電子機器、電子機器の制御方法およびプログラム
【課題】操作の取得のための消費電力をさらに削減する。
【解決手段】第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、第2の検出部の検出に応じて生成される、操作部に対して実行される操作に基づく操作情報を取得する操作情報取得部と、状態情報に応じて第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、操作情報に応じて第2の検出部を第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する切替信号生成部とを含み、第2の検出部は、第1の検出モードにおいて、第1の消費電力で駆動され、第2の検出モードにおいて、第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力で駆動され、第3の検出モードにおいて、第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力で駆動され、第1の検出部は、第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される電子機器が提供される。
【解決手段】第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、第2の検出部の検出に応じて生成される、操作部に対して実行される操作に基づく操作情報を取得する操作情報取得部と、状態情報に応じて第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、操作情報に応じて第2の検出部を第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する切替信号生成部とを含み、第2の検出部は、第1の検出モードにおいて、第1の消費電力で駆動され、第2の検出モードにおいて、第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力で駆動され、第3の検出モードにおいて、第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力で駆動され、第1の検出部は、第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される電子機器が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器、電子機器の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器がユーザの操作入力を取得する装置としては、例えばボタンやキーボードが古くから用いられてきた。その一方で、近年、さまざまなセンサを利用してユーザの操作を取得する方法が開発されている。例えば、特許文献1では、ユーザの3次元的な動きを加速度センサおよびジャイロセンサを用いてユーザの操作入力として取得する技術が開示されている。
【0003】
ところが、電子機器がこのようなセンサを用いてユーザの操作を取得する場合、ボタンやキーボードなどを用いる場合に比べて消費電力が大きい。これは、ジャイロセンサのようなセンサが、ボタンやキーボードよりも大きな電力を消費するためである。そこで、上記の特許文献1では、加速度センサからの入力がない場合にはより消費電力が大きいジャイロセンサへの電力の供給を規制することによって、消費電力をより少なくすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第09/008411号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、電子機器の操作入力に用いられるセンサの種類やセンサの用途が多様化しており、上記の特許文献1に記載の技術によっては、消費電力の削減効果が必ずしも十分ではない場合がある。
【0006】
そこで、本開示では、操作の取得のための消費電力をさらに削減することが可能な、新規かつ改良された電子機器、電子機器の制御方法およびプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、第2の検出部の検出に応じて生成される、上記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得する操作情報取得部と、上記状態情報取得部で取得された上記状態情報に応じて、上記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、上記操作情報に応じて上記第2の検出部を上記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する切替信号生成部とを含み、上記第2の検出部は、上記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、上記第2の検出モードにおいて、上記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および上記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、上記第3の検出モードにおいて、上記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および上記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、上記第1の検出部は、上記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、電子機器が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得することと、第2の検出部の検出に応じて生成される、上記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得することと、上記取得された上記状態情報に応じて、上記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、上記操作情報に応じて上記第2の検出部を上記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成することとを含み、上記第2の検出部は、上記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、上記第2の検出モードにおいて、上記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および上記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、上記第3の検出モードにおいて、上記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および上記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、上記第1の検出部は、上記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、電子機器の制御方法が提供される。
【0009】
さらに、本開示によれば、第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する機能と、第2の検出部の検出に応じて生成される、上記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得する機能と、上記取得された上記状態情報に応じて、上記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、上記操作情報に応じて上記第2の検出部を上記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する機能とをコンピュータに実現させ、上記第2の検出部は、上記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、上記第2の検出モードにおいて、上記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および上記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、上記第3の検出モードにおいて、上記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および上記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、上記第1の検出部は、上記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、プログラムが提供される。
【0010】
本開示によれば、操作部の状態を示す状態情報に応じて、より消費電力が大きい第2のセンサの検出モードは最も消費電力が小さい第1の検出モードに維持される。そのため、操作部の状態に応じての消費電力が削減される。また、操作部に対する操作に基づく操作情報に応じて、第2のセンサの検出モードは比較的消費電力が小さい第2の検出モードに維持される。そのため、操作部に対する操作に応じて消費電力が削減される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示によれば、電子機器において、操作の取得のための消費電力をさらに削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の第1の実施形態に係る電子機器の外観を示す図である。
【図2】本開示の第1の実施形態に係る電子機器の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本開示の第1の実施形態の処理を示すフローチャートである。
【図4】本開示の第1の実施形態の変形例の処理を示すフローチャートである。
【図5】本開示の第2の実施形態においてタッチセンサに設定される省電力モードのサブモードについて説明するための図である。
【図6】本開示の第2の実施形態においてタッチセンサに設定される検出モードの例について説明するための図である。
【図7】本開示の第3の実施形態に係る電子機器を示す図である。
【図8】本開示の第4の実施形態に係るタッチセンサにおいて設定される検出モードについて説明するための図である。
【図9】本開示の第4の実施形態の変形例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態(省電力モードでサンプリングレートを変化させる例)
1−1.装置構成
1−2.処理フロー
2.第2の実施形態(省電力モードにサブモードを設定する例)
3.第3の実施形態(電界センサを使用する例)
4.第4の実施形態(省電力モードで検出点の数を変化させる例)
5.その他の変形例
6.補足
【0015】
(1.第1の実施形態)
(1−1.装置構成)
図1は、本開示の第1の実施形態に係る電子機器であるリモートコントローラ100の外観を示す図である。リモートコントローラ100は、例えばテレビやレコーダなどの外部機器にユーザの操作入力の情報を送信する機器であり、ユーザが把持して用いる。
【0016】
リモートコントローラ100は、ユーザによって把持される筐体101を有する。図示されている筐体101は長円形の板状であるが、筐体101の形状はこれに限られず、ユーザが把持することが可能な形状であればどのような形状でもよい。筐体101の表面にはタッチパネル110とボタン120とが設けられ、筐体101の内部には後述する機能構成を実現する回路部品が内蔵される。
【0017】
タッチパネル110は、ディスプレイ111と、タッチセンサ113とを含む。ディスプレイ111は、リモートコントローラ100を操作するためのGUI(Graphical User Interface)などの画像を表示する。タッチセンサ113は、ディスプレイ111の特定の部分に対するユーザの接触を検知する。タッチセンサ113が検出したユーザの接触の情報が、操作入力として取得され、リモートコントローラ100から操作対象となる外部機器に送信される。
【0018】
ボタン120は、ユーザによる押下を操作入力として取得するための装置である。これ以降の説明では、主にタッチパネル110を用いた操作入力について説明するが、リモートコントローラ100は、ボタン120のような他の操作入力装置を有していてもよい。かかる他の操作入力装置を用いた操作入力については、公知の任意の技術が用いられうるため、以後詳細な説明を省略する。
【0019】
以上、リモートコントローラ100の外観について説明した。上記のように、リモートコントローラ100は、操作入力の取得のためにタッチセンサ113を用いる。タッチセンサ113は、消費電力が加速度センサのようなセンサよりも大きいセンサである。リモートコントローラ100は、多くの場合、乾電池によって駆動されるため、タッチセンサ113の消費電力のマネジメントは、電池寿命を延ばしてユーザビリティを向上させることにつながる重要な要因である。
【0020】
図2は、本開示の第1の実施形態に係る電子機器であるリモートコントローラ100の機能構成を示すブロック図である。電子機器であるリモートコントローラ100は、機能構成として、加速度センサ130と、タッチセンサ113と、プロセッサ140と、メモリ150と、通信部160とを有する。
【0021】
加速度センサ130は、ピエゾ抵抗型、圧電型、静電容量型など、任意の種類の加速度センサである。加速度センサ130は、互いに直交する3軸に沿った加速度を検出する3軸加速度センサであってもよいし、互いに直交する2軸に沿った加速度を検出する2軸加速度センサ、または1軸加速度センサであってもよい。本実施形態において、加速度センサ130は、ユーザによる筐体101の把持状態を加速度の変化によって検出する。ここで、加速度センサ130は、操作部であるタッチパネル110が設けられた筐体101が把持されたことを示しうる状態情報をその検出に応じて生成する、第1の検出部の一例である。かかる検出が可能であれば、センサの種類や軸数は問わない。なお、加速度センサ130は、筐体101の把持の検出のために占用されてもよいし、他の用途、例えばリモートコントローラ100の傾きの検出などの用途と共用されてもよい。加速度センサ130は、省電力モードを有し、省電力モードで用いられてもよい。
【0022】
プロセッサ140は、メモリ150に格納されたプログラムに従って動作し、リモートコントローラ100の各部を制御する。プロセッサ140は、状態情報取得部141、操作情報取得部143、および切替信号生成部145の機能を実現する。状態情報取得部141は、加速度センサ130の検出に応じて生成される状態情報を取得する。操作情報取得部143は、タッチセンサ113の検出に応じて生成される、タッチパネル110に対して実行される接触に基づく操作情報を取得する。切替信号生成部145は、状態情報、および操作情報に応じて、タッチセンサ113のモードを切り替えて駆動させるための切替信号を生成する。なお、状態情報取得部141、操作情報取得部143、および切替信号生成部145の処理の詳細については後述する。
【0023】
メモリ150には、リモートコントローラ100で用いられるデータが格納される。メモリ150には、例えば、プロセッサ140が動作するためのプログラムが格納される。メモリ150に格納される情報には、後述するように切替信号生成部145がタッチセンサ113に設定する複数の検出モードの情報が含まれていてもよい。
【0024】
通信部160は、タッチセンサ113の検出に応じて生成された操作情報をプロセッサ140から取得し、この情報を操作入力として外部装置に送信する通信装置として実現されうる。通信部160は、例えば赤外線を用いて外部装置と通信してもよいし、またRF4CE(Radio Frequency for Consumer Electronics)規格やBluetooth(登録商標)を用いた無線通信によって外部装置と通信してもよい。
【0025】
タッチセンサ113は、静電容量方式、抵抗膜方式など、任意の方式のタッチセンサである。タッチセンサ113は、タッチパネル110の領域を所定のサンプリングレートで走査し、ユーザの接触を検知する。ここで、タッチセンサ113は、操作部であるタッチパネル110に対して実行される第1の操作である接触操作に基づく操作情報をその検出に応じて生成する、第2の検出部の一例である。タッチセンサ113の消費電力は、加速度センサ130よりも大きい。しかし、上記のサンプリングレートを変更したり、検出点の数を変更したりすることによって、消費電力を抑制することが可能である。タッチセンサ113は、ユーザの接触の情報をプロセッサ140に提供し、プロセッサ140はこの接触の情報を通信部160に提供する。
【0026】
ここで、タッチセンサ113の検出モードについて説明する。本実施形態では、後述するように、切替信号生成部145の機能によって、タッチセンサ113の検出モードが第1〜第3の検出モードの間で切り替えられる。
【0027】
第1の検出モードは、スリープモードであり、タッチセンサ113のサンプリングレートが最も小さい値に設定されるモードである。サンプリングレートは0に設定されてもよい。このモードでは、タッチセンサ113の消費電力は上記の3つのモードの中で最も小さい。なお、加速度センサ130の消費電力は、このスリープモードで駆動するタッチセンサ113の消費電力よりも小さい。一方、タッチセンサ113の検出精度は最も低く、ユーザの接触は実質的には検出されない。スリープモードは、タッチセンサに電力が供給されないOFFモードであってもよいし、他のモードへの遷移を迅速にするなどのためにわずかに電力が供給されるスタンバイモードであってもよい。
【0028】
第2の検出モードは、省電力モードであり、タッチセンサ113のサンプリングレートが通常よりも低い値に設定されるモードである。このモードでは、タッチセンサ113の消費電力は比較的小さい。一方、タッチセンサ113の検出精度は比較的低く、ユーザの接触自体は検出されるものの、接触操作の種類によっては正しく検出されない場合がある。省電力モードの検出状態は、スリープモードの検出状態よりも検出精度が高い検出状態である。これは、第2の検出モードにおいて、第2の検出部が、第1の検出モードの第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動される場合の一例である。
【0029】
第3の検出モードは、アクティブモードであり、タッチセンサ113のサンプリングレートが通常の値に設定されるモードである。このモードでは、タッチセンサ113の消費電力は比較的大きく、長時間継続することは電池寿命の短縮につながる。一方、タッチセンサ113の検出精度は高く、各種の接触操作を正しく検出することが可能である。アクティブモードの検出状態は、省電力モードの検出状態よりも検出精度が高い検出状態である。これは、第3の検出モードにおいて、第2の検出部が、第2の検出モードの第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動される場合の一例である。このように、本実施形態において、「より制約が弱い検出状態」は、「より高い精度の検出状態」でありうる。
【0030】
ここで、第2の検出モードである省電力モードにおける検出精度を決定するサンプリングレートの値は、リモートコントローラ100がタッチパネル110への接触の情報を送信する外部機器において実行されるアプリケーションの種類に応じて異なる値であってもよい。このアプリケーションは、接触の情報を操作入力として利用するアプリケーションでありうる。
【0031】
例えば、タッチパネル110上でのタップ操作やフリック操作など、接触の持続時間が比較的短い操作を用いるアプリケーションが外部機器において実行されている場合、切替信号生成部145は、そのような操作を検出可能な比較的高いサンプリングレートを省電力モードのサンプリングレートとして設定しうる。また、例えば、タッチパネル110上でのドラッグ操作やポインティング操作など、接触の持続時間が比較的長い操作を用いるアプリケーションが外部機器において実行されている場合、切替信号生成部145は、比較的低いサンプリングレートを省電力モードのサンプリングレートとして設定しうる。
【0032】
なお、外部機器において実行されるアプリケーションの情報は、例えば、通信部160を外部機器への送信だけではなく外部機器からの受信をも含む双方向通信が可能なように構成し、通信部160を用いて外部機器から送信されるアプリケーションの情報を受信することによって取得可能である。
【0033】
以上、リモートコントローラ100の機能構成について説明した。なお、リモートコントローラ100は、ディスプレイ111へのGUIの表示のための機能構成や、ボタン120を用いた操作入力のための機能構成など、図示されていない機能構成をさらに含みうる。かかる機能構成については、公知の任意の技術が用いられうるため、詳細な説明を省略する。
【0034】
(1−2.処理フロー)
図3は、本開示の第1の実施形態に係る電子機器であるリモートコントローラ100の処理を示すフローチャートである。例えば、ユーザが卓上などに静置されたリモートコントローラ100を手に取り、タッチパネルへの接触によって操作入力をし、再びリモートコントローラを卓上に戻すような場合、リモートコントローラ100では以下のステップS101〜ステップS119の処理が実行される。
【0035】
まず、加速度センサ130が、筐体101の把持状態を取得する(ステップS101)。加速度センサ130は、筐体101がユーザによって把持されて持ち上げられるときの加速度の変化を検出する。ここでの加速度センサ130の検出結果は、プロセッサ140の状態情報取得部141に提供される。
【0036】
次に、状態情報取得部141が、加速度センサ130の検出結果に基づいて、筐体101が把持されたか否かを判定する(ステップS103)。状態情報取得部141は、例えば、加速度センサ130が検出した加速度の変化が所定の閾値を上回る場合に、筐体101が把持されたと判定する。ここで、筐体101が把持されたと判定された場合、状態情報取得部141は判定結果を切替信号生成部145に提供し、処理はステップS105に進む。一方、筐体101が把持されたと判定されなかった場合、状態情報取得部141は加速度センサ130からの次の検出結果を待ちうけ、処理はステップS101に戻る。
【0037】
ステップS103で筐体101が把持されたと判定された場合、次に、切替信号生成部145が、タッチセンサ113をスリープモードから省電力モードに切り替える(ステップS105)。上述のように、スリープモードは消費電力が最小であるがユーザの接触が実質的には検出されないモードであり、省電力モードは比較的小さい消費電力でユーザの接触を最低限検出するモードである。従って、この検出モードの切り替えによって、タッチセンサ113はユーザの接触を検出することが可能になる。
【0038】
次に、操作情報取得部143が、タッチセンサ113の検出結果に基づいて、ユーザによるタッチパネル110への接触が検出されたか否かを判定する(ステップS107)。ここで、タッチパネル110への接触が検出されたと判定された場合、操作情報取得部143は判定結果を切替信号生成部145に提供し、処理はステップS109に進む。なお、タッチパネル110への接触が検出されたと判定されなかった場合の処理については後述する。
【0039】
ステップS107でタッチパネル110への接触が検出されたと判定された場合、次に、切替信号生成部145が、タッチセンサ113を省電力モードからアクティブモードに切り替える(ステップS109)。上述のように、アクティブモードは比較的大きい消費電力でユーザの接触を十分に検出するモードである。従って、この検出モードの切り替えによって、タッチセンサ113は、ユーザの接触によるドラッグやフリックなどの各種の操作を十分に検出することが可能になる。
【0040】
次に、操作情報取得部143が、タッチセンサ113の検出結果に基づいて、タッチパネル110への接触が解除されたか否かを判定する(ステップS111)。ここで、接触が解除されたと判定された場合、さらに、操作情報取得部143が、接触が解除されてから所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS113)。ここで、所定の時間が経過したと判定された場合、操作情報取得部143は、判定結果を切替信号生成部145に提供し、切替信号生成部145が、タッチセンサ113をアクティブモードから省電力モードに切り替える(ステップS115)。
【0041】
一方、ステップS111で接触が解除されたと判定されなかった場合、およびステップS113で所定の時間が経過したと判定されなかった場合、処理はステップS111に戻る。これはつまり、タッチパネル110へのユーザの接触操作が継続している場合と、ユーザの接触操作が一時的に中断しているが再開される可能性が高い場合である。このような場合、タッチセンサ113はアクティブモードに維持され、引き続きユーザの接触操作を取得する。
【0042】
ステップS115でタッチセンサ113がアクティブモードから省電力モードに切り替えられた後、処理はステップS107に戻る。ステップS107でタッチパネル110への接触が検出されたと判定されれば、ステップS109でタッチセンサ113はアクティブモードに復帰する。
【0043】
一方、ステップS107でタッチパネル110への接触が検出されたと判定されなかった場合、さらに、状態情報取得部141が、加速度センサ130の検出結果に基づいて、筐体101が置かれたか否かを判定する(ステップS117)。状態情報取得部141は、例えば、加速度センサ130が検出した加速度の変化が所定の閾値を下回る場合に、筐体101が置かれたと判定する。筐体101がユーザによって把持されている場合、手振れなどによってある程度の加速度変化が検出されるため、例えば上記の条件によって筐体101が置かれたか否かを検出することが可能である。
【0044】
ステップS117で筐体101が置かれたと判定された場合、切替信号生成部145が、タッチセンサ113を省電力モードからスリープモードに切り替える(ステップS119)。これによって、リモートコントローラ100は、この処理の開始時と同様に、卓上などに置かれ、タッチセンサ113の消費電力を最小化した状態に戻る。なお、筐体101がすぐまた把持される可能性を考慮し、ステップS119は、ステップS117から所定の時間の待機を経た後に実行されてもよい。一方、筐体101が置かれたと判定されなかった場合、処理はステップS107に戻り、タッチパネル110への接触が検出されたか否かが再度判定される。
【0045】
以上、リモートコントローラ100の処理フローについて説明した。かかる処理フローによって、筐体101がユーザによって把持されていない間は、タッチセンサ113を最も消費電力が少ないスリープモードにし、リモートコントローラ100における消費電力を最小化することができる。また、筐体101が把持されている間も、タッチパネル110への接触が検出されていない間は、タッチセンサ113を比較的消費電力が少ない省電力モードにし、接触の検出を可能としつつリモートコントローラ100における消費電力を抑制することができる。
【0046】
(処理フローの変形例)
図4に、本開示の第1の実施形態に係る電子機器であるリモートコントローラ100の変形例の処理を示すフローチャートである。本変形例は、例えば、リモートコントローラ100の通信部160が、Bluetooth(登録商標)などを用いて、外部装置と無線接続を維持しながら通信する場合に適用されうる。以下、本変形例において、図3で示したフローチャートのステップS105に代えて実行されるステップS205と、ステップS119に代えて実行されるステップS219について説明する。
【0047】
ステップS205では、切替信号生成部145が、タッチセンサ113をスリープモードから省電力モードに切り替えるとともに、通信部160を起動させる。起動された通信部160は、通信相手である外部機器をスキャンによって発見し、外部機器との無線接続を確立する。これによって、リモートコントローラ100では、タッチセンサ113がユーザの接触を検出することが可能になるとともに、検出された接触の情報を外部機器に送信することが可能になる。
【0048】
ステップS219では、切替信号生成部145が、タッチセンサ113を省電力モードからスリープモードに切り替えるとともに、通信部160を停止させる。通信部160は、外部機器との無線接続を解除し、動作を停止する。なお、筐体101がすぐまた把持される可能性を考慮し、ステップS219は、ステップS117から所定の時間の待機を経た後に実行されてもよい。この場合、タッチセンサ113がスリープモードに切り替えられた後、さらに所定の時間の待機を経た後に、通信部160が停止されてもよい。一般的には、通信部160の起動の方がタッチセンサ113のスリープモードから省電力モードへの切り替えよりも時間がかかる。そのため、かかる構成によって、筐体101が置かれてから通信部160の停止までの遅延時間をより大きくとり、ユーザがすぐにまた筐体101を把持した場合に、通信部160の起動を待つ時間が発生することを防ぐことができる。
【0049】
以上、リモートコントローラ100の処理フローの変形例について説明した。本変形例によって、筐体101がユーザによって把持されていない間は、タッチセンサ113に加えて通信部160の消費電力をも最小にし、リモートコントローラ100における消費電力をさらに削減することができる。ただし、リモートコントローラ100が外部機器からプッシュ型の情報を送信される場合には、上記の図3の処理のように、リモートコントローラ100からの送信がなくても外部装置との無線接続を維持する方が望ましい。
【0050】
以上、本開示の第1の実施形態について説明した。第1の実施形態では、タッチセンサ113よりも消費電力が小さい加速度センサ130を用いてユーザによる筐体101の把持を検出し、それまではタッチセンサ113をスリープモードにすることで、筐体101が把持されずタッチパネル110への接触操作がされない状態での消費電力を大幅に削減することができる。また、筐体101の把持が検出された後は、タッチセンサ113を省電力モードに切り替えることで、筐体101が把持され、タッチパネル110への接触操作がされる可能性が高い状態での消費電力を削減しつつ、接触操作が開始された場合の立ち上がり時間を短縮することができる。スリープモード、または省電力モードが設定されているタッチセンサ113をアクティブモードにするのに、ユーザが別途のボタンの操作などをする必要がなく、筐体101を把持してタッチパネル110に接触するという通常の動作の中でモードが切り替えられるため、ユーザに切り替えを意識させることなく、高い操作感を実現することも可能である。
【0051】
(2.第2の実施形態)
続いて、本開示の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、タッチセンサ113の省電力モードに複数のサブモードが設定され、タッチセンサ113に省電力モードが設定された状態で時間が経過するのに従ってサブモードが変化する。なお、装置構成と、タッチセンサ113に省電力モードが設定された状態以外、つまりタッチセンサ113が他のモードから省電力モードに切り替えられる前と、タッチセンサ113が省電力モードから他のモードに切り替えられた後の処理とは、上記の第1の実施形態と同様にすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0052】
図5は、本開示の第2の実施形態において、タッチセンサ113に設定される省電力モードのサブモードについて説明するための図である。図では、省電力モードのサブモードである省電力モード1〜省電力モード3が、アクティブモードと比較して示されている。以下、それぞれのモードについて説明する。
【0053】
アクティブモードは、上述のように、タッチセンサ113のサンプリングレートが通常の値に設定されるモードであり、タッチパネル110に対するユーザの接触操作がされている場合に設定される。アクティブモードのサンプリングレートは、省電力モードのどのサブモードよりも高い。
【0054】
省電力モード1〜3は、それぞれが異なるサンプリングレートを有する。すなわち、省電力モード1〜3は、それぞれが異なる消費電力および検出精度を有する。つまり、省電力モード1〜3は、それぞれが異なる消費電力および検出状態を有するサブモードの一例である。これらのモードのサンプリングレートは、いずれも、アクティブモードのサンプリングレートよりも低く、またスリープモードのサンプリングレート(0でもありうる)よりも高い。
【0055】
省電力モード1は、サンプリングレートが最も高く、従って消費電力が最も大きく検出精度が最も高いサブモードである。省電力モード2は、サンプリングレートが2番目に高く、従って消費電力が2番目に大きく検出精度が2番目に高いサブモードである。省電力モード3は、サンプリングレートが最も低く、従って消費電力が最も小さく検出精度が最も低いサブモードである。
【0056】
なお、図示された例において、省電力モード1のサンプリングレートはアクティブモードの半分であり、省電力モード2のサンプリングレートは省電力モード1の半分であり、省電力モード3のサンプリングレートは省電力モード2の半分である。しかし、それぞれのサブモードのサンプリングレートは、このような関係にはなくてもよく、後述する条件などを考慮して任意に設定されうる。また、3つではなく2つのサブモードや、3つよりも多いサブモードが設定されてもよい。
【0057】
図6は、本開示の第2の実施形態において、タッチセンサ113に設定される検出モードの例について説明するための図である。例えば、ユーザが卓上などに静置されたリモートコントローラ100の筐体101を把持し(P1)、しばらくしてからタッチパネルに接触し(P2)、接触を解除し(P3)、しばらくしてから再びタッチパネルに接触し(P4)、接触を解除し(P5)、少ししてから筐体を卓上に置く(P6)といったようにフェーズが進行した場合、タッチセンサ113に設定される検出モードは、以下のように変化しうる。
【0058】
最初に、P1でリモートコントローラ100の筐体101が把持される前は、タッチセンサ113にはスリープモードが設定されている。この状態では、タッチセンサ113は実質的にユーザの接触を検出しない。P1で筐体101が把持されると、切替信号生成部145がタッチセンサ113をスリープモードから省電力モードに切り替え、タッチセンサ113に省電力モード1を設定する。上記のように、省電力モード1は、省電力モードのサブモードの中ではサンプリングレートが最も高く、従って消費電力が最も大きく検出精度が最も高いモードである。
【0059】
次に、P1で筐体101が把持され、タッチセンサ113が省電力モードに切り替えられて省電力モード1が設定された後、所定の時間が経過すると、切替信号生成部145は、タッチセンサ113を省電力モード1から省電力モード2に切り替える。上記のように、省電力モード2は、省電力モード1よりもサンプリングレートが低く、従って消費電力が省電力モード1よりも小さく検出精度が省電力モード1よりも低いモードである。
【0060】
次に、タッチセンサ113に省電力モード2が設定された後、所定の時間が経過すると、切替信号生成部145は、タッチセンサ113を省電力モード2から省電力モード3に切り替える。上記のように、省電力モード3は、省電力モードのサブモードの中ではサンプリングレートが最も低く、従って消費電力が最も小さく検出精度が最も低いモードである。
【0061】
ここで、P2でタッチパネル110への接触がタッチセンサ113によって検出されると、切替信号生成部145は、タッチセンサ113を省電力モード3からアクティブモードに切り替える。なお、タッチセンサ113に省電力モード1または省電力モード2が設定された状態でタッチパネル110への接触が検出された場合も、切替信号生成部145はタッチセンサ113をその時のモードからアクティブモードに切り替える。P3でタッチパネル110への接触が解除された後も、第1の実施形態と同様に、切替信号生成部145は、所定の時間、タッチセンサ113をアクティブモードに維持する。
【0062】
次に、P3でタッチパネル110への接触が解除された後、所定の時間が経過すると、切替信号生成部145は、タッチセンサ113をアクティブモードから省電力モードに切り替える。P1でタッチセンサ113が省電力モードに切り替えられたときと同様に、ここで切替信号生成部145はタッチセンサ113に省電力モード1を設定する。
【0063】
その後、切替信号生成部145は、P1〜P2の間と同様に、時間の経過に従って、消費電力がより小さく検出精度がより低いモードを順次タッチセンサ113に設定する。つまり、切替信号生成部145は、タッチセンサ113に、省電力モード1の次には省電力モード2を、省電力モード2の次には省電力モード3を、それぞれ設定する。
【0064】
ここで、P4でタッチパネル110への接触がタッチセンサ113によって検出されると、切替信号生成部145は、P2と同様に、タッチセンサ113を省電力モード3からアクティブモードに切り替える。P5でタッチパネル110への接触が解除された後も、切替信号生成部145は、所定の時間、タッチセンサ113をアクティブモードに維持する。
【0065】
次に、P5でタッチパネル110への接触が解除された後、所定の時間が経過すると、切替信号生成部145は、タッチセンサ113をアクティブモードから省電力モードに切り替え、タッチセンサ113に省電力モード1を設定する。
【0066】
ここで、P6で筐体101が置かれると、切替信号生成部145は、第1の実施形態と同様に、タッチセンサ113を省電力モード1からスリープモードに切り替える。切替信号生成部145は、図示されているように、タッチセンサ113をその時のモードからすぐにスリープモードに切り替えてもよいし、またタッチセンサ113を省電力モード2や省電力モード3のようなより消費電力が小さく検出精度が低いモードに切り替え、さらに所定の時間が経過した後にスリープモードに切り替えてもよい。
【0067】
以上で説明した例において、切替信号生成部145は、タッチセンサ113をスリープモードまたはアクティブモードから省電力モードに切り替えた場合、まず省電力モード1を設定し、その後時間の経過に従って、省電力モード2、次いで省電力モード3を順次タッチセンサ113に設定する。
【0068】
上記の例において、筐体101が把持されたことによってタッチセンサ113がスリープモードから省電力モードに切り替えられるP1の時点では、その直後にタッチパネル110への接触操作が開始される可能性が高い。そこで、省電力モードのサブモードの中では最も検出精度が高い省電力モード1を設定することによって、接触操作が開始されたときに比較的短い時間で反応できるようにする。
【0069】
一方、P1の後、接触操作が開始されない場合、ユーザにすぐ接触操作を開始する意図がないことが推定される。そこで、より消費電力が小さい省電力モード2、および省電力モード3を順に設定することによって、消費電力を抑制する。ここでユーザが接触操作を開始した場合、反応は省電力モード1が設定されている間よりも遅くなる。省電力モード2および省電力モード3のサンプリングレートは、例えばこの遅延がどの程度許容されうるかを考慮して決定されうる。
【0070】
また、タッチパネル110への接触がP3で解除されて所定の時間が経過し、タッチセンサ113がアクティブモードから省電力モードに切り替えられた時点では、なおもユーザが接触操作を再開する可能性が高い。そこで、ここでも省電力モード1を設定することによって、接触操作が再開されたときに比較的短い時間で反応できるようにする。
【0071】
一方、その後、接触操作が再開されない場合、ユーザにすぐ接触操作を再開する意図がないことが推定される。そこで、上記のP1〜P2の間と同様に、より消費電力が小さい省電力モード2、および省電力モード3を順に設定することによって、消費電力を抑制する。
【0072】
以上、本開示の第2の実施形態について説明した。第2の実施形態では、省電力モードに複数のサブモードを設定し、タッチセンサ113に省電力モードが設定された状態での時間の経過に従って変化させることによって、消費電力のさらなる削減が可能になる。
【0073】
(3.第3の実施形態)
続いて、本開示の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、加速度センサ130に代えて電界センサ230が、筐体101の把持状態を取得するセンサとして用いられる。なお、これ以外の装置構成、および処理フローは、上記の第1または第2の実施形態と同様にすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0074】
図7は、本開示の第3の実施形態に係る電子機器であるリモートコントローラ200を示す図である。本実施形態に係るリモートコントローラ200は、第1の実施形態に係るリモートコントローラ100とほぼ同様の構成を有するが、電界センサ230a,230bが用いられている点が異なる。
【0075】
電界センサ230a,230bは、筐体101の内側に設けられる1対の電界センサである。電界センサ230a,230bは、その一方が送信電極、他方が受信電極となり、その間に電界を発生させる。例えばユーザの手が把持のために筐体101に接近すると、この電界が変化する。電界センサ230a,230bは、この電界の変化によって、ユーザの手などが筐体101に接近したことを検出する。なお、電界センサ230も、タッチセンサ113よりも消費電力が小さいセンサである。
【0076】
プロセッサ140の状態情報取得部141は、この電界センサ230の検出結果から筐体101へのユーザの接近の状態を取得する。本実施形態では、状態情報取得部141が、筐体101へのユーザの接近の状態を取得し、上記の各実施形態における筐体101の把持状態と同様に切替信号生成部145によるタッチセンサ113の検出モードの切り替えに利用する。
【0077】
以上、本開示の第3の実施形態について説明した。第3の実施形態では、筐体101の状態を取得するセンサとして電界センサ230を用いることによって、例えばユーザが筐体101を卓上に置いた状態で操作をすることが想定されるような場合でも、タッチセンサ113の検出モードに切り替えによる消費電力の削減が可能になる。
【0078】
(4.第4の実施形態)
続いて、本開示の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、タッチセンサ113の検出モードとして、接触の検出点の数が互いに異なるモードが設定される。なお、装置構成と処理フローについては、上記の第1〜第3の実施形態のいずれかと同様にすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0079】
図8は、本開示の第4の実施形態に係るタッチセンサ113において設定される検出モードについて説明するための図である。なお、図示された例では、縦方向の電極群115aと横方向の電極群115bを含む模式的なタッチセンサが示されているが、これはタッチセンサ113の種類を特定するものではない。つまり、タッチセンサ113がどのような種類のタッチセンサであっても、その種類に応じた方法で検出点の数を変化させることによって、本実施形態を適用することが可能である。
【0080】
以下、本実施形態におけるタッチセンサ113の第1〜第3の検出モードであるスリープモード、省電力モード、およびアクティブモードについて説明する。
【0081】
第1の検出モードは、(a)に示すスリープモードであり、タッチセンサ113の検出点の数が最も少ない値に設定されるモードである。図示された例では、電極群115a,115bがいずれもすべてOFFに設定され、検出点の数が0になっている。このモードでは、タッチセンサ113の消費電力は上記の3つのモードの中で最も小さい。なお、加速度センサ130の消費電力は、このスリープモードで駆動するタッチセンサ113の消費電力よりも小さい。一方、タッチセンサ113の検出精度は最も低く、ユーザの接触は実質的には検出されない。スリープモードは、タッチセンサに電力が供給されないOFFモードであってもよいし、他のモードへの遷移を迅速にするなどのためにわずかに電力が供給されるスタンバイモードであってもよい。
【0082】
第2の検出モードは、(b)に示す省電力モードであり、タッチセンサ113の検出点の数が通常よりも少ない値に設定されるモードである。例えば、電極群115a,115bの各電極は、所定の割合でONとOFFとが繰り返されるように設定される。図示された例では、電極群115a,115bの各電極が1つおきにONになっているが、例えば2つおき、3つおきなど他の割合であってもよい。このモードでは、タッチセンサ113の消費電力は比較的小さい。一方、タッチセンサ113の検出精度は比較的低く、ユーザの接触自体は検出されるものの、接触操作の種類によっては正しく検出されない場合がある。省電力モードの検出状態は、スリープモードの検出状態よりも検出精度が高い検出状態である。これは、第2の検出モードにおいて、第2の検出部が、第1の検出モードの第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動される場合の一例である。
【0083】
第3の検出モードは、(c)に示すアクティブモードであり、タッチセンサ113の検出点の数が通常の値に設定されるモードである。図示された例では、電極群115a,115bは、いずれもすべてONに設定されている。このモードでは、タッチセンサ113の消費電力は比較的大きく、長時間継続することは電池寿命の短縮につながる。一方、タッチセンサ113の検出精度は高く、各種の接触操作を正しく検出することが可能である。アクティブモードの検出状態は、省電力モードの検出状態よりも検出精度が高い検出状態である。これは、第3の検出モードにおいて、第2の検出部が、第2の検出モードの第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動される場合の一例である。このように、本実施形態において、「より制約が弱い検出状態」は、「より高い精度の検出状態」でありうる。
【0084】
ここで、第2の検出モードである省電力モードにおける検出精度を決定する検出点の数の値は、リモートコントローラ100がタッチパネル110への接触の情報を送信する外部機器において実行されるアプリケーションの種類に応じて異なる値であってもよい。このアプリケーションは、接触の情報を操作入力として利用するアプリケーションでありうる。
【0085】
例えば、タッチパネル110上でのタップ操作やポインティング操作など、接触の軌跡が比較的短い操作を用いるアプリケーションが外部機器において実行されている場合、切替信号生成部145は、そのような操作を検出可能な比較的多い検出点の数を省電力モードの検出点の数として設定しうる。また、例えば、タッチパネル110上でのフリック操作やドラッグ操作など、接触の軌跡が比較的長い操作を用いるアプリケーションが外部機器において実行されている場合、切替信号生成部145は、比較的少ない検出点の数を省電力モードの検出点の数として設定しうる。
【0086】
なお、外部機器において実行されるアプリケーションの情報は、例えば、通信部160を外部機器への送信だけではなく外部機器からの受信をも含む双方向通信が可能なように構成し、通信部160を用いて外部機器から送信されるアプリケーションの情報を受信することによって取得可能である。
【0087】
また、省電力モードは、上記の第2の実施形態と同様に、検出点の数が異なる複数のサブモードを有し、時間の経過によってサブモードが順次より検出点の数が低いモードへと切り替えられてもよい。
【0088】
(検出点の配置の変形例)
図9に、本開示の第4の実施形態に係るタッチセンサ113の検出点の配置に関する変形例を示す。本変形例は、例えば、ディスプレイ111において、画面の一部にしか接触操作のためのアイコン117が配置されないような場合に適用されうる。
【0089】
本変形例では、タッチセンサ113を2つの領域113a,113bに区分し、省電力モードではその一方の領域113bに限って検出点が配置される。領域113bの検出点は、図示されているようにアクティブモードと同様の密度で配置されてもよいし、またアクティブモードよりも低い密度で配置されてもよい。
【0090】
ここで、検出点が配置される領域113bは、ディスプレイ111においてアイコン117が表示される位置に対応する領域である。アイコン117は、接触操作のためのアイコンであり、ディスプレイ111に少なくとも1つ表示される。
【0091】
なお、本変形例においてタッチセンサ113が区分される領域は、上記の領域113a,113bには限られない。例えば、タッチセンサ113はさらに細かい領域に区分され、アイコン117の周辺に限って検出点が配置することが可能であってもよい。
【0092】
本変形例では、タッチセンサ113が省電力モードで駆動する場合、スリープモードよりも広い範囲に検出点が配置される。また、タッチセンサ113がアクティブモードで駆動する場合、省電力モードよりも広い範囲に検出点が配置される。このように、本変形例において、「より制約が弱い検出状態」は、「より広い検出範囲」でありうる。
【0093】
以上、本開示の第4の実施形態について説明した。第4の実施形態では、タッチセンサ113の省電力モードとして接触操作の検出点の数を減らしたモードを設定することによって、上記の他の実施形態とは違った形で、ユーザの接触操作を待ち受けつつ消費電力を削減することができる。第4の実施形態と上記の他の実施形態とを組み合わせ、タッチセンサ113の省電力モードとして接触操作の検出点の数を減らしてサンプリングレートを長くしたモードを設定すれば、さらに消費電力を削減することも可能である。
【0094】
(5.その他の変形例)
ここまでで説明した実施形態についての他のさまざまな変形例について、以下で説明する。
【0095】
(電子機器の種類について)
上記の各実施形態では、電子機器の例としてリモートコントローラを用いて説明したが、本開示の実施形態に係る電子機器はリモートコントローラには限られず、例えばタブレット型PC(Personal Computer)、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機など、ユーザが把持または接近した状態で操作入力をするあらゆる種類の電子機器でありうる。
【0096】
なお、電子機器が乾電池ではなく充電池によって駆動される場合にも、例えば充電の間隔を延ばすために、本開示の実施形態による消費電力の抑制は有用である。また、電子機器が固定電源によって駆動される場合にも、省エネルギーの観点から消費電力の抑制は有用である。
【0097】
ここで、電子機器がタブレット型PCやスマートフォンなどのように自らアプリケーションを実行する機器である場合、省電力モードにおけるサンプリングレートまたは検出点の数の値は、電子機器が自ら実行するアプリケーションの種類に応じて異なる値であってもよい。このアプリケーションは、接触の情報を操作入力として利用するアプリケーションでありうる。
【0098】
(省電力モードについて)
上記の各実施形態では、省電力モードにおいて、サンプリングレートまたは検出点の数の変更によってタッチセンサの消費電力を抑制したが、タッチセンサの消費電力は他の方法で抑制されてもよい。例えば、省電力モードにおいて、タッチセンサは、接触の有無は検知するが、接触の位置を算出する演算処理をしないように設定されてもよい。この場合、演算処理の分の消費電力が削減される。このような省電力モードも、スリープモードよりも検出精度が高く、アクティブモードよりも検出精度が低いモードといえる。
【0099】
(筐体の把持について)
筐体の把持状態を検出するセンサが加速度センサである場合、筐体が把持されているか否かに加えて、加速度の値から筐体の姿勢をも検出することが可能である。これを利用して、スリープモードから省電力モードへの切り替えの条件を、筐体が所定の範囲の姿勢で把持されることとしてもよい。所定の範囲の姿勢とは、例えば、筐体に備えられるタッチパネルが上〜横向きになるような筐体の姿勢の範囲でありうる。これによって、例えばユーザがリモートコントローラを把持したまま、操作入力をすることなく外部機器に表示されるコンテンツを視聴しているような場合に、タッチセンサをスリープモードにして消費電力を削減することができる。
【0100】
(クリッカブルなタッチパネルの使用について)
本開示の実施形態に係る電子機器は、クリッカブルなタッチパネルを有していてもよい。この場合、タッチパネルのクリックを、タッチセンサの検出モードの切り替えのトリガーとして用いてもよい。例えば、タッチセンサに省電力モードが設定されていて、ユーザがタッチパネルのクリックを伴うポインティング操作によって接触操作を開始する場合、タッチパネルのクリックによってタッチセンサを省電力モードからアクティブモードに切り替えることにすれば、省電力モードのサンプリングレートをさらに長く設定し、消費電力をさらに少なくすることが可能である。
【0101】
(6.補足)
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0102】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、
第2の検出部の検出に応じて生成される、前記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記状態情報取得部で取得された前記状態情報に応じて、前記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、前記操作情報に応じて前記第2の検出部を前記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する切替信号生成部と
を備え、
前記第2の検出部は、
前記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、
前記第2の検出モードにおいて、前記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および前記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、
前記第3の検出モードにおいて、前記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および前記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、
前記第1の検出部は、
前記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、
電子機器。
(2)前記切替信号生成部は、前記第1の操作が取得されない場合に前記第2の検出部を前記第3の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、前記(1)に記載の電子機器。
(3)前記切替信号生成部は、前記第1の操作が取得されない状態で第1の時間が経過した場合に前記第2の検出部を前記第3の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、前記(2)に記載の電子機器。
(4)前記操作情報を外部機器に送信し、前記外部機器において実行され前記操作情報を操作入力として利用するアプリケーションの情報を受信する通信部をさらに備え、
前記切替信号生成部は、前記第2の検出状態として、前記アプリケーションの種類に応じて異なる検出状態を設定する、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電子機器。
(5)前記切替信号生成部は、前記第2の検出状態として、前記電子機器において実行され前記操作情報を操作入力として利用するアプリケーションの種類に応じて異なる検出状態を設定する、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電子機器。
(6)前記第2の検出モードは、それぞれが異なる消費電力および検出状態を有するサブモードを含み、
前記切替信号生成部は、前記第2の検出部を他の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成するときに、前記第2の検出部を前記サブモードのうち消費電力が最も大きく検出状態が最も制約が弱いモードで駆動させるための切替信号を生成し、前記第2の検出部に前記第2の検出モードが設定された状態で時間が経過するのに従って、前記第2の検出部を前記サブモードのうち消費電力がより小さく検出状態がより制約が強いモードで駆動させるための切替信号を順次生成する、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の電子機器。
(7)前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得されない場合に前記第2の検出部を前記第2の検出モードから前記第1の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の電子機器。
(8)前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得されない状態で第2の時間が経過した場合に前記第2の検出部を前記第2の検出モードから前記第1の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、前記(7)に記載の電子機器。
(9)前記第1の操作の情報を外部機器に送信する通信部をさらに備え、
前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得された場合に前記通信部を起動させるための制御信号を生成する、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電子機器。
(10)前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得されない場合に前記通信部を停止させるための制御信号を生成する、前記(9)に記載の電子機器。
(11)前記第2の検出状態は、前記第1の検出状態よりも検出精度が高い検出状態であり、
前記第3の検出状態は、前記第2の検出状態よりも検出精度が高い検出状態である、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の電子機器。
(12)前記切替信号生成部は、前記状態情報が前記操作部の設けられた筐体がユーザによって把持されたことを示す場合に、前記第2の検出部を前記第1の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成し、
前記第2の検出部は、前記第1の操作である前記ユーザによる前記操作部への接触に基づく操作情報を取得する、前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の電子機器。
(13)前記第1の検出状態は、前記接触の検出を第1の時間間隔で実行する状態であり、
前記第2の検出状態は、前記接触の検出を前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で実行する状態であり、
前記第3の検出状態は、前記接触の検出を前記第2の時間間隔よりも短い第3の時間間隔で実行する状態である、前記(12)に記載の電子機器。
(14)前記第1の検出状態は、前記接触を検出する検出点を前記第1の部分に第1の数配置するモードであり、
前記第2の検出状態は、前記検出点を前記第1の部分に前記第1の数よりも多い第2の数配置する状態であり、
前記第3の検出状態は、前記検出点を前記第1の部分に前記第2の数よりも多い第3の数配置する状態である、前記(12)に記載の電子機器。
(15)前記切替信号生成部は、前記状態情報が前記操作部の設けられた筐体がユーザによって所定の範囲の姿勢で把持されたことを示す場合に、前記第2の検出部を前記第1の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、前記(12)〜(14)のいずれか1項に記載の電子機器。
(16)前記第1の検出部である加速度センサと、
前記第2の検出部であるタッチセンサと、
前記操作情報を外部機器に該外部機器の操作入力として送信する通信部と
をさらに備え、
前記操作部は、タッチパネルであり、
前記電子機器は、前記外部機器のリモートコントローラとして機能する、前記(12)〜(15)のいずれか1項に記載の電子機器。
(17)前記第1の検出部として、前記加速度センサに代えて電界センサを備える、前記(16)に記載の電子機器。
(18)第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得することと、
第2の検出部の検出に応じて生成される、前記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得することと、
前記取得された前記状態情報に応じて、前記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、前記操作情報に応じて前記第2の検出部を前記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成することと
を含み、
前記第2の検出部は、
前記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、
前記第2の検出モードにおいて、前記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および前記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、
前記第3の検出モードにおいて、前記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および前記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、
前記第1の検出部は、
前記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、
電子機器の制御方法。
(19)第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する機能と、
第2の検出部の検出に応じて生成される、前記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得する機能と、
前記取得された前記状態情報に応じて、前記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、前記操作情報に応じて前記第2の検出部を前記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する機能と
をコンピュータに実現させ、
前記第2の検出部は、
前記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、
前記第2の検出モードにおいて、前記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および前記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、
前記第3の検出モードにおいて、前記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および前記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、
前記第1の検出部は、
前記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、
プログラム。
【符号の説明】
【0103】
100,200 リモートコントローラ
101 筐体
110 タッチパネル
111 ディスプレイ
113 タッチセンサ
130 加速度センサ
140 プロセッサ
141 状態情報取得部
143 操作情報取得部
145 切替信号生成部
150 メモリ
160 通信部
230 電界センサ
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器、電子機器の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器がユーザの操作入力を取得する装置としては、例えばボタンやキーボードが古くから用いられてきた。その一方で、近年、さまざまなセンサを利用してユーザの操作を取得する方法が開発されている。例えば、特許文献1では、ユーザの3次元的な動きを加速度センサおよびジャイロセンサを用いてユーザの操作入力として取得する技術が開示されている。
【0003】
ところが、電子機器がこのようなセンサを用いてユーザの操作を取得する場合、ボタンやキーボードなどを用いる場合に比べて消費電力が大きい。これは、ジャイロセンサのようなセンサが、ボタンやキーボードよりも大きな電力を消費するためである。そこで、上記の特許文献1では、加速度センサからの入力がない場合にはより消費電力が大きいジャイロセンサへの電力の供給を規制することによって、消費電力をより少なくすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第09/008411号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、電子機器の操作入力に用いられるセンサの種類やセンサの用途が多様化しており、上記の特許文献1に記載の技術によっては、消費電力の削減効果が必ずしも十分ではない場合がある。
【0006】
そこで、本開示では、操作の取得のための消費電力をさらに削減することが可能な、新規かつ改良された電子機器、電子機器の制御方法およびプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、第2の検出部の検出に応じて生成される、上記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得する操作情報取得部と、上記状態情報取得部で取得された上記状態情報に応じて、上記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、上記操作情報に応じて上記第2の検出部を上記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する切替信号生成部とを含み、上記第2の検出部は、上記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、上記第2の検出モードにおいて、上記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および上記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、上記第3の検出モードにおいて、上記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および上記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、上記第1の検出部は、上記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、電子機器が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得することと、第2の検出部の検出に応じて生成される、上記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得することと、上記取得された上記状態情報に応じて、上記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、上記操作情報に応じて上記第2の検出部を上記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成することとを含み、上記第2の検出部は、上記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、上記第2の検出モードにおいて、上記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および上記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、上記第3の検出モードにおいて、上記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および上記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、上記第1の検出部は、上記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、電子機器の制御方法が提供される。
【0009】
さらに、本開示によれば、第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する機能と、第2の検出部の検出に応じて生成される、上記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得する機能と、上記取得された上記状態情報に応じて、上記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、上記操作情報に応じて上記第2の検出部を上記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する機能とをコンピュータに実現させ、上記第2の検出部は、上記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、上記第2の検出モードにおいて、上記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および上記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、上記第3の検出モードにおいて、上記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および上記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、上記第1の検出部は、上記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、プログラムが提供される。
【0010】
本開示によれば、操作部の状態を示す状態情報に応じて、より消費電力が大きい第2のセンサの検出モードは最も消費電力が小さい第1の検出モードに維持される。そのため、操作部の状態に応じての消費電力が削減される。また、操作部に対する操作に基づく操作情報に応じて、第2のセンサの検出モードは比較的消費電力が小さい第2の検出モードに維持される。そのため、操作部に対する操作に応じて消費電力が削減される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本開示によれば、電子機器において、操作の取得のための消費電力をさらに削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本開示の第1の実施形態に係る電子機器の外観を示す図である。
【図2】本開示の第1の実施形態に係る電子機器の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本開示の第1の実施形態の処理を示すフローチャートである。
【図4】本開示の第1の実施形態の変形例の処理を示すフローチャートである。
【図5】本開示の第2の実施形態においてタッチセンサに設定される省電力モードのサブモードについて説明するための図である。
【図6】本開示の第2の実施形態においてタッチセンサに設定される検出モードの例について説明するための図である。
【図7】本開示の第3の実施形態に係る電子機器を示す図である。
【図8】本開示の第4の実施形態に係るタッチセンサにおいて設定される検出モードについて説明するための図である。
【図9】本開示の第4の実施形態の変形例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態(省電力モードでサンプリングレートを変化させる例)
1−1.装置構成
1−2.処理フロー
2.第2の実施形態(省電力モードにサブモードを設定する例)
3.第3の実施形態(電界センサを使用する例)
4.第4の実施形態(省電力モードで検出点の数を変化させる例)
5.その他の変形例
6.補足
【0015】
(1.第1の実施形態)
(1−1.装置構成)
図1は、本開示の第1の実施形態に係る電子機器であるリモートコントローラ100の外観を示す図である。リモートコントローラ100は、例えばテレビやレコーダなどの外部機器にユーザの操作入力の情報を送信する機器であり、ユーザが把持して用いる。
【0016】
リモートコントローラ100は、ユーザによって把持される筐体101を有する。図示されている筐体101は長円形の板状であるが、筐体101の形状はこれに限られず、ユーザが把持することが可能な形状であればどのような形状でもよい。筐体101の表面にはタッチパネル110とボタン120とが設けられ、筐体101の内部には後述する機能構成を実現する回路部品が内蔵される。
【0017】
タッチパネル110は、ディスプレイ111と、タッチセンサ113とを含む。ディスプレイ111は、リモートコントローラ100を操作するためのGUI(Graphical User Interface)などの画像を表示する。タッチセンサ113は、ディスプレイ111の特定の部分に対するユーザの接触を検知する。タッチセンサ113が検出したユーザの接触の情報が、操作入力として取得され、リモートコントローラ100から操作対象となる外部機器に送信される。
【0018】
ボタン120は、ユーザによる押下を操作入力として取得するための装置である。これ以降の説明では、主にタッチパネル110を用いた操作入力について説明するが、リモートコントローラ100は、ボタン120のような他の操作入力装置を有していてもよい。かかる他の操作入力装置を用いた操作入力については、公知の任意の技術が用いられうるため、以後詳細な説明を省略する。
【0019】
以上、リモートコントローラ100の外観について説明した。上記のように、リモートコントローラ100は、操作入力の取得のためにタッチセンサ113を用いる。タッチセンサ113は、消費電力が加速度センサのようなセンサよりも大きいセンサである。リモートコントローラ100は、多くの場合、乾電池によって駆動されるため、タッチセンサ113の消費電力のマネジメントは、電池寿命を延ばしてユーザビリティを向上させることにつながる重要な要因である。
【0020】
図2は、本開示の第1の実施形態に係る電子機器であるリモートコントローラ100の機能構成を示すブロック図である。電子機器であるリモートコントローラ100は、機能構成として、加速度センサ130と、タッチセンサ113と、プロセッサ140と、メモリ150と、通信部160とを有する。
【0021】
加速度センサ130は、ピエゾ抵抗型、圧電型、静電容量型など、任意の種類の加速度センサである。加速度センサ130は、互いに直交する3軸に沿った加速度を検出する3軸加速度センサであってもよいし、互いに直交する2軸に沿った加速度を検出する2軸加速度センサ、または1軸加速度センサであってもよい。本実施形態において、加速度センサ130は、ユーザによる筐体101の把持状態を加速度の変化によって検出する。ここで、加速度センサ130は、操作部であるタッチパネル110が設けられた筐体101が把持されたことを示しうる状態情報をその検出に応じて生成する、第1の検出部の一例である。かかる検出が可能であれば、センサの種類や軸数は問わない。なお、加速度センサ130は、筐体101の把持の検出のために占用されてもよいし、他の用途、例えばリモートコントローラ100の傾きの検出などの用途と共用されてもよい。加速度センサ130は、省電力モードを有し、省電力モードで用いられてもよい。
【0022】
プロセッサ140は、メモリ150に格納されたプログラムに従って動作し、リモートコントローラ100の各部を制御する。プロセッサ140は、状態情報取得部141、操作情報取得部143、および切替信号生成部145の機能を実現する。状態情報取得部141は、加速度センサ130の検出に応じて生成される状態情報を取得する。操作情報取得部143は、タッチセンサ113の検出に応じて生成される、タッチパネル110に対して実行される接触に基づく操作情報を取得する。切替信号生成部145は、状態情報、および操作情報に応じて、タッチセンサ113のモードを切り替えて駆動させるための切替信号を生成する。なお、状態情報取得部141、操作情報取得部143、および切替信号生成部145の処理の詳細については後述する。
【0023】
メモリ150には、リモートコントローラ100で用いられるデータが格納される。メモリ150には、例えば、プロセッサ140が動作するためのプログラムが格納される。メモリ150に格納される情報には、後述するように切替信号生成部145がタッチセンサ113に設定する複数の検出モードの情報が含まれていてもよい。
【0024】
通信部160は、タッチセンサ113の検出に応じて生成された操作情報をプロセッサ140から取得し、この情報を操作入力として外部装置に送信する通信装置として実現されうる。通信部160は、例えば赤外線を用いて外部装置と通信してもよいし、またRF4CE(Radio Frequency for Consumer Electronics)規格やBluetooth(登録商標)を用いた無線通信によって外部装置と通信してもよい。
【0025】
タッチセンサ113は、静電容量方式、抵抗膜方式など、任意の方式のタッチセンサである。タッチセンサ113は、タッチパネル110の領域を所定のサンプリングレートで走査し、ユーザの接触を検知する。ここで、タッチセンサ113は、操作部であるタッチパネル110に対して実行される第1の操作である接触操作に基づく操作情報をその検出に応じて生成する、第2の検出部の一例である。タッチセンサ113の消費電力は、加速度センサ130よりも大きい。しかし、上記のサンプリングレートを変更したり、検出点の数を変更したりすることによって、消費電力を抑制することが可能である。タッチセンサ113は、ユーザの接触の情報をプロセッサ140に提供し、プロセッサ140はこの接触の情報を通信部160に提供する。
【0026】
ここで、タッチセンサ113の検出モードについて説明する。本実施形態では、後述するように、切替信号生成部145の機能によって、タッチセンサ113の検出モードが第1〜第3の検出モードの間で切り替えられる。
【0027】
第1の検出モードは、スリープモードであり、タッチセンサ113のサンプリングレートが最も小さい値に設定されるモードである。サンプリングレートは0に設定されてもよい。このモードでは、タッチセンサ113の消費電力は上記の3つのモードの中で最も小さい。なお、加速度センサ130の消費電力は、このスリープモードで駆動するタッチセンサ113の消費電力よりも小さい。一方、タッチセンサ113の検出精度は最も低く、ユーザの接触は実質的には検出されない。スリープモードは、タッチセンサに電力が供給されないOFFモードであってもよいし、他のモードへの遷移を迅速にするなどのためにわずかに電力が供給されるスタンバイモードであってもよい。
【0028】
第2の検出モードは、省電力モードであり、タッチセンサ113のサンプリングレートが通常よりも低い値に設定されるモードである。このモードでは、タッチセンサ113の消費電力は比較的小さい。一方、タッチセンサ113の検出精度は比較的低く、ユーザの接触自体は検出されるものの、接触操作の種類によっては正しく検出されない場合がある。省電力モードの検出状態は、スリープモードの検出状態よりも検出精度が高い検出状態である。これは、第2の検出モードにおいて、第2の検出部が、第1の検出モードの第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動される場合の一例である。
【0029】
第3の検出モードは、アクティブモードであり、タッチセンサ113のサンプリングレートが通常の値に設定されるモードである。このモードでは、タッチセンサ113の消費電力は比較的大きく、長時間継続することは電池寿命の短縮につながる。一方、タッチセンサ113の検出精度は高く、各種の接触操作を正しく検出することが可能である。アクティブモードの検出状態は、省電力モードの検出状態よりも検出精度が高い検出状態である。これは、第3の検出モードにおいて、第2の検出部が、第2の検出モードの第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動される場合の一例である。このように、本実施形態において、「より制約が弱い検出状態」は、「より高い精度の検出状態」でありうる。
【0030】
ここで、第2の検出モードである省電力モードにおける検出精度を決定するサンプリングレートの値は、リモートコントローラ100がタッチパネル110への接触の情報を送信する外部機器において実行されるアプリケーションの種類に応じて異なる値であってもよい。このアプリケーションは、接触の情報を操作入力として利用するアプリケーションでありうる。
【0031】
例えば、タッチパネル110上でのタップ操作やフリック操作など、接触の持続時間が比較的短い操作を用いるアプリケーションが外部機器において実行されている場合、切替信号生成部145は、そのような操作を検出可能な比較的高いサンプリングレートを省電力モードのサンプリングレートとして設定しうる。また、例えば、タッチパネル110上でのドラッグ操作やポインティング操作など、接触の持続時間が比較的長い操作を用いるアプリケーションが外部機器において実行されている場合、切替信号生成部145は、比較的低いサンプリングレートを省電力モードのサンプリングレートとして設定しうる。
【0032】
なお、外部機器において実行されるアプリケーションの情報は、例えば、通信部160を外部機器への送信だけではなく外部機器からの受信をも含む双方向通信が可能なように構成し、通信部160を用いて外部機器から送信されるアプリケーションの情報を受信することによって取得可能である。
【0033】
以上、リモートコントローラ100の機能構成について説明した。なお、リモートコントローラ100は、ディスプレイ111へのGUIの表示のための機能構成や、ボタン120を用いた操作入力のための機能構成など、図示されていない機能構成をさらに含みうる。かかる機能構成については、公知の任意の技術が用いられうるため、詳細な説明を省略する。
【0034】
(1−2.処理フロー)
図3は、本開示の第1の実施形態に係る電子機器であるリモートコントローラ100の処理を示すフローチャートである。例えば、ユーザが卓上などに静置されたリモートコントローラ100を手に取り、タッチパネルへの接触によって操作入力をし、再びリモートコントローラを卓上に戻すような場合、リモートコントローラ100では以下のステップS101〜ステップS119の処理が実行される。
【0035】
まず、加速度センサ130が、筐体101の把持状態を取得する(ステップS101)。加速度センサ130は、筐体101がユーザによって把持されて持ち上げられるときの加速度の変化を検出する。ここでの加速度センサ130の検出結果は、プロセッサ140の状態情報取得部141に提供される。
【0036】
次に、状態情報取得部141が、加速度センサ130の検出結果に基づいて、筐体101が把持されたか否かを判定する(ステップS103)。状態情報取得部141は、例えば、加速度センサ130が検出した加速度の変化が所定の閾値を上回る場合に、筐体101が把持されたと判定する。ここで、筐体101が把持されたと判定された場合、状態情報取得部141は判定結果を切替信号生成部145に提供し、処理はステップS105に進む。一方、筐体101が把持されたと判定されなかった場合、状態情報取得部141は加速度センサ130からの次の検出結果を待ちうけ、処理はステップS101に戻る。
【0037】
ステップS103で筐体101が把持されたと判定された場合、次に、切替信号生成部145が、タッチセンサ113をスリープモードから省電力モードに切り替える(ステップS105)。上述のように、スリープモードは消費電力が最小であるがユーザの接触が実質的には検出されないモードであり、省電力モードは比較的小さい消費電力でユーザの接触を最低限検出するモードである。従って、この検出モードの切り替えによって、タッチセンサ113はユーザの接触を検出することが可能になる。
【0038】
次に、操作情報取得部143が、タッチセンサ113の検出結果に基づいて、ユーザによるタッチパネル110への接触が検出されたか否かを判定する(ステップS107)。ここで、タッチパネル110への接触が検出されたと判定された場合、操作情報取得部143は判定結果を切替信号生成部145に提供し、処理はステップS109に進む。なお、タッチパネル110への接触が検出されたと判定されなかった場合の処理については後述する。
【0039】
ステップS107でタッチパネル110への接触が検出されたと判定された場合、次に、切替信号生成部145が、タッチセンサ113を省電力モードからアクティブモードに切り替える(ステップS109)。上述のように、アクティブモードは比較的大きい消費電力でユーザの接触を十分に検出するモードである。従って、この検出モードの切り替えによって、タッチセンサ113は、ユーザの接触によるドラッグやフリックなどの各種の操作を十分に検出することが可能になる。
【0040】
次に、操作情報取得部143が、タッチセンサ113の検出結果に基づいて、タッチパネル110への接触が解除されたか否かを判定する(ステップS111)。ここで、接触が解除されたと判定された場合、さらに、操作情報取得部143が、接触が解除されてから所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS113)。ここで、所定の時間が経過したと判定された場合、操作情報取得部143は、判定結果を切替信号生成部145に提供し、切替信号生成部145が、タッチセンサ113をアクティブモードから省電力モードに切り替える(ステップS115)。
【0041】
一方、ステップS111で接触が解除されたと判定されなかった場合、およびステップS113で所定の時間が経過したと判定されなかった場合、処理はステップS111に戻る。これはつまり、タッチパネル110へのユーザの接触操作が継続している場合と、ユーザの接触操作が一時的に中断しているが再開される可能性が高い場合である。このような場合、タッチセンサ113はアクティブモードに維持され、引き続きユーザの接触操作を取得する。
【0042】
ステップS115でタッチセンサ113がアクティブモードから省電力モードに切り替えられた後、処理はステップS107に戻る。ステップS107でタッチパネル110への接触が検出されたと判定されれば、ステップS109でタッチセンサ113はアクティブモードに復帰する。
【0043】
一方、ステップS107でタッチパネル110への接触が検出されたと判定されなかった場合、さらに、状態情報取得部141が、加速度センサ130の検出結果に基づいて、筐体101が置かれたか否かを判定する(ステップS117)。状態情報取得部141は、例えば、加速度センサ130が検出した加速度の変化が所定の閾値を下回る場合に、筐体101が置かれたと判定する。筐体101がユーザによって把持されている場合、手振れなどによってある程度の加速度変化が検出されるため、例えば上記の条件によって筐体101が置かれたか否かを検出することが可能である。
【0044】
ステップS117で筐体101が置かれたと判定された場合、切替信号生成部145が、タッチセンサ113を省電力モードからスリープモードに切り替える(ステップS119)。これによって、リモートコントローラ100は、この処理の開始時と同様に、卓上などに置かれ、タッチセンサ113の消費電力を最小化した状態に戻る。なお、筐体101がすぐまた把持される可能性を考慮し、ステップS119は、ステップS117から所定の時間の待機を経た後に実行されてもよい。一方、筐体101が置かれたと判定されなかった場合、処理はステップS107に戻り、タッチパネル110への接触が検出されたか否かが再度判定される。
【0045】
以上、リモートコントローラ100の処理フローについて説明した。かかる処理フローによって、筐体101がユーザによって把持されていない間は、タッチセンサ113を最も消費電力が少ないスリープモードにし、リモートコントローラ100における消費電力を最小化することができる。また、筐体101が把持されている間も、タッチパネル110への接触が検出されていない間は、タッチセンサ113を比較的消費電力が少ない省電力モードにし、接触の検出を可能としつつリモートコントローラ100における消費電力を抑制することができる。
【0046】
(処理フローの変形例)
図4に、本開示の第1の実施形態に係る電子機器であるリモートコントローラ100の変形例の処理を示すフローチャートである。本変形例は、例えば、リモートコントローラ100の通信部160が、Bluetooth(登録商標)などを用いて、外部装置と無線接続を維持しながら通信する場合に適用されうる。以下、本変形例において、図3で示したフローチャートのステップS105に代えて実行されるステップS205と、ステップS119に代えて実行されるステップS219について説明する。
【0047】
ステップS205では、切替信号生成部145が、タッチセンサ113をスリープモードから省電力モードに切り替えるとともに、通信部160を起動させる。起動された通信部160は、通信相手である外部機器をスキャンによって発見し、外部機器との無線接続を確立する。これによって、リモートコントローラ100では、タッチセンサ113がユーザの接触を検出することが可能になるとともに、検出された接触の情報を外部機器に送信することが可能になる。
【0048】
ステップS219では、切替信号生成部145が、タッチセンサ113を省電力モードからスリープモードに切り替えるとともに、通信部160を停止させる。通信部160は、外部機器との無線接続を解除し、動作を停止する。なお、筐体101がすぐまた把持される可能性を考慮し、ステップS219は、ステップS117から所定の時間の待機を経た後に実行されてもよい。この場合、タッチセンサ113がスリープモードに切り替えられた後、さらに所定の時間の待機を経た後に、通信部160が停止されてもよい。一般的には、通信部160の起動の方がタッチセンサ113のスリープモードから省電力モードへの切り替えよりも時間がかかる。そのため、かかる構成によって、筐体101が置かれてから通信部160の停止までの遅延時間をより大きくとり、ユーザがすぐにまた筐体101を把持した場合に、通信部160の起動を待つ時間が発生することを防ぐことができる。
【0049】
以上、リモートコントローラ100の処理フローの変形例について説明した。本変形例によって、筐体101がユーザによって把持されていない間は、タッチセンサ113に加えて通信部160の消費電力をも最小にし、リモートコントローラ100における消費電力をさらに削減することができる。ただし、リモートコントローラ100が外部機器からプッシュ型の情報を送信される場合には、上記の図3の処理のように、リモートコントローラ100からの送信がなくても外部装置との無線接続を維持する方が望ましい。
【0050】
以上、本開示の第1の実施形態について説明した。第1の実施形態では、タッチセンサ113よりも消費電力が小さい加速度センサ130を用いてユーザによる筐体101の把持を検出し、それまではタッチセンサ113をスリープモードにすることで、筐体101が把持されずタッチパネル110への接触操作がされない状態での消費電力を大幅に削減することができる。また、筐体101の把持が検出された後は、タッチセンサ113を省電力モードに切り替えることで、筐体101が把持され、タッチパネル110への接触操作がされる可能性が高い状態での消費電力を削減しつつ、接触操作が開始された場合の立ち上がり時間を短縮することができる。スリープモード、または省電力モードが設定されているタッチセンサ113をアクティブモードにするのに、ユーザが別途のボタンの操作などをする必要がなく、筐体101を把持してタッチパネル110に接触するという通常の動作の中でモードが切り替えられるため、ユーザに切り替えを意識させることなく、高い操作感を実現することも可能である。
【0051】
(2.第2の実施形態)
続いて、本開示の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、タッチセンサ113の省電力モードに複数のサブモードが設定され、タッチセンサ113に省電力モードが設定された状態で時間が経過するのに従ってサブモードが変化する。なお、装置構成と、タッチセンサ113に省電力モードが設定された状態以外、つまりタッチセンサ113が他のモードから省電力モードに切り替えられる前と、タッチセンサ113が省電力モードから他のモードに切り替えられた後の処理とは、上記の第1の実施形態と同様にすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0052】
図5は、本開示の第2の実施形態において、タッチセンサ113に設定される省電力モードのサブモードについて説明するための図である。図では、省電力モードのサブモードである省電力モード1〜省電力モード3が、アクティブモードと比較して示されている。以下、それぞれのモードについて説明する。
【0053】
アクティブモードは、上述のように、タッチセンサ113のサンプリングレートが通常の値に設定されるモードであり、タッチパネル110に対するユーザの接触操作がされている場合に設定される。アクティブモードのサンプリングレートは、省電力モードのどのサブモードよりも高い。
【0054】
省電力モード1〜3は、それぞれが異なるサンプリングレートを有する。すなわち、省電力モード1〜3は、それぞれが異なる消費電力および検出精度を有する。つまり、省電力モード1〜3は、それぞれが異なる消費電力および検出状態を有するサブモードの一例である。これらのモードのサンプリングレートは、いずれも、アクティブモードのサンプリングレートよりも低く、またスリープモードのサンプリングレート(0でもありうる)よりも高い。
【0055】
省電力モード1は、サンプリングレートが最も高く、従って消費電力が最も大きく検出精度が最も高いサブモードである。省電力モード2は、サンプリングレートが2番目に高く、従って消費電力が2番目に大きく検出精度が2番目に高いサブモードである。省電力モード3は、サンプリングレートが最も低く、従って消費電力が最も小さく検出精度が最も低いサブモードである。
【0056】
なお、図示された例において、省電力モード1のサンプリングレートはアクティブモードの半分であり、省電力モード2のサンプリングレートは省電力モード1の半分であり、省電力モード3のサンプリングレートは省電力モード2の半分である。しかし、それぞれのサブモードのサンプリングレートは、このような関係にはなくてもよく、後述する条件などを考慮して任意に設定されうる。また、3つではなく2つのサブモードや、3つよりも多いサブモードが設定されてもよい。
【0057】
図6は、本開示の第2の実施形態において、タッチセンサ113に設定される検出モードの例について説明するための図である。例えば、ユーザが卓上などに静置されたリモートコントローラ100の筐体101を把持し(P1)、しばらくしてからタッチパネルに接触し(P2)、接触を解除し(P3)、しばらくしてから再びタッチパネルに接触し(P4)、接触を解除し(P5)、少ししてから筐体を卓上に置く(P6)といったようにフェーズが進行した場合、タッチセンサ113に設定される検出モードは、以下のように変化しうる。
【0058】
最初に、P1でリモートコントローラ100の筐体101が把持される前は、タッチセンサ113にはスリープモードが設定されている。この状態では、タッチセンサ113は実質的にユーザの接触を検出しない。P1で筐体101が把持されると、切替信号生成部145がタッチセンサ113をスリープモードから省電力モードに切り替え、タッチセンサ113に省電力モード1を設定する。上記のように、省電力モード1は、省電力モードのサブモードの中ではサンプリングレートが最も高く、従って消費電力が最も大きく検出精度が最も高いモードである。
【0059】
次に、P1で筐体101が把持され、タッチセンサ113が省電力モードに切り替えられて省電力モード1が設定された後、所定の時間が経過すると、切替信号生成部145は、タッチセンサ113を省電力モード1から省電力モード2に切り替える。上記のように、省電力モード2は、省電力モード1よりもサンプリングレートが低く、従って消費電力が省電力モード1よりも小さく検出精度が省電力モード1よりも低いモードである。
【0060】
次に、タッチセンサ113に省電力モード2が設定された後、所定の時間が経過すると、切替信号生成部145は、タッチセンサ113を省電力モード2から省電力モード3に切り替える。上記のように、省電力モード3は、省電力モードのサブモードの中ではサンプリングレートが最も低く、従って消費電力が最も小さく検出精度が最も低いモードである。
【0061】
ここで、P2でタッチパネル110への接触がタッチセンサ113によって検出されると、切替信号生成部145は、タッチセンサ113を省電力モード3からアクティブモードに切り替える。なお、タッチセンサ113に省電力モード1または省電力モード2が設定された状態でタッチパネル110への接触が検出された場合も、切替信号生成部145はタッチセンサ113をその時のモードからアクティブモードに切り替える。P3でタッチパネル110への接触が解除された後も、第1の実施形態と同様に、切替信号生成部145は、所定の時間、タッチセンサ113をアクティブモードに維持する。
【0062】
次に、P3でタッチパネル110への接触が解除された後、所定の時間が経過すると、切替信号生成部145は、タッチセンサ113をアクティブモードから省電力モードに切り替える。P1でタッチセンサ113が省電力モードに切り替えられたときと同様に、ここで切替信号生成部145はタッチセンサ113に省電力モード1を設定する。
【0063】
その後、切替信号生成部145は、P1〜P2の間と同様に、時間の経過に従って、消費電力がより小さく検出精度がより低いモードを順次タッチセンサ113に設定する。つまり、切替信号生成部145は、タッチセンサ113に、省電力モード1の次には省電力モード2を、省電力モード2の次には省電力モード3を、それぞれ設定する。
【0064】
ここで、P4でタッチパネル110への接触がタッチセンサ113によって検出されると、切替信号生成部145は、P2と同様に、タッチセンサ113を省電力モード3からアクティブモードに切り替える。P5でタッチパネル110への接触が解除された後も、切替信号生成部145は、所定の時間、タッチセンサ113をアクティブモードに維持する。
【0065】
次に、P5でタッチパネル110への接触が解除された後、所定の時間が経過すると、切替信号生成部145は、タッチセンサ113をアクティブモードから省電力モードに切り替え、タッチセンサ113に省電力モード1を設定する。
【0066】
ここで、P6で筐体101が置かれると、切替信号生成部145は、第1の実施形態と同様に、タッチセンサ113を省電力モード1からスリープモードに切り替える。切替信号生成部145は、図示されているように、タッチセンサ113をその時のモードからすぐにスリープモードに切り替えてもよいし、またタッチセンサ113を省電力モード2や省電力モード3のようなより消費電力が小さく検出精度が低いモードに切り替え、さらに所定の時間が経過した後にスリープモードに切り替えてもよい。
【0067】
以上で説明した例において、切替信号生成部145は、タッチセンサ113をスリープモードまたはアクティブモードから省電力モードに切り替えた場合、まず省電力モード1を設定し、その後時間の経過に従って、省電力モード2、次いで省電力モード3を順次タッチセンサ113に設定する。
【0068】
上記の例において、筐体101が把持されたことによってタッチセンサ113がスリープモードから省電力モードに切り替えられるP1の時点では、その直後にタッチパネル110への接触操作が開始される可能性が高い。そこで、省電力モードのサブモードの中では最も検出精度が高い省電力モード1を設定することによって、接触操作が開始されたときに比較的短い時間で反応できるようにする。
【0069】
一方、P1の後、接触操作が開始されない場合、ユーザにすぐ接触操作を開始する意図がないことが推定される。そこで、より消費電力が小さい省電力モード2、および省電力モード3を順に設定することによって、消費電力を抑制する。ここでユーザが接触操作を開始した場合、反応は省電力モード1が設定されている間よりも遅くなる。省電力モード2および省電力モード3のサンプリングレートは、例えばこの遅延がどの程度許容されうるかを考慮して決定されうる。
【0070】
また、タッチパネル110への接触がP3で解除されて所定の時間が経過し、タッチセンサ113がアクティブモードから省電力モードに切り替えられた時点では、なおもユーザが接触操作を再開する可能性が高い。そこで、ここでも省電力モード1を設定することによって、接触操作が再開されたときに比較的短い時間で反応できるようにする。
【0071】
一方、その後、接触操作が再開されない場合、ユーザにすぐ接触操作を再開する意図がないことが推定される。そこで、上記のP1〜P2の間と同様に、より消費電力が小さい省電力モード2、および省電力モード3を順に設定することによって、消費電力を抑制する。
【0072】
以上、本開示の第2の実施形態について説明した。第2の実施形態では、省電力モードに複数のサブモードを設定し、タッチセンサ113に省電力モードが設定された状態での時間の経過に従って変化させることによって、消費電力のさらなる削減が可能になる。
【0073】
(3.第3の実施形態)
続いて、本開示の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、加速度センサ130に代えて電界センサ230が、筐体101の把持状態を取得するセンサとして用いられる。なお、これ以外の装置構成、および処理フローは、上記の第1または第2の実施形態と同様にすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0074】
図7は、本開示の第3の実施形態に係る電子機器であるリモートコントローラ200を示す図である。本実施形態に係るリモートコントローラ200は、第1の実施形態に係るリモートコントローラ100とほぼ同様の構成を有するが、電界センサ230a,230bが用いられている点が異なる。
【0075】
電界センサ230a,230bは、筐体101の内側に設けられる1対の電界センサである。電界センサ230a,230bは、その一方が送信電極、他方が受信電極となり、その間に電界を発生させる。例えばユーザの手が把持のために筐体101に接近すると、この電界が変化する。電界センサ230a,230bは、この電界の変化によって、ユーザの手などが筐体101に接近したことを検出する。なお、電界センサ230も、タッチセンサ113よりも消費電力が小さいセンサである。
【0076】
プロセッサ140の状態情報取得部141は、この電界センサ230の検出結果から筐体101へのユーザの接近の状態を取得する。本実施形態では、状態情報取得部141が、筐体101へのユーザの接近の状態を取得し、上記の各実施形態における筐体101の把持状態と同様に切替信号生成部145によるタッチセンサ113の検出モードの切り替えに利用する。
【0077】
以上、本開示の第3の実施形態について説明した。第3の実施形態では、筐体101の状態を取得するセンサとして電界センサ230を用いることによって、例えばユーザが筐体101を卓上に置いた状態で操作をすることが想定されるような場合でも、タッチセンサ113の検出モードに切り替えによる消費電力の削減が可能になる。
【0078】
(4.第4の実施形態)
続いて、本開示の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、タッチセンサ113の検出モードとして、接触の検出点の数が互いに異なるモードが設定される。なお、装置構成と処理フローについては、上記の第1〜第3の実施形態のいずれかと同様にすることが可能であるため、詳細な説明を省略する。
【0079】
図8は、本開示の第4の実施形態に係るタッチセンサ113において設定される検出モードについて説明するための図である。なお、図示された例では、縦方向の電極群115aと横方向の電極群115bを含む模式的なタッチセンサが示されているが、これはタッチセンサ113の種類を特定するものではない。つまり、タッチセンサ113がどのような種類のタッチセンサであっても、その種類に応じた方法で検出点の数を変化させることによって、本実施形態を適用することが可能である。
【0080】
以下、本実施形態におけるタッチセンサ113の第1〜第3の検出モードであるスリープモード、省電力モード、およびアクティブモードについて説明する。
【0081】
第1の検出モードは、(a)に示すスリープモードであり、タッチセンサ113の検出点の数が最も少ない値に設定されるモードである。図示された例では、電極群115a,115bがいずれもすべてOFFに設定され、検出点の数が0になっている。このモードでは、タッチセンサ113の消費電力は上記の3つのモードの中で最も小さい。なお、加速度センサ130の消費電力は、このスリープモードで駆動するタッチセンサ113の消費電力よりも小さい。一方、タッチセンサ113の検出精度は最も低く、ユーザの接触は実質的には検出されない。スリープモードは、タッチセンサに電力が供給されないOFFモードであってもよいし、他のモードへの遷移を迅速にするなどのためにわずかに電力が供給されるスタンバイモードであってもよい。
【0082】
第2の検出モードは、(b)に示す省電力モードであり、タッチセンサ113の検出点の数が通常よりも少ない値に設定されるモードである。例えば、電極群115a,115bの各電極は、所定の割合でONとOFFとが繰り返されるように設定される。図示された例では、電極群115a,115bの各電極が1つおきにONになっているが、例えば2つおき、3つおきなど他の割合であってもよい。このモードでは、タッチセンサ113の消費電力は比較的小さい。一方、タッチセンサ113の検出精度は比較的低く、ユーザの接触自体は検出されるものの、接触操作の種類によっては正しく検出されない場合がある。省電力モードの検出状態は、スリープモードの検出状態よりも検出精度が高い検出状態である。これは、第2の検出モードにおいて、第2の検出部が、第1の検出モードの第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動される場合の一例である。
【0083】
第3の検出モードは、(c)に示すアクティブモードであり、タッチセンサ113の検出点の数が通常の値に設定されるモードである。図示された例では、電極群115a,115bは、いずれもすべてONに設定されている。このモードでは、タッチセンサ113の消費電力は比較的大きく、長時間継続することは電池寿命の短縮につながる。一方、タッチセンサ113の検出精度は高く、各種の接触操作を正しく検出することが可能である。アクティブモードの検出状態は、省電力モードの検出状態よりも検出精度が高い検出状態である。これは、第3の検出モードにおいて、第2の検出部が、第2の検出モードの第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動される場合の一例である。このように、本実施形態において、「より制約が弱い検出状態」は、「より高い精度の検出状態」でありうる。
【0084】
ここで、第2の検出モードである省電力モードにおける検出精度を決定する検出点の数の値は、リモートコントローラ100がタッチパネル110への接触の情報を送信する外部機器において実行されるアプリケーションの種類に応じて異なる値であってもよい。このアプリケーションは、接触の情報を操作入力として利用するアプリケーションでありうる。
【0085】
例えば、タッチパネル110上でのタップ操作やポインティング操作など、接触の軌跡が比較的短い操作を用いるアプリケーションが外部機器において実行されている場合、切替信号生成部145は、そのような操作を検出可能な比較的多い検出点の数を省電力モードの検出点の数として設定しうる。また、例えば、タッチパネル110上でのフリック操作やドラッグ操作など、接触の軌跡が比較的長い操作を用いるアプリケーションが外部機器において実行されている場合、切替信号生成部145は、比較的少ない検出点の数を省電力モードの検出点の数として設定しうる。
【0086】
なお、外部機器において実行されるアプリケーションの情報は、例えば、通信部160を外部機器への送信だけではなく外部機器からの受信をも含む双方向通信が可能なように構成し、通信部160を用いて外部機器から送信されるアプリケーションの情報を受信することによって取得可能である。
【0087】
また、省電力モードは、上記の第2の実施形態と同様に、検出点の数が異なる複数のサブモードを有し、時間の経過によってサブモードが順次より検出点の数が低いモードへと切り替えられてもよい。
【0088】
(検出点の配置の変形例)
図9に、本開示の第4の実施形態に係るタッチセンサ113の検出点の配置に関する変形例を示す。本変形例は、例えば、ディスプレイ111において、画面の一部にしか接触操作のためのアイコン117が配置されないような場合に適用されうる。
【0089】
本変形例では、タッチセンサ113を2つの領域113a,113bに区分し、省電力モードではその一方の領域113bに限って検出点が配置される。領域113bの検出点は、図示されているようにアクティブモードと同様の密度で配置されてもよいし、またアクティブモードよりも低い密度で配置されてもよい。
【0090】
ここで、検出点が配置される領域113bは、ディスプレイ111においてアイコン117が表示される位置に対応する領域である。アイコン117は、接触操作のためのアイコンであり、ディスプレイ111に少なくとも1つ表示される。
【0091】
なお、本変形例においてタッチセンサ113が区分される領域は、上記の領域113a,113bには限られない。例えば、タッチセンサ113はさらに細かい領域に区分され、アイコン117の周辺に限って検出点が配置することが可能であってもよい。
【0092】
本変形例では、タッチセンサ113が省電力モードで駆動する場合、スリープモードよりも広い範囲に検出点が配置される。また、タッチセンサ113がアクティブモードで駆動する場合、省電力モードよりも広い範囲に検出点が配置される。このように、本変形例において、「より制約が弱い検出状態」は、「より広い検出範囲」でありうる。
【0093】
以上、本開示の第4の実施形態について説明した。第4の実施形態では、タッチセンサ113の省電力モードとして接触操作の検出点の数を減らしたモードを設定することによって、上記の他の実施形態とは違った形で、ユーザの接触操作を待ち受けつつ消費電力を削減することができる。第4の実施形態と上記の他の実施形態とを組み合わせ、タッチセンサ113の省電力モードとして接触操作の検出点の数を減らしてサンプリングレートを長くしたモードを設定すれば、さらに消費電力を削減することも可能である。
【0094】
(5.その他の変形例)
ここまでで説明した実施形態についての他のさまざまな変形例について、以下で説明する。
【0095】
(電子機器の種類について)
上記の各実施形態では、電子機器の例としてリモートコントローラを用いて説明したが、本開示の実施形態に係る電子機器はリモートコントローラには限られず、例えばタブレット型PC(Personal Computer)、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機など、ユーザが把持または接近した状態で操作入力をするあらゆる種類の電子機器でありうる。
【0096】
なお、電子機器が乾電池ではなく充電池によって駆動される場合にも、例えば充電の間隔を延ばすために、本開示の実施形態による消費電力の抑制は有用である。また、電子機器が固定電源によって駆動される場合にも、省エネルギーの観点から消費電力の抑制は有用である。
【0097】
ここで、電子機器がタブレット型PCやスマートフォンなどのように自らアプリケーションを実行する機器である場合、省電力モードにおけるサンプリングレートまたは検出点の数の値は、電子機器が自ら実行するアプリケーションの種類に応じて異なる値であってもよい。このアプリケーションは、接触の情報を操作入力として利用するアプリケーションでありうる。
【0098】
(省電力モードについて)
上記の各実施形態では、省電力モードにおいて、サンプリングレートまたは検出点の数の変更によってタッチセンサの消費電力を抑制したが、タッチセンサの消費電力は他の方法で抑制されてもよい。例えば、省電力モードにおいて、タッチセンサは、接触の有無は検知するが、接触の位置を算出する演算処理をしないように設定されてもよい。この場合、演算処理の分の消費電力が削減される。このような省電力モードも、スリープモードよりも検出精度が高く、アクティブモードよりも検出精度が低いモードといえる。
【0099】
(筐体の把持について)
筐体の把持状態を検出するセンサが加速度センサである場合、筐体が把持されているか否かに加えて、加速度の値から筐体の姿勢をも検出することが可能である。これを利用して、スリープモードから省電力モードへの切り替えの条件を、筐体が所定の範囲の姿勢で把持されることとしてもよい。所定の範囲の姿勢とは、例えば、筐体に備えられるタッチパネルが上〜横向きになるような筐体の姿勢の範囲でありうる。これによって、例えばユーザがリモートコントローラを把持したまま、操作入力をすることなく外部機器に表示されるコンテンツを視聴しているような場合に、タッチセンサをスリープモードにして消費電力を削減することができる。
【0100】
(クリッカブルなタッチパネルの使用について)
本開示の実施形態に係る電子機器は、クリッカブルなタッチパネルを有していてもよい。この場合、タッチパネルのクリックを、タッチセンサの検出モードの切り替えのトリガーとして用いてもよい。例えば、タッチセンサに省電力モードが設定されていて、ユーザがタッチパネルのクリックを伴うポインティング操作によって接触操作を開始する場合、タッチパネルのクリックによってタッチセンサを省電力モードからアクティブモードに切り替えることにすれば、省電力モードのサンプリングレートをさらに長く設定し、消費電力をさらに少なくすることが可能である。
【0101】
(6.補足)
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0102】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、
第2の検出部の検出に応じて生成される、前記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記状態情報取得部で取得された前記状態情報に応じて、前記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、前記操作情報に応じて前記第2の検出部を前記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する切替信号生成部と
を備え、
前記第2の検出部は、
前記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、
前記第2の検出モードにおいて、前記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および前記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、
前記第3の検出モードにおいて、前記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および前記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、
前記第1の検出部は、
前記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、
電子機器。
(2)前記切替信号生成部は、前記第1の操作が取得されない場合に前記第2の検出部を前記第3の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、前記(1)に記載の電子機器。
(3)前記切替信号生成部は、前記第1の操作が取得されない状態で第1の時間が経過した場合に前記第2の検出部を前記第3の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、前記(2)に記載の電子機器。
(4)前記操作情報を外部機器に送信し、前記外部機器において実行され前記操作情報を操作入力として利用するアプリケーションの情報を受信する通信部をさらに備え、
前記切替信号生成部は、前記第2の検出状態として、前記アプリケーションの種類に応じて異なる検出状態を設定する、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電子機器。
(5)前記切替信号生成部は、前記第2の検出状態として、前記電子機器において実行され前記操作情報を操作入力として利用するアプリケーションの種類に応じて異なる検出状態を設定する、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電子機器。
(6)前記第2の検出モードは、それぞれが異なる消費電力および検出状態を有するサブモードを含み、
前記切替信号生成部は、前記第2の検出部を他の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成するときに、前記第2の検出部を前記サブモードのうち消費電力が最も大きく検出状態が最も制約が弱いモードで駆動させるための切替信号を生成し、前記第2の検出部に前記第2の検出モードが設定された状態で時間が経過するのに従って、前記第2の検出部を前記サブモードのうち消費電力がより小さく検出状態がより制約が強いモードで駆動させるための切替信号を順次生成する、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の電子機器。
(7)前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得されない場合に前記第2の検出部を前記第2の検出モードから前記第1の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の電子機器。
(8)前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得されない状態で第2の時間が経過した場合に前記第2の検出部を前記第2の検出モードから前記第1の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、前記(7)に記載の電子機器。
(9)前記第1の操作の情報を外部機器に送信する通信部をさらに備え、
前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得された場合に前記通信部を起動させるための制御信号を生成する、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電子機器。
(10)前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得されない場合に前記通信部を停止させるための制御信号を生成する、前記(9)に記載の電子機器。
(11)前記第2の検出状態は、前記第1の検出状態よりも検出精度が高い検出状態であり、
前記第3の検出状態は、前記第2の検出状態よりも検出精度が高い検出状態である、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の電子機器。
(12)前記切替信号生成部は、前記状態情報が前記操作部の設けられた筐体がユーザによって把持されたことを示す場合に、前記第2の検出部を前記第1の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成し、
前記第2の検出部は、前記第1の操作である前記ユーザによる前記操作部への接触に基づく操作情報を取得する、前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の電子機器。
(13)前記第1の検出状態は、前記接触の検出を第1の時間間隔で実行する状態であり、
前記第2の検出状態は、前記接触の検出を前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で実行する状態であり、
前記第3の検出状態は、前記接触の検出を前記第2の時間間隔よりも短い第3の時間間隔で実行する状態である、前記(12)に記載の電子機器。
(14)前記第1の検出状態は、前記接触を検出する検出点を前記第1の部分に第1の数配置するモードであり、
前記第2の検出状態は、前記検出点を前記第1の部分に前記第1の数よりも多い第2の数配置する状態であり、
前記第3の検出状態は、前記検出点を前記第1の部分に前記第2の数よりも多い第3の数配置する状態である、前記(12)に記載の電子機器。
(15)前記切替信号生成部は、前記状態情報が前記操作部の設けられた筐体がユーザによって所定の範囲の姿勢で把持されたことを示す場合に、前記第2の検出部を前記第1の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、前記(12)〜(14)のいずれか1項に記載の電子機器。
(16)前記第1の検出部である加速度センサと、
前記第2の検出部であるタッチセンサと、
前記操作情報を外部機器に該外部機器の操作入力として送信する通信部と
をさらに備え、
前記操作部は、タッチパネルであり、
前記電子機器は、前記外部機器のリモートコントローラとして機能する、前記(12)〜(15)のいずれか1項に記載の電子機器。
(17)前記第1の検出部として、前記加速度センサに代えて電界センサを備える、前記(16)に記載の電子機器。
(18)第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得することと、
第2の検出部の検出に応じて生成される、前記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得することと、
前記取得された前記状態情報に応じて、前記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、前記操作情報に応じて前記第2の検出部を前記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成することと
を含み、
前記第2の検出部は、
前記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、
前記第2の検出モードにおいて、前記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および前記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、
前記第3の検出モードにおいて、前記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および前記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、
前記第1の検出部は、
前記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、
電子機器の制御方法。
(19)第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する機能と、
第2の検出部の検出に応じて生成される、前記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得する機能と、
前記取得された前記状態情報に応じて、前記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、前記操作情報に応じて前記第2の検出部を前記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する機能と
をコンピュータに実現させ、
前記第2の検出部は、
前記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、
前記第2の検出モードにおいて、前記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および前記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、
前記第3の検出モードにおいて、前記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および前記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、
前記第1の検出部は、
前記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、
プログラム。
【符号の説明】
【0103】
100,200 リモートコントローラ
101 筐体
110 タッチパネル
111 ディスプレイ
113 タッチセンサ
130 加速度センサ
140 プロセッサ
141 状態情報取得部
143 操作情報取得部
145 切替信号生成部
150 メモリ
160 通信部
230 電界センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、
第2の検出部の検出に応じて生成される、前記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記状態情報取得部で取得された前記状態情報に応じて、前記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、前記操作情報に応じて前記第2の検出部を前記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する切替信号生成部と
を備え、
前記第2の検出部は、
前記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、
前記第2の検出モードにおいて、前記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および前記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、
前記第3の検出モードにおいて、前記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および前記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、
前記第1の検出部は、
前記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、
電子機器。
【請求項2】
前記切替信号生成部は、前記第1の操作が取得されない場合に前記第2の検出部を前記第3の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記切替信号生成部は、前記第1の操作が取得されない状態で第1の時間が経過した場合に前記第2の検出部を前記第3の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記操作情報を外部機器に送信し、前記外部機器において実行され前記操作情報を操作入力として利用するアプリケーションの情報を受信する通信部をさらに備え、
前記切替信号生成部は、前記第2の検出状態として、前記アプリケーションの種類に応じて異なる検出状態を設定する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記切替信号生成部は、前記第2の検出状態として、前記電子機器において実行され前記操作情報を操作入力として利用するアプリケーションの種類に応じて異なる検出状態を設定する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第2の検出モードは、それぞれが異なる消費電力および検出状態を有するサブモードを含み、
前記切替信号生成部は、前記第2の検出部を他の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成するときに、前記第2の検出部を前記サブモードのうち消費電力が最も大きく検出状態が最も制約が弱いモードで駆動させるための切替信号を生成し、前記第2の検出部に前記第2の検出モードが設定された状態で時間が経過するのに従って、前記第2の検出部を前記サブモードのうち消費電力がより小さく検出状態がより制約が強いモードで駆動させるための切替信号を順次生成する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得されない場合に前記第2の検出部を前記第2の検出モードから前記第1の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得されない状態で第2の時間が経過した場合に前記第2の検出部を前記第2の検出モードから前記第1の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記第1の操作の情報を外部機器に送信する通信部をさらに備え、
前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得された場合に前記通信部を起動させるための制御信号を生成する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得されない場合に前記通信部を停止させるための制御信号を生成する、請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記第2の検出状態は、前記第1の検出状態よりも検出精度が高い検出状態であり、
前記第3の検出状態は、前記第2の検出状態よりも検出精度が高い検出状態である、請求項1に記載の電子機器。
【請求項12】
前記切替信号生成部は、前記状態情報が前記操作部の設けられた筐体がユーザによって把持されたことを示す場合に、前記第2の検出部を前記第1の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成し、
前記第2の検出部は、前記第1の操作である前記ユーザによる前記操作部への接触に基づく操作情報を取得する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項13】
前記第1の検出状態は、前記接触の検出を第1の時間間隔で実行する状態であり、
前記第2の検出状態は、前記接触の検出を前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で実行する状態であり、
前記第3の検出状態は、前記接触の検出を前記第2の時間間隔よりも短い第3の時間間隔で実行する状態である、請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
前記第1の検出状態は、前記接触を検出する検出点を前記第1の部分に第1の数配置するモードであり、
前記第2の検出状態は、前記検出点を前記第1の部分に前記第1の数よりも多い第2の数配置する状態であり、
前記第3の検出状態は、前記検出点を前記第1の部分に前記第2の数よりも多い第3の数配置する状態である、請求項12に記載の電子機器。
【請求項15】
前記切替信号生成部は、前記状態情報が前記操作部の設けられた筐体がユーザによって所定の範囲の姿勢で把持されたことを示す場合に、前記第2の検出部を前記第1の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、請求項12に記載の電子機器。
【請求項16】
前記第1の検出部である加速度センサと、
前記第2の検出部であるタッチセンサと、
前記操作情報を外部機器に該外部機器の操作入力として送信する通信部と
をさらに備え、
前記操作部は、タッチパネルであり、
前記電子機器は、前記外部機器のリモートコントローラとして機能する、請求項12に記載の電子機器。
【請求項17】
前記第1の検出部として、前記加速度センサに代えて電界センサを備える、請求項16に記載の電子機器。
【請求項18】
第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得することと、
第2の検出部の検出に応じて生成される、前記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得することと、
前記取得された前記状態情報に応じて、前記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、前記操作情報に応じて前記第2の検出部を前記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成することと
を含み、
前記第2の検出部は、
前記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、
前記第2の検出モードにおいて、前記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および前記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、
前記第3の検出モードにおいて、前記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および前記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、
前記第1の検出部は、
前記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、
電子機器の制御方法。
【請求項19】
第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する機能と、
第2の検出部の検出に応じて生成される、前記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得する機能と、
前記取得された前記状態情報に応じて、前記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、前記操作情報に応じて前記第2の検出部を前記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する機能と
をコンピュータに実現させ、
前記第2の検出部は、
前記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、
前記第2の検出モードにおいて、前記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および前記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、
前記第3の検出モードにおいて、前記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および前記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、
前記第1の検出部は、
前記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、
プログラム。
【請求項1】
第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、
第2の検出部の検出に応じて生成される、前記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記状態情報取得部で取得された前記状態情報に応じて、前記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、前記操作情報に応じて前記第2の検出部を前記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する切替信号生成部と
を備え、
前記第2の検出部は、
前記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、
前記第2の検出モードにおいて、前記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および前記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、
前記第3の検出モードにおいて、前記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および前記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、
前記第1の検出部は、
前記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、
電子機器。
【請求項2】
前記切替信号生成部は、前記第1の操作が取得されない場合に前記第2の検出部を前記第3の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記切替信号生成部は、前記第1の操作が取得されない状態で第1の時間が経過した場合に前記第2の検出部を前記第3の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記操作情報を外部機器に送信し、前記外部機器において実行され前記操作情報を操作入力として利用するアプリケーションの情報を受信する通信部をさらに備え、
前記切替信号生成部は、前記第2の検出状態として、前記アプリケーションの種類に応じて異なる検出状態を設定する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記切替信号生成部は、前記第2の検出状態として、前記電子機器において実行され前記操作情報を操作入力として利用するアプリケーションの種類に応じて異なる検出状態を設定する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第2の検出モードは、それぞれが異なる消費電力および検出状態を有するサブモードを含み、
前記切替信号生成部は、前記第2の検出部を他の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成するときに、前記第2の検出部を前記サブモードのうち消費電力が最も大きく検出状態が最も制約が弱いモードで駆動させるための切替信号を生成し、前記第2の検出部に前記第2の検出モードが設定された状態で時間が経過するのに従って、前記第2の検出部を前記サブモードのうち消費電力がより小さく検出状態がより制約が強いモードで駆動させるための切替信号を順次生成する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得されない場合に前記第2の検出部を前記第2の検出モードから前記第1の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得されない状態で第2の時間が経過した場合に前記第2の検出部を前記第2の検出モードから前記第1の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記第1の操作の情報を外部機器に送信する通信部をさらに備え、
前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得された場合に前記通信部を起動させるための制御信号を生成する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記切替信号生成部は、前記第1の状態が取得されない場合に前記通信部を停止させるための制御信号を生成する、請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記第2の検出状態は、前記第1の検出状態よりも検出精度が高い検出状態であり、
前記第3の検出状態は、前記第2の検出状態よりも検出精度が高い検出状態である、請求項1に記載の電子機器。
【請求項12】
前記切替信号生成部は、前記状態情報が前記操作部の設けられた筐体がユーザによって把持されたことを示す場合に、前記第2の検出部を前記第1の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成し、
前記第2の検出部は、前記第1の操作である前記ユーザによる前記操作部への接触に基づく操作情報を取得する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項13】
前記第1の検出状態は、前記接触の検出を第1の時間間隔で実行する状態であり、
前記第2の検出状態は、前記接触の検出を前記第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で実行する状態であり、
前記第3の検出状態は、前記接触の検出を前記第2の時間間隔よりも短い第3の時間間隔で実行する状態である、請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
前記第1の検出状態は、前記接触を検出する検出点を前記第1の部分に第1の数配置するモードであり、
前記第2の検出状態は、前記検出点を前記第1の部分に前記第1の数よりも多い第2の数配置する状態であり、
前記第3の検出状態は、前記検出点を前記第1の部分に前記第2の数よりも多い第3の数配置する状態である、請求項12に記載の電子機器。
【請求項15】
前記切替信号生成部は、前記状態情報が前記操作部の設けられた筐体がユーザによって所定の範囲の姿勢で把持されたことを示す場合に、前記第2の検出部を前記第1の検出モードから前記第2の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する、請求項12に記載の電子機器。
【請求項16】
前記第1の検出部である加速度センサと、
前記第2の検出部であるタッチセンサと、
前記操作情報を外部機器に該外部機器の操作入力として送信する通信部と
をさらに備え、
前記操作部は、タッチパネルであり、
前記電子機器は、前記外部機器のリモートコントローラとして機能する、請求項12に記載の電子機器。
【請求項17】
前記第1の検出部として、前記加速度センサに代えて電界センサを備える、請求項16に記載の電子機器。
【請求項18】
第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得することと、
第2の検出部の検出に応じて生成される、前記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得することと、
前記取得された前記状態情報に応じて、前記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、前記操作情報に応じて前記第2の検出部を前記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成することと
を含み、
前記第2の検出部は、
前記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、
前記第2の検出モードにおいて、前記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および前記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、
前記第3の検出モードにおいて、前記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および前記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、
前記第1の検出部は、
前記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、
電子機器の制御方法。
【請求項19】
第1の検出部の検出に応じて生成される、操作部の状態を示す状態情報を取得する機能と、
第2の検出部の検出に応じて生成される、前記操作部に対して実行される第1の操作に基づく操作情報を取得する機能と、
前記取得された前記状態情報に応じて、前記第2の検出部を第1の検出モードから第2の検出モードに切り替えて駆動させ、前記操作情報に応じて前記第2の検出部を前記第2の検出モードから第3の検出モードに切り替えて駆動させるための切替信号を生成する機能と
をコンピュータに実現させ、
前記第2の検出部は、
前記第1の検出モードにおいて、第1の消費電力および第1の検出状態で駆動され、
前記第2の検出モードにおいて、前記第1の消費電力よりも大きい第2の消費電力および前記第1の検出状態よりも制約が弱い第2の検出状態で駆動され、
前記第3の検出モードにおいて、前記第2の消費電力よりも大きい第3の消費電力および前記第2の検出状態よりも制約が弱い第3の検出状態で駆動され、
前記第1の検出部は、
前記第1の消費電力よりも小さい消費電力で駆動される、
プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−3911(P2013−3911A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135462(P2011−135462)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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