説明

電子機器および終了処理プログラム

【課題】電源バックアップのためのバッテリ容量を低減する電子機器を提供する。
【解決手段】動作電圧が異なる複数の負荷部(CPU10、メインLCD21等)と、負荷部に電源電圧を供給するAC−DC変換部61と、AC−DC変換部61から電源電圧の供給が停止されたときに負荷部に電源電圧を供給するUPSバッテリ62と、動作電圧が大きい負荷部を動作電圧が小さい負荷部より先に終了させるように複数の負荷部を終了する順序を定めた順序情報を記憶する記憶部13と、UPSバッテリ62から電源電圧が供給されたときに、記憶部13から順序情報を読み出し、順序情報に基づいて動作電圧が大きい負荷部を動作電圧が小さい負荷部より先に終了させるCPU10と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、停電時に電源をバックアップする補助電源を備えた電子機器およびこの電子機器で実行される終了処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
POS(Point of Sale)端末は、通常、停電時に電源を供給するためのUPS(Uninterruptible Power Supply)と呼ばれる無停電電源装置を備えている。また、POS端末は、パーソナルコンピュータ(PC)に近い仕様となっている。このため、PCのATX電源と同様に基本的に12V、5V、3.3V、および5VBの電圧が必要となる。したがって、UPSで電源をバックアップする場合にも、ATX電源と同様に12V、5V、3.3V、および5VBの電圧を保持しなければならない。
【0003】
また、一定のバックアップ時間を維持するためには、容量の大きいバッテリーを用いる必要がある。特に、客用表示部およびオペレータ用表示部のように複数の表示部を備えるPOS端末等では消費電力も大きくなり、一定のバックアップ時間を維持するために、より大きな容量のバッテリーを必要とする。
【0004】
特許文献1では、停電時に補助電源に切り替えた後、プリンタの消費電力を低減することにより、バックアップ時間を延長する技術が提案されている。なお、特許文献1では、停電後も動作を継続することを前提としているため、必要なバッテリー容量が大きくなる。
【0005】
一方、停電時に動作を継続せず、内部機器等を順次安全に終了させる機能を備えた装置も存在する。この場合は、終了処理に必要なバックアップ時間を確保すれば十分であるため、バッテリー容量が小さくてもよい。
【0006】
【特許文献1】特開平09−114559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来は、終了処理に必要な一定期間、最大電圧(例えば12V)を維持することのみを条件としてバッテリー容量を決定していたため、バッテリー容量が無駄に大きくなるという問題があった。例えば、POS端末が、最大電圧(12V)より小さい電圧(例えば5V)で動作可能な負荷部(機器)を備えている場合、当該負荷部を終了させるためには5Vが維持されていればよい。しかし、従来は無条件に12Vを維持するようにバッテリー容量を決定していたため、過度に大きい容量のバッテリーが用いられる結果となっていた。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電源バックアップのためのバッテリ容量を低減可能な電子機器および終了処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、動作電圧が異なる複数の負荷部と、前記負荷部に電源電圧を供給する主電源部と、前記主電源部から電源電圧の供給が停止されたときに前記負荷部に電源電圧を供給する補助電源部と、動作電圧が大きい負荷部を動作電圧が小さい負荷部より先に終了させるように前記複数の負荷部を終了する順序を定めた順序情報を記憶する記憶部と、前記補助電源部から電源電圧が供給されたときに、前記記憶部から前記順序情報を読み出す読み出し部と、読み出された前記順序情報に基づいて、動作電圧が大きい負荷部を動作電圧が小さい負荷部より先に終了させる終了制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、動作電圧が異なる複数の負荷部と、前記負荷部に電源電圧を供給する主電源部と、前記主電源部から電源電圧の供給が停止されたときに前記負荷部に電源電圧を供給する補助電源部と、動作電圧が大きい負荷部を動作電圧が小さい負荷部より先に終了させるように前記複数の負荷部を終了する順序を定めた順序情報を記憶する記憶部と、を備えた電子機器に実行させるための終了処理プログラムであって、前記補助電源部から電源電圧が供給されたときに、前記記憶部から前記順序情報を読み出す読み出し手順と、読み出された前記順序情報に基づいて、動作電圧が大きい負荷部を動作電圧が小さい負荷部より先に終了させる終了制御手順と、を前記電子機器に実行させるための終了処理プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電源バックアップのためのバッテリ容量を低減可能な電子機器および終了処理プログラムを提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電子機器および終了処理プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下ではUPSバッテリ等の補助電源を備えたPOS端末として電子機器を実現した例について説明する。適用可能な電子機器はPOS端末に限られるものではなく、補助電源を備えた電子機器であればあらゆる機器に適用できす。
【0013】
本実施の形態にかかる電子機器は、内部に備えた各負荷部のうち動作電圧の大きい負荷部を優先して終了するように終了順序を定めた順序情報を記憶部から読み出し、停電時に順序情報の終了順序にしたがって各負荷部を終了する。なお、負荷部とは、電源から供給された電源電圧により動作する回路および機器等を意味する。また、動作電圧とは、負荷部が動作するために必要な電圧を表す。
【0014】
図1は、本実施の形態にかかるPOS端末1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、POS端末1は、CPU(Central Processing Unit)10と、ROM(Read Only Memory)11と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、通信I/F14と、スピーカ15と、LED(Light Emitting Diode)16と、冷却ファン17と、メインLCD(Liquid Crystal Display)21と、サブLCD22と、表示制御部23と、キーボード31と、キーボード制御部32と、プリンタ41と、プリンタ制御部42と、バーコードスキャナ51と、シリアルポート52と、AC−DC変換部61と、UPSバッテリ62と、DC−DC変換部63と、を備えている。
【0015】
CPU10は、POS端末1全体の処理を制御するプロセッサである。CPU10は、例えば記憶部13から情報を読み出す読み出し部、冷却ファン17等の各負荷部の終了を制御する終了制御部、およびUPSバッテリ62から供給される電源電圧を検出する検出部として機能する。
【0016】
なお、近年のプロセッサはATX電源の最大電圧である12V以下の電圧(例えば5V)でも動作する場合が多い。本実施の形態でも、CPU10は、5Vの動作電圧で動作するものとする。これにより、CPU10は、UPSバッテリ62から供給される電源電圧が12V未満に低下しても正常に動作し、POS端末1の終了処理を継続することができる。
【0017】
ROM11は、POS端末1を動作させる基本プログラム等を格納する記憶媒体である。RAM12は、各種データ処理に使用するデータを一時的に格納する記憶媒体である。
【0018】
記憶部13は、OS、ドライバ、各負荷部を制御するアプリケーションプログラム、および各種管理データ等を格納するHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶媒体である。本実施の形態では、記憶部13は、動作電圧が大きい負荷部を動作電圧が小さい負荷部より先に終了させるように終了順序を定めた順序情報を記憶する。
【0019】
図2は、記憶部13に記憶された順序情報のデータ構造の一例を示す図である。図2に示すように、順序情報は、終了させる負荷部を識別するための機器名と、終了順序を表す優先順位とを含んでいる。CPU10は、停電時にこの順序情報を読み出し、優先順位の高い順に対応する機器名の機器(負荷部)を終了させるように制御する。
【0020】
同図では、ATX電源の最大電圧である12Vの電圧が必要な機器として、サブLCD22、バーコードスキャナ51、メインLCD21、および冷却ファン17が例示されている。また、同図では、サブLCD22をメインLCD21より先に終了させるように優先順位を定めた例が示されている。これは、オペレータに対して終了処理中のエラー情報等を可能な限り表示するため、オペレータ用表示部として利用するメインLCD21ではなく、客用表示部として利用するサブLCD22を先に終了させることを示している。
【0021】
なお、同図の機器および優先順位は一例であり、これ以外の機器の終了順序を設定してもよい。また、12Vの電源電圧が必要な機器だけでなく、5V等のその他の電源電圧が必要な機器と優先順値とを設定するように構成してもよい。
【0022】
図1に戻り、通信I/F14は、図示しない外部装置との間でLAN(Local Area Network)等のネットワークを介してデータを送受信するためのインターフェースである。
【0023】
スピーカ15は、エラー発生時の警告音などを出力可能な音声出力部である。LED16は、光を点滅させることなどによりエラー発生時の警告等を出力可能な照明部として機能する。なお、光によって情報を通知可能なものであればLED以外の照明装置を用いるように構成してもよい。また、POS端末1は、スピーカ15およびLED16の少なくとも一方を備えていれば良い。冷却ファン17は、POS端末1の内部を冷却するためのファンである。
【0024】
メインLCD21およびサブLCD22は、各種情報を表示可能な表示部である。例えば、メインLCD21およびサブLCD22は、それぞれオペレータ用表示部および客用表示部として利用するように構成することができる。表示制御部23は、メインLCD21およびサブLCD22に対する情報の表示を制御する。
【0025】
キーボード31は、ユーザが文字列等を入力するための操作部である。キーボード制御部32は、キーボード31を制御する。プリンタ41は、レシートの印字等を行う。プリンタ制御部42は、プリンタ41を制御する。
【0026】
バーコードスキャナ51は、商品に付されたバーコードを読み取る。シリアルポート52は、バーコードスキャナ51等の機器を接続するRS−232Cなどのシリアル通信方式のインタフェースである。シリアルポート52に接続される機器は、一般に12Vの動作電圧を必要とする。このため、本実施の形態では、シリアルポート52に接続された機器を優先して終了するように制御する。なお、図2に示したように、本実施の形態では、シリアルポート52に接続される機器以外では、冷却ファン17、メインLCD21、およびサブLCD22が12Vの動作電圧を必要とするものとしている。図2では、客用表示部として利用するサブLCD22を最優先で終了させ、次にシリアルポート52に接続された機器であるバーコードスキャナ51を優先的に終了させる例が示されているが、バーコードスキャナ51を最優先で終了させるように構成してもよい。
【0027】
AC−DC変換部61は、商用交流電源の交流電圧を直流電圧に変換する。AC−DC変換部61は、各負荷部に電源電圧を供給する主電源に相当する。AC−DC変換部61は、停電等により商用交流電源から交流電圧が入力されなくなった場合に、異常を表す信号(ACFAIL)をCPU10に通知する。
【0028】
UPSバッテリ62は、停電バックアップ用のバッテリである。UPSバッテリ62は、停電等によりAC−DC変換部61からの電源電圧供給が停止したときのバックアップ電源(補助電源)として動作する。
【0029】
DC−DC変換部63は、AC−DC変換部61の出力電圧またはUPSバッテリ62の出力電圧をPOS端末1の動作に必要な所定レベルの直流電圧に変換する。以下では、POS端末1の動作に最大12Vの直流電圧が必要であるものとする。
【0030】
なお、CPU10、ROM11、RAM12、記憶部13、通信I/F14、スピーカ15、LED16、冷却ファン17、表示制御部23、キーボード制御部32、プリンタ制御部42、シリアルポート52、およびDC−DC変換部63は、互いにバスラインによって電気的に接続されている。
【0031】
次に、このように構成された本実施の形態にかかるPOS端末1による端末終了処理について図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態における端末終了処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【0032】
停電が発生すると、AC−DC変換部61が商用交流電源からの交流電圧の供給異常を検知し、異常を表す信号であるACFAILをCPU10に通知する(ステップS301)。なお、商用交流電源の停電時には、UPSバッテリ62の放電により、無瞬断で所定レベル(12V)のバックアップ用電源電圧が供給される。
【0033】
CPU10は、ACFAILの通知を受けて、UPSバッテリ62から供給される電源電圧の監視を開始する(ステップS302)。
【0034】
次に、CPU10は、記憶部13から順序情報を読み出し、優先順位の高い順に終了する機器を決定する(ステップS304)。例えば、図2に示すような順序情報が記憶されていた場合、CPU10は、最初にサブLCD22を終了する(バックライトを消灯する)ことを決定する。そして、CPU10は、終了することを決定した機器の終了処理を実行する(ステップS304)。
【0035】
次に、CPU10は、終了処理中のPOS端末1の電源電圧が、終了させる機器の動作電圧以上であるか否かを判断する(ステップS305)。CPU10は、終了させる機器の動作電圧と、監視しているUPSバッテリ62からの電源電圧とを比較し、各機器に必要な動作電圧が終了処理時に供給されていることを確認する。すなわち、終了させる機器に必要な電源電圧をUPSバッテリ62が供給できる間に、終了させる機器が確実に終了されているか確認する。
【0036】
終了処理中のPOS端末1の電源電圧が動作電圧以上である場合(ステップS305:YES)、CPU10は、終了処理が正常に完了したと判断し、処理を継続する。電源電圧が動作電圧より小さい場合(ステップS305:NO)、CPU10は、終了処理が正常に完了していないと判断し、エラーが発生したことを表す警告を出力する(ステップS306)。
【0037】
メインLCD21が消灯されていない場合は、CPU10は、例えばメインLCD21にエラーが発生したことを表すメッセージを表示する。また、メインLCD21およびサブLCD22を消灯した場合は、CPU10は、例えばエラーであることを示すパターンでLED16を点滅させる。または、CPU10は、エラーであることを示すブザー音等をスピーカ15に出力する。
【0038】
次に、CPU10は、記憶部13に順序情報が記憶されたすべての機器を終了したか否かを判断する(ステップS307)。すべての機器を終了していない場合(ステップS307:NO)、CPU10は、次に優先順位が高い機器を、終了させる機器として決定して処理を継続する(ステップS303)。すべての機器を終了した場合(ステップS307:YES)、CPU10は、順序情報が定められていない機器の終了処理、または、OSのシャットダウンなどのその他の終了処理を実行し(ステップS308)、端末終了処理を終了する。
【0039】
適切な順序情報を記憶部13に保存し、最適な容量のUPSバッテリ62を用いていれば、UPSバッテリ62が12Vの電源電圧を出力している間に、12V電圧を必要とするバーコードスキャナ51等の機器を正常に終了させることができる。すなわち、終了処理が正常に完了しなかったことによるロック等の異常は発生しない。この後は、UPSバッテリ62の電源電圧が12V未満に低下しても、5V以上の電源電圧が供給されている間はCPU10が動作を継続し、正常に端末終了処理を完了できる。
【0040】
なお、監視した電源電圧が所定の電圧閾値(例えば12V)より小さくなった場合に、動作電圧の大きい所定の機器の消費電力を低下させる、または、動作電圧の大きい所定の機器を終了させるように構成してもよい。例えば、UPSバッテリ62からの電源電圧が12V以上の場合は、メインLCD21を点灯して終了状態を表示可能とし、電圧閾値未満に低下した場合に、メインLCD21のバックライトを消灯するように構成してもよい。
【0041】
また、CPU10が、最大電圧である12V電圧を維持することができる期間(維持可能時間)を推定し、維持可能時間に応じて所定の機器の消費電力を低下させる、または、動作電圧の大きい所定の機器を終了させるように構成してもよい。
【0042】
具体的には、CPU10は、まず、監視した電源電圧の値から、最大電圧である12V電圧を維持することができる期間(維持可能時間)を推定する。CPU10は、例えば、電源電圧の値と維持可能時間との対応を予め定めたテーブルや、電源電圧の値から維持可能時間を求める所定の関数等を用いることにより、維持可能時間を推定する。
【0043】
次に、CPU10は、維持可能時間が所定の閾値(期間閾値)より小さいか否かを判断する。維持可能時間が期間閾値より小さいと判断した場合、CPU10は、消費電力の大きい負荷部であるメインLCD21およびサブLCD22を終了(バックライトを消灯)する。これにより、UPSバッテリ62のバックアップ時間を延長することができる。
【0044】
なお、メインLCD21およびサブLCD22を終了した場合は、終了処理の状態を表す情報等をユーザに対して表示することができなくなる。このため、CPU10は、スピーカ15およびLED16の少なくとも一方により、終了処理中の処理状態等の情報を出力する。
【0045】
維持可能時間が期間閾値より小さくないと判断した場合、CPU10は、メインLCD21に終了処理中の処理状態等の情報を表示する。順序情報にしたがってメインLCD21が終了済みの場合は、CPU10は、ステップS308と同様にスピーカ15等によって終了状態を出力する。
【0046】
また、電源電圧を監視する機能を用いて、POS端末1を起動したときの電源電圧の状態を検出し、電源電圧に異常が発生した場合に警告ブザー音等を出力するように構成することもできる。例えば、電源電圧が12V未満であっても5V以上であれば、CPU10はBIOS起動やスピーカ15等の制御を実行することができる。そこで、CPU10が、BIOS起動時に電源電圧が12V以上であるか否かを検出し、12V未満である場合に、スピーカ15またはLED16によって警告を出力する。
【0047】
なお、12Vの動作電圧を必要とする機器が含まれない場合に、電源電圧を監視する機能を無効化し、低いバッテリー電圧で動作可能とするように構成してもよい。
【0048】
このように、本実施の形態にかかるPOS端末1では、動作電圧の大きい負荷部を優先して終了するように終了順序を定めた順序情報を記憶部13から読み出し、停電時に順序情報の終了順序にしたがって各負荷部を終了することができる。このため、バッテリが大きい動作電圧を維持するために必要な時間を最小限にすることができる。すなわち、電源バックアップのために必要なバッテリの容量を小さくすることができる。また、バッテリ容量が従来と同様であれば、大きい動作電圧を維持する時間を最小限とすることにより、バックアップ時間を延長することが可能となる。
【0049】
本実施の形態にかかるPOS端末1で実行される終了処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(Compact Disk Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0050】
また、本実施の形態にかかるPOS端末1で実行される終了処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態にかかるPOS端末1で実行される終了処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0051】
また、本実施の形態の終了処理プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0052】
本実施の形態にかかるPOS端末1で実行される終了処理プログラムは、上述した各部(読み出し部、終了制御部、検出部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU10が上記記憶媒体から終了処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上述した各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように、本発明にかかる電子機器および終了処理プログラムは、複数のLCDなどの負荷部、およびバックアップ用の補助電源を備えた電子機器に適している。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施の形態にかかるPOS端末のブロック図である。
【図2】記憶部に記憶された順序情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】本実施の形態における端末終了処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 POS端末
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 記憶部
14 通信I/F
15 スピーカ
16 LED
17 冷却ファン
21 メインLCD
22 サブLCD
23 表示制御部
31 キーボード
32 キーボード制御部
41 プリンタ
42 プリンタ制御部
51 バーコードスキャナ
52 シリアルポート
61 AC−DC変換部
62 UPSバッテリ
63 DC−DC変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作電圧が異なる複数の負荷部と、
前記負荷部に電源電圧を供給する主電源部と、
前記主電源部から電源電圧の供給が停止されたときに前記負荷部に電源電圧を供給する補助電源部と、
動作電圧が大きい負荷部を動作電圧が小さい負荷部より先に終了させるように前記複数の負荷部を終了する順序を定めた順序情報を記憶する記憶部と、
前記補助電源部から電源電圧が供給されたときに、前記記憶部から前記順序情報を読み出す読み出し部と、
読み出された前記順序情報に基づいて、動作電圧が大きい負荷部を動作電圧が小さい負荷部より先に終了させる終了制御部と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記補助電源部から供給される電源電圧を検出する検出部をさらに備え、
前記終了制御部は、さらに、前記負荷部を終了させる終了処理中に、検出された前記電源電圧と終了させる前記負荷部の動作電圧とを比較し、検出された前記電源電圧が、終了させる前記負荷部の動作電圧以上の場合に、前記終了処理が正常に完了したと判断すること、
を特徴とする請求項1に記載の電子機器
【請求項3】
前記終了制御部は、検出された前記電源電圧が、終了させる前記負荷部の動作電圧より小さい場合に、前記終了処理が正常に完了しなかったと判断し、異常が発生したこと示す警告情報を出力すること、
を特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記補助電源部から供給される電源電圧を検出する検出部をさらに備え、
前記終了制御部は、さらに、検出された前記電源電圧が予め定められた電圧閾値より小さい場合に、動作電圧が大きい予め定められた前記負荷部を終了させること、
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記補助電源部から供給される電源電圧を検出する検出部をさらに備え、
前記終了制御部は、さらに、検出された前記電源電圧に基づいて、予め定められた電圧閾値以上、電源電圧を出力可能な期間を推定し、推定した前記期間が予め定められた期間閾値より小さい場合に、動作電圧が大きい予め定められた前記負荷部を終了させること、
を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
動作電圧が異なる複数の負荷部と、前記負荷部に電源電圧を供給する主電源部と、前記主電源部から電源電圧の供給が停止されたときに前記負荷部に電源電圧を供給する補助電源部と、動作電圧が大きい負荷部を動作電圧が小さい負荷部より先に終了させるように前記複数の負荷部を終了する順序を定めた順序情報を記憶する記憶部と、を備えた電子機器に実行させるための終了処理プログラムであって、
前記補助電源部から電源電圧が供給されたときに、前記記憶部から前記順序情報を読み出す読み出し手順と、
読み出された前記順序情報に基づいて、動作電圧が大きい負荷部を動作電圧が小さい負荷部より先に終了させる終了制御手順と、
を前記電子機器に実行させるための終了処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−73030(P2010−73030A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241201(P2008−241201)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】