説明

電子機器及び画像出力方法

【課題】表示画面上に画像が表示されていない領域を発生させることなく、ユーザに適切に立体視動画を視聴させる。
【解決手段】立体視動画として左眼用画像と右眼用画像とを受信するDTV1において、左眼用画像と右眼用画像とを水平方向に引き伸ばした上で、その一部の領域を切り出して画像の出力を行う。左眼用画像に関しては、画像処理部A408が左眼用画像31を水平方向に引き伸ばした上で、この画像の左端を含む領域であって左眼用画像31と同じ大きさの画像を切り出して、出力する。右眼用画像に関しては、画像処理部B409が左眼用画像33を水平方向に引き伸ばした上で、この画像の右端を含む領域であって右眼用画像33と同じ大きさの画像を切り出して、出力する。DTV1はこの切り出した後の左眼用画像51と右眼用画像53を出力することでユーザに対して視差の少ない立体視動画を視聴させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器及び出力方法に関するものであって、特に立体視動画を出力する電子機器及び出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の技術の発達によって、ユーザが立体動画として視聴可能な動画(以下では、立体視動画と呼ぶ)を出力可能な電子機器が提案されている。
【0003】
この電子機器が立体動画をユーザに提供するときの一般的な提供方法の一例としては、視差の存在する右眼用画像と左眼用画像とをそれぞれ右眼のみ、左眼のみに見せることで、ユーザに動画を立体として捉えさせる方法が挙げられる。
【0004】
電子機器がユーザに画像の立体視を提供するとき、ユーザと画面との距離、又は表示される表画面の大きさ等の要因で、それぞれの眼にこの眼に見せるための画像が好適に提供されず、ユーザが立体動画を捉えられなくなってしまう場合が存在する。
【0005】
例えば、立体視動画を大きな表示画面で表示する場合には右眼用画像と左眼用画像との間の視差が大きくなりすぎ、立体視動画をユーザが適切に立体として捉えることができなくなってしまう場合がある。そこで、自然な飛び出し量の立体映像を得ることができる立体映像表示装置が提案されている(特許文献1を参照)。
【0006】
しかし、上記提案では表示画面上に画像が表示されていない領域が発生してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2004/082297号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
表示画面上に画像が表示されていない領域を発生させることなく、ユーザに適切に立体視動画を視聴させる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる電子機器は、第1の画像と、前記第1の画像との間に視差が存在する第2の画像とを受信する受信手段と、前記第1の画像と前記第2の画像とを少なくとも水平方向に引き伸ばす引き伸ばし手段と、引き伸ばされた第1の画像の、前記第1の画像と同じ大きさの第1の領域であって、水平方向の端部である第1の端部を含まない前記第1の領域の画像である第3の画像と、引き伸ばされた第2の画像の、前記2の画像と同じ大きさの第2の領域であって、前記第1の端部と逆の端部である第2の端部を含まない前記第2の領域の画像である第4の画像とを、連続してまたは同時に出力する出力手段と、を具備することを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態における動画表示システムの一例を示す概観図。
【図2】立体視動画を表示するときのユーザの視聴の様子の一例を示す概念図。
【図3】視差の大きい立体動画を表示するときのユーザ視聴の様子の一例を示す概念図。
【図4】第1の実施形態におけるDTVの内部構成の一例を示すブロック図。
【図5】第1の実施形態における立体視動画の画像引き伸ばし等の処理方法の一例を示す概念図。
【図6】第1の実施形態における画像配列部が行う画像を並べる処理の一例を示す概念図。
【図7】第1の実施形態におけるUI画像表示時のDTVの表示画面の一例を示す概観図。
【図8】第1の実施形態におけるDTVが行う視差量調整処理の一例を示すフロー図。
【図9】第2の実施形態におけるODDレコーダの内部構成の一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明における実施の形態の例を、以下で図面を参照しながら説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について以下に説明を行う。
【0013】
図1は本実施形態における動画表示システム4の一例を示す概観図である。図1にはDTV1、表示画面2、シャッタメガネ3、および動画表示システム4が示されている。
【0014】
DTV1は例えばデジタルテレビ(Digital Television)であって、本実施形態における電子機器の一例である。DTV1は放送波又は他の動画再生機器から動画データを受信し、この動画データに基づいて表示画面2上に動画を表示する機能を有している。またこのDTV1はユーザが2次元として視聴する2次元動画と立体として視聴することの可能な立体視動画とを選択的に表示することが可能である。立体視動画を表示するとき、DTV1は2つの画面の間に視差が存在する左眼用画像と右眼用画像とを表示画面2に交互に表示し、シャッタメガネ3に対してこの表示と同期するように液晶シャッタの遮蔽、透過を切替させるための開閉信号を送信することで、シャッタメガネ3を装着したユーザに立体動画を提供する。本実施形態では電子機器の一例としてDTV1を示すが、これに限定されるものではなく、例えばSTB(Set Top Box)、PC(Personal Computer)等の様々なものが電子機器の例として考えられる。
【0015】
シャッタメガネ3は左眼用レンズ及び右眼用レンズにそれぞれ遮蔽可能な液晶シャッタが設けられており、これらのレンズと液晶シャッタとを合わせてレンズユニットと呼ぶこととする。本実施形態に於いては左眼用レンズ、右眼用レンズ等のようにレンズとして説明しているが、これに限定されず、レンズではなく例えばガラス等の透明性を有する素材でできた平板等であってもよい。シャッタメガネ3は、DTV1から受信する液晶シャッタの開閉信号に基づいて、左右のレンズユニットのそれぞれの液晶シャッタを異なるタイミングで開閉し、ユーザに立体動画を提供する。例えば、DTV1に左眼用画像が表示されているときには、シャッタメガネ3はDTV1からの開閉信号に基づいて右眼用レンズユニットの液晶シャッタを閉状態(遮蔽状態)、左眼用レンズユニットの液晶シャッタを開状態(透過状態)として、ユーザの左眼のみに左眼用画像を見せる。また右眼用画像が表示されているときには、シャッタメガネ3は左眼用レンズユニットのシャッタを閉状態、右眼用レンズユニットのシャッタを開状態として、ユーザの右眼のみに右眼用画像を見せる。この動作によってユーザは見ている動画を立体として捉えることができる。
【0016】
上記の立体視の原理を、ここで詳細に説明する。人間は通常、物体を位置の異なる左眼と右眼とのそれぞれで見ており、この左眼と右眼とで見る像にはこの間に視差が存在する。この視差の存在する左眼で見る像と右眼で見る像とを脳内で合成することによって人間は見ている物体を立体として認識することができる。よって、上述のようにそれぞれ視差を有する左眼用の画像と右眼用の画像とをそれぞれの眼で見せることによって、ユーザに動画を立体として捉えさせることが可能となる。このようにシャッタメガネ3はDTV1の動画をユーザに立体映像として提供している。
【0017】
動画表示システム4はDTV1及びシャッタメガネ3によって構成される。立体視動画を視聴するときは、ユーザはシャッタメガネ3を装着してDTV1に表示されている立体視動画を見ることで、この立体視動画を立体として視聴することができる。
【0018】
次にDTV1が立体視動画を表示するときに発生しうる問題についての説明を行う。
【0019】
図2は立体視動画を表示するときのユーザの視聴の様子の一例を示す概念図である。
【0020】
まず、図2(A)図は左眼用画像21をユーザの左眼にのみ見せているときのユーザの視線を示している。DTV1が左眼用画像21を表示している際、シャッタメガネ3はDTV1から送信される開閉信号に基づいて左眼用レンズを透過、右眼用レンズを遮蔽として、ユーザの右眼からDTV1に表示されている画像を見えないようにする。これによりユーザは左眼のみで左眼用画像21を見ることとなる。この場合、左眼用画像21に描画された物体22を見ているときのユーザの視線は図中の破線に示すような視線となる。
【0021】
次に、図2(B)図は左眼用画像21と視差がある右眼用画像23をユーザの右眼にのみ見せているときのユーザの視線を示している。DTV1が右眼用画像23を表示している際、シャッタメガネ3はDTV1から送信される開閉信号に基づいて右眼レンズを透過、左眼用レンズを遮蔽として、ユーザの左眼からDTV1に表示されている画像を見えないようにする。これによりユーザは右眼のみで右眼用画像21を見ることとなり、この場合、右眼用画像23に描画された物体24(実質的に物体22と同じもの)を見ているときのユーザの視線は、図中の破線に示すような視線となる。
【0022】
図2(C)図はユーザが左眼用画像21を左眼のみで、右眼用画像23を右眼のみで視聴しているときのそれぞれの視線を合成して概念的に示した図である。ユーザは右眼と左眼と視線が交差する点に物体が存在するように認識するため、左眼で物体22を右眼で物体24を見るとき、ユーザは視線の交差する点に物体25が存在するように認識する。このようにして、ユーザは平面として表示された立体動画を立体として認識している。
【0023】
図3は視差の大きい立体動画を表示するときのユーザ視聴の様子の一例を示す概念図である。
【0024】
図3(A)図には左眼用画像31が示されており、左眼用画像31には物体32が描画されている。図3(B)図には左眼用画像31と視差を有する右眼用画像33が示されており、右眼用画像33には物体34が描画されている。左眼用画像31と右眼用画像33との間の視差は、左眼用画像21と右眼用画像23との間の視差よりも大きいものとなっている。
【0025】
図3(C)図はユーザが左眼用画像31を左眼のみで、右眼用画像33を右眼のみで視聴しているときのそれぞれの視線を合成して概念的に示した図である。図3においては左眼用画像31と右眼用画像33との間の視差が大きいため、左眼で物体32を、右眼で物体34を見るユーザのそれぞれの眼の視線の交差する点は、ユーザと極遠くなってしまっている。このように、視線の交差する点がユーザから見て極めて遠くなってしまうと、ユーザは物体32及び物体34を一つの物体として認識することができず、物体32と物体34とがそれぞれ別の物体として見え、左右にブレたような像を見ることとなる。
【0026】
上述のように、左眼用画像と右眼用画像との間の視差が大きすぎると、ユーザは動画を立体として認識することが困難となる。このように左眼用画像と右眼用画像の視差が大きくなってしまい、立体動画の視聴が困難となってしまうケースは様々な要因によって引き起こされることが考えら得る。
【0027】
例えば、動画が表示を想定されている画面よりも大きい画面で表示され、ユーザが通常画面を見る距離で視聴を行う場合に上述のケースが起こり得る。この場合、想定されている画面よりも大きい画面で動画が表示されるため、左眼用画像と右眼用画像とがそれぞれ拡大され、これにより視差が想定より大きくなってしまい、ユーザが動画を立体として認識する難しくなる。
【0028】
また、動画を表示する表示画面とユーザの視聴位置とが近い場合にも上記ケースが起こり得る。更に、子供が視聴する場合等のように左右の眼の距離が小さい場合にも上記ケースが起こり得る。
【0029】
本実施形態におけるDTV1は上述のように表示する立体視動画の視差が大きくなりすぎることを防止し、ユーザが視聴しやすい立体視動画を提供することができる。この機能にかかる説明を以下に行う。
【0030】
図4は本実施形態におけるDTV1の内部構成の一例を示すブロック図である。図4には、DTV1、制御部401、受信部402、動画受信部403、判別部404、フレームレート設定部405、左右画像分離部406、視差量検出部407、画像処理部A408、画像処理部B409、画像配列部410、切替部411、表示制御部412、表示部413、シャッタ制御信号送信部414、及びOSD生成部415が示されている。
【0031】
制御部401はCPU(Central Processing Unit)及びメモリを含み、DTV1全体を制御する機能を有している。制御部401はDTV1内の構成に対して各種指示を行う。
【0032】
受信部402は例えば赤外線受信装置等の受信モジュールであり、リモートコントローラ(図示しない)からの操作指示としての赤外線信号を受信する機能を有している。リモートコントローラはユーザからボタンが押圧されたことを検知し、押圧を検知したボタンに基づいた赤外線信号をDTV1に送信する。受信部402はこの赤外線信号を受信し、制御部401にこの赤外線信号に基づいた電気信号を送信する機能を有している。制御部401は受信部402から受け取る電気信号に基づいた各種処理を行う。本実施形態においては赤外線信号によって、リモートコントローラが受信部402に信号を送信するものとして例示したがこれに限定されず、信号を送受信できるのであれば他の通信規格等に準拠しているとしてもかまわない。
【0033】
動画受信部403は2次元動画または立体視動画が含まれる動画データを受信する機能を有している。動画受信部403が受信する動画としては、例えばTS(Transport Stream)形式で送信された動画、又はベースバンド信号等によって送信された動画等が考えられる。動画受信部403はDTV1と接続されたレコーダ等から又は放送波によって、メタデータと動画とを含む動画データを受信する。また、動画受信部403は受信した動画データをDTV1内の所定の構成に対して送信する機能を有している。更に、動画受信部403は受信した動画をデコードする機能を有している。
【0034】
判別部404は、動画データに含まれる動画が2次元動画であるのか立体視動画であるのかを判別する機能を有している。また、動画データに含まれる動画を表示するために推奨されているディスプレイサイズのデータを抽出する機能を有している。判別部404は受信した動画データのメタデータに基づいて、動画データに含まれる動画が2次元動画であるのか立体視動画であるのかを判別する。また、このメタデータ内に、この動画を表示するために推奨されるディスプレイのサイズ等のデータが含まれる場合には、この情報を抽出し、制御部401に送信する機能を有している。このときのメタデータは、例えばTSに含まれるとしてもよいし、DTV1と接続されたレコーダからTSとは別に送信されるものであってもよい。判別部404は動画が2次元動画であると判別すると、動画受信部403はフレームレート設定部405にデコード後の動画データを送信する。また、判別部404は動画が立体視動画であると判別すると、動画受信部403左右画像分離部406及び視差量検出部407にデコード後の動画データを送信する。しかし、上述のようにメタデータに動画表示に推奨されるディスプレイサイズ等の情報が含まれている場合には、動画受信部403は視差量検出部407に対して動画データの送信を行わない。本実施形態において、判別部404が動画データは2次元動画を含むか、3次元動画を含むかを判別する方法として、動画データのメタデータを参照して判別すると例示したがこれに限定されるものではない。例えば、判別部404はデコードされた動画の信号に基づいて、動画が立体視動画伝送用の所定の形式をしているか否かを検出し、この結果によって判別するとしてもよい。例えば、それぞれ解像度の小さい左眼用画像と右眼用画像が、左右に並んで一枚の画像として送信されるサイドバイサイド方式による立体視動画転送の場合は、判別部404は一枚の画像の左側半分と右側半分との間に画像の相関関係があるか否かを検出し、これに応じて2次元動画であるか立体視動画であるかの判別を行う等の判別方法が考えられる。
【0035】
フレームレート設定部405は、DTV1の表示部413のスペック等に応じて、動画受信部403から受信する2次元動画を表示部413に表示する際のフレームレートを設定する機能を有している。フレームレート設定部405はフレームレートを設定した2次元動画及びこのフレームレートの情報を切替部411に対して出力する。
【0036】
左右画像分離部406は、動画受信部403より立体視動画を受信すると、この動画の画像を左眼用画像と右眼用画像とに分離する機能を有している。左右画像分離部406は分離した左眼用画像を画像処理部A408に、右眼用画像を画像処理部B409に送信する。
【0037】
視差量検出部407は、動画受信部403より立体動画を受信すると、これに含まれる左眼用画像と右眼用画像との間の視差を検出する機能を有している。視差量検出部407は検出した視差量の情報を制御部401に送信する。
【0038】
ここで制御部401は、動画受信部403より受信する動画のディスプレイ推奨サイズの情報、視差量検出部407より検出する動画の視差情報、又は受信部402より受信するユーザのリモートコントローラ操作に基づいて、画像処理部A408及び画像処理部B409に対して画像の引き伸ばし処理に関する指示を行う。すなわち、制御部401は画像処理部A408及び画像処理部B409に対して画像引き伸ばし等の処理を行うか否か、また画像引き伸ばし等の処理を行う場合には、どれだけ量の引き伸ばし(拡大)を行うかの指示を行う。
【0039】
制御部401は、動画受信部403より動画のディスプレイ推奨サイズの情報を受信すると、この推奨されたディスプレイのサイズが所定値よりも小さいときには、画像処理部A408及び画像処理部B409に対して引き伸ばし処理を行うように指示を行う。また、制御部401は引き伸ばし処理を行う際には推奨されたディスプレイのサイズに応じて引き伸ばし処理量を設定し、推奨されたディスプレイサイズが小さいほど、引き伸ばし処理量を大きく設定する。ここで、制御部401が引き伸ばし処理指示を行うか否かの基準とする、ディスプレイサイズと比較する所定値はDTV1の表示装置のディスプレイサイズによって決定される。この所定値は制御部401中のメモリに格納されている。また、制御部401は視差量検出部407より立体視動画の視差情報を受信すると、この視差情報が所定値より大きい場合には、画像処理部A408及び画像処理部B409に対して引き伸ばし等の処理を行うように指示を行う。また、制御部401は引き伸ばし処理を行う際には受信する視差の値に応じて引き伸ばし処理量を設定し、視差の値が大きいほど引き伸ばし処理量を大きく設定する。また、ここで視差情報と比較する所定値もディスプレイサイズによって決定されており、制御部401はこの所定値の情報をメモリに記憶している。
【0040】
また、制御部401はユーザのリモートコントローラ操作に基づいても画像処理部A408及び画像処理部B409に対して画像引き伸ばし処理の指示を行うが、これに関しては図7を用いて後述にて説明を行う。
【0041】
画像処理部A408及び画像処理部B409は、左右画像分離部406より受信する左眼用画像、右眼用画像のそれぞれに対して画像引き伸ばし等の処理を行うことができる。画像処理部A408及び画像処理部B409が行う画像引き伸ばし等の処理方法に関しては図5を用いて後述にて説明を行う。画像処理部A408及び画像処理部B409は、画像の引き伸ばし処理を行うと引き伸ばした画像の一部を切り出し、切り出した画像を画像配列部410に送る。また、画像処理部A408及び画像処理部B409は、制御部401からの指示に基づいて画像引き伸ばし等の処理を行うが、制御部401が引き伸ばし処理を行わないように指示するとき、または制御部401より指示が来ない場合には引き伸ばし処理および切り出し処理を行わずに画像を画像配列部410に送る。
【0042】
画像配列部410は、受信する左眼用画像及び右眼用画像を並べて出力する機能を有している。画像配列部410は受信する左眼用画像及び右眼用画像を交互に並べ、更に左眼用画像及び右眼用画像が含まれる立体視動画を表示する際のフレームレートを設定して、切替部411に対して出力する。画像配列部410の行う左眼用画像及び右眼用画像の並べ方に関しては図6を用いて説明を行う。
【0043】
切替部411はフレームレート設定部405又は画像配列部410から受信する動画の信号を選択的に出力する出力手段としての機能を有している。切替部411は、2次元動画又は立体視動画の信号をフレームレートで示されたレートで表示制御部412に対して出力する。また、切替部411は立体視動画を出力するとき、この立体視動画のフレームレートに応じて、シャッタ制御信号送信部414に開閉信号の指示を行う。
【0044】
表示制御部412は表示部413を制御する機能を有しており、切替部411より入力する動画の信号に基づいて表示部413にこの動画を表示する機能を有している。
【0045】
表示部413は本実施形態に於いては例えばLCD(Liquid Crystal Display)であって、表示制御部412からの制御に基づいて、自身の有する表示画面2に動画を表示する機能を有している。また表示部413はLCDに限定されず、他にも表示部413の例としては、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electro-Luminescence)等の様々な表示装置が考えられる。
【0046】
シャッタ制御信号送信部414は切替部411からの指示に基づいてシャッタメガネ33に対して開閉信号の送信を行う。この開閉信号の送信は例えば赤外線通信に準拠して送信したとしてもよいし、他の通信規格に準拠しての送信であるとしてもよい。
【0047】
OSD生成部415は制御部401の制御に従って、UI(ユーザ・インタフェース)画面などを表示するためのOSD(On Screen Display)信号を生成する。OSD生成部415は生成した信号を表示制御部412に送信する。表示制御部412はこのOSD信号に基づくUI画像を動画に重畳させて表示する。
【0048】
本実施形態では、画像の引き伸ばし等の処理を行う画像処理モジュールとして、左眼用画像の画像編集処理を行う画像処理部A408と右眼用画像の画像処理を行う画像処理部B410の2つが設けられている。これによって左眼用画像と右眼用画像とのそれぞれの画像の引き伸ばし等を並行して実行することができるため、1つのモジュールで画像処理を行う場合と比較して、画像処理速度を向上させることができる。
【0049】
本実施形態において、画像処理部A408及び画像処理部B409は制御部401からの指示に従って左眼用画像及び右眼用画像にそれぞれ画像引き伸ばし等の処理を行う。この処理について以下で詳細に説明を行う。
【0050】
図5は本実施形態における立体視動画の画像引き伸ばし等の処理方法の一例を示す概念図である。
【0051】
図5(A)図は画像処理部A408及び画像処理部B409に入力される左眼用画像31と右眼用画像33を合成した画像を概念的に示した図である。図3で説明したように左眼用画像31と右眼用画像33とは視差が大きすぎてユーザはこれを立体として捉えることが難しい。
【0052】
図5(B)図は画像処理部A408及び画像処理部B409が行う画像引き伸ばし等の処理について概念的に示した図である。
【0053】
画像処理部A408は、入力される左眼用画像31を水平方向に引き伸ばす処理を行い、この引き伸ばされた画像の一部の領域を切り出す。このとき切り出される領域は、引き伸ばされる前の左眼用画像31と同じサイズであって、この引き伸ばされた画像の右端部の画素を含まない領域である。本実施形態に於いては、この切り出される領域は引き伸ばされた画像の左端近傍の画素を含む(例えば左端から1から10の画素のいずれかを含む等)領域であるものと例示して説明を行う。これらの処理によって左利眼用画像51が生成される。左眼用画像51に描画されている物体52は左眼用画像31に描画される物体32よりも右側に寄っている。
【0054】
また、画像処理部B409は、入力される右眼用画像33を水平方向に引き伸ばす処理を行い、この引き伸ばされた画像の一部の領域を切り出す。この引き伸ばされた画像の左端部の画素を含まない領域である。本実施形態に於いては、この切り出される領域は引き伸ばされた画像の右端近傍の画素を含む(例えば右端から1から10の画素のいずれかを含む等)領域であるものと例示して説明を行う。これらの処理によって右利眼用画像53が生成される。右眼用画像53に描画されている物体54は右眼用画像33に描画される物体34よりも左側に寄っている。
【0055】
図5(C)図はユーザが左眼用画像51を左眼のみで、右眼用画像53を右眼のみで見ているときのそれぞれの視線を合成して概念的に示した図である。
【0056】
画像処理部A408及び画像処理部B409が上述のように、左眼用画像31と右眼用画像33の引き伸ばし及び切り出し処理によって生成した左眼用画像51と右眼用画像53では、物体52と物体54との距離が近づいておりそれぞれの画像の間の視差は小さいものとなっている。このため、ユーザの左右それぞれの眼の視線が交差する点ができ、ユーザは立体として物体55を捉えることができる。
【0057】
本実施形態に於いては、左眼用画像31の左端近傍を含む領域と右眼用画像33の右端近傍を含む領域とを切り出して左眼用画像51と右眼用画像53を出力している。この場合、左眼用画像31と右眼用画像33との間の視差が大きい場合にも対応することが可能である。
【0058】
本実施形態に於いては画像を水平方向に引き伸ばす場合を説明したがこれに限定されず、例えば画像の縦横比を変えずに画像を引き伸ばすとしてもよい(画像の拡大)。この様に画像の縦横比を変えずに画像を引き伸ばすとした場合においても、画像近傍を含む領域であって引き伸ばし前の画像と同じ大きさの画像を切り出して出力する。この様に引き伸ばす方向は水平方向のみに限定されず、画像の垂直方向にも引き伸ばされるとしてもよい。
【0059】
本実施形態に於いては説明の簡単のため、ユーザが立体として捉えるものを物体52等として示しているが、当然左眼用画像51及び右眼用画像53に描画された他のものに関してもユーザは立体として認識することができる。
【0060】
また上述では画像処理部A408及び画像処理部B409が行う処理手順を、引き伸ばし処理、切り出し処理の順で行うように説明したがこれに限定されず、先に切り出し処理を行った上で、引き伸ばし処理を行うとしてもよい。
【0061】
本実施形態では、画像を局所的にではなく全体的に引き伸ばすため、画像の中に局所的な不自然さが生じることがない。
【0062】
しかし、本実施形態では画像全体を引き伸ばすものとして説明するが、例えば局所的に画像を引き伸ばすとしてもよい。
【0063】
また、本実施形態におけるDTV1は画像を切り出して表示するのみではなく引き伸ばし処理によって元の画像のサイズ以上に引き伸ばしているため、切り出して表示する場合とは異なり、表示画面端部等に何も表示されていない領域が生じることがない。
【0064】
次に画像配列部410が行う左眼用画像及び右眼用画像を並べる処理に関して説明を行う。
【0065】
図6は本実施形態における画像配列部410が行う画像を並べる処理の一例を示す概念図である。
【0066】
画像配列部410は画像処理部A408及び画像処理部B409の画像を左右交互に時系列的に並べて出力する。図6において左眼用画像61は左眼用画像51より後に表示されるべき画像であり、右眼用画像62は右眼用画像53より後に表示されるべき画像であるとする。
【0067】
このとき画像配列部410は左眼用画像51、右眼用画像53、左眼用画像61、右眼用画像62の順で画像を出力する。
【0068】
本実施形態のDTV1はOSD生成部415によって生成されるOSD信号に基づいてUI画像を表示する。この表示に関して次に説明を行う。
【0069】
図7は本実施形態におけるUI画像表示時のDTV1の表示画面の一例を示す概観図である。図7には表示画面2、表示画像71、視差量調整表示72、視差量調整スライダ73、年齢入力ボックス74、OKボタン75、及びキャンセルボタン76が示されている。
【0070】
DTV1の表示画面2には立体視動画の内の1画像である表示画像71が表示され、更に表示画像71に重層されて視差量調整表示72が表示されている。視差量調整表示72はOSD生成部415によって生成されるOSD信号に基づいて表示されており、この視差量調整表示72を用いてユーザは立体視動画の連続する画像間の視差量を調整することができる。視差量調整表示72には、視差量調整スライダ73、年齢入力ボックス74、OKボタン75、及びキャンセルボタン76が表示されている。
【0071】
視差量調整スライダ73はユーザがリモートコントローラの左右キーの操作に応じて、斜線で示されるスライダが移動し、このスライダの位置と対応するように、立体視動画の画像間の視差量は制御される。このスライダの位置が固定されるとこの位置に対応した視差量で動画が表示される。具体的には、ユーザがリモートコントローラを操作すると、制御部401に操作に関する信号が入力され、この信号に基づいて制御部401は画像処理部A408及び画像処理部B409に画像の引き伸ばし処理指示及び引き伸ばし処理量の指示を行う。画像処理部A408及び画像処理部B409はこの指示に基づいて画像を引き伸ばし、上述のように一部切り出す。この様に処理を行われた画像が表示画面2に表示されることとなる。
【0072】
年齢入力ボックス74はユーザが視聴者の年齢を入力可能なボックスである。ユーザはリモートコントローラの数字キー(チャンネルキー)等を用いて、この年齢入力ボックス74に数値を入力することが可能である。制御部401は自身のメモリに画像処理部A408及び画像処理部B409に画像引き伸ばし指示を行う際の引き伸ばし処理量の値と、ユーザの年齢の値とを対応させているテーブルを有している。年齢入力ボックス74に視聴者の年齢が入力されるとこのテーブルを参照して引き伸ばし処理量を決定し、画像処理部A408及び画像処理部B409に画像の引き伸ばし処理指示及び引き伸ばし処理量の指示を行う。視聴者が子供である等の理由で両眼の間隔が小さい場合、表示される立体視動画の画像間の視差は、視聴者の両眼の間隔に対して大きくなってしまうため、視聴者は立体視動画を立体として捉えることが難しくなる。このため、視聴者の両眼の間隔が小さい場合には立体動画の視差を小さくしたほうがよく、DTV1は視聴者の年齢に応じて立体視動画の左右それぞれの画像間の視差を小さくよう引き伸ばし処理を行う。
【0073】
OKボタン75は、ユーザが視差量の設定を適用する場合に選択するボタンである。OKボタン75をユーザが選択すると、視差量の調整は行われたままで、視差量調整表示72は非表示となる。また、キャンセルボタン76はユーザが視差量の設定をキャンセルするために選択するボタンである。OKボタン75又はキャンセルボタン76がユーザによって選択されるとOSD生成部415はOSD信号の生成及び出力を停止し、視差量調整表示72の表示をやめる。
【0074】
次にDTV1が行う視差量調整処理の処理フローに関して説明を行う。
【0075】
図8は本実施形態におけるDTV1が行う視差量調整処理の一例を示すフロー図である。
【0076】
DTV1は先ず、動画受信部403によって動画データを受信する(ステップS801)。
【0077】
次に動画受信部403がこの動画データのデコードを行い、判別部404が動画データのメタデータを読み込み、動画データに含まれる動画が立体視動画であるか否かの判別を行う(ステップS802)。このときの判別方法はこれに限定されず、上述のように判別部404は動画データに含まれる画像信号に基づいて立体視動画であるか否かの判別を行ってもよい。
【0078】
判別部404が立体視動画であると判別しないとき(ステップS802、No)、すなわち動画が2次元動画であると判別するとき、動画受信部403はフレームレート設定部405に動画データを出力する。フレームレート設定部405は入力された動画のフレームレートを設定した後に、動画データ及びフレームレートの情報を切替部411に出力する。これらが入力された切替部411は設定されたフレームレートに基づいて表示制御部412に動画を出力し、表示制御部412は表示部413に動画を表示させる(ステップS803)。
【0079】
判別部404が動画は立体視動画であると判別したとき(ステップS802、Yes)、判別部404はメタデータから動画を表示する推奨ディスプレイサイズの情報があるかどうかを検出し、これが存在する場合にはこの情報を制御部401に対して送信する。また動画受信部403はこの動画データを左右画像分離部406及び視差量検出部407に対して出力する(動画データ内に推奨ディスプレイサイズの情報がある場合には動画受信部403は視差量検出部407へは動画データを出力しない)。動画データが入力された左右画像分離部406は、この動画データに含まれる立体視動画から左右それぞれの画像を分離し(ステップS804)、左眼用画像を画像処理部A408へ、右眼用画像を画像処理部B409へ出力する。
【0080】
また、視差量検出部407は入力された動画の左眼用画像と右眼用画像とを比較し、それぞれの画像間にどれだけの視差量が存在するのかを検出する(ステップS805)。視差量検出部407は検出した視差量の情報を制御部401に出力する。
【0081】
制御部401は、推奨ディスプレイサイズ情報又は視差量情報を受信し、この情報に基づいて視差調整を行うか否かの判別を行う(ステップS806)。
【0082】
推奨ディスプレイサイズが所定値より大きいとき、又は視差量が所定値より小さいときには視差調整を行わないと判別し(ステップS806、No)、推奨ディスプレイサイズが所定値より小さいとき、又は視差量が所定値より大きいときには視差調整を行うと判別する(ステップS806、Yes)。
【0083】
制御部401は視差調整を行わないと判別するとき(ステップS806、No)、ユーザから視差調整指示を受信するか否かの判別を行う(ステップS807)。ユーザのリモートコントローラの所定の操作によって、DTV1は視差量調整表示72を表示し、視差量調整表示72に基づいたユーザからの操作指示を受信すると(ステップS807、Yes)、制御部401はこの操作指示に応じた調整量の視差調整を行う。
【0084】
ステップS806又はステップS807において視差量を調整するとき(ステップS806、Yes)(ステップS807、Yes)、制御部401は画像処理部A408および画像処理部B409に画像の引き伸ばし処理の指示及び画像引き伸ばし量の指示を行う。画像処理部A408および画像処理部B409は、この指示に基づいて左眼用画像及び右眼用画像に引き伸ばし処理を行う(ステップS808)。
【0085】
次に、画像処理部A408および画像処理部B409は、引き伸ばした画像の一部の領域を切り出し(ステップS809)、切り出した画像を画像配列部410へと出力する。
【0086】
ステップS807においてユーザから視差調整指示を受信しないとき(ステップS807、No)、制御部401は、画像処理部A408および画像処理部B409に画像の引き伸ばし処理を行わないに指示を行う。この指示を受信した画像処理部A408および画像処理部B409は左眼用画像及び右眼用画像に処理を施さず、これらを画像配列部410に出力する。
【0087】
画像処理部A408および画像処理部B409より画像を入力された画像配列部410は、入力された画像を時系列的に左右交互に配列し、立体視動画のフレームレートを設定した後、配列した画像群とフレームレートの情報とを切替部411に対して出力する。
【0088】
配列した画像群(立体視動画)とフレームレートの情報とを入力された切替部411は受信したフレームレートに基づいて、表示制御部412にこの画像群を出力する。この入力を受けた表示制御部412は表示部413に立体動画を表示させる(ステップS811)。
【0089】
ステップS803またはステップS811が終了すると一連の処理フローは終了となる。
【0090】
本実施形態に於いてはシャッタメガネ2を用いたフレームシーケンシャル方式で立体動画をユーザに提供するため、左眼用画像及び右眼用画像は交互に出力される。しかし、本実施形態はこれに限定されず、他の立体視動画提供方法によってユーザに立体動画を提供するとしてもよい。例えば表示される一つの画像の内に左眼用画像と右眼用画像とが混在しており、それぞれの画像を偏光等によってユーザの左右それぞれの眼に見せて、立体視を提供する立体視提供方法を採用したとしてもよい。このときには、DTV1は左眼用画像と右眼用画像とを同時に一つの画像として出力することとなる。
【0091】
本実施形態に於いて、DTV1は立体視動画に含まれる左眼用画像と右眼用画像の視差を検出し、この視差に基づいて引き伸ばし処理を行うか否かを判別するため、DTV1は立体視動画の視差が大きい場合には自動的に視差量の調整を行うことができる。
【0092】
また、本実施形態に於いてDTV1は立体視動画の表示が推奨されるディプレイサイズに応じて、引き伸ばし処理を行うため、DTV1は立体視動画の特性に応じて自動的に視差量の調整を行うことができる。
【0093】
さらに、DTV1は立体視動画の視差量や、立体動画の推奨ディスプレイサイズに応じて、引き伸ばし処理の処理量を制御するため、DTV1は自動的に視差の調整量を制御する。
【0094】
本実施形態では、DTV1はユーザが視差量を設定するためのインターフェースを設けるため、ユーザは視差量を自分で好適に設定することが可能となる。更にDTV1は視差量調整のための表示を設けるため、ユーザは調整量を直感的に把握することができる。
【0095】
本実施形態に於いては左眼用画像と右眼用画像との視差量が大きすぎる場合に、この視差を小さくするために画像の引き伸ばし処理を行った場合を例示したが、これに限定されず、画像間の視差が小さすぎる場合に画像の引き伸ばし処理を行うとしてもよい。このときは、画像処理部A408および画像処理部B409は画像の引き伸ばしを行った後、左眼用画像の右端近傍の元画像と同じ大きさの領域と、右眼用画像の左端近傍の元画像と同じ大きさの領域と、を切り出して、切り出した画像を出力する。これによって画像間の視差は大きくなるため、DTV1は小さすぎた視差量を調整し、ユーザの視聴により好適な立体視動画を提供することが可能となる。この場合に表示画面上に画像が表示されない領域が発生することを防ぐことができる。
【0096】
本実施形態におけるDTV1は表示装置の表示画面上に画像が表示されていない領域を発生させることなく、ユーザに適切に立体視動画を視聴させることができる。
【0097】
(第2の実施形態)
本発明における第2の実施形態について以下にて説明を行う。
【0098】
図9は本実施形態におけるODDレコーダ9の内部構成の一例を示すブロック図である。図9にはODDレコーダ9、制御部901、受信部902、動画受信部903、判別部904、フレームレート設定部905、左右画像分離部906、視差量検出部907、画像処理部A908、画像処理部B909、画像配列部910、切替部911、通信部912、表示装置情報検出部913、ODD914、および光ディスク915が示されている。
【0099】
本実施形態のODDレコーダ9の内部構成において、第1の実施形態と同様の名称が付されている構成については第1の実施形態とほぼ同様の機能を持つものとする。以下では第1の実施形態では説明されなかった構成、また第1の実施形態と同様の名称が付されているが異なる機能を有する構成について重点的に説明を行う。
【0100】
ODDレコーダ9は装填された光ディスク915に動画を格納、又は光ディスク915に格納されている動画を再生することの可能なレコーダである。光ディスク915とは例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等を指す。
【0101】
通信部912は、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠した通信モジュールであって、HDMIケーブルによって接続されたDTV等の表示装置と通信を行う機能を有している。本実施形態において通信部912は外部機器であるDTVと通信を行い、種々のデータの送受信を行う。
【0102】
表示装置情報検出部913は、通信部912が通信を行っている表示装置(ここではDTV)に対して、この表示装置のディスプレイ(表示画面)のサイズ情報を送信するように通信部912を介した指示を行う。表示装置情報検出部913は通信部912を介してDTVよりディスプレイサイズの情報を取得すると、この情報を制御部901に対して送信する機能を有している。
【0103】
第1の実施形態において制御部401はDTV1のディスプレイのサイズ情報を自身の有するメモリ内に格納しており、この情報と動画の推奨ディスプレイサイズ情報及び動画の視差情報に基づいて、画像の引き伸ばし処理を行うか否か、さらに引き伸ばし処理量の決定を行う。本実施形態における制御部901はODDレコーダ9と接続されたDTVのディスプレイのサイズ情報を表示装置情報検出部913より受信し、この情報と動画の推奨ディスプレイサイズ情報及び動画の視差情報に基づいて、画像の引き伸ばし処理を行うか否か、さらに引き伸ばし処理量の決定を行う。このとき、制御部901はこの接続機器のディスプレイサイズ情報をメモリに格納するとしてもよい。
【0104】
ODD914は、光ディスク915からのデータ読み出し、及び光ディスク915へのデータ書き込みを行う機能を有する光ディスクドライブ(Optical Disk Drive)である。また、ODD914は光ディスク915より読み出した動画データを動画受信部903に対して出力する機能を有している。
【0105】
本実施形態に於いては電子機器の一例としてODDレコーダ9を示したがこれに限定されず、例えばHDD(Hard Disk Drive)レコーダ等のレコーダも電子機器の例として考えられる。
【0106】
本実施形態のODDレコーダ9は外部接続された表示装置の情報を受信し、この情報に応じて視差量調整を行うことができる。
【0107】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1…DTV、2…表示画面、3…シャッタメガネ、4…動画表示システム、21…左眼用画像、22…物体、23…右眼用画像、24…物体、25…物体、31…左眼用画像、32…物体、33…右眼用画像、34…物体、401…制御部、402…受信部、403…動画受信部、404…判別部、405…フレームレート設定部、406…左右画像分離部、407…視差量検出部、408…画像処理部A、409…画像処理部B、410…画像配列部、411…切替部、412…表示制御部、413…表示部、414…シャッタ制御信号送信部、415…OSD生成部、51…左眼用画像、52…物体、53…右眼用画像、54…物体、55…物体、61…左眼用画像、62…右眼用画像、71…表示画像、72…視差量調整表示、73…視差量調整スライダ、74…年齢入力ボックス、75…OKボタン、76…キャンセルボタン、9…ODDレコーダ、901…制御部、902…受信部、903…動画受信部、904…判別部、905…フレームレート設定部、906…左右画像分離部、907…視差量検出部、908…画像処理部A、909…画像処理部B、910…画像配列部、911…切替部、912…通信部、913…表示装置情報検出部、914…ODD、915…光ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像と、前記第1の画像との間に視差が存在する第2の画像とを受信する受信手段と、
前記第1の画像と前記第2の画像とを少なくとも水平方向に引き伸ばす引き伸ばし手段と、
引き伸ばされた第1の画像の、前記第1の画像と同じ大きさの第1の領域であって、水平方向の端部である第1の端部を含まない前記第1の領域の画像である第3の画像と、
引き伸ばされた第2の画像の、前記2の画像と同じ大きさの第2の領域であって、前記第1の端部と逆の端部である第2の端部を含まない前記第2の領域の画像である第4の画像とを、連続してまたは同時に出力する出力手段と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の画像と前記第2の画像との間の視差を検出する検出手段を更に具備し、
前記引き伸ばし手段は、
前記視差が第1の値のとき、前記第1の画像及び第2の画像の引き伸ばし量を第1の引き伸ばし量とし、
前記視差が前記第1の値より大きいとき、前記第1の画像及び前記第2の画像の引き伸ばし量を前記第1の引き伸ばし量より大きい第2の引き伸ばし量とすること
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記引き伸ばし手段は、前記視差が第1の所定値より小さいとき前記引き伸ばしを行わず、前記第1の所定値以上のとき前記引き伸ばしを行うこと
を特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記動画が表示を推奨されるディスプレイサイズの情報を受信する情報受信手段を更に具備し、
前記サイズが第2の所定値より大きいとき前記引き伸ばしを行わず、前記第2の所定値以下のとき前記引き伸ばしを行うこと
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記引き伸ばし手段の引き伸ばし量の変更指示を示す信号を受信する信号受信手段を更に具備し、
前記引き伸ばし手段は前記信号に基づいて引き伸ばし量を変更すること
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記引き伸ばし量を変更のための表示画像を生成する生成手段と、
前記表示画像を出力する表示画像出力手段と
を更に具備することを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記出力された画像を、連続してまたは同時に表示する表示手段を
更に具備することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項8】
前記動画受信手段は放送波から前記動画を受信すること
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項9】
前記動画受信手段は記憶媒体から前記動画を受信すること
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項10】
第1の画像と、前記第1の画像との間に視差が存在する第2の画像とを受信し、
前記第1の画像と前記第2の画像とを少なくとも水平方向に引き伸ばし、
引き伸ばされた第1の画像の、前記第1の画像と同じ大きさの第1の領域であって、水平方向の端部である第1の端部を含まない前記第1の領域の画像である第3の画像と、
引き伸ばされた第2の画像の、前記2の画像と同じ大きさの第2の領域であって、前記第1の端部と逆の端部である第2の端部を含まない前記第2の領域の画像である第4の画像とを、連続してまたは同時に出力すること、
を特徴とする画像出力方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−211657(P2011−211657A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79838(P2010−79838)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】