説明

電子機器、その制御方法及びプログラム

【課題】タッチパネル等の感度をユーザが設定できるとしても、そのような設定が適切であるとは限らない。タッチパネル等の感度があまりに高感度に設定されていると、タッチパネル等のドライバで消費する電力が増加する。そのため、タッチパネル等の感度設定を適応的に変化させ、消費電力を低減する電子機器が、望まれる。
【解決手段】電子機器は、物体が接触又は近接することで、ユーザの操作を検出する操作検出部と、操作検出部が、操作を検出する際に用いる感度設定を記憶し、操作検出部に対して行われた操作を、逐次、操作情報として記憶する記憶部と、操作情報に基づいて、感度設定を適応的に変更する制御部と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、その制御方法及びプログラムに関する。特に、タッチパネル等の操作検出手段を備える電子機器、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ゲーム機等の電子機器には、文字等を入力する手段が必要である。このような情報入力手段としては、タッチパネル、タッチパッド等が用いられる。
【0003】
ここで、電子機器は、タッチパネルを介してユーザの操作を検出するための感度に関する情報を備えている。感度に関する情報には以下のような情報が考えられる。第1に、ユーザがどの程度の圧力でタッチパネルを押した場合に、ユーザの操作を検出するかを定める接触圧に関する情報が考えられる。第2に、ユーザがタッチパネルに触れていた時間に応じて、ユーザの操作を検出するか否かを定める接触時間に関する情報が考えられる。第3に、ユーザが指等の物体を移動させた距離に応じて、ユーザの操作(例えば、フリック操作)を検出するか否かを定める接触距離に関する情報が考えられる。
【0004】
ここで、特許文献1において、タッチパネルの感度を調整するUI(User Interface)を設け、ユーザがタッチパネルの感度を選択可能とするタッチスクリーンディスプレイ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−165801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。
【0007】
上述のように、タッチパネル等を備える電子機器は、感度に関する情報を備えている。ここで、タッチパネル等を備える電子機器には、感度に関する情報は予め定められた値に固定されており、全てのユーザが同じ設定でタッチパネル等を操作しなければならない電子機器が存在する。
【0008】
このような電子機器では、ユーザそれぞれが持つ操作時の癖に対応できず、ユーザが操作感に不満を持つ恐れがある。即ち、あるユーザにとって、タッチパネルの感度が低く設定されていると(操作の判定に使用する閾値が高いと)、強い圧力で長い時間、タッチパネルに触れていなければならず、意図通りの操作が容易に行えないとの不満を持つ恐れがある。
【0009】
一方、特許文献1が開示するように、専用のUIを設け、ユーザが操作をするのに最適であると感じる感度を設定可能な電子機器も存在する。しかし、このような電子機器であっても、ユーザが定めた設定が必ずしも適切ではない場合が存在する。即ち、あるユーザの感度に関する設定が、ユーザが快適に操作するための設定値よりも遙かに感度が高く設定されている場合が考えられる。感度が高く設定されていると(操作の判定に使用する閾値が低いと)、タッチパネル等を備えた電子機器は、タッチパネル等の状態変化を頻繁に検出する必要がある。タッチパネル等の状態変化を頻繁に検出するとなれば、タッチパネル等を駆動するドライバは常に活性化状態でなければならず、ドライバで消費する電力が増加する。従って、ユーザが感度を決定したとしても、その設定が必要以上に高感度であれば、電力を浪費していることになる。
【0010】
以上のように、タッチパネル等を備えた電子機器には、解決すべき問題点が存在する。そのため、タッチパネル等の感度設定を適応的に変化させ、消費電力を低減する電子機器、その制御方法及びプログラムが、望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の視点によれば、物体が接触又は近接することで、ユーザの操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部が、操作を検出する際に用いる感度設定を記憶し、前記操作検出部に対して行われた操作を、逐次、操作情報として記憶する記憶部と、前記操作情報に基づいて、前記感度設定を適応的に変更する制御部と、を備える電子機器が提供される。
【0012】
本発明の第2の視点によれば、物体が接触又は近接することで、ユーザの操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部が、操作を検出する際に用いる感度設定を記憶する記憶部と、を備える電子機器の制御方法であって、前記操作検出部に対して行われた操作を、逐次、操作情報として前記記憶部に記憶する第1の工程と、前記操作情報に基づいて、前記感度設定を適応的に変更する第2の工程と、を含む電子機器の制御方法が提供される。
【0013】
本発明の第3の視点によれば、物体が接触又は近接することで、ユーザの操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部が、操作を検出する際に用いる感度設定を記憶する記憶部と、を備える電子機器を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、前記操作検出部に対して行われた操作を、逐次、操作情報として前記記憶部に記憶する第1の処理と、前記操作情報に基づいて、前記感度設定を適応的に変更する第2の処理と、を実行するプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の各視点によれば、タッチパネル等の感度設定を適応的に変化させ、消費電力を低減する電子機器、その制御方法及びプログラムが、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態の概要を説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る電子機器1の全体構成の一例を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る電子機器1の構成の一例を示す図である。
【図4】タッチパネルの感度設定に関する設定UIの一例を示す図である。
【図5】電子機器1が操作情報を収集する際の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】操作情報の一例を示す図である。
【図7】電子機器1がタッチパネル20の感度設定を調整する際の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】現在の感度設定が適切である場合の接触時間の分布の一例を示す図である。
【図9】現在の感度設定は高感度過ぎる場合の接触時間の分布の一例を示す図である。
【図10】現在の感度設定は低感度過ぎる場合の接触時間の分布の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0017】
上述のように、タッチパネル等の感度をユーザが設定できるとしても、そのような設定が適切であるとは限らない。タッチパネル等の感度があまりに高感度に設定されていると、タッチパネル等のドライバで消費する電力が増加する。そのため、タッチパネル等の感度設定を適応的に変化させ、消費電力を低減する電子機器が、望まれる。
【0018】
そこで、一例として図1に示す電子機器を提供する。図1に示す電子機器は、物体が接触又は近接することで、ユーザの操作を検出する操作検出部と、操作検出部が、操作を検出する際に用いる感度設定を記憶し、操作検出部に対して行われた操作を、逐次、操作情報として記憶する記憶部と、操作情報に基づいて、感度設定を適応的に変更する制御部と、を備えている。
【0019】
図1に示す電子機器は、ユーザが操作検出部(例えば、タッチパネル等)に対して行った操作を、逐次、操作情報として記憶する。制御部では、記憶した操作情報から、現在の感度設定がユーザの操作に適切なものか判断する。さらに、ユーザ操作の適切性を判断した制御部は、判断結果に基づいて、ユーザ操作と電子機器が消費する電力との関係が最適になるように制御する(感度設定を適応的に変更する)。その結果、タッチパネル等の感度設定を適応的に変化させ、消費電力を低減する電子機器が、提供できる。
【0020】
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0021】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0022】
図2は、本実施形態に係る電子機器1の全体構成の一例を示す平面図である。
【0023】
電子機器1は、液晶パネル10と、タッチパネル20を備えている。
【0024】
液晶パネル10には、ユーザが電子機器1を操作する際に必要な情報を表示する。なお、電子機器1が備える表示手段は液晶パネルに限定する趣旨ではない。有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示手段であっても良い。
【0025】
タッチパネル20は、平板状のセンサによりユーザの操作を検出するデバイスである。タッチパネルの方式には、静電容量方式を初めとして各種存在するが、その方式は問わない。例えば、ユーザの指等の物体が近接したことを検出する近接検出型のタッチパネルを用いることも可能である。
【0026】
次に、電子機器1の内部構成について説明する。
【0027】
図3は、本実施形態に係る電子機器1の構成の一例を示す図である。
【0028】
図3に示す電子機器1は、液晶パネル10と、タッチパネル20と、操作部101と、表示部102と、制御部103と、メモリ104と、記憶部105から構成されている。なお、図3には、簡単のため、本実施形態に係る電子機器1に関係するモジュールのみを記載する。液晶パネル10、タッチパネル20は上述のとおりであるので、さらなる説明を省略する。
【0029】
操作部101は、タッチパネル20と接続されており、タッチパネル20の設定・駆動を行うドライバとしての役割を担う。操作部101は、ユーザがタッチパネル20に触れた位置を検出し、その座標情報を制御部103に出力する。
【0030】
表示部102は、液晶パネル10と接続されており、液晶パネル10の設定・駆動を行うドライバとしての役割を担う。表示部102では、制御部103から送信されてくる画面表示情報から液晶パネル10を駆動するための信号を生成し、液晶パネル10に送信する。
【0031】
制御部103は、操作部101が検出したユーザ操作に基づいて動作モードの切り替えや、各アプリケーションに対する動作指示、ユーザが電子機器1を操作する際に必要な情報の生成及び表示などを実現する。なお、制御部103は、CPU(Central Processing Unit)上で動作するプログラムによって実現し得る。
【0032】
メモリ104は、制御部103の動作の際に必要となる情報を一時的に記憶する。
【0033】
記憶部105は、電子機器1の各機能を実現する際に必要となる各種の設定情報を記憶する。
【0034】
次に、電子機器1の動作について説明する。
【0035】
電子機器1は、タッチパネルの感度設定に関する設定UIを備えている。図4は、タッチパネルの感度設定に関する設定UIの一例を示す図である。図4に示すタッチパネルの感度設定の設定UIでは、4つの設定値が選択可能である。4つの設定値はそれぞれ、1:自動制御、2:高感度、3:通常感度、4:低感度である。
【0036】
ユーザが、高感度、通常感度、低感度のいずれかの設定を選択すると、電子機器1はタッチパネルの感度を自動的に調整しない。高感度、通常感度、低感度の各設定が設定されている場合には、制御部103は、それぞれの感度設定に従って、タッチパネル20を介して行われるユーザの操作を判定する。
【0037】
一方、ユーザが自動制御を選択した場合には、電子機器1はタッチパネルの感度を自動的に調整する。
【0038】
以下、電子機器1のタッチパネルの感度設定には、自動制御が選択されているものとして、電子機器1の動作を説明する。
【0039】
初めに、自動制御が設定されている場合の電子機器1の動作を概説する。
【0040】
自動制御が設定されている場合には、電子機器1は、ユーザがタッチパネル20を用いて操作した場合の接触圧、接触時間、接触距離等の感度に関する情報を収集する。この収集した情報に基づいて、電子機器1は、現在の感度設定がユーザの操作に適切なものか判断する。その際に、電子機器1が、現在の感度設定は、ユーザがタッチパネル20を扱う操作からは高感度過ぎると判断すれば、内部の感度設定を低感度となる方向に調整する。
【0041】
一方、電子機器1が、現在の感度設定は、ユーザがタッチパネル20を扱う操作からは低感度過ぎると判断すれば、内部の感度設定を高感度となる方向に調整する。電子機器1は、このような自動調整を予め定めた調整規則に従って行う。なお、調整規則は、一定時間経過後に自動調整すると定めても良いし、一定量の操作が行われた後に自動調整すると定めても良い。
【0042】
次に、電子機器1が、ユーザがタッチパネル20を用いて操作した場合の操作情報(接触圧、接触時間、接触距離)を収集する際の動作について説明する。
【0043】
図5は、電子機器1が操作情報を収集する際の動作の一例を示すフローチャートである。
【0044】
ステップS01では、制御部103は、ユーザがタッチパネル20の操作を行ったか否かを判断する。制御部103が、ユーザがタッチパネル20の操作を行ったと判断した場合には、ステップS02に遷移する。制御部103が、ユーザがタッチパネル20の操作を行っていないと判断した場合には、ステップS01の処理を継続する。
【0045】
ステップS02では、操作部101が、ユーザがタッチパネル20を操作した際の操作情報を取得する。さらに、操作部101は取得した操作情報を制御部103に出力する。
【0046】
ステップS03では、制御部103が、操作部101が出力する操作情報を取得する。さらに、制御部103は、取得した操作情報を記憶部105に記憶する。記憶部105が記憶する操作情報を蓄積操作情報とする。なお、ユーザがタッチパネル20を連続して操作した場合にも、操作情報を取得し、記憶することが望ましいので、制御部103は、メモリ104に一時的に操作情報を記憶しても良い。この場合には、ユーザの連続操作が終了した時点で、操作情報を記憶部105に記憶する。
【0047】
図6は、操作情報の一例を示す図である。図6に示す数字は相対的なものであり、その単位は使用するタッチパネル20の方式により異なる。
【0048】
次に、電子機器1がタッチパネル20の感度設定を調整する際の動作について説明する。
【0049】
図7は、電子機器1がタッチパネル20の感度設定を調整する際の動作の一例を示すフローチャートである。
【0050】
ステップS11では、制御部103が、ユーザの設定した感度設定を確認する。
【0051】
ステップS12では、制御部103が、ステップS11で確認した感度設定が自動設定か否かを判断する。制御部103が、感度設定は自動設定であると判断した場合には、ステップS12に遷移する。制御部103が、感度設定は自動設定ではないと判断した場合には、処理を終了する。
【0052】
ステップS13では、制御部103が、記憶部105が記憶している蓄積操作情報を読み出す。
【0053】
ステップS14では、制御部103が、現在の感度設定は高感度過ぎるか否かを判断する。制御部103が、現在の感度設定は高感度過ぎると判断した場合には、ステップS15に遷移する。制御部103が、現在の感度設定は高感度過ぎではないと判断した場合には、ステップS16に遷移する。なお、制御部103における感度設定の適切性の判断については後述する。
【0054】
ステップS15では、制御部103が、感度設定を低くする。ここで、タッチパネルの感度設定において、自動制御が選択されている場合の初期値は通常感度とする。従って、現在の感度設定が初期値のままであれば、感度設定を低感度とする。現在の感度設定が高感度であれば、通常感度に設定する。
【0055】
なお、上記感度設定の選択は一例であって、これに限定する趣旨ではない。タッチパネルの感度設定とは無関係に感度設定をより細かく規定することも可能である(例えば、多段階の感度設定を電子機器1の内部で規定し、徐々に感度を変更することも考えられる)。
【0056】
ステップS16では、制御部103が、現在の感度設定は低感度過ぎるか否かを判断する。制御部103が、現在の感度設定は低感度過ぎると判断した場合には、ステップS17に遷移する。制御部103が、現在の感度設定は低感度過ぎではないと判断した場合には、処理を終了する。
【0057】
ステップS17では、制御部103が、感度設定を高くする。
【0058】
ステップS18では、制御部103が、ステップS15及びS17で再設定された感度設定を記憶部105に記憶する。なお、変更後の感度設定をユーザに通知する必要は必ずしもない。
【0059】
ステップS19では、制御部103が、ステップS13で読み出した蓄積操作情報(旧操作情報)を初期化する(記憶部105から削除する)。蓄積操作情報を初期化する理由は、タッチパネルの感度を再設定しているため、再設定した感度で、ユーザがタッチパネル20を操作する際の情報を収集する必要があるためである。なお、何かしらの理由により旧操作情報を削除できない場合には、旧操作情報にフラグを付し、記憶部105に留めておく。制御部103では、フラグが付されている蓄積操作情報を感度設定の適切性の判断には用いない。
【0060】
続いて、制御部103における感度設定の適切性の判断について説明する。
【0061】
図8〜図10は、接触時間の分布の一例を示す図である。図8〜図10では、蓄積操作情報のうち、接触時間に関する分布とユーザの操作を判定する閾値とを重ね合わせた図である。
【0062】
図8は、現在の感度設定が適切である場合の接触時間の分布の一例を示す図である。図9は、現在の感度設定は高感度過ぎる場合の接触時間の分布の一例を示す図である。図10は、現在の感度設定は低感度過ぎる場合の接触時間の分布の一例を示す図である。
【0063】
図8では、略全ての接触時間が閾値以上であって、かつ、閾値近辺に集中している。従って、この場合には、タッチパネル20に対するユーザの操作は、ほぼ有効であると判定されており、かつ、閾値からも乖離していないので、操作部101が活性化している時間(動作している時間)は適切であると判断できる。
【0064】
図9では、殆どの接触時間は閾値以上である。従って、図9に示すユーザの操作は有効なものとして、制御部103は判断することが多い。しかし、有効な操作として判定された接触時間の個数と、有効な操作として判定されない接触時間の個数との差が非常に大きい。つまり、この差が一定数以上の場合には、制御部103は、タッチパネルの感度設定は適切とは言えず、感度設定が高すぎると判断する。感度設定が高いため、操作部101が活性化している時間が非常に長くなる。操作部101が活性化している時間が長いため、電子機器1の消費電力は増加する。
【0065】
図10では、閾値を超えている接触時間の個数は少ない。従って、図10に示すユーザの操作は、殆ど有効なものとして制御部101で判断されない。この場合には、ユーザは電子機器1の操作感について不満を持つことになる。従って、有効な操作として判定されない接触時間の個数が、有効な操作として判定された接触時間の個数よりも多く、制御部103は、タッチパネルの感度設定が低すぎると判断する。
【0066】
以上のように、本実施形態に係る電子機器1は、ユーザがタッチパネル20に対して行った操作の蓄積及び解析を行っている。解析を行った結果、ユーザの操作に最も適した感度設定を選択する。その結果、タッチパネル20のドライバとなる操作部101が活性化している時間とユーザの操作感を両立させることができる。即ち、タッチパネル20の感度設定を適応的に変化させ、消費電力の低減を可能とする。
【0067】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0068】
(付記1)物体が接触又は近接することで、ユーザの操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部が、操作を検出する際に用いる感度設定を記憶し、前記操作検出部に対して行われた操作を、逐次、操作情報として記憶する記憶部と、前記操作情報に基づいて、前記感度設定を適応的に変更する制御部と、を備える電子機器。
【0069】
(付記2)前記操作情報には、前記操作検出部に加わる圧力情報、前記操作検出部に物体が接触、又は、近接する時間情報、前記操作検出部上を物体が移動する距離情報、のいずれかの操作決定要素が含まれ、前記制御部は、前記操作決定要素と、前記操作決定要素に対応する前記感度設定と、を比較することで、前記感度設定を変更する電子機器。
【0070】
(付記3)前記制御部は、複数の前記操作決定要素のうち、前記操作検出部が操作の検出に至った第1の操作決定要素と、前記操作検出部が操作の検出に至らなかった第2の操作決定要素と、の数を比較し、前記第1の操作決定要素の数が、前記第2の操作決定要素の数より、第1の所定値分より多い場合には、前記第1の操作決定要素が減少する方向に前記感度設定を変更する電子機器。
【0071】
(付記4)前記制御部は、前記第2の操作決定要素の数が、前記第1の操作決定要素の数より、第2の所定値分より多い場合には、前記第1の操作決定要素が増加する方向に前記感度設定を変更する電子機器。
【0072】
(付記5)前記制御部は、前記感度設定を、予め定められた周期で、又は、前記操作検出部に対して行われた操作が予め定めた回数を超えた場合に、変更する電子機器。
【0073】
(付記6)物体が接触又は近接することで、ユーザの操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部が、操作を検出する際に用いる感度設定を記憶する記憶部と、を備える電子機器の制御方法であって、前記操作検出部に対して行われた操作を、逐次、操作情報として前記記憶部に記憶する第1の工程と、前記操作情報に基づいて、前記感度設定を適応的に変更する第2の工程と、を含む電子機器の制御方法。
【0074】
(付記7)前記操作情報には、前記操作検出部に加わる圧力情報、前記操作検出部に物体が接触、又は、近接する時間情報、前記操作検出部上を物体が移動する距離情報、のいずれかの操作決定要素が含まれ、前記第2の工程は、前記操作決定要素と、前記操作決定要素に対応する前記感度設定と、を比較することで、前記感度設定を変更する工程を含む電子機器の制御方法。
【0075】
(付記8)前記第2の工程は、複数の前記操作決定要素のうち、前記操作検出部が操作の検出に至った第1の操作決定要素と、前記操作検出部が操作の検出に至らなかった第2の操作決定要素と、の数を比較する工程と、前記第1の操作決定要素の数が、前記第2の操作決定要素の数より、第1の所定値分より多い場合には、前記第1の操作決定要素が減少する方向に前記感度設定を変更する工程と、を含む電子機器の制御方法。
【0076】
(付記9)前記第2の工程は、前記第2の操作決定要素の数が、前記第1の操作決定要素の数より、第2の所定値分より多い場合には、前記第1の操作決定要素が増加する方向に前記感度設定を変更する工程を含む電子機器の制御方法。
【0077】
(付記10)物体が接触又は近接することで、ユーザの操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部が、操作を検出する際に用いる感度設定を記憶する記憶部と、を備える電子機器を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、前記操作検出部に対して行われた操作を、逐次、操作情報として前記記憶部に記憶する第1の処理と、前記操作情報に基づいて、前記感度設定を適応的に変更する第2の処理と、を実行するプログラム。
【0078】
(付記11)前記操作情報には、前記操作検出部に加わる圧力情報、前記操作検出部に物体が接触、又は、近接する時間情報、前記操作検出部上を物体が移動する距離情報、のいずれかの操作決定要素が含まれ、前記第2の処理は、前記操作決定要素と、前記操作決定要素に対応する前記感度設定と、を比較することで、前記感度設定を変更する処理を実行するプログラム。
【0079】
(付記12)前記第2の処理は、複数の前記操作決定要素のうち、前記操作検出部が操作の検出に至った第1の操作決定要素と、前記操作検出部が操作の検出に至らなかった第2の操作決定要素と、の数を比較する処理と、前記第1の操作決定要素の数が、前記第2の操作決定要素の数より、第1の所定値分より多い場合には、前記第1の操作決定要素が減少する方向に前記感度設定を変更する処理と、を実行するプログラム。
【0080】
(付記13)前記第2の処理は、前記第2の操作決定要素の数が、前記第1の操作決定要素の数より、第2の所定値分より多い場合には、前記第1の操作決定要素が増加する方向に前記感度設定を変更する処理を実行するプログラム。
【0081】
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0082】
1 電子機器
10 液晶パネル
20 タッチパネル
101 操作部
102 表示部
103 制御部
104 メモリ
105 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体が接触又は近接することで、ユーザの操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部が、操作を検出する際に用いる感度設定を記憶し、前記操作検出部に対して行われた操作を、逐次、操作情報として記憶する記憶部と、
前記操作情報に基づいて、前記感度設定を適応的に変更する制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記操作情報には、前記操作検出部に加わる圧力情報、前記操作検出部に物体が接触、又は、近接する時間情報、前記操作検出部上を物体が移動する距離情報、のいずれかの操作決定要素が含まれ、
前記制御部は、前記操作決定要素と、前記操作決定要素に対応する前記感度設定と、を比較することで、前記感度設定を変更する請求項1の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、
複数の前記操作決定要素のうち、前記操作検出部が操作の検出に至った第1の操作決定要素と、前記操作検出部が操作の検出に至らなかった第2の操作決定要素と、の数を比較し、
前記第1の操作決定要素の数が、前記第2の操作決定要素の数より、第1の所定値分より多い場合には、前記第1の操作決定要素が減少する方向に前記感度設定を変更する請求項2の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2の操作決定要素の数が、前記第1の操作決定要素の数より、第2の所定値分より多い場合には、前記第1の操作決定要素が増加する方向に前記感度設定を変更する請求項3の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記感度設定を、予め定められた周期で、又は、前記操作検出部に対して行われた操作が予め定めた回数を超えた場合に、変更する請求項1乃至4のいずれか一に記載の電子機器。
【請求項6】
物体が接触又は近接することで、ユーザの操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部が、操作を検出する際に用いる感度設定を記憶する記憶部と、
を備える電子機器の制御方法であって、
前記操作検出部に対して行われた操作を、逐次、操作情報として前記記憶部に記憶する第1の工程と、
前記操作情報に基づいて、前記感度設定を適応的に変更する第2の工程と、
を含むことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項7】
前記操作情報には、前記操作検出部に加わる圧力情報、前記操作検出部に物体が接触、又は、近接する時間情報、前記操作検出部上を物体が移動する距離情報、のいずれかの操作決定要素が含まれ、
前記第2の工程は、前記操作決定要素と、前記操作決定要素に対応する前記感度設定と、を比較することで、前記感度設定を変更する工程を含む請求項6の電子機器の制御方法。
【請求項8】
前記第2の工程は、
複数の前記操作決定要素のうち、前記操作検出部が操作の検出に至った第1の操作決定要素と、前記操作検出部が操作の検出に至らなかった第2の操作決定要素と、の数を比較する工程と、
前記第1の操作決定要素の数が、前記第2の操作決定要素の数より、第1の所定値分より多い場合には、前記第1の操作決定要素が減少する方向に前記感度設定を変更する工程と、
を含む請求項7の電子機器の制御方法。
【請求項9】
前記第2の工程は、前記第2の操作決定要素の数が、前記第1の操作決定要素の数より、第2の所定値分より多い場合には、前記第1の操作決定要素が増加する方向に前記感度設定を変更する工程を含む請求項8の電子機器の制御方法。
【請求項10】
物体が接触又は近接することで、ユーザの操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部が、操作を検出する際に用いる感度設定を記憶する記憶部と、
を備える電子機器を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記操作検出部に対して行われた操作を、逐次、操作情報として前記記憶部に記憶する第1の処理と、
前記操作情報に基づいて、前記感度設定を適応的に変更する第2の処理と、
を実行するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−69219(P2013−69219A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208880(P2011−208880)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】