説明

電子機器、異常判定プログラム及び異常判定方法

【課題】 複数の温度センサ内の温度センサの異常の有無を判定することができる電子機器、異常判定プログラム及び異常判定方法を提供する。
【解決手段】 電子機器は、筐体内で互いに異なる位置に配置された3つ以上の温度センサと、第1のタイミングで前記3つ以上の温度センサから第1測定温度を取得し、この第1のタイミングと異なった第2のタイミングで前記3つ以上の温度センサから第2測定温度を取得する取得部と、前記第1測定温度と前記第2測定温度とを比較し、この比較の結果を用いて前記3つ以上の温度センサ間の測定温度の偏りを導き出して、前記3つ以上の温度センサに含まれる温度センサの異常の有無を判定する判定部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願に開示された技術は、温度制御に用いられる温度を測定するセンサの異常の有無を判定する電子機器、異常判定プログラム及び異常判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータなどの電子機器は電子機器の駆動に伴って発熱する発熱部を筐体内に有する。このような発熱部からの発熱による筐体内の温度の推移を監視するために、筐体内部には温度センサが設けられている。温度センサにより測定される温度から筐体内の温度異常を検出することができる。前述の発熱部を冷却制御するために冷却ファンなどの冷却部が設けられている電子機器もある。冷却部を用いた冷却制御では温度センサで測定された温度が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−152442号公報
【特許文献2】特開平7−020951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の電子機器では複数の温度センサが配置されている場合がある。例えば、電子機器が複数の発熱部を有する場合、これらの発熱部に対応して温度センサが設けられる。このような複数の温度センサを備えた電子機器では、温度センサの異常の有無を判定する有用な技術が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、複数の温度センサ内の温度センサの異常の有無を判定することができる電子機器、異常判定プログラム及び異常判定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この出願に開示される電子機器は、筐体内で互いに異なる位置に配置された3つ以上の温度センサと、第1のタイミングで前記3つ以上の温度センサから第1測定温度を取得し、この第1のタイミングと異なった第2のタイミングで前記3つ以上の温度センサから第2測定温度を取得する取得部と、前記第1測定温度と前記第2測定温度とを比較し、この比較の結果を用いて前記3つ以上の温度センサ間の測定温度の偏りを導き出して、前記3つ以上の温度センサに含まれる温度センサの異常の有無を判定する判定部とを含む。
【発明の効果】
【0007】
開示の電子機器、異常判定プログラム及び異常判定方法は、複数の温度センサ内の温度センサの異常の有無を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の情報処理装置における、発熱部、冷却ファンおよび温度センサの位置関係を示す模式図である。
【図3】第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係る制御テーブルを示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る補正テーブルを示す図である。
【図6】第1の実施形態における電源投入に応じた処理を示すフローチャートである。
【図7】電源投入に応じた処理によりフラッシュメモリに記録されるセンサ情報を示す図である。
【図8】第1の実施形態における異常判定処理を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態において温度センサにより測定される、初回起動時の温度、正常時の温度、及び異常時の温度を示す図である。
【図10】異常判定処理で温度センサが異常であると判定された場合にフラッシュメモリに記録されるセンサ情報を示す図である。
【図11】この発明の第2の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図12】第2の実施形態に係るシミュレーションテーブルを示す図である。
【図13】第2の実施形態に係る環境温度ログテーブルを示す図である。
【図14】第2の実施形態に係る運用温度ログテーブルを示す図である。
【図15】第2の実施形態における電源投入に応じた処理を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態における補正テーブルの生成処理を示すフローチャートである。
【図17】補正テーブル生成処理により生成された補正テーブルを示す図である。
【図18】補正処理により補正された補正テーブルを示す図である。
【図19】第2の実施形態における補正処理を示すフローチャートである。
【図20】環境温度ログテーブルに基づいて補正された補正テーブルを示す図である。
【図21】運用温度ログテーブルに基づいて補正された補正テーブルを示す図である。
【図22】第1の実施形態における異常検出処理の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
この第1の実施形態では、本発明を電子機器である情報処理装置に適用する。この情報処理装置は例えばパーソナルコンピュータである。先ず、第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について図1を参照して説明する。
【0011】
情報処理装置1は、IO(input/output)コントローラ11、CPU(Central Processing Unit)/チップセット12、メモリ13、フラッシュメモリ14、HW(Hardware)モニタIC15、HDD(Hard Disk Drive)16、VGA(Video Graphics Array)カード17、外部IF(Interface)18、冷却ファン19A〜19C、温度センサ20A〜20C、LED(Light Emitting Diode)21、電源ユニット22、および、電源スイッチ23を有する。この第1の実施形態では、これらは情報処理装置1の筐体内に配置されている。IOコントローラ11は、CPU/チップセット12、メモリ13、フラッシュメモリ14、HWモニタIC15、HDD16、外部IF18と接続され、これら要素間のデータの送受を仲介する。
【0012】
CPU/チップセット12は、情報処理装置1を制御する。CPU/チップセット12にはVGAカード17が接続されている。メモリ13は、情報処理装置1の主記憶装置である。フラッシュメモリ14は、BIOS(Basic Input/Output System)141、後述する制御テーブル142、補正テーブル143、センサ情報144を格納し、可搬性を有するものとする。HWモニタIC15は、冷却ファン19A〜19C、温度センサ20A〜20C、LED21及びIOコントローラ11と接続され、BIOSの指示に従って、冷却ファン19A〜19C、温度センサ20A〜20C、LED21を制御する。HDD16は、情報処理装置1のOSなどのデータを記憶する。VGAカード17は、情報処理装置の出力装置であるディスプレイ(図示せず)に画像を表示させる。外部IF18は、情報処理装置1が周辺機器と接続するためのインターフェイスである。冷却ファン19A〜19Cは、それぞれ情報処理装置1における発熱部であるHDD16、VGAカード17、CPU/チップセット12を冷却する。温度センサ20A、20B、20Cは、それぞれ冷却ファン19A、19B、19Cに対応する。また、温度センサ20A〜20Cは、対応する冷却ファン19に冷却されている発熱部の温度を測定する。電源ユニット22は、情報処理装置1のハードウェア要素それぞれに接続されることにより電力を供給する。ここで、ハードウェア要素とは、IOコントローラ11、CPU/チップセット12、メモリ13、フラッシュメモリ14、HWモニタIC15、HDD16、VGAカード17、外部IF18、冷却ファン19A〜19C、温度センサ20A〜20C、LED21、および電源スイッチ23を示す。電源スイッチ23は、押下されることにより、電源ユニット22による電力の供給のON/OFFを切り替える。なお、電源の供給遮断は、情報処理装置1のOSによるシャットダウン操作によっても可能である。
【0013】
また、図2に示すように、情報処理装置1は、IOコントローラ11、CPU/チップセット12に含まれるCPU12a及びチップセット12bを搭載するメインボード24を備える。冷却ファン19Aは電源ユニット22に組み込まれている。冷却ファン19Aは発熱部であるHDD16を冷却するため、HDD16近傍の空気を情報処理装置1の筐体外へ排気するように設けられている。温度センサ20AはHDD16またはその近傍の温度を測定するように配置されている。冷却ファン19Bは発熱部であるVGAカード17を冷却するため、筐体内部の空気をVGAカード17に向けて送る。温度センサ20BはVGAカード17またはその近傍の温度を測定するように設けられている。冷却ファン19CはCPU/チップセット12のうち、CPU12aを冷却するため、筐体内部または外部の空気をCPU12aに向けて送る。温度センサ20CはCPU12aまたはその近傍の温度を測定するように設けられている。
【0014】
この第1の実施形態では、冷却ファン19Aは冷却対象の近傍の排気を行い、冷却ファン19Bおよび19Cは冷却対象に対して空気を送っている。しかしながら、こういった冷却ファンの排気または送風の構成はこれに限られない。冷却ファン19A〜19Cを全て排気を行うように構成しても、全て送風を行うように構成しても良い。排気と吸気(送風)とを適宜組み合わせても良い。また、冷却ファン19A〜19Cは、例えばペルティエ素子のような冷却能力が制御可能な冷却部でも良い。また、以降の説明において、冷却ファン19は、冷却ファン19A〜19Cのいずれかを示す。同様に、温度センサ20は、温度センサ20A〜20Cのいずれかを示す。
【0015】
次に、情報処理装置の機能構成について説明する。図3は第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す図である。
【0016】
図3に示すように、情報処理装置1は取得部121、判定部122、冷却制御部123をCPU12a及びメモリ13が協働することにより実現される機能として有する。これらの機能は、BIOSの一機能であるものとする。取得部121は、HWモニタIC15を介して、温度センサ20により測定された温度を取得する。判定部122は、温度センサ20の異常の有無を判定する。また、判定部122は、温度センサ20に異常があると判断した場合、HWモニタIC15を介してLED21を点灯させることにより、ユーザに温度センサ20の異常を通知する。なお、ユーザへの通知方法として、ブザー音や画面表示よる警告が挙げられる。冷却制御部123は、制御テーブル142または補正テーブル143に基づいて、冷却ファン19の回転数、すなわち冷却能力の強さの制御として冷却制御を行う。
【0017】
次に制御テーブルについて説明する。図4は、第1の実施形態に係る制御テーブルを示す図である。
【0018】
図4に示すように、制御テーブル142は、温度センサ20A〜20Cによる測定温度と、冷却ファン19A〜19Cの回転数とを対応付ける。本実施の形態において、温度センサ20A、20B、20Cによる測定温度をそれぞれ測定温度A、B、Cとし、冷却ファン19A、19B、19Cによる回転数をそれぞれ回転数A、B、Cとする。図4において、測定温度A、測定温度B、測定温度Cは、回転数A、回転数B、回転数Cとそれぞれ対応付けられているものとする。冷却制御部123は、この制御テーブル142を用いて、温度センサ20の測定温度に対応する回転数に冷却ファン19を冷却制御する。
【0019】
次に、補正テーブルについて説明する。図5は、第1の実施形態に係る補正テーブルを示す図である。なお、補正テーブルは、補正対象とする温度センサ毎に用意されるものであり、一例として、温度センサ20Aの補正テーブルを図5に示す。
【0020】
図5に示すように、補正テーブル143は、補正対象ではない測定温度B及び測定温度Cの組み合わせと、補正対象とする測定温度Aである補正温度A’、及びこれに対応する回転数A’とを対応付けるものである。この補正テーブル143は、シミュレーションまたは実際の測定に基づいて、事前に生成されているものとする。判定部122により温度センサ20の異常があると判定された場合、冷却制御部123は、この補正テーブル143に基づいて異常が検出された温度センサ20に対応する冷却ファン19を制御する。
【0021】
次に、電源投入に応じた処理の動作について説明する。図6は、第1の実施形態における電源投入に応じた処理の動作を示すフローチャートである。また、図7は、電源投入に応じた処理によりフラッシュメモリに記録されるセンサ情報を示す。
【0022】
図6に示すように、情報処理装置1の起動後、取得部121は、情報処理装置1の起動が製造後初めてであるか否かを示す初回起動フラグがONであるかどうかを判断する(ステップS101)。この初回起動フラグは、センサ情報144としてフラッシュメモリ14に記録され、製造時にはOFFにセットされているものとする。
【0023】
初回起動フラグがONである場合(ステップS101,YES)、取得部121は、起動直後の温度センサ20A〜20Cによる測定温度を取得してフラッシュメモリ14に記録し(ステップS102)、初回起動フラグをOFFにセットする(ステップS103)。次に、取得部121は、電源の供給遮断のための操作が行われたか否かを判断する(ステップS104)。例えば、電源スイッチ23が押下されたか否か、もしくは、OSによるシャットダウン操作が行われたか否かを判断する。なお、第1の実施形態においては、電源の投入からOS(Operating System)の起動前までが起動直後と定義される。
【0024】
電源の供給遮断のための操作が行われた場合(ステップS104,YES)、取得部121は、現在の日時を電源遮断日時としてフラッシュメモリ14に記録し(ステップS105)、処理を終了する。ここで、フラッシュメモリ14には、図7に示すように、後述する電源遮断時間に加え、電源遮断日時、測定温度A〜Cを含む初回起動時の温度情報がセンサ情報144として記録される。また、温度センサ20A〜20Bがそれぞれ異常であるかどうかを示す異常フラグは、異常が検出されない状態においては、全て“OFF”となる。
【0025】
一方、電源の供給遮断のための操作が行われていない場合(ステップS104,NO)、取得部121は、再度、電源の供給遮断のための操作が行われたか否かを判断する(ステップS104)。
【0026】
また、ステップS101の判断において、初回起動フラグがONではない場合(ステップS101,NO)、取得部121は、フラッシュメモリ14に記録されたセンサ情報144における電源遮断日時を参照し、電源遮断日時から電源遮断時間以上が経過しているかどうかを判断する(ステップS106)。ここで、電源遮断時間は、前回の起動から筐体内の温度が環境温度程度まで下げるために、情報処理装置1において、少なくとも熱を発生させるハードウェアへの電源の供給が絶たれている時間とする。この電源遮断時間は、第1の実施形態においては10分とする。
【0027】
電源遮断日時から電源遮断時間以上が経過している場合(ステップS106,YES)、取得部121は、温度センサ20A〜20Cによる測定温度を取得する(ステップS107)。次に、判定部122は、後述する異常検出処理を実行し(ステップS108)、この異常検出処理により異常な温度センサ20を検出したかどうかを判断する(ステップS109)。この判断は、センサ情報144における異常フラグを参照することにより行われる。
【0028】
異常な温度センサ20を検出した場合(ステップS109,YES)、判定部122は、異常な温度センサ20が複数あるかどうかを判断する(ステップS110)。
【0029】
異常な温度センサ20が複数ない場合(ステップS110,NO)、判定部122は、LED21を点灯させることにより、ユーザに温度センサ20の異常を通知する(ステップS111)。次に、冷却制御部123は、異常が検出された温度センサ20に対応する冷却ファン19の冷却制御に、異常が検出された温度センサ20の補正テーブル143を適用する(ステップS112)。次に、取得部121は、電源の供給遮断のための操作が行われたか否かを判断する(ステップS113)。
【0030】
電源の供給遮断のための操作が行われた場合(ステップS113,YES)、取得部121は、現在の日時を電源遮断日時としてフラッシュメモリ14に記録し(ステップS105)、処理を終了する。
【0031】
一方、電源の供給遮断のための操作が行われていない場合(ステップS113,NO)、取得部121は、再度、電源の供給遮断のための操作が行われたか否かを判断する(ステップS113)。
【0032】
また、ステップS110の判断において、異常な温度センサが複数ある場合(ステップS110,YES)、判定部122は、LED21を点灯させることにより、ユーザに温度センサ20の異常を通知する(ステップS114)。ここで、判定部122は、異常な温度センサが複数でない場合の通知とは異なる点灯パターンにより、LED21を点灯し、ユーザに異常な温度センサが複数あることを通知するものとする。次に、取得部121は、電源の供給遮断のための操作が行われたか否かを判断する(ステップS113)。
【0033】
また、ステップS109の判断において、異常な温度センサ20が検出されない場合(ステップS109,NO)、取得部121は、電源の供給遮断のための操作が行われたか否かを判断する(ステップS113)。
【0034】
また、ステップS106の判断において、電源遮断時刻から電源遮断時間以上が経過していない場合(ステップS106,NO)、取得部121は、電源の供給遮断のための操作が行われたか否かを判断する(ステップS113)。
【0035】
次に、異常検出処理について説明する。図8は、第1の実施の形態に係る異常検出処理の動作を示すフローチャートである。また、図9は、第1の実施の形態における温度センサにより測定される、初回起動時の温度、正常時の温度、及び異常時の温度を示す図である。また、図10は、異常検出処理によって温度センサが異常であると判定された場合にフラッシュメモリに記録されるセンサ情報を示す図である。
【0036】
図8に示すように、まず、判定部122は、初回起動時に取得された測定温度A〜Cと電源遮断時間経過後に取得された測定温度A〜Cとをそれぞれ比較する。図9に示す初回起動時と異常時の測定温度を例にすると、測定温度Aの差は25となり、測定温度Bの差は2となり、測定温度Cの差は1となる。次に、判定部122は、比較結果の偏りを算出する(ステップS202)。ここで、比較結果の偏りの算出として、例えば、上述の差間の差の合計を求めた場合、測定温度Aについては値が47となり、測定温度Bについては値が24となり、測定温度Cについては値が25となる。また、偏りの算出方法として、測定温度A〜Cの差それぞれについての標準偏差を求める方法が考えられる。次に、判定部122は、偏りが最大である測定温度を選択し(ステップS203)、選択した測定温度の偏りが予め定められた閾値以上であるかどうかを判断する(ステップS204)。
【0037】
偏りが閾値以上である場合(ステップS204,YES)、判定部122は、選択した測定温度を異常な測定温度として検出する(ステップS205)。例えば、閾値が40である場合、測定温度Aが異常な測定温度として検出される。次に、判定部122は、図10に示すように、センサ情報144における異常な測定温度を測定した温度センサ20の異常フラグをONに設定し(ステップS206)、異常検出処理を終了する。
【0038】
一方、偏りが閾値以上ではない場合(ステップS204,NO)、判定部122は、異常検出処理を終了する。例えば、正常時の測定温度Aについては、初回起動時の測定温度Aとの差の合計との差は4となり、閾値以上ではないと判断される。
【0039】
上述したように、異なるタイミング間の測定温度の比較結果における測定温度間の偏りに基づいて異常を検出することにより、異常検出のための新たな回路を設けることなく異常を検出することができる。なお、異常検出のための測定温度の取得タイミングは、初回起動時から所定時間経過後、初回起動以降の起動から所定時間経過後であっても良い。つまり、測定温度の取得タイミングは、初回起動時と初回起動以降の起動時とにおいて、同様の条件であれば良いものとする。また、測定温度の取得タイミングが初回起動直後、初回起動以降の起動直後ではない場合、上述した機能構成は、OS上で動作するプログラムとしてHDD16に格納されていても良い。また、上述した第1の実施形態において、冷却ファン19及び温度センサ20の数はそれぞれ3つとしたが、3つ以上であっても良い。なお、冷却ファン19A、19B、19Cと温度センサ20A、20B、20と発熱部であるHDD16、VGAカード17、CPU12aは、それぞれ1対1に対応していなくても構わない。例えば、1つの発熱部の異なる箇所の温度を異なる温度センサ20が測定しても良い。また、1つの冷却ファン19が複数の発熱部を冷却しても良い。
【0040】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る情報処理装置1は、補正テーブルを生成し、この補正テーブルを補正する。以下、第1の実施形態とは異なる機能構成及び動作について説明する。まず、第1の実施形態とは異なる機能構成について説明する。図11は、第2の実施形態に係る情報処理装置1の機能構成を示す図である。
【0041】
図11に示すように、第2の実施形態に係る情報処理装置1は、生成部124を更に有する点が第1の実施形態とは異なる。この生成部124は、事前にフラッシュメモリ14に記録されたシミュレーションテーブル145に基づいて補正テーブル143を生成する。このシミュレーションテーブル145は、図12に示すように、測定温度間の対応関係のシミュレーション結果を記録するテーブルである。また、第2の実施形態において、取得部121は、情報処理装置1の起動直後の温度センサ20による測定温度と、情報処理装置1の運用中の温度センサ20による測定温度とを取得する。取得部121により取得されたこれらの測定温度は、図13に示す環境温度ログテーブル146、図14に示す運用温度ログテーブル147として、フラッシュメモリ14に記録される。また、生成部124は、環境温度ログテーブル146、運用温度ログテーブル147に基づいて、生成した補正テーブル143を補正する。
【0042】
次に、第2の実施形態における電源投入に応じた処理の動作について説明する。図15は、第2の実施形態における電源投入に応じた処理を示すフローチャートである。なお、図15においては、ステップS103a,S103b,S107a,S112a,S112bの動作が図6とは異なるため、図6と同様の動作については説明を省略する。
【0043】
図15に示すように、情報処理装置1の起動直後、取得部121は、温度センサ20A〜20Cによる測定温度を取得し、現在時刻と対応付けて環境温度ログテーブルに記録する(ステップS101a)。
【0044】
また、ステップS103の処理後、取得部121は、情報処理装置1の起動から安定時間が経過したかどうかを判断する(ステップS103a)。ここで、安定時間は、情報処理装置1の起動から筐体内部の温度が安定するまでの時間を示し、第2の実施の形態において、15分とする。情報処理装置1の起動から安定時間が経過した場合(ステップS103a,YES)、取得部121は、温度センサ20A〜20Cによる測定温度を取得し、現在時刻と対応付けて運用温度ログテーブルに記録する(ステップS103b)。一方、情報処理装置1の起動から安定時間が経過しない場合(ステップS103a,NO)、取得部121は、ステップS104の処理を行う。
【0045】
また、ステップS107の処理後、取得部121は、情報処理装置1の起動から安定時間が経過したかどうかを判断する(ステップS107a)。情報処理装置1の起動から安定時間が経過した場合(ステップS107a,YES)、取得部121は、温度センサ20A〜20Cによる測定温度を取得し、現在時刻と対応付けて運用温度ログテーブルに記録する(ステップS107b)。一方、情報処理装置1の起動から安定時間が経過していない場合(ステップS107a,NO)、取得部121は、ステップS114の処理を行う。
【0046】
また、ステップS111の処理後、生成部124は、後述する生成処理を実行し(ステップS112a)、後述する補正処理を実行し(ステップS112b)、ステップS112の処理を行う。
【0047】
次に、生成処理について説明する。図16は、生成処理の動作を示すフローチャートである。また、図17は、補間後の補正テーブルを示す図である。また、図18は、補間後の補正テーブルを示す図である。
【0048】
図16に示すように、まず、生成部124は、フラッシュメモリ14に、異常がある温度センサ用の空の補正テーブル143を生成し(ステップS301)、シミュレーションテーブル145を参照する(ステップS302)。次に、生成部124は、シミュレーションテーブル145における未選択の項目を選択し(ステップS303)、選択した項目における異常な温度センサの測定温度と同じ値を有する他の項目の異常な温度センサの測定温度があるかどうかを判断する(ステップS304)。ここで項目とは、対応付けられた複数の値毎の単位である。つまり、シミュレーションテーブル145におけるそれぞれの行を示す。
【0049】
値が一致する測定温度がある場合(ステップS304,YES)、生成部124は、異常な温度センサ以外の温度センサのうち、未選択の測定温度種別を選択する(ステップS305)。ここで測定温度種別とは温度を測定する温度センサ別の単位であり、具体的には、測定温度A、測定温度B、測定温度Cのそれぞれ、シミュレーションテーブル145における列を示す。次に、生成部124は、選択した項目及び測定温度種別において、値が同じ項目があるかどうかを判断する(ステップS306)。
【0050】
値が同じ項目がある場合(ステップS306,YES)、選択中の項目に加えて、選択中の項目における異常な温度センサの測定温度及び他の温度センサの測定温度と値が一致する他の項目全てを選択する(ステップS307)。次に、生成部124は、選択している項目における選択中の測定温度種別の値と、選択している項目における他の測定温度種別それぞれにおける最小値から最大値を示す範囲とを対応付けた項目を補正テーブル143に追加する(ステップS308)。次に、生成部124は、未選択の項目があるかどうかを判断する(ステップS309)。
【0051】
未選択の項目がある場合(ステップS309,YES)、生成部124は、再度、選択した項目における異常な温度センサの測定温度と同じ値を有する他の項目の異常な温度センサの測定温度があるかどうかを判断する(ステップS304)。
【0052】
また、ステップS306の判断において、測定温度の値が一致する項目がない場合(ステップS306,NO)、生成部124は、選択している項目を補正テーブル143に追加し(ステップS311)、未選択の項目があるかどうかを判断する(ステップS309)。
【0053】
また、ステップS304の判断において、値が一致する測定温度がない場合(ステップS304,NO)、生成部124は、選択している項目を補正テーブル143に追加する(ステップS311)。
【0054】
また、ステップS309の判断において、未選択の項目がない場合(ステップS309,NO)、生成部124は、図17に示すような生成した補正テーブル143に対して、項目の補間及び範囲の設定を行う。
【0055】
次に、補正処理の動作について説明する。図19は、補正処理の動作を示すフローチャートである。また、図20は、環境温度ログテーブルに基づいて補正された補正テーブルを示す図である。また、図21は、運用温度ログテーブルに基づいて補正された補正テーブルを示す図である。
【0056】
図19に示すように、生成部124は、環境温度ログテーブル146に記録された時刻のうち、最も古い時刻から予め設定された所定の期間が経過しているかどうかを判断する(ステップS401)。第2の実施形態において、この所定の期間は1年とする。
【0057】
所定の期間が経過している場合(ステップS401,YES)、生成部124は、環境温度ログテーブル146の項目数が所定数以上であるかどうかを判断する(ステップS402)。
【0058】
環境温度ログテーブルの項目数が所定数以上である場合(ステップS402,YES)、生成部124は、環境温度ログテーブル146の項目のうち、測定温度別にその値が最も低い測定温度を選択する(ステップS403)。なお、ここで、異常が発生した測定温度の最低測定温度は選択されないものとする。次に、生成部124は、選択した最低測定温度に基づいて、補正テーブル143を補正する(ステップS404)。ここで、生成部124は、選択した最低測定温度未満の項目を、補正テーブル143から削除する。図13に示した環境温度ログテーブル146を用いる場合、測定温度Bの最低測定温度は30℃となり、測定温度Cの最低測定温度は29℃となる。この場合、図20に示すように、測定温度Bの範囲における上限が30℃以下、または、測定温度Cの範囲における上限が29℃以下である項目が削除される。次に、生成部124は、運用温度ログテーブル147の項目数が所定数以上であるかどうかを判断する(ステップS405)。
【0059】
運用温度ログテーブル147の項目数が所定数以上である場合(ステップS405,YES)、生成部124は、運用温度ログテーブル147の項目のうち、測定温度毎にその値が最も高い測定温度を選択する(ステップS406)。最低測定温度の選択と同様に、ここで、異常が発生した測定温度の最高測定温度は選択されないものとする。次に、生成部124は、選択した最高測定温度より値が大きい項目を、補正テーブル143から削除し(ステップS407)、補正処理を終了する。図14に示した環境温度ログテーブル146を用いる場合、測定温度Bの最高測定温度は48℃となり、測定温度Cの最高測定温度は52℃となる。この場合、図21に示すように、測定温度Bの範囲における下限が48℃より大きい項目が削除される。
【0060】
また、ステップS405の判断において、運用温度ログテーブル147の項目数が所定数以上ではない場合(ステップS405,NO)、生成部124は、補正処理を終了する。
【0061】
また、ステップS402の判断において、環境温度ログテーブル146の項目数が所定数以上ではない場合(ステップS402,NO)、生成部124は、補正処理を終了する。
【0062】
また、ステップS401の判断において、所定の期間が経過してない場合(ステップS401,NO)、生成部124は、補正処理を終了する。
【0063】
上述したように、環境温度ログテーブル146に基づいて補正テーブル143の下限が設定されることにより、最低環境温度未満の測定温度に対応付けられた回転数により異常のある冷却ファン19が制御されることがない。情報処理装置1の動作時に筐体内の測定温度が環境温度未満になることはないため、結果として、補正テーブル143による異常のある冷却ファン19の制御の精度が高くなる。また、運用温度ログテーブル147に基づいて補正テーブル143の上限が設定されることにより、最高運用温度より大きい測定温度に対応付けられた回転数により異常のある冷却ファン19が制御されることがない。これにより異常のある冷却ファン19が必要以上の回転数に制御されることを防ぐことができる。
【0064】
次に、第1の実施形態や第2の実施形態の異常検出処理の変形例を図22を参照して説明する。
【0065】
図22に示すように、まず、判定部122は、全体処理におけるステップS107において取得された測定温度A〜Cのそれぞれについて、他の測定温度との差を算出する(ステップS501)。次に、判定部122は、測定温度A〜Cのそれぞれについて、算出した他の測定温度との差の合計を算出し(ステップS502)、他の測定温度との差の合計が最大である測定温度を選択する(ステップS503)。図9に示す異常時の測定温度を例にすると、測定温度Aの他の測定温度との差の合計は46となり、測定温度B、Cの他の測定温度との差の合計は23となるため、差の合計が46となる測定温度Aが選択される。
【0066】
次に、判定部122は、フラッシュメモリ14に記録された初回起動時における選択した測定温度と他の測定温度との差の合計を算出する(ステップS504)。図9に示す初回起動時の測定温度を例にすると、測定温度Aの他の測定温度との差の合計は1となる。次に、判定部122は、ステップS107において取得された測定温度A〜Cのうち、選択した測定温度の他の測定温度との差の合計と、初回起動時における選択した測定温度と他の測定温度との差の合計との差が閾値以上であるかどうかを判断する(ステップS505)。本実施の形態において、この閾値は20とする。図9に示す正常時及び異常時の測定温度を例にすると、異常時の測定温度Aについては、初回起動時の測定温度Aとの差の合計の差は45であり、閾値以上であると判断される。一方、正常時の測定温度Aについては、初回起動時の測定温度Aとの差の合計との差は4となり、閾値以上ではないと判断される。
【0067】
差の合計間の差が閾値以上である場合(ステップS505,YES)、判定部122は、選択した測定温度を異常な測定温度として検出し(ステップS506)、センサ情報144に異常フラグを記録し(ステップS507)、異常検出処理を終了する。この異常フラグは、温度センサ20A〜20Cそれぞれに用意され、ONは異常が検出されたことを示し、OFFは異常が検出されないことを示す。
【0068】
一方、差の合計間の差が閾値以上ではない場合(ステップS505,NO)、判定部122は、異常検出処理を終了する。
【0069】
なお、上述した第1〜第2の実施形態では、電子機器の一例としてパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を示したが、こういった情報処理装置の他にもMFP(Multifunction Printer)であっても良い。この発明は温度センサを筐体内に複数有する機器に適用することができる。
【0070】
上述したような、情報処理装置を構成するコンピュータシステムにおいて上述した各ステップを実行させるプログラムを、異常検出プログラムとして提供することができる。このプログラムは、コンピュータシステムにより読取り可能な記録媒体に記憶させることによって、情報処理装置を構成するコンピュータシステムに実行させることが可能となる。このプログラムは、例えばディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていても良い。ここで、コンピュータシステムにより読取り可能な記録媒体としては、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、ディスクやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体や、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータシステム並びにそのデータベースや、通信装置のような通信手段を介して接続されるコンピュータシステムでアクセス可能な各種記録媒体を含む。
【0071】
以上、本実施の形態によれば、以下の付記で示す技術的思想が開示されている。
(付記1) 筐体内で互いに異なる位置に配置された3つ以上の温度センサと、
第1のタイミングで前記3つ以上の温度センサから第1測定温度を取得し、この第1のタイミングと異なった第2のタイミングで前記3つ以上の温度センサから第2測定温度を取得する取得部と、
前記第1測定温度と前記第2測定温度とを比較し、この比較の結果を用いて前記3つ以上の温度センサ間の測定温度の偏りを導き出して、前記3つ以上の温度センサに含まれる温度センサの異常の有無を判定する判定部と
を備える電子機器。
(付記2) 前記第1のタイミングは前記電子機器の製造後に初めて電源が投入された後であって、且つ、前記電子機器に搭載されたOSが立ち上がる前の時点を示し、前記第2のタイミングは前記初めての電源投入以降の電源の投入より後であって、この電源の投入に応じて前記OSが立ち上がるまでの時点を示す付記1記載の電子機器。
(付記3) 前記3つ以上の温度センサは電源の投入に応じて発熱する発熱部近傍に設けられており、
前記3つ以上の温度センサに対応して設けられ、前記発熱部を冷却する3つ以上の冷却部と、
前記判定部により前記3つ以上の温度センサに含まれるいずれか1つの温度センサが異常であると判定された場合、この異常であると判定された温度センサを除く他の温度センサによって測定される温度に基づいて、前記3つ以上の冷却部の冷却能力を個別に制御する冷却制御部と
を更に備える付記1もしくは付記2に記載の電子機器。
(付記4) 前記冷却制御部は、前記異常であると判定された温度センサを除く他の温度センサによって測定される温度に基づいて前記異常であると判断された温度センサ周辺の温度を推測し、この推測された温度に従って前記異常であると判定された温度センサに対応する冷却部の冷却能力を制御する、付記3記載の電子機器。
(付記5) 前記冷却制御部は、異常であると判定された温度センサを除く他の温度センサによって測定される温度に加えて、前記電子機器の環境温度に基づいて前記3つ以上の冷却部の冷却能力を個別に制御する付記3または付記4に記載の電子機器。
(付記6) 筐体内で互いに異なる位置に配置された3つ以上の温度センサから第1のタイミングで第1測定温度を取得し、
前記第1のタイミングと異なった第2のタイミングで前記3つ以上の温度センサから第2測定温度を取得し、
前記第1測定温度と前記第2測定温度とを比較し、この比較の結果を用いて前記3つ以上の温度センサ間の測定温度の偏りを導き出して、前記3つ以上の温度センサに含まれる温度センサの異常の有無を判定することを
コンピュータに実行させる異常判定プログラム。
(付記7) 前記第1のタイミングは前記電子機器の製造後に初めて電源が投入された後であって、且つ、前記電子機器に搭載されたOSが立ち上がる前の時点を示し、前記第2のタイミングは前記初めての電源投入以降の電源の投入より後であって、この電源の投入に応じて前記OSが立ち上がるまでの時点を示す付記6記載の異常判定プログラム。
(付記8) 前記3つ以上の温度センサは電源の投入に応じて発熱する発熱部近傍に設けられており、この発熱部を冷却するために前記3つ以上の温度センサに対応して冷却部が設けられ、
前記判定により前記3つ以上の温度センサに含まれるいずれか1つの温度センサが異常であると判定された場合、この異常であると判定された温度センサを除く他の温度センサによって測定される温度に基づいて、前記3つ以上の冷却部の冷却能力を個別に制御する
付記6もしくは付記7に記載の異常判定プログラム。
(付記9) 前記制御では、前記異常であると判定された温度センサを除く他の温度センサによって測定される温度に基づいて前記異常であると判断された温度センサ周辺の温度を推測し、この推測された温度に従って前記異常であると判定された温度センサに対応する冷却部の冷却能力を制御する、付記8記載の異常判定プログラム。
(付記10) 前記制御では、異常であると判定された温度センサを除く他の温度センサによって測定される温度に加えて、前記電子機器の環境温度に基づいて前記3つ以上の冷却部の冷却能力を個別に制御する付記8または付記9に記載の異常判定プログラム。
(付記11) 筐体内で互いに異なる位置に配置された3つ以上の温度センサから第1のタイミングで第1測定温度を取得し、
前記第1のタイミングと異なった第2のタイミングで前記3つ以上の温度センサから第2測定温度を取得し、
前記第1測定温度と前記第2測定温度とを比較し、この比較の結果を用いて前記3つ以上の温度センサ間の測定温度の偏りを導き出して、前記3つ以上の温度センサに含まれる温度センサの異常の有無を判定する
異常判定方法。
(付記12) 前記第1のタイミングは前記電子機器の製造後に初めて電源が投入された後であって、且つ、前記電子機器に搭載されたOSが立ち上がる前の時点を示し、前記第2のタイミングは前記初めての電源投入以降の電源の投入より後であって、この電源の投入に応じて前記OSが立ち上がるまでの時点を示す付記11記載の異常判定プログラム。
(付記13) 前記3つ以上の温度センサは電源の投入に応じて発熱する発熱部近傍に設けられており、この発熱部を冷却するために前記3つ以上の温度センサに対応して冷却部が設けられ、
前記判定により前記3つ以上の温度センサに含まれるいずれか1つの温度センサが異常であると判定された場合、この異常であると判定された温度センサを除く他の温度センサによって測定される温度に基づいて、前記3つ以上の冷却部の冷却能力を個別に制御する
付記11もしくは付記12に記載の異常判定プログラム。
(付記14) 前記制御では、前記異常であると判定された温度センサを除く他の温度センサによって測定される温度に基づいて前記異常であると判断された温度センサ周辺の温度を推測し、この推測された温度に従って前記異常であると判定された温度センサに対応する冷却部の冷却能力を制御する、付記13記載の異常判定プログラム。
(付記15) 前記制御では、異常であると判定された温度センサを除く他の温度センサによって測定される温度に加えて、前記電子機器の環境温度に基づいて前記3つ以上の冷却部の冷却能力を個別に制御する付記13または付記14に記載の異常判定プログラム。
【符号の説明】
【0072】
1 情報処理装置、11 チップセット、12 CPU/チップセット、13 メモリ、14 フラッシュメモリ、15 HWモニタIC、16 HDD、17 VGAカード、18 外部IF、19A〜19C 冷却ファン、20A〜20C 温度センサ、21 LED、22 電源ユニット、23 電源スイッチ、121 取得部、122 判定部、123 冷却制御部、141 BIOS、142 制御テーブル、143 補正テーブル、144 センサ情報、145 シミュレーションテーブル、146 環境温度ログテーブル、147 運用温度ログテーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内で互いに異なる位置に配置された3つ以上の温度センサと、
第1のタイミングで前記3つ以上の温度センサから第1測定温度を取得し、この第1のタイミングと異なった第2のタイミングで前記3つ以上の温度センサから第2測定温度を取得する取得部と、
前記第1測定温度と前記第2測定温度とを比較し、この比較の結果を用いて前記3つ以上の温度センサ間の測定温度の偏りを導き出して、前記3つ以上の温度センサに含まれる温度センサの異常の有無を判定する判定部と
を備える電子機器。
【請求項2】
前記第1のタイミングは前記電子機器の製造後に初めて電源が投入された後であって、且つ、前記電子機器に搭載されたOSが立ち上がる前の時点を示し、前記第2のタイミングは前記初めての電源投入以降の電源の投入より後であって、この電源の投入に応じて前記OSが立ち上がるまでの時点を示す請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記3つ以上の温度センサは電源の投入に応じて発熱する発熱部近傍に設けられており、
前記3つ以上の温度センサに対応して設けられ、前記発熱部を冷却する3つ以上の冷却部と、
前記判定部により前記3つ以上の温度センサに含まれるいずれか1つの温度センサが異常であると判定された場合、この異常であると判定された温度センサを除く他の温度センサによって測定される温度に基づいて、前記3つ以上の冷却部の冷却能力を個別に制御する冷却制御部と
を更に備える請求項1もしくは請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記冷却制御部は、前記異常であると判定された温度センサを除く他の温度センサによって測定される温度に基づいて前記異常であると判断された温度センサ周辺の温度を推測し、この推測された温度に従って前記異常であると判定された温度センサに対応する冷却部の冷却能力を制御する、請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記冷却制御部は、異常であると判定された温度センサを除く他の温度センサによって測定される温度に加えて、前記電子機器の環境温度に基づいて前記3つ以上の冷却部の冷却能力を個別に制御する請求項3または請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
筐体内で互いに異なる位置に配置された3つ以上の温度センサから第1のタイミングで第1測定温度を取得し、
前記第1のタイミングと異なった第2のタイミングで前記3つ以上の温度センサから第2測定温度を取得し、
前記第1測定温度と前記第2測定温度とを比較し、この比較の結果を用いて前記3つ以上の温度センサ間の測定温度の偏りを導き出して、前記3つ以上の温度センサに含まれる温度センサの異常の有無を判定することを
コンピュータに実行させる異常判定プログラム。
【請求項7】
筐体内で互いに異なる位置に配置された3つ以上の温度センサから第1のタイミングで第1測定温度を取得し、
前記第1のタイミングと異なった第2のタイミングで前記3つ以上の温度センサから第2測定温度を取得し、
前記第1測定温度と前記第2測定温度とを比較し、この比較の結果を用いて前記3つ以上の温度センサ間の測定温度の偏りを導き出して、前記3つ以上の温度センサに含まれる温度センサの異常の有無を判定する
異常判定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate