説明

電子放射の強度を監視する方法および装置

【課題】
電子放射の強度を監視するために使用する方法および装置。電子放射の強度の変化を認識するために、電子放射によって直接または間接に放出される電磁放射線が検出されおよび評価される。特に、紫外線放射線及び/又は可視光の領域の放射線の評価が考慮される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子放射の強度を監視する方法に関する。
【0002】
本発明は、さらに、電子放射の強度を監視する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
この種の電子放射は、レントゲンチューブに類似して形成され、およびその内部に赤熱する金属の放射性要素が設けられる、例えばチューブ形状の装置によって発生せしめることができる。電子はここで、熱電子放出によって発生され、そしてチューブ内で高い運動エネルギーへと加速される。適当に加速された電子は、加速経路の端部で、放出窓を通してチューブ形状の装置から外へと放出される。典型的には、放出窓は、細くまたは狭く形成され、そして電気的にグラウンド電位に置かれる。このような装置は、電子銃ともまた称される。
【0004】
放出窓を去った後、電子は、周囲環境へと至りそこを伝わる。最大の拡散距離は、電子の運動エネルギーによって前もって定められる。
【0005】
典型的な実施形では、100μA(マイクロアンペア)から200mA(ミリアンペア)の範囲の強度を有する電子流が発生される。同様に典型な場合、チューブの連続する運転が意図され、電子の一定の放射率が達成される。同様に、典型的な場合、一定の加速電圧が使用され、時間的に変化しない電子流が発生する。
【0006】
しかしながら、使用されるチューブの構造に基づいて、例えばセラミック絶縁体の表面に沿ったスパークにより引き起こされる可能性のある、時間的に短い電圧の落ち込みが発生する。このような電圧の落ち込みは、電気的には短時間の短絡のように作用し、そして電子流の電子の運動エネルギーを取り去り、よって電子の放射強度及び/又は活動範囲をも減少させるという結果となる。
【0007】
同様に、このような影響によって、電子放射の短時間の完全な停止が生じることも完全には排除できない。各原因に応じて、このような停止は数マイクロ秒からミリ秒の時間範囲内にある。約1ミリ秒より長い停止時間は、チューブに供給を行う電源ユニットを電圧および電流推移に関して監視することにより認識可能である。しかしながら短い停止時間は、電源部材のフィルター内の時間定数に基づいて、および電圧および電流推移の監視の実現されるスキャンレートに基づいて、認識されない、または少なくとも頼りになる程は認識されない。
【0008】
このような電子放射の適用は、例えば包装材料の表面の滅菌のために行われることが可能である。このような適用の際に包装材料の表面は、電子放射の方向を変換することにより及び/又は包装材料を電子源に対して相対的に動かすことにより、少なくとも所定の領域内では完全に電子放射にさらされ、確実な滅菌が実施される。よって、電子放射の強度の落ち込みの際、電子放射の短時間の停止の際、または電子放射のエネルギーの落ち込みの際には、適切な対策を行わないと滅菌過程の不完全な実施という結果となり、これは甘受することが出来ない。
【0009】
技術的な観点では、電子放射の強度の落ち込み、エネルギーの落ち込み、または短時間の停止を、経済的周辺条件をクリアしつつ確実に防止することは極めて困難であることが証明されている。したがって、電子放射の方向転換や実施する動作の推移に影響を与え、包装材料の滅菌すべき表面の各領域が、十分長い期間十分な強度の電子放射にさらされることができるよう、適当な強度の変動を迅速かつ確実に認識することが試みられている。
【0010】
本発明の枠内においては、包装材料の概念は、腐食性の物を収容または包装するのに適したあらゆる材料であると理解される。その際、例えばフィルムのような柔軟な材料であるとも、例えば薄板でできた缶やガラスでできたビンまたはグラスのような剛性の材料であるとも、さらには例えばプラスティックボトル、プラスティックカップなどのような半剛性の材料であるとも理解される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【非特許文献1】「イオン化された放射線の線量測定(Dosimetire ionisierter Strahlung)」 ライヒ(Reich)著 B.G.チューブナー(Tuebner)出版 シュツットガルト 1990年 69頁
【非特許文献2】「物理学ハンドブック(Taschenbuch der Physik)」カールハンサー出版社(Carl Hanser Verlag) クッフリング(H.Kuchling)著 第16版 572頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
よって、本発明の課題は、確実な強度監視を実施することができるような、導入部に挙げた方式の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、発明に従い、電子放射の強度の変化の認識するために、電子放射によって直接または間接に発生する電子放射線または電磁放射線が検出され、および評価されることによって解決される。
【0014】
本発明の範囲で用いられる用語「電子放射によって直接または間接に発生する電子放射線または電磁放射線」は、本発明の対象が、様々な方式で発生可能である(電磁)放射線の証明に関することであると理解されるべきである。一つには、電子放射によって直接に、例えば、電子が原子または分子のケース(Huelle)から飛び出すことによって発生し、そして直接、つまりダイレクトに放射線官能性の(証明のために使用される)パーツ衝突する電子放射線が取り扱われる。この電子放射線の証明のために、例えば温度反応式の抵抗、例えば、当業者に公知のPT100,PTC,NTCが使用される。その際、好ましくは、極めて迅速に温度変化に反応するこのようなパーツが使用され、これによって電子放射線の最も小さい変化さえも認識されることができる。
【0015】
他方では、電子放射によって間接的にのみ、つまり例えば、以下に詳細に記載する電子・イオン対の再結合とその際に発生する電磁放射線により発生する電磁放射線が取り扱われる。
【0016】
本発明の他の課題は、迅速かつ確実な強度監視が実現されるような冒頭に記載した方式の装置を構築することである。
【0017】
この課題は、発明に従い、電子放射によって直接または間接に発生する電子放射線または電磁放射線を計測技術的に認識する検出器が形成されていること、および、この検出器が、電子放射によって発生する電子放射線または電磁放射線の強度の変化を認識するための評価装置と接続されていることによって解決される。
【0018】
本発明を以下に実施例に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】当業者にとって公知である、空気を貫通する際の電子のエネルギー損失の態様の図
【図2】本発明に係る装置の簡略図
【発明を実施するための形態】
【0020】
電子放射によって放たれる電磁放射線の監視のための計測技術的装置は、小さな空間的形状で安価に実現されることができる。電子放射によって発生するプラズマの放射線を検出する、対応する検出器は極めて少ないエラーを有しているので、シグナルフィルタリングのために、つまり電子放射の変化を認識するために、ミリ秒(時間定数)の一瞬の計測時間または観察時間が十分である。
【0021】
検出器は、電子放射の外側に設けられることが可能であるので、その熱的負荷は小さく、これはそのような検出器の耐久性に極めてプラスに作用する。放たれる電磁放射線の強度は、電子放射の強度と直接関係し、そして電磁放射線の計測技術的認識は、極めて良好な絶対正確性をもって実施されることが可能である。
【0022】
特有の周波数領域における計測技術上の認識は、紫外線放射線が評価されることにより行われる。
【0023】
同様に、光放射線が評価されることも考えられる。
【0024】
特に簡単な構造的技術的実現性は、電磁放射線が、電子放射が周囲空気中で拡散する間に評価されることにより促進される。
【0025】
有利な応用では、電子放射が、包装材料の表面の領域の菌減少のために使用さえることが考慮される。
【0026】
容器の表面の領域の菌の数量が減少されることが、特に意図される。
【0027】
電磁放射線が、半導体センサーによって検出されることにより、コンパクトな構造が促進される。
【0028】
半導体センサーとして、フォトダイオードとも呼ばれる、光官能式のダイオードが使用されことは、安価な実現に貢献する。
【0029】
別の実施バリエーションでは、半導体センサーとして、CCDチップ、光官能性のCMOSユニット、またはフォトトランジスターが使用される。光官能性の抵抗を使用する実施バリエーションもまた考え得る。
【0030】
図1には、特有のイオン化と、エネルギー損失の典型的に推移が、電子エネルギーに対して表されている。その際、特有のイオン化に関して表わされているこの曲線は、1mg/cmの空気柱の放射において、1keVから3MeVのエネルギーを有する一つの電子によって形成されるイオン対の数を再現している。ここで、個々のイオン対は、一つの電子と一つのイオンから成る全体であると理解され、これは以下において電子・イオン対と称される。
【0031】
エネルギー損失に関して表わされている曲線は、空気中における電子の、1mg/cmの面積単位を有する空気柱への放射の際のエネルギー損失を記載している。電子の物質との相互作用の際に発生する影響は、通常、面積の単位に関係し、というのは、物質の種類に依存せず、つまりいわゆる吸収体材料に依存せず、同じ面積の単位を有する異なる吸収体は、略同じ影響を及ぼすからである。同じ面積の単位σのアルゴン柱または窒素柱への放射の際には、同じ面積の単位の空気柱への放射の際と略同じエネルギー損失ΔEが期待される。
【0032】
発生する電子・イオン対の数もまた、およそこの法則に従う。ここで「およそ」とは、原子番号Zが6から20の間の吸収体組成に対して、材料特有の期待される依存性が、±15%だけ変化することが可能であることと理解されるべきである。他の全ての吸収体に対しては、個々の材料の間でばらつきはより大きい。吸収体中の電子のエネルギー損失の影響は、非特許文献1中で説明されるベーテブロッホの等式(Bethe-Bloch-Gleichung)により説明される。
【0033】
本発明に係る方法と本発明に係る装置に対する有利な適用は、包装材料表面の滅菌のために使用される電子放射の強度の監視と関係して行われる。このような放射目的のために、電子放射の発生のためのチューブの内部において、電子が、20keVから2MeVの間の領域の電子エネルギーが実現されるよう加速される。電子放射線は、放出窓の領域でチューブから外に放出され、そして、包装材料の領域で、周囲環境へと至るか、または、例えばアルゴンや窒素のようなキャリアーガス(Fremdgas)からなり、周囲環境を置き換えることができる環境へと至り、無酸素状態が得られる。
【0034】
放出窓の領域において、電子のエネルギーは減少され、その際、この減少の程度は、放出窓の厚さ、放出窓の材質および電子の運動エネルギーに依存している。
【0035】
放出窓を通り抜けた後、電子は、周囲環境を通り抜ける際に更なる恒久的エネルギー損失を受ける。このエネルギー損失は、基本的に衝撃の伝達によって発生し、その際、放出される電子によって例えば、電子・イオン対、励起されたイオン、励起された分子、分子分裂、およびラジカルが発生される。周囲環境に放出される電子は、全体としてプラズマを発生する。その内において、電子銃の電子放射が減速される領域は一般的に空気以外のガス、例えばアルゴン、窒素またはヘリウム等によってもまた充填されていることが可能である。これはまた、以下の説明に対しても有効である。
【0036】
図1には、特有のイオン化として、電子・イオン対の発生率が表わされている。1mg/cmの空気の吸収経路に対する1keVから3MeVの間のエネルギー領域の電子のエネルギー損失が同様に表され、これは293ケルビンの温度および1013.25mbarの圧力において、略8.3mmの空気柱に相当する。相応するエネルギー損失は、周囲の空気中における例えば130keVの電子放射が、略20cmの拡散経路を有することに通じる。したがって、放出窓に対して相対的に20cmより長い距離を有する包装材料表面に、このエネルギーを有する電子放射が達することはもはやない。
【0037】
本発明に係る課題を解決するために、電子の元来の運動エネルギーの少なくとも基本的な部分が、放出窓から出て伝わる電子が、その運動エネルギーを、それによって貫通される周囲への衝撃によって伝達することによって使用されるという効果を、本発明は利用している。その際、電子の伝わる動作の方向において、電子を取り巻く周囲の構成要素との衝突によって、永続的に電子がこれら構成要素の原子または分子から取り出され、これによってまた、自由な電子またはイオンの対が形成される。電子放射は、つまりその拡散の間に、永続的にプラズマを発生する。
【0038】
専門書、例えばクッフリング(H.Kuchling)の非特許文献2、第16版の572頁からは、空気に対する平均的なイオン化定数は33.85eVであるので、吸収体における電子・イオン対を発生する際の電子の公知のエネルギー損失のもとで、全体としてその経路に沿った電子放射の電子により形成される対の数が計算されることが可能である。
【0039】
130keVのエネルギーを有する、放出窓を去る電子の場合、この電子は図1に従い、吸収体内の8.3mmの第一経路に対して、少なくとも3.3keVのエネルギー損失に達する。このエネルギー損失を発生する衝突によって、したがって、97の電子・イオン対が発生される。吸収体内の残された他の全ての経路は、形成される電子・イオン対の数を増加する、というのは減少する電子エネルギーによりエネルギー損失が増加するからである。よって、8.3mmの吸収経路中において100形成される電子・イオン対の値を使用することは、後に続く見積もりに対して保守的であるとみなされる。
【0040】
電子放射の証明または必要な正確性のもとでのその強度の監視が行われることが可能である点を、後続する例が示す。
【0041】
130keVのエネルギーを有する一つの電子は、24mg/cm2*100電子・イオン対毎(1mg/cm2)=2400電子イオン対を発生する。
【0042】
空気を通って伝わる電子放射による包装材料の滅菌のために、例えば100μAから200mAのの領域の放射流が使用される。
【0043】
以下の例の計算は、1mAの放射流に関し、この放射流によって包装材料の滅菌の際に、良好から極めて良好な結果が計られる。
【0044】
1mAの流れは、秒あたり6.25*1015の電子に相当する。1mAの放射流は、つまり空気に少なくとも毎秒6.25*1015*2400の電子・イオン対を発生する。これは毎秒1.5*1019の電子イオン対に相当する。
【0045】
これらの電子イオン対の略全てが、すぐにまた再結合し、その際、再結合の際に自由となるエネルギーは、UV光または可視光(短縮して「光放射線」)の領域の放射の形で、放出される。
【0046】
光放射線の量子の、他の領域の量子に対する、または放射の無い移行部に対する正確な比率は、示すことができず、しかしながらこの比率は、(当業者に周知のように)、むしろ50%よりも1%である。
【0047】
光放射線の領域における再結合の比率は、よって極めて保守的な見積もりとして見られることが可能である。よって、毎秒1.5*1019の電子イオン対から、少なくとも1.5*1017の光子が光放射線の領域において放出される。
【0048】
UVまたは光放射線は、電子放射の放出窓からバルーン状の領域を出て行われ、その際、バルーン状の領域は、電子放射線の射程と電子の数回の散乱によって定義される。光放射線は、空間中に等方性に広がる。
【0049】
本発明の課題を実現するために、バルーン状の領域の極めて小さな表面要素を観察するだけで十分である。例えば、直径5mmの円形観察窓に相当する、略0.2cm2の大きさの表面要素の観察が十分である。
【0050】
再結合領域の中心から、から30cmの距離にあり、中心を向いている(直径5mm)0.2cm2の感度面を有する検出器という前提から出発する場合、この検出器は、両立体角の比率に従い、つまり光放射線が放出され、その際rが再結合領域の中心から検出器の位置までの感覚に相当する4πrの完全な立体角と、検出器面が放射線放出ボリュームの中心に関して向く立体角の比率に従い、毎秒ごとに光放射線として放出される、1.5*1017の光子の57600部分のみを見る。
【0051】
光官能性のダイオードは、略200nmの波長から始まり、そして可視領域を超えるまでの極めて幅広い感度領域に対して存在する。そのような放射線官能性の部材または構成要素(光官能性のダイオード、放射線官能性のダイオード、CCDチップ、CMOSチップ、フォトダイオード、フォトトランジスター、フォトレジスター)の応答確立は、典型的には、明らかに50%よりも高く、つまり少なくとも各2番目の量子が検出され、これによって検出器は、本例においては、毎秒1.3*1012の光量子を検出する。
【0052】
有意義な電子流のコントロールは、毎秒104のタクトレートの際に、略0.001の正確性を有するコントロールシグナルを要求する。これは、100μsごとに実際値を目標値と比較する電子流モニターを必要とすることを意味し、その際、実際値は1パーミリの正確性を有しているべきである。
【0053】
光量子は、統計学上の方法で、かつ高い数量で、つまり検出器内でその後電流に変換される、100μsごと1.0*108の光量子が放出されるので、簡単な方法で、電流シグナルIのエラーΔIが計算されることが可能である。
【0054】
数学上、統計学的に生じる結果の正確性ΔI、つまりこの場合においては、電子放射の強度の計測された値または検出された値の正確性は、「全事象数」に対する「事象の平方根」と同じである。つまり、ΔI=√n/nであり、ここでn=事象数である。
【0055】
よって、そのような高い事象数(事象数=1.3*108)において、8.8*10-5の電流シグナルの相対的エラーは、タクト時間100μsに対して十分である。この値は、エクセレントとして有効であり、そして他の証明方法によっては達成されない。
【0056】
記載した見積もりは、観察領域がいかなる陽光も無く、したがって観察するシグナルが、高い基礎信号上にある。このため観察する領域は、そこに外光、つまり例えば陽光または照光装置からの光が、妨害作用を及ぼすことが無いように設計される必要がある。
【0057】
検出器の別の実施形では、それでもって検出可能な立体角領域が制限され、そしてまた、場合によっては存在する陽光の分散放射線を滅光するレンズが利用される。これによって、(検出器の視野が制限されることを前提として)官能性のダイオード上に入射する光量子の数は減少するが、100μsの時間間隔ごとに1.3*106量子のみ検出器に入射する光子流において、達成される統計学的正確性は、いまだ8.8*10-4である。
【0058】
検出器の別の技術的実施形においては、カラーフィルターが検出器の前に置かれる。このカラーフィルターは、一つの狭いスペクトル領域を検出器に対して通過させることができる。よってスペクトル領域は、電流変換のためのプラズマの特徴的な放出直線が、検出器内で、通過することができるよう制限されることが可能である。この実施形は、包装材料に電子放射が処理される領域が、純粋ガスによって溢れているとき、特に興味深い。空気の酸素部分による包装材料の変化を防止するために、例えば、処理領域が窒素またはアルゴンで溢れている。
【0059】
この実施例の別の実施形に対しては、電子放射強度を観察するために、窒素またはアルゴンの放出直線のみに敏感であるよう、カラーフィルターを設計することが意図されている。
【0060】
この実施例の別の実施形に対しては、処理領域への酸素の侵入を監視するために、専ら酸素にのみ敏感であるよう、カラーフィルターを設計することが意図されている。
【0061】
さらに検出器は、電気的なスイッチ、例えば電子放射または電子流の観察のスイッチと組合わせられることが可能である。その際、好ましくは、電子流の強度が検出されることが可能である。
【0062】
その際、一または複数の、好ましくは任意に選択可能な境界値または切替点が予め与えられることが可能であることを、電気的なスイッチが可能としているとき、特に有利であり、その場合その後、電子流の実際値がこの切替点に達するとき、下回るとき、または上回るとき、所定の活動が実行される。
【0063】
例えば、「電子流落ち込み」のシグナルと結び付けられる第一の切替点が意図されることが可能である。その際、「電子流落ち込み」のシグナルは、電子流が所定の時間だけ下降したときにのみ初めて発せられることもまた可能である。
【0064】
さらに、第二の切替点が意図されることも可能である。その際、この第二の切替点は、第一の切替点より高位に位置する。第二の切替点は、第二の切替点が、ある所定の調整可能な時間の後に、再び上回られないときにのみ、「電子流落ち込み」シグナルが発せられるよう、第一の切替点と比較される。
【0065】
この放射線の計測技術的検出のための検出器は、例えば、略0.2cm2の面積を有して形成されることが可能である。これは、円形の検出器面において、略5mmの直径に相当する。再結合領域の中心に対してと、よって電子放射の中心線に対する典型的な距離は、略30cmである。もちろん、他の断面を有するセンサーもまた使用されることができ、そして、再結合領域への他の距離も選択されることが可能である。
【0066】
このような検出器の典型的な形成は、光官能性の半導体ダイオードの形式で行われる。そのようなダイオードは、略200nmの波長領域を超えて、可視光の領域にいたる感度領域を備えている。検出器としてCCDチップを使用することも、同様にまた可能である。
【0067】
有利な構造的実現性に従い、検出器は、少なくとも基本的に、専ら電子放射により放出される電磁放射線のみが検出されるよう設けられる。このためセンサーは、陽光または照光装置からの光が、検出器の領域のせいぜい本質的でな周囲にのみ至ることが可能であるように覆われる。
【0068】
本発明の別の実施形に従い、検出器は、透明なまたは光を透過する包装材料の壁部を通してプラズマに向けられるよう設けられることもまた可能である。例えば、PETボトルのまたは他の中空ボディ状の包装材料の内部包装材料表面の安定化又は消毒のための電子放射が引き合いに出されることが可能であり、そして包装材料の中空ボディ内で、このために必要な消毒プラズマまたは殺菌プラズマが発生する。検出器は、その際好ましくは、壁部を通して中空ボディ内に発生されたプラズマに向けられ、そしてそれによって中空ボディ内に存在するプラズマの放射線放出が監視されるように設けられる。この実施形において、検出器は、レンズ及び/又はカラーフィルターを備えることもまた可能である。
【0069】
その際、包装材料は、例えばプラスティック状またはガラス状であることが可能であり、または他の材料からなっていることも可能であり、その際包装材料は、電子・イオン対の再結合の際に、発生する放射線のために、少なくともこの放射線の部分に対して、透明であるか、透過性であるか、または光を通す(半透明)ということが必要である。
【0070】
本発明の他の実施形は、全ての電子・イオン対がその発生の後にすぐに再結合されない、そして/又は、この過程の間、電子は電子放射の元来の方向と他の方向を取るので、その結果、電子放射自体が検出されなければならないということ無しに、これら電子が検出されることが可能である。すでに上述したとおり、これら電子は適切な部材により検出されることが可能であり、これによって同様に、電子放射の強度を監視するための極めて有利な装置を形成することが可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 電子エミッタ
2 放出窓
3 UVまたは光放射線のバルーン状の領域の境界
4 光量子またはUV量子
5 UVまたは光放射線のバルーン状の領域
6 フィルター
7 光学機器
8 光官能性の要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子放射の強度を監視する方法において、電子放射の強度の変化の認識のために、電子放射により直接または間接に発生する電子放射線または電磁放射線が検出され、および評価されること特徴とする方法。
【請求項2】
電磁紫外線または電磁光放射線が評価されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電子放射線が評価されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
放射線が、大気中の空気または窒素またはアルゴン中で電子放射線が広がる間に評価されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
電子放射が、包装材料の表面の領域の菌減少のために使用されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
容器の表面の領域の菌数量が減少されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
電子放射によって発生された放射線が、半導体センサーによって検出されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
半導体センサーとして、放射線官能式または光官能式のダイオードが使用されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
半導体センサーとして、CCDチップまたはCMOSチップまたはフォトダイオードまたはフォトトランジスターまたはフォトレジスタが使用されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
電磁放射線が、半導体センサーに至る前に、スペクトルフィルターまたはカラーフィルターを通過することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
半導体センサーによって受信される放射線が、中空体の内部で発生することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
電子放射の強度を監視する装置において、電子放射によって直接または間接に発生する電子放射線または電磁放射線を計測技術的に認識する検出器が形成されていること、および、この検出器が、電子放射によって発生する電子放射線または電磁放射線の強度の変化を認識するための評価装置と接続されていることを特徴とする装置。
【請求項13】
検出器が、電磁紫外線または電磁光放射線を認識するよう形成されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
検出器が、電子放射線を認識するよう形成されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
検出器が、周囲空気中を通って延在する電子放射の拡散経路の領域に設けられることを特徴とする請求項12から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
検出器が、窒素またはアルゴンを通って延在する電子放射の拡散経路の領域に設けられていることを特徴とする請求項12から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
検出器が、包装材料の表面の領域の菌減少のための装置の部材として形成されていることを特徴とする請求項12から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
検出器が、容器の表面の領域の菌減少のための装置の部材として形成されていることを特徴とする請求項12から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
検出器が、半導体センサーとして形成されていることを特徴とする請求項12から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
半導体センサーが、放射線官能式のダイオードとして、または光官能式のダイオードとして形成されていることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
半導体センサーが、CCDチップとして、またはCMOSチップとしてまたはフォトダイオードとしてまたはフォトトランジスターとしてまたはフォトレジスタとして形成されていることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項22】
半導体センサーが、包装材料体内部に発生する電磁放射線を受信可能であるように設けられていることを特徴とする請求項12から21のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−524281(P2012−524281A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506385(P2012−506385)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002396
【国際公開番号】WO2010/121775
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(598125028)カーハーエス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (125)
【Fターム(参考)】