電子機器
【課題】 ブスバの放熱を維持しつつ、組み立てなどの作業を容易に行うことができるとともに、絶縁部材の固定を容易にすることができるブスバを備えた電子機器を提供する。
【解決手段】 電子機器内部の大電流の配線にブスバ9を用いた電子機器1において、柔軟でかつ復元性と絶縁性を有し、ブスバ9の周方向の一辺から少なくとも一周以上密着して巻きついて、内周部に略同一断面形状を構成するスリーブ10を、ブスバの長手方向に続く同一断面形状部の少なくとも一部を覆うように取り付ける。
【解決手段】 電子機器内部の大電流の配線にブスバ9を用いた電子機器1において、柔軟でかつ復元性と絶縁性を有し、ブスバ9の周方向の一辺から少なくとも一周以上密着して巻きついて、内周部に略同一断面形状を構成するスリーブ10を、ブスバの長手方向に続く同一断面形状部の少なくとも一部を覆うように取り付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子機器内部の大電流の配線にブスバを用いた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器内部の大電流の配線にブスバを用いた電子機器においては、ブスバは、従来より、熱収縮性を有する絶縁チューブでブスバ本体の表面を覆うことにより絶縁が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
図4は、第1の従来技術を示すもので、電子機器内に配置されるブスバの絶縁方法を示す斜視図である。
図4において、101はブスバ、102はブスバ本体で、たとえば垂直の角度をもって形成した垂直部102aと水平部102bを有している。前記垂直部102aと水平部102bは、同一断面をしており、熱収縮性を有する1つの絶縁チューブ103でブスバ本体102の表面を覆っている。
前記絶縁チューブ103は、前記ブスバ本体102の端部から挿入される。前記絶縁チューブ103の固定は、絶縁を行う所定の位置で、ヒータなどで過熱して収縮させることにより行う。前記ブスバ101は、前記絶縁チューブ103が、前記ブスバ本体102に固定されることによって構成される。
【0003】
また、絶縁樹脂をブスバ本体の表面に被覆させることによる絶縁も行われている(例えば、特許文献2参照)。
図5は、第2の従来技術におけるブスバの絶縁方法を示す斜視図である。
この第2の従来技術においては、ブスバ101は、接続部104以外の表面を絶縁樹脂105で覆っている。
板金加工により成形されたブスバ101は、接続部以外の表面を、絶縁樹脂を用いて、公知技術であるディップ法などにより被覆させることにより絶縁を行っている。
【特許文献1】特開平8−149665号公報(図1)
【特許文献2】実用新案登録第3061676号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のブスバにおいて、熱収縮性を有する絶縁チューブによる絶縁構造では、ブスバは絶縁チューブ挿入時において絶縁を行う部分まで一直線である必要があり、また、絶縁チューブを加熱する必要があるため、ブスバの形状によっては絶縁チューブで覆うことができない場合や、加熱処理などの工数の削減が容易にできないという問題があった。
また、絶縁樹脂のディップ法による絶縁構造では、ブスバ表面のほぼ全面が絶縁樹脂により覆われ、ブスバの放熱を行う露出面が削減されるため、ブスバの放熱が良好に行えないという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、ブスバの放熱を維持しつつ、組み立てなどの作業を容易に行うことができるとともに、絶縁部材の固定を容易にすることができるブスバを備えた電子機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、電子機器内部の大電流の配線にブスバを用いた電子機器において、柔軟でかつ復元性と絶縁性を有し、前記ブスバの周方向の一辺から少なくとも一周以上密着して巻きついて、内周部に略同一断面形状を構成するスリーブが、前記ブスバの長手方向に続く同一断面形状部の少なくとも一部を覆うように取り付けられていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、前記ブスバに、スリーブ固定用突起が設けられていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、前記スリーブの、前記ブスバの絶縁不要部に対応する個所を切り欠いたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、前記スリーブに他の部品を押し当て、スリーブの保持機能を持たせたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、次のような効果がある。
請求項1に記載の発明によると、ブスバにスリーブを絶縁が必要とされる部分のみに容易に取り付けることができるため、組み立て作業が容易となり、またブスバの表面も部分的に覆うことができるため、ブスバの放熱を良好に行うことができる。したがって、このブスバを用いている電子機器の冷却性能を向上することができる。
請求項2に記載の発明によると、スリーブ固定用突起によりブスバに巻きつけられたスリーブの移動を抑えることができるため、ブスバの長手方向に対してスリーブの固定を容易にすることができる。
請求項3に記載の発明によると、切り欠きによりブスバの絶縁に関係しない表面を露出させることができるため、ブスバの放熱を良好に行うことができる。
また、請求項4に記載の発明によると、絶縁性を維持しつつ、実装部品によりスリーブをブスバに密着させることが容易になり、スリーブのずれやブスバからの脱落を容易に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施例を、図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、本発明の第1の実施例であるブスバの絶縁方法とそれを用いた電子機器の分解斜視図である。
図1において、1は電子機器で、ヒートシンク2と回路基板3,4、およびケース5を有し、スタッド6や取り付けねじ7により、基板がそれぞれ固定されている。8は回路基板に実装された充電部が露出している電子部品であり、この近傍にブスバ9が実装されており、前記ブスバ9の一部と電子部品の絶縁距離を確保することができなくなっているため、前記ブスバ9を覆うようにスリーブ10が取り付けられている。また、11は前記ブスバ9に設けられた突起であり、これにより前記スリーブ10がブスバ9の長手方向に対して動かないようにしている。
なお、前記スリーブ10は、絶縁性が確保できればよく、厚みは特に規定していない。また、前記ブスバ9に設けられる突起は、ブスバ9と一体に形成されてもよいし、別部品として構成されブスバ9に固定されてもよい。形状についても、丸状でも角状でもよいし、引っ掛け部を有するものでもよく、規定は特にしていない。
本発明が従来技術と異なる点は、ブスバにスリーブを絶縁が必要とされる部分のみに容易に取り付けることができるため、組み立て作業が容易となり、またブスバの表面も部分的に覆うことができるため、ブスバの放熱が良好に行える点である。
【0009】
このスリーブ10の取り付け方法を、図2に基づいて説明する。
図2(a)において、スリーブ10は、原形よりスリーブの端部13を押し広げることで開口する。このスリーブ開口部14に、図2(b)に示すように、ブスバ9を挿入し、ブスバ9の表面にスリーブ10を巻きつけるようにすることで、スリーブ10のブスバ9への取り付けが完了する。図2(c)は、ブスバの表面にスリーブを巻き付けた状態を示している。
なお、スリーブ10は、同一断面形状であるので、押し出しにより成形するようにしてもよい。また、スリーブ同士が重なり合う部分は、ブスバ9とその他の充電部との絶縁距離を確保できればよく、長さや形状等は特に規定していない。
【0010】
このように、電子機器内部の大電流の配線に用いられ、同一断面部を有するブスバ9において、柔軟でかつ復元性と絶縁性を有し、前記ブスバ9の同一断面部の長手方向の一辺から少なくとも一周以上密着して巻きつくような同一断面形状を有したスリーブ10が、前記ブスバ9の同一断面部の一部または全部を覆うように取り付けられていることにより、ブスバ9にスリーブ10を絶縁が必要とされる部分のみに容易に取り付けることができるため、組み立て作業が容易となり、またブスバ9の表面も部分的に覆うことができるため、ブスバ9の放熱を良好に行うことができる。
また、前記ブスバ9において、前記ブスバ9に突起11が設けられていることにより、突起11によりブスバ9に巻きつけられたスリーブ10の移動を抑えることができるため、ブスバ9の長手方向に対してスリーブ10の固定を容易にすることができる。
【実施例2】
【0011】
図3は、本発明における第2の実施例であるブスバの絶縁方法とそれを用いた電子機器の分解斜視図である。
図3において、第1の実施例と異なる点は、回路基板に実装された充電部8が露出している電子部品の直上に、電子部品8と対向しない側の一部に切り欠き12を設けたスリーブ10にて絶縁されたブスバ9が配置され、スリーブ10と電子部品8を接触させている点である。
充電部が露出している電子部品8は、ブスバ9の直下に配置されているため、ブスバ9の絶縁は電子部品側のみに行うだけで良く、反対側はスリーブ10で覆う必要がない。このため、スリーブ10の取り付けに必要な両端を残して残りの部分を切り欠くことができる。
また、スリーブ10は電子部品8とブスバ9に挟み込まれているため、容易に移動することが困難となり、長手方向へのずれやブスバ9からの脱落を防止することが可能となる。
なお、スリーブ10の取り付けについては、取り付けが可能であればブスバ10の回路基板3への実装の前後のどちらでも良い。また、スリーブ10は、ブスバ9の露出した部分と電子部品の充電部の絶縁距離が確保されておればよく、切り欠き12の形状や大きさは特に規定していない。
【0012】
このように、前記ブスバ9において、前記スリーブ10の一部を切り欠いたことにより、ブスバ9の絶縁に関係しない表面を露出させることができるため、ブスバ9の放熱を良好に行うことができる。
また、前記ブスバ9において、前記スリーブ10に強制的に他の部品を接触させることにより、絶縁性を維持しつつ、実装部品によりスリーブ10をブスバ9に密着させることが容易になり、スリーブ10のずれやブスバ9からの脱落を容易に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施例であるブスバの絶縁方法とそれを用いた電子機器の分解斜視図である。
【図2】図1におけるブスバの絶縁方法を示す部分断面図で、(a)は、スリーブを広げようとする状態を示している。(b)は、スリーブ開口部にブスバを挿入し、ブスバの表面にスリーブを巻き付けようとする状態を示している。(c)は、ブスバの表面にスリーブを巻き付けた状態を示している。
【図3】本発明における第2の実施例であるブスバの絶縁方法とそれを用いた電子機器の分解斜視図である。
【図4】第1の従来技術におけるブスバの絶縁方法を示す斜視図である。
【図5】第2の従来技術におけるブスバの絶縁方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0014】
1 電子機器
2 ヒートシンク
3、4 回路基板
5 ケース
6 スタッド
7 取り付けねじ
8 電子部品
9 ブスバ
10 スリーブ
11 突起
12 切り欠き
13 スリーブの端部
14 スリーブの開口部
101 ブスバ
102 ブスバ本体
102a 垂直部
102b 水平部
103 絶縁チューブ
104 接続部
105 絶縁樹脂
【技術分野】
【0001】
電子機器内部の大電流の配線にブスバを用いた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器内部の大電流の配線にブスバを用いた電子機器においては、ブスバは、従来より、熱収縮性を有する絶縁チューブでブスバ本体の表面を覆うことにより絶縁が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
図4は、第1の従来技術を示すもので、電子機器内に配置されるブスバの絶縁方法を示す斜視図である。
図4において、101はブスバ、102はブスバ本体で、たとえば垂直の角度をもって形成した垂直部102aと水平部102bを有している。前記垂直部102aと水平部102bは、同一断面をしており、熱収縮性を有する1つの絶縁チューブ103でブスバ本体102の表面を覆っている。
前記絶縁チューブ103は、前記ブスバ本体102の端部から挿入される。前記絶縁チューブ103の固定は、絶縁を行う所定の位置で、ヒータなどで過熱して収縮させることにより行う。前記ブスバ101は、前記絶縁チューブ103が、前記ブスバ本体102に固定されることによって構成される。
【0003】
また、絶縁樹脂をブスバ本体の表面に被覆させることによる絶縁も行われている(例えば、特許文献2参照)。
図5は、第2の従来技術におけるブスバの絶縁方法を示す斜視図である。
この第2の従来技術においては、ブスバ101は、接続部104以外の表面を絶縁樹脂105で覆っている。
板金加工により成形されたブスバ101は、接続部以外の表面を、絶縁樹脂を用いて、公知技術であるディップ法などにより被覆させることにより絶縁を行っている。
【特許文献1】特開平8−149665号公報(図1)
【特許文献2】実用新案登録第3061676号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のブスバにおいて、熱収縮性を有する絶縁チューブによる絶縁構造では、ブスバは絶縁チューブ挿入時において絶縁を行う部分まで一直線である必要があり、また、絶縁チューブを加熱する必要があるため、ブスバの形状によっては絶縁チューブで覆うことができない場合や、加熱処理などの工数の削減が容易にできないという問題があった。
また、絶縁樹脂のディップ法による絶縁構造では、ブスバ表面のほぼ全面が絶縁樹脂により覆われ、ブスバの放熱を行う露出面が削減されるため、ブスバの放熱が良好に行えないという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、ブスバの放熱を維持しつつ、組み立てなどの作業を容易に行うことができるとともに、絶縁部材の固定を容易にすることができるブスバを備えた電子機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、電子機器内部の大電流の配線にブスバを用いた電子機器において、柔軟でかつ復元性と絶縁性を有し、前記ブスバの周方向の一辺から少なくとも一周以上密着して巻きついて、内周部に略同一断面形状を構成するスリーブが、前記ブスバの長手方向に続く同一断面形状部の少なくとも一部を覆うように取り付けられていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、前記ブスバに、スリーブ固定用突起が設けられていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、前記スリーブの、前記ブスバの絶縁不要部に対応する個所を切り欠いたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、前記スリーブに他の部品を押し当て、スリーブの保持機能を持たせたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、次のような効果がある。
請求項1に記載の発明によると、ブスバにスリーブを絶縁が必要とされる部分のみに容易に取り付けることができるため、組み立て作業が容易となり、またブスバの表面も部分的に覆うことができるため、ブスバの放熱を良好に行うことができる。したがって、このブスバを用いている電子機器の冷却性能を向上することができる。
請求項2に記載の発明によると、スリーブ固定用突起によりブスバに巻きつけられたスリーブの移動を抑えることができるため、ブスバの長手方向に対してスリーブの固定を容易にすることができる。
請求項3に記載の発明によると、切り欠きによりブスバの絶縁に関係しない表面を露出させることができるため、ブスバの放熱を良好に行うことができる。
また、請求項4に記載の発明によると、絶縁性を維持しつつ、実装部品によりスリーブをブスバに密着させることが容易になり、スリーブのずれやブスバからの脱落を容易に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施例を、図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、本発明の第1の実施例であるブスバの絶縁方法とそれを用いた電子機器の分解斜視図である。
図1において、1は電子機器で、ヒートシンク2と回路基板3,4、およびケース5を有し、スタッド6や取り付けねじ7により、基板がそれぞれ固定されている。8は回路基板に実装された充電部が露出している電子部品であり、この近傍にブスバ9が実装されており、前記ブスバ9の一部と電子部品の絶縁距離を確保することができなくなっているため、前記ブスバ9を覆うようにスリーブ10が取り付けられている。また、11は前記ブスバ9に設けられた突起であり、これにより前記スリーブ10がブスバ9の長手方向に対して動かないようにしている。
なお、前記スリーブ10は、絶縁性が確保できればよく、厚みは特に規定していない。また、前記ブスバ9に設けられる突起は、ブスバ9と一体に形成されてもよいし、別部品として構成されブスバ9に固定されてもよい。形状についても、丸状でも角状でもよいし、引っ掛け部を有するものでもよく、規定は特にしていない。
本発明が従来技術と異なる点は、ブスバにスリーブを絶縁が必要とされる部分のみに容易に取り付けることができるため、組み立て作業が容易となり、またブスバの表面も部分的に覆うことができるため、ブスバの放熱が良好に行える点である。
【0009】
このスリーブ10の取り付け方法を、図2に基づいて説明する。
図2(a)において、スリーブ10は、原形よりスリーブの端部13を押し広げることで開口する。このスリーブ開口部14に、図2(b)に示すように、ブスバ9を挿入し、ブスバ9の表面にスリーブ10を巻きつけるようにすることで、スリーブ10のブスバ9への取り付けが完了する。図2(c)は、ブスバの表面にスリーブを巻き付けた状態を示している。
なお、スリーブ10は、同一断面形状であるので、押し出しにより成形するようにしてもよい。また、スリーブ同士が重なり合う部分は、ブスバ9とその他の充電部との絶縁距離を確保できればよく、長さや形状等は特に規定していない。
【0010】
このように、電子機器内部の大電流の配線に用いられ、同一断面部を有するブスバ9において、柔軟でかつ復元性と絶縁性を有し、前記ブスバ9の同一断面部の長手方向の一辺から少なくとも一周以上密着して巻きつくような同一断面形状を有したスリーブ10が、前記ブスバ9の同一断面部の一部または全部を覆うように取り付けられていることにより、ブスバ9にスリーブ10を絶縁が必要とされる部分のみに容易に取り付けることができるため、組み立て作業が容易となり、またブスバ9の表面も部分的に覆うことができるため、ブスバ9の放熱を良好に行うことができる。
また、前記ブスバ9において、前記ブスバ9に突起11が設けられていることにより、突起11によりブスバ9に巻きつけられたスリーブ10の移動を抑えることができるため、ブスバ9の長手方向に対してスリーブ10の固定を容易にすることができる。
【実施例2】
【0011】
図3は、本発明における第2の実施例であるブスバの絶縁方法とそれを用いた電子機器の分解斜視図である。
図3において、第1の実施例と異なる点は、回路基板に実装された充電部8が露出している電子部品の直上に、電子部品8と対向しない側の一部に切り欠き12を設けたスリーブ10にて絶縁されたブスバ9が配置され、スリーブ10と電子部品8を接触させている点である。
充電部が露出している電子部品8は、ブスバ9の直下に配置されているため、ブスバ9の絶縁は電子部品側のみに行うだけで良く、反対側はスリーブ10で覆う必要がない。このため、スリーブ10の取り付けに必要な両端を残して残りの部分を切り欠くことができる。
また、スリーブ10は電子部品8とブスバ9に挟み込まれているため、容易に移動することが困難となり、長手方向へのずれやブスバ9からの脱落を防止することが可能となる。
なお、スリーブ10の取り付けについては、取り付けが可能であればブスバ10の回路基板3への実装の前後のどちらでも良い。また、スリーブ10は、ブスバ9の露出した部分と電子部品の充電部の絶縁距離が確保されておればよく、切り欠き12の形状や大きさは特に規定していない。
【0012】
このように、前記ブスバ9において、前記スリーブ10の一部を切り欠いたことにより、ブスバ9の絶縁に関係しない表面を露出させることができるため、ブスバ9の放熱を良好に行うことができる。
また、前記ブスバ9において、前記スリーブ10に強制的に他の部品を接触させることにより、絶縁性を維持しつつ、実装部品によりスリーブ10をブスバ9に密着させることが容易になり、スリーブ10のずれやブスバ9からの脱落を容易に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施例であるブスバの絶縁方法とそれを用いた電子機器の分解斜視図である。
【図2】図1におけるブスバの絶縁方法を示す部分断面図で、(a)は、スリーブを広げようとする状態を示している。(b)は、スリーブ開口部にブスバを挿入し、ブスバの表面にスリーブを巻き付けようとする状態を示している。(c)は、ブスバの表面にスリーブを巻き付けた状態を示している。
【図3】本発明における第2の実施例であるブスバの絶縁方法とそれを用いた電子機器の分解斜視図である。
【図4】第1の従来技術におけるブスバの絶縁方法を示す斜視図である。
【図5】第2の従来技術におけるブスバの絶縁方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0014】
1 電子機器
2 ヒートシンク
3、4 回路基板
5 ケース
6 スタッド
7 取り付けねじ
8 電子部品
9 ブスバ
10 スリーブ
11 突起
12 切り欠き
13 スリーブの端部
14 スリーブの開口部
101 ブスバ
102 ブスバ本体
102a 垂直部
102b 水平部
103 絶縁チューブ
104 接続部
105 絶縁樹脂
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器内部の大電流の配線にブスバを用いた電子機器において、
柔軟でかつ復元性と絶縁性を有し、前記ブスバの周方向の一辺から少なくとも一周以上密着して巻きついて、内周部に略同一断面形状を構成するスリーブが、
前記ブスバの長手方向に続く同一断面形状部の少なくとも一部を覆うように取り付けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記ブスバに、スリーブ固定用突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記スリーブの、前記ブスバの絶縁不要部に対応する個所を切り欠いたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記スリーブに他の部品を押し当て、スリーブの保持機能を持たせたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項1】
電子機器内部の大電流の配線にブスバを用いた電子機器において、
柔軟でかつ復元性と絶縁性を有し、前記ブスバの周方向の一辺から少なくとも一周以上密着して巻きついて、内周部に略同一断面形状を構成するスリーブが、
前記ブスバの長手方向に続く同一断面形状部の少なくとも一部を覆うように取り付けられていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記ブスバに、スリーブ固定用突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記スリーブの、前記ブスバの絶縁不要部に対応する個所を切り欠いたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記スリーブに他の部品を押し当て、スリーブの保持機能を持たせたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2009−71988(P2009−71988A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238286(P2007−238286)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
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