説明

電子制御装置

【課題】シール溝を確保しつつ小型化に供し得る電子制御装置を提供する。
【解決手段】その接合面24にシール溝30を有するケース12と、その接合面26に、シール溝30に係合する固定用突条25を有するカバー13と、をシール溝30内に充填された接着剤20を介して接合することにより構成された筺体内に回路基板11を収容してなる電子制御装置において、シール溝30の内周側壁31の高さを外周側壁32よりも低く設定し、当該シール溝30の内周側壁31の上部に回路基板11の外周縁部を載置することで、当該シール溝30の内周側壁31の内側面31cの上端部を回路基板11の外周面11cによって構成することとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車に搭載され、エンジンやブレーキ等の制御に供する電子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子制御装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
この電子制御装置では、エンジンルーム内に配置されるなど水分に晒されるおそれがあることから、ケースの接合面に設けたシール溝にシール材を充填し、該シール材が充填されたシール溝に、カバー接合面に設けた突条を係合させることによって、ケースとカバーとの間にシール材を介在させる構成とし、これによって、筐体内への水分の侵入を抑制するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−56493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の電子制御装置では、ケースの接合面にシール溝を、外周側壁と内周側壁とを有する溝状に設けられ、その内周側壁を隔てた内側に所定のクリアランスを空けて回路基板が収容固定されるようになっているため、前記シール溝と回路基板との間に所定の距離を確保することが余儀なくされ、これによって、当該装置の十分な小型化が図れないという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたものであって、シール溝を確保しつつ小型化に供し得る電子制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、その接合面にシール溝を有する第1部材と、その接合面に前記シール溝に係合する突条を有する第2部材とを、前記シール溝内に充填されたシール材を介して接合することにより構成された筺体内に回路基板を収容してなる電子制御装置において、前記シール溝の内周側壁の高さを外周側壁よりも低く設定し、当該シール溝の内周側壁の先端側に前記回路基板の外周縁部を載置することで、当該シール溝の内周側壁における先端側の一部を前記回路基板の外周面によって構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、回路基板の外周側面をシール溝の内周側壁の一部として構成することで、該シール溝の内周側壁の厚さ幅分だけ筐体を小型化することが可能となる。この結果、シール溝を確保したうえで、装置のさらなる小型化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る電子制御装置を表側から見た斜視図である。
【図2】図1に示す電子制御装置を裏側から見た斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る図1に現した電子制御装置の分解斜視図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】図1のB−B線断面図である。
【図6】図1のC−C線断面図である。
【図7】図1のD−D線断面図である。
【図8】ケースとカバーの結合時における接着剤の流動状態を現した本発明の特徴的な説明に供する要図である。
【図9】同実施形態の第1変形例を現した図4に相当する断面図である。
【図10】同実施形態の第1変形例の他例を現した図4に相当する断面図である。
【図11】同実施形態の第2変形例を現した図4に相当する断面図である。
【図12】同実施形態の第2変形例の他例を現した図4に相当する断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態を現した図4に相当する断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る図であって、電子制御装置のカバーを外した状態を現した平面図である。
【図15】同実施形態における図1のD−D線断面に相当する断面図である。
【図16】同実施形態における図1のE−E線断面に相当する断面図である。
【図17】同実施形態に係るケース単体を示し、シール溝にシール材を充填した状態を現した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る電子制御装置の各実施形態を図面に基づいて詳述する。なお、以下に示す各実施形態では、この電子制御装置を自動車のエンジン制御に適用したものを示している。
【0011】
図1〜図8は本発明に係る第1実施形態を示し、当該実施形態に係る電子制御装置は、特に図3に示すように、その表裏面に例えばコンデンサやコイル、トランジスタやICなど所定の電子部品14が実装される回路基板11と、該回路基板11よりも若干大きな開口部を有し、該開口部内側に回路基板11が収容固定されるケース12(本発明に係る第1部材に相当)と、該ケース12の上方から被嵌して回路基板11を覆うかたちで複数のビスB1によって固定され、当該ケース12と共に本発明に係る筐体を構成するカバー13(本発明に係る第2部材に相当)と、から主として構成され、車両のエンジンルーム等に搭載される。
【0012】
前記回路基板11は、いわゆるプリント配線基板であり、例えばガラスエポキシ樹脂等からなる板材の表裏面ないしその内部に配線回路パターンPT(例えば図6参照)が形成され、該配線回路パターンPTに前記各電子部品14が半田等により電気的に接続されている。そして、この回路基板11は、図4〜図7に示すように、その周縁部が後述するシール溝30の内周側壁31の上部(台座部31a)に載置され、前記シール溝30に充填される接着剤20を介してケース12に接着固定される。
【0013】
ここで、前記回路基板11において、前記各電子部品14の中でも特に発熱性の高い電子部品(本発明に係る高発熱素子に相当し、以下「高発熱部品」と略称する。)14aが配置される領域には、図6に示すように、その外周縁部の近傍に、半田など所定の熱伝導物質15が充填された複数のスルーホール11bが設けられると共に、かかる各熱伝導物質15が当該基板内部に配設された前記各高発熱部品14aに係る配線回路パターンPTと接続されるように構成されていて、これら伝熱部材に相当する前記配線回路パターンPT及び熱伝導物質15を介して前記各高発熱部品14aの放熱が図れるようになっている。なお、前記高発熱部品14aの配置領域近傍においては、全てのスルーホール11bに前記熱伝導物質15が充填される必要はなく、当該熱伝導物質15が充填されないスルーホール11bには接着剤20が充填され、当該接着剤20を介して高発熱部品14aの放熱が図れることとなる。
【0014】
また、前記回路基板11には、図2、図3示すように、ケース12との取付面となる裏面11bに、外部のコネクタ(図示外)とそれぞれ接続される2つの第1、第2接続口17,18を備えたコネクタ16が取り付けられている。このコネクタ16は、その接続先に応じて2つに分割された前記各接続口17,18がベースとなる取付基部19を介して一体化されたもので、この取付基部19を介して回路基板11に図外のビスにより固定されている。このように、前記コネクタ16は、前記取付基部19をもって連結された一連の接続口17,18がケース12の底壁12aに開口形成された窓部21を介して外部へ臨むようになっていて、ケース12の外部にて前記図外のコネクタと接続されることとなる(図2参照)。
【0015】
なお、前記各接続口17,18には、それぞれ前記配線回路パターンPTに電気的に接続された複数の雄型端子17a,18aが収容されており、これら雄型端子17a,18aが前記図外のコネクタに収容される複数の雌型端子と接続されることで、当該図外のコネクタ(雌型端子)に接続されるセンサ類やポンプ等の所定の機器と電気的に接続されることとなる。
【0016】
前記ケース12は、図3に示すように、鉄ないしアルミニウム等の放熱性に優れた金属材料によっていわゆる箱状に一体形成されたものであって、具体的には、ほぼ矩形状の底壁12aの外周縁(各側辺)に第1〜第4側壁12b〜12eが立設され、全体が上方へと開口するように構成されている。そして、このケース12の底壁12aには、コネクタ16の前記各接続口17,18を当該ケース12の外部へと臨ませる前記窓部21が貫通形成されていて、この窓部21に前記各接続口17,18が嵌挿されることにより、これら各接続口17,18が当該ケース12の外部へ突出するようになっている。
【0017】
また、前記ケース12の底壁12aの内側面には、前記各高発熱部品14aやこれに類する比較的発熱量の大きい電子部品14bの放熱に供する左右一対の第1、第2放熱用台座22a,22bが突設されている。これら第1、第2放熱用台座22a,22bは、前記高発熱部品14a等が実装される所定領域に設けられていて、それぞれ周知の放熱シートや放熱グリス等を介して前記高発熱部品14a等の熱が効果的に伝達されるようになっている。
【0018】
一方で、前記第1、第2放熱用台座22a,22bが設けられる底壁12aの外側面には、図2に示すように、放熱の促進に供する第1、第2放熱フィン23a,23bが設けられている。これによって、前記各放熱用台座22a,22bが受けた熱が効率よく放散され、冷却効果を高めることが可能となっている。
【0019】
また、前記ケース12には、図1、図3〜図7に示すように、ほぼ平坦状を成す一連の接合面として周方向に沿って構成された前記各側壁12b〜12eの上端面に、当該ケース12とカバー13との間を液密に保持する接着剤20(本発明に係るシール材に相当)が充填される一連のシール溝30が全周に亘って切欠形成されている。このシール溝30には、接着剤20が充填された状態でカバー13に突設される固定用突条25が挿入されるようになっていて、主として当該シール溝30と固定用突条25とが接着剤20を介して接着されることにより、ケース12とカバー13の接合部間が液密にシールされるようになっている。
【0020】
ここで、前記ケース12とカバー13とを接着固定するに際し、本実施形態では、特に図4に示すように、ケース12にカバー13を被嵌した状態にて、ケース12の接合面24とカバー13の接合面26との間に各隙間L1,L2が確保される構成となっていて、後述するように、固定用突条25がシール溝30内に進入することに伴って接着剤20が前記各隙間L1(具体的には後記の両隙間L5,L7である。以下同じ。),L2内へと押し出され、当該各隙間L1,L2内に接着剤20が充填されるようになっている。これにより、特に外周側壁32側に形成される前記隙間L2内に水分等が溜まってしまう不都合を回避することが可能となって、当該隙間L2内における錆の発生等の抑制に供されることとなる。なお、このような構成から、当該接着剤20については、硬化前に流動性を有するシール材であれば特に組成等は問わず、エポキシ系やシリコーン系、アクリル系等、電子制御装置の仕様等に応じて自由に選択することができる。
【0021】
また、前記シール溝30においては、その外周側壁32に対し内周側壁31の方が所定幅L3(=L1−L2)だけ低くなるように構成されている。そして、かかる構成に基づき、本発明に係る電子制御装置では、この低く構成した内周側壁31の上端面のうちケース12の四隅等の所定位置に突設した台座部31aによって回路基板11の外周縁部を支持しながら、当該回路基板11とケース12の内周側壁31及びカバー13の接合面26との間にそれぞれ所定量の接着剤20を介在させるようになっている。一方、かかる内周側壁31に対して比較的高く形成される外周側壁32にあっては、その高さがケース12とカバー13の最大公差に合わせて設定され、これらケース12とカバー13の寸法誤差が最大となった場合であっても前記両接合面24,26同士が接触しないような構成となっている。
【0022】
さらに、本実施形態では、前記所定幅L3が、回路基板11の厚さ幅L4に対して十分に大きく設定されていて、回路基板11とカバー13との間に形成される内周側隙間L5が、外周側壁32とカバー13との間に形成される外周側隙間L2よりも大きくなるようにされている。すなわち、このように、前記内周側隙間L5を大きく形成することによって、当該内周側隙間L5内により多くの接着剤20が充填され、かつ、滞留するように設けられていて、かかる内周側隙間L5が本発明に係るシール材滞留部として構成されるようになっている。
【0023】
ここで、前記「L5>L2」の条件を満たすように前記両隙間L2,L5を設定するにあたって、当該両隙間L2,L5は、前記両側壁31,32の厚さ幅との関係から、シール溝30内への固定用突条25の進入により当該シール溝30内の接着剤20が前記各隙間L2,L5から筺体の内外へと流出することがないような比率に設定されている。なお、ここでいう「筺体の内外へ流出しない」とは、接着剤20が筺体の内外に全くはみ出さないという意ではなく、前記各隙間L2,L5からケース12の内外側面を伝い流れ落ちることはないという意であり、例えば筺体の内外へ僅かに臨んだ状態や、ケース12の内外側面を伝い流れ落ちないことが明らかな状態(例えば図12参照)は許容する趣旨である。換言すると、筺体外であればその後の作業性を損なうことがなく、筺体内であれば当該筺体内に収容される回路基板11等に悪影響を及ぼさない程度のはみ出しは許容する趣旨である。
【0024】
また、前記「L5>L2」の条件を満たす構成に加え、本実施形態に係る電子制御装置では、シール溝30において、内周側壁31の内側面31cと回路基板11の外周面11cとがほぼ面一となるように構成され、回路基板11の外周面によって内周側壁31の内側面31cの一部が構成されるようになっている。なお、この際、回路基板11の外周面11cと固定用突条25との間に形成される隙間L6が、少なくとも回路基板11の裏面11bと内周側壁31の上面31bとの間に設けられる公差吸収用隙間L7よりも大きくなるように構成されている。換言すれば、このような条件(L6>L7)を満たしさえすれば、回路基板11の外周面11cと内周側壁31の内周面31cとは必ずしも面一となっている必要はなく、回路基板11の外周面11cが内周側壁31の内周面31cよりも外側へと突出していてもよく、反対に、回路基板11の外周面11cが内周側壁31の内周面31cよりも内側へと引っ込んだかたちで構成されていてもよい。
【0025】
なお、本実施形態に係る前記公差吸収用隙間L7とは、前記回路基板11とケース12の製造公差を吸収するものであって、上述の条件においては、当該両者11,12の製造公差は勿論のこと、カバー13の製造公差も含め、これらの製造公差がいかなる関係となっても「L6>L7」という前記条件を充足するような構成となっている。
【0026】
以上のような構成から、本実施形態に係る前記電子制御装置では、回路基板11の外周縁部がシール溝30内に充填される接着剤20によって包囲されるような構成とし、この接着剤20により、回路基板11についてもケース12(筐体)に接着固定されるようになっている。
【0027】
なお、かかる構造は、前記ケース12における窓部21の周縁部にも同様に適用されている。すなわち、前記窓部21の周縁部に前記シール溝30が切欠形成されると共に、当該周縁部に対向するコネクタ16の周縁部に、前記窓部21周縁に形成されたシール溝30に対応する前記固定用突条25(図示外)が突設されている。
【0028】
また、前記ケース12における第1、第3側壁12b,12dの外側部には、図1〜図3に示すように、当該電子制御装置の車体(図示外)への取付固定に供する一対の第1、第2ブラケット33,34が一体に設けられている。そして、第1ブラケット33には、上下方向に貫通する貫通孔33aが設けられる一方で、第2ブラケット34には、側方に開口する切欠溝34aが設けられていて、これら貫通孔33a及び切欠溝34aをもって前記車体への取付固定が行われる。なお、前記各ブラケット33,34は、必ずしもケース12と一体である必要はなく、別体に構成されたものを溶接、ねじ止めするなどしたものを介して前記車体への取付を行うこととしてもよい。
【0029】
さらに、本実施形態では、前記第1、第2ブラケット33,34には、図1、図3に示すように、カバー13に設けられる係合突起36a,36bと係合可能に構成された第1、第2係合溝35a,35bが切欠形成されている。なお、これら各切欠溝35a,35bは、それぞれ対応する前記各係合突起36a,36bのみが係合可能となるように構成されている。つまり、例えば第2係合突起36bを第1切欠溝35aには係合することができないように構成されており、これによって、ケース12とカバー13の誤組み付けの防止が図られている。
【0030】
前記カバー13は、ケース12と同様の金属材料によりほぼ板状に形成され、その各隅部に貫通形成されたビス挿通孔13aを介してケース12にねじ止め固定されるようになっている。そして、このカバー13各隅部は、ケース12の各隅部において外周側壁32よりも高い位置に設けられた各取付面27上に載置固定され、これによって、当該カバー13の接合面26と前記各側壁31,32との間にそれぞれ所定の前記各隙間L1,L2が形成されると共に、固定用突条25とシール溝30との間に所定の隙間L8が形成される構成となっている。
【0031】
また、本実施形態では、前記カバー13の各隅部には、図7に示すように、その厚さ幅方向において撓み変形可能な例えばゴム等の弾性材料によって構成され、固定用突条25の内周側において回路基板11の各隅部端縁を支持する弾性支持部37(本発明に係る押圧部材に相当)がそれぞれ設けられていて、当該各弾性支持部37によって回路基板11の各隅部が前記各台座部31aに押圧されつつ支持されるようになっている。これにより、前記内周側隙間L5について、所望とする一定の間隔が常時確保されることとなる。しかも、前記各弾性支持部37をカバー13の各隅部に配置するように構成したことから、当該弾性支持部37により電子部品等の実装が制限される範囲(面積)を最小限に抑えることが可能となり、当該弾性支持部37による支持範囲(支持代)を無駄に確保する必要が無くなる。このため、当該弾性支持部37による支持代の確保によって生ずる回路基板11の大型化を回避することが可能となり、その結果、装置の小型化にも貢献できる。
【0032】
なお、前記各弾性支持部37については、これらを一連のものとして堤状に構成することも可能である。すなわち、当該各弾性支持部37をカバー13の全周に亘って連続して形成することで、当該一連の弾性支持部37により基板収容部28内への接着剤20の侵入を抑制することが可能となって、当該基板収容部28内において接着剤20が回路基板11に実装される前記各電子部品14等に悪影響を及ぼす可能性を低減することに供される。
【0033】
さらには、前記カバー13には、特に図3に示すように、その天井壁13aに、ほぼ円形の呼吸孔38が貫通形成されており、この呼吸孔38の外側開口端部には、当該カバー13とケース12とにより構成される筐体の内外圧力差の調整に供する呼吸フィルタ40が配設されている。なお、前記呼吸孔38の外周縁部には、いわゆる堰塞壁39が全周に亘って立設されることで、筐体内への水の侵入が抑制可能となっている。
【0034】
以下、本実施形態に係る電子制御装置の組立方法(手順)について、図3、図8に基づいて説明する。
【0035】
まず、前記ケース12の放熱用台座22a,22b上に前記図外の各放熱用シートの貼着ないし放熱グリスの塗布等をし、回路基板11にコネクタ16を取付固定した後、ケース12のシール溝30内に接着剤20を充填する。なお、かかる接着剤20の充填に際して、通常はシール溝30内のみについて行うが、場合によっては、これに加えて、内周側壁31の上面31bに塗布するようにしてもよい(図8に示す仮想線)。このようにして、シール溝30のほか、内周側壁31の上面31aにも接着剤20を塗布することで、公差吸収用隙間L7内に接着剤20を確実に充填することができ、後工程での回路基板11のより強固な接着に供されることは勿論、特に回路基板11(前記高発熱部品14a等)の放熱性の向上も図れる。すなわち、前記公差吸収用隙間L7にも接着剤20を確実に充填させることで、前記高発熱部品14a等の発熱により帯びた回路基板11の熱を、接着剤20を介してケース12にも確実に逃がすことが可能となって、放熱効果の向上と共に安定した放熱効果の確保にも供される。なお、かかる放熱効果については、前述のように回路基板11とカバー13の間にも接着剤20が充填されることから、カバー13側においても同様のことが言える(前述したケース12における放熱効果と同様の放熱効果を得ることができる)。
【0036】
次に、この回路基板11を、コネクタ16の前記各接続口17,18を窓部21に挿通させつつ、その外周面11cを内周側壁31の内側面31bに合わせるようにしてケース12の外周縁部を前記各台座部31a上に載置した後、この回路基板11が収容保持されたケース12にカバー13を被嵌する。具体的には、カバー13の前記各係合突起36a,36bがケース12の前記各係合溝36a,36bと係合可能となるようにカバー13の向きを調整し、当該両者12,13の四隅を合わせつつ接着剤20が充填されたシール溝30内に固定用突条25を進入させるようにして、カバー13をケース12上に接合面26側から載置する。
【0037】
すると、このカバー13の組み付けに伴い、接着剤20が充填されたシール溝30内に固定用突条25を押し込むことで、特に図8に示すように、シール溝30内の接着剤20が当該シール溝30の外へと押し出され、接着剤20が前記各隙間L2,L5,L7内にそれぞれ充填されることとなる。これにより、シール溝30と固定用突条25間のみならず、前記両接合面24,26間までが接着剤20によって液密にシールされることとなって、ケース12とカバー13間のシール長を稼ぐことが可能となって、当該両者12,13間の良好なシール性の確保に供される。
【0038】
しかも、前記外周側隙間L2に対して前記内周側隙間L5の方が大きくなるように構成されていることから、前記固定用突条25によって押し退けられた接着剤20のうち、より多くの接着剤20が比較的大きい内周側隙間L5側へ流動することとなり、回路基板11の外周縁部において、その表面、側面(外周面)及び裏面の大部分が接着剤20によって覆われることとなる。すなわち、回路基板11と接着剤20との接触面積の拡大化が図れることから、回路基板11の接着性を高めることが可能となって、従来採用されていたケース12に対する回路基板11のねじ止め構造を廃止できると共に、接着剤20を介しての回路基板11の放熱(前記高発熱部品14a等の発熱により帯びた熱の放散)効果の向上も図ることができる(図6参照)。
【0039】
また、本実施形態の場合、とりわけ、内周側隙間L5を大きく設定することによって当該内周側隙間L5に前記シール材滞留部が構成されていることから、ケース12とカバー13間の寸法誤差が小さいことによってシール溝30から押し出される接着剤20の量が比較的多くなった場合でも、この多くは、より大きな隙間L5である当該シール材滞留部へと流入し滞留することとなる結果、当該接着剤20が筐体の内外へ流出してしまう不都合が抑制されることとなる。すなわち、外周側隙間L2が比較的小さく設定されることで、前記寸法誤差が小さくなったことにより増量した接着剤を内周側隙間L5へ積極的に導くことが可能となって、シール溝30から溢れ出した接着剤20の筐体外部への流出を抑制することができる一方、内周側隙間L5が比較的大きく設定されることで、前記増量した分の接着剤20の吸収に供され、当該接着剤20の筐体内部への流入のおそれも低減することができる。さらには、前記両隙間L2,L5の大きさ(比率)を調整することにより、外周側隙間L2からの接着剤20の流出を抑制しつつも、当該外周側隙間L2を適切に埋める(シールする)ことが可能となり、これによって、当該外周側隙間L2内に水分等が溜まることによって生ずる錆の問題等を抑制することにも供される。
【0040】
このようにして、前記ケース12にカバー13を被嵌した後、これらをビスB1によって締結し、そのまま保持されることで、所定時間の経過後に接着剤20が硬化し、ケース12とカバー13とが完全に固定されることとなって、これをもって、前記電子制御装置の組立が完了する。
【0041】
以上のことから、本実施形態による電子制御装置によれば、回路基板11の外周面11cをシール溝30の内周側壁31の一部として構成したことから、その全周において回路基板11の外周縁部とシール溝30の内周側壁31とをオーバーラップさせることができ、少なくとも当該内周側壁31の厚さ幅L9以上、筐体を全周において小型化することが可能となる。この結果、シール溝30を確保したうえで、装置のさらなる小型化を実現することができる(図4参照)。
【0042】
また、本実施形態では、外周側壁32に対して内周側壁31を低く設定することによって内周側隙間L5が比較的大きくなるように構成し、回路基板11の外周縁部(表面、側面(外周面)及び裏面)の大部分を接着剤20によって覆うことが可能となるため、当該回路基板11の固定に十分な接着力が得られ、従来行われていた当該回路基板11のねじによる固定を廃止することができ、その結果、部品点数の削減及びこれに伴う作業性の向上に基づく製造コストの低廉化に供されることは勿論、前記ねじ孔の廃止によって前記各電子部品14の搭載性(レイアウト性)の向上も図れる。さらには、回路基板11の外周縁部の大部分を接着剤20で覆うことで、当該接着剤20を通じケース12及びカバー13を介しての回路基板11やこれに搭載される電子部品14の放熱性の向上が図れ、前述のように回路基板11の外周縁部に前記高発熱部品14a等を近接配置することにより、当該回路基板11(前記高発熱部品14a等)の効果的な放熱にも供されることとなる。
【0043】
しかも、本実施形態においては、さらに回路基板11の外周面11cと固定用突条25との間に形成される隙間L6が少なくとも公差吸収用隙間L7より大きくなるよう構成されていることから、前記固定用突条25により押し退けられた接着剤20を内周側隙間L5まで確実に押し上げることが可能となる。これによって、当該内周側隙間L5内に接着剤20が適切に充填されることとなり、ねじ止め構造の廃止や放熱性の向上といった本願発明の前記特異な作用効果の確保に寄与することができる。
【0044】
図9は前記第1実施形態の第1変形例を示したものであって、前記シール材滞留部を、前記シール溝30の内周側ではなく、当該シール溝30の外周側に設けたものである。
【0045】
すなわち、この変形例では、前記外周側壁32の上端部外側縁に、外方へ向かって下り傾斜状となる第1テーパ面41aを設けると共に、これに対向するカバー13の外周縁に、外方へ向かって上り傾斜状となる第2テーパ面41bが設けられていて、前記両テーパ面41a,41bによって、前記外周側隙間L2を外方へ向かって拡大してなる拡大部41が形成され、この拡大部41によって前記シール材滞留部が構成されている。
【0046】
このように、本変形例では、前記シール溝30の外周側へと積極的に接着剤20を導く構成としているが、当該実施形態においても、前記第1実施形態と同様、前記両隙間L2,L5の比率を調整することによって、当該各隙間L2,L5内にそれぞれ充填された各接着剤20が筐体の内外に流出してしまわないような構成となっている。なお、「流出」の定義については、前記第1実施形態と同様である。
【0047】
したがって、本変形例によっても、前記第1実施形態と同様の作用効果が奏せられるのは勿論のこと、特に本変形例の場合には、シール溝30の外周側に前記シール材滞留部を設け、当該シール溝30の外周側に接着剤20を積極的に導くようにしたため、外周側隙間L2が接着剤20により十分に満たされることとなり、当該外周側隙間L2内に水分等が溜まってしまうことによる前記錆の発生等の問題を効果的に抑制することに供される。
【0048】
なお、本変形例では、前記ケース12及びカバー13の両方を切り欠くことによって前記シール材滞留部を設ける構成としたが、例えば図10に示すように、カバー13の接合面26の厚さ幅を固定用突条25の内外周側にて異ならせることによって前記シール材滞留部を構成することも可能である。より具体的には、固定用突条25の内周側となる内周側接合面26aの厚さ幅L11に対し、当該固定用突条25の外周側となる外周側接合面26bの厚さ幅L12をL13(=L11−L12)だけ高く設定して、この外周側接合面26bとケース12の接合面24(外周側壁32の上面)との間に前記シール材滞留部を構成してもよく、かかる場合であっても、前記本変形例の作用効果と同様の作用効果が奏せられる。
【0049】
図11は前記第1実施形態の第2変形例を示したものであって、前記カバー13において、前記固定用突条25の内周側に回路基板11と対向する内周側突条42(本発明に係る抑止部に相当)を設けることにより、内周側隙間L5の開口部を縮小させたものである。
【0050】
したがって、本変形例によれば、前記固定用突条25により押し退けられた接着剤20が内周側突条42によって堰き止められることとなって、シール溝30の内周側へと流動した当該接着剤20が回路基板11側へ過度に溢れ出てしまう不都合を抑制することができる。
【0051】
なお、前記内周側突条42については、図12に示すような外周側突条43として固定用突条25の外周側に設けることによって外周側隙間L2の開口部を縮小形成してもよく、かかる構成とした場合は、前記固定用突条25により押し退けられた接着剤20が外周側突条43によって堰き止められ、シール溝30の外周側へと流動した当該接着剤20が筐体外部へ過度に溢れ出てしまう不都合を抑制することができる。
【0052】
このように、前記各突条42,43は、特に接着剤20の流出を抑制したい側に配置することによって当該接着剤20の流出量を制御することに供されるものであるから、場合によっては内外周両側に設けてもよい。
【0053】
図13は本発明に係る電子制御装置の第2実施形態を示したものであり、前記固定用突条25の先端部を先細り状に構成したものである。
【0054】
すなわち、本実施形態に係る電子制御装置は、前記カバー13が、前記第1実施形態のような型成形ではなく板金によって形成されたもので、当該カバー13の周縁部をそれぞれ重合するように内側に折り返して成る側壁部44の各先端部が、両側にテーパ部44a,44bを有する横断面外形がほぼV字形状となるような先細り状に形成されており、当該各側壁部44がシール溝30に直接係合することで、回路基板11と同様、接着剤20をもってケース12に固定されるようになっている。
【0055】
したがって、この実施形態によれば、前記各側壁部44の先端側がほぼV字形状に構成されていることから、当該各側壁部44を接着剤20が充填されたシール溝30に係合させた際に、前記各テーパ部44a,44bによって接着剤20をシール溝30の内側面に押し付けることが可能となる。これにより、当該接着剤20がシール溝30の内側面に馴染み易くなり、当該接着剤20による接着性の向上に供される。
【0056】
なお、前記テーパ部44a,44bについては、前記各側壁部44のシール溝30への挿入時に接着剤20を当該シール溝30の内側面に押圧する作用が得られればよいため、直線状のものに限定されるものではなく、丸めるように構成してもよい。また、その加工方法についても、前記各側壁部44の形成時(曲折時)に押圧加工することによって形成してもよく、また、前記曲折後に面取り状に切削加工することによって形成してもよい。
【0057】
図14〜図17は本発明の第3実施形態を示したものであり、前記第1実施形態の構成を基本として、主として回路基板11の固定方法を変更したものである。
【0058】
すなわち、本実施形態では、図17に示すように、前記ケース12の各隅部において内周側壁31が切り欠かれ、当該部分に、接着剤20の充填に供する接着剤充填部45a〜45dが穿設されている。そして、これら接着剤充填部45a〜45dのうち、一方の長辺側に配置される一対の接着剤充填部45a,45bには一対の台座部46が突設されていて、該両台座部46の中央部には、回路基板11のねじ止めに供する雌ねじ穴46aがそれぞれ形成されている。これによって、本実施形態では、図14に示すように、回路基板11の一方の長辺側がビスB2にて、他方の長辺側が接着剤20にてそれぞれケース12に固定されるようになっている。
【0059】
また、前記ケース12の各隅部には、図14〜図17に示すように、回路基板11の各隅部において面取り状に形成された各面取り状隅部11dの側面を介して当該回路基板11の水平方向の位置決めに供する横断面ほぼ三角形状の位置決め突部47がそれぞれ突設されていて、該各位置決め突部47の斜辺部によって回路基板11の水平方向の位置決めがされることで、装置の組立作業性の向上が図られている。
【0060】
以上のような構成から、本実施形態では、シール溝30に接着剤20が充填されたケース12に、そのビス挿通孔11eと前記両雌ねじ穴46aとが一致するように向きを調整した後、前記各位置決め突部47により位置決めを行いつつ、回路基板11を前記各台座部46上に載置する。その後、一方の長辺側についてはビスB2によって固定した後、当該回路基板11が収容固定されたケース12に、前記第1実施形態と同様の要領でカバー13を被嵌する。すると、前記第1実施形態と同様、固定用突条25によって押し退けられた接着剤20が内周側隙間L5側へと流動することで回路基板11の外周縁部が接着剤20によって包まれることとなるが、特に各隅部においては、図15、図16に示すように、前記内周側隙間L5側に流動した接着剤20の一部が回路基板11と前記各位置決め突部47との間に形成される隙間L14を介して前記各接着剤充填部45a〜45d内に充填されることとなる。これにより、接着剤20が前記各接着剤充填部45a〜45dにも確実に充填され、回路基板11の外周縁部が当該接着剤20によって包まれることになる結果、回路基板11の良好な固定や放熱に供される。
【0061】
したがって、本実施形態によっても、従来に比べて回路基板11を固定する一部のねじ(本数)を削減することが可能であり、基本的に前記第1実施形態と同様の作用効果が奏せられる。
【0062】
なお、本実施形態では、回路基板11の一方の長辺側をビスB2で固定する構成としたが、このビスB2の配置は、当該形態のほか、一方の短辺側ないし対角とする構成としてもよい。また、前記回路基板11の位置決めに関しても、前記位置決め突部47が前記形状に限定されないことは勿論、かかる位置決め突部47以外の他の手段により当該回路基板11の位置決めを行うことも可能である。
【0063】
以上、本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば前記シール溝30については、必ずしもケース12の全周に設けられる必要はない。すなわち、例えば対辺などケース12の外周の一部に設けることも可能であり、この場合であっても、当該シール溝30を配置した(回路基板11と内周側壁31とをオーバーラップさせた)部分の幅方向寸法につきケース12を小型化することが可能となり、少なからず装置の小型化に供される。
【0064】
また、前記公差用隙間L7についても必須の構成ではなく、第1実施形態であれば前記台座部31aを廃止して内周側壁31の上面31bに回路基板11の外周縁部を直接載置する、第3実施形態であれば前記台座部46を廃止して前記接着剤充填部45a〜45dの上面に直接載置する、といった構成としてもよく、装置の使用等に応じて任意に変更することができる。そして、かかる構成とした場合でも、回路基板11及びケース12の製造誤差等によって回路基板11とケース13(内周側壁31の上面31bないし接着剤充填部45a〜45dの上面)との間には少なからず前記隙間L7が形成されることとなり、該回路基板11と内周側壁31の上面31bないし接着剤充填部45a〜45dの上面との間に接着剤20を充填させることは可能である。また、このように回路基板11を内周側壁31の上面31bないし接着剤充填部45a〜45dの上面に直接載置する構成とした場合には、ケース12の構造がより簡素化されて、装置の製造コストの低廉化に供されるといったメリットが得られる。
【0065】
なお、前記回路基板11の底上げ支持構造を採用するにしても、その底上げ手段は前記台座部31aないし台座部46を設ける構成に限定されるものではなく、回路基板11とケース12の間に前記所定の隙間L7を形成し得るものであれば、いかなる手段であってもよい。
【0066】
また、前記各実施形態の特徴的な構成、例えば第2実施形態の前記各テーパ部44a,44bを設ける構成や、第3実施形態の前記各位置決め突部47を設ける構成ないし一方の長辺側のみビス止めとする構成なども、必要に応じて第1実施形態に係る構成と自由に組み合わせ可能である。
【0067】
特に、前記回路基板11の固定手段に関しては、従来と同様に、接着を採用することなく、全てビス止めとすることも可能である。この場合、組立工数は増大してしまうものの、当該回路基板11の確実な固定に供され、かつ、当該固定を永く維持することが可能となる。
【0068】
また、前記ケース12及びカバー13の一方、特にカバー13については、樹脂材料によって構成してもよく、また、その最終的な固定については接着剤20によって行えるため、ビス止め以外に例えばいわゆるスナップ・フィット構造等を採用することによって当該両者12,13を仮固定するような構成としてもよい。
【0069】
さらには、特に前記第1実施形態では、前記カバー13の各隅部に弾性支持部37を設けることとしたが、当該弾性支持部37については、必ずしも弾性を持たせて回路基板11をケース12へと押し付ける構成とする必要はなく、例えば当該支持部37を同金属からなる突起として構成することも可能であり、この場合には、ケース12の各取付面27の高さ(精度)を変更することで、回路基板11の上下位置(厚さ幅方向位置)を調整して、当該回路基板11の接着に際しての適切な上下位置の規制が行えることとなる。
【符号の説明】
【0070】
11…回路基板
12…ケース(第1部材)
13…カバー(第2部材)
20…接着剤(シール材)
24…接合面(第1部材の接合面)
25…固定用突条(突条)
26…接合面(第2部材の接合面)
30…シール溝
31…内周側壁
32…外周側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その接合面にシール溝を有する第1部材と、
その接合面に前記シール溝に係合する突条を有し、該突条を前記シール溝に係合させることによって前記第1部材に組み付けられる第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材とによって構成される筐体内に収容され、その上下面のうちいずれか一方又は両方の面に電子部品が実装される回路基板と、
前記シール溝内に充填され、前記突条に押し退けられることで前記第1部材と前記第2部材の接合面間をシールするシール材と、を備え、
前記シール溝の内周側壁の高さを外周側壁よりも低く設定し、当該シール溝の内周側壁の先端側に前記回路基板の外周縁部を載置することで、当該シール溝の内周側壁における先端側の一部を前記回路基板の外周面によって構成したことを特徴とする電子制御装置。
【請求項2】
前記回路基板の一側面とこれに対向する前記第2部材の接合面との間に形成される第1隙間と、前記シール溝の外周側壁の先端面とこれに対向する前記第2部材の接合面との間に形成される第2隙間と、を備え、
前記シール材の充填された前記シール溝に前記突条が進入することに伴い、該突条によって押し退けられたシール材が前記各隙間内にほぼ充填されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
【請求項3】
前記第1隙間と前記第2隙間とを異ならせることにより、当該両隙間のうち大きい方の隙間側に、前記突条により押し退けられた前記シール材が滞留するシール材滞留部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の電子制御装置。
【請求項4】
前記回路基板の一側面又は前記シール溝の外周側壁の先端面と対向する前記第2部材の接合面であって前記各隙間の外端部に、凸状の抑止部を突設し、該抑止部をもって、前記突条により押し退けられた前記シール材の前記各隙間からの漏出を抑止するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の電子制御装置。
【請求項5】
前記回路基板の外周縁部と対向する前記第2部材の接合面に弾性を有する押圧部材を設け、該押圧部材によって前記回路基板を前記内周側壁側へ押圧するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の電子制御装置。
【請求項6】
前記回路基板の外周側に発熱量の高い高発熱素子を配設すると共に、当該回路基板の内部に前記高発熱素子の熱を伝達する伝熱部材を介装し、該伝熱部材を前記シール材により覆われる前記回路基板の外周縁部に臨ませるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の電子制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−4759(P2013−4759A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134740(P2011−134740)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】