説明

電子機器及びデジタルカメラ

【課題】電源回路を大型化することなく、複数の記憶媒体装着部をともに作動することができる。
【解決手段】記憶媒体を着脱可能な第1の装着部と、記憶媒体を着脱可能な第2の装着部と、前記第1の装着部に装着された第1の記憶媒体に第1のアクセススピードでアクセスし、前記第2の装着部に装着された第2の記憶媒体に第2のアクセススピードでアクセスするアクセス部と、前記アクセス部が前記第1の記憶媒体と前記第2の記憶媒体とにアクセスした際に、アクセスに要する電流値の合計が所定の電流値を超えないように前記第1のアクセススピードおよび第2のアクセススピードの少なくとも一方を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のメディアスロットを備え、複数の記憶メディアを扱うことを可能としたデジタルカメラが知られている。この種のデジタルカメラにおいては、メディアスロットに記録不可能な記憶メディアが装着されているなど、記録不可能な状態のスロットが混在している場合に対処するために、予め記録の可否を検知し、記録不可と検知されたスロットを記録スロットに設定しないように制御している。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−253057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した複数のメディアスロットを備えたカメラでは、記録可として記録スロットに設定されたスロットが複数ある場合は、これら複数の記録スロットに同時に画像データを記録することとなり、同時記録中は消費電流が増大するという事態を招く。これに対処するために、電源回路の大型化が必要になるが、例えばポータブル電子機器のように回路設置スペースが限られた機器においては、電源回路を大型とするのは問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明による電子機器は、記憶媒体を着脱可能な第1の装着部と、記憶媒体を着脱可能な第2の装着部と、前記第1の装着部に装着された第1の記憶媒体に第1のアクセススピードでアクセスし、前記第2の装着部に装着された第2の記憶媒体に第2のアクセススピードでアクセスするアクセス部と、前記アクセス部が前記第1の記憶媒体と前記第2の記憶媒体とにアクセスした際に、アクセスに要する電流値の合計が所定の電流値を超えないように前記第1のアクセススピードおよび第2のアクセススピードの少なくとも一方を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の電子機器によれば、電源回路を大型化することなく、複数の記憶媒体装着部をともに作動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態によるデジタルカメラ100について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
−デジタルカメラの構成−
図1を参照すると、デジタルカメラ100は、撮影レンズ11と、撮像素子12と、AFE(Analog Front End)回路13と、TG(Timing Generator)回路14と、画像処理エンジン15とを備える。また、デジタルカメラ100は、第1の記録I/F(インターフェース)スロット21と、第2の記録I/F(インターフェース)スロット22と、外部I/F(インターフェース)23と、操作部材24と、バッファメモリ25と、不揮発性メモリ26とを備える。さらに、デジタルカメラ100は、音声処理部31と、マイク32と、スピーカ33と、モニタ駆動部34と、モニタ35と、電源回路40と、電池41とを備える。
【0010】
撮影レンズ11は、ズームレンズやフォーカスレンズを含む複数のレンズで構成され、被写体像を撮像素子12の撮像面に結像する。図1では簡単のため、撮影レンズ11は1枚のレンズで示されている。
撮像素子12は、例えば、画素に対応する複数の光電変換素子を備えたCCDイメージセンサによって構成され、撮像面上に結像されている被写体像を撮像し、被写体像の明るさに応じた光電変換信号を出力する。
【0011】
AFE回路13は、撮像素子12から出力される光電変換信号に対するアナログ処理(ゲインコントロール、相関二重サンプリングなど)を行うと共に、アナログ処理後の画像信号をデジタル画像データに変換する。
TG回路14は、画像処理エンジン15から送出される指示に応じてタイミング信号をAFE回路13、撮像素子12などの各ブロックに送出し、このようにカメラ全体のタイミング管理を行う。
【0012】
画像処理エンジン15は、画像処理及びシステム制御を行う。画像処理としては、AFE回路13から入力されるデジタル画像信号に対する、例えば、輪郭強調や色温度調整(ホワイトバランス調整)処理や、画像信号に対するフォーマット変換処理がある。
システム制御としては、各ブロックから出力される信号を入力して所定の情報を検知したり、所定の演算を行って演算結果に基づく制御信号を各ブロックへ出力する。すなわち、画像処理エンジン15は、不揮発性メモリ26に格納されているプログラムを実行することによってデジタルカメラ100が行う動作を統括的に制御する。
【0013】
第1及び第2の記録I/Fスロット21,22は、例えばメモリカード等の記憶媒体21A,22Aを着脱可能に装着することができるスロットを有するインターフェースである。記憶媒体21A,22Aをそれぞれ第1及び第2の記録I/Fスロット21,22のスロットに装着することにより、画像処理エンジン15は、記憶媒体21A,22Aに対するデータの書き込みや、記憶媒体からのデータの読み出しを行う。例えば、デジタルカメラ100が撮影モードに設定されているときは、撮像素子12により撮像された撮影画像のデータを記憶媒体21A,22Aに画像ファイルとして保存し、再生モードに設定されているときは、記憶媒体21A,22Aに保存されている画像データを読み出して、画像データに基づく再生画像をモニタ35に表示することができる。
【0014】
画像処理エンジン15は、具体的には、第1及び第2の記録I/Fスロット21,22にそれぞれ装着された記憶媒体21A,22Aの種類情報を判別する判別部15aと、記憶媒体21A,22Aへのアクセスを実行するアクセス部15bと、アクセス部15bのアクセススピードを制御する制御部15cとを含む。
ここで、アクセスとは、記憶媒体へのデータ書き込みと記憶媒体からのデータ読み出しとを含む概念である。また、アクセススピードとは、記憶媒体に対するデータの書き込み速度と読み出し速度とを含む概念である。一般に、アクセススピードが大きくなるにつれて記録I/Fスロットの消費電流は増加してゆく。
【0015】
なお、判別部15aが判別する記憶媒体21A,22Aの種類情報とは、例えばメモリカードであれば、コンパクトフラッシュ(CF)(登録商標)、SDカードなどのメモリカードの種類や、UDMA(Ultra Direct Memory Access)規格対応か非対応かの情報や、データ転送速度などに関する情報などである。
【0016】
外部I/F23は、例えばUSBであり、外部機器(パーソナルコンピュータやクレードル等)とデジタルカメラ100のバスとを接続するインターフェースである。外部機器とデジタルカメラ100は、画像処理エンジン15からの指示により外部I/F23を介してデータを送受信する。
【0017】
操作部材24は、デジタルカメラ100のメインスイッチ(電源スイッチ)、レリーズボタン、再生スイッチ、選択/設定スイッチなどを含み、ユーザーが各スイッチ類を操作すると、その操作に対応する操作信号が画像処理エンジン15へ出力される。
【0018】
バッファメモリ25は、DRAMなどによって構成され、画像処理前後および画像処理途中のデータや、画像処理エンジン15が取得する各種情報を一時的に格納する他、記憶媒体21A,22Aへ記録する前の画像ファイルを格納したり、記憶媒体21A,22Aから読み出した画像ファイルを格納するワークメモリとして使用される。
不揮発性メモリ26は、画像処理エンジン15が実行するプログラムを格納している。
【0019】
音声処理部31は、画像処理エンジン15から送出される指示信号に応じてマイク32の出力信号をデジタル信号に変換したり、画像処理エンジン15が出力するデジタル信号をスピーカ33用の電気信号に変換する。
マイク32から入力され、デジタル信号に変換された音声データは、記憶媒体21Aまたは22Aに書き込まれ、記憶媒体21Aまたは22Aの音声データは、スピーカ33により音声として再生される。
【0020】
モニタ駆動部34は、モニタ35の画面の明るさ(表示輝度)などを調整する。また、モニタ駆動部34は、画像処理エンジン15から送出される指示信号に応じて、画像データに基づく再生画像や、操作部材24の操作に応じてメッセージやメニューなどをモニタ35に表示させるとともに、その時の表示態様を変更する。
モニタ35は、モニタ駆動部34からの指示信号に応じて画像や操作メニューなどを表示する。
【0021】
電源回路40は、電池検出回路、DC/DCコンバータ、通電する各ブロックを切り換えるスイッチ回路等を含み、DC/DCコンバータにより、電池41の電圧を各ブロックに適する電圧に変換して、各ブロックへ電力を供給する。
また、電源回路40が第1及び第2の記録I/Fスロット21,22に供給する合計電流は、最大電流Imaxに制限されている。この最大電流Imaxは、第1の記録I/Fスロット21に装着される記憶媒体21Aの最大アクセススピード時に供給される電流Iaと、第2の記録I/Fスロット22に装着される記憶媒体22Aの最大アクセススピード時に供給される電流Ibとの大きい方の電流値よりも大きく、かつ、両電流の合計の電流値(Ia+Ib)よりも小さく定められている。
【0022】
なお、本実施の形態においては、画像処理エンジン15は、常に第1の記録I/Fスロット21を第2の記録I/Fスロット22に比べて優先アクセスするように設定されている。具体的には、第1及び第2の記録I/Fスロット21,22の両方にそれぞれ記憶媒体21A,22Aが装着されている時には、第1の記録I/Fスロット21に装着された記憶媒体21Aに対して最大アクセススピードでアクセスするように設定されている。
【0023】
−デジタルカメラの動作−
次に、第1の実施の形態によるデジタルカメラ100の動作を説明する。
先ず、図1に示す第1の記録I/Fスロット21にのみ記憶媒体21Aが装着され、第2の記録I/Fスロット22には記憶媒体22Aが装着されていない場合について説明する。
【0024】
撮影モード時には、撮像素子12からの撮像信号は、画像処理エンジン15で画像処理され、画像データとなって記憶媒体21Aに記録される。この記録の動作において、画像処理エンジン15の制御部15cは、アクセス部15bが記憶媒体21Aの最大アクセススピードでアクセスできるように、電源回路40が第1記録I/Fスロット21に供給する電流値を設定する。これにより、画像データの記憶媒体21Aへの書き込みは、記憶媒体21Aの最大書き込み速度で実行される。
同様に、再生モード時にも画像処理エンジン15は、記憶媒体21Aから画像データを読み出す際に、記憶媒体21Aの最大アクセススピードで読み出し、モニタ35に表示する。
【0025】
次に、第1の記録I/Fスロット21には記憶媒体21Aが装着されずに、第2の記録I/Fスロット22にのみ記憶媒体22Aが装着された場合の動作を説明する。
撮影モード時及び再生モード時に、制御部15cは、アクセス部15bが記憶媒体22Aの最大アクセススピードでアクセスできるように、電源回路40が第2記録I/Fスロット22に供給する電流値を設定する。これにより、画像データの記憶媒体22Aへの書き込み又は読み出しは、記憶媒体22Aの最大アクセススピード、即ち、最大の書き込み速度又は読み出し速度で実行される。
【0026】
次に、第1及び第2の記録I/Fスロット21,22に、それぞれ記憶媒体21A,22Aが装着された場合について説明する。
判別部15aが判別した記憶媒体21A,22Aの種類情報に基づいて、制御部15cは、記憶媒体21Aの最大アクセススピード時の電流値Iaと記憶媒体22Aの最大アクセススピード時の電流値Ibとを算出し、この合計電流(Ia+Ib)を算出し、この合計電流(Ia+Ib)が、第1及び第2の記録I/Fスロット21,22に供給できる最大電流Imaxを超えるか否かを判別する。この実施の形態では、最大電流Imaxは、合計電流(Ia+Ib)よりも小さく定められているので、制御部15cは、合計電流(Ia+Ib)が最大電流Imaxを超えると判別する。
【0027】
この判別により、制御部15cは、記憶媒体21Aへのアクセスを最大アクセススピードで行うための電流値をIaに設定し、記憶媒体22Aへのアクセスは電流値(Imax−Ia)以下で行うように制御する。こうして、アクセス部15bは、撮影モード時において、撮影画像データを記憶媒体21Aにその最大アクセススピードで書き込み、同時に撮影画像データを記憶媒体22Aにその最大アクセススピードよりも小さいアクセススピードで書き込む。
この撮影モード時に、記憶媒体22Aには、撮影画像データの代わりにマイク32から入力された音声データを記録する場合もあるが、音声データは、画像データに比べ、情報量が少ないので、アクセススピードが小さく定められても、何ら支障を生じないであろう。
再生モード時も同様に、記憶媒体21A、22Aから画像データを同時に読み出す際には、記憶媒体21Aからの読み出しをその最大アクセススピードで行い、記憶媒体22Aからの読み出しをその最大アクセススピードよりも小さいアクセススピードで行う。
【0028】
なお、第2の記録I/Fスロット22には記憶媒体22Aとは別の記憶媒体22C(不図示)が装着され、記憶媒体21Aの最大アクセススピード時の電流値Iaと上記の別の記憶媒体22Cの最大アクセススピード時の電流値Icとの合計電流値(Ia+Ic)が最大電流Imaxよりも小さい場合には、記憶媒体21Aと別の記憶媒体22Cは、それぞれの最大アクセススピードでもって同時に、書き込み又は読み出しを行うことができる。
【0029】
これにより、記憶媒体21A,22Aに同時にアクセスする場合でも、第1及び第2の記録I/Fスロット21,22への合計供給電力は、常に最大電流Imax以下に維持することができる。画像データの記憶媒体21Aへの書き込み又は読み出しは、記憶媒体21Aの最大アクセス速度で実行され、画像データの記憶媒体22Aへの書き込み又は読み出しは、記憶媒体22Aの最大アクセス速度よりも低速で実行される。
【0030】
上述の実施の形態のデジタルカメラ100は以下の作用効果を奏する。
(1)記憶媒体21A,22Aに同時にアクセスする場合でも、第1及び第2の記録I/Fスロット21,22への合計供給電力は常に最大電流Imax以下に維持することができ、電源回路40の小型化を実現できる。
なお、上記の説明では、画像処理エンジン15は、常に第1記録I/Fスロット21を第2記録I/Fスロット22に比べて優先アクセスするように設定されているが、ユーザーが操作部材24を操作して優先すべき記録I/Fスロットをマニュアルで設定してもよい。
【0031】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、第1記録I/Fスロット21の方を優先して、これに装着された記憶媒体21Aに対して最大アクセススピードでアクセスするものであったが、第2の実施の形態は、記憶媒体21A,22Aにそれぞれ記録するデータ量の大小に基づいて優先すべき記録I/Fスロットを自動設定するものである。
【0032】
被写体を撮影して得られた撮影画像データを記憶媒体21A,22Aへ同時に記録する場合について説明する。具体的には、撮影モードにおいて、撮像素子12からの画像信号をAFE回路13と画像処理エンジン15とによって、RAW画像データ及びJPEG圧縮のBASIC画像データに変換して、このRAW画像データを第1の記録I/Fスロット21の記憶媒体21Aに、JPEG圧縮のBASIC画像データを第2の記録I/Fスロット22の記憶媒体22Aにそれぞれ同時に記録する場合を説明する。
【0033】
画像処理エンジン15は、記憶媒体21Aに記録されるRAW画像データのデータ量と記憶媒体22Aに記録されるJPEG圧縮のBASIC画像データのデータ量とを比較して、RAW画像データのデータ量がJPEG圧縮のBASIC画像データのデータ量よりも大きいことを検出する。
この検出に基づき、制御部15cは、記憶媒体21Aへのアクセスを最大アクセススピードで行うために第1記録I/Fスロット21へ供給する電流値をIaに設定し、他方、記憶媒体22Aへのアクセスは電流値(Imax−Ia)以下で行うように制御する。
こうして、RAW画像データの記憶媒体21Aへの書き込みは、記憶媒体21Aの最大書き込み速度で実行され、BASIC画像データの記憶媒体22Aへの書き込みは、記憶媒体22Aの最大書き込み速度よりも低速で実行される。
【0034】
同様に、撮影画像データを第1記録I/Fスロット21の記憶媒体21Aへ、録音した音声データを第2記録I/Fスロット22へそれぞれ記録する場合、データ量の大きい撮影画像データを記録する記憶媒体21Aへのアクセスを最大アクセススピードで行う。制御部15cは、記憶媒体21Aへのアクセスを最大アクセススピードで行うための第1記録I/Fスロット21へ供給する電流値をIaに設定し、他方、記憶媒体22Aへのアクセスは電流値(Imax−Ia)以下で行うように制御する。
【0035】
再生モード時に記憶媒体21Aと記憶媒体22Aとから同時にデータを読み出す場合も撮影モードの場合と同様に、記憶媒体21Aから読み出すべきデータ量と記憶媒体22Aから読み出すべきデータ量とを比較して、データ量の大きい方の記憶媒体をその最大アクセス速度で読み出し、データ量の小さい方の記憶媒体をその最大アクセス速度よりも小さな速度で読み出す。
以上のように、この第2の実施の形態にあっては、第1及び第2の記憶媒体に同時にデータを書き込む又は読み出す場合に、それらのデータ量の大小を比較して、データ量が大きい方の記憶媒体をその最大アクセス速度で書き込み又は読み出し、データ量が小さい方の記憶媒体をその最大アクセス速度よりも小さい速度で書き込み又は読み出すので、第1及び第2の記録I/Fスロット21,22への合計供給電力は常に最大電流Imax以下に維持することができ、電源回路40の小型化を実現できると共に、その最大アクセス速度よりも小さい速度でアクセスされる記憶媒体は、書き込まれる又は読み出されるデータ量が小さいので、低速化の影響を抑制することができる。
【0036】
第1及び第2の記録I/Fスロット21、22のどちらを優先するかを装着される記憶媒体の動作モードによって、決定することもできる。
撮影画像データを、動作モードが高速のUDMA規格対応の記憶媒体21Aと、UDMA規格非対応の記憶媒体22Aとに同時に記録する場合について説明する。
判別部15aは、記憶媒体21A,22Aの種類情報、即ち、UDMA規格対応か否かを判別する。
この判別に基づき、制御部15cは、記憶媒体21Aへのアクセスを最大アクセススピードで行うための電流値をIaに設定し、記憶媒体22Aへのアクセスは電流値(Imax−Ia)以下で行うように制御する。したがって、アクセス部15bは、記憶媒体21Aへのアクセスは最大アクセススピードで行い、記憶媒体22Aへのアクセスは最大アクセススピードよりも低速で行うように制限される。
記憶媒体21A、22Aからのデータの読み出しの場合も全く同様である。
【0037】
これにより、記憶媒体21A,22Aに同時にアクセスする場合でも、第1及び第2の記録I/Fスロット21,22への合計供給電力は常に最大電流Imax以下に維持することができる。
【0038】
上記の実施の形態の変形例は以下のとおりである。
記憶媒体21A,22Aは、同種のメモリカードでもよいし、異種のメモリカードでもよい。もちろん、異種のメモリカードを用いるときは、第1及び第2の記録I/Fスロット21,22もそれぞれのメモリカードに対応するものを用いる。
第1及び第2の実施の形態では、記憶媒体21A,22Aへの同時アクセスは、両者ともに書き込み又は読み出しであったが、記憶媒体21Aから記憶媒体22Aへのデータ転送(バックアップ)のように、一方の記憶媒体が読み出し、他方の記憶媒体が書き込みの動作に対しても本発明は適用できる。
第1及び第2の実施の形態では、第1及び第2の記録I/Fスロット21,22の2台の記録I/Fスロットについて説明したが、記録I/Fスロットを3台以上備えるデジタルカメラにも本発明は適用できる。
第1及び第2の実施の形態では、デジタルカメラについて説明したが、被写体を撮像する撮像部を有さないカードリーダー、デジタルフォトフレーム、携帯電話等にも本発明は適用できる。
本発明は、その特徴を損なわない限り、以上説明した実施の形態に何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0039】
11:撮影レンズ 12:撮像素子
15:画像処理エンジン 15a:判別部
15b:アクセス部 15c:制御部
21:第1の記録I/Fスロット 22:第2の記録I/Fスロット
21A,22A:記憶媒体 24:操作部材
40:電源回路 41:電池
100:デジタルカメラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体を着脱可能な第1の装着部と、
記憶媒体を着脱可能な第2の装着部と、
前記第1の装着部に装着された第1の記憶媒体に第1のアクセススピードでアクセスし、前記第2の装着部に装着された第2の記憶媒体に第2のアクセススピードでアクセスするアクセス部と、
前記アクセス部が前記第1の記憶媒体と前記第2の記憶媒体とにアクセスした際に、アクセスに要する電流値の合計が所定の電流値を超えないように前記第1のアクセススピードおよび第2のアクセススピードの少なくとも一方を制御する制御部と、を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記アクセス部が前記第1の記憶媒体と前記第2の記憶媒体とにアクセスした際に、前記制御部は、前記アクセス部が前記第1の記憶媒体に対してアクセス可能な最大アクセススピードである第1の最大アクセススピードで前記第1の記憶媒体にアクセスすることを許容するとともに、前記アクセス部が前記第2の記憶媒体に対してアクセス可能な最大アクセススピードである第2の最大アクセススピードよりも低速のアクセススピードで前記第2の記憶媒体にアクセスするように制御することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記アクセス部が前記第1の記憶媒体と前記第2の記憶媒体とにアクセスした際に、前記アクセス部が前記第1の記憶媒体から読み出すまたは前記第1の記憶媒体に書き込むデータ量が、前記アクセス部が前記第2の記憶媒体から読み出すまたは前記第1の記憶媒体に書き込むデータ量よりも大きい場合には、前記制御部は、前記アクセス部が前記第1の最大アクセススピードで前記第1の記憶媒体にアクセスすることを許容するとともに、前記第2の最大アクセススピードよりも低速のアクセススピードで前記第2の記憶媒体にアクセスするように制御することを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器と、
被写体を撮像して画像データを出力する撮像部と、を備え、
前記アクセス部は、前記撮像手段から出力された画像データを前記第1の記憶媒体に前記第1のアクセススピードで書き込むとともに、前記撮像部から出力された画像データを前記第2の記憶媒体に前記第2のアクセススピードで書き込む書き込み部を含むことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項5】
請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、
前記アクセス部は、前記第1の記憶媒体に記憶されている画像データを前記第1のアクセススピードで読み出すとともに、前記第2の記憶媒体に記憶されている画像データを前記第2のアクセススピードで読み出す読み出し部をさらに含むことを特徴とするデジタルカメラ。

【図1】
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【公開番号】特開2011−114831(P2011−114831A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272272(P2009−272272)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】