説明

電子楽器のトランス固定装置

【課題】 トランスの振動に起因する振動を抑制することによって、雑音の発生を防止できるとともに、製造コストを増大させることなく、トランスを安定した状態で固定することができる電子楽器のトランス固定装置を提供する。
【解決手段】 トランス4が固定されたトランス固定部5a、およびトランス固定部5aの両側の2つの固定面取付部5bを一体に有するシャーシ5と、シャーシ5の各固定面取付部の各々の表面および裏面にそれぞれ設けられた第1および第2の防振材6,7と、本体部8a、およびこの本体部8aよりも所定の高さH、低い2つの取付部8bをそれぞれ一体に有する2つの固定金具8と、本体部8aと固定面3との間に、シャーシ5の各固定面取付部ならびに第1および第2の防振材6,7を挟持した状態で、各取付部8bを固定面に固定する固定手段9と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源の電圧などを所定の電圧に変圧するトランスを電子楽器の固定面に固定するための電子楽器のトランス固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のトランス固定装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。このトランス固定装置は、SMF(Standard MIDI File)プレーヤに適用されたものであり、プレーヤ本体内の上部に設けられ、トランスが取り付けられた取付板と、取付板をプレーヤ本体に取り付けるためのブラケットなどで構成されている。このトランス固定装置では、トランスを直接、取付板にねじ止めすることによって、トランスがプレーヤ本体に固定されている。
【0003】
しかし、トランスは作動時に振動するため、このトランスの振動が取付板やねじを介してプレーヤ本体に伝搬することによって、プレーヤ本体が振動し、雑音を生じるおそれがある。このため、トランスの振動の伝搬を抑制するようにした電子楽器のトランス固定装置として、図10に示したものが知られている。
【0004】
同図に示すように、このトランス固定装置51は、水平な棚板52に載置され、トランス53が取り付けられたシャーシ54と、シャーシ54の四隅にそれぞれ取り付けられ、トランス53の振動を吸収する防振材55と、これらの防振材55を介して、シャーシ54を棚板52に固定する固定ねじ56などで構成されている。
【0005】
シャーシ54は、トランス取付部54aと、その両側に一体に設けられ、これよりも一段低い2つの棚板取付部54b,54bで構成されている。各棚板取付部54bの各両端部には、円形の孔54c(1つのみ図示)が形成されている。各防振材55は、ゴムなどの弾性材で構成され、係合部55cと、係合部55cの上下に一体に形成され、係合部55cよりも大きな径を有する上部55aおよび下部55bで構成されている。各防振材55は、その弾性を利用して、棚板取付部54bの孔54cに押し込むことによって取り付けられており、この状態では、係合部55cが孔54cに係合するとともに、上部55aおよび下部55bにより防振材55が上下方向に位置決めされた状態になっている。また、各防振材55の中央には、上下方向に貫通する孔55dが形成され、この孔55dの全体にスペーサ57が下方から差し込まれている。そして、固定ねじ56をスペーサ57に上方から通し、棚板52にねじ込むことによって、シャーシ54が棚板52に固定され、それにより、トランス53が棚板52に固定されている。
【0006】
この構成では、固定ねじ56の頭部と棚板取付部54bの間に上部55aが、棚板取付部54bと棚板52の間に下部55bが、それぞれ介在するとともに、孔54cに係合部55cが係合することによって、シャーシ54が棚板52および固定ねじ56と非接触状態になるため、固定ねじ56を介した棚板52へのトランス53の振動の伝搬が抑制される。
【0007】
しかし、このトランス固定装置51では、係合部55cの上下に上部55aおよび下部55bを有する防振材55を、棚板取付部54bの孔54cに押し込むことによって棚板取付部54bに取り付ける必要があるので、防振材55の取り付けに手間がかかり、製造コストが増大してしまう。このような不具合は例えば、防振材55を軟らかい材質で構成し、防振材55を孔54cに押し込みやすくすることによって解消することが可能である。しかし、その場合には、防振材55の強度が一般には不足がちになるため、トランス53の振動により、防振材55が傷みやすくなる。
【0008】
また、従来のトランス固定装置51では、シャーシ54の四隅に固定ねじ56および防振材55をそれぞれ設けなければならないため、部品点数や組立工数が増加し、それによっても、製造コストが増大してしまう。このような不具合を解消するために、例えば各棚板取付部54bを1個所で固定し、固定ねじ56および防振材55の数を削減することが考えられる。しかし、その場合には、各棚板取付部54bが1点で支持されることと、棚板52との防振材55の接触面積が、棚板取付部54bの面積に対してはるかに小さいことから、シャーシ54が、固定ねじ56を中心として揺動するおそれがあり、トランス53を安定した状態で固定することができなくなる。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、トランスの振動に起因する固定面の振動を抑制することによって、雑音の発生を防止できるとともに、製造コストを増大させることなく、トランスを安定した状態で固定することができる電子楽器のトランス固定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【特許文献1】特願平11−272276号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、トランスを所定の固定面に固定するための電子楽器のトランス固定装置であって、トランス固定部、およびトランス固定部の両側の2つの固定面取付部を一体に有し、トランス固定部の表面にトランスが固定されたシャーシと、シャーシの2つの固定面取付部の各々の表面および裏面にそれぞれ設けられ、トランスの振動を吸収するための第1および第2の防振材と、本体部、およびこの本体部の両側に設けられ、本体部よりも所定の高さ、低い2つの取付部をそれぞれ一体に有する2つの固定金具と、2つの固定金具の各々の本体部と固定面との間に、シャーシの各固定面取付部ならびに第1および第2の防振材を挟持した状態で、2つの取付部を固定面に固定する固定手段と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
この電子楽器のトランス固定装置によれば、トランスがシャーシのトランス固定部に固定されるとともに、その両側のシャーシの2つの固定面取付部の各々の表面および裏面に、第1および第2の防振材がそれぞれ設けられている。また、シャーシの固定面取付部ならびに第1および第2の防振材が、固定金具の本体部と固定面の間に挟持された状態で、本体部の両側の2つの取付部が、固定手段によって固定面に固定されている。この構成によれば、固定金具の本体部とシャーシの固定面取付部の間に第1防振材が、固定面取付部と固定面の間に第2防振材が、それぞれ介在するので、シャーシが固定金具および固定面と非接触状態になる。これにより、トランスの振動が固定金具を介して固定面に伝搬することが抑制され、その結果、トランスの振動に起因する固定面の振動を抑制でき、したがって、雑音の発生を防止することができる。
【0013】
また、シャーシの固定面取付部ならびに第1および第2の防振材の全体を、固定金具と固定面の間に挟持することによって固定するので、第1および第2の防振材の形状を単純化できる。このため、従来と異なり、複雑な形状の防振材をシャーシに押し込む作業を省略でき、防振材の取り付けを容易に行うことができ、その分、製造コストを削減することができる。さらに、各固定金具を、2つの取付部を介して固定面に固定するので、固定金具を2点支持によって安定して強固に固定できるとともに、そのように固定された固定金具の本体部によって、シャーシの固定面取付部ならびに第1および第2の防振材を挟持するので、シャーシおよびそれに固定されたトランスを安定した状態で固定面に固定することができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電子楽器のトランス固定装置において、所定の高さは、固定面取付部と第1および第2の防振材の厚さの和よりも小さいことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、所定の高さ、すなわち固定金具の本体部と固定面に固定される取付部との間の距離が、本体部によって挟持される固定面取付部と第1および第2の防振材の厚さの和よりも小さい。このため、シャーシの固定面取付部ならびに第1および第2の防振材を、固定金具の本体部で締め付けながら強く挟持することができ、それにより、シャーシおよびトランスを確実に安定した状態で固定面に固定することができる。
【0016】
請求項3に係る発明は、トランスを所定の固定面に固定するための電子楽器のトランス固定装置であって、トランス固定部、およびトランス固定部の両側の2つの固定面取付部を一体に有し、トランス固定部の表面にトランスが固定されたシャーシと、シャーシの2つの固定面取付部の各々の表面および裏面にそれぞれ設けられ、トランスの振動を吸収するための第1および第2の防振材と、固定面に形成され、所定の深さを有し、シャーシの2つの固定面取付部ならびに第1および第2の防振材を収容する収容凹部と、固定金具と、固定金具の一部と収容凹部の底面との間に、2つの固定面取付部ならびに第1および第2の防振材を挟持した状態で、固定金具の他の部分を固定面に固定する固定手段と、を備えていることを特徴とする。
【0017】
この電子楽器のトランス固定装置によれば、トランスがシャーシのトランス固定部に固定されるとともに、その両側のシャーシの2つの固定面取付部の各々の表面および裏面に、第1および第2の防振材がそれぞれ設けられている。また、シャーシの固定面取付部ならびに第1および第2の防振材が、固定面に形成された収容凹部に収容されるとともに、固定金具の一部と収容凹部の底面の間に挟持された状態で、固定金具の他の部分が、固定手段によって固定面に固定されている。この構成によれば、固定金具とシャーシの固定面取付部の間に第1防振材が、固定面取付部と収容凹部の底面の間に第2防振材が、それぞれ介在するので、トランスの振動が固定金具を介して固定面に伝搬することが抑制され、その結果、トランスの振動に起因する固定面の振動を抑制でき、したがって、雑音の発生を防止することができる。
【0018】
また、シャーシの固定面取付部ならびに第1および第2の防振材が、固定金具と収容凹部の底面の間に挟持された状態で固定面に固定されているので、上述した請求項1に係る発明と同様、第1および第2の防振材の形状を単純化でき、それにより、第1および第2の防振材の取り付けを容易に行うことができる。さらに、固定面に固定した固定金具によって、シャーシの固定面取付部ならびに第1および第2の防振材を挟持するので、シャーシおよびそれに固定されたトランスを安定した状態で固定面に固定することができる。
【0019】
また、シャーシの固定面取付部ならびに第1および第2の防振材を収容凹部に収容し、これらを固定金具の一部と収容凹部の底面とで挟持するとともに、固定金具の他の部分を固定面に固定するので、固定金具として例えば平板状のものを用いることが可能になる。これにより、請求項1の本体部と取付部を有する固定金具と比較し、固定金具の形状を単純化できるので、それによっても、製造コストを削減することができる。
【0020】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の電子楽器のトランス固定装置において、所定の深さは、固定面取付部と第1および第2の防振材の厚さの和よりも小さいことを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、収容凹部の所定の深さ、すなわち固定金具と収容凹部の底面との間の距離が、固定金具によって挟持される固定面取付部と第1および第2の防振材の厚さの和よりも小さい。このため、請求項2に係る発明と同様、シャーシの固定面取付部ならびに第1および第2の防振材を固定金具で締め付けながら強く挟持でき、シャーシおよびトランスを確実に安定した状態で固定することができる。
【0022】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子楽器のトランス固定装置において、第1および第2の防振材は、互いに別個に構成されていることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、第1および第2の防振材をそれぞれ、単純な形状、例えばシート状のもので構成し、固定金具と固定面取付部の間と、固定面取付部と固定面の間に、それぞれ介在させるだけで、容易に取り付けることができる。
【0024】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子楽器のトランス固定装置において、第1および第2の防振材は、単一の防振材で構成され、防振材が、折りたたまれた状態で各固定面取付部の表面から裏面にわたって設けられていることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、第1および第2の防振材が、単一の防振材で構成されているので、互いに別個に構成された請求項5の防振材と比較して、部品点数および組立工数を削減でき、その分、製造コストを削減することができる。
【0026】
請求項7に係る発明は、トランスを所定の固定面に固定するための電子楽器のトランス固定装置であって、トランス固定部、およびトランス固定部の両側に設けられ、表裏方向に貫通する孔がそれぞれ形成された2つの固定面取付部を一体に有し、トランス固定部の表面にトランスが固定されたシャーシと、固定面取付部の孔に設けられるとともに、表裏方向に貫通する孔を有する防振材と、防振材の孔を介して固定面にねじ込まれることにより、固定面取付部を固定面に固定する固定ねじと、を備え、防振材は、固定面取付部の孔に係合する係合部と、係合部から表面側に突出する表面部と、係合部から裏面側に突出するとともに、表面部よりも大きな面積を有する裏面部と、を有していることを特徴とする。
【0027】
この電子楽器のトランス固定装置によれば、トランスがシャーシのトランス固定部に固定されるとともに、その両側のシャーシの2つの固定面取付部に、表裏方向に貫通する孔が形成されている。また、固定面取付部の孔に防振材が設けられ、この防振材に、表裏方向に貫通する孔が形成されている。さらに、防振材の孔を介して固定ねじが固定面にねじ込まれることによって、シャーシの固定面取付部が固定面に固定されている。また、防振材は、固定面取付部の孔に係合する係合部と、係合部から表面側および裏面側にそれぞれ突出する表面部および裏面部を有している。したがって、固定ねじと固定面取付部の間に表面部が、固定面取付部と固定面の間に裏面部が、それぞれ介在するとともに、孔に係合部が係合することによって、シャーシが固定面および固定ねじと非接触状態になる。このため、トランスの振動が固定ねじを介して固定面に伝搬することが抑制され、その結果、トランスの振動に起因する固定面の振動を抑制でき、したがって、雑音の発生を防止することができる。
【0028】
また、裏面部が、表面部よりも大きな面積を有していて、固定面との裏面部の接触面積が大きいので、裏面部によって、シャーシを安定して支持することができる。このため、シャーシが固定ねじを中心として揺動するのを防止できるなど、シャーシ、したがってトランスを安定した状態で固定することができる。その結果、防振材および固定ねじをシャーシの各固定面取付部の1個所に設けるだけでよく、従来と異なり、シャーシの四隅にそれぞれ設ける必要がないので、防振材や固定ねじの数を削減することができる。これにより、部品点数および組立工数を削減でき、その分、製造コストを削減することができる。
【0029】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の電子楽器のトランス固定装置において、係合部、表面部および裏面部は、弾性材により一体に構成され、表面部は、係合部よりも大きな面積を有していることを特徴とする。
【0030】
この構成によれば、防振材の係合部、表面部および裏面部が、一体に形成されているので、これらを互いに別個に構成した場合と比較し、部品点数および組立工数を削減でき、その分、製造コストを削減することができる。また、表面部が、係合部よりも大きな面積を有するとともに、防振材が、弾性材で構成されているので、その弾性を利用して、表面部を固定面取付部の孔に容易に押し込むことにより、ねじ止めに先立ち、防振材をシャーシに容易に取り付けることができる。また、係合部よりも大きな面積を有する表面部と裏面部によって、防振材をシャーシに位置決めした状態で取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を、詳細に説明する。図1および図2は、本発明の第1実施形態によるトランス固定装置1を示している。このトランス固定装置1は、電子ピアノ2(電子楽器)に適用されたものであり、トランス4が電子ピアノ2の棚板3に取り付けられる。これらの図に示すように、トランス固定装置1は、トランス4が固定されたシャーシ5と、トランス4の振動を吸収するための第1および第2の防振材6,7と、シャーシ5を棚板3に固定するための2つの固定金具8,8および固定ねじ9(固定手段)で構成されている。棚板3は、例えばMDFやパーティクルボードなどの木質材で構成されている。
【0032】
トランス4は、電源(図示せず)の電圧を所定の電圧(例えば15V)に降圧し、この降圧した電圧を、複数の電子部品などが取り付けられた基板(ともに図示せず)に供給するものであり、その降圧時に熱や振動を生じる。
【0033】
シャーシ5は、例えば曲げ加工された金属板で構成されている。図2に示すように、シャーシ5は、ほぼ正方形のトランス固定部5aと、その左右方向(図2の矢印A方向)の両側に一体に設けられた細長い矩形の2つの棚板取付部5b,5b(固定面取付部)で構成されている。トランス固定部5aの上面には、トランス4のトランス本体4aが固定されている。トランス固定部5aは、左右方向の両端部において下方に延びており、各下端から棚板取付部5bが水平に突出している。これにより、各棚板取付部5bは、トランス固定部5aよりも一段低くなっているとともに、前後方向(図2の矢印B方向)に長く延びている。各棚板取付部5bには、前記第1および第2の防振材6,7が取り付けられている。
【0034】
第1および第2の防振材6,7は、熱に強く、耐久性の高い弾性材、例えば合成ゴムでそれぞれ構成されている。第1および第2の防振材6,7は、シート状に形成されており、棚板取付部5bの上面および下面に、例えば両面テープ(図示せず)でそれぞれ貼り付けられている。第1および第2の防振材6,7の前後方向の長さは、シャーシ5の各棚板取付部5bの同方向の長さよりも若干大きい。第2防振材7の左右方向の長さは、棚板取付部5bの同方向の長さよりも若干大きく、また、第1防振材6は、その左右方向の長さが第2防振材7よりも大きく、トランス4側に延びており、その一端部が、各固定金具8の後述する立ち上がり部8cとトランス4の間に挟持されている。
【0035】
各固定金具8は、例えば曲げ加工された金属板で構成されている。図1に示すように、各固定金具8は、前後方向に延びる水平な本体部8aと、その両端から下方に延びる連結部8e,8eと、連結部8e,8eの下端から外方に水平に延びる取付部8b,8bで構成されている。このため、取付部8bは、本体部8aよりも一段低く、取付部8bの下面から本体部8aの下面までの高さが所定の高さHになっている。この高さHは、棚板取付部5bの厚さと、固定金具8によって後述するように挟持される前の第1および第2の防振材6,7の厚さの和よりも小さく設定されている。また、本体部8aには、その一端部から立ち上がる立ち上がり部8cが一体に形成されている。各取付部8bには、上下方向に貫通する孔8dが形成されており、この孔8dを介して、固定ねじ9を上方から棚板3にねじ込むことによって、取付部8bが棚板3に固定されている。この状態では、シャーシ5の棚板取付部5bならびに第1および第2の防振材6,7が、固定金具8の本体部8aと棚板3の間に挟持されており、それによって、シャーシ5およびそれに固定したトランス4が棚板3に固定されている。また、第1防振材6が、固定金具8の立ち上がり部8cとトランス4の間に挟持されている。
【0036】
以上のように、本実施形態によれば、固定金具8の本体部8aとシャーシ5の棚板取付部5bの間に第1防振材6が、棚板取付部5bと棚板3の間に第2防振材7が、それぞれ介在しているので、シャーシ5が固定金具8および棚板3と非接触状態になっている。これにより、トランス4の振動が固定金具8を介して棚板3に伝搬することが抑制され、その結果、トランス4の振動に起因する棚板3の振動を抑制でき、したがって、雑音の発生を防止することができる。
【0037】
また、第1および第2の防振材6,7が、それぞれシート状に形成されているので、第1および第2の防振材6,7を、本体部8aと棚板取付部5bの間と、棚板取付部5bと棚板3の間に、それぞれ介在させるだけで、容易に取り付けることができる。したがって、従来と異なり、複雑な形状の防振材をシャーシに押し込む作業を省略でき、その分、製造コストを削減することができる。さらに、各固定金具8を、2つの取付部8b,8bを介して安定して強固に棚板3に固定できるとともに、そのように固定された固定金具8の本体部8aによって、棚板取付部5bならびに第1および第2の防振材6,7を挟持する。また、固定金具8の取付部8bの下面から本体部8aの下面までの高さHが、棚板取付部5bの厚さと固定金具8によって挟持される前の第1および第2の防振材6,7の厚さの和よりも小さく設定されている。したがって、棚板取付部5bならびに第1および第2の防振材6,7を固定金具8で締め付けながら強く挟持できる。また、第1および第2の防振材6,7が弾性材で構成されているので、上記の寸法の差の分だけ、第1および第2の防振材6,7を圧縮させながら挟持できるとともに、その弾性によって緩みを防止できる。以上の結果、シャーシ5およびそれに固定されたトランス4を棚板3に確実に安定した状態で固定することができる。
【0038】
また、トランス4が左右の立ち上がり部8c,8cによって両側から挟持されるので、トランス4が左右方向に位置決めされ、その方向へのずれが防止されるとともに、立ち上がり部8cとトランス4の間に第1防振材6が挟持されているので、立ち上がり部8cを介した固定金具8へのトランス4の振動の伝搬を抑制することができる。
【0039】
図3は、第1実施形態の変形例を示している。この変形例は、図2に示した第1実施形態と比較し、防振材の構成のみが異なる。すなわち、第1実施形態では、第1および第2の防振材6,7が互いに別個に構成されているのに対し、この変形例では、防振材が単一の防振材10で構成されている。この防振材10は、棚板取付部5bの上面に設けられ、前後方向に延びるとともに、固定金具8の連結部8e,8e付近でそれぞれ折りたたまれ、棚板取付部5bの下面に沿って前後方向に中央付近まで延びている。防振材10は、第1実施形態と同様、棚板取付部5bの上面および下面に両面テープで貼り付けられている。
【0040】
この構成によれば、防振材が単一の防振材10で構成されているので、第1実施形態と比較して、部品点数および組立工数を削減でき、その分、製造コストを削減することができる。また、防振材10が連結部8e,8e付近で折りたたまれているので、棚板取付部5bの前端および後端と連結部8e,8eを確実に非接触状態に維持することができ、したがって、これらの部分を介した振動の伝搬を確実に抑制できる。なお、防振材10を左右方向に折り返してもよい。
【0041】
図4および図5は、本発明の第2実施形態によるトランス固定装置11を示している。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態と同じ構成については、同じ参照番号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。図4に示すように、シャーシ5の各棚板取付部5bの上面および下面には、第1および第2の防振材13,14がそれぞれ取り付けられている。第1および第2の防振材13,14は、第1実施形態と同様、合成ゴムなどの弾性材で構成され、細長いシート状に形成されている。第1および第2の防振材13,14は、その長さが棚板取付部5bの前後方向(図5の矢印B方向)の長さよりも若干大きく、棚板取付部5bの前端および後端から若干はみ出るとともに、各棚板取付部5bの左右の端部からはみ出た状態で棚板取付部5bに取り付けられている。
【0042】
一方、棚板12の上面には、収容凹部12aが形成されている。収容凹部12aの深さDは、棚板取付部5bと第1および第2の防振材13,14の厚さの和よりも小さく設定されている。収容凹部12aは、長方形状に形成されており、シャーシ5よりも若干大きな所定のサイズを有している。そして、この収容凹部12aにシャーシ5ならびに第1および第2の防振材13,14が収容されている。この状態では、第1および第2の防振材13,14が収容凹部12aの四方の壁面に接触しており、棚板取付部5bはこれらの壁面と非接触状態になっている。
【0043】
図5に示すように、2つの固定金具15,15は、細長い平板状の金属板で構成されており、それらの長さは、収容凹部12aの前後方向の長さよりも大きく、長さ方向に沿う所定の2つの位置に孔15aが形成されている。2つの固定金具15,15は、第1防振材13などが配置される付近の、収容凹部12aの左右方向(図5の矢印A方向)の2つの縁部にこれらに沿って固定されている。具体的には、各固定金具15は、各孔15aを介し、固定ねじ16を上方から棚板12にねじ込むことによって、固定金具15の一部が収容凹部12aに張り出した状態で、棚板12に固定されている。この状態では、棚板取付部5bならびに第1および第2の防振材13,14が、固定金具15の一部と収容凹部12aの底面12bの間に挟持されている。
【0044】
以上の構成によれば、第1実施形態による前述した効果を同様に得ることができる。すなわち、固定金具15とシャーシ5の棚板取付部5bの間に第1防振材13が、棚板取付部5bと収容凹部12aの底面12bの間に第2防振材14が、それぞれ介在するので、トランス4の振動が固定金具15を介して棚板12に伝搬することが抑制され、その結果、トランス4の振動に起因する棚板12の振動を抑制でき、したがって、雑音の発生を防止することができる。また、第1および第2の防振材13,14が、それぞれシート状に形成されているので、第1および第2の防振材13,14の取り付けを容易に行うことができる。
【0045】
さらに、棚板12に固定した固定金具15によって、シャーシ5の棚板取付部5bならびに第1および第2の防振材13,14を挟持するとともに、収容凹部12aの深さDが、棚板取付部5bの厚さと固定金具15によって挟持される前の第1および第2の防振材13,14の厚さの和よりも小さく設定されている。したがって、棚板取付部5bならびに第1および第2の防振材13,14を固定金具15で締め付けながら強く挟持できる。また、第1および第2の防振材13,14が弾性材で構成されているので、上記の寸法の差の分だけ、第1および第2の防振材13,14を圧縮させながら挟持できるとともに、その弾性によって緩みを防止できる。以上の結果、シャーシ5およびトランス4を確実に安定した状態で固定することができる。
【0046】
また、固定金具15が平板状に形成されているので、本体部8aおよび取付部8bなどを有する第1実施形態の固定金具8と比較し、固定金具15の形状を単純化でき、それによっても、製造コストを削減することができる。
【0047】
図6は、第2実施形態の変形例を示している。この変形例は、図4に示した第2実施形態と比較し、防振材の構成のみが異なる。すなわち、第2実施形態では、第1および第2の防振材13,14が互いに別個に構成されているのに対し、この変形例では防振材が単一の防振材17で構成されている。各防振材17は、棚板取付部5bの前端および後端から若干はみ出すとともに、収容凹部12aの左壁面または右壁面の付近で折りたたまれ、棚板取付部5bの上面および下面にわたって設けられており、両面テープで貼り付けられている。この構成によれば、防振材が単一の防振材17で構成されているので、第2実施形態と比較して、部品点数および組立工数を削減できる。また、防振材17が収容凹部12aの壁面付近で折りたたまれているので、各棚板取付部5bの左右の端部と収容凹部12aの壁面を確実に非接触状態に維持することができ、したがって、これらの部分を介した振動の伝搬を確実に抑制できる。
【0048】
図7〜図9は、本発明の第3実施形態によるトランス固定装置21を示している。なお、本実施形態においても、前述した第1および第2実施形態と同じ構成については、同じ参照番号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。図7に示すように、このトランス固定装置21は、第1および第2実施形態と同様の、トランス4が固定されたシャーシ5と、シャーシ5の両端部に取り付けられ、トランス4の振動を吸収する2つの防振材24,24と、これらの防振材24,24を介して、シャーシ5を棚板3に固定する2つの固定ねじ25,25などで構成されている。シャーシ5の各棚板取付部5bの中央には孔5cが形成されている。
【0049】
各防振材24は、第1および第2実施形態と同様、例えば合成ゴムなどの弾性材で構成され、係合部24cと、係合部24cの上下に一体に形成された上部24a(表面部)および下部24b(裏面部)を有している。上部24aは、係合部24cよりも大きな面積を有し、また、下部24bは、シャーシ5の棚板取付部5bとほぼ同じ面積を有しており、棚板取付部5bの形状に対応して、矩形状に形成されている。防振材24は、その弾性を利用して、棚板取付部5bの孔5cに上部24aを押し込むことによって、取り付けられており、この状態では、図9に示すように、係合部24cが棚板取付部5bの孔5cに係合するとともに、係合部24cよりも面積の大きな上部24aおよび下部24bによって防振材24が上下方向に位置決めされた状態になっている。
【0050】
また、防振材24の中央には、上下方向に貫通する孔24dが形成され、この孔24dの全体にスペーサ26が下方から差し込まれている。スペーサ26は、例えば真鍮などの金属で構成され、下端部につば部26aを一体に有するとともに、中央部を上下方向に貫通する孔26bを有している。防振材24の孔24dの下端部は、他の部分よりも径の大きな収容部24eになっており、この収容部24eにスペーサ26のつば部26aが収容され、防振材24からスペーサ26が下方に突出しないようになっている。そして、固定ねじ25をスペーサ26の孔26bに上方から通し、棚板3にねじ込むことによって、シャーシ5が棚板3に固定されている。スペーサ26は、固定ねじ25の頭部と棚板3の間の距離を一定に保つことによって、防振材24が必要以上に圧縮されるのを防止する役割を果たす。
【0051】
以上のように、本実施形態によれば、固定ねじ25の頭部とシャーシ5の棚板取付部5bの間に防振材24の上部24aが、棚板取付部5bと棚板3の間に防振材24の下部24bが、それぞれ介在するとともに、棚板取付部5bの孔5cに防振材24の係合部24cが係合することによって、シャーシ5が棚板3および固定ねじ25と非接触状態になっている。このため、トランス4の振動が固定ねじ25を介して棚板3に伝搬することが抑制され、その結果、トランス4の振動に起因する棚板3の振動を抑制でき、したがって、雑音の発生を防止することができる。
【0052】
また、防振材24の下部24bが、棚板取付部5bとほぼ同じ面積を有していて、棚板3との接触面積が大きいので、下部24bによって、シャーシ5を棚板3に安定して支持することができる。このため、シャーシ5が固定ねじ25を中心として揺動するのを防止できるなど、シャーシ5、したがってトランス4を安定した状態で固定することができる。その結果、防振材24および固定ねじ25をシャーシ5の各棚板取付部5bの1個所に設けるだけでよく、従来と異なり、シャーシの四隅にそれぞれ設ける必要がないので、防振材や固定ねじの数を削減することができる。これにより、部品点数および組立工数を削減でき、その分、製造コストを削減することができる。
【0053】
また、防振材24の係合部24c、上部24aおよび下部24bが、一体に形成されているので、これらを互いに別個に構成した場合と比較し、部品点数および組立工数を削減でき、その分、製造コストを削減することができる。また、上部24aが、係合部24cよりも大きな面積を有するとともに、防振材24が、弾性材で構成されているので、その弾性を利用して、上部24aを棚板取付部5bの孔5cに押し込むことにより、ねじ止めに先立ち、防振材24をシャーシ5に容易に取り付けることができる。また、係合部24cよりも大きな面積を有する上部24aおよび下部24bによって、防振材24をシャーシ5に位置決めした状態で取り付けることができる。
【0054】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、トランス4を、棚板3,12に固定しているが、これに限らず、電子ピアノの他の適当な固定面、例えば屋根や背板などに固定してもよい。また、第1および第2実施形態では、第1および第2の防振材6,7,13,14を、それぞれ1枚のシートで構成しているが、これらを2枚以上のシートで構成してもよい。この場合、これらのシートを並べることも積み重ねることも可能である。また、第1および第2実施形態では、固定金具8,15を金属で構成しているが、これに限らず、例えば合成樹脂などで構成してもよい。さらに、第2実施形態では、棚板取付部5bと収容凹部12aの壁面との非接触状態を、第1および第2の防振材13,14を棚板取付部5bからはみ出すように設けることによって確保しているが、これに代えて、第1および第2の防振材13,14とは別個の防振材を収容凹部12aの壁面に直接、取り付けてもよい。
【0055】
また、第3実施形態では、防振材24の下部24bの面積が、シャーシ5の各棚板取付部5bとほぼ同じに設定されているが、シャーシ5を棚板3に安定して支持できる面積であればよく、例えば棚板取付部5bの1/2程度でもよい。また、その形状は、例示した矩形状に限らず、例えば円形状でもよい。さらに、第3実施形態では、防振材24の係合部24c、上部24aおよび下部24bを一体に形成しているが、これらを互いに別個に形成してもよいことは、もちろんである。また、第3実施形態においてのシャーシ5に、その孔5cに連続し、棚板取付部5bの一端に開口するスリットを付加してもよく、その場合には、防振材24の取り付けをさらに容易に行うことができる。
【0056】
さらには、実施形態は、本発明を電子ピアノに適用した例であるが、これに限らず、本発明をシンセサイザや自動演奏ピアノなどの他のタイプの電子楽器に適用してもよいことは、もちろんである。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部を適宜、変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1実施形態によるトランス固定装置によってトランスを棚板に固定した状態を示す側面図である。
【図2】図1に対応する斜視図である。
【図3】第1実施形態の変形例を示す部分斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態によるトランス固定装置によってトランスを棚板に固定した状態を示す側面図である。
【図5】図4に対応する平面図である。
【図6】第2実施形態の変形例を示す側面図である。
【図7】本発明の第3実施形態によるトランス固定装置によってトランスを棚板に固定した状態を示す側面図である。
【図8】図7に対応する斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】従来のトランス固定装置の側面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 トランス固定装置
2 電子ピアノ(電子楽器)
3 棚板
4 トランス
5 シャーシ
5a トランス固定部
5b 棚板取付部(固定面取付部)
5c 孔
6 第1防振材
7 第2防振材
8 固定金具
8a 本体部
8b 取付部
9 固定ねじ(固定手段)
11 トランス固定装置
12 棚板
12a 収容凹部
12b 底面
13 第1防振材
14 第2防振材
15 固定金具
16 固定ねじ(固定手段)
21 トランス固定装置
24 防振材
24a 上部(表面部)
24b 下部(裏面部)
24c 係合部
24d 孔
25 固定ねじ(固定手段)
H 高さ
D 深さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスを所定の固定面に固定するための電子楽器のトランス固定装置であって、
トランス固定部、および当該トランス固定部の両側の2つの固定面取付部を一体に有し、前記トランス固定部の表面に前記トランスが固定されたシャーシと、
当該シャーシの前記2つの固定面取付部の各々の表面および裏面にそれぞれ設けられ、前記トランスの振動を吸収するための第1および第2の防振材と、
本体部、およびこの本体部の両側に設けられ、当該本体部よりも所定の高さ、低い2つの取付部をそれぞれ一体に有する2つの固定金具と、
当該2つの固定金具の各々の前記本体部と前記固定面との間に、前記シャーシの前記各固定面取付部ならびに前記第1および第2の防振材を挟持した状態で、前記2つの取付部を前記固定面に固定する固定手段と、
を備えていることを特徴とする電子楽器のトランス固定装置。
【請求項2】
前記所定の高さは、前記固定面取付部と前記第1および第2の防振材の厚さの和よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の電子楽器のトランス固定装置。
【請求項3】
トランスを所定の固定面に固定するための電子楽器のトランス固定装置であって、
トランス固定部、および当該トランス固定部の両側の2つの固定面取付部を一体に有し、前記トランス固定部の表面に前記トランスが固定されたシャーシと、
当該シャーシの前記2つの固定面取付部の各々の表面および裏面にそれぞれ設けられ、前記トランスの振動を吸収するための第1および第2の防振材と、
前記固定面に形成され、所定の深さを有し、前記シャーシの前記2つの固定面取付部ならびに前記第1および第2の防振材を収容する収容凹部と、
固定金具と、
当該固定金具の一部と前記収容凹部の底面との間に、前記2つの固定面取付部ならびに前記第1および第2の防振材を挟持した状態で、前記固定金具の他の部分を前記固定面に固定する固定手段と、
を備えていることを特徴とする電子楽器のトランス固定装置。
【請求項4】
前記所定の深さは、前記固定面取付部と前記第1および第2の防振材の厚さの和よりも小さいことを特徴とする、請求項3に記載の電子楽器のトランス固定装置。
【請求項5】
前記第1および第2の防振材は、互いに別個に構成されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子楽器のトランス固定装置。
【請求項6】
前記第1および第2の防振材は、単一の防振材で構成され、当該防振材が、折りたたまれた状態で前記各固定面取付部の表面から裏面にわたって設けられていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の電子楽器のトランス固定装置。
【請求項7】
トランスを所定の固定面に固定するための電子楽器のトランス固定装置であって、
トランス固定部、および当該トランス固定部の両側に設けられ、表裏方向に貫通する孔がそれぞれ形成された2つの固定面取付部を一体に有し、前記トランス固定部の表面に前記トランスが固定されたシャーシと、
前記固定面取付部の前記孔に設けられるとともに、表裏方向に貫通する孔を有する防振材と、
当該防振材の前記孔を介して前記固定面にねじ込まれることにより、前記固定面取付部を前記固定面に固定する固定ねじと、を備え、
前記防振材は、
前記固定面取付部の前記孔に係合する係合部と、
当該係合部から表面側に突出する表面部と、
前記係合部から裏面側に突出するとともに、前記表面部よりも大きな面積を有する裏面部と、を有していることを特徴とする電子楽器のトランス固定装置。
【請求項8】
前記係合部、前記表面部および前記裏面部は、弾性材により一体に構成され、
前記表面部は、前記係合部よりも大きな面積を有していることを特徴とする、請求項7に記載の電子楽器のトランス固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−91517(P2006−91517A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−277872(P2004−277872)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】