパティを更新する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
チャートを作成するとき、(スプレッドシートアプリケーションプログラム、ドキュメント処理(word processing)アプリケーションプログラム、およびプレゼンテーションアプリケーションプログラム等の)チャート作成プログラムのユーザは、フォーマッティングツールを使って、チャート要素に一貫したフォーマットを用い、チャートがプロフェッショナルでモダンに見えるようにする。例えば、多くの会社環境においては、標準チャート作成スタイルが整備されており、そこでは、組織全体で使用するためすべてのチャートが一貫性のあるテーマ(例えば、カラーおよびフォントの所定の組合せ)を有する。チャートをフォーマットするためには、ユーザはチャートを構成する個々の要素とデータ列を選択し、一貫性のあるテーマが構築されるまで、選択した要素とデータ列の各々を、少しずつ断片的にマニュアルでフォーマットする。
【0002】
以前に作成されたチャートフォーマットを別のチャートに適用するにあたって、ユーザは、所望のフォーマットを有するチャートをコピーし、コピーしたチャートフォーマットを選択した「ターゲット」チャートに貼り付(paste)ける。あるいは、ユーザまたは組織は、ユーザ定義のチャートタイプを、同一フォーマットの使用を望む他のユーザが使用できるように開発し配置してもよい。ユーザ定義のチャートタイプは、各ユーザのコンピュータ上の特定のパスでギャラリファイルに格納してもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この従来の方法により、チャートをフォーマッティングし、一貫性のあるフォーマットを別のチャートの使用に配置することができるが、この方法には多数の欠点があり、好ましくない。第一に、ファイングレインフォーマッティングをチャート内の個々の要素とデータ列に適用するという、少しずつ断片的に行う方法は、時間がかかり、しばしばストレスのたまるプロセスであるため、ユーザは、各フォーマッティングタスクを完成するための編集ツールの別のロケーションを見つける必要があるかもしれない。さらに、チャートをフォーマットするための編集ツールの発見に際し、ユーザは、聞き慣れない用語と、フォーマッティングタスクを完成するために実行しなければならないコマンドを示される。第二に、フォーマットを別のチャートに広げるための、コピーして貼り付ける方法は、ユーザのアプリケーションプログラム内の専門のダイアログを呼出して特定のオプション(即ち、「Paste Special」)を選択することが必要で、これは容易に発見することもできないし直観的に分かるものでもない。最後に、ユーザ定義のチャートタイプの開発と展開には、更新をおこなうたびに、ギャラリファイルを上書きする必要がある。従って、ユーザがギャラリファイルに対しておこなわれたあらゆる変更または追加は、ギャラリファイルを再展開(redeploy)する際に失われる。
【0004】
これらの考察およびその他に関して、本発明の各種実施形態なされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明により、グローバルフォーマッティングスキームを電子ドキュメント内のチャートに適用する方法、システムおよびコンピュータ可読媒体が、上述および他の問題を解決する。本発明の一態様により、チャートアプリケーションプログラムにおいて作成される電子ドキュメント内のチャートにグローバルフォーマッティングスキームを適用する方法を提供する。本方法は、電子ドキュメント内のチャートオブジェクトの選択を受け取ること、およびドキュメントテーマの選択を受け取ることを含む。ドキュメントテーマは、カラースキーム、フォントスキーム、およびスタイルマトリクスを含む複数のフォーマッティングスキームの組合せを含む。複数のフォーマッティングスキームは、ドキュメントテーマ内の基本スタイル定義(BSD:base style definition)において定義してもよい。BSDは、拡張可能なマークアップ言語(「XML(eXtensible Markup Language)」)スキーマによって定義してもよい。本方法は、さらに、選択したドキュメントテーマを電子ドキュメント内の選択したチャートオブジェクトに適用することを含む。選択したドキュメントテーマを選択したチャートオブジェクトに適用するにあたって、本方法は、チャートオブジェクトの複数のプロパティを更新することを含む。チャートプロパティは、カラー、フォント、ライン、エフェクト、およびフィルを含んでよい。
【0006】
本方法は、さらに、ユーザ入力に応答して、選択したドキュメントテーマに関連付けられたスタイルギャラリからの複数のチャートスタイルを表示すること、およびスタイルギャラリ内の複数のチャートスタイルから、チャートスタイルの選択を受け取ることを含んでよい。選択したドキュメントテーマに関連付けられたスタイルギャラリからの複数のチャートスタイルを表示するにあたって、本方法は、電子ドキュメント内の選択したチャートオブジェクトと同一のチャートタイプの複数のチャートスタイルを表示することを含む。本方法は、さらに、ユーザ入力に応答して、選択したチャートスタイルに関連する複数の要素を変更することにより、選択したチャートスタイルを変更すること、並びに、選択したチャートオブジェクトのチャートタイプおよび変更されたチャートスタイルを、カスタムチャートテンプレートとしてファイルに保存することを含んでよい。本方法は、さらに、ファイルを開くことに応答して、チャートテンプレートギャラリを更新して、カスタムチャートテンプレートを含めることを含んでよい。チャートテンプレートギャラリは、電子ドキュメント内のチャートオブジェクトに関連付けられたチャートデータに適用されるべき複数のチャートタイプおよびフォーマッティングスキームを含んでよい。
【0007】
本発明は、コンピュータプロセス、コンピューティングシステムとして、または、コンピュータプログラム製品若しくはコンピュータ可読媒体等の製品として、実施してもよい。コンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムにより読取り可能な、コンピュータプロセス実行のためのコンピュータプログラム命令をコード化するコンピュータ記憶媒体であってよい。コンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムにより読取り可能な、コンピュータプロセス実行のためのコンピュータプログラム命令をコード化する、キャリア上で伝搬される信号であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を特徴付けるこれらおよび各種のその他の特徴は、利点と共に、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を精査することで明らかになるであろう。
【0009】
ここで図面を参照して、本発明の各種態様を記述する。図面では、類似の番号は類似の要素を表す。詳細には、図1およびそれに対応する説明は、本発明の実施例を実施することができる適切なコンピューティング環境を簡単に一般的に記述することを目的とする。本発明は、パーソナルコンピュータ上のオペレーティングシステム上で実行するプログラムモジュールと共に実行するプログラムモジュールという一般的なコンテキストで記述するけれども、本発明は、別のタイプのコンピュータシステムとプログラムモジュールの組合せにおいても実施できることを当業者は認識するであろう。
【0010】
一般的に、プログラムモジュールは、ルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造体、および、特定のタスクを実行するかまたは特定の抽象データタイプを実装する別のタイプの構造体を含む。さらに、本発明は、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのまたはプログラム可能な家電製品、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等の他のコンピュータシステム構成を用いて実践できることを当業者は理解するであろう。本発明は、分散コンピューティング環境においても実践でき、そこでは、タスクが通信ネットワークを通じてリンクされているリモート処理ユニットにより実行される。分散コンピューティング環境においては、プログラムモジュールを、ローカルおよびリモートの双方のメモリストレージデバイスにおいてもよい。
【0011】
ここで、図1を参照して、本発明の各種実施例において使用されるコンピュータ2に関する例示的コンピュータアーキテクチャを説明する。図1に示すコンピュータアーキテクチャは、一般的なデスクトップまたはラップトップコンピュータで、中央処理ユニット5(「CPU」)、ランダムアクセスメモリ9(「RAM」)とリードオンリメモリ(「ROM」)11を含むシステムメモリ7、および、そのメモリをCPU5に結合するシステムバス12を有する。基本入出力システムは、スタートアップの間などに、コンピュータ内の要素間での情報の転送を助ける基本ルーチンを含んでおり、ROM11内に格納されている。コンピュータ2は、さらに、オペレーティングシステム16、アプリケーションプログラム、およびその他のプログラムモジュールを格納するための大容量ストレージデバイス14を含む。これに関しては、以下に詳細を記述する。
【0012】
大容量ストレージデバイス14は、バス12に接続される大容量記憶コントローラ(示さず)を通じてCPU5に接続される。大容量ストレージデバイス14とそれに関連するコンピュータ可読媒体は、コンピュータ2に不揮発性ストレージを提供する。ここに含まれるコンピュータ可読媒体の記述は、ハードディスクまたはCD−ROMドライブ等の大容量ストレージデバイスを引用するけれども、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ2がアクセスできる任意の利用可能な媒体であってよいことを当業者は理解する筈である。
【0013】
一例を挙げると、コンピュータ可読媒体は、これに限定されないが、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含んでよい。コンピュータ記憶媒体は、揮発性および不揮発性、取外し可能および取外し不可能な媒体を含み、それらの媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造体、プログラムモジュールまたは他のデータ等の情報を格納するための任意の方法または技術で実施される。コンピュータ記憶媒体は、これらに限らないが、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくは他の固体メモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(「DVD」)若しくは他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、または、所望の情報を格納するために使用でき、コンピュータ2がアクセスできる任意の別の媒体を含む。
【0014】
本発明の各種実施例により、コンピュータ2は、インターネット等のネットワーク18を通じての遠隔コンピュータへの論理接続を用い、ネットワーク化された環境において動作することができる。コンピュータ2は、バス12に接続されたネットワークインターフェースユニット20を通じて、ネットワーク18に接続できる。ネットワークインターフェースユニット20は、別のタイプのネットワークおよび遠隔コンピュータシステムへの接続にも利用できることは理解される筈である。コンピュータ2は、キーボード、マウスまたは電子ペン(図1には図示せず)を含む多数の他の装置からの入力を受け取り、処理するため入出力コントローラ22も含むことができる。同様に、入出力コントローラ22は、ディスプレイ画面、プリンタ、または別のタイプの出力装置に出力を提供できる。
【0015】
簡略に上述したように、ワシントン州レドモンドにあるマイクロソフト社製のWINDOWS(登録商標) XPオペレーティングシステム等の、ネットワーク化されたパーソナルコンピュータの動作制御に適したオペレーティングシステム16を含む、多数のプログラムモジュールおよびデータファイルを、コンピュータ2の大容量ストレージデバイス14およびRAM9に格納することができる。コンピュータ2は、1つまたは複数のアプリケーションプログラムを実行する能力もある。詳細には、コンピュータ2は、チャートアプリケーション16を実行する動作が可能である。当業者には公知のように、チャートアプリケーション16は、セルを用いてオーガナイズできるデータ値からチャートを作成する機能を備えている。チャートアプリケーション16は、テキスト、数値、およびチャートを構成する他の機能に関する各種のフォーマッティングプションを適用する能力も備える。
【0016】
本発明の実施例によると、以下に詳細に記述するように、チャートアプリケーション16を利用して、所定のドキュメントテーマのコレクション26に含まれるグローバルフォーマッティングスキームを、チャートに適用することができる。そのフォーマッティングスキームは、これらに限らないが、カラースキーム、フォントスキーム、およびスタイルマトリクス(即ち、フィル、ライン、およびエフェクト)を含んでもよい。さらに、チャートアプリケーションプログラム16を利用して、ユーザが変更した所定のドキュメントテーマから、カスタムチャートテンプレートファイル28、およびグローバルフォーマッティングを含むチャートドキュメント30を作成し、保存することができる。
【0017】
本発明の一実施例によると、チャートアプリケーション16は、ワシントン州、レドモンドのマイクロソフト社製のEXCELスプレッドシートアプリケーションプログラム、WORDドキュメント処理アプリケーションプログラム、およびPOWERPOINT(登録商標)プレゼンテーションアプリケーションプログラムを含むアプリケーションプログラムのOFFICEパケージソフトを備える。しかしながら、ここに記述する本発明の各種態様は、他の製造業者製の他のアプリケーションプログラムを用いても利用できることは理解される筈である。さらに、ここに記述する発明の態様は、上に特定するアプリケーションプログラムとの関連で提示するけれども、別のタイプのアプリケーションプログラムを利用しても本発明の各種態様を具現できることは理解される筈である。チャートアプリケーション16が実行する各種機能に関する追加的詳細を、図2−8に関連して以下に説明する。
【0018】
ここで図2を参照して、本発明の実施例により、ドキュメントテーマ26が使用する汎用フォーマッティングスキーム200を示す表を説明する。簡単に上述したように、ドキュメントテーマ26は、チャートに適用できるグローバルフォーマッティングスキームを包む。フォーマッティングスキーム200は、カラースキーム32、フォントスキーム34、およびスタイルマトリクス36の所定の組合せを含む。カラースキーム32は、多数のメインカラーと共にアクセントカラーを含んでよく、フォントスキーム34は、メインフォント(例えば、太字フォントまたは大型フォント)とマイナーフォント(例えば、小型フォント)を含んでよく、スタイルマトリクス36は、チャート要素に関するフィル、ライン、バックグラウンド、およびエフェクトを定義してよく、その何れもヌル(即ち、スタイル無し)、薄い(subtle)、標準(moderate)、または、濃い(intense)であってもよいことは理解されるであろう。各ドキュメントは1つだけドキュメントテーマを有してもよいこと、および、チャートアプリケーション16は、電子ドキュメント内のすべての表、チャート、ワードアート等にグローバルに適用されるニュートラルフォーマッティングスキームを含むデフォルトドキュメントテーマを含んでもよいことは理解される筈である。
【0019】
図3を参照して、本発明の実施例により、ドキュメントテーマに関する基本スタイル定義(「BSD」)40を定義するための、スキーマ300を説明する。スキーマ300内のBSD40は、ドキュメントテーマのための各種のフォーマッティングスキーム(即ち、フォントスキーム、カラースキーム、およびスタイルマトリクス)を含む。スキーマ300は、チャート要素のレイアウト情報、およびBSDに関連付けられたドキュメント内容も定義できることは理解されるであろう。BSDは、ドキュメントテーマデータを格納するために利用できるスタイルシート(例えば、オフィススタイルシート)内に含まれてよい。さらに、スキーマ300は、拡張可能なマークアップ言語(「XML」)ドキュメントであってよいことは理解されるであろう。オフィススタイルシートおよびXMLは、当業者に公知であるので、ここでこれ以上は記述しない。
【0020】
図4を参照して、本発明の実施例により、グローバルフォーマッティングスキームを電子ドキュメント内のチャートに適用するため、チャートアプリケーションプログラム16が実行する例示のルーチン400を説明する。ここに提示するルーチンの説明を読むときは、本発明の各種実施例の論理動作は(1)コンピュータが実施する一連のアクトまたはコンピューティングシステム上で走るプログラムモジュールとして、および/または(2)相互接続されたマシン論理回路またはコンピューティングシステム内の回路モジュールとして、実装されることを理解しなければならない。この実装は、本発明を実施するコンピューティングシステムの性能要件に左右される選択の問題である。したがって、図4に示す論理動作、およびここに説明する本発明の実施例の要素は、動作、構造的装置、アクト、またはモジュールのように多様に呼ばれる。これらの動作、構造的装置、アクト、またはモジュールは、ソフトウエア、ファームウエア、特別な目的のデジタル論理、およびそれらの任意の組合せにおいて、添付の特許請求の範囲に規定する請求項に列挙する本発明の要旨と範囲を逸脱することなく、実施できることを当業者は認識するであろう。
【0021】
ルーチン400は、チャートアプリケーション16が、あるドキュメントテーマの選択を受け取る動作410において開始される。詳しくは、チャートアプリケーション16が、チャートオブジェクトに適用できる関連スタイルの変形(variation)をいくつか生成する。チャートアプリケーション16は、チャート作成ユーザインターフェースを立ち上げることにより、ユーザによる選択のためドキュメントテーマを提供することは理解されるであろう。あるいは、ドキュメントテーマを、チャートを組み込む事ができるドキュメントから選択してもよい。
【0022】
あるテーマの選択を、チャートアプリケーション16が受け取ると、次に、ルーチン400は、動作415および420に続く。ここで、チャート作成ユーザインターフェースと相互作用をするため、アプリケーション16は、チャートを作成するユーザ命令(動作415)または既存のチャートのユーザ選択(動作420)を受け取る。詳細には、チャートの作成または選択から、あるドキュメントテーマを選択すると、チャートスタイルの変形ギャラリをユーザに提示することができる。そのチャートスタイルの変形ギャラリには、現在選択されているドキュメントテーマに合致するビジュアルなチャートスタイルアイコンのサムネイル一覧が表示されている。例えば、チャートスタイル変形ギャラリは、同一チャートフォーマットの薄い、普通、および濃いビューを示すチャートスタイルアイコンのセットを含むことができる。ユーザ入力に応答して、チャートアプリケーション16は、さらに、ドロップダウンを開いて、チャートスタイルギャラリ全体を表示する事ができる。そのギャラリには、予め構成したサムネイル画像のコレクションを含むことができ、その画像は現在選択されているドキュメントテーマに合致するチャートスタイルを示している。チャートスタイル変形ギャラリおよびドロップダウンチャートスタイルギャラリは、現在選択されているチャートと同じチャートタイプのサムネイルを含むことは理解されるであろう。例えば、ユーザがバーチャートを選んだ場合、スタイル変形ギャラリおよびスタイルギャラリ内のサムネイルは、バーチャートのみを示す。チャートスタイル変形ギャラリおよび完全チャートスタイルギャラリの例示的なスクリーンショットを図5乃至6に示し、詳細を以下に説明する。
【0023】
ルーチン400は、動作415および420から動作430に続き、そこでチャートアプリケーション16は、作成または選択されたチャートオブジェクトのためスタイルの変形を生成する。動作430から、ルーチン400は動作440に続き、そこで、チャートアプリケーションは、生成されたスタイルの変形をユーザに表示する。ルーチン400は次いで、動作450および460に続き、そこでチャートアプリケーション16は、グローバルフォーマッティング(動作450)またはカスタムフォーマッティング(動作460)を、作成または選択されたチャートオブジェクトに適用する。詳細には、チャートアプリケーション16は、ユーザ入力に応答して、チャートスタイル変形ギャラリからのスタイルをチャートオブジェクトに適用するか、または代わりにファイングレインフォーマッティングをチャートオブジェクトに適用する。
【0024】
ルーチン400は、動作450および460から動作470に続き、そこでチャートアプリケーション16は、選択および/または作成されたチャートオブジェクトを含むドキュメントを保存するか、またはチャートオブジェクトに適用されたスペシャルフォーマッティングまたはファイングレインフォーマッティングを、チャートテンプレートとして保存する。カスタムチャートテンプレートまたは「スペシャルフォーマッティング」チャートテンプレートを保存するためのユーザインターフェースを図7に示し、詳細を以下に説明する。
【0025】
ルーチン400は、動作480に続き、そこでチャートアプリケーション16は、スペシャルフォーマッティングまたはカスタムチャートテンプレートを用いてチャートテンプレートギャラリを更新する。詳細には、チャートアプリケーション16を利用して、変更されたドキュメントテーマ(即ち、変更されたチャートスタイル)を表すカスタムチャートテンプレートのテンプレートギャラリを生成することができ、そのテンプレートギャラリは、電子ドキュメント内のチャートに適用できる。カスタムチャートテンプレートは、コンピュータシステム2内にテンプレートファイルとして格納できる。チャートに適用されるカスタムチャートテンプレートは、チャートタイプの変更と同時にチャートフォーマッティングの変更も生じることは理解される筈である。さらに、カスタムチャートテンプレートはチャートの作成にも使用できることは理解される筈である。例えば、電子ドキュメント内に存在するバーチャートにカスタムパイチャートテンプレートを適用すると、パイチャートテンプレートに関連するあらゆるフォーマッティングのアプリケーションだけでなく、バーチャートからの基礎データ(underlying data)がパイチャートとして表されることになる。このように、既存のチャートに適用する時、チャートテンプレートを利用して、任意の既存のドキュメントテーマを無効にすることができる。チャートテンプレートを選択して適用するためのユーザインターフェースを図8に示し、詳細を以下に記述する。同時に、ルーチン400を終了する。
【0026】
ここで図5乃至6を参照して、本発明の実施例によりチャートスタイル変形ギャラリ500(図5)および完全チャートスタイルギャラリ600(図6)の例示的スクリーンショットを説明する。チャートスタイル変形ギャラリ500は、チャートスタイルギャラリ600を表示するためのドロップダウン44を含む。図4に関して上述したように、チャートスタイル変形ギャラリ500は、ドキュメントテーマのために、選択された代替チャートスタイル(即ち、薄い、標準、および濃いバージョン)のサムネイルを含む。チャートスタイルギャラリ600は、チャートスタイルのサムネイル画像を複数含み、ユーザはそのサムネイル画像を選択して、現在選択しているドキュメントテーマのデフォルトチャートスタイルに置き換えてよい。例えば、ドキュメントテーマが提供するデフォルト(即ち、ニュートラルな)チャートスタイルよりもカラフルなチャートスタイルを追加したいとユーザが望めば、ギャラリ600からより鮮やかなチャートスタイルを選択することができる。
【0027】
図7を参照して、本発明の実施例により、カスタムチャートタイプを保存するためのユーザインターフェース700を説明する。図4に関連して上述したように、チャートアプリケーション16により、ユーザは、選択したドキュメントテーマ内のチャートスタイルを変更することができ、チャートオブジェクトに変更を加えた後、変更をカスタムチャートタイプとして保存することができる。上述のように、カスタムチャートタイプは、テンプレートファイルまたはチャートドキュメントファイルとして保存できる。ユーザインターフェース700は、カスタムチャートタイプに命名するためのFile Name72ボックス、カスタムチャートタイプに関する説明テキストを入れるためのDescription74ボックス、およびユーザがチャートを保存して、後に、使用中のドキュメントに再利用することができるようにするチェックボックス76を含む。
【0028】
図8を参照して、本発明の実施例により、カスタムチャートテンプレートを用いてチャートを作成し変更するためのユーザインターフェース800を説明する。ユーザインターフェース800は、ユーザが選択できるカスタムチャートタイプのカテゴリリスト80を含む。カテゴリリスト80の各々は、関連するカスタムチャートギャラリ82を有し、ユーザは、このカスタムチャートを選択して、チャート内で表すべきデータを含むデータ範囲84に適用することができる。ユーザインターフェース800は、カスタムチャートギャラリ82内にカスタムチャートをデフォルトチャートとして設定するためボタン86も含む。
【0029】
一実施例において、あるユーザが別のユーザにカスタムチャートタイプファイルを送り、そのファイルを受信ユーザのコンピュータ上で開くとカスタムチャートタイプテンプレートに新規チャートタイプが導入されることは理解されるであろう。例えば、新規カスタムチャートタイプテンプレートファイルまたはチャートファイルを受信ユーザのコンピュータ上で開くと、チャートアプリケーション16は自動的にギャラリ82を更新して、受け取ったチャートタイプを表示する。チャートドキュメントまたはテンプレートファイルに関連付けられたチャートタイプを説明するデータは、ファイルに組込まれているので、チャートアプリケーション16がそのファイルを開くと、そのデータをカスタムチャートテンプレートギャラリ内に抽出し表示できることは理解されるであろう。新規チャートタイプを閲覧の後、受信ユーザがそれを自分のコンピュータに保持したいときは、そのチャートタイプをカスタムチャートテンプレートに保存することにより追加することができる。
【0030】
ここまで述べた事に基づいて、本発明の各種実施例は、グローバルフォーマッティングスキームを電子ドキュメント内のチャートに適用する方法、システムおよびコンピュータ可読媒体を含むことは理解される筈である。上述の明細書、例、およびデータは、本発明のコンポジションの製造および使用について、完全に説明する。本発明の多数の実施例は、本発明の要旨および範囲から逸脱することなく行うことができるので、本発明は、以下に添付する請求項に属する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の各種実施例に利用され提供されるコンピュータシステムを示すコンピュータシステムアーキテクチャの図である。
【図2】本発明の図示実施例により、図1のコンピュータシステムにおいて、チャートアプリケーションプログラムにより生成されるドキュメントテーマが使用する汎用フォーマッティングスキームを示す表である。
【図3】本発明の図示実施例により、図1のコンピュータシステムにおいて、チャートアプリケーションプログラムが生成するドキュメントテーマの基本スタイル定義を定義するスキーマである。
【図4】本発明の図示実施例により、図1のコンピュータシステムにおいて、グローバルフォーマッティングスキームを電子ドキュメント内のチャートに適用するため、チャートアプリケーションプログラムが実行する図示ルーチンである。
【図5】本発明の図示実施例により、ファシリティを提供するための本発明の一態様を示す画面の図である。そのファシリティを通して、ユーザは、チャートに適用するドキュメントテーマに関連付けられたチャートスタイルを選択し変更できる。
【図6】本発明の図示実施例により、ファシリティを提供するための本発明の一態様を示す画面の図である。そのファシリティを通して、ユーザは、チャートに適用するドキュメントテーマに関連付けられたチャートスタイルを選択し変更できる。
【図7】本発明の図示実施例により、ファシリティを提供するための本発明の一態様を示す画面の図である。そのファシリティを通して、ユーザは、変更したチャートスタイルを、カスタムチャートタイプとして保存することができ、保存されたカスタムチャートタイプは他のチャートに適用できる。
【図8】本発明の図示実施例により、ファシリティを提供するための本発明の一態様を示す画面の図である。そのファシリティを通して、ユーザは、チャート作成のため、テンプレートギャラリからカスタムチャートテンプレートを選択することができる。
【符号の説明】
【0032】
16 チャートアプリケーション
26 ドキュメントテーマ
28 カスタムチャートテンプレートファイル
30 チャートドキュメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャートアプリケーションプログラムにおいて作成される電子ドキュメント内のチャートにグローバルフォーマッティングスキームを適用する方法であって、
前記電子ドキュメント内のチャートオブジェクトの選択を受け取ること、
カラースキーム、フォントスキーム、およびスタイルマトリクスを含む複数のフォーマッティングスキームの組合せを備えるドキュメントテーマの選択を受け取ること、および
前記選択されたドキュメントテーマを、前記電子ドキュメント内の前記選択されたチャートオブジェクトに適用すること
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
ユーザ入力に応答して、前記選択されたドキュメントテーマに関連付けられたスタイルギャラリからの複数のチャートスタイルを表示すること、及び
前記スタイルギャラリの複数のチャートスタイルのうちからのチャートスタイルの選択を受け取ること
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択されたドキュメントテーマに関連付けられたスタイルギャラリからの複数のチャートスタイルを表示することは、前記電子ドキュメント内の前記選択されたチャートオブジェクトと同一のチャートタイプの複数のチャートスタイルを表示することを備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ユーザ入力に応答して、選択されたチャートスタイルに関連する複数の要素を変更することにより、前記選択されたチャートスタイルを変更すること、および
前記選択されたチャートオブジェクトのチャートタイプおよび前記変更されたチャートスタイルを、カスタムチャートテンプレートとしてファイルに保存すること
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ファイルを開くことに応答して、チャートテンプレートギャラリを更新して前記カスタムチャートテンプレートを含むことをさらに備え、前記チャートテンプレートギャラリは、複数のチャートタイプおよびフォーマッティングスキームを備えて、前記電子ドキュメント内の前記チャートオブジェクトと関連付けられたチャートデータに適用されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記選択されたドキュメントテーマを、前記選択されたチャートオブジェクトに適用することは、前記チャートオブジェクトの複数のプロパティを更新することを備え、前記チャートプロパティは、カラー、フォント、ライン、エフェクト、およびフィルを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のフォーマッティングスキームは、前記ドキュメントテーマの中の基本スタイル定義において定義されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基本スタイル定義は、拡張可能なマークアップ言語スキーマに従って定義されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
電子ドキュメント内のチャートにグローバルフォーマッティングスキームを適用するシステムであって、
データを消費するチャートアプリケーションプログラムを実行するクライアントコンピュータを備え、
前記チャートアプリケーションプログラムは、
前記電子ドキュメント内のチャートオブジェクトの選択を受け取ること、
カラースキーム、フォントスキーム、およびスタイルマトリクスを含む複数のフォーマッティングスキームの組合せを備えるドキュメントテーマの選択を受け取ること、および
前記選択されたドキュメントテーマを、前記電子ドキュメント内の前記選択されたチャートオブジェクトに適用すること
を実行することを特徴とするシステム。
【請求項10】
前記チャートアプリケーションプログラムは、さらに
ユーザ入力に応答して、前記選択されたドキュメントテーマに関連付けられたスタイルギャラリからの複数のチャートスタイルを表示すること、及び
前記スタイルギャラリの複数のチャートスタイルのうちからのチャートスタイルの選択を受け取ること
を実行することを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記選択されたドキュメントテーマに関連付けられたスタイルギャラリからの複数のチャートスタイルを表示することは、前記電子ドキュメント内の前記選択されたチャートオブジェクトと同一のチャートタイプの複数のチャートスタイルを表示することを備えることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記チャートアプリケーションプログラムは、
ユーザ入力に応答して、選択されたチャートスタイルに関連する複数の要素を変更することにより、前記選択されたチャートスタイルを変更すること、および
前記選択されたチャートオブジェクトのチャートタイプおよび前記変更されたチャートスタイルを、カスタムチャートテンプレートとしてファイルに保存すること
をさらに実行することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記チャートアプリケーションプログラムは、ファイルを開くことに応答して、チャートテンプレートギャラリを更新して前記カスタムチャートテンプレートを含むことをさらに実行し、前記チャートテンプレートギャラリは、複数のチャートタイプおよびフォーマッティングスキームを備えて、前記電子ドキュメント内の前記チャートオブジェクトと関連付けられたチャートデータに適用することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記選択されたドキュメントテーマを、前記選択されたチャートオブジェクトに適用することは、前記チャートオブジェクトの複数のプロパティを更新することを備え、前記チャートプロパティは、カラー、フォント、ライン、エフェクト、およびフィルを含むことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数のフォーマッティングスキームは、前記ドキュメントテーマの中の基本スタイル定義において定義されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記基本スタイル定義は、拡張可能なマークアップ言語スキーマに従って定義されることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
コンピュータで実行されると、前記コンピュータにチャートアプリケーションプログラムで作成された電子ドキュメント内のチャートに、グローバルフォーマッティングスキームを適用する方法を行わせるコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータ可読媒体において、前記方法は、
前記電子ドキュメント内のチャートオブジェクトの選択を受け取ること、
カラースキーム、フォントスキーム、およびスタイルマトリクスを含む複数のフォーマッティングスキームの組合せを備えるドキュメントテーマの選択を受け取ること、および
ユーザ入力に応答して、前記選択されたドキュメントテーマに関連付けられたスタイルギャラリから、前記電子ドキュメント内の選択されたチャートオブジェクトと同一のチャートタイプの複数のチャートスタイルを表示すること、
前記スタイルギャラリ内の前記複数のチャートスタイルからのチャートスタイルの選択を受け取ること、および
前記選択されたチャートスタイルを含む選択されたドキュメントテーマを、前記電子ドキュメント内の選択されたチャートオブジェクトに適用すること
を備えることを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
ユーザ入力に応答して、選択されたチャートスタイルに関連する複数の要素を変更することにより、前記選択されたチャートスタイルを変更すること、および
前記選択されたチャートオブジェクトのチャートタイプおよび前記変更されたチャートスタイルを、カスタムチャートテンプレートとしてファイルに保存すること
をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記ファイルを開くことに応答して、チャートテンプレートギャラリを更新して前記カスタムチャートテンプレートを含むことをさらに備え、前記チャートテンプレートギャラリは、複数のチャートスタイルおよびフォーマッティングスキームを備えて、前記電子ドキュメント内のチャートオブジェクトと関連付けられたチャートデータに適用されることを特徴とする請求項18に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記複数のフォーマッティングスキームは、ドキュメントテーマの中の拡張可能なマークアップ言語スキーマによって定義される基本スタイル定義において定義されることを特徴とする請求項17に記載のコンピュータ読取可能媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−178955(P2006−178955A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356241(P2005−356241)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】