説明

電子教育システム及びプログラム

【課題】 過去の経験に基づき且つ学生の情意面に応じた対応を可能とする電子教育システムを提供する。
【解決手段】 電子教育システムは、新たな質問が入力されたときに、新たな質問と一致または類似する過去の質問を質問データベースから取得し、情意データベースを参照し、取得した質問の質問者の情意情報と、新たな質問の質問者の情意情報との類似度を計算し、取得した質問の中から、類似度が最大となる一の質問を選択し、選択した質問に対する応答文を、応答文書データベースを参照して求め、新たな質問に対する回答文を作成して出力し、その後、前記新たな質問と、その質問者とを関連づけて前記質問データベースに登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを用いた電子教育システムであって、通信ネットワークを介して接続された遠隔地にある端末に対して教育に関するコンテンツを配信する電子教育システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信ネットワークを介して遠隔地点間を接続し、遠隔会議、遠隔講義が様々な分野で行われている。従来より、そのような遠隔会議、遠隔講義を実現する種々の遠隔通信システムが考案されている。そのような遠隔通信システムにおいては、遠隔地にある複数の拠点が通信回線を介して接続され、端末間で双方向に映像、音声情報、データ等の送受信が行われる。例えば、端末に接続されたカメラ、マイクを通して取得された映像、音声情報が、必要に応じて資料データとともに他の拠点の端末に送信され、再生される。また、従来の遠隔通信システムには、会議等の様子をデータとして蓄積し、後の閲覧を可能するものもある。
【0003】
特に、教育分野において、通信回線を介して遠隔地間の教育(講義等)を可能とする電子教育システムは一般に「eラーニングシステム」と呼ばれている。そのようなeラーニングシステムにおいては、学校等の教育機関に設置されたサーバと学習者宅に設定された端末とがインターネット等の通信回線で接続され、双方向データ通信を行うことにより、遠隔地からの学習者に対する指導(講義、授業等)を可能としている(例えば特許文献1、2参照)。このような電子教育システムは、学習者にとって時間や場所を選ばないで指導を受けられるという点で非常にメリットがある。
【0004】
一般的なeラーニングシステムは、サーバ側から学習者の端末へネットワークを介して、講義等の映像情報をストリーミングで配信したり、問題、解説、解答等を含む一連の教育用コンテンツを順次配信したりする機能を有する。また、eラーニングシステムには、講義に関するコンテンツの配信のみならず、学習者の成績や学習進捗状況の管理や、講師と学習者間のメッセージ交換等、種々の付加的な機能を有するものがある。
【0005】
【特許文献1】特開2003−6348号公報
【特許文献2】特開2003−29613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実際の教育現場では、講師(教師)から学生(生徒)への一方向の講義のみならず、学生から講師への質問もあり、講師(教師)から学生(生徒)間の双方向のコミュニケーションがなされている。よって、eラーニングシステムにおいても双方向のコミュニケーションを実現する環境を整えることが重要である。
【0007】
例えば、講師は生徒から質問を受けると、過去の経験に基づき、学生の学力レベルのみならず学生の性格(情意面)をも考慮した最適な回答を見出して提示することで、各学生毎に適切な対応を行っている。このような実際の教育現場で見られるような対応が今後eラーニングシステムにおいても要望される。
【0008】
また、ネットワークを介して講師と学生間でコミュニケーションを図る有効な手段として電子メールの利用が考えられる。講師は、ある条件を満たす一部の学生に対して連絡したい場合に、この電子メールを利用できる。しかし、その場合、全体の学生数が多ければ、ある条件を満たす学生の抽出作業や電子メール作成の作業が煩雑になり、また時間がかかるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、過去の経験に基づき且つ学生の情意面に応じた対応を可能とする電子教育システムを提供することにある。また、本発明は、所定の条件を満たす対象へのコミュニケーションを容易に実現する電子教育システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明に係る第1の電子教育システムは、遠隔地にある端末との間でネットワークを介した双方向通信を行い、教育に関する種々の情報の交換を可能とする電子教育システムである。第1の電子教育システムは、ユーザに関する種々の情報を管理するユーザ情報データベースと、過去の質問と、その質問の質問者であるユーザとを関連づけて管理する質問データベースと、質問者の情意情報を管理する情意データベースと、質問に対する応答文書を格納する応答文書データベースと、電子教育システムの動作を制御する制御手段とを備える。制御手段は、新たな質問が入力されたときに、新たな質問と一致または類似する過去の質問を前記質問データベースから取得し、情意データベースを参照し、取得した質問の質問者の情意情報と、新たな質問の質問者の情意情報との類似度を計算し、取得した質問の中から、類似度が最大となる一の質問を選択し、選択した質問に対する応答文を、応答文書データベースを参照して求め、新たな質問に対する回答文を作成して出力し、その後、前記新たな質問と、その質問者とを関連づけて前記質問データベースに登録するように、制御する。
【0011】
情意情報には、ユーザの科目に対する、興味、関心、態度、好き嫌い、得意・不得意、成績の善し悪しのうちの少なくとも1つについて、その程度を示す情報が含まれてもよい。
【0012】
第1の電子教育システムは、質問データベースに登録された質問の中で検索対象として除外する質問を管理する失敗データベースをさらに備えてもよい。このとき、制御手段は、回答文を出力後、新たな質問の質問者から否定的な返答があったときは、新たな質問に一致する過去の質問を前記失敗データベースに登録するように、制御する。
【0013】
質問データベースは、過去の質問のテキストを形態素解析して得られる単語群である質問語群を質問毎に管理する質問語データベースを含んでもよい。
【0014】
新たな質問と過去の質問との間の文書内容の類似度が所定値より高い場合、制御手段は、回答文を出力後、新たな質問の質問者から肯定的な返答があったときにのみ、質問データベースを更新するように制御してもよい。
【0015】
制御手段は、新たな質問と前記過去の質問との間の文書内容の類似度に応じて、作成する回答文の内容を異ならせるように制御してもよい。
【0016】
(2)本発明に係る第2の電子教育システムは、遠隔地にある端末との間でネットワークを介した双方向通信を行い、教育に関する種々の情報の交換を可能とする電子教育システムである。第2の電子教育システムは、ユーザに関する種々の情報であって定量的に示される情報を管理するデータベースと、画面表示処理及び電子メールの送信処理を制御する制御手段とを備える。制御手段は、各ユーザ毎に、定量的に示される情報の値を棒グラフ表示し、棒グラフに重畳させて範囲指定バーを表示し、範囲指定バーにより指示される境界を上限または下限とする範囲を設定し、棒グラフの値が設定された範囲内にあるユーザを特定し、特定したユーザに対して電子メールを送信するように、制御する。
【0017】
定量的に示される情報は、ユーザの成績及び/または学習進捗状況を含んでもよい。
【0018】
さらに、範囲指定バーを2本表示し、一方の範囲指定バーにより指示される境界を上限とし、他方の範囲指定バーにより指示される境界を下限として範囲を設定してもよい。
【0019】
範囲指定バーにより指示される境界の値が、範囲に含まれる場合と、含まれない場合とで、範囲指定バーの線の種類を異ならせてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1の発明によれば、過去の質問を質問データベースとして管理しておき、ユーザから新たな質問があったときに、質問データベースから、ユーザの情意面を考慮して、同一または類似の過去の質問を検索し、その検索した質問に基づいて回答文を作成し出力する。このため、ユーザに対し、その情意面に応じた適切な応答が可能となるとともに、過去の質問の経験を生かした対応が可能となる。
【0021】
また、第2の発明によれば、範囲指定バー用いて容易にユーザの選択条件を設定できるため、ある条件を満たすユーザにのみメールを送信したい場合に、ユーザの選択、アドレス指定にかかる時間、手間が低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照し、本発明に係るオンラインコミュニケーションシステムの一実施形態である電子教育システムについて説明する。電子教育システムは、大学等の教育機関において遠隔地点間の講義を可能とするシステムである。
【0023】
実施の形態1
本実施形態の電子教育システムは、学習者が端末上で質問することを可能とし、その質問に対しシステムは自動で質問に対する適当な答を検索し、学習者に回答する機能を有する。以下、その詳細を説明する。
【0024】
(1.電子教育システムの全体構成)
図1に電子教育システムの構成を示す。図1に示すように電子教育システムは、インターネット100を介してコミュニケーションサーバ(以下「サーバ」という)1と、複数のクライアント端末(以下「端末」という)20、21、22、23…が接続されている。なお、インターネット100の代わりに他の通信ネットワークを用いることもできる。
【0025】
サーバ1は、インターネットを介して端末20、21、22、23…とデータのやりとりを制御するための通信インタフェース11と、サーバ1の動作(例えば画面表示、メール作成処理)の制御を行う制御部12と、プログラム31やデータ等を格納するデータ格納部13を備える。サーバ1の制御部12は所定のプログラムを実行することで、後述する電子教育システムの種々の機能を実現する。これらのプログラムは、DVD−ROM、CD−ROM等の情報記録媒体、電気通信回線等の伝送媒体を介して提供されてもよい。
【0026】
各端末20、21、22、23…もサーバ1と同様の構成を有しており、所定のプログラムを実行することにより、後述する機能を実現する。各端末20、21、22、23…にはカメラ、マイク、スピーカが接続されており、インターネット100を介して双方向にデータ及び映像音声通信が可能となっている。サーバ1、端末20、21、…は例えばコンピュータにより構成できる。
【0027】
なお、サーバ1の機能に端末20、21、22、23…の機能を統合させてもよい。また、サーバ1と端末20、21、22、23…は、従来のネットワークを介して電子教育システムを実現するための一般的な機能(例えば、チャット機能、電子メール機能)を備えている。
【0028】
以下の説明においては、端末20は講義を行う講師が使用する講師用端末であり、端末21、22、23…は講師用端末20から遠隔地にあり、授業を受ける学生すなわち学習者が使用する学習用端末であるとする。講義の様子を示す映像、音声はインターネット100を介して学習用の各端末21、22、23…に配信される。また、学習用の各端末21、22、23…からも他の全ての端末に対してデータ、映像、音声等の送信が可能である。学生用の端末21、22、23…においては、講師用端末20からの情報を受信できればよいため、カメラ、マイクが接続されていなくてもよい。
【0029】
(2.データベース)
サーバ1のデータ格納部13には、本電子教育システムの機能を実現するためのプログラムや、必要なデータが格納される。具体的には、図2に示すように、データ格納部13には、ユーザ情報データベース33と、文書データベース34と、質問語データベース35と、文書情意データベース36と、失敗文書データベース37と、応答文書データベース38とが格納される。以下、図3を参照し各データベースについて説明する。
【0030】
図3(a)はユーザ情報データベース(以下「ユーザ情報DB」という)33のデータ構造の一例を示した図である。ユーザ情報DB33は、ユーザ(すなわち学生、生徒)に関する種々の情報を格納するデータベースである。ユーザ情報DB33は、各ユーザの識別情報であるユーザIDと、そのユーザに関する情意値1〜nと、所定の科目(講義)に対するそのユーザの成績1、2、…、mとを含む。なお、ユーザ情報DB33には、図示した情報以外にも、ユーザに関する種々の情報(例えば、ユーザ名、メールアドレス等)が含まれる。
【0031】
ここで、「情意」とは、興味、関心、態度、好き嫌い、意欲、科目に対する得意/不得意、成績の善し/悪し等のユーザの感情、気持ちのことであり、「情意値」とは、ある科目に対する学生のそのような気持ちの度合いを数値化したものである。情意を数値化して表すことについては、例えば、「島根式数学に対する情意特性検査」による手法が知られている。本実施形態では、各学生に対し事前に所定のアンケートを行い、その結果に基づいてユーザ情報DB33の情意値を設定しておく。アンケートの例を以下に示す。
【0032】
<アンケート>
質問1:私はいつも数学の勉強で、人から頼りにされたいと思う。
(思う:5 〜 思わない:1)
------------------------------------------------------
質問2:私は、自分の今の数学の成績に満足している。
(満足している:5 〜 満足していない:1)
------------------------------------------------------
質問3:私は、人から数学の勉強ができないと思われたくありません。
(思われたくない:5 〜 思われてよい:1)
------------------------------------------------------
質問4:私は、数学の勉強で、他人からうらやましがられることがあります。
(ある:5 〜 ない:1)
------------------------------------------------------
質問5:私は、他の人と比べて数学の力は優れていると思います。
(思う:5 〜 思わない:1)
------------------------------------------------------
質問6:私は、数学の勉強で、他の人から尊敬されるような人間であると思います。
(思う:5 〜 思わない:1)
------------------------------------------------------
質問7:私は、数学の勉強に自信を持っています。
(持っている:5 〜 持っていない:1)
------------------------------------------------------
質問8:私は、数学の問題を解くとき、失敗するのではないかと恐れたりしません。
(恐れない:5 〜 恐れる:1)
------------------------------------------------------
質問9:私は、数学の問題を解いた後、他の人と答えが違うのではないかと、心配にはなりません。
(心配しない:5 〜 心配する:1)
------------------------------------------------------
質問10:難しい数学の問題を自分から進んで解きます。
(解く:5 〜 解かない:1)
------------------------------------------------------
・・・
・・・
・・・
【0033】
図3(b)は文書データベース(以下「文書DB」という)34のデータ構造の一例を示した図である。文書DB34は、ユーザ(すなわち学生、生徒)が本電子教育システム上で過去に行った質問を管理するデータベースである。文書DB34は、過去に質問された文書の識別情報である文書IDと、その質問に対する応答文書の識別情報である応答IDと、質問者の識別情報である質問者IDと、質問の内容を示すテキスト情報とを格納する。
【0034】
図3(c)は質問語データベース(以下「質問語DB」という)35のデータ構造の一例を示した図である。質問語DB35は、質問(文書)を、質問を構成する複数の単語群(以下「質問語」という)で管理するデータベースである。質問語は質問を形態素解析することで自動的に得られる。質問語DB35は、元の質問の識別情報である質問IDと、その質問に対する応答文書の識別情報である応答IDと、元の質問を構成する質問語1、2、…とを格納する。
【0035】
なお、文書データベース34と、質問語データベース35とは双方とも、過去の質問の内容と、その質問者とを関連づけて管理しており、これらをまとめて質問データベース40とする。
【0036】
図3(d)は文書情意データベース(以下「文書情意DB」という)36のデータ構造の一例を示した図である。文書情意DB36は、質問語DB35により管理される各質問に対する情意値を管理するデータベースである。文書情意DB36は、質問IDと、その質問に対する応答文書の応答IDと、その質問に対する情意値1、2、…とを格納する。質問に対する情意値として、その質問を行った質問者(ユーザ)の情意値が付加される。
【0037】
図3(e)は失敗文書データベース(以下「失敗文書DB」という)37のデータ構造の一例を示した図である。失敗文書DB37は、文書DB34に登録されている文書または質問語DB35に登録される質問のうち、検索対象として排除されるべき文書または質問を管理するデータベースである。失敗文書DB37は文書IDまたは質問IDを格納する。
【0038】
図3(f)は応答文書データベース(以下「応答文書DB」という)38のデータ構造の一例を示した図である。応答文書DB38は質問に対する回答である応答文書の内容を管理する。応答文書DB38は、応答文書の識別情報である応答IDと、応答文書の内容とを格納する。
【0039】
(3.システムの動作)
以上のように構成される電子教育システムの動作を説明する。図4は、学生すなわち学習者が電子教育システムに質問するときに使用する画面の表示例を示した図である。本電子教育システムは図4に示すような画面50を表示し、学習者、システム、講師間でのメッセージ交換を可能とする。画面50において、質問者は質問入力ボックス51に質問を入力する。学習者、システム、講師間で交換されたメッセージは領域Rに表示される。
【0040】
以下、画面50上で、ある学習者により質問が入力されたときの電子教育システムの動作を図5〜図10のフローチャートを用いて説明する。以下の処理は制御部12により実行される。
【0041】
(3.1 メインフロー)
図5において、学習者Aにより新たな質問が画面50上のボックス51に書き込まれると、まず、ユーザ情報DB33を参照し、学習者A(すなわち質問者)の情意情報を取得する(S11)。次に、文書DB34を参照し、書き込まれた質問と同じ質問を含む文書を検索する(S12)。なお、このとき、文書DB34中で同じ質問が検索されても、その質問が失敗文書DB37にも登録されている場合、その質問は抽出しないようにする。すなわち、検索対象から除外する。検索した結果、少なくとも1つの文書が見つかったときは、同一の質問があったときの処理を行う(S20)。この処理の詳細は後述する。
【0042】
一方、検索した結果、文書が全く見つからなかったときは、書き込まれた質問文を形態素解析し、質問語に分解する(S14)。質問語DB35に登録された過去の質問群の中から、形態素解析により得られた複数の質問語を含む質問を取得する(S15)。質問語DB35から取得される質問の数は1つに限られず、通常複数になると考えられる。なお、この場合も失敗文書DB37に登録されている質問については検索対象から除外する。
【0043】
質問語DB35から取得した過去の質問と、書き込まれた質問との間の内容の類似度を計算する(S16)。内容の類似度は、質問に含まれる質問語の構成に基づいて計算できる。例えば、取得した過去の質問において、全質問語数に対する、取得した過去の質問と書き込まれた質問との間で共通する質問語の数の割合を求める。この場合、その割合が小さいほど、類似度は低く、その割合が大きいほど、類似度は高いことを意味する。
【0044】
計算した内容の類似度を所定値と比較する(S17)。ここで、所定値は、取得した過去の質問と、書き込まれた質問とが類似するか否かの判断基準として適当な値に設定する。なお、ステップS15で複数の文書(質問)が取得されたときは、その中で最も類似度の高いものについてのみ、所定値と比較する。
【0045】
内容の類似度が所定値より低いとき、すなわち、取得した過去の質問と書き込まれた質問とがほとんど類似してないと判断されるときは、同一・類似の質問がないときの処理を行う(S18)。一方、内容の類似度が所定値以上のとき、すなわち、取得した過去の質問と書き込まれた質問とが類似していると判断されるときは、類似の質問があったときの処理を行う(S19)。以下、これらの処理の詳細を説明する。
【0046】
(3.1 同一・類似の質問がないときの処理)
図6を参照し、同一・類似の質問がないときの処理(ステップS18)を説明する。
応答文書DB38を参照し、同一・類似の質問がないときの応答文書のテキスト情報を取得し、そのテキスト情報を用いて回答文書を作成し、出力する(S31)。例えば、「ちょっと、わからないので、担当者に聞いてみます。しばらくしてから再度質問してください。」等の文書を作成し、画面50上に表示する。
【0047】
システムは、回答文書を出力するとともに、管理者に質問内容をメールで通知する(S32)。管理者は、質問内容をメールで受け取ると、システムに代わって、それに対する回答を画面50上に書き込む。学習者A(質問者)は管理者による回答を受け、それに対する返答を画面50上に書き込む。
【0048】
システムは、学習者Aからの返答を受信すると(S33)、学習者Aがした質問と、管理者が書き込んだ回答とを関連づけ、それぞれ、文書DB34、質問語DB35等に登録する(S34)。具体的には、そのときの質問者(ユーザID)、質問(テキスト)を文書DB34に新規に登録する。このとき、文書ID,応答IDは新規に設定する。また、その質問を形態素解析し、得られた質問語を質問語DB35に登録する。このとき、文書DB34に登録される文書IDと質問語DB35に登録される質問IDには同じ値が入る。また、応答文書DB38に、管理者から提示された回答(テキスト)と、応答IDとを新規に登録する。さらに、文書情意DB36に、そのときの質問語DB35に登録された質問者の情意情報を、質問ID及び応答IDとともに登録する。このようにして、システムは新たな質問に対する回答を学習する。
【0049】
(3.2 同一の質問があったときの処理)
図7を参照し、図5のフローチャートにおける、同一の質問があったときの処理(ステップS20)を説明する。
【0050】
まず、質問文を含む過去の文書の質問者の情意情報を取得する(S41)。過去の文書の質問者は文書DB34の質問者IDにより特定され、その質問者IDを用いてユーザ情報DBにアクセスすることで、その質問者の情意情報を取得できる。次に、過去の質問者と、現在の質問者との間の情意類似度を計算する(S42)。情意類似度とは、両質問者間の情意の類似の程度を表す値であり、情意値に基づいて算出される。
【0051】
ステップS12では、複数の質問が検索される場合がある。よって、複数の質問の中から情意類似度が最大となる文書(質問)を1つ選択する(S43)。つまり、同一の質問が複数あるときは、それらの中から、今回質問した質問者である学習者Aと情意面で最も類似する質問者により質問された文書(質問)を選択する。ステップS12で1つの質問しか検索されなかったときは、その1つが選択される。
【0052】
選択された文書に対する応答文書を応答文書DB38から取得する(S44)。より具体的には、文書DB34を参照し、選択された文書の応答IDを取得し、その応答IDを用いて応答文書DB38にアクセスし、応答文書を取得する。
【0053】
取得した応答文書に基づき回答文書を作成し、出力する(S45)。その後、システムは、質問者すなわち学習者Aから、提示した回答に対する返答を待つ。
【0054】
学習者Aは、システムから提示された、質問に対する回答を読み、納得すれば、「わかった」、「理解できた」、「ありがとう」等の肯定的な用語を含むメッセージを書き込むであろうと考えられる。一方、学習者Aが提示された回答を納得しないときは、「わからない」、「理解できない」等の否定的な用語を含むメッセージを書き込むであろうと考えられる。そこで、本実施形態のシステムは、事前にこれらの肯定的な用語と、否定的な用語とを区別して記憶しており、質問者からの返答を受けたときに、その返答文を分析し、返答文中に肯定的または否定的な用語が含まれるか否かを判定することで、返答が肯定的なものか否定的なものかを判断できるようになっている。
【0055】
システムは質問者すなわち学習者Aから返答を受けると、それが肯定的なものか否定的なものかを判断し(S46)、肯定的である場合、すなわち、システムが提示した回答が質問の内容に則したものであった場合は、そのときの質問者、質問、回答を用いて文書DB34、質問語DB35等を更新する(S47)。更新の方法は前述のとおりである。これにより、システムは成功した経験を学習する。
【0056】
一方、返答が否定的である場合、すなわち、システムが提示した回答が質問の内容に則したものではなかった場合、そのときに選択した文書の文書IDを失敗文書DB37に登録する(S48)。これは、そのときに選択した文書が文言的には同じでありながら、質問者の意図に則してなかったため、今後、同様の情意値を持つ質問者から同じ質問があっても選択されないようにするためである。このように失敗文書DB37により、システムは失敗した経験を学習する。
【0057】
(3.3 類似の質問があったときの処理)
図8を参照し、図5のフローチャートにおける、類似の質問があったときの処理(ステップS19)を説明する。
【0058】
まず、ステップS16で求めた質問の内容の類似度を所定値と比較し(S51)、類似度が所定値以下のときは、文書の類似度が低・中程度のときの処理を行い(S52)、類似度が所定値より高いときは、文書の類似度が高いときの処理を行う(S53)。
【0059】
図9を参照し、文書の類似度が低・中程度のときの処理(S52)を説明する。
まず、質問文を含む過去の文書の質問者の情意情報を取得する(S61)。過去の文書の質問者は質問語DB35の質問者IDにより特定され、その質問者IDを用いて文書情意DB36にアクセスすることで、過去の文書の質問者の情意情報を取得できる。そして、過去の文書の質問者と、現在の質問者との間の情意類似度を計算する(S62)。
【0060】
ステップS15では、質問語DB35から複数の質問(文書)が取得される場合がある。よって、取得した複数の過去の質問(文書)の中から、情意類似度が最大となるものを1つ選択する(S63)。
【0061】
選択された文書に対する応答文書を応答文書DB38から取得する(S64)。すなわち、質問語DB35を参照し、選択された文書の質問IDを取得し、その質問IDを用いて文書情意DB36にアクセスし、応答IDを取得する。その取得した応答IDを用いて応答文書DB38から応答文書を取得する。
【0062】
取得した応答文書に基づき、文書の内容の類似度を考慮して回答文書を作成し、出力する(S65)。このように本実施形態では、内容の類似度を考慮して、その回答文書の内容を変更する。例えば、以下のように内容の類似度に応じて回答文書の作成の仕方を変更する。
a)内容の類似度が低い場合
「質問の意味を取り違えているかもしれないけど、」+応答文書+「って前に○○が言っていたけど…」
b)内容の類似度が中程度の場合
応答文書+「ということを○○が言っていたけど、違うかな?」
c)内容の類似度が高い場合(注:後述のステップS85における処理)
応答文書+「ということを○○が言っていたよ。」
【0063】
以上のように、内容の類似度に応じて回答文書の内容を変更することで、学習者に対して、より感覚的に理解しやすいメッセージを提示できる。
【0064】
その後、システムは、質問者すなわち学習者Aからの回答に対する返答を待つ(S66)。返答があったときに、文書DB34、質問語DB35等を更新する(S67)。更新の方法は前述のとおりである。
【0065】
次に、図10を参照し、図8における、文書の類似度が高いときの処理(S53)を説明する。
【0066】
まず、質問文を含む過去の文書の質問者の情意情報を取得する(S81)。情意情報の取得方法は、ステップS61と同じである。そして、過去の文書の質問者と、現在の質問者との間の情意類似度を計算する(S82)。複数の過去の質問(文書)の中から、情意類似度が最大となるものを1つ選択する(S83)。
【0067】
選択された文書に対する応答文書を応答文書DB38から取得する(S84)。応答文書の取得方法は、ステップS64と同じである。取得した応答文書に基づき、文書の内容の類似度を考慮して回答文書を作成し、出力する(S85)。その後、質問者すなわち学習者Aからの回答に対する返答を待つ(S86)。
【0068】
返答を受けると、それが肯定的なものか否定的なものかを判断し(S87)、肯定的である場合、すなわち、システムが提示した回答が質問の内容に則したものであった場合は、そのときの質問、回答について文書DB34、質問語DB35等を更新する(S88)。更新の方法はステップS47と同様である。これにより、システムは成功した経験を学習する。
【0069】
一方、返答が否定的である場合、すなわち、システムが提示した回答が質問の内容に則したものではなかった場合、そのときに選択した文書の文書IDを失敗文書DB37に登録する(S89)。質問の内容の類似度が極めて高いと判断したにもかかわらず、その回答に対する返答が否定的であった場合、その質問を今後参照されないようにすることが適当であると考えられるため、このように失敗文書DB37に登録しておく。
【0070】
(3.4 画面表示例)
図11A〜図11Cに、本電子教育システムによる、学習者Aとシステム間でのメッセージ交換例を示す。ここでは、学習者Aから「ベクトルとは何ですか?」という質問があった場合の回答例を示す。図11Aおよび図11Bに示すように、学習者Aからの同じ質問に対してシステムからは異なる内容の回答が提示されているが、これは、学習者Aの情意面を考慮して応答文書が選択されているからである。つまり、ステップS62−S63、S82−S83のように、応答文書を選択するための過去の質問(文書)を選択するに当たり、学習者の情意面が考慮されているからである。図11Aは、数学が苦手な学生に対する回答例であり、図11Bは数学が得意な学生に対する例である。なお、図11Cは、質問に対するシステムからの回答後の学習者Aからの返答の例を示している。
【0071】
(4.まとめ)
以上のように、本実施形態の電子教育システムによれば、学習者がした質問に対する回答を決定するときに、質問者の情意面を考慮して回答内容を決定する。これにより、質問に対して、質問者の性格や学力に応じた回答が可能となり、より質問者に対して理解しやすい回答の提示が可能となる。また、新たな質問があったときに、適宜質問データベース40(文書DB34、質問語DB35)及び応答文書DB38に、質問と回答とを、質問者及びその情意情報に関連付けて登録することで質問に対する回答を学習している。
【0072】
なお、図12に示すように、システムは、ある学習者Aとメッセージ交換を行っている最中に、別の学習者Bからも、質問に対して回答を送信できるようにしてもよい。この場合、システムは学習者Bから回答があり、それにより、学習者Aが肯定的な返答をした場合は、学習者Bから回答内容を、新たに文書DB等に登録するのが好ましい。これにより、システムは質問に対する回答を学習することができる。
【0073】
実施の形態2
電子教育システムの別の実施形態を説明する。本実施形態では、ある条件を満たすユーザ(学習者)を自動的に選択し、選択したユーザに対してメールを送信可能とする電子教育システムを説明する。電子教育システムの構成、データベースの構成は実施の形態1のものと同様である。
【0074】
本実施形態の電子教育システムは、例えば、図13に示すように、講義毎の各学生の学習進捗状況を一覧で表示する機能を有する。各学習進捗状況の情報はユーザ情報DB33内に管理されている。なお、図13は、「統計入門」の講義を受講する学生A〜学生Eに対し、その進捗状況を棒グラフで表示する進捗状況表示画面55の例を示した図である。
【0075】
以下、図14のフローチャート及び図13、図15〜22を参照しながら、本実施形態の電子教育システムの動作について説明する。なお、以下では、「統計入門」の講義の学習進捗状況が一定の基準に満たない学生に対してメールを送信する場合の例を説明する。
【0076】
図13の状態において、講師が講師用端末20に接続されたマウスを右クリックすると、図15に示すようにショートカットメニュー61が表示される。このショートカットメニュー61上で「条件範囲指定」を選択すると、図16に示すように、範囲指定バー70が棒グラフに重畳して表示される(S101)。範囲指定バー70は、メールを送信するユーザを選択するための条件の範囲の境界を指定するためのバーである。
【0077】
図16の状態において、さらに右クリックすると、図17に示すショートカットメニュー61が表示される。ここでは、ショートカットメニュー61上で「以下」が選択される例を説明する。「以下」が選択された場合、範囲指定バー70で指定される値以下の学習進捗状況の値を持つユーザが選択される。本例の場合、図18に示すように学生A、学生B、学生Cが選択される。なお、図17で「以上」が選択された場合は、学生D、学生Eが選択されることになる。
【0078】
図18の状態でさらに右クリックすると、図19に示すショートカットメニュー61が表示される。ここで、「メッセージ送信」→「本人へメールする」を選択すると、条件の範囲が確定する(S102)。
【0079】
そして、ユーザ情報DB33を参照し、範囲指定バー70によって決定される範囲内にあるユーザの情報を取得する(S103)。取得するユーザの情報には、ユーザ名、ユーザID、ユーザのメールアドレスが含まれる。
【0080】
その後、図20に示すようなメール作成画面57が表示される。この画面57上で講師によりメールの文面が入力され、「メッセージ送信」ボタンが押下されると、入力された文面で、選択された学生A、学生B、学生C宛のメールが作成される(S104)。そして、選択された学生A、学生B、学生Cにメールが送信される(S105)。
【0081】
以上のように本実施形態によれば、画面上に表示された範囲指定バーを左右に移動させてその位置を設定することで、所望の条件を満たすユーザを容易に漏れなく選択することができる、メール送信先設定におけるユーザの作業時間、作業負担を削減することができる。
【0082】
なお、上述の例では、1つの範囲指定バー70のみを用い、範囲の上限または下限のいずれかのみを指定していた。しかしながら、図21に示すように、2つの範囲指定バー70、70bを用いて範囲の上限及び下限の双方を指定するようにしてもよい。この場合、1つ目の範囲指定バー70と2つ目の範囲指定バー70bの間の範囲が選択条件として設定される。2つ目の範囲指定バー70bも、1つ目の範囲指定バー70と同様に、画面55上で右クリックにより表示されるショートカットメニュー61上で「条件範囲指定」を選択することで、画面上に表示させるようにする。
【0083】
また、範囲指定バーが示す境界が「以下」を示すのか「未満」を示すのか、または「以上」を示すのか「より大きい」を示すのかを視覚上認識できるよう、範囲指定バーの線の種類、すなわち、色、太さ、形(実線、破線、一点鎖線等)を異ならせても良い。例えば、範囲指定バーにより指示される境界が「以下」及び「以上」を示す場合、範囲指定バーの線の色を「黒」にし、「未満」及び「より大きい」を示す場合は、線の色を「白」にしてもよい(図22参照)。
【0084】
また、上記の例では、学習進捗状況の値に基づいてユーザを選択したが、本発明の思想は、学習進捗状況に限らず、学生の成績、情意値等、数値化されたものであれば、種々のユーザに関する情報に対して適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る電子教育システムの構成図
【図2】各種のデータベースを示した図
【図3】各データベースのデータ構造を示した図
【図4】学生(学習者)が電子教育システムに対して質問するときに使用する画面の表示例を示した図
【図5】実施の形態1における電子教育システムのメイン処理のフローチャート
【図6】同一・類似の質問がないときの処理のフローチャート
【図7】同一の質問があったときの処理のフローチャート
【図8】類似の質問があったときの処理のフローチャート
【図9】文書の類似度が低・中程度のときの処理のフローチャート
【図10】文書の類似度が高いときの処理のフローチャート
【図11A】実施の形態1の電子教育システムによる、学習Aとシステム間でのメッセージ交換例を示す図
【図11B】実施の形態1の電子教育システムによる、学習Aとシステム間でのメッセージ交換例を示す図
【図11C】実施の形態1の電子教育システムによる、学習Aとシステム間でのメッセージ交換例を示す図
【図12】学習Aとシステム間でのメッセージ交換中に学習者Bからのメッセージがあった場合の例を示す図
【図13】実施の形態2における電子教育システムによる学習進捗状況の表示画面を示す図
【図14】実施の形態2における電子教育システムのメイン処理のフローチャート
【図15】実施の形態2における電子教育システムの動作を説明するための図
【図16】実施の形態2における電子教育システムの動作を説明するための図
【図17】実施の形態2における電子教育システムの動作を説明するための図
【図18】実施の形態2における電子教育システムの動作を説明するための図
【図19】実施の形態2における電子教育システムの動作を説明するための図
【図20】実施の形態2におけるメール作成画面を示す図
【図21】実施の形態2における学習進捗状況画面上に2つの範囲指定バーが表示された様子を示す図
【図22】実施の形態2における学習進捗状況画面上に線種のことなる2つの範囲指定バーが表示された様子を示す図
【符号の説明】
【0086】
1 サーバ
11 通信インタフェース
12 制御部
13 データ格納部
20 クライアント端末(講師用端末)
21,22,23 クライアント端末(学生用端末)
31 制御プログラム
33 ユーザ情報データベース
34 文書データベース
35 質問語データベース
36 文書情意データベース
37 失敗文書データベース
38 応答文書データベース
40 質問データベース
50 コミュニケーション画面
55 進捗状況表示画面
57 メール作成画面
70、70b 範囲指定バー
100 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔地にある端末との間でネットワークを介した双方向通信を行い、教育に関する種々の情報の交換を可能とする電子教育システムであって、
ユーザに関する種々の情報を管理するユーザ情報データベースと、
過去の質問と、該質問の質問者であるユーザとを関連づけて管理する質問データベースと、
前記質問者の情意情報を管理する情意データベースと、
質問に対する応答文書を格納する応答文書データベースと、
電子教育システムの動作を制御する制御手段とを備え、
該制御手段は、
新たな質問が入力されたときに、該新たな質問と一致または類似する過去の質問を前記質問データベースから取得し、
前記情意データベースを参照し、取得した質問の質問者の情意情報と、新たな質問の質問者の情意情報との類似度を計算し、
取得した質問の中から、前記類似度が最大となる一の質問を選択し、
該選択した質問に対する応答文を、前記応答文書データベースを参照して求め、前記新たな質問に対する回答文を作成して出力し、
その後、前記新たな質問と、その質問者とを関連づけて前記質問データベースに登録するように、制御する
ことを特徴とする電子教育システム。
【請求項2】
前記情意情報には、ユーザの科目に対する、興味、関心、態度、好き嫌い、得意・不得意、成績の善し悪しのうちの少なくとも1つについて、その程度を示す情報が含まれる、請求項1記載の電子教育システム。
【請求項3】
前記質問データベースに登録された質問の中で検索対象として除外する質問を管理する失敗データベースをさらに備え、
前記制御手段は、前記回答文を出力後、前記新たな質問の質問者から否定的な返答があったときは、前記新たな質問に一致する過去の質問を前記失敗データベースに登録するように、制御することを特徴とする請求項1記載の電子教育システム。
【請求項4】
前記質問データベースは、前記過去の質問のテキストを形態素解析して得られる単語群である質問語群を質問毎に管理する質問語データベースを含む、ことを特徴とする請求項1記載の電子教育システム。
【請求項5】
前記新たな質問と前記過去の質問との間の文書内容の類似度が所定値より高い場合、前記制御手段は、前記回答文を出力後、前記新たな質問の質問者から肯定的な返答があったときにのみ、前記質問データベースを更新するように制御する、ことを特徴とする請求項1記載の電子教育システム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記新たな質問と前記過去の質問との間の文書内容の類似度に応じて、前記作成する回答文の内容を異ならせるように制御する、ことを特徴とする請求項1記載の電子教育システム。
【請求項7】
遠隔地にある端末との間でネットワークを介した双方向通信を行い、教育に関する種々の情報の交換を可能とするプログラムであって、
ユーザに関する種々の情報を管理するユーザ情報データベースと、過去の質問と該質問の質問者であるユーザとを関連づけて管理する質問データベースと、前記質問者の情意情報を管理する情意データベースと、質問に対する応答文書を格納する応答文書データベースとにアクセスする手順と、
新たな質問が入力されたときに、その新たな質問と一致または類似する過去の質問を前記質問データベースから取得する手順と、
前記情意データベースを参照し、前記取得した質問の質問者の情意情報と、新たな質問の質問者の情意情報との類似度を計算する手順と、
取得した質問の中から、前記類似度が最大となる一の質問を選択する手順と、
該選択した質問に対する応答文を、前記応答文書データベースを参照して求め、前記新たな質問に対する回答文を作成して出力する手順と、
その後、前記新たな質問と、その質問者とを関連づけて前記質問データベースに登録する手順と
をコンピュータに実行させる、ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
遠隔地にある端末との間でネットワークを介した双方向通信を行い、教育に関する種々の情報の交換を可能とする電子教育システムであって、
ユーザに関する種々の情報であって定量的に示される情報を管理するデータベースと、
画面表示処理及び電子メールの送信処理を制御する制御手段とを備え、
該制御手段は、各ユーザ毎に、前記定量的に示される情報の値を棒グラフ表示し、
前記棒グラフに重畳させて範囲指定バーを表示し、
該範囲指定バーにより指示される境界を上限または下限とする範囲を設定し、
前記棒グラフの値が前記設定された範囲内にあるユーザを特定し、
該特定したユーザに対して電子メールを送信するように、制御する
ことを特徴とする電子教育システム。
【請求項9】
前記定量的に示される情報は、ユーザの成績及び/または学習進捗状況を含むことを特徴とする請求項8記載の電子教育システム。
【請求項10】
前記範囲指定バーを2本表示し、一方の範囲指定バーにより指示される境界を上限とし、他方の範囲指定バーにより指示される境界を下限として前記範囲を設定する、ことを特徴とする請求項8記載の電子教育システム。
【請求項11】
前記範囲指定バーにより指示される境界の値が、前記範囲に含まれる場合と、含まれない場合とで、前記範囲指定バーの線の種類を異ならせることを特徴とする請求項8記載の電子教育システム。
【請求項12】
遠隔地にある端末との間でネットワークを介した双方向通信を行い、教育に関する種々の情報の交換を可能とするプログラムであって、
ユーザに関する種々の情報であって定量的に示される情報を管理するデータベースにアクセスする手順と、
各ユーザ毎に、前記定量的に示される情報の値を棒グラフ表示する手順と、
前記棒グラフに重畳させて範囲指定バーを表示する手順と、
該範囲指定バーにより指示される境界を上限または下限とする範囲を設定する手順と、
前記棒グラフの値が前記設定された範囲内にあるユーザを特定する手順と、
該特定したユーザに対して電子メールを送信する手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図11C】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2007−33808(P2007−33808A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−216208(P2005−216208)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(397022911)学校法人甲南学園 (18)
【Fターム(参考)】