説明

電子機器

【課題】オペレーティングシステムやアプリケーション等に関する情報を、複数の表示画面に亘り連続して表示することのできる電子機器を提供する。
【解決手段】情報を表示可能な複数の表示画面21,31と、各表示画面に設けられ、ユーザが操作を行なうタッチパネル22,32と、ユーザへ通知する情報を格納した情報通知手段64と、を具えた電子機器であって、ユーザが一方の表示画面に設けられたタッチパネルの所定領域を他方の表示画面に向けて移動させることで、前記情報通知手段に格納された情報を前記所定領域から他の表示画面に亘って連続して表示する情報表示手段63を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示画面を有する電子機器に関するものであり、より具体的には、操作性の向上を図ることのできる電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラットフォームとなるオペレーティングシステムを搭載し、各種情報を表示したり、種々のアプリケーションを起動可能な電子機器が知られている(例えば特許文献1参照)。この種の電子機器では、情報を表示可能な表示画面上にタッチパネルを具え、ユーザがタッチパネルに触れることで、各種操作を行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−8925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、アラームの通知やメールの受信など、オペレーティングシステムやアプリケーションからの各種情報の通知があった場合に、ユーザの操作により、通知される情報は表示画面に表示されるが、この場合、1の表示画面にのみ情報が表示される。
従って、表示される範囲が狭く、全てを表示できないことがあり、また、他の表示画面にて他のアプリケーションを起動している場合には、通知された情報がそのアプリに関する情報であると勘違いしてしまうこともある。
【0005】
本発明の目的は、オペレーティングシステムやアプリケーション等に関してユーザに通知される情報を、複数の表示画面に亘り連続して表示することのできる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は、
情報を表示可能な複数の表示画面と、
各表示画面に設けられ、ユーザが操作を行なうタッチパネルと、
表示画面及びタッチパネルに電気的に接続され、表示画面に情報を表示し、タッチパネルへの操作に基づいて表示画面の表示を制御する制御手段と、
該制御手段に電気的に接続され、ユーザへ通知する情報を格納した情報通知手段と、
を具えた電子機器であって、
制御手段に電気的に接続され、ユーザが一方の表示画面に設けられたタッチパネルの所定領域を他方の表示画面に向けて移動させることで、前記情報通知手段に格納された情報を前記所定領域から他の表示画面に亘って連続して表示する情報表示手段を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電子機器によれば、情報表示手段は、ユーザがタッチパネルの所定領域を他方の表示画面に向けてフリックやドラッグ等の操作によって移動させることで、情報通知手段に格納された情報を複数の画面に亘って連続して表示することができる。
即ち、ユーザに通知されるべき情報を他の表示画面に亘って広い範囲に表示することができるから、より多くの情報を表示でき、視認性が高く、的確に情報を認識することができる。
また、他の表示画面で他のアプリケーション等を表示している場合でも、前記情報を当該他の表示画面に亘って表示することで、アプリケーションが隠されるから、ユーザが情報の取り違えてしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明が適用される電子機器の一例を示す斜視図であって、表示画面どうしが略同一平面に位置し、接近したフラット接近状態を示している。
【図2】図2は、図1の状態から表示画面どうしを離間させたフラット離間状態を示す電子機器の斜視図である。
【図3】図3は、図2の状態から第1表示画面を第2表示画面に対して回転させ、第1表示画面を第2表示画面に対して傾けたチルト状態を示す電子機器の斜視図である。
【図4】図4は、表示画面どうしが重なった畳み状態を示す電子機器の斜視図である。
【図5】図5は、図1の状態から図3の状態へ至る過程を示す電子機器の側面図であって、図5(a)は、図1に示すフラット接近状態、図5(b)は、図2に示すフラット離間状態、図5(c)は、図3に示すチルト状態を示している。
【図6】図6は、図3のチルト状態の後、図4の畳み状態へ至る過程を示す電子機器の側面図であって、図6(a)は、第1表示画面を第2表示画面に対して前方へスライドするよう傾けた状態、図6(b)は、図6(a)の状態からさらに第1表示画面をスライドするよう傾けた状態、図6(c)は、図4に示す畳み状態を示している。
【図7】本実施例の電子機器のブロック図である。
【図8】本発明の実施例の動作を示すフローチャート図である。
【図9】アプリケーションを起動し、複数の表示画面に表示した状態を示す説明図である。
【図10】ノーティフィケーションバーを表示している状態を示す表示画面の説明図である。
【図11】フリックにより、ノーティフィケーションバーを操作している状態を示す表示画面の説明図である。
【図12】他の表示画面までノーティフィケーションバーをドラッグしている状態を示す表示画面の説明図である。
【図13】複数の表示画面に連続して通知される情報(ノーティフィケーション)の内容を表示している説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、複数の表示画面(21)(31)及びタッチパネル(22)(32)等の操作部(50)を具えた電子機器(10)に関するものであり、操作性を高めることのできる電子機器(10)に関するものである。
【0010】
以下、本発明の電子機器(10)について、携帯型の電子機器を例に挙げて図面を用いて説明するが、以下に示す具体的な電子機器の構造、構成は、説明のためのものであって、本発明を限定的に解釈すべきでないことは勿論である。
【0011】
まず、本実施例に係る携帯型電子機器(10)の構造について説明を行なう。
電子機器(10)は、図1乃至図6に示すように、文字、図形、画像、動画等の情報を表示可能な表示画面(21)(31)と、該表示画面の表面にユーザが触れることで操作可能なタッチパネル(22)(32)とを有する複数の表示部(20)(30)を、連結機構(40)によって相対的に開閉やスライド等により移動可能に連結して構成することができる。
【0012】
図1乃至図6では、第2表示画面(31)が上方に向くように、第2表示部(30)を水平に配置した状態を示しており、何れも図中第2表示部(30)が向いている方向を「上」、その背面側を「下」、図1乃至図4では図中左前方を「前」、右後方を「後」、図5及び図6では、図中左側を「前」、右側を「後」と称する。「左」「右」については、前記「前」方向から見た左右方向を夫々意味するものとする。また、第1表示部(20)及び第2表示部(30)について、図1に示す前側の端部を夫々「基端」、後側の端部を「後端」と称する。
【0013】
第1表示部(20)及び第2表示部(30)は、夫々図に示すように、一方の面、即ち、図1における上面が開口した筺体(23)(33)内に、情報を表示可能な表示画面(21)(31)が開口側から視認可能となるように収容されている。表示画面(21)(31)は、液晶ディスプレイを例示でき、後述する制御手段(60)(図7参照)に電気的に接続され、各種情報を表示可能となっている。なお、図1において、後側に位置する表示部を第1表示部(20)、前側に位置する表示部を第2表示部(30)と称する。
【0014】
表示画面(21)(31)の開口側には、ユーザが指等で触れることにより操作可能なタッチパネル(22)(32)を有する。タッチパネル(22)(32)は、筺体(23)(33)の開口を塞ぐように配設され、表示画面(21)(31)が視認可能となるよう透明に形成されている。タッチパネル(22)(32)として、静電容量方式や抵抗膜方式のものを例示できる。
タッチパネル(22)(32)は、タッチパネル制御部(25)(35)を介して制御手段(60)(図7参照)に電気的に接続されており、ユーザがタッチパネル(22)(32)を指等で触れて操作することにより、該当する座標情報がタッチパネル制御部(25)(35)を介して制御手段(60)に入力され、各種操作等に用いられる。
【0015】
タッチパネル(22)(32)を用いたユーザの操作として、比較的短くタッチパネル(22)(32)に触れるタップ、ダブルタップや、タッチパネル(22)(32)に触れる時間が、これらよりも長いドラッグ、フリック、ピンチ、ロングタッチを例示できる。
【0016】
また、筺体(23)(33)には、タッチパネル(22)(32)の近傍及び筺体(23)(33)の周面に複数の操作ボタン(51)(51)を配置し、タッチパネル(22)(32)と合わせて操作部(50)(50)を形成している。操作ボタン(51)(51)として、電源ボタン等を例示できる。これら操作ボタン(51)(51)も制御手段(60)(図7参照)に電気的に接続され、操作ボタン(51)(51)の操作により各種制御が可能となっている。
【0017】
第1表示部(20)と第2表示部(30)は、連結機構(40)により、相対的に移動可能となっており、本実施例の電子機器(10)では、図1乃至図6に示すように、第1表示部(20)を第2表示部(30)に対してスライド可能且つ回動可能としている。
【0018】
連結機構(40)は、図1乃至図6に示すように、第1筺体(23)の背面側の前後方向略中央と、第2筺体(33)の先端を連結している。連結機構(40)は、複数のアーム等によって構成することができ、その詳細については説明を省略するが、後述するとおり、連結機構(40)によって、第1表示部(20)は、第2表示部(30)に対して、接近、離間方向にスライド可能且つ回動可能となっている。
なお、連結機構(40)は、第1表示部(20)と第2表示部(30)をスライドのみ又は回動のみ等に連結するように構成することもできる。
【0019】
第1表示部(20)と第2表示部(30)の相対的な位置は、移動検知センサ(70)によって検知することができる。
移動検知センサ(70)は、第1表示部(20)と第2表示部(30)の接近、離間を検知する接触型のスイッチや、マグネット(72)とマグネットセンサ(71)からなる非接触型のセンサ、第1表示部(20)と第2表示部(30)又は両表示部(20)(30)と連結機構(40)との相対的な角度変化を検知するポテンショメータ等を例示できる。
移動検知センサ(70)も制御手段(60)(図7参照)に電気的に接続されている。
【0020】
移動検知センサ(70)として、本実施例では、図1及び図5(a)に示すように、第1表示部(20)の基端にマグネット(72)を埋設し、フラット接近状態にて該マグネット(72)と接近する第2表示部(30)の先端にマグネットセンサ(71)を収容し、第1表示部(20)と第2表示部(30)の接近、離間を検知できるようにしている。これにより、電子機器(10)が図1及び図5(a)に示す状態にあるか、それ以外の状態にあるかを検知することができる。
また、連結機構(40)と第1表示部(20)との連結部分に、図5(a)に示すように、ポテンショメータ(74)を配備し、第1表示部(20)が連結機構(40)に対して回転したことを検知するようにしている。
【0021】
図7は、本発明の電子機器のブロック図の一例を示している。
電子機器(10)のすべての制御は、図7に示すように、CPU等から構成される制御手段(60)により行なわれる。制御手段(60)は、電子機器(10)に搭載されたプラットフォームとなるオペレーティングシステムを作動可能となっており、電子機器(10)にインストールされている各種のアプリケーションを1又は複数同時に起動可能となっている。
【0022】
制御手段(60)には、前述した第1表示画面(21)、第2表示画面(31)が電気的に接続されており、各アプリケーションに関する情報を表示可能となっている。
【0023】
また、第1タッチパネル(22)及び第2タッチパネル(32)は、夫々第1タッチパネル制御部(25)、第2タッチパネル制御部(35)を介して制御手段(60)に電気的に接続されており、第1タッチパネル(22)及び第2タッチパネル(32)からのユーザの入力は、タッチパネル制御部(25)(35)を介して制御手段(60)に送信され、制御手段(60)は、入力に応じて、表示画面(21)(31)の情報を編集、操作等行なう。
【0024】
制御手段(60)には、上述した操作ボタン(51)(51)の他、電子機器(10)の各種動作やユーザの所望する各種データ等を記憶するメモリ(61)、タイマー(62)等、さらに後述する情報表示手段(63)が電気的に接続されている。
【0025】
上述の連結機構(40)により接続された第1表示部(20)と第2表示部(30)は、以下の要領で相対的に移動可能となっている。
【0026】
例えば、図1は、第1表示部(20)と第2表示部(30)が、第1表示画面(21)と第2表示画面(31)を略同一平面とし、且つ第1筺体(23)の基端と第2筺体(33)の先端が接近した状態を示している。図1の側面図が図5(a)である。この状態を「フラット接近状態」と称する。
フラット接近状態では、第1表示画面(21)と第2表示画面(31)は連続し、1つの画面として視認でき、また、第1タッチパネル(22)と第2タッチパネル(32)も連続した1つのタッチパネルの如く操作することができる。
表示部(20)(30)がフラット接近状態にあることは、上記したマグネットセンサ(71)により検知され、制御手段(60)に送信することができる。
【0027】
上記フラット接近状態から、図2に示すように、第2筺体(33)の背面をユーザが手(P)の四指で支え、母指球で第2タッチパネル(32)を支えながら、両親指(T)で第1タッチパネル(22)を後方に押すと、第1表示部(20)は、第2表示部(30)に対して離間方向にスライドする。この状態を「フラット離間状態」と称し、その側面図を図5(b)に示す。
フラット接近状態からフラット離間状態に移行したことは、マグネットセンサ(71)により検知され、制御手段(60)に送信することができる。
【0028】
図2のフラット離間状態から、第1表示部(20)の先端側を掴んで、第1表示画面(21)が前方に傾くように第1表示部(20)を引き上げると、図3及び図5(c)に示すように、第1表示画面(21)が第2表示画面(31)に対して傾けることができる。この状態を「チルト状態」と称する。この動作は、一方の手で第2筺体(33)を押さえたまま、他方の手の親指と人差し指等で第1表示部(20)を摘んで引き上げることにより行なうことができる。
上記のように、第1表示部(20)が回動したことは、ポテンショメータ(74)により検知され、制御手段(60)に送信することができる。
【0029】
チルト状態では、第2表示画面(31)を水平に保ったまま、第1表示画面(21)が傾いているから、第1表示画面(21)を視認し易く、例えば、第1表示画面(21)に文字等の情報を表示し、第2表示画面(31)にキーボード等を表示し、第2タッチパネル(32)の操作によって、操作性にすぐれる電子機器(10)とすることができる。
【0030】
チルト状態から図6(a)に示すように、第1表示部(20)を連結機構(40)との連結部分を中心として後方に倒し、さらに、図6(b)に示すように、第1表示部(20)の先端が第2表示部(30)の先端に接近するように下方に押し下げることで、図4及び図6(c)に示すように、第1表示部(20)と第2表示部(30)が、第1表示部(20)を上側とし、第2表示部(30)が視認不能となるように重なった畳み状態とすることができる。
なお、上記のように、第1表示部(20)が回動したことは、ポテンショメータ(74)により検知され、制御手段(60)に送信することができる。
【0031】
畳み状態では、第1表示部(20)のみが視認可能、且つ、第1タッチパネル(22)と表面に露出した操作ボタン(51)(51)のみが操作可能であり、第2表示部(30)は視認できず、また、第2タッチパネル(32)の操作も行なうことはできない。
この畳み状態では、第1表示画面(21)にのみ情報を表示し、第1タッチパネル(22)及び表面に露出した操作ボタン(51)(51)のみを操作する使用状態や、電子機器(10)をコンパクトにできるから、非使用状態や持ち運びに好適である。
【0032】
畳み状態からチルト状態やフラット接近状態へ移行するには、上記とは逆の動作を行なえばよい。
【0033】
一般的な操作においては、制御手段(60)は、第1表示画面(21)及び第2表示画面(31)への情報の表示、第1タッチパネル(22)や第2タッチパネル(32)、操作ボタン(51)(51)からの入力に基づく各種制御、移動検知センサ(70)に基づいて、第1表示画面(21)や第2表示画面(31)に表示される情報を切り替えることができる。
【0034】
制御手段(60)には、情報通知手段(64)(図7参照)が電気的に接続されている。情報通知手段(64)は、オペレーティングシステム又はアプリケーションに関して、ユーザに通知する情報(以下、適宜「ノーティフィケーション」と称する)を格納している。
【0035】
具体的実施例として、ノーティフィケーションの内容(84)は、オペレーティングシステムにより起動する「アラーム(Alarm)」、メールソフトの「新着メッセージの受信(New Message)」、「アプリケーションの更新情報(Application Upload)」、その他、電話の「着信情報の表示」や「不在着信情報の表示」を挙げることができる。
【0036】
また、制御手段(60)には、情報表示手段(63)(図7参照)が電気的に接続されている。情報表示手段(63)は、情報通知手段(64)に格納されたノーティフィケーションの内容(84)を表示手段(21)(31)に表示するものであり、その動作フローをフローチャート図8に示している。
【0037】
具体的実施例として、制御手段(60)が、図9に示すように、1又は複数のアプリケーションを起動し、各アプリケーションを第1表示画面(21)及び第2表示画面(31)に表示している状態や、何れか一方又は両方の表示画面(21)(31)を待ち受け画面としている状態で、情報表示手段(63)は、第1タッチパネル(22)及び/又は第2タッチパネル(32)の所定領域(80)(図9では、第1タッチパネル(22)の上部の領域)をユーザが指(90)等で操作したときに(フローチャート図8のステップ1)、対応する所定領域(80)に図10に示すようにノーティフィケーションバー(81)を表示する(ステップ2)。ノーティフィケーションバー(81)は、ノーティフィケーションが表示される領域(83)(例えば図11参照)の先端に相当する。
【0038】
情報表示手段(63)は、図10に示すノーティフィケーションバー(81)が所定領域(80)に表示されている状態から、ユーザがノーティフィケーションバー(81)を他方の表示画面である第2表示画面(31)に向けて、図11に示すようにフリック(F)又は図12に示すようにドラッグ(D)すると(ステップ3)、図13に示すように、ノーティフィケーションバー(81)を第2表示画面(31)の下端まで移動させて、その移動した軌跡部分となる表示領域(83)に、情報通知手段(64)の格納しているノーティフィケーションの内容(84)を表示する(ステップ4)。
【0039】
これにより、ノーティフィケーションの内容(84)を第1表示画面(21)だけでなく、第2表示画面(31)にまで亘る広い領域に連続して表示することができる。
従って、より多くの情報を表示でき、視認性が高く、的確に情報を認識することができる。また、第2表示画面(31)でアプリケーション等を表示していた場合でも、前記ノーティフィケーションの内容(84)を第2表示画面(31)に亘って表示されるから、ユーザが第2表示画面(31)に先に表示されていたアプリケーション等に関する情報であると取り違えてしまうこともない。
【0040】
第1表示画面(21)と第2表示画面(31)に亘って連続して表示された「ノーティフィケーション」の内容(84)に応じた操作をユーザが行なうことで(ステップ5)、制御手段(60)は該当する操作を実行することができる。ユーザの操作として、「アラーム」の場合は「アラームの停止」や実行すべき「タスク(予定)の表示」、メールソフトの場合は「受信メールの一覧」や「受信メールの表示」、電話の場合は「着信情報の詳細な表示」や「不在着信情報の詳細な表示」、アプリケーションの更新情報の場合はその詳細な内容やダウンロードを例示できる。
操作が完了すると、第2表示画面(31)に操作前に表示していたアプリケーションの情報に表示を戻せばよい(ステップ6)。
【0041】
上記では、第1タッチパネル(22)にノーティフィケーションバー(81)を操作する領域を設けているが、第2表示画面(31)に設けることもでき、この場合、上側の第1表示画面(21)に連続して「ノーティフィケーション」の内容(84)を表示すればよい。
【0042】
また、ノーティフィケーションバー(81)はユーザの視認による操作性を高めるために表示しているものであり、ノーティフィケーションバー(81)を表示画面(21)に表示せず、タッチパネル(22)の前記所定領域(80)に対応するに領域にユーザが触れた状態から、直接他方の表示画面(31)へフリックやドラッグ等の操作することでノーティフィケーションの内容(84)を表示するようにしてもよい。
【0043】
上記では、ノーティフィケーションバー(81)を第2表示画面(31)の下端まで移動させてノーティフィケーションの内容(84)を表示するようにしているが、ノーティフィケーションバー(81)のドラッグ操作を途中で止めることで、ノーティフィケーションバー(81)の移動を途中で止めて、ノーティフィケーションの表示領域(83)を所望の大きさとすることもできる。
【0044】
さらに、図12を用いて説明したノーティフィケーションバー(81)を第2タッチパネル(32)までドラッグする操作において、第1タッチパネル(22)と第2タッチパネル(32)との間に間隔があっても、指(90)で操作した場合には、タッチパネル(22)(32)と接触する面積は比較的大きいため、第1タッチパネル(22)から第2タッチパネル(32)へ跨るドラッグ操作は連続するドラッグ操作であると認識することができる。しかしながら、タッチパネル(22)(32)の間隔が広い場合や、スタイラス等でタッチパネル(22)(32)を操作したときに、タッチパネル(22)(32)間でドラッグ操作の信号が途切れてしまうことがある。このような場合、第1タッチパネル制御部(25)がドラッグ操作の信号を受信した後、所定時間内に第2タッチパネル制御部(35)にドラッグ操作の信号を受信すると、連続するドラッグ操作であると判定するようにしてもよい。
【0045】
本発明は、複数の表示画面(21)(31)を有する電子機器(10)であれば、表示画面(21)(31)どうしが相対的にスライド可能且つ回動可能なものに限定されず適用することができる。例えば、表示画面(21)(31)が相対的にスライド又は回動する電子機器や、1つの筺体上に複数の表示画面(21)(31)が並んで設けられる電子機器等にも適用できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、オペレーティングシステムやアプリケーション等に関する情報を、複数の表示画面に亘り連続して表示することができ、操作性を高めることのできる電子機器として有用である。
【符号の説明】
【0047】
(10) 電子機器
(20) 第1表示部
(21) 第1表示画面
(22) 第1タッチパネル
(30) 第2表示部
(31) 第2表示画面
(32) 第2タッチパネル
(40) 連結機構
(60) 制御手段
(63) 情報表示手段
(64) 情報通知手段
(71) ノーティフィケーションバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示可能な複数の表示画面と、
各表示画面に設けられ、ユーザが操作を行なうタッチパネルと、
表示画面及びタッチパネルに電気的に接続され、表示画面に情報を表示し、タッチパネルへの操作に基づいて表示画面の表示を制御する制御手段と、
該制御手段に電気的に接続され、ユーザへ通知する情報を格納した情報通知手段と、
を具えた電子機器であって、
制御手段に電気的に接続され、ユーザが一方の表示画面に設けられたタッチパネルの所定領域を他方の表示画面に向けて移動させることで、前記情報通知手段に格納された情報を前記所定領域から他の表示画面に亘って連続して表示する情報表示手段を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記情報表示手段は、前記タッチパネルの所定領域を他方の表示画面までドラッグすることで、前記情報通知手段に格納された情報を前記所定領域から他の表示画面に亘って連続して表示するものである請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記情報表示手段は、一方の表示画面に設けられたタッチパネルからドラッグ操作の信号を受信した後、所定時間内に他方の表示画面に設けられたタッチパネルからのドラッグ操作の信号を受信すると、連続するドラッグ操作であると判定する請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
複数の表示画面を相対的に移動可能に連結する連結機構を具える請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電子機器。
【請求項5】
情報を表示可能な複数の表示画面と、
各表示画面に設けられ、ユーザが操作を行なうタッチパネルと、
表示画面及びタッチパネルに電気的に接続され、表示画面に情報を表示し、タッチパネルへの操作に基づいて表示画面の表示を制御する制御手段と、
該制御手段に電気的に接続され、ユーザへ通知する情報を格納した情報通知手段と、
を具えた電子機器の制御方法であって、
制御手段は、ユーザが一方の表示画面に設けられたタッチパネルの所定領域を他方の表示画面に向けて移動させることで、前記情報通知手段に格納された情報を前記所定領域から他の表示画面に亘って連続して表示することを特徴とする電子機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−190318(P2012−190318A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54031(P2011−54031)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】