説明

電子機器、表示制御方法、およびプログラム

【課題】押圧力に応じた3次元画像を表示可能な電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、CPUと、メモリと、ディスプレイと、押圧力を検知するためのセンサとを備える。メモリは、地図および当該地図に含まれる建物の各階のフロア図を表したコンテンツデータと、建物の各階に対して互いに重複しない圧力範囲を対応付けた圧力範囲データとを格納している。コンテンツデータは、フロア図を3次元表示させるための画像データを含む。CPUは、ディスプレイに地図および建物を表示させている状態においてセンサによって押圧力が検知されると、圧力範囲データと画像データとに基づき、検知された押圧力が含まれる圧力範囲に対応付けられた階のフロア図を、ディスプレイに3次元表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、表示制御方法、およびプログラムに関し、特に、3次元表示が可能な電子機器、当該電子機器における表示制御方法、当該電子機器を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパッド、タッチパネル、タブレットなどのポインティングデバイスを備えた電子機器が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記電子機器として、液晶画面の背面にタッチパネルを備えた携帯端末が開示されている。当該携帯端末は、操作圧力の検出が可能なタッチパネルを備える。携帯端末は、操作圧力により、タッチパネルへの入力操作をカーソル表示(移動)のモードとして処理するか、データ入力のモードとして処理するか、カーソル消去のモードとして処理するかを切換える。携帯端末は、たとえば、操作圧力が弱いときはカーソル表示のみ行ない、強い圧力で操作されたときにのみ入力データの処理を行なう。
【0004】
特許文献2には、上記電子機器として、表面側にディスプレイを設け、背面側にポインティングデバイスを設けた携帯移動通信装置が開示されている。当該携帯移動通信装置では、ポインティングデバイスを操作者の指で操作することにより、ディスプレイ上のポインタを移動させることができ、かつクリックによりディスプレイ上の項目を選択・確定することもできる。
【0005】
特許文献3には、上記電子機器として、正面の表示部に対して背面側にタッチパネルスイッチを配し、表示部に表示された選択項目の内の希望する項目に対応した、タッチパネルスイッチの所定位置を押圧操作することにより希望する項目を選択可能に構成した電子機器が開示されている。
【0006】
特許文献4には、画像をポインティングできるとともに3次元表示が可能な電子機器の制御装置が開示されている。当該制御装置は、表示装置と、表示装置に表示されたオブジェクト画像をポインティングする入力装置とを含むユーザインタフェース装置の制御装置である。当該制御装置は、入力装置を操作した操作情報が入力される操作情報入力手段と、入力された操作情報に基づき、被制御装置を制御するための制御パラメータを算出する制御パラメータ算出手段と、算出された制御パラメータに基づき、所定のオブジェクト画像を予め定めた複数の表示領域のいずれかの領域内の所定位置に表示するようにオブジェクト位置を算出するオブジェクト位置算出手段と、算出されたオブジェクト位置に基づき、オブジェクト画像を表示装置に表示させる表示制御手段とを有する。
【0007】
特許文献5には、GUI(Graphical User Interface)を用いたコンピュータにおいて、平面ディスプレイ上に擬似3次元表示されたアイテムを、筆圧感知型タブレットなどの擬似的に3次元情報を入力できる装置を用いることで選択、移動するための図形選択装置が開示されている。当該図形選択装置は、タブレットから利用者の指し示す平面上の位置情報および筆圧を検知する。図形選択装置は、得られたタブレットからの入力情報を、3次元情報に変換する。図形選択装置は、求められた3次元情報を元に、ディスプレイ上に表示されているアイテムの、記憶装置に格納されている表示情報を検索し、アイテムを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−58316号公報
【特許文献2】特開2001−189792号公報
【特許文献3】特開2002−77357号公報
【特許文献4】特開2006−323492号公報
【特許文献5】特開平11−7372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1から5に開示された機器は、タッチパッドやタッチパネルなどのポインティングデバイスへの操作圧力(押圧力)を変化させても、2次元表示から3次元表示への切換えを行なうことはできない。加えて、3次元表示が可能な特許文献4,5に開示された機器は、押圧力に応じた3次元画像を表示することはできない。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであって、押圧力に応じた3次元画像を表示可能な電子機器、当該電子機器における表示制御方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る電子機器は、3次元画像の表示が可能な電子機器である。電子機器は、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリと、3次元画像を表示するためのディスプレイと、押圧力を検知するための第1のセンサとを備える。メモリは、地図および当該地図に含まれる建物の各階のフロア図を表したコンテンツデータと、建物の各階に対して互いに重複しない圧力範囲を対応付けた圧力範囲データとを格納している。コンテンツデータは、フロア図を3次元表示させるための画像データを含む。プロセッサは、ディスプレイに地図および建物を表示させている状態において第1のセンサによって押圧力が検知されると、圧力範囲データと画像データとに基づき、検知された押圧力が含まれる圧力範囲に対応付けられた階のフロア図を、ディスプレイに3次元表示させる。
【0012】
好ましくは、建物の最上階以外の任意の階に対応付けられた圧力範囲における最大値は、任意の階の1つ上の階に対応付けられた圧力範囲における最小値よりも小さい。
【0013】
好ましくは、メモリは、建物の階が高いほどディスプレイからのフロア図の飛び出し量が大きくなるように、建物の各階に対して飛び出し量を対応付けた飛び出し量データをさらに格納している。プロセッサは、飛び出し量データに基づき、3次元表示させるフロア図の飛び出し量を制御する。
【0014】
好ましくは、プロセッサは、ディスプレイからのフロア図の飛び出し量を、建物の各階で同じとする。
【0015】
好ましくは、第1のセンサは、ディスプレイに表示されるポインタの位置を指定するためのタッチパッドにより実現される。プロセッサは、押圧力が加わったポインタの位置を特定する。プロセッサは、特定されたポインタの位置に表示されている建物に関するフロア図を、ディスプレイに3次元表示させる。
【0016】
好ましくは、プロセッサは、第1のセンサによって検知された押圧力のうち最も高い押圧力が含まれる圧力範囲に対応付けられた階のフロア図を、予め定められた指示を受け付けるまでディスプレイに3次元表示させ続ける。
【0017】
好ましくは、ディスプレイは、電子機器の筐体の第1の表面に設けられている。第1のセンサは、第1の表面の裏面である筐体の第2の表面に設けられ、ディスプレイ方向への押圧力を検知する。電子機器は、第1の表面に、物体までの距離を測定するための第2のセンサをさらに備える。予め定められた指示は、物体が予め定められた距離以内に近づいたときに第2のセンサが出力する信号である。
【0018】
好ましくは、メモリは、建物の各階に対して互いに重複しない距離範囲を対応付けた距離範囲データをさらに格納している。建物の最下階以外の任意の階に対応付けられた距離範囲における最小値は、任意の階の1つ下の階に対応付けられた距離範囲における最大値よりも大きい。プロセッサは、物体が予め定められた距離以内に近づくと、最も高い押圧力が含まれる圧力範囲に対応付けられた階のフロア図を非表示とし、距離範囲データと画像データとに基づき、測定された距離が含まれる距離範囲に対応付けられた階のフロア図を、ディスプレイに3次元表示させる。
【0019】
本発明の他の局面に従うと、表示制御方法は、3次元画像の表示が可能な電子機器における表示制御方法である。電子機器は、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリと、3次元画像を表示するためのディスプレイと、押圧力を検知するためのセンサとを備える。メモリは、地図および当該地図に含まれる建物の各階のフロア図を表したコンテンツデータと、建物の各階に対して互いに重複しない圧力範囲を対応付けた圧力範囲データとを格納している。コンテンツデータは、フロア図を3次元表示させるための画像データを含む。表示制御方法は、センサが、ディスプレイに地図および建物を表示させている状態において、押圧力を検知するステップと、プロセッサが、圧力範囲データと画像データとに基づき、検知された押圧力が含まれる圧力範囲に対応付けられた階のフロア図を、ディスプレイに3次元表示させるステップとを備える。
【0020】
本発明のさらに他の局面に従うと、プログラムは、3次元画像の表示が可能な電子機器を制御するためのプログラムである。電子機器は、プロセッサと、プロセッサに接続されたメモリと、3次元画像を表示するためのディスプレイと、押圧力を検知するためのセンサとを備える。メモリは、地図および当該地図に含まれる建物の各階のフロア図を表したコンテンツデータと、建物の各階に対して互いに重複しない圧力範囲を対応付けた圧力範囲データとを格納している。コンテンツデータは、フロア図を3次元表示させるための画像データを含む。センサは、ディスプレイに地図および建物を表示させている状態において、押圧力を検知する。プログラムは、センサから検知された押圧力を示す信号の入力を受け付けるステップと、圧力範囲データと画像データとに基づき、信号が表す押圧力が含まれる圧力範囲に対応付けられた階のフロア図を、ディスプレイに3次元表示させるステップとを、プロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0021】
上記の発明によれば、押圧力に応じた3次元画像を表示可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】電子機器の外観を示した図である。
【図2】電子機器のハードウェア構成を示した図である。
【図3】電子機器における表示制御の例を説明するための図である。
【図4】データテーブルを示した図である。
【図5】電子機器における処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】他の電子機器の外観を示した図である。
【図7】他の電子機器のハードウェア構成を示した図である。
【図8】他のデータテーブルを示した図である。
【図9】他の電子機器における表示制御の例を説明するための図である。
【図10】他の電子機器における処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態に係る電子機器について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0024】
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態に係る電子機器1の外観を示した図である。図1(a)は、電子機器1の斜視図である。図1(b)は、電子機器1の正面図である。図1(c)は、電子機器1の裏面図である。図1(d)は、電子機器1の側面図である。
【0025】
図1を参照して、電子機器1は、ディスプレイ105と、操作キー107と、タッチパッド110とを備える。電子機器1の筐体10は、第1面10Aと、第2面10Bと、第3面10Cと、第4面10Dと、第5面10Eと、第6面10Fとを備える。第2面10Bは、第1面10Aの裏面である。第3面10C、第4面10D、第5面10E、および第6面10Fは、電子機器1の側面である。
【0026】
ディスプレイ105および操作キー107は、筐体10の第1面10Aに備えられる。タッチパッド110は、筐体10の第2面10Bに備えられる。つまり、タッチパッド110は、第1面10Aの裏面である第2面10Bに設けられる。
【0027】
電子機器1は、2次元表示と3次元表示とが可能に構成されている。電子機器1は、3次元表示の方法として視差バリア方式を用いている。電子機器1は、ディスプレイ105に、右目用画像と左目用画像とを、x方向において交互に表示する。なお、3次元表示の方法は、視差バリア方式に限定されるものではなく、たとえば、レンチキュラ方式、偏光板方式、液晶アクティブシャッターメガネ方式等の各種の方式を用いることもできる。電子機器1は、たとえば、携帯型電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、電子辞書、電子ブックリーダである。
【0028】
図2は、電子機器1のハードウェア構成を示した図である。図2を参照して、電子機器1は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)101と、データを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)102と、データを揮発的に格納するRAM(Random Access Memory)103と、フラッシュメモリ104と、ディスプレイ105と、スピーカ106と、電子機器1のユーザによる指示の入力を受ける操作キー107と、通信IF(Interface)108と、IC(Integrated Circuit)カードリーダライタ109と、タッチパッド110と、電源ユニット111とを備える。
【0029】
フラッシュメモリ104は、不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ104は、CPU101が実行するプログラム、後述するデータテーブル410,420(図4参照)、地図(図3参照)および当該地図に含まれる建物の各階のフロア図を表したコンテンツデータ等の後述する各種データを格納している。コンテンツデータは、フロア図を3次元表示させるための画像データを含む。また、フラッシュメモリ104は、電子機器1が生成したデータ、電子機器1の外部装置から取得したデータ等の各種データを揮発的に格納する。
【0030】
スピーカ106は、CPU101からの指令に応じて音を発生させる。通信IF108は、他の装置と通信を行なうための用いられるインターフェースである。通信IF108は、無線および/または有線にてデータを送信するための処理を行なう。
【0031】
タッチパッド110は、ユーザの指等による入力操作に従って、ディスプレイ105に表示されるポインタ(カーソル)の位置を移動させるためのデバイスである。CPU101は、タッチパッド110からの出力に基づいてポインタの位置を特定し、当該特定した位置にポインタを表示させる。
【0032】
タッチパッド110は、押圧力を検知するための圧力センサ121を含んでいる。つまり、圧力センサ121は、タッチパッド110により実現される。圧力センサ121は、タッチパッド110の表面に沿ってタッチパッド110の内部に配置されている。
【0033】
圧力センサ121は、ユーザが指等でタッチパッド110の接触面を押した場合、押圧力を出力する。具体的には、圧力センサ121は、ディスプレイ105方向(つまり、第2面10Bから第1面10A方向)への押圧力を検知し、検知結果をCPU101に送る。
【0034】
各構成要素101〜111は、相互にデータバスによって接続されている。ICカードリーダライタ109には、メモリカード1091が装着される。
【0035】
電子機器1における処理は、各ハードウェアおよびCPU101により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、フラッシュメモリ104に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカード1091その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、ICカードリーダライタ109その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IFを介してダウンロードされた後、フラッシュメモリ104に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU101によってフラッシュメモリ104から読み出され、さらにフラッシュメモリ104に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU101は、そのプログラムを実行する。
【0036】
同図に示される電子機器1を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、フラッシュメモリ104、メモリカード1091その他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、電子機器1の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0037】
なお、記録媒体としては、DVD-ROM、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。
【0038】
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0039】
図3は、電子機器1における表示制御の例を説明するための図である。なお、以下では、iを自然数として、閾値ThPiよりも大きくかつ閾値ThP(i+1)以下の押圧力の範囲を、「圧力範囲Ri」と称する。なお、ThPi<ThP(i+1)である。
【0040】
図3(a)は、電子機器1がディスプレイ105に地図を表示した状態を示した図である。また、図3(a)は、ユーザがタッチパッド110によりポインタ510の位置を建物550上に移動させた状態を表した図である。図3(a)を参照して、電子機器1は、ユーザからの指示に基づき、地図をディスプレイ105に表示する。表示された地図には、複数の道路と複数の建物とが表示されている。以下では、複数の建物のうちポインタ510が指し示す建物550が10階建てである場合を例に挙げて説明する。
【0041】
図3(b)は、図3(a)の後に、高い押圧力Pがタッチパッド110に加わったときの表示画面を示した図である。より具体的には、図3(b)は、図3(a)の後に、圧力範囲R10(つまり、閾値ThP10より大きくかつ閾値ThP11以下の押圧力の範囲)の押圧力Pがタッチパッド110に加わったときの表示画面を示した図である。図3(b)を参照して、電子機器1は、圧力範囲R10の押圧力Pがタッチパッド110に加わったとき、ポインタ510が指し示している建物550の10階のフロア図(フロアガイド)を、ディスプレイ105から飛び出す態様で3次元表示する。より詳しくは、電子機器1は、建物550の10階のフロア図を飛び出し量V10で3次元表示する。
【0042】
図3(c)は、図3(a)の後に、中程度の押圧力Pがタッチパッド110に加わったときの表示画面を示した図である。より具体的には、図3(c)は、図3(a)の後に、圧力範囲R5の押圧力Pがタッチパッド110に加わったときの表示画面を示した図である。図3(c)を参照して、電子機器1は、圧力範囲R5の押圧力Pがタッチパッド110に加わったとき、建物550の5階のフロア図を、ディスプレイ105から飛び出す態様で3次元表示する。より詳しくは、電子機器1は、建物550の5階のフロア図を、飛び出し量V10よりも少ない飛び出し量V5で3次元表示する。
【0043】
図3(d)は、図3(a)の後に、低い押圧力Pがタッチパッド110に加わったときの表示画面を示した図である。より具体的には、図3(d)は、図3(a)の後に、圧力範囲R1の押圧力Pがタッチパッドに加わったときの表示画面を示した図である。図3(d)を参照して、電子機器1は、圧力範囲R1の押圧力Pがタッチパッド110に加わったとき、建物550の1階のフロア図を、ディスプレイ105から飛び出す態様で3次元表示する。より詳しくは、電子機器1は、建物550の1階のフロア図を、飛び出し量V5よりも少ない飛び出し量V1で3次元表示する。
【0044】
以上のように、電子機器1は、押圧力Pに対応した階のフロア図を、当該階に対応した飛び出し量で、ディスプレイ105に表示することができる。
【0045】
なお、画像の飛び出しは、フラッシュメモリ104に格納された上記画像データのうち右目用画像と左目用画像とのディスプレイ105における位置をずらすことにより実現できる。
【0046】
図4は、データテーブル410,420を示した図である。図4(a)がデータテーブル410を示した図であり、図4(b)がデータテーブル420を示した図である。
【0047】
図4(a)を参照して、データテーブル410は、建物の各階に対して互いに重複しない圧力範囲を対応付けた圧力範囲データである。また、建物の最上階以外の任意の階に対応付けられた圧力範囲(ThPi<P≦ThP(i+1))における最大値は、当該任意の階の1つ上の階に対応付けられた圧力範囲(ThP(i+1)<P≦ThP(i+2))における最小値よりも小さい。つまり、建物の階の値が高いほど、高い圧力範囲が対応付けられている。なお、上述したように、iを自然数としたとき、ThPi<ThP(i+1)である。
【0048】
図4(b)を参照して、データテーブル420は、建物の階が高いほどディスプレイ105からのフロア図の飛び出し量が大きくなるように、建物の各階に対して飛び出し量を対応付けた飛び出し量データである。iを自然数としたとき、Vi<Vi+1である。
【0049】
電子機器1は、押圧力Pを検知した場合、データテーブル410を参照して、ポインタが指し示す建物において3次元表示する階を決定する。さらに、電子機器1は、データテーブル420を参照して、3次元表示することを決定した階に対応する飛び出し量を決定する。これにより、上述したように、電子機器1は、押圧力Pに対応した階のフロア図を、当該階に対応した飛び出し量で、ディスプレイ105に表示することができる。
【0050】
具体的に説明すると以下のとおりである。電子機器1は、押圧力Pが閾値ThPiよりも大きく、かつ閾値ThP(i+1)以下である場合には、データテーブル410を参照して、建物のi階を3次元表示することを決定する。次いで、電子機器1は、データテーブル420を参照して、3次元表示することが決定されたi階に対応する飛び出し量V(つまり、Vi)を決定する。当該処理によって、電子機器1は、ポインタが指し示す建物のi階を飛び出し量Viとして3次元表示することができる。
【0051】
図5は、電子機器1における処理の流れを示したフローチャートである。図5を参照して、ステップS2において、CPU101は、タッチパッド110に指が接触したか否かを判断する。CPU101は、指が接触したと判断すると(ステップS2においてYES)、ステップS4において、ポインティング処理を行なう。すなわち、CPU101は、ポインタを移動させるための処理を行なう。CPU101は、接触していないと判断すると(ステップS2においてNO)、処理をステップS2に進める。
【0052】
ステップS6において、CPU101は、ポインタ510が指し示す位置(以下、「ポインティング位置」とも称する)が建物の位置であるか否かを判断する。CPU101は、ポインティング位置であると判断すると(ステップS6においてYES)、ステップS8において、変数iの値をNに設定する。なお、Nは、予め定められた値であって、たとえば、“50”ある。また、i=Nのときの閾値ThPi(つまり、閾値ThPN)を圧力センサ121が検知可能な圧力の上限値以上の値とした場合について説明する。
【0053】
CPU101は、ポインティング位置ではないと判断すると(ステップS6においてNO)、ステップS16において、タッチパッド110から指が離れたか否かを判断する。CPU101は、離れたと判断すると(ステップS16においてYES)、処理を終了する。CPU101は、離れていないと判断すると(ステップS16においてNO)、ステップS4に処理を進める。
【0054】
ステップS10において、CPU101は、指の接触に基づく押圧力Pが、閾値ThPiよりも大きく、かつ閾値ThP(i+1)以下であるかを判断する。つまり、CPU101は、押圧力Pが、圧力範囲Riであるか否かを判断する。
【0055】
CPU101は、指の接触に基づく押圧力Pが、閾値ThPiよりも大きく、かつ閾値ThP(i+1)以下であると判断した場合(ステップS10においてYES)、ステップS12において、ポインティング位置の建物のi階のフロア図を、ディスプレイ105に飛び出し量Viで3次元表示させる。
【0056】
CPU101は、指の接触に基づく押圧力Pが、閾値ThPi以下であると判断した場合(ステップS10においてNO)、ステップS18において、iの値を1だけ小さな値に変更する。つまり、CPU101は、変数iの値を1だけデクリメントする。CPU101は、ステップS18の後、処理をステップS10に進める。
【0057】
ステップS14において、CPU101は、再度、ポインティング位置が建物の位置であるか否かを判断する。CPU101は、ポインティング位置であると判断すると(ステップS14においてYES)、処理をステップS8に進める。CPU101は、ポインティング位置でないと判断すると(ステップS14においてNO)、処理をステップS16に進める。
【0058】
(電子機器1のまとめ)
(1)フラッシュメモリ104は、地図および当該地図に含まれる建物の各階のフロア図を表したコンテンツデータと、当該建物の各階に対して互いに重複しない圧力範囲を対応付けたデータテーブル410(圧力範囲データ)とを格納している。コンテンツデータは、フロア図を3次元表示させるための画像データを含む。電子機器1のCPU101は、ディスプレイ105に地図および当該地図に含まれる建物を表示させている状態において圧力センサ121によって押圧力Pが検知されると、データテーブル410(圧力範囲データ)とフラッシュメモリ104に予め格納されたフロア図を3次元表示させるための画像データとに基づき、検知された押圧力Pが含まれる圧力範囲に対応付けられた階のフロア図を、ディスプレイ105に3次元表示させる。
【0059】
したがって、電子機器1は、押圧力Pに対応した階のフロア図をディスプレイ105に3次元表示することができる。さらに、電子機器1は、指がタッチパッド110に接触した状態において押圧力Pが変化した場合においても、当該変化後の押圧力Pに対応した階のフロア図を3次元表示することができる。
【0060】
(2)建物の最上階以外の任意の階に対応付けられた圧力範囲における最大値は、当該任意の階の1つ上の階に対応付けられた圧力範囲における最小値よりも小さい。
【0061】
したがって、ユーザは、押圧力を強くする程、高い階のフロア図をディスプレイ105に3次元表示させることができる。
【0062】
(3)CPU101は、データテーブル420(飛び出し量データ)に基づき、3次元表示させるフロア図の飛び出し量を制御する。
【0063】
したがって、電子機器1は、押圧力Pに対応した階のフロア図を、当該階に対応した飛び出し量で、ディスプレイ105に表示することができる。
【0064】
(4)圧力センサ121は、ディスプレイ105に表示されるポインタの位置を指定するためのタッチパッド110により実現される。CPU101は、押圧力Pが加わったポインタの位置を特定し、特定されたポインタの位置に表示されている建物に関するフロア図を3次元表示させる。
【0065】
したがって、電子機器1は、ユーザがポインタを用いて指定した位置の建物のフロア図のみを3次元表示可能となる。それゆえ、電子機器1は、表示された地図に含まれる全ての建物のフロア図を表示させる構成に比べ、視認性に優れる。
【0066】
[実施の形態2]
本実施の形態では、ユーザの指がタッチパッド110から離れた場合であっても、予め定められた指示を受け付けるまで、一旦3次元表示させたフロア図を表示し続ける構成について説明する。さらに、3次元表示させているフロア図を、後述する測距センサからの出力を用いて他の階のフロア図に変更する構成について説明する。
【0067】
図6は、本実施の形態に係る電子機器1Aの外観を示した図である。図6(a)は、電子機器1Aの斜視図である。図6(b)は、電子機器1Aの正面図である。図6(c)は、電子機器1Aの裏面図である。図6(d)は、電子機器1Aの側面図である。
【0068】
図6を参照して、電子機器1Aは、ディスプレイ105と、操作キー107と、タッチパッド110と、測距センサ112とを備える。測距センサ112は、ディスプレイ105と同様に、筐体10の第1面10Aに備えられる。なお、電子機器1Aは、測距センサ112を備える点を除き、電子機器1Aと同様の外観構成を有するため、ここでは電子機器1Aの外観についての説明を繰り返さない。
【0069】
図7は、電子機器1Aのハードウェア構成を示した図である。図7を参照して、電子機器1Aは、CPU101と、ROM102と、RAM103と、フラッシュメモリ104と、ディスプレイ105と、スピーカ106と、操作キー107と、通信IF108と、ICカードリーダライタ109と、タッチパッド110と、電源ユニット111と、測距センサ112とを備える。つまり、電子機器1Aは、測距センサ112を備える点を除き、電子機器1Aと同様のハードウェア構成を有する。
【0070】
測距センサ112は、物体(たとえば、ユーザの指)までの距離を測定するためのセンサである。測距センサ112は、物体との距離に応じた信号をデータバスに出力する。CPU101は、当該出力された信号のレベルに応じた、フロア図の3次元表示制御を行なう。表示制御の詳細については、後述する。
【0071】
CPU101は、圧力センサ121によって検知された押圧力のうち最も高い押圧力が含まれる圧力範囲(図4(a)参照)に対応付けられた階のフロア図を、予め定められた指示を受け付けるまでディスプレイ105に3次元表示させ続ける。
【0072】
図8は、データテーブル910を示した図である。なお、データテーブル910は、フラッシュメモリ104に予め格納されている。図8を参照して、データテーブル910は、建物の各階に対して互いに重複しない距離範囲を対応付けた距離範囲データである。建物の最下階以外の任意の階に対応付けられた距離範囲(ThD(i+1)<P≦ThD(i+2))における最小値は、当該任意の階の1つ下の階に対応付けられた距離範囲(ThDi<P≦ThD(i+1))における最大値よりも大きい。
【0073】
図9は、電子機器1Aにおける表示制御の例を説明するための図である。図9(a)は、建物550の5階のフロア図を表示している状態を示している。つまり、図9(a)は、圧力センサ121によって検知された押圧力のうち最も高い押圧力Pが、閾値Th5よりも大きく、かつ閾値ThP6以下である場合を示している。なお、説明の便宜上、当該フロア図を表示した後は、ユーザが指をタッチパッド110に接触させていないものとする。
【0074】
図9(b)は、図9(a)の状態から、ユーザが指を測距センサ112に近づけ、指と測距センサ112との距離が、閾値ThD4よりも大きく、かつ閾値ThD5以下となった状態を示した図である。図9(b)を参照して、電子機器1Aは、データテーブル910に基づき、3次元表示させるフロア図を5階のフロア図から4階のフロア図に切換える。その際、電子機器1Aは、フロア図の飛び出し量を小さくする。
【0075】
図9(c)は、図9(b)の状態から、ユーザが指をさらに測距センサ112に近づけ、指と測距センサ112との距離が、閾値ThD3よりも大きく、かつ閾値ThD4以下となった状態を示した図である。図9(c)を参照して、電子機器1Aは、データテーブル910に基づき、3次元表示させるフロア図を4階のフロア図から3階のフロア図に切換える。その際、電子機器1Aは、フロア図の飛び出し量を小さくする。
【0076】
図9(d)は、図9(c)の状態から、ユーザが指をさらに測距センサ112に近づけ、指と測距センサ112との距離が、閾値ThD2よりも大きく、かつ閾値ThD3以下となった状態を示した図である。図9(d)を参照して、電子機器1Aは、データテーブル910に基づき、3次元表示させるフロア図を3階のフロア図から2階のフロア図に切換える。その際、電子機器1Aは、フロア図の飛び出し量を小さくする。
【0077】
図9(e)は、図9(d)の状態から、ユーザが指をさらに測距センサ112に近づけ、指と測距センサ112との距離が、閾値ThD1よりも大きく、かつ閾値ThD2以下となった状態を示した図である。図9(e)を参照して、電子機器1Aは、データテーブル910に基づき、3次元表示させるフロア図を2階のフロア図から1階のフロア図に切換える。その際、電子機器1Aは、フロア図の飛び出し量を小さくする。
【0078】
図9(f)は、図9(e)の状態から、ユーザが指をさらに測距センサ112に近づけ、指と測距センサ112との距離が、閾値ThD1以下となった状態を示した図である。図9(f)を参照して、電子機器1Aは、データテーブル910に基づき、3次元表示させるフロア図を1階のフロア図から建物550を表す図に切換える。つまり、電子機器1Aは、データテーブル910において閾値ThD1以下に対応付けられた階が存在しないため、フロア図を非表示とする。
【0079】
以上のように、電子機器1Aは、電子機器1と同様に、最も高い押圧力Pに対応した階のフロア図を、当該階に対応した飛び出し量で、ディスプレイ105に表示することができる。また、電子機器1Aは、ユーザによるタッチパッド110への接触がなくても、3次元表示されたフロア図の表示を維持することができる。さらに、電子機器1Aは、当該表示を維持した状態において、ユーザが指を測距センサ112に接近させれば、指と測距センサ112との距離に応じた下の階のフロア図を、階に応じた飛び出し量で3次元表示することができる。
【0080】
図10は、電子機器1Aにおける処理の流れを示したフローチャートである。図10を参照して、ステップS102において、CPU101は、タッチパッド110に指が接触したか否かを判断する。CPU101は、指が接触したと判断すると(ステップS102においてYES)、ステップS104において、ポインティング処理を行なう。すなわち、CPU101は、ポインタを移動させるための処理を行なう。CPU101は、接触していないと判断すると(ステップS102においてNO)、処理をステップS102に進める。
【0081】
ステップS106において、CPU101は、ポインティング位置が建物の位置であるか否かを判断する。CPU101は、ポインティング位置であると判断すると(ステップS106においてYES)、ステップS108において、変数iの値をNに設定する。なお、Nは、実施の形態1と同様、予め定められた値であって、たとえば、“50”ある。また、i=Nのときの閾値ThPi(つまり、閾値ThPN)を圧力センサ121が検知可能な圧力の上限値以上の値とした場合について説明する。また、後述する変数jに関し、j=Nのときの閾値ThDj(つまり、閾値ThDN)を測距センサ112が測定可能な距離の上限値以上の値とした場合について説明する。
【0082】
CPU101は、ポインティング位置ではないと判断すると(ステップS106においてNO)、ステップS126において、タッチパッド110から指が離れたか否かを判断する。CPU101は、離れたと判断すると(ステップS126においてYES)、処理を終了する。CPU101は、離れていないと判断すると(ステップS126においてNO)、ステップS104に処理を進める。
【0083】
ステップS110において、CPU101は、指の接触に基づく押圧力Pが、閾値ThPiよりも大きく、かつ閾値ThP(i+1)以下であるかを判断する。つまり、CPU101は、押圧力Pが、圧力範囲Riであるか否かを判断する。
【0084】
CPU101は、指の接触に基づく押圧力Pが、閾値ThPiよりも大きく、かつ閾値ThP(i+1)以下であると判断した場合(ステップS110においてYES)、ステップS112において、ポインティング位置の建物のi階のフロア図を、ディスプレイ105に飛び出し量Viで3次元表示させる。
【0085】
CPU101は、指の接触に基づく押圧力Pが、閾値ThPi以下であると判断した場合(ステップS110においてNO)、ステップS128において、iの値を1だけ小さな値に変更する。つまり、CPU101は、変数iの値を1だけデクリメントする。CPU101は、ステップS128の後、処理をステップS110に進める。
【0086】
ステップS114において、CPU101は、変数jをiの値にする。たとえば、CPU101が、ステップS112において5階のフロア図を飛び出し量V5で3次元表示している場合には、ステップS114において、j=5とする。
【0087】
ステップS116において、CPU101は、データテーブル910を参照して、測距センサ112によって測定された距離Dが、閾値ThDi以下であるか否かを判断する。CPU101は、距離Dが閾値ThDi以下であると判断した場合(ステップS116においてYES)、ステップS118において、距離Dが、閾値ThD(j−1)よりも大きく、かつ閾値ThDj以下であるかを判断する。CPU101は、距離Dが閾値ThDi以下でないと判断した場合(ステップS116においてNO)、処理をステップS112に進める。
【0088】
CPU101は、距離Dが、閾値ThD(j−1)よりも大きく、かつ閾値ThDj以下であると判断した場合(ステップS118においてYES)、ステップS120において、建物のj−1階のフロア図を、ディスプレイ105に飛び出し量V(j−1)で3次元表示させる。つまり、CPU101は、ディスプレイ105に表示させるフロア図を、現在表示されている階のフロア図から、当該階よりも下の階のフロア図に切換える。
【0089】
CPU101は、距離Dが、閾値ThD(j−1)以下であると判断した場合(ステップS118においてNO)、ステップS130において、jの値を1だけ小さな値に変更する。つまり、CPU101は、変数jの値を1だけデクリメントする。CPU101は、ステップS130の後、処理をステップS118に進める。
【0090】
ステップS122において、CPU101は、距離Dが閾値ThD1以下であるか否かを判断する。CPU101は、距離Dが閾値ThD1以下であると判断した場合(ステップS122においてYES)、ステップS124において、フロア図を非表示とした状態で地図を表示する。CPU101は、距離Dが閾値ThD1以下でないと判断した場合(ステップS122においてNO)、処理をステップS118に進める。
【0091】
(電子機器1Aのまとめ)
(1)電子機器1Aは、電子機器1と同様、以下の構成を有する。
【0092】
フラッシュメモリ104は、地図および当該地図に含まれる建物の各階のフロア図を表したコンテンツデータと、当該建物の各階に対して互いに重複しない圧力範囲を対応付けたデータテーブル410(圧力範囲データ)とを格納している。コンテンツデータは、フロア図を3次元表示させるための画像データを含む。電子機器1のCPU101は、ディスプレイ105に地図および当該地図に含まれる建物を表示させている状態において圧力センサ121によって押圧力Pが検知されると、データテーブル410(圧力範囲データ)とフラッシュメモリ104に予め格納されたフロア図を3次元表示させるための画像データとに基づき、検知された押圧力Pが含まれる圧力範囲に対応付けられた階のフロア図を、ディスプレイ105に3次元表示させる。
【0093】
建物の最上階以外の任意の階に対応付けられた圧力範囲における最大値は、当該任意の階の1つ上の階に対応付けられた圧力範囲における最小値よりも小さい。
【0094】
CPU101は、データテーブル420(飛び出し量データ)に基づき、3次元表示させるフロア図の飛び出し量を制御する。
【0095】
圧力センサ121は、ディスプレイ105に表示されるポインタの位置を指定するためのタッチパッド110により実現される。CPU101は、押圧力Pが加わったポインタの位置を特定し、特定されたポインタの位置に表示されている建物に関するフロア図を3次元表示させる。
【0096】
(2)電子機器1Aは、さらに以下の構成を有する。
(2−1)CPU101は、圧力センサ121によって検知された押圧力のうち最も高い押圧力が含まれる圧力範囲に対応付けられた階のフロア図を、予め定められた指示を受け付けるまでディスプレイ105に3次元表示させ続ける。
【0097】
したがって、電子機器1Aは、検知した押圧力のうちで最も高い圧力範囲に対応付けられた階のフロア図の表示を維持することができる。また、電子機器1Aは、予め定められた指示を受け付けると、フロア図の表示の維持を解除することができる。
【0098】
(2−2)ディスプレイ105は、電子機器1の筐体10の第1面10Aに設けられている。圧力センサ121は、第1面10Aの裏面である第2面10Bに設けられ、ディスプレイ105方向への押圧力Pを検知する。電子機器1は、第1面10Aに、物体までの距離を測定するための測距センサ112をさらに備える。上記予め定められた指示は、物体が予め定められた距離以内に近づいたときに測距センサ112が出力する信号である。
【0099】
したがって、ユーザは、ディスプレイ105の方向に指を近づけることにより、維持されたフロア図の表示を解除することができる。
【0100】
(2−3)フラッシュメモリ104は、建物の各階に対して互いに重複しない距離範囲を対応付けた距離範囲データをさらに格納している。建物の最下階以外の任意の階に対応付けられた距離範囲における最小値は、当該任意の階の1つ下の階に対応付けられた距離範囲における最大値よりも大きい。CPU101は、物体(指)が予め定められた距離以内に近づくと、最も高い押圧力が含まれる圧力範囲に対応付けられた階のフロア図を非表示とする。さらに、CPU101は、データテーブル910(距離範囲データ)と画像データとに基づき、測定された距離が含まれる距離範囲に対応付けられた階のフロア図を、ディスプレイ105に3次元表示させる。
【0101】
したがって、ユーザは、一旦、フロア図の表示が維持された場合であっても、指をディスプレイ105の方向に近づけることにより、当該フロア図を非表示とできる。また、ユーザは、測距センサ112と指との間の距離に応じた階のフロア図の3次元画像を視認できる。さらに、ユーザは、指を近づける程、低い階のフロア図の3次元画像を視認できる。
【0102】
<変形例>
(1)CPU101がディスプレイ105からのフロア図の飛び出し量を建物の各階で同じとするように、電子機器1を構成してもよい。
【0103】
(2)上記の各実施の形態においては、建物の地上のフロア図を3次元表示させる例を挙げて説明したが、押圧力に応じて建物の地下のフロア図を3次元表示させる構成としてもよい。地下のフロア図を3次元表示させる場合には、フロア図を、飛び出させるのではなくて、引っ込めた態様で3次元表示してもよい。
【0104】
(3)上記の各実施の形態においては、ポインタ位置の建物のフロア図を3次元表示する構成を例に挙げて説明した。しかしながら、これに限定されるものではない。ポインタ位置に関係なく、地図に表示されている全ての建物について、押圧力に応じたフロア図を3次元表示するように、電子機器1,1Aを構成してもよい。
【0105】
(4)電子機器1,1Aが利用するデータテーブル410,420の形式は、図4(a),(b)に示したものに限定されない。たとえば、階と、押圧力Pと、飛び出し量Vとを、1つのデータテーブルに記録してもよい。また、電子機器1Aでは、階と、押圧力Pと、飛び出し量Vと、距離Dとを、1つのデータテーブルに記録してもよい。
【0106】
(5)上記においては、圧力センサ121がタッチパッド110によって実現される例を挙げて説明したがこれに限定されるものではない。圧力センサ121は、少なくとも押圧力を加えることによりディスプレイ105における位置を指定するデバイスにより実現されていればよい。
【0107】
たとえば、指等が接触する入力のための接触面を有し、当該接触面の位置とディスプレイ105の表示領域の位置とが一対一に対応している入力デバイスによって実現されていてもよい。当該入力デバイスとして、タッチパネルを構成する入力装置のようにポインタを移動させないデバイスを用いればよい。あるいは、圧力センサ121は、押しボタンによって実現されていてもよい。
【0108】
圧力センサ121が上記接触面を有するデバイスにより実現される場合には、ディスプレイ105の表示領域と当該接触面との形状(形および大きさ)が同じであることが好ましい。さらに、当該表示領域と当該接触面とのX座標の値およびY座標の値が同じであることが好ましい。
【0109】
なお、圧力センサ121が上記デバイスにより実現される場合には、CPU101は、上記デバイスによって位置が指定されると、ディスプレイ105に上述したような3次元表示を実行させればよい。
【0110】
電子機器1におけるタッチパッド110の位置は、第2面10Bに限定されるものではない。タッチパッド110をたとえば第1面10A等の他の面に備えるように、電子機器1を構成してもよい。
【0111】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0112】
1,1A 電子機器、10 筐体、10A 第1面、10B 第2面、101 プロセッサ、104 フラッシュメモリ、105 ディスプレイ、110 タッチパッド、112 測距センサ、121 圧力センサ、410,420,910 データテーブル、510 ポインタ、550 建物、1091 メモリカード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元画像の表示が可能な電子機器であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリと、
前記3次元画像を表示するためのディスプレイと、
押圧力を検知するための第1のセンサとを備え、
前記メモリは、地図および当該地図に含まれる建物の各階のフロア図を表したコンテンツデータと、前記建物の各階に対して互いに重複しない圧力範囲を対応付けた圧力範囲データとを格納しており、
前記コンテンツデータは、前記フロア図を3次元表示させるための画像データを含み、
前記プロセッサは、前記ディスプレイに前記地図および前記建物を表示させている状態において前記第1のセンサによって前記押圧力が検知されると、前記圧力範囲データと前記画像データとに基づき、前記検知された押圧力が含まれる前記圧力範囲に対応付けられた階の前記フロア図を、前記ディスプレイに3次元表示させる、電子機器。
【請求項2】
前記建物の最上階以外の任意の階に対応付けられた前記圧力範囲における最大値は、前記任意の階の1つ上の階に対応付けられた前記圧力範囲における最小値よりも小さい、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記メモリは、前記建物の階が高いほど前記ディスプレイからの前記フロア図の飛び出し量が大きくなるように、前記建物の各階に対して前記飛び出し量を対応付けた飛び出し量データをさらに格納しており、
前記プロセッサは、前記飛び出し量データに基づき、前記3次元表示させるフロア図の飛び出し量を制御する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記ディスプレイからの前記フロア図の飛び出し量を、前記建物の各階で同じとする、請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1のセンサは、前記ディスプレイに表示されるポインタの位置を指定するためのタッチパッドにより実現され、
前記プロセッサは、
前記押圧力が加わった前記ポインタの位置を特定し、
前記特定されたポインタの位置に表示されている前記建物に関する前記フロア図を、ディスプレイに3次元表示させる、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第1のセンサによって検知された押圧力のうち最も高い押圧力が含まれる前記圧力範囲に対応付けられた階の前記フロア図を、予め定められた指示を受け付けるまで前記ディスプレイに3次元表示させ続ける、請求項2から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記ディスプレイは、前記電子機器の筐体の第1の表面に設けられ、
前記第1のセンサは、前記第1の表面の裏面である前記筐体の第2の表面に設けられ、前記ディスプレイ方向への前記押圧力を検知し、
前記電子機器は、前記第1の表面に、物体までの距離を測定するための第2のセンサをさらに備え、
前記予め定められた指示は、前記物体が予め定められた距離以内に近づいたときに前記第2のセンサが出力する信号である、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記メモリは、前記建物の各階に対して互いに重複しない距離範囲を対応付けた距離範囲データをさらに格納しており、
前記建物の最下階以外の任意の階に対応付けられた前記距離範囲における最小値は、前記任意の階の1つ下の階に対応付けられた前記距離範囲における最大値よりも大きく、
前記プロセッサは、前記物体が前記予め定められた距離以内に近づくと、
前記最も高い押圧力が含まれる前記圧力範囲に対応付けられた階の前記フロア図を非表示とし、
前記距離範囲データと前記画像データとに基づき、前記測定された距離が含まれる前記距離範囲に対応付けられた階の前記フロア図を、前記ディスプレイに3次元表示させる、請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
3次元画像の表示が可能な電子機器における表示制御方法であって、
前記電子機器は、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリと、前記3次元画像を表示するためのディスプレイと、押圧力を検知するためのセンサとを備え、
前記メモリは、地図および当該地図に含まれる建物の各階のフロア図を表したコンテンツデータと、前記建物の各階に対して互いに重複しない圧力範囲を対応付けた圧力範囲データとを格納しており、前記コンテンツデータは、前記フロア図を3次元表示させるための画像データを含み、
前記表示制御方法は、
前記センサが、前記ディスプレイに前記地図および前記建物を表示させている状態において、前記押圧力を検知するステップと、
前記プロセッサが、前記圧力範囲データと前記画像データとに基づき、前記検知された押圧力が含まれる前記圧力範囲に対応付けられた階の前記フロア図を、前記ディスプレイに3次元表示させるステップとを備える、表示制御方法。
【請求項10】
3次元画像の表示が可能な電子機器を制御するためのプログラムであって、
前記電子機器は、プロセッサと、前記プロセッサに接続されたメモリと、前記3次元画像を表示するためのディスプレイと、押圧力を検知するためのセンサとを備え、
前記メモリは、地図および当該地図に含まれる建物の各階のフロア図を表したコンテンツデータと、前記建物の各階に対して互いに重複しない圧力範囲を対応付けた圧力範囲データとを格納しており、前記コンテンツデータは、前記フロア図を3次元表示させるための画像データを含み、
前記センサは、前記ディスプレイに前記地図および前記建物を表示させている状態において、前記押圧力を検知し、
前記プログラムは、
前記センサから前記検知された押圧力を示す信号の入力を受け付けるステップと、
前記圧力範囲データと前記画像データとに基づき、前記信号が表す押圧力が含まれる前記圧力範囲に対応付けられた階の前記フロア図を、前記ディスプレイに3次元表示させるステップとを、前記プロセッサに実行させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−113386(P2012−113386A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259795(P2010−259795)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】