説明

電子写真機器用転写ロール

【課題】従来に比べ、クリーニング性に優れた電子写真機器用転写ロールを提供すること。
【解決手段】使用するトナー粒子26の粒径以上の粒径を有する粗さ形成用粒子22を含有する表層18を有し、表層18の表面に、粗さ形成用粒子22に起因する表面凹凸24が形成された電子写真機器用転写ロール10とする。粗さ形成用粒子22の硬さは、粗さ形成用粒子22の周りに存在する表層18の構成成分の硬さよりも硬いことが好ましい。転写ロール10は、中間転写ベルト上に一次転写されたトナー像を転写材に二次転写するために好適に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真機器用転写ロールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器が広く使用されている。
【0003】
これら電子写真機器では、例えば、感光ドラム上に担持されたトナー像を用紙に転写したり、あるいは、各色の感光ドラム上にそれぞれ担持された各色のトナー像を中間転写ベルトへ一次転写した後、これを中間転写ベルトから用紙に一括して二次転写したりするなどのため、転写ロールが使用されている。
【0004】
従来、転写ロールとしては、例えば、芯金の外周にスポンジ状の発泡ウレタン層を1層形成した転写ロールが知られている。
【0005】
また例えば、特許文献1には、芯金の外周に発泡層、抵抗制御層、保護層とをこの順に積層した多層構造の転写ロールが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2007−147996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来知られる転写ロールは、以下の点で問題があった。
【0008】
すなわち、例えば、紙詰まりが発生した場合、用紙に転写されずに残った未転写トナーは、転写ロール表面に付着する。他にも、かぶりトナーなども転写ロール表面に付着する。
【0009】
電子写真機器では、通常、転写ロールに付着したトナー粒子は、転写ロールに当接させて配設されたクリーニングロールなどにより除去されるようになっている。
【0010】
しかしながら、例えば、前者の発泡ウレタン層を1層形成した転写ロールの場合、付着したトナー粒子がセル内に入り込む。そのため、クリーニング性が著しく悪いといった問題があった。また、セルの目詰まりによりロール表面硬度が上昇する。そのため、ニップ幅が小さくなり、トナー転写率が低下して画像不具合が発生しやすい。
【0011】
一方、後者の多層構造の転写ロールは、ロール表面が平坦であるため、転写時の圧力により付着したトナー粒子が潰れてロール表面に固着しやすい。そのため、やはりクリーニング性に劣る。また、一度トナー粒子が固着すると、固着したトナー粒子に次々にトナー粒子が固着するため、クリーニング性能を回復することは難しい。
【0012】
このように、従来の転写ロールは、クリーニング性が十分でなく、そのため、除去しきれなかったトナー粒子により、用紙の裏面が汚れてしまうといった問題があった。この種の問題は、電子写真機器の長期使用時に特に顕著になってくる。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、従来に比べ、クリーニング性に優れた電子写真機器用転写ロールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明者らは、種々の実験を繰り返し、鋭意検討を重ねた。その結果、ロール表面を、(1)トナー粒子が付着せず、用紙裏面に接触する部分と、(2)付着したトナー粒子を捕捉する部分とに機能的に分離すれば、用紙の裏面に接触する部分はトナー粒子で汚れ難く、かつ、捕捉された粒子はクリーニングロール等により除去されやすくなって、クリーニング性を向上させることができるとの知見を得るに至った。本発明は、主に、かかる知見に基づいてなされたものである。
【0015】
すなわち、本発明に係る電子写真機器用転写ロールは、使用するトナー粒径以上の粒径を有する粗さ形成用粒子を含有する表層を有し、上記表層の表面には、上記粗さ形成用粒子に起因する表面凹凸が形成されていることを要旨とする。
【0016】
ここで、上記粗さ形成用粒子の硬さは、上記粗さ形成用粒子の周りに存在する表層構成成分の硬さよりも硬いことが好ましい。
【0017】
また、上記表層の表面粗さRzは、10〜40μmの範囲内にあることが好ましい。
【0018】
また、上記粗さ形成用粒子の平均粒径は、15〜30μmの範囲内にあることが好ましい。
【0019】
また、上記表層の厚みは、10〜35μmの範囲内にあることが好ましい。
【0020】
また、ロール表面のアスカーC硬度は、20〜40°の範囲内にあることが好ましい。
【0021】
また、上記転写ロールのロール構成は、軸体と、上記軸体の外周に形成された発泡層と、上記発泡層の外周に形成された中間層と、上記中間層の外周に形成された前記表層とを有する、または、軸体と、上記軸体の外周に形成された発泡層と、上記発泡層の外周に形成された上記表層とを有する構成であることが好ましい。
【0022】
また、上記転写ロールは、電子写真機器の中間転写ベルト上に一次転写されたトナー像を転写材に二次転写するために用いられるものであると良い。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る電子写真機器用転写ロールは、使用するトナー粒径以上の粒径を有する粗さ形成用粒子を含有する表層を有し、この表層の表面には、粗さ形成用粒子に起因する表面凹凸が形成されている。
【0024】
そのため、ロール表面に付着したトナー粒子は、ほとんど凹部(粗さ形成用粒子が存在しない部分に相当)内に入り込み、用紙裏面に接触する凸部(粗さ形成用粒子の頂部位置に相当)には付き難い。また、凹部に入り込んだトナー粒子は、転写時の圧力によって潰れ難く、表面に固着し難い。
【0025】
それ故、クリーニングロール等により、凹部内に入り込んだトナー粒子を容易に除去することができ、クリーニング性に優れる。したがって、上記転写ロールを用いれば、画像転写時に用紙裏面汚れを防止しやすくなる。
【0026】
ここで、粗さ形成用粒子の硬さが、粗さ形成用粒子の周りに存在する表層構成成分の硬さよりも硬い場合には、相手部材に接触する表層の凸部が削れ難くなる。そのため、表面の凹凸形状を長期にわたって維持しやすくなり、上記クリーニング性を長期にわたって確保しやすくなる。
【0027】
また、表層の表面粗さが上記範囲内にある場合には、上記クリーニング効果を得やすい。さらに、用紙がないときに中間転写ベルト等の表面を削り取るなどして、像担持体に損傷を与え難くなるため、良好な画像を得やすくなる。
【0028】
また、粗さ形成用粒子の平均粒径が上記範囲内にある場合にも、上記クリーニング効果を得やすい。さらに、用紙がないときに中間転写ベルト等の表面を削り取るなどして、像担持体に損傷を与え難くなるため、良好な画像を得やすくなる。
【0029】
また、表層の厚みが上記範囲内にある場合には、表層の摩耗抑制効果と、ロール表面の硬度上昇抑制効果とのバランスに優れる。そのため、耐久性の向上、転写効率の安定化を図ることができる。
【0030】
また、ロール表面のアスカーC硬度が上記範囲内にある場合には、十分な転写ニップ性を確保することができ、トナー転写率を向上させることができる。
【0031】
また、上記転写ロールのロール構成を、軸体の外周に、発泡層、中間層、上記表層とを順に有する構成、あるいは、軸体の外周に、発泡層、上記表層とを順に有する構成とした場合には、柔軟な発泡層により転写ニップ幅が広がり、トナー転写効率を向上させることができる。とりわけ、中間層が存在する場合には、発泡層のセルに起因する表面凹凸のばらつきを抑制することができるため、均一な表面凹凸となりやすい。
【0032】
また、電子写真機器が中間転写ベルトを備えている場合、タンデム方式では、中間転写ベルト上に一次転写された複数色のトナー像が一括して用紙上に二次転写される。そのため、これに適用される二次転写ロール(通常、中間転写ベルト−用紙−二次転写ロールの配置関係で使用される)は、ロール表面にトナーが付着しやすい過酷な環境下で使用されることになり、高いクリーニング性が要求される。
【0033】
それ故、本発明に係る転写ロールを、いわゆる、二次転写ロールとして用いた場合には、上記優れたクリーニング効果の発揮により、用紙裏面汚れを効果的に抑制しやすくなる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本実施形態に係る電子写真機器用転写ロール(以下、「本転写ロール」ということがある。)、本転写ロールの製造方法(以下、「本製造方法」ということがある。)について説明する。
【0035】
1.本転写ロール
本転写ロールは、軸体の外周に形成されるロール層構造のうち、最外層となる表層の構造に最大のポイントを有している。したがって、表層よりも内側に配置される内層の構造については特に限定されるものではない。また、内層は、1層であっても良いし、2層以上積層されていても構わない。以下、図面を用いてより具体的に説明する。
【0036】
図1は、本転写ロールの一例を模式的に示した周方向断面図である。図2は、本転写ロールの他の例を模式的に示した周方向断面図である。なお、図1および図2では、ロール表面の凹凸状態は省略されている。
【0037】
図1に示す転写ロール10は、軸体12の外周面に沿ってベース層14が形成され、このベース層14の外周面に沿って中間層16が形成され、この中間層16の外周面に沿って表層18が形成されている。
【0038】
一方、図2に示す転写ロール10は、軸体12の外周面に沿ってベース層14が形成され、このベース層14の外周に沿って表層18が形成されている。
【0039】
上記ベース層、中間層は、それぞれ、単層から構成されていても良いし、複数層から構成されていても良い。
【0040】
ベース層は、主として、導電性を有する弾性層として機能させることができる。ベース層は、ソリッド層、発泡層の何れであっても良い。好ましくは、柔軟性を利用して、転写ニップ幅を拡大し、トナー転写効率を向上させるなどの観点から、ベース層は、発泡層であることが好ましい。
【0041】
また、中間層は、主として、抵抗調整層として機能させることができる。本転写ロールにおいて、ベース層が発泡されている場合には、中間層を有していると良い。中間層を介在させることで、発泡層のセルに起因する表面凹凸のばらつきを抑制することができ、均一な表面凹凸を形成しやすくなるからである。
【0042】
図3は、図1または図2に例示した転写ロールの表面近傍の一例を拡大して模式的に示した断面図である。
【0043】
ここで、図3に示すように、本転写ロール10において、表層18は、内層20の表面を被覆している。この表層18は、粗さ形成用粒子22を含有しており、表層18の表面には、粗さ形成用粒子22に起因する隆起を利用して表面凹凸24が形成されている。つまり、凸部24aには、粗さ形成用粒子22が存在している。凹部24bは、粗さ形成粒子22の間に形成されている。
【0044】
また、本転写ロール10において、粗さ形成用粒子22は、本転写ロール10が組み込まれる電子写真機器に使用されるトナー粒子26の平均粒径以上の平均粒径を有している。ロール表面に付着したトナー粒子26を、凹部24b内に捕捉させるためである。
【0045】
粗さ形成用粒子の平均粒径は、トナー粒子の捕捉性、クリーニングロール等による掻き取りやすさなどの観点から、好ましくは、トナー粒子の平均粒径の3倍〜6倍の範囲内、より好ましくは、4倍〜5倍の範囲内にあると良い。
【0046】
粗さ形成用粒子の平均粒径は、使用するトナー粒径によっても異なるが、用紙がないときに中間転写ベルト等の表面を削り取るなどして像担持体に損傷を与え難くなるため、良好な画像を得やすいなどの観点から、その上限は、好ましくは、30μm以下、より好ましくは、28μm以下、さらに好ましくは、25μm以下であると良い。一方、凹部に捕捉されるトナー量が適度であり、良好なクリーニング性を維持しやすいなどの観点から、その下限は、好ましくは、15μm以上、より好ましくは、18μm以上、さらに好ましくは、20μm以上であると良い。
【0047】
また、粗さ形成用粒子の硬さは、粗さ形成用粒子の周りに存在する表層構成成分の硬さよりも硬いことが好ましい。中間転写ベルト等の相手部材に接触する表層の凸部が削れ難くなるため、表面の凹凸形状を長期にわたって確保しやすくなり、クリーニング性を長期にわたって維持しやすくなるからである。
【0048】
上記粗さ形成用粒子は、表層の表面に露出されていなくても良いし、その一部が表層の表面に露出されていても良い。
【0049】
上記粗さ形成用粒子は、実質的に同一面内に存在している、換言すれば、ロール径方向に粒子が積み重なっていないことが好ましい。粗さ形成粒子同士の頂部高さがより均一になり、均一な表面凹凸が得られやすいからである。
【0050】
上記粗さ形成用粒子は、表層に接する内層に接触していても良いし、接触していなくても良い。好ましくは、ほぼ全ての粗さ形成用粒子が内層に接触して分布していると良い。内層と粗さ形成粒子と間の距離差がより均一になり、均一な表面凹凸が得られやすいからである。
【0051】
本転写ロールにおいて、表層の表面粗さRz(JIS B 0601−1984に準拠して測定される十点平均粗さRz)は、使用するトナー粒径によっても異なるが、用紙がないときに中間転写ベルト等の表面を削り取るなどして像担持体に損傷を与え難くなるため、良好な画像を得やすいなどの観点から、その上限は、好ましくは、40μm以下、より好ましくは、35μm以下、より好ましくは、30μm以下、より好ましくは、28μm以下、より好ましくは、25μm以下であると良い。一方、凹部に捕捉されるトナー量が適度であり、良好なクリーニング性を維持しやすいなどの観点から、その下限は、好ましくは、10μm以上、より好ましくは、13μm以上、より好ましくは、15μm以上、より好ましくは、15μm超、より好ましくは、16μm以上であると良い。
【0052】
本転写ロールにおいて、表層の膜厚(表層の下面から表層の凸部までの距離)は、ロール表面の硬度を上昇させずに、十分な転写ニップ性を確保し、安定した転写効率を得やすくなるなどの観点から、その上限は、好ましくは、35μm以下、より好ましくは、30μm以下、さらに好ましくは、25μm以下であると良い。一方、表層の摩耗を抑制し、耐久性の向上を図るなどの観点から、その下限は、好ましくは、10μm以上、より好ましくは、15μm以上、さらに好ましくは、20μm以上であると良い。
【0053】
本転写ロールにおいて、ロール表面のアスカーC硬度は、十分な転写ニップ性を確保し、トナー転写率を向上させるなどの観点から、その上限は、好ましくは、40°以下、より好ましくは35°以下、さらに好ましくは、30°以下であると良い。一方、表層の摩耗を抑制し、耐久性の向上を図るなどの観点から、その下限は、好ましくは、20°以上、より好ましくは、23°以上、さらに好ましくは、25°以上であると良い。
【0054】
表層の体積抵抗率は、好ましくは、10〜10Ω・cm、より好ましくは、10〜10Ω・cm、さらに好ましくは、10〜10Ω・cmの範囲内から選択することができる。
【0055】
上記表層を形成する主材料としては、具体的には、(メタ)アクリル樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、これら樹脂が変性された樹脂などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
【0056】
上記樹脂材料としては、耐トナー防汚性などの観点から、(メタ)アクリル樹脂、フッ素樹脂などが好ましい。
【0057】
また、粗さ形成用粒子としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル系粒子、ウレタン系粒子、尿素樹脂粒子、アミド系粒子などの各種樹脂粒子、ゴム粒子、シリカ粒子などを例示することができる。これらは、1種または2種以上混合されていても良い。
【0058】
上記粗さ形成用粒子としては、粒子径の均一性、入手容易性などの観点から、(メタ)アクリル系粒子、ウレタン系粒子などの樹脂粒子が好ましい。
【0059】
上記表層中には、必要に応じて、導電剤(カーボンブラックなどの電子導電剤、第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤)、レベリング剤、架橋剤、離型剤などの各種添加物が1種または2種以上添加されていても良い。
【0060】
以上、表層の構成について説明した。以下、軸体、ベース層、中間層の各構成について説明する。
【0061】
本転写ロールにおいて、軸体は、導電性を有するものであれば、何れのものでも使用し得る。具体的には、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の中実体、中空体からなる芯金などを例示することができる。また、必要に応じて、軸体の表面には、接着剤、プライマーなどを塗布してもよい。上記接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行っても良い。
【0062】
本転写ロールにおいて、ベース層を形成する主材料としては、ゴム弾性材料を好適に用いることができる。ゴム弾性材料としては、具体的には、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ヒドリンゴム(ECO、CO)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、イソプレンゴム、シリコーンゴムなどを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
【0063】
上記ゴム弾性材料としては、混練・成形しやすいなどの観点から、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ヒドリンゴム(ECO、CO)などが好ましい。
【0064】
上記ベース層を形成する主材料には、必要に応じて、導電剤(カーボンブラックなどの電子導電剤、第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤)、発泡剤(ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、アソジロルボンアミドなど)、可塑剤(パラフィンオイル、ナフテンオイル)、加硫剤(硫黄など)、加硫助剤(酸化亜鉛など)、加硫促進剤(チアゾール類、チウラム類など)、充填剤、整泡剤、活剤などの各種添加物が1種または2種以上添加されていても良い。
【0065】
ベース層の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは、2〜10mm、より好ましくは、4〜7mmの範囲内から選択することができる。
【0066】
ベース層の体積抵抗率は、好ましくは、10〜10Ω・cm、より好ましくは、10〜10Ω・cm、さらに好ましくは、10〜10Ω・cmの範囲内から選択することができる。
【0067】
本転写ロールにおいて、中間層を形成する主材料としては、ゴム弾性材料を好適に用いることができる。ゴム弾性材料としては、具体的には、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム:NBR)、水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(水素化ニトリルゴム:H−NBR)、ヒドリンゴム(ECO、CO)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
【0068】
上記ゴム弾性材料としては、チューブ押し出し成形性が良好である、低硬度化を図りやすいなどの観点から、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(ニトリルゴム:NBR)、ヒドリンゴム(ECO、CO)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などが好ましい。
【0069】
上記中間層を形成する主材料には、必要に応じて、導電剤(カーボンブラックなどの電子導電剤、第4級アンモニウム塩などのイオン導電剤)、加硫剤(硫黄など)、加硫助剤(酸化亜鉛など)、加硫促進剤(チアゾール類、チウラム類など)、充填剤、活剤などの各種添加物が1種または2種以上添加されていても良い。
【0070】
中間層の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは、0.1〜1mm、より好ましくは、0.5〜0.8mmの範囲内から選択することができる。
【0071】
中間層の体積抵抗率は、好ましくは、10〜1011Ω・cm、より好ましくは、10〜10Ω・cm、さらに好ましくは、10〜10Ω・cmの範囲内から選択することができる。
【0072】
2.本製造方法
本製造方法は、上述した本転写ロールを好適に製造可能な方法である。以下では、軸体の外周に発泡層、中間層、表層をこの順に有する転写ロールを製造する一例について例示するが、特にこの製法に限定されるわけではない。
【0073】
先ず、中空円柱状の成形空間を有する円筒状金型を準備する。
【0074】
次いで、中間層となる円筒状のチューブを、上記円筒状金型内に同軸的にセットする。なお、チューブは、中間層形成用組成物を押し出しなどすることにより準備することができる。
【0075】
次いで、軸体の外周面に、発泡層となる発泡層形成用組成物を付着させ、これを、上記円筒状金型内にセットしたチューブ内に同軸的に挿入する。
【0076】
次いで、これを発泡層形成用組成物の材料に最適な温度(通常、120℃〜200℃程度の範囲内)、時間で加熱することにより、発泡層形成用組成物を発泡させ、発泡層を形成する。そして、発泡層の外周面と上記チューブの内周面とを一体化させる。
【0077】
次いで、これを脱型し、軸体の外周に、発泡層、中間層がこの順に積層されたロール体を得る。
【0078】
なお、ベース層がソリッド層である場合には、上記円筒状金型の中空部に軸体を同軸的に設置し、ベース層形成用組成物を注入して、加熱・硬化させた後、脱型する(注型法)、軸体の表面にベース層形成用組成物を押出成形する(押出法)などすれば良い。
【0079】
また、中間層は、ロールコーティング法、ディッピング法、スプレーコート法などの各種コーティング法を用いて、ベース層の外周に中間層形成用組成物を塗工し、必要に応じて、乾燥、熱処理、光硬化処理などを施すなどして形成することもできる。
【0080】
次いで、得られたロール体の外周面に、粗さ形成用粒子を含む液状の表層形成用組成物を、ロールコーティング法、ディッピング法、スプレーコート法などの各種コーティング法を用いて塗布した後、必要に応じて乾燥させたり、表層形成用組成物の材料に最適な温度、時間で加熱処理したり、表層形成用組成物の材料に最適な照射強度で紫外線などの活性エネルギー線を照射したりするなどし、表層を形成する。
【0081】
このようにして、本転写ロールを製造することができる。
【0082】
なお、表層中に含まれる粗さ形成用粒子のほとんどを、内層(中間層やベース層等)の表面に実質的に接触させたい場合には、上記ロール体の表面に粗さ形成用粒子を付着させた後、この表面を、粗さ形成用粒子を含まない表層形成用組成物により被覆するなどすれば良い。
【0083】
この際、粗さ形成用粒子の付着は、特に限定されるものではないが、好ましくは、静電塗装法を用いて行うと良い。静電気力による吸着により、内層の材質によらずに簡易に付着させることができるからである。また、内層の表面に接触していない余剰の粗さ形成用粒子が生じた場合には、エアーなどの気体を吹き付けて吹き飛ばすなどすれば、余剰の粗さ形成用粒子を簡易に除去することができる。
【実施例】
【0084】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【0085】
1.実施例および比較例に係る転写ロールの作製
(軸体)
外径8mm、長さ400mmの鉄製の中実円柱状の軸体を準備した。なお、軸体は、実施例1〜3、比較例1、2において共通である。
【0086】
(発泡層形成用組成物の調製)
エチレン−プロピレン−ジエンゴム(三井化学(株)製、「EPT4045」)100質量部と、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS−100」)25質量部と、酸化亜鉛2種(三井金属工業(株)製)5質量部と、ステアリン酸(花王(株)製、「ルーナックS−30」)1質量部と、プロセスオイル(出光興産(株)製、「ダイアナプロセスPW−380」)30質量部と、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(発泡剤)15質量部と、硫黄(鶴見化学工業(株)製)1質量部と、ジベンゾチアジルジスルフィド(加硫促進剤)(大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーDM−P」)2質量部と、テトラメチルチウラムモノサルファイド(加硫促進剤)(大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーTS」)1質量部とを、ニーダーで混練することにより、発泡層形成用組成物を調製した。なお、この組成物は、実施例1〜4、比較例1に用いるものである。
【0087】
(抵抗調整層形成用組成物の調製)
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製、「ニポールDN212」)100質量部と、第4級アンモニウム(イオン導電剤)1質量部と、シリカ(絶縁性充填剤)(日本シリカ工業(株)製、「ニプシールER」)30質量部と、酸化亜鉛2種(三井金属工業(株)製)5質量部と、ステアリン酸(花王(株)製、「ルーナックS−30」)1質量部と、硫黄(鶴見化学工業(株)製)1質量部と、ジベンゾチアジルジスルフィド(加硫促進剤)(大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーDM−P」)1質量部と、テトラメチルチウラムモノサルファイド(加硫促進剤)(大内新興化学工業(株)製、「ノクセラーTS」)1質量部とを、ニーダーで混練することにより、抵抗調整層形成用組成物を調製した。なお、この組成物は、実施例1〜4、比較例1に用いるものである。
【0088】
(表層形成用組成物<1>の調製)
フッ素変性アクリレート樹脂(大日本インキ化学(株)製、「ディフェンサTR230K」)50質量部と、フッ素化オレフィン樹脂(アトフィナ・ジャパン(株)製、「カイナー7201」)50質量部と、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、「デンカブラックHS−100」)100質量部と、アクリル系粒子(粗さ形成用粒子)(綜研化学(株)製、「ケミスノーMX1500」、平均粒径:15μm)30質量部と、MEK100質量部とを、分散、混合、撹拌することにより、表層形成用組成物<1>を調製した。なお、この組成物は、実施例1に用いるものである。
【0089】
(表層形成用組成物<2>の調製)
表層形成用組成物<1>の調製において、粗さ形成用粒子として平均粒径の異なるアクリル系粒子(綜研化学(株)製、「ケミスノーMX2000」、平均粒径:20μm)を用いた点以外は同様にして、表層形成用組成物<2>を調製した。なお、この組成物は、実施例2に用いるものである。
【0090】
(表層形成用組成物<3>の調製)
表層形成用組成物<1>の調製において、粗さ形成用粒子として平均粒径の異なるアクリル系粒子(綜研化学(株)製、「ケミスノーMX3000」、平均粒径:30μm)を用いた点以外は同様にして、表層形成用組成物<3>を調製した。なお、この組成物は、実施例3に用いるものである。
【0091】
(表層形成用組成物<4>の調製)
表層形成用組成物<1>の調製において、粗さ形成用粒子として平均粒径の異なるアクリル系粒子(綜研化学(株)製、「ケミスノーMX3000」、平均粒径:30μm)50質量部を用いた点以外は同様にして、表層形成用組成物<4>を調製した。なお、この組成物は、実施例4に用いるものである。
【0092】
(表層形成用組成物<5>の調製)
表層形成用組成物<1>の調製において、粗さ形成用粒子を用いなかった点以外は同様にして、表層形成用組成物<5>を調製した。なお、この組成物は、比較例2に用いるものである。
【0093】
以上準備した、ロール構成材料を用い、以下の手順により、実施例、比較例に係る転写ロールを作製した。
【0094】
(実施例1)
準備した抵抗調整層形成用組成物を押し出しすることにより、チューブ(外径24mm、厚み0.6mm、長さ342mm)を形成した。
【0095】
次いで、このチューブを、円筒状金型内に同軸的にセットした。次いで、上記軸体の外周面に、上記発泡層形成用組成物を付着させ、これを、上記円筒状金型内にセットしたチューブ内に同軸的に挿入した。
【0096】
次いで、これを160℃で40分間加熱することにより、発泡層形成用組成物を発泡させ、導電性の発泡層を形成し、その外周面と上記チューブ(抵抗調整層)の内周面とを一体化させた。
【0097】
次いで、これを脱型し、軸体の外周に発泡層(厚み6mm、長さ342mm)、抵抗調整層(厚み0.6mm、長さ342mm)がこの順に積層されたロール体(外径24mm)を得た。
【0098】
次いで、このロール体の外周面に、液状の上記表層形成用組成物<1>を、ロールコート法を用いて塗布した後、120℃で30分間加熱することにより硬化させ、表層(厚み0.05mm)を形成した。
【0099】
以上により、軸体の外周に、発泡層、抵抗調整層、アクリル系粒子(粗さ形成用粒子)を含有する表層がこの順に積層されており、表層の表面にアクリル系粒子による表面凹凸を有する、実施例1に係る転写ロールを作製した。
【0100】
(実施例2)
実施例1に係る転写ロールの作製において、表層形成用組成物<1>に代えて、表層形成用組成物<2>を用いた点以外は同様にして、実施例2に係る転写ロールを作製した。
【0101】
なお、実施例2に係る転写ロールは、軸体の外周に、発泡層、抵抗調整層、アクリル系粒子(粗さ形成用粒子)を含有する表層がこの順に積層されており、表層の表面にアクリル系粒子による表面凹凸を有している。
【0102】
(実施例3)
実施例1に係る転写ロールの作製において、表層形成用組成物<1>に代えて、表層形成用組成物<3>を用いた点以外は同様にして、実施例3に係る転写ロールを作製した。
【0103】
なお、実施例3に係る転写ロールは、軸体の外周に、発泡層、抵抗調整層、アクリル系粒子(粗さ形成用粒子)を含有する表層がこの順に積層されており、表層の表面にアクリル系粒子による表面凹凸を有している。
【0104】
(実施例4)
実施例1に係る転写ロールの作製において、表層形成用組成物<1>に代えて、表層形成用組成物<4>を用いた点以外は同様にして、実施例4に係る転写ロールを作製した。
【0105】
なお、実施例4に係る転写ロールは、軸体の外周に、発泡層、抵抗調整層、アクリル系粒子(粗さ形成用粒子)を含有する表層がこの順に積層されており、表層の表面にアクリル系粒子による表面凹凸を有している。
【0106】
(比較例1)
準備した軸体の外周に、導電性の発泡ウレタンからなる発泡層(平均セル径:50〜100μm)を1層形成し、所定の外径(φ24mm)まで研磨することにより、比較例1に係る転写ロールを作製した。
【0107】
(比較例2)
実施例1に係る転写ロールの作製において、表層形成用組成物<1>に代えて、表層形成用組成物<5>を用いた点以外は同様にして、比較例2に係る転写ロールを作製した。
【0108】
なお、比較例2に係る転写ロールは、軸体の外周に、発泡層、抵抗調整層、粗さ形成用粒子を含まない表層がこの順に積層されている。
【0109】
2.ロール物性の測定およびロール評価
得られた各転写ロールにつき、ロール表面粗さの測定、クリーニング性および画質の評価を以下のようにして行った。
【0110】
(ロール表面粗さ)
各転写ロールについて、JIS B 0601−1982に準拠し、表面粗さ測定装置(東京精密(株)製、「SURFCOM 1400D」)を用いて、十点平均粗さRzを測定した。
【0111】
なお、十点平均粗さRzの測定箇所は、ロール軸方向の左端部、中央部、右端部について、それぞれロール周方向に3箇所(3等分)、つまり、合計9箇所である。
【0112】
(クリーニング性)
各転写ロールを、二次転写ロールとして、市販の電子写真機器(使用トナー粒径:5μm)の二次転写ユニット部内に組み込み、転写ロール表面の汚れ具合に関する実機耐久試験を行った。
【0113】
なお、上記電子写真機器の二次転写ユニット部は、二次転写ロールの汚れをクリーニングする機構として、導電性ナイロンなどが植毛されたクリーニングロール装置が搭載されている。
【0114】
この評価では、写真・文字混合チャート画像(画像密度5%、A4)を、A4サイズにて100,000枚プリントした後、二次転写ロールの表面にどの程度トナーが残存しているか、用紙裏面汚れがないかを目視にて確認することにより、クリーニング性の評価を行った。
【0115】
ロール表面にほとんどトナーが残存しておらず、用紙裏面に汚れがなかった場合を、クリーニング性に極めて優れるとして◎、若干トナーが残存しているが、用紙裏面汚れがなく、品質上問題のない場合を、クリーニング性に優れるとして○と判断した。一方、ロール表面にトナーが固着し、用紙裏面にはっきりと汚れが確認できた場合を、クリーニング性に劣るとして×と判断した。
【0116】
(画像確認)
上記クリーニング性の評価と同様にして、各転写ロールを、二次転写ロールとして上記電子写真機器の二次転写ユニット部内に組み込み、ハーフトーン画像(画像密度30%、A4)を、A4サイズにて100,000枚プリントした。そして、初期状態、耐久後の両画質を確認し、白抜けがないか画質確認を行った。
【0117】
白抜け個数が0個であった場合を、極めて画質が良好であるとして◎、白抜け個数が1個以上3個未満であった場合を、画質が良好であるとして○と判断した。一方、白抜け個数が3個以上であった場合を、画質が不良であるとして×と判断した。
【0118】
表1に、各ロール構成、ロール評価結果等をまとめて示す。
【0119】
【表1】

【0120】
表1を相対比較すると以下のことが分かる。すなわち、比較例1に係る転写ロールは、発泡セル内にトナー粒子が入り込んでしまったため、クリーニング性が著しく悪かった。また、耐久後の画質が悪かった。これは、耐久するにつれてセル内にトナーが侵入・堆積して目詰まりが発生し、ロール表面硬度が上昇してニップ幅が小さくなり、トナー転写率が低下して画像不具合に繋がったものと推察される。
【0121】
比較例2に係る転写ロールは、ロール表面にトナーが固着し、クリーニング性に劣っていた。これは、ロール表面が比較的平坦であるため、転写時の圧力により、付着したトナー粒子が潰れやすかったことが原因であると推察される。
【0122】
一方、これらの比較例に係る転写ロールに対し、実施例1〜4に係る転写ロールは、何れも、長期にわたってクリーニング性に優れており、これにより用紙裏面汚れを効果的に防止できることが確認できた。
【0123】
また、実施例1〜4に係る転写ロールは、中間転写ベルト表面を損傷させて画像不具合を発生させることもなく、十分な転写ニップ性を有することで、トナー転写性に優れることも確認できた。
【0124】
以上、本発明の実施形態、実施例について説明したが、本発明は上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本実施形態に係る転写ロールの一例を模式的に示した周方向断面図である。
【図2】本実施形態に係る転写ロールの他の例を模式的に示した周方向断面図である。
【図3】図1および図2に例示した転写ロールの表面近傍の一例を拡大して模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
【0126】
10 転写ロール
12 軸体
14 ベース層
16 中間層
18 表層
20 内層
22 粗さ形成用粒子
24 表面凹凸
24a 凸部
24b 凹部
26 トナー粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用するトナー粒径以上の粒径を有する粗さ形成用粒子を含有する表層を有し、
前記表層の表面には、前記粗さ形成用粒子に起因する表面凹凸が形成されていることを特徴とする電子写真機器用転写ロール。
【請求項2】
前記粗さ形成用粒子の硬さは、前記粗さ形成用粒子の周りに存在する表層構成成分の硬さよりも硬いことを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用転写ロール。
【請求項3】
前記表層の表面粗さRzは、10〜40μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真機器用転写ロール。
【請求項4】
前記粗さ形成用粒子の平均粒径は、15〜30μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の電子写真機器用転写ロール。
【請求項5】
前記表層の厚みは、10〜35μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の電子写真機器用転写ロール。
【請求項6】
ロール表面のアスカーC硬度は、20〜40°の範囲内にあることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の電子写真機器用転写ロール。
【請求項7】
軸体と、前記軸体の外周に形成された発泡層と、前記発泡層の外周に形成された中間層と、前記中間層の外周に形成された前記表層とを有する、または、
軸体と、前記軸体の外周に形成された発泡層と、前記発泡層の外周に形成された前記表層とを有することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の電子写真機器用転写ロール。
【請求項8】
前記電子写真機器は中間転写ベルトを備えており、
前記中間転写ベルト上に一次転写されたトナー像を転写材に二次転写するために用いられることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の電子写真機器用転写ロール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−139924(P2009−139924A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200749(P2008−200749)
【出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】