電子機器
【課題】組立性の向上を図ることができる電子機器を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は、モジュールと、筐体と、板金と、ケーブルとを備える。前記筐体は、前記モジュールに面した第1部材と、該第1部材が係合する係合部を有して前記第1部材とは反対側から前記モジュールに面した第2部材とを備える。前記板金は、前記モジュールから離れた位置で前記筐体の厚さ方向に延びた部分を有するとともに、前記筐体内に延びている。前記ケーブルは、前記モジュールと前記板金の前記部分との間に通され、前記係合部から前記板金の前記部分よりも遠くに位置する。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は、モジュールと、筐体と、板金と、ケーブルとを備える。前記筐体は、前記モジュールに面した第1部材と、該第1部材が係合する係合部を有して前記第1部材とは反対側から前記モジュールに面した第2部材とを備える。前記板金は、前記モジュールから離れた位置で前記筐体の厚さ方向に延びた部分を有するとともに、前記筐体内に延びている。前記ケーブルは、前記モジュールと前記板金の前記部分との間に通され、前記係合部から前記板金の前記部分よりも遠くに位置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
本体部と表示部とがヒンジ部で連結された電子機器がある。このような電子機器の筐体には、ヒンジ部に連結された板金が設けられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−83982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器は、さらなる組立性の向上が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、組立性の向上を図ることができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電子機器は、モジュールと、筐体と、板金と、ケーブルとを備える。前記筐体は、前記モジュールに面した第1部材と、該第1部材が係合する係合部を有して前記第1部材とは反対側から前記モジュールに面した第2部材とを備える。前記板金は、前記モジュールから離れた位置で前記筐体の厚さ方向に延びた部分を有するとともに、前記筐体内に延びている。前記ケーブルは、前記モジュールと前記板金の前記部分との間に通され、前記係合部から前記板金の前記部分よりも遠くに位置する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一つの実施形態に係る電子機器の平面図。
【図2】図1中に示された電子機器の表示部内部を示す平面図。
【図3】図1中に示された電子機器の表示部内部の一部を拡大して示す平面図。
【図4】図3中に示されたサポート板金の斜視図。
【図5】図3中に示された表示部内部のF5−F5線に沿う断面図。
【図6】図3中に示された表示部内部のF6線で囲まれた領域を示す平面図。
【図7】図3中に示された表示部内部のF7線で囲まれた領域を示す平面図。
【図8】図3中に示された表示部内部にケーブルを取り付けた状態を示す平面図。
【図9】図3中に示された表示部内部のF9線で囲まれた領域を示す斜視図。
【図10】図9中に示された表示部内部にケーブルを取り付けた状態を示す斜視図。
【図11】図8中に示された表示部内部のF11−F11線に沿う断面図。
【図12】図8中に示された表示部内部のF12−F12線に沿う断面図。
【図13】図8中に示された表示部内部のF13−F13線に沿う断面図。
【図14】一つの実施形態に係る電子機器の第1の変形例を示す断面図。
【図15】一つの実施形態に係る電子機器の第2の変形例を示す断面図。
【図16】一つの実施形態に係る電子機器の第3の変形例を示す断面図。
【図17】一つの実施形態に係る電子機器の第4の変形例を示す断面図。
【図18】一つの実施形態に係る電子機器の第5の変形例を示す断面図。
【図19】図1中に示された電子機器に関連する構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1乃至図13は、一つの実施形態に係る電子機器1を開示している。電子機器1は、例えばノートブック型ポータブルコンピュータ(ノートPC)である。なお本実施形態が適用可能な電子機器は、上記に限定されるものではない。本実施形態は、例えば携帯電話やスマートフォン、電子書籍端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
【0009】
図1に示すように、電子機器1は、本体部2(第1のユニット)と、表示部3(第2のユニット)と、ヒンジ部4a,4bとを有する。本体部2は、メインボードを搭載した電子機器本体である。本体部2は、第1の筐体5を備えている。第1の筐体5は、上壁6、下壁(図示しない)、及び周壁8を有し、扁平な箱状に形成されている。
【0010】
下壁は、電子機器1を机の上に置いた時に、その机上面に向かい合う。上壁6は、下壁との間に空間を空けて、下壁と略平行に広がる。周壁8は、下壁に対して起立し、下壁の周縁部と上壁6の周縁部との間を繋いでいる。上壁6には、キーボード9が取り付けられている。
【0011】
第1の筐体5は、後端部11(第1の端部)と、前端部12(第2の端部)とを有する。後端部11には、ヒンジ部4a,4bを介して表示部3が連結されている。前端部12は、後端部11とは反対側に位置される。
【0012】
図1に示すように、表示部3は、第2の筐体14と、この第2の筐体14に収容された表示装置15とを備えている。表示装置15は、「モジュール」の一例である。なお「モジュール」は、上記例に限定されるものではなく、電子機器に収容される種々のモジュールが適宜該当する。表示装置15は、例えば液晶ディスプレイであるが、これに限定されるものではない。表示装置15は、画像や映像が表示される表示画面15aを有する。
【0013】
第2の筐体14は、ヒンジ部4a,4bによって、第1の筐体5の後端部11に回動可能(開閉可能)に連結されている。これにより表示部3は、本体部2に重ねられる第1の位置と、本体部2に対して立て起される第2の位置との間で回動可能である。
【0014】
第2の筐体14は、前壁16、背壁17、及び周壁18を有する。前壁16は、表示部3が上記第1位置にあるとき、本体部2に向かい合う。前壁16は、表示装置15の表示画面15aが露出される開口部16aを有する。換言すれば、第2の筐体14は、表示画面15aが第1の筐体5に覆われる第1位置と、表示画面15aが露出される第2位置との間で回動可能である。
【0015】
背壁17は、前壁16との間に空間を空けて、前壁16と略平行に広がる。背壁17は、前壁16とは反対側から表示装置15に対向する。周壁18は、背壁17に対して起立し、前壁16の周縁部と背壁17の周縁部との間を繋いでいる。
【0016】
第2の筐体14は、カバー21と、マスク22とを有する(図13参照)。マスク22は、前壁16を有する。カバー21は、背壁17及び周壁18を有する。マスク22は、「第1の部材」の一例であり、表示装置15に対向している。カバー21は、「第2の部材」の一例であり、マスク22とは反対側から表示装置15に対向している。マスク22がカバー21に組み合わされることで、第2の筐体14が構成されている。カバー21及びマスク22は、例えばプラスチック製である。
【0017】
図3及び図13に示すように、カバー21の端部には、係合部23が設けられている。係合部23は、マスク22の係合部22aに係合する。マスク22の係合部22aは、例えばフックである。カバー21の係合部23は、例えばフックを受ける爪部(嵌合爪)である。
【0018】
背壁17は、「第1の壁部」の一例である。周壁18は、「第2の壁部」の一例であるとともに、背壁17に対して起立した「立壁」の一例である。周壁18は、背壁17の縁部から曲がって延びている。背壁17及び周壁18は、例えば曲面状に連続しており、明確な境界はない。言い換えると、カバー21は、背壁17と周壁18とが合わされたひとつの壁部24を有する。周壁18の先端部は、マスク22に当接する。
【0019】
ヒンジ部4a,4bは、第1の筐体5及び第2の筐体14に取り付けられている(図8参照)。ヒンジ部4a,4bは、それぞれヒンジ軸26と、第1及び第2のブラケット27,28とを有する。第1のブラケット27は、本体部固定板金であり、ヒンジ軸26に回動可能に連結されるとともに、第1の筐体5に固定されている。第2のブラケット28は、表示部固定板金であり、ヒンジ軸26に固定されるとともに、第2の筐体14に固定されている。
【0020】
次に、サポート板金31について詳しく説明する。
図2に示すように、第2の筐体14(以下、単に筐体14と称する)の左端部と右端部には、それぞれサポート板金31が取り付けられている。サポート板金31は、「板金」の一例であり、「部材」の一例であり、「支持部材」の一例である。サポート板金31は、筐体14内に収容されている。
【0021】
サポート板金31は、ヒンジ部4a,4bに連結されるとともに、ヒンジ部4a,4bから筐体14内に延び、筐体14の短手方向の略全幅に亘っている。なお左右のサポート板金31の構成及び機能は略同じであるので、右側のサポート板金31を代表して詳しく説明する。
【0022】
図3及び図4に示すように、サポート板金31は、基部32、起立部33、取付部34、及びケンジントンロック部35を有する。基部32は、板状に形成されており、ヒンジ部4a,4bの第2のブラケット28に重ねられている。基部32は、ねじ36が挿入される複数の孔32aを有する。基部32は、ねじ36でヒンジ部4a,4bの第2のブラケット28と筐体14に共締め固定される。
【0023】
ケンジントンロック部35は、基部32に連続して設けられ、基部32の端部から起立している。ケンジントンロック部35は、ケンジントンロックが取り付けられる取付孔35aを有する。図示しないが、ヒンジ部4aの第2のブラケット28にもケンジントンロックが取り付けられる取付孔が設けられている。サポート板金31の取付孔35aと、第2のブラケット28の取付孔とは、互いに略同じ形状を有し、互いに連通している。
【0024】
すなわち、ケンジントンロックは、サポート板金31の取付孔35a及び第2のブラケット28の取付孔に挿入される。ケンジントンロックは、サポート板金31と第2のブラケット28とによって受けられる。
【0025】
図3及び図4に示すように、起立部33は、背壁17に対して略垂直に起立している。起立部33は、サポート板金31の略全長に亘り、筐体14の短手方向の略全長に亘って延びている。起立部33は、背壁17に向かい合う第1の端部33aと、この第1の端部33aとは反対側に位置された第2の端部33bとを有する。
【0026】
取付部34は、起立部33の第1の端部33aから張り出している。取付部34は、板状に形成され、背壁17と略平行に延びている。取付部34は、背壁17の上に載せられ、背壁17に接している。換言すれば、サポート板金31は、取付部34と、この取付部34から背壁17とは反対側に起立した起立部33とを有する。取付部34には、孔34aが設けられている。
【0027】
図5及び図11に示すように、背壁17は、この背壁17の上に載せられたサポート板金31の取付部34を支持している。背壁17には、当該背壁17からサポート板金31の少なくとも一部よりも大きく突出した支持部41が設けられている。支持部41は、背壁17から例えばサポート板金31の取付部34を超えて突出している。
【0028】
支持部41は、取付部34の孔34aに対応した位置に設けられている。支持部41は、背壁17から突出した突起部である。図6及び図11に示すように支持部41は、サポート板金31の取付部34の孔34aに挿入されるとともに、例えば加熱押圧されることで先端部がつぶされている。すなわち、支持部41は、サポート板金31に溶着固定されている。なお図2、図3、図9では、先端部がつぶされる前の状態の支持部41を示している。
【0029】
図6及び図11に示すように、支持部41は、背壁17から突出し、サポート板金31の取付部34の孔34aに挿入された突出部42と、突出部42の先端部で外径が大きくなり、サポート板金31の上に広がる押さえ部43(抜止部)とを有する。押さえ部43は、サポート板金31に当接し、背壁17とは反対側からサポート板金31を支持する。サポート板金31は、背壁17と支持部41とによって両面から支持されることで、筐体14に固定されている。
【0030】
換言すると、サポート板金31の少なくとも一部は、支持部41の一部よりも背壁17の近くに位置される。具体的な一例として、サポート板金31の取付部34は、支持部41の先端部(押さえ部43)よりも背壁17の近くに位置される。サポート板金31の取付部34は、背壁17と支持部41の押さえ部43との間に位置され、背壁17と支持部41の押さえ部43とによって両面から支持されている。
【0031】
図5及び図11に示すように、支持部41は、背壁17からの高さが起立部33よりも低い。このため、支持部41とマスク22との間には、例えばケーブルなど他の部品を実装することができる空間が存在する。
【0032】
図3に示すように、サポート板金31は、表示装置15の側方を含む複数の固定部45で筐体14に固定されている。各固定部45は、上述した背壁17と支持部41とで設けられている。
【0033】
図5に示すように、カバー21は、第1の端部21aと、第2の端部21bとを有する。第1の端部21aは、ヒンジ部4a,4bに連結された端部である。第2の端部21bは、ヒンジ部4a,4bとは反対側に位置された端部である。カバー21は、第2の端部21bに曲面部46を有する。曲面部46では、背壁17が筐体14の内側に向く曲面状に形成され、筐体14が薄くなっている。サポート板金31は、曲面部46まで延び、曲面部46でも上記固定部45によって固定されている。すなわちサポート板金31は、背壁17と支持部41とによって曲面部46に固定されている。
【0034】
サポート板金31が筐体14に固定されることで、筐体14の強度向上を図ることができるとともに、ヒンジ部4a,4bへの応力集中が抑制される。サポート板金31が設けられることで、表示部3の回転方向の応力に対してヒンジ部4a,4bの強度向上を図ることができる。
【0035】
図6に示すように、サポート板金31と筐体14の内面との間には、導電性のガスケット48が介在されている。これにより、サポート板金31は、筐体14の内面に設けられたグランド部49に電気的に接続されている。サポート板金31は、ヒンジ部4a,4bに面で接触している。サポート板金31は、ヒンジ部4a,4bを介して本体部2に電気的に接続されている。これにより、筐体14の内面のグランド部49は、サポート板金31を介して本体部2にアースされている。なおグランド部49は、例えば筐体14の内面に設けられた金属箔や、筐体14の内面のメッキや導電塗装などでもよく、特に種類は問われない。
【0036】
図3及び図13に示すように、カバー21は、マスク22に係合する係合部23を有する。係合部23は、カバー21の端部に設けられ、例えば周壁18に設けられている。図3、図6、図7、図12、図13に示すように、サポート板金31は、表示装置15から離れ、表示装置15とは独立して筐体14に固定されている。サポート板金31は、表示装置15と係合部23との間の位置で筐体14に固定されている。言い換えると、サポート板金31は、表示装置15と周壁18との間の位置で筐体14に固定されている。
【0037】
図8に示すように、筐体14には、カメラモジュール(図示しない)及びアンテナ50と、これらに接続されたケーブル51が設けられている。ケーブル51は、表示装置15の側面15bに沿って引き回され、ヒンジ部4a,4bを介して本体部2に延びている。
【0038】
ケーブル51は、表示装置15とサポート板金31との間に通されている。ケーブル51は、係合部23からサポート板金31よりも遠くに配置されている。すなわち、ケーブル51と係合部23との間にサポート板金31が設けられ、ケーブル51が係合部23に近付かないようにケーブル51の動きがサポート板金31によって規制されている。
【0039】
図11に示すように、ケーブル51は、筐体14の厚さ方向において、サポート板金31の取付部34及びカバー21の支持部41に重なっている。起立部33は、取付部34に繋がる第1の端部33aと、この第1の端部33aとは反対側に位置された第2の端部33bとを有する。ケーブル51の少なくとも一部は、起立部33の第2の端部33bよりも、背壁17の近くに位置されている。
【0040】
図8に示すように、筐体14の内面には、複数のリブ53,54,55が設けられている。第1及び第2のリブ53,54は、サポート板金31の仮固定用のリブである。サポート板金31は、取付部34の孔34aに溶着前の支持部41が挿入されるとともに、第1及び第2のリブ53,54の間に配置され、仮固定される。そして、第1及び第2のリブ53,54によって支持された状態で機械にかけられ、支持部41の先端部が押しつぶされる。その後、支持部41がさらに加熱押圧されることで、サポート板金31は筐体14に溶着固定される。
【0041】
サポート板金31は、係合部23に対応した位置に、ケーブル51に向いて凸となる押圧部57を有する。押圧部57は、サポート板金31を係合部23から離れる向きに屈曲させることで設けられている。これにより、図9に示すように、カバー21の縁とサポート板金31との間の距離が係合部23の周りで大きくなっており、マスク22の係合部22aをカバー21の係合部23に係合させやすくなっている。
【0042】
図9に示すように、第3のリブ55は、サポート板金31の押圧部57と交互に設けられている。第3のリブ55は、弾性部材58を介して表示装置15を支持する支持部の一例であるとともに、ケーブル51を受ける受け部の一例である。第3のリブ55は、ケーブル51と表示装置15との間に設けられている。
【0043】
図10に示すように、サポート板金31の押圧部57は、ケーブル51に向いて突出し、ケーブル51の一部が第3のリブ55に押し付けられるようにケーブル51の他の一部を押圧する。
【0044】
詳しく述べると、ケーブル51は、第3のリブ55に対向した第1の部分51aと、第3のリブ55から外れるとともに、サポート板金31の押圧部57に対向した第2の部分51bとを有する。サポート板金31の押圧部57は、ケーブル51の第1の部分51aが第3のリブ55に押し付けられる向きに第2の部分51bを押圧する。これにより、ケーブル51が第3のリブ55とサポート板金31とに挟まれて、動きが規制される。換言すると、ケーブル51は、サポート板金31の押圧部57によって押し曲げられ、例えばケーブル51の一部が第3のリブ55の縁部に引っ掛かる。これによりケーブル51の動きが規制されている。
【0045】
なお、図9に示されるような第4のリブ60を設けてもよい。第4のリブ60は、支持部41の両側に分かれて一対設けられている。支持部41は、先端部がつぶされてもある程度の高さを有する。筐体14内には複数のケーブル51が通されるが、この複数のケーブル51が支持部41の頂部の直上で重なると、比較的大きな厚さになる。
【0046】
そのような場合には、複数のケーブル51を第4のリブ60の左右両側に分けて通すことで、複数のケーブル51が支持部41の頂部の直上で重なることを避けることができる。なお、第1乃至第4のリブ53,54,55,60は、適宜省略可能である。
【0047】
このような構成によれば、薄型化に適した電子機器1が提供可能になる。
【0048】
比較のため、サポート板金を筐体にねじ止めで固定することを考える。この場合、筐体には、ねじ穴を有するボスが設けられるが、ある程度の深さのねじ穴を確保するために、ボスはどうしても比較的背が高くなる。このようなボスが存在すると、筐体の薄型化が困難になる。
【0049】
一方で、本実施形態では、筐体14は、サポート板金31を支持した壁部24と、この壁部24とは反対側からサポート板金31を支持した支持部41とを有する。すなわち、壁部24と支持部41とによってサポート板金31の少なくとも一部が両面から支持され、これによりねじを用いることなくサポート板金31が筐体14に固定される。このため、ねじ止め用のボスが不用になり、筐体14の薄型化を図ることができる。
【0050】
さらに言えば、上記構成によれば、サポート板金31の取付部34を壁部24に密着させることができる。このような壁部24に密着した取付部34によって筐体14への固定が可能であると、筐体14の薄い部分に対してもサポート板金31を固定することができる。
【0051】
さらに比較のため、図19にサポート板金の取付構造の一例を示す。図18の構造では、サポート板金101は、表示装置102の側面にねじ止めで固定されている。この構造では、(a)ねじ止めに十分な厚さが表示装置102に必要であり、表示装置102の薄型化に限界がある。さらに、(b)マスク103をカバー104に取り付ける際に、カバー104の係合部105とマスク103の係合部107との間にケーブル106を挟み込む可能性がある。
【0052】
詳しく述べると、カバー104の端部には、マスク103が係合するための係合部105が設けられている。図19の構造では、サポート板金101が表示装置102に密着するため、ケーブル106は、サポート板金101と表示装置102との間に通すことができず、サポート板金101と係合部105との間を通ることになる。このため、ケーブル106が係合部105の近くに位置しやすく、カバー104とマスク103とを合わせる際に、カバー104の係合部105とマスク103の係合部107との間にケーブル106が挟み込まれてしまう可能性がある。
【0053】
一方で、本実施形態では、図13に示すように、サポート板金31は、表示装置15から離れ、表示装置15と係合部23との間の位置で筐体14に固定されている。このため、(1)表示装置15の側面にねじ穴が必要なくなり、表示装置15の薄型化を図ることができる。さらに、(2)表示装置15とサポート板金31との間にケーブル51を通すことができる隙間が生じるので、係合部23からサポート板金31よりも遠くにケーブル51を位置させることができる。このため、ケーブル51が係合部23から遠く、さらにケーブル51と係合部23との間にサポート板金31が存在するため、カバー21とマスク22とを合わせる際に、カバー21の係合部23とマスク22の係合部22aとの間にケーブル51が挟み込まれてしまうことが抑制される。
【0054】
本実施形態では、サポート板金31は、壁部24と略平行に延びた取付部34と、この取付部34から壁部24とは反対側に起立した起立部33とを有する。支持部41は、壁部24からの高さが起立部33よりも低い。すなわち支持部41は、比較的小さく、壁部24と支持部41とによる固定構造の全てが壁部24の近くに収まる。このため、支持部41とマスク22との間に、ケーブル51などを収容可能な空間が生じている。これは筐体14の薄型化や高密度実装に寄与する。
【0055】
本実施形態では、ケーブル51は、筐体14の厚さ方向でサポート板金31の取付部34に重なる。ケーブル51の少なくとも一部は、起立部33の第2の端部33bよりも、壁部24に近い。つまり、ケーブル51の少なくとも一部は、サポート板金31の起立部33の高さ範囲内に収まる。これによれば、筐体14の薄型化をより図ることができる。
【0056】
本実施形態では、サポート板金31は、表示装置15の側方を含む複数の固定部45で固定されている。表示装置15の側方にも固定部45があると、筐体14に対するサポート板金31の固定がより強固になる。本実施形態のような固定構造であれば、ねじ止めに比べて手間が掛からないので、固定部45の個数を容易に増やすことができる。さらに、固定部45の数を増やすことができると、サポート板金31自体の歪も減少させることができる。本実施形態では、支持部41は、サポート板金31に溶着固定されている。これによれば、複数の固定部45を纏めて固定することができる。
【0057】
本実施形態では、カバー21は、ケーブル51と表示装置15との間に設けられた第3のリブ55を備える。サポート板金31は、ケーブル51に向いて突出し、ケーブル51が第3のリブ55に押し付けられるようにケーブル51を押圧する押圧部57を有する。
【0058】
これによれば、サポート板金31によってケーブル51が支持され、ケーブル51を固定する構造を省略または小さくすることができる。そのため、筐体14の薄型化や部品点数の削減を図ることができる。また、マスク22とカバー21との間にケーブル51が挟まれる可能性がより小さくなる。
【0059】
本実施形態では、押圧部57は、係合部23に対応して設けられ、サポート板金31を係合部23から離れる向きに屈曲させることで構成されている。これにより、カバー21の縁とサポート板金31との間の距離が係合部23の周りで大きくなっている。このため、マスク22の係合部22aをカバー21の係合部23に係合させやすくなっている。言い換えると、係合部23に対応した位置でサポート板金31の一部を屈曲させることで、筐体14の幅を小さくすることができる。
【0060】
本実施形態では、カバー21の端部に曲面部46が設けられている。サポート板金31は、カバー21の曲面部46まで延び、壁部24と支持部41とによって曲面部46に固定されている。壁部24と支持部41とによる固定構造を用いることで、曲面部46のような筐体14の厚さが薄いところでもサポート板金31を筐体14に固定することができる。これにより、サポート板金31の長さを長くすることができ、筐体14の強度をより向上させることができる。
【0061】
次に、いくつかの変形例について説明する。
図14乃至17は、サポート板金31を固定する固定構造のいくつかの変形例を示す。なお上記実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0062】
図14乃至図17に示す電子機器1は、それぞれ、ヒンジ部4aに連結されたサポート板金31と、サポート板金31が収容された筐体14とを有する。筐体14は、サポート板金31を支持した壁部24と、この壁部24から突出し、壁部24とは反対側からサポート板金31を支持した支持部41とを有する。図14乃至17の支持部41は、溶着固定されるものではない。サポート板金31は、例えば壁部24と支持部41との間に嵌合されることで固定される。
【0063】
これらの構造によれば、ねじを用いることなくサポート板金31が筐体14に固定される。このため、ねじ止め用のボスが不用になり、筐体14の薄型化を図ることができる。
【0064】
また別の観点では、一つの形態に係る電子機器は、壁部とこの壁部に設けられた突起部とを有した筐体と、筐体に取り付けられたヒンジ部と、ヒンジ部に連結されるとともに、筐体に固定される固定部を有した部材とを有する。前記固定部の少なくとも一部は、前記突起部の一部よりも前記壁部の近くに位置され、前記突起部に嵌合される。
【0065】
上記電子機器の一例として、例えば図14に示す固定構造は、壁部24とこの壁部24に設けられた突起部(支持部41)とを有した筐体14と、筐体14に取り付けられたヒンジ部4aと、ヒンジ部4aに連結されるとともに、筐体14に固定される固定部71を有した部材(サポート板金31)とを有する。固定部71の少なくとも一部は、突起部(支持部41)の一部よりも壁部24の近くに位置され、突起部(支持部41)に嵌合される。
【0066】
より具体的には、固定部71は、孔71aを有する。固定部71は、例えば突起部(支持部41)に押圧で嵌め込まれる。孔71aに突出部42が挿入されることで固定部71が突出部42に嵌合固定されるのであれば、壁部24とは反対側からサポート板金31を支持する部分(例えば押さえ部43)は必ずしも必要ない。
【0067】
このような構造でも、ねじを用いることなくサポート板金31が筐体14に固定される。このため、ねじ止め用のボスが不用になり、筐体14の薄型化を図ることができる。
【0068】
図18は、他の変形例を示す。図18に示すように、サポート板金31は、カバー21の曲率が比較的大きな曲面部46に固定されてもよい。サポート板金31は、カバー21の曲がり始める部分を越えて、カバー21の端部の近くまで延びている。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0070】
例えば筐体は、曲面部を有しなくてもよい。板金の押圧部は、係合部に対応した位置に設けられる必要は必ずしもない。支持部は、溶着固定に限られない。板金は、モジュールの側方で固定されている必要は必ずしもない。ケーブルは、モジュールと板金との間に通されている必要は必ずしもない。ヒンジ部に連結される部材は、板金に限られず、他の材料で形成されたものでもよい。支持部や壁部は、カバーの一部に限られず、マスクやその他の部材に設けられてもよい。
以下、いくつかの電子機器を付記する。
[1]、(i)モジュールと、(ii)前記モジュールに対向した第1の部材と、この第1の部材とは反対側から前記モジュールに対向し、前記第1の部材に係合した係合部を有した第2の部材とを備えた筐体と、(iii)前記筐体に取り付けられたヒンジ部と、(iv)前記ヒンジ部に連結され、前記筐体内に設けられた板金と、(v)前記筐体内に設けられたケーブルと、を備え、前記第2の部材は、前記板金を支持した壁部と、この壁部から前記板金の少なくとも一部よりも大きく突出し、前記壁部とは反対側から前記板金を支持した支持部とを有し、前記板金は、前記壁部と前記支持部とによって両面から支持されることで、前記モジュールから離れ、前記モジュールと前記係合部との間の位置で前記筐体に固定され、前記ケーブルは、前記モジュールと前記板金との間に通され、前記係合部から前記板金よりも遠くに配置された電子機器。
[2]、[1]の記載において、前記板金は、前記壁部と略平行に延びるとともに前記壁部と前記支持部とによって固定された取付部と、この取付部から前記壁部とは反対側に起立した起立部とを有し、前記支持部は、前記壁部からの高さが前記起立部よりも低い電子機器。
[3]、[2]の記載において、前記ケーブルは、前記筐体の厚さ方向において、前記板金の取付部に重なり、前記起立部は、前記取付部に繋がる第1の端部と、この第1の端部とは反対側に位置された第2の端部とを有し、前記ケーブルの少なくとも一部は、前記起立部の第2の端部よりも、前記壁部に近い電子機器。
[4]、[1]または[3]の記載において、前記板金は、前記モジュールの側方を含む複数の固定部で前記筐体に固定され、各固定部は、前記壁部と前記支持部で設けられた電子機器。
[5]、[1]または[4]の記載において、前記支持部は、前記板金に溶着固定された電子機器。
[6]、[1]または[5]の記載において、前記ケーブルと前記モジュールとの間に設けられた受け部を備え、前記板金は、前記ケーブルに向いて突出し、前記ケーブルが前記受け部に押し付けられるように前記ケーブルを押圧する押圧部を有した電子機器。
[7]、[6]の記載において、前記押圧部は、前記係合部に対応した位置に設けられ、前記板金を前記係合部から離れる向きに屈曲させることで構成され、前記第2の部材の縁と前記板金との間の距離が前記係合部の周りで大きくなった電子機器。
[8]、[1]または[7]の記載において、前記第2の部材は、その端部に曲面部を有し、前記板金は、前記曲面部まで延び、前記壁部と前記支持部とによって前記曲面部に固定された電子機器。
[9]、(i)壁部と、この壁部に設けられた突起部とを有した筐体と、(ii)前記筐体に取り付けられたヒンジ部と、(iii)前記ヒンジ部に連結されるとともに、前記筐体に固定された固定部を有し、前記固定部の少なくとも一部が前記突起部の一部よりも前記壁部の近くに位置され、前記突起部に嵌合された部材と、を備えた電子機器。
[10]、(i)ヒンジ部と、(ii)前記ヒンジ部に連結された部材と、(iii)前記部材が収容されるとともに、前記部材を支持した壁部と、この壁部とは反対側から前記部材を支持した部分とを有した筐体と、を備えた電子機器。
【符号の説明】
【0071】
1…電子機器、4a,4b…ヒンジ部、14…筐体、15…表示装置(モジュール)、21…カバー、22…マスク、23…係合部、24…壁部、31…サポート板金、33…起立部、33a…第1の端部、33b…第2の端部、34…取付部、41…支持部、45…固定部、46…曲面部、51…ケーブル、55…第3のリブ(受け部)、57…押圧部、71…固定部。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
本体部と表示部とがヒンジ部で連結された電子機器がある。このような電子機器の筐体には、ヒンジ部に連結された板金が設けられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−83982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器は、さらなる組立性の向上が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、組立性の向上を図ることができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電子機器は、モジュールと、筐体と、板金と、ケーブルとを備える。前記筐体は、前記モジュールに面した第1部材と、該第1部材が係合する係合部を有して前記第1部材とは反対側から前記モジュールに面した第2部材とを備える。前記板金は、前記モジュールから離れた位置で前記筐体の厚さ方向に延びた部分を有するとともに、前記筐体内に延びている。前記ケーブルは、前記モジュールと前記板金の前記部分との間に通され、前記係合部から前記板金の前記部分よりも遠くに位置する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一つの実施形態に係る電子機器の平面図。
【図2】図1中に示された電子機器の表示部内部を示す平面図。
【図3】図1中に示された電子機器の表示部内部の一部を拡大して示す平面図。
【図4】図3中に示されたサポート板金の斜視図。
【図5】図3中に示された表示部内部のF5−F5線に沿う断面図。
【図6】図3中に示された表示部内部のF6線で囲まれた領域を示す平面図。
【図7】図3中に示された表示部内部のF7線で囲まれた領域を示す平面図。
【図8】図3中に示された表示部内部にケーブルを取り付けた状態を示す平面図。
【図9】図3中に示された表示部内部のF9線で囲まれた領域を示す斜視図。
【図10】図9中に示された表示部内部にケーブルを取り付けた状態を示す斜視図。
【図11】図8中に示された表示部内部のF11−F11線に沿う断面図。
【図12】図8中に示された表示部内部のF12−F12線に沿う断面図。
【図13】図8中に示された表示部内部のF13−F13線に沿う断面図。
【図14】一つの実施形態に係る電子機器の第1の変形例を示す断面図。
【図15】一つの実施形態に係る電子機器の第2の変形例を示す断面図。
【図16】一つの実施形態に係る電子機器の第3の変形例を示す断面図。
【図17】一つの実施形態に係る電子機器の第4の変形例を示す断面図。
【図18】一つの実施形態に係る電子機器の第5の変形例を示す断面図。
【図19】図1中に示された電子機器に関連する構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1乃至図13は、一つの実施形態に係る電子機器1を開示している。電子機器1は、例えばノートブック型ポータブルコンピュータ(ノートPC)である。なお本実施形態が適用可能な電子機器は、上記に限定されるものではない。本実施形態は、例えば携帯電話やスマートフォン、電子書籍端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
【0009】
図1に示すように、電子機器1は、本体部2(第1のユニット)と、表示部3(第2のユニット)と、ヒンジ部4a,4bとを有する。本体部2は、メインボードを搭載した電子機器本体である。本体部2は、第1の筐体5を備えている。第1の筐体5は、上壁6、下壁(図示しない)、及び周壁8を有し、扁平な箱状に形成されている。
【0010】
下壁は、電子機器1を机の上に置いた時に、その机上面に向かい合う。上壁6は、下壁との間に空間を空けて、下壁と略平行に広がる。周壁8は、下壁に対して起立し、下壁の周縁部と上壁6の周縁部との間を繋いでいる。上壁6には、キーボード9が取り付けられている。
【0011】
第1の筐体5は、後端部11(第1の端部)と、前端部12(第2の端部)とを有する。後端部11には、ヒンジ部4a,4bを介して表示部3が連結されている。前端部12は、後端部11とは反対側に位置される。
【0012】
図1に示すように、表示部3は、第2の筐体14と、この第2の筐体14に収容された表示装置15とを備えている。表示装置15は、「モジュール」の一例である。なお「モジュール」は、上記例に限定されるものではなく、電子機器に収容される種々のモジュールが適宜該当する。表示装置15は、例えば液晶ディスプレイであるが、これに限定されるものではない。表示装置15は、画像や映像が表示される表示画面15aを有する。
【0013】
第2の筐体14は、ヒンジ部4a,4bによって、第1の筐体5の後端部11に回動可能(開閉可能)に連結されている。これにより表示部3は、本体部2に重ねられる第1の位置と、本体部2に対して立て起される第2の位置との間で回動可能である。
【0014】
第2の筐体14は、前壁16、背壁17、及び周壁18を有する。前壁16は、表示部3が上記第1位置にあるとき、本体部2に向かい合う。前壁16は、表示装置15の表示画面15aが露出される開口部16aを有する。換言すれば、第2の筐体14は、表示画面15aが第1の筐体5に覆われる第1位置と、表示画面15aが露出される第2位置との間で回動可能である。
【0015】
背壁17は、前壁16との間に空間を空けて、前壁16と略平行に広がる。背壁17は、前壁16とは反対側から表示装置15に対向する。周壁18は、背壁17に対して起立し、前壁16の周縁部と背壁17の周縁部との間を繋いでいる。
【0016】
第2の筐体14は、カバー21と、マスク22とを有する(図13参照)。マスク22は、前壁16を有する。カバー21は、背壁17及び周壁18を有する。マスク22は、「第1の部材」の一例であり、表示装置15に対向している。カバー21は、「第2の部材」の一例であり、マスク22とは反対側から表示装置15に対向している。マスク22がカバー21に組み合わされることで、第2の筐体14が構成されている。カバー21及びマスク22は、例えばプラスチック製である。
【0017】
図3及び図13に示すように、カバー21の端部には、係合部23が設けられている。係合部23は、マスク22の係合部22aに係合する。マスク22の係合部22aは、例えばフックである。カバー21の係合部23は、例えばフックを受ける爪部(嵌合爪)である。
【0018】
背壁17は、「第1の壁部」の一例である。周壁18は、「第2の壁部」の一例であるとともに、背壁17に対して起立した「立壁」の一例である。周壁18は、背壁17の縁部から曲がって延びている。背壁17及び周壁18は、例えば曲面状に連続しており、明確な境界はない。言い換えると、カバー21は、背壁17と周壁18とが合わされたひとつの壁部24を有する。周壁18の先端部は、マスク22に当接する。
【0019】
ヒンジ部4a,4bは、第1の筐体5及び第2の筐体14に取り付けられている(図8参照)。ヒンジ部4a,4bは、それぞれヒンジ軸26と、第1及び第2のブラケット27,28とを有する。第1のブラケット27は、本体部固定板金であり、ヒンジ軸26に回動可能に連結されるとともに、第1の筐体5に固定されている。第2のブラケット28は、表示部固定板金であり、ヒンジ軸26に固定されるとともに、第2の筐体14に固定されている。
【0020】
次に、サポート板金31について詳しく説明する。
図2に示すように、第2の筐体14(以下、単に筐体14と称する)の左端部と右端部には、それぞれサポート板金31が取り付けられている。サポート板金31は、「板金」の一例であり、「部材」の一例であり、「支持部材」の一例である。サポート板金31は、筐体14内に収容されている。
【0021】
サポート板金31は、ヒンジ部4a,4bに連結されるとともに、ヒンジ部4a,4bから筐体14内に延び、筐体14の短手方向の略全幅に亘っている。なお左右のサポート板金31の構成及び機能は略同じであるので、右側のサポート板金31を代表して詳しく説明する。
【0022】
図3及び図4に示すように、サポート板金31は、基部32、起立部33、取付部34、及びケンジントンロック部35を有する。基部32は、板状に形成されており、ヒンジ部4a,4bの第2のブラケット28に重ねられている。基部32は、ねじ36が挿入される複数の孔32aを有する。基部32は、ねじ36でヒンジ部4a,4bの第2のブラケット28と筐体14に共締め固定される。
【0023】
ケンジントンロック部35は、基部32に連続して設けられ、基部32の端部から起立している。ケンジントンロック部35は、ケンジントンロックが取り付けられる取付孔35aを有する。図示しないが、ヒンジ部4aの第2のブラケット28にもケンジントンロックが取り付けられる取付孔が設けられている。サポート板金31の取付孔35aと、第2のブラケット28の取付孔とは、互いに略同じ形状を有し、互いに連通している。
【0024】
すなわち、ケンジントンロックは、サポート板金31の取付孔35a及び第2のブラケット28の取付孔に挿入される。ケンジントンロックは、サポート板金31と第2のブラケット28とによって受けられる。
【0025】
図3及び図4に示すように、起立部33は、背壁17に対して略垂直に起立している。起立部33は、サポート板金31の略全長に亘り、筐体14の短手方向の略全長に亘って延びている。起立部33は、背壁17に向かい合う第1の端部33aと、この第1の端部33aとは反対側に位置された第2の端部33bとを有する。
【0026】
取付部34は、起立部33の第1の端部33aから張り出している。取付部34は、板状に形成され、背壁17と略平行に延びている。取付部34は、背壁17の上に載せられ、背壁17に接している。換言すれば、サポート板金31は、取付部34と、この取付部34から背壁17とは反対側に起立した起立部33とを有する。取付部34には、孔34aが設けられている。
【0027】
図5及び図11に示すように、背壁17は、この背壁17の上に載せられたサポート板金31の取付部34を支持している。背壁17には、当該背壁17からサポート板金31の少なくとも一部よりも大きく突出した支持部41が設けられている。支持部41は、背壁17から例えばサポート板金31の取付部34を超えて突出している。
【0028】
支持部41は、取付部34の孔34aに対応した位置に設けられている。支持部41は、背壁17から突出した突起部である。図6及び図11に示すように支持部41は、サポート板金31の取付部34の孔34aに挿入されるとともに、例えば加熱押圧されることで先端部がつぶされている。すなわち、支持部41は、サポート板金31に溶着固定されている。なお図2、図3、図9では、先端部がつぶされる前の状態の支持部41を示している。
【0029】
図6及び図11に示すように、支持部41は、背壁17から突出し、サポート板金31の取付部34の孔34aに挿入された突出部42と、突出部42の先端部で外径が大きくなり、サポート板金31の上に広がる押さえ部43(抜止部)とを有する。押さえ部43は、サポート板金31に当接し、背壁17とは反対側からサポート板金31を支持する。サポート板金31は、背壁17と支持部41とによって両面から支持されることで、筐体14に固定されている。
【0030】
換言すると、サポート板金31の少なくとも一部は、支持部41の一部よりも背壁17の近くに位置される。具体的な一例として、サポート板金31の取付部34は、支持部41の先端部(押さえ部43)よりも背壁17の近くに位置される。サポート板金31の取付部34は、背壁17と支持部41の押さえ部43との間に位置され、背壁17と支持部41の押さえ部43とによって両面から支持されている。
【0031】
図5及び図11に示すように、支持部41は、背壁17からの高さが起立部33よりも低い。このため、支持部41とマスク22との間には、例えばケーブルなど他の部品を実装することができる空間が存在する。
【0032】
図3に示すように、サポート板金31は、表示装置15の側方を含む複数の固定部45で筐体14に固定されている。各固定部45は、上述した背壁17と支持部41とで設けられている。
【0033】
図5に示すように、カバー21は、第1の端部21aと、第2の端部21bとを有する。第1の端部21aは、ヒンジ部4a,4bに連結された端部である。第2の端部21bは、ヒンジ部4a,4bとは反対側に位置された端部である。カバー21は、第2の端部21bに曲面部46を有する。曲面部46では、背壁17が筐体14の内側に向く曲面状に形成され、筐体14が薄くなっている。サポート板金31は、曲面部46まで延び、曲面部46でも上記固定部45によって固定されている。すなわちサポート板金31は、背壁17と支持部41とによって曲面部46に固定されている。
【0034】
サポート板金31が筐体14に固定されることで、筐体14の強度向上を図ることができるとともに、ヒンジ部4a,4bへの応力集中が抑制される。サポート板金31が設けられることで、表示部3の回転方向の応力に対してヒンジ部4a,4bの強度向上を図ることができる。
【0035】
図6に示すように、サポート板金31と筐体14の内面との間には、導電性のガスケット48が介在されている。これにより、サポート板金31は、筐体14の内面に設けられたグランド部49に電気的に接続されている。サポート板金31は、ヒンジ部4a,4bに面で接触している。サポート板金31は、ヒンジ部4a,4bを介して本体部2に電気的に接続されている。これにより、筐体14の内面のグランド部49は、サポート板金31を介して本体部2にアースされている。なおグランド部49は、例えば筐体14の内面に設けられた金属箔や、筐体14の内面のメッキや導電塗装などでもよく、特に種類は問われない。
【0036】
図3及び図13に示すように、カバー21は、マスク22に係合する係合部23を有する。係合部23は、カバー21の端部に設けられ、例えば周壁18に設けられている。図3、図6、図7、図12、図13に示すように、サポート板金31は、表示装置15から離れ、表示装置15とは独立して筐体14に固定されている。サポート板金31は、表示装置15と係合部23との間の位置で筐体14に固定されている。言い換えると、サポート板金31は、表示装置15と周壁18との間の位置で筐体14に固定されている。
【0037】
図8に示すように、筐体14には、カメラモジュール(図示しない)及びアンテナ50と、これらに接続されたケーブル51が設けられている。ケーブル51は、表示装置15の側面15bに沿って引き回され、ヒンジ部4a,4bを介して本体部2に延びている。
【0038】
ケーブル51は、表示装置15とサポート板金31との間に通されている。ケーブル51は、係合部23からサポート板金31よりも遠くに配置されている。すなわち、ケーブル51と係合部23との間にサポート板金31が設けられ、ケーブル51が係合部23に近付かないようにケーブル51の動きがサポート板金31によって規制されている。
【0039】
図11に示すように、ケーブル51は、筐体14の厚さ方向において、サポート板金31の取付部34及びカバー21の支持部41に重なっている。起立部33は、取付部34に繋がる第1の端部33aと、この第1の端部33aとは反対側に位置された第2の端部33bとを有する。ケーブル51の少なくとも一部は、起立部33の第2の端部33bよりも、背壁17の近くに位置されている。
【0040】
図8に示すように、筐体14の内面には、複数のリブ53,54,55が設けられている。第1及び第2のリブ53,54は、サポート板金31の仮固定用のリブである。サポート板金31は、取付部34の孔34aに溶着前の支持部41が挿入されるとともに、第1及び第2のリブ53,54の間に配置され、仮固定される。そして、第1及び第2のリブ53,54によって支持された状態で機械にかけられ、支持部41の先端部が押しつぶされる。その後、支持部41がさらに加熱押圧されることで、サポート板金31は筐体14に溶着固定される。
【0041】
サポート板金31は、係合部23に対応した位置に、ケーブル51に向いて凸となる押圧部57を有する。押圧部57は、サポート板金31を係合部23から離れる向きに屈曲させることで設けられている。これにより、図9に示すように、カバー21の縁とサポート板金31との間の距離が係合部23の周りで大きくなっており、マスク22の係合部22aをカバー21の係合部23に係合させやすくなっている。
【0042】
図9に示すように、第3のリブ55は、サポート板金31の押圧部57と交互に設けられている。第3のリブ55は、弾性部材58を介して表示装置15を支持する支持部の一例であるとともに、ケーブル51を受ける受け部の一例である。第3のリブ55は、ケーブル51と表示装置15との間に設けられている。
【0043】
図10に示すように、サポート板金31の押圧部57は、ケーブル51に向いて突出し、ケーブル51の一部が第3のリブ55に押し付けられるようにケーブル51の他の一部を押圧する。
【0044】
詳しく述べると、ケーブル51は、第3のリブ55に対向した第1の部分51aと、第3のリブ55から外れるとともに、サポート板金31の押圧部57に対向した第2の部分51bとを有する。サポート板金31の押圧部57は、ケーブル51の第1の部分51aが第3のリブ55に押し付けられる向きに第2の部分51bを押圧する。これにより、ケーブル51が第3のリブ55とサポート板金31とに挟まれて、動きが規制される。換言すると、ケーブル51は、サポート板金31の押圧部57によって押し曲げられ、例えばケーブル51の一部が第3のリブ55の縁部に引っ掛かる。これによりケーブル51の動きが規制されている。
【0045】
なお、図9に示されるような第4のリブ60を設けてもよい。第4のリブ60は、支持部41の両側に分かれて一対設けられている。支持部41は、先端部がつぶされてもある程度の高さを有する。筐体14内には複数のケーブル51が通されるが、この複数のケーブル51が支持部41の頂部の直上で重なると、比較的大きな厚さになる。
【0046】
そのような場合には、複数のケーブル51を第4のリブ60の左右両側に分けて通すことで、複数のケーブル51が支持部41の頂部の直上で重なることを避けることができる。なお、第1乃至第4のリブ53,54,55,60は、適宜省略可能である。
【0047】
このような構成によれば、薄型化に適した電子機器1が提供可能になる。
【0048】
比較のため、サポート板金を筐体にねじ止めで固定することを考える。この場合、筐体には、ねじ穴を有するボスが設けられるが、ある程度の深さのねじ穴を確保するために、ボスはどうしても比較的背が高くなる。このようなボスが存在すると、筐体の薄型化が困難になる。
【0049】
一方で、本実施形態では、筐体14は、サポート板金31を支持した壁部24と、この壁部24とは反対側からサポート板金31を支持した支持部41とを有する。すなわち、壁部24と支持部41とによってサポート板金31の少なくとも一部が両面から支持され、これによりねじを用いることなくサポート板金31が筐体14に固定される。このため、ねじ止め用のボスが不用になり、筐体14の薄型化を図ることができる。
【0050】
さらに言えば、上記構成によれば、サポート板金31の取付部34を壁部24に密着させることができる。このような壁部24に密着した取付部34によって筐体14への固定が可能であると、筐体14の薄い部分に対してもサポート板金31を固定することができる。
【0051】
さらに比較のため、図19にサポート板金の取付構造の一例を示す。図18の構造では、サポート板金101は、表示装置102の側面にねじ止めで固定されている。この構造では、(a)ねじ止めに十分な厚さが表示装置102に必要であり、表示装置102の薄型化に限界がある。さらに、(b)マスク103をカバー104に取り付ける際に、カバー104の係合部105とマスク103の係合部107との間にケーブル106を挟み込む可能性がある。
【0052】
詳しく述べると、カバー104の端部には、マスク103が係合するための係合部105が設けられている。図19の構造では、サポート板金101が表示装置102に密着するため、ケーブル106は、サポート板金101と表示装置102との間に通すことができず、サポート板金101と係合部105との間を通ることになる。このため、ケーブル106が係合部105の近くに位置しやすく、カバー104とマスク103とを合わせる際に、カバー104の係合部105とマスク103の係合部107との間にケーブル106が挟み込まれてしまう可能性がある。
【0053】
一方で、本実施形態では、図13に示すように、サポート板金31は、表示装置15から離れ、表示装置15と係合部23との間の位置で筐体14に固定されている。このため、(1)表示装置15の側面にねじ穴が必要なくなり、表示装置15の薄型化を図ることができる。さらに、(2)表示装置15とサポート板金31との間にケーブル51を通すことができる隙間が生じるので、係合部23からサポート板金31よりも遠くにケーブル51を位置させることができる。このため、ケーブル51が係合部23から遠く、さらにケーブル51と係合部23との間にサポート板金31が存在するため、カバー21とマスク22とを合わせる際に、カバー21の係合部23とマスク22の係合部22aとの間にケーブル51が挟み込まれてしまうことが抑制される。
【0054】
本実施形態では、サポート板金31は、壁部24と略平行に延びた取付部34と、この取付部34から壁部24とは反対側に起立した起立部33とを有する。支持部41は、壁部24からの高さが起立部33よりも低い。すなわち支持部41は、比較的小さく、壁部24と支持部41とによる固定構造の全てが壁部24の近くに収まる。このため、支持部41とマスク22との間に、ケーブル51などを収容可能な空間が生じている。これは筐体14の薄型化や高密度実装に寄与する。
【0055】
本実施形態では、ケーブル51は、筐体14の厚さ方向でサポート板金31の取付部34に重なる。ケーブル51の少なくとも一部は、起立部33の第2の端部33bよりも、壁部24に近い。つまり、ケーブル51の少なくとも一部は、サポート板金31の起立部33の高さ範囲内に収まる。これによれば、筐体14の薄型化をより図ることができる。
【0056】
本実施形態では、サポート板金31は、表示装置15の側方を含む複数の固定部45で固定されている。表示装置15の側方にも固定部45があると、筐体14に対するサポート板金31の固定がより強固になる。本実施形態のような固定構造であれば、ねじ止めに比べて手間が掛からないので、固定部45の個数を容易に増やすことができる。さらに、固定部45の数を増やすことができると、サポート板金31自体の歪も減少させることができる。本実施形態では、支持部41は、サポート板金31に溶着固定されている。これによれば、複数の固定部45を纏めて固定することができる。
【0057】
本実施形態では、カバー21は、ケーブル51と表示装置15との間に設けられた第3のリブ55を備える。サポート板金31は、ケーブル51に向いて突出し、ケーブル51が第3のリブ55に押し付けられるようにケーブル51を押圧する押圧部57を有する。
【0058】
これによれば、サポート板金31によってケーブル51が支持され、ケーブル51を固定する構造を省略または小さくすることができる。そのため、筐体14の薄型化や部品点数の削減を図ることができる。また、マスク22とカバー21との間にケーブル51が挟まれる可能性がより小さくなる。
【0059】
本実施形態では、押圧部57は、係合部23に対応して設けられ、サポート板金31を係合部23から離れる向きに屈曲させることで構成されている。これにより、カバー21の縁とサポート板金31との間の距離が係合部23の周りで大きくなっている。このため、マスク22の係合部22aをカバー21の係合部23に係合させやすくなっている。言い換えると、係合部23に対応した位置でサポート板金31の一部を屈曲させることで、筐体14の幅を小さくすることができる。
【0060】
本実施形態では、カバー21の端部に曲面部46が設けられている。サポート板金31は、カバー21の曲面部46まで延び、壁部24と支持部41とによって曲面部46に固定されている。壁部24と支持部41とによる固定構造を用いることで、曲面部46のような筐体14の厚さが薄いところでもサポート板金31を筐体14に固定することができる。これにより、サポート板金31の長さを長くすることができ、筐体14の強度をより向上させることができる。
【0061】
次に、いくつかの変形例について説明する。
図14乃至17は、サポート板金31を固定する固定構造のいくつかの変形例を示す。なお上記実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0062】
図14乃至図17に示す電子機器1は、それぞれ、ヒンジ部4aに連結されたサポート板金31と、サポート板金31が収容された筐体14とを有する。筐体14は、サポート板金31を支持した壁部24と、この壁部24から突出し、壁部24とは反対側からサポート板金31を支持した支持部41とを有する。図14乃至17の支持部41は、溶着固定されるものではない。サポート板金31は、例えば壁部24と支持部41との間に嵌合されることで固定される。
【0063】
これらの構造によれば、ねじを用いることなくサポート板金31が筐体14に固定される。このため、ねじ止め用のボスが不用になり、筐体14の薄型化を図ることができる。
【0064】
また別の観点では、一つの形態に係る電子機器は、壁部とこの壁部に設けられた突起部とを有した筐体と、筐体に取り付けられたヒンジ部と、ヒンジ部に連結されるとともに、筐体に固定される固定部を有した部材とを有する。前記固定部の少なくとも一部は、前記突起部の一部よりも前記壁部の近くに位置され、前記突起部に嵌合される。
【0065】
上記電子機器の一例として、例えば図14に示す固定構造は、壁部24とこの壁部24に設けられた突起部(支持部41)とを有した筐体14と、筐体14に取り付けられたヒンジ部4aと、ヒンジ部4aに連結されるとともに、筐体14に固定される固定部71を有した部材(サポート板金31)とを有する。固定部71の少なくとも一部は、突起部(支持部41)の一部よりも壁部24の近くに位置され、突起部(支持部41)に嵌合される。
【0066】
より具体的には、固定部71は、孔71aを有する。固定部71は、例えば突起部(支持部41)に押圧で嵌め込まれる。孔71aに突出部42が挿入されることで固定部71が突出部42に嵌合固定されるのであれば、壁部24とは反対側からサポート板金31を支持する部分(例えば押さえ部43)は必ずしも必要ない。
【0067】
このような構造でも、ねじを用いることなくサポート板金31が筐体14に固定される。このため、ねじ止め用のボスが不用になり、筐体14の薄型化を図ることができる。
【0068】
図18は、他の変形例を示す。図18に示すように、サポート板金31は、カバー21の曲率が比較的大きな曲面部46に固定されてもよい。サポート板金31は、カバー21の曲がり始める部分を越えて、カバー21の端部の近くまで延びている。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0070】
例えば筐体は、曲面部を有しなくてもよい。板金の押圧部は、係合部に対応した位置に設けられる必要は必ずしもない。支持部は、溶着固定に限られない。板金は、モジュールの側方で固定されている必要は必ずしもない。ケーブルは、モジュールと板金との間に通されている必要は必ずしもない。ヒンジ部に連結される部材は、板金に限られず、他の材料で形成されたものでもよい。支持部や壁部は、カバーの一部に限られず、マスクやその他の部材に設けられてもよい。
以下、いくつかの電子機器を付記する。
[1]、(i)モジュールと、(ii)前記モジュールに対向した第1の部材と、この第1の部材とは反対側から前記モジュールに対向し、前記第1の部材に係合した係合部を有した第2の部材とを備えた筐体と、(iii)前記筐体に取り付けられたヒンジ部と、(iv)前記ヒンジ部に連結され、前記筐体内に設けられた板金と、(v)前記筐体内に設けられたケーブルと、を備え、前記第2の部材は、前記板金を支持した壁部と、この壁部から前記板金の少なくとも一部よりも大きく突出し、前記壁部とは反対側から前記板金を支持した支持部とを有し、前記板金は、前記壁部と前記支持部とによって両面から支持されることで、前記モジュールから離れ、前記モジュールと前記係合部との間の位置で前記筐体に固定され、前記ケーブルは、前記モジュールと前記板金との間に通され、前記係合部から前記板金よりも遠くに配置された電子機器。
[2]、[1]の記載において、前記板金は、前記壁部と略平行に延びるとともに前記壁部と前記支持部とによって固定された取付部と、この取付部から前記壁部とは反対側に起立した起立部とを有し、前記支持部は、前記壁部からの高さが前記起立部よりも低い電子機器。
[3]、[2]の記載において、前記ケーブルは、前記筐体の厚さ方向において、前記板金の取付部に重なり、前記起立部は、前記取付部に繋がる第1の端部と、この第1の端部とは反対側に位置された第2の端部とを有し、前記ケーブルの少なくとも一部は、前記起立部の第2の端部よりも、前記壁部に近い電子機器。
[4]、[1]または[3]の記載において、前記板金は、前記モジュールの側方を含む複数の固定部で前記筐体に固定され、各固定部は、前記壁部と前記支持部で設けられた電子機器。
[5]、[1]または[4]の記載において、前記支持部は、前記板金に溶着固定された電子機器。
[6]、[1]または[5]の記載において、前記ケーブルと前記モジュールとの間に設けられた受け部を備え、前記板金は、前記ケーブルに向いて突出し、前記ケーブルが前記受け部に押し付けられるように前記ケーブルを押圧する押圧部を有した電子機器。
[7]、[6]の記載において、前記押圧部は、前記係合部に対応した位置に設けられ、前記板金を前記係合部から離れる向きに屈曲させることで構成され、前記第2の部材の縁と前記板金との間の距離が前記係合部の周りで大きくなった電子機器。
[8]、[1]または[7]の記載において、前記第2の部材は、その端部に曲面部を有し、前記板金は、前記曲面部まで延び、前記壁部と前記支持部とによって前記曲面部に固定された電子機器。
[9]、(i)壁部と、この壁部に設けられた突起部とを有した筐体と、(ii)前記筐体に取り付けられたヒンジ部と、(iii)前記ヒンジ部に連結されるとともに、前記筐体に固定された固定部を有し、前記固定部の少なくとも一部が前記突起部の一部よりも前記壁部の近くに位置され、前記突起部に嵌合された部材と、を備えた電子機器。
[10]、(i)ヒンジ部と、(ii)前記ヒンジ部に連結された部材と、(iii)前記部材が収容されるとともに、前記部材を支持した壁部と、この壁部とは反対側から前記部材を支持した部分とを有した筐体と、を備えた電子機器。
【符号の説明】
【0071】
1…電子機器、4a,4b…ヒンジ部、14…筐体、15…表示装置(モジュール)、21…カバー、22…マスク、23…係合部、24…壁部、31…サポート板金、33…起立部、33a…第1の端部、33b…第2の端部、34…取付部、41…支持部、45…固定部、46…曲面部、51…ケーブル、55…第3のリブ(受け部)、57…押圧部、71…固定部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュールと、
前記モジュールに面した第1部材と、該第1部材が係合する係合部を有して前記第1部材とは反対側から前記モジュールに面した第2部材とを備えた筐体と、
前記筐体に取り付けられたヒンジ部と、
前記モジュールから離れた位置で前記筐体の厚さ方向に延びた第1部分を有し、前記ヒンジ部に連結されて前記筐体内に延びた板金と、
前記モジュールと前記第1部分との間に通され、前記係合部から前記第1部分よりも遠くに位置し、前記第1部分によって前記係合部方向への移動が抑制されるケーブルと、
を備えた電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記板金は、前記モジュールと前記第1部分との間の位置で前記筐体に固定された第2部分を有した電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、
前記ケーブルの少なくとも一部は、前記筐体の厚さ方向で、前記第2部分に重なる電子機器。
【請求項4】
請求項2または請求項3の記載において、
前記第2部分は、前記第2部材に固定され、
前記ケーブルの少なくとも一部は、前記第2部分と前記第1部材との間を通る電子機器。
【請求項5】
請求項1または請求項4の記載において、
前記係合部は、第1のフックであり、
前記マスクは、前記第1のフックに掛かる第2のフックを有した電子機器。
【請求項6】
請求項5の記載において、
前記第2フックは、前記第1部分と、前記第1フックとの間に位置した電子機器。
【請求項7】
請求項1または請求項6の記載において、
前記第1部分は、前記ケーブルに接して前記ケーブルを前記係合部とは反対側に向いて押す押圧部を有した電子機器。
【請求項8】
請求項7の記載において、
前記押圧部は、前記係合部に対応した位置に設けられ、前記板金の一部が前記係合部から離れる向きに屈曲されることで設けられた電子機器。
【請求項9】
請求項7または請求項8の記載において、
前記ケーブルと前記モジュールとの間に設けられた受け部を備え、
前記押圧部は、前記ケーブルが前記受け部に押し付けられるように前記ケーブルに向いて突出して前記ケーブルを押圧する電子機器。
【請求項10】
モジュールと、
前記モジュールに面した第1部材と、該第1部材が係合する係合部を有して前記第1部材とは反対側から前記モジュールに面した第2部材とを備えた筐体と、
前記モジュールから離れた位置で前記筐体の厚さ方向に延びた部分を有するとともに、前記筐体内に延びた板金と、
前記モジュールと前記板金の前記部分との間に通され、前記係合部から前記板金の前記部分よりも遠くに位置したケーブルと、
を備えた電子機器。
【請求項1】
モジュールと、
前記モジュールに面した第1部材と、該第1部材が係合する係合部を有して前記第1部材とは反対側から前記モジュールに面した第2部材とを備えた筐体と、
前記筐体に取り付けられたヒンジ部と、
前記モジュールから離れた位置で前記筐体の厚さ方向に延びた第1部分を有し、前記ヒンジ部に連結されて前記筐体内に延びた板金と、
前記モジュールと前記第1部分との間に通され、前記係合部から前記第1部分よりも遠くに位置し、前記第1部分によって前記係合部方向への移動が抑制されるケーブルと、
を備えた電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記板金は、前記モジュールと前記第1部分との間の位置で前記筐体に固定された第2部分を有した電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、
前記ケーブルの少なくとも一部は、前記筐体の厚さ方向で、前記第2部分に重なる電子機器。
【請求項4】
請求項2または請求項3の記載において、
前記第2部分は、前記第2部材に固定され、
前記ケーブルの少なくとも一部は、前記第2部分と前記第1部材との間を通る電子機器。
【請求項5】
請求項1または請求項4の記載において、
前記係合部は、第1のフックであり、
前記マスクは、前記第1のフックに掛かる第2のフックを有した電子機器。
【請求項6】
請求項5の記載において、
前記第2フックは、前記第1部分と、前記第1フックとの間に位置した電子機器。
【請求項7】
請求項1または請求項6の記載において、
前記第1部分は、前記ケーブルに接して前記ケーブルを前記係合部とは反対側に向いて押す押圧部を有した電子機器。
【請求項8】
請求項7の記載において、
前記押圧部は、前記係合部に対応した位置に設けられ、前記板金の一部が前記係合部から離れる向きに屈曲されることで設けられた電子機器。
【請求項9】
請求項7または請求項8の記載において、
前記ケーブルと前記モジュールとの間に設けられた受け部を備え、
前記押圧部は、前記ケーブルが前記受け部に押し付けられるように前記ケーブルに向いて突出して前記ケーブルを押圧する電子機器。
【請求項10】
モジュールと、
前記モジュールに面した第1部材と、該第1部材が係合する係合部を有して前記第1部材とは反対側から前記モジュールに面した第2部材とを備えた筐体と、
前記モジュールから離れた位置で前記筐体の厚さ方向に延びた部分を有するとともに、前記筐体内に延びた板金と、
前記モジュールと前記板金の前記部分との間に通され、前記係合部から前記板金の前記部分よりも遠くに位置したケーブルと、
を備えた電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−168985(P2012−168985A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−114162(P2012−114162)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【分割の表示】特願2011−28703(P2011−28703)の分割
【原出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【分割の表示】特願2011−28703(P2011−28703)の分割
【原出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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