電子機器
【課題】筐体と天板とをネジを用いずに精度よく取り付け、かつ天板の歪みを防止する。
【解決手段】略矩形状に形成された筐体4と、筐体4と材質が異なり、筐体の上面側に配設される略矩形状の天板6とを備え、筐体及び天板6の各長辺方向の略中間には、いずれか一方に設けられた第1の凸部40と、いずれか他方に設けられた第1の凹部20とからなり、第1の凸部40の長辺方向の両側が第1の凹部20に当接することにより、筐体と天板6との長辺方向の位置決めをする第1の位置決め手段が設けられている。
【解決手段】略矩形状に形成された筐体4と、筐体4と材質が異なり、筐体の上面側に配設される略矩形状の天板6とを備え、筐体及び天板6の各長辺方向の略中間には、いずれか一方に設けられた第1の凸部40と、いずれか他方に設けられた第1の凹部20とからなり、第1の凸部40の長辺方向の両側が第1の凹部20に当接することにより、筐体と天板6との長辺方向の位置決めをする第1の位置決め手段が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略矩形状に形成された筐体と天板とが結合されることにより機器本体を構成する電子機器に関し、特に、筐体と天板とを歪みを生じさせることなく結合した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、CD、DVD、BD等のディスク状記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う記録再生装置や、据置型のゲーム機などでは、略矩形状に形成された筐体を有し、筐体上面に天板が係合されることにより機器本体が構成されるものが多く提供されている。これら筐体と天板との結合は、例えば天板にネジ孔が開口されたリブを複数設け、リブを筐体側面にネジ止めすることにより行っている。
【0003】
また、近年の電子機器は、機器本体の外観の美麗さを高めるために、ユーザの視界に多く移る前面にアクリル板を貼着するとともに電光表示部を設け、また天面にも傷に強く光沢のあるコーティング加工を施している。このように、電子機器は、天面に特殊な加工を施すことからモールド成型品とし、機器本体は強度確保のため金属部品で形成するなど、両者を異なる材質で形成しネジ止めにより結合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−174557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、筐体と天板とを複数のネジで結合させる工法は、部品点数及び組立工数が増加し、組立時間の増加や製造コストの上昇を招いてしまう。また、筐体と天板とに設計寸法との間の公差が生じた場合、ネジ止めにより強度の弱い天板側に歪みが発生するおそれがある。天板に歪みが生じると、例えば鏡面仕上げが施されていた場合に反射像が歪むことで天板の歪みが一見して露呈してしまい、かえって美観を損なう。
【0006】
さらに、筐体と天板とは、材質の違いから温度変化による線膨張係数が異なる。したがって、例えば真夏の人のいない部屋の高温環境下に放置された状態から、冷房が入り急激に冷気にさらされたときや、反対に、真冬に急激に暖気にさらされたときなど、ネジ部に白化や破損が発生するおそれもある。さらに上級機種などでは、美麗さを保つために、ネジ部の白化や破損に至らない場合でも、線膨張係数の違いに基づくネジ部へのストレスから生じる天板の歪みも許されない。
【0007】
そこで、本発明は、筐体と天板とを精度よく取り付けるとともに、ネジ止めを用いることなく天板の歪みを防止できる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明に係る電子機器は、略矩形状に形成された筐体と、上記筐体と材質が異なり、上記筐体の上面側に配設される略矩形状の天板とを備え、上記筐体及び上記天板の各長辺方向の略中間には、いずれか一方に設けられた第1の凸部と、いずれか他方に設けられた第1の凹部とからなり、上記第1の凸部の上記長辺方向の両側が上記第1の凹部に当接することにより、上記筐体と上記天板との上記長辺方向の位置決めをする第1の位置決め手段が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、筐体及び天板の長辺方向の略中間に、第1の凸部と、第1の凸部の長辺方向の両側に当接する第1の凹部とからなる第1の位置決め手段を設けているため、筐体と天板との材質の違いによる線膨張係数の違いによって長辺方向の両側に膨張や収縮が発生した場合にも、これら膨張や収縮による応力を抑制することなく、天板の歪みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】記録再生装置の外観斜視図である。
【図2】記録再生装置の分解斜視図である。
【図3】天板を裏側から示す斜視図である。
【図4】天板が結合されたシャーシの上面を裏側から示す斜視図である。
【図5】天板をシャーシに取り付ける工程を示す斜視図である。
【図6】天板とシャーシとの結合状態を上方から示す断面図である。
【図7】天板とシャーシとの結合状態を側方から示す側面図である。
【図8】天板とシャーシとの結合状態を上方から示す断面図である。
【図9】装置本体の内部を示す斜視図である。
【図10】フロントパネル、ディスクドライブ装置及び扉開閉機構を示す分解斜視図である。
【図11】フロントパネルを裏側から示す斜視図である。
【図12】開閉扉とフロントパネルとの支持状態を示す斜視図である。
【図13】開閉扉を裏側から示す斜視図である。
【図14】支点軸を示す斜視図である。
【図15】操作ボタンを示す平面図である。
【図16】透明板とともに操作ボタンを挟持する開閉扉を示す断面図である。
【図17】従来の操作ボタンを示す平面図である。
【図18】従来の操作ボタンを用いた開閉扉を示す断面図である。
【図19】開閉扉が装置本体前面の開放位置に回動された記録再生装置の断面図である。
【図20】開閉扉が装置本体前面の閉塞位置に回動された記録再生装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を光ディスクに対して記録及び/又は再生を行う記録再生装置に適用した場合を例に、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.装置本体
2.天板の取付方法
3.扉開閉機構
【0012】
<1.装置本体>
本発明が適用される記録再生装置1は、CD、DVD、BD等の光ディスクに対して記録及び/又は再生を行う記録再生装置であり、液晶テレビやPC等のAV機能を持つ電子機器やビデオカメラ、スピーカ等に接続されることにより、テレビ番組やビデオカメラに記録された映像等を光ディスクに記録し、あるいは光ディスクに記録された映像等を再生し、モニタやスピーカから出力する。記録再生装置1は、例えば図1及び図2に示すように、全体を略矩形箱状に形成された装置本体2を有し、装置本体2の長辺方向を幅方向とし、短辺方向を奥行き方向として設置される。また、記録再生装置1は、開閉扉10が設けられた装置本体2の一側面がユーザに正対する前面2aとされ、前面2aに向かって右側が右側面2b、前面2aに向かって左側が左側面2c、前面2aと反対側の側面が背面2dとする。
【0013】
また、装置本体2は、内部に光ディスクの記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置3やCPU、メモリ等の各種電子部品が実装された矩形箱状のシャーシ4を有する(図9参照)。装置本体2は、シャーシ4の前面側にフロントパネル5が取り付けられ、上面側に天板6が取り付けられ、右側面に右サイドパネル7が取り付けられ、左側面に左サイドパネル8が取り付けられることにより外装が構成されている。なお、後に詳述するように、フロントパネル5には、装置本体2の前面2aを開閉する開閉扉10が回動可能に支持されている扉開閉機構9が形成されている。
【0014】
[シャーシ]
次いで、装置本体2を構成するシャーシ4について説明する。シャーシ4は、板金を打ち抜くとともに折り曲げ形成することにより略矩形箱状に形成された上下一対のケース11,12が突き合わせ結合されることにより形成される。図2に示すように、シャーシ4は、長辺方向の両側に、右サイドパネル7又は左サイドパネル8が取り付けられる右取付壁15及び左取付壁16が形成されている。右取付壁15及び左取付壁16には、それぞれ右サイドパネル7又は左サイドパネル8の係止爪が係止する係止孔17が複数形成されている。
【0015】
また、右取付壁15及び左取付壁16には、天板6に設けられたリブ30,31が係合する係合部18が設けられている。係合部18は、右取付壁15及び左取付壁16がそれぞれシャーシ4の内側に入り込むことによりリブ30,31が落とし込まれるとともに、外面側より係合される。この係合部18は、リブ30,31に突設されたリブ爪32,33が係合する係合孔19が形成され、リブ爪32,33が係合孔19に係合することにより、シャーシ4と天板6との短辺方向前面側の位置決め及び天板6の上下方向への抜け止めを行う。係合孔19は、リブ爪32,33よりも天板6の短辺方向に幅広に形成され、リブ爪32,33が係合することにより、前面2a側の一側縁にリブ爪32,33の各側面部32a,33aが当接するとともに、背面2d側の一側縁との間にクリアランスが形成されている。リブ爪32,33と係合孔19との係合状態については、後に詳述する。
【0016】
なお、係合部18には、後述するサイドパネル7,8のフック48が挿通するフック孔28が開口されている。フック孔28は、係合孔19よりも背面2d側に開口されている。
【0017】
また、シャーシ4は、上面4aの係合部18近傍に、天板6のリブ30,31のスライドをガイドする一対のガイド溝26,26が形成されている。ガイド溝26,26は、絞り加工により形成され、前面2a側が広く、背面2d側に向かって漸次、幅狭となる。また、ガイド溝26,26は、背面2d側の端部が装置本体2の長辺方向の内側に入り込んだ取付壁15,16の各係合部18に連続している。したがって、ガイド溝26,26は、天板6をシャーシ4の上面4aに結合させる際に、前面2a側から背面2d側に向かってリブ30,31をスライドさせると、リブ30,31を取付壁15,16に形成された係合部18へ導くことができる。天板6は、ガイド溝26,26にガイドされることによりリブ30,31が係合部18が設けられた位置で下方に落とし込まれ、リブ爪32,33が係合孔19に係合する。
【0018】
またシャーシ4は、天板6が取り付けられる上面4aに、天板6に突設された第1、第2の位置決め凸部40,41と係合する第1,第2の位置決め孔20,21が形成されている。第1,第2の位置決め孔20,21は、シャーシ4の上面4aの長辺方向の略中間に、短辺方向に離間して形成されている。第1,第2の位置決め孔20,21は、天板6に突設された第1,第2の位置決め凸部40,41と、装置本体2の長辺方向の両側及び短辺方向の背面側で当接することにより、シャーシ4と天板6との長辺方向の両側及び短辺方向の背面側の位置決めを行うものである。
【0019】
各位置決め孔20,21は、装置本体2の前面2a側が開放され、長辺方向の両側及び短辺方向の背面側が閉じられた矩形凹部22と、矩形凹部22の開放端と連続され第1,第2の位置決め凸部40,41が挿脱するのに十分な幅に開口された開口部23とを有する。矩形凹部22は、第1,第2の位置決め凸部40,41と略同じ幅を有し、第1,第2の位置決め凸部40,41が係合することにより、第1,第2の位置決め凸部40,41の長辺方向の両側を挟持してシャーシ4に対する天板6の長辺方向の位置決めを行う。
【0020】
また、装置本体2の前面2a側に設けられた第1の位置決め孔20の矩形凹部22は、第1の位置決め凸部40が係合することにより、背面2d側の側縁が第1の位置決め凸部40に突き当てられシャーシ4に対する天板6の短辺方向の背面側の位置決めを行う。なお、装置本体2の背面2d側に設けられた第2の位置決め孔21の矩形凹部22は、第1の位置決め孔20の矩形凹部22に比して短辺方向に若干長く形成され、第2の位置決め凸部41が背面2d側の側縁と当接することはない。
【0021】
このような第1,第2の位置決め孔20には、天板6が装置本体2の前面2a側から装着されることにより、天板6に突設された第1,第2の位置決め凸部40,41が開口部23に挿入され、天板6が装置本体2の背面側にスライドされることにより矩形凹部22に係合する。
【0022】
なお、シャーシ4は、上面4aに天板6に形成された係止片42が係止する係止開口25が複数形成されている。係止開口25は、天板6がシャーシ4に装着されることにより、装置本体2の前面2a側から天板6に突設された係止片42が係止される。これにより、装置本体2は、シャーシ4に対する天板6の抜け止めが図られる。
【0023】
[天板]
次いで、シャーシ4の上面4aに取り付けられる天板6について説明する。図2及び図3に示すように、天板6は、シャーシ4の上面と略同じサイズを有する平板状に形成され、シャーシ4と異なる材料、例えば合成樹脂を用いてモールド成型によって形成されている。天板6は、モールド成型された後、鏡面塗装等の加工が施されることにより、美麗な外観デザインを備えることができる。
【0024】
天板6には、長辺方向の両側に、短辺方向の略中間に、シャーシ4の右取付壁15及び左取付壁16の各係合部18と係合する右リブ30及び左リブ31が形成されている。右リブ30は、シャーシ4の右取付壁15側の側面に、係合孔19に係合するリブ爪32が突設されている。また、左リブ31は、シャーシ4の左取付壁16側の側面に、係合孔19に係合するリブ爪33が突設されている。各リブ爪32,33は、係合孔19に係合することにより、シャーシ4と天板6との短辺方向前面側の位置決め及び天板6の上下方向への抜け止めを行うものである。各リブ爪32,33は、装置本体2の前面2a側に、短辺方向の前面側に略正対する側面部32a,33aが形成され、装置本体2の背面2d側に、短辺方向の背面側に摺動可能なテーパ面部32b,33bが形成されている。
【0025】
かかるリブ爪32,33は、天板6がシャーシ4に装置本体2の前面2a側から装着される際に、テーパ面部32b,33bが取付壁15,16の各係合部18を摺動して係合孔19に挿通係合する。このとき、図4及び図6に示すように、リブ爪32,33は、係合孔19に係合することにより、装置本体2の前面2a側に正対する側面部32a,33aが係合孔19の一側縁と当接する。また、リブ爪32,33は、天板6の上面側の端面が係合孔19の他側縁と対峙する。したがって、天板6は、リブ爪32,33の側面部32a,33aが係合孔19の一側縁に当接することにより、シャーシ4と天板6との短辺方向前面側の位置決めが図られる。また、天板6は、リブ爪32,33の端面が係合孔19の他側縁と対峙することにより、天板6の上下方向への抜け止めが図られる。
【0026】
また、リブ爪32,33は、天板6がシャーシ4との線膨張係数の違いによる歪みが発生し、長辺方向の外側に撓んだ場合にも、係合孔19から外れない程度の高さ、例えば1.4mmに形成されている。
【0027】
また、リブ30,31は、図3に示すように、天板6側の基端部近傍にスリット35,36が形成されている。スリット35,36は、リブ30,31を長辺方向の外側に撓ませる可撓性を付与するものである。天板6は、スリット35,36の基端部を支点に長辺方向の外側に撓まされることにより、リブ爪32,33が係合孔19より外れ、シャーシ4より取り外すことが可能となる。
【0028】
さらに、リブ30,31は、スリット35,36よりもさらに天板6側の基端部近傍に、装置本体2の背面2d側から前面2a側にかけて切欠き部37,38が形成されている。図7に示すように、切欠き部37,38は、天板6がシャーシ4に取り付けられた際に、シャーシ4の係合部18近傍の上面4aに係止することにより、天板6の上下方向への抜け止めを図ることができる。
【0029】
また、図3に示すように、リブ30,31は、立設方向の先端部にテーパ部39が形成されている。テーパ部39は、リブ30,31を係合部18に係合させる際に、取付壁15,16を摺動するものである。リブ30,31は、テーパ部39を取付壁15,16に摺動させながら降下することにより、リブ爪32,33を係合孔19に挿通係合させることができる。したがって、天板6は、リブ30,31と係合部18との係合をスムーズに行うことができる。
【0030】
また、天板6は、裏面に、シャーシ4の上面4aに形成された第1、第2の位置決め孔20,21に係合する第1、第2の位置決め凸部40,41が突設されている。第1、第2の位置決め凸部40,41は、円柱形状をなし、天板6の長辺方向の略中間に、短辺方向に離間して突設されている。図4に示すように、装置本体2の前面2a側に突設されている第1の位置決め凸部40は、シャーシ4の前面側に設けられた第1の位置決め孔20に係合する。また、装置本体2の背面2d側に突設されている第2の位置決め凸部41は、シャーシ4の背面側に設けられた第2の位置決め孔21に係合する。
【0031】
さらに、天板6は、裏面に、シャーシ4の上面4aに形成された係止開口25に係止する係止片42が複数突設されている。係止片42は、係止開口25に対応して、天板6の全面に亘って形成されている。また、係止片42は、天板6の裏面から立ち上がるとともに先端が装置本体2の背面2d側に向かって張り出す略鉤状に形成されている。そして、係止片42は、天板6がシャーシ4の上面4aに、前面2a側から装着されると、図4に示すように、鉤状の先端部が係止開口25よりシャーシ4内に挿通し、係止開口25の側縁に係止する。これにより、係止片42は、リブ30,31の切欠き部37,38とともに、天板6の上下方向への抜け止めを図ることができる。
【0032】
なお、天板6は、装置本体2の前面2a側の側面に、長辺方向の両側に離間してイジェクトボタン45と電源ボタン46が形成されている。イジェクトボタン45は、ディスクドライブ装置3のディスクトレイ91を装置本体2外へスライドさせ、また装置本体2内へスライドさせるものであり、電源ボタン46は、記録再生装置1の電源を投入あるいは切断するものである。
【0033】
<2.天板の取付方法>
次いで、シャーシ4に対する天板6の取付けについて説明する。記録再生装置1は、上下ケース11,12が突き合わせ結合されてなるシャーシ4に、開閉扉10を支持するフロントパネル5が取り付けられた後、天板6が取り付けられる。先ず、天板6は、図5(a)に示すように、シャーシ4の前面2a側からリブ30,31をシャーシ4の上面4aに形成された一対のガイド溝26,26上をスライドさせる。ガイド溝26,26は、背面2d側に向かって幅狭に形成されているため、天板6は、リブ30,31が確実に係合部18までガイドされる。
【0034】
係合部18は、シャーシ4の右取付壁15及び左取付壁16が内側に入り込むことにより形成されているため、図5(b)に示すように、リブ30,31は、ガイド溝26,26の背面2d側の端部までスライドされると、下方に落とし込まれる。このとき、リブ30,31は、立設方向の先端部に形成されているテーパ部39が係合部18を摺動する。そして、リブ30,31は、スリット35,36によって長辺方向の外側に可撓性を有する。したがって、リブ30,31は、係合部18への落とし込みをスムーズに行うことができる。
【0035】
また、天板6は、リブ30,31の係合部18への落とし込みにより、第1、第2の位置決め凸部40,41がシャーシ4の上面4aに開口された第1、第2の位置決め孔20,21の各開口部23内に挿通する。また、天板6は、係止片42の鉤状の先端部がシャーシ4の上面4aに開口された係止開口25に挿通する。さらに、天板6は、リブ30,31が、係合部18への落とし込みにより長辺方向の内側に向かって弾性復帰する応力によってリブ爪32,33が係合部18を摺動しながら係合孔19と同じ高さに降下される。
【0036】
そして、図5(c)に示すように、天板6は、背面2d側にスライドされると、図5(d)に示すように、リブ爪32,33が係合孔19に係合する。このとき、リブ爪32,33は、背面2d側にテーパ面部32b,33bが形成されているため、天板6の背面2d側へのスライドをスムーズに行うことができる。また、リブ爪32,33は、係合孔19に係合することにより、図6に示すように、前面2a側に形成された側面部32a,33aが係合孔19の前面2a側の一側縁と当接し、シャーシ4に対する天板6の短辺方向の前面側の位置決めを行うとともに、天板6の短辺方向の前面側への移動を規制する。
【0037】
また、天板6は、背面2d側にスライドされると、第1、第2の位置決め凸部40,41が、第1、第2の位置決め孔20,21の矩形凹部22に係合する。矩形凹部22は、第1、第2の位置決め凸部40,41と長辺方向に略同じ幅を有するため、第1,第2の位置決め凸部40,41が係合することにより、第1,第2の位置決め凸部40,41の長辺方向の両側を挟持してシャーシ4に対する天板6の長辺方向の位置決めを行うとともに、天板6の長辺方向への移動を規制する。
【0038】
また、第1の位置決め孔20の矩形凹部22は、第1の位置決め凸部40が背面2d側の側縁に突き当てられるため、シャーシ4に対する天板6の短辺方向の背面側の位置決めを行うとともに、天板6の短辺方向の背面側への移動を規制する。
【0039】
ここで、天板6は、長辺方向の略中間において、第1の位置決め凸部40が第1の位置決め孔20の矩形凹部22に係合することにより、第1の位置決め凸部40の長辺方向の両側が矩形凹部22に挟持され、長辺方向の位置決めが行われる。また、天板6は、リブ30,31に長辺方向への可撓性を有するとともにリブ爪32,33が長辺方向の外側から係合孔19に係合している。したがって、装置本体2は、天板6とシャーシ4との材質の違いによる線膨張係数の違いに基づいて、線膨張係数の大きい天板6が膨張した場合にも、長辺方向の膨張を規制することがなく、ストレスを内在させることによる天板6の歪みを防止することができる。
【0040】
すなわち、装置本体2は、急激な室温の変化等の設置環境の変化によって、天板6に膨張或いは収縮が発生しうる。膨張や収縮は、略矩形状の天板6においては、長辺方向の両側において現れやすいため、長辺方向の両側をシャーシ4の取付壁15,16にネジ止め等によって強固に取り付けた場合、膨張や収縮のストレスが開放されず、天板6の歪みとなって現れるほか、ネジ部に白化や破損が発生するおそれもある。そして、天板6の歪みは、鏡面加工が施された場合、反射像の歪みとして顕著に現れ、美麗さを大きく損なってしまう。
【0041】
この点、装置本体2は、天板6の長辺方向の両側に形成したリブ30,31に長辺方向への可撓性を付与するとともに、リブ爪32,33を長辺方向の外側から係合孔19に係合させているため、長辺方向の両側に膨張や収縮が発生した場合にも、ストレスを開放することができ、天板6に歪みが発生することがなく、また、ネジを用いていないためネジ部の白化や破損といった問題も生じない。また、装置本体2は、長辺方向の略中間において第1の位置決め凸部40が第1の位置決め孔20の矩形凹部22に係合することによって長辺方向の位置規制が行われているため、設置環境の温度変化等による膨張や収縮による長辺方向の両側の変化量が均等となり、偏りをなくして美観を損なわないようにできるほか、長辺方向両側の変化量に応じて突出させるリブ爪32,33の係合孔19からの突出高さを均等に按分させることができ、最小にすることができる。
【0042】
また、天板6は、短辺方向の前面2a側において、第1の位置決め凸部40が第1の位置決め孔20の矩形凹部22に係合することにより、第1の位置決め凸部40の短辺方向の背面側が当接されるとともに、リブ爪32,33の側面部32a,33aが係合孔19の前面2a側の一側縁に当接することにより、短辺方向の位置決めが行われている。
【0043】
第1の位置決め凹部20による第1の位置決め凸部40の短辺方向の背面側の規制位置と、係合孔19の前面2a側の一側縁によるリブ爪32,33の側面部32a,33aの短辺方向の前面側の規制位置は、短辺方向において近接されているため、温度変化等による膨張や収縮による両規制位置の短辺方向の位置変化は少ない。また、第1の位置決め凹部20は、矩形凹部22の背面2d側の側縁が第1の位置決め凸部40に突き当てられ、前面2a側が開口部23によって開放されている。また、係合孔19は、前面2a側の一側縁がリブ爪32,33の側面部32a,33aに当接され、テーパ面部32b,33bと背面2d側の一側縁との間にクリアランスが設けられている。したがって、装置本体2は、天板6が膨張した場合にも、短辺方向の膨張を規制することなく、ストレスを抑制することによる天板6の歪みを防止することができる。
【0044】
なお、装置本体2は、第2の位置決め凸部41及び第2の位置決め孔21を設けることなく、第1の位置決め凸部40及び第1の位置決め孔20で天板6とシャーシ4との位置規制を行うようにしてもよい。この場合、装置本体2は、天板6とシャーシ4とが、長辺方向の略中間において短辺方向の背面2d側が位置決めされるとともに、長辺方向の両側において、短辺方向の前面2aが位置決めされるため、確実に天板6の取付位置を規制することができる。さらに、この場合、装置本体2は、天板6とシャーシ4の間に設計寸法の誤差に基づく第2の位置決め凸部41と第2の位置決め孔21との位置ずれや、当該位置ずれによる天板6の歪み等の不都合も発生しない。
【0045】
装置本体2は、図5(d)に示すように、天板6が背面2d側にスライドされ、リブ爪32,33が係合孔19に係合すると、リブ爪32,33上側面が係合孔19の上側縁に当接することにより、天板6の上方向への抜け止めが図られる。また、このとき装置本体2は、図7に示すように、天板6のリブ30,31に形成された切欠き部37,38がシャーシ4の上面4aの端部に係止することにより、リブ爪32,33とともに、天板6の上方向への抜け止めが図られる。
【0046】
天板6のシャーシ4への結合に続いて、右サイドパネル7及び左サイドパネル8が、シャーシ背面にネジ止めされることにより、それぞれ右取付壁15及び左取付壁16に取り付けられる。図1に示すように、右サイドパネル7及び左サイドパネル8は、シャーシ4の右取付壁15又は左取付壁16と略同じ大きさに形成された外装部品であり、取付壁15,16に取り付けられる内側面には、係止孔17に係止する公知の係止爪が複数突設されている(図示せず)。右サイドパネル7及び左サイドパネル8は、係止爪が係止孔17に挿通されることにより鉤状に折り曲げられた先端部が取付壁15,16に係止し、シャーシ4に取り付けられる。
【0047】
また、右サイドパネル7及び左サイドパネル8は、取付壁15,16に取り付けられる内側面に、右取付壁15又は左取付壁16の係合部18に開口されているフック孔28に挿通するフック48が突設されている。図8に示すように、フック48は、フック孔28を介してシャーシ4内に挿入するとともに、前面2a側に折れ曲がる鉤状の先端部を有し、係合部18をシャーシ4の内側から支持する。
【0048】
また、右サイドパネル7及び左サイドパネル8は、フック48基端部近傍に、天板6のリブ30,31を支持する支持凸部49が形成されている。図8に示すように、支持凸部49は、右サイドパネル7及び左サイドパネル8が取付壁15,16に取り付けられると、リブ30,31を外側から支持する。
【0049】
これらフック48及び支持凸部49は、天板6のリブ30,31の抜け止めを図るものであり、常時リブ30,31及び係合部18と当接して強固に挟持するものではない。したがって、リブ30,31は、フック48及び支持凸部49に支持されたときも、長辺方向の外側への可撓性を失うことなく、膨張や収縮によるストレスを開放することができる。
【0050】
なお、記録再生装置1は、天板6に第1の位置決め凸部40及び第2の位置決め凸部41を設け、シャーシ4に第1の位置決め孔20及び第2の位置決め孔21を設けたが、シャーシ4の上面4aに第1の位置決め凸部及び第2の位置決め凸部を設け、天板6の裏面にこれら第1の位置決め凸部及び第2の位置決め凸部が係合する第1の位置決め凹部及び第2の位置決め凹部を形成するようにしてもよい。
【0051】
また、記録再生装置1は、天板6を前面2a側からシャーシ4の上面4aにスライドさせて装着したが、背面2d側から前面2a側に向かってスライドさせて装着するようにしてもよい。この場合、第1、第2の位置決め孔20,21の矩形凹部22及び開口部23の向きが上記実施例と反対になり、ガイド溝26の向きも反対となる。
【0052】
また、記録再生装置1は、天板6のリブ30,31にリブ爪32,33を突設し、シャーシ4の取付壁15,16の係合部18に係合孔19を形成したが、反対に、天板6のリブ30,31に係合孔を設け、シャーシ4の取付壁15,16の係合部18に係合孔に係合する凸部を設けるようにしてもよい。
【0053】
また、記録再生装置1は、天板6のリブ30,31にスリット35,36を設けることにより可撓性を付与したが、リブの基端部を薄肉に形成することにより可撓性を付与してもよい。
【0054】
<3.扉開閉機構>
[フロントパネル]
次いで、装置本体2の前面2aを開閉させる扉開閉機構9について説明する。先ず、シャーシ4の前面2a側に取り付けられるとともに、扉開閉機構9が形成されるフロントパネル5について説明する。フロントパネル5は、図9乃至図11に示すように、略矩形箱状をなし、長辺方向の長さ及び高さがシャーシ4の長辺方向の長さ及び高さと略同一とされている。フロントパネル5は、装置本体2の前面2aを構成する主面部5aに、ディスクドライブ装置3のディスクトレイ91が挿通するトレイ挿通口51と、操作状況やコンテンツ情報等を表示する表示部52と、後述する押圧ボタン55が退避されて臨まされるとともに操作ボタン80が挿通する操作孔53が形成されている。
【0055】
トレイ挿通口51は、フロントパネル5の主面部5aの略中間に設けられ、ディスクトレイ91が挿通するのに十分な大きさを備える。また、表示部52は、主面部5aの表面に保護フィルムや透明板等が貼着される。
【0056】
操作孔53は、例えば主面5aの長辺方向の一端側に並列して形成され、それぞれ主面部5aの表面から退避した位置に押圧ボタン55の上面55aが臨まされている。また、操作孔53は、ユーザの指が挿入不可能な大きさに形成され、外部から押圧ボタン55を押圧操作できないようにされている。
【0057】
フロントパネル5に設けられる扉開閉機構9は、フロントパネル5の主面部5aを開放又は閉塞する開閉扉10と、装置本体2の背面側に配設され、押圧ボタン55によって押下され光ディスクに記録された情報信号の再生や再生の停止をおこなう操作スイッチ56と、開閉扉10に設けられ押圧ボタン55を介して操作スイッチ56を操作する操作ボタン80とを有する。
【0058】
扉開閉機構9は、押圧ボタン55がフロントパネル5の裏面部5bに取り付けられ、さらにその背面側に操作スイッチ56が配設されている(図19及び図20参照)。そして、扉開閉機構9は、開閉扉10がフロントパネル5の主面部5aに密接し装置本体2の前面2aを閉塞する閉塞位置に回動された状態で、操作ボタン80が押圧されることにより押圧ボタン55を介して操作スイッチ56が押圧操作される。また、扉開閉機構9は、開閉扉10がフロントパネル5の主面部5aから離間して装置本体2の前面2aを開放する開放位置に回動されると、押圧ボタン55を介しての操作スイッチ56の操作が不可能となり、光ディスクの再生操作が禁止される。
【0059】
[開閉扉]
開閉扉10は、フロントパネル5の主面部5aに回動自在に支持される。開閉扉10は、装置本体2の前面2aを閉塞することによりフロントパネル5に形成されたトレイ挿通口51を閉塞するとともに、装置本体2内に塵埃等が侵入することを防止し、またディスクドライブ装置3の駆動音等が外部に漏れることを防止している。また、開閉扉10は、装置本体2の前面2aと同面の表面10aに透明板60が貼着されている。
【0060】
開閉扉10は、フロントパネル5の主面部5aと略同じ大きさの矩形板状に形成され、表示部52に対応した表示窓61と、操作孔53に対応して操作ボタン80の操作凸部84が挿通する挿通孔62とが形成されている(図16参照)。また、開閉扉10は、図13に示すように、フロントパネル5の主面部5aと対峙する裏面10bに、回動支持片63が形成され、表面10aに、操作ボタン80が配設される凹面部64が形成されている。
【0061】
図13に示すように、回動支持片63は、開閉扉10の下側縁に、長手方向に沿って複数、例えば長手方向の両側及び略中央に3箇所設けられている。各回動支持片63は、フロントパネル5の主面部5aの下部に開口された挿通開口部67に挿通する軸受け孔68と、開閉扉10を前面2aの閉塞方向へ回動付勢するコイルバネ69の一端が係止されるバネ係止部70とが形成されている。そして、図12(a)(b)に示すように、開閉扉10は、回動支持片63がフロントパネル5の挿通開口部67に挿通すると、裏面部5bに形成された軸受け部72と軸受け孔68とが連続され、支点軸73に軸支されることにより、回動自在に支持される。
【0062】
支点軸73は、図14(a)(b)に示すように、回動支持片63の軸受け孔68及びフロントパネル5の軸受け部72に挿通する支軸75と、フロントパネル5の裏面部5bにネジ止めされるネジ孔部76とを有する。そして、支点軸73は、回動支持片63が挿通開口部67に挿通すると、支軸75を軸受け孔68及び軸受け部72に挿通させるとともに、ネジ孔部76をフロントパネル5の裏面に形成されたネジ孔にネジ止めする。これにより、支点軸73は、フロントパネル5の裏面部5bに固定されるとともに、支軸75によって開閉扉10をフロントパネル5の表面部5a側に回動自在に支持する。なお、図14(a)は、右側面2b側に用いられる支点軸73を示し、図14(b)は、略中央及び左側面2c側に用いられる支点軸73を示す。
【0063】
支点軸73に支持された開閉扉10は、さらに、回動支持片63のバネ係止部70に、コイルバネ69の一端が係止される。コイルバネ69は、他端がフロントパネル5の裏面部5bの下部に係止されており、常時、回動支持片63を下方に付勢する。したがって、開閉扉10は、コイルバネ69の付勢力を受けて、常時、フロントパネル5の主面部5a、すなわち装置本体2の前面2aを閉塞する方向へ回動付勢されている。
【0064】
また、開閉扉10は、裏面10bにディスクトレイ91に押圧されるとともにディスクトレイ91が摺動するトレイ摺動片71が形成されている。トレイ摺動片71は、開閉扉10の幅方向に離間して複数突設され、ディスクトレイ91が装置本体2の内外に亘ってスライドされると、ディスクトレイ91が摺動する。
【0065】
かかる開閉扉10は、ディスクドライブ装置3のディスクトレイ91が装置本体2外へスライドされると、ディスクトレイ91の前面に押圧されて、前面2aの開放方向へ回動される。また、開閉扉10は、ディスクトレイ91が装置本体2内へスライドされると、コイルバネ69の付勢力によって前面2aの閉塞方向へ回動される。このように、記録再生装置1は、ディスクトレイ91の装置本体2の内外に亘る挿排出に応じて、自動的に前面2aの開放及び閉塞を行う。したがって、ディスクトレイ91の排出に伴って前面2aを開放する方向へ回動された後、ユーザが手動で前面2aを閉塞させる必要がなく、良好な使用感が得られる。また、記録再生装置1は、コイルバネ69によって開閉扉10を回動復帰させているため、駆動モータ等を用いる構成に比して、部品点数及び組立工数の削減、省スペース化、静音化を図ることができる。
【0066】
なお、コイルバネ69は、回動支持片63の全てに設ける必要はなく、バネ力に応じて、例えば開閉扉10の両端に形成された2つの回動支持片63に係止させ、中央の回動支持片63には設けないことにしてもよい。コイルバネ69の合力は、ディスクドライブ装置3のディスクトレイ91を排出する力よりも弱く設定され、ディスクトレイ91のスライド及び開閉扉10の回動を阻害しない。
【0067】
開閉扉10の表面10a側に形成された凹面部64は、操作ボタン80が配設される領域であり、透明板60とともに操作ボタン80を挟持している。凹面部64は、開閉扉10が前面2aの閉塞位置へ回動されるとフロントパネル5の操作孔53と連続する挿通孔62が開口されている。
【0068】
透明板60は、例えばアクリル板が用いられ、前面2aの閉塞時に前面側となる表面にはハーフミラーフィルム加工が施され、フロントパネル5の表示部52を視認可能とされている。また、透明板60は、開閉扉10とともに挟持する操作ボタン80を外方に臨ませるボタン窓78が開口されている。そして、透明板60は、開閉扉10の表面10aに接着剤等により接着されることにより一体化される。このとき、透明板60は、凹面部64に配設された操作ボタン80を開閉扉10とともに挟持し、ボタン窓78から操作ボタン80のボタン部81が外方に突出されている。
【0069】
[操作ボタン]
次いで、開閉扉10及び透明板60に挟持される操作ボタン80について説明する。図15に示すように、操作ボタン80は、ボタン部81と、ボタン部を支持するボタンフレーム82とを有し、ボタンフレーム82に複数形成されたヒンジ部83によってボタン部81が押圧自在に支持されている。
【0070】
図10、図15に示すように、ボタンフレーム82は、凹面部64の形状に応じた略矩形状に形成されている。ボタンフレーム82には、2つのボタン部81が支持され、一方が再生ボタン81a、他方が停止ボタン81bとされている。またボタンフレーム82は、上述したように、開閉扉10及び透明版60によって挟持されることにより、凹面部64内に保持される。このとき、操作ボタン80は、凹面部64に固定配置されておらず、ボタンフレーム82が凹面部64内に配設されるとともに、ボタン部81が透明板60のボタン窓78に挿通されることにより支持されている。
【0071】
各ボタン部81は、周方向に亘って、ボタンフレーム82に複数のヒンジ部83を介して支持されている。したがって、ボタン部81は、図17に示す一つのヒンジ部86により支持される場合に比して押下に必要な領域を最小に抑えることができる。すなわち、図17に示すように、ボタン部87を一つのヒンジで支持する場合、ボタン部87は、当該ヒンジ部86を支点に回動軌跡を描く。したがって、図18に示すように、透明板89は、ボタン押下時におけるボタン部87との干渉を避けるためにボタン窓88をボタン部87の大きさに対して大きく開口させる必要があり、ボタン部87とボタン窓88との間に大きくクリアランスが形成され、外観デザインを損なう他、塵埃等が侵入し、堆積してしまう。
【0072】
記録再生装置1では、ボタン部81が周方向に亘って複数のヒンジ部83によって支持されるため、ボタン押下時のボタン部81は水平軌跡を描く。したがって、記録再生装置1の透明板60は、ボタン押下時にボタン窓78とボタン部81とが干渉することがないため、図16に示すように、ボタン窓78をボタン部81が挿通可能な最小限の大きさだけ開口させればよい。
【0073】
また、操作ボタン80は、ボタンフレーム82が凹面部64に固定配置されていないため、ボタン部81がボタン窓78に挿通することにより凹面部64内における位置が決まる。したがって、透明板60は、ボタンフレーム82と凹面部64との位置ずれマージンを考慮してボタン窓78をボタン部81に対して大きく形成する必要がなく、ボタン窓78をボタン部81が挿通可能な最小限の大きさだけ開口させればよい。
【0074】
このため、記録再生装置1は、ボタン部81とボタン窓78とのクリアランスがほとんどなくなり、良質な外観デザインを奏する他、塵埃の侵入や付着を防止することができる。
【0075】
また、ボタン部81は、アクリル板などの透明材料を用いて円形に形成され、ボタン窓78から外方に突出する前面部にはハーフミラー加工が施されている。またボタン部81は、開閉扉10の凹面部64に配設されたとき、凹面部64に設けられた挿通孔62及びフロントパネル5の主面部5aに設けられた操作孔53を挿通する操作凸部84が形成されている。
【0076】
また、ボタン部81の操作凸部84は、図20に示すように、開閉扉10が前面2aの閉塞位置に回動されている状態において、フロントパネル5の主面部5aに形成された操作孔53に挿入され、先端が押圧ボタン55に当接している。したがって、操作ボタン80は、ボタン部81を押下することにより、直接押圧ボタン55を押下することができ、二重押しによる違和感がなく、良好な操作感を奏することができる。
【0077】
なお、操作ボタン80は、装置本体2の押圧ボタン55近傍にLED等の公知の照光手段を設けるとともに押圧ボタン55をアクリル等の透明材料により形成することにより、開閉扉10が前面2aを閉塞しているときに、ボタン部81を点灯させるようにしてもよい。
【0078】
[ディスクドライブ装置]
シャーシ4内に配設されているディスクドライブ装置3は、CD、DVD、BD等の各種ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブであり、ドライブ筐体90と、ドライブ筐体90の内外に亘ってスライドされるディスクトレイ91とを備える。
【0079】
図9に示すように、ドライブ筐体90は、シャーシ4の下ケース12に固定されている。ディスクトレイ91は、ドライブ筐体90より装置本体2の前面2a側にスライドし、フロントパネル5のトレイ挿通口51を介して装置本体2の内外に亘って進退される。そして、ディスクドライブ装置3は、ドライブ筐体90から水平方向に出し入れされるディスクトレイ91にディスクを載置することで、ディスクトレイ91が引き込まれた際にディスクがドライブ筐体90内部のターンテーブルに自動的に装着される。
【0080】
[扉開閉動作]
次いで、記録再生装置1のディスク挿排出工程に伴う開閉扉10の開閉動作について説明する。記録再生装置1は、天板6に設けられたイジェクトボタン45が押されると、ディスクドライブ装置3のディスクトレイ91を装置本体2外へスライドさせる。
【0081】
図19に示すように、ディスクトレイ91は、装置本体2外へ排出されるとき、装置本体2の前面2aの閉塞位置に回動されている開閉扉10を押圧し、コイルバネ69の付勢力に抗して開閉扉10を開放位置へ回動させる。そして、ディスクトレイ91は、装置本体2外へ排出されている間、開閉扉10の回動領域上に位置して回動を規制するとともに装置本体2の前面2aを開放させている。
【0082】
開閉扉10が開放位置に回動されると、フロントパネル5は、操作孔53より操作ボタン80の操作凸部84が退避し、操作孔53が外方に露出する。しかし、フロントパネル5は、操作スイッチ56を押圧する押圧ボタン55が操作孔53より主面部5aの内側に退避されているため、外部からユーザが直接押圧ボタン55を押圧して操作スイッチ56を操作することができない。したがって、記録再生装置1は、ディスクトレイ91が装置本体2外へ排出され、開閉扉10が開放位置へ回動されている状態において、ユーザが装置本体2の前面2aに設けられた再生ボタン81aを押下することによりディスクトレイ91が装置本体2内に引き込まれるとともに開閉扉10が閉塞位置へ回動し、再生ボタン81aを押下しているユーザの指を挟む事態を防止することができる。
【0083】
また、記録再生装置1は、操作スイッチ56を押圧する押圧ボタン55が操作孔53より内側に退避され、外部からユーザに視認されにくいため、ユーザに、操作孔53内の押圧ボタン55を押圧しようとの動機付けがなされない。さらに、記録再生装置1は、操作孔53が一般ユーザの指が挿入不可能な大きさに形成されているため、操作孔53上に触れる程度では押圧ボタン55を押下できない。したがって、記録再生装置1は、開閉扉10が開放位置に保持され、装置本体2の前面2aが開放された状態での再生操作を防止することができ、開閉扉10が自動的に閉塞位置へ回動されることにより、ユーザの指が挟まれる事態を防止することができる。
【0084】
また、記録再生装置1は、装置本体2の前面2aには、フロントパネル5の主面部5aに設けられたトレイ挿通口51、表示部52及び押圧ボタン55が内側に退避して設けられる操作孔53が形成されているが、操作手段は一切設けられていない。すなわち、記録再生装置1は、開閉扉10を開放位置に保持した状態では、装置本体2の前面2aにユーザが触れることによる操作を想定した構成を備えておらず、リモコンを用いた操作や天板6に設けられたイジェクトボタン45の押圧操作を想定している。したがって、記録再生装置1は、開閉扉10が開放位置に回動されている状態で、ユーザが前面2aに触れることがなく開閉扉10によるユーザの指の挟み込みを防止することができる。
【0085】
そして、ディスクトレイ91は、ディスクが装着あるいは排出された後、イジェクトボタン45の押圧、あるいはリモコンによるイジェクト指示又は再生指示がなされると、装置本体2内にスライドされ、開閉扉10の回動領域から退避する。これにより、ディスクトレイ91は、開閉扉10の回動規制を解除し、コイルバネ69の付勢力による装置本体2の前面2aの閉塞位置への回動を可能とする。
【0086】
このように、記録再生装置1は、天板6にイジェクトボタン45及び電源ボタン46が設けられ、開閉扉10に再生ボタン81a及び停止ボタン81bとなる操作ボタン80が設けられ、その他の操作手段が装置本体2に設けられておらず、これら基本操作を含めスロー再生や再生位置選択等の他の操作は基本的にリモコンによってなされることを想定している。したがって、記録再生装置1は、ディスクトレイ91によって自動的に開閉扉10を開放位置に回動させ、ディスクトレイ91が装置本体2外へ排出された状態で、リモコンによって再生操作されることでディスクトレイ91が引き込まれ、開閉扉10を自動的に閉塞位置に回動させることができ、ユーザが手動で開閉扉10を回動させる面倒がない。
【0087】
また、記録再生装置1は、装置本体2の前面2aが全幅に亘って開閉扉10によって開閉される。したがって、記録再生装置1は、装置本体2の前面2aが開閉扉10と、開閉扉10と同質のボード等によって分割されるものではなく、部品点数や製造工数の増加を招くことなく、また、分割線が前面に現れることなく外観デザインを損なうこともない。
【0088】
図20に示すように、ディスクトレイ91がドライブ筐体90内にスライドし、開閉扉10が閉塞位置に回動されると、操作ボタン80は、ボタン部81の操作凸部84が、フロントパネル5の操作孔53内に挿通し、押圧ボタン55の上面55aと当接する。これにより、記録再生装置1は、操作ボタン80のボタン部81を押下することにより、押圧ボタン55を介して操作スイッチ56を押圧操作することが可能となる。
【符号の説明】
【0089】
1 記録再生装置、2 装置本体、3 ディスクドライブ装置、4 シャーシ、5 フロントパネル、6 天板、7,8 サイドパネル、9 扉開閉機構、10 開閉扉、15,16 取付壁、18 係合部、19 係合孔、20,21 位置決め孔、22 矩形凹部、23 開口部、25 係止開口、26 ガイド溝、28 フック孔、30,31 リブ、32,33 リブ爪、35,36 スリット、40,41 位置決め凸部、45 イジェクトボタン、46 電源ボタン、48 フック、49 支持凸部、51 トレイ挿通口、53 操作孔、55 押圧ボタン、56 操作スイッチ、60 透明板、62 挿通孔、63 回動支持片、64 凹面部、67 挿通開口部、68 軸受け孔、69 コイルバネ、73 支点軸、78 ボタン窓、80 操作ボタン、81 ボタン部、82 ボタンフレーム、83 ヒンジ部、84 操作凸部、91 ディスクトレイ
【技術分野】
【0001】
本発明は、略矩形状に形成された筐体と天板とが結合されることにより機器本体を構成する電子機器に関し、特に、筐体と天板とを歪みを生じさせることなく結合した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、CD、DVD、BD等のディスク状記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う記録再生装置や、据置型のゲーム機などでは、略矩形状に形成された筐体を有し、筐体上面に天板が係合されることにより機器本体が構成されるものが多く提供されている。これら筐体と天板との結合は、例えば天板にネジ孔が開口されたリブを複数設け、リブを筐体側面にネジ止めすることにより行っている。
【0003】
また、近年の電子機器は、機器本体の外観の美麗さを高めるために、ユーザの視界に多く移る前面にアクリル板を貼着するとともに電光表示部を設け、また天面にも傷に強く光沢のあるコーティング加工を施している。このように、電子機器は、天面に特殊な加工を施すことからモールド成型品とし、機器本体は強度確保のため金属部品で形成するなど、両者を異なる材質で形成しネジ止めにより結合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−174557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、筐体と天板とを複数のネジで結合させる工法は、部品点数及び組立工数が増加し、組立時間の増加や製造コストの上昇を招いてしまう。また、筐体と天板とに設計寸法との間の公差が生じた場合、ネジ止めにより強度の弱い天板側に歪みが発生するおそれがある。天板に歪みが生じると、例えば鏡面仕上げが施されていた場合に反射像が歪むことで天板の歪みが一見して露呈してしまい、かえって美観を損なう。
【0006】
さらに、筐体と天板とは、材質の違いから温度変化による線膨張係数が異なる。したがって、例えば真夏の人のいない部屋の高温環境下に放置された状態から、冷房が入り急激に冷気にさらされたときや、反対に、真冬に急激に暖気にさらされたときなど、ネジ部に白化や破損が発生するおそれもある。さらに上級機種などでは、美麗さを保つために、ネジ部の白化や破損に至らない場合でも、線膨張係数の違いに基づくネジ部へのストレスから生じる天板の歪みも許されない。
【0007】
そこで、本発明は、筐体と天板とを精度よく取り付けるとともに、ネジ止めを用いることなく天板の歪みを防止できる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明に係る電子機器は、略矩形状に形成された筐体と、上記筐体と材質が異なり、上記筐体の上面側に配設される略矩形状の天板とを備え、上記筐体及び上記天板の各長辺方向の略中間には、いずれか一方に設けられた第1の凸部と、いずれか他方に設けられた第1の凹部とからなり、上記第1の凸部の上記長辺方向の両側が上記第1の凹部に当接することにより、上記筐体と上記天板との上記長辺方向の位置決めをする第1の位置決め手段が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、筐体及び天板の長辺方向の略中間に、第1の凸部と、第1の凸部の長辺方向の両側に当接する第1の凹部とからなる第1の位置決め手段を設けているため、筐体と天板との材質の違いによる線膨張係数の違いによって長辺方向の両側に膨張や収縮が発生した場合にも、これら膨張や収縮による応力を抑制することなく、天板の歪みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】記録再生装置の外観斜視図である。
【図2】記録再生装置の分解斜視図である。
【図3】天板を裏側から示す斜視図である。
【図4】天板が結合されたシャーシの上面を裏側から示す斜視図である。
【図5】天板をシャーシに取り付ける工程を示す斜視図である。
【図6】天板とシャーシとの結合状態を上方から示す断面図である。
【図7】天板とシャーシとの結合状態を側方から示す側面図である。
【図8】天板とシャーシとの結合状態を上方から示す断面図である。
【図9】装置本体の内部を示す斜視図である。
【図10】フロントパネル、ディスクドライブ装置及び扉開閉機構を示す分解斜視図である。
【図11】フロントパネルを裏側から示す斜視図である。
【図12】開閉扉とフロントパネルとの支持状態を示す斜視図である。
【図13】開閉扉を裏側から示す斜視図である。
【図14】支点軸を示す斜視図である。
【図15】操作ボタンを示す平面図である。
【図16】透明板とともに操作ボタンを挟持する開閉扉を示す断面図である。
【図17】従来の操作ボタンを示す平面図である。
【図18】従来の操作ボタンを用いた開閉扉を示す断面図である。
【図19】開閉扉が装置本体前面の開放位置に回動された記録再生装置の断面図である。
【図20】開閉扉が装置本体前面の閉塞位置に回動された記録再生装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を光ディスクに対して記録及び/又は再生を行う記録再生装置に適用した場合を例に、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.装置本体
2.天板の取付方法
3.扉開閉機構
【0012】
<1.装置本体>
本発明が適用される記録再生装置1は、CD、DVD、BD等の光ディスクに対して記録及び/又は再生を行う記録再生装置であり、液晶テレビやPC等のAV機能を持つ電子機器やビデオカメラ、スピーカ等に接続されることにより、テレビ番組やビデオカメラに記録された映像等を光ディスクに記録し、あるいは光ディスクに記録された映像等を再生し、モニタやスピーカから出力する。記録再生装置1は、例えば図1及び図2に示すように、全体を略矩形箱状に形成された装置本体2を有し、装置本体2の長辺方向を幅方向とし、短辺方向を奥行き方向として設置される。また、記録再生装置1は、開閉扉10が設けられた装置本体2の一側面がユーザに正対する前面2aとされ、前面2aに向かって右側が右側面2b、前面2aに向かって左側が左側面2c、前面2aと反対側の側面が背面2dとする。
【0013】
また、装置本体2は、内部に光ディスクの記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置3やCPU、メモリ等の各種電子部品が実装された矩形箱状のシャーシ4を有する(図9参照)。装置本体2は、シャーシ4の前面側にフロントパネル5が取り付けられ、上面側に天板6が取り付けられ、右側面に右サイドパネル7が取り付けられ、左側面に左サイドパネル8が取り付けられることにより外装が構成されている。なお、後に詳述するように、フロントパネル5には、装置本体2の前面2aを開閉する開閉扉10が回動可能に支持されている扉開閉機構9が形成されている。
【0014】
[シャーシ]
次いで、装置本体2を構成するシャーシ4について説明する。シャーシ4は、板金を打ち抜くとともに折り曲げ形成することにより略矩形箱状に形成された上下一対のケース11,12が突き合わせ結合されることにより形成される。図2に示すように、シャーシ4は、長辺方向の両側に、右サイドパネル7又は左サイドパネル8が取り付けられる右取付壁15及び左取付壁16が形成されている。右取付壁15及び左取付壁16には、それぞれ右サイドパネル7又は左サイドパネル8の係止爪が係止する係止孔17が複数形成されている。
【0015】
また、右取付壁15及び左取付壁16には、天板6に設けられたリブ30,31が係合する係合部18が設けられている。係合部18は、右取付壁15及び左取付壁16がそれぞれシャーシ4の内側に入り込むことによりリブ30,31が落とし込まれるとともに、外面側より係合される。この係合部18は、リブ30,31に突設されたリブ爪32,33が係合する係合孔19が形成され、リブ爪32,33が係合孔19に係合することにより、シャーシ4と天板6との短辺方向前面側の位置決め及び天板6の上下方向への抜け止めを行う。係合孔19は、リブ爪32,33よりも天板6の短辺方向に幅広に形成され、リブ爪32,33が係合することにより、前面2a側の一側縁にリブ爪32,33の各側面部32a,33aが当接するとともに、背面2d側の一側縁との間にクリアランスが形成されている。リブ爪32,33と係合孔19との係合状態については、後に詳述する。
【0016】
なお、係合部18には、後述するサイドパネル7,8のフック48が挿通するフック孔28が開口されている。フック孔28は、係合孔19よりも背面2d側に開口されている。
【0017】
また、シャーシ4は、上面4aの係合部18近傍に、天板6のリブ30,31のスライドをガイドする一対のガイド溝26,26が形成されている。ガイド溝26,26は、絞り加工により形成され、前面2a側が広く、背面2d側に向かって漸次、幅狭となる。また、ガイド溝26,26は、背面2d側の端部が装置本体2の長辺方向の内側に入り込んだ取付壁15,16の各係合部18に連続している。したがって、ガイド溝26,26は、天板6をシャーシ4の上面4aに結合させる際に、前面2a側から背面2d側に向かってリブ30,31をスライドさせると、リブ30,31を取付壁15,16に形成された係合部18へ導くことができる。天板6は、ガイド溝26,26にガイドされることによりリブ30,31が係合部18が設けられた位置で下方に落とし込まれ、リブ爪32,33が係合孔19に係合する。
【0018】
またシャーシ4は、天板6が取り付けられる上面4aに、天板6に突設された第1、第2の位置決め凸部40,41と係合する第1,第2の位置決め孔20,21が形成されている。第1,第2の位置決め孔20,21は、シャーシ4の上面4aの長辺方向の略中間に、短辺方向に離間して形成されている。第1,第2の位置決め孔20,21は、天板6に突設された第1,第2の位置決め凸部40,41と、装置本体2の長辺方向の両側及び短辺方向の背面側で当接することにより、シャーシ4と天板6との長辺方向の両側及び短辺方向の背面側の位置決めを行うものである。
【0019】
各位置決め孔20,21は、装置本体2の前面2a側が開放され、長辺方向の両側及び短辺方向の背面側が閉じられた矩形凹部22と、矩形凹部22の開放端と連続され第1,第2の位置決め凸部40,41が挿脱するのに十分な幅に開口された開口部23とを有する。矩形凹部22は、第1,第2の位置決め凸部40,41と略同じ幅を有し、第1,第2の位置決め凸部40,41が係合することにより、第1,第2の位置決め凸部40,41の長辺方向の両側を挟持してシャーシ4に対する天板6の長辺方向の位置決めを行う。
【0020】
また、装置本体2の前面2a側に設けられた第1の位置決め孔20の矩形凹部22は、第1の位置決め凸部40が係合することにより、背面2d側の側縁が第1の位置決め凸部40に突き当てられシャーシ4に対する天板6の短辺方向の背面側の位置決めを行う。なお、装置本体2の背面2d側に設けられた第2の位置決め孔21の矩形凹部22は、第1の位置決め孔20の矩形凹部22に比して短辺方向に若干長く形成され、第2の位置決め凸部41が背面2d側の側縁と当接することはない。
【0021】
このような第1,第2の位置決め孔20には、天板6が装置本体2の前面2a側から装着されることにより、天板6に突設された第1,第2の位置決め凸部40,41が開口部23に挿入され、天板6が装置本体2の背面側にスライドされることにより矩形凹部22に係合する。
【0022】
なお、シャーシ4は、上面4aに天板6に形成された係止片42が係止する係止開口25が複数形成されている。係止開口25は、天板6がシャーシ4に装着されることにより、装置本体2の前面2a側から天板6に突設された係止片42が係止される。これにより、装置本体2は、シャーシ4に対する天板6の抜け止めが図られる。
【0023】
[天板]
次いで、シャーシ4の上面4aに取り付けられる天板6について説明する。図2及び図3に示すように、天板6は、シャーシ4の上面と略同じサイズを有する平板状に形成され、シャーシ4と異なる材料、例えば合成樹脂を用いてモールド成型によって形成されている。天板6は、モールド成型された後、鏡面塗装等の加工が施されることにより、美麗な外観デザインを備えることができる。
【0024】
天板6には、長辺方向の両側に、短辺方向の略中間に、シャーシ4の右取付壁15及び左取付壁16の各係合部18と係合する右リブ30及び左リブ31が形成されている。右リブ30は、シャーシ4の右取付壁15側の側面に、係合孔19に係合するリブ爪32が突設されている。また、左リブ31は、シャーシ4の左取付壁16側の側面に、係合孔19に係合するリブ爪33が突設されている。各リブ爪32,33は、係合孔19に係合することにより、シャーシ4と天板6との短辺方向前面側の位置決め及び天板6の上下方向への抜け止めを行うものである。各リブ爪32,33は、装置本体2の前面2a側に、短辺方向の前面側に略正対する側面部32a,33aが形成され、装置本体2の背面2d側に、短辺方向の背面側に摺動可能なテーパ面部32b,33bが形成されている。
【0025】
かかるリブ爪32,33は、天板6がシャーシ4に装置本体2の前面2a側から装着される際に、テーパ面部32b,33bが取付壁15,16の各係合部18を摺動して係合孔19に挿通係合する。このとき、図4及び図6に示すように、リブ爪32,33は、係合孔19に係合することにより、装置本体2の前面2a側に正対する側面部32a,33aが係合孔19の一側縁と当接する。また、リブ爪32,33は、天板6の上面側の端面が係合孔19の他側縁と対峙する。したがって、天板6は、リブ爪32,33の側面部32a,33aが係合孔19の一側縁に当接することにより、シャーシ4と天板6との短辺方向前面側の位置決めが図られる。また、天板6は、リブ爪32,33の端面が係合孔19の他側縁と対峙することにより、天板6の上下方向への抜け止めが図られる。
【0026】
また、リブ爪32,33は、天板6がシャーシ4との線膨張係数の違いによる歪みが発生し、長辺方向の外側に撓んだ場合にも、係合孔19から外れない程度の高さ、例えば1.4mmに形成されている。
【0027】
また、リブ30,31は、図3に示すように、天板6側の基端部近傍にスリット35,36が形成されている。スリット35,36は、リブ30,31を長辺方向の外側に撓ませる可撓性を付与するものである。天板6は、スリット35,36の基端部を支点に長辺方向の外側に撓まされることにより、リブ爪32,33が係合孔19より外れ、シャーシ4より取り外すことが可能となる。
【0028】
さらに、リブ30,31は、スリット35,36よりもさらに天板6側の基端部近傍に、装置本体2の背面2d側から前面2a側にかけて切欠き部37,38が形成されている。図7に示すように、切欠き部37,38は、天板6がシャーシ4に取り付けられた際に、シャーシ4の係合部18近傍の上面4aに係止することにより、天板6の上下方向への抜け止めを図ることができる。
【0029】
また、図3に示すように、リブ30,31は、立設方向の先端部にテーパ部39が形成されている。テーパ部39は、リブ30,31を係合部18に係合させる際に、取付壁15,16を摺動するものである。リブ30,31は、テーパ部39を取付壁15,16に摺動させながら降下することにより、リブ爪32,33を係合孔19に挿通係合させることができる。したがって、天板6は、リブ30,31と係合部18との係合をスムーズに行うことができる。
【0030】
また、天板6は、裏面に、シャーシ4の上面4aに形成された第1、第2の位置決め孔20,21に係合する第1、第2の位置決め凸部40,41が突設されている。第1、第2の位置決め凸部40,41は、円柱形状をなし、天板6の長辺方向の略中間に、短辺方向に離間して突設されている。図4に示すように、装置本体2の前面2a側に突設されている第1の位置決め凸部40は、シャーシ4の前面側に設けられた第1の位置決め孔20に係合する。また、装置本体2の背面2d側に突設されている第2の位置決め凸部41は、シャーシ4の背面側に設けられた第2の位置決め孔21に係合する。
【0031】
さらに、天板6は、裏面に、シャーシ4の上面4aに形成された係止開口25に係止する係止片42が複数突設されている。係止片42は、係止開口25に対応して、天板6の全面に亘って形成されている。また、係止片42は、天板6の裏面から立ち上がるとともに先端が装置本体2の背面2d側に向かって張り出す略鉤状に形成されている。そして、係止片42は、天板6がシャーシ4の上面4aに、前面2a側から装着されると、図4に示すように、鉤状の先端部が係止開口25よりシャーシ4内に挿通し、係止開口25の側縁に係止する。これにより、係止片42は、リブ30,31の切欠き部37,38とともに、天板6の上下方向への抜け止めを図ることができる。
【0032】
なお、天板6は、装置本体2の前面2a側の側面に、長辺方向の両側に離間してイジェクトボタン45と電源ボタン46が形成されている。イジェクトボタン45は、ディスクドライブ装置3のディスクトレイ91を装置本体2外へスライドさせ、また装置本体2内へスライドさせるものであり、電源ボタン46は、記録再生装置1の電源を投入あるいは切断するものである。
【0033】
<2.天板の取付方法>
次いで、シャーシ4に対する天板6の取付けについて説明する。記録再生装置1は、上下ケース11,12が突き合わせ結合されてなるシャーシ4に、開閉扉10を支持するフロントパネル5が取り付けられた後、天板6が取り付けられる。先ず、天板6は、図5(a)に示すように、シャーシ4の前面2a側からリブ30,31をシャーシ4の上面4aに形成された一対のガイド溝26,26上をスライドさせる。ガイド溝26,26は、背面2d側に向かって幅狭に形成されているため、天板6は、リブ30,31が確実に係合部18までガイドされる。
【0034】
係合部18は、シャーシ4の右取付壁15及び左取付壁16が内側に入り込むことにより形成されているため、図5(b)に示すように、リブ30,31は、ガイド溝26,26の背面2d側の端部までスライドされると、下方に落とし込まれる。このとき、リブ30,31は、立設方向の先端部に形成されているテーパ部39が係合部18を摺動する。そして、リブ30,31は、スリット35,36によって長辺方向の外側に可撓性を有する。したがって、リブ30,31は、係合部18への落とし込みをスムーズに行うことができる。
【0035】
また、天板6は、リブ30,31の係合部18への落とし込みにより、第1、第2の位置決め凸部40,41がシャーシ4の上面4aに開口された第1、第2の位置決め孔20,21の各開口部23内に挿通する。また、天板6は、係止片42の鉤状の先端部がシャーシ4の上面4aに開口された係止開口25に挿通する。さらに、天板6は、リブ30,31が、係合部18への落とし込みにより長辺方向の内側に向かって弾性復帰する応力によってリブ爪32,33が係合部18を摺動しながら係合孔19と同じ高さに降下される。
【0036】
そして、図5(c)に示すように、天板6は、背面2d側にスライドされると、図5(d)に示すように、リブ爪32,33が係合孔19に係合する。このとき、リブ爪32,33は、背面2d側にテーパ面部32b,33bが形成されているため、天板6の背面2d側へのスライドをスムーズに行うことができる。また、リブ爪32,33は、係合孔19に係合することにより、図6に示すように、前面2a側に形成された側面部32a,33aが係合孔19の前面2a側の一側縁と当接し、シャーシ4に対する天板6の短辺方向の前面側の位置決めを行うとともに、天板6の短辺方向の前面側への移動を規制する。
【0037】
また、天板6は、背面2d側にスライドされると、第1、第2の位置決め凸部40,41が、第1、第2の位置決め孔20,21の矩形凹部22に係合する。矩形凹部22は、第1、第2の位置決め凸部40,41と長辺方向に略同じ幅を有するため、第1,第2の位置決め凸部40,41が係合することにより、第1,第2の位置決め凸部40,41の長辺方向の両側を挟持してシャーシ4に対する天板6の長辺方向の位置決めを行うとともに、天板6の長辺方向への移動を規制する。
【0038】
また、第1の位置決め孔20の矩形凹部22は、第1の位置決め凸部40が背面2d側の側縁に突き当てられるため、シャーシ4に対する天板6の短辺方向の背面側の位置決めを行うとともに、天板6の短辺方向の背面側への移動を規制する。
【0039】
ここで、天板6は、長辺方向の略中間において、第1の位置決め凸部40が第1の位置決め孔20の矩形凹部22に係合することにより、第1の位置決め凸部40の長辺方向の両側が矩形凹部22に挟持され、長辺方向の位置決めが行われる。また、天板6は、リブ30,31に長辺方向への可撓性を有するとともにリブ爪32,33が長辺方向の外側から係合孔19に係合している。したがって、装置本体2は、天板6とシャーシ4との材質の違いによる線膨張係数の違いに基づいて、線膨張係数の大きい天板6が膨張した場合にも、長辺方向の膨張を規制することがなく、ストレスを内在させることによる天板6の歪みを防止することができる。
【0040】
すなわち、装置本体2は、急激な室温の変化等の設置環境の変化によって、天板6に膨張或いは収縮が発生しうる。膨張や収縮は、略矩形状の天板6においては、長辺方向の両側において現れやすいため、長辺方向の両側をシャーシ4の取付壁15,16にネジ止め等によって強固に取り付けた場合、膨張や収縮のストレスが開放されず、天板6の歪みとなって現れるほか、ネジ部に白化や破損が発生するおそれもある。そして、天板6の歪みは、鏡面加工が施された場合、反射像の歪みとして顕著に現れ、美麗さを大きく損なってしまう。
【0041】
この点、装置本体2は、天板6の長辺方向の両側に形成したリブ30,31に長辺方向への可撓性を付与するとともに、リブ爪32,33を長辺方向の外側から係合孔19に係合させているため、長辺方向の両側に膨張や収縮が発生した場合にも、ストレスを開放することができ、天板6に歪みが発生することがなく、また、ネジを用いていないためネジ部の白化や破損といった問題も生じない。また、装置本体2は、長辺方向の略中間において第1の位置決め凸部40が第1の位置決め孔20の矩形凹部22に係合することによって長辺方向の位置規制が行われているため、設置環境の温度変化等による膨張や収縮による長辺方向の両側の変化量が均等となり、偏りをなくして美観を損なわないようにできるほか、長辺方向両側の変化量に応じて突出させるリブ爪32,33の係合孔19からの突出高さを均等に按分させることができ、最小にすることができる。
【0042】
また、天板6は、短辺方向の前面2a側において、第1の位置決め凸部40が第1の位置決め孔20の矩形凹部22に係合することにより、第1の位置決め凸部40の短辺方向の背面側が当接されるとともに、リブ爪32,33の側面部32a,33aが係合孔19の前面2a側の一側縁に当接することにより、短辺方向の位置決めが行われている。
【0043】
第1の位置決め凹部20による第1の位置決め凸部40の短辺方向の背面側の規制位置と、係合孔19の前面2a側の一側縁によるリブ爪32,33の側面部32a,33aの短辺方向の前面側の規制位置は、短辺方向において近接されているため、温度変化等による膨張や収縮による両規制位置の短辺方向の位置変化は少ない。また、第1の位置決め凹部20は、矩形凹部22の背面2d側の側縁が第1の位置決め凸部40に突き当てられ、前面2a側が開口部23によって開放されている。また、係合孔19は、前面2a側の一側縁がリブ爪32,33の側面部32a,33aに当接され、テーパ面部32b,33bと背面2d側の一側縁との間にクリアランスが設けられている。したがって、装置本体2は、天板6が膨張した場合にも、短辺方向の膨張を規制することなく、ストレスを抑制することによる天板6の歪みを防止することができる。
【0044】
なお、装置本体2は、第2の位置決め凸部41及び第2の位置決め孔21を設けることなく、第1の位置決め凸部40及び第1の位置決め孔20で天板6とシャーシ4との位置規制を行うようにしてもよい。この場合、装置本体2は、天板6とシャーシ4とが、長辺方向の略中間において短辺方向の背面2d側が位置決めされるとともに、長辺方向の両側において、短辺方向の前面2aが位置決めされるため、確実に天板6の取付位置を規制することができる。さらに、この場合、装置本体2は、天板6とシャーシ4の間に設計寸法の誤差に基づく第2の位置決め凸部41と第2の位置決め孔21との位置ずれや、当該位置ずれによる天板6の歪み等の不都合も発生しない。
【0045】
装置本体2は、図5(d)に示すように、天板6が背面2d側にスライドされ、リブ爪32,33が係合孔19に係合すると、リブ爪32,33上側面が係合孔19の上側縁に当接することにより、天板6の上方向への抜け止めが図られる。また、このとき装置本体2は、図7に示すように、天板6のリブ30,31に形成された切欠き部37,38がシャーシ4の上面4aの端部に係止することにより、リブ爪32,33とともに、天板6の上方向への抜け止めが図られる。
【0046】
天板6のシャーシ4への結合に続いて、右サイドパネル7及び左サイドパネル8が、シャーシ背面にネジ止めされることにより、それぞれ右取付壁15及び左取付壁16に取り付けられる。図1に示すように、右サイドパネル7及び左サイドパネル8は、シャーシ4の右取付壁15又は左取付壁16と略同じ大きさに形成された外装部品であり、取付壁15,16に取り付けられる内側面には、係止孔17に係止する公知の係止爪が複数突設されている(図示せず)。右サイドパネル7及び左サイドパネル8は、係止爪が係止孔17に挿通されることにより鉤状に折り曲げられた先端部が取付壁15,16に係止し、シャーシ4に取り付けられる。
【0047】
また、右サイドパネル7及び左サイドパネル8は、取付壁15,16に取り付けられる内側面に、右取付壁15又は左取付壁16の係合部18に開口されているフック孔28に挿通するフック48が突設されている。図8に示すように、フック48は、フック孔28を介してシャーシ4内に挿入するとともに、前面2a側に折れ曲がる鉤状の先端部を有し、係合部18をシャーシ4の内側から支持する。
【0048】
また、右サイドパネル7及び左サイドパネル8は、フック48基端部近傍に、天板6のリブ30,31を支持する支持凸部49が形成されている。図8に示すように、支持凸部49は、右サイドパネル7及び左サイドパネル8が取付壁15,16に取り付けられると、リブ30,31を外側から支持する。
【0049】
これらフック48及び支持凸部49は、天板6のリブ30,31の抜け止めを図るものであり、常時リブ30,31及び係合部18と当接して強固に挟持するものではない。したがって、リブ30,31は、フック48及び支持凸部49に支持されたときも、長辺方向の外側への可撓性を失うことなく、膨張や収縮によるストレスを開放することができる。
【0050】
なお、記録再生装置1は、天板6に第1の位置決め凸部40及び第2の位置決め凸部41を設け、シャーシ4に第1の位置決め孔20及び第2の位置決め孔21を設けたが、シャーシ4の上面4aに第1の位置決め凸部及び第2の位置決め凸部を設け、天板6の裏面にこれら第1の位置決め凸部及び第2の位置決め凸部が係合する第1の位置決め凹部及び第2の位置決め凹部を形成するようにしてもよい。
【0051】
また、記録再生装置1は、天板6を前面2a側からシャーシ4の上面4aにスライドさせて装着したが、背面2d側から前面2a側に向かってスライドさせて装着するようにしてもよい。この場合、第1、第2の位置決め孔20,21の矩形凹部22及び開口部23の向きが上記実施例と反対になり、ガイド溝26の向きも反対となる。
【0052】
また、記録再生装置1は、天板6のリブ30,31にリブ爪32,33を突設し、シャーシ4の取付壁15,16の係合部18に係合孔19を形成したが、反対に、天板6のリブ30,31に係合孔を設け、シャーシ4の取付壁15,16の係合部18に係合孔に係合する凸部を設けるようにしてもよい。
【0053】
また、記録再生装置1は、天板6のリブ30,31にスリット35,36を設けることにより可撓性を付与したが、リブの基端部を薄肉に形成することにより可撓性を付与してもよい。
【0054】
<3.扉開閉機構>
[フロントパネル]
次いで、装置本体2の前面2aを開閉させる扉開閉機構9について説明する。先ず、シャーシ4の前面2a側に取り付けられるとともに、扉開閉機構9が形成されるフロントパネル5について説明する。フロントパネル5は、図9乃至図11に示すように、略矩形箱状をなし、長辺方向の長さ及び高さがシャーシ4の長辺方向の長さ及び高さと略同一とされている。フロントパネル5は、装置本体2の前面2aを構成する主面部5aに、ディスクドライブ装置3のディスクトレイ91が挿通するトレイ挿通口51と、操作状況やコンテンツ情報等を表示する表示部52と、後述する押圧ボタン55が退避されて臨まされるとともに操作ボタン80が挿通する操作孔53が形成されている。
【0055】
トレイ挿通口51は、フロントパネル5の主面部5aの略中間に設けられ、ディスクトレイ91が挿通するのに十分な大きさを備える。また、表示部52は、主面部5aの表面に保護フィルムや透明板等が貼着される。
【0056】
操作孔53は、例えば主面5aの長辺方向の一端側に並列して形成され、それぞれ主面部5aの表面から退避した位置に押圧ボタン55の上面55aが臨まされている。また、操作孔53は、ユーザの指が挿入不可能な大きさに形成され、外部から押圧ボタン55を押圧操作できないようにされている。
【0057】
フロントパネル5に設けられる扉開閉機構9は、フロントパネル5の主面部5aを開放又は閉塞する開閉扉10と、装置本体2の背面側に配設され、押圧ボタン55によって押下され光ディスクに記録された情報信号の再生や再生の停止をおこなう操作スイッチ56と、開閉扉10に設けられ押圧ボタン55を介して操作スイッチ56を操作する操作ボタン80とを有する。
【0058】
扉開閉機構9は、押圧ボタン55がフロントパネル5の裏面部5bに取り付けられ、さらにその背面側に操作スイッチ56が配設されている(図19及び図20参照)。そして、扉開閉機構9は、開閉扉10がフロントパネル5の主面部5aに密接し装置本体2の前面2aを閉塞する閉塞位置に回動された状態で、操作ボタン80が押圧されることにより押圧ボタン55を介して操作スイッチ56が押圧操作される。また、扉開閉機構9は、開閉扉10がフロントパネル5の主面部5aから離間して装置本体2の前面2aを開放する開放位置に回動されると、押圧ボタン55を介しての操作スイッチ56の操作が不可能となり、光ディスクの再生操作が禁止される。
【0059】
[開閉扉]
開閉扉10は、フロントパネル5の主面部5aに回動自在に支持される。開閉扉10は、装置本体2の前面2aを閉塞することによりフロントパネル5に形成されたトレイ挿通口51を閉塞するとともに、装置本体2内に塵埃等が侵入することを防止し、またディスクドライブ装置3の駆動音等が外部に漏れることを防止している。また、開閉扉10は、装置本体2の前面2aと同面の表面10aに透明板60が貼着されている。
【0060】
開閉扉10は、フロントパネル5の主面部5aと略同じ大きさの矩形板状に形成され、表示部52に対応した表示窓61と、操作孔53に対応して操作ボタン80の操作凸部84が挿通する挿通孔62とが形成されている(図16参照)。また、開閉扉10は、図13に示すように、フロントパネル5の主面部5aと対峙する裏面10bに、回動支持片63が形成され、表面10aに、操作ボタン80が配設される凹面部64が形成されている。
【0061】
図13に示すように、回動支持片63は、開閉扉10の下側縁に、長手方向に沿って複数、例えば長手方向の両側及び略中央に3箇所設けられている。各回動支持片63は、フロントパネル5の主面部5aの下部に開口された挿通開口部67に挿通する軸受け孔68と、開閉扉10を前面2aの閉塞方向へ回動付勢するコイルバネ69の一端が係止されるバネ係止部70とが形成されている。そして、図12(a)(b)に示すように、開閉扉10は、回動支持片63がフロントパネル5の挿通開口部67に挿通すると、裏面部5bに形成された軸受け部72と軸受け孔68とが連続され、支点軸73に軸支されることにより、回動自在に支持される。
【0062】
支点軸73は、図14(a)(b)に示すように、回動支持片63の軸受け孔68及びフロントパネル5の軸受け部72に挿通する支軸75と、フロントパネル5の裏面部5bにネジ止めされるネジ孔部76とを有する。そして、支点軸73は、回動支持片63が挿通開口部67に挿通すると、支軸75を軸受け孔68及び軸受け部72に挿通させるとともに、ネジ孔部76をフロントパネル5の裏面に形成されたネジ孔にネジ止めする。これにより、支点軸73は、フロントパネル5の裏面部5bに固定されるとともに、支軸75によって開閉扉10をフロントパネル5の表面部5a側に回動自在に支持する。なお、図14(a)は、右側面2b側に用いられる支点軸73を示し、図14(b)は、略中央及び左側面2c側に用いられる支点軸73を示す。
【0063】
支点軸73に支持された開閉扉10は、さらに、回動支持片63のバネ係止部70に、コイルバネ69の一端が係止される。コイルバネ69は、他端がフロントパネル5の裏面部5bの下部に係止されており、常時、回動支持片63を下方に付勢する。したがって、開閉扉10は、コイルバネ69の付勢力を受けて、常時、フロントパネル5の主面部5a、すなわち装置本体2の前面2aを閉塞する方向へ回動付勢されている。
【0064】
また、開閉扉10は、裏面10bにディスクトレイ91に押圧されるとともにディスクトレイ91が摺動するトレイ摺動片71が形成されている。トレイ摺動片71は、開閉扉10の幅方向に離間して複数突設され、ディスクトレイ91が装置本体2の内外に亘ってスライドされると、ディスクトレイ91が摺動する。
【0065】
かかる開閉扉10は、ディスクドライブ装置3のディスクトレイ91が装置本体2外へスライドされると、ディスクトレイ91の前面に押圧されて、前面2aの開放方向へ回動される。また、開閉扉10は、ディスクトレイ91が装置本体2内へスライドされると、コイルバネ69の付勢力によって前面2aの閉塞方向へ回動される。このように、記録再生装置1は、ディスクトレイ91の装置本体2の内外に亘る挿排出に応じて、自動的に前面2aの開放及び閉塞を行う。したがって、ディスクトレイ91の排出に伴って前面2aを開放する方向へ回動された後、ユーザが手動で前面2aを閉塞させる必要がなく、良好な使用感が得られる。また、記録再生装置1は、コイルバネ69によって開閉扉10を回動復帰させているため、駆動モータ等を用いる構成に比して、部品点数及び組立工数の削減、省スペース化、静音化を図ることができる。
【0066】
なお、コイルバネ69は、回動支持片63の全てに設ける必要はなく、バネ力に応じて、例えば開閉扉10の両端に形成された2つの回動支持片63に係止させ、中央の回動支持片63には設けないことにしてもよい。コイルバネ69の合力は、ディスクドライブ装置3のディスクトレイ91を排出する力よりも弱く設定され、ディスクトレイ91のスライド及び開閉扉10の回動を阻害しない。
【0067】
開閉扉10の表面10a側に形成された凹面部64は、操作ボタン80が配設される領域であり、透明板60とともに操作ボタン80を挟持している。凹面部64は、開閉扉10が前面2aの閉塞位置へ回動されるとフロントパネル5の操作孔53と連続する挿通孔62が開口されている。
【0068】
透明板60は、例えばアクリル板が用いられ、前面2aの閉塞時に前面側となる表面にはハーフミラーフィルム加工が施され、フロントパネル5の表示部52を視認可能とされている。また、透明板60は、開閉扉10とともに挟持する操作ボタン80を外方に臨ませるボタン窓78が開口されている。そして、透明板60は、開閉扉10の表面10aに接着剤等により接着されることにより一体化される。このとき、透明板60は、凹面部64に配設された操作ボタン80を開閉扉10とともに挟持し、ボタン窓78から操作ボタン80のボタン部81が外方に突出されている。
【0069】
[操作ボタン]
次いで、開閉扉10及び透明板60に挟持される操作ボタン80について説明する。図15に示すように、操作ボタン80は、ボタン部81と、ボタン部を支持するボタンフレーム82とを有し、ボタンフレーム82に複数形成されたヒンジ部83によってボタン部81が押圧自在に支持されている。
【0070】
図10、図15に示すように、ボタンフレーム82は、凹面部64の形状に応じた略矩形状に形成されている。ボタンフレーム82には、2つのボタン部81が支持され、一方が再生ボタン81a、他方が停止ボタン81bとされている。またボタンフレーム82は、上述したように、開閉扉10及び透明版60によって挟持されることにより、凹面部64内に保持される。このとき、操作ボタン80は、凹面部64に固定配置されておらず、ボタンフレーム82が凹面部64内に配設されるとともに、ボタン部81が透明板60のボタン窓78に挿通されることにより支持されている。
【0071】
各ボタン部81は、周方向に亘って、ボタンフレーム82に複数のヒンジ部83を介して支持されている。したがって、ボタン部81は、図17に示す一つのヒンジ部86により支持される場合に比して押下に必要な領域を最小に抑えることができる。すなわち、図17に示すように、ボタン部87を一つのヒンジで支持する場合、ボタン部87は、当該ヒンジ部86を支点に回動軌跡を描く。したがって、図18に示すように、透明板89は、ボタン押下時におけるボタン部87との干渉を避けるためにボタン窓88をボタン部87の大きさに対して大きく開口させる必要があり、ボタン部87とボタン窓88との間に大きくクリアランスが形成され、外観デザインを損なう他、塵埃等が侵入し、堆積してしまう。
【0072】
記録再生装置1では、ボタン部81が周方向に亘って複数のヒンジ部83によって支持されるため、ボタン押下時のボタン部81は水平軌跡を描く。したがって、記録再生装置1の透明板60は、ボタン押下時にボタン窓78とボタン部81とが干渉することがないため、図16に示すように、ボタン窓78をボタン部81が挿通可能な最小限の大きさだけ開口させればよい。
【0073】
また、操作ボタン80は、ボタンフレーム82が凹面部64に固定配置されていないため、ボタン部81がボタン窓78に挿通することにより凹面部64内における位置が決まる。したがって、透明板60は、ボタンフレーム82と凹面部64との位置ずれマージンを考慮してボタン窓78をボタン部81に対して大きく形成する必要がなく、ボタン窓78をボタン部81が挿通可能な最小限の大きさだけ開口させればよい。
【0074】
このため、記録再生装置1は、ボタン部81とボタン窓78とのクリアランスがほとんどなくなり、良質な外観デザインを奏する他、塵埃の侵入や付着を防止することができる。
【0075】
また、ボタン部81は、アクリル板などの透明材料を用いて円形に形成され、ボタン窓78から外方に突出する前面部にはハーフミラー加工が施されている。またボタン部81は、開閉扉10の凹面部64に配設されたとき、凹面部64に設けられた挿通孔62及びフロントパネル5の主面部5aに設けられた操作孔53を挿通する操作凸部84が形成されている。
【0076】
また、ボタン部81の操作凸部84は、図20に示すように、開閉扉10が前面2aの閉塞位置に回動されている状態において、フロントパネル5の主面部5aに形成された操作孔53に挿入され、先端が押圧ボタン55に当接している。したがって、操作ボタン80は、ボタン部81を押下することにより、直接押圧ボタン55を押下することができ、二重押しによる違和感がなく、良好な操作感を奏することができる。
【0077】
なお、操作ボタン80は、装置本体2の押圧ボタン55近傍にLED等の公知の照光手段を設けるとともに押圧ボタン55をアクリル等の透明材料により形成することにより、開閉扉10が前面2aを閉塞しているときに、ボタン部81を点灯させるようにしてもよい。
【0078】
[ディスクドライブ装置]
シャーシ4内に配設されているディスクドライブ装置3は、CD、DVD、BD等の各種ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブであり、ドライブ筐体90と、ドライブ筐体90の内外に亘ってスライドされるディスクトレイ91とを備える。
【0079】
図9に示すように、ドライブ筐体90は、シャーシ4の下ケース12に固定されている。ディスクトレイ91は、ドライブ筐体90より装置本体2の前面2a側にスライドし、フロントパネル5のトレイ挿通口51を介して装置本体2の内外に亘って進退される。そして、ディスクドライブ装置3は、ドライブ筐体90から水平方向に出し入れされるディスクトレイ91にディスクを載置することで、ディスクトレイ91が引き込まれた際にディスクがドライブ筐体90内部のターンテーブルに自動的に装着される。
【0080】
[扉開閉動作]
次いで、記録再生装置1のディスク挿排出工程に伴う開閉扉10の開閉動作について説明する。記録再生装置1は、天板6に設けられたイジェクトボタン45が押されると、ディスクドライブ装置3のディスクトレイ91を装置本体2外へスライドさせる。
【0081】
図19に示すように、ディスクトレイ91は、装置本体2外へ排出されるとき、装置本体2の前面2aの閉塞位置に回動されている開閉扉10を押圧し、コイルバネ69の付勢力に抗して開閉扉10を開放位置へ回動させる。そして、ディスクトレイ91は、装置本体2外へ排出されている間、開閉扉10の回動領域上に位置して回動を規制するとともに装置本体2の前面2aを開放させている。
【0082】
開閉扉10が開放位置に回動されると、フロントパネル5は、操作孔53より操作ボタン80の操作凸部84が退避し、操作孔53が外方に露出する。しかし、フロントパネル5は、操作スイッチ56を押圧する押圧ボタン55が操作孔53より主面部5aの内側に退避されているため、外部からユーザが直接押圧ボタン55を押圧して操作スイッチ56を操作することができない。したがって、記録再生装置1は、ディスクトレイ91が装置本体2外へ排出され、開閉扉10が開放位置へ回動されている状態において、ユーザが装置本体2の前面2aに設けられた再生ボタン81aを押下することによりディスクトレイ91が装置本体2内に引き込まれるとともに開閉扉10が閉塞位置へ回動し、再生ボタン81aを押下しているユーザの指を挟む事態を防止することができる。
【0083】
また、記録再生装置1は、操作スイッチ56を押圧する押圧ボタン55が操作孔53より内側に退避され、外部からユーザに視認されにくいため、ユーザに、操作孔53内の押圧ボタン55を押圧しようとの動機付けがなされない。さらに、記録再生装置1は、操作孔53が一般ユーザの指が挿入不可能な大きさに形成されているため、操作孔53上に触れる程度では押圧ボタン55を押下できない。したがって、記録再生装置1は、開閉扉10が開放位置に保持され、装置本体2の前面2aが開放された状態での再生操作を防止することができ、開閉扉10が自動的に閉塞位置へ回動されることにより、ユーザの指が挟まれる事態を防止することができる。
【0084】
また、記録再生装置1は、装置本体2の前面2aには、フロントパネル5の主面部5aに設けられたトレイ挿通口51、表示部52及び押圧ボタン55が内側に退避して設けられる操作孔53が形成されているが、操作手段は一切設けられていない。すなわち、記録再生装置1は、開閉扉10を開放位置に保持した状態では、装置本体2の前面2aにユーザが触れることによる操作を想定した構成を備えておらず、リモコンを用いた操作や天板6に設けられたイジェクトボタン45の押圧操作を想定している。したがって、記録再生装置1は、開閉扉10が開放位置に回動されている状態で、ユーザが前面2aに触れることがなく開閉扉10によるユーザの指の挟み込みを防止することができる。
【0085】
そして、ディスクトレイ91は、ディスクが装着あるいは排出された後、イジェクトボタン45の押圧、あるいはリモコンによるイジェクト指示又は再生指示がなされると、装置本体2内にスライドされ、開閉扉10の回動領域から退避する。これにより、ディスクトレイ91は、開閉扉10の回動規制を解除し、コイルバネ69の付勢力による装置本体2の前面2aの閉塞位置への回動を可能とする。
【0086】
このように、記録再生装置1は、天板6にイジェクトボタン45及び電源ボタン46が設けられ、開閉扉10に再生ボタン81a及び停止ボタン81bとなる操作ボタン80が設けられ、その他の操作手段が装置本体2に設けられておらず、これら基本操作を含めスロー再生や再生位置選択等の他の操作は基本的にリモコンによってなされることを想定している。したがって、記録再生装置1は、ディスクトレイ91によって自動的に開閉扉10を開放位置に回動させ、ディスクトレイ91が装置本体2外へ排出された状態で、リモコンによって再生操作されることでディスクトレイ91が引き込まれ、開閉扉10を自動的に閉塞位置に回動させることができ、ユーザが手動で開閉扉10を回動させる面倒がない。
【0087】
また、記録再生装置1は、装置本体2の前面2aが全幅に亘って開閉扉10によって開閉される。したがって、記録再生装置1は、装置本体2の前面2aが開閉扉10と、開閉扉10と同質のボード等によって分割されるものではなく、部品点数や製造工数の増加を招くことなく、また、分割線が前面に現れることなく外観デザインを損なうこともない。
【0088】
図20に示すように、ディスクトレイ91がドライブ筐体90内にスライドし、開閉扉10が閉塞位置に回動されると、操作ボタン80は、ボタン部81の操作凸部84が、フロントパネル5の操作孔53内に挿通し、押圧ボタン55の上面55aと当接する。これにより、記録再生装置1は、操作ボタン80のボタン部81を押下することにより、押圧ボタン55を介して操作スイッチ56を押圧操作することが可能となる。
【符号の説明】
【0089】
1 記録再生装置、2 装置本体、3 ディスクドライブ装置、4 シャーシ、5 フロントパネル、6 天板、7,8 サイドパネル、9 扉開閉機構、10 開閉扉、15,16 取付壁、18 係合部、19 係合孔、20,21 位置決め孔、22 矩形凹部、23 開口部、25 係止開口、26 ガイド溝、28 フック孔、30,31 リブ、32,33 リブ爪、35,36 スリット、40,41 位置決め凸部、45 イジェクトボタン、46 電源ボタン、48 フック、49 支持凸部、51 トレイ挿通口、53 操作孔、55 押圧ボタン、56 操作スイッチ、60 透明板、62 挿通孔、63 回動支持片、64 凹面部、67 挿通開口部、68 軸受け孔、69 コイルバネ、73 支点軸、78 ボタン窓、80 操作ボタン、81 ボタン部、82 ボタンフレーム、83 ヒンジ部、84 操作凸部、91 ディスクトレイ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形状に形成された筐体と、上記筐体と材質が異なり、上記筐体の上面側に配設される略矩形状の天板とを備え、
上記筐体及び上記天板の各長辺方向の略中間には、いずれか一方に設けられた第1の凸部と、いずれか他方に設けられた第1の凹部とを有し、上記第1の凸部が上記第1の凹部の上記長辺方向と略直交する短辺方向の一方側に突き当てられることにより、上記短辺方向の一方の位置決めをし、
上記筐体及び上記天板の上記長辺方向の両側には、いずれか一方に設けられた第2の凸部と、いずれか他方に設けられた第2の凹部とを有し、上記第2の凸部が上記第2の凹部の上記短辺方向の他方側に当接することにより、上記筐体と上記天板との上記短辺方向の他方の位置決めをする電子機器。
【請求項2】
上記第1の凸部の上記長辺方向の両側が上記第1の凹部に当接することにより、上記筐体と上記天板との上記長辺方向の位置決めをする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
上記天板は、長辺方向の両側に、下方に垂下する一対のリブが設けられ、
上記リブは、上記第2の凸部又は上記第2の凹部が設けられるとともに、長辺方向に可撓性を有し、
上記筐体は長辺方向の両側面に上記第2の凹部又は上記第2の凸部が設けられる請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
上記リブは上記第2の凸部が設けられ、
上記第2の凸部は、温度変化による膨張又は縮小によって上記リブが撓んでも上記第2の凹部から外れない高さを有する請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
上記リブは短辺方向へのスリットが形成され、該スリットの基端部を支点に撓まされる請求項3記載の電子機器。
【請求項6】
上記筐体の側面には、上記リブの可撓性を維持しつつ上記リブ及び上記側面を支持するフックが形成されたパネルが取り付けられる請求項3記載の電子機器。
【請求項7】
上記天板は、長辺方向の両側近傍に、上記筐体と係合することにより上下方向の移動を規制する規制手段が設けられている請求項1記載の電子機器。
【請求項8】
上記天板は、長辺方向の両側に、下方に垂下する一対のリブが設けられ、
上記規制手段は、上記一対のリブに一体に設けられている請求項7記載の電子機器。
【請求項9】
上記天板は、長辺方向の両側に、下方に垂下する一対のリブが設けられ、該一対のリブが上記筐体を短辺方向の一方側に向かってスライドすることにより所定位置で下方に落とし込まれることにより上記筐体と結合され、
上記筐体には、上記天板のスライドをガイドするガイド溝が形成されている請求項1記載の電子機器。
【請求項10】
上記リブには、上記筐体の側面部と上記所定位置で下方に摺動するテーパ部が形成されている請求項9記載の電子機器。
【請求項1】
略矩形状に形成された筐体と、上記筐体と材質が異なり、上記筐体の上面側に配設される略矩形状の天板とを備え、
上記筐体及び上記天板の各長辺方向の略中間には、いずれか一方に設けられた第1の凸部と、いずれか他方に設けられた第1の凹部とを有し、上記第1の凸部が上記第1の凹部の上記長辺方向と略直交する短辺方向の一方側に突き当てられることにより、上記短辺方向の一方の位置決めをし、
上記筐体及び上記天板の上記長辺方向の両側には、いずれか一方に設けられた第2の凸部と、いずれか他方に設けられた第2の凹部とを有し、上記第2の凸部が上記第2の凹部の上記短辺方向の他方側に当接することにより、上記筐体と上記天板との上記短辺方向の他方の位置決めをする電子機器。
【請求項2】
上記第1の凸部の上記長辺方向の両側が上記第1の凹部に当接することにより、上記筐体と上記天板との上記長辺方向の位置決めをする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
上記天板は、長辺方向の両側に、下方に垂下する一対のリブが設けられ、
上記リブは、上記第2の凸部又は上記第2の凹部が設けられるとともに、長辺方向に可撓性を有し、
上記筐体は長辺方向の両側面に上記第2の凹部又は上記第2の凸部が設けられる請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
上記リブは上記第2の凸部が設けられ、
上記第2の凸部は、温度変化による膨張又は縮小によって上記リブが撓んでも上記第2の凹部から外れない高さを有する請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
上記リブは短辺方向へのスリットが形成され、該スリットの基端部を支点に撓まされる請求項3記載の電子機器。
【請求項6】
上記筐体の側面には、上記リブの可撓性を維持しつつ上記リブ及び上記側面を支持するフックが形成されたパネルが取り付けられる請求項3記載の電子機器。
【請求項7】
上記天板は、長辺方向の両側近傍に、上記筐体と係合することにより上下方向の移動を規制する規制手段が設けられている請求項1記載の電子機器。
【請求項8】
上記天板は、長辺方向の両側に、下方に垂下する一対のリブが設けられ、
上記規制手段は、上記一対のリブに一体に設けられている請求項7記載の電子機器。
【請求項9】
上記天板は、長辺方向の両側に、下方に垂下する一対のリブが設けられ、該一対のリブが上記筐体を短辺方向の一方側に向かってスライドすることにより所定位置で下方に落とし込まれることにより上記筐体と結合され、
上記筐体には、上記天板のスライドをガイドするガイド溝が形成されている請求項1記載の電子機器。
【請求項10】
上記リブには、上記筐体の側面部と上記所定位置で下方に摺動するテーパ部が形成されている請求項9記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
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【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−199399(P2010−199399A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44214(P2009−44214)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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