説明

電子機器

【課題】ユーザが無意識に操作をしてしまい、結果としてユーザの意図しない処理が行なわれる事態を回避する。
【解決手段】制御部16は、入力オブジェクトに関連づけられる処理を行うための荷重範囲が、入力オブジェクトが表示されなくなった後新たに表示されると変更されるように制御する。また、入力オブジェクトにかかる所定の荷重範囲を、入力オブジェクトに関連付けられた処理が行なわれると変更するように制御してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重検出部を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の携帯端末において、ユーザによる入力操作を検出する部材として、タッチセンサ等の接触検出部を備えた電子機器が増えてきた。接触検出部による入力操作の検出方式としては、抵抗膜方式、静電容量方式等、種々の検出方式が知られている。いずれの検出方式もユーザの指やスタイラスペン等による接触を検出する。
【0003】
接触検出部を備えた電子機器として、接触検出部と表示部とが重畳され形成されるタッチパネルが知られている。タッチパネルは、接触検出部の裏面に配置された表示部の表示画面上に、操作キーやボタン等の画像(以下、入力オブジェクトという)が表示される。表示画面上に表示された入力オブジェクトをユーザが押圧すると、接触検出部は、当該押圧位置における接触を検出するようになっている。また、所定の押圧力以上で押圧された場合に、タッチパネルのユーザに触感応答を与える技術も知られている。
【0004】
なお、押圧操作により、多段階の選択が可能となるタッチパネル式入力装置が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−39745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記した入力オブジェクトが押圧されると、制御部は、押圧された入力オブジェクトに関連付けられた、例えば、スヌーズアラーム解除処理、ファイル削除処理等のアプリケーション(処理)を実行する。これら入力オブジェクトに関連付けられた処理によっては、ユーザによる操作の慣れ等が影響して、入力オブジェクトを押圧することに対して、ユーザは操作の一連の流れとして無意識に操作を行ってしまうことがある。
【0007】
例えば、スヌーズアラーム解除処理を起動(実行)する入力オブジェクトであれば、目が覚めないうちにその入力オブジェクトを押圧することによって無意識にスヌーズアラームを停止してしまう。また、ファイル削除処理を起動する入力オブジェクトであれば、操作の一連の流れとして特に意識すること無くその入力オブジェクトを押圧することにより、重要なファイル削除を行なってしまい、リカバリが効かない状態に陥ることが多々あった。
【0008】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、ユーザに意識的な操作を促し、ユーザの意図しない処理が行なわれる事態を回避することができる、電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために本発明は、入力オブジェクトを表示する表示部と、押圧荷重を検出する荷重検出部と、前記荷重検出部が所定の荷重範囲内にある押圧荷重を所定時間連続して検出すると前記入力オブジェクトに関連付けられた処理を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記入力オブジェクトにかかる前記所定の荷重範囲を、前記入力オブジェクトが表示されなくなった後、新たに表示されると、変更するように制御することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、制御部は、入力オブジェクトに関連づけられる処理を行うための荷重範囲が、入力オブジェクトが表示されなくなった後新たに表示されると変更されるように制御する。このため、ユーザは、入力オブジェクトが、表示されなくなった後新たに表示されると(例えば、表示される毎に)異なる荷重範囲での押圧が要求されるため、ユーザに意識的な操作を促すことになる。したがって、ユーザが無意識に入力オブジェクトを押圧してしまい、結果としてユーザの意図しない処理が実行される事態を回避することが出来る。
【0011】
また、本発明は、押圧荷重を検出する荷重検出部と、前記荷重検出部が所定の荷重範囲内にある押圧荷重を所定時間連続して検出すると前記所定の処理を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記所定の荷重範囲を、前記所定の処理が行なわれると、変更するように制御することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、制御部は、所定の処理を行うための荷重範囲を、当該所定の処理が行なわれたことを契機に変更する。このため、ユーザは、所定の処理が行なわれると(例えば、行われる毎に)異なる荷重範囲での押圧が要求されるため、ユーザに意識的な操作を促すことになる。したがって、ユーザが無意識に操作をしてしまい、結果としてユーザの意図しない処理が実行される事態を回避することが出来る。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザに意識的な操作を促し、ユーザの意図しない処理が行なわれる事態を回避することが可能な、電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子機器の入力オブジェクト押圧時の押圧荷重を時間軸上に概略的に示したグラフである。
【図3】本発明の実施の形態に係る電子機器のスヌーズアラーム機能設定動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る電子機器の処理選択動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る電子機器の動作を画面遷移で示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための実施の形態(以下、単に本実施形態という)について詳細に説明する。
【0016】
(実施形態の構成)
図1は、本実施形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る電子機器1は、接触検出部11と、表示部12と、荷重検出部13と、触感呈示部14と、記憶部15と、制御部16と、により構成される。
【0017】
接触検出部11は、通常は表示部12の前面に配置され、表示部12に表示された入力オブジェクトに対するユーザの指やスライラスペン等の接触物による接触、または接触の解除を接触検出部11の入力面において検出する。また、接触検出部11は、入力面に対する接触位置を検出し、検出した接触位置を制御部16へ出力する。接触検出部11による接触位置の検出は、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式等、光学式等、周知の方式で実現される。なお、光学式の場合、接触検出部11は、赤外線等が接触物により遮られた位置を検出するため、接触検出部11が接触を検出するためには、接触物の物理的な接触は不要である。つまり、接触検出部11が検出する接触は、物理的な接触に限定されない。
【0018】
表示部12は、押しボタンスイッチのような入力オブジェクトを画像にて表示する。ここで、押しボタンスイッチとは、ユーザが入力操作に用いるボタンキー等である。表示部12は、例えば、液晶パネル(LCD:Liquid Crystal Display)や、有機ELパネル(OELD:Organic Electroluminescence Display)等を用いて構成される。
【0019】
なお、接触検出部11と表示部12とは一体化されていてもよい。接触検出部11と表示部12の両機能を一体化した装置の構成としては、LCDパネルが有するマトリクス状配列の画素電極群に、フォトダイオード等の複数の光電変換素子を規則的に混在させたものがある。この装置は、LCDパネル構造によって画像を表示する一方で、パネル表面の所望の位置に接触するペンの先端で液晶表示用のバックライトの光を反射し、この反射光を周辺に配置された光電変換素子が受光することにより接触位置を検出することができる。
【0020】
荷重検出部13は、接触検出部11の入力面に対する押圧荷重を検出する。荷重検出部13は、例えば、歪みゲージセンサや圧電素子等の荷重に対してリニアに反応する素子を用いて構成される。また、荷重検出部13は、検出した入力面に対する押圧荷重を制御部16に出力する。
【0021】
なお、荷重検出部13は、接触検出部11の検出方式に応じて、例えば、抵抗膜方式の場合は、接触面積による抵抗変化に基づく出力信号の変化から押圧荷重が検出できれば、歪みゲージセンサを用いることなく構成することができる。また、静電容量方式の場合、静電容量の変化に基づく出力信号の変化から押圧荷重が検出できれば、歪みゲージセンサを用いることなく構成することができる。つまり、荷重検出部13は、接触検出部11であってもよく、また接触検出部11からの出力信号の変化から押圧荷重を検出している点を考慮すると制御部16であっても良い。また、接触検出部11および制御部16の2つの構成により、荷重検出部13の機能を実現してもよい。
【0022】
触感呈示部14は、例えば、振動モータ(偏心モータ)等に基づき、接触検出部11の入力面を間接的に振動させることにより、入力面に接触しているユーザの指等の接触物に対して触感を呈示する。また、入力面に圧電素子を配設することで入力面を直接的に振動させるように構成しても良い。また、触感呈示部14は、接触検出部11の入力面に貼ったフィルムの電荷を制御する等により、機械的な振動を伴わずに接触物に対して触感を呈示してもよい。本実施形態では、触感呈示部14が呈示する触感により、現在の押圧階層をユーザに通知するために使用される。押圧階層については後述する。
【0023】
なお、荷重検出部13と触感呈示部14とは、圧電素子により一体化してもよい。例えば、荷重検出部13と触感呈示部14が圧電素子を用いて構成される場合、圧電素子を共用して荷重検出部13および触感呈示部14を構成することが出来る。圧電素子は、圧力が加わると電力を発生し、電力が加えられると変形するためである。
【0024】
記憶部15には、入力された各種情報や本実施形態に係る電子機器1を動作させるためのプログラム等が記憶される。記憶部15は、例えば、半導体メモリ等で構成され、上記したプログラムが割り当てられ記憶されるプログラム領域と、当該プログラムの実行過程において生成される各種データが割り当てられ記憶される作業領域とからなる。特に、本実施形態では、作業領域内に、後述する機能設定フラグや、予め設定される押圧階層毎の荷重範囲が記憶される。
【0025】
制御部16は、荷重検出部13により所定の荷重範囲内にある押圧荷重が所定時間連続して検出されると、入力オブジェクトに関連付けられた処理を行ない、入力オブジェクトに関連付けられた処理を行うための所定の荷重範囲をランダムに変更するように制御する。荷重範囲の変更の契機としては、入力オブジェクトが表示されなくなった後新たに表示される場合と、入力オブジェクトに関連付けられた処理(所定の処理)が行なわれる場合の2つが考えられる。
【0026】
ここで、荷重検出部13が検出する押圧荷重について、図2のグラフを参照しながら説明する。ユーザが接触検出部11の入力面を押圧する操作を行う際、ユーザの指等の接触物が入力面に触れてから、ユーザが押圧力を加えた場合、荷重検出部13が検出する押圧荷重は、時間経過にしたがって右上がりに増大する。その後、ユーザが押圧力を減じた場合、荷重検出部13が検出する押圧荷重は、時間経過にしたがって右下がりに減少する。荷重検出部13が検出する押圧荷重は、ユーザが加える押圧力が大きいほど大きくなり、例えば、ユーザが加える押圧力が大きい場合には、荷重検出部13が検出する押圧荷重は、図2に示す曲線P1のように変化し、ユーザが加える押圧力が小さい場合には、荷重検出部13が検出する押圧荷重は、例えば、図2に示す曲線P3のように変化する。
【0027】
ここで、制御部16が、荷重検出部13により所定の荷重範囲内にある押圧荷重が所定時間連続して検出されると、入力オブジェクトに関連付けられた処理を行なう際の「所定の荷重範囲」とは、ユーザが接触検出部11の入力面を押圧してから、指等の接触物を離すまでに荷重検出部13が検出する押圧荷重を複数の区間A,B,Cに分割し、その区間毎に定義される上限値と下限値の間に挟まれた荷重範囲のことをいう。以降では、このそれぞれの区間A,B,Cを押圧階層(荷重範囲)とも称して説明を行う。
【0028】
(実施形態の動作)
図3、図4は、本実施形態に係る電子機器1の動作を示すフローチャートであり、スヌーズアラーム設定動作(図3)、処理選択動作(図4)のそれぞれを示す。以下、図3、図4のフローチャートを参照しながら、本実施形態に係る電子機器1の動作について詳細に説明する。
【0029】
まず、図3のフローチャートを参照して、本実施形態に係る電子機器1のスヌーズアラーム設定動作について説明する。ここでは、アラームを所定の時間毎に数回繰り返し実行することにより、アラーム報知を一旦停止したユーザに対し、再度アラーム報知を行なう「スヌーズアラーム機能」の設定について説明する。
【0030】
はじめに表示部12の画面上に機能設定メニューが表示されているものとする(ステップS101)。ユーザは、画面表示された機能設定メニューの中から「スヌーズアラーム」を選択操作すると(ステップS102“YES”)、制御部16は、表示部12を制御することにより、表示部12に、スヌーズアラーム機能実現に必要な設定画面が表示される。
【0031】
ユーザは、この設定画面が入力操作を誘導する項目にしたがい、スヌーズアラームに必要な情報の設定入力を行う(ステップS103)。ここで、スヌーズアラームに必要な情報としては、アラーム停止ボタンの押圧によりアラームを一度停止後に繰り返されるアラーム鳴動の間隔を示す「スヌーズ時刻」がある。続いてユーザは、設定画面で入力操作を誘導する項目にしたがい、「押圧階層」、および押圧階層毎に定義される「荷重範囲」についての設定入力も行なう(ステップS104)。ユーザは、押圧階層を任意の数の階層とすることができ、また、その一つ一つの押圧階層に対応する荷重範囲を設定できる。例えば、ユーザは、押圧階層を押圧階層A、B、Cの3階層とし、それぞれの押圧階層の荷重範囲を押圧階層A:0N以上1N未満、押圧階層B:1N以上3N未満、押圧階層C:3N以上など、任意に設定できる。
【0032】
以上の設定項目の入力を終了すると、制御部16は、記憶部15のワークエリアに割り当てられ記憶される機能設定フラグのうち、「スヌーズアラームフラグ」をON設定すると共に、上記の各設定項目も保存する(ステップS105)。後述するように、制御部16は、スヌーズアラームが設定(スヌーズアラームフラグON)されていると、スヌーズアラーム解除処理が関連付けられた入力オブジェクト(スヌーズアラーム停止ボタン)を、表示部12のランダムな位置に、例えば数値で示される押圧階層を重畳して表示し、その押圧階層に定義された荷重範囲内にある押圧荷重が荷重検出部13で所定時間連続して検出されると、スヌーズアラームの解除処理を実行する。
【0033】
次に、図4のフローチャート、および図5の画面遷移図を参照しながら、本実施形態に係る電子機器1のスヌーズアラーム解除処理について詳細に説明する。
【0034】
なお、以下に説明するスヌーズアラーム解除処理の前提として、本実施形態に係る電子器1は、アラーム設定がなされており、このため、制御部16は、タイマによりアラーム時刻の監視を行っているものとする。このとき、表示部12には、図5(a)に示す待ち受け画面が表示されている。続いて、制御部16は、アラーム設定時刻(例えば、7:00)に到達すると、図5(b)に示すように、アラーム(黒で塗りつぶしたマークで表記)を鳴動させると共に、表示部12の所定の位置にアラーム停止のために用意された入力オブジェクトであるアラーム停止ボタンというを表示する。ユーザは、このアラーム停止ボタンを指で押圧することにより、図5(c)に示すようにアラームの鳴動を停止することができる。
【0035】
次に、スヌーズアラームの解除処理を実行するにあたり、制御部16は、まず、スヌーズアラームの設定がされているか否かを判定する(図4のステップS201)。スヌーズアラーム設定の有無は、例えば、記憶部15の作業領域に割り当てられてあるスヌーズアラームフラグを参照することにより判定が可能である。ここで、スヌーズアラームフラグがONになっていれば(ステップS201“YES”)、制御部16は、例えば、図5(d)に示すように、表示部12に、「スヌーズは解除されていません(鳴動3分前)」等のメッセージ(スヌーズアラームポップアップ)を表示する(ステップS202)。
【0036】
次に、制御部16は、スヌーズアラームの解除処理が関連付けられた入力オブジェクト(以下、スヌーズアラーム停止ボタン)を表示するために、表示位置、およびそのスヌーズアラーム停止ボタンの押圧階層を押圧階層A,B,Cの内からランダムに決定する(ステップS203)。そして、制御部16は、予め設定されたスヌーズ時刻が到来すると(ステップS204“YES”)、スヌーズアラームを鳴動させると共に、表示部12を制御して、先にランダムに決定された表示位置に、同じくランダムに決定された押圧階層が重畳されたスヌーズアラーム停止ボタンを表示する(ステップS205)。ここでは、図5(e)に示されるように、押圧階層が“C”になっている。
【0037】
続いて、ユーザが接触検出部11の入力面に触れることで表示部12に表示されたスヌーズアラーム停止ボタンを押圧すると、接触検出部11がこれを検出して(ステップS206“YES”)制御部16にその位置情報を出力する。制御部16は、その位置情報からスヌーズアラーム停止ボタンの押圧を認識するとともに、荷重検出部13で検出される押圧荷重を取得し(ステップS207)、更に、その押圧階層“C”に設定された荷重範囲を記憶部15から読み出す。そして、制御部16は、荷重検出部13で検出された押圧荷重が、所定時間連続して押圧階層“C”に定義された荷重範囲内にあるか否かを判定する(ステップS208)。
【0038】
ここで、ユーザによるスヌーズアラーム停止ボタンの押圧荷重が所定時間連続して予め定義された荷重範囲C内にあると判定されると(ステップS208“YES”)、制御部16は、スヌーズアラーム解除処理を実行することができる(ステップS209)。また、所定時間連続して荷重範囲C内に無いと判定されると(ステップS208“NO”)、制御部16は、適切な力加減で押圧されていないと認識してスヌーズアラーム解除処理を実行しない。
【0039】
なお、スヌーズアラーム解除処理が実行されない場合、制御部16は、スヌーズアラーム停止ボタンの表示を一旦消して(スヌーズアラーム停止ボタンが表示されないようにする)、ステップS202の「スヌーズアラームポップアップ表示処理」に戻る。制御部16は、続いてランダムに決定されるスヌーズアラーム停止ボタンの表示位置と、同様にランダムに決定される押圧階層とに基づき、表示部12を制御して、図5(f)に示すように、新たな押圧階層(例えば、B)が重畳されたスヌーズアラーム停止ボタンの再表示を行ない、ユーザに、その押圧階層“B”にしたがう適切な荷重範囲内でのスヌーズアラーム停止ボタンの押圧を促す(ステップS203〜S205)。そして、制御部16は、表示部12に表示されたスヌーズアラーム停止ボタンの接触を検出し(ステップS206“YES”)、再表示されたスヌーズアラーム停止ボタンの押圧階層にしたがう荷重範囲内での所定時間連続した押圧荷重を検出した場合に(ステップS207、S208“YES”)、スヌーズアラーム解除処理を実行する(ステップS209)。
【0040】
なお、制御部16は、ユーザによるスヌーズアラーム停止ボタンの押圧時、荷重検出部13により検出される押圧荷重が、押圧階層にしたがう荷重範囲を超える毎に触感呈示部14により生成される触感をユーザの指等の接触物に呈示すれば、ユーザは、荷重検出部13が検出する押圧荷重が現在A、B、Cのどの荷重範囲内にあるかを知ることが出来るため、目覚めていればアラーム停止ボタンを適切な力加減で押圧することができる。したがってユーザに利便性を提供することができる。
【0041】
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態に係る電子機器1によれば、制御部16は、入力オブジェクトに関連づけられる処理を行うための荷重範囲が、当該入力オブジェクトが表示されなくなった後、新たに表示されると変更されるように制御するため、ユーザが無意識に入力オブジェクトを押圧してしまって、結果としてユーザが意図しない処理が実行される事態を回避することが出来る。また、制御部16は、入力オブジェクトにかかる所定の荷重範囲を、入力オブジェクトに関連付けられた処理が行なわれると変更するように制御してもよい。例えば、制御部16は、ランダムに決定される位置に、ランダムに設定される押圧範囲が対応付けられている入力オブジェクト(スヌーズアラーム停止ボタン)を表示し、ユーザに当該入力オブジェクトに対する操作を要求することにより、ユーザは、スヌーズアラーム停止のための操作を意識的に行う必要があり、結果として目覚まし効果を向上させることが出来る。
【0042】
なお、本実施形態に係る電子機器1では、入力オブジェクトとしてのスヌーズアラーム停止ボタンの押圧によるスヌーズアラーム解除処理についてのみ説明したが、例えば、セキュリティが付与されたファイルの削除についても適用可能である。例えば、入力オブジェクトとしての削除決定ボタンを画面のランダムな位置に表示し、かつ、予め設定された押圧階層にて定義される押圧荷重にしたがい入力オブジェクトとしての削除決定ボタンを押圧することによりファイルを削除するケースに適用してもよい。この場合、誤ってセキリティ性の高いファイルを削除することを二重三重にユーザに確認させることが可能になるため、無意識に重要なファイル削除を行なってしまい、リカバリが効かない状態に陥る事態を回避することができる。この場合、制御部16は、削除決定ボタンに関連付けられた処理(所定の処理)が行われ、ファイルを削除すると、当該削除決定ボタンに設定されていた押圧階層A(押圧範囲)を変更し、例えば、押圧階層Bにする。このように押圧階層を変更することにより、次回ファイルを削除する場合には、ユーザは、荷重検出部13により検出される押圧荷重が押圧階層Aではなく、押圧階層Bに対応するように、押圧力を調整しなければならない。
【0043】
また、上述したスヌーズアラーム解除処理においては、図5(e)、(f)に示すとおり、入力オブジェクトとしてスヌーズアラーム停止ボタンを表示して、電子機器1は、接触検出部11が、スヌーズアラーム停止ボタンが表示されている位置に対応する接触検出部11の位置の接触を検出することを条件に、スヌーズアラーム解除処理を行っていたが、スヌーズアラーム停止ボタンを表示させずに、荷重検出部により所定の荷重範囲内(押圧階層)にある押圧荷重が所定時間連続して検出されると、スヌーズアラーム解除処理(所定の処理)を行ってもよい。この場合、スヌーズアラームが解除すると、スヌーズアラーム解除処理に対応付けられていた押圧階層を、例えば、押圧階層Aから押圧階層Bに変更する。このように、押圧階層を変更することにより、次回スヌーズアラームフラグがONにされた際には、ユーザは、荷重検出部13により検出される押圧荷重が押圧階層Aではなく、押圧階層Bに対応するように、押圧力を調整しなければならない。なお、この場合、電子機器は、スヌーズアラームを解除するための押圧階層に関する情報(例えば、押圧階層A)を、表示部12の任意の位置に表示したり、図示しない音声出力部により音声出力したりすると好適である。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0045】
1・・電子機器、11・・接触検出部、12・・表示部、13・・荷重検出部、14・・触感呈示部、15・・記憶部、16・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力オブジェクトを表示する表示部と、
押圧荷重を検出する荷重検出部と、
前記荷重検出部が所定の荷重範囲内にある押圧荷重を所定時間連続して検出すると前記入力オブジェクトに関連付けられた処理を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記入力オブジェクトにかかる前記所定の荷重範囲を、前記入力オブジェクトが表示されなくなった後新たに表示されると変更するように制御することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
押圧荷重を検出する荷重検出部と、
前記荷重検出部が所定の荷重範囲内にある押圧荷重を所定時間連続して検出すると所定の処理を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記所定の荷重範囲を、前記所定の処理が行なわれると変更するように制御することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−247969(P2012−247969A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118699(P2011−118699)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】