説明

電子機器、電源制御方法、及び電源制御プログラム

【課題】タッチパネルへの入力操作が行われる位置又は範囲に対して当該入力操作を可能とするための駆動電力を効果的に供給し、当該駆動電力を効率的に低減する。
【解決手段】表示を行う表示部と、表示部の上面に配置され、当該表示部に対する入力操作を検出するタッチパネルと、表示部の表示部分を、入力操作を検出可能な表示範囲と、入力操作を検出不可能な表示範囲として管理するレイアウト管理制御部と、レイアウト管理制御部により表示部の表示範囲のうち入力操作の検出可能な表示範囲として管理されている表示範囲に対して、当該入力操作を検出可能とする駆動電力を前記タッチパネルに供給する様に指示する駆動電力供給制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを介したタッチ入力操作が可能な電子機器、電源制御方法、及び電源制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機又はデジタルスチルカメラ等の電子機器のディスプレイにはタッチパネルが配置されるものが数多く、当該電子機器に対するユーザのタッチ入力操作の便宜性が以前に比べて増している。但し、消費電力の観点から、この様なタッチパネルが配置された電子機器には省電力性が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、タッチパネルを2つの領域に分割し、この分割された領域内のタッチセンスを必要としない領域部分への印加電圧を選択的に断つ切換手段を設け、この切換手段の制御により無駄な消費電力を無くすタッチパネルが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、操作デバイスとしてハードキーとタッチパネルとを備えた電子機器において、タッチパネル及びハードキーがそれぞれユーザによって利用されているか否かを判定し、ユーザに利用されていないと判定した操作デバイスに対する電力供給状態を省電力モードとする電子機器及び省電力制御方法並びにプログラムが開示されている。この特許文献2の電子機器及び省電力制御方法並びにプログラムによれば、操作デバイスとしてタッチパネル及びハードキーを備えた電子機器の消費電力を十分に低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−87636号公報
【特許文献2】特開2009−211451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、電子機器に搭載されるタッチパネルへの電力供給を、上下方向に2分割したデバイスごとに切り替えることしかできない。このため、結果的に、タッチパネルを部分的且つ局所的な位置にタッチするという様なユーザのタッチ入力操作に対しては、当該部分的且つ局所的な位置を除く他のタッチパネルの範囲に対して過剰な電力が供給されていた。また、特許文献2では、電子機器に搭載されるタッチパネルの電力供給を、予め定義したアプリケーションごとに切り替えることしかできない。通常、アプリケーションにおいては、当該アプリケーションの中では画面においてタッチされる位置又は範囲は決められていることが多い。このため、当該アプリケーションの中でユーザがタッチする可能性の高い位置を除く他のタッチパネルの範囲に対して過剰な電力が供給されていた。
【0007】
本発明は、前述の従来の事情に鑑みてなされたもので、タッチパネルへのタッチ入力操作が行われる位置又は範囲に対して当該タッチ入力操作を検出可能とするための駆動電力を効果的に供給し、当該駆動電力を効率的に低減する電子機器、電源制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述した電子機器であって、表示を行う表示部と、表示部の上面に配置され、当該表示部に対する入力操作を検出するタッチパネルと、表示部の表示範囲を、入力操作を検出可能な表示範囲と、入力操作を検出不可能な表示範囲として管理するレイアウト管理制御部と、レイアウト管理制御部により表示部の表示範囲のうち入力操作の検出可能な表示範囲として管理されている表示範囲に対して、当該入力操作を検出可能とする駆動電力をタッチパネルに供給する様に指示する駆動電力供給制御部とを備える。
【0009】
また、本発明は、表示を行う表示部と、当該表示部に対する入力操作を検出するタッチパネルとを備える電子機器の電源制御方法であって、レイアウト管理制御部が、表示部の表示範囲を、入力操作を検出可能な表示範囲と、入力操作を検出不可能な表示範囲として管理するステップと、駆動電力供給制御部が、レイアウト管理制御部により表示部の表示範囲のうち入力操作の検出可能な表示範囲として管理されている表示範囲に対して、当該入力操作を検出可能とする駆動電力をタッチパネルに供給する様に指示するステップとを備える。
【0010】
また、本発明は、前述した電源制御プログラムであって、表示を行う表示部と、当該表示部に対する入力操作を検出するタッチパネルとを備える電子機器に、表示部の表示範囲を、入力操作を検出可能な表示範囲と、入力操作を検出不可能な表示範囲として管理するステップと、表示部の表示範囲のうち入力操作の検出可能な表示範囲として管理されている表示範囲に対して、当該入力操作を検出可能とする駆動電力をタッチパネルに供給する様に指示するステップとを実現させる。
【0011】
前述した構成によれば、タッチパネルへの入力操作が行われる位置又は範囲に対して当該タッチ入力操作を検出可能とするための駆動電力を効果的に供給し、当該駆動電力を効率的に低減することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る電子機器、電源制御方法、及び電源制御プログラムによれば、タッチパネルへの入力操作が行われる位置又は範囲に対して当該タッチ入力操作を検出可能とするための駆動電力を効果的に供給し、当該駆動電力を効率的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態の携帯電話機のハードウェア構成の一例を示すブロック図
【図2】第1の実施形態の携帯電話機の制御部の内部構成を示すブロック図
【図3】所定のレイアウトに基づいて生成された画面とレイアウト構成情報とを示す説明図、(a)メニューレイアウトに基づくメニュー画面、(b)視聴レイアウトに基づくワンセグ視聴画面、(c)ポップアップレイアウトに基づくポップアップ画面、(d)各画面に対するレイアウト構成情報の説明図
【図4】レイアウト管理情報をテーブル形式で示した説明図
【図5】所定のレイアウトに基づいて生成された画面とレイアウト構成情報とを示す説明図、(a)メニューレイアウトに基づくメニュー画面、(b)リストレイアウトに基づくワンセグメニュー画面、(c)視聴レイアウトに基づくワンセグ視聴画面、(d)リストレイアウトに基づくワンセグメニュー画面、(e)各画面に対するレイアウト構成情報の説明図、(f)リストレイアウトに基づく動画一覧画面、(g)視聴レイアウトに基づく動画再生画面、(h)リストレイアウトに基づく動画一覧画面、(i)各画面に対するレイアウト構成情報の説明図
【図6】ポップアップレイアウトに基づくポップアップ画面の表示位置の移動に伴ってポップアップレイアウトの有効範囲が変更する場合の説明図、(a)ポップアップ画面の表示位置の移動前の様子を示す説明図、(b)ポップアップ画面の表示位置の移動後の様子を示す説明図
【図7】第1の実施形態の携帯電話機の制御部の動作を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の実施形態においては、本発明の電子機器の一例として携帯電話機を例に挙げて説明する。但し、本発明の電子機器は、携帯電話機に限定されず、例えばデジタルスチルカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)等でも良い。なお、本発明は、携帯電話機の様な装置、又は当該装置であるコンピュータを動作させるためのプログラムとして表現することが可能であり、更に、携帯電話機により実行されるステップを含む方法として表現することも可能である。即ち、本発明は、装置、方法及びプログラムのうちいずれのカテゴリーでも表現可能である。
【0015】
以下、本発明の実施形態において、ユーザの指又はスタイラスペン等によるタッチパネルへの入力操作を単に「タッチ入力操作」と記載する。また、「レイアウト」とは、表示部に表示される画面を構成すると共に、タッチパネルへのユーザのタッチ入力操作を検出可能な表示範囲、タッチパネルへのユーザのタッチ入力操作を検出不可能な表示範囲、又は当該タッチ入力操作を検出可能な表示範囲と当該タッチ入力操作を検出不可能な表示範囲とのいずれかの表示範囲を有する画面構成部品であると定義する。更に、ユーザのタッチ入力操作を検出可能とするためにタッチパネルに供給される駆動電力を単に「駆動電力」と記載する。
【0016】
(第1の実施形態)
1.第1の実施形態の携帯電話機の構成
図1は、第1の実施形態の携帯電話機1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図1に示す様に、携帯電話機1は、操作部11と、DTV(Digital Television)アンテナ12と、DTVチューナ13と、電源部14と、バッテリ15と、制御部16と、RAM(Random Access Memory)17aと、フラッシュメモリ17bと、タッチパネル制御部18aと、タッチパネル18bと、表示制御部19aと、表示部19bとを備える。
【0017】
操作部11は、ユーザの入力操作を検出する共に、当該検出された入力操作に対応した入力操作信号を制御部16に出力する。操作部11は、例えば、電話番号等を入力するテンキー、オンフック又はオフフックを行う通話キー、及びファンクションキー等の各種キーを有する。また、操作部11は、表示部19bの上面に配置され、ユーザの指又はスタイラスペン等による入力操作を検出可能なタッチパネル18b等で構成されても良い。
【0018】
DTVチューナ13は、地上デジタルテレビジョン放送の受信を行う。以下、地上デジタルテレビジョン放送を単に「ワンセグ」と記載する。DTVチューナ13は、操作部11により選局操作が行われた場合、DTVアンテナ12により受信されたワンセグ信号から選局されたチャンネルに対応するワンセグ信号を抽出する。また、DTVチューナ13は、この抽出されたワンセグ信号に対してデジタル復調等の処理を行って復調信号を生成する。DTVチューナ13は、この生成された復調信号を、映像放送の復調信号とデータ放送の復調信号とに分離して制御部16へ出力する。制御部16は、映像放送の復調信号に対してMPEG(Moving Picture Experts Group)方式に基づいた復号処理を行って映像信号を形成する。また、制御部16は、データ放送の復調信号に対して復号処理を行ってテキストデータを形成する。この様にして制御部16により形成された映像信号及びテキストデータは、表示制御部19aにより表示部19bに表示される。
【0019】
電源部14は、IC(Integrated Circuit)等で構成され、電源としてのバッテリ15から複数種類の電圧を生成し、当該生成された電圧を携帯電話機1の各部に供給する電源回路として機能する。また、電源部14は、制御部16により出力された駆動電力供給制御信号(後述参照)に基づいて、バッテリ15から当該駆動電力供給制御信号に対応する電圧を生成し、当該タッチパネル制御部18aに対して当該生成された電圧をタッチパネル18bの所定箇所に供給させる。なお、この駆動電力供給制御信号には、タッチ入力操作を検出可能とするタッチパネル18bの全体又は一部の駆動電力供給範囲を示す有効範囲EFの位置に関する情報が含まれていることが好ましい。この有効範囲EFに関する説明は図3及び図4を参照して後述する。
【0020】
制御部16は、携帯電話機1に内蔵されるCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)及びROM(Read On Memory)等で構成され、携帯電話機1の各部の動作を制御する。制御部16は、図2を参照して後述する様に、アプリケーション管理制御部16aと、レイアウト管理制御部16bと、レイアウト構成情報取得部16cと、レイアウト管理情報取得部16dと、駆動電力供給制御部16eとを備える。
【0021】
RAM17aは、制御部16から直接的にアクセス可能な記憶装置であり、当該制御部16の動作におけるワークメモリに利用される。また、RAM17aには、現在携帯電話機1の表示部19bに表示されている表示画面のうち、当該表示画面を構成するために使用されている単一又は複数のレイアウトにおける表示の階層関係を示すレイアウト構成情報RCが一時的に記憶されている。例えばユーザのタッチ入力操作に応じて、アプリケーションが起動した場合、当該アプリケーションにおいて特定のメニュー画面が表示された場合、又は当該メニューの内容が実行された場合等に、制御部16のアプリケーション管理制御部16aによりそれぞれの場合に対応して表示される画面のレイアウトが最上位の階層に位置するレイアウトとされる。このレイアウトの使用に応じた階層関係を示すレイアウト構成情報RCがRAM17aに記憶される。このレイアウト構成情報RCの具体例について図3を参照して説明する。
【0022】
図3は、所定のレイアウトに基づいて生成された画面とレイアウト構成情報RCとを示す説明図である。同図(a)は、メニューレイアウトMLに基づくメニュー画面である。同図(b)は、視聴レイアウトWLに基づくワンセグ視聴画面である。同図(c)は、ポップアップレイアウトPLに基づくポップアップ画面である。同図(d)は、各画面に対するレイアウト構成情報RCの説明図である。以下、図3の説明においては、レイアウトの表示の階層の第1層には携帯電話機1の待ち受け画面に対応するレイアウトが使用されているものとする。
【0023】
図3(a)は、複数のメニューボタン(メール、ワンセグ、ツール、ブラウザ、動画、ピクチャ)を含むメニューレイアウトMLに基づいて生成されたメニュー画面である。図3(d)のレイアウト構成情報RCに示す様に、待ち受け画面のレイアウトが第1層に使用されている状態で、最上位の階層である第2層にメニューレイアウトMLに基づくメニュー画面が表示された場合には、図3(a)の点線で囲われた有効範囲EFに対応するタッチパネル18bの位置又は範囲に対して駆動電力が供給される。これにより、携帯電話機1は、有効範囲EFに対応するタッチパネル18bへのタッチ入力操作を検出することができる。なお、この有効範囲EFは、レイアウトごとに予め設定されているものとする(図4参照)。
【0024】
図3(b)は、ワンセグを視聴するための専用画面である視聴レイアウトWLに基づいて生成されたワンセグ視聴画面である。なお、この視聴レイアウトWLは、視聴内容が表示される視聴内容表示範囲と、所定の操作項目が表示される操作項目内容表示範囲とを含む様に構成されている。図3(d)のレイアウト構成情報RCに示す様に、最上位の階層である第3層に視聴レイアウトWLに基づくワンセグ視聴画面が表示された場合には、図3(b)の点線で囲われた有効範囲EFに対応するタッチパネル18bの位置又は範囲に対して駆動電力が供給される。これにより、携帯電話機1は、有効範囲EFに対応するタッチパネル18bへのタッチ入力操作を検出することができる。
【0025】
図3(a)に示すメニューレイアウトMLの有効範囲EFは当該メニューレイアウトMLのほぼ全範囲であるのに対し、図3(b)に示す視聴レイアウトWLの有効範囲EFは当該視聴レイアウトWLの一部の範囲である。つまり、最上位のレイアウトとしてメニューレイアウトMLに基づくメニュー画面が表示部19bに表示された場合には、当該メニューレイアウトMLのほぼ全範囲に対してユーザの入力操作が行われる可能性が高い。このため、当該ほぼ全範囲に対する入力操作を検出可能とするために、有効範囲EFが当該メニューレイアウトMLのほぼ全範囲に対して設定されている。しかしながら、最上位のレイアウトとして視聴レイアウトWLが表示部19bに表示された場合には、当該視聴レイアウトWLの一部の範囲のみ(例えば、再生、一時停止、又は早送り等の操作ボタン等)に対してユーザのタッチ入力操作が行われる可能性が高い。このため、当該一部の範囲のみに対するタッチ入力操作を検出可能とするために、有効範囲EFが当該視聴レイアウトWLの一部の範囲のみに対して設定されている。
【0026】
図3(c)は、所定事項を表示するための所定事項表示範囲を含むポップアップレイアウトPLであり、例えば視聴レイアウトWLが最上位のレイアウトとして表示部19bに表示されている場合にユーザに優先して通知する内容を割込み的に表示する画面のレイアウトである。図3(d)のレイアウト構成情報RCに示す様に、最上位の階層である第4層にポップアップレイアウトPLに基づくポップアップ画面が表示された場合には、図3(c)の点線で囲われた有効範囲EFに対応するタッチパネル18bの位置又は範囲に対して駆動電力が供給される。これにより、携帯電話機1は、有効範囲EFに対するタッチパネル18bへのタッチ入力操作を検出することができる。
【0027】
最上位のレイアウトとしてポップアップレイアウトPLに基づくポップアップ画面が表示部19bに表示された場合には、当該ポップアップレイアウトPLのほぼ全範囲に対してユーザの入力操作が行われる可能性が高い。このため、当該ほぼ全範囲に対するタッチ入力操作を検出可能とするために、有効範囲EFが当該ポップアップレイアウトPLに対して設定されている。また、ポップアップレイアウトPLの有効範囲EFは、図3(c)に示すポプアップ画面の一部の範囲(例:OKボタン等)でも良い。
【0028】
また、RAM17aには、タッチパネル18bの使用可否に関するタッチパネルロック情報が一時的に記憶されている。このタッチパネルロック情報により、タッチパネル18bへのタッチ入力操作が行われた場合に、当該タッチ入力操作に対応した入力操作信号が操作部11から出力されるか否かが区別可能である。例えばタッチパネルロック情報が「1」である場合には、タッチパネル18bへのタッチ入力操作は無効であり、タッチ入力操作に対応した入力操作信号は操作部11から出力されない。また、例えばタッチパネルロック情報が「0」である場合には、タッチパネル18bへのタッチ入力操作は有効であり、タッチ入力操作に対応した入力操作信号は操作部11から出力される。
【0029】
フラッシュメモリ17bは、データの読み書きが自由で不揮発性を有する記憶装置であり、制御部16により実行される各種のプログラム、及び当該プログラムで利用される種々のデータを記憶する。フラッシュメモリ17bは、制御部16の各部(図2参照)の動作が予め規定されたプログラムをそれぞれ記憶している。また、フラッシュメモリ17bには、レイアウト管理情報RT(図4参照)が記憶されている。
【0030】
なお、後述する制御部16の各部(図2参照)は、ハードウェア又はソフトウェアで構成することが可能である。特に、これらの各部がソフトウェアにより構成される際には、当該制御部16の各部(図2参照)の動作が予め規定されたプログラムが携帯電話機1に内蔵されているCPUより読み込まれることにより当該各部が動作可能となる。
【0031】
ここで、上述したレイアウト管理情報RTに関して、図4を参照して説明する。図4は、レイアウト管理情報RTをテーブル形式で示した説明図である。レイアウト管理情報RTは、レイアウトの識別子であるレイアウトIDと、レイアウトの名称と、当該レイアウトに基づいて生成された画面に対するタッチパネル18bへの入力操作の検出可否を示すタッチパネル検出属性情報と、レイアウトの有効範囲EFを示す有効範囲情報とが関連付けされたものである。なお、レイアウト管理情報RTは、当該レイアウトのレイアウト構成情報RCにおける階層位置を示す階層情報を更に含んでも良い。ここで、有効範囲EFにおける原点{(X、Y)=(0、0)}は、例えば図3(a)に示す画面の左側最上部の位置であるとする。なお、X方向は当該原点を通過する水平方向を指し、Y方向は当該原点を通過して当該X方向に直交する方向を指す。
【0032】
例えば図4に示したメニューレイアウトMLのレイアウト管理情報RTは、タッチパネル検出属性情報が有効であって、有効範囲EFは上述した原点を起点としてX方向の水平右側に幅550[ピクセル]であり、Y方向の鉛直下側に高さ1500[ピクセル]である。但し、X方向の水平右側が正の方向、Y方向の鉛直下側が正の方向であるとし、有効範囲の幅及び高さの単位はピクセルに限定されず、例えばミリメートルでも良い。視聴レイアウトWL、ポップアップレイアウトPL、及びリストレイアウトLLについても同様である。なお、警告レイアウトのレイアウト管理情報RTに関しては、タッチパネル検出属性情報が無効である。このため、最上位のレイアウトとして警告レイアウトに基づく警告画面が表示部19bに表示されている場合には、当該警告レイアウトに対する有効範囲EFは設定されていないため、タッチパネル18bに対する入力操作を検出することはできない。
【0033】
タッチパネル制御部18aは、当該タッチパネル制御部18aに接続されたタッチパネル18bを制御する回路として機能する。タッチパネル18bは、表示部19bの上面に配置され、ユーザの指又はスタイラスペン等が接触した位置を検出して当該タッチパネル18b上の位置を特定し、当該特定された位置の情報を制御部16に出力する。タッチパネル18bへのタッチの検出には、例えば、抵抗膜方式、又は静電気による電気信号を検出する静電容量結合式が採用可能であるが、特に静電容量結合方式に限定されず、抵抗膜方式、赤外線を用いた光学式等が採用されても良い。
【0034】
また、タッチパネル制御部18aは、制御部16により出力された駆動電力供給制御信号を入力すると、当該駆動電力供給制御信号に含まれる駆動電力供給範囲に関する情報に基づいて、電源部14により供給された電力を当該駆動電力供給範囲に供給し、当該駆動電力供給範囲に対するユーザのタッチ入力操作を検出可能な状態にタッチパネル18bを制御する。例えば、タッチパネル18bがマトリクス・スイッチ方式で構成されている場合には、当該タッチパネルに予めX方向及びY方向に複数の走査線が設けられている。タッチパネル制御部18aは、制御部16により出力された駆動電力供給制御信号に含まれる駆動電力供給範囲に関する情報に基づいて、駆動電力供給範囲の枠に対応する走査線を電極として駆動電圧を印加することにより、当該駆動電力供給範囲に対応するタッチパネル18bへのタッチ入力操作のみを検出可能にさせる。
【0035】
表示制御部19aは、制御部16により出力された指示に応じて、文字、画像、映像及び画面等を表示部19bに表示させる様に当該表示部19bを制御する。表示部19bは、例えば携帯電話機1のLCD(Liquid Crystal Display)により構成される。
【0036】
次に、制御部16について図2を参照して説明する。図2は、第1の実施形態の携帯電話機1の制御部16の内部構成を示すブロック図である。前述した様に、制御部16は、アプリケーション管理制御部16aと、レイアウト管理制御部16bと、レイアウト構成情報取得部16cと、レイアウト管理情報取得部16dと、駆動電力供給制御部16eとを有する。
【0037】
アプリケーション管理制御部16aは、携帯電話機1において現在動作している単一又は複数のアプリケーション及びレイアウトに関する情報を管理している。アプリケーションに関する情報は、例えば現在携帯電話機1においてワンセグが視聴されている場合には、当該ワンセグを視聴させるアプリケーションのID、及び当該アプリケーションの動作状況並びに使用継続時間等である。レイアウトに関する情報は、例えばユーザの入力操作に応じて、アプリケーションが起動した場合、当該アプリケーションにおいて特定のメニュー画面が表示される場合、又は当該メニューの内容が実行される場合等に、当該それぞれ対応して表示される画面のレイアウトのID、複数の画面が重なって表示されている場合における当該画面のレイアウトの階層関係を示す情報、及び当該レイアウトの動作状況並びに使用継続時間等である。アプリケーション管理制御部16aは、アプリケーション及びレイアウトに関する情報をRAM17aに一時的に記憶する。
【0038】
また、アプリケーション管理制御部16aは、操作部11により出力された入力操作信号に応じて、当該入力操作信号に対応する現在使用中のアプリケーションにおける動作を実行する。例えば、表示部19bに表示されている画面のレイアウトがユーザの入力操作に応じて変更された場合には、アプリケーション管理制御部16aは、当該画面のレイアウトの変更に関するイベントが入力された旨の情報及び当該変更後のレイアウトのレイアウトID等のレイアウトの識別情報をレイアウト管理制御部16bに出力すると共にRAM17aに一時的に記憶する。
【0039】
レイアウト管理制御部16bは、表示部19bに表示されている画面の表示範囲を、タッチ入力操作を検出可能な表示範囲と、当該タッチ入力操作を検出不可能な表示範囲とからなるものとしてそれぞれの表示範囲に関する情報を管理する。当該それぞれの表示範囲に関する情報には、当該表示範囲の座標等が含まれる。レイアウト管理制御部16bは、アプリケーション管理制御部16aにより出力された各情報を取得し、当該レイアウトの変更に関するイベントが入力された旨の情報に基づいて、レイアウト構成情報RCを取得する旨の命令情報をレイアウト構成情報取得部16cに出力する。また、レイアウト管理制御部16bは、アプリケーション管理制御部16aにより出力された各情報に基づいて、当該変更後のレイアウトのレイアウト管理情報RTを取得する旨の命令情報をレイアウト管理情報取得部16dに出力する。
【0040】
また、レイアウト管理制御部16bは、レイアウト構成情報取得部16cにより出力されたレイアウト構成情報RCを参照し、当該変更後のレイアウトを最上位のレイアウトとして、当該最上位のレイアウトのレイアウト管理情報RTのタッチパネル検出属性情報及び有効範囲情報を認知する。更に、レイアウト管理制御部16bは、当該認知されたタッチパネル検出属性情報が「有効」である場合に、当該レイアウト管理情報RTの有効範囲情報に基づいて、当該有効範囲EFに対応するタッチパネル18bの範囲に駆動電力を供給する旨の情報を駆動電力供給制御部16eに出力する。
【0041】
なお、レイアウト管理制御部16bは、常時又は所定の周期でRAM17aを参照することによりタッチパネルロック情報を取得している。この取得されたタッチパネルロック情報が「1」である場合には、前述した様に、ユーザのタッチ入力操作が無効であり、タッチパネル18bへのタッチ入力操作に対応した入力操作信号が操作部11から出力されない。一方、タッチパネルロック情報が「0」である場合には、前述した様に、ユーザのタッチ入力操作が有効であり、タッチパネル18bへのタッチ入力操作に対応した入力操作信号が操作部11から出力される。従って、レイアウト管理制御部16bは、タッチパネルロック情報が「0」である場合に、当該認知されたレイアウト管理情報RTの有効範囲情報に基づいて、当該有効範囲EFに対応するタッチパネル18bの範囲に駆動電力を供給する旨の情報を駆動電力供給制御部16eに出力する。
【0042】
また、レイアウト管理制御部16bは、レイアウト管理情報取得部16dにより出力された変更後のレイアウトのレイアウト管理情報RTのタッチパネル検出属性が「無効」であると認知した場合、当該変更後のレイアウトが表示部19bに表示されている間、タッチパネルロック情報を「1」に設定しても良い。これにより、当該変更後のレイアウトが表示部19bに表示されている間は、当該変更後のレイアウトに基づく画面へのタッチ入力操作を無効とすることができる。
【0043】
レイアウト構成情報取得部16cは、レイアウト管理制御部16bにより出力された命令情報を取得し、当該取得された命令情報に基づいて、現在の携帯電話機1におけるレイアウト構成情報RCをRAM17aから取得する。レイアウト構成情報取得部16cは、当該取得されたレイアウト構成情報RCをレイアウト管理制御部16bに出力する。
【0044】
レイアウト管理情報取得部16dは、レイアウト管理制御部16bにより出力された命令情報を取得し、当該取得された命令情報に基づいて、当該変更後のレイアウトのレイアウト管理情報RTをフラッシュメモリ17bから取得する。レイアウト管理情報取得部16dは、当該変更後のレイアウトのレイアウト管理情報RTをレイアウト管理制御部16bに出力する。
【0045】
駆動電力供給制御部16eは、レイアウト管理制御部16bにより出力された情報を取得し、当該取得された情報に基づいて、当該変更後のレイアウトのレイアウト管理情報RTの有効範囲情報の有効範囲EFに対応するタッチパネル18bの範囲に駆動電力を供給するための駆動電力供給制御信号を電源部14に出力する。
【0046】
また、駆動電力供給制御部16eは、タッチパネル18bへのタッチ入力操作を検出する表示範囲のうち、当該タッチ入力操作を検出可能な表示範囲が当該タッチ入力操作を検出不可能な表示範囲に変更された場合に、当該変更された表示範囲に対して、駆動電力の供給を遮断する旨の駆動電力供給制御信号を電源部14に出力する。この駆動電力供給制御部16eの動作の具体例については、図5を参照して後述する。
【0047】
2.第1の実施形態の携帯電話機の動作概要
第1の実施形態の携帯電話機1の動作概要について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、所定のレイアウトに基づいて生成された画面と各レイアウトのレイアウト構成情報とを示す説明図である。同図(a)は、メニューレイアウトMLに基づくメニュー画面図である。同図(b)は、リストレイアウトLLに基づくワンセグメニュー画面図である。同図(c)は、視聴レイアウトWLに基づくワンセグ視聴画面図である。同図(d)は、リストレイアウトLLに基づくワンセグメニュー画面図である。同図(e)は、各画面に対するレイアウト構成情報の説明図である。同図(f)は、リストレイアウトLLに基づく動画一覧画面図である。同図(g)は、視聴レイアウトWLに基づく動画再生画面図である。同図(h)は、リストレイアウトLLに基づく動画一覧画面図である。同図(i)は、各画面に対するレイアウト構成情報RCの説明図である。図6は、ポップアップレイアウトPLに基づくポップアップ画面の表示位置の移動に伴ってポップアップレイアウトPLの有効範囲が変更する場合の説明図である。同図(a)は、ポップアップ画面の表示位置の移動前の様子を示す説明図である。同図(b)は、ポップアップ画面の表示位置の移動後を示す説明図である。以下、図5の説明においては、レイアウトの表示の階層の第1層には携帯電話機1の待ち受け画面に対応するレイアウトが使用されているものとする。
【0048】
図5(a)では、複数のメニューボタン(メール、ワンセグ、ツール、ブラウザ、動画、ピクチャ)を含むメニューレイアウトMLに基づいて生成されたメニュー画面である。図5(e)のレイアウト構成情報RCに示す様に、待ち受け画面のレイアウトが第1層に使用されている状態で、当該第1層の上位に位置する第2層にメニューレイアウトMLが最上位のレイアウトとして位置する様に使用されている。また、図5(a)に示すメニューレイアウトMLのレイアウト管理情報RTによれば、有効範囲EFは図5(a)の点線で囲われた範囲である。これにより、携帯電話機1は、図5(a)に示す有効範囲EFに囲われた範囲へのタッチ入力操作を検出することができる。
【0049】
図5(b)では、図5(a)のメニュー画面に対するユーザのタッチ入力操作に応じて、複数のリストボタン(視聴、録画、設定)を含むリストレイアウトLLに基づいて生成されたワンセグメニュー画面である。図5(e)に示すレイアウト構成情報RCに示す様に、メニューレイアウトMLが第2層に使用されている状態で、当該第2層の上位に位置する第3層にリストレイアウトLLが最上位のレイアウトとして位置する様に使用されている。また、図5(b)に示すリストレイアウトLLのレイアウト管理情報RTによれば、有効範囲EFは、図5(a)と同様に図5(b)の点線で囲われた範囲である。これにより、携帯電話機1は、図5(a)と同様に図5(b)に示す有効範囲EFに囲われた範囲に対するタッチ入力操作を検出することができる。
【0050】
図5(c)では、図5(b)のワンセグメニュー画面に対するユーザのタッチ入力操作に応じて、ワンセグを視聴可能且つ所定の操作が可能に構成された視聴レイアウトWLに基づいて生成されたワンセグ視聴画面である。図5(e)に示すレイアウト構成情報RCに示す様に、リストレイアウトLLが第3層に使用されている状態で、当該第3層の上位に位置する第4層に視聴レイアウトWLが最上位のレイアウトとして位置する様に使用されている。また、図5(c)に示す視聴レイアウトWLのレイアウト管理情報RTによれば、有効範囲EFは、図5(c)の点線で囲われた範囲であって、図5(a)及び図5(b)に比べて狭い範囲である。このため、図5(a)及び図5(b)の各有効範囲EFで囲われた表示範囲と同じ範囲であって且つ図5(c)の視聴レイアウトWLの有効範囲EFを除く他の表示範囲へのタッチ入力操作は、図5(c)の視聴レイアウトWLにおいては検出することができない。
【0051】
図5(d)では、図5(c)のワンセグ視聴画面に対するユーザのタッチ入力操作に応じて、図5(b)と同様のリストレイアウトLLに基づいて生成されたワンセグメニュー画面である。図5(e)に示すレイアウト構成情報RCに示す様に、視聴レイアウトWLが第4層に使用されている状態で、当該第4層の下位に位置する第3層にリストレイアウトLLが最上位のレイアウトとして位置する様に使用されている。また、図5(d)に示すリストレイアウトLLのレイアウト管理情報RTによれば、有効範囲EFは、図5(a)及び(b)と同様に図5(d)の点線で囲われた範囲である。これにより、携帯電話機1は、図5(a)及び(b)と同様に図5(d)に示す有効範囲EFに囲われた範囲に対するタッチ入力操作を検出することができる。
【0052】
図5(f)では、図5(a)のメニュー画面に対するユーザのタッチ入力操作に応じて、メニュー複数のリストボタン(動画1、動画2、動画3、動画4、動画5、動画6)を含むリストレイアウトLLに基づいて生成された動画一覧画面である。図5(i)に示すレイアウト構成情報RCに示す様に、メニューレイアウトMLが第2層に使用されている状態で、当該第2層の上位に位置する第3層にリストレイアウトLLが最上位のレイアウトとして位置する様に使用されている。また、図5(f)に示すリストレイアウトLLのレイアウト管理情報RTによれば、有効範囲EFは、図5(a)と同様に図5(f)の点線で囲われた範囲である。これにより、携帯電話機1は、図5(a)と同様に図5(f)に示す有効範囲EFに囲われた範囲に対するタッチ入力操作を検出することができる。
【0053】
図5(g)では、図5(f)のワンセグメニュー画面に対するユーザのタッチ入力操作に応じて、動画を視聴可能且つ所定の操作が可能に構成された視聴レイアウトWLに基づいて生成された動画再生画面である。図5(i)に示すレイアウト構成情報RCに示す様に、リストレイアウトLLが第3層に使用されている状態で、当該第3層の上位に位置する第4層に視聴レイアウトWLが最上位のレイアウトとして位置する様に使用されている。また、図5(g)に示す視聴レイアウトWLのレイアウト管理情報RTによれば、有効範囲EFは、図5(g)の点線で囲われた範囲であって、図5(a)及び図5(f)に比べて狭い範囲である。このため、図5(a)及び図5(f)の各有効範囲EFで囲われた表示範囲と同じ範囲であって且つ図5(g)の視聴レイアウトWLの有効範囲EFを除く他の表示範囲に対するタッチ入力操作は、図5(g)の視聴レイアウトWLにおいては検出することができない。
【0054】
図5(h)では、図5(g)のワンセグ視聴画面に対するユーザのタッチ入力操作に応じて、図5(f)と同様のリストレイアウトLLに基づいて生成されたワンセグメニュー画面である。図5(i)に示すレイアウト構成情報RCに示す様に、視聴レイアウトWLが第4層に使用されている状態で、当該第4層の下位に位置する第3層にリストレイアウトLLが最上位のレイアウトとして位置する様に使用されている。また、図5(h)に示すリストレイアウトLLのレイアウト管理情報RTによれば、有効範囲EFは、図5(a)及び(f)と同様に図5(h)の点線で囲われた範囲である。これにより、携帯電話機1は、図5(a)及び(f)と同様に図5(h)に示す有効範囲EFに囲われた範囲に対するタッチ入力操作を検出することができる。
【0055】
また、図6(a)では、最上位の階層として使用されたポップアップレイアウトPLに基づいて生成されたポップアップ画面が表示部19bに表示され、このポップアップレイアウトPLの有効範囲EF1は図6(a)の点線で囲われた範囲である。図6(b)に示す様に、図6(a)のポップアップ画面がユーザのタッチ入力操作に応じて所定距離移動した場合には、当該移動した所定距離に応じてポップアップ画面が移動する。このとき、レイアウト管理制御部16bは、ポップアップ画面の移動距離を取得すると共に、当該取得された移動距離に応じて、レイアウト管理情報RTの有効範囲情報を動的に変更する。これにより、図6(b)に示す様に、ポップアップ画面のポップアップレイアウトPLの有効範囲は、当該ポップアップ画面の移動に伴って、有効範囲EF1から有効範囲EF2に動的に変更される。
【0056】
3.第1の実施形態の携帯電話機の動作
図7は、第1の実施形態の携帯電話機1の制御部16の動作を示すフローチャートである。以下の図7に示すフローチャートの説明においては、具体例を説明するために必要に応じて図4〜図6を参照する。
【0057】
図7において、表示部19bに表示されている画面のレイアウトがユーザのタッチ入力操作に応じて変更された場合には(S11、YES)、アプリケーション管理制御部16aは、当該画面のレイアウトの変更に関するイベントが入力された旨の情報及び当該変更後のレイアウトに関する情報をレイアウト管理制御部16bに出力すると共にRAM17aに一時的に記憶する。
【0058】
レイアウト管理制御部16bは、ステップS11においてアプリケーション管理制御部16aにより出力された各情報を取得し、当該レイアウトの変更に関するイベントが入力された旨の情報に基づいて、レイアウト構成情報RCを取得する旨の命令情報をレイアウト構成情報取得部16cに出力する。レイアウト構成情報取得部16cは、レイアウト管理制御部16bにより出力された命令情報を取得し、当該取得された命令情報に基づいて、現在の携帯電話機1におけるレイアウト構成情報RCをRAM17aから取得する。レイアウト構成情報取得部16cは、当該取得されたレイアウト構成情報RCをレイアウト管理制御部16bに出力する。レイアウト管理制御部16bは、レイアウト構成情報取得部16cにより出力されたレイアウト構成情報を取得する(S12)。
【0059】
レイアウト管理制御部16bは、ステップS12により取得されたレイアウト管理情報RTのタッチパネル検出属性情報を参照し、当該タッチパネル検出属性が有効であるか否かを判定する(S13)。ステップS13において当該レイアウト管理情報RTのタッチパネル検出属性が有効であると判定された場合には(S13、YES)、レイアウト管理制御部16bは、当該レイアウト管理情報RTの有効範囲情報を認知する(S14)。
【0060】
例えば、ユーザのタッチ入力操作に応じて、表示部19bに表示されている画面のレイアウトが図5(b)に示すリストレイアウトLLから図5(c)に示す視聴レイアウトWLに変更された場合、レイアウト管理制御部16bは、当該変更後の視聴レイアウトWLのレイアウト管理情報RTを取得する(S12)。図4のレイアウト管理情報RTによれば、視聴レイアウトWLのレイアウト管理情報RTのタッチパネル検出属性情報は有効である。このため、ステップS13において、レイアウト管理制御部16bは、視聴レイアウトWLのレイアウト管理情報RTのタッチパネル検出属性を有効であると判定する(S13)。
【0061】
画面のレイアウトはリストレイアウトLLから視聴レイアウトWLに変更されているため、図4に示す様に、有効範囲EFを(X、Y、W、H)として表わした場合に、リストレイアウトLLの有効範囲EF(0、0、550、1500)から視聴レイアウトWLの有効範囲EF(0、1000、480、200)に変更される。ここで、有効範囲EFにおける各パラメータX、Y、W及びHは、それぞれ有効範囲EFの起点のX座標、Y座標、当該有効範囲EFのX方向における幅、及び当該有効範囲EFのY方向における高さを示す。
【0062】
従って、レイアウトの変更に伴って、リストレイアウトLLにおいては有効範囲EFであった表示部分が視聴レイアウトWLにおいては有効範囲EFでなくなる表示部分が存在する。従って、レイアウト管理制御部16bは、当該変更後の視聴レイアウトWLにおける有効範囲にのみ駆動電力がタッチパネル18bに供給される旨の情報を駆動電力供給制御部16eに出力する。
【0063】
また、レイアウト管理制御部16bは、当該レイアウトの変更に伴って、当該変更前には有効範囲EFであった表示位置又は表示範囲が当該変更後に有効範囲EFでなくなる表示位置又は表示範囲に対して駆動電力の供給を遮断する旨の情報を駆動電力供給制御部16eに出力しても良い。この場合、駆動電力供給制御部16eは、レイアウト管理制御部16bにより出力された情報に基づいて、当該変更後に有効範囲EFでなくなる表示位置又は表示範囲に対して駆動電力の供給を遮断する旨の駆動電力供給制御信号を電源部14に出力する。これにより、携帯電話機1は、ユーザのタッチ入力操作によるレイアウトの変更に伴って、変更前には有効範囲EFであった表示位置又は表示範囲が当該変更後に有効範囲EFでなくなる表示位置又は表示範囲に対して駆動電力の供給を遮断することができる。
【0064】
ここで、例えば図6(a)及び(b)に示した様に、最上位のレイアウトとして使用されているポップアップレイアウトPLに基づいて生成されたポップアップ画面がユーザのタッチ入力操作に応じて移動された場合には(S15、YES)、レイアウト管理制御部16bは、当該ポップアップ画面の移動距離を取得すると共に、当該取得された移動距離に基づいて、ポップアップ画面の移動に応じたレイアウト管理情報RTの有効範囲情報を動的に変更する(S16)。レイアウト管理制御部16bは、当該変更された有効範囲に対応するタッチパネル18bの表示範囲に駆動電力を供給する旨の情報を駆動電力供給制御部16eに指示する。なお、ステップS15において最上位のレイアウトとして使用されているポップアップレイアウトPLに基づいて生成されたポップアップ画面がユーザのタッチ入力操作に応じて移動されていない場合には(S15、NO)、ステップS17の動作に進む。
【0065】
駆動電力供給制御部16eは、レイアウト管理制御部16bにより出力された情報に基づいて、当該移動後のポップアップレイアウトPLのレイアウト管理情報RTの有効範囲EF2に対応するタッチパネル18bの範囲に駆動電力を供給するための駆動電力供給制御信号を電源部14に出力する。電源部14は、当該駆動電力供給制御信号に応じて、当該有効範囲EFに対応するタッチパネル18bの範囲に駆動電力をタッチパネル制御部18aに供給させる(S17)。これにより、携帯電話機1は、当該有効範囲EFに囲われた範囲に対するタッチ入力操作を検出することができる。
【0066】
ステップS17の後、ステップS11において表示部19bに表示されている表示画面のレイアウトがユーザのタッチ入力操作に応じて変更された場合には(S11、YES)、前述した動作が繰り返される。ステップS11において表示部19bに表示されている表示画面のレイアウトがユーザのタッチ入力操作に応じて変更されない場合には(S11、NO)、図7に示す携帯電話機1の制御部16の動作は終了する。
【0067】
以上により、第1の実施形態の携帯電話機1によれば、ユーザのタッチ入力操作によって画面のレイアウトが変更した場合に、当該レイアウトのレイアウト管理情報RTの有効範囲情報に応じたタッチパネル18bへの駆動電力を供給する。レイアウト管理情報RTの有効範囲情報は、当該レイアウトに対するタッチ入力操作が行われる可能性が非常に高い範囲が設定されている。これにより、携帯電話機1によれば、タッチパネル18bへの駆動電力を効果的に供給して当該供給されたタッチパネル18bの範囲におけるタッチ入力操作のみ検出することができる。更に、携帯電話機1によれば、駆動電力を効果的に供給することができるため、携帯電話機1における消費電力量を効率的に低減することができる。
【0068】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種実施形態の変更例または修正例、更に各種実施形態の組み合わせ例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0069】
また、携帯電話機1は、表示部19bに表示されている画面の表示範囲のうちユーザのタッチ入力操作を検出可能な画面の表示範囲に対する当該タッチ入力操作の検出頻度を監視する検出頻度監視部を更に備えても良い。この場合、駆動電力供給制御部16eは、検出頻度監視部によりタッチ入力操作の検出頻度が所定量以上であると判定された場合に、当該タッチパネル18bへのタッチ入力操作を検出する部分のうち当該所定量以上のタッチ入力操作が行われた画面の範囲に駆動電力を供給する旨の駆動電力供給制御信号を電源部14に出力する。これにより、携帯電話機1は、ユーザが頻繁にタッチ入力操作する表示画面の範囲に対するタッチ入力操作を検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、タッチパネルへの入力操作が行われる位置又は範囲に対して当該入力操作を可能とするための駆動電力を効果的に供給し、当該駆動電力を効率的に低減することが可能な電子機器、電源制御方法及び電源制御プログラムとして有用である。
【符号の説明】
【0071】
1 携帯電話機
11 操作部
12 DTVアンテナ
13 DTVチューナ
14 電源部
15 バッテリ
16 制御部
16a アプリケーション管理制御部
16b レイアウト管理制御部
16c レイアウト構成情報取得部
16d レイアウト管理情報取得部
16e 駆動電力供給制御部
17a RAM
17b フラッシュメモリ
18a タッチパネル制御部
18b タッチパネル
19a 表示制御部
19b 表示部
20、20A、20B 内部時計
EF、EF1、EF2 有効範囲
LL リストレイアウト
ML メニューレイアウト
PL ポップアップレイアウト
WL 視聴レイアウト
RC レイアウト構成情報
RT レイアウト管理情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示を行う表示部と、
前記表示部の上面に配置され、当該表示部に対する入力操作を検出するタッチパネルと、
前記表示部の表示範囲を、前記入力操作を検出可能な表示範囲と、前記入力操作を検出不可能な表示範囲として管理するレイアウト管理制御部と、
前記レイアウト管理制御部により前記表示部の表示範囲のうち前記入力操作の検出可能な表示範囲として管理されている表示範囲に対して、当該入力操作を検出可能とする駆動電力を前記タッチパネルに供給する様に指示する駆動電力供給制御部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記駆動電力供給制御部の指示に基づいて、前記タッチパネルに前記駆動電力を供給する電源部と、を更に備える電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器であって、
前記駆動電力供給制御部は、前記タッチパネルへの入力操作を検出する前記表示部の表示範囲のうち当該入力操作を検出可能な表示範囲が当該入力操作を検出不可能な表示範囲に変更された場合に、当該変更された表示範囲に対して前記駆動電力の供給を遮断する様に前記電源部に指示する電子機器。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の電子機器であって、
前記表示部に表示されている画面を構成するレイアウトと、当該レイアウトにおいて前記入力操作を検出可能な表示範囲を示す有効範囲情報とを関連付けたレイアウト管理情報を保持する記憶部と、を更に備え、
前記レイアウト管理制御部は、前記表示部に表示されている画面を構成するレイアウトの有効範囲情報に対応する表示範囲に入力操作が行われた場合、前記記憶部に保持されているレイアウト管理情報に基づいて、当該入力操作が行われた当該画面を構成するレイアウトの前記有効範囲情報を前記駆動電力供給制御部に通知する電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器であって、
前記レイアウト管理情報は、前記画面に対する入力操作の検出可否を示すタッチパネル検出属性情報を更に含み、
前記レイアウト管理制御部は、前記レイアウト管理情報のタッチパネル検出属性情報が有効である場合に、前記有効範囲情報を前記駆動電力供給制御部に通知する電子機器。
【請求項6】
請求項2〜5のうちいずれか一項に記載の電子機器であって、
前記レイアウト管理制御部は、視聴内容表示範囲と操作項目内容表示範囲とを含む視聴レイアウトに基づく視聴画面が前記表示部に表示されている場合に、当該視聴内容表示範囲を前記入力操作の検出不可能な表示範囲として管理し、当該操作項目内容表示範囲を前記入力操作の検出可能な表示範囲として管理し、
前記駆動電力供給制御部は、前記レイアウト管理制御部により前記入力操作の検出不可能な表示範囲として管理されている前記視聴内容表示範囲に対して前記駆動電力の供給を遮断する様に前記電源部に指示する電子機器。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の電子機器であって、
前記レイアウト管理制御部は、前記画面を構成するレイアウトのレイアウト構成情報を取得し、当該レイアウト構成情報に基づいて複数のレイアウトが階層的に位置している場合には、当該複数のレイアウトのうち最上位に位置するレイアウトにおけるレイアウト管理情報の有効範囲情報を前記駆動電力供給制御部に通知する電子機器。
【請求項8】
請求項4又は5に記載の電子機器であって、
前記レイアウト管理制御部は、所定事項表示範囲を含むポップアップレイアウトに基づくポップアップ画面が前記表示部に表示されている場合に、当該所定事項表示範囲を前記入力操作の検出可能な表示範囲として管理し、
前記駆動電力供給制御部は、前記レイアウト管理制御部により前記入力操作の検出可能な表示範囲として管理されている前記所定事項表示範囲を除く他の表示範囲に対して前記駆動電力の供給を遮断する様に指示する電子機器。
【請求項9】
請求項4又は5に記載の電子機器であって、
前記表示部に表示されている表示範囲のうち前記入力操作の検出可能な表示範囲に対する当該入力操作の検出頻度を監視する検出頻度監視部と、を更に備え、
前記駆動電力供給制御部は、前記検出頻度監視部により前記入力操作の検出頻度が所定量以上であると判定された場合に、前記入力操作の検出可能な表示範囲のうち当該所定量以上の入力操作が行われた表示範囲に、前記駆動電力を前記タッチパネルに供給する様に指示する電子機器。
【請求項10】
表示を行う表示部と、当該表示部に対する入力操作を検出するタッチパネルとを備える電子機器の電源制御方法であって、
レイアウト管理制御部が、前記表示部の表示範囲を、前記入力操作を検出可能な表示範囲と、前記入力操作を検出不可能な表示範囲として管理するステップと、
駆動電力供給制御部が、前記レイアウト管理制御部により前記表示部の表示範囲のうち前記入力操作の検出可能な表示範囲として管理されている表示範囲に対して、当該入力操作を検出可能とする駆動電力を前記タッチパネルに供給する様に指示するステップと、
を備える電源制御方法。
【請求項11】
表示を行う表示部と、当該表示部に対する入力操作を検出するタッチパネルとを備える電子機器に、
前記表示部の表示範囲を、前記入力操作を検出可能な表示範囲と、前記入力操作を検出不可能な表示範囲として管理するステップと、
前記表示部の表示範囲のうち前記入力操作の検出可能な表示範囲として管理されている表示範囲に対して、当該入力操作を検出可能とする駆動電力を前記タッチパネルに供給する様に指示するステップと、
を実現させるための電源制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−33015(P2012−33015A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172250(P2010−172250)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】