説明

電子早見本装置

【課題】利用者の所望に応じてカラオケ装置から所定の効果音を適宜出力させる電子早見本装置を提供する。
【解決手段】カラオケ装置16を遠隔操作するための電子早見本装置22において、その電子早見本装置22の相対運動を検出する運動センサ94と、その運動センサ94の検出結果に応じて前記カラオケ装置16に所定の効果音を出力させるための効果音制御信号の入力を行う効果音制御信号入力手段104とを、有することから、例えばカラオケ演奏を行っている演奏者以外の利用者が前記電子早見本装置22を振り動かすことで、簡便且つ容易に前記カラオケ装置16から所定の効果音を出力させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させるカラオケ装置を遠隔操作するための電子早見本装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させる音楽再生装置が知られている。例えば、カラオケボックス等で使用されるカラオケ装置がそれである。斯かるカラオケ装置によれば、予め記憶装置に記憶された多数のカラオケ演奏曲から選択された所定のカラオケ演奏曲の音楽情報を出力させると共に、そのカラオケ演奏曲の歌詞情報を含む映像をその出力に同期して画面に表示させることで、所望の歌のカラオケ演奏を楽しむことができる。
【0003】
上記カラオケ装置によるカラオケ演奏では、一般的に、歌唱を行っている利用者(演奏者)のみならず、その場にいる他の利用者も一緒になって場の雰囲気を盛り上げるのが好適とされる。このため、カラオケボックス等ではタンバリン等の打楽器を貸し出すところが多く、カラオケ演奏に際して斯かる打楽器等による所謂合の手を入れることが可能とされている。また、同様の理由から、最近のカラオケ装置に備えられるリモコン装置には、通常、そのカラオケ装置に拍手の音等の効果音を出力させるための効果音(SE:Sound Effect)ボタンが備えられている。しかし、タンバリン等の打楽器は使わなれないとき邪魔になるものであり、それを嫌って借りない利用者も多い。また、リモコン操作に応じての効果音は簡便である反面、所定のボタンを押すといった操作の仕様上、連続的に希望通りのタイミングでその効果音を出力させるのが難しかった。そこで、歌唱に用いられるマイクロフォンからの入力に応じて上記効果音を出力させるカラオケ装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載されたものがそれであり、この技術によれば、歌唱用マイクロフォンを擦ったり叩いたりすることに応じて所定の打楽器音を出力させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2000−20054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来の技術では、歌唱用マイクロフォンを持っている利用者すなわち演奏者しか前記効果音を出力させることができず、その場にいる演奏者以外の利用者が一緒になって場の雰囲気を盛り上げるという合の手本来の効果を奏し得ないものであった。また、歌唱用マイクロフォンの振り方が正しくないと所望の効果音を出力できないことから、その振り方を習得するのに時間と労力がかかり、実用性に乏しいものであった。このため、利用者の所望に応じてカラオケ装置から所定の効果音を適宜出力させる技術の開発が要望されていた。本発明者は、この要望に関して鋭意工夫に努めた一つの結果として、カラオケ装置の遠隔操作装置である電子早見本装置を用いた新たな技術を発案するに至った。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、利用者の所望に応じてカラオケ装置から所定の効果音を適宜出力させる電子早見本装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させるカラオケ装置を遠隔操作するために、所定の映像を表示させると共に利用者の接触に応じて前記カラオケ装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを備えた電子早見本装置であって、その電子早見本装置の相対運動を検出する運動センサと、その運動センサの検出結果に応じて前記カラオケ装置に所定の効果音を出力させるための効果音制御信号の入力を行う効果音制御信号入力手段とを、有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、前記カラオケ装置を遠隔操作するための電子早見本装置において、その電子早見本装置の相対運動を検出する運動センサと、その運動センサの検出結果に応じて前記カラオケ装置に所定の効果音を出力させるための効果音制御信号の入力を行う効果音制御信号入力手段とを、有することから、例えばカラオケ演奏を行っている演奏者以外の利用者が前記電子早見本装置を振り動かすことで、簡便且つ容易に前記カラオケ装置から所定の効果音を出力させることができる。すなわち、利用者の所望に応じてカラオケ装置から所定の効果音を適宜出力させる電子早見本装置を提供することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記効果音制御信号は、前記カラオケ装置により出力可能な複数種類の効果音のうち何れかを所定の態様で出力させるためのものである。このようにすれば、前記電子早見本装置を振り動かすことで種々の効果音を選択的にそれぞれ所定の態様で出力させることができるという利点がある。
【0010】
また、好適には、前記効果音制御信号入力手段は、前記運動センサの検出結果に応じて前記カラオケ装置から出力される効果音の種類が変更されるように前記効果音制御信号の入力を行うものである。このようにすれば、前記電子早見本装置の振り動かし方に応じて前記カラオケ装置から種々の効果音を選択的に出力させることができるという利点がある。
【0011】
また、好適には、前記効果音制御信号入力手段は、前記運動センサの検出結果に応じて前記カラオケ装置から出力される効果音の出力態様が変更されるように前記効果音制御信号の入力を行うものである。このようにすれば、前記電子早見本装置の振り動かし方に応じて前記カラオケ装置から所定の効果音を所望の態様で出力させることができるという利点がある。
【0012】
また、好適には、前記電子早見本装置の相対運動と前記カラオケ装置から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を前記タッチパネルディスプレイを介しての入力操作により設定し得るものである。このようにすれば、前記電子早見本装置の振り動かし方に応じて前記カラオケ装置から出力される効果音の種類や出力態様を利用者が所望するままに変更できるという利点がある。
【0013】
また、好適には、前記電子早見本装置の相対運動と前記カラオケ装置から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を示す対応映像を前記タッチパネルディスプレイに表示させる対応映像表示制御手段を有するものである。このようにすれば、前記電子早見本装置の振り動かし方に応じて前記カラオケ装置から出力される効果音の種類や出力態様を視覚的に確認でき、その電子早見本装置の動かし方を簡単に習得できるという利点がある。
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明が好適に適用されるカラオケシステム10を説明する概略図である。この図1に示すように、上記カラオケシステム10では、カラオケボックス、スナック、旅館等の店舗12における複数の個室14a、14b、14c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に個室14と称する)にそれぞれ1台乃至は複数台ずつ(図1では1台ずつ)のカラオケ装置16a、16b、16c、・・・(以下、特に区別しない場合には単にカラオケ装置16と称する)が設置されている。これら複数のカラオケ装置16のうち、マスターコマンダである所定のカラオケ装置16aは、公衆電話回線等による通信回線18を介してカラオケサービス提供会社のセンタ装置20に接続されており、そのセンタ装置20と上記カラオケ装置16aの相互間で情報の通信が可能とされている。このセンタ装置20は、カラオケ情報、背景映像情報、曲間情報等のデジタルコンテンツ(Digital Contents)の保管や入出力管理の基本的な制御を行うサーバであり、上記通信回線18を介してマスターコマンダであるカラオケ装置16aに定期的にコンテンツの配信を行うと共に、そのカラオケ装置16aからの要求に応じて所定の機能制御プログラムを送信するものである。また、上記カラオケシステム10は、本発明の一実施例である複数の電子早見本装置22a、22b、22c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に電子早見本装置22と称する)を備えており、上記カラオケ装置16の利用に際して、各利用者(グループ)毎に1台ずつの電子早見本装置22が貸与され、各個室14において後述するように上記カラオケ装置16の遠隔操作装置として用いられるようになっている。上記店舗12内には上記複数のカラオケ装置16を相互に接続するLAN24が敷設されており、上記電子早見本装置22からのカラオケ装置16への入力は、所定のアクセスポイント26及びLAN24を介したLAN通信等により行われる。
【0016】
図2は、上記カラオケ装置16の構成を例示するブロック線図である。この図2に示すように、上記カラオケ装置16は、CRT等の映像表示装置30と、CRTコントローラ等の映像出力部32と、映像情報デコーダ34と、ビデオミキサ36と、音源であるシンセサイザ38と、音声入力装置であるマイクロフォン40と、アンプミキサ42と、スピーカ44と、操作パネル46と、その操作パネル46等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス48と、中央演算処理装置であるCPU50と、読出専用メモリであるROM52と、随時書込読出メモリであるRAM54と、記憶装置であるハードディスク56と、モデム58と、LANポート60と、上記電子早見本装置22やリモコン装置28等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部62とを、備えて構成されている。
【0017】
上記CPU50は、上記RAM54の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM52に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂コンピュータであり、上記リモコン装置28や電子早見本装置22等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を上記RAM54に設けられた予約曲リストに登録したり、その予約曲リストの演奏順に従って上記ハードディスク56から上記RAM54に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等を読み出したり、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM54から上記シンセサイザ38へ演奏情報を送信したり、歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して上記映像出力部32へ送ったり、選曲時には曲名文字映像を生成して上記映像出力部32へ送ったり、上記映像情報デコーダ34を制御して所定の背景映像を再生させたり、カラオケ演奏が行われていない間すなわち曲間において、新譜情報、選曲ランキング、店舗広告等の曲間情報を出力させたり、前記電子早見本装置22やリモコン装置28等から入力される効果音制御信号に応じて前記シンセサイザ38により所定の効果音を出力させたり、前記通信回線18を介した前記センタ装置20との間の情報通信制御等の基本的な制御を実行する。
【0018】
前記操作パネル46は、前記カラオケ装置16の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記カラオケ装置16には、前記操作パネル46の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置28が備えられており、前記リモコン受信部62は、そのリモコン装置28から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU50へ供給する。また、前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との対応付け(くくりつけ)処理も前記リモコン受信部62を介して行われ、そのようにして前記カラオケ装置16に対応付けられた電子早見本装置22も同様に入力装置として機能する。
【0019】
前記映像出力部32は、前記CPU50において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置として機能する他、前記映像表示装置30による種々の映像表示を制御する映像表示制御装置である。また、前記映像情報デコーダ34は、利用者が歌詞を参照しながら歌を歌う際に前記ハードディスク56に記憶された背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生(デコード)する背景映像再生装置である。この背景映像情報は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のデータであり、そのMPEGデータに基づいて前記映像情報デコーダ34により再生された背景映像は、前記ビデオミキサへ送られる。また、前記ビデオミキサ36は、前記CPU50において生成され且つ前記映像出力部32から出力される文字映像と、前記映像情報デコーダ34により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置30に表示させる映像合成装置である。
【0020】
前記シンセサイザ38は、前記ハードディスク56から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータであり、そのMIDIデータに基づいて前記シンセサイザ38により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ42へ送られる。そのアンプミキサ42では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン40を介して入力される利用者の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ44から出力される。また、前記シンセサイザ38は、前記電子早見本装置22から送られてくる効果音制御信号に応じて所定の楽器による効果音(SE:Sound Effect)を所定の出力態様で出力させる効果音出力装置としても機能する。
【0021】
前記モデム58は、前記カラオケ装置16を公衆電話回線等による通信回線18に接続するための装置であり、前記CPU50から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換して前記通信回線18に送り出すと共に、その通信回線18を介して伝送されるアナログ信号をディジタル信号に変換して前記CPU50に供給する処理を行う。なお、このモデム58は、マスターコマンダとして機能するカラオケ装置16aには必要とされるが、前記センタ装置20との間で情報の通信を行わない他のカラオケ装置16には必ずしも設けられなくともよい。
【0022】
前記LANポート60は、前記カラオケ装置16をLAN24を介して他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器に接続するための接続器であり、前記カラオケ装置16は、そのようにLAN24を介して接続されることで、他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。例えば、前記アクセスポイント26により受け付けられる前記電子早見本装置22からの選曲入力や効果音制御信号を受け付けたり、前記カラオケ装置16から電子早見本装置22へ所定の情報を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との間における相互の情報のやりとりが実行される。
【0023】
前記ハードディスク56には、カラオケ演奏曲を出力させるための多数のカラオケ情報を記憶するカラオケデータベース、背景映像を出力させるための複数の背景映像情報を記憶する背景映像データベース、曲間情報を出力させるための複数の曲間情報を記憶する曲間情報データベース等の各種データベースが設けられている。カラオケボックス等の店舗にそれぞれ備えられた複数のカラオケ装置16のうちマスターコマンダとして機能するカラオケ装置16aは、前記モデム58を介して前記通信回線18に接続されており、前記複数のカラオケ装置16によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、或いは所定の背景映像や曲間情報が出力可能とされるように、随時新たなカラオケ情報、背景映像情報、曲間情報等が前記センタ装置20から前記通信回線18を介して配信され、前記ハードディスク56のカラオケデータベース、背景映像データベース、曲間情報データベース等に記憶される。また、そのようにして前記センタ装置20から情報を取得したカラオケ装置16aとその他のカラオケ装置16との間で前記LAN24を介した通信が行われることにより、各カラオケ装置16のハードディスク56に記憶される情報が共有され、カラオケデータベース、背景映像データベース、曲間情報データベース等の内容が等価なものとされる。
【0024】
図3は、前記電子早見本装置22の外観を大まかに示す斜視図である。この図3に示すように、前記電子早見本装置22は、所定の画像(映像)を表示させると共に、利用者の接触に応じて入力を行うためのタッチパネルディスプレイ68を備えている。また、前記カラオケ装置16との間でデータの送受信や同期を実行したり、前記電子早見本装置22に内蔵されたバッテリを充電する等の動作を行うスタンド型の接続架台(ドッキングテーブル)であるクレイドル66を備えている。前記電子早見本装置22は、そのクレイドル66に取り付けられた状態又はそのクレイドル66から取り外された状態で用いられ、取り付けられた状態においては、そのクレイドル66及びLAN24を介して前記カラオケ装置16に有線接続されるようになっている。また、上記クレイドル66から取り外された状態においては、上記アクセスポイント26及びLAN24を介して前記カラオケ装置16に無線接続されるようになっている。
【0025】
図4は、前記電子早見本装置22の構成を説明するブロック線図である。この図4に示すように、前記電子早見本装置22は、上記タッチパネルディスプレイ68に所定の映像を表示させる表示装置72と、その表示装置72による表示を制御する表示制御部74と、利用者の指や図示しない備え付けのペン等によるタッチパネルディスプレイ68への接触により入力を行うタッチパネル76と、そのタッチパネル76による入力を制御する入力制御部78と、中央演算処理装置であるCPU80と、読出専用メモリであるROM82と、随時書込読出メモリであるRAM84と、フラッシュROM等の記憶部86と、インターフェイス88と、リモコン送信部90と、無線LAN通信部92と、運動センサ94と、上記クレイドル66と電気的な接続を可能とするためのコネクタ96aとを、備えて構成されている。上記クレイドル66には、斯かる電子早見本装置22と電気的な接続を可能とするためのコネクタ96bが設けられており、前記電子早見本装置22は、前記クレイドル66に載置されて上記コネクタ96a及び96bが相互に接触させられることで、上記インターフェイス88を介して前記クレイドル66乃至はLAN24に接続されるようになっている。
【0026】
上記記憶部86には、演奏曲データベース98及び効果音データーベース100等の各種データベースが設けられている。この演奏曲データベース98は、前記カラオケ装置16により出力可能な演奏曲の情報を記憶するものであり、具体的には、前記カラオケ装置16のカラオケデータベースに記憶された多数のカラオケ情報それぞれに対応して曲名、アーティスト名、属性情報、歌詞の歌い出し部分等の選曲案内情報、及び備考等を選曲番号毎に記憶するものである。また、上記効果音データベース100は、前記カラオケ装置16により出力可能な効果音の情報を記憶するものであり、具体的には、前記カラオケ装置16のシンセサイザ38により出力可能な複数の効果音それぞれに対応して楽器(効果音)の種類や出力可能音域等を記憶するものである。また、上記記憶部86には、前記電子早見本装置22の相対運動と前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を記憶する対応付テーブル102が設けられている。
【0027】
前記運動センサ94は、例えば、基準線に対する角度変化を検出するジャイロセンサや角度センサ、加速度の大きさ及び変化等を検出する加速度センサ、振動の大きさ及び変化等を検出する振動センサ等であり、前記電子早見本装置22の相対運動(例えば、その電子早見本装置22を把持する利用者が立つ床等に対する運動)を検出する。この運動センサ94は、好適には、前記電子早見本装置22に内蔵されて一体的に設けられたものである。この運動センサ94により検出される運動とは、例えば、前記電子早見本装置22の動作方向(角度)、動作量(変位量)、動作タイミング、動作軌跡等であり、ここで検出された動作を示す信号は、前記CPU80に供給されて後述する効果音制御信号入力制御に用いられる。
【0028】
図5は、前記電子早見本装置22のCPU80に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図5に示す効果音制御信号入力手段104は、前記運動センサ94の検出結果に応じて前記カラオケ装置16に所定の効果音を出力させるための効果音制御信号の入力を行う。この効果音制御信号は、前記カラオケ装置16により前記シンセサイザ38等を介して出力可能な複数種類の効果音のうち何れかを所定の態様で出力させるためのものである。すなわち、斯かる効果音制御信号が前記電子早見本装置22から前記LAN24等を介して前記カラオケ装置16に入力されると、そのカラオケ装置16の前記シンセサイザ38等の音源によりその効果音制御信号により指定される楽器の演奏音が、同じくその効果音制御信号により指定される態様で出力される。この出力は、好適には、前記電子早見本装置22からの効果音制御信号の送信に応じて即時的に行われるものであり、これにより前記電子早見本装置22の動きとリアルタイムに連動して前記カラオケ装置16から効果音が出力されることになる。また、前記電子早見本装置22からの効果音制御信号の送信に対し予め定められたタイムラグを置いてから効果音を出力させる態様も考えられる。上記効果音制御信号により指定される楽器とは、タンバリン等の打楽器をはじめとする前記カラオケ装置16によりその演奏音を出力可能な楽器すなわち本実施例においては前記シンセサイザ38により再生可能な楽器である。なお、上記効果音制御信号は必ずしも楽器を指定するものでなくともよく、例えば拍手の音等の効果音の種類を指定するものであってもよい。また、上記効果音制御信号により指定される態様とは、効果音の音程(音階)、音量、音質、出力パターン等であり、同じ楽器に対応する効果音であってもこの出力態様を種々に変化させることで、その効果音にバリエーションをつけることができる。
【0029】
上記効果音制御信号入力手段104は、好適には、前記運動センサ94の検出結果に応じて前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類が変更されるように前記効果音制御信号の入力を行う。好適には、前記運動センサ94の検出結果が前記電子早見本装置22の上下方向すなわち前記タッチパネルディスプレイ68に垂直を成す方向の運動に対応するものである場合と、左右方向すなわち前記タッチパネルディスプレイ68に平行を成す方向の運動に対応するものである場合とで異なる種類の効果音が前記カラオケ装置16から出力されるようにそのカラオケ装置16への効果音制御信号の入力を行う。例えば、前記運動センサ94の検出結果が前記電子早見本装置22の上下方向の運動に対応するものである場合にはタンバリンを叩く音が前記カラオケ装置16から出力されるように、左右方向の運動に対応するものである場合には拍手の音が前記カラオケ装置16から出力されるように、そのカラオケ装置16への効果音制御信号の入力を行う。この電子早見本装置22の相対運動(運動センサ94の検出結果)と前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類との対応関係は、前記記憶部86の対応付テーブル102に記憶されており、前記効果音制御信号入力手段104は、斯かる対応付テーブル102に記憶された情報に基づいて前記効果音制御信号を生成し、前記カラオケ装置16へ送信する。
【0030】
また、前記効果音制御信号入力手段104は、好適には、前記運動センサ94の検出結果に応じて前記カラオケ装置16から出力される効果音の出力態様が変更されるように前記効果音制御信号の入力を行う。好適には、前記運動センサ94の検出結果が前記電子早見本装置22の上下方向すなわち前記タッチパネルディスプレイ68に垂直を成す方向の運動に対応するものである場合と、左右方向すなわち前記タッチパネルディスプレイ68に平行を成す方向の運動に対応するものである場合とで態様の異なる効果音が前記カラオケ装置16から出力されるようにそのカラオケ装置16への効果音制御信号の入力を行う。例えば、前記運動センサ94の検出結果が前記電子早見本装置22の上下方向の運動に対応するものである場合にはベル(楽器としてのハンドベル)を鳴らす比較的音程の高い音が前記カラオケ装置16から出力されるように、左右方向の運動に対応するものである場合にはベルを鳴らす比較的音程の低い音が前記カラオケ装置16から出力されるように、そのカラオケ装置16への効果音制御信号の入力を行う。この電子早見本装置22の相対運動(運動センサ94の検出結果)と前記カラオケ装置16から出力される効果音の出力態様との対応関係は、前記記憶部86の対応付テーブル102に記憶されており、前記効果音制御信号入力手段104は、斯かる対応付テーブル102に記憶された情報に基づいて前記効果音制御信号を生成し、前記カラオケ装置16へ送信する。
【0031】
対応付設定手段106は、前記電子早見本装置22の相対運動と前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を前記タッチパネルディスプレイ76(タッチパネル76)を介しての入力操作により設定する。すなわち、本実施例においては、前記記憶部86に設けられた前記対応付テーブル102の記憶内容の書き換えを行う。具体的には、前記表示制御部74を介して前記タッチパネルディスプレイ68(表示装置72)に図示しない所定の対応付設定映像を表示させ、その対応付設定映像に従って前記タッチパネル76及び入力制御部78を介して行われる利用者の入力操作に応じて、前記対応付テーブル102に記憶された前記電子早見本装置22の相対運動と前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を更新する。この再設定により、前記効果音制御信号入力手段104は、以降の制御においてはその対応付テーブル102に新たに設定された対応関係に基づいて前記効果音制御信号を生成することになり、前記電子早見本装置22の相対運動に応じて利用者の所望する種類の効果音が所望の態様で出力されるようになるのである。
【0032】
対応映像表示制御手段108は、前記電子早見本装置22の相対運動と前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を示す対応映像を前記タッチパネルディスプレイ76(表示装置72)に表示させる。すなわち、本実施例においては、前記記憶部86に設けられた前記対応付テーブル102の記憶内容に基づき、前記表示制御部74を介して前記表示装置72に図6、図7に示すような映像を表示させる。この図6に示す対応映像110は、前記運動センサ94の検出結果が前記電子早見本装置22の上下方向の運動に対応するものである場合にはタンバリンを叩く音が、左右方向の運動に対応するものである場合には拍手の音がそれぞれ前記カラオケ装置16から出力される関係に基づいて表示されるものである。また、図7に示す対応映像112は、前記運動センサ94の検出結果が前記電子早見本装置22の上下方向の運動に対応するものである場合にはベルを鳴らす比較的音程の高い音が、左右方向の運動に対応するものである場合にはベルを鳴らす比較的音程の低い音がそれぞれ前記カラオケ装置16から出力される関係に基づいて表示されるものである。このように、前記タッチパネルディスプレイ68に前記対応付テーブル102の記憶内容に応じた対応映像110、112を表示させることで、利用者は前記電子早見本装置22の相対運動と前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を視覚的に確認しつつ効果音を出力させることができる。
【0033】
図8は、前記電子早見本装置22のCPU80による効果音制御信号送信(入力)制御の要部について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0034】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記電子早見本装置22による効果音制御信号入力モード(キョクNAVIジャイロモード)開始であるか否かが判断される。このS1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、S1の判断が肯定される場合には、S2において、前記電子早見本装置22の相対運動(振り方)と効果音との対応付設定が行われるか否かが判断される。このS2の判断が否定される場合には、S6以下の処理が実行されるが、S2の判断が肯定される場合には、S3において、前記表示制御部74を介して前記表示装置72に前記電子早見本装置22の相対運動と前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を設定するための対応付設定映像が表示される。次に、S4において、S3にて表示された対応付設定映像に従って前記タッチパネル76及び入力制御部78等を介して設定が行われ、その対応付設定が完了したか否かが判断される。このS4の判断が否定されるうちは、判断が繰り返されることにより待機させられるが、S4の判断が肯定される場合には、S5において、設定された対応関係が前記記憶部86に設けられた対応付テーブル102に記憶される。次に、前記対応映像表示制御手段108の動作に対応するS6において、前記記憶部86に設けられた前記対応付テーブル102の記憶内容が読み出され、その記憶内容に基づいて前記電子早見本装置22の相対運動と前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を示す対応映像が前記表示制御部74を介して前記表示装置72に表示される。次に、前記効果音制御信号入力制御手段104の動作に対応するS7において、前記対応付テーブル102の記憶内容に基づき、前記運動センサ94の検出結果に応じて、前記カラオケ装置16により所定の効果音を所定の態様で出力させるための効果音制御信号が生成され、前記LAN24等を介してそのカラオケ装置16へ送信(入力)される。次に、S8において、前記電子早見本装置22の相対運動と効果音との対応付設定変更が行われるか否かが判断される。このS8の判断が肯定される場合には、S3以下の処理が再び実行されるが、S8の判断が否定される場合には、S9において、前記電子早見本装置22による効果音制御信号入力モード終了であるか否かが判断される。このS9の判断が否定される場合には、S7以下の処理が再び実行されるが、S9の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、S3乃至S5が前記対応付設定手段106の動作に対応する。
【0035】
このように、本実施例によれば、前記カラオケ装置16を遠隔操作するための電子早見本装置22において、その電子早見本装置22の相対運動を検出する運動センサ94と、その運動センサ94の検出結果に応じて前記カラオケ装置16に所定の効果音を出力させるための効果音制御信号の入力を行う効果音制御信号入力手段104(S7)とを、有することから、例えばカラオケ演奏を行っている演奏者以外の利用者が前記電子早見本装置22を振り動かすことに同期して、簡便且つ容易に前記カラオケ装置16から所定の効果音を出力させることができる。すなわち、利用者の所望に応じてカラオケ装置16から所定の効果音を適宜出力させる電子早見本装置22を提供することができる。
【0036】
また、前記効果音制御信号は、前記カラオケ装置16により出力可能な複数種類の効果音のうち何れかを所定の態様で出力させるためのものであるため、前記電子早見本装置22を振り動かすことで種々の効果音を選択的にそれぞれ所定の態様で出力させることができるという利点がある。
【0037】
また、前記効果音制御信号入力手段104は、前記運動センサ94の検出結果に応じて前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類が変更されるように前記効果音制御信号の入力を行うものであるため、前記電子早見本装置22の振り動かし方に応じて前記カラオケ装置16から種々の効果音を選択的に出力させることができるという利点がある。
【0038】
また、前記効果音制御信号入力手段104は、前記運動センサ94の検出結果に応じて前記カラオケ装置16から出力される効果音の出力態様が変更されるように前記効果音制御信号の入力を行うものであるため、前記電子早見本装置22の振り動かし方に応じて前記カラオケ装置16から所定の効果音を所望の態様で出力させることができるという利点がある。
【0039】
また、前記電子早見本装置22の相対運動と前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を前記タッチパネルディスプレイ68を介しての入力操作により設定する対応付設定手段106(S3乃至S5)を有するものであるため、前記電子早見本装置22の振り動かし方に応じて前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類や出力態様を利用者が所望するままに変更できるという利点がある。
【0040】
また、前記電子早見本装置22の相対運動と前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を示す対応映像110、112を前記タッチパネルディスプレイ68に表示させる対応映像表示制御手段108(S6)を有するものであるため、前記電子早見本装置22の振り動かし方に応じて前記カラオケ装置16から出力される効果音の種類や出力態様を視覚的に確認できるという利点がある。
【0041】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施されるものである。
【0042】
例えば、前述の実施例において、前記電子早見本装置22は、前記カラオケ装置16との間で無線或いは有線LANを介して情報の送受信を行うものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ブルートゥース通信等、他の手段により前記カラオケ装置16との間で情報の通信を行うものであってもよい。
【0043】
また、前述の実施例では、前記電子早見本装置22の上下方向の相対運動、左右方向の相対運動に対応してそれぞれ異なる種類の楽器の効果音や、異なる態様の効果音を出力させる構成について説明したが、これは最も簡単な2種類の相対運動に応じて効果音を変更する一例に過ぎず、例えば大きく円を描くような運動、所定の速度で上下させる運動、小刻みに揺らす運動等といったように、前記電子早見本装置22の更に複雑な相対運動に対応して効果音の種類及び/又は出力態様をそれぞれ変更するものであってもよい。
【0044】
また、前述の実施例では、前記電子早見本装置22から入力される効果音制御信号に応じて前記カラオケ装置16のシンセサイザ38により効果音を出力させるものであったが、前記カラオケ装置16に効果音を出力させるための専用の音源を設けてもよいことは言うまでもない。
【0045】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明が好適に適用されるカラオケシステムを説明する概略図である。
【図2】図1のカラオケシステムに備えられたカラオケ装置の構成を例示するブロック線図である。
【図3】本発明の一実施例である電子早見本装置の外観を大まかに示す斜視図である。
【図4】図3の電子早見本装置の構成を例示するブロック線図である。
【図5】図3の電子早見本装置のCPUに備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図6】図3の電子早見本装置のタッチパネルディスプレイに表示されるその電子早見本装置の相対運動とカラオケ装置から出力される効果音との対応映像を例示する図である。
【図7】図3の電子早見本装置のタッチパネルディスプレイに表示されるその電子早見本装置の相対運動とカラオケ装置から出力される効果音との対応映像を例示する図である。
【図8】図3の電子早見本装置のCPUによる効果音制御信号送信制御の要部について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
16:カラオケ装置
22:電子早見本装置
68:タッチパネルディスプレイ
94:運動センサ
104:効果音制御信号入力手段
108:対応映像表示制御手段
110、112:対応映像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させるカラオケ装置を遠隔操作するために、所定の映像を表示させると共に利用者の接触に応じて前記カラオケ装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを備えた電子早見本装置であって、
該電子早見本装置の相対運動を検出する運動センサと、
該運動センサの検出結果に応じて前記カラオケ装置に所定の効果音を出力させるための効果音制御信号の入力を行う効果音制御信号入力手段と
を、有することを特徴とする電子早見本装置。
【請求項2】
前記効果音制御信号は、前記カラオケ装置により出力可能な複数種類の効果音のうち何れかを所定の態様で出力させるためのものである請求項1の電子早見本装置。
【請求項3】
前記効果音制御信号入力手段は、前記運動センサの検出結果に応じて前記カラオケ装置から出力される効果音の種類が変更されるように前記効果音制御信号の入力を行うものである請求項2の電子早見本装置。
【請求項4】
前記効果音制御信号入力手段は、前記運動センサの検出結果に応じて前記カラオケ装置から出力される効果音の出力態様が変更されるように前記効果音制御信号の入力を行うものである請求項2又は3の電子早見本装置。
【請求項5】
前記電子早見本装置の相対運動と前記カラオケ装置から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を前記タッチパネルディスプレイを介しての入力操作により設定し得るものである請求項2から4の何れかの電子早見本装置。
【請求項6】
前記電子早見本装置の相対運動と前記カラオケ装置から出力される効果音の種類及び/又は出力態様との対応関係を示す対応映像を前記タッチパネルディスプレイに表示させる対応映像表示制御手段を有するものである請求項2から5の何れかの電子早見本装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−240930(P2007−240930A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−64007(P2006−64007)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】