説明

電子機器

【課題】バッテリーの充電時の電力の消費量をなるべく抑え、また、短時間でバッテリーの充電を開始できる電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】バッテリーと、記憶媒体と、外部機器と接続可能である接続手段と、自装置を制御する制御手段と、を備え、接続手段は、接続されている外部機器から電力供給を受けるバスパワー機能と、接続されている外部機器から記憶媒体内の参照を受け付けるマスストレージ機能とに対応でき、制御手段は、接続手段がバスパワー機能に対応する場合と、マスストレージ機能に対応する場合とで、自装置のうち初期化動作を行う範囲を異ならせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器に関し、特に、2種類以上の電源から供給される電力を選択的にバッテリーに充電できる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、コンピュータから受信したコマンドに応じて、電源を外部電源から得るかUSBバスパワーから得るかを決定するデジタルカメラを開示する。特許文献1に開示されているコンピュータは、ユーザからモードの設定を受け付けるのに応じて、デジタルカメラに電源の供給源を変更するコマンドを発行する。
【0003】
これにより、ユーザは、バッテリー容量やACアダプタの接続を意識することなく、画像データの転送やリモート撮影を行うことができる画像入力システムを提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−352255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、バッテリーの充電時の電力の消費量をなるべく抑え、また、短時間でバッテリーの充電を開始できる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明にかかる電子機器は、バッテリーと、記憶媒体と、外部機器と接続可能である接続手段と、自装置を制御する制御手段と、を備え、接続手段は、接続されている外部機器から電力供給を受けるバスパワー機能と、接続されている外部機器から記憶媒体内の参照を受け付けるマスストレージ機能とに対応でき、制御手段は、接続手段がバスパワー機能に対応する場合と、マスストレージ機能に対応する場合とで、自装置のうち初期化動作を行う範囲を異ならせる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、バッテリーの充電時の電力の消費量をなるべく抑え、また、短時間でバッテリーの充電を開始できる電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】デジタルカメラ100の構成を示すブロック図
【図2】USB接続に関する起動シーケンスを説明するための模式図
【図3】充電モード開始動作を説明するためのフローチャート
【図4】Mass Storage 開始動作を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔1.実施の形態1〕
本発明をデジタルビデオカメラに適用した実施の形態1について図面を用いて説明する。
【0010】
〔1−1.概要〕
デジタルビデオカメラ100は、USB290を有する。デジタルビデオカメラ100は、USB290に接続されたパソコン等の外部機器から電力の供給を受けることができる。また、デジタルビデオカメラ100は、USB290に接続されたパソコン等の外部機器内の記憶媒体内を参照することができる。
【0011】
デジタルビデオカメラ100は、バッテリーの充電時の電力の消費量をなるべく抑え、また、短時間でバッテリーの充電を開始できる。
【0012】
〔1−2.構成〕
〔1−2−1.電気的構成〕
本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100の電気的構成について、図1を用いて説明する。図1は、デジタルビデオカメラ100の構成を示すブロック図である。デジタルビデオカメラ100は、ズームレンズ110等からなる光学系により形成された被写体像をCCDイメージセンサー180で撮像する。CCDイメージセンサー180で生成された画像データは、画像処理部190で各種処理が施され、メモリカード240に格納される。また、メモリカード240に格納された画像データは、液晶モニタ270で表示可能である。以下、デジタルビデオカメラ100の構成を詳細に説明する。
【0013】
デジタルビデオカメラ100の光学系は、ズームレンズ110、OIS140、フォーカスレンズ170を含む。ズームレンズ110は、光学系の光軸に沿って移動することにより、被写体像を拡大又は縮小可能である。また、フォーカスレンズ170は、光学系の光軸に沿って移動することにより、被写体像のピントを調整する。
【0014】
OIS140は、内部に光軸に垂直な面内で移動可能な補正レンズを有する。OIS140は、デジタルビデオカメラ100の振れを相殺する方向に補正レンズを駆動することにより、被写体像の振れを低減する。
【0015】
ズームモータ130は、ズームレンズ110を駆動する。ズームモータ130は、パルスモータやDCモータ、リニアモータ、サーボモータなどで実現してもよい。ズームモータ130は、カム機構やボールネジなどの機構を介してズームレンズ110を駆動するようにしてもよい。検出器120は、ズームレンズ110が光軸上でどの位置に存在するのかを検出する。検出器120は、ズームレンズ110の光軸方向への移動に応じて、ブラシ等のスイッチによりズームレンズの位置に関する信号を出力する。
【0016】
OISアクチュエータ150は、OIS140内の補正レンズを光軸と垂直な面内で駆動する。OISアクチュエータ150は、平面コイルや超音波モータなどで実現できる。また、検出器160は、OIS140内における補正レンズの移動量を検出する。
【0017】
CCDイメージセンサー180は、ズームレンズ110等からなる光学系で形成された被写体像を撮像して、画像データを生成する。CCDイメージセンサー180は、露光、転送、電子シャッタなどの各種動作を行う。
【0018】
画像処理部190は、CCDイメージセンサー180で生成された画像データに対して各種の処理を施す。画像処理部190は、CCDイメージセンサー180で生成された画像データに対して処理を施し、液晶モニタ270に表示するための画像データを生成したり、メモリカード240に再格納するための画像データを生成したりする。例えば、画像処理部190は、CCDイメージセンサー180で生成された画像データに対してガンマ補正やホワイトバランス補正、傷補正などの各種処理を行う。また、画像処理部190は、CCDイメージセンサー180で生成された画像データに対して、H.264規格やMPEG2規格に準拠した圧縮形式等により画像データを圧縮する。画像処理部190は、DSPやマイコンなどで実現可能である。
【0019】
コントローラー210は、全体を制御する制御手段である。コントローラー210は、半導体素子などで実現可能である。コントローラー210は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。コントローラー210は、マイコンなどで実現できる。
【0020】
メモリ200は、画像処理部190及びコントローラー210のワークメモリとして機能する。メモリ200は、例えば、DRAM、強誘電体メモリなどで実現できる。
【0021】
液晶モニタ270は、CCDイメージセンサー180で生成した画像データが示す画像や、メモリカード240から読み出した画像データが示す画像を表示可能である。
【0022】
ジャイロセンサー220は、圧電素子等の振動材等で構成される。ジャイロセンサー220は、圧電素子等の振動材を一定周波数で振動させコリオリ力による力を電圧に変換して角速度情報を得る。ジャイロセンサー220から角速度情報を得、この揺れを相殺する方向にOIS内の補正レンズを駆動させることにより、デジタルビデオカメラ100は、使用者による手振れを補正する。
【0023】
カードスロット230は、メモリカード240を着脱可能である。カードスロット230は、機械的及び電気的にメモリカード240と接続可能である。メモリカード240は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどを内部に含み、データを格納可能である。
【0024】
内部メモリ280は、フラッシュメモリや強誘電低メモリなどで構成される。内部メモリ280は、デジタルビデオカメラ100全体を制御するための制御プログラム等を格納する。
【0025】
操作部材250は、使用者から画像の撮像指示を受け付ける部材である。ズームレバー260は、使用者からズーム倍率の変更指示を受け付ける部材である。
【0026】
USB290は、デジタルビデオカメラ100とパソコン等の外部機器とを接続するためのインターフェースである。例えば、デジタルビデオカメラ100のUSB290とパソコン等の外部機器とは、USBケーブルを介して接続することができる。デジタルビデオカメラ100は、USB290を介して、外部機器から電力供給を受けたり、データを受信したりすることができる。
【0027】
ACアダプタ接続端子300は、デジタルビデオカメラ100とACアダプタとを接続するためのインターフェースである。例えば、デジタルビデオカメラ100のACアダプタ接続端子300と家庭用コンセントは、ACアダプタを介して接続することができる。デジタルビデオカメラ100は、ACアダプタ接続端子300を介して、ACアダプタから電力供給を受けることができる。
【0028】
バッテリー310は、デジタルビデオカメラ100に電力を供給するための充電池である。例えば、デジタルビデオカメラ100においては、リチウムイオン電池で構成される。なお、バッテリー310は、必ずしもリチウムイオン電池で構成される必要はなく、ニッケル水素電池やニッカド電池等で構成されていてもよい。要するにバッテリー310は充電池であればよい。
【0029】
〔1−2−2.本発明との対応〕
バッテリー310は、本発明のバッテリーの一例である。USB290は、本発明の接続手段の一例である。コントローラー210は、本発明の制御手段の一例である。
【0030】
〔1−3.動作〕
本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100の各種動作について図面を用いて説明する。
【0031】
〔1−3−1.USB接続に関する起動シーケンス〕
デジタルビデオカメラ100のUSB接続に関する起動シーケンスについて図2を用いて説明する。図2は、USB接続に関する起動シーケンスを説明するためのフローチャートである。
【0032】
使用者は、パソコン等の外部機器に接続されているUSBケーブルをデジタルビデオカメラ100に接続することができる(S100)。USBケーブルがデジタルビデオカメラ100に接続されると、コントローラー210は、操作部材250のうちの電源スイッチがOFFであるかを判断する(S110)。
【0033】
電源スイッチがOFFであると判断すると、コントローラー210は、充電モード開始動作に入る(S120)。一方、電源スイッチがOFFでないと判断すると、コントローラー210は、Mass Storage 開始動作に入る(S120)。
【0034】
以下、充電モードの開始動作及びMass Storage の開始動作について説明する。
【0035】
〔1−3−2.充電モードの開始動作〕
次に、充電モードの開始動作について図3を用いて説明する。図3は充電モード開始動作を説明するためのフローチャートである。
【0036】
充電モード開始動作に入ると、コントローラー210は、USBブロックの初期化を行う(S210)。ここで、USBブロックの初期化とは、デジタルビデオカメラ100が、パソコン等の外部装置から電力供給を受けたり、データを送受信したりするために必要最低限のブロックを初期化することである。USBブロックの初期化を完了すると、コントローラー210は、USB初期通信を開始する(S220)。ここで、USB初期通信とは、デジタルビデオカメラ100が、パソコン等の外部機器とUSBケーブルで接続されたときに行う動作である。具体的には、デジタルビデオカメラ100は、USB初期通信において、自装置の機能や特徴をパソコン等の外部機器に通知したり、パソコン等の外部機器の電流供給能力を確認したりする。
【0037】
初期通信を完了すると、コントローラー210は、初期通信の結果を基に、接続された外部機器から500mAの電流を引き込み可能であるかを判定する(S230)。
【0038】
接続された外部機器から500mAの電流を引き込み可能でないと判定した場合、コントローラー210は、本体の電源をOFFする(S240)。ここで、本体の電源をOFFするとは、デジタルビデオカメラ100のうち、コントローラー210内の充電ブロック以外の部分の電源をOFFすることである。本体の電源をOFFすると、コントローラー210は、ACアダプタ接続端子310にACアダプタが接続されているかどうかを判定する(S250)。ACアダプタが接続されていると判定すると、コントローラー210は、ACアダプタによる充電を開始する(S260)。一方、ACアダプタが接続されていないと判定すると、コントローラー210は、USB290を介した充電を開始せず、デジタルビデオカメラ100に設けられた不図示の電源LEDをエラー点滅して充電エラー状態に入る(S270)。
【0039】
一方、ステップS230で、接続された外部機器から500mAの電流を引き込み可能であると判定した場合、コントローラー210は、USB充電設定を行う(S280)。具体的には、コントローラー210は、USB充電を行う際の電流値を設定することによりUSB充電設定を行う。USB充電設定を行うと、コントローラー210は、本体の電源をOFFする(S290)。本体の電源をOFFすると、コントローラー210は、ACアダプタ接続端子310にACアダプタが接続されているかどうかを判定する(S300)。コントローラー210は、ACアダプタが接続されていると判定すると、ACアダプタによる充電を開始する(S310)。一方、ACアダプタが接続されていないと判定すると、コントローラー210は、USB290を介した充電を開始する(S320)。なお、この場合には、コントローラー210は、USB290を介して500mAを引き込んで充電を開始する。
【0040】
このように、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、USBケーブルが接続されている状態での充電モードの開始動作を行う際に、例え、ACアダプタが接続されていたとしても、一旦、自装置内のUSB290の初期化を行い、USB290を介した初期通信を行う。そして、デジタルビデオカメラ100は、USB290の初期化及び初期通信を行った後に、コントローラー210のうち充電に用いるブロックを除く部分について電源をOFFし、その後にACアダプタによる充電を開始することとした。
【0041】
これにより、ACアダプタとUSBケーブルとが接続されており、ACアダプタによる充電がされている状態において、ACアダプタの接続が解除されたとしても、デジタルビデオカメラ100は、USBケーブルを介した充電を開始する際に、USBブロックの初期化やUSBの初期通信をする必要がない。従って、このような場合においても、デジタルビデオカメラ100は、迅速にUSB290を介した充電動作を開始できる。
【0042】
また、デジタルビデオカメラ100は、USBケーブルで接続されたパソコン等の外部機器の引き込み電流が500mAより少なく、ACアダプタも接続されていない場合には、USB290を介した充電をしないこととした。このようにした理由について説明する。
【0043】
バッテリー310の充電が開始されると、不図示の電源LEDは充電用の点滅をする。例えば、外部機器からの引き込み電流が小さい場合にもUSB290を介した充電を行うとする。すると、引き込み電流が小さい場合でも、十分な電流を引き込める場合でも、電源LEDは、同様な点滅をする。使用者は、バッテリー310の充電の完了を電源LEDの点滅の終了を確認することにより行う。従って、引き込み電流が小さい場合にUSB290を介した充電を行い、十分な引き込み電流が得られる場合と同様に電源LEDを点滅させると、使用者は、いつバッテリー310の充電が完了するかを予測できない。また、外部機器から引き込める電流が非常に小さい場合にUSB290を介した充電を行おうとすると、バッテリー310の充電の完了に長時間を要したり、そもそも充電自体ができなかったりする。従って、デジタルビデオカメラ100は、USBケーブルで接続されたパソコン等の外部機器の引き込み電流が500mAより少なく、ACアダプタも接続されていない場合には、USB290を介した充電をしないこととした。
【0044】
また、デジタルビデオカメラ100は、ACアダプタと外部機器に接続されたUSBケーブルとの両方が接続されている場合には、ACアダプタを電源としてバッテリー310の充電を行うこととした。これは、ACアダプタとUSB290を介して接続された外部機器とでは、ACアダプタからの方が大きな電流を引き込めるからである。ACアダプタを電源としてバッテリー310の充電を行うことで、デジタルビデオカメラ100は、USB290を介して行う充電よりも短時間でバッテリー310の充電を完了できる。
【0045】
〔1−3−3.Mass Storage の開始動作〕
次に、Mass Storage 開始動作について図4を用いて説明する。図4はMass Storage 開始動作を説明するためのフローチャートである。ここで、Mass Strageとは、デジタルビデオカメラ100が、USB290を介して接続されている外部機器から、自装置内の記憶媒体(メモリカード240)内の参照を受け付けることが可能な状態で動作することをいう。
【0046】
Mass Storage 開始動作に入ると、コントローラー210は、デジタルビデオカメラ100の全ての機能を動作させるために必要な自装置全体の初期化を行う(S310)。自装置全体の初期化を完了すると、コントローラー210は、USB初期通信を行う(S320)。USB初期通信とは、デジタルビデオカメラ100が、パソコン等の外部機器とUSBケーブルで接続されたときに行う動作である。具体的には、自装置の機能や特徴をパソコン等の外部機器に通知したり、パソコン等の外部機器の電流供給能力を確認したりする。
【0047】
初期通信を完了すると、コントローラー210は、初期通信の結果を基に接続された外部機器から500mAの電流を引き込み可能であるかを判定する(S330)。
【0048】
接続された外部機器から500mAの電流を引き込み可能であると判定した場合、コントローラー210は、バッテリー310の残量が10%以上であればMass Storage 動作を許可する旨決定する(S340)。
【0049】
Mass Storage動作を許可する旨を決定すると、コントローラー210は、バッテリー310の残量が10%以上であるかを判定する(S350)。10%以上であると判定すると、コントローラー210は、Mass Storage動作を行うようUSB290を制御する(S360)。なお、この場合において、デジタルビデオカメラ100は、USB290を介して外部機器から500mAを引き込んで動作している。一方、残量が10%以上でないと判定すると、コントローラー210は、「バッテリー残量不足のためMass Storage動作できない旨の警告」を表示するよう液晶モニタ270を制御し、Mass Storage動作させないようUSB290を制御する(S370)。なお、この場合には、デジタルビデオカメラ100は、USB290を介して、外部機器から500mAを引き込んで動作している。
【0050】
一方、ステップS330で、接続された外部機器から500mAの電流を引き込み不可であると判定した場合、コントローラー210は、バッテリー310の残量が20%以上であればMass Storage動作を許可する旨決定する(S380)。Mass Storage動作を許可する旨を決定すると、コントローラー210は、バッテリー310の残量が20%以上であるかを判定する(S390)。20%以上であると判定すると、コントローラー210は、Mass Storage動作を行うようUSB290を制御する(S400)。なお、この場合には、デジタルビデオカメラ100は、USB290を介して外部機器から電流を引き込まない。一方、残量が20%以上でないと判定すると、コントローラー210は、「バッテリー残量不足のため、Mass Storage動作できない旨の警告」を表示するよう液晶モニタ270を制御し、Mass Storage動作させないようUSB290を制御する(S410)。なお、この場合には、デジタルビデオカメラ100は、USB290を介して外部機器から電流を引き込まない。
【0051】
このように、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、外部機器とUSB290を介して接続されている場合において、Mass Storage 動作をUSB290に行わせる際に、外部機器から引き込める電流の大きさに応じて、Mass Storage 動作を行わせるために最低限必要なバッテリー310の残量の大きさを異ならせている。具体的には、外部機器から引き込める電流の大きさが所定値(500mA)よりも大きい場合には、最低限必要なバッテリー310の残量を10%とし、外部機器から引き込める電流の大きさが所定値よりも小さい場合には、最低限必要なバッテリー310の残量を20%としている。
【0052】
これにより、デジタルビデオカメラ100は、外部機器から電流を引き込んでいる場合には、バッテリー310の残量が少ない場合であっても Mass Storage 動作をするが、外部機器から電流を引き込んでいない場合には、バッテリー310の残量がある程度なければ Mass Strage 動作をしない。その結果、デジタルビデオカメラ100は、バッテリー残量が少ない状態でもなるべく動作することができ、かつ、外部機器とデータの送受信を行っている最中に電源が落ちることをなるべく防止することができる。
【0053】
また、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、充電モード開始動作における初期化動作(図3のステップS210)と、Mass Storage 開始動作における初期化動作(図4のステップS310)とで、初期化するブロックを異ならせている。具体的には、デジタルビデオカメラ100は、Mass Storage 開始動作における初期化動作においては、自装置の全体の初期化を行うのに対し、充電モード開始動作における初期化動作においては、パソコン等の外部装置から電力供給を受けたり、データを送受信したりするために必要最低限のブロックのみを初期化する。
【0054】
これにより、デジタルビデオカメラ100は、Mass Storage 動作を行う際に必要な消費電力よりも小さな消費電力でUSB290を介した充電を行うことができる。また、デジタルビデオカメラ100は、USB290を介した充電を開始する際に、充電に必要なブロックしか初期化しないため、自装置の全体を初期化してから充電を開始するよりも短時間で充電を開始できる。
〔2.他の実施の形態〕
以上により、本発明の実施の形態として、実施の形態1を説明した。しかし、本発明は、これらには限定されない。そこで、本発明の他の実施の形態を本欄にまとめて説明する。
【0055】
本実施の形態にかかるデジタルカメラ100の光学系及び駆動系は、図1に示すものに限定されない。例えば、図1では3群構成の光学系を例示しているが、他の群構成のレンズ構成としてもよい。また、それぞれのレンズは、1つのレンズで構成してもよく、複数のレンズから構成されるレンズ群として構成してもよい。
【0056】
また、実施の形態1では、撮像手段として、CCDイメージセンサー180を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、CMOSイメージセンサーで構成してもよく、NMOSイメージセンサーで構成してもよい。
【0057】
また、実施の形態1では、充電開始動作を許可するか否かの判断に用いる引き込み可能な電流値を500mAとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば100mAや200mAであってもよい。要するに、充電に必要なブロックを起動するのに足りる容量であればいくらであってもよい。
【0058】
また、実施の形態1では、Mass Storage 動作許可判断に用いる引き込み可能な電流値を充電開始動作を許可するか否かの判断に用いる引き込み可能な電流値と同一である500mAとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、Mass Storage 動作許可判断に用いる電流値を充電開始動作を許可するか否かの判断に用いる引き込み可能な電流値と異なる100mAというように、それぞれ独立した電流値を設定してもよい。
【0059】
また、実施の形態1では、Mass Storage 動作許可判断に用いるバッテリー310の残量を、接続されたパソコン等の外部機器の電流供給能力に応じて10%以上または20%以上としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、接続された外部機器から500mA引き込めると判断した場合は、バッテリー残量が5%以上あれば起動許可とし、500mA引き込めないと判断した場合は、バッテリー残量が15%以上あれば起動許可としてもよい。要するに、外部機器から所定量の電流を引き込めると判断した場合に必要なバッテリーの残量が、外部機器から所定量の電流を引き込めないと判断した場合に必要なバッテリーの残量よりも小さければよい。
【0060】
また、実施の形態1では、充電モード開始動作において、USB290が動作するために必要な最低限のブロックのみ初期化するとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、充電モード開始動作においても、Mass Storage 開始動作と同じように自装置全体の初期化を行ってもよい。
【0061】
また、実施の形態1では、デジタルビデオカメラ100と外部機器とを接続する媒体として、USBケーブルを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、例えば、無線のUSBで接続されてもよいし、他のケーブルで接続されてもよい。要するに、デジタルビデオカメラ100が電力を取得可能なインターフェースであれば何でもよい。
【0062】
また、実施の形態1では、本発明をデジタルビデオカメラに適用した例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、デジタルスチルカメラや携帯電話やパーソナルコンピュータや携帯音楽プレイヤー等にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
穂発明は、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の電子機器に適用できる。
【符号の説明】
【0064】
100 デジタルカメラ
110 ズームレンズ
120 検出器
130 ズームモータ
140 OIS
150 OISアクチュエータ
160 検出器
170 フォーカスレンズ
180 CCDイメージセンサー
190 画像処理部
200 メモリ
210 コントローラー
220 ジャイロセンサー
230 カードスロット
240 メモリカード
250 操作部材
260 ズームレバー
270 液晶モニタ
280 内部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーと、
記憶媒体と、
外部機器と接続可能である接続手段と、
自装置を制御する制御手段と、を備え、
前記接続手段は、接続されている外部機器から電力供給を受けるバスパワー機能と、接続されている外部機器から前記記憶媒体内の参照を受け付けるマスストレージ機能とに対応でき、
前記制御手段は、前記接続手段が前記バスパワー機能に対応する場合と、前記マスストレージ機能に対応する場合とで、自装置のうち初期化動作を行う範囲を異ならせる、
電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記接続手段が前記バスパワー機能に対応する場合には、自装置のうち前記バスパワー機能を実行するのに必要な部分のみを初期化し、前記マスストレージ機能に対応する場合には、自装置の全体を初期化する、
請求項1に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−139251(P2011−139251A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297399(P2009−297399)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】