説明

電子機器の梱包材

【課題】多くの機種の電子機器に対応でき、オプション部品を取り出すときのイメージにおいて高級感が得られる電子機器の梱包材を提供する。
【解決手段】凹部および凸部を有する直方体クッション材2、3、4がヒンジ5、6を介して一列3個に連なるように形成されており、中央の前記直方体クッション材2の上に左右の直方体クッション材3、4が順次折り畳まれ、電子機器本体とオプション部品または取扱説明書が前記凹部内に配置された状態で前記直方体クッション材がダンボール箱内に挿入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電子機器の梱包材に係わり、特に、ダンボール箱と製品との間に介装されるクッション材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯用通信機の梱包材の例を図4〜図6により説明する。図4に示すPP(ポリプレンシート)製の梱包材10は凹部11aが形成された直方体クッション材11と凹部12aが形成された直方体クッション材12がヒンジ13で一体となるように連結されて形成されている。
【0003】
図4に直線矢印で示すように直方体クッション材11の凹部11aに携帯用通信機本体7を入れて、円弧の矢印で示すような直方体クッション材12をヒンジ13で折り畳むようにして直方体クッション材11の上に被せると、図5に示すように携帯用通信機本体7が直方体クッション材11の凹部11aと直方体クッション材12の凹部12aの中に入った状態で梱包材10の中に固定される。
【0004】
図5に示すオプション部品8、8と取扱説明書9は直方体クッション材12を被せるときに適宜隙間の間に挿入される。このように携帯用通信機本体7とオプション部品8、8および取扱説明書9が挟み込まれた状態に折り畳まれた梱包材10が図6に矢印で示すようにダンボール箱14に差し込まれダンボール箱14の蓋を閉じることにより梱包が完了する。
【0005】
上記した図4〜図6に示す従来の携帯用通信機の梱包材は、オプション部品を挿入するためのスペースを設けているが、機種毎にオプション部品が異なる場合に多くの機種に対応させるためにはオプション部品用スペースを大きくする必要があり、オプション部品が梱包された状態で動きやすかった。
【0006】
また、取扱説明書を2冊以上入れるときは、梱包時に取扱説明書同士が擦れる等の問題があり、梱包材の上下に取扱説明書を入れると、取り出すときに取扱説明書が落ちてしまい、取扱説明書を紛失する恐れがあった。さらに、オプション部品挿入時のイメージまたは、オプション部品を取り出すときのイメージにおいて高級感が損なわれていた。
【0007】
特開2005−96833号公報に提案されたダンボール梱包の緩衝材構造では、製品の両端を折り畳まれたダンボールシートの穴に差し込んだ状態で、ダンボール箱に挿入する。
【0008】
このダンボール梱包の緩衝材構造によると、折り畳まれたダンボールシートの穴に差し込まれた製品をダンボール箱に入れるときに、ダンボールシートが外れないように押さえていなければならず、梱包作業に手間がかかっていた。
【0009】
また、オプション部品等をダンボール箱に製品と共に梱包する場合には、オプション部品があばれないようにするために、別に詰め物を必要とした。さらに、オプション部品挿入時のイメージまたは、オプション部品を取り出すときののイメージにおいて高級感が損なわれていた。
【特許文献1】特開2005−96833号公報、段落0016〜段落0023、図2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は上記した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、多くの機種の電子機器に対応でき、オプション部品を取り出すときのイメージにおいて高級感が得られる電子機器の梱包材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の電子機器の梱包材は、凹部および凸部を有する直方体クッション材がヒンジを介して一列3個に連なるように形成されており、中央の前記直方体クッション材の上に左右の直方体クッション材が順次折り畳まれ、電子機器本体とオプション部品または取扱説明書が前記凹部内に配置された状態で前記直方体クッション材がダンボール箱内に挿入されるものである。
【0012】
また、前記電子機器の梱包材において、前記凹部および凸部の嵌合により直方体クッション材が折り畳まれた状態に保持されるものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明の電子機器の梱包材によれば、多くの機種の電子機器に対応でき、オプション部品を取り出すときのイメージにおいて高級感が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下この発明を実施するための最良の形態を実施例に即して説明する。図1はこの発明の実施例である梱包材を示す斜視図、図2は同梱包材の使用状態の一部部材を除いて示す斜視図、図3は同梱包材の使用状態を示す斜視図である。
【0015】
図1に示すに示すPP(ポリプレンシート)製の梱包材1は凸部2A、2B…および凹部2a、2b…が形成された直方体クッション材2、凸部3A、3B、3C…および凹部3a、3b…が形成された直方体クッション材3および凸部4A、4B、4C…および凹部4a、4b、4c…が形成された直方体クッション材4が夫々ヒンジ5およびヒンジ6で一体となるように連結されて形成されている。
【0016】
上記直方体クッション材2の凹部2bに取扱説明書が入れられた状態で、直方体クッション材3をヒンジ5で折り畳むようにして直方体クッション材2の上に被せる。このとき、直方体クッション材2の凹部2aに直方体クッション材3の凸部3Aが嵌合して折り畳まれた状態が保たれる。
【0017】
その状態で図2(直方体クッション材4およびヒンジ6の図示を省略している)に示す示すように、直方体クッション材3の図1での裏面側に形成されている凹部に携帯用通信機本体7およびオプション部品8、8…を入れる。
【0018】
その後、直方体クッション材3の上に直方体クッション材4をヒンジ6で折り畳むようにして直方体クッション材3の上に被せる。このとき、直方体クッション材3の凸部3B裏側の凹部に直方体クッション材4の凸部4Bが嵌合して折り畳まれた状態が保たれる。その状態が図3に示されている。取扱説明書が2冊あるときは、図3に示すように折り畳まれた状態の直方体クッション材4の凸部4D、4E、4Fおよび4Gの間にもう1つの取扱説明書を入れる。
【0019】
このように携帯用通信機本体7とオプション部品8、8および取扱説明書を保持した梱包材1は従来例と同様にダンボール箱に差し込まれダンボール箱の蓋を閉じることにより梱包が完了する。
【0020】
このように実施例の梱包材は、取扱説明書が1冊または2冊ある場合や多くのオプション部品が付属する多くの機種の電子機器に対応でき、オプション部品を取り出すときのイメージにおいて高級感が得られる。
【0021】
実施例は以上のように構成されているが発明はこれに限られず、例えば、折り畳み状態を保持するための凹部および凸部は1か所に重なる位置に設けてもよい。このようにすることにより省スペース化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施例である梱包材を示す斜視図である。
【図2】同梱包材の使用状態の一部部材を除いて示す斜視図である。
【図3】同梱包材の使用状態を示す斜視図である。
【図4】従来の梱包材を示す斜視図である。
【図5】同梱包材の使用状態を示す斜視図である。
【図6】同梱包材の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0023】
1 梱包材
2 直方体クッション材、2A、2B 凸部、2a、2b、2c 凹部
3 直方体クッション材、3A、3B、3C、3D 凸部、3a、3b 凹部
4 直方体クッション材、4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G 凸部、4a、4b、4c 凹部
5 ヒンジ
6 ヒンジ
7 携帯用通信機本体
8 オプション部品
9 取扱説明書
10 梱包材
11 直方体クッション材
12 直方体クッション材
13 ヒンジ
14 ダンボール箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部および凸部を有する直方体クッション材がヒンジを介して一列3個に連なるように形成されており、中央の前記直方体クッション材の上に左右の直方体クッション材が順次折り畳まれ、電子機器本体とオプション部品または取扱説明書が前記凹部内に配置された状態で前記直方体クッション材がダンボール箱内に挿入されることを特徴とする電子機器の梱包材。
【請求項2】
前記凹部および凸部の嵌合により直方体クッション材が折り畳まれた状態に保持される請求項1の電子機器の梱包材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−132442(P2009−132442A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311978(P2007−311978)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】