説明

電子機器装置

【課題】2重押しボタン構造の押しボタンユニットを備える電子機器装置において、薄型化を図りつつ、静電気防護を実現する。
【解決手段】光ディスク再生装置1は、スイッチ33a〜33eと、2重押しボタン構造の押しボタンユニットと、これらを収納する表示ケース35とを備える。押しボタンユニットは、スイッチ33a〜33eをスイッチングするための第1の押しボタン50及び第2の押しボタン60と、静電気対策用の第1の導電性部材70及び第2の導電性部材80とを有する。第1の導電性部材70は、第1の押しボタン50と第2の押しボタン60との間に設けられており、第2の導電性部材80は、表示ケース35と第1の押しボタン50との間に設けられている。第1の導電性部材70は、第2の導電性部材80に接続されており、第2の導電性部材80は、ヒンジユニット4を介してグランドに接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2重押しボタン構造の押しボタンユニットを備える電子機器装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば光ディスク再生装置などの電子機器装置において、ケース内に、スイッチ及びスイッチをスイッチングするための押しボタンを収納し、押しボタンのキートップをケースに設けられた操作用開口に臨ませたものがある。このような電子機器装置では、人の指などが押しボタンのキートップに近づいたときに、人の指などから静電気が放電することがある。このとき、静電気がケースの操作用開口(押しボタンのキートップとケースとの間の隙間)を通ってケース内の電子部品に放電すると、電子部品に悪影響を及ぼす虞がある。このため、このような電子機器装置では、静電気をグランドに放電させるための導電性部材を設けたり、押しボタンのキートップから電子部品までの沿面距離を長くするなどして、静電気が電子部品に放電されないように静電気防護策を講じている。
【0003】
また、このような電子機器装置において、複数の押しボタンを備える場合に、それら複数の押しボタンをユニット化して押しボタンユニットとしたものがある。このような押しボタンユニットとしては、第1の押しボタンと第2の押しボタンとを備え、第1の押しボタンのキートップの中央に孔を設け、この孔に第2の押しボタンのキートップを臨ませたものがある。このような構造の押しボタンユニットを2重押しボタン構造の押しボタンユニットと呼ぶ。
【0004】
また、導電性部材をダイアルと一緒に回転するように操作ボタンの底部に配置すると共に、この導電部材をダイアルを保持するベース部材に設けたアース部材に接触させることにより、静電気防護策を講じた電子機器装置が知られている(例えば特許文献1参照)。また、半導体基板に形成されたスイッチング素子と電気的に独立して半導体基板に接続する柱状導電体を設けることにより、静電気防護策を講じた半導体装置が知られている(例えば特許文献2参照)。また、ケースに設けられた操作用開口と操作用開口に臨む操作部材との間を遮蔽する導電性部材を設けることにより、静電気防護策を講じた電子機器装置が知られている(例えば特許文献3参照)。また、回転型物が回転する際にクリック感を生じさせるクリック機構に、回転型物を通して回転型物の下面側に露出されるアースリード部を設けることにより、静電気防護策を講じた電子部品が知られている(例えば特許文献4参照)。また、ケース内の回路基板とケースに設けられた操作用開口との間に導電性部材を設けることにより、静電気防護策を講じた電子機器装置が知られている(例えば特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−304934号公報
【特許文献2】特開2002−48507号公報
【特許文献3】特開2002−93288号公報
【特許文献4】特開2007−173093号公報
【特許文献5】実開平5−6893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、2重押しボタン構造の押しボタンユニットでは、第1の押しボタンのキートップと第2の押しボタンのキートップとの間に隙間を生じてしまうため、静電気が第1の押しボタンのキートップと第2の押しボタンのキートップとの間の隙間を通ってケース内の電子部品に放電する虞がある。従って、2重押しボタン構造の押しボタンユニットでは、静電気が第1の押しボタンのキートップと第2の押しボタンのキートップとの間の隙間を通ってケース内の電子部品に放電しないように、静電気防護策を講じる必要がある。この静電気防護策としては、第1の押しボタンのキートップから(及び第2の押しボタンのキートップから)、第1の押しボタンのキートップと第2の押しボタンのキートップとの間の隙間を経由した、電子部品までの沿面距離を長くする構成が考えられる。しかしながら、このような構成では、電子機器装置のサイズが大きくなり、薄型化が困難である。なお、上述した特許文献1乃至特許文献5に開示の内容を適用したとしても、上記の問題を解決することはできない。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、2重押しボタン構造の押しボタンユニットを備える電子機器装置において、薄型化を図りつつ、静電気防護を実現することができる電子機器装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、スイッチと、スイッチをスイッチングするための第1の押しボタン及び第2の押しボタンと、スイッチ、第1の押しボタン、及び第2の押しボタンを収納するケースとを備え、第1の押しボタンのキートップ及び第2の押しボタンのキートップは、ケースに設けられた開口に臨み、第1の押しボタンのキートップは、中央に孔が開いており、第2の押しボタンのキートップは、第1の押しボタンのキートップの中央の孔に臨む電子機器装置において、第1の押しボタンと第2の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材を備えるものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電子機器装置において、ケースと第1の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材を備え、第1の押しボタンと第2の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材は、ケースと第1の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材に接続されており、ケースと第1の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材は、グランドに接続されているものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電子機器装置において、第2の押しボタンは、該第2の押しボタンのキートップを保持する弾性のあるバネ部を有し、第1の押しボタンと第2の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材は、第2の押しボタンのキートップよりも大きな外形を持つ、第2の押しボタンのキートップに嵌着される嵌着部と、嵌着部に繋がっており、第2の押しボタンのバネ部と同じ形状を持つ、第2の押しボタンのバネ部に重ねられる弾性のある重ね部とを有するものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1に記載の電子機器装置において、第1の押しボタンと第2の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材は、グランドに接続されているものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1乃至請求項4の発明によれば、第1の押しボタンと第2の押しボタンとの間に静電気対策用の導電性部材が設けられていることにより、静電気が第1の押しボタンのキートップと第2の押しボタンのキートップとの間の隙間を通ってケース内の電子部品に放電することが防がれる。これにより、第1の押しボタンのキートップの中央の孔に第2の押しボタンのキートップを臨ませた構造の(2重押しボタン構造の押しボタンユニットを備える)電子機器装置において、静電気防護を実現することができる。しかも、沿面距離を長くする構成と比較して、薄型化を図りつつ、静電気防護を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係る光ディスク再生装置の概略構成を示すディスクカバーを閉じた状態の斜視図、(b)は同ディスクカバーを開いた状態の斜視図。
【図2】同光ディスク再生装置の分解斜視図。
【図3】同光ディスク再生装置の押しボタンユニットの構成を示す、図2の一部を拡大した斜視図。
【図4】(a)は同光ディスク再生装置の押しボタンユニットの構成を示す、図3の背面側から見た平面図、(b)は(a)のA−A線断面図。
【図5】同光ディスク再生装置の押しボタンユニットの構成を示す、同押しボタンユニットを分解した状態の背面側から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施形態による電子機器装置について図面を参照して説明する。図1(a)(b)、図2(a)は、本実施形態による電子機器装置である光ディスク再生装置の構成を示す。光ディスク再生装置1は、例えばDVDやBD等の光ディスク10から記録データを読取る装置である。この光ディスク再生装置1は、携帯型のものである。
【0015】
光ディスク再生装置1は、本体ユニット2と、表示ユニット3と、ヒンジユニット4と、ヒンジカバー5とを備えており、表示ユニット3がヒンジユニット4を介して本体ユニット2に取付けられ、表示ユニット3が本体ユニット2に対して回動可能になっている。
【0016】
本体ユニット2は、光ディスク10から記録データを読取る光ディスク読取ユニット21と、光ディスク読取ユニット21を収納する本体ケース22と、カバー23と、内蓋24とを有する。本体ケース22は、本体ケース22の下側部分を占める下ケース22aと、本体ケース22の上側部分を占める上ケース22bとを有しており、下ケース22aと上ケース22bが相互に結合されている。
【0017】
光ディスク読取ユニット21は、その一部(光ディスク10を回転させるためのスピンドルモータ21a、及び光ディスク10から記録データを読取る光読取ヘッド21b等)が、上ケース22bに設けられた読取開口22cに臨んでいる。読取開口22cの上に、光ディスク10が装着されるようになっている。カバー23は、上ケース22bに設けられたヒンジ結合開口22d(図2参照)を塞ぐように、本体ケース22の上ケース22bに装着されている。内蓋24は、光ディスク10が装着される領域に対して開閉可能なように、本体ケース22の上ケース22bに回動自在に装着されている。
【0018】
表示ユニット3は、液晶パネル31と、回路基板32と、5つのスイッチ33a、33b、33c、33d、33eと、押しボタンユニット34と、これら液晶パネル31、回路基板32、スイッチ33a〜33e、及び押しボタンユニット34を収納する表示ケース35とを有する。表示ケース35は、表示ケース35の前側部分を占める前ケース35aと、表示ケース35の後側部分を占める後ケース35bとを有しており、前ケース35aと後ケース35bが相互に結合されている。
【0019】
液晶パネル31は、前ケース35a(表示ケース35)に設けられた表示開口35cに臨んでいる。液晶パネル31は、本体ユニット2の光ディスク読取ユニット21により光ディスク10から読取った記録データに基く画像や、メニュー画面等の各種画像を表示する。スイッチ33a〜33eは、回路基板32に実装されている。スイッチ33a〜33eは、表面が押圧されることによりスイッチングする押圧方式のスイッチである。回路基板32には、スイッチ33a〜33e以外にも、各種電子部品(不図示)が実装されており、また、電気回路(不図示)が形成されている。押しボタンユニット34は、スイッチ33a〜33eをスイッチングするために操作されるものであり、前ケース35a(表示ケース35)に設けられた操作用開口35oに臨んでいる。押しボタンユニット34の構成の詳細については後述する。
【0020】
ヒンジユニット4は、図2に示すように、表示ユニット3に結合される表示側結合部41と、本体ユニット2に結合される本体側結合部42と、表示側結合部41と本体側結合部42とを相対的に回動可能に連結したヒンジ機構部43等を有する。このヒンジユニット4は、2軸スイーベルヒンジと呼ばれるヒンジユニットであり、ヒンジ機構部43は、表示側結合部41と本体側結合部42とを相対的に直交2軸に回動可能に連結している。
ヒンジカバー5は、ヒンジユニット4のヒンジ機構部43に取付けられている。
【0021】
表示側結合部41は、表示ユニット3の下端部の中央部に結合されており、本体側結合部42は、本体ユニット2の後端部の中央に結合されている。これにより、表示ユニット3は、本体ユニット2に対して直交2軸に回動可能になっている。すなわち、表示ユニット3は、本体ユニット2に対して、表示ユニット3の下端部を通って表示ユニット3の下端縁と平行な第1の回動中心軸C1の軸回りに回動可能になっていると共に、本体ユニット2の後端部の中央を通って本体ユニット2の上面に垂直な第2の回動中心軸C2の軸回りに回動可能になっている。ヒンジカバー5は、本体ユニット2と表示ユニット3との間に位置し、ヒンジ機構部43の、表示ユニット3と本体ユニット2の両方の外部に位置する部分を覆っている。
【0022】
光ディスク再生装置1を使用するときには、例えば、表示ユニット3を開いた状態(表示ユニット3を本体ユニット2に対して起立させた状態、又は、表示ユニット3の背面(画像表示面と反対側の面)が本体ユニット2の上面に合わさるように、表示ユニット3を本体ユニット2に対して倒伏させた状態)にされる。また、光ディスク再生装置1を携帯して持ち運ぶときには、例えば、表示ユニット3を閉じた状態(表示ユニット3の正面(画像表示面)が本体ユニット2の上面に合わさるように、表示ユニット3を本体ユニット2に対して倒伏させた状態)にされる。また、光ディスク再生装置1は、不図示の外部装置を接続して使用(光ディスク再生装置1により光ディスクから読取った記録データに基く画像を外部装置のディスプレイに表示)することができるようになっており、外部装置を接続して使用する場合には、例えば、表示ユニット3を閉じた状態にされる。
【0023】
図3、図4(a)(b)、図5は、上記押しボタンユニット34の構成を示す。押しボタンユニット34は、スイッチ33a〜33eをスイッチングするための第1の押しボタン50及び第2の押しボタン60とを備えている。この押しボタンユニット34は、2重押しボタン構造の押しボタンユニットであり、第2の押しボタン60のキートップ62が、第1の押しボタン50のキートップ52の中央に設けられた孔52oに臨んでいる。また、押しボタンユニット34は、静電気対策用の第1の導電性部材70と、静電気対策用の第2の導電性部材80とを備えている。
【0024】
第1の押しボタン50は、スイッチ33a、33b、33c、33dをスイッチングするためのものであり、基部51と、キートップ52と、バネ部53と、押圧突起54a、54b、54c、54dとを有する。基部51は、キートップ52を支持するものであり、キートップ52を囲うように環状に形成されている。キートップ52は、スイッチ33a、33b、33c、33dをスイッチングするために押下操作される部分であり、バネ部53を介して、基部51と繋がっている。また、キートップ52は、環状に形成されていて、中央に孔52oが開いている。バネ部53は、キートップ52を弾性変位自在に保持するものであり、弾性がある。すなわち、キートップ52は、バネ部53によって、基部51に対して弾性変位自在に保持されている。押圧突起54a、54b、54c、54dは、スイッチ33a、33b、33c、33dを押圧するためのものであり、キートップ52の背面に設けられている。
【0025】
第2の押しボタン60は、スイッチ33eをスイッチングするためのものであり、支持部61と、キートップ62と、バネ部63と、押圧突起64eとを有する。支持部61は、キートップ62を支持するものである。キートップ62は、スイッチ33eをスイッチングするために押下操作される部分であり、バネ部63を介して、支持部61と繋がっている。バネ部63は、キートップ62を弾性変位自在に保持するものであり、弾性がある。すなわち、キートップ62は、バネ部63によって、支持部61に対して弾性変位自在に保持されている。押圧突起64eは、スイッチ33eを押圧するためのものであり、キートップ62の背面に設けられている。
【0026】
第1の導電性部材70は、第1の押しボタン50のキートップ52と第2の押しボタン60のキートップ62との間の隙間に対して、静電気防護を講じるものであり、支持部71と、嵌着部72と、重ね部73と、接続部74とを有する。支持部71は、嵌着部72を支持するものである。嵌着部72は、第2の押しボタン60のキートップ62に嵌着される部分であり、第2の押しボタン60のキートップ62よりも大きな外形を持ち、環状に形成されていて、中央に孔72oが開いている。嵌着部72は、重ね部73を介して、支持部71と繋がっている。重ね部73は、第2の押しボタン60のバネ部63に重ねられる部分であり、嵌着部72と支持部71とに繋がっており、第2の押しボタン60のバネ部63と同じ形状を持ち、弾性がある。すなわち、嵌着部72は、重ね部73によって、支持部71に対して弾性変位自在に保持されている。接続部74は、第2の導電性部材80と電気的に接続する部分であり、支持部71に繋がっている。
【0027】
第2の導電性部材80は、第1の押しボタン50のキートップ52と前ケース35aとの間の隙間に対して、静電気防護を講じるものであり、嵌着部81と、接続部82とを有する。嵌着部81は、第1の押しボタン50のキートップ52に嵌着される部分であり、環状に形成されていて、中央に孔81oが開いている。接続部82は、ヒンジユニット4の表示側結合部41(グランド)と電気的に接続する部分であり、嵌着部81に繋がっている。
【0028】
第1の押しボタン50は、キートップ52が前ケース35aの操作用開口35oに嵌め込まれており、第2の押しボタン60は、キートップ62が第1の押しボタン50のキートップ52の中央の孔52oに嵌め込まれている。すなわち、第1の押しボタン50のキートップ52及び第2の押しボタン60のキートップ62は、前ケース35aの操作用開口35oに臨んでおり、かつ、第2の押しボタン60のキートップ62は、第1の押しボタン50のキートップ52の中央の孔52oに臨んでいる。
【0029】
第1の導電性部材70は、第1の押しボタン50と第2の押しボタン60との間に設けられている。すなわち、第1の導電性部材70は、嵌着部72が第2の押しボタン60のキートップ62に嵌め込まれると共に、重ね部73が第2の押しボタン60のバネ部63に重ねられた状態で、第1の押しボタン50と第2の押しボタン60との間にある。
【0030】
第2の導電性部材80は、前ケース35aと第1の押しボタン50との間に設けられている。すなわち、第2の導電性部材80は、嵌着部81が第1の押しボタン50のキートップ52に嵌め込まれた状態で、前ケース35aと第1の押しボタン50の基部51及びバネ部53との間にある。
【0031】
また、第2の導電性部材80は、接続部82がヒンジユニット4の表示側結合部41に接触しており、ヒンジユニット4(ヒンジユニット4はグランドになっている)と電気的に接続されている。すなわち、第2の導電性部材80は、ヒンジユニット4を介して、グランドに接続されている。ヒンジユニット4の表示側結合部41は、前ケース35aの内面に設けられたヒンジ結合支柱37に結合されるようになっており、接続部82は、ヒンジ結合支柱37とヒンジユニット4の表示側結合部41との間に挟まれていることで、ヒンジユニット4の表示側結合部41に接触している。
【0032】
また、第1の導電性部材70は、接続部74が第2の導電性部材80の接続部82に接触しており、第2の導電性部材80と電気的に接続されている。すなわち、第1の導電性部材70は、第2の導電性部材80及びヒンジユニット4を介してグランドに接続されている。接続部74は、弾性があり、接続部74自身の弾性で、第2の導電性部材80の接続部82に接触している。
【0033】
これら第1の押しボタン50、第2の押しボタン60、第1の導電性部材70、第2の導電性部材80は、前ケース35aの内面に設けられた取付支柱36に、第2の導電性部材80、第1の押しボタン50、第1の導電性部材70、第2の押しボタン60の順に装着することにより、ボタンユニット34として組み立てられると共に、前ケース35aに取付けられる。第1の押しボタン50、第2の押しボタン60、第1の導電性部材70、第2の導電性部材80を取付支柱36に装着した(前ケース35aに取付けた)後に、回路基板32が取付けられ、ヒンジユニット4の表示側結合部41がヒンジ結合支柱37に結合される。
【0034】
第1の押しボタン50のキートップ52を押すと、押した箇所に応じて、バネ部53が弾性変形しつつ、キートップ52の位置、姿勢が変位する。キートップ52を押すのを止めると、バネ部53が元の形状に戻ることによって、キートップ52の位置、姿勢が元に戻るように変位する。キートップ52の位置、姿勢の変位に応じて、押圧突起54a、54b、54c、54dがスイッチ33a、33b、33c、33dを押圧/押圧解除し、スイッチ33a、33b、33c、33dがスイッチングされる。
【0035】
また、第2の押しボタン60のキートップ62を押すと、バネ部63が弾性変形しつつ、キートップ62の位置が変位する。キートップ62を押すのを止めると、バネ部63が元の形状に戻ることによって、キートップ62の位置が元に戻るように変位する。キートップ62の位置の変位に応じて、押圧突起64eがスイッチ33eを押圧/押圧解除し、スイッチ33eがスイッチングされる。
【0036】
このような構成の光ディスク再生装置1によれば、第1の押しボタン50と第2の押しボタン60との間に静電気対策用の第1の導電性部材70が設けられていることにより、静電気が第1の押しボタン50のキートップ52と第2の押しボタン60のキートップ62との間の隙間を通って表示ケース35内の電子部品に放電することが防がれる。これにより、第1の押しボタン50のキートップ52の中央の孔52oに第2の押しボタン60のキートップ62を臨ませた構造の(2重押しボタン構造の押しボタンユニット34を備えた)光ディスク再生装置1において、静電気防護を実現することができる。しかも、沿面距離を長くする構成と比較して、薄型化を図りつつ、静電気防護を実現することができる。
【0037】
また、表示ケース35と第1の押しボタン50との間に静電気対策用の第2の導電性部材80が設けられていることにより、静電気が第1の押しボタン50のキートップ52と表示ケース35との間の隙間を通って表示ケース35内の電子部品に放電することが防がれる。これにより、より有効な静電気防護を実現することができる。
【0038】
しかも、第1の押しボタン50と第2の押しボタン60との間に第1の導電性部材70を設けると共に、表示ケース35と第1の押しボタン50との間に第2の導電性部材80を設け、第1の導電性部材70を第2の導電性部材80に接続し、第2の導電性部材80をヒンジユニット4(グランド)に接続する構成により、薄型化を図りつつ、簡略な構成によって、静電気防護を実現することができる。
【0039】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、第1の導電性部材は、第2の導電性部材を介さずに、直接に、ヒンジユニット(グランド)に接続されていてもよい。また、本発明は、光ディスク再生装置に限られず、他の電子機器装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 光ディスク再生装置(電子機器装置)
2 本体ユニット
3 表示ユニット
4 ヒンジユニット
5 ヒンジカバー
10 光ディスク
21 光ディスク読取ユニット
21a スピンドルモータ
21b 光読取ヘッド
22 本体ケース
22a 下ケース
22b 上ケース
22c 読取開口
22d ヒンジ結合開口
23 カバー
24 内蓋
31 液晶パネル
32 回路基板
33a、33b、33c、33d、33e スイッチ
34 押しボタンユニット
35 表示ケース
35a 前ケース
35b 後ケース
35c 表示開口
35o 操作用開口
36 取付支柱
37 ヒンジ結合支柱
41 表示側結合部
42 本体側結合部
43 ヒンジ機構部
50 第1の押しボタン
51 基部
52 キートップ
52o 孔
53 バネ部
54a、54b、54c、54d 押圧突起
60 第2の押しボタン
61 支持部
62 キートップ
63 バネ部
64e 押圧突起
70 第1の導電性部材
71 支持部
72 嵌着部
72o 孔
73 重ね部
74 接続部
80 第2の導電性部材
81 嵌着部
81o 孔
82 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチと、前記スイッチをスイッチングするための第1の押しボタン及び第2の押しボタンと、前記スイッチ、前記第1の押しボタン、及び第2の押しボタンを収納するケースとを備え、
前記第1の押しボタンのキートップ及び前記第2の押しボタンのキートップは、前記ケースに設けられた開口に臨み、
前記第1の押しボタンのキートップは、中央に孔が開いており、
前記第2の押しボタンのキートップは、前記第1の押しボタンのキートップの中央の孔に臨む電子機器装置において、
前記第1の押しボタンと前記第2の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材を備える、
ことを特徴とする電子機器装置。
【請求項2】
前記ケースと前記第1の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材を備え、
前記第1の押しボタンと前記第2の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材は、前記ケースと前記第1の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材に接続されており、
前記ケースと前記第1の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材は、グランドに接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器装置。
【請求項3】
前記第2の押しボタンは、該第2の押しボタンのキートップを保持する弾性のあるバネ部を有し、
前記第1の押しボタンと前記第2の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材は、
前記第2の押しボタンのキートップよりも大きな外形を持つ、前記第2の押しボタンのキートップに嵌着される嵌着部と、
前記嵌着部に繋がっており、前記第2の押しボタンのバネ部と同じ形状を持つ、前記第2の押しボタンのバネ部に重ねられる弾性のある重ね部とを有する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器装置。
【請求項4】
前記第1の押しボタンと前記第2の押しボタンとの間に設けられた静電気対策用の導電性部材は、グランドに接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−3862(P2012−3862A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135240(P2010−135240)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】