説明

電子機器

【課題】本発明の目的は、耐衝撃性の向上を図った電子機器を得ることにある。
【解決手段】電子機器1は、周壁16を有する第1の筐体7と、第1の筐体7に収容されるとともに四つの側面部8a〜8dを有する表示装置8と、第2の筐体4と、第1の筐体7を第2の筐体4に対して回動可能に支持するヒンジ軸23と、ヒンジ軸23に連結されるとともに第1の筐体7内に延びるブラケット25であって、表示装置8の一つの側面部8dに沿って延びるとともに表示装置8に固定される保持部31と、表示装置8の四つの側面部8a〜8dとこの側面部に対向する周壁16の壁部と間に形成される領域56を外れた第1の筐体7の周縁部に固定される固定部33とを有するブラケット25とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示ユニットを有する電子機器に係り、特に表示ユニットに搭載された表示装置を保持する固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばポータブルコンピュータのような電子機器は、表示ユニットを備える。表示ユニットは、ハウジングと、このハウジングに収容された表示装置と、この表示装置をハウジングに固定するブラケットとを備える。
【0003】
例えば、ハウジングと表示装置との間の寸法差を吸収するブラケットを備えた電子機器が提供されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のブラケットは、表示装置に固定される第1の部分と、ハウジングに固定される第2の部分と、この第1の部分を第2の部分に繋ぐ連結部とを有する。
例えば特許文献1に記載の電子機器が表示ユニットを支持するヒンジ機構を有する場合、上記ハウジングには上記ブラケットとは別にそのヒンジ機構に連結されたヒンジブラケットが固定される。
【0004】
例えば、LCD支持部材によってヒンジ機構に連結されたブラケットが補強された情報機器が提供されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載のLCD支持部材は、LCDとハウジングに固定される。さらにLCD支持部材は、ヒンジブラケットの端部に接続されている。
【特許文献1】米国特許第6992884B2号明細書
【特許文献2】米国特許第6430039B2号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば特許文献1に記載のブラケットの第2の部分(すなわちハウジングへの固定部)は、表示装置のすぐ側方に取付孔を有する。ブラケットの取付孔に挿入されたねじがハウジングのねじ穴に係合することで、ブラケットはハウジングに固定される。このような電子機器を例えば誤って床や机の上に落としてしまい、表示装置に横ズレ方向の荷重が加わった場合、表示装置と上記ねじとの間に衝撃荷重が作用し、表示装置が破損に至るおそれがある。
【0006】
例えば特許文献2に記載のLCD支持部材も、表示装置のすぐ側方に取付ねじが挿入される取付孔を有する。このような電子機器を誤って落としてしまった場合も同様に、LCDとねじとの間に衝撃荷重が作用し、LCDが破損に至るおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、耐衝撃性の向上を図った電子機器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの形態に係る電子機器は、周壁を有する第1の筐体と、第1の筐体に収容されるとともに四つの側面部を有する表示装置と、第2の筐体と、第1の筐体を第2の筐体に対して回動可能に支持するヒンジ軸と、ヒンジ軸に連結されるとともに第1の筐体内に延びるブラケットであって、表示装置の一つの側面部に沿って延びるとともに表示装置に固定される保持部と、表示装置の四つの側面部とこの側面部に対向する上記周壁の壁部との間に形成される領域を外れた第1の筐体の周縁部に固定される固定部とを有するブラケットとを具備する。
【発明の効果】
【0009】
この構成によれば、表示装置へ伝わる衝撃を緩和することができ、電子機器の耐衝撃性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態を、ポータブルコンピュータに適用した図面に基づいて説明する。
図1ないし図17は、本発明の第1の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ1を開示している。図1に示すように、ポータブルコンピュータ1は、本体2と表示ユニット3とを備えている。
【0011】
本体2は、本体筐体4を有する。本体筐体4は、請求項でいう第2の筐体の一例である。本体筐体4は、上壁4a、周壁4b、および図示しない下壁を有する箱状に形成されている。本体2は、本体筐体4の内部に回路基板および複数の電子部品を搭載している。本体筐体4の上壁4aは、キーボード5を支持している。
【0012】
図1に示すように、表示ユニット3は、ディスプレイハウジング7と、このディスプレイハウジング7に収容された表示装置8とを有する。ディスプレイハウジング7は、第1の筐体の一例である。ディスプレイハウジング7は、窓部7aを有する。
【0013】
表示装置8の一例は、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトリックルミネッセンスディスプレイ、または表面電界ディスプレイなどが挙げられる。表示装置8は、表示画面9を有する。表示画面9は、窓部7aを通じてディスプレイハウジング7の外部に露出されている。
【0014】
図2および図4に示すように、表示装置8は、矩形をした板状に形成され、第1ないし第4からなる四つの側面部8a,8b,8c,8dを有する。第1の側面部8aは、ポータブルコンピュータ1の幅方向に延び、表示画面9がユーザーに向かい合う状態で表示装置8の上縁となる。第2の側面部8bは、第1の側面部8aに平行に延び、表示装置8の下縁となる。第3および第4の側面部8c,8dは、それぞれ第1の側面部8aと直交する方向に延び、それぞれ表示装置8の左縁または右縁となる。
図4に示すように、表示装置8は、第1ないし第4の側面部8a,8b,8c,8dにより形成される第1ないし第4の角部10a,10b,10c,10dを有する。
【0015】
図2に示すように、ディスプレイハウジング7は、カバー12とマスク13とを有する。マスク13がカバー12に組み合わされると、両者は協働して箱状のディスプレイハウジング7を形成する。
図4は、カバー12と表示装置8との間係を模式的に示す図である。カバー12は、背壁15と周壁16とを有する。背壁15は、表示装置8の背後に位置するとともに、表示装置8の背面(すなわち表示画面9とは反対の面)に対向している。背壁15は、表示装置8の外形より大きく形成されている。
【0016】
周壁16は、背壁15の周縁部から起立するとともに、表示装置8の側面部8a,8b,8c,8dを取り囲んでいる。詳しくは、周壁16は、上周壁16a、下周壁16b、左周壁16c、および右周壁16dを有する。上周壁16aおよび下周壁16bは、ポータブルコンピュータ1の幅方向に沿って互いに平行に延びている。左周壁16cおよび右周壁16dは、上周壁16aに直交する方向に沿って延びている。左右周壁16c,16dは、背壁15の外縁に比べてわずかにカバー12の内側に入り込んだ位置に形成されている。図4に示すように、カバー12は、周壁16a,16b,16c,16dにより形成される第1ないし第4の角部17a,17b,17c,17dを有する。
【0017】
カバー12の上周壁16aは、この上周壁16aの中央部に形成されるとともに表示装置8の第1の側面部8aに対向する第1の壁部16aaと、この上周壁16aの左右両端部に形成されるとともに、表示装置8に対向しない第2の壁部16abとを有する。カバー12の下周壁16bは、この下周壁16bの中央部に形成されるとともに表示装置8の第2の側面部8bに対向する第1の壁部16baと、この下周壁16bの左右両端部に形成されるとともに、表示装置8に対向しない第2の壁部16bbとを有する。
【0018】
カバー12の左周壁16cは、この左周壁16cの中央部に形成されるとともに表示装置8の第3の側面部8cに対向する第1の壁部16caと、この左周壁16cの上下両端部に形成されるとともに、表示装置8に対向しない第2の壁部16cbとを有する。カバー12の右周壁16dは、この右周壁16dの中央部に形成されるとともに表示装置8の第4の側面部8dに対向する第1の壁部16daと、この右周壁16dの上下両端部に形成されるとともに、表示装置8に対向しない第2の壁部16dbとを有する。
【0019】
カバー12の下端部には、第1ないし第3の突出部18a,18b,18cが設けられている。第1の突出部18aは、カバー12の下端部の中央部からカバー12の外側に突出している。第1の突出部18aには、電子部品の一例としてのインバータ19が収容されている。第2および第3の突出部18c,18cは、カバーの左右両端部からそれぞれカバー12の外側に突出している。
【0020】
図1に示すように、ポータブルコンピュータ1は、ディスプレイハウジング7を本体筐体4に対して回動可能に連結する一対のヒンジ機構21a,21bを有する。図3に示すように、ヒンジ機構21a,21bは、それぞれヒンジ軸23、第1のブラケット24、および第2のブラケット25を有する。なお一対のヒンジ機構21a,21bは、その構造が互いに左右逆であること除いて同じであるので、本明細書ではポータブルコンピュータ1の右端部に設けられたヒンジ機構21bを取り上げて詳述し、他方のヒンジ機構21aについては同一の符号を付してその説明を省略する。
【0021】
図5に示すように、ヒンジ軸23は、ディスプレイハウジング7と本体筐体4との間に設けられている。第1のブラケット24は、一端部がヒンジ軸23に連結されるとともに、他端部が本体筐体4に固定されている。第2のブラケット25は、一端部がヒンジ軸23に連結されているとともに、他端部がディスプレイハウジング7内に延び、ディスプレイハウジング7に固定されている。
【0022】
第1および第2のブラケット24,25は、ヒンジ軸23を介して互いに回動可能である。ヒンジ軸23は、第1および第2のブラケット24,25を介して、ディスプレイハウジング7を本体筐体4に対して回動可能に支持する。
【0023】
次に、図5ないし図12を参照して第2のブラケット25(以後、単にブラケット25)について詳しく説明する。なお他方のヒンジ機構21aに含まれるブラケット25にはその構造が左右逆であること除いて同じである。
ブラケット25は、ディスプレイハウジング7内をヒンジ軸23の軸方向に直交する方向に沿って延びている。ブラケット25の一例は、板金で形成され、弾性を有する。ブラケット25は、表示装置8に固定される保持部31と、ディスプレイハウジング7に固定される第1ないし第4の固定部32,33,34,35とを有する。
【0024】
図5に示すように、ブラケット25の保持部31は、表示装置8の第4の側面部8dに沿って延びている。保持部31は、第4の側面部8dの略全域に亘って第4の側面部8dに対向している。表示装置8の第4の側面部8dは、その両端部にそれぞれねじ穴37を有する。ブラケット25の保持部31は、ねじ穴37に対向する領域にねじ挿通孔31aを有する。
【0025】
ブラケット25は、表示装置8にねじ38で固定される。具体的には、ねじ38がブラケット25のねじ挿通孔31aに挿通され、表示装置8のねじ穴37に係合することで、ブラケット25は表示装置8に固定される。図7および図9に示すように、ねじ38は、表示装置8の第4の側面部8dに直交する方向に沿ってねじ挿通孔31aおよびねじ穴37に取り付けられる。すなわち、ねじ38は、表示装置8に対して側方から取り付けられる。
【0026】
図7および図9に示すように、カバー12の右周壁16dは、ブラケット25のねじ挿通孔31aに対向する領域に切欠き39を有する。切欠き39は、ねじ38より大きく形成されている。ねじ38は、切欠き39を通じてカバー12の外部からブラケット25のねじ挿通孔31aに挿入される。
【0027】
図7および図8に示すように、ブラケット25の第1の固定部32は、ヒンジ軸23に連結された端部41と保持部31との間に設けられている。詳しくは、第1の固定部32は、カバー12の右周壁16dの第2の壁部16dbに沿って設けられるとともに、右周壁16dに対向している。第1の固定部32は、ねじ孔32aを有する。
【0028】
カバー12の右周壁16dには、第1の固定部32のねじ孔32aに対向するねじ挿通孔43が形成されている。ねじ44がカバー12のねじ挿通孔43に挿通され、ブラケット25のねじ孔32aに係合することで、第1の固定部32はカバー12に固定される。図7に示すように、ねじ44は、右周壁16dに直交する方向、すなわちカバー12の側方から取り付けられる。
【0029】
図8に示すように、第1の固定部32と保持部31との間には、第1の緩衝部46が設けられている。第1の緩衝部46は、表示装置8の第4の側面部8dと交差する方向に沿って延びるとともに、表示装置8から離間している。
【0030】
図5に示すように、ブラケット25の第2の固定部33は、ヒンジ軸23から最も離れたディスプレイハウジング7の周縁部に固定される。すなわち、第2の固定部33は、ヒンジ軸23に連結された端部41とは反対側のこのブラケット25の端部に設けられている。第2の固定部33と保持部31との間には、表示装置8から離間して延びる第2の緩衝部47が設けられている。
【0031】
図9および図10に示すように、ブラケット25の先端部は、その一部がカバー12の背壁15に対向するように折れ曲がっている。このブラケット25の先端部は、表示装置8から離れる側に折れ曲がっている。第2の固定部33は、この折れ曲がったブラケット25の先端部に設けられている。第2の固定部33は、係合孔33aとねじ挿通孔33bとを有する。カバー12の背壁15からは、第2の固定部33に対向する係合突起51とボス52とが起立している。
【0032】
係合突起51は、第2の固定部33の係合孔33aに対向している。係合突起51に係合孔33aを係合させることで、ブラケット25の取付位置が調整される。すなわちブラケット25の位置決めがなされる。ボス52には、第2の固定部33のねじ挿通孔33bに対向するねじ穴52aが形成されている。ねじ53をねじ挿通孔33bに挿通し、ねじ穴52aに係合させることで、第2の固定部33はカバー12に固定される。
【0033】
ここで、ブラケット25の第1および第2の固定部32,33が固定されるカバー12の領域について説明する。図4に示すように、カバー12内の領域は、第1ないし第3の領域55,56,57に区分される。第1の領域55は、表示装置8の背後に位置し、表示装置8の背面に対向する。第2の領域56は、上周壁16aの第1の壁部16aaと表示装置8の第1の側面部8aとの間、下周壁16bの第1の壁部16baと表示装置8の第2の側面部8bとの間、左周壁16cの第1の壁部16caと表示装置8の第3の側面部8cとの間、並びに、右周壁16dの第1の壁部16daと表示装置8の第4の側面部8dとの間に形成される。
【0034】
第3の領域57は、第1の領域55と第2の領域56とを外れたディスプレイハウジング7の周縁部に形成される。すなわち、第3の領域57は、周壁16a,16b,16c,16dの互いに隣り合ういずれか二つの第2の壁部16ab,16bb,16cb,16dbによって規定される領域である。さらに換言すれば、表示装置8の角部10a,10b,10c,10dとカバー12の角部17a,17b,17c,17dとの間に形成される領域である。なお第3の領域57は、カバー12の背壁15の一部のみならず、各周壁16a,16b,16c,16dの内周面の一部をも含む。
【0035】
ブラケット25の第1および第2の固定部32,33は、ともにカバー12の第3の領域57に固定される。すなわちブラケット25は、表示装置8の外形より外側に延びた部分においてカバー12に固定されている。
【0036】
図5に示すように、ブラケット25は、保持部31の途中に第3の固定部34を有する。第3の固定部34は、表示装置8から離間するとともカバー12の右周壁16dに沿って延びている。図11および図12に示すように、第3の固定部34は、係合孔34aとねじ孔34bとを有する。カバー12の右周壁16dからは、第3の固定部34の対向する係合突起61とねじ挿通孔62とが形成されている。係合突起61は、係合孔34aに対向している。係合突起61に係合孔34aを係合させることで、ブラケット25の取付位置が調整される。すなわちブラケット25の位置決めがなされる。
【0037】
ねじ挿通孔62は、第3の固定部34のねじ孔34bに対向している。ねじ63がねじ挿通孔62に挿通され、ねじ孔34bに係合することで、第3の固定部34はカバー12に固定される。
【0038】
第3の固定部34の両端部には、一対の第3の緩衝部64a,64bが設けられている。第3の緩衝部64a,64bは、表示装置8の第4の側面部8dに交差する方向に沿って延びている。第3の緩衝部64a,64bは、それぞれ第3の固定部34を保持部31に繋げている。
【0039】
図6に示すようにブラケット25は、例えば第1部材71と第2部材72から構成される。第1部材71は、上述の保持部31を含めてブラケット25の大部分を構成する。第2部材72は、ブラケット25の一端部に設けられている。第2部材72は、第1部材71に例えば溶接などで結合され、両者は一体である。
【0040】
図8に示すように、第2部材72は、第1ないし第3部分72a,72b,72cを有する。第2部材72の第1部分72aは、カバー12の右周壁16dに沿うとともに、第1部材71と協働してブラケット25の第1の固定部32を形成している。第2部材72の第2部分72bは、ヒンジ軸23に対向するとともに、ヒンジ軸23に例えば回動可能に連結されている。第2部材72の第3部分72cは、第1部分72aと第2部分72bとの間に亘って延びるとともに、両者を繋げている。
【0041】
ブラケット25の第1部材71の端部は、第2部材72の第3部分72cに沿って延びている。第1部材71の先端部は、その一部がカバー12の背壁15に対向するように折れ曲がっている。ブラケット25の第4の固定部35は、この折れ曲がった先端部に設けられている。
【0042】
第4の固定部35は、カバー12の第3の突出部18cの内部に配置される。第4の固定部35は、係合孔35aとねじ挿通孔35bとを有する。第4の固定部35に対向するカバー12の背壁15の領域からは、係合突起74とボス75が起立している。
【0043】
係合突起74は、第4の固定部35の係合孔35aに対向している。係合突起74に係合孔35aを係合させることで、ブラケット25の取付位置が調整される。すなわちブラケット25の位置決めがなされる。ボス75には、ねじ挿通孔35bに対向するねじ穴75aが形成されている。ねじ76がブラケット25のねじ挿通孔35bに挿通され、ボス75のねじ穴75aに係合することで、第4の固定部35はカバー12に固定される。
【0044】
ブラケット25の第1部材71の肉厚の一例は、例えば1.0mmである。ブラケット25の第2部材72の肉厚の一例は、例えば1.5mmである。すなわち図6に示すように、ブラケット25の保持部31の肉厚は、ヒンジ軸23に連結される端部41の肉厚に比べて小さい。さらに言えば、第1の固定部32と第2の固定部33との間のブラケット25の肉厚は、第1の固定部32とヒンジ軸23に連結された端部41との間のブラケット25の肉厚に比べて小さい。
【0045】
すなわち、ブラケット25のヒンジ軸23に連結された端部41と第1の固定部32との間の部位は、高い機械的強度が与えられている。一方、ブラケット25の第1の固定部32と第2の固定部33との間の部位は、高いばね性が与えられている。
【0046】
図3および図5に示すように、カバー12の背壁15の第2の領域56からは、それぞれ例えば複数個設けられた第1および第2のリブ81,82が起立している。第1のリブ81は、表示装置8の第3および第4の側面部8c,8dとカバー12の左右周壁16c,16dとの間に形成される。第2のリブ82は、表示装置8の第1の側面部8aとカバー12の上周壁16aとの間に形成される。
【0047】
第1および第2のリブ81,82は、表示装置8の側面部8a,8c,8dに対向している。図16に示すように、第1および第2のリブ81,82と表示装置8の側面部8a,8c,8dとの間には緩衝部材83が介在されている。緩衝部材83の一例は、合成ゴムである。緩衝部材83は、リブ81,82に取り付けられている。緩衝部材83は、表示装置8に接していても、表示装置8との間に隙間を空けて表示装置8に対向していても良い。
【0048】
図2に示すように、マスク13は、カバー12に組み合わされる。マスク13は、表示装置8の表示画面9に対向している。窓部7aは、マスク13に形成されている。図2および図13に示すように、マスク13は、左右の周壁91,92を有する。図15ないし図17に示すように、カバー12の左右周壁16c,16dは、背壁15の縁部からマスク13の周壁91,92の厚さ分だけカバー12の内側に入り込んだ位置に起立している。
【0049】
マスク13をカバー12に組み付けると、左右周壁91,92はそれぞれカバー12の左右周壁16c,16dに外側から対向する。カバー12の左右周壁16c,16dはマスク13の周壁91,91に覆われる。つまり図17に示すように、カバー12に形成された切欠き39は、マスク13の周壁91,92が覆い隠される。マスク13の周壁91,92は、ブラケット25の第1の固定部32に取り付けられるねじ76をも覆い隠す。
【0050】
図13および図14に示すように、マスク13の左右周壁91,92の内周面には、例えば複数の第1の係合爪94が設けられている。一方、図5および図7、図9に示すように、カバー12の左右周壁16c,16dには、第1の係合爪94に対応する第2の係合爪95が設けられている。図15に示すように、マスク13をカバー12に取り付けると、第1および第2の係合爪94,95が互いに係合する。これによりマスク13はカバー12に着脱自在に固定される。
【0051】
次に、ポータブルコンピュータ1の組立ての一例について説明する。
例えばまずブラケット25をカバー12に固定する。詳しくは、第2ないし第4の固定部33,34,35の係合孔33a,34a,35aをカバー12の係合突起51,61,74に合わせ、ブラケット25の取付位置の調整をする。ブラケット25の取付位置の調整後、ねじ44,53,63,76によりブラケット25の第1ないし第4の固定部32,33,34,35をカバー12に固定する。
【0052】
ブラケット25をカバー12に固定した後に、表示装置8をブラケット25に固定する。詳しくは、表示装置8をカバー12の背壁15に載置するとともに、ねじ38により表示装置8をブラケット25に固定する。このとき、ねじ38は左右周壁16c,16dに形成された切欠き39を通じてカバー12の側方から取り付けられる。表示装置8をブラケット25に固定することで、表示装置8はカバー12に固定される。
【0053】
表示装置8をカバー12に固定した後に、マスク13をカバー12に組み合わせる。第1および第2の係合爪94,95を互いに係合させることで、マスク13はカバー12に固定される。これにより、表示ユニット3の組立てが完了する。
【0054】
次に、ポータブルコンピュータ1の作用について説明する。
ポータブルコンピュータ1を例えば誤って床や机の上に落としてしまった場合、衝突時にディスプレイハウジング7に衝撃が加わる。この衝撃により、表示装置8がディスプレイハウジングに対して上下方向または左右方向にズレようとする。表示装置8がズレようとすると、ばね性を有するブラケット25が表示装置8の変位に伴なって変形する。ブラケット25が変形することで、カバー12に固定された第1ないし第4の固定部32,33,34,35と表示装置8との間に作用する衝撃荷重の一部が吸収される。
【0055】
このような構成のポータブルコンピュータ1によれば、表示装置8へ伝わる衝撃を緩和することができ、ポータブルコンピュータ1の耐衝撃性が向上する。
【0056】
ブラケット25の第1ないし第2の固定部32,33は、カバー12の第3の領域57に固定されている。第3の固定部34は、表示装置8から離間するとともにカバー12の周壁16に固定されている。第4の固定部35は、カバー12の第3の突出部18cの内部に固定されている。すなわち、表示装置8のすぐ側方にはブラケット25をカバー12に固定するいかなる固定部もねじも存在しない。
【0057】
ポータブルコンピュータ1を例えば誤って床や机の上に落としてしまった場合、衝撃荷重により表示装置8がディスプレイハウジング7内でズレようとする。表示装置8のすぐ側方にブラケット25をカバー12に固定する固定部が存在すると、表示装置8が変位できないため表示装置8とこの固定部との間に大きな応力が生じることになる。
【0058】
一方本実施形態に係るポータブルコンピュータ1のように、表示装置8のすぐ側方にブラケット25をカバー12に固定するいかなる固定部もねじも存在しないと、表示装置8がディスプレイハウジング7内である程度自由に変位できる。
【0059】
換言すれば、ブラケット25をカバー12に固定する固定部32,33,34,35とブラケット25を表示装置8に固定する保持部31との間の部分が変形し衝撃荷重の一部を吸収することで、衝撃荷重が緩和された状態で表示装置8に伝わる。これにより表示装置8が破損するおそれが低減する。
【0060】
例えば、ブラケット25の固定部32,34がカバー12の周壁16に固定されていると効果がある。カバー12の周壁16は、カバー12内で表示装置8から最も離れた領域の一つである。このカバー12の周壁16にブラケット25を固定することで、ブラケット25の固定部32,34と表示装置8との間に緩衝部となる部位を大きく確保することができる。
【0061】
さらに表示装置8に横ズレが生じても、カバー12の周壁16はディスプレイハウジング7内で表示装置8から最も離れた領域の一つであるので、表示装置8がこの固定部32,33のねじ44,63などに接触するおそれが小さく、表示装置8に大きな応力が加わることが抑制される。
【0062】
例えばブラケット25の固定部33,35をカバー12の背壁15に固定する場合、周壁16に固定する場合に比べてこの固定部33,35と表示装置8との間の距離が小さくなる。ただしカバー12の第3の突出部18cに第4の固定部35を固定することで、第4の固定部35と表示装置8との間に距離を確保することができる。ただし第4の固定部35を固定する部位は、第3の突出部18cに限らない。例えばインバータ19などを収容するカバー12の下端部は比較的スペースが確保されるので、例え第4の固定部35を第3の突出部18cからはみ出した位置に固定しても表示装置8から十分に離すことができる。
【0063】
ブラケット25の第2の固定部33は、カバー12の第3の領域57に位置する背壁15に固定される。例えば表示装置8がカバー12の上下方向(すなわち下周壁16bから上周壁16aを向く方向とその反対の方向)に沿って横ズレを起こした場合、表示装置8は、第2の固定部33のねじ53などに接触することが無く、表示装置8と第2の固定部33との間に大きな衝撃荷重は作用しない。
【0064】
一方、例えば表示装置8がカバー12の左右方向(すなわち左周壁16cから右周壁16dを向く方向とその反対の方向)に沿って横ズレを起こした場合も同様に、表示装置8は、第2の固定部33のねじ53などに接触することが無く、表示装置8と第2の固定部33との間に大きな衝撃荷重は作用しない。
【0065】
すなわちブラケット25をカバー12の第3の領域57に固定することで、例え背壁15に固定する場合であっても表示装置8に大きな衝撃荷重が作用することを抑制することができる。ブラケット25を背壁15の第3の領域57に固定することは、スペースに余裕の少ないディスプレイハウジング7の上端部において表示装置8とねじなどとの接触を回避する上で有効である。
【0066】
ブラケット25を背壁15に固定できる、すなわち背壁15に直交する方向に沿ってねじ53を留めることができることは、ねじ止めの作業性を向上させる。これはポータブルコンピュータ1の組立性の向上に寄与する。
【0067】
本実施形態に係るブラケット25を別の観点から見ると、ブラケット25がばね性を有することで、表示装置8へ伝わる衝撃を緩和することができる。すなわち、表示装置8がズレようとすると、ブラケット25が表示装置8の変位に伴なって変形する。ブラケット25が変形することで表示装置8に加わる衝撃荷重の一部が吸収される。
【0068】
ブラケット25は、表示装置8をディスプレイハウジング7に固定するという機能と、ヒンジ軸23に連結されディスプレイハウジング7の剛性を補強するという機能との2つの機能を併せ持つ。したがって従来それぞれの機能に応じて別々に設けられていた二つのブラケットが、一つのブラケット25で代替されることになる。これはポータブルコンピュータ1の組立性の向上、小型化、およびコストダウンに寄与する。
【0069】
ここで、ブラケット25の保持部31の肉厚がヒンジ軸23に連結されるブラケット25の端部41の肉厚に比べて小さく形成されていると、上記ブラケットの端部41にヒンジブラケットとして必要なトルク強度を与えるとともに、表示装置8の変位に伴なう変形を可能にするばね性をブラケット25に与えることができる。
【0070】
例えば第1の固定部32と上記端部41との間のブラケット25の肉厚が保持部31の肉厚に比べて大きければ、大きなトルクが作用するブラケット25の下端部41をカバー12に強固に固定することができる。例えば第1および第2の固定部32,33の間のブラケット25の肉厚が薄く形成されていれば、ブラケット25は第1および第2の固定部32,33の間でより高いばね性を有する。すなわちブラケット25は、表示装置8の横ズレに伴なって効果的に衝撃荷重を吸収することができる。
【0071】
ブラケット25の第1の固定部32が、ヒンジ軸23に連結された端部41と保持部31との間に位置するとともに、第2の固定部33がブラケット25の他の端部に設けられると、保持部31がカバー12に強固に支持される。さらに第1および第2の固定部32,33の間の間隔が離れていると衝撃荷重に対する耐力が向上し、さらに表示装置8を取り付ける取付精度が向上する。ブラケット25がヒンジ軸23の軸方向に直交する方向に沿って延びていると、ヒンジ軸23を中心とする表示ユニット3の回動動作に伴うカバー12に作用するトルクに対してカバー12を十分に補強することができる。
【0072】
表示装置8の側面部8c,8dに直交する方向に沿ってねじ38を取り付けることができると、表示装置8として側面部にねじ穴を有する規格品を採用することができる。周壁16c,16dが切欠き39を有すると、カバー12にすでに取り付けられたブラケット25に対して表示装置8を容易にねじ止めすることができる。マスク13の周壁91,92が切欠き39を覆い隠すと、ポータブルコンピュータ1の外観上の見栄えが向上する。さらにポータブルコンピュータ1によれば、マスク13の周壁91,92にねじ孔を設ける必要が無くなり、例えばこのねじ孔を塞ぐシールなどを省略することができる。
【0073】
ブラケット25が第3の固定部34を有すると、表示ユニット3の回動動作中にブラケット25が周壁16から外れて離れてしまうおそれが小さくなる。リブ81,82が設けられ、リブ81,82と表示装置8との間に緩衝部材83が設けられていると、表示装置8に加わる衝撃荷重の一部が緩衝部材83に吸収される。これによりポータブルコンピュータ1の耐衝撃性が向上する。
【0074】
ブラケット25の第3の固定部34は、カバー12にねじ止めされる。ここでブラケット25は、ばね性を有し、外力が作用した状態では例えば撓んでいるため、例えばブラケット25のねじ孔34bとカバー12のねじ挿通孔62とが互いにずれてしまうおそれがある。
【0075】
例えば本実施形態に係るポータブルコンピュータ1は、周壁16dに係合突起61が設けられるとともにブラケット25に係合孔34aが設けられている。このような構成によれば、係合孔34aを突起61に係合させることでブラケット25の位置決めを容易に行なうことができる。すなわち係合孔34aを突起61に係合させることで、ブラケット25のねじ孔34bとカバー12のねじ挿通孔62とを互いに一致させることができる。したがって、ポータブルコンピュータ1の組立性が向上する。他の係合孔33a,35aおよび係合突起51,74の効果も同様である。
【0076】
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ101を、図18を参照して説明する。なお第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0077】
ポータブルコンピュータ101は、ブラケット102を有する。図18に示すようにブラケット102は、第1の実施形態に係るブラケット25の第1および第2部材71,72を有する代わりに、第1および第2部材と同一の機能を有する構成が一つの部材としてが一体成形されている。このようなポータブルコンピュータ101によっても、第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1と同じ効果を得ることができる。
【0078】
次に、本発明の第3の実施形態に係る電子機器としてのポータブルコンピュータ111を、図19を参照して説明する。なお第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1と同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0079】
ポータブルコンピュータ111は、第3の固定部34を有する。第3の固定部34は、係合孔34aを有する。カバー12の右周壁16dには係合突起61が突出している。ただし第3の固定部34には、ねじ挿入孔、およびねじ孔は設けられておらず、ねじ止めされない。
【0080】
このように第3の固定部34のねじ止めを省略しても、ブラケット25は、第1、第2および第4の固定部32,33,35に固定されている。このため、このようなポータブルコンピュータ111によっても、第1の実施形態に係るポータブルコンピュータ1と同じ効果を得ることができる。さらにブラケット25の第3の固定部34の係合孔34aがカバー12の係合突起61に係合すると、ブラケット25は、突起61の突出方向に直交する方向に沿っては固定される。すなわち係合孔34aと突起61とを設けることで、ブラケット25がカバー12から外れにくくなる。
【0081】
ポータブルコンピュータ111によれば、ブラケット25は、第3の領域57に位置する第1および第2の固定部32,33、ならびに第3の突出部18cに位置する第4の固定部35によりカバー12に固定される。これにより、表示装置8が左右方向に横ズレが生じたとしても、表示装置8は第3の固定部34のねじに接触するおそれが無く、耐衝撃性の向上にさらに寄与する。なお、ブラケット25に代えて、第2の実施形態に係るブラケット102を本実施形態に係るポータブルコンピュータ111に採用しても良い。
【0082】
以上、第1ないし第3の実施形態に係るポータブルコンピュータ1について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されない。例えば、ブラケット25が必要なトルク強度とばね性を有するように形成されていれば、ブラケット25の肉厚は均一であっても良い。ブラケット25によるばね性だけで十分な耐衝撃性が確保される場合は、リブ81,82および緩衝部材83は省略可能である。第1および第2の固定部32,33によりブラケット25が十分カバー12に固定されれば、第3の固定部34は無くても良い。表示装置8を固定するねじは、必ずしもカバー12の側方から取り付ける必要はない。本発明が適用可能な電子機器は、ポータブルコンピュータに限られない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。
【図2】第1の実施形態に係る表示ユニットを分解して示す斜視図。
【図3】第1の実施形態に係るカバーとブラケットの斜視図。
【図4】第1の実施形態に係る表示ユニット内部を模式的に示す平面図。
【図5】第1の実施形態に係る表示ユニット内部の右端部の平面図。
【図6】第1の実施形態に係るブラケットの平面図。
【図7】図5中に示された一点鎖線Aで囲まれた表示ユニット内部の斜視図。
【図8】図5中に示された一点鎖線Aで囲まれた表示ユニット内部の平面図。
【図9】図5中に示された一点鎖線Bで囲まれた表示ユニット内部の斜視図。
【図10】図5中に示された一点鎖線Bで囲まれた表示ユニット内部の平面図。
【図11】図5中に示された一点鎖線Cで囲まれた表示ユニット内部の斜視図。
【図12】図5中に示された一点鎖線Cで囲まれた表示ユニット内部の平面図。
【図13】第1の実施形態に係るマスクの斜視図。
【図14】図13中に示されたマスクの一点鎖線Dで囲まれた領域の斜視図。
【図15】図5中に示されたF15−F15線に沿う表示ユニットの断面図。
【図16】図5中に示されたF16−F16線に沿う表示ユニットの断面図。
【図17】図5中に示されたF17−F17線に沿う表示ユニットの断面図。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る表示ユニット内部の平面図。
【図19】本発明の第3の実施形態に係る表示ユニット内部の平面図。
【符号の説明】
【0084】
1,101,111…ポータブルコンピュータ、4…本体筐体、7…ディスプレイハウジング、8…表示装置、8a,8b,8c,8d…側面部、9…表示画面、12…カバー、13…マスク、15…背壁、16a,16b,16c,16d…周壁、21a.21b…ヒンジ機構、23…ヒンジ軸、25,102…ブラケット、31…保持部、32,33,34,35…固定部、55…第1の領域、56…第2の領域、57…第3の領域、81.82…リブ、83…緩衝部材、91.92…マスク周壁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁を有する第1の筐体と、
上記第1の筐体に収容されるとともに、四つの側面部を有する表示装置と、
第2の筐体と、
上記第1の筐体を上記第2の筐体に対して回動可能に支持するヒンジ軸と、
上記ヒンジ軸に連結されるとともに上記第1の筐体内に延びるブラケットであって、上記表示装置の一つの側面部に沿って延びるとともに上記表示装置に固定される保持部と、上記表示装置の四つの側面部とこの側面部に対向する上記周壁の壁部との間に形成される領域を外れた上記第1の筐体の周縁部に固定される固定部とを有するブラケットと、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
上記ブラケットは、上記ヒンジ軸に連結される端部を有し、上記ブラケットの保持部の肉厚は、上記ヒンジ軸に連結された端部の肉厚に比べて小さいことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
周壁を有する第1の筐体と、
上記第1の筐体に収容されるとともに、四つの側面部を有する表示装置と、
第2の筐体と、
上記第1の筐体を上記第2の筐体に対して回動可能に支持するヒンジ軸と、
上記第1の筐体内に延びるブラケットであって、上記ヒンジ軸に連結される端部と、上記表示装置の一つの側面部に沿って延びるとともに上記表示装置に固定される保持部と、上記第1の筐体に固定される固定部とを有し、かつ、上記保持部の肉厚が上記ヒンジ軸に連結される端部の肉厚に比べて小さいことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の電子機器において、
上記ブラケットは、少なくとも二つの上記固定部を有し、第1の上記固定部は、上記ヒンジ軸に連結された端部と上記保持部との間に設けられ、第2の上記固定部は、上記ヒンジ軸に連結された端部とは反対側のこのブラケットの端部に設けられることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器において、
上記第1の固定部と上記第2の固定部との間のブラケットの肉厚は、上記ヒンジ軸に連結された端部と上記第1の固定部との間のこのブラケットの肉厚に比べて小さいことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器において、
上記ブラケットを上記表示装置に固定するねじを備え、
上記ねじは、上記ブラケットが沿って延びる上記表示装置の側面部に直交する方向に沿って上記表示装置に係合することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の電子機器において、
上記ブラケットは上記ねじが挿通される孔を有し、上記第1の筐体の周壁は上記ブラケットの孔に対向する領域に切欠きを有することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器において、
上記第1の筐体は、上記表示装置の背後に位置する背壁、および上記周壁を有するカバーと、上記カバーに組み合わされるマスクとを有し、上記マスクは、上記カバーの周壁に外側から対向するとともに上記切欠きを覆う他の周壁を有することを特徴とする電子機器。
【請求項9】
表示画面と、四つの側面部とを有する表示装置と、
上記表示装置の背後に位置する背壁と上記背壁の周縁部から起立するとともに上記四つの側面部を取り囲む周壁とを有するカバーと、上記カバーに組み合わされるとともに上記表示装置の表示画面に対向するマスクとを有する第1の筐体と、
第2の筐体と、
上記第1の筐体を上記第2の筐体に対して回動可能に連結するヒンジ機構と、を具備し、
上記カバーは、上記表示装置の背面に対向する第1の領域と、上記表示装置の四つの側面部とこの側面部に対向する上記周壁の壁部との間に形成される第2の領域と、上記第1の領域および第2の領域を外れた第3の領域とを有し、
上記ヒンジ機構は、上記第1の筐体内に延びるブラケットを備え、このブラケットは、上記表示装置の一つの側面部に沿って延びるとともに上記表示装置に固定される保持部と、上記カバーの第3の領域に固定される固定部とを有することを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項9に記載の電子機器において、
上記ブラケットを上記表示装置に固定するねじを備え、
上記ブラケットは上記ねじが挿通される孔を有し、上記第1の筐体の周壁は上記ブラケットの孔に対向する領域に切欠きを有し、
上記ねじは、上記切欠きを通じて上記表示装置の側面部に直交する方向に沿って上記表示装置に取り付けられることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項10に記載の電子機器において、
上記マスクは、上記カバーの周壁に外側から対向するとともに上記切欠きを覆う他の周壁を有することを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項1、請求項3および請求項9のいずれかに記載の電子機器において、
上記表示装置の側面部と上記第1の筐体の周壁との間に形成されるとともに、上記表示装置の側面部に対向するリブと、
上記リブと上記表示装置の側面部との間に介在される緩衝部材と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求項12に記載の電子機器において、
上記ブラケットは、上記保持部に設けられ、上記表示装置から離間するとともに上記第1の筐体の周壁に沿って延び、かつ、上記周壁に固定される他の固定部を有することを特徴とする電子機器。
【請求項14】
請求項13に記載の電子機器において、
上記第1の筐体の周壁は、この第1の筐体の内側を向いて突出する突起を有し、
上記ブラケットの他の固定部は、上記突起に係合する孔を有することを特徴とする電子機器。
【請求項15】
請求項1、請求項3および請求項9のいずれかに記載の電子機器において、
上記ブラケットは、ばね性を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−328613(P2007−328613A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160041(P2006−160041)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】