説明

電子機器、及び録画制御プログラム

【課題】ユーザのニーズや無線通信環境に応じた適切な録画制御を行う。
【解決手段】携帯電話機100は、3G無線通信方式/LTE無線通信方式によって無線通信を行う3G無線制御部202/LTE無線制御部203を備える。携帯電話機100は、3G無線通信方式又はLTE無線通信方式のいずれかにより確立された無線通信路でテレビ電話通信を実行するテレビ電話制御部210を備える。携帯電話機100は、テレビ電話通信の内容の記録を要求する録画要求を受け付ける入力制御部218を備える。携帯電話機100は、録画要求を受けた場合に、3G無線通信方式又はLTE無線通信方式から他方の無線通信方式に切り替える3G・LTE切り替え制御部204を備える。携帯電話機100は、切り替えた無線通信方式による無線通信路が確立された場合、切り替え後の無線通信路でのテレビ電話通信の内容を記憶媒体に記録する録画部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、及び録画制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機などの電子機器では、音声通話を行うだけではなく、通信相手の電子機器に搭載されたカメラで撮像された風景又は通信相手の顔などの動画像をリアルタイムで受信しながら音声通話を行うテレビ電話機能が知られている。
【0003】
このようなテレビ電話機能を用いることにより、例えば、旅行中の友人から旅行先の風景の動画像を受信し、受信した動画像を電子機器の記憶媒体に録画することができる。しかしながら、従来のテレビ電話機能では、テレビ電話で送られる動画像は解像度が比較的低いので、記憶媒体に保存した動画像を後から再生したり編集したりするのには向いていなかった。
【0004】
これに対して近年、次世代通信規格としてLTE(Long Term Evolution)通信規格が普及しつつある。LTE通信規格は、高速パケット通信機能付き携帯電話機及び基地局装置を使った次世代通信環境であり、例えば下り100Mbps/上り50Mbpsの高速通信が可能となる。LTE通信規格によるテレビ電話機能を用いることにより、携帯電話機をパケット接続し、高画質な動画像をリアルタイムに受信することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−5950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術は、単にリアルタイムで受信した動画像を記憶媒体に録画するだけである。このため、従来技術は、ユーザのニーズや無線通信環境を考慮して録画制御を実行することは考慮されていない。
【0007】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザのニーズや無線通信環境に応じた適切な録画制御を行うことができる電子機器、及び録画制御プログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示する電子機器は、一つの態様において、第一の無線通信方式及び第二の無線通信方式の無線通信方式によって無線通信が可能な機能を備える。また、電子機器は、前記第一の無線通信方式又は前記第二の無線通信方式のいずれかにより確立された無線通信路でテレビ電話通信を実行するテレビ電話制御部を備える。また、電子機器は、前記テレビ電話通信の内容の記録を要求する録画要求を受け付ける録画要求受付部を備える。また、電子機器は、前記録画要求を受けた場合に、前記確立された無線通信路に係る前記第一の無線通信方式又は前記第二の無線通信方式から他方の無線通信方式に切り替える無線通信方式切り替え部を備える。また、電子機器は、前記切り替えた無線通信方式による無線通信路が確立された場合、当該切り替え後の無線通信路でのテレビ電話通信の内容を記憶媒体に記録する録画部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する電子機器の一つの態様によれば、ユーザのニーズや無線通信環境に応じた適切な録画制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例1に係る携帯電話機のハードウェア構成を示す図である。
【図2】図2は、実施例1に係る携帯電話機の機能ブロックを示す図である。
【図3】図3は、実施例1に係る携帯電話機の処理の概要を示す図である。
【図4】図4は、実施例1に係る携帯電話機の処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施例2に係る携帯電話機の機能ブロックを示す図である。
【図6】図6は、実施例2に係る携帯電話機の処理を示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施例3に係る携帯電話機の処理を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例3に係る携帯電話機の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する電子機器、及び録画制御プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により開示技術が限定されるものではない。例えば、以下の実施例では、電子機器の一例として携帯電話機を挙げて説明するが、これに限らず、無線通信機能を備えた電子機器であればよい。
【実施例1】
【0012】
図1は、実施例1に係る携帯電話機のハードウェア構成を示す図である。図1に示すように、実施例1の携帯電話機100は、アンテナ102、3G(Third Generation)無線通信部104、LTE無線通信部105、表示部106、マイク108、スピーカ110、及び音声入出力部112を備える。また、携帯電話機100は、メモリ130、SD(Secure Digital)カード挿入スロット135、キー制御部138、およびプロセッサ140を備える。SDカード挿入スロット135には、SDカード136が挿入される。
【0013】
3G無線通信部104は、第3世代通信規格(3G)に準拠してアンテナ102を介して音声や文字などの各種データの無線通信を行う。また、LTE無線通信部105は、LTE通信規格に準拠してアンテナ102を介して音声や文字などの各種データの無線通信を行う。なお、LTE通信規格の無線通信方式による無線通信は、第3世代通信規格の無線通信方式による無線通信よりも理論上のデータ伝送速度が高速なものである。
【0014】
また、表示部106は、文字や画像などの各種情報を表示する液晶パネルなどの出力インターフェースである。また、キー制御部138は、携帯電話機100に設けられたキーによる入力操作を受け付ける入力インターフェースである。また、音声入出力部112は、マイク108を介して音声を入力するとともにスピーカ110を介して音声を出力する入出力インターフェースである。
【0015】
メモリ130は、携帯電話機100の各種機能を実行するためのデータを格納するROM(Read Only Memory)132と、各種機能を実行するための各種プログラムを格納するRAM(Random Access Memory)134とを有する。
【0016】
SDカード挿入スロット135は、例えば携帯電話機100の側面などに形成されたSDカード136の差込口である。SDカード136は、SDカード挿入スロット135を介して携帯電話機100に対して挿抜可能であり、文字、画像及び音声などの各種情報を格納することができる情報記憶媒体である。
【0017】
プロセッサ140は、ROM132又はRAM134に格納された各種プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等の演算処理部である。プロセッサ140は、ROM132又はRAM134に格納された各種プログラムを実行することにより、上述した3G無線通信部104、LTE無線通信部105、表示部106、および音声入出力部112を制御する。なお、プロセッサ140で実行されるプログラムは、ROM132又はRAM134に格納されるだけではなく、CD(Compact Disc)−ROMやメモリ媒体等の頒布できる記憶媒体に記録しておき、記憶媒体から読み出して実行することができる。また、ネットワークを介して接続されたサーバにプログラムを格納し、サーバ上でプログラムが動作するようにしておいて、ネットワークを介して接続される携帯電話機100からの要求に応じてサービスを要求元の携帯電話機100に提供することもできる。
【0018】
図2は、実施例1に係る携帯電話機の機能ブロックを示す図である。図2に示すように、携帯電話機100は、プロセッサ140がROM132又はRAM134から各種プログラムを読み出して実行することによって実現される機能ブロックとして、3G無線制御部202とLTE無線制御部203とを備える。また、携帯電話機100は、機能ブロックとして、3G・LTE切り替え制御部204と、呼制御部206と、エンコーダ/デコーダ制御部208と、テレビ電話制御部210とを備える。また、携帯電話機100は、機能ブロックとして、LTE画像録画部214と、3G画像録画部216と、入力制御部218と、表示制御部220と、データ部222とを備える。
【0019】
なお、図2においては、説明の便宜上、データ部222は、例えば携帯電話機100の電話帳のデータ、又はユーザが撮影した画像データなどの各種データが格納されるメモリとして表している。データ部222の各種データは、例えば、ROM132、RAM134、又はSDカード136に格納することもできる。
【0020】
3G無線制御部202は、3G無線通信部104を制御することによって、第3世代通信規格(3G)に準拠して音声や文字などの各種データの無線通信の制御を実行する。また、3G無線制御部202は、各地に点在する複数の無線基地局のうちの1または複数の無線基地局との間で電波を送受信するとともに、通信ネットワークの状態変化(例えば電波状態の強弱の変化など)を検出する。また、3G無線通信部104は、例えば、第3世代通信規格による無線通信から、LTE通信規格による無線通信へ切り替える場合には、切り替え要求を3G用の基地局に送信する。
【0021】
LTE無線制御部203は、LTE無線通信部105を制御することによって、LTE通信規格に準拠して音声や文字などの各種データの無線通信の制御を実行する。また、LTE無線制御部203は、各地に点在する複数の無線基地局のうちの1または複数の無線基地局との間で電波を送受信するとともに、通信ネットワークの状態変化(例えば電波状態の強弱の変化など)を検出する。また、LTE無線制御部203は、例えば、LTE通信規格による無線通信から、第3世代通信規格による無線通信へ切り替える場合には、切り替え要求をLTE用の基地局に送信する。
【0022】
3G・LTE切り替え制御部204は、キー制御部138及び入力制御部218を介して録画要求を受けた場合に、第3世代無線通信規格(3G)による無線通信方式とLTE通信規格による無線通信方式との一方の無線通信方式から他方の無線通信方式へ切り替える。例えば、3G・LTE切り替え制御部204は、テレビ電話制御部210及び呼制御部206を介して通信相手の携帯電話機に対して高解像度テレビ電話の送信要求を行い、通信相手の携帯電話機から高解像度テレビ電話の送信要求を受信する。これによって、3G・LTE切り替え制御部204は、第3世代無線通信規格による無線通信方式からLTE通信規格による無線通信方式に切り替える。また、3G・LTE切り替え制御部204は、例えば、3G無線制御部202から3G用の基地局へ切り替え要求を送信したことに応じてテレビ電話通信の相手先装置からの許可応答を3G用の基地局を介して受けたら、切り替え処理を実行する。また、3G・LTE切り替え制御部204は、例えば、LTE無線制御部203からLTE用の基地局へ切り替え要求を送信したことに応じてテレビ電話通信の相手先装置からの許可応答をLTE用の基地局を介して受けたら、切り替え処理を実行する。なお、以下の説明では、適宜、第3世代無線通信規格による無線通信方式を用いたテレビ電話を「3Gテレビ電話」といい、LTE通信規格による無線通信方式を用いたテレビ電話を「LTEテレビ電話」という。
【0023】
呼制御部206は、3G無線制御部202及びLTE無線制御部203を介して通信相手の電子機器との音声通話を制御する。エンコーダ/デコーダ制御部208は、3G・LTE切り替え制御部204による通信方式の切り替えに応じて、送受信する動画像の符号化/復号化の方式を、第3世代通信規格用とLTE通信規格用との間で切り替える。また、エンコーダ/デコーダ制御部208は、3G・LTE切り替え制御部204によって切り替えた無線通信方式による無線通信路が確立された場合、切り替え後の無線通信方式に応じて、テレビ電話通信における符号化方式を切り替える。
【0024】
テレビ電話制御部210は、第3世代通信規格及びLTE通信規格に準拠して、自電子機器で撮像された動画像を通信相手の電子機器へリアルタイム送信するとともに、通信相手の電子機器で撮像された動画像をリアルタイムで受信する制御を行う。
【0025】
LTE画像録画部214は、LTE通信規格に準拠して通信相手の電子装置から送信された動画像を自携帯電話機100のROM132、RAM134、又はSDカード136などの記憶媒体に保存する。LTE画像録画部214は、例えば、3G・LTE切り替え制御部204によって第3世代通信規格による通信方式からLTE通信規格による通信方式へ切り替えられた場合に、切り替え後の通信路でのLTEテレビ電話通信の内容を記憶媒体に記録する。3G画像録画部216は、第3世代通信規格に準拠して通信相手の電子装置から送信された動画像を自携帯電話機100のROM132、RAM134、又はSDカード136などの記憶媒体に保存する。3G画像録画部216は、例えば、3G・LTE切り替え制御部204によってLTE通信規格による通信方式から第3世代通信規格による通信方式へ切り替えられた場合に、切り替え後の通信路での3Gテレビ電話通信の内容を記憶媒体に記録する。
【0026】
入力制御部218は、携帯電話機100のキーからの入力指令および表示部106の表示上からの入力指令を受け付ける。入力制御部218は、例えば、3Gテレビ電話又はLTEテレビ電話中にユーザから、テレビ電話通信の内容の記録を要求する録画要求を受け付ける。表示制御部220は、表示部106に表示する表示画像に関する制御を実行する。
【0027】
次に、実施例1に係る携帯電話機の処理の概要を説明する。図3は、実施例1に係る携帯電話機の処理の概要を示す図である。図3は、携帯電話機Aと携帯電話機Bとが、3G用の基地局及びLTE用の基地局を介して通信する場合に、携帯電話機Bから送信された動画像を携帯電話機Aが録画することを想定した一例である。
【0028】
図3に示すように、まず、携帯電話機Aは、3G用の基地局を介して携帯電話機Bへ3Gテレビ電話を発信(発呼)する(ステップS101)。これに対して、携帯電話機Bは、携帯電話機Aから発呼された3Gテレビ電話を着信する(ステップS102)。携帯電話機Bは、3G用の基地局を介して携帯電話機Aに対して3Gテレビ電話の接続許可を行う(ステップS103)。これによって、携帯電話機Aと携帯電話機Bとは、3G用の基地局を介して相互に3Gテレビ電話を開始する(ステップS104)。
【0029】
携帯電話機Aは、携帯電話機Aの録画ボタンの押下を検出することにより、3Gテレビ電話中にユーザからテレビ電話通信の内容の記録を要求する録画要求を受け付ける(ステップS105)。携帯電話機Aは、録画要求を受け付けたら、携帯電話機AがLTE網に在圏しており、かつ、携帯電話機Aのバッテリーがあらかじめ設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS106)。携帯電話機Aは、携帯電話機AがLTE網に在圏していないか、又は、携帯電話機Aのバッテリーがあらかじめ設定された閾値より少ない場合には(ステップS106でNo)、ステップS105へ戻る。一方、携帯電話機Aは、携帯電話機AがLTE網に在圏しており、かつ、携帯電話機Aのバッテリーがあらかじめ設定された閾値以上である場合には(ステップS106でYes)、3G用の基地局を介してLTEテレビ電話の接続要求を送信する(ステップS107)。
【0030】
これに対して携帯電話機Bは、3G用の基地局を介して携帯電話機AからLTEテレビ電話の接続要求を受信する(ステップS108)。携帯電話機Bは、携帯電話機BがLTE網に在圏しており、かつ、携帯電話機Bのバッテリーがあらかじめ設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS109)。携帯電話機Bは、携帯電話機BがLTE網に在圏していないか、又は、携帯電話機Bのバッテリーがあらかじめ設定された閾値より少ない場合には(ステップS109でNo)、ステップS108へ戻る。一方、携帯電話機Bは、携帯電話機BがLTE網に在圏しており、かつ、携帯電話機Bのバッテリーがあらかじめ設定された閾値以上である場合には(ステップS109でYes)、3G用の基地局を介してLTEテレビ電話の接続許可の応答を行う(ステップS110)。
【0031】
携帯電話機Bは、3G用の基地局に対して3Gデタッチ要求を行う(ステップS111)。同様に、携帯電話機Aは、3G用の基地局に対して3Gデタッチ要求を行う(ステップS112)。
【0032】
携帯電話機Bは、LTE用の基地局に対してLTEアタッチの要求を行う(ステップS113)。同様に、携帯電話機Aは、LTE用の基地局に対してLTEアタッチの要求を行う(ステップS114)。
【0033】
携帯電話機Bは、LTE用の基地局からLTEアタッチが正常に行われたことを示す信号を受信する(ステップS115)。同様に、携帯電話機Aは、LTE用の基地局からLTEアタッチが正常に行われたことを示す信号を受信する(ステップS116)。
【0034】
携帯電話機Aは、LTE用の基地局を介して携帯電話機Bに対してベアラ接続要求を行う(ステップS117)。これに対して、携帯電話機Bは、LTE用の基地局を介して携帯電話機Aに対してベアラ接続応答を行う(ステップS118)。これによって、携帯電話機Aと携帯電話機Bとは、LTE用の基地局を介して相互にLTEテレビ電話を開始する(ステップS119)。
【0035】
続いて、実施例1に係る携帯電話機の処理を詳細に説明する。図4は、実施例1に係る携帯電話機の処理を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、図3で説明した携帯電話機の処理をより具体的に示す図である。なお、図4は、携帯電話機Aと携帯電話機Bとが、3G用の基地局及びLTE用の基地局を介して通信する場合に、携帯電話機Bから送信された動画像を携帯電話機Aが録画することを想定した一例である。また、図4においては、携帯電話機Aの機能ブロックと携帯電話機Bの機能ブロックとを区別するため、携帯電話機Bのテレビ電話制御部を「テレビ電話制御部210´」といい、携帯電話機Bの呼制御部を「呼制御部206´」という。
【0036】
まず、携帯電話機Aと携帯電話機Bとの間で3Gテレビ電話が開始された後、テレビ電話制御部210は、入力制御部218を介して、ユーザからテレビ電話通信の内容の記録を要求する録画要求を受け付ける(ステップS201)。テレビ電話制御部210は、呼制御部206に対して、LTEテレビ電話の送信要求を行う(ステップS202)。呼制御部206は、携帯電話機Bに対して、LTEテレビ電話の送信要求を行う(ステップS203)。
【0037】
一方、テレビ電話制御部210´は、携帯電話機AからLTEテレビ電話送信要求を受信したら(ステップS204)、呼制御部206´に対して、LTEテレビ電話送信要求を行う(ステップS205)。呼制御部206´は、LTEテレビ電話の送信を開始する(ステップS206)。このように、携帯電話機Aは、3G・LTE切り替え制御部204によって無線通信方式が3G無線制御部202からLTE無線制御部203へと切り替えられ、LTE用の基地局を介して携帯電話機Bと相互にLTEテレビ電話を開始する。
【0038】
テレビ電話制御部210は、LTE画像録画部214に対して録画開始要求を行う(ステップS207)。LTE画像録画部214は、録画開始要求を受信したら、録画を開始する(ステップS208)。例えば、LTE画像録画部214は、LTE無線制御部203を介して受信された受信信号をエンコーダ/デコーダ制御部208でデコードすることにより得られた動画像をデータ部222へ格納する。
【0039】
LTE画像を録画している最中に、テレビ電話制御部210は、入力制御部218を介して、ユーザからテレビ電話通信の内容の記録の録画を終了する終了要求を受け付ける(ステップS209)。すると、テレビ電話制御部210は、LTE画像録画部214に対して、録画終了の要求を行う(ステップS210)。LTE画像録画部214は、録画終了の要求を受信したら、録画を終了する(ステップS211)。
【0040】
テレビ電話制御部210は、呼制御部206に対して、LTEテレビ電話通信の終了要求を行う(ステップS212)。呼制御部206は、携帯電話機Bに対して、LTEテレビ電話通信の終了要求を送信する(ステップS213)。
【0041】
一方、テレビ電話制御部210´は、携帯電話機AからLTEテレビ電話通信の終了要求を受信したら(ステップS214)、呼制御部206´に対して、LTEテレビ電話の終了要求を行う(ステップS215)。呼制御部206´は、LTEテレビ電話通信を終了する(ステップS216)。これにより、携帯電話機Aと携帯電話機Bとの間のLTEテレビ電話は終了する。
【0042】
テレビ電話制御部210は、3Gテレビ電話に戻るか否かを判定する(ステップS217)。例えば、テレビ電話制御部210は、表示部106に3Gテレビ電話に戻るか否かを選択すべき旨の表示を行い、ユーザにいずれかを選択させる。そして、テレビ電話制御部210は、入力制御部218を介して入力された信号が、3Gテレビ電話に戻ることを示している場合には(ステップS217でYes)、ステップS201へ戻ってステップS201以降の処理を繰り返す。一方、テレビ電話制御部210は、入力制御部218を介して入力された信号が、3Gテレビ電話に戻らないことを示している場合には(ステップS217でNo)、3Gテレビ電話を終了する。
【0043】
以上のように、実施例1の携帯電話機によれば、3Gテレビ電話による通話中に録画要求を受け付けた場合に、3Gテレビ電話からLTEテレビ電話へ切り替えて、LTE動画像を録画する。これにより、実施例1の携帯電話機は、ユーザのニーズに応じた高画質な動画像を記憶媒体へ録画することができる。なお、実施例1は、3Gテレビ電話による通話中に録画要求を受け付けた場合に、3Gテレビ電話からLTEテレビ電話へ切り替えて、LTE動画像を録画する例を示したが、これには限られない。例えば、携帯電話機100は、LTEテレビ電話による通話中に録画要求を受け付けた場合に、LTEテレビ電話から3Gテレビ電話へ切り替えて、3G動画像を録画することもできる。これによれば、無線通信環境に応じて通信負荷を軽減することができるとともに、携帯電話機の記憶媒体の録画容量の節約を実現することができる。また、携帯電話機100は、例えば、LTEテレビ電話による通話中に録画要求を受け付けた場合には、3Gテレビ電話へ切り替えないようにすることもできる。
【0044】
なお、実施例1においては、携帯電話機Aのユーザが3Gテレビ電話を発信し、動画像の録画を要求するのも携帯電話機Aのユーザであるので、3Gテレビ電話及びLTEテレビ電話による通信料金は、携帯電話機Aのユーザが負担するのが一般的である。これに対して、例えば、携帯電話機Aのユーザが3Gテレビ電話を発信し、携帯電話機BのユーザがLTEテレビ電話による動画像の録画要求を行った場合を考える。この場合には、3Gテレビ電話の通信料金を携帯電話機Aのユーザが負担し、LTEテレビ電話の通信料金を携帯電話機Bのユーザが負担するような、料金体系を採用することができる。また、LTEテレビ電話は、高解像度の画像の通信を行うため、通信パケット量が増大して通信料金が高額になることが考えられる。そこで、定額料金によるパケット通信し放題の料金体系を設けて、LTEテレビ電話による動画像の録画を行っている間の通信料を定額とすることもできる。
【0045】
なお、実施例1は、主に電子機器を中心に説明したが、これに限らず、あらかじめ用意された録画制御プログラムをコンピュータで実行することによって、上述の実施例1と同様の機能を実現することができる。すなわち、録画制御プログラムは、第一の無線通信方式及び第二の無線通信方式の無線通信方式によって無線通信が可能な機能を備えた電子機器に、第一の無線通信方式又は第二の無線通信方式のいずれかにより確立された無線通信路でテレビ電話通信を実行する手順を実行させる。また、録画制御プログラムは、電子機器に、テレビ電話通信の内容の記録を要求する録画要求を受け付ける手順を実行させる。また、録画制御プログラムは、電子機器に、録画要求を受けた場合に、確立された無線通信路に係る第一の無線通信方式又は第二の無線通信方式から他方の無線通信方式に切り替える手順を実行させる。また、録画制御プログラムは、電子機器に、切り替えた無線通信方式による無線通信路が確立された場合、当該切り替え後の無線通信路でのテレビ電話通信の内容を記憶媒体に記録する手順を実行させる。なお、録画制御プログラムは、インターネットなどの通信ネットワークを介してコンピュータに配布することができる。また、録画制御プログラムは、コンピュータに設けられたメモリ、ハードディスク、その他のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録され、コンピュータによって記憶媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【実施例2】
【0046】
次に、実施例2に係る携帯電話機について説明する。実施例2に係る携帯電話機は、実施例1に係る携帯電話機に録画開始判定部224が追加され、データ部222に録画開始判定用の画像が格納される点が異なる以外は実施例1と同様であるため、実施例1と重複する説明を省略する。
【0047】
図5は、実施例2に係る携帯電話機の機能ブロックを示す図である。図5に示すように、実施例2に係る携帯電話機200は、実施例1に係る携帯電話機100の各ブロックに加えて、録画開始判定部224を備える。また、データ部222には、録画開始判定部224において、録画開始判定に用いられる登録画像が予め格納されている。
【0048】
録画開始判定部224は、3Gテレビ電話又はLTEテレビ電話によって受信された受信信号をエンコーダ/デコーダ制御部208でデコードして得られた動画像と、データ部222に格納された登録画像とに基づいて、録画を開始するか否かを判定する。例えば、録画開始判定部224は、リアルタイムで受信した動画像と、データ部222に格納された登録画像とを比較し、動画像の中に登録画像と近い画像が検出されたら、録画を開始する。言い換えれば、録画開始判定部224は、テレビ電話通信の内容が予め設定した条件に該当するか否かを監視し、予め設定した条件に該当することが検知された場合に、録画の要求を受け付けるテレビ電話制御部210に対して録画要求を発行する。
【0049】
なお、ある動画像の中から特定の登録画像を検索して表示する手法は、例えば、特開2004−145564号公報に記載されている。録画開始判定部224は、例えば、特開2004−145564号公報に記載されている技術を用いることにより、リアルタイムで受信している動画像の中に登録画像が含まれるか否かを検出して、録画を開始するか否かを判定することができる。
【0050】
続いて、実施例2に係る携帯電話機の処理を説明する。図6は、実施例2に係る携帯電話機の処理を示すフローチャートである。なお、図6は、携帯電話機Bのユーザが携帯電話機Bに予めキーとなる登録画像を登録しており、携帯電話機Bにおいて録画が行われる例を挙げて説明する。例えば、携帯電話機Bのユーザは、携帯電話機Aのユーザの顔の画像又は携帯電話機Aのユーザが撮像する風景の画像を、登録画像として予め登録しているものとする。
【0051】
まず、携帯電話機Aは、3G用の基地局を介して携帯電話機Bへ3Gテレビ電話を発信(発呼)する(ステップS301)。これに対して、携帯電話機Bは、携帯電話機Aから発呼された3Gテレビ電話を着信する(ステップS302)。携帯電話機Bは、3G用の基地局を介して携帯電話機Aに対して3Gテレビ電話の接続許可を行う(ステップS303)。これによって、携帯電話機Aと携帯電話機Bとは、3G用の基地局を介して相互に3Gテレビ電話を開始する(ステップS304)。
【0052】
携帯電話機Bは、携帯電話機Aから送信される動画像とデータ部222に予め格納した登録画像との差分が、あらかじめ設定された閾値以下であるか否かを判定する(ステップS305)。携帯電話機Bは、動画像と登録画像との差分があらかじめ設定された閾値より大きい場合には(ステップS305でNo)、ステップS305へ戻って処理を継続する。一方、携帯電話機Bは、動画像と登録画像との差分があらかじめ設定された閾値以下の場合には(ステップS305でYes)、3G用の基地局を介して携帯電話機AにLTEテレビ電話の送信要求を行う(ステップS306)。つまり、携帯電話機Bは、携帯電話機Aから送信される動画像の中に登録画像に似た画像が検出された場合に、3G用の基地局を介して携帯電話機AにLTEテレビ電話の送信要求を行う。なお、図6においては、説明の便宜上、動画像と登録画像との差分があらかじめ設定された閾値以下と判定されてから(ステップS305でYes)、LTEテレビ電話が開始されるまでの詳細な処理を省略している。動画像と登録画像との差分があらかじめ設定された閾値以下と判定されてから(ステップS305でYes)、LTEテレビ電話が開始されるまでの詳細な処理は、図3におけるステップS106〜ステップS118と同様である。
【0053】
これによって、携帯電話機Aと携帯電話機Bとは、LTE用の基地局を介して相互にLTEテレビ電話を開始する(ステップS307)。すると、携帯電話機Aは、LTE用の基地局を介して、LTEテレビ電話の送信を開始する(ステップS308)。携帯電話機Bは、携帯電話機Aから送信されたLTEテレビ電話を録画する(ステップS309)。
【0054】
携帯電話機Bは、携帯電話機Aから送信される動画像とデータ部222に予め格納した登録画像との差分が、あらかじめ設定された閾値より大きいか否かを判定する(ステップS310)。携帯電話機Bは、動画像と登録画像との差分があらかじめ設定された閾値以下の場合には(ステップS310でNo)、ステップS310へ戻って処理を継続する。つまり、携帯電話機Bにおける録画処理は継続される。一方、携帯電話機Bは、動画像と登録画像との差分があらかじめ設定された閾値より大きい場合には(ステップS310でYes)、LTEテレビ電話による通話を終了する(ステップS311)。
【0055】
携帯電話機Bは、3Gテレビ電話に戻るか否かを判定する(ステップS312)。例えば、携帯電話機Bは、表示部106に3Gテレビ電話に戻るか否かを選択すべき旨の表示を行い、ユーザにいずれかを選択させる。そして、携帯電話機Bは、入力制御部218を介して入力された信号が、3Gテレビ電話に戻ることを示している場合には(ステップS312でYes)、ステップS305へ戻ってステップS305以降の処理を繰り返す。一方、携帯電話機Aおよび携帯電話機Bは、入力制御部218を介して入力された信号が、3Gテレビ電話に戻らないことを示している場合には(ステップS312でNo)、3Gテレビ電話を終了する(ステップS313)。
【0056】
以上、実施例2の携帯電話機は、第1実施例の携帯電話と同様に、3Gテレビ電話による通話中に録画要求を受け付けた場合に、3Gテレビ電話からLTEテレビ電話へ切り替えて、LTE動画像を録画する。これにより、実施例2の携帯電話機は、ユーザのニーズに応じた高画質な動画像を記憶媒体へ録画することができる。なお、実施例2は、3Gテレビ電話による通話中に録画要求を受け付けた場合に、3Gテレビ電話からLTEテレビ電話へ切り替えて、LTE動画像を録画する例を示したが、これには限られない。例えば、携帯電話機200は、LTEテレビ電話による通話中に録画要求を受け付けた場合に、LTEテレビ電話から3Gテレビ電話へ切り替えて、3G動画像を録画することもできる。これによれば、無線通信環境に応じて通信負荷を軽減することができるとともに、携帯電話機の記憶媒体の録画容量の節約を実現することができる。これに加えて、実施例2の携帯電話機100は、ユーザが録画したい対象の画像を予め登録することにより、例えばユーザが携帯電話機の録画ボタンを押下するなどの操作をすることなく、自動で動画像を録画することができる。
【実施例3】
【0057】
次に、実施例3に係る携帯電話機について説明する。実施例3に係る携帯電話機は、3G・LTE切り替え制御部204の処理内容が実施例1に係る携帯電話機と異なる以外は実施例1と同様であるため、実施例1と重複する説明を省略する。
【0058】
3G・LTE切り替え制御部204は、例えばユーザから録画要求を受けた際の無線通信方式と、録画要求を受けた際のROM132、RAM134、又はSDカード136などの記憶媒体の空き容量とに基づいて、無線通信方式を切り替えるか否かを判定する。例えば、録画対象の画像を格納する記憶媒体がRAM134であったとすると、3G・LTE切り替え制御部204は、ユーザから録画要求を受けた際の無線通信方式とRAM134の空き容量とを確認する。
【0059】
3G・LTE切り替え制御部204は、ユーザから録画要求を受けた際の無線通信方式が3G通信方式であって、かつ、RAM134の空き容量があらかじめ設定した閾値以上の場合には、3G無線方式からLTE無線方式へ切り替えると判定する。つまり、3G・LTE切り替え制御部204は、RAM134の空き容量が充分残されており、高画質のLTEテレビ電話による動画を録画してもRAM134の空き容量がすぐには枯渇しないので、3G無線方式からLTE無線方式へ切り替えると判定する。
【0060】
一方、3G・LTE切り替え制御部204は、ユーザから録画要求を受けた際の無線通信方式が3G通信方式であって、かつ、RAM134の空き容量があらかじめ設定した閾値より少ない場合には、3G無線方式からLTE無線方式へ切り替えないと判定する。つまり、3G・LTE切り替え制御部204は、RAM134の空き容量が充分残されておらず、高画質のLTEテレビ電話による動画を録画したらRAM134の空き容量がすぐに枯渇するので、3G無線方式からLTE無線方式へ切り替えないと判定する。この場合、携帯電話機は、例えば、表示部106に3Gテレビ電話で録画するか否かを選択すべき旨の表示を行って、ユーザにいずれかを選択させることにより、3Gテレビ電話で録画するか否かを判定することもできる。
【0061】
続いて、実施例3に係る携帯電話機の処理を説明する。図7,図8は、実施例3に係る携帯電話機の処理を示すフローチャートである。図7は、3G・LTE切り替え制御部204が3G通信方式からLTE通信方式へ切り替えると判定した場合のフローチャートである。図8は、3G・LTE切り替え制御部204が3G通信方式からLTE通信方式へ切り替えないと判定した場合のフローチャートである。
【0062】
図7に示すように、まず、携帯電話機Aは、3G用の基地局を介して携帯電話機Bへ3Gテレビ電話を発信(発呼)する(ステップS401)。これに対して、携帯電話機Bは、携帯電話機Aから発呼された3Gテレビ電話を着信する(ステップS402)。携帯電話機Bは、3G用の基地局を介して携帯電話機Aに対して3Gテレビ電話の接続許可を行う(ステップS403)。これによって、携帯電話機Aと携帯電話機Bとは、3G用の基地局を介して相互に3Gテレビ電話を開始する(ステップS404)。
【0063】
携帯電話機Aは、携帯電話機Aの録画ボタンの押下を検出することにより、3Gテレビ電話中にユーザからテレビ電話通信の内容の記録を要求する録画要求を受け付ける(ステップS405)。携帯電話機Aは、録画要求を受け付けたら、携帯電話機AがLTE網に在圏しており、かつ、携帯電話機Aのバッテリーがあらかじめ設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS406)。携帯電話機Aは、携帯電話機AがLTE網に在圏していないか、又は、携帯電話機Aのバッテリーがあらかじめ設定された閾値より少ない場合には(ステップS406でNo)、ステップS405へ戻る。
【0064】
一方、携帯電話機Aは、携帯電話機AがLTE網に在圏しており、かつ、携帯電話機Aのバッテリーがあらかじめ設定された閾値以上である場合には(ステップS406でYes)、録画対象の画像を格納するメモリ(記憶媒体)残量があらかじめ設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS407)。携帯電話機Aは、メモリ残量があらかじめ設定された閾値より少ない場合には(ステップS407でNo)、ステップS405へ戻る。携帯電話機Aは、メモリ残量があらかじめ設定された閾値以上の場合には(ステップS407でYes)、3G用の基地局を介して携帯電話機BへLTEテレビ電話の接続要求を送信する(ステップS408)。
【0065】
これに対して携帯電話機Bは、3G用の基地局を介して携帯電話機AからLTEテレビ電話の接続要求を受信する(ステップS409)。携帯電話機Bは、携帯電話機BがLTE網に在圏しており、かつ、携帯電話機Bのバッテリーがあらかじめ設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS410)。携帯電話機Bは、携帯電話機BがLTE網に在圏していないか、又は、携帯電話機Bのバッテリーがあらかじめ設定された閾値より少ない場合には(ステップS410でNo)、ステップS409へ戻る。一方、携帯電話機Bは、携帯電話機BがLTE網に在圏しており、かつ、携帯電話機Bのバッテリーが予め設定された閾値以上である場合には(ステップS410でYes)、3G用の基地局を介してLTEテレビ電話の接続許可の応答を行う(ステップS411)。
【0066】
携帯電話機Bは、3G用の基地局に対して3Gデタッチ要求を行う(ステップS412)。同様に、携帯電話機Aは、3G用の基地局に対して3Gデタッチ要求を行う(ステップS413)。
【0067】
携帯電話機Bは、LTE用の基地局に対してLTEアタッチの要求を行う(ステップS414)。同様に、携帯電話機Aは、LTE用の基地局に対してLTEアタッチの要求を行う(ステップS415)。
【0068】
携帯電話機Bは、LTE用の基地局からLTEアタッチが正常に行われたことを示す信号を受信する(ステップS416)。同様に、携帯電話機Aは、LTE用の基地局からLTEアタッチが正常に行われたことを示す信号を受信する(ステップS417)。
【0069】
携帯電話機Aは、LTE用の基地局を介して携帯電話機Bに対してベアラ接続要求を行う(ステップS418)。これに対して、携帯電話機Bは、LTE用の基地局を介して携帯電話機Aに対してベアラ接続応答を行う(ステップS419)。これによって、携帯電話機Aと携帯電話機Bとは、LTE用の基地局を介して相互にLTEテレビ電話を開始する(ステップS420)。携帯電話機Aと携帯電話機Bとが、LTE用の基地局を介して相互にLTEテレビ電話を開始した後の処理は、図4と同様であるので説明を省略する。
【0070】
一方、図8に示すように、まず、携帯電話機Aは、3G用の基地局を介して携帯電話機Bへ3Gテレビ電話を発信(発呼)する(ステップS501)。これに対して、携帯電話機Bは、携帯電話機Aから発呼された3Gテレビ電話を着信する(ステップS502)。携帯電話機Bは、3G用の基地局を介して携帯電話機Aに対して3Gテレビ電話の接続許可を行う(ステップS503)。これによって、携帯電話機Aと携帯電話機Bとは、3G用の基地局を介して相互に3Gテレビ電話を開始する(ステップS504)。
【0071】
携帯電話機Aは、携帯電話機Aの録画ボタンの押下を検出することにより、3Gテレビ電話中にユーザからテレビ電話通信の内容の記録を要求する録画要求を受け付ける(ステップS505)。携帯電話機Aは、録画要求を受け付けたら、携帯電話機AがLTE網に在圏しており、かつ、携帯電話機Aのバッテリーがあらかじめ設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS506)。携帯電話機Aは、携帯電話機AがLTE網に在圏していないか、又は、携帯電話機Aのバッテリーがあらかじめ設定された閾値より少ない場合には(ステップS506でNo)、ステップS505へ戻る。
【0072】
一方、携帯電話機Aは、携帯電話機AがLTE網に在圏しており、かつ、携帯電話機Aのバッテリーが予め設定された閾値以上である場合には(ステップS506でYes)、記憶媒体の残量が予め設定された閾値より少ないか否かを判定する(ステップS507)。携帯電話機Aは、例えば、録画対象の画像を格納するメモリ残量が予め設定された閾値より少ないか否かを判定する。携帯電話機Aは、メモリ残量があらかじめ設定された閾値以上の場合には(ステップS507でNo)、LTEテレビ電話録画処理を行う(ステップS508)。LTEテレビ電話録画処理は、図7のステップS408〜ステップS420により3G通信方式からLTE通信方式へ切り替え、図4で説明した処理と同様にしてLTEテレビ電話による受信動画を記憶媒体に格納する処理である。
【0073】
携帯電話機Aは、メモリ残量があらかじめ設定された閾値より少ない場合には(ステップS507でYes)、3Gテレビ電話で録画を行うかを判定する(ステップS509)。例えば、携帯電話機Aは、表示部106にメモリ残量が少ないのでLTEに切り替えない旨、及び3Gテレビ電話で録画を行うか否かを選択すべき旨の表示を行い、ユーザにいずれかを選択させる。そして、携帯電話機Aは、入力制御部218を介して入力された信号が、3Gテレビ電話で録画を行わないことを示している場合には(ステップS509でNo)、ステップS505へ戻ってステップS505以降の処理を繰り返す。一方、携帯電話機Aは、入力制御部218を介して入力された信号が、3Gテレビ電話で録画を行うことを示している場合には(ステップS509でYes)、3G用の基地局を介して、3Gテレビ電話の録画要求を携帯電話機Bへ送信する(ステップS510)。
【0074】
携帯電話機Bは、3G用の基地局を介して携帯電話機Aから3Gテレビ電話の録画要求を受信する(ステップS511)。携帯電話機Bは、携帯電話機Bのバッテリーがあらかじめ設定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS512)。携帯電話機Bは、携帯電話機Bのバッテリーがあらかじめ設定された閾値より少ない場合には(ステップS512でNo)、ステップS511へ戻る。
【0075】
一方、携帯電話機Bは、携帯電話機Bのバッテリーがあらかじめ設定された閾値以上の場合には(ステップS512でYes)、3G用の基地局を介して、3Gテレビ電話の録画許可の応答を携帯電話機Aへ行う(ステップS513)。携帯電話機Aは、携帯電話機Bから3Gテレビ電話の録画許可の応答を受信したら3Gテレビ電話の録画を開始する(ステップS514)。
【0076】
以上、実施例3の携帯電話機は、図7に示すように、第1実施例の携帯電話と同様に、3Gテレビ電話による通話中に録画要求を受け付けた場合に、3Gテレビ電話からLTEテレビ電話へ切り替えて、LTE動画像を録画する。これにより、実施例3の携帯電話機は、ユーザのニーズに応じた高画質な動画像を記憶媒体へ録画することができる。なお、実施例3は、図7に示すように、3Gテレビ電話による通話中に録画要求を受け付けた場合に、3Gテレビ電話からLTEテレビ電話へ切り替えて、LTE動画像を録画する例を示したが、これには限られない。例えば、携帯電話機は、LTEテレビ電話による通話中に録画要求を受け付けた場合に、LTEテレビ電話から3Gテレビ電話へ切り替えて、3G動画像を録画することもできる。これによれば、無線通信環境に応じて通信負荷を軽減することができるとともに、携帯電話機の記憶媒体の録画容量の節約を実現することができる。
【0077】
これに加えて、実施例3の携帯電話機は、ユーザから録画要求を受けた際の無線通信方式が3G通信方式であって、かつ、記憶媒体の空き容量があらかじめ設定した閾値以上の場合には、3G無線方式からLTE無線方式へ切り替えると判定する。これによれば、携帯電話機は、記憶媒体の空き容量が充分残されており、高画質のLTEテレビ電話による動画を録画しても記憶媒体の空き容量がすぐには枯渇しないと判断できるので、ユーザのニーズに対応する高画質の動画を録画することができる。一方、実施例3の携帯電話機は、ユーザから録画要求を受けた際の無線通信方式が3G通信方式であって、かつ、記憶媒体の空き容量があらかじめ設定した閾値より少ない場合には、3G無線方式からLTE無線方式へ切り替えないと判定する。これによれば、携帯電話機は、記憶媒体の空き容量が充分残されておらず、高画質のLTEテレビ電話による動画を録画したら記憶媒体の空き容量がすぐに枯渇すると判断できるので、録画を開始してから比較的短時間で録画が終了されるのを回避することができる。携帯電話機は、例えば表示部106にメモリ残量が少ないのでLTE通信方式に切り替えない旨、及びユーザに3Gテレビ電話による動画を録画するか否かを選択すべき旨の表示を行うことができる。これによれば、例えば、LTE無線方式の動画より画質が劣るとしても3G通信方式の動画を録画したいというユーザの意思に応じて、比較的少ない記憶媒体の空き容量を活用することができる。
【符号の説明】
【0078】
100,200 携帯電話機
104 3G無線通信部
105 LTE無線通信部
106 表示部
130 メモリ
138 キー制御部
140 プロセッサ
202 3G無線制御部
203 LTE無線制御部
204 3G・LTE切り替え制御部
206 呼制御部
208 エンコーダ/デコーダ制御部
210 テレビ電話制御部
214 LTE画像録画部
216 3G画像録画部
218 入力制御部
224 録画開始判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の無線通信方式及び第二の無線通信方式の無線通信方式によって無線通信が可能な機能を備えた電子機器であって、
前記第一の無線通信方式又は前記第二の無線通信方式のいずれかにより確立された無線通信路でテレビ電話通信を実行するテレビ電話制御部と、
前記テレビ電話通信の内容の記録を要求する録画要求を受け付ける録画要求受付部と、
前記録画要求を受けた場合に、前記確立された無線通信路に係る前記第一の無線通信方式又は前記第二の無線通信方式から他方の無線通信方式に切り替える無線通信方式切り替え部と、
前記切り替えた無線通信方式による無線通信路が確立された場合、当該切り替え後の無線通信路でのテレビ電話通信の内容を記憶媒体に記録する録画部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記切り替えた無線通信方式による無線通信路が確立された場合、前記切り替え後の無線通信方式に応じて、前記テレビ電話通信における符号化方式を切り替える符号化方式切り替え部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第二の無線通信方式による無線通信は、前記第一の無線通信方式による無線通信よりも理論上のデータ伝送速度が高速なものであり、
前記無線通信方式切り替え部は、前記第二の無線通信方式により確立された無線通信路でテレビ電話通信を実行している場合には、前記録画要求を受けた場合の前記無線通信方式の切り替えを実行しない、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記録画要求を受けた場合に、前記他方の無線通信方式への切り替え要求を、前記切り替え前の通信方式により確立された前記無線通信路を構成する無線基地局に送信する切り替え要求送信部、
をさらに備え、
前記無線通信方式切り替え部は、前記切り替え要求を送信したことに応じて前記テレビ電話通信の相手先装置からの許可応答を前記無線基地局を介して受けたら、前記切り替え処理を実行する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記テレビ電話通信の内容が予め設定した条件に該当するか否かを監視する監視部と、
前記監視部によって前記所定の条件に該当することが検知された場合に、前記録画要求受付部に対して登録要求を発行する登録要求発行部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記無線通信方式切り替え部は、前記録画要求を受けた際の無線通信方式と、前記録画要求を受けた際の前記記憶媒体の空き容量とに基づいて、前記無線通信方式を切り替えるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
第一の無線通信方式及び第二の無線通信方式の無線通信方式によって無線通信が可能な機能を備えた電子機器において実行される録画制御プログラムであって、
前記第一の無線通信方式又は前記第二の無線通信方式のいずれかにより確立された無線通信路でテレビ電話通信を実行する手順と、
前記テレビ電話通信の内容の記録を要求する録画要求を受け付ける手順と、
前記録画要求を受けた場合に、前記確立された無線通信路に係る前記第一の無線通信方式又は前記第二の無線通信方式から他方の無線通信方式に切り替える手順と、
前記切り替えた無線通信方式による無線通信路が確立された場合、当該切り替え後の無線通信路でのテレビ電話通信の内容を記憶媒体に記録する手順と、
を電子機器に実行させることを特徴とする録画制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−199712(P2012−199712A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61765(P2011−61765)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】