説明

電子機器の表示部

【課題】 ほぼ無色透明な表示部の保護板の端面まで導びかれた不要な光を遮ることが可能な電子機器の表示部を提供すること。
【解決手段】 バックライト123によって発光された光によって、窓部材4の全体に(例えば窓部材4の端面である4a部まで)導かれた不要な光の漏れを防止するために、バックライトフレーム123aの立ち曲げ部を窓部材4の端面4aを覆い隠すところまで延長する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタルスチルカメラ等の電子機器に設けられた液晶パネル等の表示部の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラを始めとする電子機器には、撮影領域の決定、撮影した画像の確認、各種メニューの表示に用いられる液晶パネル等からなる表示部が備わっていることが多い。説明のとおり用途が幅広くかつ重要な用途が多いため、市場では表示部の大きいものが好まれる傾向にあり、その要望に答える形で近年大型化が進んでいる。
【0003】
従来、表示部が小さかったため、表示部がそのまま外観に剥き出しになっていることが多かったが、液晶パネル等の表示部は外部からの圧力や衝撃に弱く、表示部の大型化に伴って、何らかの補強対策が必要となっている。例えば、特許文献1では、アクリルやポリカーボネートないしは強化ガラス等からなるほぼ無色透明な板で表示部を保護している。
【特許文献1】特開平8−54628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の発明においては、表示部から発せられた光が、ほぼ無色透明な板を導光体として板の端部まで導かれてしまい、そこから漏れ出た光が操作ボタンを始めとする、他の隙間から視認できてしまい外観品位が落ちてしまう恐れがあった。以上を鑑みて本発明ではほぼ無色透明な表示手段の表示面側を覆っている部材の端面まで導びかれた不要な光を遮ることが可能な電子機器の表示部を提供することを目的とする。
【0005】
本出願に係る第1の発明は、表示手段の表示面側を覆っている透明な部材の端面まで導びかれた光を、表示手段の保持を行っている不透明な部材によって少なくとも一部を遮り、外観品位の低下を防止することを目的とする。
【0006】
本出願に係る第2の発明は、表示手段の保持を行っている不透明な部材が弾性体の弾性力によって外装カバーに当接するまで付勢されているため、表示手段の表示面側を覆っている透明な部材の端面の露出量が減少し、表示手段の表示面側を覆っている透明な部材の端面まで導かれた光を遮る効果を高めることを可能とし、外観品位の低下を防止することを目的とする。
【0007】
本出願に係る第3の発明は、表示手段の保持を行っている不透明な部材に設けられた壁部の先端が外装カバーに設けられた凹部に潜り込むことから、表示手段の保持を行っている不透明な部材に設けられた壁部の高さが表示手段の表示面側を覆っている透明な板の端面を超えるため、表示手段の表示面側を覆っている透明な部材の端面まで導かれた光を遮る効果を高めることを可能とし、外観品位の低下を防止することを目的とする。
【0008】
本出願に係る第4の発明は、表示手段と表示手段の表示面側を覆っている透明な板とが前記弾性体の弾性力によって当接しているため、表示手段と表示手段の表示面側を覆っている透明な部材との間に介在する空気層が無くなり、空気層による乱反射を防止し、表示手段の外観視認性を高めることを目的とする。
【0009】
本出願に係る第5の発明は、表示手段の保持を行っている不透明な部材が金属から成ることで、表示手段の表示面側を覆っている透明な部材の端面を覆う部位の肉厚が薄くても良好に遮光することを可能とし、外観品位の低下を防止することを目的とする。
【0010】
本出願に係る第6の発明は、表示手段の表示面側を覆っている透明な部材を外装カバーの内側から固定することで、表示手段の表示面側を覆っている透明な板の外観露出面と外装カバーの外観面とをほぼ同一面に仕上げることを可能とし、外観意匠性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電子機器の表示部は、表示手段(121)と表示手段の表示面側を覆っている透明な板(4)と表示手段の保持を行っている不透明な部材(123a)とを有し、前記不透明な部材(123a)が前記透明な板(4)の端面(4a)の少なくとも一部は覆っていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の他の特徴とするところは、表示手段(121)と表示手段の表示面側を覆っている透明な板(4)と表示手段の保持を行っている不透明な部材(123a)と不透明な部材に当接し、外装カバー(3)側に付勢する方向に配された弾性体(131)とを有し、前記不透明な部材(123a)が前記透明な板(4)の端面(4a)の少なくとも一部を覆い、前記弾性体(131)の弾性力によって前記不透明な部材(123a)が外装カバー(3)に当接していることを特徴としている。
【0013】
また、本発明の他の特徴とするところは、電子機器の外装カバー(3)に凹部(3c)が設けられ、該凹部(3c)に前記不透明な部材(123a)に設けられた壁部の先端の少なくとも一部が入り込んでいることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の他の特徴とするところは、表示手段(121)と表示手段の表示面側を覆っている透明な板(4)とが前記弾性体(131)の弾性力によって当接していることを特徴としている。
【0015】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記不透明な部材(123a)は金属から成ることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記透明な板(4)は外装カバー(3)の内側から外装カバー(3)に固定されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明に係る第1の発明によれば、表示部から発せられた光が、ほぼ無色透明な板を導光体として板の端部まで導かれてしまい、そこから漏れ出た光が操作ボタンを始めとする、他の隙間から視認できてしまい外観品位が落ちてしまう恐れがあった。以上を鑑みて本発明ではほぼ無色透明な表示手段の表示面側を覆っている部材の端面まで導びかれた不要な光を遮ることが可能な電子機器の表示部を提供することが可能となる。
【0018】
本発明に係る第2の発明によれば、表示手段の保持を行っている不透明な部材が弾性体の弾性力によって外装カバーに当接するまで付勢されているため、表示手段の表示面側を覆っている透明な部材の端面の露出量が減少し、表示手段の表示面側を覆っている透明な部材の端面まで導かれた光を遮る効果を高めることを可能とし、外観品位の低下を防止することが可能となる。
【0019】
本発明に係る第3の発明によれば、表示手段の保持を行っている不透明な部材に設けられた壁部の先端が外装カバーに設けられた凹部に潜り込むことから、表示手段の保持を行っている不透明な部材に設けられた壁部の高さが表示手段の表示面側を覆っている透明な板の端面を超えるため、表示手段の表示面側を覆っている透明な部材の端面まで導かれた光を遮る効果を高めることを可能とし、外観品位の低下を防止することが可能となる。
【0020】
本発明に係る第4の発明によれば、表示手段と表示手段の表示面側を覆っている透明な板とが前記弾性体の弾性力によって当接しているため、表示手段と表示手段の表示面側を覆っている透明な部材との間に介在する空気層が無くなり、空気層による乱反射を防止し、表示手段の外観視認性を高めることが可能となる。
【0021】
本発明に係る第5の発明によれば、表示手段の保持を行っている不透明な部材が金属から成ることで、表示手段の表示面側を覆っている透明な部材の端面を覆う部位の肉厚が薄くても良好に遮光することを可能とし、外観品位の低下を防止することが可能となる。
【0022】
本発明に係る第6の発明によれば、表示手段の表示面側を覆っている透明な部材を外装カバーの内側から固定することで、表示手段の表示面側を覆っている透明な板の外観露出面と外装カバーの外観面とをほぼ同一面に仕上げることを可能とし、外観意匠性を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明の詳細を実施の形態の記述に従って説明する。
【実施例1】
【0024】
図2および図3に本実施例を適用したカメラの分解斜視図を正面側と背面側からそれぞれ示す。図において1はカメラの正面側を覆う前面カバー、3は裏側を覆う背面カバー、5は中央部を覆う中央カバーであり、大きく分けて3枚のカバー構成となっている。前面カバー1には化粧板2が張り合わされており外観意匠性を高めている。また、前面カバー1にはファインダ対物窓1aが固定部材1bとともに接着固定されている。背面カバー3には大きな穴3aが設けられており、ほぼ無色透明な窓部材4が背面カバー3の内側からその穴に嵌まりこみ、全周を一段削り落としたことによって生まれた面に両面テープを貼り付けて、背面カバー3に固定している。また、削り落として出来た窓部材4の段差を利用して、板厚方向の位置決めを行い、外観面の平滑さを実現している。窓部材4には傷防止のために表面に硬化剤をコーティングしている上、外光の反射を軽減し液晶パネル121による表示物の視認性を向上させるために反射防止コーティングを施し、さらに付着した汚れを落とし易くするために防汚コーティングを施している。6はカメラ本体の剛性を高める金属製のシャーシであり、各ユニット、外装カバー類を固定している。金属シャーシ6には3種の補強板6a、6b、6cが、スポット溶接によって固定されており、衝撃や圧力から液晶パネル121を保護するためにとり付けられている。
【0025】
11は撮影レンズ等を保持する鏡筒ユニットであり、鏡筒を駆動させるためのズームモーターを包括したギヤユニット13が一体的に組みつけられている。そして鏡筒ユニット11は、4本(図示は3本)のねじ12により金属シャーシ6に固定される。14は撮影範囲の決定に用いられるファインダユニットであり、上面よりねじ14aによって鏡筒ユニット11に固定される。
【0026】
21は電池23を保持するための電池ケースであり、ねじ22aおよび22bによって金属シャーシ6に固定される。図に示すように電池ケース21の一面は一部壁のない開口部21aがあり、メモリカードスロット52によってふたがされるように構成されている。また、メイン配線基板51にコネクタ接続されている電源フレキシブル配線基板31の電池ケース21側には電源コネクター32および映像、音声のジャック33が実装され、電池ケース21に設けられた凹部21cおよび21dにそれぞれ組み合わされる。前記電池ケース21には3角形の穴21bがあけられている。この穴21bと、電池23上にある不図示の三角形のマークとの位置を合わせることで電池23が正しい向きで電池ケース21に挿入できるようにしている。また、電池ケース21に設けられた3角形の穴21bの裏には金属シャーシ6があり、その金属色が3角形の穴21bから覗いて見え、3角形の穴の視認性を向上させている。
【0027】
41はストロボユニットであり、側面よりねじ45によって金属シャーシ6に固定されている。42はストロボ発光部、下方に伸びたフレーム部分にストロボ回路を実装したストロボフレキシブル配線基板43が貼り付けられるとともに、ストロボコンデンサー44が固定されている。そして該ストロボユニット41は前記鏡筒ユニット11に組みつけられたギアユニット14の上方にあり、効率良いレイアウトを実現している。
【0028】
51はCPUやメモリ、画像処理LSI、電源回路等が実装されたメイン配線基板であり、背面には映像や音声を保存する外部メモリーを収納するスロット52およびUSBコネクタ54が実装されている。そして該メイン配線基板51はねじ55aおよび55bによって金属シャーシ6にねじ止めされ、電池ケース21の下方に設けられた不図示の爪にメイン配線基盤51を引っ掛けることで、メイン配線基板51の下部の浮きを抑えている。メイン配線基板51にはマイクが実装されており、ゴム製のマイクブッシュ66が被せられている。このマイクブッシュ65は前面カバー1により圧縮されてカメラ本体内部の雑音を遮蔽し、集音効率を高めている。
【0029】
61はレリーズスイッチ、電源スイッチ等を実装した操作フレキシブル配線基板、71はスピーカーであり、その端子部は操作フレキシブル配線基板61に設けられた銅箔露出部と接触することで導通を図っている。
【0030】
81は背面の各種操作ボタン82、カメラの動作モードの切り替えレバー85の収納部84、ファインダ14の接眼窓部87およびスピーカー71の収納部89とを一体的に成型した背面インナーである。背面の各種操作ボタン82のうちの一つはその中心部に導光部材83が貼り付けられた発光ボタン82aであり、操作フレキシブル配線基板61に実装されたタクトスイッチ62を導光部材93によって押せるように構成されている。そしてタクトスイッチ62の横には発光ダイオード63が配されており、導光部材83を通して発光ダイオード63の発した光が発光ボタン82aの表面に導かれる。カメラの動作モードの切り替えレバー85は、前記収納部84に嵌まり込み、保持板金86とで背面インナー81を挟み込み、溶着によって摺動可能に固定されている。保持板金86には操作フレキシブル配線基板61上に実装された動作モード切り替えスイッチ64のツマミ部を挟み込めるような腕部が形成されており、背面カバー3を組み込んだ状態でカメラの動作モードの切り替えレバー85を上下に移動させると、動作モード切り替えスイッチ64のツマミが前記腕部によって連動する。前記スイッチは所定位置ごとに静止画撮影、動画撮影、画像再生が割り当てられており、前記動作モードの切り替えレバー85を上下方向に切り替えることで動作モードを変更することができる。87はファインダ接眼窓部であり、そのすぐ脇には2つの穴が設けられている。この穴に対して導光部材88が位置決め固定され、操作フレキシブル配線基板61に実装された2つの発光ダイオード65から発せられた光を外部に導いている。90は十字ボタンであり、背面インナー81に設けられた4箇所のボスに軽圧入し、位置決め固定されている。スピーカー71は背面インナーに設けられた収納部89に軽圧入固定され、カメラ完成状態においてスピーカー71の周囲を囲い込み、音漏れを防止している。背面インナー91は動作モード切り替えレバー収納部84の周囲とファインダー接眼窓部87とを背面カバー3に設けられた穴と合わせることで背面カバー3に対して位置決めが成されている。
【0031】
101はズームレバー102、レリーズボタン103、電源ボタン104を保持する上面カバーであり、電池ケース21の上面に操作フレキシブル配線基板61を挟んで配置される。また、前記上面カバー101の側部にはUSBコネクタ54および映像と音声のジャック33をカバーするためのジャックカバー110を収納する凹部101aが設けられている。ジャックカバー110は柔らかい樹脂と硬い樹脂との2色成型で構成されており、ヒンジ部は容易に折り曲げが可能なように柔らかい樹脂で、外観面は剛性を高めるために硬い樹脂から成っている。
【0032】
111は側面カバーであり、カメラの側面を覆っている。略中央に穴111aが開けられ、その穴はストラップ保持部材113が最小限の隙間をもって挿通可能な大きさとなっている。ストラップ保持部材113にはストラップ紐112を通すことが可能な大きさの穴が開いている。そして、該側面カバー111はねじ114aおよび114bによって、正面カバー1,背面カバー3およびストラップ保持部材113を挟み込んだ状態で金属シャーシ6に固定される。
【0033】
7は三脚取り付け用のねじが切られた三脚取り付け座であり、背面側からねじ7aによって金属シャーシ6に固定されている。
【0034】
そして中央カバー5がねじ5aにより金属シャーシ6に固定され、同じく金属シャーシ6に対して正面カバー1および背面カバー3はねじ8a、8bにより側面より、また、ねじ9a、9bにより底面より固定され、3つのカバーと金属シャーシとの締結によってカバーのアース取りを行っている。
【0035】
121は液晶パネルであり、液晶カバー122とバックライトユニット123の構成部品の一つである樹脂スペーサー123cとで液晶パネル121を挟み込み、液晶カバー122に設けられた爪を樹脂スペーサー123cに設けられた凹部に引っ掛けることで液晶パネル121とバックライトユニット123とが一体化している。この液晶パネル121とバックライト123が一体になったユニットはねじ124によって金属シャーシ6に固定される。
【0036】
図1を用いて本発明について詳しく説明する。図1は本実施例を適用したカメラの背面部の横断面図であり、同図においてバックライトユニット123は、光源である発光ダイオード(図示せず)とバックライト123及び液晶パネル121を保持しているバックライトフレーム123aと発光ダイオードによる局所的な光を面発光へと変換する導光板123bと液晶パネルの受けを行っている樹脂スペーサーとを主要な構成部品として持っている。バックライトフレーム123は一枚の金属板から曲げ形成されており、薄い板厚であるにも係らず、発光ダイオードによって発せられた光をバックライトユニット123から液晶パネル121側以外の面への光漏れを低減させている。このバックライトユニット123によって得られた光によって液晶パネル121の表示物の視認性を高めている。この液晶パネル121の外観側には背面カバー3に固定されたほぼ無色透明な窓部材4があり、バックライト123によって発光された光は窓部材4を経由して外部へ照射される。ところが前記窓部材4は全体がほぼ無色透明であるため、窓部材4の全体に(例えば窓部材4の端面である4a部まで)光が導かれる。この時遮蔽物が窓部材4の端部と、背面カバー3に設けられた操作ボタン82を露出させている穴3b等の各穴との間に存在していなければ、光が漏れて欲しくない穴3b等の箇所から光が漏れてしまい、外観品位を低下させてしまう。この光漏れを防止するために、バックライトフレーム123aの立ち曲げ部を窓部材4の端面4aを覆い隠すところまで延長し、バックライトフレーム123aによって窓部材4の端部4aまで導かれた不要な光を遮蔽している。
【0037】
本実施例ではバックライトユニット123を金属シャーシ6に対してねじ124で固定されているが、固定対象は金属シャーシ6に限らず、鏡筒ユニット11や背面カバー3等のいずれの構成部品であってもよく、固定方法についても、ねじ124による固定である必要はなく、爪に引っ掛けて固定したり、ねじ124と爪引っ掛けの両方が存在しても構わない。また、カメラを例にとっているが、適用範囲はカメラに留まらず、表示部を有していれば適用可能であり、ビデオカメラ、テレビ、携帯電話、複写機、プリンタ、FAX、電子手帳などの各種機器にまで及ぶものである。
【実施例2】
【0038】
本発明の第2の実施例では基本的な構造は実施例1と同様であるため、異なる構成のみに説明を留める。図4は本実施例を適用したカメラの背面部の横断面図であり、同図に示すようにバックライトフレーム123aの背面側に発泡性の弾性部材131が貼り付けられている。バックライトフレーム123aは段ビス125によって図4で見て上下方向にのみ移動可能に固定されている。この発泡性の弾性部材131は背面カバー3をカメラ本体に組み込んだ完成状態ではバックライトフレーム123aと金属シャーシ6とで圧縮された状態で存在しており、バックライトフレーム123aを外観側に付勢させている。この時、液晶パネル121と窓部材4との距離よりも、バックライトフレーム123aの立ち曲げ部の先端と背面カバー3との距離を近く設定しているため、バックライトフレーム123aの立ち曲げ部の先端が背面カバー3に当接するところがストッパーとなり、窓部材4の端面4aを覆い隠し、不要な光を遮蔽する効果が高まる。
【0039】
本実施例では発泡性の弾性体131によってバックライトフレーム123aを付勢させているが、弾性を有している部材であれば、ゴム部材や金属や樹脂からなるバネ部材であっても適用は容易である。さらに実施例1同様、バックライトユニット123の固定対象は必ずしも金属シャーシ6である必要は無く、鏡筒ユニット11や背面カバー3等のいずれの構成部品であってもよく、固定方法についても、段ビス125による固定である必要はなく、爪に引っ掛けて固定したり、段ビス125と爪引っ掛けの両方が存在しても構わない。また、適用範囲はカメラに留まらず、表示部を有していれば適用可能であり、ビデオカメラ、テレビ、携帯電話、複写機、プリンタ、FAX、電子手帳などの各種機器にまで及ぶものである。
【実施例3】
【0040】
本発明の第3の実施例では基本的な構造は実施例1、実施例2と同様であるため、異なる構成のみに説明を留める。図5は本実施例を適用したカメラの背面部の横断面図であり、同図に示すようにバックライトフレーム123aの背面側に発泡性の弾性部材131が貼り付けられている。バックライトフレーム123aは段ビス125によって図5で見て上下方向にのみ移動可能に固定されている。この発泡性の弾性部材131は背面カバー3をカメラ本体に組み込んだ完成状態ではバックライトフレーム123と金属シャーシ6とで圧縮された状態で存在しており、バックライトフレーム123aを外観側に付勢させている。この時、液晶パネル121と窓部材4との距離を、バックライトフレーム123aの立ち曲げ部の先端と背面カバー3との距離よりも近く設定しているため、液晶パネル121が窓部材4に当接するところがストッパーとなり、液晶パネル121と窓部材4とが当接し、間に存在する空気の層を減少させ、外観視認性を高めている(液晶パネル121と窓部材4との間に存在する空気層は外光を乱反射させてしまう作用があるため、外観視認性を高めるためには空気層は無い方が好ましい。)。しかしこの構成をとってしまうことで外装カバー3とバックライトフレーム123aの立ち曲げ部の先端には微小であれ隙間が残ってしまい、不要な光を遮蔽する効果が十分には得られない。しかし、外装カバー3には凹部3aがあり、液晶パネル121と窓部材4とが当接状態にある時、バックライトフレーム123aの立ち曲げ部の先端が外装カバー3に設けられた凹部に図5で見て上下方向にオーバーラップするように潜り込ませているため、例え外装カバー3とバックライトフレーム123aとの間に隙間が残っていても、光が漏れ難くすることが可能となる。
【0041】
本実施例では発泡性の弾性体131によってバックライトフレーム123aを付勢させているが、弾性を有している部材であれば、ゴム部材や金属や樹脂からなるバネ部材であっても適用は容易である。さらに実施例1や2と同様、バックライトユニット123の固定対象は必ずしも金属シャーシ6である必要は無く、鏡筒ユニット11や背面カバー3等のいずれの構成部品であってもよく、固定方法についても、段ビス125による固定である必要はなく、爪に引っ掛けて固定したり、段ビス125と爪引っ掛けの両方が存在しても構わない。また、適用範囲はカメラに留まらず、表示部を有していれば適用可能であり、ビデオカメラ、テレビ、携帯電話、複写機、プリンタ、FAX、電子手帳などの各種機器にまで及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例1のカメラ背面部の横断面図
【図2】本発明の実施例のカメラの分解斜視図(正面)
【図3】本発明の実施例のカメラの分解斜視図(背面)
【図4】本発明の実施例2のカメラ背面部の横断面図
【図5】本発明の実施例3のカメラ背面部の横断面図
【符号の説明】
【0043】
3 背面カバー
3b 背面カバーに設けられた操作ボタンの穴
3c 背面カバーに設けられた凹部
4 窓部材
4a 窓部材の端面
121 液晶パネル
123a バックライトフレーム
131 弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段(121)と表示手段の表示面側を覆っている透明な板(4)と表示手段の保持を行っている不透明な部材(123a)とを有し、前記不透明な部材(123a)が前記透明な板(4)の端面(4a)の少なくとも一部は覆っていることを特徴とする電子機器の表示部。
【請求項2】
表示手段(121)と表示手段の表示面側を覆っている透明な板(4)と表示手段の保持を行っている不透明な部材(123a)と不透明な部材に当接し、外装カバー(3)側に付勢する方向に配された弾性体(131)とを有し、前記不透明な部材(123a)が前記透明な板(4)の端面(4a)の少なくとも一部を覆い、前記弾性体(131)の弾性力によって前記不透明な部材(123a)が外装カバー(3)に当接していることを特徴とする電子機器の表示部。
【請求項3】
電子機器の外装カバー(3)に凹部(3c)が設けられ、該凹部(3c)に前記不透明な部材(123a)に設けられた壁部の先端の少なくとも一部が入り込んでいることを特徴とする請求項1、又はは請求項2に記載の電子機器の表示部。
【請求項4】
表示手段(121)と表示手段の表示面側を覆っている透明な板(4)とが前記弾性体(131)の弾性力によって当接していることを特徴とする請求項3に記載の電子機器の表示部。
【請求項5】
前記不透明な部材(123a)は金属から成ることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子機器の表示部。
【請求項6】
前記透明な板(4)は外装カバー(3)の内側から外装カバー(3)に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の電子機器の表示部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−145760(P2009−145760A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324887(P2007−324887)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】