説明

電子文書開示システム、電子文書の開示方法およびプログラム

【課題】 公開に適さない電子文書の開示要求を適切に処理することのできる電子文書開示システムの提供。
【解決手段】 電子文書開示システムは、電子文書と、当該電子文書の開示権限を有する人物(責任者)を含む当該電子文書の作成に関与した人物の情報と、が蓄積された電子文書データベースと、人物間の関係性を表した人脈データベースと、前記電子文書データベースおよび人脈データベースを参照し、検索者から入力された検索条件に適合し、かつ、検索者と直接または間接的に関係性を有する人物が関与した電子文書を抽出する検索部と、前記電子文書データベースに登録された責任者に対して、前記電子文書の開示を要求する開示承認依頼部と、前記責任者からの承諾が得られた場合に前記電子文書を前記検索者に開示する開示処理部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子文書開示システム、電子文書の開示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、公開情報に対する評価および公開情報の効率的な検索を可能とする情報共有支援システムが提案されている。この情報共有支援システムの利用者は、システムに登録されている公開情報を参照し、その中で自分にとって有益だと判断できる公開情報があれば有効・関連有り評価ボタンをクリックすることにより該公開情報を評価する。この際、有益だと判断した根拠として、自分の公開情報の中から該公開情報と関連のある公開情報を選択することにより該公開情報に関連付ける。後に他の利用者が該公開情報を参照したときに、以前利用者が関連付けた該利用者の公開情報も有効関連情報としてそのリンクを該公開情報と同時に表示する。利用者はそのリンクをたどり、該公開情報に関連付けられている他の公開情報も同時に参照する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−222131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
企業等において、組織内の情報共有を促進し、業務の効率化を推進したいという考え方があるが、これら企業等において作成される電子文書の中には、個人情報やノウハウ等の秘密情報が含まれることも多い。そこで、これら取扱いに注意を要する電子文書については、限られた者だけで管理した上で、企業等の内部の者からの開示要求に対しても、開示された情報の使用目的を確認するなどの措置が必要である。
【0005】
上記特許文献1の情報共有支援システムは、情報を公開することを前提としており、上記した取扱いに注意を要する電子文書の管理に用いるには不適当である。
【0006】
また、情報を検索する検索者側に立ってみると、上記のように電子文書そのものが限られた者だけが知るところとなっている上、情報セキュリティ上の運用や組織の壁などに阻まれて、目的とする情報にアクセスすることが難しいという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであって、公開に適さない電子文書の開示要求を適切に処理し、これら文書に対する検索者からのアクセスを容易化することのできる電子文書開示システム、電子文書の開示方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の視点によれば、電子文書と、当該電子文書の開示権限を有する人物(以下、「責任者」)を含む当該電子文書の作成に関与した人物の情報と、を対応付けて記憶する電子文書データベースと、人物間の関係性を表した人脈情報を記憶する人脈データベースと、前記電子文書データベースおよび人脈データベースを参照し、検索者から入力された検索条件に適合し、かつ、検索者と直接または間接的に関係性を有する人物が関与した電子文書を抽出する検索部と、前記検索者からの要求に基づいて、前記電子文書データベースに登録された責任者に対して、前記検索者からの電子文書の開示要求を通知する開示承認依頼部と、前記責任者からの承諾が得られた場合に前記電子文書を前記検索者に開示する開示処理部と、を備える電子文書開示システムが提供される。
【0009】
本発明の第2の視点によれば、電子文書と、当該電子文書の開示権限を有する人物(以下、「責任者」)を含む当該電子文書の作成に関与した人物の情報と、を対応付けて記憶する電子文書データベースと、人物間の関係性を表した人脈情報を記憶する人脈データベースと、が接続された電子文書開示システムにおける、電子文書の開示方法であって、検索者の端末から検索条件を受け付けた電子文書開示システムが、前記電子文書データベースおよび人脈データベースを参照し、検索条件に適合し、かつ、検索者と直接または間接的に関係性を有する人物が関与した電子文書を抽出するステップと、前記検索者の端末からの要求に基づいて、前記電子文書データベースに登録された責任者に対して、前記電子文書の開示を要求するステップと、前記責任者の端末から承諾が得られた場合に、前記検索者に対し、前記電子文書へのアクセスを許可するステップと、を含む電子文書の開示方法が提供される。
【0010】
本発明の第3の視点によれば、電子文書と、当該電子文書の開示権限を有する人物(以下、「責任者」)を含む当該電子文書の作成に関与した人物の情報と、を対応付けて記憶する電子文書データベースと、人物間の関係性を表した人脈情報を記憶する人脈データベースと、が接続された電子文書開示システムを構成するコンピュータに実行させるプログラムであって、検索者の端末から検索条件を受け付ける処理と、前記電子文書データベースおよび人脈データベースを参照し、検索条件に適合し、かつ、検索者と直接または間接的に関係性を有する人物が関与した電子文書を抽出する処理と、前記検索者の端末からの要求に基づいて、前記電子文書データベースに登録された責任者に対して、前記電子文書の開示を要求する処理と、前記責任者の端末から承諾が得られた場合に、前記検索者に対し、前記電子文書へのアクセスを許可する処理と、を前記コンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、情報の開示範囲を合理的な制限したいという情報保持者側の要請と、有益な情報に効率よくアクセスしたいという要請の双方に応えることが可能となる。その理由は、検索条件に加えて、人脈情報から電子文書との一定の関連性を有すると推定される者が電子文書の存在を検知できるように構成するとともに、検索された作業の責任者の承諾を経てから、開示を行うよう構成したことにある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を表した図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の人脈データベース(人脈DB)に保持されるメンバーテーブル(人脈情報)の一例である。
【図3】本発明の第1の実施形態の作業プロセスデータベース(作業プロセスDB)に保持されるプロジェクトテーブルの一例である。
【図4】本発明の第1の実施形態の作業プロセスデータベース(作業プロセスDB)に保持される作業プロセステーブルの一例である。
【図5】本発明の第1の実施形態の作業情報共有データベース(作業情報共有DB)に保持される作業共有ステータステーブルの一例である。
【図6】依頼者が検索した情報の開示依頼をしてから、作業情報を閲覧するまでの流れを表した図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の動作を表したシーケンス図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の動作を表したフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態の依頼者の端末に表示される画面サンプルである。
【図10】本発明の第1の実施形態の依頼者の端末に表示される画面サンプルである。
【図11】本発明の第1の実施形態の依頼者の端末に表示される画面サンプルである。
【図12】本発明の第1の実施形態の依頼者の端末に表示される画面サンプルである。
【図13】本発明の第1の実施形態の依頼者の端末に表示される画面サンプルである。
【図14】本発明の第1の実施形態の責任者の端末に表示される画面サンプルである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施形態]
続いて、本発明を業務上の電子化された作業情報の共有に利用した第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施形態の構成を表した図である。図1を参照すると、人脈の情報をデータベース化し蓄積する人脈データベース(人脈DB)50と、各人の作業を蓄積する作業プロセスデータベース(作業プロセスDB)80と、に接続された作業情報共有システム70が示されている。
【0014】
作業情報共有システム70は、インターネット等のネットワーク40を介して担当者A、責任者B、依頼者Cの端末10〜30からそれぞれアクセスすることが可能となっており、電子化された作業情報を開示する電子文書開示システムとしても機能する。
【0015】
作業情報共有システム70は、依頼者Cから作業情報の検索条件を受け付けて作業プロセスDB80から該検索条件に該当する作業情報を抽出する関連作業検索部(検索部)71と、依頼者Cから責任者Bに対する情報の開示承認の依頼を受け付けて処理する開示承認依頼部72と、責任者Bから依頼者Cに対する質問を処理する質問受付部73と、責任者Bの質問に対して依頼者Cからの回答を処理する回答受付部74と、責任者Bの指示に基づいて作業情報の修正内容を受け付けて依頼者Cに開示する作業情報に前記修正内容を適用する開示内容修正受付部75と、責任者Bの承認を経て依頼者Cに対する作業情報を開示する開示処理部76と、依頼者Cから参照した作業情報に対して評価を受け付ける評価受付部77と、開示承認を依頼された開示依頼案件の状況を管理する作業情報共有システムデータベース(作業情報共有システムDB)78とを含んで構成されている。
【0016】
図2は、人脈DB50に人脈情報として保持されるメンバーテーブルの例である。図2の例では、人脈リストとして、各人物が関係を有する人物のメンバーIDが登録されている。例えば、メンバーID=1のメンバーAは、メンバーID=2、3、4のメンバーと関係を持っていることがわかる。また、図2の例では、各メンバーが作業情報共有システム70等にログインするための情報や他のメンバーの作業情報を参照した参照回数などもメンバーテーブルに登録されている。このようなテーブルに代えて、企業の組織情報やSNS(Social Networking Service)のグループ情報、アドレス帳の情報などを用いることも可能である。
【0017】
作業管理システム90は、業務上の作業を複数の工程に分割して各担当者に割り当てて管理するシステムである。
【0018】
図3は、作業管理システム90によって作業プロセスDB80に作成されるプロジェクトテーブルの例である。図3の例では、各プロジェクト毎に、その名称、カテゴリ、当該プロジェクトに関与した参加メンバーID、そのうちの責任者のID、当該プロジェクトが完了したか否かを示すプロジェクト完了フラグ、プロジェクト完了日などを登録可能となっている。
【0019】
図4は、作業管理システム90によって同様に作業プロセスDB80に作成される作業プロセステーブルの例である。図4の例では、プロジェクトID=1のプロジェクトが提案書の作成、客先への提案を経て、Web2.0の市場調査という文書を作成する作業内容が完了した状態となっている。そして、この作業プロセステーブルには、作業情報共有システム70が受け付けた他の閲覧者からの評価や参照回数などが追加する欄が設けられている。
【0020】
図5は、作業情報共有DB78に保持される作業共有ステータステーブルの例である。図5の作業共有ステータステーブルには、作業情報の開示依頼をした依頼者(依頼者ID)が、どのようなプロジェクトの作業プロセス(参照元作業プロセスID)の参考として、依頼先である責任者(責任者ID)に対して、どのようなプロジェクトの作業(参照先作業プロセスID)の作業情報の開示を求めているかが登録され、この共有依頼案件毎に、その進捗状況が記録される。ここで、完了日が登録されている場合、該当する依頼者が、参照先作業プロセスの作業情報へのアクセスを許可されている状態を示している。
【0021】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図6に示すとおり、プロジェクトβ(例えば、新規サービス検討PJ)内である作業の担当となった依頼者(検索者)Cが、参考とするため、他プロジェクトの類似する作業情報を検索する例を挙げて、図6、図7、図8を用いて説明する。
【0022】
はじめに依頼者Cが、端末10を用いて、作業情報共有システム70の関連作業検索部71にアクセスして作業情報の検索を行う(図7のS1、図8のS71)。図9は、依頼者Cの端末10に表示された依頼者Cの担当のプロジェクト「新規サービス検討PJ」における作業管理画面の例である。図9の画面から、依頼者Cが検索したい作業の作業検索ボタンを押下すると、図10のような作業情報の検索条件の確認画面が表示される。
【0023】
ここで、依頼者Cが検索実行ボタンを起動すると、関連作業検索部71にて検索が開始される。関連作業検索部71は、人脈DB50に蓄積されている依頼者Cの人脈情報(図2のメンバーテーブル)と、作業プロセスDB80に蓄積されている他プロジェクト情報(図3のプロジェクトテーブル)を参照して、依頼者Cと関係を有する人物が関与し、そのプロジェクトの作業プロセス情報(図4の作業プロセステーブル)で同様のカテゴリ、キーワードなどが一致し、かつ、完了している作業プロセスを検索する。ただし、上記検索条件はあくまで一例であり、検索対象を拡げ、あるいは、絞り込むために、他の条件を設定したり、他システムの情報と連携していても構わない。
【0024】
関連作業検索部71は、上記検索条件にて抽出された作業プロセスの一覧を依頼者Cの端末10に送信する(図7のS2、図8のS71)。図11は、関連作業検索部71によって依頼者Cの端末10に表示される、検索条件に該当する作業プロセスの一覧が表示された画面の例であり、依頼者Cと同じプロジェクトβ(新規サービス検討PJ)に所属しているBさんが関わったプロジェクトαの作業プロセスが検索されている。依頼者Cは、一覧に示され自身と人脈を有するメンバや作業プロセスが獲得した評価を参照して、参考になりそうな作業プロセスを選択することができる。
【0025】
作業情報共有システム70の開示承認依頼部72は、作業プロセスの一覧から任意の作業プロセスが選択されると、作業プロセスDB80を参照して、開示承認を行う責任者Bに加えて担当者Aを抽出する。図12は、依頼者Cが、検索結果に挙げられた作業プロセスの中から、開示を依頼したい作業プロセスを選択した際に表示される詳細画面の例である。図12の例では省略しているが、差し支えのない範囲で、担当者のプロフィールや作業プロセスの概要情報を掲載してもよい。
【0026】
図13は、依頼者Cが図12の「情報提供依頼」ボタンを起動した後に表示される画面の例である。図13に示すように、依頼者Cが責任者B宛ての依頼内容メッセージを入力して、図13の送信ボタンを起動すると、作業情報共有システム70の開示承認依頼部72は、作業共有ステータステーブルに、開示承認を行う責任者Bを承認先とし、依頼者Cを依頼者とする新規データを作成し、責任者Bに対し、依頼者Cの担当プロジェクト(新規サービス検討PJ)や担当作業プロセス(Web2.0の市場調査)を明示した当該作業プロセスの作業情報の開示の承認依頼を行う(図6の「開示承認依頼」、図7のS3、図8のS72)。
【0027】
図14は、情報開示の承認を依頼された責任者Bの端末20に表示される依頼画面の例である。責任者Bは、図14の依頼内容欄に示された内容や依頼者Cが担当しているプロジェクト(新規サービス検討PJ)や取り掛かっている作業プロセス(Web2.0の市場調査)を参照して、自身が承認権限を有している作業情報の開示依頼に応じるか否かの判断を行う。
【0028】
責任者Bが、図14の質問ボタンを起動すると、質問受付部73が起動される。責任者Bは、質問受付部73によって表示される質問送信画面に従って(図示省略)、依頼者Cに対し、情報開示を求める意図を確認したり、より細かい内容を確認するために質問内容を入力し、送信することができる。
【0029】
質問受付部73は、責任者Bから送信指示を受け付けると、依頼者Cに対し、受け付けた質問を送信する(図6の「質問」、図7のS4、図8のS73)。依頼者Cは、図示省略する責任者Bからの質問内容表示画面にて、責任者Bに対する回答を入力して送信ボタンを起動すると、回答受付部74が起動される。依頼者Cは、回答受付部74によって表示される回答送信画面に従って(図示省略)、責任者Bの質問に対する回答を入力し、送信することができる。
【0030】
回答受付部74は、依頼者Cから送信指示を受け付けると、依頼者Cからの回答を責任者Bに送信する(図6の「回答」、図7のS5、図8のS74)。
【0031】
また、開示する電子文書の一部に顧客名や特定の個人情報、機密情報が含まれている場合、責任者Bは、開示内容修正受付部75によって提供される開示内容修正機能を利用することができる。図14の修正ボタンを起動すると、開示内容修正受付部75が起動され、責任者Bの操作に従って、開示対象の一部を削除またはマスクを掛ける処理が行われる(図6の「開示内容の修正」、図7のS6、図8のS75)。これにより、作業情報の一部に開示したくない情報が含まれる場合であっても、情報開示に応じることが可能になる。
【0032】
なお、上記開示内容の修正が行われた場合、実際の作業プロセスDB80の電子文書を修正してしまうのではなく、図5の作業共有ステータステーブルに修正情報あるいは差し替え後電子文書の格納先を登録することとする。これにより、次に同じ電子文書の開示依頼が発生した際に責任者Bの確認作業を軽減させるとともに、オリジナルの電子文書を変更せずに蓄積しておくことが可能となる。
【0033】
責任者Bが、図14の許可ボタンを起動すると、開示処理部76に開示承認情報が送信され、図5の作業共有ステータステーブルが更新される(図6の「開示承認」、図7のS7、図8のS76)。
【0034】
なお、上記修正や承認の際に、修正または承認時点での開示内容を当該電子文書の作成担当者に送信してその確認を得るようにしてもよい(図7の「開示内容情報」)。
【0035】
以後、依頼者Cは、開示処理部76を介して、開示を求めた作業プロセスにて作成された作業情報を閲覧することが可能となる(図6の「作業情報」、図8のS76)。
【0036】
依頼者Cが開示処理部76によって開示された作業情報の閲覧画面に配置された評価ボタン(図示省略)を起動すると、評価受付部77が依頼者Cから評価を受け付ける(図7のS8)。ここで、評価受付部77が受け付けた評価ポイントは、実際の作業プロセスの評価として図4の作業プロセステーブルおよび図5の作業共有ステータステーブルにそれぞれ登録される。
【0037】
ここで入力された評価ポイントは、作業プロセスの評価のみならず、次回の検索時の検索結果の並び替え等に反映させて、検索の精度を向上させる用途にも利用できる。
【0038】
このようにして他のプロジェクトを参考にして遂行された依頼者Cの作業プロセスもまた、作業プロセスDB80に登録されることになるので、その後に、新たに類似の作業が発生した場合は、上記した担当者Aの作業プロセスのみならず、依頼者Cの作業プロセスも検索範囲に加えられることになる。
【0039】
以上のように本実施形態では、作業管理システムと連携することで、作業情報の共有の促進を促すとともに、数多く参照され高い評価を得た作業プロセスのみならず、その担当者や責任者の評価も行うことが可能となる。
【0040】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、上記した第1の実施形態では、検索者と一次的につながりのある人物が関与した作業情報を抽出するものとして説明したが、検索者と間接的(二次的、三次的)につながりのある人物が担当した作業情報を抽出するものとしてもよい。
【0041】
また例えば、上記した実施形態では、作業情報を閲覧した者が評価を入力するものとして説明したが、各担当者や責任者が完了した当該プロジェクトや作業プロセスの自己評価を登録し、検索結果に表れるようにして、開示依頼をするか否かの判断に供してもよい。
【符号の説明】
【0042】
10〜30 端末
40 ネットワーク
50 人脈データベース(人脈DB)
70 作業情報共有システム
71 関連作業検索部
72 開示承認依頼部
73 質問受付部
74 回答受付部
75 開示内容修正受付部
76 開示処理部
77 評価受付部
78 作業情報共有システムデータベース(作業情報共有システムDB)
80 作業プロセスデータベース(作業プロセスDB)
90 作業管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子文書と、当該電子文書の開示権限を有する人物(以下、「責任者」)を含む当該電子文書の作成に関与した人物の情報と、を対応付けて記憶する電子文書データベースと、
人物間の関係性を表した人脈情報を記憶する人脈データベースと、
前記電子文書データベースおよび人脈データベースを参照し、検索者から入力された検索条件に適合し、かつ、検索者と直接または間接的に関係性を有する人物が関与した電子文書を抽出する検索部と、
前記検索者からの要求に基づいて、前記電子文書データベースに登録された責任者に対して、前記検索者からの電子文書の開示要求を通知する開示承認依頼部と、
前記責任者からの承諾が得られた場合に前記電子文書を前記検索者に開示する開示処理部と、
を備えたことを特徴とする電子文書開示システム。
【請求項2】
さらに、前記検索者と、前記電子文書の開示の要求を受けた責任者との間で質問と回答をやり取りする質問受付部および回答受付部とを備える請求項1の電子文書開示システム。
【請求項3】
さらに、前記電子文書の開示の要求を受けた責任者から、開示する電子文書の修正内容を受け付けて、前記開示処理部に前記受け付けた修正内容を適用させる開示内容修正受付部を備える請求項1または2の電子文書開示システム。
【請求項4】
前記検索者から前記開示された電子文書の評価を受け付けて前記電子文書データベースに登録する評価受付部を備え、
前記検索部は、前記電子文書データベースに登録された評価を用いて、前記検索条件による検索結果の並び替えを行う請求項1から3いずれか一の電子文書開示システム。
【請求項5】
前記電子文書データベースに登録されている電子文書は、業務上の作業プロセスの各段階で作成された電子文書であり、
前記検索部は、検索者から、当該検索者が担当している業務上の作業プロセスの指定を受けて、前記検索者が担当している業務上の作業プロセスに類似し、かつ、検索者と関係性を有する人物が関与した電子文書を抽出し、
前記開示承認依頼部は、前記責任者に対して、前記検索者が担当している業務上の作業プロセスを明示して電子文書の開示を要求する請求項1から4いずれか一の電子文書開示システム。
【請求項6】
電子文書と、当該電子文書の開示権限を有する人物(以下、「責任者」)を含む当該電子文書の作成に関与した人物の情報と、を対応付けて記憶する電子文書データベースと、
人物間の関係性を表した人脈情報を記憶する人脈データベースと、が接続された電子文書開示システムにおける、電子文書の開示方法であって、
検索者の端末から検索条件を受け付けた電子文書開示システムが、
前記電子文書データベースおよび人脈データベースを参照し、検索条件に適合し、かつ、検索者と直接または間接的に関係性を有する人物が関与した電子文書を抽出するステップと、
前記検索者からの要求に基づいて、前記電子文書データベースに登録された責任者に対して、前記検索者からの電子文書の開示要求を通知するステップと、
前記責任者の端末から承諾が得られた場合に、前記検索者に対し、前記電子文書へのアクセスを許可するステップと、
を備えたことを特徴とする電子文書の開示方法。
【請求項7】
電子文書と、当該電子文書の開示権限を有する人物(以下、「責任者」)を含む当該電子文書の作成に関与した人物の情報と、を対応付けて記憶する電子文書データベースと、人物間の関係性を表した人脈情報を記憶する人脈データベースと、が接続された電子文書開示システムを構成するコンピュータに実行させるプログラムであって、
検索者の端末から検索条件を受け付ける処理と、
前記電子文書データベースおよび人脈データベースを参照し、検索条件に適合し、かつ、検索者と直接または間接的に関係性を有する人物が関与した電子文書を抽出する処理と、
前記検索者からの要求に基づいて、前記電子文書データベースに登録された責任者に対して、前記検索者からの電子文書の開示要求を通知する処理と、
前記責任者の端末から承諾が得られた場合に、前記検索者に対し、前記電子文書へのアクセスを許可する処理と、
を前記コンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−204915(P2010−204915A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49237(P2009−49237)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】