電子機器
【課題】電子機器の大型化を回避しつつ、蓋部材の開放を行える技術を提供する。
【解決手段】本体2に着脱自在又は開閉自在に取り付けられる蓋部材3と、蓋部材3を前記本体2にロックするロック機構4と、押圧操作され、押圧力の大きさに応じて、当該電子機器1が実行し得る動作のうち何れかを割り当て可能な1又は複数の操作部5とを備えた。また、操作部5で前記動作の割り当てが可能な最大の押圧力(最大押圧力)F1以上の押圧力で操作部5が操作されると、ロック機構4のロック解除が行われるようにした。
【解決手段】本体2に着脱自在又は開閉自在に取り付けられる蓋部材3と、蓋部材3を前記本体2にロックするロック機構4と、押圧操作され、押圧力の大きさに応じて、当該電子機器1が実行し得る動作のうち何れかを割り当て可能な1又は複数の操作部5とを備えた。また、操作部5で前記動作の割り当てが可能な最大の押圧力(最大押圧力)F1以上の押圧力で操作部5が操作されると、ロック機構4のロック解除が行われるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部に対する操作によって所定の処理や動作を行う電子機器であって、例えば電池収納部などの凹部の内部を開放したり閉塞したりするための蓋部材(カバー)が本体に着脱自在又は開閉自在に取り付けられる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、電池が着脱自在に収納可能な電池収納部を有する電子機器において、前記電池収納部を覆う電池蓋が不測に開放して電池が脱落するのを防止することを目的として、前記電池蓋を取り外す際に、所定の釦(操作釦)を押圧する操作と電池蓋をスライドさせる操作とをユーザに課し且つそれらの2つの操作を両手の指で行わせるようにした技術が開示されている。
【0003】
具体的には、下記特許文献1の電子機器は、前記操作釦の押圧操作によって、該操作釦に一体的に設けられたロック爪と前記電池蓋との係合が解除され、そのロック爪による電池蓋のスライド規制が解除される。また、前記電子機器は、その状態から電池蓋をスライドさせる際に、本体側に設けられた突起と前記電池蓋に設けられた突片との係合(補助ロック)が解除され、これにより、電子機器の表面上に設けられた回転軸周りの電池蓋の回動が可能となり、電池蓋を回動させることで電池蓋を取り外すことが可能となるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−233090号公報(1999年08月27日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1においては、電池蓋が不測に開放するのを防止するための部材(操作釦)を別途設けている。したがって、前記特許文献1の技術においては、その部材の分、電子機器の大型化を招来することとなったり、又は、更なる小型化が制限されることとなったりする。
【0006】
特に、携帯電話や電子辞書などのポータブルな電子機器における近年の小型化は目覚しく、このような電子機器に前述のような操作釦を付加しようとすると、機器全体の大きさや形状に大きく影響を与え、商品の魅力を低下させる要因となり得る。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、電子機器の大型化を回避しつつ、蓋部材の開放を行える技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、本体に着脱自在又は開閉自在に取り付けられる蓋部材と、前記蓋部材を前記本体にロックするロック機構と、押圧操作され、押圧力の大きさに応じて、当該電子機器が実行し得る動作のうち何れかを割り当て可能な操作部とを備え、前記操作部で前記動作の割り当てが可能な最大の押圧力を最大押圧力とするとき、前記最大押圧力より大きな押圧力で前記操作部が操作されると、前記ロック機構のロック解除が行われることを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、同じ操作部に、電子機器が実行し得る予め定められた動作の実行指示を入力する機能(以下、通常機能という)と、前記ロック機構のロック解除を行わせる機能(以下、ロック解除機能という)とを持たせたので、前記通常機能を持つ操作部と前記ロック解除機能をもつ操作部とを別個に設ける構成のように電子機器の大型化を招来することなく、前記ロック機構のロック解除を電子機器に行わせることができる。
【0010】
また、前記電子機器は、前記操作部が複数備えられており、前記ロック機構が前記操作部に対応してそれぞれ設けられており、前記複数の操作部全てに対して、前記最大押圧力より大きな押圧力で押圧操作がなされたとき、前記蓋部材の全ての前記ロック機構のロック解除が行われる態様を採り得る。
【0011】
この構成によれば、考えられうる前記複数の操作部に対する操作パターンの中で、前記複数の操作部全てに対し前記最大押圧力より大きな押圧力で押圧操作がなされる操作パターンを除く複数の操作パターンに対し、電子機器が実行し得る動作を複数割り当てることが可能となる。
【0012】
また、前記電子機器は、前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力未満の場合、ロック解除に関する動作が行われる態様を採り得る。
【0013】
前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力未満の場合、ユーザは蓋部材を取り外そうとしている若しくは開放しようとしている可能性は大きいが、単に、操作部に割り当てられた動作を電子機器に実行させようという操作である可能性もある。すなわち、前記最大押圧力未満の押圧力で押圧される前記残余の操作部については、偶然若しくは無意識的に手や指があたって押圧されているという状況であることも考えられる。
【0014】
このような場合に、何の報知も無く蓋部材が本体から外れたり開放したりすると、ユーザにとって意に反した状況となる。
【0015】
また、ユーザが意図的に蓋部材を取り外したり開放したりしようとしているとしても、ユーザの予想よりも早く蓋部材が外れた若しくは開放した場合、ユーザにとって意に反した状況となることも考えられる。
【0016】
そこで、前記構成のように、前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力未満のとき、すなわち、残余の操作部に対応するロック機構もロック解除される前(全てのロック機構がロック解除される前)に、前記ロック解除に関する動作が行われるようにしている。これにより、全てのロック機構がロック解除される前、すなわち蓋部材が本体から外れたり開放したりする前に、ロック解除に関する動作を行うことができる。
【0017】
前記ロック解除に関する動作として、例えば、前記ロック解除に伴って(蓋部材が本体から外れる又は開放することに伴って)発生し得る不都合や意に反する状況が発生し得ることをユーザに認識させる動作とすることが考えられる。これにより、前記ロック解除に伴って発生し得る不都合や意に反する状況が発生するのを未然に防止することが可能となる。
【0018】
また、前記電子機器は、前記複数の操作部全てに対し、予め定められた設定押圧力以上で、且つ、前記最大押圧力未満の押圧力で押圧操作がなされた場合、ロック解除に関する動作が行われる態様を採り得る。
【0019】
前記設定押圧力以上で、且つ、前記最大押圧力未満の押圧力で前記複数の操作部全てに対して押圧している場合、ユーザは蓋部材を取り外そうとしている若しくは開放しようとしている可能性は高いが、単に、操作部に割り当てられた動作を電子機器に実行させようという操作である可能性もある。すなわち、複数の操作部のうち一部の操作部については動作を電子機器に実行させるべく押圧され、残余の操作部については、偶然若しくは無意識的に手や指があたって押圧されているという状況であることも考えられる。
【0020】
このような場合に、何の報知も無く蓋部材が本体から外れたり開放したりすると、ユーザにとって意に反した状況となり得る。
【0021】
また、ユーザが意図的に蓋部材を取り外したり開放したりしようとしているとしても、ユーザの予想よりも早く蓋部材が外れた若しくは開放した場合、ユーザにとって意に反した状況となることも考えられる。
【0022】
そこで、前記構成のように、前記複数の操作部全てに対し、予め定められた設定押圧力以上で、且つ、前記最大押圧力未満の押圧力で押圧操作がなされたとき、すなわち、前記複数の操作部全てに対する押圧力が全て前記最大押圧力より大きくなる前(全てのロック機構がロック解除される前)に、前記ロック解除に関する動作が行われるようにしている。これにより、全てのロック機構がロック解除される前、すなわち蓋部材が本体から外れたり開放したりする前に、ロック解除に関する動作を行うことができる。
【0023】
前記ロック解除に関する動作として、前記ロック解除に伴って(蓋部材が本体から外れる又は開放することに伴って)発生し得る不都合や意に反する状況が発生し得ることをユーザに認識させる動作とすることが考えられる。これにより、前記ロック解除に伴って発生し得る不都合や意に反する状況が発生するのを未然に防止することが可能となる。
【0024】
また、前記電子機器は、電池が着脱可能な電池収納部を有し、前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が、前記最大押圧力より小さい予め定められた設定押圧力未満の場合、前記ロック解除に関する動作として、前記電池収納部に収納されている電池の現在の充電量に関する報知を行う態様を採り得る。
【0025】
前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、残余の操作部に対する押圧力が、前記最大押圧力より小さい予め定められた設定押圧力未満の場合、現時点における電池の充電量が十分であるにも拘らずユーザは前記充電量が少なくなっていると勘違いして蓋部材を取り外そうとしている場合が有り得ると考えられる。
【0026】
ここで、前記構成においては、蓋部材を本体から取り外す若しくは開放すると、前記電池収納部から電池がユーザの意に反して脱落する可能性がある。
【0027】
そこで、前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が前記設定押圧力未満の場合、前記電池収納部に収納されている電池の充電量に関する報知を行うようにすることで、蓋部材が取り外される前に、前記のようなユーザに電池の充電量を操作者に報知することができる。
【0028】
これにより、電池の脱落を招く可能性のある蓋部材の取外しや開放が行われるのを未然に防止又は低減することが可能となる。
【0029】
また、前記電子機器は、電池が着脱可能な電池収納部を有し、前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が予め定められた設定押圧力以上前記最大押圧力未満の場合、前記ロック解除に関する動作として、前記蓋部材の取り外しを禁止する旨の報知を行う態様を採り得る。
【0030】
前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が前記設定押圧力以上前記最大押圧力未満の場合、蓋部材が取り外される直前の状態であると考えられる。蓋部材が取り外されると、前記電池収納部から意に反して電池が脱落する可能性がある。記憶媒体へのデータの書込みが行われている途中で、前記電池収納部から意に反して電池が脱落した場合、適切なデータの書込み処理の終了処理や中断処理が実施されないまま、データの書込み処理が中断されることになる。この場合、適切な記憶媒体に未だ書込みを行っていないデータが破壊される可能性がある。
【0031】
そこで、前記蓋部材の取り外しを禁止する旨の報知を行うことで、電池の脱落を招く可能性のある蓋部材の取外しや開放が行われるのを未然に防止又は低減することが可能となる。
【0032】
また、前記電子機器は、電池が着脱可能な電池収納部を有し、前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、前記ロック解除に関する動作として、前記電池収納部からの前記電池の脱落注意の報知を行う態様を採り得る。
【0033】
前記複数の操作部全てに対する押圧力が前記最大押圧力未満、且つ、前記設定押圧力以上の押圧力で全ての操作部を押圧している場合、ユーザは蓋部材を取り外そうとしている可能性が高いが、単に、操作部に割り当てられた動作を電子機器に実行させようという操作である可能性もある。すなわち、複数の操作部のうち一部の操作部については動作を電子機器に実行させるべく押圧され、残余の操作部については、偶然若しくは無意識的に手や指があたって押圧されているという状況であることも考えられる。
【0034】
このような場合に、何の報知も無く蓋部材が本体から外れたり開放したりすると、この蓋部材の動きがユーザにとって意に反した状況となり得るばかりでなく、電池収納部の開放によって電池が電池収納部から脱落するという意に反した状況も生じうる。
【0035】
また、ユーザが意図的に蓋部材を取り外したり開放したりしようとしているとしても、ユーザの予想よりも早く蓋部材が外れた若しくは開放した場合、この蓋部材の動きがユーザにとって意に反した状況となるだけでなく、電池収納部の開放によって電池が電池収納部から脱落するという意に反した状況も生じうる。
【0036】
そこで、前記構成によれば、前記複数の操作部全てに対し、予め定められた設定押圧力以上で前記最大押圧力未満の押圧力で押圧操作がなされたときには、前記電池収納部からの前記電池の脱落注意を報知することで、前記複数の操作部に対する押圧力を現状からさらに大きくすると蓋部材が外れ電池が電池収納部から脱落する虞があるということをユーザに認識させることができる。
【0037】
これにより、電池が電池収納部から脱落する状況が発生するのを未然に防止することが可能となる。
【0038】
また、前記電子機器は、前記操作部は、前記押圧力が前記最大押圧力より小さい予め定められた設定押圧力又は前記設定押圧力以上でオンとなるスイッチを有し、前記操作部のスイッチがオンとなっている時間を検出する時間検出部と、前記操作部についての前記時間検出部の検出時間が予め定められた時間を超えると、当該操作部が前記最大押圧力以上の押圧力で操作されたものと判断する判断部とを備える態様を採り得る。
【0039】
この発明によれば、最大押圧力以上の押圧操作がなされたことを機械的に検知するのではなく、前記最大押圧力より小さい予め定められた設定押圧力又は前記設定押圧力以上でオンとなる前記スイッチのオン時間を検出するようにしたので、前記最大押圧力以上の押圧力による押圧操作がなされたことを機械的に検知するための機械的構成を別途設ける必要が無く、その分、コストを抑制することができる。
【0040】
また、前記電子機器は、電池が着脱可能な電池収納部を有し、前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、記憶媒体へのデータの書込みを行っている途中で、前記複数の操作部全てに対し、前記最大押圧力以上の押圧力で押圧操作がなされたとき、前記記憶媒体へのデータの書込みを前記途中で終了する態様を採り得る。
【0041】
記憶媒体へのデータの書込みが行われている途中で、前記電池収納部から意に反して電池が脱落した場合、適切なデータの書込み処理の終了処理や中断処理が実施されないまま、データの書込み処理が中断されることになる。この場合、適切な記憶媒体に未だ書込みを行っていないデータが破壊される可能性がある。
【0042】
そこで、前記構成のように、記憶媒体へのデータの書込みを行っている途中で、前記複数の操作部全てに対し前記最大押圧力以上の押圧力で押圧操作がなされた場合には、前記記憶媒体へのデータの書込みを前記途中で終了するようにする(前記終了処理や中断処理を実施する)ことで、前記のようなデータの破壊を防止することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明に係る電子機器は、本体に着脱自在又は開閉自在に取り付けられる蓋部材と、前記蓋部材を前記本体にロックするロック機構と、押圧操作され、押圧力の大きさに応じて、当該電子機器が実行し得る動作のうち何れかを割り当て可能な操作部とを備え、前記操作部で前記動作の割り当てが可能な最大の押圧力を最大押圧力とするとき、前記最大押圧力より大きな押圧力で前記操作部が操作されると、前記ロック機構のロック解除が行われるものである。
【0044】
この構成によれば、通常機能を持つ操作部とロック解除機能をもつ操作部とを別個に設ける構成のように電子機器の大型化を招来することなく、前記ロック機構のロック解除を電子機器に行わせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子機器を説明するためのブロック図である。
【図2】前記電子機器の外観図(正面図、平面図、側面図)である。
【図3】前記電子機器のスライド部がスライド位置に位置する状態の一例を示す図である。
【図4】前記電子機器のベース部の説明図であり、(a)は、蓋部材を取り外した状態における本体の背面の外観図を示し、(b)は、蓋部材の内面(本体側の面)の外観図を示す。
【図5】前記電子機器の操作部における図2のA−A線矢視断面図である。
【図6】前記電子機器のロック機構における図2のB−B線矢視断面図である。
【図7】前記電子機器の操作部の動作を示す図である。
【図8】前記電子機器の操作部の動作を示す図である。
【図9】前記電子機器のロック機構の動作を示す図である。
【図10】前記電子機器のテーブル記憶部に記憶されている動作テーブルの一例を示す図である。
【図11】前記電子機器の電子機器における第1及び第2操作部の操作状況に応じた処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る電子機器の一実施形態について説明する。図1は、本発明に係る電子機器を説明するためのブロック図である。
【0047】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る電子機器1は、本体2に着脱自在又は開閉自在に取り付けられる蓋部材3と、蓋部材3を本体2にロックするロック機構4と、押圧操作され、押圧力の大きさに応じて、当該電子機器1が実行し得る動作のうち何れかを割り当て可能な1又は複数の操作部5とを備えている。
【0048】
操作部5で前記動作の割り当てが可能な最大の押圧力を最大押圧力F1とする。また、操作部5から操作信号が出力されない状態から操作信号が出力される状態に切り替わるときの押圧力を設定押圧力F2とする。すなわち、設定押圧力F2は、前記動作の割り当てが可能な最小の押圧力に相当する。
【0049】
この場合、電子機器1は、最大押圧力F1より大きな押圧力で全ての操作部5が操作されると、全てのロック機構4のロック解除が行われて、蓋部材3が取り外せる、若しくは開放するようになっている。
【0050】
このように、本発明に係る電子機器1においては、同一の操作部5に、電子機器1が実行し得る動作のうち予め定められた動作の実行指示を入力するためのものとしての機能(以下、通常機能という)と、ロック機構4による蓋部材3のロック解除を行わせるためのものとしての機能(以下、ロック解除機能という)とを持たせている。
【0051】
これにより、前記通常機能を持つ操作部と前記ロック解除機能をもつ操作部とを別個に設ける構成のように電子機器1の大型化を招来することなく、ロック機構4のロック解除を電子機器1に行わせることができる。
【0052】
図2は、電子機器1の外観図(正面図、平面図、側面図)である。
【0053】
図2に示すように、電子機器1は、携帯性を有する機器とされており、ベース部6とスライド部7とを有する。ベース部6及びスライド部7はいずれも平板体とされている。説明の都合上、スライド部7から説明を行う。
【0054】
スライド部7は、ベース部6に沿った所定の平面(以下、スライド面という)上でスライド可能にベース部6に取り付けられており、図2に示すようにスライド部7全体がベース部6と対向する対向位置と、スライド部7の一部がベース部6からはみ出るスライド位置との間でスライドし得るようになっている。図3は、スライド部7がスライド位置に位置する状態の一例を示す図である。
【0055】
スライド部7には、表示部11が搭載されており、スライド部7の表面(ベース部6と対向する側と反対側の面)に、表示部11の表示画面が設けられている。表示部11としては、LCD(Liquid Crystal Display)や有機材料の電界発光(Electroluminescence)を利用した有機EL表示装置などが採用可能である。
【0056】
一方、ベース部6は、スライド部7と対向する面に、複数のボタンからなるボタン群15を備えており、ユーザがスライド部7を前記スライド位置にスライドさせると、図3に示すように、ボタン群15が露出する。このとき、ユーザは、ボタン群15に対する操作が可能となる。なお、図3には、パーソナルコンピュータのキーボードを模した複数のボタンからなるボタン群15を示しているが、これに限定されるものではない。
【0057】
ベース部6の適所(図2では下側部)には、ICカード(例えばSDカードなど)の外部記憶媒体(記憶媒体の一例)Mが挿し込み可能な媒体挿入口8が形成されている。媒体挿入口8の奥側には、図略の端子が設けられており、外部記憶媒体Mが媒体挿入口8に所定量挿し込まれると、該外部記憶媒体Mの端子と媒体挿入口8の奥側に形成された端子とが接触し、ベース部6に設置された後述する全体制御部18(図1参照)と外部記憶媒体Mとの間で通信可能な状態となる。
【0058】
ベース部6の上部(両肩部)には、複数(ここでは2つとする)の操作部5a,5b(以下、第1操作部5a及び第2操作部5bという)が設けられている。なお、本実施形態においては、第1操作部5a及び第2操作部5bは、同様の構成を有している。第1及び第2操作部5a,5bは、それぞれボタン30を有し、図2に示すように、ボタン30が外部に露出している。本実施形態においては、ボタン30は、電子機器1の上部から下部に向けて押し込まれる。
【0059】
第1及び第2操作部5a,5bには、当該電子機器1が実行し得る動作や処理(以下、単に動作という)が割り当て可能となっており(対応付け可能となっており)、前記動作のうち予め定められた処理が割り当てられている(対応付けられている)。第1及び第2操作部5a,5bは、基本的には、その予め定められた動作の実行を指示するためのものとして機能する。
【0060】
すなわち、第1操作部5aは、第1操作部5aのボタン30に対して通常の押圧力(設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力)による比較的短時間(この時間については後述する)の押圧操作(以下、この操作を浅押しという)が単独で行われたときには、第1操作部5aに予め割り当てられた動作の実行を指示するためのものとして機能する。第2操作部5bについても同様である。
【0061】
ただし、本実施形態に係る電子機器1は、第1操作部5aのボタン30や第2操作部5bのボタン30に対する押圧操作の押圧力が一定値(最大押圧力F1)以上の場合や、第1及び第2操作部5a,5bの両ボタン30が同時に押圧された場合には、第1及び第2操作部5a,5bが単独で浅押しされた場合の動作と異なる予め定められた動作を行うように構成されている。
【0062】
第1及び第2操作部5a,5bに対してどのような操作が行われたときにどのような処理を実行するかについては予め規定されており、本実施形態に係る電子機器1は、この規定内容を動作テーブル(図10参照)として予め記憶している。なお、ここでは、電子機器1が前記動作テーブルを記憶しているが、外部記憶媒体Mに動作テーブルを格納して、この外部記憶媒体Mが電子機器1に装着されたときに、電子機器1が外部記憶媒体Mの動作テーブルを参照する形態も想定される。電子機器1は、前記動作テーブルにしたがって、第1及び第2操作部5a,5bに対する操作状況に応じた処理や動作を行う。この点については後述する。
【0063】
図4は、ベース部6の説明図であり、(a)は、蓋部材3を取り外した状態における本体2の背面の外観図を示し、(b)は、蓋部材3の内面(本体2側の面)の外観図を示している。
【0064】
図4に示すように、ベース部6は、本体2と蓋部材3とを有する。
【0065】
蓋部材3は、本体2の背面の略全体を覆う部材とされており、本体2に対して着脱可能に構成されている。なお、本実施形態では、蓋部材3として、本体2に着脱可能に構成された蓋部材が採用されているが、これに限られず、開閉可能に構成された蓋部材を採用してもよい。開閉可能に構成された蓋部材は、例えば、該蓋部材の一側部が本体2に回動自在に支持されており、本体2の背面を覆う閉塞位置と、本体2の背面が外部に露出する開放位置との間で蓋部材3が回動し得る構成が想定される。
【0066】
本体2の背面には、図略の電池を収納するための電池収納部14が形成されている。本実施形態においては、蓋部材3は、電池収納部14を開放及び閉塞するためのバッテリーカバーとして機能する。電池収納部14は、本体2に蓋部材3が装着されているときには該蓋部材3によって覆われて閉塞される。一方、本体2から蓋部材3が取り外されると、電池収納部14が外部に露出して開放される。
【0067】
この露出した電池収納部14に電池が装着されることで、電子機器1は、該電池から電力が供給され、種々の処理や動作が実行可能となる。
【0068】
本体2と蓋部材3との間には、蓋部材3を本体2にロックするためのロック機構4が設けられている。本実施形態においては、ロック機構4は、第1操作部5a及び第2操作部5bのそれぞれに対応して設けられているが、これに限定されるものではない。ロック機構4としては、具体的には例えば次のような構造が採用可能である。なお、第1操作部5aに対応するロック機構4と、第2操作部5bに対応するロック機構4とは同様の構成を有するので、ここでは、第1操作部5aに対応するロック機構4の構成について説明する。
【0069】
図5は、ボタン30の押圧方向(移動方向)に平行な面であって前記スライド面に直交する面を切断面として該切断面で第1操作部5aを切断したときの第1操作部5aの断面図であり、電子機器1の第1操作部5aにおける図2のA−A線矢視断面図である。
【0070】
図5に示すように、第1操作部5aは、ユーザにより押圧操作されるボタン30の他、スイッチ31を有する。スイッチ31は、ボタン30の可動領域における一端部に配置され、ボタン30と接触し得るようになっている。
【0071】
ボタン30は、該ボタン30の上方から下方に向けて押圧される部材であり、上下方向に移動し得るように構成されている。ボタン30は、押圧操作によって本体2内部に入り込む。そして、ボタン30の押圧力が予め定められた押圧力F2(以下、設定押圧力F2という)となると、ボタン30はスイッチ31と接触し該スイッチ31を押圧する。これにより、スイッチ31がオンとなる。スイッチ31は、オンとなると、ボタン30が操作されたことを示す信号(操作信号)が後述する全体制御部18(図1参照)に出力される。
【0072】
また、第1操作部5aは、ボタン30及びスイッチ31の他、サポート板32、ホルダー33及びスプリング34を有する。
【0073】
サポート板32は、2つの平板体が互いに端部同士で直交してなる断面L字形状の部材とされている。以下、サポート板32のうち一方の平板体で構成される部位を第1平板部32a、他方の平板体で構成される部位を第2平板部32bという。
【0074】
サポート板32は、第1平板部32aがボタン30の移動方向(押圧方向)に対して直交する平面に沿う姿勢で配設されている。第1平板部32aの上下両面のうち上面(ボタン30側の面)にスイッチ31が設置されている。
【0075】
一方、本体2を構成する本体フレーム35は、前記スライド面に平行な壁面を有する。第2平板部32bは、常時、その壁面に接触している。これにより、サポート板32は、本体フレーム35(の壁面)にガイドされつつボタン30の移動方向に移動し得る。
【0076】
本体フレーム35は、適所から蓋部材3側に突出して形成された支持プレート部35aを有する。
【0077】
ホルダー33は、例えば中空の箱型を成し、サポート板32のうち第1平板部32aの直下に配設されている。ホルダー33は、その上面部33aが、サポート板32(第1平板部32a)の第1平板部32aの上下両面のうち下面(ボタン30と反対側の面)に接続されて、サポート板32と一体的に連動する。
【0078】
一方、ホルダー33の内部を、本体フレーム35の支持プレート部35aが貫通している。ホルダー33の底面部33b(図5参照)は、前記貫通している支持プレート部35aと当接し得るようになっている。
【0079】
支持プレート部35aとホルダー33の上面部33aとの間には、スプリング34が収縮状態で配設されている。電子機器1における支持プレート部35aの絶対位置は不変であるため、スプリング34のうち、支持プレート部35aに支持されている側の端部が固定端となる一方、ホルダー33の上面部33aに支持されている側の端部が自由端となる。
【0080】
したがって、ホルダー33の上面部33はスプリング34により弾性的にボタン30側に付勢されており、ホルダー33は、支持プレート部35aに対して相対移動可能となっている。
【0081】
そして、ホルダー33の底面部33aが支持プレート部35aと当接するとき、この当接によって、スプリング34の付勢力に因るホルダー33の上方への移動が規制される。これにより、サポート板32及びスイッチ31は、上方への移動が所定の位置で規制される。
【0082】
なお、ホルダー33は、本体フレーム35に形成された図略のガイド部によりボタン30の押圧方向における移動がガイドされているため、ボタン30の移動方向においてのみ移動し得る。
【0083】
図6は、前記切断面で第1操作部5aに対応するロック機構4を切断したときの該ロック機構4の構成を示す断面図であり、電子機器1のロック機構4における図2のB−B線矢視断面図である。
【0084】
ロック機構4は、蓋部材3とホルダー33との間に構成されている。ロック機構4は、例えば係合構造を有するものとされる。具体的には、図6に示すように、蓋部材3には、本体2への装着状態において本体2側に突出する突出部3gを有する。突出部3gの先端には、下方(突出部3gの突出方向に対して直交し、ボタン30と反対側に突出する方向)に突出する係合爪3rが形成されている。一方、ホルダー33の適所には、下方に凹んだ係合凹部33bが形成されている。
【0085】
ホルダー33が初期位置(ボタン30が押圧されていないときのホルダー33の位置)に位置するとき、蓋部材3における突出部3gの係合爪3rとホルダー33の係合凹部33bとが係合し得るようになっており、これらが係合することで、蓋部材3が本体2にロックされる。
【0086】
このような構成を有する第1操作部5a及びロック機構4は、ボタン30の押圧によって次のように動作する。図7,図8は、第1操作部5aの動作の説明図、図9は、ロック機構4の動作の説明図である。
【0087】
まず、ボタン30が押圧される前の時点(図5に示す状態)で蓋部材3が本体2に装着されているものとすると、蓋部材3に形成された突出部3gの係合爪3rとホルダー33の係合凹部33bとが係合している。これにより、蓋部材3は本体2にロックされている。
【0088】
そして、図7に示すように、ボタン30が押圧され、その押圧力Fが、設定押圧力F2以上である場合、ボタン30が下方(押圧方向)に移動し、ボタン30の下端がスイッチ31に当接する。このとき、スイッチ31がオンされ、ボタン30が操作されたことを示す信号(操作信号)が後述する全体制御部18(図1参照)に出力される。一方、ロック機構4においては、この時点ではロックが解除されず、ロック状態が維持される。
【0089】
この状態から、図8に示すように、ボタン30の押圧力Fが更に強められると、スイッチ31をオンしたまま、スイッチ31,サポート板32及びホルダー33がスプリング34の付勢力に抗してさらに下方に移動する。
【0090】
ロック機構4においては、最大押圧力F1より大きくなると、ホルダー33の下方への移動量が所定量に達し、図9に示すように、蓋部材3に形成された突出部3gの係合爪3rと、ホルダー33の係合凹部33bとの係合が解除される。すなわち、ロック機構4によるロックが解除される。
【0091】
このような構成を有するロック機構4が第1操作部5aだけでなく第2操作部5bにも対応して設けられている。
【0092】
したがって、第1操作部5aのボタン30も第2操作部5bのボタン30も、最大押圧力F1より大きな押圧力で押圧された場合に、第1操作部5aに対応するロック機構4のロックも、第2操作部5bに対応するロック機構4のロックも解除され、蓋部材3が本体2から取り外し可能となる。
【0093】
図4に示すように、ベース部6には、撮像部16が搭載されている。撮像部16は、撮影レンズ16aを有し、撮影レンズ16aは、光軸がベース部6の背面の法線方向と平行となるようにベース部6の背面側に設置されている。なお、蓋部材3のうち撮影レンズ16aに対応する位置には穴部3Hが形成されている。蓋部材3が本体2に装着される際には、撮影レンズ16aは穴部3Hを貫通する。
【0094】
次に、本実施形態に係る電子機器1の電気的構成について説明する。本実施形態に係る電子機器1は、図1に示す電気的構成を有する。
【0095】
図1に示すように、電子機器1は、表示部11、撮像部16、ユーザI/F部17と、全体制御部18とを備える。
【0096】
ユーザI/F部17は、前述したボタン群15、第1操作部5a及び第2操作部5bを含むものである。
【0097】
全体制御部18は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(Central Processing Unit)と、前記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の内部記憶部22とを備えており、電子機器1を統括的に制御するものである。全体制御部18は、例えばベース部6に搭載されている。
【0098】
全体制御部18は、内部記憶部22又は外部記憶媒体Mに格納された所定のプログラムをCPUが実行することにより、第1計測部19と、第2計測部20と、判断部21と、第1AP(アプリケーション)実行部23と、第2AP実行部24と、データ書込部25と、表示制御部26として機能する。
【0099】
第1計測部19は、第1操作部5aのスイッチ31からの操作信号に基づき、第1操作部5aのスイッチ31がオンされた時間(以下、操作時間という)T1を計測するものである。第2計測部20は、第2操作部5bのスイッチ31からの操作信号に基づき、第2操作部5bのスイッチ31がオンされた時間(操作時間)T2を計測するものである。第1計測部19、第2計測部20及びスイッチ31は、時間検出部を構成する。
【0100】
内部記憶部22は、第1操作部5a及び第2操作部5bの操作パターンと当該電子機器1の動作との関係を示す動作テーブルを記憶するテーブル記憶部22aを有する。図10は、テーブル記憶部22aに記憶されている前記動作テーブルの一例を示す図である。
【0101】
図10に示す動作テーブルにおいては、第1操作部5a及び第2操作部5bの操作パターンとして以下の8つの操作パターン(1)〜(8)が想定されている。
【0102】
(1)第1操作部5aが、設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力で押圧され、且つ、第2操作部5bが、操作されていないか設定押圧力F2未満の押圧力で押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(1)という)。
【0103】
(2)第2操作部5bが、設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力で押圧され、且つ、第1操作部5aが、操作されていないか設定押圧力F2未満の押圧力で押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(2)という)。
【0104】
(3)第1操作部5aも第2操作部5bも、設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力で同時並行的に押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(3)という)。
【0105】
(4)第1操作部5aが、最大押圧力F1以上の押圧力で押圧され、且つ、第2操作部5bが、操作されていないか設定押圧力F2未満の押圧力で押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(4)という)。
【0106】
(5)第2操作部5bが、最大押圧力F1以上の押圧力で押圧され、且つ、第1操作部5aが、操作されていないか設定押圧力F2未満の押圧力で押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(5)という)。
【0107】
(6)第1操作部5aが、最大押圧力F1以上の押圧力で押圧され、且つ、第2操作部5bが、設定押圧力F2以上で最大押圧力F1未満の押圧力で押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(6)という)。
【0108】
(7)第2操作部5bが、最大押圧力F1以上の押圧力で押圧され、且つ、第1操作部5aが、設定押圧力F2以上で最大押圧力F1未満の押圧力で押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(7)という)。
【0109】
(8)第1操作部5aも第2操作部5bも、最大押圧力F1以上の押圧力で同時並行的に押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(8)という)。
【0110】
なお、図6においては、操作されていないか設定押圧力F2未満の押圧力で押圧されている操作を「×」で表している。設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力でボタン30を押圧する操作を「△」で表している。この操作が前記浅押しである。また、最大押圧力F1以上の押圧力でボタン30を押圧する操作を「○」で表している。以下、この操作を深押しという。
【0111】
そして、図10に示す動作テーブルには、前記操作パターン(1)〜(8)につき、どのような処理を実行するかが規定されている。
【0112】
すなわち、図10に示す動作テーブルにおいては、操作パターン(1)が発生した場合には、第1アプリケーション(以下、第1APという)を実行すべきである(以下、動作(A)という)ことが規定され、操作パターン(2)の場合には、第2アプリケーション(以下、第2APという)を実行すべきである(以下、動作(B)という)ことが規定されている。
【0113】
なお、前記第1APとしては、例えば当該電子機器1で実行し得る動作の中から所望の動作をユーザに選択させ(メニュー選択させて)、その選択を受け付けるアプリケーションが想定される。前記第2APとしては、例えば当該電子機器1で撮像部16を用いた撮影処理を行うためのアプリケーションが想定される。
【0114】
また、図10に示す動作テーブルにおいては、操作パターン(3)が発生した場合は、ロック解除に関する動作を実行すべきである(以下、動作(C)という)ことが規定されている。操作パターン(3)で実行すべきとされる動作(C)の一例として、例えば電池脱落注意表示処理が想定される。電池脱落注意表示処理とは、第1及び第2操作部5a,5bを設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力で同時並行的に押圧した状態から、仮にその押圧力を増大させて、押圧力が最大押圧力F1より大きくなった場合に、蓋部材3が本体2から外れ、意に反して電池が電池収納部14から脱落する可能性がある旨の注意を表示する処理である。
【0115】
また、図10に示す動作テーブルにおいては、操作パターン(4)が発生した場合は、ロック解除に関する他の動作を実行すべきである(以下、動作(D)という)ことが規定されている。操作パターン(4)で実行する動作(D)の一例として、例えば電池収納部14に収納されている電池の現在の充電量を報知する動作(以下、充電量報知動作という)が想定される。
【0116】
また、図10に示す動作テーブルにおいては、操作パターン(5)が発生した場合は、ロック解除に関する別の動作を実行する(以下、動作(E)という)ことが規定されている。操作パターン(5)で実行する動作(E)の一例として、例えば現時点で電池の充電を行った場合に、満充電になるまでに要すると予測される時間(電池充電予測時間)を報知する動作(以下、充電予測時間報知動作という)が想定される。
【0117】
また、図10に示す動作テーブルにおいては、操作パターン(6),(7)が発生した場合は、ロック解除に関する他の動作を実行することが規定されている。ここでは、操作パターン(6),(7)が発生した場合に実行すべきロック解除に関する他の動作は、操作パターン(6)が発生した場合も操作パターン(7)が発生した場合も同じ動作(F)とされている。動作(F)の一例として、「データ書込み中ですので、電池蓋(蓋部材3)を外さないでください」とのメッセージを出力して、蓋部材3の取り外しを禁止する旨を警告する動作(以下、アラート動作という)が想定される。
【0118】
また、図10に示す動作テーブルにおいては、操作パターン(8)が発生した場合は、外部記憶媒体Mへの書込みを終了(中止)する動作を実行すべきである(以下、動作(G)という)ことが規定されている。
【0119】
ここで、本実施形態では、ボタン30の押圧力が実際に最大押圧力F1以上であることを検出するのではなく、すなわち、最大押圧力F1以上であることを検知するためのセンサやスイッチを設けず、設定押圧力F2を検出するためのスイッチ31が押下されている時間が基準値より長いことをもってボタン30の押圧力が最大押圧力F1以上であるとみなしている。
【0120】
ボタン30の押圧力が最大押圧力F1以上になっていることを、センサやスイッチを用いて検出する形態が基本形態であるが、本実施形態では、センサやスイッチを省略することによるコスト削減を図るために、スイッチ31の押下時間が基準値より長いことをもってボタン30の押圧力が最大押圧力F1以上であるとみなすようにしている。
【0121】
データ書込部25は、媒体挿入口8に挿し込まれている外部記憶媒体Mに各種のデータの書込みを行うものである。データ書込部25は、判断部21により動作(8)(外部記憶媒体Mへのデータの書込み終了(中止)の実行)を行うべきであると判断されると、動作(8)を実行する。外部記憶媒体Mに書き込まれるデータとしては、例えば撮像部16により撮影された画像データが想定される。
【0122】
表示制御部26は、表示部11の表示動作を制御するものである。表示制御部26は、判断部21により動作(3)〜(7)を行うべきであると判断されると、動作(3)〜(7)(ロック解除に関する表示動作)を行うものである。
【0123】
例えば、表示制御部26は、判断部21により電池脱落注意表示動作を行うべきであると判断される(操作パターン(3)の場合)と、電池脱落注意表示動作を表示部11に行わせる。
【0124】
また、表示制御部26は、判断部21により電池充電量表示動作を行うべきであると判断される(操作パターン(4)の場合)と、前記電池充電量表示動作を表示部11に行わせる。
【0125】
また、表示制御部26は、判断部21により電池充電予測時間表示動作を行うべきであると判断される(操作パターン(5))と、電池充電予測時間表示動作を表示部11に行わせる。
【0126】
また、表示制御部26は、判断部21によりアラート動作を行うべきであると判断される(操作パターン(6),(7))と、アラート動作を表示部11に行わせる。
【0127】
図11は、電子機器1における第1及び第2操作部5a,5bの操作パターンに応じた動作を示すフローチャートである。
【0128】
図11に示すように、第1及び第2操作部5a,5bの各ボタン30のうち少なくとも何れか一方に対して押圧操作が行われると(ステップS1でYES)、判断部21は、両方のボタン30に対して押圧操作が行われたか否かを判断する(ステップS2)。
【0129】
判断部21は、一方のボタン30のみに対して押圧操作が行われたと判断した場合には(ステップS2でNO)、押圧操作されたボタン30は、第2操作部5bに対応するボタン30であるか否かを判断する(ステップS3)。
【0130】
判断部21は、ステップS3において、押圧操作対象が第2操作部5bに対応するボタン30ではない(第1操作部5aに対応するボタン30である)と判断すると(ステップS3でNO)、その押圧操作が浅押しであるか深押しであるかを判断する(ステップS4)。
【0131】
判断部21は、ステップS4において前記押圧操作が浅押しであると判断すると、第1AP実行部23は、第1APを実行する(動作(A);ステップS6)。一方、判断部21は、ステップS4において前記押圧操作が深押しであると判断すると、表示制御部26は、例えば電池脱落注意表示動作(動作(D))を表示部11に行わせる(ステップS5)。
【0132】
一方、判断部21は、ステップS3において第2操作部5bに対応するボタン30のみが押圧されたと判断すると(ステップS3でYES)、その押圧操作が浅押しであるか深押しであるかを判断する(ステップS7)。
【0133】
判断部21は、ステップS7において前記押圧操作が浅押しであると判断すると、第1AP実行部23は、第2APを実行する(動作(B);ステップS9)。一方、判断部21は、ステップS7において前記押圧操作が深押しであると判断すると、表示制御部26は、例えば電池充電予測時間表示動作を表示部11に行わせる(動作(E);ステップS8)。
【0134】
判断部21は、ステップS2において、両方のボタン30に対して押圧操作が行われたと判断した場合には(ステップS2でYES)、それらの押圧操作が両方とも浅押しであるか否かを判断する(ステップS10)。
【0135】
判断部21は、ステップS10において、前記押圧操作が両方とも浅押しであると判断すると(ステップS10でYES)、表示制御部26は、例えば電池充電量表示動作(動作(C))を表示部11に行わせる(ステップS11)。一方、判断部21は、ステップS10において前記押圧操作が両方浅押しされている操作ではないと判断すると(ステップS10でNO)、前記押圧操作が両方とも深押しされている操作であるか否かを判断する(ステップS12)。
【0136】
判断部21は、ステップS12において、前記押圧操作が両方とも深押しされている操作であると判断すると(ステップS12でYES)、データ書込部25は、現在外部記憶媒体Mへのデータの書込みを実行中である場合、そのデータの書込みを終了(中止)する(動作(G);ステップS13)。
【0137】
一方、判断部21は、ステップS12において前記押圧操作が両方深押しされている操作でもない、すなわち、前記押圧操作が一方が深押しで他方が浅押しされている操作であると判断すると(ステップS12でNO)、蓋部材3の取り外しを禁止する旨を警告するアラート動作を行う(動作(F);ステップS14)。
【0138】
図1に戻り、判断部21は、第1及び第2計測部19,20による計測結果に基づく第1及び第2操作部5a,5bの操作パターンと、内部記憶部22に格納されている動作テーブルとに基づいて、当該電子機器1において実行すべき動作(処理)を判断するものである。
【0139】
判断部21は、第1計測部19の計測時間T1に基づいて、第1操作部5aのボタン30に対する操作状況を認識する。
【0140】
すなわち、判断部21は、第1計測部19の計測時間T1が予め定められた閾値(Tth)を超えたか否かを判断する。判断部21は、第1計測部19による計測時間T1が前記閾値Tthを超えた場合には、第1操作部5aのボタン30が深押し(最大押圧力F1以上の押圧力で押圧)されたものと判断する。
【0141】
一方、第1計測部19による計測時間T1が前記閾値Tthを超えていないが、第1計測部19のスイッチ31からオン信号を受信した場合(浅押しの場合)には、判断部21は、第1操作部5aのボタン30が設定押圧力F2(<最大押圧力F1)で押圧されたものと判断する。なお、第1操作部5aのスイッチ31からオン信号を受信していない場合には、判断部21は、第1操作部5aのボタン30が押圧されていないものと判断する。
【0142】
同様に、判断部21は、第2計測部20の計測時間T2に基づいて、第2操作部5bのボタン30に対する操作状況を認識する。
【0143】
すなわち、判断部21は、第2計測部20の計測時間T2が前記閾値Tthを超えたか否かを判断する。判断部21は、第2計測部20による計測時間T2が前記閾値Tthを超えた場合には、第2操作部5bのボタン30が深押し(最大押圧力F1以上の押圧力で押圧)されたものと判断する。
【0144】
一方、第2計測部20による計測時間T2が前記閾値Tthを超えていないが、第2計測部20のスイッチ31からオン信号を受信した場合(浅押しの場合)には、判断部21は、第2操作部5bのボタン30が設定押圧力F2(<最大押圧力F1)で押圧されたものと判断する。なお、第2操作部5bのスイッチ31からオン信号を受信していない場合には、判断部21は、第2操作部5bのボタン30が押圧されていないものと判断する。
【0145】
判断部21は、このように認識した第1操作部5a及び第2操作部5bの操作状況から、現状の第1操作部5a及び第2操作部5bに対する操作状況の組合せ(操作パターン)が前記操作パターン(1)〜(8)のうちどれに該当するかを導き出す。
【0146】
そして、判断部21は、導き出した操作パターンと、内部記憶部22に格納されている動作テーブルとに基づき、当該電子機器1において実行すべき動作を判断する。
【0147】
すなわち、判断部21は、操作パターン(1)が発生していると判断した場合には、動作(A)(第1APの実行)を行うべきであると判断し、操作パターン(2)が発生していると判断した場合には、動作(B)(第2APの実行)を行うべきであると判断し、操作パターン(3)が発生していると判断した場合には、動作(C)(ロック解除に関する動作(例えば前述した電池脱落注意報知動作)の実行)を行うべきであると判断する。
【0148】
また、判断部21は、操作パターン(4)が発生していると判断した場合には、動作(D)(ロック解除に関する他の動作(例えば前述した充電量報知動作)の実行)を行うべきであると判断し、操作パターン(5)が発生している場合には、動作(E)(ロック解除に関する別の動作(例えば前述した充電予測時間報知動作)の実行)を行うべきであると判断し、操作パターン(6),(7)が発生している場合には、動作(F)(アラート動作の実行)を行うべきであると判断し、操作パターン(8)が発生していると判断した場合には、動作(G)(外部記憶媒体Mへの書込みを終了(中止)する動作の実行)を行うべきであると判断する。
【0149】
第1AP実行部23は、判断部21により動作(1)(第1APの実行)を行うべきであると判断されると、動作(1)(第1APの実行)を行うものである。第2AP実行部24は、判断部21により動作(2)(第2APの実行)を行うべきであると判断されると、動作(2)(第2APの実行)を行うものである。
【0150】
以上のように、本実施形態においては、通常の操作時(浅押し)にそれぞれ所定の機能の実行指示を入力するためのものとして機能する第1及び第2操作部5a,5bのボタン30がそれぞれ第1押圧力F1より大きな押圧力で押圧されたときに、ロック機構4のロックが解除され、蓋部材3が本体2から取り外し可能となるように構成した。
【0151】
これにより、本実施形態では、ロック機構4のロックを解除するための操作ボタン等を第1及び第2操作部5a,5bとは別に設ける場合に比して電子機器1の大型化を回避することができる。
【0152】
また、第1及び第2操作部5a,5bのボタン30が最大押圧力F1以上の押圧力で単独操作された場合、及び、それらのボタン30に対し設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力で同時並行的に操作された場合は、電池脱落注意表示、電池充電予測時間表示及び電池充電量表示などのロック解除に関する動作を行うようにした。
【0153】
これにより、蓋部材3の取り外しに起因して意に反して電池が脱落するという状況が発生するのを未然に防止又は低減することができる。
【0154】
さらに、第1及び第2操作部5a,5bのボタン30のうち一方が最大押圧力F1以上の押圧力で操作され、他方が設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力で同時並行的に操作された場合は、前記アラート動作を行い、また、第1及び第2操作部5a,5bの両方のボタン30が同時並行的に最大押圧力F1以上の押圧力で操作された場合は、現在外部記憶媒体Mへのデータの書込みを実行中であるとき、そのデータの書込みを終了(中止)するようにしたので、データの破壊を防止することができる。
【0155】
(第2の実施形態)
前記第1の実施形態においては、第1及び第2操作部5a,5bが最大押圧力F1以上の押圧力で操作される操作状況を検出する方法として、第1及び第2操作部5a,5bの押圧時間に基づいて前記操作状況を検出する方法、すなわち、第1及び第2操作部5a,5bのボタン30が押圧されている時間を検出し、この検出時間が予め定められた時間を超えたときに、前記操作状況が発生したものと判断するようにしたが、例えば次のように構成してもよい。
【0156】
本実施形態に係る電子機器においても、前記第1の実施形態と同様、ボタン30が深押し(最大押圧力F1以上の押圧力で押圧)されたとき、該ボタン30と連動してサポート板32やホルダー33が移動する。
【0157】
ここで、本実施形態では、そのホルダー33の可動領域の、最大押圧力F1で押圧された時にホルダー33と接触し得る位置に図略のタッチセンサを設置し、このタッチセンサから、ホルダー33と接触した旨の信号を検出信号として全体制御部18が受信すると、ボタン30が深押しされたものと全体制御部18(判断部21)が判断する。
【0158】
これによっても、操作部9が深押しされた操作状況を検出することができる。
【0159】
(第3の実施形態)
前記第1の実施形態に係る電子機器1においては、蓋部材3の取り外しに関わる操作部として、2つの操作部(第1操作部5a及び第2操作部5b)を備えたが、本発明において、操作部は1つとしてもよい。また、操作部が1つであることに対応して、ロック機構も1つだけ設けるようにしてもよい。ここでは、第3の実施形態として、前記第1の実施形態における第1及び第2操作部5a,5bのうち第1操作部5aと、第1操作部5aに対応するロック機構4とが設けられている電子機器1を想定する。
【0160】
本実施形態に係る電子機器1は、第1操作部5aのボタン30が浅押し(前記設定押圧力F2以上で前記最大押圧力F1未満の押圧力で押圧されたときに、電子機器1が実行し得る動作のうち第1操作部5aに予め割り当てられた動作(処理)を実行する。
【0161】
一方、前記第1操作部5aが深押し(最大押圧力F1以上の押圧力で押圧)されたときに、ロック機構4のロックが解除されるとともに、外部記憶媒体Mへのデータの書込み終了(中止)の実行)を行っている場合には、現在行っている外部記憶媒体Mへのデータの書込みを終了(中止)する。
【0162】
本実施形態に係る電子機器1においても、第1操作部5aに通常機能とロック解除機能とを持たせたので、ロック機構4のロックを解除するためのボタン等を、第1操作部5aとは別に設ける場合に比して電子機器1の大型化を回避することができる。
【0163】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0164】
例えば、前記第1〜第3の実施形態においては、蓋部材3として、電池収納部14を覆うためのバッテリーカバーを想定したが、本発明に係る電子機器において想定する蓋部材は、何らかの部材等を覆うものであれば、特段、バッテリーカバーに限定されるものではない。
【0165】
また、前記各実施形態においては、電池充電量、電池充電予測時間及び電池脱落注意を、表示部11及び表示制御部26を用いて視覚的に(表示で)報知するようにしたが、聴覚的に(音声で)報知するようにしてもよい。この場合、音声を出力する音声出力部と、音声出力部の制御を行う音声制御部とが設けられる。また、前記電池充電量を視覚的に行うとともに聴覚的に行うようにしてもよい。
【0166】
また、前記各実施形態においては、一つの操作部5につき、設定押圧力F2を一つ設定した場合について説明したが、設定押圧力を複数段階で検出できるようにセンサ等を設けることにより、一つの操作部5に複数の通常機能を割り当てることができることは言うまでも無い。
【0167】
また、前記各実施形態においては、第1及び第2操作部5a,5bの最大押圧力F1及び設定押圧力F2について、第1及び第2操作部5a,5bの間で大小関係を特定しなかったが、最大押圧力F1及び設定押圧力F2は、第1及び第2操作部5a,5bの間で同じであってもよいし、異なるようにそれぞれ設定されていてもよい。
【0168】
なお、本発明は、以下のようにも表現できる。
【0169】
すなわち、本発明は、表示部とバッテリーカバーとバッテリーカバーをロック可能な操作部とを備えた電子機器であって、
前記操作部は、ロック解除方向に所定以上の押圧力を受けた場合、前記操作部が筺体内部に移動し、前記所定以上の押圧力より小さい押圧力を受けた場合、入力キーとして機能する電子機器。
【産業上の利用可能性】
【0170】
本発明は、操作部に対する操作によって所定の処理や動作を行う電子機器であって、例えば電池収納部などの凹部の内部を開放したり閉塞したりするための蓋部材(カバー)が本体に着脱自在に取り付けられる電子機器に広く利用することができ、特に、携帯電話やPDAなど携帯性を有する電子機器に好適である。
【符号の説明】
【0171】
1 電子機器
2 本体
3 蓋部材
4 ロック機構
5a 第1操作部(操作部)
5b 第2操作部(操作部)
14 電池収納部
19 第1計測部(時間検出部)
20 第2計測部(時間検出部)
21 判断部
26 表示制御部(報知部)
30 ボタン
31 スイッチ(時間検出部)
F1 最大押圧力
F2 設定押圧力
M 外部記憶媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部に対する操作によって所定の処理や動作を行う電子機器であって、例えば電池収納部などの凹部の内部を開放したり閉塞したりするための蓋部材(カバー)が本体に着脱自在又は開閉自在に取り付けられる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、電池が着脱自在に収納可能な電池収納部を有する電子機器において、前記電池収納部を覆う電池蓋が不測に開放して電池が脱落するのを防止することを目的として、前記電池蓋を取り外す際に、所定の釦(操作釦)を押圧する操作と電池蓋をスライドさせる操作とをユーザに課し且つそれらの2つの操作を両手の指で行わせるようにした技術が開示されている。
【0003】
具体的には、下記特許文献1の電子機器は、前記操作釦の押圧操作によって、該操作釦に一体的に設けられたロック爪と前記電池蓋との係合が解除され、そのロック爪による電池蓋のスライド規制が解除される。また、前記電子機器は、その状態から電池蓋をスライドさせる際に、本体側に設けられた突起と前記電池蓋に設けられた突片との係合(補助ロック)が解除され、これにより、電子機器の表面上に設けられた回転軸周りの電池蓋の回動が可能となり、電池蓋を回動させることで電池蓋を取り外すことが可能となるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−233090号公報(1999年08月27日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1においては、電池蓋が不測に開放するのを防止するための部材(操作釦)を別途設けている。したがって、前記特許文献1の技術においては、その部材の分、電子機器の大型化を招来することとなったり、又は、更なる小型化が制限されることとなったりする。
【0006】
特に、携帯電話や電子辞書などのポータブルな電子機器における近年の小型化は目覚しく、このような電子機器に前述のような操作釦を付加しようとすると、機器全体の大きさや形状に大きく影響を与え、商品の魅力を低下させる要因となり得る。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、電子機器の大型化を回避しつつ、蓋部材の開放を行える技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、本体に着脱自在又は開閉自在に取り付けられる蓋部材と、前記蓋部材を前記本体にロックするロック機構と、押圧操作され、押圧力の大きさに応じて、当該電子機器が実行し得る動作のうち何れかを割り当て可能な操作部とを備え、前記操作部で前記動作の割り当てが可能な最大の押圧力を最大押圧力とするとき、前記最大押圧力より大きな押圧力で前記操作部が操作されると、前記ロック機構のロック解除が行われることを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、同じ操作部に、電子機器が実行し得る予め定められた動作の実行指示を入力する機能(以下、通常機能という)と、前記ロック機構のロック解除を行わせる機能(以下、ロック解除機能という)とを持たせたので、前記通常機能を持つ操作部と前記ロック解除機能をもつ操作部とを別個に設ける構成のように電子機器の大型化を招来することなく、前記ロック機構のロック解除を電子機器に行わせることができる。
【0010】
また、前記電子機器は、前記操作部が複数備えられており、前記ロック機構が前記操作部に対応してそれぞれ設けられており、前記複数の操作部全てに対して、前記最大押圧力より大きな押圧力で押圧操作がなされたとき、前記蓋部材の全ての前記ロック機構のロック解除が行われる態様を採り得る。
【0011】
この構成によれば、考えられうる前記複数の操作部に対する操作パターンの中で、前記複数の操作部全てに対し前記最大押圧力より大きな押圧力で押圧操作がなされる操作パターンを除く複数の操作パターンに対し、電子機器が実行し得る動作を複数割り当てることが可能となる。
【0012】
また、前記電子機器は、前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力未満の場合、ロック解除に関する動作が行われる態様を採り得る。
【0013】
前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力未満の場合、ユーザは蓋部材を取り外そうとしている若しくは開放しようとしている可能性は大きいが、単に、操作部に割り当てられた動作を電子機器に実行させようという操作である可能性もある。すなわち、前記最大押圧力未満の押圧力で押圧される前記残余の操作部については、偶然若しくは無意識的に手や指があたって押圧されているという状況であることも考えられる。
【0014】
このような場合に、何の報知も無く蓋部材が本体から外れたり開放したりすると、ユーザにとって意に反した状況となる。
【0015】
また、ユーザが意図的に蓋部材を取り外したり開放したりしようとしているとしても、ユーザの予想よりも早く蓋部材が外れた若しくは開放した場合、ユーザにとって意に反した状況となることも考えられる。
【0016】
そこで、前記構成のように、前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力未満のとき、すなわち、残余の操作部に対応するロック機構もロック解除される前(全てのロック機構がロック解除される前)に、前記ロック解除に関する動作が行われるようにしている。これにより、全てのロック機構がロック解除される前、すなわち蓋部材が本体から外れたり開放したりする前に、ロック解除に関する動作を行うことができる。
【0017】
前記ロック解除に関する動作として、例えば、前記ロック解除に伴って(蓋部材が本体から外れる又は開放することに伴って)発生し得る不都合や意に反する状況が発生し得ることをユーザに認識させる動作とすることが考えられる。これにより、前記ロック解除に伴って発生し得る不都合や意に反する状況が発生するのを未然に防止することが可能となる。
【0018】
また、前記電子機器は、前記複数の操作部全てに対し、予め定められた設定押圧力以上で、且つ、前記最大押圧力未満の押圧力で押圧操作がなされた場合、ロック解除に関する動作が行われる態様を採り得る。
【0019】
前記設定押圧力以上で、且つ、前記最大押圧力未満の押圧力で前記複数の操作部全てに対して押圧している場合、ユーザは蓋部材を取り外そうとしている若しくは開放しようとしている可能性は高いが、単に、操作部に割り当てられた動作を電子機器に実行させようという操作である可能性もある。すなわち、複数の操作部のうち一部の操作部については動作を電子機器に実行させるべく押圧され、残余の操作部については、偶然若しくは無意識的に手や指があたって押圧されているという状況であることも考えられる。
【0020】
このような場合に、何の報知も無く蓋部材が本体から外れたり開放したりすると、ユーザにとって意に反した状況となり得る。
【0021】
また、ユーザが意図的に蓋部材を取り外したり開放したりしようとしているとしても、ユーザの予想よりも早く蓋部材が外れた若しくは開放した場合、ユーザにとって意に反した状況となることも考えられる。
【0022】
そこで、前記構成のように、前記複数の操作部全てに対し、予め定められた設定押圧力以上で、且つ、前記最大押圧力未満の押圧力で押圧操作がなされたとき、すなわち、前記複数の操作部全てに対する押圧力が全て前記最大押圧力より大きくなる前(全てのロック機構がロック解除される前)に、前記ロック解除に関する動作が行われるようにしている。これにより、全てのロック機構がロック解除される前、すなわち蓋部材が本体から外れたり開放したりする前に、ロック解除に関する動作を行うことができる。
【0023】
前記ロック解除に関する動作として、前記ロック解除に伴って(蓋部材が本体から外れる又は開放することに伴って)発生し得る不都合や意に反する状況が発生し得ることをユーザに認識させる動作とすることが考えられる。これにより、前記ロック解除に伴って発生し得る不都合や意に反する状況が発生するのを未然に防止することが可能となる。
【0024】
また、前記電子機器は、電池が着脱可能な電池収納部を有し、前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が、前記最大押圧力より小さい予め定められた設定押圧力未満の場合、前記ロック解除に関する動作として、前記電池収納部に収納されている電池の現在の充電量に関する報知を行う態様を採り得る。
【0025】
前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、残余の操作部に対する押圧力が、前記最大押圧力より小さい予め定められた設定押圧力未満の場合、現時点における電池の充電量が十分であるにも拘らずユーザは前記充電量が少なくなっていると勘違いして蓋部材を取り外そうとしている場合が有り得ると考えられる。
【0026】
ここで、前記構成においては、蓋部材を本体から取り外す若しくは開放すると、前記電池収納部から電池がユーザの意に反して脱落する可能性がある。
【0027】
そこで、前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が前記設定押圧力未満の場合、前記電池収納部に収納されている電池の充電量に関する報知を行うようにすることで、蓋部材が取り外される前に、前記のようなユーザに電池の充電量を操作者に報知することができる。
【0028】
これにより、電池の脱落を招く可能性のある蓋部材の取外しや開放が行われるのを未然に防止又は低減することが可能となる。
【0029】
また、前記電子機器は、電池が着脱可能な電池収納部を有し、前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が予め定められた設定押圧力以上前記最大押圧力未満の場合、前記ロック解除に関する動作として、前記蓋部材の取り外しを禁止する旨の報知を行う態様を採り得る。
【0030】
前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が前記設定押圧力以上前記最大押圧力未満の場合、蓋部材が取り外される直前の状態であると考えられる。蓋部材が取り外されると、前記電池収納部から意に反して電池が脱落する可能性がある。記憶媒体へのデータの書込みが行われている途中で、前記電池収納部から意に反して電池が脱落した場合、適切なデータの書込み処理の終了処理や中断処理が実施されないまま、データの書込み処理が中断されることになる。この場合、適切な記憶媒体に未だ書込みを行っていないデータが破壊される可能性がある。
【0031】
そこで、前記蓋部材の取り外しを禁止する旨の報知を行うことで、電池の脱落を招く可能性のある蓋部材の取外しや開放が行われるのを未然に防止又は低減することが可能となる。
【0032】
また、前記電子機器は、電池が着脱可能な電池収納部を有し、前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、前記ロック解除に関する動作として、前記電池収納部からの前記電池の脱落注意の報知を行う態様を採り得る。
【0033】
前記複数の操作部全てに対する押圧力が前記最大押圧力未満、且つ、前記設定押圧力以上の押圧力で全ての操作部を押圧している場合、ユーザは蓋部材を取り外そうとしている可能性が高いが、単に、操作部に割り当てられた動作を電子機器に実行させようという操作である可能性もある。すなわち、複数の操作部のうち一部の操作部については動作を電子機器に実行させるべく押圧され、残余の操作部については、偶然若しくは無意識的に手や指があたって押圧されているという状況であることも考えられる。
【0034】
このような場合に、何の報知も無く蓋部材が本体から外れたり開放したりすると、この蓋部材の動きがユーザにとって意に反した状況となり得るばかりでなく、電池収納部の開放によって電池が電池収納部から脱落するという意に反した状況も生じうる。
【0035】
また、ユーザが意図的に蓋部材を取り外したり開放したりしようとしているとしても、ユーザの予想よりも早く蓋部材が外れた若しくは開放した場合、この蓋部材の動きがユーザにとって意に反した状況となるだけでなく、電池収納部の開放によって電池が電池収納部から脱落するという意に反した状況も生じうる。
【0036】
そこで、前記構成によれば、前記複数の操作部全てに対し、予め定められた設定押圧力以上で前記最大押圧力未満の押圧力で押圧操作がなされたときには、前記電池収納部からの前記電池の脱落注意を報知することで、前記複数の操作部に対する押圧力を現状からさらに大きくすると蓋部材が外れ電池が電池収納部から脱落する虞があるということをユーザに認識させることができる。
【0037】
これにより、電池が電池収納部から脱落する状況が発生するのを未然に防止することが可能となる。
【0038】
また、前記電子機器は、前記操作部は、前記押圧力が前記最大押圧力より小さい予め定められた設定押圧力又は前記設定押圧力以上でオンとなるスイッチを有し、前記操作部のスイッチがオンとなっている時間を検出する時間検出部と、前記操作部についての前記時間検出部の検出時間が予め定められた時間を超えると、当該操作部が前記最大押圧力以上の押圧力で操作されたものと判断する判断部とを備える態様を採り得る。
【0039】
この発明によれば、最大押圧力以上の押圧操作がなされたことを機械的に検知するのではなく、前記最大押圧力より小さい予め定められた設定押圧力又は前記設定押圧力以上でオンとなる前記スイッチのオン時間を検出するようにしたので、前記最大押圧力以上の押圧力による押圧操作がなされたことを機械的に検知するための機械的構成を別途設ける必要が無く、その分、コストを抑制することができる。
【0040】
また、前記電子機器は、電池が着脱可能な電池収納部を有し、前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、記憶媒体へのデータの書込みを行っている途中で、前記複数の操作部全てに対し、前記最大押圧力以上の押圧力で押圧操作がなされたとき、前記記憶媒体へのデータの書込みを前記途中で終了する態様を採り得る。
【0041】
記憶媒体へのデータの書込みが行われている途中で、前記電池収納部から意に反して電池が脱落した場合、適切なデータの書込み処理の終了処理や中断処理が実施されないまま、データの書込み処理が中断されることになる。この場合、適切な記憶媒体に未だ書込みを行っていないデータが破壊される可能性がある。
【0042】
そこで、前記構成のように、記憶媒体へのデータの書込みを行っている途中で、前記複数の操作部全てに対し前記最大押圧力以上の押圧力で押圧操作がなされた場合には、前記記憶媒体へのデータの書込みを前記途中で終了するようにする(前記終了処理や中断処理を実施する)ことで、前記のようなデータの破壊を防止することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明に係る電子機器は、本体に着脱自在又は開閉自在に取り付けられる蓋部材と、前記蓋部材を前記本体にロックするロック機構と、押圧操作され、押圧力の大きさに応じて、当該電子機器が実行し得る動作のうち何れかを割り当て可能な操作部とを備え、前記操作部で前記動作の割り当てが可能な最大の押圧力を最大押圧力とするとき、前記最大押圧力より大きな押圧力で前記操作部が操作されると、前記ロック機構のロック解除が行われるものである。
【0044】
この構成によれば、通常機能を持つ操作部とロック解除機能をもつ操作部とを別個に設ける構成のように電子機器の大型化を招来することなく、前記ロック機構のロック解除を電子機器に行わせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子機器を説明するためのブロック図である。
【図2】前記電子機器の外観図(正面図、平面図、側面図)である。
【図3】前記電子機器のスライド部がスライド位置に位置する状態の一例を示す図である。
【図4】前記電子機器のベース部の説明図であり、(a)は、蓋部材を取り外した状態における本体の背面の外観図を示し、(b)は、蓋部材の内面(本体側の面)の外観図を示す。
【図5】前記電子機器の操作部における図2のA−A線矢視断面図である。
【図6】前記電子機器のロック機構における図2のB−B線矢視断面図である。
【図7】前記電子機器の操作部の動作を示す図である。
【図8】前記電子機器の操作部の動作を示す図である。
【図9】前記電子機器のロック機構の動作を示す図である。
【図10】前記電子機器のテーブル記憶部に記憶されている動作テーブルの一例を示す図である。
【図11】前記電子機器の電子機器における第1及び第2操作部の操作状況に応じた処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る電子機器の一実施形態について説明する。図1は、本発明に係る電子機器を説明するためのブロック図である。
【0047】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る電子機器1は、本体2に着脱自在又は開閉自在に取り付けられる蓋部材3と、蓋部材3を本体2にロックするロック機構4と、押圧操作され、押圧力の大きさに応じて、当該電子機器1が実行し得る動作のうち何れかを割り当て可能な1又は複数の操作部5とを備えている。
【0048】
操作部5で前記動作の割り当てが可能な最大の押圧力を最大押圧力F1とする。また、操作部5から操作信号が出力されない状態から操作信号が出力される状態に切り替わるときの押圧力を設定押圧力F2とする。すなわち、設定押圧力F2は、前記動作の割り当てが可能な最小の押圧力に相当する。
【0049】
この場合、電子機器1は、最大押圧力F1より大きな押圧力で全ての操作部5が操作されると、全てのロック機構4のロック解除が行われて、蓋部材3が取り外せる、若しくは開放するようになっている。
【0050】
このように、本発明に係る電子機器1においては、同一の操作部5に、電子機器1が実行し得る動作のうち予め定められた動作の実行指示を入力するためのものとしての機能(以下、通常機能という)と、ロック機構4による蓋部材3のロック解除を行わせるためのものとしての機能(以下、ロック解除機能という)とを持たせている。
【0051】
これにより、前記通常機能を持つ操作部と前記ロック解除機能をもつ操作部とを別個に設ける構成のように電子機器1の大型化を招来することなく、ロック機構4のロック解除を電子機器1に行わせることができる。
【0052】
図2は、電子機器1の外観図(正面図、平面図、側面図)である。
【0053】
図2に示すように、電子機器1は、携帯性を有する機器とされており、ベース部6とスライド部7とを有する。ベース部6及びスライド部7はいずれも平板体とされている。説明の都合上、スライド部7から説明を行う。
【0054】
スライド部7は、ベース部6に沿った所定の平面(以下、スライド面という)上でスライド可能にベース部6に取り付けられており、図2に示すようにスライド部7全体がベース部6と対向する対向位置と、スライド部7の一部がベース部6からはみ出るスライド位置との間でスライドし得るようになっている。図3は、スライド部7がスライド位置に位置する状態の一例を示す図である。
【0055】
スライド部7には、表示部11が搭載されており、スライド部7の表面(ベース部6と対向する側と反対側の面)に、表示部11の表示画面が設けられている。表示部11としては、LCD(Liquid Crystal Display)や有機材料の電界発光(Electroluminescence)を利用した有機EL表示装置などが採用可能である。
【0056】
一方、ベース部6は、スライド部7と対向する面に、複数のボタンからなるボタン群15を備えており、ユーザがスライド部7を前記スライド位置にスライドさせると、図3に示すように、ボタン群15が露出する。このとき、ユーザは、ボタン群15に対する操作が可能となる。なお、図3には、パーソナルコンピュータのキーボードを模した複数のボタンからなるボタン群15を示しているが、これに限定されるものではない。
【0057】
ベース部6の適所(図2では下側部)には、ICカード(例えばSDカードなど)の外部記憶媒体(記憶媒体の一例)Mが挿し込み可能な媒体挿入口8が形成されている。媒体挿入口8の奥側には、図略の端子が設けられており、外部記憶媒体Mが媒体挿入口8に所定量挿し込まれると、該外部記憶媒体Mの端子と媒体挿入口8の奥側に形成された端子とが接触し、ベース部6に設置された後述する全体制御部18(図1参照)と外部記憶媒体Mとの間で通信可能な状態となる。
【0058】
ベース部6の上部(両肩部)には、複数(ここでは2つとする)の操作部5a,5b(以下、第1操作部5a及び第2操作部5bという)が設けられている。なお、本実施形態においては、第1操作部5a及び第2操作部5bは、同様の構成を有している。第1及び第2操作部5a,5bは、それぞれボタン30を有し、図2に示すように、ボタン30が外部に露出している。本実施形態においては、ボタン30は、電子機器1の上部から下部に向けて押し込まれる。
【0059】
第1及び第2操作部5a,5bには、当該電子機器1が実行し得る動作や処理(以下、単に動作という)が割り当て可能となっており(対応付け可能となっており)、前記動作のうち予め定められた処理が割り当てられている(対応付けられている)。第1及び第2操作部5a,5bは、基本的には、その予め定められた動作の実行を指示するためのものとして機能する。
【0060】
すなわち、第1操作部5aは、第1操作部5aのボタン30に対して通常の押圧力(設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力)による比較的短時間(この時間については後述する)の押圧操作(以下、この操作を浅押しという)が単独で行われたときには、第1操作部5aに予め割り当てられた動作の実行を指示するためのものとして機能する。第2操作部5bについても同様である。
【0061】
ただし、本実施形態に係る電子機器1は、第1操作部5aのボタン30や第2操作部5bのボタン30に対する押圧操作の押圧力が一定値(最大押圧力F1)以上の場合や、第1及び第2操作部5a,5bの両ボタン30が同時に押圧された場合には、第1及び第2操作部5a,5bが単独で浅押しされた場合の動作と異なる予め定められた動作を行うように構成されている。
【0062】
第1及び第2操作部5a,5bに対してどのような操作が行われたときにどのような処理を実行するかについては予め規定されており、本実施形態に係る電子機器1は、この規定内容を動作テーブル(図10参照)として予め記憶している。なお、ここでは、電子機器1が前記動作テーブルを記憶しているが、外部記憶媒体Mに動作テーブルを格納して、この外部記憶媒体Mが電子機器1に装着されたときに、電子機器1が外部記憶媒体Mの動作テーブルを参照する形態も想定される。電子機器1は、前記動作テーブルにしたがって、第1及び第2操作部5a,5bに対する操作状況に応じた処理や動作を行う。この点については後述する。
【0063】
図4は、ベース部6の説明図であり、(a)は、蓋部材3を取り外した状態における本体2の背面の外観図を示し、(b)は、蓋部材3の内面(本体2側の面)の外観図を示している。
【0064】
図4に示すように、ベース部6は、本体2と蓋部材3とを有する。
【0065】
蓋部材3は、本体2の背面の略全体を覆う部材とされており、本体2に対して着脱可能に構成されている。なお、本実施形態では、蓋部材3として、本体2に着脱可能に構成された蓋部材が採用されているが、これに限られず、開閉可能に構成された蓋部材を採用してもよい。開閉可能に構成された蓋部材は、例えば、該蓋部材の一側部が本体2に回動自在に支持されており、本体2の背面を覆う閉塞位置と、本体2の背面が外部に露出する開放位置との間で蓋部材3が回動し得る構成が想定される。
【0066】
本体2の背面には、図略の電池を収納するための電池収納部14が形成されている。本実施形態においては、蓋部材3は、電池収納部14を開放及び閉塞するためのバッテリーカバーとして機能する。電池収納部14は、本体2に蓋部材3が装着されているときには該蓋部材3によって覆われて閉塞される。一方、本体2から蓋部材3が取り外されると、電池収納部14が外部に露出して開放される。
【0067】
この露出した電池収納部14に電池が装着されることで、電子機器1は、該電池から電力が供給され、種々の処理や動作が実行可能となる。
【0068】
本体2と蓋部材3との間には、蓋部材3を本体2にロックするためのロック機構4が設けられている。本実施形態においては、ロック機構4は、第1操作部5a及び第2操作部5bのそれぞれに対応して設けられているが、これに限定されるものではない。ロック機構4としては、具体的には例えば次のような構造が採用可能である。なお、第1操作部5aに対応するロック機構4と、第2操作部5bに対応するロック機構4とは同様の構成を有するので、ここでは、第1操作部5aに対応するロック機構4の構成について説明する。
【0069】
図5は、ボタン30の押圧方向(移動方向)に平行な面であって前記スライド面に直交する面を切断面として該切断面で第1操作部5aを切断したときの第1操作部5aの断面図であり、電子機器1の第1操作部5aにおける図2のA−A線矢視断面図である。
【0070】
図5に示すように、第1操作部5aは、ユーザにより押圧操作されるボタン30の他、スイッチ31を有する。スイッチ31は、ボタン30の可動領域における一端部に配置され、ボタン30と接触し得るようになっている。
【0071】
ボタン30は、該ボタン30の上方から下方に向けて押圧される部材であり、上下方向に移動し得るように構成されている。ボタン30は、押圧操作によって本体2内部に入り込む。そして、ボタン30の押圧力が予め定められた押圧力F2(以下、設定押圧力F2という)となると、ボタン30はスイッチ31と接触し該スイッチ31を押圧する。これにより、スイッチ31がオンとなる。スイッチ31は、オンとなると、ボタン30が操作されたことを示す信号(操作信号)が後述する全体制御部18(図1参照)に出力される。
【0072】
また、第1操作部5aは、ボタン30及びスイッチ31の他、サポート板32、ホルダー33及びスプリング34を有する。
【0073】
サポート板32は、2つの平板体が互いに端部同士で直交してなる断面L字形状の部材とされている。以下、サポート板32のうち一方の平板体で構成される部位を第1平板部32a、他方の平板体で構成される部位を第2平板部32bという。
【0074】
サポート板32は、第1平板部32aがボタン30の移動方向(押圧方向)に対して直交する平面に沿う姿勢で配設されている。第1平板部32aの上下両面のうち上面(ボタン30側の面)にスイッチ31が設置されている。
【0075】
一方、本体2を構成する本体フレーム35は、前記スライド面に平行な壁面を有する。第2平板部32bは、常時、その壁面に接触している。これにより、サポート板32は、本体フレーム35(の壁面)にガイドされつつボタン30の移動方向に移動し得る。
【0076】
本体フレーム35は、適所から蓋部材3側に突出して形成された支持プレート部35aを有する。
【0077】
ホルダー33は、例えば中空の箱型を成し、サポート板32のうち第1平板部32aの直下に配設されている。ホルダー33は、その上面部33aが、サポート板32(第1平板部32a)の第1平板部32aの上下両面のうち下面(ボタン30と反対側の面)に接続されて、サポート板32と一体的に連動する。
【0078】
一方、ホルダー33の内部を、本体フレーム35の支持プレート部35aが貫通している。ホルダー33の底面部33b(図5参照)は、前記貫通している支持プレート部35aと当接し得るようになっている。
【0079】
支持プレート部35aとホルダー33の上面部33aとの間には、スプリング34が収縮状態で配設されている。電子機器1における支持プレート部35aの絶対位置は不変であるため、スプリング34のうち、支持プレート部35aに支持されている側の端部が固定端となる一方、ホルダー33の上面部33aに支持されている側の端部が自由端となる。
【0080】
したがって、ホルダー33の上面部33はスプリング34により弾性的にボタン30側に付勢されており、ホルダー33は、支持プレート部35aに対して相対移動可能となっている。
【0081】
そして、ホルダー33の底面部33aが支持プレート部35aと当接するとき、この当接によって、スプリング34の付勢力に因るホルダー33の上方への移動が規制される。これにより、サポート板32及びスイッチ31は、上方への移動が所定の位置で規制される。
【0082】
なお、ホルダー33は、本体フレーム35に形成された図略のガイド部によりボタン30の押圧方向における移動がガイドされているため、ボタン30の移動方向においてのみ移動し得る。
【0083】
図6は、前記切断面で第1操作部5aに対応するロック機構4を切断したときの該ロック機構4の構成を示す断面図であり、電子機器1のロック機構4における図2のB−B線矢視断面図である。
【0084】
ロック機構4は、蓋部材3とホルダー33との間に構成されている。ロック機構4は、例えば係合構造を有するものとされる。具体的には、図6に示すように、蓋部材3には、本体2への装着状態において本体2側に突出する突出部3gを有する。突出部3gの先端には、下方(突出部3gの突出方向に対して直交し、ボタン30と反対側に突出する方向)に突出する係合爪3rが形成されている。一方、ホルダー33の適所には、下方に凹んだ係合凹部33bが形成されている。
【0085】
ホルダー33が初期位置(ボタン30が押圧されていないときのホルダー33の位置)に位置するとき、蓋部材3における突出部3gの係合爪3rとホルダー33の係合凹部33bとが係合し得るようになっており、これらが係合することで、蓋部材3が本体2にロックされる。
【0086】
このような構成を有する第1操作部5a及びロック機構4は、ボタン30の押圧によって次のように動作する。図7,図8は、第1操作部5aの動作の説明図、図9は、ロック機構4の動作の説明図である。
【0087】
まず、ボタン30が押圧される前の時点(図5に示す状態)で蓋部材3が本体2に装着されているものとすると、蓋部材3に形成された突出部3gの係合爪3rとホルダー33の係合凹部33bとが係合している。これにより、蓋部材3は本体2にロックされている。
【0088】
そして、図7に示すように、ボタン30が押圧され、その押圧力Fが、設定押圧力F2以上である場合、ボタン30が下方(押圧方向)に移動し、ボタン30の下端がスイッチ31に当接する。このとき、スイッチ31がオンされ、ボタン30が操作されたことを示す信号(操作信号)が後述する全体制御部18(図1参照)に出力される。一方、ロック機構4においては、この時点ではロックが解除されず、ロック状態が維持される。
【0089】
この状態から、図8に示すように、ボタン30の押圧力Fが更に強められると、スイッチ31をオンしたまま、スイッチ31,サポート板32及びホルダー33がスプリング34の付勢力に抗してさらに下方に移動する。
【0090】
ロック機構4においては、最大押圧力F1より大きくなると、ホルダー33の下方への移動量が所定量に達し、図9に示すように、蓋部材3に形成された突出部3gの係合爪3rと、ホルダー33の係合凹部33bとの係合が解除される。すなわち、ロック機構4によるロックが解除される。
【0091】
このような構成を有するロック機構4が第1操作部5aだけでなく第2操作部5bにも対応して設けられている。
【0092】
したがって、第1操作部5aのボタン30も第2操作部5bのボタン30も、最大押圧力F1より大きな押圧力で押圧された場合に、第1操作部5aに対応するロック機構4のロックも、第2操作部5bに対応するロック機構4のロックも解除され、蓋部材3が本体2から取り外し可能となる。
【0093】
図4に示すように、ベース部6には、撮像部16が搭載されている。撮像部16は、撮影レンズ16aを有し、撮影レンズ16aは、光軸がベース部6の背面の法線方向と平行となるようにベース部6の背面側に設置されている。なお、蓋部材3のうち撮影レンズ16aに対応する位置には穴部3Hが形成されている。蓋部材3が本体2に装着される際には、撮影レンズ16aは穴部3Hを貫通する。
【0094】
次に、本実施形態に係る電子機器1の電気的構成について説明する。本実施形態に係る電子機器1は、図1に示す電気的構成を有する。
【0095】
図1に示すように、電子機器1は、表示部11、撮像部16、ユーザI/F部17と、全体制御部18とを備える。
【0096】
ユーザI/F部17は、前述したボタン群15、第1操作部5a及び第2操作部5bを含むものである。
【0097】
全体制御部18は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(Central Processing Unit)と、前記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の内部記憶部22とを備えており、電子機器1を統括的に制御するものである。全体制御部18は、例えばベース部6に搭載されている。
【0098】
全体制御部18は、内部記憶部22又は外部記憶媒体Mに格納された所定のプログラムをCPUが実行することにより、第1計測部19と、第2計測部20と、判断部21と、第1AP(アプリケーション)実行部23と、第2AP実行部24と、データ書込部25と、表示制御部26として機能する。
【0099】
第1計測部19は、第1操作部5aのスイッチ31からの操作信号に基づき、第1操作部5aのスイッチ31がオンされた時間(以下、操作時間という)T1を計測するものである。第2計測部20は、第2操作部5bのスイッチ31からの操作信号に基づき、第2操作部5bのスイッチ31がオンされた時間(操作時間)T2を計測するものである。第1計測部19、第2計測部20及びスイッチ31は、時間検出部を構成する。
【0100】
内部記憶部22は、第1操作部5a及び第2操作部5bの操作パターンと当該電子機器1の動作との関係を示す動作テーブルを記憶するテーブル記憶部22aを有する。図10は、テーブル記憶部22aに記憶されている前記動作テーブルの一例を示す図である。
【0101】
図10に示す動作テーブルにおいては、第1操作部5a及び第2操作部5bの操作パターンとして以下の8つの操作パターン(1)〜(8)が想定されている。
【0102】
(1)第1操作部5aが、設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力で押圧され、且つ、第2操作部5bが、操作されていないか設定押圧力F2未満の押圧力で押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(1)という)。
【0103】
(2)第2操作部5bが、設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力で押圧され、且つ、第1操作部5aが、操作されていないか設定押圧力F2未満の押圧力で押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(2)という)。
【0104】
(3)第1操作部5aも第2操作部5bも、設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力で同時並行的に押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(3)という)。
【0105】
(4)第1操作部5aが、最大押圧力F1以上の押圧力で押圧され、且つ、第2操作部5bが、操作されていないか設定押圧力F2未満の押圧力で押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(4)という)。
【0106】
(5)第2操作部5bが、最大押圧力F1以上の押圧力で押圧され、且つ、第1操作部5aが、操作されていないか設定押圧力F2未満の押圧力で押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(5)という)。
【0107】
(6)第1操作部5aが、最大押圧力F1以上の押圧力で押圧され、且つ、第2操作部5bが、設定押圧力F2以上で最大押圧力F1未満の押圧力で押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(6)という)。
【0108】
(7)第2操作部5bが、最大押圧力F1以上の押圧力で押圧され、且つ、第1操作部5aが、設定押圧力F2以上で最大押圧力F1未満の押圧力で押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(7)という)。
【0109】
(8)第1操作部5aも第2操作部5bも、最大押圧力F1以上の押圧力で同時並行的に押圧されている操作パターン(以下、操作パターン(8)という)。
【0110】
なお、図6においては、操作されていないか設定押圧力F2未満の押圧力で押圧されている操作を「×」で表している。設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力でボタン30を押圧する操作を「△」で表している。この操作が前記浅押しである。また、最大押圧力F1以上の押圧力でボタン30を押圧する操作を「○」で表している。以下、この操作を深押しという。
【0111】
そして、図10に示す動作テーブルには、前記操作パターン(1)〜(8)につき、どのような処理を実行するかが規定されている。
【0112】
すなわち、図10に示す動作テーブルにおいては、操作パターン(1)が発生した場合には、第1アプリケーション(以下、第1APという)を実行すべきである(以下、動作(A)という)ことが規定され、操作パターン(2)の場合には、第2アプリケーション(以下、第2APという)を実行すべきである(以下、動作(B)という)ことが規定されている。
【0113】
なお、前記第1APとしては、例えば当該電子機器1で実行し得る動作の中から所望の動作をユーザに選択させ(メニュー選択させて)、その選択を受け付けるアプリケーションが想定される。前記第2APとしては、例えば当該電子機器1で撮像部16を用いた撮影処理を行うためのアプリケーションが想定される。
【0114】
また、図10に示す動作テーブルにおいては、操作パターン(3)が発生した場合は、ロック解除に関する動作を実行すべきである(以下、動作(C)という)ことが規定されている。操作パターン(3)で実行すべきとされる動作(C)の一例として、例えば電池脱落注意表示処理が想定される。電池脱落注意表示処理とは、第1及び第2操作部5a,5bを設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力で同時並行的に押圧した状態から、仮にその押圧力を増大させて、押圧力が最大押圧力F1より大きくなった場合に、蓋部材3が本体2から外れ、意に反して電池が電池収納部14から脱落する可能性がある旨の注意を表示する処理である。
【0115】
また、図10に示す動作テーブルにおいては、操作パターン(4)が発生した場合は、ロック解除に関する他の動作を実行すべきである(以下、動作(D)という)ことが規定されている。操作パターン(4)で実行する動作(D)の一例として、例えば電池収納部14に収納されている電池の現在の充電量を報知する動作(以下、充電量報知動作という)が想定される。
【0116】
また、図10に示す動作テーブルにおいては、操作パターン(5)が発生した場合は、ロック解除に関する別の動作を実行する(以下、動作(E)という)ことが規定されている。操作パターン(5)で実行する動作(E)の一例として、例えば現時点で電池の充電を行った場合に、満充電になるまでに要すると予測される時間(電池充電予測時間)を報知する動作(以下、充電予測時間報知動作という)が想定される。
【0117】
また、図10に示す動作テーブルにおいては、操作パターン(6),(7)が発生した場合は、ロック解除に関する他の動作を実行することが規定されている。ここでは、操作パターン(6),(7)が発生した場合に実行すべきロック解除に関する他の動作は、操作パターン(6)が発生した場合も操作パターン(7)が発生した場合も同じ動作(F)とされている。動作(F)の一例として、「データ書込み中ですので、電池蓋(蓋部材3)を外さないでください」とのメッセージを出力して、蓋部材3の取り外しを禁止する旨を警告する動作(以下、アラート動作という)が想定される。
【0118】
また、図10に示す動作テーブルにおいては、操作パターン(8)が発生した場合は、外部記憶媒体Mへの書込みを終了(中止)する動作を実行すべきである(以下、動作(G)という)ことが規定されている。
【0119】
ここで、本実施形態では、ボタン30の押圧力が実際に最大押圧力F1以上であることを検出するのではなく、すなわち、最大押圧力F1以上であることを検知するためのセンサやスイッチを設けず、設定押圧力F2を検出するためのスイッチ31が押下されている時間が基準値より長いことをもってボタン30の押圧力が最大押圧力F1以上であるとみなしている。
【0120】
ボタン30の押圧力が最大押圧力F1以上になっていることを、センサやスイッチを用いて検出する形態が基本形態であるが、本実施形態では、センサやスイッチを省略することによるコスト削減を図るために、スイッチ31の押下時間が基準値より長いことをもってボタン30の押圧力が最大押圧力F1以上であるとみなすようにしている。
【0121】
データ書込部25は、媒体挿入口8に挿し込まれている外部記憶媒体Mに各種のデータの書込みを行うものである。データ書込部25は、判断部21により動作(8)(外部記憶媒体Mへのデータの書込み終了(中止)の実行)を行うべきであると判断されると、動作(8)を実行する。外部記憶媒体Mに書き込まれるデータとしては、例えば撮像部16により撮影された画像データが想定される。
【0122】
表示制御部26は、表示部11の表示動作を制御するものである。表示制御部26は、判断部21により動作(3)〜(7)を行うべきであると判断されると、動作(3)〜(7)(ロック解除に関する表示動作)を行うものである。
【0123】
例えば、表示制御部26は、判断部21により電池脱落注意表示動作を行うべきであると判断される(操作パターン(3)の場合)と、電池脱落注意表示動作を表示部11に行わせる。
【0124】
また、表示制御部26は、判断部21により電池充電量表示動作を行うべきであると判断される(操作パターン(4)の場合)と、前記電池充電量表示動作を表示部11に行わせる。
【0125】
また、表示制御部26は、判断部21により電池充電予測時間表示動作を行うべきであると判断される(操作パターン(5))と、電池充電予測時間表示動作を表示部11に行わせる。
【0126】
また、表示制御部26は、判断部21によりアラート動作を行うべきであると判断される(操作パターン(6),(7))と、アラート動作を表示部11に行わせる。
【0127】
図11は、電子機器1における第1及び第2操作部5a,5bの操作パターンに応じた動作を示すフローチャートである。
【0128】
図11に示すように、第1及び第2操作部5a,5bの各ボタン30のうち少なくとも何れか一方に対して押圧操作が行われると(ステップS1でYES)、判断部21は、両方のボタン30に対して押圧操作が行われたか否かを判断する(ステップS2)。
【0129】
判断部21は、一方のボタン30のみに対して押圧操作が行われたと判断した場合には(ステップS2でNO)、押圧操作されたボタン30は、第2操作部5bに対応するボタン30であるか否かを判断する(ステップS3)。
【0130】
判断部21は、ステップS3において、押圧操作対象が第2操作部5bに対応するボタン30ではない(第1操作部5aに対応するボタン30である)と判断すると(ステップS3でNO)、その押圧操作が浅押しであるか深押しであるかを判断する(ステップS4)。
【0131】
判断部21は、ステップS4において前記押圧操作が浅押しであると判断すると、第1AP実行部23は、第1APを実行する(動作(A);ステップS6)。一方、判断部21は、ステップS4において前記押圧操作が深押しであると判断すると、表示制御部26は、例えば電池脱落注意表示動作(動作(D))を表示部11に行わせる(ステップS5)。
【0132】
一方、判断部21は、ステップS3において第2操作部5bに対応するボタン30のみが押圧されたと判断すると(ステップS3でYES)、その押圧操作が浅押しであるか深押しであるかを判断する(ステップS7)。
【0133】
判断部21は、ステップS7において前記押圧操作が浅押しであると判断すると、第1AP実行部23は、第2APを実行する(動作(B);ステップS9)。一方、判断部21は、ステップS7において前記押圧操作が深押しであると判断すると、表示制御部26は、例えば電池充電予測時間表示動作を表示部11に行わせる(動作(E);ステップS8)。
【0134】
判断部21は、ステップS2において、両方のボタン30に対して押圧操作が行われたと判断した場合には(ステップS2でYES)、それらの押圧操作が両方とも浅押しであるか否かを判断する(ステップS10)。
【0135】
判断部21は、ステップS10において、前記押圧操作が両方とも浅押しであると判断すると(ステップS10でYES)、表示制御部26は、例えば電池充電量表示動作(動作(C))を表示部11に行わせる(ステップS11)。一方、判断部21は、ステップS10において前記押圧操作が両方浅押しされている操作ではないと判断すると(ステップS10でNO)、前記押圧操作が両方とも深押しされている操作であるか否かを判断する(ステップS12)。
【0136】
判断部21は、ステップS12において、前記押圧操作が両方とも深押しされている操作であると判断すると(ステップS12でYES)、データ書込部25は、現在外部記憶媒体Mへのデータの書込みを実行中である場合、そのデータの書込みを終了(中止)する(動作(G);ステップS13)。
【0137】
一方、判断部21は、ステップS12において前記押圧操作が両方深押しされている操作でもない、すなわち、前記押圧操作が一方が深押しで他方が浅押しされている操作であると判断すると(ステップS12でNO)、蓋部材3の取り外しを禁止する旨を警告するアラート動作を行う(動作(F);ステップS14)。
【0138】
図1に戻り、判断部21は、第1及び第2計測部19,20による計測結果に基づく第1及び第2操作部5a,5bの操作パターンと、内部記憶部22に格納されている動作テーブルとに基づいて、当該電子機器1において実行すべき動作(処理)を判断するものである。
【0139】
判断部21は、第1計測部19の計測時間T1に基づいて、第1操作部5aのボタン30に対する操作状況を認識する。
【0140】
すなわち、判断部21は、第1計測部19の計測時間T1が予め定められた閾値(Tth)を超えたか否かを判断する。判断部21は、第1計測部19による計測時間T1が前記閾値Tthを超えた場合には、第1操作部5aのボタン30が深押し(最大押圧力F1以上の押圧力で押圧)されたものと判断する。
【0141】
一方、第1計測部19による計測時間T1が前記閾値Tthを超えていないが、第1計測部19のスイッチ31からオン信号を受信した場合(浅押しの場合)には、判断部21は、第1操作部5aのボタン30が設定押圧力F2(<最大押圧力F1)で押圧されたものと判断する。なお、第1操作部5aのスイッチ31からオン信号を受信していない場合には、判断部21は、第1操作部5aのボタン30が押圧されていないものと判断する。
【0142】
同様に、判断部21は、第2計測部20の計測時間T2に基づいて、第2操作部5bのボタン30に対する操作状況を認識する。
【0143】
すなわち、判断部21は、第2計測部20の計測時間T2が前記閾値Tthを超えたか否かを判断する。判断部21は、第2計測部20による計測時間T2が前記閾値Tthを超えた場合には、第2操作部5bのボタン30が深押し(最大押圧力F1以上の押圧力で押圧)されたものと判断する。
【0144】
一方、第2計測部20による計測時間T2が前記閾値Tthを超えていないが、第2計測部20のスイッチ31からオン信号を受信した場合(浅押しの場合)には、判断部21は、第2操作部5bのボタン30が設定押圧力F2(<最大押圧力F1)で押圧されたものと判断する。なお、第2操作部5bのスイッチ31からオン信号を受信していない場合には、判断部21は、第2操作部5bのボタン30が押圧されていないものと判断する。
【0145】
判断部21は、このように認識した第1操作部5a及び第2操作部5bの操作状況から、現状の第1操作部5a及び第2操作部5bに対する操作状況の組合せ(操作パターン)が前記操作パターン(1)〜(8)のうちどれに該当するかを導き出す。
【0146】
そして、判断部21は、導き出した操作パターンと、内部記憶部22に格納されている動作テーブルとに基づき、当該電子機器1において実行すべき動作を判断する。
【0147】
すなわち、判断部21は、操作パターン(1)が発生していると判断した場合には、動作(A)(第1APの実行)を行うべきであると判断し、操作パターン(2)が発生していると判断した場合には、動作(B)(第2APの実行)を行うべきであると判断し、操作パターン(3)が発生していると判断した場合には、動作(C)(ロック解除に関する動作(例えば前述した電池脱落注意報知動作)の実行)を行うべきであると判断する。
【0148】
また、判断部21は、操作パターン(4)が発生していると判断した場合には、動作(D)(ロック解除に関する他の動作(例えば前述した充電量報知動作)の実行)を行うべきであると判断し、操作パターン(5)が発生している場合には、動作(E)(ロック解除に関する別の動作(例えば前述した充電予測時間報知動作)の実行)を行うべきであると判断し、操作パターン(6),(7)が発生している場合には、動作(F)(アラート動作の実行)を行うべきであると判断し、操作パターン(8)が発生していると判断した場合には、動作(G)(外部記憶媒体Mへの書込みを終了(中止)する動作の実行)を行うべきであると判断する。
【0149】
第1AP実行部23は、判断部21により動作(1)(第1APの実行)を行うべきであると判断されると、動作(1)(第1APの実行)を行うものである。第2AP実行部24は、判断部21により動作(2)(第2APの実行)を行うべきであると判断されると、動作(2)(第2APの実行)を行うものである。
【0150】
以上のように、本実施形態においては、通常の操作時(浅押し)にそれぞれ所定の機能の実行指示を入力するためのものとして機能する第1及び第2操作部5a,5bのボタン30がそれぞれ第1押圧力F1より大きな押圧力で押圧されたときに、ロック機構4のロックが解除され、蓋部材3が本体2から取り外し可能となるように構成した。
【0151】
これにより、本実施形態では、ロック機構4のロックを解除するための操作ボタン等を第1及び第2操作部5a,5bとは別に設ける場合に比して電子機器1の大型化を回避することができる。
【0152】
また、第1及び第2操作部5a,5bのボタン30が最大押圧力F1以上の押圧力で単独操作された場合、及び、それらのボタン30に対し設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力で同時並行的に操作された場合は、電池脱落注意表示、電池充電予測時間表示及び電池充電量表示などのロック解除に関する動作を行うようにした。
【0153】
これにより、蓋部材3の取り外しに起因して意に反して電池が脱落するという状況が発生するのを未然に防止又は低減することができる。
【0154】
さらに、第1及び第2操作部5a,5bのボタン30のうち一方が最大押圧力F1以上の押圧力で操作され、他方が設定押圧力F2以上最大押圧力F1未満の押圧力で同時並行的に操作された場合は、前記アラート動作を行い、また、第1及び第2操作部5a,5bの両方のボタン30が同時並行的に最大押圧力F1以上の押圧力で操作された場合は、現在外部記憶媒体Mへのデータの書込みを実行中であるとき、そのデータの書込みを終了(中止)するようにしたので、データの破壊を防止することができる。
【0155】
(第2の実施形態)
前記第1の実施形態においては、第1及び第2操作部5a,5bが最大押圧力F1以上の押圧力で操作される操作状況を検出する方法として、第1及び第2操作部5a,5bの押圧時間に基づいて前記操作状況を検出する方法、すなわち、第1及び第2操作部5a,5bのボタン30が押圧されている時間を検出し、この検出時間が予め定められた時間を超えたときに、前記操作状況が発生したものと判断するようにしたが、例えば次のように構成してもよい。
【0156】
本実施形態に係る電子機器においても、前記第1の実施形態と同様、ボタン30が深押し(最大押圧力F1以上の押圧力で押圧)されたとき、該ボタン30と連動してサポート板32やホルダー33が移動する。
【0157】
ここで、本実施形態では、そのホルダー33の可動領域の、最大押圧力F1で押圧された時にホルダー33と接触し得る位置に図略のタッチセンサを設置し、このタッチセンサから、ホルダー33と接触した旨の信号を検出信号として全体制御部18が受信すると、ボタン30が深押しされたものと全体制御部18(判断部21)が判断する。
【0158】
これによっても、操作部9が深押しされた操作状況を検出することができる。
【0159】
(第3の実施形態)
前記第1の実施形態に係る電子機器1においては、蓋部材3の取り外しに関わる操作部として、2つの操作部(第1操作部5a及び第2操作部5b)を備えたが、本発明において、操作部は1つとしてもよい。また、操作部が1つであることに対応して、ロック機構も1つだけ設けるようにしてもよい。ここでは、第3の実施形態として、前記第1の実施形態における第1及び第2操作部5a,5bのうち第1操作部5aと、第1操作部5aに対応するロック機構4とが設けられている電子機器1を想定する。
【0160】
本実施形態に係る電子機器1は、第1操作部5aのボタン30が浅押し(前記設定押圧力F2以上で前記最大押圧力F1未満の押圧力で押圧されたときに、電子機器1が実行し得る動作のうち第1操作部5aに予め割り当てられた動作(処理)を実行する。
【0161】
一方、前記第1操作部5aが深押し(最大押圧力F1以上の押圧力で押圧)されたときに、ロック機構4のロックが解除されるとともに、外部記憶媒体Mへのデータの書込み終了(中止)の実行)を行っている場合には、現在行っている外部記憶媒体Mへのデータの書込みを終了(中止)する。
【0162】
本実施形態に係る電子機器1においても、第1操作部5aに通常機能とロック解除機能とを持たせたので、ロック機構4のロックを解除するためのボタン等を、第1操作部5aとは別に設ける場合に比して電子機器1の大型化を回避することができる。
【0163】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0164】
例えば、前記第1〜第3の実施形態においては、蓋部材3として、電池収納部14を覆うためのバッテリーカバーを想定したが、本発明に係る電子機器において想定する蓋部材は、何らかの部材等を覆うものであれば、特段、バッテリーカバーに限定されるものではない。
【0165】
また、前記各実施形態においては、電池充電量、電池充電予測時間及び電池脱落注意を、表示部11及び表示制御部26を用いて視覚的に(表示で)報知するようにしたが、聴覚的に(音声で)報知するようにしてもよい。この場合、音声を出力する音声出力部と、音声出力部の制御を行う音声制御部とが設けられる。また、前記電池充電量を視覚的に行うとともに聴覚的に行うようにしてもよい。
【0166】
また、前記各実施形態においては、一つの操作部5につき、設定押圧力F2を一つ設定した場合について説明したが、設定押圧力を複数段階で検出できるようにセンサ等を設けることにより、一つの操作部5に複数の通常機能を割り当てることができることは言うまでも無い。
【0167】
また、前記各実施形態においては、第1及び第2操作部5a,5bの最大押圧力F1及び設定押圧力F2について、第1及び第2操作部5a,5bの間で大小関係を特定しなかったが、最大押圧力F1及び設定押圧力F2は、第1及び第2操作部5a,5bの間で同じであってもよいし、異なるようにそれぞれ設定されていてもよい。
【0168】
なお、本発明は、以下のようにも表現できる。
【0169】
すなわち、本発明は、表示部とバッテリーカバーとバッテリーカバーをロック可能な操作部とを備えた電子機器であって、
前記操作部は、ロック解除方向に所定以上の押圧力を受けた場合、前記操作部が筺体内部に移動し、前記所定以上の押圧力より小さい押圧力を受けた場合、入力キーとして機能する電子機器。
【産業上の利用可能性】
【0170】
本発明は、操作部に対する操作によって所定の処理や動作を行う電子機器であって、例えば電池収納部などの凹部の内部を開放したり閉塞したりするための蓋部材(カバー)が本体に着脱自在に取り付けられる電子機器に広く利用することができ、特に、携帯電話やPDAなど携帯性を有する電子機器に好適である。
【符号の説明】
【0171】
1 電子機器
2 本体
3 蓋部材
4 ロック機構
5a 第1操作部(操作部)
5b 第2操作部(操作部)
14 電池収納部
19 第1計測部(時間検出部)
20 第2計測部(時間検出部)
21 判断部
26 表示制御部(報知部)
30 ボタン
31 スイッチ(時間検出部)
F1 最大押圧力
F2 設定押圧力
M 外部記憶媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に着脱自在又は開閉自在に取り付けられる蓋部材と、
前記蓋部材を前記本体にロックするロック機構と、
押圧操作され、押圧力の大きさに応じて、当該電子機器が実行し得る動作のうち何れかを割り当て可能な操作部とを備え、
前記操作部で前記動作の割り当てが可能な最大の押圧力を最大押圧力とするとき、前記最大押圧力より大きな押圧力で前記操作部が操作されると、前記ロック機構のロック解除が行われることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記操作部は、複数備えられており、
前記ロック機構は前記操作部に対応してそれぞれ設けられており、
前記複数の操作部全てに対して、前記最大押圧力より大きな押圧力で押圧操作がなされたとき、前記蓋部材の全ての前記ロック機構のロック解除が行われることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力未満の場合、ロック解除に関する動作が行われることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記複数の操作部全てに対し、予め定められた設定押圧力以上で、且つ、前記最大押圧力未満の押圧力で押圧操作がなされた場合、ロック解除に関する動作が行われることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
電池が着脱可能な電池収納部を有し、
前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、
前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が、前記最大押圧力より小さい予め定められた設定押圧力未満の場合、前記ロック解除に関する動作として、前記電池収納部に収納されている電池の現在の充電量に関する報知を行うことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項6】
電池が着脱可能な電池収納部を有し、
前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、
前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が予め定められた設定押圧力以上前記最大押圧力未満の場合、前記ロック解除に関する動作として、前記蓋部材の取り外しを禁止する旨の報知を行うことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項7】
電池が着脱可能な電池収納部を有し、
前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、
前記ロック解除に関する動作として、前記電池収納部からの前記電池の脱落注意の報知を行うことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項8】
前記操作部は、前記押圧力が前記最大押圧力より小さい予め定められた設定押圧力以上でオンとなるスイッチを有し、
前記操作部のスイッチがオンとなっている時間を検出する時間検出部と、
前記操作部についての前記時間検出部の検出時間が予め定められた時間を超えると、当該操作部が前記最大押圧力以上の押圧力で操作されたものと判断する判断部と
を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記操作部は、前記押圧力が前記設定押圧力以上でオンとなるスイッチを有し、
前記操作部のスイッチがオンとなっている時間を検出する時間検出部と、
前記操作部についての前記時間検出部の検出時間が予め定められた時間を超えると、当該操作部が前記最大押圧力以上の押圧力で操作されたものと判断する判断部と
を備えることを特徴とする請求項4〜7の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
電池が着脱可能な電池収納部を有し、
前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、
記憶媒体へのデータの書込みを行っている途中で、前記複数の操作部全てに対し、前記最大押圧力以上の押圧力で押圧操作がなされたとき、前記記憶媒体へのデータの書込みを前記途中で終了することを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項1】
本体に着脱自在又は開閉自在に取り付けられる蓋部材と、
前記蓋部材を前記本体にロックするロック機構と、
押圧操作され、押圧力の大きさに応じて、当該電子機器が実行し得る動作のうち何れかを割り当て可能な操作部とを備え、
前記操作部で前記動作の割り当てが可能な最大の押圧力を最大押圧力とするとき、前記最大押圧力より大きな押圧力で前記操作部が操作されると、前記ロック機構のロック解除が行われることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記操作部は、複数備えられており、
前記ロック機構は前記操作部に対応してそれぞれ設けられており、
前記複数の操作部全てに対して、前記最大押圧力より大きな押圧力で押圧操作がなされたとき、前記蓋部材の全ての前記ロック機構のロック解除が行われることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力未満の場合、ロック解除に関する動作が行われることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記複数の操作部全てに対し、予め定められた設定押圧力以上で、且つ、前記最大押圧力未満の押圧力で押圧操作がなされた場合、ロック解除に関する動作が行われることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
電池が着脱可能な電池収納部を有し、
前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、
前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が、前記最大押圧力より小さい予め定められた設定押圧力未満の場合、前記ロック解除に関する動作として、前記電池収納部に収納されている電池の現在の充電量に関する報知を行うことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項6】
電池が着脱可能な電池収納部を有し、
前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、
前記複数の操作部のうち一部の操作部に対する押圧力が前記最大押圧力以上で、且つ、残余の操作部に対する押圧力が予め定められた設定押圧力以上前記最大押圧力未満の場合、前記ロック解除に関する動作として、前記蓋部材の取り外しを禁止する旨の報知を行うことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項7】
電池が着脱可能な電池収納部を有し、
前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、
前記ロック解除に関する動作として、前記電池収納部からの前記電池の脱落注意の報知を行うことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項8】
前記操作部は、前記押圧力が前記最大押圧力より小さい予め定められた設定押圧力以上でオンとなるスイッチを有し、
前記操作部のスイッチがオンとなっている時間を検出する時間検出部と、
前記操作部についての前記時間検出部の検出時間が予め定められた時間を超えると、当該操作部が前記最大押圧力以上の押圧力で操作されたものと判断する判断部と
を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記操作部は、前記押圧力が前記設定押圧力以上でオンとなるスイッチを有し、
前記操作部のスイッチがオンとなっている時間を検出する時間検出部と、
前記操作部についての前記時間検出部の検出時間が予め定められた時間を超えると、当該操作部が前記最大押圧力以上の押圧力で操作されたものと判断する判断部と
を備えることを特徴とする請求項4〜7の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
電池が着脱可能な電池収納部を有し、
前記蓋部材は、前記電池収納部を開放及び閉塞するための部材であり、
記憶媒体へのデータの書込みを行っている途中で、前記複数の操作部全てに対し、前記最大押圧力以上の押圧力で押圧操作がなされたとき、前記記憶媒体へのデータの書込みを前記途中で終了することを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−230831(P2012−230831A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98659(P2011−98659)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]