説明

電子会議システム、サーバ装置、及びプログラム

【課題】電子会議における参加者の意見について、想定外の取り扱いがなされることを防止すること。
【解決手段】電子会議システム(S)の意見情報記憶手段(24)は、電子会議の参加者の意見に係る意見情報を記憶する。公開方法記憶手段(28)は、参加者による電子会議への参加方法と、参加者の意見に係る意見情報のうち公開対象となる対象情報と、当該対象情報の公開方法と、を関連付けた公開方法データを記憶する。参加方法取得手段(40)は、意見情報に係る意見を入力した参加者の参加方法を取得する。情報公開手段(42)は、公開方法データに基づいて、意見情報記憶手段(24)に記憶された意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した参加者の参加方法に関連付けられた対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた公開方法で、他の参加者に公開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子会議システム、サーバ装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、会議の資料を電子化し、遠隔地からも会議に参加することができる電子会議に関する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、電子会議において参加者が発言した音声に基づいて認証を行うことによって、当該音声を発した参加者が、電子会議において発言権を有する者であるか否かを判定する技術が記載されている。特許文献2には、電子会議に参加できない者が予め意見を述べて記録しておき、電子会議において当該意見を再生することによって、実質的に電子会議に参加させる技術が記載されている。
【0004】
特許文献3には、電子会議の参加者と視聴者とに分けることによって、電子会議を配信する際の帯域制限を解消する技術が記載されている。特許文献4には、電子会議の参加者以外の者に情報が漏れないように、電子会議においてやり取りされた意見のアクセス制限を行う技術が記載されている。特許文献5には、電子会議においてやり取りされた情報をデータベース化して記憶する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−316953号公報
【特許文献2】特開平7−123098号公報
【特許文献3】特開2008−22552号公報
【特許文献4】特開平7−202887号公報
【特許文献5】特開2005−117155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、電子会議における参加者の意見について、想定外の取り扱いがなされることを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電子会議の参加者の意見に係る意見情報を記憶する意見情報記憶手段と、前記参加者による前記電子会議への参加方法と、前記参加者の意見に係る前記意見情報のうち公開対象となる対象情報と、当該対象情報の公開方法と、を関連付けた公開方法データを記憶する公開方法記憶手段と、前記意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法を取得する参加方法取得手段と、前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法で、他の前記参加者に公開する情報公開手段と、を含むことを特徴とする電子会議システムである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、前記電子会議システムは、前記参加者と他の前記参加者との関係を示すデータを記憶する参加者データ記憶手段、を更に含み、前記公開方法データが示す前記公開方法は、前記意見情報に係る意見を入力した前記参加者と、前記対象情報が公開される他の前記参加者と、の関係を示し、前記情報公開手段は、前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法が示す関係を有する他の前記参加者に公開する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子会議システムである。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、前記公開方法データが示す前記公開方法は、前記対象情報が公開される期間を示し、前記情報公開手段は、前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法が示す期間において、他の前記参加者に公開する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子会議システムである。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、前記公開方法データが示す前記公開方法は、前記対象情報の公開が開始される開始時点を示し、前記情報公開手段は、前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法が示す前記開始時点が訪れた場合に、他の前記参加者に公開する、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子会議システムである。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、前記公開方法データが示す前記公開方法は、前記対象情報が公開されるべき場所を示し、前記情報公開手段は、前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法が示す前記場所において、他の前記参加者に公開する、ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子会議システムである。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、前記電子会議システムは、前記参加者により入力される入力情報を取得する入力情報取得手段と、前記入力情報取得手段により取得された入力情報と、当該入力情報を入力した前記参加者の前記参加方法に関連付けられた前記対象情報及び前記公開方法と、に基づいて前記意見情報を前記意見情報記憶手段に記録する意見情報記録手段と、を更に含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子会議システムである。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、前記電子会議システムは、前記公開方法データに設定されるべき前記参加方法と前記対象情報と前記公開方法とについて複数の前記参加者からの指定を受け付け、当該指定を受け付けた前記参加方法と前記対象情報と前記公開方法とに基づいて、前記公開方法データを設定する公開方法データ設定手段、を更に含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子会議システムである。
【0014】
また、請求項8に記載の発明は、電子会議の参加者の意見に係る意見情報を記憶する意見情報記憶手段と、前記参加者による前記電子会議への参加方法と、前記参加者の意見に係る前記意見情報のうち公開対象となる対象情報と、当該対象情報の公開方法と、を関連付けた公開方法データを記憶する公開方法記憶手段と、前記意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法を取得する参加方法取得手段と、前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法で、他の前記参加者に公開する情報公開手段と、を含むことを特徴とするサーバ装置である。
【0015】
また、請求項9に記載の発明は、電子会議の参加者の意見に係る意見情報を記憶する意見情報記憶手段と、前記参加者による前記電子会議への参加方法と、前記参加者の意見に係る前記意見情報のうち公開対象となる対象情報と、当該対象情報の公開方法と、を関連付けた公開方法データを記憶する公開方法記憶手段と、前記意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法を取得する参加方法取得手段と、前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法で、他の前記参加者に公開する情報公開手段と、を含むことを特徴とするサーバ装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、請求項8、及び請求項9に記載の発明によれば、電子会議における参加者の意見について、想定外の取り扱いがなされることを防止することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、参加者の意見が公開される範囲を定めることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、参加者の意見が公開される期間を定めることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、参加者の意見が公開される開始時点を定めることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、参加者の意見が公開される場所を定めることができる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、参加者の意見のうち適切な意見のみを記録することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、電子会議システムにおける情報の扱われ方を参加者全員で決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る電子会議システムの構成を示す図である。
【図2】電子会議システムの機能ブロック図である。
【図3】個人情報データのデータ格納例を示す図である。
【図4】スケジュールデータのデータ格納例を示す図である。
【図5】ユーザ装置において表示される入力画面を示す図である。
【図6】意見情報のデータ格納例を示す図である。
【図7】公開方法データのデータ格納例を示す図である。
【図8】公開方法データに基づいて表示される公開方法画面の一例を示す図である。
【図9】電子会議システムにおいて実行される公開方法設定処理を示す図である。
【図10】設定画面の一例を示す図である。
【図11】電子会議システムにおいて実行される公開方法確認処理を示す図である。
【図12】電子会議システムにおいて実行される意見情報記録処理を示す図である。
【図13】電子会議システムにおいて実行される情報公開処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[1.実施形態]
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0025】
[2.電子会議システムの各装置の構成]
図1は、本発明に係る電子会議システムの構成を示す図である。図1に示すように、電子会議システムSは、例えば、サーバ装置1とユーザ装置10とを含んで構成され、各装置は、ネットワークNを介して接続される。なお、サーバ装置1とユーザ装置10とは、パーソナルコンピュータや携帯電話機等の種々のコンピュータのハードウェアによって実現されるようにすればよい。
【0026】
サーバ装置1は、例えば、CPU等を含んで構成される制御部2と、制御部2により実行されるプログラムや電子会議に関する各種データを記憶する記憶部3と、ネットワークNを介して他の装置とデータを送受信するための通信部4と、を含んで構成される。図1に示す構成の他にも、サーバ装置1は、操作部や表示部等を含んで構成されるようにしてもよい。
【0027】
ユーザ装置10は、例えば、CPU等を含んで構成される制御部11と、制御部11により実行されるプログラムや各種データを記憶する記憶部12と、参加者が各種操作を行うためのキーボード等を含んでなる操作部13と、液晶モニタ等により構成される表示部14と、ネットワークNを介して他の装置とデータを送受信するための通信部15と、音声を検出するマイク等を含んでなる音声入力部16と、を含んで構成される。ユーザ装置10は、図1に示す構成以外の構成を含んでいてもよい。
【0028】
図1に示すように、電子会議システムSには、複数のユーザ装置10が含まれる。これら複数のユーザ装置10の各々は、電子会議の参加者又は参加予定者(以降、まとめて単に参加者という。)により操作される。電子会議の開催中又は開催前後においては、この電子会議の参加者は、操作部13から文章を入力したり、音声入力部16から音声を入力したりすることによって、自分の意見を入力する。
【0029】
電子会議の参加者によって入力された意見を示すデータ(例えば、テキストデータや音声データ)は、ユーザ装置10からネットワークNを介してサーバ装置1に送信される。サーバ装置1は、各ユーザ装置10が送信した情報をネットワークNを介して受信することによって、電子会議を統括的に制御する。
【0030】
なお、ユーザ装置10は、例えば、電子会議が開催される会議室に設置されていてもよいし、この会議室とは異なる場所に設置されていてもよい。例えば、図1に示すユーザ装置10A,10B,10Cは、会議室に設置されており、ユーザ装置10D,10Eは、この会議室とは離れた場所に設置されていてもよい。
【0031】
上記の例では、ユーザ装置10A,10B,10Cを操作する参加者(それぞれ、参加者A,B,Cという。)は、会議室に集まって会議を行うことになる。一方、ユーザ装置10D,10Eを操作する参加者(それぞれ、参加者D,Eという。)は、例えば、この会議室から離れた遠隔地から、ネットワークNを介して電子会議に参加する。
【0032】
本実施形態においては、電子会議の各参加者の参加方法に応じて、他の参加者に公開される情報が異なる構成になっている。例えば、会議室で顔を合わせて電子会議に参加する参加者A,B,Cの発言内容は、匿名化されずに他の参加者に公開され、遠隔地から電子会議に参加する参加者D,Eの発言内容は、匿名化されて他の参加者に公開されるようにしてもよい。以下、上記構成について具体的に説明する。
【0033】
[3.電子会議システムにおいて実現される機能]
図2は、電子会議システムSの機能ブロック図である。図2に示すように、電子会議システムSは、参加者データ記憶部20、入力情報取得部22、意見情報記憶部24、意見情報記録部26、公開方法データ記憶部28、公開方法データ設定部30、公開方法表示部38、参加方法取得部40、及び情報公開部42を含む。
【0034】
図2に示す各機能は、制御部2が、記憶部3に記憶されたプログラムを実行し、制御部11が、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。
【0035】
[3−1.参加者データ記憶部]
参加者データ記憶部20は、例えば、記憶部3を主として実現される。参加者データ記憶部20は、電子会議システムSの参加者に関する各種情報を記憶する。ここでは、参加者データ記憶部20が、各参加者の個人情報を示す個人情報データと、各参加者が参加を予定する電子会議を示すスケジュールデータと、を記憶する場合を例に挙げて説明する。
【0036】
図3は、個人情報データのデータ格納例を示す図である。図3に示すように、例えば、各参加者を識別する参加者IDと、参加者の個人情報と、が関連付けられて個人情報データに格納される。個人情報としては、例えば、参加者の氏名、参加者の属性を示す属性情報、参加者の人脈を示す人脈情報が格納される。
【0037】
参加者の属性とは、参加者に付帯する情報(例えば、氏名以外の情報)であり、例えば、参加者が所属する会社名、当該会社の業種、職種、性別、趣味、家族構成、住所等が格納される。参加者の人脈とは、参加者に関連付けられた他の参加者(知り合いの参加者)を示し、例えば、過去に参加者が参加した電子会議に参加していた他の参加者の参加者IDが格納される。個人情報データに格納される参加者の人脈は、例えば、後述のスケジュールデータに基づいて、同じ電子会議に参加した他の参加者が特定されることによって、内容が更新されるようにしてもよい。
【0038】
図4は、スケジュールデータのデータ格納例を示す図である。図4に示すように、例えば、参加者IDと、参加者が参加する電子会議に関する電子会議情報と、当該電子会議への参加方法と、が関連付けられてスケジュールデータに格納されている。
【0039】
電子会議情報は、電子会議を識別するための情報であり、例えば、参加者が参加する電子会議の名称、主催者の参加者ID、開催日時、開催場所を示す情報が格納される。
【0040】
電子会議の参加方法は、参加者による電子会議への参加形態(参加種別)であり、即ち、参加者が電子会議にどのように参加するかを示す情報が格納される。例えば、参加者が電子会議に参加する場所又は時間に関する情報が、電子会議の参加方法として格納される。
【0041】
電子会議に参加する場所とは、電子会議が開催される場所において電子会議に参加するか、他の場所において電子会議に参加するかを示す。電子会議に参加する時間とは、電子会議の開催時間において参加するか、電子会議の開催前又は開催後において事前又は事後に意見を述べることによって参加するか、を示す。ここでは、図4に示すように、例えば、電子会議の参加方法として、電子会議の開催場所に行って参加する「直接参加」と、遠隔地から電子会議に参加する「遠隔参加」の何れかが格納される場合を例に挙げて説明する。
【0042】
[3−2.入力情報取得部]
入力情報取得部22は、制御部2を主として実現される。入力情報取得部22は、電子会議の参加者により入力される入力情報を取得する。入力情報は、電子会議において他の参加者との間でやりとりされる情報であり、電子会議の議題についての意見内容を示す情報である。入力情報は、参加者が情報を入力するための情報入力手段(例えば、操作部13又は音声入力部16)から入力される。例えば、入力情報取得部22は、参加者により入力された入力情報をネットワークNを介して取得する。
【0043】
図5は、ユーザ装置10において表示される入力画面を示す図である。入力画面50は、例えば、電子会議の開催中又は開催前後において表示される。参加者は、入力画面50の発言入力欄52から所与の入力を行って発言ボタン54を選択することによって、入力情報を入力する。例えば、参加者は、入力画面50から、操作部13のキーボード等を用いて意見を入力する。また例えば、参加者は、入力画面50を表示させた状態で、音声入力部16を介して音声を入力するようにしてもよい。
【0044】
なお、入力画面50には、電子会議において使用される資料56や、他の参加者の意見内容が表示される議事欄58が表示されるようにしてもよい。先述したように、議事欄58に表示される内容は、参加者の参加方法によって異なる。即ち、発言者の参加方法に応じて、表示される情報もあれば表示されない情報もある。
【0045】
また、ここでは、説明の簡略化のため、テキストデータと音声データとが入力情報として用いられる場合を例に挙げて説明するが、入力情報は、種々の入力デバイスによって入力される情報であればよい。他にも例えば、会議室で使用されているOCR(Optical Character Reader)に写しだされているデータが入力情報として用いられるようにしてもよい。
【0046】
[3−3.意見情報記憶部,意見情報記録部]
意見情報記憶部24は、記憶部3を主として実現される。意見情報記憶部24は、電子会議の参加者の意見に係る意見情報を記憶する。意見情報記録部26は、制御部2を主として実現される。意見情報記録部26は、入力情報取得部22により取得された入力情報に基づいて、意見情報を意見情報記憶部24に記録する。意見情報は、電子会議における議事を示し、例えば、電子会議において入力された入力情報、及び、当該入力情報を入力した参加者に関する情報(例えば、参加者ID、属性情報、人脈情報等)である。
【0047】
図6は、意見情報のデータ格納例を示す図である。図6に示すように、例えば、入力情報を入力した参加者の参加者IDと、入力情報取得部22により取得された入力情報と、が関連付けられて意見情報として格納される。例えば、入力情報として、参加者の発言内容を示すテキストデータ、又は、参加者の発言内容を示す音声データが、意見情報として格納される。なお、図6に示す意見情報は、電子会議毎に記憶される。
【0048】
例えば、意見情報記録部26は、入力情報取得部22により入力情報が取得されると、当該入力情報を、当該入力情報を入力した参加者に関する情報(例えば、参加者ID、属性情報、人脈情報等)に関連付けて、意見情報として意見情報記憶部24に記録させる。即ち、ここでは、ある電子会議において、参加者が入力情報を入力するたびに、意見情報には新たなレコードが追加される場合を例に挙げて説明する。
【0049】
[3−4.公開方法データ記憶部]
公開方法データ記憶部28は、記憶部3を主として実現される。公開方法データ記憶部28は、参加者による電子会議への参加方法と、参加者の意見に係る意見情報のうち公開対象となる対象情報と、当該対象情報の公開方法と、を関連付けた公開方法データを記憶する。
【0050】
図7は、公開方法データのデータ格納例を示す図である。図7に示すように、公開方法データは、どのように電子会議に参加すると、自分が発信した情報が、他の参加者にどのように公開されるか、を定義したデータである。
【0051】
公開方法データの「参加方法」には、参加者による電子会議への参加方法を識別する情報が格納され、ここでは、「直接参加」と「遠隔参加」との何れかが格納される。
【0052】
公開方法データの「対象情報」は、参加者に係る意見情報のうち他の参加者に公開される情報を示し、ここでは、説明の簡略化のため、「名前と入力情報との両方」と、「入力情報のみ」と、「名前のみ」と、の何れかが格納される場合を例に挙げて説明する。なお、参加者に係る意見情報とは、参加者が入力した入力情報に基づいて記録される意見情報のことであり、ここでは、参加者ID及び入力情報が、参加者に係る意見情報に相当する。
【0053】
例えば、「名前と入力情報との両方」であることは、意見が匿名化されずに公開されることを示す。例えば、「入力情報のみ」であることは、意見が匿名化されて公開されることを示す。例えば、「名前のみ」であることは、意見自体は公開されないが、意見を述べた参加者が公開されることを示す。
【0054】
公開方法データの「公開方法」は、「対象情報」に示された情報の扱われ方(アクセス方法)を示し、例えば、「対象情報」に示された情報が公開される参加者に関する情報、公開可能な時間に関する情報、公開可能な場所に関する情報が示される。ここでは、「公開方法」に、「伝搬範囲」、「共有期間」、「共有タイミング」、「公開場所」が格納される場合を例に挙げて説明する。
【0055】
「伝搬範囲」には、「対象情報」に示された情報を公開すべき他の参加者に関する情報が格納され、例えば、入力情報を入力した参加者との関係を示す情報が格納される。即ち、ここでは、公開方法データが示す公開方法が、意見情報に係る意見を入力した参加者と、対象情報が公開される他の参加者と、の関係を示す場合を例に挙げて説明する。
【0056】
例えば、ここでは、「伝搬範囲」には、「全ての参加者」と、「知り合いの参加者のみ」と、の何れかが「伝搬範囲」に格納される。「全ての参加者」であることは、「対象情報」に示された情報が全ての参加者に公開されることを示す。「知り合いの参加者のみ」であることは、「対象情報」に示された情報が知り合いの参加者のみに公開されることを示す。
【0057】
「共有期間」は、「対象情報」に示された情報が公開される期間を示す情報が格納され、例えば、電子会議の開催中にのみ公開されることを示す「開催中のみ」と、電子会議の開催前後を含む所定期間において公開されることを示す「指定期間のみ」と、いつでも公開可能なことを示す「永久期間」と、の何れかが格納される。即ち、ここでは、公開方法データが示す公開方法が、対象情報が公開される期間を示す場合を例に挙げて説明する。
【0058】
「共有タイミング」は、「対象情報」に示された情報が公開される開始時点を示す情報が格納され、例えば、リアルタイムに公開されることを示す「リアルタイム」と、電子会議が終了してから所定期間後に公開されることを示す「所定期間後」と、電子会議の主催者や参加者の承認が得られた時点を示す「承認後」と、の何れかが格納される。即ち、ここでは、公開方法データが示す公開方法は、対象情報の公開が開始される開始時点を示す場合を例に挙げて説明する。
【0059】
「公開場所」は、「対象情報」に示された情報の公開が許可される場所を示す情報が格納され、当該場所からサーバ装置1にアクセスしなければ公開されないことを示す。例えば、電子会議の開催場所からアクセスしないと公開されないことを示す「開催場所のみ」と、どこからアクセスしても公開可能なことを示す「全場所」と、の何れかが格納される。即ち、ここでは、公開方法データが示す公開方法は、対象情報が公開されるべき場所を示す場合を例に挙げて説明する。
【0060】
このように、公開方法データは、電子会議における意見の扱われ方を定義した、電子会議のポリシーを示すデータといえる。例えば、図7に示すデータ格納例では、電子会議に「直接参加」した参加者については、この電子会議で発言した全ての情報を、どの参加者も、いつ、どこからでも参照できることを示している。一方、電子会議に「遠隔参加」した参加者については、この電子会議で発言した情報を、匿名で、知り合いの参加者のみ、発言の所定期間後に参照できることを示している。
【0061】
[3−5.公開方法データ設定部]
公開方法データ設定部30は、制御部2を主として実現される。公開方法データ設定部30は、電子会議の主催者(例えば、参加者の何れか)又は参加者が操作するユーザ装置10からの入力を受け付けることによって、公開方法データを生成又は更新する。本実施形態においては、電子会議の主催者によって、公開方法データが生成又は更新される例を説明する。
【0062】
例えば、公開方法データ設定部30は、参加方法設定部32、対象情報設定部34、及び公開方法設定部36を含んで構成される。
【0063】
参加方法設定部32は、公開方法データに格納される「参加方法」について、主催者又は参加者による指定を受け付ける。例えば、参加方法設定部32は、参加者がとりうる参加方法のうち、主催者又は参加者によって指定された参加方法を、公開方法データの「参加方法」に格納する。例えば、参加者がとりうる参加方法を示すデータを公開方法データ記憶部28に予め記憶させておき、これらの参加方法のうちで主催者又は参加者による指定を受け付けるようにしてもよい。
【0064】
対象情報設定部34は、公開方法データに格納される「対象情報」について、主催者又は参加者による指定を受け付ける。例えば、対象情報設定部34は、意見情報に含まれる情報のうち、主催者又は参加者によって指定された情報を、公開方法データの「対象情報」に格納する。例えば、意見情報に含まれる情報の種類を公開方法データ記憶部28等に予め記憶させておき、これらの種類のうちで主催者又は参加者による指定を受け付けるようにしてもよい。意見情報に含まれる情報の種類とは、意見情報として格納される情報の項目のことであり、ここでは、「参加者ID」又は「入力情報」の何れか一方又は両方が指定されることになる。
【0065】
公開方法設定部36は、公開方法データに格納される「公開方法」について、指定を受け付ける。例えば、公開方法設定部36は、主催者又は参加者によって指定された「伝搬範囲」、「共有期間」、「共有タイミング」、「公開場所」を、公開方法データの「公開方法」に格納する。例えば、主催者又は参加者が指定可能な「伝搬範囲」、「共有期間」、「共有タイミング」、「公開場所」を公開方法データ記憶部28等に予め記憶させておき、これら「伝搬範囲」、「共有期間」、「共有タイミング」、「公開場所」のうちで主催者又は参加者による指定を受け付けるようにしてもよい。
【0066】
[3−6.公開方法表示部]
公開方法表示部38は、制御部11及び表示部14を主として実現される。公開方法表示部38は、公開方法データ記憶部28から公開方法データを取得し、当該公開方法データの設定内容を表示部14に表示する。
【0067】
図8は、公開方法データに基づいて表示される公開方法画面の一例を示す図である。図8に示すように、公開方法画面60が表示されることによって、公開方法データの内容が参加者に案内される。電子会議の参加者は、公開方法画面60において、どの参加方法で電子会議に参加した場合に、自分の発言内容が、どのように公開されるかを把握する。
【0068】
なお、参加者は、公開方法画面60を見たうえで、自身の参加方法を変更するようにしてもよい。例えば、参加方法の変更を受け付けるための変更ボタン62が選択されると、当該参加者の電子会議の参加方法が変更され、スケジュールデータが更新されるようにしてもよい。参加者は、現在の参加方法では自分の意図しない情報の扱われ方がなされると判断した場合に、自分が意図する情報の扱われ方がなされる参加方法に変更する。例えば、図8に示すような設定内容の場合、直接参加を予定している参加者が、匿名で意見を述べたいと感じた場合には、参加方法を遠隔参加に変更する。
【0069】
[3−7.参加方法取得部]
参加方法取得部40は、制御部2を主として実現される。参加方法取得部40は、意見情報に係る意見を入力した参加者の参加方法を取得する。ここでは、参加方法取得部40は、スケジュールデータに格納された各参加者の参加方法を参照することによって、参加者の参加方法を取得する。
【0070】
[3−8.情報公開部]
情報公開部42は、制御部2を主として実現される。情報公開部42は、公開方法データに基づいて、意見情報記憶部24に記憶された意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した参加者の参加方法に関連付けられた対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた公開方法で、他の参加者に公開する。
【0071】
即ち、情報公開部42は、一の参加者に係る意見情報のうち、当該参加者の参加方法に関連付けられた対象情報のみを、他の参加者に公開する。当該一の参加者に係る意見情報のうち、当該参加者の参加方法に関連付けられた対象情報以外の情報は、他の参加者に公開されないように制限される。
【0072】
例えば、情報公開部42は、対象情報を、公開方法データの公開方法が示す関係を有する他の参加者に公開するようにしてもよい。例えば、対象情報が、知り合いの関係にある他の参加者のみに公開されるようにしてもよい。即ち、対象情報は、公開方法データの公開方法が示す関係の他の参加者に公開されないように制限される。
【0073】
また例えば、情報公開部42は、対象情報を、公開方法データの公開方法が示す期間において、他の参加者に公開するようにしてもよい。例えば、対象情報が、公開方法データの公開方法が示す期間のみ公開されるようにしてもよい。即ち、対象情報は、公開方法データの公開方法が示す期間以外の時点においては、他の参加者に公開されないように制限される。
【0074】
また例えば、情報公開部42は、対象情報を、公開方法データの公開方法が示す開始時点が訪れた場合に、他の参加者に公開するようにしてもよい。例えば、対象情報が、公開方法データの公開方法が示す開始時点以降においてのみ公開されるようにしてもよい。即ち、対象情報は、公開方法データの公開方法が示す開始時点以前においては、他の参加者に公開されないように制限される。
【0075】
また例えば、情報公開部42は、対象情報を、公開方法データの公開方法が示す場所において、他の参加者に公開するようにしてもよい。例えば、対象情報が、公開方法データの公開方法が示す場所からアクセスされた場合にのみ公開されるようにしてもよい。即ち、対象情報は、公開方法データの公開方法が示す場所以外からアクセスされた場合には、他の参加者に公開されないように制限される。
【0076】
[4.電子会議システムにおいて実行される処理]
次に、電子会議システムSが実行する処理について説明する。ここでは、下記の4つの処理が実行される場合を例に挙げて説明する。制御部2が記憶部3に記憶されたプログラムに従い、また、制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムに従うことによって、これらの処理が実行される。
(1)電子会議の主催者が公開方法データの内容を設定するための公開方法設定処理
(2)電子会議への参加者が公開方法データの内容を確認するための公開方法確認処理
(3)電子会議において意見情報を記録するための意見情報記録処理
(4)意見情報を公開するための情報公開処理
【0077】
[4−1.公開方法設定処理]
図9は、電子会議システムSにおいて実行される公開方法設定処理を示す図である。公開方法設定処理は、例えば、電子会議の開催前において実行される。
【0078】
図9に示すように、まず、ユーザ装置10において、制御部11は、電子会議の主催者による操作部13からの操作に応じて、公開方法データの設定要求をサーバ装置1に送信する(S101)。例えば、電子会議の開催前において、主催者が、所与のメニュー画面(図示せず)から公開方法データの設定を行うためのボタンを選択することによって、設定要求がサーバ装置1に送信される。
【0079】
制御部11は、公開方法データの設定要求を受信すると、主催者による設定操作を受け付けるための設定画面の表示データを生成して、ユーザ装置10に送信する(S102)。ユーザ装置10においては、制御部11は、設定画面の表示データを受信すると、設定画面を表示部14に表示させる(S103)。
【0080】
図10は、設定画面の一例を示す図である。図10に示すように、設定画面70には、主催者が参加方法を指定するための参加方法入力欄72と、主催者が対象情報を指定するための対象情報入力欄74と、主催者が公開方法を指定するための公開方法入力欄76と、主催者が設定指示を行うための設定ボタン78と、が含まれる。例えば、主催者がプルダウンメニューから設定内容を選択することによって、参加方法、対象情報、及び公開方法が指定される。
【0081】
制御部11は、参加方法入力欄72への入力に基づいて、参加方法の指定を受け付ける(S104)。制御部11は、対象情報入力欄74への入力に基づいて、対象情報の指定を受け付ける(S105)。制御部11は、公開方法入力欄76への入力に基づいて、公開方法の指定を受け付ける(S106)。
【0082】
制御部11は、設定ボタン78が選択されると、参加者により指定された設定内容を示す設定内容データを、サーバ装置1に送信する(S107)。設定内容データには、主催者により指定された「参加方法」と「対象情報」と「公開方法」とが関連付けられて格納される。
【0083】
サーバ装置1においては、制御部2は、設定内容データを受信すると、当該設定内容データに基づいて公開方法データを設定し(S108)、本処理は終了する。
【0084】
このように、本実施形態においては、公開方法設定処理が実行されることによって、電子会議の主催者が公開方法データの内容を設定する。
【0085】
[4−2.公開方法確認処理]
図11は、電子会議システムSにおいて実行される公開方法確認処理を示す図である。図11に示すように、ユーザ装置10において、制御部11は、参加者による操作部13からの操作に応じて、参加予定の電子会議に設定されている公開方法データの参照要求をサーバ装置1に送信する(S201)。
【0086】
サーバ装置1においては、制御部2は、参照要求を受け付けた電子会議に設定された公開方法データを読み出す(S202)。制御部2は、当該読みだしたデータに基づいて、確認画面の表示データを生成してユーザ装置10に送信する(S203)。
【0087】
ユーザ装置10においては、制御部11は、受信した表示データに基づいて、確認画面(図8)を表示部14に表示させる(S204)。制御部11は、参加方法の変更操作を受け付けたか否かを判定する(S205)。参加方法の変更操作を受け付けたと判定されない場合(S205;N)、本処理は終了する。参加方法の変更操作を受け付けたと判定された場合(S205;Y)、制御部11は、変更された参加方法を示す情報を、サーバ装置1に送信する(S206)。
【0088】
サーバ装置1においては、制御部2は、受信した情報に基づいて、スケジュールデータに格納された参加者の参加方法を変更し(S207)、本処理は終了する。
【0089】
このように、公開方法確認処理が実行されることによって、各参加者は、自分の発言内容がどのように取り扱われるかを確認する。
【0090】
[4−3.意見情報記録処理]
図12は、電子会議システムSにおいて実行される意見情報記録処理を示す図である。図12に示すように、まず、ユーザ装置10において、制御部11は、参加者による操作部13からの操作に応じて、入力情報の入力を受け付けたか否かが判定される(S301)。
【0091】
入力情報の入力を受け付けたと判定された場合(S301;Y)、制御部11は、参加者IDと入力情報とをサーバ装置1に送信する(S302)。参加者IDは、例えば、記憶部3に記憶されているようにしてもよい。
【0092】
制御部2は、参加者IDと入力情報とを受信すると、当該参加者IDと当該入力情報とを関連付けて意見情報として記憶部3に記録する(S303)。
【0093】
制御部2は、電子会議の終了条件が満たされるか否かを判定する(S304)。終了条件は、電子会議を終了するために定められた条件であればよい。例えば、電子会議に週上時刻を定めておき、当該終了時刻が訪れたか否かが判定されるようにすればよい。
【0094】
終了条件が満たされると判定された場合(S304;Y)、制御部2は、終了通知をユーザ装置10に送信し(S305)、処理は終了する。終了条件が満たされると判定されない場合(S304;N)、処理は、S303に戻り、参加者により次の意見の入力がされると意見情報が記録される。
【0095】
ユーザ装置10においては、制御部11は、電子会議の終了通知を受信したか否かを判定する(S306)。終了通知を受信したと判定されない場合(S306;N)、処理は、S301に戻る。終了通知を受信したと判定された場合(S306;Y)、本処理は終了する。
【0096】
このように、意見情報記録処理が実行されることによって、各参加者が入力した入力情報に基づいて意見情報が記録される。
【0097】
[4−4.情報公開処理]
図13は、電子会議システムSにおいて実行される情報公開処理を示す図である。まず、図13に示すように、ユーザ装置10において、制御部11は、意見情報の表示要求をサーバ装置1に送信する(S401)。表示要求は、参加者の操作に応じて送信されるようにしてもよいし、電子会議の開催中において所定時間毎に自動的に送信されるようにしてもよい。
【0098】
サーバ装置1においては、制御部2は、意見情報の表示要求を受信すると、意見情報に格納された参加者IDを取得する(S402)。制御部2は、スケジュールデータを参照して、当該参加者IDの参加者の参加方法を特定する(S403)。制御部2は、公開方法データを参照して、S403で特定された参加方法に関連付けられた「対象情報」及び「公開方法」を取得する(S404)。
【0099】
制御部2は、S404において取得された「対象情報」に基づいて、上記参加者IDの参加者に係る意見情報のうち公開すべき情報を特定する(S405)。例えば、「対象情報」に「名前と入力情報との両方」が示されている場合、意見情報に格納されたユーザIDと入力情報との両方が、公開すべき情報として特定される。また例えば、「対象情報」に「入力情報のみ」が示されている場合、意見情報に格納された入力情報のみが、公開すべき情報として特定される。また例えば、「対象情報」に「名前のみ」が示されている場合、意見情報に格納されたユーザIDの参加者の氏名が、公開すべき情報として特定される。
【0100】
制御部2は、S404において取得された「公開方法」が示す「伝搬範囲」が満たされるか否かを判定する(S406)。S406においては、例えば、個人情報データの人脈情報が参照され、S401で表示要求をした参加者と意見情報に係る参加者との関係が、「伝搬範囲」に示された関係であるか否かが判定される。
【0101】
「伝搬範囲」が満たされると判定された場合(S406;Y)、制御部2は、S404において取得された「公開方法」が示す「共有期間」が満たされるか否かを判定する(S407)。S407においては、例えば、現時点が「共有期間」に示される期間内であるか否かが判定される。
【0102】
「共有期間」が満たされると判定された場合(S407;Y)、制御部2は、S404において取得された「公開方法」が示す「共有タイミング」が満たされるか否かを判定する(S408)。S408においては、例えば、現時点が「共有タイミング」以降の時点であるか否かが判定される。
【0103】
「共有タイミング」が満たされると判定された場合(S408;Y)、制御部2は、S404において取得された「公開方法」が示す「公開場所」が満たされるか否かを判定する(S409)。S409においては、例えば、S401で表示要求をした参加者の参加方法が取得され、当該参加者がどこから電子会議に参加しているかが特定される。この特定された場所が、「公開場所」を満たすか否かが判定される。他にも、参加者が操作するユーザ装置10のIPアドレスを取得することによって、参加者がどこから電子会議に参加しているかが特定されるようにしてもよい。
【0104】
「公開場所」が満たされると判定された場合(S409;Y)、制御部2は、対象情報を、参加者に公開する情報として決定する(S410)。
【0105】
制御部2は、記憶部3に記憶された全ての意見情報について、公開可否の判定処理(S402〜S410の処理)を行ったか否かを判定する(S411)。全ての意見情報について判定処理を行ったと判定されない場合(S411;N)、処理はS402に戻り、他の意見情報について、S401で表示要求をした参加者に公開するか否かが判定される。
【0106】
一方、「伝搬範囲」が満たされると判定されない場合(S406;N)、「共有期間」が満たされると判定されない場合(S407;N)、「共有タイミング」が満たされると判定されない場合(S408;N)、「公開場所」が満たされると判定されない場合(S409;N)、S410の処理は実行されない。即ち、これらの場合、S405で特定された情報が、S401において表示要求をした参加者に公開されないように制限される。
【0107】
全ての意見情報について判定処理を行ったと判定された場合(S411;Y)、制御部2は、S409において決定された情報をユーザ装置10に送信する(S412)。
【0108】
ユーザ装置10においては、制御部11は、サーバ装置1から受信した情報を表示部14に表示する(S412)。例えば、入力画面50の議事欄58に、サーバ装置1から受信した情報が表示されることによって、他の参加者に係る意見情報が公開される。
【0109】
このように、情報公開処理が実行されることによって、意見情報のうち公開方法データに定義された情報のみが、参加者に公開される。
【0110】
[5.実施形態のまとめ]
実施形態に係る電子会議システムSは、参加者に係る意見情報のうち、参加方法に関連付けられた対象情報を、参加方法及び対象情報に関連付けられた公開方法で公開することによって、電子会議における参加者の意見について、想定外の取り扱いがなされることを防止する。
【0111】
また、電子会議システムSは、公開方法データの「伝搬範囲」において、参加者の意見が公開される範囲を定める。また、電子会議システムSは、公開方法データの「共有期間」において、参加者の意見が公開される期間を定める。また、電子会議システムSは、公開方法データの「共有タイミング」において、参加者の意見が公開される開始時点を定める。また、電子会議システムSは、公開方法データの「公開場所」において、参加者の意見が公開される場所を定める。
【0112】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0113】
[6.変形例]
(1)例えば、実施形態においては、参加者により入力された入力情報が、当該参加者の参加者IDと関連付けられて、意見情報として記録される場合を例に挙げて説明した。意見情報が記録される場合には、他の参加者に公開される情報のみを記録するようにしてもよい。
【0114】
変形例(1)の意見情報記録部26は、公開方法データに基づいて、入力情報取得部22により取得された入力情報と、当該入力情報を入力した参加者の参加方法に関連付けられた対象情報及び公開方法と、に基づいて意見情報を意見情報記憶部24に記録する。即ち、参加者が入力情報を入力した場合、当該入力情報に関する情報(例えば、参加者ID及び入力情報)のうち、他の参加者に公開される情報のみが、意見情報として記録されるようにしてもよい。
【0115】
変形例(1)の会議情報記録処理(図13)においては、S303の処理が実行される際に、スケジュールデータが参照されて、入力情報を入力した参加者の参加方法が取得される。そして、公開方法データが参照されて、当該参加方法に関連付けられた対象情報と公開方法とが取得される。この対象情報と公開情報とに基づいて定まる、他の参加者に公開される情報のみが意見情報として記録される。
【0116】
例えば、公開方法データの「対象情報」が「入力情報」を示している場合、入力情報のみが意見情報として記録され、参加者IDは意見情報として記録されないようにしてもよい。また例えば、公開方法データの「対象情報」が「参加者ID」を示している場合、参加者IDのみが意見情報として記録され、入力情報は意見情報として記録されないようにしてもよい。
【0117】
また例えば、電子会議に参加している他の参加者が、公開方法データの「伝搬範囲」に含まれない場合には、意見情報自体が記録されないようにしてもよい。また例えば、現時点が、公開方法データの「共有期間」を既に過ぎてしまっている場合には、意見情報自体が記録されないようにしてもよい。また例えば、電子会議に参加している他の参加者の参加場所が、公開方法データの「公開場所」を満たさない場合には、意見情報自体が記録されないようにしてもよい。
【0118】
このように、変形例(1)の電子会議システムSは、参加者の意見のうち適切な意見のみを記録する。即ち、他の参加者に公開されない情報は、意見情報として記録されないので、仮に、第三者が意見情報記憶部24の記憶内容を参照したとしても、意見を言った参加者が公開されたくない情報自体が記録されていないため、この情報が第三者に漏えいすることが防止される。
【0119】
(2)また例えば、実施形態においては、主催者が電子会議のポリシーを設定する場合を説明したが、他の参加者が指定した内容に基づいて電子会議のポリシーが設定されるようにしてもよい。
【0120】
変形例(2)の公開方法データ設定部30は、公開方法データに設定されるべき参加方法と対象情報と公開方法とについて複数の参加者からの指定を受け付け、当該指定を受け付けた参加方法と対象情報と公開方法とに基づいて、公開方法データを設定する。
【0121】
例えば、公開方法データ設定部30は、複数の参加者の各々によって指定された公開方法データの設定内容を一時的に公開方法データ記憶部28等に記憶させておき、これら指定された設定内容に基づいて、公開方法データが設定される。例えば、主催者又は参加者により指定された設定内容のうち、最も多かった設定内容が、公開方法データに設定されるようにしてもよい。他にも例えば、複数の参加者の各々によって指定された設定内容が、所与の計算式に代入されることによって決定される設定内容が、公開方法データに設定されるようにしてもよい。
【0122】
このように、変形例(2)の電子会議システムSは、電子会議システムにおける情報の扱われ方を参加者全員で決定する。
【0123】
(3)また例えば、実施形態においては、参加方法として、参加者が電子会議に参加する場所に関する情報が格納される場合を説明したが、電子会議に参加する時間に関する情報が格納されるようにしてもよい。例えば、電子会議に「遠隔参加」する参加者については、電子会議の開催前に意見を入力する「開催前参加」と、電子会議の開催中に意見を入力する「開催中参加」と、電子会議の開催後に意見を入力する「開催後参加」と、が参加方法として設定されるようにしてもよい。
【0124】
例えば、「直接参加」した参加者の意見は、参加者IDと関連付けられて公開され、電子会議の開催前に意見を入力して電子会議自体には参加しない「開催前参加」した参加者の意見は、参加者IDが公開されず意見のみが匿名で公開されるように、公開方法データが設定されるようにしてもよい。
【0125】
また例えば、「遠隔参加」した参加者については、「開催前参加」又は「開催後参加」した際に情報をやり取りした他の参加者について「伝搬範囲」として定めておいてもよい。また例えば、公開方法データの「伝搬範囲」に他の参加者の参加方法を指定しておき、ある参加者が電子会議に「直接参加」した場合であっても、「直接参加」した他の参加者と、遠隔で「開催中参加」した他の参加者と、で公開する情報を異ならしめるようにしてもよい。
【0126】
(4)また例えば、対象情報が公開される参加者の属性が、公開方法データに定められていてもよい。例えば、同じ会社に所属する参加者についてのみ、対象情報が公開されるようにしてもよい。この場合、公開方法データには、対象情報が公開される他の参加者の属性が更に関連付けられている。この属性を満たす他の参加者のみに対象情報が公開されることになる。
【0127】
(5)また例えば、意見情報として格納される情報は、実施形態の例に限られない。他にも例えば、入力情報を入力した参加者の属性情報や人脈情報が、意見情報として格納されるようにしてもよい。この場合には、入力情報を入力した参加者の属性情報や人脈情報のみを、他の参加者に公開する対象情報として公開方法データに定めておいてもよい。
【符号の説明】
【0128】
S 電子会議システム、N ネットワーク、1 サーバ装置、2 制御部、3 記憶部、4 通信部、10 ユーザ装置、11 制御部、12 記憶部、13 操作部、14 表示部、15 通信部、16 音声入力部、20 参加者データ記憶部、22 入力情報取得部、24 意見情報記憶部、26 意見情報記録部、28 公開方法データ記憶部、30 公開方法データ設定部、32 参加方法設定部、34 対象情報設定部、36 公開方法設定部、38 公開方法表示部、40 参加方法取得部、42 情報公開部、50 入力画面、52 発言入力欄、54 発言ボタン、56 資料、58 議事欄、60 公開方法画面、62 変更ボタン、70 設定画面、72 参加方法入力欄、74 対象情報入力欄、76 公開方法入力欄、78 設定ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子会議の参加者の意見に係る意見情報を記憶する意見情報記憶手段と、
前記参加者による前記電子会議への参加方法と、前記参加者の意見に係る前記意見情報のうち公開対象となる対象情報と、当該対象情報の公開方法と、を関連付けた公開方法データを記憶する公開方法記憶手段と、
前記意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法を取得する参加方法取得手段と、
前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法で、他の前記参加者に公開する情報公開手段と、
を含むことを特徴とする電子会議システム。
【請求項2】
前記電子会議システムは、
前記参加者と他の前記参加者との関係を示すデータを記憶する参加者データ記憶手段、
を更に含み、
前記公開方法データが示す前記公開方法は、前記意見情報に係る意見を入力した前記参加者と、前記対象情報が公開される他の前記参加者と、の関係を示し、
前記情報公開手段は、
前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法が示す関係を有する他の前記参加者に公開する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子会議システム。
【請求項3】
前記公開方法データが示す前記公開方法は、前記対象情報が公開される期間を示し、
前記情報公開手段は、
前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法が示す期間において、他の前記参加者に公開する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子会議システム。
【請求項4】
前記公開方法データが示す前記公開方法は、前記対象情報の公開が開始される開始時点を示し、
前記情報公開手段は、
前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法が示す前記開始時点が訪れた場合に、他の前記参加者に公開する、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子会議システム。
【請求項5】
前記公開方法データが示す前記公開方法は、前記対象情報が公開されるべき場所を示し、
前記情報公開手段は、
前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法が示す前記場所において、他の前記参加者に公開する、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子会議システム。
【請求項6】
前記電子会議システムは、
前記参加者により入力される入力情報を取得する入力情報取得手段と、
前記入力情報取得手段により取得された入力情報と、当該入力情報を入力した前記参加者の前記参加方法に関連付けられた前記対象情報及び前記公開方法と、に基づいて前記意見情報を前記意見情報記憶手段に記録する意見情報記録手段と、
を更に含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子会議システム。
【請求項7】
前記電子会議システムは、
前記公開方法データに設定されるべき前記参加方法と前記対象情報と前記公開方法とについて複数の前記参加者からの指定を受け付け、当該指定を受け付けた前記参加方法と前記対象情報と前記公開方法とに基づいて、前記公開方法データを設定する公開方法データ設定手段、
を更に含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の電子会議システム。
【請求項8】
電子会議の参加者の意見に係る意見情報を記憶する意見情報記憶手段と、
前記参加者による前記電子会議への参加方法と、前記参加者の意見に係る前記意見情報のうち公開対象となる対象情報と、当該対象情報の公開方法と、を関連付けた公開方法データを記憶する公開方法記憶手段と、
前記意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法を取得する参加方法取得手段と、
前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法で、他の前記参加者に公開する情報公開手段と、
を含むことを特徴とするサーバ装置。
【請求項9】
電子会議の参加者の意見に係る意見情報を記憶する意見情報記憶手段と、
前記参加者による前記電子会議への参加方法と、前記参加者の意見に係る前記意見情報のうち公開対象となる対象情報と、当該対象情報の公開方法と、を関連付けた公開方法データを記憶する公開方法記憶手段と、
前記意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法を取得する参加方法取得手段と、
前記公開方法データに基づいて、前記意見情報記憶手段に記憶された前記意見情報のうち、当該意見情報に係る意見を入力した前記参加者の参加方法に関連付けられた前記対象情報を、当該参加方法と当該対象情報とに関連付けられた前記公開方法で、他の前記参加者に公開する情報公開手段と、
を含むことを特徴とするサーバ装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−61752(P2013−61752A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198979(P2011−198979)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】