電子メール送信装置およびプログラム
【課題】電子メールを外部宛先に送信する場合、その外部宛先に対応する窓口担当者の作業負担を軽減することができるようにする。
【解決手段】ユーザによる操作に基づいて電子メールを送信する電子メール送信装置2であって、電子メール送信部34は、ユーザによって指定された送信先アドレスに関連づけられた宛先種別情報が外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた外部宛先担当アドレスを読み出し、該外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信する。
【解決手段】ユーザによる操作に基づいて電子メールを送信する電子メール送信装置2であって、電子メール送信部34は、ユーザによって指定された送信先アドレスに関連づけられた宛先種別情報が外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた外部宛先担当アドレスを読み出し、該外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メール送信装置およびプログラムに関し、特に予め登録された送信先アドレスに対して電子メールを送信する際の情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像処理装置には、文書を読み取った文書データを電子メールに添付し、ユーザによって指定された送信先アドレスに送信することができるものが存在する。このような従来の画像処理装置は、電子メールを送信する際、画像処理装置が電子メールの送信元であることを示す情報を電子メールに設定する。例えば、電子メールの送信元アドレス欄や返信用アドレス欄に対し、画像処理装置に付与された電子メールアドレスを設定することにより、該画像処理装置が送信元であることが示されている。
【0003】
ところが、画像処理装置が電子メールを送信する際、当該画像処理装置に付与されている電子メールアドレスを送信元アドレス欄や返信用アドレス欄などに設定して電子メールを送信すると、画像処理装置を使用可能な複数のユーザのうち、誰が画像処理装置を操作して電子メールを送信したのかが判らないという問題がある。また画像処理装置が送信した電子メールに対して返信が行われた場合、その返信メールは画像処理装置に戻ってしまい、画像処理装置を操作して電子メールを送信したユーザが返信メールを確認することができないという問題もある。
【0004】
一方、従来、ネットワークに接続された複合機において、送信者により入力される送信者IDに基づいて送信者識別情報を抽出し、その抽出された送信者識別情報で、情報受信者へ情報を送信する技術が提案されている(例えば特許文献1)。この従来技術によれば、画像処理装置を操作したユーザが送信元であることを示す情報が設定されるので、上述の問題は解決される。
【0005】
またこの他にも、例えば送信先アドレスが携帯電話アドレスか否かを判断し、携帯電話アドレスである場合には電子メールのサブジェクトを変更して送信する技術が提案されている(例えば特許文献2)。この従来技術は、送信先アドレスに応じて特定のサブジェクトが設定された電子メールを送信することにより、受信する携帯電話機において受信拒否がなされるのを防ぐためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−94638号公報
【特許文献2】特開2007−6221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、オフィスなどに設置されるMFPなどの画像処理装置の場合、予め登録された複数の送信先アドレスのうちから、ユーザによって選択された送信先アドレスに対して電子メールの送信を行うものが一般的である。画像処理装置に予め登録される送信先アドレスには、社内などの内部アドレスと、社外などの外部アドレスとが含まれている。外部アドレスの場合には取引先などの会社宛や個人宛の電子メールアドレスが登録されている。
【0008】
またオフィスにおける業務形態として、取引先などの社外とのやり取りを行う場合、社内の個々の実務担当者が直接社外とやり取りを行うのではなく、例えば社内の窓口担当者を少なくとも一人決めておいて、個々の実務担当者は窓口担当者を介して社外とのやり取りを行うようにしているケースが多い。また社外のサポート窓口などの場合には、契約上、例えば社内の窓口担当者は1名までと決まっていて、社外のサポート窓口はその予め定められた窓口担当者からの電子メールのみを受け付けるようにしているケースもある。
【0009】
上記のようなケースでは、社内における複数の実務担当者から窓口担当者に対して電子メールの送信依頼が集中することになる。窓口担当者は、各実務担当者からの依頼内容を確認し、必要に応じて文書データを社外に送信することができるデータ形式などに加工し、依頼された外部アドレスに対して電子メールを送信する作業を行う必要がある。そのため、複数の実務担当者から窓口担当者に電子メールの送信依頼が集中すると、窓口担当者の作業負担が過大になるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、窓口担当者の作業負担を軽減することができる電子メール送信装置およびプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、ユーザによる操作に基づいて電子メールを送信する電子メール送信装置であって、電子メールの送信先アドレスと、該送信先アドレスの種別として内部宛先と外部宛先とのいずれか一方が登録される宛先種別情報と、前記宛先種別情報が外部宛先である場合に登録される外部宛先担当アドレスと、が互いに関連づけられた送信先アドレス登録情報を記憶する記憶手段と、前記送信先アドレス登録情報に含まれる複数の送信先アドレスの中からユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する送信手段と、を備え、前記送信手段は、指定された送信先アドレスに関連づけられた前記宛先種別情報が外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた前記外部宛先担当アドレスを読み出し、該外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信することを特徴としている。
【0012】
また請求項2にかかる発明は、請求項1記載の電子メール送信装置において、前記送信手段は、前記外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを指定された送信先アドレスに送信する際、前記外部宛先担当アドレスを同報送信アドレス欄に設定して送信することを特徴としている。
【0013】
また請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の電子メール送信装置において、電子メールの送信操作を行うユーザに対応付けられたユーザアドレスを特定するユーザアドレス特定手段をさらに備え、前記送信手段は、前記外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを指定された送信先アドレスに送信する際、前記ユーザアドレスを同報送信アドレス欄に設定して送信することを特徴としている。
【0014】
また請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の電子メール送信装置において、電子メールの送信操作を行うユーザに対応付けられたユーザアドレスを特定するユーザアドレス特定手段と、前記アドレス特定手段によって特定される前記ユーザアドレスと、前記送信手段によって送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定される前記外部宛先担当アドレスとが一致するか否かを判断するアドレス照合手段と、をさらに備え、前記アドレス照合手段により前記ユーザアドレスと前記外部宛先担当アドレスとが一致しないと判断された場合、前記送信手段は、ユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する前に、前記外部宛先担当アドレスに対して承認用の電子メールを送信することを特徴としている。
【0015】
また請求項5にかかる発明は、請求項4記載の電子メール送信装置において、電子メールを受信する受信手段をさらに備え、前記送信手段は、前記受信手段により前記承認用の電子メールに対する返信メールが受信された場合、ユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信することを特徴としている。
【0016】
また請求項6にかかる発明は、請求項4記載の電子メール送信装置において、電子メールを受信する受信手段と、前記受信手段が受信した電子メールを解析する解析手段と、電子メールに添付される文書データに対する加工処理を行う加工処理手段と、をさらに備え、前記解析手段は、前記受信手段により前記承認用の電子メールに対する返信メールが受信された場合、該返信メールを解析し、前記加工処理手段は、前記解析手段による前記返信メールの解析結果に基づいて、前記送信手段が送信する電子メールに添付された文書データに対する加工処理を行い、前記送信手段は、前記外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールに、前記加工処理手段によって加工処理が施された文書データを添付してユーザにより指定された送信先アドレスに送信することを特徴としている。
【0017】
また請求項7にかかる発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の電子メール送信装置において、前記送信先アドレス登録情報には、外部宛先に対して文書データを添付した電子メールを送信する場合に、前記文書データに対して行うべき加工処理が登録されており、前記送信手段は、ユーザによって指定された送信先アドレスに電子メールを送信する際、該電子メールに添付された文書データに対して前記送信先アドレス登録情報に登録された前記加工処理が施されているか否かを判別し、前記加工処理が施されていない場合には、ユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する前に、前記外部宛先担当アドレスに対して承認用の電子メールを送信することを特徴としている。
【0018】
また請求項8にかかる発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の電子メール送信装置において、前記記憶手段には、ユーザごとに所属するグループが登録されたユーザ情報がさらに記憶されており、ユーザに対して各種情報を表示する表示手段と、ユーザが前記送信先アドレス登録情報に含まれる複数の送信先アドレスの中から電子メールを送信する送信先アドレスを選択する際に、前記ユーザ情報を参照することにより電子メールの送信操作を行うユーザが所属するグループを特定し、該グループに対応する外部宛先担当アドレスが関連づけられている送信先アドレスのみを前記表示手段に表示する表示制御手段と、をさらに備えることを特徴としている。
【0019】
さらに請求項9にかかる発明は、プログラムであって、コンピュータを、電子メールの送信先アドレスと、該送信先アドレスの種別として内部宛先と外部宛先とのいずれか一方が登録される宛先種別情報と、前記宛先種別情報が外部宛先である場合に登録される外部宛先担当アドレスと、が互いに関連づけられた送信先アドレス登録情報を記憶する記憶手段、および、前記送信先アドレス登録情報に含まれる複数の送信先アドレスの中からユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する送信手段として機能させ、前記送信手段は、指定された送信先アドレスに関連づけられた前記宛先種別情報が外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた前記外部宛先担当アドレスを読み出し、該外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信する処理を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザによって指定された送信先アドレスに関連づけられた宛先種別情報が外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信するので、窓口担当者に電子メールの送信依頼を行うことなく、ユーザ自身が電子メールの送信作業を行うことができるようになる。したがって、窓口担当者に対して電子メールの送信依頼が集中することがなくなり、窓口担当者の作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態として電子メール送信装置を含む情報処理システムの一構成例を示す図である。
【図2】電子メール送信装置として機能する画像処理装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】画像処理装置における電子メール送信機能に関する処理部の一例を示すブロック図である。
【図4】画像処理装置に予め登録されたユーザ情報の一例を示す図である。
【図5】画像処理装置に登録された送信先アドレス登録情報の一例を示す図である。
【図6】新規な送信先アドレスを送信先アドレス登録情報に登録する際の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】画像処理装置の制御部において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】画像処理装置の制御部において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態において画像処理装置から外部宛先に送信される電子メールの一例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態において画像処理装置から外部宛先に送信される電子メールの一例を示す図である。
【図13】第3の実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態において画像処理装置から外部宛先に送信される電子メールの一例を示す図である。
【図15】第4の実施の形態における電子メール送信機能に関する処理部の一例を示すブロック図である。
【図16】第4の実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】第4の実施の形態における外部宛先への電子メールの送信態様の一例を示す図である。
【図18】第5の実施の形態における電子メール送信機能に関する処理部の一例を示すブロック図である。
【図19】第5の実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】第5の実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図21】第6の実施の形態において画像処理装置に登録される送信先アドレス登録情報の一例を示す図である。
【図22】第6実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】第6実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図24】第7の実施の形態において画像処理装置に予め登録されたユーザ情報の一例を示す図である。
【図25】第7の実施の形態における送信先アドレス選択画面表示の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0023】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態における情報処理システム1の一構成例を示す図である。情報処理システム1は、複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像処理装置2と、メールサーバ3と、複数のコンピュータ5と、ルータなどのネットワーク接続装置6とを備えている。これらの各装置は、社内LANなどのネットワーク4を介して相互にデータ通信可能なように接続され、内部ネットワーク8を構築している。またネットワーク接続装置6には、インターネットなどの外部ネットワーク9が接続されている。そのため、画像処理装置2、メールサーバ3およびコンピュータ5のそれぞれは、ネットワーク接続装置6を介して外部ネットワーク9とのデータ通信を行うこともできるようになっている。尚、図例では、内部ネットワーク8に1台の画像処理装置2が設けられている場合を示しているが、画像処理装置2の台数はこれに限られるものではなく、複数台の画像処理装置2が設けられていても良い。
【0024】
本実施形態では、上記のシステム構成において、画像処理装置2が本発明に関する電子メール送信装置として機能する場合を例示する。つまり、本実施形態の画像処理装置2は、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、FAX機能などの他、電子メールの送受信を行う機能を有しており、例えばユーザが「SCAN to E−mail」を指定した場合には、文書を読み取って生成した文書データを電子メールに添付し、ユーザによって指定された送信先アドレスに対してその電子メールを送信する。
【0025】
メールサーバ3は、例えば画像処理装置2から送信される電子メールの送信先アドレスに基づいて、該電子メールを外部ネットワーク9に設けられた他のメールサーバに送信したり、或いは、内部ネットワーク8に設けられた各コンピュータ5に出力したりするものである。また内部ネットワーク8に設けられた各コンピュータ5は、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)などで構成され、例えばユーザごとに1台ずつ割り当てられたコンピュータである。
【0026】
図2は、画像処理装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置2は、制御部10と、操作パネル13と、スキャナ部16と、プリンタ部17と、FAX部18と、ネットワーク通信部19と、記憶装置20とを備え、これらがデータバス2aを介して相互にデータの入出力が可能な構成となっている。
【0027】
制御部10は、CPU11とメモリ12とを備えている。CPU11は、記憶装置20に予め格納されているプログラム21を読み出して実行することにより、画像処理装置2の各部を制御する。特に本実施形態では、CPU11がプログラム21を実行することにより、画像処理装置2が電子メール送信装置として機能する。メモリ12は、CPU11がプログラム21を実行することによる各種データなどを一次的に記憶するためのものであり、例えば半導体メモリなどで構成される。
【0028】
操作パネル13は画像処理装置2を使用するユーザが操作するためのものであり、ユーザに対して各種情報を表示する表示部14と、ユーザが各種情報を入力するために操作する操作入力部15とを備えている。表示部14は、例えば液晶ディスプレイなどで構成される。また操作入力部15は、表示部14の画面上に設けられたタッチパネルキーや、表示部14の周囲に配置された押しボタン式キーなどで構成される。
【0029】
スキャナ部16は、文書(原稿)を読み取った画像を文書データとして出力する処理部である。スキャナ部16から出力される文書データは、例えば制御部10のメモリ12に一時的に格納されたり、或いは、記憶装置20に格納される。
【0030】
プリンタ部17は、文書データに基づいて出力用紙などに画像形成を行って出力する処理部である。例えば画像処理装置2のコピー機能やプリント機能が使用される際、或いは、FAXデータを受信した際などに、プリンタ部17が作動して画像出力を行う。
【0031】
FAX部18は、FAXデータの送受信を行う処理部である。FAX部18には例えば公衆電話回線などが接続され、FAXデータの送受信を行うことができる。
【0032】
ネットワーク通信部19は、画像処理装置2をネットワーク4に接続し、ネットワーク4を介してデータの送受信を行う処理部である。例えば画像処理装置2が電子メールの送受信を行う場合には、このネットワーク通信部19を介して電子メールの送受信が行われる。
【0033】
記憶装置20は、例えばハードディスク装置などのような不揮発性の記憶手段である。この記憶装置20には、図2に示すように、CPU11によって実行されるプログラム21と、画像処理装置2を使用するユーザに関する情報が登録されたユーザ情報22と、電子メールの送信先アドレスが登録された送信先アドレス登録情報23とが記憶されている。尚、この記憶装置20には、上述したようにスキャナ部16が読み取った文書データや、ネットワーク4を介してコンピュータ5などから入力した文書データなども記憶される。
【0034】
上記構成の画像処理装置2において、例えばスキャナ部16が文書を読み取って生成した文書データを電子メールに添付して送信する場合について説明する。図3は、CPU11がプログラム21を読み出して実行することによって実現される制御部10の各種機能の一部として、電子メールの送信機能に関する処理部の一例を示すブロック図である。
【0035】
図3に示すように、制御部10は、ユーザ認証部31、送信先アドレス登録部32、ジョブ実行制御部33および電子メール送信部34として機能する。また電子メール送信部34は、さらに、送信先アドレス指定部35、宛先種別判定部36、送信元設定部37、メール作成部38および送信処理部39として機能する。以下、これら各部について説明する。
【0036】
ユーザ認証部31は、画像処理装置2を操作するユーザを認証する処理部である。ユーザ認証部31は、記憶装置20に記憶されているユーザ情報22を読み出し、操作パネル13に対してユーザが入力するユーザIDやパスワードに基づいてユーザ認証を行う。
【0037】
図4は、画像処理装置2に予め登録されたユーザ情報22の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザ情報22には、画像処理装置2を使用することが許可されたユーザのユーザID22a、ユーザ名22b、パスワード22c、電子メールアドレス22dなどが登録されている。ユーザ認証部31は、このユーザ情報22を読み出し、操作パネル13より入力したユーザIDとパスワードの組合せがユーザ情報22に登録されているか否かを判断することにより、ユーザ認証を行う。そして入力したユーザIDとパスワードとの組合せがユーザ情報22に登録されていれば、認証成功となる。認証成功となった場合には、ユーザ情報22に登録されているユーザのユーザ名と電子メールアドレスとを特定することができる。これに対し、入力したユーザIDとパスワードとの組合せがユーザ情報22に登録されていない場合は認証失敗となる。
【0038】
ユーザ認証部31は、認証成功となった場合、その特定したユーザをログインユーザとして画像処理装置2をログイン状態に移行させる。このログイン状態では、画像処理装置2の各種機能のうち、ログインユーザに予め許可された機能が使用可能な状態となる。そのため、ログインユーザは操作パネル13を操作することによって使用可能状態となった各種機能を使用することができる。これに対し、認証失敗となった場合、そのユーザは、画像処理装置2の各種機能を使用することはできない。
【0039】
送信先アドレス登録部32は、送信先アドレス登録情報23に対して電子メールによる送信先アドレスを登録する処理部である。例えば、画像処理装置2の管理者がログインした場合、送信先アドレス登録部32が機能するようになり、その管理者の操作によって送信先アドレス登録情報23に新規の送信先アドレスに関する情報を登録することができる。
【0040】
図5は、画像処理装置2に登録された送信先アドレス登録情報23の一例を示す図である。図5に示すように、送信先アドレス登録情報23には、登録番号23aと、電子メールによる送信先アドレス23bと、送信先アドレスの宛先種別を示す宛先種別情報23cと、宛先種別が外部宛先の場合に登録される外部宛先担当アドレス23dとが登録されている。登録番号23aは、送信先アドレス登録情報23に登録された順番を示している。送信先アドレス23bには、電子メールの宛先となる電子メールアドレスが登録されている。宛先種別情報23cには、送信先アドレス23bに登録されている電子メールアドレスが内部ネットワーク8内の内部宛先であるか、内部ネットワーク8外の外部宛先であるかが登録されている。例えば電子メールアドレスが社内などの内部アドレスである場合、宛先種別は内部宛先として登録される。これに対し、例えば電子メールアドレスが社外などの外部アドレスである場合、宛先種別は外部宛先として登録される。そして外部宛先担当アドレス23dには、宛先種別が外部宛先の場合、例えばその外部宛先を担当する窓口担当者に付与されている電子メールアドレスが登録される。
【0041】
送信先アドレス登録部32は、例えば画像処理装置2にログインした管理者が新規な送信先アドレスの登録を指示した場合、操作パネル13の表示部14に送信先アドレスの登録画面を表示し、新規な送信先アドレスと、その送信先アドレスに関する宛先種別との入力操作を受け付け、宛先種別が外部宛先の場合には、さらに外部宛先担当アドレスの入力操作を受け付ける。そして管理者によって操作入力された情報を送信先アドレス登録情報23に追加登録する。ただし、送信先アドレス登録情報23の登録は、必ずしも管理者が画像処理装置2の操作パネル13を直接操作して行わなければならないものではなく、例えば管理者が自身のコンピュータ5を操作することによって該コンピュータ5からネットワーク4を介して遠隔操作で登録を行うものであっても構わない。
【0042】
図6は、送信先アドレス登録部32により新規な送信先アドレスを送信先アドレス登録情報23に登録する際の処理手順の一例を示すフローチャートである。送信先アドレス登録部32は、新規な送信先アドレスの入力を受け付ける(ステップS10)。新規な送信先アドレスが入力されると、送信先アドレス登録部32は、その入力された送信先アドレスの宛先種別を設定する(ステップS11)。ここで設定する宛先種別は、上述したように管理者によって入力される入力情報に基づき、内部宛先と外部宛先とのいずれか一方が設定されるようにしても良い。また送信先アドレス登録部32が、入力された送信先アドレスのドメインなどを解析することによって、内部宛先と外部宛先とのいずれか一方を自動的に設定するようにしても良い。
【0043】
そして宛先種別を設定すると、送信先アドレス登録部32は、その宛先種別が外部宛先であるか否かを判断する(ステップS12)。宛先種別が外部宛先である場合(ステップS12でYES)、送信先アドレス登録部32は、さらに外部宛先担当アドレスを設定する(ステップS13)。ここでは、上述したように管理者によって入力される入力情報に基づき、窓口担当者の電子メールアドレスを外部宛先担当アドレスとして設定する。一方、宛先種別が内部宛先である場合(ステップS12でNO)、送信先アドレス登録部32は、外部宛先担当アドレスの設定を行わない。
【0044】
そして送信先アドレス登録部32は、記憶装置20に記憶されている送信先アドレス登録情報23に対し、上記各処理で設定された、送信先アドレス、宛先種別、外部宛先担当アドレスのそれぞれを登録終了する(ステップS14)。以上で、送信先アドレスの登録処理が終了する。
【0045】
図3に戻り、ジョブ実行制御部33は、ログインユーザによって指定されたジョブの実行を制御する処理部である。ジョブ実行制御部33は、スキャナ部16、プリンタ部17、FAX部18およびネットワーク通信部19のそれぞれを必要に応じて動作制御することにより、ログインユーザによって指定されたジョブを実行する。例えば、ログインユーザが「SCAN to E−mail」を指定した場合、ジョブ実行制御部33はスキャナ部16を駆動することにより、原稿の読み取り動作を制御する。そしてスキャナ部16から出力される文書データをメモリ12や記憶装置20に保存する。そして「SCAN to E−mail」の場合は、電子メール送信部34が機能する。
【0046】
電子メール送信部34は、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに電子メールを送信する処理部である。例えば、「SCAN to E−mail」の場合、電子メール送信部34は、スキャナ部16が原稿を読み取って生成した文書データを電子メールに添付し、指定された送信先アドレスに送信する。この電子メール送信部34は、図3に示すように、送信先アドレス指定部35と、宛先種別判定部36と、送信元設定部37と、メール作成部38と、送信処理部39とを備えている。
【0047】
送信先アドレス指定部35は、記憶装置20に記憶されている送信先アドレス登録情報23を読み出し、操作パネル13の表示部14に対して送信先アドレスの一覧表示を行う。そして送信先アドレス指定部35は、その一覧表示の中からログインユーザによって選択された送信先アドレスを特定する。そして送信アドレス指定部35は、その特定した送信先アドレスを電子メールの送信先アドレス欄に書き込むためのアドレスとして設定する。
【0048】
宛先種別判定部36は、ログインユーザによって選択された送信先アドレスの宛先種別を判定する処理部である。宛先種別判定部36は、送信先アドレス登録情報23の宛先種別情報23cを参照することにより、ログインユーザの選択した送信先アドレスが内部宛先であるか、外部宛先であるかを判定する。
【0049】
送信元設定部37は、電子メールの送信元などの情報を設定する処理部である。より具体的には、送信元設定部37は、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに送信する電子メールの送信元アドレス欄と返信用アドレス欄のそれぞれに書き込むためのアドレスを設定する処理部である。この送信元設定部37は、宛先種別判定部36の判定結果に基づいて電子メールの送信元などの情報を設定する際の処理を切り替える。例えば、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが内部宛先の場合、送信元設定部37は、ユーザ情報22を参照し、ログインユーザの電子メールアドレスを、送信元アドレス欄と返信用アドレス欄のそれぞれに書き込むためのアドレスとして設定する。これに対し、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが外部宛先の場合、送信元設定部37は、送信先アドレス登録情報23を参照し、ログインユーザが選択した送信先アドレスに対応して登録されている外部宛先担当アドレスを、送信元アドレス欄と返信用アドレス欄のそれぞれに書き込むためのアドレスとして設定する。
【0050】
メール作成部38は、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに送信する電子メールを作成する処理部である。メール作成部38は、送信先アドレス指定部35によって設定された送信先アドレスを電子メールの送信先アドレス欄に書き込み、送信元設定部37によって設定されたアドレスを電子メールの送信元アドレス欄と返信用アドレス欄に書き込む。そして「SCAN to E−mail」の場合、メール作成部38は、スキャナ部16によって生成された文書データを電子メールに添付することにより、送信対象となる電子メールを作成する。
【0051】
送信処理部39は、メール作成部38によって作成された電子メールを送信する処理部である。送信処理部39は、ネットワーク通信部19を制御することにより、ネットワーク4を介して電子メールをメールサーバ3に出力する。そしてメールサーバ3が画像処理装置2から出力される電子メールを受信し、その電子メールの送信先アドレスに対して送信が行われる。例えば、送信先アドレスが内部宛先の場合、メールサーバ3は、送信先アドレスに対応するコンピュータ5に電子メールを送信する。また送信先アドレスが外部宛先の場合、メールサーバ3は、外部ネットワーク9にある他のメールサーバに対して電子メールを送信する。
【0052】
次に、画像処理装置2において電子メールを送信する際の一連の動作について一例を挙げて説明する。図7乃至図9は、画像処理装置2の制御部10において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。尚、この処理では、ユーザが画像処理装置2にログインして「SCAN to E−mail」を指定して電子メールの送信操作が行われる場合を例示している。この処理では、制御部10において、上述したユーザ認証部31、ジョブ実行制御部33および電子メール送信部34が順次機能するようになっている。
【0053】
この処理が開始すると、制御部10は、まずユーザ認証部31として機能する。そして制御部10は、操作パネル13の表示部14に、ユーザ認証を行うためのユーザIDやパスワードなどのユーザ情報の入力画面を表示し、操作入力部15を介してそれらユーザ情報の入力操作を受け付ける(ステップS20)。ユーザ情報の入力が行われると、制御部10は、ユーザによって認証要求が行われたか否かを判断する(ステップS21)。ここで認証要求が行われなかった場合は(ステップS21でNO)、再びユーザ情報の入力操作を受け付けるべく、ステップS20に戻る。これに対し、ユーザによって認証要求が行われた場合(ステップS21でYES)、制御部10は、記憶装置20からユーザ情報22を読み出し(ステップS22)、ユーザ認証処理を行う(ステップS23)。ここでは操作パネル13を介して入力されたユーザIDやパスワードなどの組合せと同じ組合せがユーザ情報22に予め登録されているか否かを検索することによってユーザ認証を行う。その結果、ユーザ認証に失敗した場合(ステップS24でNO)、ステップS20に戻る。
【0054】
一方、ユーザ認証に成功した場合(ステップS24でYES)、制御部10は、ログインユーザを特定し、画像処理装置2をログイン状態に移行させる。そして制御部10は、ログインユーザによるスキャン設定操作を受け付ける(ステップS25)。スキャン設定操作は、スキャナ部16が原稿の読み取り動作を行う際の各種の設定を行う操作であり、例えば読み取り解像度(例えば200dpiや400dpiなど)や、出力データ形式(例えばPDF,JPEG,TIFFなどの形式)、などの設定操作が行われる。また、必要に応じて、スキャナ部16が生成する文書データの暗号化を設定したり、文書データにタイムスタンプの電子データを付加する設定をしたり、或いは、会社の社名又はロゴなどの画像、「機密」や「重要書類」といった文字や画像などを文書データに合成する処理などを設定したりする操作が行われる。
【0055】
スキャン設定操作が完了して、ログインユーザが原稿スキャンの開始を指示した場合、制御部10は、ジョブ実行制御部33として機能し、スキャナ部16を制御して原稿のスキャンを開始する(ステップS26)。このとき、読み取り解像度や出力データ形式などは、スキャン設定操作で入力された設定が反映される。制御部10は、スキャナ部16から原稿を読み取った原稿画像を入力し、その原稿画像に基づいて文書データを生成する(ステップS27)。ここで生成される文書データは、メモリ12や記憶装置20に格納される。
【0056】
文書データの生成が完了すると、次に制御部10は、電子メール送信部34として機能する。そして制御部10は、記憶装置20から送信先アドレス登録情報23を読み出し(ステップS28)、操作パネル13の表示部14に対して送信先アドレス選択画面を表示する(ステップS29)。この送信先アドレス選択画面では、例えば図5に示した送信先アドレス登録情報23に登録されている送信先アドレス23bが一覧表示され、ログインユーザは、文書データを送信したい送信先アドレスをその一覧表示の中から選択することができるようになっている。
【0057】
図8のフローチャートに進み、制御部10は、表示部14に表示した送信先アドレスの一覧表示の中から、ユーザによる送信先アドレスの選択操作の入力を受け付ける(ステップS30)。そして選択操作が行われると、送信先アドレス登録情報23の宛先種別情報23cを参照することにより、その選択された送信先アドレスの宛先種別を判定する(ステップS31)。つまり、ここでは、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが、内部宛先と外部宛先とのいずれであるかが判定される。そして制御部10は、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが外部宛先であるか否かを判断し(ステップS32)、外部宛先である場合(ステップS32でYES)、外部送信の事前処理を実行する(ステップS33)。
【0058】
図9は、外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、送信先アドレスが外部宛先である場合、送信先アドレス登録情報23の外部宛先担当アドレス23dを参照することにより、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに関連付けられている外部宛先担当アドレスを読み出し(ステップS41)、その読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの送信元アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS42)。ここで送信元アドレス欄とは、電子メールの送信元であることを示すアドレスを記入する欄であり、例えば一般的な電子メールの場合、ヘッダー情報における「From」の項目に対応する。
【0059】
また制御部10は、さらに送信先アドレス登録情報23から読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの返信用アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS43)。ここで返信用アドレス欄とは、電子メールに対して返信する場合にその返信先を示すアドレスを記入する欄であり、例えば一般的な電子メールの場合、ヘッダー情報における「Reply to」の項目に対応する。
【0060】
このように本実施形態では、ログインユーザが指定した送信先アドレスが外部宛先である場合、図9に示した外部送信の事前処理(ステップS33)により、送信元アドレス欄および返信用アドレス欄に書き込むべきアドレスとして外部宛先担当アドレスが設定される。そして図8のフローチャートに戻る。
【0061】
これに対し、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが内部宛先である場合(ステップS32でNO)、外部送信の事前処理(ステップS33)はスキップする。この場合、通常の電子メールの送信処理と同様に、電子メールの送信元アドレス欄および返信用アドレス欄に書き込むべきアドレスとして、ログインユーザの電子メールアドレスが設定される。
【0062】
そして制御部10は、電子メール作成処理を行う(ステップS34)。ここでは、電子メールの送信先アドレス欄、送信元アドレス欄および返信用アドレス欄のそれぞれにアドレスの書き込みを行う。そしてメモリ12又は記憶装置20に格納しておいた文書データを読み出して電子メールに添付することにより、ログインユーザが指定した送信先アドレスに送信するための電子メールを作成する。そして制御部10は、ステップS34で作成した電子メールを送信する処理を行う(ステップS35)。このステップS35により、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに電子メールが送信される。以上で全ての処理が終了する。
【0063】
図10は、ログインユーザが指定した送信先アドレスが外部宛先である場合に画像処理装置2から送信される電子メールの一例を示す図である。図10に示すように、画像処理装置2から外部宛先に送信される電子メール40は、送信先アドレス欄41に、ログインユーザが送信先アドレス登録情報23から選択した送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)が設定されている。また送信元アドレス欄42には、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されている。さらに返信用アドレス欄43にも、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されている。尚、図10に示す電子メール40には、添付ファイル44として文書データ(****.pdf)が添付されている。
【0064】
したがって、例えばユーザ情報22(図4参照)に登録されているユーザAが画像処理装置2にログインした場合、そのユーザAが「SCAN to E−mail」を指示し、送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)を選択すると、その送信先アドレスは外部宛先であるため、画像処理装置2は、自動的に図10に示すような電子メール40を生成してユーザAによって選択された送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対して電子メール40を送信する。
【0065】
このように本実施形態では、電子メール送信部34が、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに関連づけられた宛先種別情報23cが外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた外部宛先担当アドレス23dを読み出し、該外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄に設定した電子メール40を作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信するように構成される。
【0066】
そのため、例えば社外と直接やり取りを行う窓口担当者を決めている業務形態において、窓口担当者でないユーザAが社外に対して文書データを電子メールに添付して送信する場合であっても、窓口担当者の電子メールアドレスが送信元アドレス欄と返信用アドレス欄に設定された電子メールが送信されるため、実際に窓口担当者が電子メールの送信操作を行う必要がなくなり、窓口担当者の作業負担を軽減することができるという利点がある。
【0067】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、例えば窓口担当者でないユーザAが社外に対して文書データを電子メールに添付して送信した場合、窓口担当者の電子メールアドレスが送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定された電子メールが送信される。しかし、第1の実施の形態では、窓口担当者が電子メールの送信された事実を把握することができない可能性がある。そこで、この第2の実施の形態では、窓口担当者でないユーザによって電子メールが送信された場合でも、窓口担当者が送信された電子メールを確認することができるようにした形態について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理システム1および画像処理装置2の各構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0068】
また本実施形態においても、画像処理装置2が電子メールを送信する際の一連の処理手順は、第1の実施の形態で説明した図7および図8のフローチャートと同様であり、本実施形態では図8における外部送信の事前処理(ステップS33)の具体的な処理の中身が第1の実施の形態と異なっている。それ故、以下においては、本実施形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細について説明する。
【0069】
図11は、第2の実施の形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、送信先アドレスが外部宛先である場合、送信先アドレス登録情報23の外部宛先担当アドレス23dを参照することにより、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに関連付けられている外部宛先担当アドレスを読み出し(ステップS51)、その読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの送信元アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS52)。また制御部10は、送信先アドレス登録情報23から読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの返信用アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS53)。そして本実施形態では、さらに、送信先アドレス登録情報23から読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの同報送信アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS54)。ここで同報送信アドレス欄とは、電子メールを送信する際、送信先アドレス(TO)とは別に送信するアドレスを設定する欄であり、例えば一般的な電子メールの場合、ヘッダー情報における「CC」の項目に対応する。
【0070】
このように本実施形態では、ログインユーザが指定した送信先アドレスが外部宛先である場合、図11に示した外部送信の事前処理(ステップS33)により、送信元アドレス欄と返信用アドレス欄だけでなく、さらに同報送信アドレス欄に対しても外部宛先担当アドレスが設定される。
【0071】
図12は、第2の実施の形態においてログインユーザが指定した送信先アドレスが外部宛先である場合に画像処理装置2から送信される電子メールの一例を示す図である。図12に示すように、画像処理装置2から外部宛先に送信される電子メール40aは、送信先アドレス欄41に、ログインユーザが送信先アドレス登録情報23から選択した送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)が設定されている。また送信元アドレス欄42には、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されている。また返信用アドレス欄43にも、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されている。さらに同報送信アドレス欄45にも、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されている。尚、図12に示す電子メール40aには、添付ファイル44として文書データ(****.pdf)が添付されている。
【0072】
したがって、例えばユーザ情報22(図4参照)に登録されているユーザAが画像処理装置2にログインした場合、そのユーザAが「SCAN to E−mail」を指示し、送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)を選択すると、その送信先アドレスは外部宛先であるため、画像処理装置2は、自動的に図12に示すような電子メール40aを生成してユーザAによって選択された送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対して電子メール40aを送信する。このとき、同報送信アドレス欄には、外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されているので、その電子メール40aは窓口担当者にも送信されることになる。
【0073】
このように本実施形態では、電子メール送信部34が、外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄に設定した電子メールをログインユーザによって指定された送信先アドレスに送信する際、外部宛先担当アドレスを同報送信アドレス欄にも設定して送信するように構成される。
【0074】
そのため、本実施形態では、例えば社外と直接やり取りを行う窓口担当者を決めている業務形態において、窓口担当者でないユーザAが社外に対して文書データを電子メールに添付して送信した場合であっても、窓口担当者が同報送信される電子メールを受信することができ、電子メールが送信された事実を把握することができるようになる。
【0075】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。上述した第1および第2の実施の形態では、例えば送信された電子メールを受信した社外の担当者がその受信した電子メールに返信した場合、窓口担当者の電子メールアドレスに対して返信が行われる。そのため、窓口担当者は返信メールを受信すると、実際に文書データを送信したログインユーザ(実際の送信者)を特定して、返信メールがあったことを伝える必要がある。この第3の実施の形態では、上記のように画像処理装置2が送信した電子メールに対して返信が行われた場合において、返信メールがあったことを伝える際の窓口担当者の作業負担を軽減することができる形態について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理システム1および画像処理装置2の各構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0076】
また本実施形態においても、画像処理装置2が電子メールを送信する際の一連の処理手順は、第1の実施の形態で説明した図7および図8のフローチャートと同様であり、本実施形態では図8における外部送信の事前処理(ステップS33)の具体的な処理の中身が第1の実施の形態と異なっている。それ故、以下においては、本実施形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細について説明する。
【0077】
図13は、第3の実施の形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、送信先アドレスが外部宛先である場合、送信先アドレス登録情報23の外部宛先担当アドレス23dを参照することにより、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに関連付けられている外部宛先担当アドレスを読み出し(ステップS61)、その読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの送信元アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS62)。また制御部10は、送信先アドレス登録情報23から読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの返信用アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS63)。また制御部10は、送信先アドレス登録情報23から読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの同報送信アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS64)。そして本実施形態において制御部10は、さらに、ユーザ情報22を参照してログインユーザの電子メールアドレス22dを読み出し、その電子メールアドレスを、電子メールの同報送信アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS65)。
【0078】
このように本実施形態では、ログインユーザが指定した送信先アドレスが外部宛先である場合、図13に示した外部送信の事前処理(ステップS33)により、送信元アドレス欄、返信用アドレス欄および同報送信アドレス欄に対して外部宛先担当アドレスが設定されると共に、同報送信アドレス欄に対してはさらにログインユーザの電子メールアドレスが設定される。
【0079】
図14は、第3の実施の形態においてログインユーザが指定した送信先アドレスが外部宛先である場合に画像処理装置2から送信される電子メールの一例を示す図である。図14に示すように、画像処理装置2から外部宛先に送信される電子メール40bは、送信先アドレス欄41に、ログインユーザが送信先アドレス登録情報23から選択した送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)が設定されている。また送信元アドレス欄42と返信用アドレス欄43には、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されている。さらに同報送信アドレス欄45には、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)と、ログインユーザ(ユーザA)の電子メールアドレス(aaa@abc.co.jp)とが設定されている。尚、図14に示す電子メール40bには、添付ファイル44として文書データ(****.pdf)が添付されている。
【0080】
したがって、例えばユーザ情報22(図4参照)に登録されているユーザAが画像処理装置2にログインした場合、そのユーザAが「SCAN to E−mail」を指示し、送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)を選択すると、その送信先アドレスは外部宛先であるため、画像処理装置2は、自動的に図14に示すような電子メール40bを生成してユーザAによって選択された送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対して電子メール40bを送信する。このとき、同報送信アドレス欄には、外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)と、送信者であるユーザAの電子メールアドレス(aaa@abc.co.jp)とが設定されているので、その電子メール40bは窓口担当者とユーザAにも送信されることになる。
【0081】
このように本実施形態では、電子メールの送信操作を行うログインユーザ(送信者)に対応付けられたユーザアドレスを特定するように構成されており、電子メール送信部34が、外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールをログインユーザによって指定された送信先アドレスに送信する際、ユーザアドレスを同報送信アドレス欄に設定して送信するように構成される。
【0082】
そのため、本実施形態では、例えば画像処理装置2から送信された電子メールを受信した社外の担当者がその電子メールに対し、同報送信アドレス欄に記載されたアドレスも含めて返信操作をすると、電子メールの送信操作を行ったログインユーザ(送信者)がその返信メールを受信することができるようになる。この場合、窓口担当者が送信者に対して返信メールのあったことを伝える必要がなくなり、窓口担当者の作業負担を軽減することができる。
【0083】
また本実施形態では、例えば、画像処理装置2から送信された電子メールを受信した社外の担当者がその電子メールに対し、同報送信アドレス欄に記載されたアドレスを含めることなく返信操作を行った場合でも、窓口担当者の作業負担は軽減される。なぜなら、上述した第1および第2の実施の形態の場合には、画像処理装置2から外部宛先に送信された電子メールに対する返信メールを受信したとき、窓口担当者は、画像処理装置2の操作履歴などを参照することによって誰が送信した電子メールに対する返信であるかを確認する作業を行う必要がある。これに対し、本実施形態の場合は、画像処理装置2から外部宛先に送信されるときに同報送信アドレス欄にログインユーザ(送信者)の電子メールアドレスが付加されているため、窓口担当者は返信メールを受信したときでも、画像処理装置2の操作履歴などを参照する必要はなく、自身が受信した電子メールの履歴を参照すれば誰が送信した電子メールに対する返信であるかを確認することができるので、作業負担が軽減される。
【0084】
尚、本実施形態では、同報送信アドレス欄に対し、外部宛先担当アドレスと、ログインユーザの電子メールアドレスとの双方を設定する場合を例示したが、外部宛先担当アドレスについては必ずしも設定しなければならないものではない。
【0085】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態ついて説明する。本実施形態では、ログインユーザ(送信者)が指定した外部宛先に対して電子メールを送信する場合に、窓口担当者の承認を得るようにした形態について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理システム1および画像処理装置2の各構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。以下、本実施形態が、第1の実施の形態と異なる点について説明する。
【0086】
図15は、本実施形態において画像処理装置2のCPU11がプログラム21を読み出して実行することによって実現される制御部10の各種機能の一部として、電子メールの送信機能に関する処理部の一例を示すブロック図である。
【0087】
図15に示すように、本実施形態では、画像処理装置2の制御部10は、ユーザ認証部31、送信先アドレス登録部32、ジョブ実行制御部33、電子メール送信部34、電子メール受信部51および受信メール解析部52として機能する。尚、このうち、ユーザ認証部31、送信先アドレス登録部32、ジョブ実行制御部33および電子メール送信部34は第1の実施の形態で説明したものと同様である。ただし、本実施形態における電子メール送信部34は、電子メールを送信する際、画像処理装置2自身の電子メールアドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄の双方に設定した電子メールを送信することもできるようになっている。
【0088】
電子メール受信部51は、画像処理装置2自身の電子メールアドレスが送信先アドレスとして設定された電子メールを受信する処理部である。電子メール受信部51が自身宛の電子メールを受信すると、その受信メールを受信メール解析部52に出力する。
【0089】
受信メール解析部52は、電子メール受信部51が受信した電子メールを解析する処理部である。受信メール解析部52は、電子メール受信部51が受信した電子メールが返信メールであるか否かを確認し、返信メールである場合は、送信した電子メールのうち、どの電子メールに対する返信メールであるかを特定する。一般に、電子メールは例えばヘッダー情報に固有の識別情報(メッセージID)が付与されており、返信メールには元の電子メールの識別情報(メッセージID)が含まれている。受信メール解析部52は、受信メールのヘッダー情報などに含まれる識別情報を抽出し、電子メール送信部34が送信した電子メールのうち、どの電子メールに対する返信メールであるかを特定するように構成されている。
【0090】
また本実施形態の電子メール送信部34は、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが外部宛先である場合、その外部宛先に対して電子メールを送信する前に、外部宛先担当アドレスに承認用の電子メールを送信することによって窓口担当者の承認を得るように構成される。そして承認用の電子メールに対する返信メールを受信した場合に、窓口担当者による承認が得られたものとみなして、電子メール送信部34がログインユーザによって選択された送信先アドレスに対して電子メールを送信する。このとき、電子メール送信部34は、第1ないし第3の各実施形態で説明したように、外部宛先担当アドレスを、送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定し、さらに必要に応じて同報送信アドレス欄にも設定する。
【0091】
本実施形態においても、画像処理装置2が電子メールを送信する際の一連の処理手順は、第1の実施の形態で説明した図7および図8のフローチャートと同様である。ただし、本実施形態では図8における外部送信の事前処理(ステップS33)の具体的な処理の中身が第1の実施の形態と異なっている。それ故、以下においては、本実施形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細について説明する。
【0092】
図16は、第4の実施の形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、送信先アドレスが外部宛先である場合、送信先アドレス登録情報23(図5)の外部宛先担当アドレス23dを参照することにより、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに関連付けられている外部宛先担当アドレスを読み出す(ステップS71)。また制御部10は、ユーザ情報22(図4)を参照することにより、ログインユーザ(送信者)に対して登録されている電子メールアドレス22dを読み出す(ステップS72)。そして制御部10は、外部宛先担当アドレスと、ログインユーザの電子メールアドレスとのアドレス照合処理を行い(ステップS73)、ログインユーザが窓口担当者であるか否かを判断する。つまり、このアドレス照合処理で2つのアドレスが同一アドレスである場合、ログインユーザが窓口担当者であることが判明し、同一アドレスでない場合、ログインユーザが窓口担当者ではないことが判明する。
【0093】
アドレス照合処理の結果、同一アドレスでない場合(ステップS74でNO)、制御部10は、外部宛先担当アドレスに対して送信する承認用の電子メールを作成する(ステップS75)。ここで作成する承認用の電子メールは、送信先アドレス欄に外部宛先担当アドレスが設定され、送信元アドレス欄および返信用アドレス欄に画像処理装置2の電子メールアドレスが設定される。そしてメモリ12又は記憶装置20に格納されている文書データの添付された承認用の電子メールが作成される。
【0094】
そして制御部10は、ステップS75で作成した承認用の電子メールを外部宛先担当アドレスに対して送信する(ステップS76)。これにより、窓口担当者は、外部宛先に送信される前に、文書データの添付された承認用の電子メールを受信することができ、外部宛先に送信されようとしている文書データの中身などを確認することができる。そして外部宛先に送信することを承認する場合、窓口担当者は、その受信した承認用の電子メールに返信する操作を行えば良い。
【0095】
制御部10は、外部宛先担当アドレスに電子メールを送信した後、窓口担当者からの返信メール受信を待機する状態となっている(ステップS77)。そして窓口担当者が承認用の電子メールに返信した返信メールを受信すると(ステップS77でYES)、ヘッダー情報などに含まれる識別情報などから窓口担当者に送信した承認用の電子メールを特定し、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールを送信するための後続する処理(ステップS78〜S81)へと進む。
【0096】
一方、アドレス照合処理の結果、同一アドレスであった場合(ステップS74でYES)、上述したステップS75〜S77の処理はスキップする。つまり、この場合は、窓口担当者による承認処理は必要でないため、ログインユーザ(窓口担当者)によって選択された送信先アドレスに電子メールを送信するための後続する処理(ステップS78〜S81)へと進む。
【0097】
ログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールを送信する際、制御部10は、外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄に設定し(ステップS78)、続いて外部宛先担当アドレスを返信用アドレス欄に設定する(ステップS79)。さらに制御部10は、外部宛先担当アドレスを同報送信アドレス欄に設定し(ステップS80)、ログインユーザ(送信者)の電子メールアドレスを同報送信アドレス欄に設定する(ステップS81)。その後、文書データが添付された電子メールが作成され、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールが送信される。
【0098】
図17は、第4の実施の形態における電子メールの送信態様の一例を示す図である。図17に示すように、本実施形態ではユーザAが画像処理装置2にログインして外部宛先を指定して電子メールを送信しようとした場合、まず、画像処理装置2は、ユーザAによって指定された外部宛先の窓口担当者であるユーザBに対して承認用の電子メールEM1を送信する。ユーザBは、例えば自身のコンピュータ5においてその承認用の電子メールEM1を受信することで文書データの中身などを確認することができる。ここでユーザBが、外部宛先への電子メール送信を拒否する場合、承認用の電子メールEM1に対して返信を行わなければ良い。一方、ユーザBが、外部宛先への電子メールの送信を承認する場合、コンピュータ5において受信した承認用の電子メールEM1に対して返信メールEM2を返すための操作を行えば良い。尚、返信メールEM2の本文には、何も記載する必要はない。
【0099】
画像処理装置2は、窓口担当者であるユーザBに送信した承認用の電子メールEM1に対する返信メールEM2を受信すると、その返信メールEM2に基づいて、ログインユーザであるユーザAによって指定された電子メールの送信ジョブを特定する。そして返信メールEM2を受信したことで窓口担当者であるユーザBによる承認が得られたものとみなし、ユーザAによって指定された外部宛先に対し、電子メールEM3を送信する。このとき送信される電子メールEM3は、例えば図14に示した電子メール40bと同様の内容となる。ただし、図10又は図12に示した電子メールと同様の内容の送信するようにしても構わない。
【0100】
以上のように本実施形態の画像処理装置2は、電子メールの送信操作を行うログインユーザに対応付けられたユーザアドレスと、外部宛先担当アドレスとが一致するか否かを判断するように構成されている。そしてユーザアドレスと外部宛先担当アドレスとが一致しない場合に、電子メール送信部34は、ログインユーザによって指定された送信先アドレス(外部宛先)に対して電子メールを送信する前に、外部宛先担当アドレスに対して承認用の電子メールを送信する。そのため、窓口担当者は、自身宛に送信される承認用の電子メールを確認することにより、ログインユーザによって指定された送信先アドレス(外部宛先)に対して電子メールを送信することを許可するか否かの承認作業を効率良く行うことができる。
【0101】
また本実施形態の画像処理装置2は、自身宛の電子メールを受信することができるようになっており、電子メール送信部34は、承認用の電子メールに対する返信メールが受信された場合には、窓口担当者による承認が得られたものとみなし、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信するように構成されている。そのため、窓口担当者は、承認用の電子メールに対して返信を行う操作を行えば、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに電子メールが送信される。それ故、窓口担当者の承認作業が極めて簡単なものとなっており、作業負担を軽減することができる。
【0102】
(第5の実施の形態)
次に第5の実施の形態について説明する。本実施形態では、第4の実施の形態と同様、ログインユーザ(送信者)が指定した外部宛先に対して電子メールを送信する場合に、窓口担当者の承認を得るようにした形態について説明する。ただし、本実施形態では、窓口担当者が承認を行う際に、文書データに対する加工処理を指示した場合、画像処理装置2が窓口担当者の指示に基づいて文書データに対する加工処理を施す。そして、その加工処理が施された文書データを電子メールに添付してログインユーザ(送信者)が指定した外部宛先に電子メールを送信するように構成される。尚、本実施形態においても、情報処理システム1および画像処理装置2の各構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。以下、本実施形態が、第1の実施の形態と異なる点について説明する。
【0103】
図18は、本実施形態において画像処理装置2のCPU11がプログラム21を読み出して実行することによって実現される制御部10の各種機能の一部として、電子メールの送信機能に関する処理部の一例を示すブロック図である。
【0104】
図18に示すように、本実施形態では、画像処理装置2の制御部10は、ユーザ認証部31、送信先アドレス登録部32、ジョブ実行制御部33、電子メール送信部34、電子メール受信部51、受信メール解析部52および文書データ加工処理部53として機能する。尚、このうち、ユーザ認証部31、送信先アドレス登録部32、ジョブ実行制御部33および電子メール送信部34は第1の実施の形態で説明したものと同様である。また電子メール受信部51および受信メール解析部52は第4の実施の形態で説明したものと同様である。ただし、本実施形態でも電子メール送信部34は、電子メールを送信する際、画像処理装置2自身の電子メールアドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄に設定した電子メールを送信することもできるようになっている。
【0105】
電子メール受信部51は、画像処理装置2自身の電子メールアドレスが送信先アドレス欄に設定された電子メールを受信する処理部である。電子メール受信部51が自身宛の電子メールを受信すると、その受信メールを受信メール解析部52に出力する。
【0106】
受信メール解析部52は、電子メール受信部51が受信した電子メールを解析する処理部である。受信メール解析部52は、電子メール受信部51が受信した電子メールが返信メールであるか否かを確認し、返信メールである場合は、ヘッダー情報などを解析することにより、電子メール送信部34が送信した電子メールのうち、どの電子メールに対する返信メールであるかを特定する。
【0107】
また本実施形態の受信メール解析部52は、受信メールの本文を解析し、受信メールの本文中に、窓口担当者が文書データに対する加工処理を指定しているか否かを判断する。ここで文書データに対する加工処理は、例えば、文書データの暗号化処理、文書データに対してその作成や更新などを示すタイムスタンプの電子データを付加する処理、会社の社名又はロゴなどの画像を文書データに合成する処理、「機密」や「重要書類」といった文字や画像などを文書データに合成する処理などである。そのため、受信メール解析部52は、窓口担当者が文書データに対する加工処理を指定している場合、窓口担当者によってどのような加工処理が指定されているかを特定する。例えば、受信メール解析部52は、受信メールの本文から「暗号化」という文字列を抽出すれば、文書データの暗号化処理が指定されていることを特定する。また受信メールの本文から「タイムスタンプ」という文字列を抽出すれば、タイムスタンプの電子データを文書データに付加する処理を特定する。また受信メールの本文から「社名」や「ロゴ」といった文字列を抽出すれば、会社の社名やロゴなどの画像を文書データに合成する処理を特定する。さらに受信メールの本文から「機密」や「重要書類」といった文字列を抽出すれば、それらの文字や画像などを文書データに合成する処理を特定する。
【0108】
文書データ加工処理部53は、上記のように受信メール解析部52が受信メールを解析した結果、窓口担当者から受信した受信メールに、文書データに対する加工処理の指定が含まれている場合、その指定された加工処理を実行する処理部である。すなわち、文書データ加工処理部53は、メモリ12や記憶装置20に格納されている文書データを読み出し、その文書データに対して指定された加工処理を施すように構成される。例えば、文書データの暗号化処理の場合、文書データ加工処理部54は、メモリ12や記憶装置20から読み出した文書データに対して所定の暗号化処理を施す。またその他の加工処理が指定されている場合には、窓口担当者によって指定された処理を施す。
【0109】
また本実施形態の電子メール送信部34は、第4の実施の形態と同様に、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが外部宛先である場合、その外部宛先に対して電子メールを送信する前に、外部宛先担当アドレスに承認用の電子メールを送信することによって窓口担当者の承認を得るように構成される。そして窓口担当者から承認用の電子メールに対する返信メールを受信した場合には、受信メール解析部52による解析結果に基づいて上述したような加工処理が施された文書データを添付した電子メールを作成し、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに対して電子メールを送信する。また窓口担当者が返信した返信メールに加工処理の指定がない場合は、第4の実施の形態と同様に、その返信メールを受信したことをもって、窓口担当者による承認が得られたものとみなされる。そのため、この場合は加工処理を施すことなく、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールを送信する。電子メール送信部34が電子メールを送信する際、第1ないし第3の各実施形態で説明したように、外部宛先担当アドレスが、送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定され、さらに必要に応じて同報送信アドレス欄にも設定される。
【0110】
本実施形態においても画像処理装置2が電子メールを送信する際の一連の処理手順は、第1の実施の形態で説明した図7および図8のフローチャートと同様である。ただし、本実施形態では図8における外部送信の事前処理(ステップS33)の具体的な処理の中身が第1の実施の形態と異なっている。それ故、以下においては、本実施形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細について説明する。
【0111】
図19および図20は、第5の実施の形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、送信先アドレスが外部宛先である場合、送信先アドレス登録情報23(図5)の外部宛先担当アドレス23dを参照することにより、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに関連付けられている外部宛先担当アドレスを読み出す(ステップS91)。また制御部10は、ユーザ情報22(図4)を参照することにより、ログインユーザ(送信者)に対して登録されている電子メールアドレス22dを読み出す(ステップS92)。そして制御部10は、外部宛先担当アドレスと、ログインユーザの電子メールアドレスとのアドレス照合処理を行い(ステップS93)、ログインユーザが窓口担当者であるか否かを判断する。つまり、このアドレス照合処理で2つのアドレスが同一アドレスである場合、ログインユーザが窓口担当者であることが判明し、同一アドレスでない場合、ログインユーザが窓口担当者ではないことが判明する。
【0112】
アドレス照合処理の結果、同一アドレスでない場合(ステップS94でNO)、制御部10は、外部宛先担当アドレスに対して送信する承認用の電子メールを作成する(ステップS95)。ここで作成する承認用の電子メールは、送信先アドレス欄に外部宛先担当アドレスが設定され、送信元アドレス欄および返信用アドレス欄に画像処理装置2の電子メールアドレスが設定される。そしてメモリ12又は記憶装置20に格納されている文書データの添付された承認用の電子メールが作成される。
【0113】
そして制御部10は、ステップS95で作成した承認用の電子メールを外部宛先担当アドレスに対して送信する(ステップS96)。これにより、窓口担当者は、外部宛先に送信される前に、文書データの添付された承認用の電子メールを受信することができ、外部宛先に送信されようとしている文書データの中身などを確認することができる。窓口担当者が承認用の電子メールに添付されている文書データを確認するとき、外部宛先に送信するために必要な加工処理が文書データに施されているか否かを確認する。そして必要な加工処理が施されていない場合には、その承認用の電子メールに返信する際、返信メールの本文中に必要な加工処理を指定することによって加工処理の指示を行う。尚、文書データに対して既に必要な加工処理が施されている場合、窓口担当者は、その受信した電子メールに対して単に返信する操作のみを行えば良い。
【0114】
制御部10は、外部宛先担当アドレスに電子メールを送信した後、窓口担当者からの返信メール受信を待機する状態となっている(ステップS97)。そして窓口担当者からの返信メールを受信すると(ステップS97でYES)、受信メールの解析処理を行う(ステップS98)。この受信メール解析処理では、ヘッダー情報などに含まれる識別情報などから窓口担当者に送信した電子メールを特定する処理が行われると共に、受信メールの本文中に文書データに対する加工処理が指定されているか否かを特定する処理が行われる。
【0115】
そして文書データに対する加工処理が指定されている場合(ステップS99でYES)、制御部10は、文書データ加工処理部53を機能させ、窓口担当者によって指定された文書データの加工処理を実行する(ステップS100)。これにより、ログインユーザが選択した外部宛先に対して電子メールを送信する際、文書データに対して必要な加工処理が施される。例えば、電子メールに添付する文書データには暗号化処理を行っておくことが必要であるにもかかわらず、文書データの暗号化処理が行なわれていない場合、窓口担当者が暗号化処理を指定することでその文書データに対する暗号化処理を行うことができる。
【0116】
一方、文書データに対する加工処理が指定されていない場合(ステップS99でNO)、文書データ加工処理(ステップS100)はスキップする。また、アドレス照合処理の結果、同一アドレスであった場合(ステップS94でYES)、ログインユーザが窓口担当者であるため、ステップS95〜S100の処理はスキップする。
【0117】
図20のフローチャートに進み、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールを送信する際、制御部10は、外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄に設定し(ステップS101)、続いて外部宛先担当アドレスを返信用アドレス欄に設定する(ステップS102)。さらに制御部10は、外部宛先担当アドレスを同報送信アドレス欄に設定し(ステップS103)、ログインユーザ(送信者)の電子メールアドレスを同報送信アドレス欄に設定する(ステップS104)。その後、文書データの添付された電子メールが作成され、ログインユーザによって選択された送信先アドレスにその電子メールが送信される。
【0118】
以上のように本実施形態の画像処理装置2は、窓口担当者に送信した承認用の電子メールに対する返信メールを受信した場合、該返信メールを解析し、その解析結果に基づいて、文書データに対する加工処理を行う。そして電子メール送信部34は、外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄に設定した電子メールに、加工処理が施された文書データを添付してログインユーザにより指定された送信先アドレスに送信する。したがって、窓口担当者が承認用の電子メールを受信してログインユーザが選択した送信先アドレスに送信する電子メールの内容を確認したとき、文書データに対する加工処理が行われていない場合は、返信メールにおいて文書データに対する加工処理を指示することで、必要な加工処理を実行させることができる。それ故、窓口担当者は、文書データに対する加工処理を指示する場合でもその作業を効率良く行うことができる。
【0119】
(第6の実施の形態)
次に第6の実施の形態について説明する。上述の第5の実施の形態では、ログインユーザ(送信者)が指定した送信先アドレスが外部宛先であれば、その外部宛先に対して電子メールを送信する前に、必ず窓口担当者に対して承認用の電子メールが送信される。これに対し、本実施形態では、ログインユーザ(送信者)が指定した送信先アドレスが外部宛先である場合、その外部宛先に対して送信する電子メールに添付する文書データに必要な加工処理が施されているか否かを事前に判定し、必要な加工処理が施されていないときに、承認用の電子メールを送信するようにした形態について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理システム1および画像処理装置2の各構成は、第1又は第5の実施の形態で説明したものと同様である。以下、本実施形態が、第5の実施の形態と異なる点について説明する。
【0120】
図21は、第6の実施の形態において画像処理装置2に登録された送信先アドレス登録情報23の一例を示す図である。図21に示すように、本実施形態の送信先アドレス登録情報23には、登録番号23aと、電子メールによる送信先アドレス23bと、送信先アドレスの宛先種別を示す宛先種別情報23cと、宛先種別が外部宛先の場合に登録される外部宛先担当アドレス23dと、宛先種別が外部宛先の場合に登録される文書データに対する加工処理の関する情報23eとが登録されている。尚、図21に示す送信先アドレス登録情報23が、図5に示したものと異なる点は、加工処理に関する情報23eである。図21に示すように、登録番号「1」の外部宛先に電子メールを送信する場合、文書データに対する加工処理として「暗号化処理」が定められている。また登録番号「4」の外部宛先に電子メールを送信する場合、文書データに対する加工処理として「タイムスタンプ」が定められている。さらに登録番号「5」の外部宛先に電子メールを送信する場合、文書データに対する加工処理として「特定画像合成」が定められている。ここで特定画像合成とは、例えば会社の社名又はロゴなどの画像、「機密」や「重要書類」といった文字や画像などの特定の画像を合成する処理である。このように図21に示す送信先アドレス登録情報23には、登録された外部宛先に電子メールを送信する場合、文書データに対して施すべき加工処理が予め設定されている。
【0121】
そして本実施形態の画像処理装置2は、ログインユーザ(送信者)が指定した送信先アドレスが外部宛先である場合、図21の送信先アドレス登録情報23に基づいて文書データに対する必要な加工処理を判別し、その外部宛先に対して送信する電子メールに添付する文書データに必要な加工処理が施されているか否かを事前に判定するように構成される。
【0122】
本実施形態においても画像処理装置2が電子メールを送信する際の一連の処理手順は、第1の実施の形態で説明した図7および図8のフローチャートと同様である。ただし、本実施形態では図8における外部送信の事前処理(ステップS33)の具体的な処理の中身が第1の実施の形態と異なっている。それ故、以下においては、本実施形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細について説明する。
【0123】
図22および図23は、第6実施の形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、送信先アドレスが外部宛先である場合、送信先アドレス登録情報23(図21)の外部宛先担当アドレス23dを参照することにより、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに関連付けられている外部宛先担当アドレスを読み出す(ステップS111)。また制御部10は、ユーザ情報22(図4)を参照することにより、ログインユーザ(送信者)に対して登録されている電子メールアドレス22dを読み出す(ステップS112)。そして制御部10は、外部宛先担当アドレスと、ログインユーザの電子メールアドレスとのアドレス照合処理を行い(ステップS113)、ログインユーザが窓口担当者であるか否かを判断する。
【0124】
アドレス照合処理の結果、同一アドレスでない場合(ステップS114でNO)、制御部10は、送信先アドレス登録情報23(図21)を参照することにより、選択された送信先アドレスに必要な加工処理の指定があるか否かを判断する(ステップS115)。送信先アドレス登録情報23(図21)に加工処理の指定がある場合(ステップS115でYES)、制御部10は、メモリ12又は記憶装置20に格納されている文書データにその指定された加工処理が既に施されているか否かを判断する(ステップS116)。ここでの判断は、原稿スキャンを行って文書データを生成したとき(図7のステップS26,S27参照)、その文書データに対して行われた処理内容を確認することによって行われる。その結果、文書データに対する加工処理が未だ行われていない場合(ステップS116でNO)、制御部10は、外部宛先担当アドレスに対して送信する承認用の電子メールを作成する(ステップS117)。ここで作成する承認用の電子メールは、送信先アドレス欄に外部宛先担当アドレスが設定され、送信元アドレス欄および返信用アドレス欄に画像処理装置2の電子メールアドレスが設定される。そしてメモリ12又は記憶装置20に格納されている文書データの添付された承認用の電子メールが作成される。
【0125】
そして制御部10は、ステップS117で作成した承認用の電子メールを外部宛先担当アドレスに対して送信する(ステップS118)。これにより、窓口担当者は、外部宛先に送信される前に、文書データの添付された承認用の電子メールを受信することができ、外部宛先に送信されようとしている文書データの中身などを確認することができる。窓口担当者が電子メールに添付されている文書データを確認するとき、外部宛先に送信するために必要な加工処理が文書データに施されているか否かを確認し、必要な加工処理が施されていない場合には、その受信した電子メールに返信する際に、返信メールの本文中に必要な加工処理を指定することによって加工処理の指示を行う。
【0126】
制御部10は、外部宛先担当アドレスに電子メールを送信した後、窓口担当者からの返信メール受信を待機する状態となっている(ステップS119)。そして窓口担当者からの返信メールを受信すると(ステップS119でYES)、受信メールの解析処理を行う(ステップS120)。この受信メール解析処理では、ヘッダー情報などに含まれる識別情報などから窓口担当者に送信した電子メールを特定する処理が行われると共に、受信メールの本文中に文書データに対する加工処理が指定されているか否かを特定する処理が行われる。
【0127】
そして図23のフローチャートに進み、文書データに対する加工処理が指定されている場合(ステップS121でYES)、制御部10は、文書データ加工処理部53を機能させ、窓口担当者によって指定された文書データの加工処理を実行する(ステップS122)。これにより、ログインユーザが選択した外部宛先に対して電子メールを送信する際、文書データに対する必要な加工処理を行っておくことができる。
【0128】
一方、文書データに対する加工処理が指定されていない場合(ステップS121でNO)、文書データ加工処理(ステップS122)はスキップする。また、アドレス照合処理の結果、同一アドレスであった場合(ステップS114でYES)、ログインユーザが窓口担当者であるため、ステップS115〜S122の処理はスキップする。また図21の送信先アドレス登録情報23においてログインユーザが指定した外部宛先に対応する加工処理の指定がなされていない場合(ステップS115でNO)、文書データに対する加工処理は必要ないので、ステップS116〜S122の処理はスキップする。さらに、文書データに対して必要な加工処理が既に施されている場合(ステップS116でYES)、窓口担当者による確認作業は必要ないので、ステップS117〜S122の処理はスキップする。
【0129】
そしてログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールを送信する際、制御部10は、外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄に設定し(ステップS123)、続いて外部宛先担当アドレスを返信用アドレス欄に設定する(ステップS124)。さらに制御部10は、外部宛先担当アドレスを同報送信アドレス欄に設定し(ステップS125)、ログインユーザ(送信者)の電子メールアドレスを同報送信アドレス欄に設定する(ステップS126)。その後、文書データが添付された電子メールが作成され、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールが送信される。
【0130】
以上のように本実施形態の画像処理装置2では、記憶装置20に記憶している送信先アドレス登録情報23に、文書データに対して行うべき加工処理が予め登録されており、電子メール送信部34は、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに電子メールを送信する際、文書データに対して送信先アドレス登録情報23に登録された加工処理が施されているか否かを判別する。そして、必要な加工処理が施されていない場合には、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する前に、外部宛先担当アドレスに対して承認用の電子メールを送信する。すなわち本実施形態では、文書データに対して必要な加工処理が施されていない場合にのみ、窓口担当者による承認処理を経て、ログインユーザの指定した外部宛先に電子メールを送信するように構成されている。したがって、ログインユーザが外部宛先に送信する文書データに対し、予め指定された加工処理が施されている場合には、窓口担当者が承認処理を行う必要がなくなるので、窓口担当者の作業負担をより一層軽減することができると共に、外部宛先に送信する文書データには必要な加工処理を施した状態で電子メールを送信することが可能である。
【0131】
(第7の実施の形態)
次に第7の実施の形態について説明する。本実施形態では、ログインユーザが送信先アドレスを選択する際、画像処理装置2が、送信先アドレス登録情報23に基づいて、操作パネル13の表示部14に送信先アドレス選択画面を表示するための一実施形態について説明する。本実施形態は、上述した第1乃至第6の各実施形態にも適用可能である。尚、本実施形態においても、情報処理システム1および画像処理装置2の各構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。以下、本実施形態が、第1の実施の形態と異なる点について説明する。
【0132】
図24は、第7の実施の形態において画像処理装置2に予め登録されたユーザ情報22の一例を示す図である。図24に示すように、本実施形態のユーザ情報22には、画像処理装置2を使用することが許可されたユーザのユーザID22a、ユーザ名22b、パスワード22c、電子メールアドレス22d、所属グループ22eに関する情報が登録されている。図24に示すユーザ情報22が、図4に示したものと異なる点は、所属グループ22eに関する情報である。つまり、本実施形態のユーザ情報22には、ユーザごとの所属グループが登録されているため、ユーザ情報22を参照すれば、各ユーザが所属するグループを特定することができるようになっている。
【0133】
そして本実施形態では、画像処理装置2の制御部10が、図7および図8に示したフローチャートに基づく処理を行っているとき、記憶装置20から送信先アドレス登録情報23を読み出した後(ステップS28)、操作パネル13の表示部14に対して送信先アドレス選択画面を表示する際に(ステップS29)、図25に示す処理を実行する。以下、この処理について説明する。
【0134】
図25は、本実施形態における送信先アドレス選択画面表示(ステップS29)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、表示部14に対して送信先アドレス選択画面を表示する際、まず送信先アドレス登録情報23に登録されている1つの送信先アドレスを読み出す(ステップS201)。そして、その読み出した送信先アドレスの宛先種別を確認し、宛先種別が外部宛先であるか否かを判別する(ステップS202)。ここで宛先種別が内部宛先である場合(ステップS202でNO)、制御部10は、その読み出した送信先アドレスを表示部14に表示する表示対象として設定する(ステップS207)。これに対し、宛先種別が外部宛先である場合(ステップS202でYES)、制御部10は、その送信先アドレスに対応して登録されている外部宛先担当アドレスを読み出し(ステップS203)、その外部宛先担当アドレスに基づいて図24に示したユーザ情報22を検索することで、窓口担当者の所属グループを特定する(ステップS204)。そしてログインユーザと窓口担当者とが同一のグループに属するか否かを判断する(ステップS205)。ここで同一グループに属する場合(ステップS205でYES)、制御部10は、その読み出した送信先アドレスを表示部14に表示する表示対象として設定する(ステップS207)。これに対し、ログインユーザと窓口担当者とが同一のグループに属さない場合(ステップS205でNO)、制御部10は、その読み出した送信先アドレスを表示部14に表示しない非表示として設定する(ステップS206)。ここまでの処理により、ステップS201で読み出した1つの送信先アドレスに対する表示/非表示の設定が終了する。
【0135】
続いて制御部10は、送信先アドレス登録情報23に他の送信先アドレスが登録されているか否かを判断し(ステップS208)、登録されている場合は、ステップS201に戻り、上述した処理を繰り返す。そして送信先アドレス登録情報23に登録されている全ての送信先アドレスに対する表示/非表示の設定が終了すると(ステップS208でNO)、制御部10は、送信先アドレス登録情報23に登録されている送信先アドレスのうち、表示対象として設定された送信先アドレスのみを抽出して表示部14に表示する(ステップS209)。
【0136】
以上のような処理によって表示部14に送信先アドレス選択画面が表示されると、内部宛先に関しては送信先アドレス登録情報23に登録されている全てのアドレスが一覧表示に表示されるが、外部宛先に関してはログインユーザと同一のグループに属する窓口担当者が外部宛先担当アドレス23dに登録されているもののみが表示されることになる。したがって、本実施形態では、送信先アドレス登録情報23に登録されている送信先アドレスが外部宛先である場合、ログインユーザが窓口担当者と同一グループに属していない送信先アドレスは、送信先アドレス選択画面に表示されなくなる。その結果、ログインユーザは操作を誤って関係のない外部宛先に対して電子メールを送信してしまうことを防止することができる。そして本実施形態では、窓口担当者による確認作業を要することなく、誤った電子メールの送信を防止できるので、窓口担当者の作業負担が軽減されるようになる。
【0137】
(変形例)
以上、本発明に関するいくつかの実施の形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限定されるものではなく、上述した他にも本発明には種々の変形例が適用可能である。
【0138】
例えば、上述した各実施形態では、一例として、画像処理装置2に対し、ユーザが「SCAN to E−mail」を指定した場合に、そのユーザによって指定された送信先アドレスに対してその電子メールを送信する一態様を例示した。しかし、本発明では、必ずしもそのような態様に限定されるものではない。例えば、画像処理装置2が電子メール送信装置として機能する場合、記憶装置20などに予め保存されている文書データなどを添付して電子メール送信することも可能である。このような場合には画像処理装置2が電子メールを送信する際、原稿のスキャンは伴わずに電子メールが送信されることになる。
【0139】
また上述した各実施形態における電子メール送信形態は、いわゆるインターネットFAX(iFAX)にも適用することが可能である。
【0140】
さらに、上述した各実施形態では、図1に示した情報処理システム1において、画像処理装置2が電子メール送信装置として機能する場合を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、図1に示したコンピュータ5やサーバ3などが電子メール送信装置として機能するものであっても構わない。またその他にも、上述した電子メール送信形態は、種々の装置に対して適用することが可能である。
【0141】
このように上述した各実施形態における説明は、全ての点において例示であって、本発明に関する限定的なものではない。
【符号の説明】
【0142】
1 情報処理システム
2 画像処理装置(電子メール送信装置)
10 制御部
11 CPU
12 メモリ
20 記憶装置(記憶手段)
21 プログラム
22 ユーザ情報
23 送信先アドレス登録情報
34 電子メール送信部(送信手段)
35 送信先アドレス指定部
36 宛先種別判定部
37 送信元設定部
38 メール作成部
39 送信処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メール送信装置およびプログラムに関し、特に予め登録された送信先アドレスに対して電子メールを送信する際の情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像処理装置には、文書を読み取った文書データを電子メールに添付し、ユーザによって指定された送信先アドレスに送信することができるものが存在する。このような従来の画像処理装置は、電子メールを送信する際、画像処理装置が電子メールの送信元であることを示す情報を電子メールに設定する。例えば、電子メールの送信元アドレス欄や返信用アドレス欄に対し、画像処理装置に付与された電子メールアドレスを設定することにより、該画像処理装置が送信元であることが示されている。
【0003】
ところが、画像処理装置が電子メールを送信する際、当該画像処理装置に付与されている電子メールアドレスを送信元アドレス欄や返信用アドレス欄などに設定して電子メールを送信すると、画像処理装置を使用可能な複数のユーザのうち、誰が画像処理装置を操作して電子メールを送信したのかが判らないという問題がある。また画像処理装置が送信した電子メールに対して返信が行われた場合、その返信メールは画像処理装置に戻ってしまい、画像処理装置を操作して電子メールを送信したユーザが返信メールを確認することができないという問題もある。
【0004】
一方、従来、ネットワークに接続された複合機において、送信者により入力される送信者IDに基づいて送信者識別情報を抽出し、その抽出された送信者識別情報で、情報受信者へ情報を送信する技術が提案されている(例えば特許文献1)。この従来技術によれば、画像処理装置を操作したユーザが送信元であることを示す情報が設定されるので、上述の問題は解決される。
【0005】
またこの他にも、例えば送信先アドレスが携帯電話アドレスか否かを判断し、携帯電話アドレスである場合には電子メールのサブジェクトを変更して送信する技術が提案されている(例えば特許文献2)。この従来技術は、送信先アドレスに応じて特定のサブジェクトが設定された電子メールを送信することにより、受信する携帯電話機において受信拒否がなされるのを防ぐためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−94638号公報
【特許文献2】特開2007−6221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、オフィスなどに設置されるMFPなどの画像処理装置の場合、予め登録された複数の送信先アドレスのうちから、ユーザによって選択された送信先アドレスに対して電子メールの送信を行うものが一般的である。画像処理装置に予め登録される送信先アドレスには、社内などの内部アドレスと、社外などの外部アドレスとが含まれている。外部アドレスの場合には取引先などの会社宛や個人宛の電子メールアドレスが登録されている。
【0008】
またオフィスにおける業務形態として、取引先などの社外とのやり取りを行う場合、社内の個々の実務担当者が直接社外とやり取りを行うのではなく、例えば社内の窓口担当者を少なくとも一人決めておいて、個々の実務担当者は窓口担当者を介して社外とのやり取りを行うようにしているケースが多い。また社外のサポート窓口などの場合には、契約上、例えば社内の窓口担当者は1名までと決まっていて、社外のサポート窓口はその予め定められた窓口担当者からの電子メールのみを受け付けるようにしているケースもある。
【0009】
上記のようなケースでは、社内における複数の実務担当者から窓口担当者に対して電子メールの送信依頼が集中することになる。窓口担当者は、各実務担当者からの依頼内容を確認し、必要に応じて文書データを社外に送信することができるデータ形式などに加工し、依頼された外部アドレスに対して電子メールを送信する作業を行う必要がある。そのため、複数の実務担当者から窓口担当者に電子メールの送信依頼が集中すると、窓口担当者の作業負担が過大になるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、窓口担当者の作業負担を軽減することができる電子メール送信装置およびプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、ユーザによる操作に基づいて電子メールを送信する電子メール送信装置であって、電子メールの送信先アドレスと、該送信先アドレスの種別として内部宛先と外部宛先とのいずれか一方が登録される宛先種別情報と、前記宛先種別情報が外部宛先である場合に登録される外部宛先担当アドレスと、が互いに関連づけられた送信先アドレス登録情報を記憶する記憶手段と、前記送信先アドレス登録情報に含まれる複数の送信先アドレスの中からユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する送信手段と、を備え、前記送信手段は、指定された送信先アドレスに関連づけられた前記宛先種別情報が外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた前記外部宛先担当アドレスを読み出し、該外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信することを特徴としている。
【0012】
また請求項2にかかる発明は、請求項1記載の電子メール送信装置において、前記送信手段は、前記外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを指定された送信先アドレスに送信する際、前記外部宛先担当アドレスを同報送信アドレス欄に設定して送信することを特徴としている。
【0013】
また請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の電子メール送信装置において、電子メールの送信操作を行うユーザに対応付けられたユーザアドレスを特定するユーザアドレス特定手段をさらに備え、前記送信手段は、前記外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを指定された送信先アドレスに送信する際、前記ユーザアドレスを同報送信アドレス欄に設定して送信することを特徴としている。
【0014】
また請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の電子メール送信装置において、電子メールの送信操作を行うユーザに対応付けられたユーザアドレスを特定するユーザアドレス特定手段と、前記アドレス特定手段によって特定される前記ユーザアドレスと、前記送信手段によって送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定される前記外部宛先担当アドレスとが一致するか否かを判断するアドレス照合手段と、をさらに備え、前記アドレス照合手段により前記ユーザアドレスと前記外部宛先担当アドレスとが一致しないと判断された場合、前記送信手段は、ユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する前に、前記外部宛先担当アドレスに対して承認用の電子メールを送信することを特徴としている。
【0015】
また請求項5にかかる発明は、請求項4記載の電子メール送信装置において、電子メールを受信する受信手段をさらに備え、前記送信手段は、前記受信手段により前記承認用の電子メールに対する返信メールが受信された場合、ユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信することを特徴としている。
【0016】
また請求項6にかかる発明は、請求項4記載の電子メール送信装置において、電子メールを受信する受信手段と、前記受信手段が受信した電子メールを解析する解析手段と、電子メールに添付される文書データに対する加工処理を行う加工処理手段と、をさらに備え、前記解析手段は、前記受信手段により前記承認用の電子メールに対する返信メールが受信された場合、該返信メールを解析し、前記加工処理手段は、前記解析手段による前記返信メールの解析結果に基づいて、前記送信手段が送信する電子メールに添付された文書データに対する加工処理を行い、前記送信手段は、前記外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールに、前記加工処理手段によって加工処理が施された文書データを添付してユーザにより指定された送信先アドレスに送信することを特徴としている。
【0017】
また請求項7にかかる発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の電子メール送信装置において、前記送信先アドレス登録情報には、外部宛先に対して文書データを添付した電子メールを送信する場合に、前記文書データに対して行うべき加工処理が登録されており、前記送信手段は、ユーザによって指定された送信先アドレスに電子メールを送信する際、該電子メールに添付された文書データに対して前記送信先アドレス登録情報に登録された前記加工処理が施されているか否かを判別し、前記加工処理が施されていない場合には、ユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する前に、前記外部宛先担当アドレスに対して承認用の電子メールを送信することを特徴としている。
【0018】
また請求項8にかかる発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の電子メール送信装置において、前記記憶手段には、ユーザごとに所属するグループが登録されたユーザ情報がさらに記憶されており、ユーザに対して各種情報を表示する表示手段と、ユーザが前記送信先アドレス登録情報に含まれる複数の送信先アドレスの中から電子メールを送信する送信先アドレスを選択する際に、前記ユーザ情報を参照することにより電子メールの送信操作を行うユーザが所属するグループを特定し、該グループに対応する外部宛先担当アドレスが関連づけられている送信先アドレスのみを前記表示手段に表示する表示制御手段と、をさらに備えることを特徴としている。
【0019】
さらに請求項9にかかる発明は、プログラムであって、コンピュータを、電子メールの送信先アドレスと、該送信先アドレスの種別として内部宛先と外部宛先とのいずれか一方が登録される宛先種別情報と、前記宛先種別情報が外部宛先である場合に登録される外部宛先担当アドレスと、が互いに関連づけられた送信先アドレス登録情報を記憶する記憶手段、および、前記送信先アドレス登録情報に含まれる複数の送信先アドレスの中からユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する送信手段として機能させ、前記送信手段は、指定された送信先アドレスに関連づけられた前記宛先種別情報が外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた前記外部宛先担当アドレスを読み出し、該外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信する処理を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザによって指定された送信先アドレスに関連づけられた宛先種別情報が外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信するので、窓口担当者に電子メールの送信依頼を行うことなく、ユーザ自身が電子メールの送信作業を行うことができるようになる。したがって、窓口担当者に対して電子メールの送信依頼が集中することがなくなり、窓口担当者の作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態として電子メール送信装置を含む情報処理システムの一構成例を示す図である。
【図2】電子メール送信装置として機能する画像処理装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】画像処理装置における電子メール送信機能に関する処理部の一例を示すブロック図である。
【図4】画像処理装置に予め登録されたユーザ情報の一例を示す図である。
【図5】画像処理装置に登録された送信先アドレス登録情報の一例を示す図である。
【図6】新規な送信先アドレスを送信先アドレス登録情報に登録する際の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】画像処理装置の制御部において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】画像処理装置の制御部において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態において画像処理装置から外部宛先に送信される電子メールの一例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態において画像処理装置から外部宛先に送信される電子メールの一例を示す図である。
【図13】第3の実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態において画像処理装置から外部宛先に送信される電子メールの一例を示す図である。
【図15】第4の実施の形態における電子メール送信機能に関する処理部の一例を示すブロック図である。
【図16】第4の実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】第4の実施の形態における外部宛先への電子メールの送信態様の一例を示す図である。
【図18】第5の実施の形態における電子メール送信機能に関する処理部の一例を示すブロック図である。
【図19】第5の実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】第5の実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図21】第6の実施の形態において画像処理装置に登録される送信先アドレス登録情報の一例を示す図である。
【図22】第6実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】第6実施の形態における外部送信の事前処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図24】第7の実施の形態において画像処理装置に予め登録されたユーザ情報の一例を示す図である。
【図25】第7の実施の形態における送信先アドレス選択画面表示の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0023】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態における情報処理システム1の一構成例を示す図である。情報処理システム1は、複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像処理装置2と、メールサーバ3と、複数のコンピュータ5と、ルータなどのネットワーク接続装置6とを備えている。これらの各装置は、社内LANなどのネットワーク4を介して相互にデータ通信可能なように接続され、内部ネットワーク8を構築している。またネットワーク接続装置6には、インターネットなどの外部ネットワーク9が接続されている。そのため、画像処理装置2、メールサーバ3およびコンピュータ5のそれぞれは、ネットワーク接続装置6を介して外部ネットワーク9とのデータ通信を行うこともできるようになっている。尚、図例では、内部ネットワーク8に1台の画像処理装置2が設けられている場合を示しているが、画像処理装置2の台数はこれに限られるものではなく、複数台の画像処理装置2が設けられていても良い。
【0024】
本実施形態では、上記のシステム構成において、画像処理装置2が本発明に関する電子メール送信装置として機能する場合を例示する。つまり、本実施形態の画像処理装置2は、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、FAX機能などの他、電子メールの送受信を行う機能を有しており、例えばユーザが「SCAN to E−mail」を指定した場合には、文書を読み取って生成した文書データを電子メールに添付し、ユーザによって指定された送信先アドレスに対してその電子メールを送信する。
【0025】
メールサーバ3は、例えば画像処理装置2から送信される電子メールの送信先アドレスに基づいて、該電子メールを外部ネットワーク9に設けられた他のメールサーバに送信したり、或いは、内部ネットワーク8に設けられた各コンピュータ5に出力したりするものである。また内部ネットワーク8に設けられた各コンピュータ5は、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)などで構成され、例えばユーザごとに1台ずつ割り当てられたコンピュータである。
【0026】
図2は、画像処理装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置2は、制御部10と、操作パネル13と、スキャナ部16と、プリンタ部17と、FAX部18と、ネットワーク通信部19と、記憶装置20とを備え、これらがデータバス2aを介して相互にデータの入出力が可能な構成となっている。
【0027】
制御部10は、CPU11とメモリ12とを備えている。CPU11は、記憶装置20に予め格納されているプログラム21を読み出して実行することにより、画像処理装置2の各部を制御する。特に本実施形態では、CPU11がプログラム21を実行することにより、画像処理装置2が電子メール送信装置として機能する。メモリ12は、CPU11がプログラム21を実行することによる各種データなどを一次的に記憶するためのものであり、例えば半導体メモリなどで構成される。
【0028】
操作パネル13は画像処理装置2を使用するユーザが操作するためのものであり、ユーザに対して各種情報を表示する表示部14と、ユーザが各種情報を入力するために操作する操作入力部15とを備えている。表示部14は、例えば液晶ディスプレイなどで構成される。また操作入力部15は、表示部14の画面上に設けられたタッチパネルキーや、表示部14の周囲に配置された押しボタン式キーなどで構成される。
【0029】
スキャナ部16は、文書(原稿)を読み取った画像を文書データとして出力する処理部である。スキャナ部16から出力される文書データは、例えば制御部10のメモリ12に一時的に格納されたり、或いは、記憶装置20に格納される。
【0030】
プリンタ部17は、文書データに基づいて出力用紙などに画像形成を行って出力する処理部である。例えば画像処理装置2のコピー機能やプリント機能が使用される際、或いは、FAXデータを受信した際などに、プリンタ部17が作動して画像出力を行う。
【0031】
FAX部18は、FAXデータの送受信を行う処理部である。FAX部18には例えば公衆電話回線などが接続され、FAXデータの送受信を行うことができる。
【0032】
ネットワーク通信部19は、画像処理装置2をネットワーク4に接続し、ネットワーク4を介してデータの送受信を行う処理部である。例えば画像処理装置2が電子メールの送受信を行う場合には、このネットワーク通信部19を介して電子メールの送受信が行われる。
【0033】
記憶装置20は、例えばハードディスク装置などのような不揮発性の記憶手段である。この記憶装置20には、図2に示すように、CPU11によって実行されるプログラム21と、画像処理装置2を使用するユーザに関する情報が登録されたユーザ情報22と、電子メールの送信先アドレスが登録された送信先アドレス登録情報23とが記憶されている。尚、この記憶装置20には、上述したようにスキャナ部16が読み取った文書データや、ネットワーク4を介してコンピュータ5などから入力した文書データなども記憶される。
【0034】
上記構成の画像処理装置2において、例えばスキャナ部16が文書を読み取って生成した文書データを電子メールに添付して送信する場合について説明する。図3は、CPU11がプログラム21を読み出して実行することによって実現される制御部10の各種機能の一部として、電子メールの送信機能に関する処理部の一例を示すブロック図である。
【0035】
図3に示すように、制御部10は、ユーザ認証部31、送信先アドレス登録部32、ジョブ実行制御部33および電子メール送信部34として機能する。また電子メール送信部34は、さらに、送信先アドレス指定部35、宛先種別判定部36、送信元設定部37、メール作成部38および送信処理部39として機能する。以下、これら各部について説明する。
【0036】
ユーザ認証部31は、画像処理装置2を操作するユーザを認証する処理部である。ユーザ認証部31は、記憶装置20に記憶されているユーザ情報22を読み出し、操作パネル13に対してユーザが入力するユーザIDやパスワードに基づいてユーザ認証を行う。
【0037】
図4は、画像処理装置2に予め登録されたユーザ情報22の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザ情報22には、画像処理装置2を使用することが許可されたユーザのユーザID22a、ユーザ名22b、パスワード22c、電子メールアドレス22dなどが登録されている。ユーザ認証部31は、このユーザ情報22を読み出し、操作パネル13より入力したユーザIDとパスワードの組合せがユーザ情報22に登録されているか否かを判断することにより、ユーザ認証を行う。そして入力したユーザIDとパスワードとの組合せがユーザ情報22に登録されていれば、認証成功となる。認証成功となった場合には、ユーザ情報22に登録されているユーザのユーザ名と電子メールアドレスとを特定することができる。これに対し、入力したユーザIDとパスワードとの組合せがユーザ情報22に登録されていない場合は認証失敗となる。
【0038】
ユーザ認証部31は、認証成功となった場合、その特定したユーザをログインユーザとして画像処理装置2をログイン状態に移行させる。このログイン状態では、画像処理装置2の各種機能のうち、ログインユーザに予め許可された機能が使用可能な状態となる。そのため、ログインユーザは操作パネル13を操作することによって使用可能状態となった各種機能を使用することができる。これに対し、認証失敗となった場合、そのユーザは、画像処理装置2の各種機能を使用することはできない。
【0039】
送信先アドレス登録部32は、送信先アドレス登録情報23に対して電子メールによる送信先アドレスを登録する処理部である。例えば、画像処理装置2の管理者がログインした場合、送信先アドレス登録部32が機能するようになり、その管理者の操作によって送信先アドレス登録情報23に新規の送信先アドレスに関する情報を登録することができる。
【0040】
図5は、画像処理装置2に登録された送信先アドレス登録情報23の一例を示す図である。図5に示すように、送信先アドレス登録情報23には、登録番号23aと、電子メールによる送信先アドレス23bと、送信先アドレスの宛先種別を示す宛先種別情報23cと、宛先種別が外部宛先の場合に登録される外部宛先担当アドレス23dとが登録されている。登録番号23aは、送信先アドレス登録情報23に登録された順番を示している。送信先アドレス23bには、電子メールの宛先となる電子メールアドレスが登録されている。宛先種別情報23cには、送信先アドレス23bに登録されている電子メールアドレスが内部ネットワーク8内の内部宛先であるか、内部ネットワーク8外の外部宛先であるかが登録されている。例えば電子メールアドレスが社内などの内部アドレスである場合、宛先種別は内部宛先として登録される。これに対し、例えば電子メールアドレスが社外などの外部アドレスである場合、宛先種別は外部宛先として登録される。そして外部宛先担当アドレス23dには、宛先種別が外部宛先の場合、例えばその外部宛先を担当する窓口担当者に付与されている電子メールアドレスが登録される。
【0041】
送信先アドレス登録部32は、例えば画像処理装置2にログインした管理者が新規な送信先アドレスの登録を指示した場合、操作パネル13の表示部14に送信先アドレスの登録画面を表示し、新規な送信先アドレスと、その送信先アドレスに関する宛先種別との入力操作を受け付け、宛先種別が外部宛先の場合には、さらに外部宛先担当アドレスの入力操作を受け付ける。そして管理者によって操作入力された情報を送信先アドレス登録情報23に追加登録する。ただし、送信先アドレス登録情報23の登録は、必ずしも管理者が画像処理装置2の操作パネル13を直接操作して行わなければならないものではなく、例えば管理者が自身のコンピュータ5を操作することによって該コンピュータ5からネットワーク4を介して遠隔操作で登録を行うものであっても構わない。
【0042】
図6は、送信先アドレス登録部32により新規な送信先アドレスを送信先アドレス登録情報23に登録する際の処理手順の一例を示すフローチャートである。送信先アドレス登録部32は、新規な送信先アドレスの入力を受け付ける(ステップS10)。新規な送信先アドレスが入力されると、送信先アドレス登録部32は、その入力された送信先アドレスの宛先種別を設定する(ステップS11)。ここで設定する宛先種別は、上述したように管理者によって入力される入力情報に基づき、内部宛先と外部宛先とのいずれか一方が設定されるようにしても良い。また送信先アドレス登録部32が、入力された送信先アドレスのドメインなどを解析することによって、内部宛先と外部宛先とのいずれか一方を自動的に設定するようにしても良い。
【0043】
そして宛先種別を設定すると、送信先アドレス登録部32は、その宛先種別が外部宛先であるか否かを判断する(ステップS12)。宛先種別が外部宛先である場合(ステップS12でYES)、送信先アドレス登録部32は、さらに外部宛先担当アドレスを設定する(ステップS13)。ここでは、上述したように管理者によって入力される入力情報に基づき、窓口担当者の電子メールアドレスを外部宛先担当アドレスとして設定する。一方、宛先種別が内部宛先である場合(ステップS12でNO)、送信先アドレス登録部32は、外部宛先担当アドレスの設定を行わない。
【0044】
そして送信先アドレス登録部32は、記憶装置20に記憶されている送信先アドレス登録情報23に対し、上記各処理で設定された、送信先アドレス、宛先種別、外部宛先担当アドレスのそれぞれを登録終了する(ステップS14)。以上で、送信先アドレスの登録処理が終了する。
【0045】
図3に戻り、ジョブ実行制御部33は、ログインユーザによって指定されたジョブの実行を制御する処理部である。ジョブ実行制御部33は、スキャナ部16、プリンタ部17、FAX部18およびネットワーク通信部19のそれぞれを必要に応じて動作制御することにより、ログインユーザによって指定されたジョブを実行する。例えば、ログインユーザが「SCAN to E−mail」を指定した場合、ジョブ実行制御部33はスキャナ部16を駆動することにより、原稿の読み取り動作を制御する。そしてスキャナ部16から出力される文書データをメモリ12や記憶装置20に保存する。そして「SCAN to E−mail」の場合は、電子メール送信部34が機能する。
【0046】
電子メール送信部34は、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに電子メールを送信する処理部である。例えば、「SCAN to E−mail」の場合、電子メール送信部34は、スキャナ部16が原稿を読み取って生成した文書データを電子メールに添付し、指定された送信先アドレスに送信する。この電子メール送信部34は、図3に示すように、送信先アドレス指定部35と、宛先種別判定部36と、送信元設定部37と、メール作成部38と、送信処理部39とを備えている。
【0047】
送信先アドレス指定部35は、記憶装置20に記憶されている送信先アドレス登録情報23を読み出し、操作パネル13の表示部14に対して送信先アドレスの一覧表示を行う。そして送信先アドレス指定部35は、その一覧表示の中からログインユーザによって選択された送信先アドレスを特定する。そして送信アドレス指定部35は、その特定した送信先アドレスを電子メールの送信先アドレス欄に書き込むためのアドレスとして設定する。
【0048】
宛先種別判定部36は、ログインユーザによって選択された送信先アドレスの宛先種別を判定する処理部である。宛先種別判定部36は、送信先アドレス登録情報23の宛先種別情報23cを参照することにより、ログインユーザの選択した送信先アドレスが内部宛先であるか、外部宛先であるかを判定する。
【0049】
送信元設定部37は、電子メールの送信元などの情報を設定する処理部である。より具体的には、送信元設定部37は、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに送信する電子メールの送信元アドレス欄と返信用アドレス欄のそれぞれに書き込むためのアドレスを設定する処理部である。この送信元設定部37は、宛先種別判定部36の判定結果に基づいて電子メールの送信元などの情報を設定する際の処理を切り替える。例えば、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが内部宛先の場合、送信元設定部37は、ユーザ情報22を参照し、ログインユーザの電子メールアドレスを、送信元アドレス欄と返信用アドレス欄のそれぞれに書き込むためのアドレスとして設定する。これに対し、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが外部宛先の場合、送信元設定部37は、送信先アドレス登録情報23を参照し、ログインユーザが選択した送信先アドレスに対応して登録されている外部宛先担当アドレスを、送信元アドレス欄と返信用アドレス欄のそれぞれに書き込むためのアドレスとして設定する。
【0050】
メール作成部38は、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに送信する電子メールを作成する処理部である。メール作成部38は、送信先アドレス指定部35によって設定された送信先アドレスを電子メールの送信先アドレス欄に書き込み、送信元設定部37によって設定されたアドレスを電子メールの送信元アドレス欄と返信用アドレス欄に書き込む。そして「SCAN to E−mail」の場合、メール作成部38は、スキャナ部16によって生成された文書データを電子メールに添付することにより、送信対象となる電子メールを作成する。
【0051】
送信処理部39は、メール作成部38によって作成された電子メールを送信する処理部である。送信処理部39は、ネットワーク通信部19を制御することにより、ネットワーク4を介して電子メールをメールサーバ3に出力する。そしてメールサーバ3が画像処理装置2から出力される電子メールを受信し、その電子メールの送信先アドレスに対して送信が行われる。例えば、送信先アドレスが内部宛先の場合、メールサーバ3は、送信先アドレスに対応するコンピュータ5に電子メールを送信する。また送信先アドレスが外部宛先の場合、メールサーバ3は、外部ネットワーク9にある他のメールサーバに対して電子メールを送信する。
【0052】
次に、画像処理装置2において電子メールを送信する際の一連の動作について一例を挙げて説明する。図7乃至図9は、画像処理装置2の制御部10において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。尚、この処理では、ユーザが画像処理装置2にログインして「SCAN to E−mail」を指定して電子メールの送信操作が行われる場合を例示している。この処理では、制御部10において、上述したユーザ認証部31、ジョブ実行制御部33および電子メール送信部34が順次機能するようになっている。
【0053】
この処理が開始すると、制御部10は、まずユーザ認証部31として機能する。そして制御部10は、操作パネル13の表示部14に、ユーザ認証を行うためのユーザIDやパスワードなどのユーザ情報の入力画面を表示し、操作入力部15を介してそれらユーザ情報の入力操作を受け付ける(ステップS20)。ユーザ情報の入力が行われると、制御部10は、ユーザによって認証要求が行われたか否かを判断する(ステップS21)。ここで認証要求が行われなかった場合は(ステップS21でNO)、再びユーザ情報の入力操作を受け付けるべく、ステップS20に戻る。これに対し、ユーザによって認証要求が行われた場合(ステップS21でYES)、制御部10は、記憶装置20からユーザ情報22を読み出し(ステップS22)、ユーザ認証処理を行う(ステップS23)。ここでは操作パネル13を介して入力されたユーザIDやパスワードなどの組合せと同じ組合せがユーザ情報22に予め登録されているか否かを検索することによってユーザ認証を行う。その結果、ユーザ認証に失敗した場合(ステップS24でNO)、ステップS20に戻る。
【0054】
一方、ユーザ認証に成功した場合(ステップS24でYES)、制御部10は、ログインユーザを特定し、画像処理装置2をログイン状態に移行させる。そして制御部10は、ログインユーザによるスキャン設定操作を受け付ける(ステップS25)。スキャン設定操作は、スキャナ部16が原稿の読み取り動作を行う際の各種の設定を行う操作であり、例えば読み取り解像度(例えば200dpiや400dpiなど)や、出力データ形式(例えばPDF,JPEG,TIFFなどの形式)、などの設定操作が行われる。また、必要に応じて、スキャナ部16が生成する文書データの暗号化を設定したり、文書データにタイムスタンプの電子データを付加する設定をしたり、或いは、会社の社名又はロゴなどの画像、「機密」や「重要書類」といった文字や画像などを文書データに合成する処理などを設定したりする操作が行われる。
【0055】
スキャン設定操作が完了して、ログインユーザが原稿スキャンの開始を指示した場合、制御部10は、ジョブ実行制御部33として機能し、スキャナ部16を制御して原稿のスキャンを開始する(ステップS26)。このとき、読み取り解像度や出力データ形式などは、スキャン設定操作で入力された設定が反映される。制御部10は、スキャナ部16から原稿を読み取った原稿画像を入力し、その原稿画像に基づいて文書データを生成する(ステップS27)。ここで生成される文書データは、メモリ12や記憶装置20に格納される。
【0056】
文書データの生成が完了すると、次に制御部10は、電子メール送信部34として機能する。そして制御部10は、記憶装置20から送信先アドレス登録情報23を読み出し(ステップS28)、操作パネル13の表示部14に対して送信先アドレス選択画面を表示する(ステップS29)。この送信先アドレス選択画面では、例えば図5に示した送信先アドレス登録情報23に登録されている送信先アドレス23bが一覧表示され、ログインユーザは、文書データを送信したい送信先アドレスをその一覧表示の中から選択することができるようになっている。
【0057】
図8のフローチャートに進み、制御部10は、表示部14に表示した送信先アドレスの一覧表示の中から、ユーザによる送信先アドレスの選択操作の入力を受け付ける(ステップS30)。そして選択操作が行われると、送信先アドレス登録情報23の宛先種別情報23cを参照することにより、その選択された送信先アドレスの宛先種別を判定する(ステップS31)。つまり、ここでは、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが、内部宛先と外部宛先とのいずれであるかが判定される。そして制御部10は、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが外部宛先であるか否かを判断し(ステップS32)、外部宛先である場合(ステップS32でYES)、外部送信の事前処理を実行する(ステップS33)。
【0058】
図9は、外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、送信先アドレスが外部宛先である場合、送信先アドレス登録情報23の外部宛先担当アドレス23dを参照することにより、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに関連付けられている外部宛先担当アドレスを読み出し(ステップS41)、その読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの送信元アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS42)。ここで送信元アドレス欄とは、電子メールの送信元であることを示すアドレスを記入する欄であり、例えば一般的な電子メールの場合、ヘッダー情報における「From」の項目に対応する。
【0059】
また制御部10は、さらに送信先アドレス登録情報23から読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの返信用アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS43)。ここで返信用アドレス欄とは、電子メールに対して返信する場合にその返信先を示すアドレスを記入する欄であり、例えば一般的な電子メールの場合、ヘッダー情報における「Reply to」の項目に対応する。
【0060】
このように本実施形態では、ログインユーザが指定した送信先アドレスが外部宛先である場合、図9に示した外部送信の事前処理(ステップS33)により、送信元アドレス欄および返信用アドレス欄に書き込むべきアドレスとして外部宛先担当アドレスが設定される。そして図8のフローチャートに戻る。
【0061】
これに対し、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが内部宛先である場合(ステップS32でNO)、外部送信の事前処理(ステップS33)はスキップする。この場合、通常の電子メールの送信処理と同様に、電子メールの送信元アドレス欄および返信用アドレス欄に書き込むべきアドレスとして、ログインユーザの電子メールアドレスが設定される。
【0062】
そして制御部10は、電子メール作成処理を行う(ステップS34)。ここでは、電子メールの送信先アドレス欄、送信元アドレス欄および返信用アドレス欄のそれぞれにアドレスの書き込みを行う。そしてメモリ12又は記憶装置20に格納しておいた文書データを読み出して電子メールに添付することにより、ログインユーザが指定した送信先アドレスに送信するための電子メールを作成する。そして制御部10は、ステップS34で作成した電子メールを送信する処理を行う(ステップS35)。このステップS35により、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに電子メールが送信される。以上で全ての処理が終了する。
【0063】
図10は、ログインユーザが指定した送信先アドレスが外部宛先である場合に画像処理装置2から送信される電子メールの一例を示す図である。図10に示すように、画像処理装置2から外部宛先に送信される電子メール40は、送信先アドレス欄41に、ログインユーザが送信先アドレス登録情報23から選択した送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)が設定されている。また送信元アドレス欄42には、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されている。さらに返信用アドレス欄43にも、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されている。尚、図10に示す電子メール40には、添付ファイル44として文書データ(****.pdf)が添付されている。
【0064】
したがって、例えばユーザ情報22(図4参照)に登録されているユーザAが画像処理装置2にログインした場合、そのユーザAが「SCAN to E−mail」を指示し、送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)を選択すると、その送信先アドレスは外部宛先であるため、画像処理装置2は、自動的に図10に示すような電子メール40を生成してユーザAによって選択された送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対して電子メール40を送信する。
【0065】
このように本実施形態では、電子メール送信部34が、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに関連づけられた宛先種別情報23cが外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた外部宛先担当アドレス23dを読み出し、該外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄に設定した電子メール40を作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信するように構成される。
【0066】
そのため、例えば社外と直接やり取りを行う窓口担当者を決めている業務形態において、窓口担当者でないユーザAが社外に対して文書データを電子メールに添付して送信する場合であっても、窓口担当者の電子メールアドレスが送信元アドレス欄と返信用アドレス欄に設定された電子メールが送信されるため、実際に窓口担当者が電子メールの送信操作を行う必要がなくなり、窓口担当者の作業負担を軽減することができるという利点がある。
【0067】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、例えば窓口担当者でないユーザAが社外に対して文書データを電子メールに添付して送信した場合、窓口担当者の電子メールアドレスが送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定された電子メールが送信される。しかし、第1の実施の形態では、窓口担当者が電子メールの送信された事実を把握することができない可能性がある。そこで、この第2の実施の形態では、窓口担当者でないユーザによって電子メールが送信された場合でも、窓口担当者が送信された電子メールを確認することができるようにした形態について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理システム1および画像処理装置2の各構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0068】
また本実施形態においても、画像処理装置2が電子メールを送信する際の一連の処理手順は、第1の実施の形態で説明した図7および図8のフローチャートと同様であり、本実施形態では図8における外部送信の事前処理(ステップS33)の具体的な処理の中身が第1の実施の形態と異なっている。それ故、以下においては、本実施形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細について説明する。
【0069】
図11は、第2の実施の形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、送信先アドレスが外部宛先である場合、送信先アドレス登録情報23の外部宛先担当アドレス23dを参照することにより、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに関連付けられている外部宛先担当アドレスを読み出し(ステップS51)、その読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの送信元アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS52)。また制御部10は、送信先アドレス登録情報23から読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの返信用アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS53)。そして本実施形態では、さらに、送信先アドレス登録情報23から読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの同報送信アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS54)。ここで同報送信アドレス欄とは、電子メールを送信する際、送信先アドレス(TO)とは別に送信するアドレスを設定する欄であり、例えば一般的な電子メールの場合、ヘッダー情報における「CC」の項目に対応する。
【0070】
このように本実施形態では、ログインユーザが指定した送信先アドレスが外部宛先である場合、図11に示した外部送信の事前処理(ステップS33)により、送信元アドレス欄と返信用アドレス欄だけでなく、さらに同報送信アドレス欄に対しても外部宛先担当アドレスが設定される。
【0071】
図12は、第2の実施の形態においてログインユーザが指定した送信先アドレスが外部宛先である場合に画像処理装置2から送信される電子メールの一例を示す図である。図12に示すように、画像処理装置2から外部宛先に送信される電子メール40aは、送信先アドレス欄41に、ログインユーザが送信先アドレス登録情報23から選択した送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)が設定されている。また送信元アドレス欄42には、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されている。また返信用アドレス欄43にも、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されている。さらに同報送信アドレス欄45にも、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されている。尚、図12に示す電子メール40aには、添付ファイル44として文書データ(****.pdf)が添付されている。
【0072】
したがって、例えばユーザ情報22(図4参照)に登録されているユーザAが画像処理装置2にログインした場合、そのユーザAが「SCAN to E−mail」を指示し、送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)を選択すると、その送信先アドレスは外部宛先であるため、画像処理装置2は、自動的に図12に示すような電子メール40aを生成してユーザAによって選択された送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対して電子メール40aを送信する。このとき、同報送信アドレス欄には、外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されているので、その電子メール40aは窓口担当者にも送信されることになる。
【0073】
このように本実施形態では、電子メール送信部34が、外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄に設定した電子メールをログインユーザによって指定された送信先アドレスに送信する際、外部宛先担当アドレスを同報送信アドレス欄にも設定して送信するように構成される。
【0074】
そのため、本実施形態では、例えば社外と直接やり取りを行う窓口担当者を決めている業務形態において、窓口担当者でないユーザAが社外に対して文書データを電子メールに添付して送信した場合であっても、窓口担当者が同報送信される電子メールを受信することができ、電子メールが送信された事実を把握することができるようになる。
【0075】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。上述した第1および第2の実施の形態では、例えば送信された電子メールを受信した社外の担当者がその受信した電子メールに返信した場合、窓口担当者の電子メールアドレスに対して返信が行われる。そのため、窓口担当者は返信メールを受信すると、実際に文書データを送信したログインユーザ(実際の送信者)を特定して、返信メールがあったことを伝える必要がある。この第3の実施の形態では、上記のように画像処理装置2が送信した電子メールに対して返信が行われた場合において、返信メールがあったことを伝える際の窓口担当者の作業負担を軽減することができる形態について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理システム1および画像処理装置2の各構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0076】
また本実施形態においても、画像処理装置2が電子メールを送信する際の一連の処理手順は、第1の実施の形態で説明した図7および図8のフローチャートと同様であり、本実施形態では図8における外部送信の事前処理(ステップS33)の具体的な処理の中身が第1の実施の形態と異なっている。それ故、以下においては、本実施形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細について説明する。
【0077】
図13は、第3の実施の形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、送信先アドレスが外部宛先である場合、送信先アドレス登録情報23の外部宛先担当アドレス23dを参照することにより、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに関連付けられている外部宛先担当アドレスを読み出し(ステップS61)、その読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの送信元アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS62)。また制御部10は、送信先アドレス登録情報23から読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの返信用アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS63)。また制御部10は、送信先アドレス登録情報23から読み出した外部宛先担当アドレスを、電子メールの同報送信アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS64)。そして本実施形態において制御部10は、さらに、ユーザ情報22を参照してログインユーザの電子メールアドレス22dを読み出し、その電子メールアドレスを、電子メールの同報送信アドレス欄に書き込むべきアドレスとして設定する(ステップS65)。
【0078】
このように本実施形態では、ログインユーザが指定した送信先アドレスが外部宛先である場合、図13に示した外部送信の事前処理(ステップS33)により、送信元アドレス欄、返信用アドレス欄および同報送信アドレス欄に対して外部宛先担当アドレスが設定されると共に、同報送信アドレス欄に対してはさらにログインユーザの電子メールアドレスが設定される。
【0079】
図14は、第3の実施の形態においてログインユーザが指定した送信先アドレスが外部宛先である場合に画像処理装置2から送信される電子メールの一例を示す図である。図14に示すように、画像処理装置2から外部宛先に送信される電子メール40bは、送信先アドレス欄41に、ログインユーザが送信先アドレス登録情報23から選択した送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)が設定されている。また送信元アドレス欄42と返信用アドレス欄43には、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)が設定されている。さらに同報送信アドレス欄45には、送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対応して送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)と、ログインユーザ(ユーザA)の電子メールアドレス(aaa@abc.co.jp)とが設定されている。尚、図14に示す電子メール40bには、添付ファイル44として文書データ(****.pdf)が添付されている。
【0080】
したがって、例えばユーザ情報22(図4参照)に登録されているユーザAが画像処理装置2にログインした場合、そのユーザAが「SCAN to E−mail」を指示し、送信先アドレス登録情報23(図5参照)に登録されている送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)を選択すると、その送信先アドレスは外部宛先であるため、画像処理装置2は、自動的に図14に示すような電子メール40bを生成してユーザAによって選択された送信先アドレス(XXX@eeee.co.jp)に対して電子メール40bを送信する。このとき、同報送信アドレス欄には、外部宛先担当アドレス(bbb@abc.co.jp)と、送信者であるユーザAの電子メールアドレス(aaa@abc.co.jp)とが設定されているので、その電子メール40bは窓口担当者とユーザAにも送信されることになる。
【0081】
このように本実施形態では、電子メールの送信操作を行うログインユーザ(送信者)に対応付けられたユーザアドレスを特定するように構成されており、電子メール送信部34が、外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールをログインユーザによって指定された送信先アドレスに送信する際、ユーザアドレスを同報送信アドレス欄に設定して送信するように構成される。
【0082】
そのため、本実施形態では、例えば画像処理装置2から送信された電子メールを受信した社外の担当者がその電子メールに対し、同報送信アドレス欄に記載されたアドレスも含めて返信操作をすると、電子メールの送信操作を行ったログインユーザ(送信者)がその返信メールを受信することができるようになる。この場合、窓口担当者が送信者に対して返信メールのあったことを伝える必要がなくなり、窓口担当者の作業負担を軽減することができる。
【0083】
また本実施形態では、例えば、画像処理装置2から送信された電子メールを受信した社外の担当者がその電子メールに対し、同報送信アドレス欄に記載されたアドレスを含めることなく返信操作を行った場合でも、窓口担当者の作業負担は軽減される。なぜなら、上述した第1および第2の実施の形態の場合には、画像処理装置2から外部宛先に送信された電子メールに対する返信メールを受信したとき、窓口担当者は、画像処理装置2の操作履歴などを参照することによって誰が送信した電子メールに対する返信であるかを確認する作業を行う必要がある。これに対し、本実施形態の場合は、画像処理装置2から外部宛先に送信されるときに同報送信アドレス欄にログインユーザ(送信者)の電子メールアドレスが付加されているため、窓口担当者は返信メールを受信したときでも、画像処理装置2の操作履歴などを参照する必要はなく、自身が受信した電子メールの履歴を参照すれば誰が送信した電子メールに対する返信であるかを確認することができるので、作業負担が軽減される。
【0084】
尚、本実施形態では、同報送信アドレス欄に対し、外部宛先担当アドレスと、ログインユーザの電子メールアドレスとの双方を設定する場合を例示したが、外部宛先担当アドレスについては必ずしも設定しなければならないものではない。
【0085】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態ついて説明する。本実施形態では、ログインユーザ(送信者)が指定した外部宛先に対して電子メールを送信する場合に、窓口担当者の承認を得るようにした形態について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理システム1および画像処理装置2の各構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。以下、本実施形態が、第1の実施の形態と異なる点について説明する。
【0086】
図15は、本実施形態において画像処理装置2のCPU11がプログラム21を読み出して実行することによって実現される制御部10の各種機能の一部として、電子メールの送信機能に関する処理部の一例を示すブロック図である。
【0087】
図15に示すように、本実施形態では、画像処理装置2の制御部10は、ユーザ認証部31、送信先アドレス登録部32、ジョブ実行制御部33、電子メール送信部34、電子メール受信部51および受信メール解析部52として機能する。尚、このうち、ユーザ認証部31、送信先アドレス登録部32、ジョブ実行制御部33および電子メール送信部34は第1の実施の形態で説明したものと同様である。ただし、本実施形態における電子メール送信部34は、電子メールを送信する際、画像処理装置2自身の電子メールアドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄の双方に設定した電子メールを送信することもできるようになっている。
【0088】
電子メール受信部51は、画像処理装置2自身の電子メールアドレスが送信先アドレスとして設定された電子メールを受信する処理部である。電子メール受信部51が自身宛の電子メールを受信すると、その受信メールを受信メール解析部52に出力する。
【0089】
受信メール解析部52は、電子メール受信部51が受信した電子メールを解析する処理部である。受信メール解析部52は、電子メール受信部51が受信した電子メールが返信メールであるか否かを確認し、返信メールである場合は、送信した電子メールのうち、どの電子メールに対する返信メールであるかを特定する。一般に、電子メールは例えばヘッダー情報に固有の識別情報(メッセージID)が付与されており、返信メールには元の電子メールの識別情報(メッセージID)が含まれている。受信メール解析部52は、受信メールのヘッダー情報などに含まれる識別情報を抽出し、電子メール送信部34が送信した電子メールのうち、どの電子メールに対する返信メールであるかを特定するように構成されている。
【0090】
また本実施形態の電子メール送信部34は、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが外部宛先である場合、その外部宛先に対して電子メールを送信する前に、外部宛先担当アドレスに承認用の電子メールを送信することによって窓口担当者の承認を得るように構成される。そして承認用の電子メールに対する返信メールを受信した場合に、窓口担当者による承認が得られたものとみなして、電子メール送信部34がログインユーザによって選択された送信先アドレスに対して電子メールを送信する。このとき、電子メール送信部34は、第1ないし第3の各実施形態で説明したように、外部宛先担当アドレスを、送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定し、さらに必要に応じて同報送信アドレス欄にも設定する。
【0091】
本実施形態においても、画像処理装置2が電子メールを送信する際の一連の処理手順は、第1の実施の形態で説明した図7および図8のフローチャートと同様である。ただし、本実施形態では図8における外部送信の事前処理(ステップS33)の具体的な処理の中身が第1の実施の形態と異なっている。それ故、以下においては、本実施形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細について説明する。
【0092】
図16は、第4の実施の形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、送信先アドレスが外部宛先である場合、送信先アドレス登録情報23(図5)の外部宛先担当アドレス23dを参照することにより、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに関連付けられている外部宛先担当アドレスを読み出す(ステップS71)。また制御部10は、ユーザ情報22(図4)を参照することにより、ログインユーザ(送信者)に対して登録されている電子メールアドレス22dを読み出す(ステップS72)。そして制御部10は、外部宛先担当アドレスと、ログインユーザの電子メールアドレスとのアドレス照合処理を行い(ステップS73)、ログインユーザが窓口担当者であるか否かを判断する。つまり、このアドレス照合処理で2つのアドレスが同一アドレスである場合、ログインユーザが窓口担当者であることが判明し、同一アドレスでない場合、ログインユーザが窓口担当者ではないことが判明する。
【0093】
アドレス照合処理の結果、同一アドレスでない場合(ステップS74でNO)、制御部10は、外部宛先担当アドレスに対して送信する承認用の電子メールを作成する(ステップS75)。ここで作成する承認用の電子メールは、送信先アドレス欄に外部宛先担当アドレスが設定され、送信元アドレス欄および返信用アドレス欄に画像処理装置2の電子メールアドレスが設定される。そしてメモリ12又は記憶装置20に格納されている文書データの添付された承認用の電子メールが作成される。
【0094】
そして制御部10は、ステップS75で作成した承認用の電子メールを外部宛先担当アドレスに対して送信する(ステップS76)。これにより、窓口担当者は、外部宛先に送信される前に、文書データの添付された承認用の電子メールを受信することができ、外部宛先に送信されようとしている文書データの中身などを確認することができる。そして外部宛先に送信することを承認する場合、窓口担当者は、その受信した承認用の電子メールに返信する操作を行えば良い。
【0095】
制御部10は、外部宛先担当アドレスに電子メールを送信した後、窓口担当者からの返信メール受信を待機する状態となっている(ステップS77)。そして窓口担当者が承認用の電子メールに返信した返信メールを受信すると(ステップS77でYES)、ヘッダー情報などに含まれる識別情報などから窓口担当者に送信した承認用の電子メールを特定し、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールを送信するための後続する処理(ステップS78〜S81)へと進む。
【0096】
一方、アドレス照合処理の結果、同一アドレスであった場合(ステップS74でYES)、上述したステップS75〜S77の処理はスキップする。つまり、この場合は、窓口担当者による承認処理は必要でないため、ログインユーザ(窓口担当者)によって選択された送信先アドレスに電子メールを送信するための後続する処理(ステップS78〜S81)へと進む。
【0097】
ログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールを送信する際、制御部10は、外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄に設定し(ステップS78)、続いて外部宛先担当アドレスを返信用アドレス欄に設定する(ステップS79)。さらに制御部10は、外部宛先担当アドレスを同報送信アドレス欄に設定し(ステップS80)、ログインユーザ(送信者)の電子メールアドレスを同報送信アドレス欄に設定する(ステップS81)。その後、文書データが添付された電子メールが作成され、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールが送信される。
【0098】
図17は、第4の実施の形態における電子メールの送信態様の一例を示す図である。図17に示すように、本実施形態ではユーザAが画像処理装置2にログインして外部宛先を指定して電子メールを送信しようとした場合、まず、画像処理装置2は、ユーザAによって指定された外部宛先の窓口担当者であるユーザBに対して承認用の電子メールEM1を送信する。ユーザBは、例えば自身のコンピュータ5においてその承認用の電子メールEM1を受信することで文書データの中身などを確認することができる。ここでユーザBが、外部宛先への電子メール送信を拒否する場合、承認用の電子メールEM1に対して返信を行わなければ良い。一方、ユーザBが、外部宛先への電子メールの送信を承認する場合、コンピュータ5において受信した承認用の電子メールEM1に対して返信メールEM2を返すための操作を行えば良い。尚、返信メールEM2の本文には、何も記載する必要はない。
【0099】
画像処理装置2は、窓口担当者であるユーザBに送信した承認用の電子メールEM1に対する返信メールEM2を受信すると、その返信メールEM2に基づいて、ログインユーザであるユーザAによって指定された電子メールの送信ジョブを特定する。そして返信メールEM2を受信したことで窓口担当者であるユーザBによる承認が得られたものとみなし、ユーザAによって指定された外部宛先に対し、電子メールEM3を送信する。このとき送信される電子メールEM3は、例えば図14に示した電子メール40bと同様の内容となる。ただし、図10又は図12に示した電子メールと同様の内容の送信するようにしても構わない。
【0100】
以上のように本実施形態の画像処理装置2は、電子メールの送信操作を行うログインユーザに対応付けられたユーザアドレスと、外部宛先担当アドレスとが一致するか否かを判断するように構成されている。そしてユーザアドレスと外部宛先担当アドレスとが一致しない場合に、電子メール送信部34は、ログインユーザによって指定された送信先アドレス(外部宛先)に対して電子メールを送信する前に、外部宛先担当アドレスに対して承認用の電子メールを送信する。そのため、窓口担当者は、自身宛に送信される承認用の電子メールを確認することにより、ログインユーザによって指定された送信先アドレス(外部宛先)に対して電子メールを送信することを許可するか否かの承認作業を効率良く行うことができる。
【0101】
また本実施形態の画像処理装置2は、自身宛の電子メールを受信することができるようになっており、電子メール送信部34は、承認用の電子メールに対する返信メールが受信された場合には、窓口担当者による承認が得られたものとみなし、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信するように構成されている。そのため、窓口担当者は、承認用の電子メールに対して返信を行う操作を行えば、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに電子メールが送信される。それ故、窓口担当者の承認作業が極めて簡単なものとなっており、作業負担を軽減することができる。
【0102】
(第5の実施の形態)
次に第5の実施の形態について説明する。本実施形態では、第4の実施の形態と同様、ログインユーザ(送信者)が指定した外部宛先に対して電子メールを送信する場合に、窓口担当者の承認を得るようにした形態について説明する。ただし、本実施形態では、窓口担当者が承認を行う際に、文書データに対する加工処理を指示した場合、画像処理装置2が窓口担当者の指示に基づいて文書データに対する加工処理を施す。そして、その加工処理が施された文書データを電子メールに添付してログインユーザ(送信者)が指定した外部宛先に電子メールを送信するように構成される。尚、本実施形態においても、情報処理システム1および画像処理装置2の各構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。以下、本実施形態が、第1の実施の形態と異なる点について説明する。
【0103】
図18は、本実施形態において画像処理装置2のCPU11がプログラム21を読み出して実行することによって実現される制御部10の各種機能の一部として、電子メールの送信機能に関する処理部の一例を示すブロック図である。
【0104】
図18に示すように、本実施形態では、画像処理装置2の制御部10は、ユーザ認証部31、送信先アドレス登録部32、ジョブ実行制御部33、電子メール送信部34、電子メール受信部51、受信メール解析部52および文書データ加工処理部53として機能する。尚、このうち、ユーザ認証部31、送信先アドレス登録部32、ジョブ実行制御部33および電子メール送信部34は第1の実施の形態で説明したものと同様である。また電子メール受信部51および受信メール解析部52は第4の実施の形態で説明したものと同様である。ただし、本実施形態でも電子メール送信部34は、電子メールを送信する際、画像処理装置2自身の電子メールアドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄に設定した電子メールを送信することもできるようになっている。
【0105】
電子メール受信部51は、画像処理装置2自身の電子メールアドレスが送信先アドレス欄に設定された電子メールを受信する処理部である。電子メール受信部51が自身宛の電子メールを受信すると、その受信メールを受信メール解析部52に出力する。
【0106】
受信メール解析部52は、電子メール受信部51が受信した電子メールを解析する処理部である。受信メール解析部52は、電子メール受信部51が受信した電子メールが返信メールであるか否かを確認し、返信メールである場合は、ヘッダー情報などを解析することにより、電子メール送信部34が送信した電子メールのうち、どの電子メールに対する返信メールであるかを特定する。
【0107】
また本実施形態の受信メール解析部52は、受信メールの本文を解析し、受信メールの本文中に、窓口担当者が文書データに対する加工処理を指定しているか否かを判断する。ここで文書データに対する加工処理は、例えば、文書データの暗号化処理、文書データに対してその作成や更新などを示すタイムスタンプの電子データを付加する処理、会社の社名又はロゴなどの画像を文書データに合成する処理、「機密」や「重要書類」といった文字や画像などを文書データに合成する処理などである。そのため、受信メール解析部52は、窓口担当者が文書データに対する加工処理を指定している場合、窓口担当者によってどのような加工処理が指定されているかを特定する。例えば、受信メール解析部52は、受信メールの本文から「暗号化」という文字列を抽出すれば、文書データの暗号化処理が指定されていることを特定する。また受信メールの本文から「タイムスタンプ」という文字列を抽出すれば、タイムスタンプの電子データを文書データに付加する処理を特定する。また受信メールの本文から「社名」や「ロゴ」といった文字列を抽出すれば、会社の社名やロゴなどの画像を文書データに合成する処理を特定する。さらに受信メールの本文から「機密」や「重要書類」といった文字列を抽出すれば、それらの文字や画像などを文書データに合成する処理を特定する。
【0108】
文書データ加工処理部53は、上記のように受信メール解析部52が受信メールを解析した結果、窓口担当者から受信した受信メールに、文書データに対する加工処理の指定が含まれている場合、その指定された加工処理を実行する処理部である。すなわち、文書データ加工処理部53は、メモリ12や記憶装置20に格納されている文書データを読み出し、その文書データに対して指定された加工処理を施すように構成される。例えば、文書データの暗号化処理の場合、文書データ加工処理部54は、メモリ12や記憶装置20から読み出した文書データに対して所定の暗号化処理を施す。またその他の加工処理が指定されている場合には、窓口担当者によって指定された処理を施す。
【0109】
また本実施形態の電子メール送信部34は、第4の実施の形態と同様に、ログインユーザによって選択された送信先アドレスが外部宛先である場合、その外部宛先に対して電子メールを送信する前に、外部宛先担当アドレスに承認用の電子メールを送信することによって窓口担当者の承認を得るように構成される。そして窓口担当者から承認用の電子メールに対する返信メールを受信した場合には、受信メール解析部52による解析結果に基づいて上述したような加工処理が施された文書データを添付した電子メールを作成し、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに対して電子メールを送信する。また窓口担当者が返信した返信メールに加工処理の指定がない場合は、第4の実施の形態と同様に、その返信メールを受信したことをもって、窓口担当者による承認が得られたものとみなされる。そのため、この場合は加工処理を施すことなく、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールを送信する。電子メール送信部34が電子メールを送信する際、第1ないし第3の各実施形態で説明したように、外部宛先担当アドレスが、送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定され、さらに必要に応じて同報送信アドレス欄にも設定される。
【0110】
本実施形態においても画像処理装置2が電子メールを送信する際の一連の処理手順は、第1の実施の形態で説明した図7および図8のフローチャートと同様である。ただし、本実施形態では図8における外部送信の事前処理(ステップS33)の具体的な処理の中身が第1の実施の形態と異なっている。それ故、以下においては、本実施形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細について説明する。
【0111】
図19および図20は、第5の実施の形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、送信先アドレスが外部宛先である場合、送信先アドレス登録情報23(図5)の外部宛先担当アドレス23dを参照することにより、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに関連付けられている外部宛先担当アドレスを読み出す(ステップS91)。また制御部10は、ユーザ情報22(図4)を参照することにより、ログインユーザ(送信者)に対して登録されている電子メールアドレス22dを読み出す(ステップS92)。そして制御部10は、外部宛先担当アドレスと、ログインユーザの電子メールアドレスとのアドレス照合処理を行い(ステップS93)、ログインユーザが窓口担当者であるか否かを判断する。つまり、このアドレス照合処理で2つのアドレスが同一アドレスである場合、ログインユーザが窓口担当者であることが判明し、同一アドレスでない場合、ログインユーザが窓口担当者ではないことが判明する。
【0112】
アドレス照合処理の結果、同一アドレスでない場合(ステップS94でNO)、制御部10は、外部宛先担当アドレスに対して送信する承認用の電子メールを作成する(ステップS95)。ここで作成する承認用の電子メールは、送信先アドレス欄に外部宛先担当アドレスが設定され、送信元アドレス欄および返信用アドレス欄に画像処理装置2の電子メールアドレスが設定される。そしてメモリ12又は記憶装置20に格納されている文書データの添付された承認用の電子メールが作成される。
【0113】
そして制御部10は、ステップS95で作成した承認用の電子メールを外部宛先担当アドレスに対して送信する(ステップS96)。これにより、窓口担当者は、外部宛先に送信される前に、文書データの添付された承認用の電子メールを受信することができ、外部宛先に送信されようとしている文書データの中身などを確認することができる。窓口担当者が承認用の電子メールに添付されている文書データを確認するとき、外部宛先に送信するために必要な加工処理が文書データに施されているか否かを確認する。そして必要な加工処理が施されていない場合には、その承認用の電子メールに返信する際、返信メールの本文中に必要な加工処理を指定することによって加工処理の指示を行う。尚、文書データに対して既に必要な加工処理が施されている場合、窓口担当者は、その受信した電子メールに対して単に返信する操作のみを行えば良い。
【0114】
制御部10は、外部宛先担当アドレスに電子メールを送信した後、窓口担当者からの返信メール受信を待機する状態となっている(ステップS97)。そして窓口担当者からの返信メールを受信すると(ステップS97でYES)、受信メールの解析処理を行う(ステップS98)。この受信メール解析処理では、ヘッダー情報などに含まれる識別情報などから窓口担当者に送信した電子メールを特定する処理が行われると共に、受信メールの本文中に文書データに対する加工処理が指定されているか否かを特定する処理が行われる。
【0115】
そして文書データに対する加工処理が指定されている場合(ステップS99でYES)、制御部10は、文書データ加工処理部53を機能させ、窓口担当者によって指定された文書データの加工処理を実行する(ステップS100)。これにより、ログインユーザが選択した外部宛先に対して電子メールを送信する際、文書データに対して必要な加工処理が施される。例えば、電子メールに添付する文書データには暗号化処理を行っておくことが必要であるにもかかわらず、文書データの暗号化処理が行なわれていない場合、窓口担当者が暗号化処理を指定することでその文書データに対する暗号化処理を行うことができる。
【0116】
一方、文書データに対する加工処理が指定されていない場合(ステップS99でNO)、文書データ加工処理(ステップS100)はスキップする。また、アドレス照合処理の結果、同一アドレスであった場合(ステップS94でYES)、ログインユーザが窓口担当者であるため、ステップS95〜S100の処理はスキップする。
【0117】
図20のフローチャートに進み、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールを送信する際、制御部10は、外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄に設定し(ステップS101)、続いて外部宛先担当アドレスを返信用アドレス欄に設定する(ステップS102)。さらに制御部10は、外部宛先担当アドレスを同報送信アドレス欄に設定し(ステップS103)、ログインユーザ(送信者)の電子メールアドレスを同報送信アドレス欄に設定する(ステップS104)。その後、文書データの添付された電子メールが作成され、ログインユーザによって選択された送信先アドレスにその電子メールが送信される。
【0118】
以上のように本実施形態の画像処理装置2は、窓口担当者に送信した承認用の電子メールに対する返信メールを受信した場合、該返信メールを解析し、その解析結果に基づいて、文書データに対する加工処理を行う。そして電子メール送信部34は、外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄に設定した電子メールに、加工処理が施された文書データを添付してログインユーザにより指定された送信先アドレスに送信する。したがって、窓口担当者が承認用の電子メールを受信してログインユーザが選択した送信先アドレスに送信する電子メールの内容を確認したとき、文書データに対する加工処理が行われていない場合は、返信メールにおいて文書データに対する加工処理を指示することで、必要な加工処理を実行させることができる。それ故、窓口担当者は、文書データに対する加工処理を指示する場合でもその作業を効率良く行うことができる。
【0119】
(第6の実施の形態)
次に第6の実施の形態について説明する。上述の第5の実施の形態では、ログインユーザ(送信者)が指定した送信先アドレスが外部宛先であれば、その外部宛先に対して電子メールを送信する前に、必ず窓口担当者に対して承認用の電子メールが送信される。これに対し、本実施形態では、ログインユーザ(送信者)が指定した送信先アドレスが外部宛先である場合、その外部宛先に対して送信する電子メールに添付する文書データに必要な加工処理が施されているか否かを事前に判定し、必要な加工処理が施されていないときに、承認用の電子メールを送信するようにした形態について説明する。尚、本実施形態においても、情報処理システム1および画像処理装置2の各構成は、第1又は第5の実施の形態で説明したものと同様である。以下、本実施形態が、第5の実施の形態と異なる点について説明する。
【0120】
図21は、第6の実施の形態において画像処理装置2に登録された送信先アドレス登録情報23の一例を示す図である。図21に示すように、本実施形態の送信先アドレス登録情報23には、登録番号23aと、電子メールによる送信先アドレス23bと、送信先アドレスの宛先種別を示す宛先種別情報23cと、宛先種別が外部宛先の場合に登録される外部宛先担当アドレス23dと、宛先種別が外部宛先の場合に登録される文書データに対する加工処理の関する情報23eとが登録されている。尚、図21に示す送信先アドレス登録情報23が、図5に示したものと異なる点は、加工処理に関する情報23eである。図21に示すように、登録番号「1」の外部宛先に電子メールを送信する場合、文書データに対する加工処理として「暗号化処理」が定められている。また登録番号「4」の外部宛先に電子メールを送信する場合、文書データに対する加工処理として「タイムスタンプ」が定められている。さらに登録番号「5」の外部宛先に電子メールを送信する場合、文書データに対する加工処理として「特定画像合成」が定められている。ここで特定画像合成とは、例えば会社の社名又はロゴなどの画像、「機密」や「重要書類」といった文字や画像などの特定の画像を合成する処理である。このように図21に示す送信先アドレス登録情報23には、登録された外部宛先に電子メールを送信する場合、文書データに対して施すべき加工処理が予め設定されている。
【0121】
そして本実施形態の画像処理装置2は、ログインユーザ(送信者)が指定した送信先アドレスが外部宛先である場合、図21の送信先アドレス登録情報23に基づいて文書データに対する必要な加工処理を判別し、その外部宛先に対して送信する電子メールに添付する文書データに必要な加工処理が施されているか否かを事前に判定するように構成される。
【0122】
本実施形態においても画像処理装置2が電子メールを送信する際の一連の処理手順は、第1の実施の形態で説明した図7および図8のフローチャートと同様である。ただし、本実施形態では図8における外部送信の事前処理(ステップS33)の具体的な処理の中身が第1の実施の形態と異なっている。それ故、以下においては、本実施形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細について説明する。
【0123】
図22および図23は、第6実施の形態における外部送信の事前処理(ステップS33)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、送信先アドレスが外部宛先である場合、送信先アドレス登録情報23(図21)の外部宛先担当アドレス23dを参照することにより、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに関連付けられている外部宛先担当アドレスを読み出す(ステップS111)。また制御部10は、ユーザ情報22(図4)を参照することにより、ログインユーザ(送信者)に対して登録されている電子メールアドレス22dを読み出す(ステップS112)。そして制御部10は、外部宛先担当アドレスと、ログインユーザの電子メールアドレスとのアドレス照合処理を行い(ステップS113)、ログインユーザが窓口担当者であるか否かを判断する。
【0124】
アドレス照合処理の結果、同一アドレスでない場合(ステップS114でNO)、制御部10は、送信先アドレス登録情報23(図21)を参照することにより、選択された送信先アドレスに必要な加工処理の指定があるか否かを判断する(ステップS115)。送信先アドレス登録情報23(図21)に加工処理の指定がある場合(ステップS115でYES)、制御部10は、メモリ12又は記憶装置20に格納されている文書データにその指定された加工処理が既に施されているか否かを判断する(ステップS116)。ここでの判断は、原稿スキャンを行って文書データを生成したとき(図7のステップS26,S27参照)、その文書データに対して行われた処理内容を確認することによって行われる。その結果、文書データに対する加工処理が未だ行われていない場合(ステップS116でNO)、制御部10は、外部宛先担当アドレスに対して送信する承認用の電子メールを作成する(ステップS117)。ここで作成する承認用の電子メールは、送信先アドレス欄に外部宛先担当アドレスが設定され、送信元アドレス欄および返信用アドレス欄に画像処理装置2の電子メールアドレスが設定される。そしてメモリ12又は記憶装置20に格納されている文書データの添付された承認用の電子メールが作成される。
【0125】
そして制御部10は、ステップS117で作成した承認用の電子メールを外部宛先担当アドレスに対して送信する(ステップS118)。これにより、窓口担当者は、外部宛先に送信される前に、文書データの添付された承認用の電子メールを受信することができ、外部宛先に送信されようとしている文書データの中身などを確認することができる。窓口担当者が電子メールに添付されている文書データを確認するとき、外部宛先に送信するために必要な加工処理が文書データに施されているか否かを確認し、必要な加工処理が施されていない場合には、その受信した電子メールに返信する際に、返信メールの本文中に必要な加工処理を指定することによって加工処理の指示を行う。
【0126】
制御部10は、外部宛先担当アドレスに電子メールを送信した後、窓口担当者からの返信メール受信を待機する状態となっている(ステップS119)。そして窓口担当者からの返信メールを受信すると(ステップS119でYES)、受信メールの解析処理を行う(ステップS120)。この受信メール解析処理では、ヘッダー情報などに含まれる識別情報などから窓口担当者に送信した電子メールを特定する処理が行われると共に、受信メールの本文中に文書データに対する加工処理が指定されているか否かを特定する処理が行われる。
【0127】
そして図23のフローチャートに進み、文書データに対する加工処理が指定されている場合(ステップS121でYES)、制御部10は、文書データ加工処理部53を機能させ、窓口担当者によって指定された文書データの加工処理を実行する(ステップS122)。これにより、ログインユーザが選択した外部宛先に対して電子メールを送信する際、文書データに対する必要な加工処理を行っておくことができる。
【0128】
一方、文書データに対する加工処理が指定されていない場合(ステップS121でNO)、文書データ加工処理(ステップS122)はスキップする。また、アドレス照合処理の結果、同一アドレスであった場合(ステップS114でYES)、ログインユーザが窓口担当者であるため、ステップS115〜S122の処理はスキップする。また図21の送信先アドレス登録情報23においてログインユーザが指定した外部宛先に対応する加工処理の指定がなされていない場合(ステップS115でNO)、文書データに対する加工処理は必要ないので、ステップS116〜S122の処理はスキップする。さらに、文書データに対して必要な加工処理が既に施されている場合(ステップS116でYES)、窓口担当者による確認作業は必要ないので、ステップS117〜S122の処理はスキップする。
【0129】
そしてログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールを送信する際、制御部10は、外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄に設定し(ステップS123)、続いて外部宛先担当アドレスを返信用アドレス欄に設定する(ステップS124)。さらに制御部10は、外部宛先担当アドレスを同報送信アドレス欄に設定し(ステップS125)、ログインユーザ(送信者)の電子メールアドレスを同報送信アドレス欄に設定する(ステップS126)。その後、文書データが添付された電子メールが作成され、ログインユーザによって選択された送信先アドレスに電子メールが送信される。
【0130】
以上のように本実施形態の画像処理装置2では、記憶装置20に記憶している送信先アドレス登録情報23に、文書データに対して行うべき加工処理が予め登録されており、電子メール送信部34は、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに電子メールを送信する際、文書データに対して送信先アドレス登録情報23に登録された加工処理が施されているか否かを判別する。そして、必要な加工処理が施されていない場合には、ログインユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する前に、外部宛先担当アドレスに対して承認用の電子メールを送信する。すなわち本実施形態では、文書データに対して必要な加工処理が施されていない場合にのみ、窓口担当者による承認処理を経て、ログインユーザの指定した外部宛先に電子メールを送信するように構成されている。したがって、ログインユーザが外部宛先に送信する文書データに対し、予め指定された加工処理が施されている場合には、窓口担当者が承認処理を行う必要がなくなるので、窓口担当者の作業負担をより一層軽減することができると共に、外部宛先に送信する文書データには必要な加工処理を施した状態で電子メールを送信することが可能である。
【0131】
(第7の実施の形態)
次に第7の実施の形態について説明する。本実施形態では、ログインユーザが送信先アドレスを選択する際、画像処理装置2が、送信先アドレス登録情報23に基づいて、操作パネル13の表示部14に送信先アドレス選択画面を表示するための一実施形態について説明する。本実施形態は、上述した第1乃至第6の各実施形態にも適用可能である。尚、本実施形態においても、情報処理システム1および画像処理装置2の各構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様である。以下、本実施形態が、第1の実施の形態と異なる点について説明する。
【0132】
図24は、第7の実施の形態において画像処理装置2に予め登録されたユーザ情報22の一例を示す図である。図24に示すように、本実施形態のユーザ情報22には、画像処理装置2を使用することが許可されたユーザのユーザID22a、ユーザ名22b、パスワード22c、電子メールアドレス22d、所属グループ22eに関する情報が登録されている。図24に示すユーザ情報22が、図4に示したものと異なる点は、所属グループ22eに関する情報である。つまり、本実施形態のユーザ情報22には、ユーザごとの所属グループが登録されているため、ユーザ情報22を参照すれば、各ユーザが所属するグループを特定することができるようになっている。
【0133】
そして本実施形態では、画像処理装置2の制御部10が、図7および図8に示したフローチャートに基づく処理を行っているとき、記憶装置20から送信先アドレス登録情報23を読み出した後(ステップS28)、操作パネル13の表示部14に対して送信先アドレス選択画面を表示する際に(ステップS29)、図25に示す処理を実行する。以下、この処理について説明する。
【0134】
図25は、本実施形態における送信先アドレス選択画面表示(ステップS29)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、表示部14に対して送信先アドレス選択画面を表示する際、まず送信先アドレス登録情報23に登録されている1つの送信先アドレスを読み出す(ステップS201)。そして、その読み出した送信先アドレスの宛先種別を確認し、宛先種別が外部宛先であるか否かを判別する(ステップS202)。ここで宛先種別が内部宛先である場合(ステップS202でNO)、制御部10は、その読み出した送信先アドレスを表示部14に表示する表示対象として設定する(ステップS207)。これに対し、宛先種別が外部宛先である場合(ステップS202でYES)、制御部10は、その送信先アドレスに対応して登録されている外部宛先担当アドレスを読み出し(ステップS203)、その外部宛先担当アドレスに基づいて図24に示したユーザ情報22を検索することで、窓口担当者の所属グループを特定する(ステップS204)。そしてログインユーザと窓口担当者とが同一のグループに属するか否かを判断する(ステップS205)。ここで同一グループに属する場合(ステップS205でYES)、制御部10は、その読み出した送信先アドレスを表示部14に表示する表示対象として設定する(ステップS207)。これに対し、ログインユーザと窓口担当者とが同一のグループに属さない場合(ステップS205でNO)、制御部10は、その読み出した送信先アドレスを表示部14に表示しない非表示として設定する(ステップS206)。ここまでの処理により、ステップS201で読み出した1つの送信先アドレスに対する表示/非表示の設定が終了する。
【0135】
続いて制御部10は、送信先アドレス登録情報23に他の送信先アドレスが登録されているか否かを判断し(ステップS208)、登録されている場合は、ステップS201に戻り、上述した処理を繰り返す。そして送信先アドレス登録情報23に登録されている全ての送信先アドレスに対する表示/非表示の設定が終了すると(ステップS208でNO)、制御部10は、送信先アドレス登録情報23に登録されている送信先アドレスのうち、表示対象として設定された送信先アドレスのみを抽出して表示部14に表示する(ステップS209)。
【0136】
以上のような処理によって表示部14に送信先アドレス選択画面が表示されると、内部宛先に関しては送信先アドレス登録情報23に登録されている全てのアドレスが一覧表示に表示されるが、外部宛先に関してはログインユーザと同一のグループに属する窓口担当者が外部宛先担当アドレス23dに登録されているもののみが表示されることになる。したがって、本実施形態では、送信先アドレス登録情報23に登録されている送信先アドレスが外部宛先である場合、ログインユーザが窓口担当者と同一グループに属していない送信先アドレスは、送信先アドレス選択画面に表示されなくなる。その結果、ログインユーザは操作を誤って関係のない外部宛先に対して電子メールを送信してしまうことを防止することができる。そして本実施形態では、窓口担当者による確認作業を要することなく、誤った電子メールの送信を防止できるので、窓口担当者の作業負担が軽減されるようになる。
【0137】
(変形例)
以上、本発明に関するいくつかの実施の形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限定されるものではなく、上述した他にも本発明には種々の変形例が適用可能である。
【0138】
例えば、上述した各実施形態では、一例として、画像処理装置2に対し、ユーザが「SCAN to E−mail」を指定した場合に、そのユーザによって指定された送信先アドレスに対してその電子メールを送信する一態様を例示した。しかし、本発明では、必ずしもそのような態様に限定されるものではない。例えば、画像処理装置2が電子メール送信装置として機能する場合、記憶装置20などに予め保存されている文書データなどを添付して電子メール送信することも可能である。このような場合には画像処理装置2が電子メールを送信する際、原稿のスキャンは伴わずに電子メールが送信されることになる。
【0139】
また上述した各実施形態における電子メール送信形態は、いわゆるインターネットFAX(iFAX)にも適用することが可能である。
【0140】
さらに、上述した各実施形態では、図1に示した情報処理システム1において、画像処理装置2が電子メール送信装置として機能する場合を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、図1に示したコンピュータ5やサーバ3などが電子メール送信装置として機能するものであっても構わない。またその他にも、上述した電子メール送信形態は、種々の装置に対して適用することが可能である。
【0141】
このように上述した各実施形態における説明は、全ての点において例示であって、本発明に関する限定的なものではない。
【符号の説明】
【0142】
1 情報処理システム
2 画像処理装置(電子メール送信装置)
10 制御部
11 CPU
12 メモリ
20 記憶装置(記憶手段)
21 プログラム
22 ユーザ情報
23 送信先アドレス登録情報
34 電子メール送信部(送信手段)
35 送信先アドレス指定部
36 宛先種別判定部
37 送信元設定部
38 メール作成部
39 送信処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作に基づいて電子メールを送信する電子メール送信装置であって、
電子メールの送信先アドレスと、該送信先アドレスの種別として内部宛先と外部宛先とのいずれか一方が登録される宛先種別情報と、前記宛先種別情報が外部宛先である場合に登録される外部宛先担当アドレスと、が互いに関連づけられた送信先アドレス登録情報を記憶する記憶手段と、
前記送信先アドレス登録情報に含まれる複数の送信先アドレスの中からユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する送信手段と、
を備え、
前記送信手段は、指定された送信先アドレスに関連づけられた前記宛先種別情報が外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた前記外部宛先担当アドレスを読み出し、該外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信することを特徴とする電子メール送信装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを指定された送信先アドレスに送信する際、前記外部宛先担当アドレスを同報送信アドレス欄に設定して送信することを特徴とする請求項1記載の電子メール送信装置。
【請求項3】
電子メールの送信操作を行うユーザに対応付けられたユーザアドレスを特定するユーザアドレス特定手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを指定された送信先アドレスに送信する際、前記ユーザアドレスを同報送信アドレス欄に設定して送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子メール送信装置。
【請求項4】
電子メールの送信操作を行うユーザに対応付けられたユーザアドレスを特定するユーザアドレス特定手段と、
前記アドレス特定手段によって特定される前記ユーザアドレスと、前記送信手段によって送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定される前記外部宛先担当アドレスとが一致するか否かを判断するアドレス照合手段と、
をさらに備え、
前記アドレス照合手段により前記ユーザアドレスと前記外部宛先担当アドレスとが一致しないと判断された場合、前記送信手段は、ユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する前に、前記外部宛先担当アドレスに対して承認用の電子メールを送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子メール送信装置。
【請求項5】
電子メールを受信する受信手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記受信手段により前記承認用の電子メールに対する返信メールが受信された場合、ユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信することを特徴とする請求項4記載の電子メール送信装置。
【請求項6】
電子メールを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した電子メールを解析する解析手段と、
電子メールに添付される文書データに対する加工処理を行う加工処理手段と、
をさらに備え、
前記解析手段は、前記受信手段により前記承認用の電子メールに対する返信メールが受信された場合、該返信メールを解析し、
前記加工処理手段は、前記解析手段による前記返信メールの解析結果に基づいて、前記送信手段が送信する電子メールに添付された文書データに対する加工処理を行い、
前記送信手段は、前記外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールに、前記加工処理手段によって加工処理が施された文書データを添付してユーザにより指定された送信先アドレスに送信することを特徴とする請求項4記載の電子メール送信装置。
【請求項7】
前記送信先アドレス登録情報には、外部宛先に対して文書データを添付した電子メールを送信する場合に、前記文書データに対して行うべき加工処理が登録されており、
前記送信手段は、ユーザによって指定された送信先アドレスに電子メールを送信する際、該電子メールに添付された文書データに対して前記送信先アドレス登録情報に登録された前記加工処理が施されているか否かを判別し、前記加工処理が施されていない場合には、ユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する前に、前記外部宛先担当アドレスに対して承認用の電子メールを送信することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子メール送信装置。
【請求項8】
前記記憶手段には、ユーザごとに所属するグループが登録されたユーザ情報がさらに記憶されており、
ユーザに対して各種情報を表示する表示手段と、
ユーザが前記送信先アドレス登録情報に含まれる複数の送信先アドレスの中から電子メールを送信する送信先アドレスを選択する際に、前記ユーザ情報を参照することにより電子メールの送信操作を行うユーザが所属するグループを特定し、該グループに対応する外部宛先担当アドレスが関連づけられている送信先アドレスのみを前記表示手段に表示する表示制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子メール送信装置。
【請求項9】
コンピュータを、
電子メールの送信先アドレスと、該送信先アドレスの種別として内部宛先と外部宛先とのいずれか一方が登録される宛先種別情報と、前記宛先種別情報が外部宛先である場合に登録される外部宛先担当アドレスと、が互いに関連づけられた送信先アドレス登録情報を記憶する記憶手段、および、
前記送信先アドレス登録情報に含まれる複数の送信先アドレスの中からユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する送信手段、
として機能させ、
前記送信手段は、指定された送信先アドレスに関連づけられた前記宛先種別情報が外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた前記外部宛先担当アドレスを読み出し、該外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信する処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
ユーザによる操作に基づいて電子メールを送信する電子メール送信装置であって、
電子メールの送信先アドレスと、該送信先アドレスの種別として内部宛先と外部宛先とのいずれか一方が登録される宛先種別情報と、前記宛先種別情報が外部宛先である場合に登録される外部宛先担当アドレスと、が互いに関連づけられた送信先アドレス登録情報を記憶する記憶手段と、
前記送信先アドレス登録情報に含まれる複数の送信先アドレスの中からユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する送信手段と、
を備え、
前記送信手段は、指定された送信先アドレスに関連づけられた前記宛先種別情報が外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた前記外部宛先担当アドレスを読み出し、該外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信することを特徴とする電子メール送信装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを指定された送信先アドレスに送信する際、前記外部宛先担当アドレスを同報送信アドレス欄に設定して送信することを特徴とする請求項1記載の電子メール送信装置。
【請求項3】
電子メールの送信操作を行うユーザに対応付けられたユーザアドレスを特定するユーザアドレス特定手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを指定された送信先アドレスに送信する際、前記ユーザアドレスを同報送信アドレス欄に設定して送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子メール送信装置。
【請求項4】
電子メールの送信操作を行うユーザに対応付けられたユーザアドレスを特定するユーザアドレス特定手段と、
前記アドレス特定手段によって特定される前記ユーザアドレスと、前記送信手段によって送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定される前記外部宛先担当アドレスとが一致するか否かを判断するアドレス照合手段と、
をさらに備え、
前記アドレス照合手段により前記ユーザアドレスと前記外部宛先担当アドレスとが一致しないと判断された場合、前記送信手段は、ユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する前に、前記外部宛先担当アドレスに対して承認用の電子メールを送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子メール送信装置。
【請求項5】
電子メールを受信する受信手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記受信手段により前記承認用の電子メールに対する返信メールが受信された場合、ユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信することを特徴とする請求項4記載の電子メール送信装置。
【請求項6】
電子メールを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した電子メールを解析する解析手段と、
電子メールに添付される文書データに対する加工処理を行う加工処理手段と、
をさらに備え、
前記解析手段は、前記受信手段により前記承認用の電子メールに対する返信メールが受信された場合、該返信メールを解析し、
前記加工処理手段は、前記解析手段による前記返信メールの解析結果に基づいて、前記送信手段が送信する電子メールに添付された文書データに対する加工処理を行い、
前記送信手段は、前記外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールに、前記加工処理手段によって加工処理が施された文書データを添付してユーザにより指定された送信先アドレスに送信することを特徴とする請求項4記載の電子メール送信装置。
【請求項7】
前記送信先アドレス登録情報には、外部宛先に対して文書データを添付した電子メールを送信する場合に、前記文書データに対して行うべき加工処理が登録されており、
前記送信手段は、ユーザによって指定された送信先アドレスに電子メールを送信する際、該電子メールに添付された文書データに対して前記送信先アドレス登録情報に登録された前記加工処理が施されているか否かを判別し、前記加工処理が施されていない場合には、ユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する前に、前記外部宛先担当アドレスに対して承認用の電子メールを送信することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子メール送信装置。
【請求項8】
前記記憶手段には、ユーザごとに所属するグループが登録されたユーザ情報がさらに記憶されており、
ユーザに対して各種情報を表示する表示手段と、
ユーザが前記送信先アドレス登録情報に含まれる複数の送信先アドレスの中から電子メールを送信する送信先アドレスを選択する際に、前記ユーザ情報を参照することにより電子メールの送信操作を行うユーザが所属するグループを特定し、該グループに対応する外部宛先担当アドレスが関連づけられている送信先アドレスのみを前記表示手段に表示する表示制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子メール送信装置。
【請求項9】
コンピュータを、
電子メールの送信先アドレスと、該送信先アドレスの種別として内部宛先と外部宛先とのいずれか一方が登録される宛先種別情報と、前記宛先種別情報が外部宛先である場合に登録される外部宛先担当アドレスと、が互いに関連づけられた送信先アドレス登録情報を記憶する記憶手段、および、
前記送信先アドレス登録情報に含まれる複数の送信先アドレスの中からユーザによって指定された送信先アドレスに対して電子メールを送信する送信手段、
として機能させ、
前記送信手段は、指定された送信先アドレスに関連づけられた前記宛先種別情報が外部宛先である場合、その指定された送信先アドレスに関連づけられた前記外部宛先担当アドレスを読み出し、該外部宛先担当アドレスを送信元アドレス欄と返信用アドレス欄とに設定した電子メールを作成し、該電子メールをその指定された送信先アドレスに送信する処理を行うことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−34464(P2011−34464A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182015(P2009−182015)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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