電子材料のための新規化合物およびこれを使用する有機電子素子
高効率の電子材料のための新規化合物、これを含む有機電子素子および有機太陽電池が提供される。具体的には本発明の電子材料のための新規化合物は下記化学式(1)で表される化合物として特徴付けられる:
【化1】
式中、R1とR2またはR3とR4は(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンで連結されて、少なくとも1つの縮合環を形成し;ただし、アルキレンもしくはアルケニレンでの連結により
【化2】
のR3とR4から形成される環がベンゼンである場合には、アルキレンもしくはアルケニレンでの連結により
【化3】
のR7とR8から形成される環はベンゼンではない。
【代表図】図1
【化1】
式中、R1とR2またはR3とR4は(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンで連結されて、少なくとも1つの縮合環を形成し;ただし、アルキレンもしくはアルケニレンでの連結により
【化2】
のR3とR4から形成される環がベンゼンである場合には、アルキレンもしくはアルケニレンでの連結により
【化3】
のR7とR8から形成される環はベンゼンではない。
【代表図】図1
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子材料のための新規化合物およびこれを含む有機電子素子に関する。より具体的には、本発明は高い効率を有する電子材料のための新規化合物、および電界発光(electroluminescent)層を形成するための燐光(phosphorescent)ドーパントとして当該化合物を使用する有機電子素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)において発光効率を決定するのに最も重要な要素は電界発光材料である。現在に至るまで電界発光材料として蛍光材料が広く使用されてきたが、燐光材料の開発は電界発光メカニズムの観点から理論的に4倍まで発光効率を向上させるための最良の方法の1つである。
【0003】
現在まで、イリジウム(III)錯体が燐光材料として広く知られており、例えば、赤、緑および青のものとして、それぞれ、(acac)Ir(btp)2、Ir(ppy)3及びFirpicなどが知られている。特に、近年、日本国、欧州および米国で多くの燐光材料が研究されてきた。
【0004】
【化1】
【0005】
従来の赤色燐光材料の中には、いくつかの材料が良好なEL(電界発光)特性を有するとして報告されている。しかし、このなかの非常にわずかの材料しか商業化の水準に到達していない。最も良い材料として、1−フェニルイソキノリンのイリジウム錯体を言及することができ、これは優れたEL特性を有し、濃い赤色の色純度及び高い発光効率を示すことが知られている(A.Tsuboyama et al.,J.Am.Chem.Soc.2003,125(42),12971−12979参照)。
【0006】
【化2】
【0007】
さらに、この赤色材料は寿命上の大きな問題がなく、この赤色材料が良好な色純度または発光効率を有していれば、商業化が容易な傾向を有している。従って、前記イリジウム錯体は、その優れた色純度及び発光効率のため、商業化の可能性が非常に高い材料である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】A.Tsuboyama et al.,J.Am.Chem.Soc.2003,125(42),12971−12979
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、イリジウム錯体は、純粋な赤色と高い発光効率とを同時にもたらすことができないので、まだ小型のディスプレイにしか適用できない材料と理解されており、中から大型のOLEDパネルに適用するには限界があって、中から大型のOLEDパネルについては公知の材料のEL特性よりも高い水準のEL特性が実質的に要求される。
【0010】
上述のような従来技術の問題点を克服するために強い努力がなされており、本発明者らは、優れた量子効率および著しく改善された寿命を有する有機EL素子を実現するために、電子材料のための新規化合物を開発するための研究を行ってきた。最終的に、本発明者らは、ピリジン(従来のイリジウム錯体のためのものであった)の代わりに、キノリン環の[f]もしくは[h]が縮合している縮合ベンゾ[f]キノリンもしくはベンゾ[h]キノリンを主配位子として導入することにより合成されたイリジウム錯体を使用した場合に、純赤色でありながらも優れた発光効率および寿命特性を得ることができたことを見いだし、そして本発明を完成した。
【0011】
よって、本発明の目的は、既存の燐光材料の弱点を克服し、既存の燐光材料の特性と比較して、よりすぐれた電界発光特性をもたらす骨格を有する、電子材料のための新規化合物を提供することである。
本発明の他の目的は、中から大型のOLEDパネルに適用できる電子材料のための新規化合物、および当該化合物を含む有機電子素子を提供することである。
さらに、本発明の別の目的は、電子材料のための新規化合物を含む有機太陽電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
よって、本発明は電子材料のための新規化合物、及びこれを含む有機電子素子に関する。具体的には、本発明による電子材料のための新規化合物は下記化学式(1)により表される:
【化3】
式中、Lは有機配位子を表し;
R1とR2、もしくはR3とR4は独立して(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介して連結されて少なくとも1つの縮合環を形成し、縮合環を形成していない置換基は独立して水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルで置換されており;
R1とR2、もしくはR3とR4から(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介した連結により形成される前記縮合環、または縮合環を形成していない他の置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノは、1種以上の置換基でさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルから選択され;
R5およびR6は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;
R7およびR8は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR7とR8は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
R5、R6、R7およびR8のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択され;並びに
nは1〜3の整数であり;
ただし、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化4】
のR3とR4から形成される環がベンゼンである場合には、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化5】
のR7とR8から形成される環はベンゼンではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1はOLEDの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照すると、図1は、ガラス1、透明電極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、電界発光層5、電子輸送層6、電子注入層7及びAl陰極8を含有する、本発明のOLEDの断面図を示す。
【0015】
用語「アルキル」および「アルキル」部分を含む他の置換基は線状および分岐の種類を含む。
【0016】
本明細書に記載された用語「アリール」は、一つの水素原子の除去により芳香族炭化水素から得られる有機基を意味する。各環は、4〜7、好ましくは5〜6の環原子を含む単環または縮合環系を好適に含む。具体的な例としてフェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、インデニル、フルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、およびフルオランテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
本明細書に記載された用語「ヘテロアリール」は、芳香族環骨格原子としてのN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子、並びに残りの芳香族環骨格原子としての炭素原子を含有するアリール基を意味する。ヘテロアリールは、5員もしくは6員の単環式ヘテロアリール、または1以上のベンゼン環と縮合した多環式ヘテロアリールであってよく、部分的に飽和されていてよい。ヘテロアリール基は、そのヘテロ原子が酸化されるかまたは四級化されて、N−オキシド、第四級塩などを形成する二価のアリール基を含んでいてよい。具体的な例には、単環式ヘテロアリール基、例えば、フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル;多環式ヘテロアリール基、例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェナントリジニル及びベンゾジオキソリル;並びにその対応するN−オキシド(例えば、ピリジルN−オキシド、キノリルN−オキシド)及びその第四級塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
ここで言及されるナフチルは、1−ナフチルまたは2−ナフチルであってよく;アントリルは、1−アントリル、2−アントリルまたは9−アントリルであってよく;フルオレニルは、1−フルオレニル、2−フルオレニル、3−フルオレニル、4−フルオレニルまたは9−フルオレニルであってよい。
【0019】
本明細書において記載される「(C1−C60)アルキル」部分を含む置換基は、1〜60個の炭素原子、1〜20個の炭素原子または1〜10個の炭素原子を含むことができる。「(C6−C60)アリール」部分を含む置換基は、6〜60個の炭素原子、6〜20個の炭素原子、または6〜12個の炭素原子を含むことができる。「(C3−C60)ヘテロアリール」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子、4〜20個の炭素原子、または4〜12個の炭素原子を含むことができる。「(C3−C60)シクロアルキル」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子、3〜20個の炭素原子、または3〜7個の炭素原子を含むことができる。「(C2−C60)アルケニルもしくはアルキニル」部分を含む置換基は、2〜60個の炭素原子、2〜20個の炭素原子、または2〜10個の炭素原子を含むことができる。
【0020】
本発明による電子材料のための新規化合物は下記化学式(2)または(3)で表される:
【化6】
【化7】
式中、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびnは化学式(1)におけるように定義され;
R11〜R14は、独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;並びに
R11〜R14のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノは1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0021】
本発明による化学式(1)で表される化合物においては、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介した連結によってR7とR8から形成される脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は、限定されないが、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、インデンもしくはフェナントレンであることができる。
【0022】
本発明による化学式(1)において、角括弧[ ]内の化合物はイリジウムの主配位子(primary ligand)の働きをし、Lは補助配位子(subsidiary ligand)の働きをする。本発明による電子材料のための有機化合物には、主配位子:補助配位子=2:1(n=2)の比率を有する錯体、主配位子:補助配位子=1:2(n=1)の比率を有する錯体、および補助配位子(L)のない(n=3)トリスキレート型(tris−chelated)錯体が挙げられる。
【0023】
本発明による電子材料のための有機化合物は、下記化学式(4)〜(13)のいずれかで表される化合物によって例示されうる:
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【0024】
式中、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびnは化学式(1)におけるように定義され;
R11、R12、R13およびR14は、化学式(2)または(3)におけるように定義され;
R21〜R25、R31〜R38およびR41〜R45は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR21〜R25、R31〜R38およびR41〜R45のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;
R39およびR40は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR39とR40は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;
R21〜R25およびR31〜R45のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0025】
化学式(1)においては、R1〜R8は独立して、水素、重水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、 デシル、ドデシル、ヘキサデシル、フルオロ、シアノ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ペプトキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニリル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルまたはベンジルを表し;
R1〜R8のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニリル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリルもしくはベンゾオキサゾリルは1種以上の置換基によってさらに置換されて良く、この1種以上の置換基は重水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フルオロ、シアノ、フェニル、ナフチル、アントリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリルおよびトリフェニルシリルから選択される。
【0026】
本発明による電子材料のための有機化合物は下記化合物によって具体的に例示されうるが、これらに限定されるものではない:
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【0027】
式中、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11、R12、R13、R14およびnは化学式(2)または(3)におけるように定義され;
R46およびR47は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか;またはR46とR47は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;
R48は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;
R46〜R48のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択され;並びに
mは1〜5の整数である。
【0028】
本発明による電子材料のための有機化合物の補助配位子(L)には、以下の構造が挙げられる:
【化22】
【0029】
式中、R51〜R63は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR51〜R63のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
R51〜R63のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0030】
本発明による電子材料のための有機化合物の補助配位子(L)は、以下の構造によって例示されうるが、これに限定されない:
【化23】
【0031】
本発明による電子材料のための有機化合物を製造する方法は以下に示される反応スキーム(1)〜(3)に基づいて説明される:
【化24】
【化25】
【化26】
【0032】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびLは化学式(1)におけるように定義される。
【0033】
反応スキーム(1)は、n=1を有する化学式(1)の化合物をもたらし、ここでは、三塩化イリジウム(IrCl3)及び補助配位子化合物(L−H)が、1:2〜3のモル比で溶媒中で混合され、この混合物が還流下で加熱され、その後ジイリジウム二量体を単離する。この反応段階において、好ましい溶媒は、アルコール又はアルコール/水の混合溶媒であり、例えば、2−エトキシエタノール及び2−エトキシエタノール/水混合物である。単離されたジイリジウム二量体は、次いで、有機溶媒中で主配位子化合物と共に加熱されて、最終生成物として、1:2の主配位子:補助配位子の比率を有する有機燐光イリジウム化合物をもたらす。この反応は、有機溶媒、例えば、2−エトキシエタノール及び2−メトキシエチルエーテルと混合されているAgCF3SO3、Na2CO3又はNaOHを用いて実施される。
【0034】
反応スキーム(2)は、n=2を有する化学式(1)の化合物をもたらし、ここでは、三塩化イリジウム(IrCl3)及び主配位子化合物が、1:2〜3のモル比で溶媒中で混合され、この混合物が還流下で加熱され、その後ジイリジウム二量体を単離する。この反応段階において、好ましい溶媒は、アルコール又はアルコール/水の混合溶媒、例えば、2−エトキシエタノール及び2−エトキシエタノール/水混合物である。単離されたジイリジウム二量体は、次いで、有機溶媒中で補助配位子化合物(L−H)と共に加熱されて、最終生成物として、2:1の主配位子:補助配位子の比率を有する有機燐光イリジウム化合物をもたらす。
最終生成物中の主配位子化合物と補助配位子(L)とのモル比は、組成に応じた反応物質の適切なモル比によって決定される。この反応は、有機溶媒、例えば、2−エトキシエタノール、2−メトキシエチルエーテル及び1,2−ジクロロエタンと混合されているAgCF3SO3、Na2CO3又はNaOHを用いて実施されうる。
【0035】
反応スキーム(3)は、n=3を有する化学式(1)の化合物をもたらし、ここでは、反応スキーム(1)または(2)に従って製造されたイリジウム錯体及び主配位子化合物が、1:2〜3のモル比でグリセロール中で混合され、この混合物が還流下で加熱されて、3個の主配位子で配位された有機燐光イリジウム錯体を得る。
【0036】
本発明において主リガンドとして使用される化合物は、限定されないが、従来のプロセスに基づいて、反応スキーム(4)に示されるプロセスに従って製造されうる。
【0037】
【化27】
式中、R1〜R8は化学式(1)におけるように定義される。
【0038】
本発明は、電子材料のための化学式(1)で表される1種以上の有機化合物を含む有機太陽電池も提供する。
【0039】
本発明は、第1の電極;第2の電極;並びに、第1の電極と第2の電極との間に設けられた少なくとも1つの有機層;を含んでなる有機電子素子であって、電子材料のための化学式(1)で表される1種以上の有機化合物をこの有機層が含む有機電子素子も提供する。
【0040】
本発明による有機電子素子は、有機層が電界発光領域を含み、この電界発光領域が電子材料のための化学式(1)で表される1種以上の有機化合物を0.01〜10重量%の量で電界発光ドーパントとして、および1種以上のホスト(host)を含むことを特徴とする。本発明に従った有機電子素子に適用されるホストは特に限定されないが、1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、ポリビニルカルバゾール、m−ビスカルバゾリルフェニル、4,4′,4″−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、1,3,5−トリ(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−カルバゾリル−5−メトキシフェニル)ベンゼン、ビス(4−カルバゾリルフェニル)シラン、または化学式(14)〜(17)のいずれかで表される化合物によって例示されうる。
【0041】
【化28】
【0042】
化学式(14)においては、R91〜R94は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR91〜R94のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
R91〜R94のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0043】
【化29】
【化30】
【0044】
化学式17
L1L2M1(Q)y
【0045】
化学式17においては、配位子L1およびL2は独立して下記構造から選択され:
【化31】
式中、M1は2価または3価金属を表し;
M1が2価金属である場合にはyは0であり、一方、M1が3価金属である場合にはyは1であり;
Qは(C6−C60)アリールオキシもしくはトリ(C6−C60)アリールシリルであって、Qのアリールオキシもしくはトリアリールシリルは、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールでさらに置換されていてよく;
XはO、SまたはSeであり;
環Aはオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジンもしくはキノリンを表し、
環Bはピリジンもしくはキノリンを表し、このピリジンもしくはキノリンは(C1−C60)アルキルで、または(C1−C60)アルキル置換基を有するかもしくは有しないフェニルもしくはナフチルでさらに置換されていてよく;
R101〜R104は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか;またはR101〜R104のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
環A、またはR101〜R104のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、および縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0046】
配位子L1およびL2は独立して下記構造から選択され:
【化32】
式中、XはO、SまたはSeを表し;
R101〜R104は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR101〜R104のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;
R111〜R116およびR121〜R139は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR111〜R116およびR121〜R139のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
R101〜R104、R111〜R116およびR121〜R139のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0047】
化学式(17)においては、M1はBe、Zn、Mg、CuおよびNiから選択される2価金属、またはAl、Ga、InおよびBから選択される3価金属であり、並びにQは下記構造から選択される。
【化33】
【0048】
化学式(14)の化合物は、下記構造で表される化合物によって具体的に例示されうるが、下記のものに限定されない。
【化34】
【0049】
化学式(15)〜(17)のいずれかによって表される化合物は、下記構造のいずれかを有する化合物で具体的に例示されうるが、下記のものに限定されない。
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【0050】
電解発光層は電界発光が起こる層を意味し、これは単一層であっても、または積層された2以上の層からなる複数層であってもよい。ホスト−ドーパントの混合物が本発明の構成に従って使用される場合に、素子寿命および発光効率における顕著な向上が確認されうる。
【0051】
本発明に従った有機電子素子は、化学式(1)で表される電子材料のための有機化合物を含むと共に、アリールアミン化合物およびスチリルアリールアミン化合物からなる群から選択される1種以上の化合物をさらに含むことができる。アリールアミン化合物もしくはスチリルアリールアミン化合物の例には、化学式(18)で表される化合物が挙げられるが、これに限定されない:
【化39】
式中、Ar11およびAr12は独立して、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アリールアミノ、(C1−C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、もしくは(C3−C60)シクロアルキルを表すか、またはAr11とAr12は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;
gが1である場合には、Ar13は(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、もしくは下記構造式:
【化40】
のいずれかで表されるアリールを表し;
gが2である場合には、Ar13は(C6−C60)アリーレン、(C4−C60)ヘテロアリーレン、もしくは下記構造式:
【化41】
のいずれかで表されるアリーレンを表し;
式中、Ar21およびAr22は独立して、(C6−C60)アリーレンもしくは(C4−C60)ヘテロアリーレンを表し;
R151、R152およびR153は独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールを表し;
tは1〜4の整数であり、wは0または1の整数であり;並びに
Ar11およびAr12のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル;Ar13のアリール、ヘテロアリール、アリーレンもしくはヘテロアリーレン;Ar21およびAr22のアリーレンもしくはヘテロアリーレン;またはR151〜R153のアルキルもしくはアリールは、1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C1−C60)アルキルオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルキルチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0052】
アリールアミン化合物およびスチリルアリールアミン化合物は下記化合物でより具体的に例示されうるが、これに限定されない。
【化42】
【化43】
【0053】
本発明に従った有機電子素子においては、有機層は電子材料のための化学式(1)で表される有機化合物の他に、元素の周期表の第1族、第2族、第4周期および第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属からなる群から選択される1種以上の金属をさらに含むことができる。有機層は電界発光層に加えて電荷発生層を含むことができる。
【0054】
本発明は、化学式(1)の化合物をサブピクセルとして含み、かつアリールアミン化合物およびスチリルアリールアミン化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含むサブピクセルの1つ以上を同時に並列にパターン形成して含む有機電子素子を含む独立発光方式のピクセル構造を有する有機電子素子を実現することができる。
【0055】
さらに、有機電子素子は、電子材料のための有機化合物と共に、緑もしくは青の電界発光を有する有機化合物もしくは有機金属化合物を含むことができ、この緑もしくは青の電界発光を有する有機化合物もしくは有機金属化合物は、化学式(19)〜(23)のいずれかによって表される化合物で例示されうる。
【化44】
【化45】
【0056】
化学式(20)においては、Ar101およびAr102は独立して、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アリールアミノ、(C1−C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、もしくは(C3−C60)シクロアルキルを表すか、またはAr101とAr102は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;
hが1である場合には、Ar103は(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、もしくは下記構造式:
【化46】
のいずれかで表される置換基を表し;
hが2である場合には、Ar103は(C6−C60)アリーレン、(C4−C60)ヘテロアリーレン、もしくは下記構造式:
【化47】
のいずれかで表される置換基を表し;
式中、Ar201およびAr202は独立して、(C6−C60)アリーレンもしくは(C4−C60)ヘテロアリーレンを表し;
R161〜R163は独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールを表し;
iは1〜4の整数であり、jは0または1の整数であり;並びに
Ar101およびAr102のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル;Ar103のアリール、ヘテロアリール、アリーレンもしくはヘテロアリーレン;Ar201およびAr202のアリーレンもしくはヘテロアリーレン;またはR161〜R163のアルキルもしくはアリールは、1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C1−C60)アルキルオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルキルチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0057】
【化48】
【0058】
化学式(21)においては、R301〜R304は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR301〜R304のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
R301〜R304のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0059】
化学式22
(Ar301)p−L11−(Ar302)q
化学式23
(Ar303)r−L12−(Ar304)s
【0060】
化学式(22)および(23)においては、
L11は(C6−C60)アリーレンまたは(C4−C60)ヘテロアリーレンを表し;
L12はアントラセニレンを表し;
Ar301〜Ar304は独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C60)ヘテロアリール、(C5−C60)シクロアルキルおよび(C6−C60)アリールから選択され;Ar301〜Ar304のシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールは1種以上の置換基でさらに置換されていて良く、この1種以上の置換基はハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選択される1以上の置換基を有するもしくは有しない(C6−C60)アリールもしくは(C4−C60)ヘテロアリール;重水素;ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選択され;並びに
p、q、rおよびsは独立して、0〜4の整数を表す。
【0061】
化学式(22)または(23)で表される化合物は、化学式(24)〜(26)のいずれかで表されるアントラセン誘導体またはベンズ[a]アントラセン誘導体で例示されうる:
【化49】
【化50】
【化51】
【0062】
化学式(24)〜(26)において、
R311およびR312は独立して、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、または(C3−C60)シクロアルキルを表し;R311およびR312のアリールまたはヘテロアリールは、重水素、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選択される1以上の置換基でさらに置換されていてよく;
R313〜R316は独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C60)ヘテロアリール、(C5−C60)シクロアルキルまたは(C6−C60)アリールを表し;R313〜R316のヘテロアリール、シクロアルキルまたはアリールは、ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選択される1以上の置換基でさらに置換されていてよく;
G1およびG2は独立して、化学結合を表すか、または1以上の置換基を有するもしくは有しない(C6−C60)アリーレンを表し、この1以上の置換基は(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールおよびハロゲンから選択され;
Ar41およびAr42は(C4−C60)ヘテロアリールまたは下記構造:
【化52】
から選択されるアリールを表し;
Ar41およびAr42のアリールまたはヘテロアリールは、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、および(C4−C60)ヘテロアリールから選択される1以上の置換基で置換されていてよく;
L31は(C6−C60)アリーレン、(C4−C60)ヘテロアリーレン、または下記構造式:
【化53】
で表される化合物を表し;
L31のアリーレンまたはヘテロアリーレンは、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールおよびハロゲンから選択される1以上の置換基で置換されていてよく;
R321〜R324は独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールを表すか、またはそのそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに
R331〜R334は独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールもしくはハロゲンを表すか、またはそのそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよい。
【0063】
緑もしくは青の電界発光を有する有機化合物および有機金属化合物は下記化合物によってより具体的に例示されうるが、これらに限定されない。
【化54】
【化55】
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【化61】
【化62】
【化63】
【化64】
【0064】
本発明の有機電子素子においては、電極の対の少なくとも一方の内側表面に、カルコゲナイド(chalcogenide)層、ハロゲン化金属層、及び金属酸化物層から選択される1以上の層(以下、「表面層」という)を配置することが好ましい。具体的に、EL媒体層の陽極表面にケイ素およびアルミニウム金属のカルコゲナイド(酸化物を含む)層を配置し、並びにEL媒体層の陰極表面にハロゲン化金属層または金属酸化物層を配置することが好ましい。これにより、駆動の安定性が得られうる。
【0065】
カルコゲナイドの例としては、好ましくは、SiOX(1≦X≦2)、AlOX(1≦X≦1.5)、SiON、SiAlONなどが挙げられる。ハロゲン化金属の例としては、好ましくは、LiF、MgF2、CaF2、希土類金属のフッ化物などが挙げられる。金属酸化物の例としては、好ましくは、Cs2O、Li2O、MgO、SrO、BaO、CaOなどが挙げられる。
【0066】
本発明の有機電子素子において、このように製造された電極の対の少なくとも一方の表面に、電子輸送化合物と還元性ドーパント(dopant)との混合領域、または正孔輸送化合物と酸化性ドーパントとの混合領域を配置することも好ましい。よって、電子輸送化合物がアニオンに還元され、混合領域からEL媒体への電子の注入及び輸送が容易になる。また、正孔輸送化合物は酸化されてカチオンを形成するので、混合領域からEL媒体への正孔の注入及び輸送が容易になる。好ましい酸化性ドーパントとしては、各種ルイス酸及びアクセプター(acceptor)化合物が挙げられる。好ましい還元性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属及びこれらの混合物が挙げられる。
【0067】
本発明に従う電子材料のための化合物は、従来の燐光材料のものよりも高い電界発光特性および良好な熱安定性、並びに高い量子効率および低い操作電圧を提供する骨格を有する。よって、本発明に従う電子材料のための化合物をOLEDパネルに適用することは、中または大サイズのOLEDのワンステップでのさらなる開発をもたらすであろうことが期待される。さらに、高効率の材料としてこの化合物を使用する有機太陽電池は従来の材料を使用するものと比較してさらに良好な特性を示すであろうことが予想される。
【0068】
ベストモード
以下の実施例において、本発明の代表的な化合物に関して、電子材料のための有機化合物、これを製造する方法、および当該化合物から製造された素子の発光特性を説明することによって、本発明がさらに説明されるが、これらは実施形態の例示のためだけに提供されるのであり、何らかの手段によって本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0069】
製造例
[製造例1]化合物2の製造
【化65】
【0070】
化合物Aの製造
2−アミノナフタレン−1−アルデヒド(5.0g、29.2mmol)、1−アセトナフタレン(4.1mL、35.1mmol)、水酸化カリウム(3.3g、58.4mmol)およびエタノール(100mL)を反応容器に入れて、この混合物を還流下アルゴン雰囲気の存在下で攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液をこれに添加した。この混合物をクロロメタンで抽出し、抽出物を減圧下でろ過した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物A (4.8g、64%)を得た。
【0071】
化合物Bの製造
化合物A(4.0g、15.7mmol)および塩化イリジウム(2.1g、7.1mmol)を2−エトキシエタノール(38mL)および蒸留水(13mL)に溶解し、この溶液をアルゴン雰囲気の存在下還流下で24時間攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却した。これにより生じた固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、化合物B(8.9g、85%)を得た。
【0072】
化合物2の製造
化合物B(8.0g、5.4mmol)、2,4−ペンタンジオン(1.7mL、16.3mmol)および炭酸ナトリウム(3.5g、32.6mmol)を2−エトキシエタノール(100mL)に溶解し、この溶液を4時間加熱した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、これにより生じた固体沈殿物をろ別した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製して、赤色結晶として化合物2(1.5g、35%)を得た。
【0073】
製造例2:化合物21の製造
【化66】
【0074】
化合物Cの製造
2−アミノナフタレン−3−アルデヒド(5.0g、29.2mmol)、アセトフェノン(4.1mL、35.1mmol)、水酸化カリウム(3.3g、58.4mmol)およびエタノール(100mL)を反応容器に入れて、この混合物を還流下アルゴン雰囲気の存在下で攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液をこれに添加した。この混合物をクロロメタンで抽出し、抽出物を減圧下でろ過した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物C (4.8g、64%)を得た。
【0075】
化合物Dの製造
化合物C(4.0g、15.7mmol)および塩化イリジウム(2.1g、7.1mmol)を2−エトキシエタノール(38mL)および蒸留水(13mL)に溶解し、この溶液をアルゴン雰囲気の存在下還流下で24時間攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却した。これにより生じた固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、化合物D(8.9g、85%)を得た。
【0076】
化合物21の製造
化合物D(8.0g、5.4mmol)、2,4−ペンタンジオン(1.7mL、16.3mmol)および炭酸ナトリウム(3.5g、32.6mmol)を2−エトキシエタノール(100mL)に溶解し、この溶液を4時間加熱した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、これにより生じた固体沈殿物をろ別した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製して、赤色結晶として化合物21(1.5g、35%)を得た。
【0077】
製造例3:化合物75の製造
【化67】
【0078】
化合物Eの製造
2−アミノナフタレン−3−アルデヒド(5.0g、29.2mmol)、3−メチルアセトフェノン(4.1mL、35.1mmol)、水酸化カリウム(3.3g、58.4mmol)およびエタノール(100mL)を反応容器に入れて、この混合物を還流下アルゴン雰囲気の存在下で攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液をこれに添加した。この混合物をクロロメタンで抽出し、抽出物を減圧下でろ過した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物E (4.8g、64%)を得た。
【0079】
化合物Fの製造
化合物E(4.0g、15.7mmol)および塩化イリジウム(2.1g、7.1mmol)を2−エトキシエタノール(38mL)および蒸留水(13mL)に溶解し、この溶液をアルゴン雰囲気の存在下還流下で24時間攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却した。これにより生じた固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、化合物F(8.9g、85%)を得た。
【0080】
化合物75の製造
化合物F(8.0g、5.4mmol)、2,4−ペンタンジオン(1.7mL、16.3mmol)および炭酸ナトリウム(3.5g、32.6mmol)を2−エトキシエタノール(100mL)に溶解し、この溶液を4時間加熱した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、これにより生じた固体沈殿物をろ別した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製して、赤色結晶として化合物75(1.5g、35%)を得た。
【0081】
製造例4:化合物1044の製造
【化68】
【0082】
化合物Gの製造
THF(50mL)に2−アミノナフタレン−3−カルバルデヒド(1.0g、5.4mmol)を溶解し、この溶液を0℃に冷却した。これにフェニルリチウム(11.9mL、21.4mmol)をゆっくりと添加した後で、この混合物を2時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液を添加することによりこの反応をクエンチした。次いで、この混合物をジエチルエーテルで抽出して、抽出物を減圧下でろ過した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物G (0.79g、60%)を得た。
【0083】
化合物Hの製造
化合物G(1.29g、5.24mmol)、1−メチルアセトフェノン(0.55mL、4.76mmol)、氷酢酸(7.13mL)および硫酸(0.04mL)を反応容器に入れて、この混合物をアルゴン雰囲気の存在下還流下で攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液をこれに添加した。このようにして生じた固体をろ別し、蒸留水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物H(1.27g、80%)を得た。
【0084】
化合物Iの製造
化合物H(0.6g、1.81mmol)および塩化イリジウム(0.25g、0.82mmol)を2−エトキシエタノール(9mL)および蒸留水(3mL)に溶解し、この溶液をアルゴン雰囲気の存在下還流下で24時間攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却した。これにより生じた固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、化合物I(0.37g、11%)を得た。
【0085】
化合物1044の製造
化合物I(0.37g、0.21mmol)、2,4−ペンタンジオン(0.06mL、0.62mmol)および炭酸ナトリウム(0.13g、1.25mmol)を2−エトキシエタノール(10mL)に溶解し、この溶液を4時間加熱した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、これにより生じた固体沈殿物をろ別した。カラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製して、赤色結晶として化合物1044(0.14g、37%)を得た。
【0086】
製造例5:化合物1446の製造
【化69】
【0087】
化合物Jの製造
THF(50mL)に2−アミノナフタレン−3−カルバルデヒド(1.0g、5.4mmol)を溶解し、この溶液を0℃に冷却した。これに4−フルオロフェニルリチウム(11.9mL、21.4mmol)をゆっくりと添加した後で、この混合物を2時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液を添加することによりこの反応をクエンチした。次いで、この混合物はジエチルエーテルで抽出され、抽出物は減圧下でろ過された。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物J (0.79g、60%)を得た。
【0088】
化合物Kの製造
化合物J(1.29g、5.24mmol)、1−メチルアセトフェノン(0.55mL、4.76mmol)、酢酸(7.13mL)および硫酸(0.04mL)を反応容器に入れて、この混合物をアルゴン雰囲気の存在下還流下で攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液をこれに添加した。このようにして生じた固体をろ別し、蒸留水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物K(1.27g、80%)を得た。
【0089】
化合物Lの製造
化合物K(0.6g、1.81mmol)および塩化イリジウム(0.25g、0.82mmol)を2−エトキシエタノール(9mL)および蒸留水(3mL)に溶解し、この溶液をアルゴン雰囲気の存在下還流下で24時間攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却した。これにより生じた固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、化合物L(0.37g、11%)を得た。
【0090】
化合物1446の製造
化合物L(0.37g、0.21mmol)、2,4−ペンタンジオン(0.06mL、0.62mmol)および炭酸ナトリウム(0.13g、1.25mmol)を2−エトキシエタノール(10mL)に溶解し、この溶液を4時間加熱した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、これにより生じた固体沈殿物をろ別した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製して、赤色結晶として化合物1446(0.14g、37%)を得た。
【0091】
製造例6:化合物1033の製造
【化70】
【0092】
化合物Mの製造
THF(50mL)に2−アミノナフタレン−1−カルバルデヒド(1.0g、5.4mmol)を溶解し、この溶液を0℃に冷却した。これに4−メチルフェニルリチウム(11.9mL、21.4mmol)をゆっくりと添加した後で、この混合物を2時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液を添加することによりこの反応をクエンチした。次いで、この混合物はジエチルエーテルで抽出され、抽出物は減圧下でろ過された。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物M (0.79g、60%)を得た。
【0093】
化合物Nの製造
化合物M(1.29g、5.24mmol)、1−メチルアセトフェノン(0.55mL、4.76mmol)、氷酢酸(7.13mL)および硫酸(0.04mL)を反応容器に入れて、この混合物をアルゴン雰囲気の存在下還流下で攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液をこれに添加した。このようにして生じた固体をろ別し、蒸留水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物N(1.27g、80%)を得た。
【0094】
化合物Oの製造
化合物N(0.6g、1.81mmol)および塩化イリジウム(0.25g、0.82mmol)を2−エトキシエタノール(9mL)および蒸留水(3mL)に溶解し、この溶液をアルゴン雰囲気の存在下還流下で24時間攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却した。これにより生じた固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、化合物O(0.37g、11%)を得た。
【0095】
化合物1033の製造
化合物O(0.37g、0.21mmol)、2,4−ペンタンジオン(0.06mL、0.62mmol)および炭酸ナトリウム(0.13g、1.25mmol)を2−エトキシエタノール(10mL)に溶解し、この溶液を4時間加熱した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、これにより生じた固体沈殿物をろ別した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製して、赤色結晶として化合物1033(0.14g、37%)を得た。
【0096】
表1に示される電子材料のための有機化合物(化合物1〜20)は製造例1に記載されるのと同じ手順に従って製造され;表2に示されるもの(化合物21〜1028)は製造例2もしくは3の手順に従い;表3に示されるもの(化合物1029〜1043)は製造例6の手順に従い;並びに、表4に示されるもの(化合物1044〜2060)は製造例4または5の手順に従った。これらの化合物の1H NMRおよびMS/FABデータは表5に示される。
【0097】
【表1】
【表2】
【表3】
【0098】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【0099】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【0100】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【0101】
【表31】
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【0102】
【表41】
【表42】
【表43】
【表44】
【表45】
【表46】
【表47】
【表48】
【表49】
【表50】
【0103】
【表51】
【表52】
【表53】
【表54】
【表55】
【表56】
【表57】
【表58】
【表59】
【表60】
【0104】
【表61】
【表62】
【表63】
【表64】
【表65】
【表66】
【表67】
【表68】
【表69】
【表70】
【0105】
【表71】
【表72】
【表73】
【表74】
【表75】
【表76】
【表77】
【表78】
【表79】
【表80】
【0106】
【表81】
【表82】
【表83】
【表84】
【表85】
【表86】
【表87】
【表88】
【表89】
【表90】
【0107】
【表91】
【表92】
【表93】
【表94】
【表95】
【表96】
【表97】
【表98】
【表99】
【表100】
【0108】
【表101】
【表102】
【表103】
【表104】
【表105】
【表106】
【表107】
【表108】
【表109】
【表110】
【0109】
【表111】
【表112】
【表113】
【表114】
【表115】
【表116】
【表117】
【表118】
【表119】
【表120】
【0110】
【表121】
【表122】
【表123】
【表124】
【表125】
【表126】
【表127】
【表128】
【表129】
【表130】
【0111】
【表131】
【表132】
【表133】
【0112】
【表134】
【表135】
【0113】
【表136】
【表137】
【表138】
【表139】
【表140】
【0114】
【表141】
【表142】
【表143】
【表144】
【表145】
【表146】
【表147】
【表148】
【表149】
【表150】
【0115】
【表151】
【表152】
【表153】
【表154】
【表155】
【表156】
【表157】
【表158】
【表159】
【表160】
【0116】
【表161】
【表162】
【表163】
【表164】
【表165】
【表166】
【表167】
【表168】
【表169】
【表170】
【0117】
【表171】
【表172】
【表173】
【表174】
【表175】
【表176】
【表177】
【表178】
【表179】
【表180】
【0118】
【表181】
【表182】
【表183】
【表184】
【表185】
【表186】
【表187】
【表188】
【表189】
【表190】
【0119】
【表191】
【表192】
【表193】
【表194】
【表195】
【表196】
【表197】
【表198】
【表199】
【表200】
【0120】
【表201】
【表202】
【表203】
【表204】
【表205】
【表206】
【表207】
【表208】
【表209】
【表210】
【0121】
【表211】
【表212】
【表213】
【表214】
【表215】
【表216】
【表217】
【表218】
【表219】
【表220】
【0122】
【表221】
【表222】
【表223】
【表224】
【表225】
【表226】
【表227】
【表228】
【表229】
【表230】
【0123】
【表231】
【表232】
【表233】
【表234】
【表235】
【表236】
【表237】
【表238】
【表239】
【表240】
【0124】
【表241】
【表242】
【表243】
【表244】
【表245】
【表246】
【表247】
【表248】
【表249】
【表250】
【0125】
【表251】
【表252】
【表253】
【表254】
【表255】
【表256】
【表257】
【表258】
【表259】
【表260】
【0126】
【表261】
【表262】
【表263】
【表264】
【表265】
【表266】
【0127】
【表267】
【表268】
【0128】
[実施例1]OLEDの製造1
本発明による電子材料のための化合物を用いてOLED素子を製造した。
まず、OLED用ガラス(三星−コーニング社製造)(1)から得られた透明電極ITO薄膜(15Ω/□)(2)を、トリクロロエチレン、アセトン、エタノールおよび蒸留水を順に使用して超音波洗浄を行い、使用前はイソプロパノール中で貯蔵した。
次に、真空蒸着装置の基体フォルダにITO基体を備え付け、真空蒸着装置のセル内に4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)を入れて、次いで、チャンバー内の真空度が10−6torrに至るまで排気した。セルに電流を適用して2−TNATAを蒸発させ、それによりITO基体上に60nm厚を有する正孔注入層(3)を蒸着した。
【0129】
【化71】
【0130】
次いで、真空蒸着装置の他のセルに、N,N’−ビス(α−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPB)を入れて、セルに電流を適用してNPBを蒸発させ、それにより正孔注入層上に20nm厚の正孔輸送層(4)を蒸着した。
【0131】
【化72】
【0132】
前記真空蒸着装置の他のセルに、電界発光ホスト材料として、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を入れて、さらに別のセルに本発明の電子材料のための化合物(化合物2)を入れた。この2つの物質を異なる速度で蒸発させてドーピングを行って、それにより正孔輸送層上に30nm厚の電界発光層(5)を蒸着した。好適なドーピング濃度はCBP基準で4〜10重量%である。
【0133】
【化73】
【0134】
次いで、NPBにおけるのと同じ方法で、電界発光層上に正孔ブロッキング層として、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(BAlq)を10nmの厚さで蒸着させ、電子輸送層(6)としてトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)(Alq)を20nmの厚さで蒸着し、次いで、電子注入層(7)としてリチウムキノラート(Liq)を1〜2nmの厚さで蒸着した。その後、別の真空蒸着装置を用いてAl陰極(8)を150nmの厚さで蒸着してOLEDを製造した。
【0135】
【化74】
【0136】
[実施例2]OLEDの製造2
実施例1の手順に従って、正孔注入層および正孔輸送層を形成し、電界発光層を次のように蒸着した。本発明に従って、前記真空蒸着装置の他のセルに、電界発光ホスト材料としてH−5を入れて、さらに別のセルに本発明による電子材料のための化合物(化合物52)を入れた。この2つの物質を異なる速度で蒸発させてドーピングして、それにより正孔輸送層上に30nm厚の電界発光層(5)を蒸着した。好適なドーピング濃度はホスト基準で4〜10重量%である。次いで、実施例1におけるのと同じ手順に従って正孔ブロッキング層、電子輸送層および電子注入層を蒸着し、次いで他の真空蒸着装置を用いてAl陰極を150nmの厚さで蒸着してOLEDを製造した。
【0137】
【化75】
【0138】
[実施例3]OLEDの製造3
実施例2におけるのと同様の手順に従って、正孔注入層、正孔輸送層および電界発光層を形成し、次いで電子輸送層および電子注入層を蒸着した。その後、他の真空蒸着装置を用いてAl陰極を150nmの厚さで蒸着してOLEDを製造した。
【0139】
[実験例1]電界発光材料の光学特性の評価
合成収率の高い錯体を10−6torrで真空昇華により精製し、OLEDの電界発光層のためのドーパントとして使用した。実施例1〜3で製造したOLEDの性能を確認するために、10mA/cm2でOLEDの外部量子効率を測定した。本発明に従った化合物の様々な特性が表6に示される。
【0140】
【表269】
【0141】
実施例1においては、化合物46は電圧および外部量子効率において良好な特性を示し、実施例2における化合物52並びに実施例3における化合物1745は電圧および外部量子効率において良好な特性を示した。
【符号の説明】
【0142】
1 ガラス
2 透明電極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 電界発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 Al陰極
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子材料のための新規化合物およびこれを含む有機電子素子に関する。より具体的には、本発明は高い効率を有する電子材料のための新規化合物、および電界発光(electroluminescent)層を形成するための燐光(phosphorescent)ドーパントとして当該化合物を使用する有機電子素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)において発光効率を決定するのに最も重要な要素は電界発光材料である。現在に至るまで電界発光材料として蛍光材料が広く使用されてきたが、燐光材料の開発は電界発光メカニズムの観点から理論的に4倍まで発光効率を向上させるための最良の方法の1つである。
【0003】
現在まで、イリジウム(III)錯体が燐光材料として広く知られており、例えば、赤、緑および青のものとして、それぞれ、(acac)Ir(btp)2、Ir(ppy)3及びFirpicなどが知られている。特に、近年、日本国、欧州および米国で多くの燐光材料が研究されてきた。
【0004】
【化1】
【0005】
従来の赤色燐光材料の中には、いくつかの材料が良好なEL(電界発光)特性を有するとして報告されている。しかし、このなかの非常にわずかの材料しか商業化の水準に到達していない。最も良い材料として、1−フェニルイソキノリンのイリジウム錯体を言及することができ、これは優れたEL特性を有し、濃い赤色の色純度及び高い発光効率を示すことが知られている(A.Tsuboyama et al.,J.Am.Chem.Soc.2003,125(42),12971−12979参照)。
【0006】
【化2】
【0007】
さらに、この赤色材料は寿命上の大きな問題がなく、この赤色材料が良好な色純度または発光効率を有していれば、商業化が容易な傾向を有している。従って、前記イリジウム錯体は、その優れた色純度及び発光効率のため、商業化の可能性が非常に高い材料である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】A.Tsuboyama et al.,J.Am.Chem.Soc.2003,125(42),12971−12979
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、イリジウム錯体は、純粋な赤色と高い発光効率とを同時にもたらすことができないので、まだ小型のディスプレイにしか適用できない材料と理解されており、中から大型のOLEDパネルに適用するには限界があって、中から大型のOLEDパネルについては公知の材料のEL特性よりも高い水準のEL特性が実質的に要求される。
【0010】
上述のような従来技術の問題点を克服するために強い努力がなされており、本発明者らは、優れた量子効率および著しく改善された寿命を有する有機EL素子を実現するために、電子材料のための新規化合物を開発するための研究を行ってきた。最終的に、本発明者らは、ピリジン(従来のイリジウム錯体のためのものであった)の代わりに、キノリン環の[f]もしくは[h]が縮合している縮合ベンゾ[f]キノリンもしくはベンゾ[h]キノリンを主配位子として導入することにより合成されたイリジウム錯体を使用した場合に、純赤色でありながらも優れた発光効率および寿命特性を得ることができたことを見いだし、そして本発明を完成した。
【0011】
よって、本発明の目的は、既存の燐光材料の弱点を克服し、既存の燐光材料の特性と比較して、よりすぐれた電界発光特性をもたらす骨格を有する、電子材料のための新規化合物を提供することである。
本発明の他の目的は、中から大型のOLEDパネルに適用できる電子材料のための新規化合物、および当該化合物を含む有機電子素子を提供することである。
さらに、本発明の別の目的は、電子材料のための新規化合物を含む有機太陽電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
よって、本発明は電子材料のための新規化合物、及びこれを含む有機電子素子に関する。具体的には、本発明による電子材料のための新規化合物は下記化学式(1)により表される:
【化3】
式中、Lは有機配位子を表し;
R1とR2、もしくはR3とR4は独立して(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介して連結されて少なくとも1つの縮合環を形成し、縮合環を形成していない置換基は独立して水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルで置換されており;
R1とR2、もしくはR3とR4から(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介した連結により形成される前記縮合環、または縮合環を形成していない他の置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノは、1種以上の置換基でさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルから選択され;
R5およびR6は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;
R7およびR8は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR7とR8は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
R5、R6、R7およびR8のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択され;並びに
nは1〜3の整数であり;
ただし、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化4】
のR3とR4から形成される環がベンゼンである場合には、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化5】
のR7とR8から形成される環はベンゼンではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1はOLEDの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照すると、図1は、ガラス1、透明電極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、電界発光層5、電子輸送層6、電子注入層7及びAl陰極8を含有する、本発明のOLEDの断面図を示す。
【0015】
用語「アルキル」および「アルキル」部分を含む他の置換基は線状および分岐の種類を含む。
【0016】
本明細書に記載された用語「アリール」は、一つの水素原子の除去により芳香族炭化水素から得られる有機基を意味する。各環は、4〜7、好ましくは5〜6の環原子を含む単環または縮合環系を好適に含む。具体的な例としてフェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、インデニル、フルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、およびフルオランテニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
本明細書に記載された用語「ヘテロアリール」は、芳香族環骨格原子としてのN、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子、並びに残りの芳香族環骨格原子としての炭素原子を含有するアリール基を意味する。ヘテロアリールは、5員もしくは6員の単環式ヘテロアリール、または1以上のベンゼン環と縮合した多環式ヘテロアリールであってよく、部分的に飽和されていてよい。ヘテロアリール基は、そのヘテロ原子が酸化されるかまたは四級化されて、N−オキシド、第四級塩などを形成する二価のアリール基を含んでいてよい。具体的な例には、単環式ヘテロアリール基、例えば、フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル;多環式ヘテロアリール基、例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェナントリジニル及びベンゾジオキソリル;並びにその対応するN−オキシド(例えば、ピリジルN−オキシド、キノリルN−オキシド)及びその第四級塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
ここで言及されるナフチルは、1−ナフチルまたは2−ナフチルであってよく;アントリルは、1−アントリル、2−アントリルまたは9−アントリルであってよく;フルオレニルは、1−フルオレニル、2−フルオレニル、3−フルオレニル、4−フルオレニルまたは9−フルオレニルであってよい。
【0019】
本明細書において記載される「(C1−C60)アルキル」部分を含む置換基は、1〜60個の炭素原子、1〜20個の炭素原子または1〜10個の炭素原子を含むことができる。「(C6−C60)アリール」部分を含む置換基は、6〜60個の炭素原子、6〜20個の炭素原子、または6〜12個の炭素原子を含むことができる。「(C3−C60)ヘテロアリール」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子、4〜20個の炭素原子、または4〜12個の炭素原子を含むことができる。「(C3−C60)シクロアルキル」部分を含む置換基は、3〜60個の炭素原子、3〜20個の炭素原子、または3〜7個の炭素原子を含むことができる。「(C2−C60)アルケニルもしくはアルキニル」部分を含む置換基は、2〜60個の炭素原子、2〜20個の炭素原子、または2〜10個の炭素原子を含むことができる。
【0020】
本発明による電子材料のための新規化合物は下記化学式(2)または(3)で表される:
【化6】
【化7】
式中、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびnは化学式(1)におけるように定義され;
R11〜R14は、独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;並びに
R11〜R14のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノは1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0021】
本発明による化学式(1)で表される化合物においては、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介した連結によってR7とR8から形成される脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は、限定されないが、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、インデンもしくはフェナントレンであることができる。
【0022】
本発明による化学式(1)において、角括弧[ ]内の化合物はイリジウムの主配位子(primary ligand)の働きをし、Lは補助配位子(subsidiary ligand)の働きをする。本発明による電子材料のための有機化合物には、主配位子:補助配位子=2:1(n=2)の比率を有する錯体、主配位子:補助配位子=1:2(n=1)の比率を有する錯体、および補助配位子(L)のない(n=3)トリスキレート型(tris−chelated)錯体が挙げられる。
【0023】
本発明による電子材料のための有機化合物は、下記化学式(4)〜(13)のいずれかで表される化合物によって例示されうる:
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【0024】
式中、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびnは化学式(1)におけるように定義され;
R11、R12、R13およびR14は、化学式(2)または(3)におけるように定義され;
R21〜R25、R31〜R38およびR41〜R45は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR21〜R25、R31〜R38およびR41〜R45のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;
R39およびR40は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR39とR40は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;
R21〜R25およびR31〜R45のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0025】
化学式(1)においては、R1〜R8は独立して、水素、重水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、 デシル、ドデシル、ヘキサデシル、フルオロ、シアノ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ペプトキシ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニリル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルまたはベンジルを表し;
R1〜R8のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、ピリジル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニリル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾチアゾリルもしくはベンゾオキサゾリルは1種以上の置換基によってさらに置換されて良く、この1種以上の置換基は重水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、トリフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチル、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フルオロ、シアノ、フェニル、ナフチル、アントリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ(t−ブチル)シリル、t−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリルおよびトリフェニルシリルから選択される。
【0026】
本発明による電子材料のための有機化合物は下記化合物によって具体的に例示されうるが、これらに限定されるものではない:
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【0027】
式中、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11、R12、R13、R14およびnは化学式(2)または(3)におけるように定義され;
R46およびR47は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか;またはR46とR47は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;
R48は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;
R46〜R48のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択され;並びに
mは1〜5の整数である。
【0028】
本発明による電子材料のための有機化合物の補助配位子(L)には、以下の構造が挙げられる:
【化22】
【0029】
式中、R51〜R63は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR51〜R63のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
R51〜R63のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0030】
本発明による電子材料のための有機化合物の補助配位子(L)は、以下の構造によって例示されうるが、これに限定されない:
【化23】
【0031】
本発明による電子材料のための有機化合物を製造する方法は以下に示される反応スキーム(1)〜(3)に基づいて説明される:
【化24】
【化25】
【化26】
【0032】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびLは化学式(1)におけるように定義される。
【0033】
反応スキーム(1)は、n=1を有する化学式(1)の化合物をもたらし、ここでは、三塩化イリジウム(IrCl3)及び補助配位子化合物(L−H)が、1:2〜3のモル比で溶媒中で混合され、この混合物が還流下で加熱され、その後ジイリジウム二量体を単離する。この反応段階において、好ましい溶媒は、アルコール又はアルコール/水の混合溶媒であり、例えば、2−エトキシエタノール及び2−エトキシエタノール/水混合物である。単離されたジイリジウム二量体は、次いで、有機溶媒中で主配位子化合物と共に加熱されて、最終生成物として、1:2の主配位子:補助配位子の比率を有する有機燐光イリジウム化合物をもたらす。この反応は、有機溶媒、例えば、2−エトキシエタノール及び2−メトキシエチルエーテルと混合されているAgCF3SO3、Na2CO3又はNaOHを用いて実施される。
【0034】
反応スキーム(2)は、n=2を有する化学式(1)の化合物をもたらし、ここでは、三塩化イリジウム(IrCl3)及び主配位子化合物が、1:2〜3のモル比で溶媒中で混合され、この混合物が還流下で加熱され、その後ジイリジウム二量体を単離する。この反応段階において、好ましい溶媒は、アルコール又はアルコール/水の混合溶媒、例えば、2−エトキシエタノール及び2−エトキシエタノール/水混合物である。単離されたジイリジウム二量体は、次いで、有機溶媒中で補助配位子化合物(L−H)と共に加熱されて、最終生成物として、2:1の主配位子:補助配位子の比率を有する有機燐光イリジウム化合物をもたらす。
最終生成物中の主配位子化合物と補助配位子(L)とのモル比は、組成に応じた反応物質の適切なモル比によって決定される。この反応は、有機溶媒、例えば、2−エトキシエタノール、2−メトキシエチルエーテル及び1,2−ジクロロエタンと混合されているAgCF3SO3、Na2CO3又はNaOHを用いて実施されうる。
【0035】
反応スキーム(3)は、n=3を有する化学式(1)の化合物をもたらし、ここでは、反応スキーム(1)または(2)に従って製造されたイリジウム錯体及び主配位子化合物が、1:2〜3のモル比でグリセロール中で混合され、この混合物が還流下で加熱されて、3個の主配位子で配位された有機燐光イリジウム錯体を得る。
【0036】
本発明において主リガンドとして使用される化合物は、限定されないが、従来のプロセスに基づいて、反応スキーム(4)に示されるプロセスに従って製造されうる。
【0037】
【化27】
式中、R1〜R8は化学式(1)におけるように定義される。
【0038】
本発明は、電子材料のための化学式(1)で表される1種以上の有機化合物を含む有機太陽電池も提供する。
【0039】
本発明は、第1の電極;第2の電極;並びに、第1の電極と第2の電極との間に設けられた少なくとも1つの有機層;を含んでなる有機電子素子であって、電子材料のための化学式(1)で表される1種以上の有機化合物をこの有機層が含む有機電子素子も提供する。
【0040】
本発明による有機電子素子は、有機層が電界発光領域を含み、この電界発光領域が電子材料のための化学式(1)で表される1種以上の有機化合物を0.01〜10重量%の量で電界発光ドーパントとして、および1種以上のホスト(host)を含むことを特徴とする。本発明に従った有機電子素子に適用されるホストは特に限定されないが、1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、ポリビニルカルバゾール、m−ビスカルバゾリルフェニル、4,4′,4″−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、1,3,5−トリ(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−カルバゾリル−5−メトキシフェニル)ベンゼン、ビス(4−カルバゾリルフェニル)シラン、または化学式(14)〜(17)のいずれかで表される化合物によって例示されうる。
【0041】
【化28】
【0042】
化学式(14)においては、R91〜R94は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR91〜R94のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
R91〜R94のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0043】
【化29】
【化30】
【0044】
化学式17
L1L2M1(Q)y
【0045】
化学式17においては、配位子L1およびL2は独立して下記構造から選択され:
【化31】
式中、M1は2価または3価金属を表し;
M1が2価金属である場合にはyは0であり、一方、M1が3価金属である場合にはyは1であり;
Qは(C6−C60)アリールオキシもしくはトリ(C6−C60)アリールシリルであって、Qのアリールオキシもしくはトリアリールシリルは、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールでさらに置換されていてよく;
XはO、SまたはSeであり;
環Aはオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジンもしくはキノリンを表し、
環Bはピリジンもしくはキノリンを表し、このピリジンもしくはキノリンは(C1−C60)アルキルで、または(C1−C60)アルキル置換基を有するかもしくは有しないフェニルもしくはナフチルでさらに置換されていてよく;
R101〜R104は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか;またはR101〜R104のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
環A、またはR101〜R104のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、および縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0046】
配位子L1およびL2は独立して下記構造から選択され:
【化32】
式中、XはO、SまたはSeを表し;
R101〜R104は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR101〜R104のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;
R111〜R116およびR121〜R139は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR111〜R116およびR121〜R139のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
R101〜R104、R111〜R116およびR121〜R139のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0047】
化学式(17)においては、M1はBe、Zn、Mg、CuおよびNiから選択される2価金属、またはAl、Ga、InおよびBから選択される3価金属であり、並びにQは下記構造から選択される。
【化33】
【0048】
化学式(14)の化合物は、下記構造で表される化合物によって具体的に例示されうるが、下記のものに限定されない。
【化34】
【0049】
化学式(15)〜(17)のいずれかによって表される化合物は、下記構造のいずれかを有する化合物で具体的に例示されうるが、下記のものに限定されない。
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【0050】
電解発光層は電界発光が起こる層を意味し、これは単一層であっても、または積層された2以上の層からなる複数層であってもよい。ホスト−ドーパントの混合物が本発明の構成に従って使用される場合に、素子寿命および発光効率における顕著な向上が確認されうる。
【0051】
本発明に従った有機電子素子は、化学式(1)で表される電子材料のための有機化合物を含むと共に、アリールアミン化合物およびスチリルアリールアミン化合物からなる群から選択される1種以上の化合物をさらに含むことができる。アリールアミン化合物もしくはスチリルアリールアミン化合物の例には、化学式(18)で表される化合物が挙げられるが、これに限定されない:
【化39】
式中、Ar11およびAr12は独立して、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アリールアミノ、(C1−C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、もしくは(C3−C60)シクロアルキルを表すか、またはAr11とAr12は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;
gが1である場合には、Ar13は(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、もしくは下記構造式:
【化40】
のいずれかで表されるアリールを表し;
gが2である場合には、Ar13は(C6−C60)アリーレン、(C4−C60)ヘテロアリーレン、もしくは下記構造式:
【化41】
のいずれかで表されるアリーレンを表し;
式中、Ar21およびAr22は独立して、(C6−C60)アリーレンもしくは(C4−C60)ヘテロアリーレンを表し;
R151、R152およびR153は独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールを表し;
tは1〜4の整数であり、wは0または1の整数であり;並びに
Ar11およびAr12のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル;Ar13のアリール、ヘテロアリール、アリーレンもしくはヘテロアリーレン;Ar21およびAr22のアリーレンもしくはヘテロアリーレン;またはR151〜R153のアルキルもしくはアリールは、1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C1−C60)アルキルオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルキルチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0052】
アリールアミン化合物およびスチリルアリールアミン化合物は下記化合物でより具体的に例示されうるが、これに限定されない。
【化42】
【化43】
【0053】
本発明に従った有機電子素子においては、有機層は電子材料のための化学式(1)で表される有機化合物の他に、元素の周期表の第1族、第2族、第4周期および第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属からなる群から選択される1種以上の金属をさらに含むことができる。有機層は電界発光層に加えて電荷発生層を含むことができる。
【0054】
本発明は、化学式(1)の化合物をサブピクセルとして含み、かつアリールアミン化合物およびスチリルアリールアミン化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含むサブピクセルの1つ以上を同時に並列にパターン形成して含む有機電子素子を含む独立発光方式のピクセル構造を有する有機電子素子を実現することができる。
【0055】
さらに、有機電子素子は、電子材料のための有機化合物と共に、緑もしくは青の電界発光を有する有機化合物もしくは有機金属化合物を含むことができ、この緑もしくは青の電界発光を有する有機化合物もしくは有機金属化合物は、化学式(19)〜(23)のいずれかによって表される化合物で例示されうる。
【化44】
【化45】
【0056】
化学式(20)においては、Ar101およびAr102は独立して、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アリールアミノ、(C1−C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、もしくは(C3−C60)シクロアルキルを表すか、またはAr101とAr102は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;
hが1である場合には、Ar103は(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、もしくは下記構造式:
【化46】
のいずれかで表される置換基を表し;
hが2である場合には、Ar103は(C6−C60)アリーレン、(C4−C60)ヘテロアリーレン、もしくは下記構造式:
【化47】
のいずれかで表される置換基を表し;
式中、Ar201およびAr202は独立して、(C6−C60)アリーレンもしくは(C4−C60)ヘテロアリーレンを表し;
R161〜R163は独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールを表し;
iは1〜4の整数であり、jは0または1の整数であり;並びに
Ar101およびAr102のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル;Ar103のアリール、ヘテロアリール、アリーレンもしくはヘテロアリーレン;Ar201およびAr202のアリーレンもしくはヘテロアリーレン;またはR161〜R163のアルキルもしくはアリールは、1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C1−C60)アルキルオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルキルチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0057】
【化48】
【0058】
化学式(21)においては、R301〜R304は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR301〜R304のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
R301〜R304のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される。
【0059】
化学式22
(Ar301)p−L11−(Ar302)q
化学式23
(Ar303)r−L12−(Ar304)s
【0060】
化学式(22)および(23)においては、
L11は(C6−C60)アリーレンまたは(C4−C60)ヘテロアリーレンを表し;
L12はアントラセニレンを表し;
Ar301〜Ar304は独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C60)ヘテロアリール、(C5−C60)シクロアルキルおよび(C6−C60)アリールから選択され;Ar301〜Ar304のシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールは1種以上の置換基でさらに置換されていて良く、この1種以上の置換基はハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選択される1以上の置換基を有するもしくは有しない(C6−C60)アリールもしくは(C4−C60)ヘテロアリール;重水素;ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選択され;並びに
p、q、rおよびsは独立して、0〜4の整数を表す。
【0061】
化学式(22)または(23)で表される化合物は、化学式(24)〜(26)のいずれかで表されるアントラセン誘導体またはベンズ[a]アントラセン誘導体で例示されうる:
【化49】
【化50】
【化51】
【0062】
化学式(24)〜(26)において、
R311およびR312は独立して、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、または(C3−C60)シクロアルキルを表し;R311およびR312のアリールまたはヘテロアリールは、重水素、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選択される1以上の置換基でさらに置換されていてよく;
R313〜R316は独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C60)ヘテロアリール、(C5−C60)シクロアルキルまたは(C6−C60)アリールを表し;R313〜R316のヘテロアリール、シクロアルキルまたはアリールは、ハロゲン置換基を有するもしくは有しない(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルおよびトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選択される1以上の置換基でさらに置換されていてよく;
G1およびG2は独立して、化学結合を表すか、または1以上の置換基を有するもしくは有しない(C6−C60)アリーレンを表し、この1以上の置換基は(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールおよびハロゲンから選択され;
Ar41およびAr42は(C4−C60)ヘテロアリールまたは下記構造:
【化52】
から選択されるアリールを表し;
Ar41およびAr42のアリールまたはヘテロアリールは、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、および(C4−C60)ヘテロアリールから選択される1以上の置換基で置換されていてよく;
L31は(C6−C60)アリーレン、(C4−C60)ヘテロアリーレン、または下記構造式:
【化53】
で表される化合物を表し;
L31のアリーレンまたはヘテロアリーレンは、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールおよびハロゲンから選択される1以上の置換基で置換されていてよく;
R321〜R324は独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールを表すか、またはそのそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに
R331〜R334は独立して、水素、重水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールもしくはハロゲンを表すか、またはそのそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよい。
【0063】
緑もしくは青の電界発光を有する有機化合物および有機金属化合物は下記化合物によってより具体的に例示されうるが、これらに限定されない。
【化54】
【化55】
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【化61】
【化62】
【化63】
【化64】
【0064】
本発明の有機電子素子においては、電極の対の少なくとも一方の内側表面に、カルコゲナイド(chalcogenide)層、ハロゲン化金属層、及び金属酸化物層から選択される1以上の層(以下、「表面層」という)を配置することが好ましい。具体的に、EL媒体層の陽極表面にケイ素およびアルミニウム金属のカルコゲナイド(酸化物を含む)層を配置し、並びにEL媒体層の陰極表面にハロゲン化金属層または金属酸化物層を配置することが好ましい。これにより、駆動の安定性が得られうる。
【0065】
カルコゲナイドの例としては、好ましくは、SiOX(1≦X≦2)、AlOX(1≦X≦1.5)、SiON、SiAlONなどが挙げられる。ハロゲン化金属の例としては、好ましくは、LiF、MgF2、CaF2、希土類金属のフッ化物などが挙げられる。金属酸化物の例としては、好ましくは、Cs2O、Li2O、MgO、SrO、BaO、CaOなどが挙げられる。
【0066】
本発明の有機電子素子において、このように製造された電極の対の少なくとも一方の表面に、電子輸送化合物と還元性ドーパント(dopant)との混合領域、または正孔輸送化合物と酸化性ドーパントとの混合領域を配置することも好ましい。よって、電子輸送化合物がアニオンに還元され、混合領域からEL媒体への電子の注入及び輸送が容易になる。また、正孔輸送化合物は酸化されてカチオンを形成するので、混合領域からEL媒体への正孔の注入及び輸送が容易になる。好ましい酸化性ドーパントとしては、各種ルイス酸及びアクセプター(acceptor)化合物が挙げられる。好ましい還元性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属及びこれらの混合物が挙げられる。
【0067】
本発明に従う電子材料のための化合物は、従来の燐光材料のものよりも高い電界発光特性および良好な熱安定性、並びに高い量子効率および低い操作電圧を提供する骨格を有する。よって、本発明に従う電子材料のための化合物をOLEDパネルに適用することは、中または大サイズのOLEDのワンステップでのさらなる開発をもたらすであろうことが期待される。さらに、高効率の材料としてこの化合物を使用する有機太陽電池は従来の材料を使用するものと比較してさらに良好な特性を示すであろうことが予想される。
【0068】
ベストモード
以下の実施例において、本発明の代表的な化合物に関して、電子材料のための有機化合物、これを製造する方法、および当該化合物から製造された素子の発光特性を説明することによって、本発明がさらに説明されるが、これらは実施形態の例示のためだけに提供されるのであり、何らかの手段によって本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0069】
製造例
[製造例1]化合物2の製造
【化65】
【0070】
化合物Aの製造
2−アミノナフタレン−1−アルデヒド(5.0g、29.2mmol)、1−アセトナフタレン(4.1mL、35.1mmol)、水酸化カリウム(3.3g、58.4mmol)およびエタノール(100mL)を反応容器に入れて、この混合物を還流下アルゴン雰囲気の存在下で攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液をこれに添加した。この混合物をクロロメタンで抽出し、抽出物を減圧下でろ過した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物A (4.8g、64%)を得た。
【0071】
化合物Bの製造
化合物A(4.0g、15.7mmol)および塩化イリジウム(2.1g、7.1mmol)を2−エトキシエタノール(38mL)および蒸留水(13mL)に溶解し、この溶液をアルゴン雰囲気の存在下還流下で24時間攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却した。これにより生じた固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、化合物B(8.9g、85%)を得た。
【0072】
化合物2の製造
化合物B(8.0g、5.4mmol)、2,4−ペンタンジオン(1.7mL、16.3mmol)および炭酸ナトリウム(3.5g、32.6mmol)を2−エトキシエタノール(100mL)に溶解し、この溶液を4時間加熱した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、これにより生じた固体沈殿物をろ別した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製して、赤色結晶として化合物2(1.5g、35%)を得た。
【0073】
製造例2:化合物21の製造
【化66】
【0074】
化合物Cの製造
2−アミノナフタレン−3−アルデヒド(5.0g、29.2mmol)、アセトフェノン(4.1mL、35.1mmol)、水酸化カリウム(3.3g、58.4mmol)およびエタノール(100mL)を反応容器に入れて、この混合物を還流下アルゴン雰囲気の存在下で攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液をこれに添加した。この混合物をクロロメタンで抽出し、抽出物を減圧下でろ過した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物C (4.8g、64%)を得た。
【0075】
化合物Dの製造
化合物C(4.0g、15.7mmol)および塩化イリジウム(2.1g、7.1mmol)を2−エトキシエタノール(38mL)および蒸留水(13mL)に溶解し、この溶液をアルゴン雰囲気の存在下還流下で24時間攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却した。これにより生じた固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、化合物D(8.9g、85%)を得た。
【0076】
化合物21の製造
化合物D(8.0g、5.4mmol)、2,4−ペンタンジオン(1.7mL、16.3mmol)および炭酸ナトリウム(3.5g、32.6mmol)を2−エトキシエタノール(100mL)に溶解し、この溶液を4時間加熱した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、これにより生じた固体沈殿物をろ別した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製して、赤色結晶として化合物21(1.5g、35%)を得た。
【0077】
製造例3:化合物75の製造
【化67】
【0078】
化合物Eの製造
2−アミノナフタレン−3−アルデヒド(5.0g、29.2mmol)、3−メチルアセトフェノン(4.1mL、35.1mmol)、水酸化カリウム(3.3g、58.4mmol)およびエタノール(100mL)を反応容器に入れて、この混合物を還流下アルゴン雰囲気の存在下で攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液をこれに添加した。この混合物をクロロメタンで抽出し、抽出物を減圧下でろ過した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物E (4.8g、64%)を得た。
【0079】
化合物Fの製造
化合物E(4.0g、15.7mmol)および塩化イリジウム(2.1g、7.1mmol)を2−エトキシエタノール(38mL)および蒸留水(13mL)に溶解し、この溶液をアルゴン雰囲気の存在下還流下で24時間攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却した。これにより生じた固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、化合物F(8.9g、85%)を得た。
【0080】
化合物75の製造
化合物F(8.0g、5.4mmol)、2,4−ペンタンジオン(1.7mL、16.3mmol)および炭酸ナトリウム(3.5g、32.6mmol)を2−エトキシエタノール(100mL)に溶解し、この溶液を4時間加熱した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、これにより生じた固体沈殿物をろ別した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製して、赤色結晶として化合物75(1.5g、35%)を得た。
【0081】
製造例4:化合物1044の製造
【化68】
【0082】
化合物Gの製造
THF(50mL)に2−アミノナフタレン−3−カルバルデヒド(1.0g、5.4mmol)を溶解し、この溶液を0℃に冷却した。これにフェニルリチウム(11.9mL、21.4mmol)をゆっくりと添加した後で、この混合物を2時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液を添加することによりこの反応をクエンチした。次いで、この混合物をジエチルエーテルで抽出して、抽出物を減圧下でろ過した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物G (0.79g、60%)を得た。
【0083】
化合物Hの製造
化合物G(1.29g、5.24mmol)、1−メチルアセトフェノン(0.55mL、4.76mmol)、氷酢酸(7.13mL)および硫酸(0.04mL)を反応容器に入れて、この混合物をアルゴン雰囲気の存在下還流下で攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液をこれに添加した。このようにして生じた固体をろ別し、蒸留水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物H(1.27g、80%)を得た。
【0084】
化合物Iの製造
化合物H(0.6g、1.81mmol)および塩化イリジウム(0.25g、0.82mmol)を2−エトキシエタノール(9mL)および蒸留水(3mL)に溶解し、この溶液をアルゴン雰囲気の存在下還流下で24時間攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却した。これにより生じた固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、化合物I(0.37g、11%)を得た。
【0085】
化合物1044の製造
化合物I(0.37g、0.21mmol)、2,4−ペンタンジオン(0.06mL、0.62mmol)および炭酸ナトリウム(0.13g、1.25mmol)を2−エトキシエタノール(10mL)に溶解し、この溶液を4時間加熱した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、これにより生じた固体沈殿物をろ別した。カラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製して、赤色結晶として化合物1044(0.14g、37%)を得た。
【0086】
製造例5:化合物1446の製造
【化69】
【0087】
化合物Jの製造
THF(50mL)に2−アミノナフタレン−3−カルバルデヒド(1.0g、5.4mmol)を溶解し、この溶液を0℃に冷却した。これに4−フルオロフェニルリチウム(11.9mL、21.4mmol)をゆっくりと添加した後で、この混合物を2時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液を添加することによりこの反応をクエンチした。次いで、この混合物はジエチルエーテルで抽出され、抽出物は減圧下でろ過された。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物J (0.79g、60%)を得た。
【0088】
化合物Kの製造
化合物J(1.29g、5.24mmol)、1−メチルアセトフェノン(0.55mL、4.76mmol)、酢酸(7.13mL)および硫酸(0.04mL)を反応容器に入れて、この混合物をアルゴン雰囲気の存在下還流下で攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液をこれに添加した。このようにして生じた固体をろ別し、蒸留水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物K(1.27g、80%)を得た。
【0089】
化合物Lの製造
化合物K(0.6g、1.81mmol)および塩化イリジウム(0.25g、0.82mmol)を2−エトキシエタノール(9mL)および蒸留水(3mL)に溶解し、この溶液をアルゴン雰囲気の存在下還流下で24時間攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却した。これにより生じた固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、化合物L(0.37g、11%)を得た。
【0090】
化合物1446の製造
化合物L(0.37g、0.21mmol)、2,4−ペンタンジオン(0.06mL、0.62mmol)および炭酸ナトリウム(0.13g、1.25mmol)を2−エトキシエタノール(10mL)に溶解し、この溶液を4時間加熱した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、これにより生じた固体沈殿物をろ別した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製して、赤色結晶として化合物1446(0.14g、37%)を得た。
【0091】
製造例6:化合物1033の製造
【化70】
【0092】
化合物Mの製造
THF(50mL)に2−アミノナフタレン−1−カルバルデヒド(1.0g、5.4mmol)を溶解し、この溶液を0℃に冷却した。これに4−メチルフェニルリチウム(11.9mL、21.4mmol)をゆっくりと添加した後で、この混合物を2時間攪拌した。塩化アンモニウム水溶液を添加することによりこの反応をクエンチした。次いで、この混合物はジエチルエーテルで抽出され、抽出物は減圧下でろ過された。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物M (0.79g、60%)を得た。
【0093】
化合物Nの製造
化合物M(1.29g、5.24mmol)、1−メチルアセトフェノン(0.55mL、4.76mmol)、氷酢酸(7.13mL)および硫酸(0.04mL)を反応容器に入れて、この混合物をアルゴン雰囲気の存在下還流下で攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、過剰量の水酸化アンモニウム水溶液をこれに添加した。このようにして生じた固体をろ別し、蒸留水で洗浄した。カラムクロマトグラフィーで精製して、化合物N(1.27g、80%)を得た。
【0094】
化合物Oの製造
化合物N(0.6g、1.81mmol)および塩化イリジウム(0.25g、0.82mmol)を2−エトキシエタノール(9mL)および蒸留水(3mL)に溶解し、この溶液をアルゴン雰囲気の存在下還流下で24時間攪拌した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却した。これにより生じた固体沈殿物をろ別し、乾燥させて、化合物O(0.37g、11%)を得た。
【0095】
化合物1033の製造
化合物O(0.37g、0.21mmol)、2,4−ペンタンジオン(0.06mL、0.62mmol)および炭酸ナトリウム(0.13g、1.25mmol)を2−エトキシエタノール(10mL)に溶解し、この溶液を4時間加熱した。反応が完了した後で、反応混合物を室温まで冷却し、これにより生じた固体沈殿物をろ別した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶で精製して、赤色結晶として化合物1033(0.14g、37%)を得た。
【0096】
表1に示される電子材料のための有機化合物(化合物1〜20)は製造例1に記載されるのと同じ手順に従って製造され;表2に示されるもの(化合物21〜1028)は製造例2もしくは3の手順に従い;表3に示されるもの(化合物1029〜1043)は製造例6の手順に従い;並びに、表4に示されるもの(化合物1044〜2060)は製造例4または5の手順に従った。これらの化合物の1H NMRおよびMS/FABデータは表5に示される。
【0097】
【表1】
【表2】
【表3】
【0098】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【0099】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【0100】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【0101】
【表31】
【表32】
【表33】
【表34】
【表35】
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【0102】
【表41】
【表42】
【表43】
【表44】
【表45】
【表46】
【表47】
【表48】
【表49】
【表50】
【0103】
【表51】
【表52】
【表53】
【表54】
【表55】
【表56】
【表57】
【表58】
【表59】
【表60】
【0104】
【表61】
【表62】
【表63】
【表64】
【表65】
【表66】
【表67】
【表68】
【表69】
【表70】
【0105】
【表71】
【表72】
【表73】
【表74】
【表75】
【表76】
【表77】
【表78】
【表79】
【表80】
【0106】
【表81】
【表82】
【表83】
【表84】
【表85】
【表86】
【表87】
【表88】
【表89】
【表90】
【0107】
【表91】
【表92】
【表93】
【表94】
【表95】
【表96】
【表97】
【表98】
【表99】
【表100】
【0108】
【表101】
【表102】
【表103】
【表104】
【表105】
【表106】
【表107】
【表108】
【表109】
【表110】
【0109】
【表111】
【表112】
【表113】
【表114】
【表115】
【表116】
【表117】
【表118】
【表119】
【表120】
【0110】
【表121】
【表122】
【表123】
【表124】
【表125】
【表126】
【表127】
【表128】
【表129】
【表130】
【0111】
【表131】
【表132】
【表133】
【0112】
【表134】
【表135】
【0113】
【表136】
【表137】
【表138】
【表139】
【表140】
【0114】
【表141】
【表142】
【表143】
【表144】
【表145】
【表146】
【表147】
【表148】
【表149】
【表150】
【0115】
【表151】
【表152】
【表153】
【表154】
【表155】
【表156】
【表157】
【表158】
【表159】
【表160】
【0116】
【表161】
【表162】
【表163】
【表164】
【表165】
【表166】
【表167】
【表168】
【表169】
【表170】
【0117】
【表171】
【表172】
【表173】
【表174】
【表175】
【表176】
【表177】
【表178】
【表179】
【表180】
【0118】
【表181】
【表182】
【表183】
【表184】
【表185】
【表186】
【表187】
【表188】
【表189】
【表190】
【0119】
【表191】
【表192】
【表193】
【表194】
【表195】
【表196】
【表197】
【表198】
【表199】
【表200】
【0120】
【表201】
【表202】
【表203】
【表204】
【表205】
【表206】
【表207】
【表208】
【表209】
【表210】
【0121】
【表211】
【表212】
【表213】
【表214】
【表215】
【表216】
【表217】
【表218】
【表219】
【表220】
【0122】
【表221】
【表222】
【表223】
【表224】
【表225】
【表226】
【表227】
【表228】
【表229】
【表230】
【0123】
【表231】
【表232】
【表233】
【表234】
【表235】
【表236】
【表237】
【表238】
【表239】
【表240】
【0124】
【表241】
【表242】
【表243】
【表244】
【表245】
【表246】
【表247】
【表248】
【表249】
【表250】
【0125】
【表251】
【表252】
【表253】
【表254】
【表255】
【表256】
【表257】
【表258】
【表259】
【表260】
【0126】
【表261】
【表262】
【表263】
【表264】
【表265】
【表266】
【0127】
【表267】
【表268】
【0128】
[実施例1]OLEDの製造1
本発明による電子材料のための化合物を用いてOLED素子を製造した。
まず、OLED用ガラス(三星−コーニング社製造)(1)から得られた透明電極ITO薄膜(15Ω/□)(2)を、トリクロロエチレン、アセトン、エタノールおよび蒸留水を順に使用して超音波洗浄を行い、使用前はイソプロパノール中で貯蔵した。
次に、真空蒸着装置の基体フォルダにITO基体を備え付け、真空蒸着装置のセル内に4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)を入れて、次いで、チャンバー内の真空度が10−6torrに至るまで排気した。セルに電流を適用して2−TNATAを蒸発させ、それによりITO基体上に60nm厚を有する正孔注入層(3)を蒸着した。
【0129】
【化71】
【0130】
次いで、真空蒸着装置の他のセルに、N,N’−ビス(α−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPB)を入れて、セルに電流を適用してNPBを蒸発させ、それにより正孔注入層上に20nm厚の正孔輸送層(4)を蒸着した。
【0131】
【化72】
【0132】
前記真空蒸着装置の他のセルに、電界発光ホスト材料として、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を入れて、さらに別のセルに本発明の電子材料のための化合物(化合物2)を入れた。この2つの物質を異なる速度で蒸発させてドーピングを行って、それにより正孔輸送層上に30nm厚の電界発光層(5)を蒸着した。好適なドーピング濃度はCBP基準で4〜10重量%である。
【0133】
【化73】
【0134】
次いで、NPBにおけるのと同じ方法で、電界発光層上に正孔ブロッキング層として、ビス(2−メチル−8−キノリナト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(BAlq)を10nmの厚さで蒸着させ、電子輸送層(6)としてトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)(Alq)を20nmの厚さで蒸着し、次いで、電子注入層(7)としてリチウムキノラート(Liq)を1〜2nmの厚さで蒸着した。その後、別の真空蒸着装置を用いてAl陰極(8)を150nmの厚さで蒸着してOLEDを製造した。
【0135】
【化74】
【0136】
[実施例2]OLEDの製造2
実施例1の手順に従って、正孔注入層および正孔輸送層を形成し、電界発光層を次のように蒸着した。本発明に従って、前記真空蒸着装置の他のセルに、電界発光ホスト材料としてH−5を入れて、さらに別のセルに本発明による電子材料のための化合物(化合物52)を入れた。この2つの物質を異なる速度で蒸発させてドーピングして、それにより正孔輸送層上に30nm厚の電界発光層(5)を蒸着した。好適なドーピング濃度はホスト基準で4〜10重量%である。次いで、実施例1におけるのと同じ手順に従って正孔ブロッキング層、電子輸送層および電子注入層を蒸着し、次いで他の真空蒸着装置を用いてAl陰極を150nmの厚さで蒸着してOLEDを製造した。
【0137】
【化75】
【0138】
[実施例3]OLEDの製造3
実施例2におけるのと同様の手順に従って、正孔注入層、正孔輸送層および電界発光層を形成し、次いで電子輸送層および電子注入層を蒸着した。その後、他の真空蒸着装置を用いてAl陰極を150nmの厚さで蒸着してOLEDを製造した。
【0139】
[実験例1]電界発光材料の光学特性の評価
合成収率の高い錯体を10−6torrで真空昇華により精製し、OLEDの電界発光層のためのドーパントとして使用した。実施例1〜3で製造したOLEDの性能を確認するために、10mA/cm2でOLEDの外部量子効率を測定した。本発明に従った化合物の様々な特性が表6に示される。
【0140】
【表269】
【0141】
実施例1においては、化合物46は電圧および外部量子効率において良好な特性を示し、実施例2における化合物52並びに実施例3における化合物1745は電圧および外部量子効率において良好な特性を示した。
【符号の説明】
【0142】
1 ガラス
2 透明電極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 電界発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 Al陰極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子材料のための下記化学式(1)で表される有機化合物:
【化1】
[式中、Lは有機配位子を表し;
R1とR2、もしくはR3とR4は独立して(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介して連結されて少なくとも1つの縮合環を形成し、縮合環を形成していない置換基は独立して水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルで置換されており;
R1とR2、もしくはR3とR4から(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介した連結によって形成される縮合環、または縮合環を形成していない他の置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノは、1種以上の置換基でさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルから選択され;
R5およびR6は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;
R7およびR8は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR7とR8は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
R5、R6、R7およびR8のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択され;並びに
nは1〜3の整数であり;
ただし、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化2】
のR3とR4から形成される環がベンゼンである場合には、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化3】
のR7とR8から形成される環はベンゼンではない]。
【請求項2】
下記化学式(2)または(3)で表される化合物から選択される、請求項1に記載の電子材料のための有機化合物:
【化4】
【化5】
[式中、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびnは請求項1におけるように定義され;
R11〜R14は、独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;並びに
R11〜R14のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノは1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される]。
【請求項3】
配位子Lが下記構造から選択される、請求項2に記載の電子材料のための有機化合物:
【化6】
[式中、R51〜R63は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR51〜R63のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
R51〜R63のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される]。
【請求項4】
電子材料のための下記化学式(1)で表される有機化合物を含む有機太陽電池:
【化7】
[式中、Lは有機配位子を表し;
R1とR2、もしくはR3とR4は独立して(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介して連結されて少なくとも1つの縮合環を形成し、縮合環を形成していない置換基は独立して水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルで置換されており;
R1とR2、もしくはR3とR4から(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介した連結によって形成される縮合環、または縮合環を形成していない他の置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノは、1種以上の置換基でさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルから選択され;
R5およびR6は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;
R7およびR8は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR7とR8は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
R5、R6、R7およびR8のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択され;並びに
nは1〜3の整数であり;
ただし、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化8】
のR3とR4から形成される環がベンゼンである場合には、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化9】
のR7とR8から形成される環はベンゼンではない]。
【請求項5】
第1の電極;第2の電極;並びに、前記第1の電極と第2の電極との間に設けられた少なくとも1つの有機層を含んでなる有機電子素子であって、
前記有機層が電界発光領域を含み、当該電界発光領域は電子材料のための下記化学式(1)で表される有機化合物と、1種以上のホストとを含み、
当該1種以上のホストは、1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、ポリビニルカルバゾール、m−ビスカルバゾリルフェニル、4,4′,4″−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、1,3,5−トリ(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−カルバゾリル−5−メトキシフェニル)ベンゼン、ビス(4−カルバゾリルフェニル)シラン、または下記化学式(14)〜(17)のいずれかで表される1種以上のホストから選択される、
有機電子素子:
【化10】
[式中、Lは有機配位子を表し;
R1とR2、もしくはR3とR4は独立して(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介して連結されて少なくとも1つの縮合環を形成し、縮合環を形成していない置換基は独立して水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルで置換されており;
R1とR2、もしくはR3とR4から(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介した連結によって形成される縮合環、または縮合環を形成していない他の置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノは、1種以上の置換基でさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルから選択され;
R5およびR6は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;
R7およびR8は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR7とR8は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
R5、R6、R7およびR8のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択され;並びに
nは1〜3の整数であり;
ただし、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化11】
のR3とR4から形成される環がベンゼンである場合には、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化12】
のR7とR8から形成される環はベンゼンではない]:
【化13】
[式中、R91〜R94は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR91〜R94のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
R91〜R94のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される];
【化14】
【化15】
化学式17
L1L2M1(Q)y
[式中、配位子L1およびL2は独立して下記構造から選択され:
【化16】
式中、M1は2価または3価金属を表し;
M1が2価金属である場合にはyは0であり、一方、M1が3価金属である場合にはyは1であり;
Qは(C6−C60)アリールオキシもしくはトリ(C6−C60)アリールシリルであって、Qのアリールオキシもしくはトリアリールシリルは、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールでさらに置換されていてよく;
XはO、SまたはSeであり;
環Aはオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジンもしくはキノリンを表し;
環Bはピリジンもしくはキノリンを表し、このピリジンもしくはキノリンは(C1−C60)アルキルで、または(C1−C60)アルキル置換基を有するかもしくは有しないフェニルもしくはナフチルでさらに置換されていてよく;
R101〜R104は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか;またはR101〜R104のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
環A、またはR101〜R104のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、および縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される]。
【請求項6】
有機層が、アリールアミン化合物およびスチリルアリールアミン化合物からなる群から選択される1種以上の化合物、または元素の周期表の第1族、第2族、第4周期および第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属からなる群から選択される1種以上の金属を含む、請求項5に記載の有機電子素子。
【請求項7】
電子材料のための有機化合物に加えて、緑もしくは青の電界発光を有する有機化合物もしくは有機金属化合物を含む、請求項5に記載の有機電子素子。
【請求項8】
有機層が電界発光層および電荷発生層を含む、請求項5に記載の有機電子素子。
【請求項9】
還元性ドーパントと有機材料との混合領域、または酸化性ドーパントと有機材料との混合領域が、電極の対のうちの一方もしくは両方の電極の内側表面に配置される、請求項5に記載の有機電子素子。
【請求項1】
電子材料のための下記化学式(1)で表される有機化合物:
【化1】
[式中、Lは有機配位子を表し;
R1とR2、もしくはR3とR4は独立して(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介して連結されて少なくとも1つの縮合環を形成し、縮合環を形成していない置換基は独立して水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルで置換されており;
R1とR2、もしくはR3とR4から(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介した連結によって形成される縮合環、または縮合環を形成していない他の置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノは、1種以上の置換基でさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルから選択され;
R5およびR6は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;
R7およびR8は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR7とR8は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
R5、R6、R7およびR8のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択され;並びに
nは1〜3の整数であり;
ただし、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化2】
のR3とR4から形成される環がベンゼンである場合には、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化3】
のR7とR8から形成される環はベンゼンではない]。
【請求項2】
下記化学式(2)または(3)で表される化合物から選択される、請求項1に記載の電子材料のための有機化合物:
【化4】
【化5】
[式中、L、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびnは請求項1におけるように定義され;
R11〜R14は、独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;並びに
R11〜R14のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノは1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される]。
【請求項3】
配位子Lが下記構造から選択される、請求項2に記載の電子材料のための有機化合物:
【化6】
[式中、R51〜R63は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR51〜R63のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
R51〜R63のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される]。
【請求項4】
電子材料のための下記化学式(1)で表される有機化合物を含む有機太陽電池:
【化7】
[式中、Lは有機配位子を表し;
R1とR2、もしくはR3とR4は独立して(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介して連結されて少なくとも1つの縮合環を形成し、縮合環を形成していない置換基は独立して水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルで置換されており;
R1とR2、もしくはR3とR4から(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介した連結によって形成される縮合環、または縮合環を形成していない他の置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノは、1種以上の置換基でさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルから選択され;
R5およびR6は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;
R7およびR8は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR7とR8は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
R5、R6、R7およびR8のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択され;並びに
nは1〜3の整数であり;
ただし、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化8】
のR3とR4から形成される環がベンゼンである場合には、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化9】
のR7とR8から形成される環はベンゼンではない]。
【請求項5】
第1の電極;第2の電極;並びに、前記第1の電極と第2の電極との間に設けられた少なくとも1つの有機層を含んでなる有機電子素子であって、
前記有機層が電界発光領域を含み、当該電界発光領域は電子材料のための下記化学式(1)で表される有機化合物と、1種以上のホストとを含み、
当該1種以上のホストは、1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、ポリビニルカルバゾール、m−ビスカルバゾリルフェニル、4,4′,4″−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、1,3,5−トリ(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−カルバゾリル−5−メトキシフェニル)ベンゼン、ビス(4−カルバゾリルフェニル)シラン、または下記化学式(14)〜(17)のいずれかで表される1種以上のホストから選択される、
有機電子素子:
【化10】
[式中、Lは有機配位子を表し;
R1とR2、もしくはR3とR4は独立して(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介して連結されて少なくとも1つの縮合環を形成し、縮合環を形成していない置換基は独立して水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルで置換されており;
R1とR2、もしくはR3とR4から(C3−C12)アルキレンもしくは(C3−C12)アルケニレンを介した連結によって形成される縮合環、または縮合環を形成していない他の置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノは、1種以上の置換基でさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルから選択され;
R5およびR6は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表し;
R7およびR8は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR7とR8は、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成することができ;
R5、R6、R7およびR8のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択され;並びに
nは1〜3の整数であり;
ただし、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化11】
のR3とR4から形成される環がベンゼンである場合には、アルキレンもしくはアルケニレンを介した連結によって
【化12】
のR7とR8から形成される環はベンゼンではない]:
【化13】
[式中、R91〜R94は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか、またはR91〜R94のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
R91〜R94のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、または縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される];
【化14】
【化15】
化学式17
L1L2M1(Q)y
[式中、配位子L1およびL2は独立して下記構造から選択され:
【化16】
式中、M1は2価または3価金属を表し;
M1が2価金属である場合にはyは0であり、一方、M1が3価金属である場合にはyは1であり;
Qは(C6−C60)アリールオキシもしくはトリ(C6−C60)アリールシリルであって、Qのアリールオキシもしくはトリアリールシリルは、(C1−C60)アルキルもしくは(C6−C60)アリールでさらに置換されていてよく;
XはO、SまたはSeであり;
環Aはオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジンもしくはキノリンを表し;
環Bはピリジンもしくはキノリンを表し、このピリジンもしくはキノリンは(C1−C60)アルキルで、または(C1−C60)アルキル置換基を有するかもしくは有しないフェニルもしくはナフチルでさらに置換されていてよく;
R101〜R104は独立して、水素、重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロもしくはヒドロキシルを表すか;またはR101〜R104のそれぞれは、縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されて、脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環を形成していてもよく;並びに、
環A、またはR101〜R104のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノもしくはアリールアミノ、および縮合環を有するもしくは有しない(C3−C60)アルキレンもしくは(C3−C60)アルケニレンを介して、隣接する置換基に連結されてそこから形成された脂環式環または単環式もしくは多環式芳香族環は1種以上の置換基によってさらに置換されていてよく、この1種以上の置換基は重水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アリール(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキルオキシ、(C1−C60)アルキルチオ、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロおよびヒドロキシルから選択される]。
【請求項6】
有機層が、アリールアミン化合物およびスチリルアリールアミン化合物からなる群から選択される1種以上の化合物、または元素の周期表の第1族、第2族、第4周期および第5周期遷移金属、ランタニド金属並びにd−遷移元素の有機金属からなる群から選択される1種以上の金属を含む、請求項5に記載の有機電子素子。
【請求項7】
電子材料のための有機化合物に加えて、緑もしくは青の電界発光を有する有機化合物もしくは有機金属化合物を含む、請求項5に記載の有機電子素子。
【請求項8】
有機層が電界発光層および電荷発生層を含む、請求項5に記載の有機電子素子。
【請求項9】
還元性ドーパントと有機材料との混合領域、または酸化性ドーパントと有機材料との混合領域が、電極の対のうちの一方もしくは両方の電極の内側表面に配置される、請求項5に記載の有機電子素子。
【図1】
【公表番号】特表2013−509390(P2013−509390A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535943(P2012−535943)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/IB2009/007466
【国際公開番号】WO2011/051749
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(507256407)グレイセル・ディスプレイ・インコーポレーテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】GRACEL DISPLAY INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/IB2009/007466
【国際公開番号】WO2011/051749
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(507256407)グレイセル・ディスプレイ・インコーポレーテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】GRACEL DISPLAY INC.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]