電子機器の操作スイッチ及び操作制御方法
【課題】好ましいクリック感触を発生させるメタルドームスイッチをジョグ化させた新しい操作スイッチ及びその操作制御方法を提供する。
【解決手段】筐体14と、筐体14に対向して設けられ、その筐体14上の操作により発生する信号を検出するセンサとを有し、このセンサの幅が連続的に縮小又は拡大するように構成した電子機器の操作スイッチにより上記課題を解決した。このとき、センサが静電容量センサであり、信号が静電容量であり、その静電容量が筐体14上での操作に応じて連続的に変化するように構成することが好ましい。また、筐体14とセンサとの間にそのセンサに対応する操作ボタンを有し、センサの下に操作ボタンに対応するメタルドームスイッチを有することが好ましい。
【解決手段】筐体14と、筐体14に対向して設けられ、その筐体14上の操作により発生する信号を検出するセンサとを有し、このセンサの幅が連続的に縮小又は拡大するように構成した電子機器の操作スイッチにより上記課題を解決した。このとき、センサが静電容量センサであり、信号が静電容量であり、その静電容量が筐体14上での操作に応じて連続的に変化するように構成することが好ましい。また、筐体14とセンサとの間にそのセンサに対応する操作ボタンを有し、センサの下に操作ボタンに対応するメタルドームスイッチを有することが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の操作スイッチ及び操作制御方法に関し、さらに詳しくは、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、音楽端末等の電子機器の操作スイッチ及び操作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話をはじめ多くの携帯情報機器の操作スイッチとして、図13、14に示すようなメタルドーム115を含むメタルドームスイッチ110(メンブレンスイッチという場合もある。)を利用したものが一般的に使用されている。図13は、従来の電子機器の操作スイッチの断面図を示し、図14は上記操作スイッチのうち、メタルドームスイッチ110の平面図を示す。
【0003】
図14に示すように、メタルドームスイッチ110は、基板111上に形成された円形状電極112及びリング状電極113からなる電極部114と、リング状電極113に周縁が接続するように配置されたメタルドーム115と、基板111上に形成されて前記電極部114に電気信号を伝える回路配線116とにより構成されている。こうしたメタルドームスイッチ110は、図13に示すように、基板111を支持する台座102上に基板111を下側にして取り付けられている。メタルドーム115の頂部には突起117が取り付けられ、その突起117上には前面筐体119に設けられた操作ボタン118が配置されている。こうした構造からなる操作スイッチ100は、単純な構造で信頼性が高いこと、及び、操作ボタン118が押下されてメタルドーム115が座屈することで円形状電極112とリング状電極113との導通が図れると同時に、好ましいクリック感触を発生させている。
【0004】
メタルドームスイッチ110の動作についてもう少し詳しく説明する。上述の通り、メタルドームスイッチ110においては、メタルドーム115の円周部が、基板111に同心円に配置された一対の電極部114における外側のリング状電極113と常時接触している。この状態からメタルドーム115のドーム頂点付近を基板111側へ押し付けることによりメタルドーム115は座屈変形を起こす。そして、メタルドーム115の頂点付近が、上記一対の電極部114の内側に位置する円形状電極112と接触し、メタルドーム115を介してリング状電極113と円形状電極112とが接続する。これをスイッチのON/OFFに利用している。メタルドーム115が座屈する時の押し込み荷重反力は操作者側に指を通してクリック感触として伝わり、操作感触が良いとされている。このクリック感触はメタルドーム115を突起117で押し付ける場合により感触が増幅されることが知られている。
【0005】
上記の操作スイッチとは別の操作スイッチとして、ダイヤル式のジョグが知られている(例えば特許文献1を参照)。特許文献1に記載のダイヤル式のジョグは、固定電話機に設けられたものであり、その回転によりディスプレイ画面に表示された文字や変換候補を選択するスクロール機能を提供したものであって、基板上にロータリーエンコーダを配置し、そのロータリーエンコーダに直結した回転ダイヤルを基本構造としている。特許文献1に示すジョグはさらにプッシュスイッチ等を備え、文字や変換候補の決定等を行うことができるが、部品点数が多く、また実装体積が大きいため、一装置あたり通常1つのジョグが搭載されている。
【0006】
更に別の操作スイッチとして、タッチセンサを使用した操作スイッチが知られている(例えば特許文献2を参照)。特許文献2に記載の操作スイッチは、基板上に形成された電極と、その上方に設けられたゴム板及び電極部とで構成されている。この操作スイッチは、アナログポインティングデバイス(又は4方向キー)に用いられ、操作時のゴム板の変形に伴う電極部と電極の静電容量変化を検出するスイッチとして機能する。こうした操作スイッチも、一装置あたり通常1セット搭載されている。
【0007】
携帯電話が普及するにつれて、メールやブラウザ機能が一般的に利用されるようになり、これまでの通話によるコミュニケーションよりもネットワークとしての情報送受といった利用が多くなってきている。それに伴い、携帯電話の操作スイッチを用いたテキスト入力の機会が増加し、携帯端末の日本語入力ソフトウエアにおいては、予測候補を出力する等の操作性を向上させる工夫が活発になされている。
【0008】
一方、携帯電話等の入力に関するメカニズムは従来から大きく変わっておらず、携帯電話に代表される10キー(「*」、「#」を含めて12キーと呼ばれることもある。)で日本語やその他文字情報を平易に入力する方法が行われている。
【0009】
例えば上記のメタルドームスイッチ等を操作スイッチとして利用した携帯電話では、文字(日本語やローマ字等)を入力する場合、キー操作により10キーに割振られた入力候補を順送りに変化させる方式が一般的である。例えば、「す」の文字を入力しようとした場合、通常の操作では「さ行」のキーを3回押下する(さ→し→す)ことにより選択する。しかしながら、誤って押下して「せ」まで送ってしまった場合には「さ行」のキーを改めて4回押下して「す」(せ→そ→さ→し→す)にしなければならないという煩雑さがある。一方、逆送り専用キーにより逆送りができる携帯電話もある。そうした携帯電話では、誤って「せ」まで送ってしまった場合、「す」を選択するためには逆送り専用キーを1回押下すれば良いが、そのために逆送りキーへ指を移さなければならないという煩雑さがある。こうした煩雑さは、メタルドームスイッチのようなメンブレンスイッチの入力信号がON/OFFの2値だけであり、順/逆の送り方向を示す信号がないことに起因する。
【0010】
他方、順/逆の送り方向を選択できる方式としてダイヤル式のジョグが知られているが、上述したように、方向を識別させるロータリーエンコーダを有するダイヤルと、決定動作を識別させるプッシュスイッチ(又はセンサ)とが配置されるため、部品点数が多く、構造が複雑でサイズが大きいという難点がある。そのため、携帯電話やモバイル機器では、1台に対して1つ搭載されているのが普通であり、10キー全てをジョグ化することは実装スペースの制約上不可能であった。
【0011】
なお、文字入力手段ではないが、携帯電話の表示画面に表したメニューを選択するカーソルを移動させるために、10キー領域に静電容量センサを設け、その10キー領域上を指でスライドさせる操作手段が提案されている(例えば特許文献3,4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−053854号公報(図2、図4)
【特許文献2】WO02/44649(図1〜図3)
【特許文献3】特開2002−196856号公報
【特許文献4】特開2004−334738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、好ましいクリック感触を発生させるメタルドームスイッチをジョグ化させた新しい操作スイッチの提供及び操作制御方法の提供を目的としたものであって、例えば携帯電話においては10キー(又は12キー)全てをジョグ化させて日本語その他の文字情報をより平易に入力できる操作スイッチ及びその操作制御方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための本発明に係る電子機器の操作スイッチは、筐体と、該筐体に対向して設けられ、該筐体上の操作により発生する信号を検出するセンサとを有し、
前記センサの幅が連続的に縮小又は拡大することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る電子機器の操作スイッチにおいて、前記センサが静電容量センサであり、前記信号が静電容量である。
【0016】
本発明に係る電子機器の操作スイッチにおいて、前記静電容量が、前記筐体上での操作に応じて連続的に変化する。
【0017】
本発明に係る電子機器の操作スイッチにおいて、前記筐体と前記センサとの間に該センサに対応する操作ボタンを有し、前記センサの下に前記操作ボタンに対応するメタルドームスイッチを有する。
【0018】
上記課題を解決するための本発明に係る電子機器の操作制御方法は、筐体上での操作により発生し、該操作に応じて連続的に変化する信号をセンサで検出し、
該検出した信号により予め設定されている入力候補の選択又は表示状態の変化を行うことを特徴とする。
【0019】
本発明に係る電子機器の操作制御方法において、前記センサが静電容量センサであり、前記信号が静電容量である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電子機器の操作スイッチ及び操作制御方法によれば、好ましいクリック感触を発生させるメタルドームスイッチをジョグ化させることができ、特に、例えば携帯電話においては10キー(又は12キー)全てをジョグ化させて日本語その他の文字情報のより平易な入力を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第一の実施形態における、第1の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図2】図1において基板及び静電容量センサの部分だけを抜き出した模式的平面図を示す。
【図3】静電容量センサで検出される静電容量の変化を説明するための模式図である。
【図4】第一の実施形態における、第2の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図5】第一の実施形態における、第3の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図6】第一の実施形態における、第4の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図7】第二の実施形態における、第1の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図8】第二の実施形態における、第1の実施例に用いられる携帯電話の模式的平面図を示している。
【図9】第二の実施形態における、電極パッドを静電容量センサとして用いた場合における、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図10】第二の実施形態における、基板表面から電極パッドまでの距離を基板厚み方向に連続的に変化させて配置し、静電容量センサとして用いた場合における、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図11】第二の実施形態における、台形形状の電極パッドを静電容量センサとして用いた場合における、電子機器の操作スイッチの模式的断面図と携帯電話の平面図を示す。
【図12】第二の実施形態における、メタルドームスイッチの配置を変化させた電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図13】従来の電子機器の操作スイッチの断面図を示す。
【図14】図13に示す電子機器の操作スイッチのうち、メタルドームスイッチの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。但し、本発明は下記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変更できることはいうまでもない。
【0023】
[第一の実施形態]
本実施形態においては、操作ボタンと、当該操作ボタンの操作に対して静電容量が連続的に変化する形状要素を含む静電容量センサと、メタルドームスイッチと、が配置されている電子機器の操作スイッチにおいて、静電容量センサが第一基板の表面に、メタルドームスイッチが第二基板の表面に、それぞれ設けられる。つまり、本実施形態においては、静電容量センサ用の基板(第一基板)とメタルドームスイッチ用の基板(第二基板)とそれぞれ用いる。このような電子機器の操作スイッチの具体例(実施例)について以下説明する。
【0024】
(第1の実施例)
この実施例は、第一基板の裏面と、メタルドームスイッチが設けられている第二基板の表面とを対向するように配置したものである。
【0025】
図1は、第1の実施例に用いられる、携帯情報機器等の電子機器の操作スイッチ1の模式的断面図を示す。図1の電子機器の操作スイッチ1は、背面筐体2、メイン基板3、台座爪4、台座5、基板6、11、メタルドーム9及び電極部8から構成されるメタルドームスイッチ7、突起10、検出電極12a及び検出電極12bで構成される静電容量センサ12、操作ボタン13、前面筐体14、及び接続構造部15を有する。
【0026】
図1に示すように、背面筐体2上に、装置本来の機能を有するメイン基板3が取り付けられる。メイン基板3は、メイン基板3の実装部品と干渉しない高さに設定された台座5の中に配置され、台座5及びメイン基板3は、台座爪4により固定されている。そして、台座5の上に、複数のメタルドームスイッチ7が表面に設けられた基板6(第二基板)が配置されている。メタルドームスイッチ7は、基板6の表面に設けられた同心円状の一対の電極を有する電極部8と、この電極と同軸に設けられ、その円周部が上記一対の電極の外側に位置する電極と接触して配置されるメタルドーム9と、からなる。メタルドームスイッチ7としては、従来用いられているものと同様のものを用いればよいため、ここでの説明は省略する。
【0027】
さらに、図1に示すように、メタルドームスイッチ7の上方には基板11(第一基板)が配置され、基板11の下面には、各メタルドーム9の頂点と対向する位置に設置される押し子となる突起10が設けられている。突起10とメタルドーム9とは接触することとなるが、メタルドーム9が座屈しないように、基板11と基板6との間隔が調整される。一方、基板11の上面には、検出電極12a、12bから構成される静電容量センサ12が複数設けられている。そして、各10キーに相当するそれぞれの静電容量センサ12上には操作ボタン13がそれぞれ複数配置され、操作ボタン13の上方から前面筐体14により固定される。つまり、操作ボタン13と静電容量センサ12とが一対一で対応するようにしている。
【0028】
なお、静電容量センサ12としては、従来からよく知られているものを用いることができる。具体的には、静電容量センサ12としては、例えば、電極板や、基板上のパターンとそれらを接続した静電容量検出回路などを挙げることができる。
【0029】
そして、基板6、11の一部はメイン基板3との信号接続をするために、柔軟な接続構造部15となっている。接続構造部15は柔軟な接続部材となっており、その構造例としては例えばFPCが用いられる。なお、図1には図示していないが、基板6、11にはそれぞれ操作スイッチに関わる信号を伝達する回路が形成されている。特に、各静電容量センサ12は基板11上に設けた配線パターン(図示せず)により静電容量を電圧に変換するC−V変換回路(図示せず)へそれぞれ接続されている。静電容量検出に関するC−V変換回路については、当業者にとってよく知られているものを用いればよいため、ここでの説明は省略する。
【0030】
図1に示されるように、電子機器の操作スイッチ1において、各静電容量センサ12の中心(検出電極12a、12bの中心)と、各メタルドームスイッチ7の中心軸とが揃うように配置されている。そして、このメタルドームスイッチ7とその積層方向に構成された静電容量センサ12の組み合わせを複数個並べて10キーを構成している。加えて、図1においては、各操作ボタン13の中心と、各メタルドームスイッチ7の中心軸とが揃うように配置されている。結果として、操作ボタン13と静電容量センサ12とメタルドームスイッチ7とがこの順で配置され、これが一組となって10キーの一つに相当するようになっている。
【0031】
次に、静電容量センサ12及び基板11についてより詳しく説明する。図2は、図1において基板11及び静電容量センサ12の部分だけを抜き出した模式的平面図を示す。図2において、図1と同一の要素には図1と同一の符号を付している。図2に示すように、静電容量センサ12は一組の検出電極12a、12bから構成されている。そして、静電容量センサ12が設けられた基板11の当該静電容量センサ配置部分(各静電容量センサ12それぞれを支持する基板11の部分)は、当該配置部分以外の部分(基板11の他の部分)に対して柔軟に支持されている構造となっている。これは、指16で各操作ボタン13を押下した場合に、メタルドームスイッチ7を動作可能とするためである。
【0032】
次に、電子機器の操作スイッチ1の操作機構について説明する。図1において、操作者の指16が10キーのある操作ボタン13に近づくと基板11上に設けられた静電容量センサ12に容量変化が生じる。そして、静電容量の変化はC−V変換回路(図1には不図示)で電圧に変換され基板11の回路及び接続構造部15を通じてメイン基板3の制御回路(図1には不図示)に伝達される。
【0033】
図1、2に示すように、メタルドームスイッチ7の中心軸に対して、一対の検出電極12a、12bを対称に設けて静電容量センサ12を構成している。このため、ある一つのキーに指を近づけた際に、上記一対の検出電極12a、12bを有する静電容量センサ12から静電容量に対応した電圧が得られる。この状態について、以下により具体的に説明する。
【0034】
図3は、静電容量センサで検出される静電容量の変化を説明するための模式図である。より具体的には、図3(a)は、電子機器の操作スイッチ1の模式的断面図であるが、ある一つのキー上で、指16を検出電極12aから検出電極12bの方向に移動させた状態を示すものである。一方、図3(b)は、上記指16の動きに伴って、検出電極12a、12bで検出される静電容量の変化をそれぞれ示したものである。図3において、図1と同じ要素については同一の符号を付している。
【0035】
図3に示すように、検出電極12aから検出電極12bの方向へ指16を移動させた場合、指16の移動に伴って、検出電極12bの静電容量は増加し、逆に検出電極12aの静電容量は低下する。この静電容量の変化量を指16の移動方向と関連つけることにより、方向成分を持ったジョグとして使用することが可能となる。
【0036】
以上のようにして、静電容量センサ12で検出した静電容量の変化が、予め設定されている入力候補を選択する又は表示状態を変化させるジョグ機能として動作可能となる。ここで、上記静電容量変化を示す検知信号は、静電容量の差分値に対応するようになっている。なお、静電容量センサ12は複数個並んで構成されているため、スイッチの前後/左右等隣り合うキーに対しても同様にジョグとして作用させることもできる。
【0037】
次に、上記ジョグにより選択された入力候補を決定する場合の動作について説明する。指16の検出電極12aから検出電極12bへの移動により所望の入力候補が得られたところで、指16により操作ボタン13を下方に押下する。この操作ボタン13の押下により、ジョグとして使われている静電容量センサ12の下方に配置される基板6上に形成されたメタルドームスイッチ7が押し込まれることとなる(図3(a)参照)。これによって、メタルドーム9は基板11に形成された突起7により押されて座屈し、電極部8における同心円状の一対の電極がメタルドーム9により短絡されてスイッチが接続する。同時に座屈時の荷重変化が操作者に対してはクリック感触として伝達される。図1、2に示すように、静電容量センサ12が設けられた基板11の当該静電容量センサ配置部分(静電容量センサ12を支持する基板11の部分)が、当該配置部分以外の部分(基板11の他の部分)から柔軟に支持されているため、メタルドームスイッチ7の押し込み動作の際に、該当するメタルドームスイッチ7のみが押し込まれ、その他の部分は押し込み動作の影響を受けにくい。
【0038】
(第2の実施例)
この実施例は、第一基板の裏面と、第二基板の裏面とを対向するように配置したものである。
【0039】
図4は、第2の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチ20の模式的断面図を示す。図4においては、図1と同一の要素については同一の符号を付している。図4に示す電子機器の操作スイッチ20の基本的な構成や操作機構(動作)は、第1の実施例で説明したもの(図1の電子機器の操作スイッチ1)と同様であるので、以下では、第2の実施例に特徴的な構成についてのみ説明する。
【0040】
図4に示すように、静電容量センサ12が設けられている基板11(第一基板)と、メタルドームスイッチ7が設けられている基板6(第二基板)とは、それぞれの基板の裏面が接するように配置されている。これにより、基板11の裏面と基板6の裏面とが対向して配置されることになる。また、メタルドーム9の頂点と対向する位置に設置される突起10は、台座5に設けられることとなる。そして、基板6と台座5との間隔は、突起10によりメタルドーム9が座屈しない程度の間隔を確保する。
【0041】
さらに、本実施例では、基板11の裏面と基板6の裏面とを接するようにしたことに伴い、以下の構成を採用している。つまり、各10キーに対応するそれぞれのメタルドームスイッチ7の押下を単独でスムースに行うために、静電容量センサ12が設けられた基板11の当該静電容量センサ配置部分(基板11における、各静電容量センサ12を支持するそれぞれの部分)が、当該配置部分以外の部分(基板11のその他の部分)から柔軟に支持される構造となっているのみならず、基板6における、メタルドームスイッチ7を支持するそれぞれの部分も、基板6のその他の部分から柔軟に支持される構造となっている。
【0042】
その他の構成は、図1に示される電子機器の操作スイッチ1と同様とすればよい。例えば、図4においても、基板11に設けられる各静電容量センサ12の中心と、基板6に設けられるメタルドームスイッチ7の中心軸とは揃うように配置されている。また、メタルドームスイッチ7とその積層方向に構成された静電容量センサ12の組み合わせを複数個並べて10キーを構成する点も図1と同様である。さらに、各静電容量センサ12は、基板11上に設けた配線パターン(図示せず)により静電容量を電圧に変換するC−V変換回路(図示せず)へそれぞれ接続される点も図1と同様である。
【0043】
(第3の実施例)
この実施例は、静電容量センサが設けられている第一基板の表面と、メタルドームスイッチが設けられている第二基板の表面とを対向するように配置したものである。
【0044】
図5は、第3の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチ30の模式的断面図を示す。図5においては、図1と同一の要素については同一の符号を付している。図5に示す電子機器の操作スイッチ30の基本的な構成や操作機構(動作)は、第1の実施例で説明したもの(図1の電子機器の操作スイッチ1)と同様であるので、以下では、第3の実施例に特徴的な構成についてのみ説明する。
【0045】
図5に示すように、静電容量センサ12が設けられている基板11(第一基板)と、メタルドームスイッチ7が設けられている基板6(第二基板)とは、静電容量センサ12及びメタルドームスイッチ7が向かい合いようにして対向して配置されている。そして、静電容量センサ12及びメタルドームスイッチ7の間には、メタルドーム9の頂点に対向する部分に配置されるようにして突起10が存在している。また、本実施例においては、基板6のうち、メタルドームスイッチ7を支持する部分を基板6のその他の部分から柔軟に支持された構造とする必要はない。
【0046】
その他の構成は、図1に示される電子機器の操作スイッチ1と同様とすればよいので、ここでの説明は省略する。
【0047】
(第4の実施例)
この実施例は、静電容量センサが設けられている第一基板の表面と、メタルドームスイッチが設けられている第二基板の裏面とを対向するように配置したものである。
【0048】
図6は、第4の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチ40の模式的断面図を示す。図6においては、図1と同一の要素については同一の符号を付している。図6に示す電子機器の操作スイッチ1の基本的な構成や操作機構(動作)は、第1の実施例で説明したもの(図1の電子機器の操作スイッチ1)と同様であるので、以下では、第4の実施例に特徴的な構成についてのみ説明する。
【0049】
図6に示すように、静電容量センサ12が設けられている基板11(第一基板)と、メタルドームスイッチ7が設けられている基板6(第二基板)とは、静電容量センサ12が基板6の裏面(メタルドームスイッチ7が設けられていない側の面)に接するように設けられている。そして、メタルドーム7の頂点に対向する台座5に突起10を配置している。また、本実施例においては、メタルドームスイッチ7が設けられた基板6の当該メタルドームスイッチ配置部分(基板6における、メタルドームスイッチ7を支持するそれぞれの部分)も、当該配置部分以外の部分(基板6のその他の部分)から柔軟に支持される構造となっている。
【0050】
その他の構成は、図1に示される電子機器の操作スイッチ1と同様とすればよいので、ここでの説明は省略する。
【0051】
[第二の実施形態]
本実施形態においては、操作ボタンと、当該操作ボタンの操作に対して静電容量が連続的に変化する形状要素を含む静電容量センサと、メタルドームスイッチと、が配置されている電子機器の操作スイッチにおいて、静電容量センサとメタルドームスイッチとが両面基板の表裏にそれぞれ設けられている。つまり、本実施形態においては、1枚の基板の表(又は裏)に静電容量センサを設け、この基板の裏(又は表)にメタルドームスイッチを設ける。本実施形態においては、用いる基板が1枚となる。本実施形態は、別々の基板により組み合わせた場合(第一の実施形態)と比較して、実装スペースが更に小さくでき、操作部を小型化できるという利点がある。このような電子機器の操作スイッチの具体例について以下説明する。
【0052】
(第1の実施例)
図7は、第1の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチ50の模式的断面図を示す。また、図8は、第1の実施例に用いられる携帯電話の模式的平面図を示している。図7、8において、図1と同一の要素については図1と同一の符号を付している。
【0053】
図7に示す電子機器の操作スイッチ50の基本的な構成は、基板、静電容量センサ、及びメタルドームスイッチ周辺の構成以外は、第一の実施形態(第一の実施例として説明した図1〜3の電子機器の操作スイッチ1)と同様である。また、ジョグの選択や決定の操作機構(動作)についても、基本的には第一の実施形態(第一の実施例として説明した図1〜3の電子機器の操作スイッチ1)と同様である。
【0054】
以下、図7、8に従って、第1の実施例について説明する。図7に示すように、背面筐体2上に、装置本来の機能を有するメイン基板3が取り付けられる。メイン基板3は、メイン基板3の実装部品と干渉しない高さに設定された台座5の中に配置され、台座5及びメイン基板3は、台座爪4により固定されている。そして、台座5の上に、複数のメタルドームスイッチ7が下面に設けられ、かつ、複数の静電容量センサ12が上面に設けられた基板17(両面基板)が配置されている。
【0055】
より具体的には、基板17の片面(この面を下面又は裏面ということがある。)には、複数のメタルドームスイッチ7が設けられる。メタルドームスイッチ7は、基板17の下面に設けられた同心円状の一対の電極を有する電極部8と、この電極と同軸に設けられ、その円周部が上記一対の電極の外側に位置する電極と接触して配置されるメタルドーム9と、からなる。メタルドームスイッチ7としては、従来用いられているものと同様のものを用いればよいため、ここでの説明は省略する。一方、台座5の上面には、押し子となる複数の突起10が設けられている。これら突起10は、基板17の下面に配置されることとなる複数のメタルドーム9の頂点と対向する位置にそれぞれ配置される。突起10とメタルドーム9とは接触することとなるが、メタルドーム9が座屈しないように、台座5と基板17との間隔が調整される。
【0056】
基板17のもう一方の面(この面を上面又は表面ということがある。)には、検出電極12a、12bから構成される静電容量センサ12が複数設けられている。そして、各10キーに相当するそれぞれの静電容量センサ12上には操作ボタン13がそれぞれ複数配置され、操作ボタン13の上方から前面筐体14により固定される。つまり、操作ボタン13と静電容量センサ12とが一対一で対応するようになっている。
【0057】
そして、基板17の一部はメイン基板3との信号接続をするために、柔軟な接続構造部15となっている。接続構造部15の構造例としては、例えばFPCが用いられる。なお、図7には図示していないが、基板17の両面にはそれぞれ操作スイッチに関わる信号を伝達する回路が形成されている。特に、各静電容量センサ12は基板17上に設けた配線パターン(図示せず)により静電容量を電圧に変換するC−V変換回路(図示せず)へそれぞれ接続されている。静電容量検出に関するC−V変換回路については、当業者にとってよく知られているものを用いればよいため、ここでの説明は省略する。
【0058】
図7に示されるように、電子機器の操作スイッチ50において、各静電容量センサ12の中心(検出電極12a、12bの中心)と、各メタルドームスイッチ7の中心軸とが揃うように配置されている。そして、このメタルドームスイッチ7とその積層方向に構成された静電容量センサ12の組み合わせを複数個並べて10キーを構成している。加えて、図7においては、各操作ボタン13の中心と、各メタルドームスイッチ7の中心軸とが揃うように配置されている。結果として、操作ボタン13と静電容量センサ12とメタルドームスイッチ7とがこの順で配置されて一組となり、10キーの一つに相当するようになっている。
【0059】
次に、静電容量センサ12、基板17、及び前面筐体14についてより詳しく説明する。図8は、携帯電話の模式的な平面図を示す。さらに図8には、上記携帯電話における前面筐体14の模式的な拡大図で、かつ、図7の電子機器の操作スイッチ50部分を前面筐体14側から透視した模式的平面図が示されている。図8において、図1と同一の要素については図1と同一の符号を付している。
【0060】
図8に示すように、静電容量センサ12は一組の検出電極12a、12bから構成されている。そして、静電容量センサ12が設けられた基板17の当該静電容量センサ配置部分(各静電容量センサ12それぞれを支持する基板17の部分)は、当該配置部分以外の部分(基板17の他の部分)から柔軟に支持される構造となっている。これは、指16で各操作ボタン13を押下した場合に、メタルドームスイッチ7を動作可能とするためである。また、メタルドームスイッチ7の動作を確実にするために、メタルドーム9の中心軸は静電容量センサ12の中心と一致するように配置される。
【0061】
図7、8に示す電子機器の操作スイッチ50の操作機構(動作)は、上述の通り、第一の実施形態(第一の実施例として説明した図1〜3の電子機器の操作スイッチ1)で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0062】
(第2の実施例:静電容量センサの形状要素のバリエーション)
上記第1の実施例においては、静電容量センサは、一対の検出電極から構成している(第一の実施形態で説明した静電容量センサにおいても同様)。しかしながら、本発明においては、静電容量センサとして様々な形状のものを用いることができる。例えば、操作ボタン1つに対し、前記静電容量の変化を検出可能な電極が2つ以上設けられて前記静電容量センサを形成していてもよい。
【0063】
また、静電容量センサの形状要素が、静電容量の変化を検出可能な電極パターンを含むようにしてもよい。そのような具体例のいくつかについて以下説明する。なお、以下説明する静電容量センサのバリエーションは、便宜上第二の実施形態における実施例の一つとしてそれぞれ説明するが、以下の静電容量センサの形状要素のバリエーションが、第一の実施形態に適用できることはいうまでもない。
【0064】
(第1のバリエーション)
図9は、電極パッドを静電容量センサとして用いた場合における、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。より具体的には、図9(a)は電子機器の操作スイッチの断面模式図を示し、図9(b)は、静電容量センサ(電極パッド18)で検出される静電容量の変化を説明するための模式図を示す。図9において図7と同一の要素については、図7と同一の符号を付している。
【0065】
図9(a)に示す電子機器の操作スイッチ60は、静電容量センサとして一枚の電極パッド18を用いる。つまり、基板17上に配置された静電容量センサを、各キーに対して一枚の電極パッド18として配置しジョグとして使用している。この構成以外は、上記第1の実施例(図7、8)と同様の構成を用いている。このため、以下では、図9(a)に示すように、指16を前面筐体14(電極パッド18)上を移動させた場合に検出される静電容量の変化についてのみ説明する。
【0066】
基板17上の電極パッド18の静電容量は操作により変化する。この変化量を予め求めておき、変化量の範囲内で検出される静電容量に対して入力候補等を対応させておくことにより入力の選択や、表示状態の変更が可能となる。そして、図9(a)に示す指16の移動により、上記予め求めておいた静電容量の変化に対応する、静電容量の変化が起こった場合には、入力候補の表示や表示状態の変更を行う。例えば、図9(b)では、静電容量の変化に対応してサ行の各文字が表示されるような設定がなされている。
【0067】
これにより、静電容量センサの検出電極が1つでもジョグとしての動作が可能となり、実装の省スペース化、ローコスト化の利点がある。
【0068】
(第2のバリエーション)
本バリエーションでは、前記静電容量センサの形状要素として、静電容量の変化を検出可能な電極が設けられた基板の基板面からこの電極の電極面までの距離が、平面視した一方から他方に向かって連続的に減少又は増大する電極パターンを用いている。本バリエーションの具体例につき、図10を用いて説明する。
【0069】
図10は、基板表面から電極パッドまでの距離を基板厚み方向に連続的に変化させて配置し、静電容量センサとして用いた場合における、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。より具体的には、図10(a)は電子機器の操作スイッチの断面模式図を示し、図10(b)は、静電容量センサ(電極パッド19)で検出される静電容量の変化を説明するための模式図を示す。図10において図7と同一の要素については、図7と同一の符号を付している。
【0070】
図10は、各10キーにそれぞれ対応する静電容量センサとして、一枚の電極パッド19を用いているが、指16の移動方向に沿って指と電極パッド19までの距離とが徐々に短くなるような配置を用いている。したがって、電極パッド19は段階的に基板17に埋め込まれるようになっている。これらの構成以外は、上記第1の実施例(図7、8)と同様の構成を用いている。このため、以下では、図10(a)に示すように指16を前面筐体14(電極パッド19)上を移動させた場合に検出される静電容量の変化についてのみ説明する。
【0071】
図10(a)では、基板17に設けられた電極パット19(静電容量センサ)の上面から基板17の表面までの距離を変化させて配置している。これにより、図10(a)中の指16の移動に対して指16と電極パッド19との基板17の厚み方向の相対距離が変化する。その結果、検出される静電容量が変化する。この容量変化を利用すれば、変化量の範囲内で検出される静電容量に対して入力候補等を対応させておくことにより入力の選択や、表示状態の変更が可能となる。
【0072】
(第3のバリエーション)
本バリエーションでは、前記静電容量センサの形状要素として、静電容量の変化を検出可能な電極の幅が、平面視した一方から他方に向かって連続的に縮小又は拡大する電極パターンを用いている。本バリエーションの具体例につき、図11を用いて説明する。
【0073】
図11は、台形形状の電極パッドを静電容量センサとして用いた場合における、電子機器の操作スイッチの模式的断面図と携帯電話の平面図を示す。より具体的には、図11(a)は電子機器の操作スイッチの断面模式図を示し、図11(b)は、図11(a)の電子機器の操作スイッチを含む携帯電話の平面図、及び前面筐体14を拡大して透視した模式的平面図を示す。図11において図7と同一の要素については、図7と同一の符号を付している。
【0074】
図11は、各10キーにそれぞれ対応する静電容量センサとして、一枚の電極パッド21を用いているが、操作方向に沿って電極パッド21の幅が徐々に変化する形状を用いている。より具体的には、電極パット21は、図11(b)に示すように等脚台形の形状を有している。この構成以外は、上記第1の実施例(図7、8)と同様の構成を用いている。このため、以下では、図11(b)に示す操作方向に、指を前面筐体14(電極パッド19)上を移動させた場合に検出される静電容量の変化について説明する。
【0075】
図11(b)のように指の直線移動(操作方向)に対し、検出される静電容量が連続的に変化するように、電極パッド21の形状を制御しているので、操作者の指と電極パッド21との相対位置により指と電極パッド21との対向する面積が変化することが分かる。これにより矢印の操作方向に指を移動させた時、静電容量が変化しジョグとしての動作が可能となる。
【0076】
(第3の実施例:メタルドームスイッチの配置変化)
上記第1の実施例、第2の実施例においては、「メタルドームスイッチとその積層方向に構成された静電容量センサの組み合わせを複数個並べて10キーを構成」している(第一の実施形態においても同様)。つまり、10キー一つ一つに対して、静電容量センサ及びメタルドームスイッチを一組ずつ用いている。
【0077】
しかし、本発明においては、必ずしも静電容量センサとメタルドームスイッチを一組として用いる必要はない。例えば、静電容量センサが基板の表面に複数設けられ、メタルドームスイッチが上記基板の裏面に少なくとも1つ設けられる、という実施例を用いることもできる。このような実施例について以下説明する。なお、以下の説明は、便宜上第二の実施形態における実施例の一つとして説明するが、以下説明する技術を第一の実施形態に適用できることはいうまでもない。第一の実施形態に適用する場合、静電容量センサが第一基板の表面に複数設けられ、メタルドームスイッチが第二基板の表面に少なくとも1つ設けられる、という実施形態となる。
【0078】
図12には、メタルドームスイッチの配置を変化させた電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。図12において、図7と同一の要素については、図7と同一の符号を付している。
【0079】
図12に示すように、メタルドームスイッチ7は、基板17(両面基板)において複数の静電容量センサ12が設けられた面とは反対側の面に少なくとも1個配置される。基板17は操作ボタン13に関わる信号をメイン基板3へ伝達する回路部分(接続構造部15)を除き、メタルドームスイッチ7のメタルドーム9を座屈させるのに十分な基板強度(メタルドームスイッチ7をON/OFFさせるに足りる強度)を有する。基板17の信号伝達部は、接続構造部15を介してメイン基板3と柔軟に接続される。これにより各キーに配置された静電容量センサ12でジョグ機能を、基板17全体を押下することで決定動作を行うことが可能となる。またメタルドーム9の座屈により接点が接続されると同時にクリック感触を得ることもできる。
【0080】
このように、本実施例では、メタルドームスイッチ7をそれぞれのキーの数に対して省略できるので、構造が単純でローコスト化できるという効果が得られる。
【0081】
[その他]
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々設計変更を行うことができる。例えば、メタルドーム9として、導電性の物質(例えば導電性ゴム)を用いることもできる。また、上記実施形態では、操作ボタンが10キーの場合について説明したが、操作ボタンを12キーとしてもよいことはいうまでもない。
【0082】
本発明の携帯機器の操作機構はPC、PDA、携帯電話、デジタルカメラ、DVC、音楽端末等携帯機器全般に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の活用例としては、携帯電話、ウエアラブルPC、PDA等標準でフルキーボードが付随していない携帯情報端末に有効である。
【符号の説明】
【0084】
1、20、30、40、50、60、70、80、90 電子機器の操作スイッチ
2 背面筐体
3 メイン基板
4 台座爪
5 台座
6、11、17 基板
7 メタルドームスイッチ
8 電極部
9 メタルドーム
10 突起
12 静電容量センサ
12a、12b 検出電極
13 操作ボタン
14 前面筐体
15 接続構造部
16 指
18、19、21 電極パッド
100 従来の携帯情報機器の操作スイッチ
101 メイン基板
102 台座
110 メタルドームスイッチ
111 基板
112 円形状電極
113 リング状電極
114 電極部
115 メタルドーム
116 回路配線
117 突起
118 操作ボタン
119 前面筐体
160 指
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の操作スイッチ及び操作制御方法に関し、さらに詳しくは、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、音楽端末等の電子機器の操作スイッチ及び操作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話をはじめ多くの携帯情報機器の操作スイッチとして、図13、14に示すようなメタルドーム115を含むメタルドームスイッチ110(メンブレンスイッチという場合もある。)を利用したものが一般的に使用されている。図13は、従来の電子機器の操作スイッチの断面図を示し、図14は上記操作スイッチのうち、メタルドームスイッチ110の平面図を示す。
【0003】
図14に示すように、メタルドームスイッチ110は、基板111上に形成された円形状電極112及びリング状電極113からなる電極部114と、リング状電極113に周縁が接続するように配置されたメタルドーム115と、基板111上に形成されて前記電極部114に電気信号を伝える回路配線116とにより構成されている。こうしたメタルドームスイッチ110は、図13に示すように、基板111を支持する台座102上に基板111を下側にして取り付けられている。メタルドーム115の頂部には突起117が取り付けられ、その突起117上には前面筐体119に設けられた操作ボタン118が配置されている。こうした構造からなる操作スイッチ100は、単純な構造で信頼性が高いこと、及び、操作ボタン118が押下されてメタルドーム115が座屈することで円形状電極112とリング状電極113との導通が図れると同時に、好ましいクリック感触を発生させている。
【0004】
メタルドームスイッチ110の動作についてもう少し詳しく説明する。上述の通り、メタルドームスイッチ110においては、メタルドーム115の円周部が、基板111に同心円に配置された一対の電極部114における外側のリング状電極113と常時接触している。この状態からメタルドーム115のドーム頂点付近を基板111側へ押し付けることによりメタルドーム115は座屈変形を起こす。そして、メタルドーム115の頂点付近が、上記一対の電極部114の内側に位置する円形状電極112と接触し、メタルドーム115を介してリング状電極113と円形状電極112とが接続する。これをスイッチのON/OFFに利用している。メタルドーム115が座屈する時の押し込み荷重反力は操作者側に指を通してクリック感触として伝わり、操作感触が良いとされている。このクリック感触はメタルドーム115を突起117で押し付ける場合により感触が増幅されることが知られている。
【0005】
上記の操作スイッチとは別の操作スイッチとして、ダイヤル式のジョグが知られている(例えば特許文献1を参照)。特許文献1に記載のダイヤル式のジョグは、固定電話機に設けられたものであり、その回転によりディスプレイ画面に表示された文字や変換候補を選択するスクロール機能を提供したものであって、基板上にロータリーエンコーダを配置し、そのロータリーエンコーダに直結した回転ダイヤルを基本構造としている。特許文献1に示すジョグはさらにプッシュスイッチ等を備え、文字や変換候補の決定等を行うことができるが、部品点数が多く、また実装体積が大きいため、一装置あたり通常1つのジョグが搭載されている。
【0006】
更に別の操作スイッチとして、タッチセンサを使用した操作スイッチが知られている(例えば特許文献2を参照)。特許文献2に記載の操作スイッチは、基板上に形成された電極と、その上方に設けられたゴム板及び電極部とで構成されている。この操作スイッチは、アナログポインティングデバイス(又は4方向キー)に用いられ、操作時のゴム板の変形に伴う電極部と電極の静電容量変化を検出するスイッチとして機能する。こうした操作スイッチも、一装置あたり通常1セット搭載されている。
【0007】
携帯電話が普及するにつれて、メールやブラウザ機能が一般的に利用されるようになり、これまでの通話によるコミュニケーションよりもネットワークとしての情報送受といった利用が多くなってきている。それに伴い、携帯電話の操作スイッチを用いたテキスト入力の機会が増加し、携帯端末の日本語入力ソフトウエアにおいては、予測候補を出力する等の操作性を向上させる工夫が活発になされている。
【0008】
一方、携帯電話等の入力に関するメカニズムは従来から大きく変わっておらず、携帯電話に代表される10キー(「*」、「#」を含めて12キーと呼ばれることもある。)で日本語やその他文字情報を平易に入力する方法が行われている。
【0009】
例えば上記のメタルドームスイッチ等を操作スイッチとして利用した携帯電話では、文字(日本語やローマ字等)を入力する場合、キー操作により10キーに割振られた入力候補を順送りに変化させる方式が一般的である。例えば、「す」の文字を入力しようとした場合、通常の操作では「さ行」のキーを3回押下する(さ→し→す)ことにより選択する。しかしながら、誤って押下して「せ」まで送ってしまった場合には「さ行」のキーを改めて4回押下して「す」(せ→そ→さ→し→す)にしなければならないという煩雑さがある。一方、逆送り専用キーにより逆送りができる携帯電話もある。そうした携帯電話では、誤って「せ」まで送ってしまった場合、「す」を選択するためには逆送り専用キーを1回押下すれば良いが、そのために逆送りキーへ指を移さなければならないという煩雑さがある。こうした煩雑さは、メタルドームスイッチのようなメンブレンスイッチの入力信号がON/OFFの2値だけであり、順/逆の送り方向を示す信号がないことに起因する。
【0010】
他方、順/逆の送り方向を選択できる方式としてダイヤル式のジョグが知られているが、上述したように、方向を識別させるロータリーエンコーダを有するダイヤルと、決定動作を識別させるプッシュスイッチ(又はセンサ)とが配置されるため、部品点数が多く、構造が複雑でサイズが大きいという難点がある。そのため、携帯電話やモバイル機器では、1台に対して1つ搭載されているのが普通であり、10キー全てをジョグ化することは実装スペースの制約上不可能であった。
【0011】
なお、文字入力手段ではないが、携帯電話の表示画面に表したメニューを選択するカーソルを移動させるために、10キー領域に静電容量センサを設け、その10キー領域上を指でスライドさせる操作手段が提案されている(例えば特許文献3,4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−053854号公報(図2、図4)
【特許文献2】WO02/44649(図1〜図3)
【特許文献3】特開2002−196856号公報
【特許文献4】特開2004−334738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、好ましいクリック感触を発生させるメタルドームスイッチをジョグ化させた新しい操作スイッチの提供及び操作制御方法の提供を目的としたものであって、例えば携帯電話においては10キー(又は12キー)全てをジョグ化させて日本語その他の文字情報をより平易に入力できる操作スイッチ及びその操作制御方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための本発明に係る電子機器の操作スイッチは、筐体と、該筐体に対向して設けられ、該筐体上の操作により発生する信号を検出するセンサとを有し、
前記センサの幅が連続的に縮小又は拡大することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る電子機器の操作スイッチにおいて、前記センサが静電容量センサであり、前記信号が静電容量である。
【0016】
本発明に係る電子機器の操作スイッチにおいて、前記静電容量が、前記筐体上での操作に応じて連続的に変化する。
【0017】
本発明に係る電子機器の操作スイッチにおいて、前記筐体と前記センサとの間に該センサに対応する操作ボタンを有し、前記センサの下に前記操作ボタンに対応するメタルドームスイッチを有する。
【0018】
上記課題を解決するための本発明に係る電子機器の操作制御方法は、筐体上での操作により発生し、該操作に応じて連続的に変化する信号をセンサで検出し、
該検出した信号により予め設定されている入力候補の選択又は表示状態の変化を行うことを特徴とする。
【0019】
本発明に係る電子機器の操作制御方法において、前記センサが静電容量センサであり、前記信号が静電容量である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電子機器の操作スイッチ及び操作制御方法によれば、好ましいクリック感触を発生させるメタルドームスイッチをジョグ化させることができ、特に、例えば携帯電話においては10キー(又は12キー)全てをジョグ化させて日本語その他の文字情報のより平易な入力を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第一の実施形態における、第1の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図2】図1において基板及び静電容量センサの部分だけを抜き出した模式的平面図を示す。
【図3】静電容量センサで検出される静電容量の変化を説明するための模式図である。
【図4】第一の実施形態における、第2の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図5】第一の実施形態における、第3の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図6】第一の実施形態における、第4の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図7】第二の実施形態における、第1の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図8】第二の実施形態における、第1の実施例に用いられる携帯電話の模式的平面図を示している。
【図9】第二の実施形態における、電極パッドを静電容量センサとして用いた場合における、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図10】第二の実施形態における、基板表面から電極パッドまでの距離を基板厚み方向に連続的に変化させて配置し、静電容量センサとして用いた場合における、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図11】第二の実施形態における、台形形状の電極パッドを静電容量センサとして用いた場合における、電子機器の操作スイッチの模式的断面図と携帯電話の平面図を示す。
【図12】第二の実施形態における、メタルドームスイッチの配置を変化させた電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。
【図13】従来の電子機器の操作スイッチの断面図を示す。
【図14】図13に示す電子機器の操作スイッチのうち、メタルドームスイッチの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。但し、本発明は下記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変更できることはいうまでもない。
【0023】
[第一の実施形態]
本実施形態においては、操作ボタンと、当該操作ボタンの操作に対して静電容量が連続的に変化する形状要素を含む静電容量センサと、メタルドームスイッチと、が配置されている電子機器の操作スイッチにおいて、静電容量センサが第一基板の表面に、メタルドームスイッチが第二基板の表面に、それぞれ設けられる。つまり、本実施形態においては、静電容量センサ用の基板(第一基板)とメタルドームスイッチ用の基板(第二基板)とそれぞれ用いる。このような電子機器の操作スイッチの具体例(実施例)について以下説明する。
【0024】
(第1の実施例)
この実施例は、第一基板の裏面と、メタルドームスイッチが設けられている第二基板の表面とを対向するように配置したものである。
【0025】
図1は、第1の実施例に用いられる、携帯情報機器等の電子機器の操作スイッチ1の模式的断面図を示す。図1の電子機器の操作スイッチ1は、背面筐体2、メイン基板3、台座爪4、台座5、基板6、11、メタルドーム9及び電極部8から構成されるメタルドームスイッチ7、突起10、検出電極12a及び検出電極12bで構成される静電容量センサ12、操作ボタン13、前面筐体14、及び接続構造部15を有する。
【0026】
図1に示すように、背面筐体2上に、装置本来の機能を有するメイン基板3が取り付けられる。メイン基板3は、メイン基板3の実装部品と干渉しない高さに設定された台座5の中に配置され、台座5及びメイン基板3は、台座爪4により固定されている。そして、台座5の上に、複数のメタルドームスイッチ7が表面に設けられた基板6(第二基板)が配置されている。メタルドームスイッチ7は、基板6の表面に設けられた同心円状の一対の電極を有する電極部8と、この電極と同軸に設けられ、その円周部が上記一対の電極の外側に位置する電極と接触して配置されるメタルドーム9と、からなる。メタルドームスイッチ7としては、従来用いられているものと同様のものを用いればよいため、ここでの説明は省略する。
【0027】
さらに、図1に示すように、メタルドームスイッチ7の上方には基板11(第一基板)が配置され、基板11の下面には、各メタルドーム9の頂点と対向する位置に設置される押し子となる突起10が設けられている。突起10とメタルドーム9とは接触することとなるが、メタルドーム9が座屈しないように、基板11と基板6との間隔が調整される。一方、基板11の上面には、検出電極12a、12bから構成される静電容量センサ12が複数設けられている。そして、各10キーに相当するそれぞれの静電容量センサ12上には操作ボタン13がそれぞれ複数配置され、操作ボタン13の上方から前面筐体14により固定される。つまり、操作ボタン13と静電容量センサ12とが一対一で対応するようにしている。
【0028】
なお、静電容量センサ12としては、従来からよく知られているものを用いることができる。具体的には、静電容量センサ12としては、例えば、電極板や、基板上のパターンとそれらを接続した静電容量検出回路などを挙げることができる。
【0029】
そして、基板6、11の一部はメイン基板3との信号接続をするために、柔軟な接続構造部15となっている。接続構造部15は柔軟な接続部材となっており、その構造例としては例えばFPCが用いられる。なお、図1には図示していないが、基板6、11にはそれぞれ操作スイッチに関わる信号を伝達する回路が形成されている。特に、各静電容量センサ12は基板11上に設けた配線パターン(図示せず)により静電容量を電圧に変換するC−V変換回路(図示せず)へそれぞれ接続されている。静電容量検出に関するC−V変換回路については、当業者にとってよく知られているものを用いればよいため、ここでの説明は省略する。
【0030】
図1に示されるように、電子機器の操作スイッチ1において、各静電容量センサ12の中心(検出電極12a、12bの中心)と、各メタルドームスイッチ7の中心軸とが揃うように配置されている。そして、このメタルドームスイッチ7とその積層方向に構成された静電容量センサ12の組み合わせを複数個並べて10キーを構成している。加えて、図1においては、各操作ボタン13の中心と、各メタルドームスイッチ7の中心軸とが揃うように配置されている。結果として、操作ボタン13と静電容量センサ12とメタルドームスイッチ7とがこの順で配置され、これが一組となって10キーの一つに相当するようになっている。
【0031】
次に、静電容量センサ12及び基板11についてより詳しく説明する。図2は、図1において基板11及び静電容量センサ12の部分だけを抜き出した模式的平面図を示す。図2において、図1と同一の要素には図1と同一の符号を付している。図2に示すように、静電容量センサ12は一組の検出電極12a、12bから構成されている。そして、静電容量センサ12が設けられた基板11の当該静電容量センサ配置部分(各静電容量センサ12それぞれを支持する基板11の部分)は、当該配置部分以外の部分(基板11の他の部分)に対して柔軟に支持されている構造となっている。これは、指16で各操作ボタン13を押下した場合に、メタルドームスイッチ7を動作可能とするためである。
【0032】
次に、電子機器の操作スイッチ1の操作機構について説明する。図1において、操作者の指16が10キーのある操作ボタン13に近づくと基板11上に設けられた静電容量センサ12に容量変化が生じる。そして、静電容量の変化はC−V変換回路(図1には不図示)で電圧に変換され基板11の回路及び接続構造部15を通じてメイン基板3の制御回路(図1には不図示)に伝達される。
【0033】
図1、2に示すように、メタルドームスイッチ7の中心軸に対して、一対の検出電極12a、12bを対称に設けて静電容量センサ12を構成している。このため、ある一つのキーに指を近づけた際に、上記一対の検出電極12a、12bを有する静電容量センサ12から静電容量に対応した電圧が得られる。この状態について、以下により具体的に説明する。
【0034】
図3は、静電容量センサで検出される静電容量の変化を説明するための模式図である。より具体的には、図3(a)は、電子機器の操作スイッチ1の模式的断面図であるが、ある一つのキー上で、指16を検出電極12aから検出電極12bの方向に移動させた状態を示すものである。一方、図3(b)は、上記指16の動きに伴って、検出電極12a、12bで検出される静電容量の変化をそれぞれ示したものである。図3において、図1と同じ要素については同一の符号を付している。
【0035】
図3に示すように、検出電極12aから検出電極12bの方向へ指16を移動させた場合、指16の移動に伴って、検出電極12bの静電容量は増加し、逆に検出電極12aの静電容量は低下する。この静電容量の変化量を指16の移動方向と関連つけることにより、方向成分を持ったジョグとして使用することが可能となる。
【0036】
以上のようにして、静電容量センサ12で検出した静電容量の変化が、予め設定されている入力候補を選択する又は表示状態を変化させるジョグ機能として動作可能となる。ここで、上記静電容量変化を示す検知信号は、静電容量の差分値に対応するようになっている。なお、静電容量センサ12は複数個並んで構成されているため、スイッチの前後/左右等隣り合うキーに対しても同様にジョグとして作用させることもできる。
【0037】
次に、上記ジョグにより選択された入力候補を決定する場合の動作について説明する。指16の検出電極12aから検出電極12bへの移動により所望の入力候補が得られたところで、指16により操作ボタン13を下方に押下する。この操作ボタン13の押下により、ジョグとして使われている静電容量センサ12の下方に配置される基板6上に形成されたメタルドームスイッチ7が押し込まれることとなる(図3(a)参照)。これによって、メタルドーム9は基板11に形成された突起7により押されて座屈し、電極部8における同心円状の一対の電極がメタルドーム9により短絡されてスイッチが接続する。同時に座屈時の荷重変化が操作者に対してはクリック感触として伝達される。図1、2に示すように、静電容量センサ12が設けられた基板11の当該静電容量センサ配置部分(静電容量センサ12を支持する基板11の部分)が、当該配置部分以外の部分(基板11の他の部分)から柔軟に支持されているため、メタルドームスイッチ7の押し込み動作の際に、該当するメタルドームスイッチ7のみが押し込まれ、その他の部分は押し込み動作の影響を受けにくい。
【0038】
(第2の実施例)
この実施例は、第一基板の裏面と、第二基板の裏面とを対向するように配置したものである。
【0039】
図4は、第2の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチ20の模式的断面図を示す。図4においては、図1と同一の要素については同一の符号を付している。図4に示す電子機器の操作スイッチ20の基本的な構成や操作機構(動作)は、第1の実施例で説明したもの(図1の電子機器の操作スイッチ1)と同様であるので、以下では、第2の実施例に特徴的な構成についてのみ説明する。
【0040】
図4に示すように、静電容量センサ12が設けられている基板11(第一基板)と、メタルドームスイッチ7が設けられている基板6(第二基板)とは、それぞれの基板の裏面が接するように配置されている。これにより、基板11の裏面と基板6の裏面とが対向して配置されることになる。また、メタルドーム9の頂点と対向する位置に設置される突起10は、台座5に設けられることとなる。そして、基板6と台座5との間隔は、突起10によりメタルドーム9が座屈しない程度の間隔を確保する。
【0041】
さらに、本実施例では、基板11の裏面と基板6の裏面とを接するようにしたことに伴い、以下の構成を採用している。つまり、各10キーに対応するそれぞれのメタルドームスイッチ7の押下を単独でスムースに行うために、静電容量センサ12が設けられた基板11の当該静電容量センサ配置部分(基板11における、各静電容量センサ12を支持するそれぞれの部分)が、当該配置部分以外の部分(基板11のその他の部分)から柔軟に支持される構造となっているのみならず、基板6における、メタルドームスイッチ7を支持するそれぞれの部分も、基板6のその他の部分から柔軟に支持される構造となっている。
【0042】
その他の構成は、図1に示される電子機器の操作スイッチ1と同様とすればよい。例えば、図4においても、基板11に設けられる各静電容量センサ12の中心と、基板6に設けられるメタルドームスイッチ7の中心軸とは揃うように配置されている。また、メタルドームスイッチ7とその積層方向に構成された静電容量センサ12の組み合わせを複数個並べて10キーを構成する点も図1と同様である。さらに、各静電容量センサ12は、基板11上に設けた配線パターン(図示せず)により静電容量を電圧に変換するC−V変換回路(図示せず)へそれぞれ接続される点も図1と同様である。
【0043】
(第3の実施例)
この実施例は、静電容量センサが設けられている第一基板の表面と、メタルドームスイッチが設けられている第二基板の表面とを対向するように配置したものである。
【0044】
図5は、第3の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチ30の模式的断面図を示す。図5においては、図1と同一の要素については同一の符号を付している。図5に示す電子機器の操作スイッチ30の基本的な構成や操作機構(動作)は、第1の実施例で説明したもの(図1の電子機器の操作スイッチ1)と同様であるので、以下では、第3の実施例に特徴的な構成についてのみ説明する。
【0045】
図5に示すように、静電容量センサ12が設けられている基板11(第一基板)と、メタルドームスイッチ7が設けられている基板6(第二基板)とは、静電容量センサ12及びメタルドームスイッチ7が向かい合いようにして対向して配置されている。そして、静電容量センサ12及びメタルドームスイッチ7の間には、メタルドーム9の頂点に対向する部分に配置されるようにして突起10が存在している。また、本実施例においては、基板6のうち、メタルドームスイッチ7を支持する部分を基板6のその他の部分から柔軟に支持された構造とする必要はない。
【0046】
その他の構成は、図1に示される電子機器の操作スイッチ1と同様とすればよいので、ここでの説明は省略する。
【0047】
(第4の実施例)
この実施例は、静電容量センサが設けられている第一基板の表面と、メタルドームスイッチが設けられている第二基板の裏面とを対向するように配置したものである。
【0048】
図6は、第4の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチ40の模式的断面図を示す。図6においては、図1と同一の要素については同一の符号を付している。図6に示す電子機器の操作スイッチ1の基本的な構成や操作機構(動作)は、第1の実施例で説明したもの(図1の電子機器の操作スイッチ1)と同様であるので、以下では、第4の実施例に特徴的な構成についてのみ説明する。
【0049】
図6に示すように、静電容量センサ12が設けられている基板11(第一基板)と、メタルドームスイッチ7が設けられている基板6(第二基板)とは、静電容量センサ12が基板6の裏面(メタルドームスイッチ7が設けられていない側の面)に接するように設けられている。そして、メタルドーム7の頂点に対向する台座5に突起10を配置している。また、本実施例においては、メタルドームスイッチ7が設けられた基板6の当該メタルドームスイッチ配置部分(基板6における、メタルドームスイッチ7を支持するそれぞれの部分)も、当該配置部分以外の部分(基板6のその他の部分)から柔軟に支持される構造となっている。
【0050】
その他の構成は、図1に示される電子機器の操作スイッチ1と同様とすればよいので、ここでの説明は省略する。
【0051】
[第二の実施形態]
本実施形態においては、操作ボタンと、当該操作ボタンの操作に対して静電容量が連続的に変化する形状要素を含む静電容量センサと、メタルドームスイッチと、が配置されている電子機器の操作スイッチにおいて、静電容量センサとメタルドームスイッチとが両面基板の表裏にそれぞれ設けられている。つまり、本実施形態においては、1枚の基板の表(又は裏)に静電容量センサを設け、この基板の裏(又は表)にメタルドームスイッチを設ける。本実施形態においては、用いる基板が1枚となる。本実施形態は、別々の基板により組み合わせた場合(第一の実施形態)と比較して、実装スペースが更に小さくでき、操作部を小型化できるという利点がある。このような電子機器の操作スイッチの具体例について以下説明する。
【0052】
(第1の実施例)
図7は、第1の実施例に用いられる、電子機器の操作スイッチ50の模式的断面図を示す。また、図8は、第1の実施例に用いられる携帯電話の模式的平面図を示している。図7、8において、図1と同一の要素については図1と同一の符号を付している。
【0053】
図7に示す電子機器の操作スイッチ50の基本的な構成は、基板、静電容量センサ、及びメタルドームスイッチ周辺の構成以外は、第一の実施形態(第一の実施例として説明した図1〜3の電子機器の操作スイッチ1)と同様である。また、ジョグの選択や決定の操作機構(動作)についても、基本的には第一の実施形態(第一の実施例として説明した図1〜3の電子機器の操作スイッチ1)と同様である。
【0054】
以下、図7、8に従って、第1の実施例について説明する。図7に示すように、背面筐体2上に、装置本来の機能を有するメイン基板3が取り付けられる。メイン基板3は、メイン基板3の実装部品と干渉しない高さに設定された台座5の中に配置され、台座5及びメイン基板3は、台座爪4により固定されている。そして、台座5の上に、複数のメタルドームスイッチ7が下面に設けられ、かつ、複数の静電容量センサ12が上面に設けられた基板17(両面基板)が配置されている。
【0055】
より具体的には、基板17の片面(この面を下面又は裏面ということがある。)には、複数のメタルドームスイッチ7が設けられる。メタルドームスイッチ7は、基板17の下面に設けられた同心円状の一対の電極を有する電極部8と、この電極と同軸に設けられ、その円周部が上記一対の電極の外側に位置する電極と接触して配置されるメタルドーム9と、からなる。メタルドームスイッチ7としては、従来用いられているものと同様のものを用いればよいため、ここでの説明は省略する。一方、台座5の上面には、押し子となる複数の突起10が設けられている。これら突起10は、基板17の下面に配置されることとなる複数のメタルドーム9の頂点と対向する位置にそれぞれ配置される。突起10とメタルドーム9とは接触することとなるが、メタルドーム9が座屈しないように、台座5と基板17との間隔が調整される。
【0056】
基板17のもう一方の面(この面を上面又は表面ということがある。)には、検出電極12a、12bから構成される静電容量センサ12が複数設けられている。そして、各10キーに相当するそれぞれの静電容量センサ12上には操作ボタン13がそれぞれ複数配置され、操作ボタン13の上方から前面筐体14により固定される。つまり、操作ボタン13と静電容量センサ12とが一対一で対応するようになっている。
【0057】
そして、基板17の一部はメイン基板3との信号接続をするために、柔軟な接続構造部15となっている。接続構造部15の構造例としては、例えばFPCが用いられる。なお、図7には図示していないが、基板17の両面にはそれぞれ操作スイッチに関わる信号を伝達する回路が形成されている。特に、各静電容量センサ12は基板17上に設けた配線パターン(図示せず)により静電容量を電圧に変換するC−V変換回路(図示せず)へそれぞれ接続されている。静電容量検出に関するC−V変換回路については、当業者にとってよく知られているものを用いればよいため、ここでの説明は省略する。
【0058】
図7に示されるように、電子機器の操作スイッチ50において、各静電容量センサ12の中心(検出電極12a、12bの中心)と、各メタルドームスイッチ7の中心軸とが揃うように配置されている。そして、このメタルドームスイッチ7とその積層方向に構成された静電容量センサ12の組み合わせを複数個並べて10キーを構成している。加えて、図7においては、各操作ボタン13の中心と、各メタルドームスイッチ7の中心軸とが揃うように配置されている。結果として、操作ボタン13と静電容量センサ12とメタルドームスイッチ7とがこの順で配置されて一組となり、10キーの一つに相当するようになっている。
【0059】
次に、静電容量センサ12、基板17、及び前面筐体14についてより詳しく説明する。図8は、携帯電話の模式的な平面図を示す。さらに図8には、上記携帯電話における前面筐体14の模式的な拡大図で、かつ、図7の電子機器の操作スイッチ50部分を前面筐体14側から透視した模式的平面図が示されている。図8において、図1と同一の要素については図1と同一の符号を付している。
【0060】
図8に示すように、静電容量センサ12は一組の検出電極12a、12bから構成されている。そして、静電容量センサ12が設けられた基板17の当該静電容量センサ配置部分(各静電容量センサ12それぞれを支持する基板17の部分)は、当該配置部分以外の部分(基板17の他の部分)から柔軟に支持される構造となっている。これは、指16で各操作ボタン13を押下した場合に、メタルドームスイッチ7を動作可能とするためである。また、メタルドームスイッチ7の動作を確実にするために、メタルドーム9の中心軸は静電容量センサ12の中心と一致するように配置される。
【0061】
図7、8に示す電子機器の操作スイッチ50の操作機構(動作)は、上述の通り、第一の実施形態(第一の実施例として説明した図1〜3の電子機器の操作スイッチ1)で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0062】
(第2の実施例:静電容量センサの形状要素のバリエーション)
上記第1の実施例においては、静電容量センサは、一対の検出電極から構成している(第一の実施形態で説明した静電容量センサにおいても同様)。しかしながら、本発明においては、静電容量センサとして様々な形状のものを用いることができる。例えば、操作ボタン1つに対し、前記静電容量の変化を検出可能な電極が2つ以上設けられて前記静電容量センサを形成していてもよい。
【0063】
また、静電容量センサの形状要素が、静電容量の変化を検出可能な電極パターンを含むようにしてもよい。そのような具体例のいくつかについて以下説明する。なお、以下説明する静電容量センサのバリエーションは、便宜上第二の実施形態における実施例の一つとしてそれぞれ説明するが、以下の静電容量センサの形状要素のバリエーションが、第一の実施形態に適用できることはいうまでもない。
【0064】
(第1のバリエーション)
図9は、電極パッドを静電容量センサとして用いた場合における、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。より具体的には、図9(a)は電子機器の操作スイッチの断面模式図を示し、図9(b)は、静電容量センサ(電極パッド18)で検出される静電容量の変化を説明するための模式図を示す。図9において図7と同一の要素については、図7と同一の符号を付している。
【0065】
図9(a)に示す電子機器の操作スイッチ60は、静電容量センサとして一枚の電極パッド18を用いる。つまり、基板17上に配置された静電容量センサを、各キーに対して一枚の電極パッド18として配置しジョグとして使用している。この構成以外は、上記第1の実施例(図7、8)と同様の構成を用いている。このため、以下では、図9(a)に示すように、指16を前面筐体14(電極パッド18)上を移動させた場合に検出される静電容量の変化についてのみ説明する。
【0066】
基板17上の電極パッド18の静電容量は操作により変化する。この変化量を予め求めておき、変化量の範囲内で検出される静電容量に対して入力候補等を対応させておくことにより入力の選択や、表示状態の変更が可能となる。そして、図9(a)に示す指16の移動により、上記予め求めておいた静電容量の変化に対応する、静電容量の変化が起こった場合には、入力候補の表示や表示状態の変更を行う。例えば、図9(b)では、静電容量の変化に対応してサ行の各文字が表示されるような設定がなされている。
【0067】
これにより、静電容量センサの検出電極が1つでもジョグとしての動作が可能となり、実装の省スペース化、ローコスト化の利点がある。
【0068】
(第2のバリエーション)
本バリエーションでは、前記静電容量センサの形状要素として、静電容量の変化を検出可能な電極が設けられた基板の基板面からこの電極の電極面までの距離が、平面視した一方から他方に向かって連続的に減少又は増大する電極パターンを用いている。本バリエーションの具体例につき、図10を用いて説明する。
【0069】
図10は、基板表面から電極パッドまでの距離を基板厚み方向に連続的に変化させて配置し、静電容量センサとして用いた場合における、電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。より具体的には、図10(a)は電子機器の操作スイッチの断面模式図を示し、図10(b)は、静電容量センサ(電極パッド19)で検出される静電容量の変化を説明するための模式図を示す。図10において図7と同一の要素については、図7と同一の符号を付している。
【0070】
図10は、各10キーにそれぞれ対応する静電容量センサとして、一枚の電極パッド19を用いているが、指16の移動方向に沿って指と電極パッド19までの距離とが徐々に短くなるような配置を用いている。したがって、電極パッド19は段階的に基板17に埋め込まれるようになっている。これらの構成以外は、上記第1の実施例(図7、8)と同様の構成を用いている。このため、以下では、図10(a)に示すように指16を前面筐体14(電極パッド19)上を移動させた場合に検出される静電容量の変化についてのみ説明する。
【0071】
図10(a)では、基板17に設けられた電極パット19(静電容量センサ)の上面から基板17の表面までの距離を変化させて配置している。これにより、図10(a)中の指16の移動に対して指16と電極パッド19との基板17の厚み方向の相対距離が変化する。その結果、検出される静電容量が変化する。この容量変化を利用すれば、変化量の範囲内で検出される静電容量に対して入力候補等を対応させておくことにより入力の選択や、表示状態の変更が可能となる。
【0072】
(第3のバリエーション)
本バリエーションでは、前記静電容量センサの形状要素として、静電容量の変化を検出可能な電極の幅が、平面視した一方から他方に向かって連続的に縮小又は拡大する電極パターンを用いている。本バリエーションの具体例につき、図11を用いて説明する。
【0073】
図11は、台形形状の電極パッドを静電容量センサとして用いた場合における、電子機器の操作スイッチの模式的断面図と携帯電話の平面図を示す。より具体的には、図11(a)は電子機器の操作スイッチの断面模式図を示し、図11(b)は、図11(a)の電子機器の操作スイッチを含む携帯電話の平面図、及び前面筐体14を拡大して透視した模式的平面図を示す。図11において図7と同一の要素については、図7と同一の符号を付している。
【0074】
図11は、各10キーにそれぞれ対応する静電容量センサとして、一枚の電極パッド21を用いているが、操作方向に沿って電極パッド21の幅が徐々に変化する形状を用いている。より具体的には、電極パット21は、図11(b)に示すように等脚台形の形状を有している。この構成以外は、上記第1の実施例(図7、8)と同様の構成を用いている。このため、以下では、図11(b)に示す操作方向に、指を前面筐体14(電極パッド19)上を移動させた場合に検出される静電容量の変化について説明する。
【0075】
図11(b)のように指の直線移動(操作方向)に対し、検出される静電容量が連続的に変化するように、電極パッド21の形状を制御しているので、操作者の指と電極パッド21との相対位置により指と電極パッド21との対向する面積が変化することが分かる。これにより矢印の操作方向に指を移動させた時、静電容量が変化しジョグとしての動作が可能となる。
【0076】
(第3の実施例:メタルドームスイッチの配置変化)
上記第1の実施例、第2の実施例においては、「メタルドームスイッチとその積層方向に構成された静電容量センサの組み合わせを複数個並べて10キーを構成」している(第一の実施形態においても同様)。つまり、10キー一つ一つに対して、静電容量センサ及びメタルドームスイッチを一組ずつ用いている。
【0077】
しかし、本発明においては、必ずしも静電容量センサとメタルドームスイッチを一組として用いる必要はない。例えば、静電容量センサが基板の表面に複数設けられ、メタルドームスイッチが上記基板の裏面に少なくとも1つ設けられる、という実施例を用いることもできる。このような実施例について以下説明する。なお、以下の説明は、便宜上第二の実施形態における実施例の一つとして説明するが、以下説明する技術を第一の実施形態に適用できることはいうまでもない。第一の実施形態に適用する場合、静電容量センサが第一基板の表面に複数設けられ、メタルドームスイッチが第二基板の表面に少なくとも1つ設けられる、という実施形態となる。
【0078】
図12には、メタルドームスイッチの配置を変化させた電子機器の操作スイッチの模式的断面図を示す。図12において、図7と同一の要素については、図7と同一の符号を付している。
【0079】
図12に示すように、メタルドームスイッチ7は、基板17(両面基板)において複数の静電容量センサ12が設けられた面とは反対側の面に少なくとも1個配置される。基板17は操作ボタン13に関わる信号をメイン基板3へ伝達する回路部分(接続構造部15)を除き、メタルドームスイッチ7のメタルドーム9を座屈させるのに十分な基板強度(メタルドームスイッチ7をON/OFFさせるに足りる強度)を有する。基板17の信号伝達部は、接続構造部15を介してメイン基板3と柔軟に接続される。これにより各キーに配置された静電容量センサ12でジョグ機能を、基板17全体を押下することで決定動作を行うことが可能となる。またメタルドーム9の座屈により接点が接続されると同時にクリック感触を得ることもできる。
【0080】
このように、本実施例では、メタルドームスイッチ7をそれぞれのキーの数に対して省略できるので、構造が単純でローコスト化できるという効果が得られる。
【0081】
[その他]
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々設計変更を行うことができる。例えば、メタルドーム9として、導電性の物質(例えば導電性ゴム)を用いることもできる。また、上記実施形態では、操作ボタンが10キーの場合について説明したが、操作ボタンを12キーとしてもよいことはいうまでもない。
【0082】
本発明の携帯機器の操作機構はPC、PDA、携帯電話、デジタルカメラ、DVC、音楽端末等携帯機器全般に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の活用例としては、携帯電話、ウエアラブルPC、PDA等標準でフルキーボードが付随していない携帯情報端末に有効である。
【符号の説明】
【0084】
1、20、30、40、50、60、70、80、90 電子機器の操作スイッチ
2 背面筐体
3 メイン基板
4 台座爪
5 台座
6、11、17 基板
7 メタルドームスイッチ
8 電極部
9 メタルドーム
10 突起
12 静電容量センサ
12a、12b 検出電極
13 操作ボタン
14 前面筐体
15 接続構造部
16 指
18、19、21 電極パッド
100 従来の携帯情報機器の操作スイッチ
101 メイン基板
102 台座
110 メタルドームスイッチ
111 基板
112 円形状電極
113 リング状電極
114 電極部
115 メタルドーム
116 回路配線
117 突起
118 操作ボタン
119 前面筐体
160 指
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、該筐体に対向して設けられ、該筐体上の操作により発生する信号を検出するセンサとを有し、
前記センサの幅が連続的に縮小又は拡大することを特徴とする電子機器の操作スイッチ。
【請求項2】
前記センサが静電容量センサであり、前記信号が静電容量である、請求項1に記載の電子機器の操作スイッチ。
【請求項3】
前記静電容量が、前記筐体上での操作に応じて連続的に変化する、請求項2に記載の電子機器の操作スイッチ。
【請求項4】
前記筐体と前記センサとの間に該センサに対応する操作ボタンを有し、前記センサの下に前記操作ボタンに対応するメタルドームスイッチを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器の操作スイッチ。
【請求項5】
筐体上での操作に応じて連続的に変化する信号をセンサで検出し、
該検出した信号により予め設定されている入力候補の選択又は表示状態の変化を行うことを特徴とする電子機器の操作制御方法。
【請求項6】
前記センサが静電容量センサであり、前記信号が静電容量である、請求項5に記載の電子機器の操作制御方法。
【請求項1】
筐体と、該筐体に対向して設けられ、該筐体上の操作により発生する信号を検出するセンサとを有し、
前記センサの幅が連続的に縮小又は拡大することを特徴とする電子機器の操作スイッチ。
【請求項2】
前記センサが静電容量センサであり、前記信号が静電容量である、請求項1に記載の電子機器の操作スイッチ。
【請求項3】
前記静電容量が、前記筐体上での操作に応じて連続的に変化する、請求項2に記載の電子機器の操作スイッチ。
【請求項4】
前記筐体と前記センサとの間に該センサに対応する操作ボタンを有し、前記センサの下に前記操作ボタンに対応するメタルドームスイッチを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器の操作スイッチ。
【請求項5】
筐体上での操作に応じて連続的に変化する信号をセンサで検出し、
該検出した信号により予め設定されている入力候補の選択又は表示状態の変化を行うことを特徴とする電子機器の操作制御方法。
【請求項6】
前記センサが静電容量センサであり、前記信号が静電容量である、請求項5に記載の電子機器の操作制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−33508(P2012−33508A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249182(P2011−249182)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【分割の表示】特願2006−163093(P2006−163093)の分割
【原出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【分割の表示】特願2006−163093(P2006−163093)の分割
【原出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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