電子機器
【課題】本発明は、発熱する第1のモジュールの間の通気性を確保することができ、第1のモジュールの放熱性を向上させることができる電子機器を得ることにある。
【解決手段】電子機器は、筐体(4)に収容された基板(28)を有している。基板(28)に複数の第1のモジュール(33)および第2のモジュール(34)が実装されている。第1のモジュール(33)は、筐体(4)内で発熱するとともに、互いに間隔を存して並んでいる。第2のモジュール(34)は、筐体(4)内で第1のモジュール(33)の一端と隣り合うとともに、基板(28)に対する突出高さが第1のモジュール(33)よりも低い。ファン(24, 25, 46)は、筐体(4)の内部に第1のモジュール(33)の間を通過する空気の流れを発生させる。
【解決手段】電子機器は、筐体(4)に収容された基板(28)を有している。基板(28)に複数の第1のモジュール(33)および第2のモジュール(34)が実装されている。第1のモジュール(33)は、筐体(4)内で発熱するとともに、互いに間隔を存して並んでいる。第2のモジュール(34)は、筐体(4)内で第1のモジュール(33)の一端と隣り合うとともに、基板(28)に対する突出高さが第1のモジュール(33)よりも低い。ファン(24, 25, 46)は、筐体(4)の内部に第1のモジュール(33)の間を通過する空気の流れを発生させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱を伴う複数の第1のモジュールと、これら第1のモジュールに接続された第2のモジュールとを有する電子機器に係り、特に隣り合う第1のモジュールの間の通気性を確保するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば複数のテレビ番組を同時に録画したり、あるいは長時間番組を録画する際に、テレビに接続して使用する電子機器が知られている。
【0003】
この種の電子機器は、箱形の筐体を備えており、この筐体の内部に複数の電子部品が収容されている。消費電力が大きい特定の電子部品は、必然的に発熱量が増大するため、従来では、ファンを用いて特定の電子部品を強制的に冷却することが行われている。
【0004】
例えば特許文献1に開示された電子機器では、発熱する複数の電子部品がファンから送られる冷却風の送風範囲内に配置されている。電子部品は、ファンの羽根車の中心軸線に対して交差する方向に並んでおり、隣り合う電子部品の間に隙間が形成されている。
【0005】
そのため、ファンの羽根車が回転すると、ファンから吐出された冷却風が電子部品に吹き付けられるとともに、隣り合う電子部品の間の隙間を通過する。これにより、複数の電子部品を共通のファンによって冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−102671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された電子機器によると、ファンから送られる冷却風は、電子部品を冷却した後、筐体に開けた複数の排気孔から電子機器の外に放出される。言い換えると、特許文献1の構成では、冷却風を受ける電子部品と筐体の排気孔との間に、その他の部品が介在されておらず、電子部品の間の隙間が排気孔と向かい合っている。
【0008】
しかしながら、冷却風を受ける電子部品と排気孔との間に他の部品が介在されている場合には、電子部品の間を通過する冷却風の流れが他の部品によって阻害されてしまい、隣り合う電子部品の間に熱が滞留し易くなる。
【0009】
すなわち、特許文献1は、発熱する電子部品よりも冷却風の流れ方向に沿う下流側に他の部品が位置する場合に、隣り合う電子部品の間の通気性が低下することを何等想定していない。よって、電子部品の間に局部的に熱が籠るのを否定することができず、電子部品の放熱性を高める上でいま一歩改善の余地が残されている。
【0010】
本発明の目的は、発熱する第1のモジュールの間の通気性を充分に確保することができ、第1のモジュールの放熱を効率よく行える電子機器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、
筐体に収容された基板を有している。基板に複数の第1のモジュールおよび第2のモジュールが実装されている。第1のモジュールは、筐体内で発熱するとともに、互いに間隔を存して並んでいる。第2のモジュールは、筐体内で第1のモジュールの一端と隣り合うとともに、基板に対する突出高さが第1のモジュールよりも低い。ファンは、筐体の内部に第1のモジュールの間を通過する空気の流れを発生させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第2のモジュールが第1のモジュールの一端と隣り合うにも拘らず、第1のモジュールの間で空気の流れが阻害されずに済む。そのため、第1のモジュールの間に熱が籠るのを防止でき、第1のモジュールの効率的な放熱が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るテレビ接続機器の斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るテレビ接続機器の内部の構造を概略的に示す断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、筐体内の空気の流れを概略的に示すテレビ接続機器の断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るテレビ接続機器の内部の構造を概略的に示す背面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態において、チューナモジュールおよび分配器を有する第3の回路板と遠心ファンとの相対的な位置関係を示すテレビ接続機器の断面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態において、第3の回路板に実装された6台のチューナモジュールと1台の分配器との位置関係を示す斜視図。
【図7】本発明の第1の実施の形態において、チューナモジュールと分配器との位置関係を示す側面図。
【図8】本発明の第1の実施の形態において、6台のチューナモジュールと1台の分配器との位置関係を図7の矢印F8の方向から見た正面図。
【図9】本発明の第1の実施の形態において、基板を支持するシャーシ、第1のサイドカバーおよび第2のサイドカバーの位置関係を分解して示すチューナモジュールの断面図。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係るチューナモジュールの断面図。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るテレビ接続機器の内部の構造を概略的に示す断面図。
【図12】本発明の第2の実施の形態において、チューナモジュール、分配器および熱伝導板の位置関係を示す側面図。
【図13】本発明の第2の実施の形態において、6台のチューナモジュール、1台の分配器および熱伝導板の位置関係を図12の矢印F13の方向から見た正面図。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係るテレビ接続機器の内部の構造を概略的に示す断面図。
【図15】本発明の第3の実施の形態において、チューナモジュール、分配器およびヒートシンクを有する熱伝導板の位置関係を示す側面図。
【図16】図15のF16−F16線に沿う断面図。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係るテレビ接続機器の内部の構造を概略的に示す断面図。
【図18】本発明の第4の実施の形態において、チューナモジュール、分配器およびヒートシンクを有する熱伝導板の位置関係を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明の実施の形態を図1ないし図10に基づいて説明する。
【0015】
図1は、電子機器の一例であるテレビ接続機器1を示している。テレビ接続機器1は、例えば液晶テレビに接続して使用するものであり、各種のテレビ番組を受信する機能および複数のテレビ番組を同時に録画したり、長時間番組を録画する機能を有している。
【0016】
テレビ接続機器1は、偏平な箱形の機器本体2を備えている。機器本体2は、化粧カバー3で覆われた金属製の筐体4と、化粧カバー3の前面を覆う左右のフロント扉5a,5bとを含んでいる。
【0017】
図2ないし図5に示すように、筐体4は、機器本体2の骨格となるもので、底板6、左右の側板7a,7b、前板8、背板9および天板10を備えている。底板6は、四つの角部を有する四角い板状であり、夫々の角部に例えばテレビ台の上に置かれる脚6aが取り付けられている。さらに、複数の吸気孔11が底板6の後半部の中央部分に形成されている。
【0018】
側板7a,7b、前板8および背板9は、底板6の周縁から起立している。左側の側板7aは、第1ないし第3の吸込孔12a,12b,12cを有している。第1ないし第3の吸込孔12a,12b,12cは、筐体4の奥行き方向に間隔を存して並んでいるとともに、化粧カバー3が有する複数の通孔13を介して機器本体2の外に通じている。
【0019】
背板9は、その右半分の領域に複数の第1の排気孔14aおよび複数の第2の排気孔14bを有している。さらに、天板10は、左右の側板7a,7b、前板8および背板9の各上縁の間に跨るとともに、底板6と向かい合っている。
【0020】
図2に示すように、筐体4は、第1の収容領域15と第2の収容領域16とを有している。第1の収容領域15は、筐体4の前板8に沿うように筐体4の幅方向に延びる前半部と、筐体4の右側の側板7bに沿うように筐体4の奥行き方向に延びる後半部とを有している。側板7aの第1の吸込孔12aは、第1の収容領域15の前半部の左端に通じている。背板9の第1の排気孔14aは、第1の収容領域15の後半部の後端に通じている。
【0021】
第2の収容領域16は、筐体4の左側の側板7aおよび背板9で囲まれているとともに、第1の収容領域15の前半部の背後に位置されている。底板6の吸気孔11は、第2の収容領域16の右端部に通じている。側板7aの第2および第3の吸込孔12b,12cは、第2の収容領域16の左端部に通じている。
【0022】
図2に示すように、筐体4の第1の収容領域15に、第1の情報記憶モジュール17、第2の情報記憶モジュール18、カード接続装置19および電源モジュール20が収容されている。
【0023】
第1および第2の情報記憶モジュール17,18は、テレビ番組を録画したり、録画したテレビ番組を迅速に検索して再生するためのものであり、夫々複数のハードディスク駆動装置を備えている。
【0024】
カード接続装置19は、例えば地上デジタル/BSデジタル放送を受信するための6枚のB−CASカードを挿入する六つのカードスロットを有している。第1の情報記憶モジュール17、第2の情報記憶モジュール18およびカード接続装置19は、第1の収容領域15の前半部に位置されて、筐体4の幅方向に一列に並んでいる。
【0025】
電源モジュール20は、電源基板としての第1の回路板22を有している。第1の回路板22は、筐体4の底板6の右端部に固定されている。第1の回路板22は、電源回路を構成する複数の回路部品23を搭載している。回路部品23は、第1の収容領域15の後半部に位置されている。
【0026】
第1の収容領域15の前半部の左端に第1の軸流ファン24が配置されている。第1の軸流ファン24は、第1の吸込孔12aと向かい合っている。さらに、第1の収容領域15の後半部の後端に第2の軸流ファン25が配置されている。第2の軸流ファン25は、主に第1の収容領域15の空気を筐体4の外に強制的に排出し得るように、第1の排気孔14aと向かい合っている。
【0027】
第1の軸流ファン24および第2の軸流ファン25が駆動されると、図3に太い実線の矢印で示すように、筐体4の外の空気が第1の吸込孔12aから第1の収容領域15の前半部に吸い込まれる。第1の収容領域15の前半部に吸い込まれた空気の一部は、第2の収容領域16に流入する。それとともに、第1の収容領域15の後半部の空気が第1の排気孔14aから筐体4の外に吸い出される。
【0028】
図2ないし図5に示すように、筐体4の第2の収容領域16に第2ないし第4の回路板27,28,29が収容されている。第2ないし第4の回路板27,28,29は、筐体4の厚さ方向に間隔を存して積層されている。
【0029】
第2の回路板27は、画像処理用の基板であって、筐体4の底板6の上に水平に支持されている。第2の回路板27の上に画像を処理するためのチップ部品30が実装されている。チップ部品30は、ヒートシンク31を備えている。
【0030】
第3の回路板28は、チューナ基板であって、図示しないブラケットを介して第2の回路板27の上に水平に支持されている。第3の回路板28の上面は、フラットな実装面28aとなっている。第3の回路板28の実装面28aの上にテレビジョン信号を受信する6台のチューナモジュール33および1台の分配器34が実装されている。
【0031】
第4の回路板29は、メイン基板であって、図示しないブラケットを介して第3の回路板28の上に水平に支持されている。第4の回路板29の下面に高性能プロセッサ36およびI/Oコントローラ37が実装されている。高性能プロセッサ36およびI/Oコントローラ37は、動作温度を適正に維持するために冷却を必要としている。本実施の形態では、高性能プロセッサ36およびI/Oコントローラ37が発する熱をヒートシンク38に移送するとともに、このヒートシンク38から筐体4の外に放出している。
【0032】
具体的に述べると、図2および図5に示すように、高性能プロセッサ36に第1の受熱ブロック39が熱的に接続されている。第1の受熱ブロック39は、例えば銅のような熱伝導性に優れた金属材料で構成されているとともに、図示しない押さえ金具を介して第4の回路板29の下面に保持されている。
【0033】
同様に、I/Oコントローラ37に第2の受熱ブロック40が熱的に接続されている。第2の受熱ブロック40は、例えば銅のような熱伝導性に優れた金属材料で構成されているとともに、図示しない押さえ金具を介して第4の回路板29の下面に保持されている。
【0034】
ヒートシンク38は、複数の放熱フィン42を有している。放熱フィン42は、互いに間隔を存して平行に並べられている。ヒートシンク38と第1の受熱ブロック39との間は、二本のヒートパイプ43a,43bを介して熱的に接続されている。そのため、高性能プロセッサ36が発する熱は、第1の受熱ブロック39に伝えられた後、ヒートパイプ43a,43bを介してヒートシンク38に移送される。
【0035】
同様に、ヒートシンク38と第2の受熱ブロック40との間は、一本のヒートパイプ44を介して熱的に接続されている。これにより、I/Oコントローラ37が発する熱は、第2の受熱ブロック40に伝えられた後、ヒートパイプ44を介してヒートシンク38に移送される。
【0036】
さらに、三本のヒートパイプ43a,43b,44は、ヒートシンク38を第4の回路板29の下面の後端部に保持している。したがって、第4の回路板29が第3の回路板28の上に水平に支持された状態では、ヒートシンク38が筐体4の第2の収容領域16の後端部に収容されて、筐体4の第2の排気孔14bと向かい合っている。
【0037】
図2、図3および図5に示すように、筐体4の第2の収容領域16に遠心ファン46が配置されている。遠心ファン46は、ヒートシンク38に向けて冷却風を送風するように第2および第3の回路板27,28の右側に配置されている。
【0038】
遠心ファン46は、ファンケーシング47と羽根車48とを有している。ファンケーシング47の底に円筒状のダクト部49が形成されている。ダクト部49は、ファンケーシング47の底から筐体4の底板6に向けて突出されるとともに、その突出端が底板6に固定されている。
【0039】
さらに、ダクト部49は、底板6のうち吸気孔11が開口する領域を取り囲んでいる。そのため、ファンケーシング47のダクト部49は、吸気孔11を介して筐体4の外に通じる第1の吸込口50を構成している。
【0040】
ファンケーシング47の上壁に羽根車取り付け部51および四つの第2の吸込口52が形成されている。羽根車取り付け部51は、上壁の中央部に位置されている。第2の吸込口52は、羽根車取り付け部51を取り囲むように互いに間隔を存して並んでいる。
【0041】
さらに、ファンケーシング47は、排気口53を有している。排気口53は、第1の吸込口50と第2の吸込口52との間で筐体4の後方に向けて開口されて、ヒートシンク38と向かい合っている。
【0042】
図5に示すように、羽根車48は、羽根車取り付け部51の下面に偏平モータ55を介して支持されている。羽根車48は、第1の吸込口50と第2の吸込口52との間に位置されているとともに、羽根車48の外周部が排気口53と向かい合っている。
【0043】
本実施の形態では、第4の回路板29が遠心ファン46の上方に張り出している。これにより、第2の吸込口52の一部は、第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56に開口されている。
【0044】
羽根車48が偏平モータ55によって駆動されると、図5に矢印で示すように、筐体4の外の空気が吸気孔11および第1の吸込口50を通じて羽根車48の回転中心部に吸い込まれる。それとともに、筐体4の内部の空気が第2の吸込口52から羽根車48の回転中心部に吸い込まれる。この結果、第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56においても、遠心ファン46に向かう空気の流れが形成される。
【0045】
ところで、第3の回路板28に実装された6台のチューナモジュール33および分配器34は、第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56を流れる空気によって冷却されるようになっている。本実施の形態によると、6台のチューナモジュール33は、夫々動作中に発熱を伴う第1のモジュールの一例であって、偏平で細長い箱形の形状を有している。
【0046】
図9および図10に一つのチューナモジュール33を代表して示すように、チューナモジュール33は、シャーシ60、第1のサイドカバー61および第2のサイドカバー62を備えている。シャーシ60、第1のサイドカバー61および第2のサイドカバー62は、例えばメッキ鋼板(鉄)やアルミニウムのような熱伝導性に優れた金属材料で構成されている。
【0047】
シャーシ60は、フロントパネル60aおよびリヤパネル60bを有している。フロントパネル60aおよびリヤパネル60bは、チューナモジュール33の長手方向に互いに離れており、これらフロントパネル60aとリヤパネル60bとの間に回路基板63が支持されている。
【0048】
回路基板63は、第1の面63aと、第1の面63aの反対側に位置された第2の面63bとを有している。回路基板63の第1の面63aに複数の第1の回路部品64が実装されている。同様に、回路基板63の第2の面63bに複数の第2の回路部品65が実装されている。第1および第2の回路部品64,65は、動作中に発熱を伴う発熱体の一例である。
【0049】
シャーシ60のフロントパネル60aに同軸コネクタ66が取り付けられている。同軸コネクタ66は、回路基板63に電気的に接続されているとともに、シャーシ60の外に突出されている。
【0050】
第1のサイドカバー61は、一対の係止片67a,67bを有している。係止片67a,67bは、チューナモジュール33の長手方向に互いに離れているとともに、シャーシ60のフロントパネル60aの外面およびリヤパネル60bの外面に取り外し可能に引っ掛かっている。これにより、第1のサイドカバー61は、シャーシ60を厚み方向に沿う一方側から覆った状態でシャーシ60に保持されている。
【0051】
図9および図10に示すように、第1のサイドカバー61の内面に複数の熱伝導ブロック68が取り付けられている。熱伝導ブロック68は、例えばアルミニウムのような熱伝導性に優れた金属材料で構成されている。熱伝導ブロック68は、第1の回路部品64に塗布された熱伝導性グリース69を介して第1の回路部品64に熱的に接続されている。このため、第1の回路部品64が発する熱は、熱伝導性グリース69および熱伝導ブロック68を介して第1のサイドカバー61に伝わるようになっている。
【0052】
第2のサイドカバー62は、一対の係止片70a,70bを有している。係止片70a,70bは、チューナモジュール33の長手方向に互いに離れているとともに、第1のサイドカバー61とは反対側からシャーシ60のフロントパネル60aの外面およびリヤパネル60bの外面に取り外し可能に引っ掛かっている。これにより、第2のサイドカバー62は、シャーシ60を厚み方向に沿う他方側から覆った状態でシャーシ60に保持されている。
【0053】
第2のサイドカバー62は、シャーシ60に向けて凹む複数の凹部72を有している。凹部72は、第2の回路部品65に対応する位置に形成されている。凹部72の内面は、第2の回路部品65に塗布された熱伝導性グリース74を介して第2の回路部品65に熱的に接続されている。このため、第2の回路部品65が発する熱は、熱伝導性グリース74を介して第2のサイドカバー62に伝わるようになっている。
【0054】
したがって、第1および第2のサイドカバー61,62の外面は、第1および第2の回路部品64,65の熱をチューナモジュール33の外に放出する放熱面としての機能を有している。
【0055】
図6に最もよく示されるように、6台のチューナモジュール33は、第3の回路板28の実装面28aから起立する縦置きの姿勢で実装面28aの上に固定されて、実装面28aから上向きに突出されている。さらに、チューナモジュール33は、筐体4の奥行き方向に沿って延びるような向きで実装面28aの上に保持されており、シャーシ60から突出する同軸コネクタ66が筐体4の後方を指向している。
【0056】
6台のチューナモジュール33は、筐体4の幅方向に間隔を存して一列に並んでいる。そのため、隣り合うチューナモジュール33の間には、五つの通風路76が形成されている。通風路76は、筐体4の奥行き方向に真っ直ぐに延びているとともに、第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56に開放されている。さらに、チューナモジュール33の第1および第2のサイドカバー61,62は、通風路76に露出されている。
【0057】
一方、分配器34は、6台のチューナモジュール33に夫々テレビジョン信号を供給するためのものであって、本実施の形態では、第2のモジュールの一例となっている。分配器34は、金属製のケース78と、一つのケーブル接続端子79と、六つのアウトレット80とを有している。
【0058】
ケース78は、偏平で細長い箱形の形状を有している。ケース78は、第1の端面78aと、第1の端面78aの反対側に位置された第2の端面78bとを含んでいる。ケーブル接続端子79は、図示しないアンテナケーブルを接続するためのものであり、第1の端面78aからケース78の外に突出されている。さらに、ケーブル接続端子79は、ケース78の長手方向に沿う中央に位置されている。
【0059】
アウトレット80は、チューナモジュール33の同軸コネクタ66が取り外し可能に嵌合されるものであり、第2の端面78bからケース78の外に突出されている。さらに、アウトレット80は、第2の端面78bに間隔を存して一列に並んでいる。
【0060】
このような構成の分配器34は、第3の回路板28の実装面28aに沿う横置きの姿勢で実装面28aの上に保持されて、6台のチューナモジュール33の背後に位置されている。さらに、分配器34は、6台のチューナモジュール33の長手方向と直交するように筐体4の幅方向に延びており、通風路76の開口端を横切るようにチューナモジュール33の後端と隣り合っている。
【0061】
そのため、図7および図8に示すように、第3の回路板28の実装面28aに対する分配器34の突出高さH1は、第3の回路板28の実装面28aに対するチューナモジュール33の突出高さH2よりも低くなっている。この結果、第3の回路板28を筐体4の背後から見た時に、チューナモジュール33の間に位置する通風路76の上半分は、分配器34によって塞がれることなく、筐体4の後方に向けて開放されている。
【0062】
分配器34のケーブル接続端子79は、ケース78の背後に突出されて筐体4の背板9に開けたケーブル差込口81と向かい合っている。さらに、分配器34のアウトレット80は、チューナモジュール33に向けて突出されて、各チューナモジュール33の同軸コネクタ66に嵌合されている。この嵌合により、6台のチューナモジュール33と1台の分配器34とが電気的に接続されて、テレビジョン信号が分配器34からチューナモジュール33に供給されるようになっている。さらに、本実施の形態では、主にテレビジョン信号の減衰を防いだり、実装面28aに対するチューナモジュール33の実装領域を狭く抑えるために、6台のチューナモジュール33の配置間隔が狭められている。
【0063】
このような構成のテレビ接続機器1によると、第3の回路板28に実装された6台のチューナモジュール33は、夫々動作中に発熱する第1および第2の回路部品64,65を備えている。第1および第2の回路部品64,65が発する熱は、第1および第2のサイドカバー61,62に伝わるとともに、第1および第2のサイドカバー61,62の外面から第3の回路板3と第4の回路板29との間の隙間56に放出される。
【0064】
さらに、分配器34は、テレビジョン信号をチューナモジュール33に供給する際に発熱する。分配器34が発する熱は、ケース78の外面から第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56に放出される。本実施の形態では、分配器34が発する熱量は、チューナモジュール33が発する熱量よりも少ないため、分配器34はチューナモジュール33よりも温度が低く保たれている。
【0065】
したがって、チューナモジュール33の熱は、同軸コネクタ66からアウトレット80を通じて分配器34のケース78に拡散されるとともに、ケース78の外面から隙間56に放出される。
【0066】
テレビ接続機器1の使用中に第1の軸流ファン24が動作すると、図3に太い実線の矢印Aで示すように、筐体4の外の空気が第1の吸込孔12aから第1の収容領域15の前半部に吸い込まれる。第1の収容領域15の前半部に吸い込まれた空気の一部は、第2の収容領域16に流入する。
【0067】
第2の軸流ファン25が動作すると、筐体4の内部の空気が第1の排気孔14aから筐体4の外に吸い出される。さらに、遠心ファン46が動作すると、第2の吸込口52から筐体4の内部の空気が吸い込まれる。これにより、第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56に第1の吸込孔12aから遠心ファン46に向かう空気の流れが形成される。
【0068】
隙間56を流れる空気は、チューナモジュール33および分配器34の周囲を通過する。これにより、チューナモジュール33および分配器34が冷やされる。さらに、隙間56を流れる空気の一部は、図3に細い実線の矢印Bで示すように、隣り合うチューナモジュール33の間の通風路76に導かれる。通風路76に導かれた空気は、通風路76に沿って分配器34に向けて流れる。
【0069】
この際、チューナモジュール33よりも空気の流れ方向に沿う下流側に位置する分配器34は、第3の回路板28の実装面28aに沿う横置きの姿勢で実装面28aに実装されている。このため、実装面28aに対する分配器34の突出高さH1が実装面28aに対するチューナモジュール33の突出高さH2よりも低く保たれており、通風路76の下流端が分配器34により塞がれずに済む。
【0070】
この結果、通風路76に導かれた空気は、分配器34に向けて円滑に流れることになり、通風路76内の空気の流れが分配器34によって阻害されることはない。そのため、通風路76に露出されたチューナモジュール33の第1および第2のサイドカバー61,62が空気の流れに直接晒されることになり、第1および第2のサイドカバー61,62に伝えられた第1および第2の回路部品64,65の熱を空気の流れに乗じて効率よく放出することができる。
【0071】
このような本発明の第1の実施の形態によれば、チューナモジュール33の間に定められた通風路76の通気性が良好となり、チューナモジュール33の第1および第2のサイドカバー61,62から放出される熱が通風路76に滞留するのを回避できる。これにより、第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56を流れる空気を利用してチューナモジュール33の放熱性能を高めることができる。
【0072】
言い換えると、通風路76に強制的に空気を供給したり、あるいは通風路76により強力な空気の流れを形成することなくチューナモジュール33を効率よく冷却することができる。よって、僅かな空気の流れにおいてもチューナモジュール33の効率的な放熱が可能となるといった利点がある。
【0073】
本発明は前記第1の実施の形態に特定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施可能である。
【0074】
例えば、図11ないし図13は、本発明の第2の実施の形態を開示している。
【0075】
第2の実施の形態は、6台のチューナモジュール33と1台の分配器34との間を、熱伝導板90を用いて熱的に接続した点が前記第1の実施の形態と相違しており、それ以外の構成は前記第1の実施の形態と同様である。そのため、第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同一の構成部分については同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0076】
図11ないし図13に示すように、6台のチューナモジュール33を並べた長さは、分配器34の全長と略同等となっている。前記熱伝導板90は、熱伝導部材の一例であって、例えばアルミニウムのような熱伝導性に優れた金属材料により形成されている。熱伝導板90は、分配器34の全長と略同等の幅寸法を有するとともに、分配器34の上面と6台のチューナモジュール33の後端面との間に跨っている。
【0077】
熱伝導板90は、垂直な第1の部分91aと、水平な第2の部分91bとを有している。第1の部分91aは、6台のチューナモジュール33の後端に突き当てられている。第1の部分91aは、例えばねじのような固定手段によりチューナモジュール33の後端面に固定されて、チューナモジュール33に熱的に接続されている。
【0078】
第2の部分91bは、第1の部分91aの下端から分配器34に向けて水平に延びている。第2の部分91bは、分配器34の上面に積層されて分配器34に熱的に接続されている。
【0079】
熱伝導板90の第1の部分91aとチューナモジュール33との間、および熱伝導板90の第2の部分91bと分配器34との間には、夫々熱伝導性シートあるいは熱伝導性グリースを介在させることが望ましい。
【0080】
さらに、熱伝導板90の第1の部分91aは、複数の連通口92を有している。連通口92は、チューナモジュール33の間の通風路76に対応するように第1の部分91aを切り欠くことにより構成されている。そのため、第1の部分91aは、櫛形の形状を有するとともに、通風路76に対し空気の流れ方向に沿う下流側に位置されている。
【0081】
このような第2の実施の形態によると、チューナモジュール33が発する熱は、熱伝導板90の第1の部分91aを通じて熱伝導板90に伝わる。同様に分配器34が発する熱は、熱伝導板90の第2の部分91bを通じて熱伝導板90に伝わる。そのため、チューナモジュール33および分配器34の熱を熱伝導板90に逃すことができ、チューナモジュール33および分配器34の放熱性が向上する。
【0082】
さらに、熱伝導板90の第1の部分91aは、通風路76に対応するように切り欠かれた複数の連通口92を有し、これら連通口92が通風路76の下流端に連なっている。これにより、通風路76を流れる空気は、熱伝導板90の連通口92を通ってチューナモジュール33の後方に向けて排出され、通風路76を通る空気の流れが熱伝導板90によって阻害されることはない。
【0083】
しかも、連通口92を通過した空気は、熱伝導板90の第2の部分91bに沿うようにして流れるので、分配器34の熱を受ける第2の部分91bを空気の流れを利用して積極的に冷却することができる。そのため、分配器34の放熱性が良好となる。
【0084】
図14ないし図16は、本発明の第3の実施の形態を開示している。
【0085】
第3の実施の形態は、熱伝導板90の第2の部分91bにヒートシンク100を設置した点が前記第2の実施の形態と相違しており、それ以外の構成は前記第2の実施の形態と同様である。そのため、第3の実施の形態において、第2の実施の形態と同一の構成部分に関しては同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0086】
ヒートシンク100は、例えばアルミニウムのような熱伝導性に優れた金属材料で構成されている。図15および図16に示すように、ヒートシンク100は、ベース101と6枚の放熱フィン102とを備えている。
【0087】
ベース101は、熱伝導板90の第2の部分91bと略同じ大きさを有するフラットな板であり、例えば第2の部分91bの上面に熱伝導性接着剤を介して固定されている。放熱フィン102は、ベース101の上面から一体に突出されている。放熱フィン102は、チューナモジュール33の長手方向に延びるフラットな板状をなしている。さらに、放熱フィン102は、熱伝導板90の連通口92よりも空気の流れ方向に沿う下流において、チューナモジュール33の配列方向に互いに間隔を存して一列に並んでいる。
【0088】
本実施の形態では、放熱フィン102は、通風路76を通過した後の空気の流れを阻害することがないように、チューナモジュール33よりも幅が狭く形成されているとともに、チューナモジュール33の後方に位置されている。
【0089】
このような第3の実施の形態によると、熱伝導板90に伝えられたチューナモジュール33および分配器34の熱を、ヒートシンク100を通じて筐体4の内部に放出することができる。
【0090】
しかも、ヒートシンク100の放熱フィン102は、チューナモジュール33の後方に位置するので、放熱フィン102が通風路76を通る空気の流れを阻害することはない。
【0091】
さらに、通風路76を通過した後の空気は、放熱フィン102の周囲を通過するので、放熱フィン102が空気の流れに直接晒される。そのため、熱伝導板90から放熱フィン102に伝えられた熱を空気の流れに乗じて効率よく放出することができ、熱伝導板90の放熱性能を高めることができる。
【0092】
図17および図18は、本発明の第4の実施の形態を開示している。
【0093】
第4の実施の形態は、ヒートシンク100の構成が前記第3の実施の形態と相違しており、それ以外の構成は基本的に前記第3の実施の形態と同様である。
【0094】
図17および図18に示すように、ヒートシンク100は、角柱状の複数の放熱突起110を有している。放熱突起110は、ベース101の上面から一体に突出されている。放熱突起110は、通風路76を通過した後の空気の流れを阻害することがないように、各チューナモジュール33の後方において互いに間隔を存して一列に並んでいるとともに、放熱突起110の径がチューナモジュール33の幅よりも小さく抑えられている。
【0095】
このような第4の実施の形態においても、熱伝導板90に伝えられたチューナモジュール33および分配器34の熱を、空気の流れを阻害することなくヒートシンク100から筐体4の内部に放出することができる。
【0096】
なお、前記第3および第4の実施の形態では、放熱フィン102および放熱突起110をチューナモジュール33の後方に配置したが、本発明はこれに限らない。例えば、放熱フィン102および放熱突起110を通風路76の後方に配置し、通風路76を通過した空気を放熱フィン102および放熱突起110に積極的に吹き付けるようにしてもよい。
【0097】
さらに、本発明に係る電子機器は、テレビ接続機器に特定されず、例えばパーソナルコンピュータやサーバのようなその他の機器にも同様に適用が可能である。
【符号の説明】
【0098】
4…筐体、25,26,46…ファン(第1の軸流ファン、第2の軸流ファン、遠心ファン)、28…基板(第3の回路板)、33…第1のモジュール(チューナモジュール)、34…第2のモジュール(分配器)、90…熱伝導部材(熱伝導板)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱を伴う複数の第1のモジュールと、これら第1のモジュールに接続された第2のモジュールとを有する電子機器に係り、特に隣り合う第1のモジュールの間の通気性を確保するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば複数のテレビ番組を同時に録画したり、あるいは長時間番組を録画する際に、テレビに接続して使用する電子機器が知られている。
【0003】
この種の電子機器は、箱形の筐体を備えており、この筐体の内部に複数の電子部品が収容されている。消費電力が大きい特定の電子部品は、必然的に発熱量が増大するため、従来では、ファンを用いて特定の電子部品を強制的に冷却することが行われている。
【0004】
例えば特許文献1に開示された電子機器では、発熱する複数の電子部品がファンから送られる冷却風の送風範囲内に配置されている。電子部品は、ファンの羽根車の中心軸線に対して交差する方向に並んでおり、隣り合う電子部品の間に隙間が形成されている。
【0005】
そのため、ファンの羽根車が回転すると、ファンから吐出された冷却風が電子部品に吹き付けられるとともに、隣り合う電子部品の間の隙間を通過する。これにより、複数の電子部品を共通のファンによって冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−102671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された電子機器によると、ファンから送られる冷却風は、電子部品を冷却した後、筐体に開けた複数の排気孔から電子機器の外に放出される。言い換えると、特許文献1の構成では、冷却風を受ける電子部品と筐体の排気孔との間に、その他の部品が介在されておらず、電子部品の間の隙間が排気孔と向かい合っている。
【0008】
しかしながら、冷却風を受ける電子部品と排気孔との間に他の部品が介在されている場合には、電子部品の間を通過する冷却風の流れが他の部品によって阻害されてしまい、隣り合う電子部品の間に熱が滞留し易くなる。
【0009】
すなわち、特許文献1は、発熱する電子部品よりも冷却風の流れ方向に沿う下流側に他の部品が位置する場合に、隣り合う電子部品の間の通気性が低下することを何等想定していない。よって、電子部品の間に局部的に熱が籠るのを否定することができず、電子部品の放熱性を高める上でいま一歩改善の余地が残されている。
【0010】
本発明の目的は、発熱する第1のモジュールの間の通気性を充分に確保することができ、第1のモジュールの放熱を効率よく行える電子機器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、
筐体に収容された基板を有している。基板に複数の第1のモジュールおよび第2のモジュールが実装されている。第1のモジュールは、筐体内で発熱するとともに、互いに間隔を存して並んでいる。第2のモジュールは、筐体内で第1のモジュールの一端と隣り合うとともに、基板に対する突出高さが第1のモジュールよりも低い。ファンは、筐体の内部に第1のモジュールの間を通過する空気の流れを発生させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第2のモジュールが第1のモジュールの一端と隣り合うにも拘らず、第1のモジュールの間で空気の流れが阻害されずに済む。そのため、第1のモジュールの間に熱が籠るのを防止でき、第1のモジュールの効率的な放熱が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るテレビ接続機器の斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るテレビ接続機器の内部の構造を概略的に示す断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、筐体内の空気の流れを概略的に示すテレビ接続機器の断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るテレビ接続機器の内部の構造を概略的に示す背面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態において、チューナモジュールおよび分配器を有する第3の回路板と遠心ファンとの相対的な位置関係を示すテレビ接続機器の断面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態において、第3の回路板に実装された6台のチューナモジュールと1台の分配器との位置関係を示す斜視図。
【図7】本発明の第1の実施の形態において、チューナモジュールと分配器との位置関係を示す側面図。
【図8】本発明の第1の実施の形態において、6台のチューナモジュールと1台の分配器との位置関係を図7の矢印F8の方向から見た正面図。
【図9】本発明の第1の実施の形態において、基板を支持するシャーシ、第1のサイドカバーおよび第2のサイドカバーの位置関係を分解して示すチューナモジュールの断面図。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係るチューナモジュールの断面図。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るテレビ接続機器の内部の構造を概略的に示す断面図。
【図12】本発明の第2の実施の形態において、チューナモジュール、分配器および熱伝導板の位置関係を示す側面図。
【図13】本発明の第2の実施の形態において、6台のチューナモジュール、1台の分配器および熱伝導板の位置関係を図12の矢印F13の方向から見た正面図。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係るテレビ接続機器の内部の構造を概略的に示す断面図。
【図15】本発明の第3の実施の形態において、チューナモジュール、分配器およびヒートシンクを有する熱伝導板の位置関係を示す側面図。
【図16】図15のF16−F16線に沿う断面図。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係るテレビ接続機器の内部の構造を概略的に示す断面図。
【図18】本発明の第4の実施の形態において、チューナモジュール、分配器およびヒートシンクを有する熱伝導板の位置関係を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明の実施の形態を図1ないし図10に基づいて説明する。
【0015】
図1は、電子機器の一例であるテレビ接続機器1を示している。テレビ接続機器1は、例えば液晶テレビに接続して使用するものであり、各種のテレビ番組を受信する機能および複数のテレビ番組を同時に録画したり、長時間番組を録画する機能を有している。
【0016】
テレビ接続機器1は、偏平な箱形の機器本体2を備えている。機器本体2は、化粧カバー3で覆われた金属製の筐体4と、化粧カバー3の前面を覆う左右のフロント扉5a,5bとを含んでいる。
【0017】
図2ないし図5に示すように、筐体4は、機器本体2の骨格となるもので、底板6、左右の側板7a,7b、前板8、背板9および天板10を備えている。底板6は、四つの角部を有する四角い板状であり、夫々の角部に例えばテレビ台の上に置かれる脚6aが取り付けられている。さらに、複数の吸気孔11が底板6の後半部の中央部分に形成されている。
【0018】
側板7a,7b、前板8および背板9は、底板6の周縁から起立している。左側の側板7aは、第1ないし第3の吸込孔12a,12b,12cを有している。第1ないし第3の吸込孔12a,12b,12cは、筐体4の奥行き方向に間隔を存して並んでいるとともに、化粧カバー3が有する複数の通孔13を介して機器本体2の外に通じている。
【0019】
背板9は、その右半分の領域に複数の第1の排気孔14aおよび複数の第2の排気孔14bを有している。さらに、天板10は、左右の側板7a,7b、前板8および背板9の各上縁の間に跨るとともに、底板6と向かい合っている。
【0020】
図2に示すように、筐体4は、第1の収容領域15と第2の収容領域16とを有している。第1の収容領域15は、筐体4の前板8に沿うように筐体4の幅方向に延びる前半部と、筐体4の右側の側板7bに沿うように筐体4の奥行き方向に延びる後半部とを有している。側板7aの第1の吸込孔12aは、第1の収容領域15の前半部の左端に通じている。背板9の第1の排気孔14aは、第1の収容領域15の後半部の後端に通じている。
【0021】
第2の収容領域16は、筐体4の左側の側板7aおよび背板9で囲まれているとともに、第1の収容領域15の前半部の背後に位置されている。底板6の吸気孔11は、第2の収容領域16の右端部に通じている。側板7aの第2および第3の吸込孔12b,12cは、第2の収容領域16の左端部に通じている。
【0022】
図2に示すように、筐体4の第1の収容領域15に、第1の情報記憶モジュール17、第2の情報記憶モジュール18、カード接続装置19および電源モジュール20が収容されている。
【0023】
第1および第2の情報記憶モジュール17,18は、テレビ番組を録画したり、録画したテレビ番組を迅速に検索して再生するためのものであり、夫々複数のハードディスク駆動装置を備えている。
【0024】
カード接続装置19は、例えば地上デジタル/BSデジタル放送を受信するための6枚のB−CASカードを挿入する六つのカードスロットを有している。第1の情報記憶モジュール17、第2の情報記憶モジュール18およびカード接続装置19は、第1の収容領域15の前半部に位置されて、筐体4の幅方向に一列に並んでいる。
【0025】
電源モジュール20は、電源基板としての第1の回路板22を有している。第1の回路板22は、筐体4の底板6の右端部に固定されている。第1の回路板22は、電源回路を構成する複数の回路部品23を搭載している。回路部品23は、第1の収容領域15の後半部に位置されている。
【0026】
第1の収容領域15の前半部の左端に第1の軸流ファン24が配置されている。第1の軸流ファン24は、第1の吸込孔12aと向かい合っている。さらに、第1の収容領域15の後半部の後端に第2の軸流ファン25が配置されている。第2の軸流ファン25は、主に第1の収容領域15の空気を筐体4の外に強制的に排出し得るように、第1の排気孔14aと向かい合っている。
【0027】
第1の軸流ファン24および第2の軸流ファン25が駆動されると、図3に太い実線の矢印で示すように、筐体4の外の空気が第1の吸込孔12aから第1の収容領域15の前半部に吸い込まれる。第1の収容領域15の前半部に吸い込まれた空気の一部は、第2の収容領域16に流入する。それとともに、第1の収容領域15の後半部の空気が第1の排気孔14aから筐体4の外に吸い出される。
【0028】
図2ないし図5に示すように、筐体4の第2の収容領域16に第2ないし第4の回路板27,28,29が収容されている。第2ないし第4の回路板27,28,29は、筐体4の厚さ方向に間隔を存して積層されている。
【0029】
第2の回路板27は、画像処理用の基板であって、筐体4の底板6の上に水平に支持されている。第2の回路板27の上に画像を処理するためのチップ部品30が実装されている。チップ部品30は、ヒートシンク31を備えている。
【0030】
第3の回路板28は、チューナ基板であって、図示しないブラケットを介して第2の回路板27の上に水平に支持されている。第3の回路板28の上面は、フラットな実装面28aとなっている。第3の回路板28の実装面28aの上にテレビジョン信号を受信する6台のチューナモジュール33および1台の分配器34が実装されている。
【0031】
第4の回路板29は、メイン基板であって、図示しないブラケットを介して第3の回路板28の上に水平に支持されている。第4の回路板29の下面に高性能プロセッサ36およびI/Oコントローラ37が実装されている。高性能プロセッサ36およびI/Oコントローラ37は、動作温度を適正に維持するために冷却を必要としている。本実施の形態では、高性能プロセッサ36およびI/Oコントローラ37が発する熱をヒートシンク38に移送するとともに、このヒートシンク38から筐体4の外に放出している。
【0032】
具体的に述べると、図2および図5に示すように、高性能プロセッサ36に第1の受熱ブロック39が熱的に接続されている。第1の受熱ブロック39は、例えば銅のような熱伝導性に優れた金属材料で構成されているとともに、図示しない押さえ金具を介して第4の回路板29の下面に保持されている。
【0033】
同様に、I/Oコントローラ37に第2の受熱ブロック40が熱的に接続されている。第2の受熱ブロック40は、例えば銅のような熱伝導性に優れた金属材料で構成されているとともに、図示しない押さえ金具を介して第4の回路板29の下面に保持されている。
【0034】
ヒートシンク38は、複数の放熱フィン42を有している。放熱フィン42は、互いに間隔を存して平行に並べられている。ヒートシンク38と第1の受熱ブロック39との間は、二本のヒートパイプ43a,43bを介して熱的に接続されている。そのため、高性能プロセッサ36が発する熱は、第1の受熱ブロック39に伝えられた後、ヒートパイプ43a,43bを介してヒートシンク38に移送される。
【0035】
同様に、ヒートシンク38と第2の受熱ブロック40との間は、一本のヒートパイプ44を介して熱的に接続されている。これにより、I/Oコントローラ37が発する熱は、第2の受熱ブロック40に伝えられた後、ヒートパイプ44を介してヒートシンク38に移送される。
【0036】
さらに、三本のヒートパイプ43a,43b,44は、ヒートシンク38を第4の回路板29の下面の後端部に保持している。したがって、第4の回路板29が第3の回路板28の上に水平に支持された状態では、ヒートシンク38が筐体4の第2の収容領域16の後端部に収容されて、筐体4の第2の排気孔14bと向かい合っている。
【0037】
図2、図3および図5に示すように、筐体4の第2の収容領域16に遠心ファン46が配置されている。遠心ファン46は、ヒートシンク38に向けて冷却風を送風するように第2および第3の回路板27,28の右側に配置されている。
【0038】
遠心ファン46は、ファンケーシング47と羽根車48とを有している。ファンケーシング47の底に円筒状のダクト部49が形成されている。ダクト部49は、ファンケーシング47の底から筐体4の底板6に向けて突出されるとともに、その突出端が底板6に固定されている。
【0039】
さらに、ダクト部49は、底板6のうち吸気孔11が開口する領域を取り囲んでいる。そのため、ファンケーシング47のダクト部49は、吸気孔11を介して筐体4の外に通じる第1の吸込口50を構成している。
【0040】
ファンケーシング47の上壁に羽根車取り付け部51および四つの第2の吸込口52が形成されている。羽根車取り付け部51は、上壁の中央部に位置されている。第2の吸込口52は、羽根車取り付け部51を取り囲むように互いに間隔を存して並んでいる。
【0041】
さらに、ファンケーシング47は、排気口53を有している。排気口53は、第1の吸込口50と第2の吸込口52との間で筐体4の後方に向けて開口されて、ヒートシンク38と向かい合っている。
【0042】
図5に示すように、羽根車48は、羽根車取り付け部51の下面に偏平モータ55を介して支持されている。羽根車48は、第1の吸込口50と第2の吸込口52との間に位置されているとともに、羽根車48の外周部が排気口53と向かい合っている。
【0043】
本実施の形態では、第4の回路板29が遠心ファン46の上方に張り出している。これにより、第2の吸込口52の一部は、第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56に開口されている。
【0044】
羽根車48が偏平モータ55によって駆動されると、図5に矢印で示すように、筐体4の外の空気が吸気孔11および第1の吸込口50を通じて羽根車48の回転中心部に吸い込まれる。それとともに、筐体4の内部の空気が第2の吸込口52から羽根車48の回転中心部に吸い込まれる。この結果、第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56においても、遠心ファン46に向かう空気の流れが形成される。
【0045】
ところで、第3の回路板28に実装された6台のチューナモジュール33および分配器34は、第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56を流れる空気によって冷却されるようになっている。本実施の形態によると、6台のチューナモジュール33は、夫々動作中に発熱を伴う第1のモジュールの一例であって、偏平で細長い箱形の形状を有している。
【0046】
図9および図10に一つのチューナモジュール33を代表して示すように、チューナモジュール33は、シャーシ60、第1のサイドカバー61および第2のサイドカバー62を備えている。シャーシ60、第1のサイドカバー61および第2のサイドカバー62は、例えばメッキ鋼板(鉄)やアルミニウムのような熱伝導性に優れた金属材料で構成されている。
【0047】
シャーシ60は、フロントパネル60aおよびリヤパネル60bを有している。フロントパネル60aおよびリヤパネル60bは、チューナモジュール33の長手方向に互いに離れており、これらフロントパネル60aとリヤパネル60bとの間に回路基板63が支持されている。
【0048】
回路基板63は、第1の面63aと、第1の面63aの反対側に位置された第2の面63bとを有している。回路基板63の第1の面63aに複数の第1の回路部品64が実装されている。同様に、回路基板63の第2の面63bに複数の第2の回路部品65が実装されている。第1および第2の回路部品64,65は、動作中に発熱を伴う発熱体の一例である。
【0049】
シャーシ60のフロントパネル60aに同軸コネクタ66が取り付けられている。同軸コネクタ66は、回路基板63に電気的に接続されているとともに、シャーシ60の外に突出されている。
【0050】
第1のサイドカバー61は、一対の係止片67a,67bを有している。係止片67a,67bは、チューナモジュール33の長手方向に互いに離れているとともに、シャーシ60のフロントパネル60aの外面およびリヤパネル60bの外面に取り外し可能に引っ掛かっている。これにより、第1のサイドカバー61は、シャーシ60を厚み方向に沿う一方側から覆った状態でシャーシ60に保持されている。
【0051】
図9および図10に示すように、第1のサイドカバー61の内面に複数の熱伝導ブロック68が取り付けられている。熱伝導ブロック68は、例えばアルミニウムのような熱伝導性に優れた金属材料で構成されている。熱伝導ブロック68は、第1の回路部品64に塗布された熱伝導性グリース69を介して第1の回路部品64に熱的に接続されている。このため、第1の回路部品64が発する熱は、熱伝導性グリース69および熱伝導ブロック68を介して第1のサイドカバー61に伝わるようになっている。
【0052】
第2のサイドカバー62は、一対の係止片70a,70bを有している。係止片70a,70bは、チューナモジュール33の長手方向に互いに離れているとともに、第1のサイドカバー61とは反対側からシャーシ60のフロントパネル60aの外面およびリヤパネル60bの外面に取り外し可能に引っ掛かっている。これにより、第2のサイドカバー62は、シャーシ60を厚み方向に沿う他方側から覆った状態でシャーシ60に保持されている。
【0053】
第2のサイドカバー62は、シャーシ60に向けて凹む複数の凹部72を有している。凹部72は、第2の回路部品65に対応する位置に形成されている。凹部72の内面は、第2の回路部品65に塗布された熱伝導性グリース74を介して第2の回路部品65に熱的に接続されている。このため、第2の回路部品65が発する熱は、熱伝導性グリース74を介して第2のサイドカバー62に伝わるようになっている。
【0054】
したがって、第1および第2のサイドカバー61,62の外面は、第1および第2の回路部品64,65の熱をチューナモジュール33の外に放出する放熱面としての機能を有している。
【0055】
図6に最もよく示されるように、6台のチューナモジュール33は、第3の回路板28の実装面28aから起立する縦置きの姿勢で実装面28aの上に固定されて、実装面28aから上向きに突出されている。さらに、チューナモジュール33は、筐体4の奥行き方向に沿って延びるような向きで実装面28aの上に保持されており、シャーシ60から突出する同軸コネクタ66が筐体4の後方を指向している。
【0056】
6台のチューナモジュール33は、筐体4の幅方向に間隔を存して一列に並んでいる。そのため、隣り合うチューナモジュール33の間には、五つの通風路76が形成されている。通風路76は、筐体4の奥行き方向に真っ直ぐに延びているとともに、第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56に開放されている。さらに、チューナモジュール33の第1および第2のサイドカバー61,62は、通風路76に露出されている。
【0057】
一方、分配器34は、6台のチューナモジュール33に夫々テレビジョン信号を供給するためのものであって、本実施の形態では、第2のモジュールの一例となっている。分配器34は、金属製のケース78と、一つのケーブル接続端子79と、六つのアウトレット80とを有している。
【0058】
ケース78は、偏平で細長い箱形の形状を有している。ケース78は、第1の端面78aと、第1の端面78aの反対側に位置された第2の端面78bとを含んでいる。ケーブル接続端子79は、図示しないアンテナケーブルを接続するためのものであり、第1の端面78aからケース78の外に突出されている。さらに、ケーブル接続端子79は、ケース78の長手方向に沿う中央に位置されている。
【0059】
アウトレット80は、チューナモジュール33の同軸コネクタ66が取り外し可能に嵌合されるものであり、第2の端面78bからケース78の外に突出されている。さらに、アウトレット80は、第2の端面78bに間隔を存して一列に並んでいる。
【0060】
このような構成の分配器34は、第3の回路板28の実装面28aに沿う横置きの姿勢で実装面28aの上に保持されて、6台のチューナモジュール33の背後に位置されている。さらに、分配器34は、6台のチューナモジュール33の長手方向と直交するように筐体4の幅方向に延びており、通風路76の開口端を横切るようにチューナモジュール33の後端と隣り合っている。
【0061】
そのため、図7および図8に示すように、第3の回路板28の実装面28aに対する分配器34の突出高さH1は、第3の回路板28の実装面28aに対するチューナモジュール33の突出高さH2よりも低くなっている。この結果、第3の回路板28を筐体4の背後から見た時に、チューナモジュール33の間に位置する通風路76の上半分は、分配器34によって塞がれることなく、筐体4の後方に向けて開放されている。
【0062】
分配器34のケーブル接続端子79は、ケース78の背後に突出されて筐体4の背板9に開けたケーブル差込口81と向かい合っている。さらに、分配器34のアウトレット80は、チューナモジュール33に向けて突出されて、各チューナモジュール33の同軸コネクタ66に嵌合されている。この嵌合により、6台のチューナモジュール33と1台の分配器34とが電気的に接続されて、テレビジョン信号が分配器34からチューナモジュール33に供給されるようになっている。さらに、本実施の形態では、主にテレビジョン信号の減衰を防いだり、実装面28aに対するチューナモジュール33の実装領域を狭く抑えるために、6台のチューナモジュール33の配置間隔が狭められている。
【0063】
このような構成のテレビ接続機器1によると、第3の回路板28に実装された6台のチューナモジュール33は、夫々動作中に発熱する第1および第2の回路部品64,65を備えている。第1および第2の回路部品64,65が発する熱は、第1および第2のサイドカバー61,62に伝わるとともに、第1および第2のサイドカバー61,62の外面から第3の回路板3と第4の回路板29との間の隙間56に放出される。
【0064】
さらに、分配器34は、テレビジョン信号をチューナモジュール33に供給する際に発熱する。分配器34が発する熱は、ケース78の外面から第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56に放出される。本実施の形態では、分配器34が発する熱量は、チューナモジュール33が発する熱量よりも少ないため、分配器34はチューナモジュール33よりも温度が低く保たれている。
【0065】
したがって、チューナモジュール33の熱は、同軸コネクタ66からアウトレット80を通じて分配器34のケース78に拡散されるとともに、ケース78の外面から隙間56に放出される。
【0066】
テレビ接続機器1の使用中に第1の軸流ファン24が動作すると、図3に太い実線の矢印Aで示すように、筐体4の外の空気が第1の吸込孔12aから第1の収容領域15の前半部に吸い込まれる。第1の収容領域15の前半部に吸い込まれた空気の一部は、第2の収容領域16に流入する。
【0067】
第2の軸流ファン25が動作すると、筐体4の内部の空気が第1の排気孔14aから筐体4の外に吸い出される。さらに、遠心ファン46が動作すると、第2の吸込口52から筐体4の内部の空気が吸い込まれる。これにより、第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56に第1の吸込孔12aから遠心ファン46に向かう空気の流れが形成される。
【0068】
隙間56を流れる空気は、チューナモジュール33および分配器34の周囲を通過する。これにより、チューナモジュール33および分配器34が冷やされる。さらに、隙間56を流れる空気の一部は、図3に細い実線の矢印Bで示すように、隣り合うチューナモジュール33の間の通風路76に導かれる。通風路76に導かれた空気は、通風路76に沿って分配器34に向けて流れる。
【0069】
この際、チューナモジュール33よりも空気の流れ方向に沿う下流側に位置する分配器34は、第3の回路板28の実装面28aに沿う横置きの姿勢で実装面28aに実装されている。このため、実装面28aに対する分配器34の突出高さH1が実装面28aに対するチューナモジュール33の突出高さH2よりも低く保たれており、通風路76の下流端が分配器34により塞がれずに済む。
【0070】
この結果、通風路76に導かれた空気は、分配器34に向けて円滑に流れることになり、通風路76内の空気の流れが分配器34によって阻害されることはない。そのため、通風路76に露出されたチューナモジュール33の第1および第2のサイドカバー61,62が空気の流れに直接晒されることになり、第1および第2のサイドカバー61,62に伝えられた第1および第2の回路部品64,65の熱を空気の流れに乗じて効率よく放出することができる。
【0071】
このような本発明の第1の実施の形態によれば、チューナモジュール33の間に定められた通風路76の通気性が良好となり、チューナモジュール33の第1および第2のサイドカバー61,62から放出される熱が通風路76に滞留するのを回避できる。これにより、第3の回路板28と第4の回路板29との間の隙間56を流れる空気を利用してチューナモジュール33の放熱性能を高めることができる。
【0072】
言い換えると、通風路76に強制的に空気を供給したり、あるいは通風路76により強力な空気の流れを形成することなくチューナモジュール33を効率よく冷却することができる。よって、僅かな空気の流れにおいてもチューナモジュール33の効率的な放熱が可能となるといった利点がある。
【0073】
本発明は前記第1の実施の形態に特定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施可能である。
【0074】
例えば、図11ないし図13は、本発明の第2の実施の形態を開示している。
【0075】
第2の実施の形態は、6台のチューナモジュール33と1台の分配器34との間を、熱伝導板90を用いて熱的に接続した点が前記第1の実施の形態と相違しており、それ以外の構成は前記第1の実施の形態と同様である。そのため、第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同一の構成部分については同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0076】
図11ないし図13に示すように、6台のチューナモジュール33を並べた長さは、分配器34の全長と略同等となっている。前記熱伝導板90は、熱伝導部材の一例であって、例えばアルミニウムのような熱伝導性に優れた金属材料により形成されている。熱伝導板90は、分配器34の全長と略同等の幅寸法を有するとともに、分配器34の上面と6台のチューナモジュール33の後端面との間に跨っている。
【0077】
熱伝導板90は、垂直な第1の部分91aと、水平な第2の部分91bとを有している。第1の部分91aは、6台のチューナモジュール33の後端に突き当てられている。第1の部分91aは、例えばねじのような固定手段によりチューナモジュール33の後端面に固定されて、チューナモジュール33に熱的に接続されている。
【0078】
第2の部分91bは、第1の部分91aの下端から分配器34に向けて水平に延びている。第2の部分91bは、分配器34の上面に積層されて分配器34に熱的に接続されている。
【0079】
熱伝導板90の第1の部分91aとチューナモジュール33との間、および熱伝導板90の第2の部分91bと分配器34との間には、夫々熱伝導性シートあるいは熱伝導性グリースを介在させることが望ましい。
【0080】
さらに、熱伝導板90の第1の部分91aは、複数の連通口92を有している。連通口92は、チューナモジュール33の間の通風路76に対応するように第1の部分91aを切り欠くことにより構成されている。そのため、第1の部分91aは、櫛形の形状を有するとともに、通風路76に対し空気の流れ方向に沿う下流側に位置されている。
【0081】
このような第2の実施の形態によると、チューナモジュール33が発する熱は、熱伝導板90の第1の部分91aを通じて熱伝導板90に伝わる。同様に分配器34が発する熱は、熱伝導板90の第2の部分91bを通じて熱伝導板90に伝わる。そのため、チューナモジュール33および分配器34の熱を熱伝導板90に逃すことができ、チューナモジュール33および分配器34の放熱性が向上する。
【0082】
さらに、熱伝導板90の第1の部分91aは、通風路76に対応するように切り欠かれた複数の連通口92を有し、これら連通口92が通風路76の下流端に連なっている。これにより、通風路76を流れる空気は、熱伝導板90の連通口92を通ってチューナモジュール33の後方に向けて排出され、通風路76を通る空気の流れが熱伝導板90によって阻害されることはない。
【0083】
しかも、連通口92を通過した空気は、熱伝導板90の第2の部分91bに沿うようにして流れるので、分配器34の熱を受ける第2の部分91bを空気の流れを利用して積極的に冷却することができる。そのため、分配器34の放熱性が良好となる。
【0084】
図14ないし図16は、本発明の第3の実施の形態を開示している。
【0085】
第3の実施の形態は、熱伝導板90の第2の部分91bにヒートシンク100を設置した点が前記第2の実施の形態と相違しており、それ以外の構成は前記第2の実施の形態と同様である。そのため、第3の実施の形態において、第2の実施の形態と同一の構成部分に関しては同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0086】
ヒートシンク100は、例えばアルミニウムのような熱伝導性に優れた金属材料で構成されている。図15および図16に示すように、ヒートシンク100は、ベース101と6枚の放熱フィン102とを備えている。
【0087】
ベース101は、熱伝導板90の第2の部分91bと略同じ大きさを有するフラットな板であり、例えば第2の部分91bの上面に熱伝導性接着剤を介して固定されている。放熱フィン102は、ベース101の上面から一体に突出されている。放熱フィン102は、チューナモジュール33の長手方向に延びるフラットな板状をなしている。さらに、放熱フィン102は、熱伝導板90の連通口92よりも空気の流れ方向に沿う下流において、チューナモジュール33の配列方向に互いに間隔を存して一列に並んでいる。
【0088】
本実施の形態では、放熱フィン102は、通風路76を通過した後の空気の流れを阻害することがないように、チューナモジュール33よりも幅が狭く形成されているとともに、チューナモジュール33の後方に位置されている。
【0089】
このような第3の実施の形態によると、熱伝導板90に伝えられたチューナモジュール33および分配器34の熱を、ヒートシンク100を通じて筐体4の内部に放出することができる。
【0090】
しかも、ヒートシンク100の放熱フィン102は、チューナモジュール33の後方に位置するので、放熱フィン102が通風路76を通る空気の流れを阻害することはない。
【0091】
さらに、通風路76を通過した後の空気は、放熱フィン102の周囲を通過するので、放熱フィン102が空気の流れに直接晒される。そのため、熱伝導板90から放熱フィン102に伝えられた熱を空気の流れに乗じて効率よく放出することができ、熱伝導板90の放熱性能を高めることができる。
【0092】
図17および図18は、本発明の第4の実施の形態を開示している。
【0093】
第4の実施の形態は、ヒートシンク100の構成が前記第3の実施の形態と相違しており、それ以外の構成は基本的に前記第3の実施の形態と同様である。
【0094】
図17および図18に示すように、ヒートシンク100は、角柱状の複数の放熱突起110を有している。放熱突起110は、ベース101の上面から一体に突出されている。放熱突起110は、通風路76を通過した後の空気の流れを阻害することがないように、各チューナモジュール33の後方において互いに間隔を存して一列に並んでいるとともに、放熱突起110の径がチューナモジュール33の幅よりも小さく抑えられている。
【0095】
このような第4の実施の形態においても、熱伝導板90に伝えられたチューナモジュール33および分配器34の熱を、空気の流れを阻害することなくヒートシンク100から筐体4の内部に放出することができる。
【0096】
なお、前記第3および第4の実施の形態では、放熱フィン102および放熱突起110をチューナモジュール33の後方に配置したが、本発明はこれに限らない。例えば、放熱フィン102および放熱突起110を通風路76の後方に配置し、通風路76を通過した空気を放熱フィン102および放熱突起110に積極的に吹き付けるようにしてもよい。
【0097】
さらに、本発明に係る電子機器は、テレビ接続機器に特定されず、例えばパーソナルコンピュータやサーバのようなその他の機器にも同様に適用が可能である。
【符号の説明】
【0098】
4…筐体、25,26,46…ファン(第1の軸流ファン、第2の軸流ファン、遠心ファン)、28…基板(第3の回路板)、33…第1のモジュール(チューナモジュール)、34…第2のモジュール(分配器)、90…熱伝導部材(熱伝導板)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容された基板と、
互いに間隔を存して前記基板に実装され、前記筐体内で発熱する複数の第1のモジュールと、
前記基板に実装され、前記筐体内で前記第1のモジュールの一端と隣り合うとともに、前記基板に対する突出高さが前記第1のモジュールよりも低い第2のモジュールと、
前記筐体の内部に前記第1のモジュールの間を通過する空気の流れを発生させるファンと、を具備した電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記基板は実装面を有し、前記第1のモジュールは、前記実装面から起立する縦置きの姿勢で前記基板に実装されているとともに、前記第2のモジュールは、前記実装面に沿う横置きの姿勢で前記基板に実装された電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記第1のモジュールは、発熱体と、前記発熱体を収容するとともに前記発熱体に熱的に接続されたカバーと、を有し、前記カバーが前記第1のモジュールの間に形成された通風路に露出された電子機器。
【請求項4】
請求項3の記載において、前記第2のモジュールは、前記通風路よりも前記空気の流れ方向に沿う下流に位置された電子機器。
【請求項5】
筐体と、
前記筐体に収容された基板と、
互いに間隔を存して前記基板に縦置きの姿勢で実装され、前記筐体内で発熱する複数の第1のモジュールと、
前記基板に沿う横置きの姿勢で前記基板に実装され、前記筐体内で前記第1のモジュールの一端に接続されているとともに、前記基板に対する突出高さが前記第1のモジュールよりも低い第2のモジュールと、
前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとの間を熱的に接続する熱伝導部材と、
前記筐体の内部に前記第1のモジュールの間を通過する空気の流れを発生させるファンと、を具備した電子機器。
【請求項6】
請求項5の記載において、前記熱伝導部材は、前記第1のモジュールに熱的に接続された第1の部分と、前記第2のモジュールに熱的に接続された第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記第1のモジュールの間に形成された通風路の下流端に連なる連通口を有する電子機器。
【請求項7】
請求項6の記載において、前記熱伝導部材に熱的に接続されたヒートシンクをさらに備えた電子機器。
【請求項8】
請求項7の記載において、前記ヒートシンクは、前記熱伝導部材の前記第2の部分に熱的に接続されているとともに、前記熱伝導部材の前記連通口よりも前記空気の流れ方向に沿う下流に位置された電子機器。
【請求項9】
請求項8の記載において、前記第1のモジュールは、発熱体と、前記発熱体を収容するとともに前記発熱体に熱的に接続されたカバーと、を有し、前記カバーが前記通風路に露出された電子機器。
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容された基板と、
互いに間隔を存して前記基板に実装され、前記筐体内で発熱する複数の第1のモジュールと、
前記基板に実装され、前記筐体内で前記第1のモジュールの一端と隣り合うとともに、前記基板に対する突出高さが前記第1のモジュールよりも低い第2のモジュールと、
前記筐体の内部に前記第1のモジュールの間を通過する空気の流れを発生させるファンと、を具備した電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記基板は実装面を有し、前記第1のモジュールは、前記実装面から起立する縦置きの姿勢で前記基板に実装されているとともに、前記第2のモジュールは、前記実装面に沿う横置きの姿勢で前記基板に実装された電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記第1のモジュールは、発熱体と、前記発熱体を収容するとともに前記発熱体に熱的に接続されたカバーと、を有し、前記カバーが前記第1のモジュールの間に形成された通風路に露出された電子機器。
【請求項4】
請求項3の記載において、前記第2のモジュールは、前記通風路よりも前記空気の流れ方向に沿う下流に位置された電子機器。
【請求項5】
筐体と、
前記筐体に収容された基板と、
互いに間隔を存して前記基板に縦置きの姿勢で実装され、前記筐体内で発熱する複数の第1のモジュールと、
前記基板に沿う横置きの姿勢で前記基板に実装され、前記筐体内で前記第1のモジュールの一端に接続されているとともに、前記基板に対する突出高さが前記第1のモジュールよりも低い第2のモジュールと、
前記第1のモジュールと前記第2のモジュールとの間を熱的に接続する熱伝導部材と、
前記筐体の内部に前記第1のモジュールの間を通過する空気の流れを発生させるファンと、を具備した電子機器。
【請求項6】
請求項5の記載において、前記熱伝導部材は、前記第1のモジュールに熱的に接続された第1の部分と、前記第2のモジュールに熱的に接続された第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記第1のモジュールの間に形成された通風路の下流端に連なる連通口を有する電子機器。
【請求項7】
請求項6の記載において、前記熱伝導部材に熱的に接続されたヒートシンクをさらに備えた電子機器。
【請求項8】
請求項7の記載において、前記ヒートシンクは、前記熱伝導部材の前記第2の部分に熱的に接続されているとともに、前記熱伝導部材の前記連通口よりも前記空気の流れ方向に沿う下流に位置された電子機器。
【請求項9】
請求項8の記載において、前記第1のモジュールは、発熱体と、前記発熱体を収容するとともに前記発熱体に熱的に接続されたカバーと、を有し、前記カバーが前記通風路に露出された電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−119754(P2011−119754A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19693(P2011−19693)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【分割の表示】特願2009−272689(P2009−272689)の分割
【原出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【分割の表示】特願2009−272689(P2009−272689)の分割
【原出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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