説明

電子機器

【課題】
ユーザーの利便性を向上させる。
【解決手段】
機器の電源がオンされるとバッテリー残量検出部はバッテリー残量を検出し、CPUに出力する。CPUはバッテリー残量検出部からの検出結果に基づき、バッテリー残量を表す変数Kを生成する。以後、機器の電源がオフされるまでの間、バッテリー残量検出部は所定時間経過するごとに現在のバッテリー残量を表す変数Kcを生成し、変数Kと比較を行うことで、残量レベルが変化したか否かを判断する。残量レベルが変化したと判断した場合は、設定情報格納エリアから残量レベルに対応した設定を読み出し各部に反映させる。設定の反映が完了したらその旨をユーザーに報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関し、とくに電子機器の省電力化に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやICレコーダーなどの電子機器が普及している。これらの電子機器は、一般的に充電可能なバッテリー(電池)から電力が供給されることで動作している。
【0003】
電子機器の動作可能時間は、電子機器の単位時間あたりの消費電力によって決まる。単位時間あたりの消費電力は、電子機器が備える各部の設定より異なる。
【0004】
例えば、電子機器がデジタルカメラである場合、LCDモニタ等の表示部の明るさ、撮像素子の駆動速度、およびGPS(Global Positioning System)や傾斜センサなどの各種センサのオン/オフ状態などの設定状態により、単位時間あたりの消費電力が異なる。
【0005】
つまり、電子機器の各部の電力消費を抑制することで、電子機器の動作可能時間を長くすることができる。
【0006】
例えば、特許文献1には、バッテリー残量が所定値以下になった場合は省電力モードに設定し、各部の消費電力を抑制することで、撮影時間を長く確保する動画像符号化記録装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−78969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されている発明は、バッテリー残量が所定値以下になると自動的に省電力モードに移行する。しかしながら、省電力モードに移行した場合に装置の各部がどのような設定に変更されたかを知ることはできず、ユーザーにとって不便である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本願発明にかかる電子機器は、(クレーム完成後、挿入)ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、バッテリー残量が低下し、省電力化を図るために機器の設定が変更された場合に、具体的にどの設定項目が変更されたを知ることができ、ユーザーの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明にかかる撮像装置1の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】メモリ12の内部構成の概略を示すブロック図である。
【図3】撮像装置1の設定情報の一例を示す模式図である。
【図4】撮像装置1の設定が変更された場合の報知の態様の一例を表す図解図である。
【図5】撮像装置1の設定が変更された場合の報知の態様の他の一例を表す図解図である。
【図6】撮像装置1の自動省電力モードの処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0012】
(撮像装置1の構成)
本発明の一実施形態をデジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置に適用した場合を例として説明する。図1は本発明に係る撮像装置1の構成の概略を示すブロック図である。
【0013】
撮像装置1は、撮像素子(イメージセンサ)2と、被写体の撮影画角を変更するためのズームレンズ4、被写体にピントを合わせる為のフォーカスレンズ6、露光量を調整するための絞り8などを備える撮像部10を備える。
【0014】
また、撮像装置1は、撮像部が捉えた被写体に相当する画像(以下、被写体画像と記載する。)等を一時記録するメモリ12、メモリ12に一時記録された被写体画像に色補間処理、ホワイトバランス調整、ノイズリダクション処理等の各種信号処理を施す信号処理部14を備える。
【0015】
また、撮像装置1は、信号処理部14で処理された被写体画像が静止画である場合はJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式、動画である場合はMPEG(Moving Picture Experts Group)方式などにより該被写体画像に圧縮符号化処理を施し、圧縮画像信号を生成する画像コーデック部16を備える。
【0016】
また、撮像装置1は、自装置に電力を供給し、動作させるためのバッテリー18、バッテリー18の残量を検出するバッテリー残量検出部20を備える。
【0017】
また、撮像装置1は、被写体画像を表示する表示部24、撮影された被写体画像を記録する記録媒体26、撮像装置1の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)28を備える。
【0018】
また、撮像装置1は、撮像装置1に対するユーザからの操作を受け付け、当該操作に応じた指示をCPU28に与える操作部22、撮像装置1本体の状態を検出するセンサ部30を備える。
【0019】
また、撮像装置1は音声を入力するためのマイク、および音声を出力するためのスピーカーを含む音声入出力部32を備える。
【0020】
撮像素子2は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子が使用される。
【0021】
メモリ12は、例えば、VRAM(Video Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、或いはSDRAM(Synchronous DRAM)などの一般的に用いられているメモリが使用される。
【0022】
信号処理部14は、撮像部10が捉えている被写体画像に、人物の顔が含まれているか否かを検出する顔検出部141を備える。
【0023】
操作部22は、撮影処理を実行させるシャッタボタン221、ズームレンズ4を駆動させ、被写体のズーム倍率を調節するズームスイッチ(図示せず。)、セルフタイマーをセットするタイマースイッチ(図示せず。)、などを備える。
【0024】
表示部24は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)モニタや有機EL(Electro-Luminescence)モニタが使用される。また、表示部24は、人の指の接触を感知するタッチパネル式であっても構わない。
【0025】
記録媒体24は、例えばフラッシュメモリや内蔵型HDD(Hard Disk Drive)などの撮像装置1に内蔵される内部記録媒体が使用される。
【0026】
或いは、内蔵記録媒体の代わりにSDメモリカードやメモリスティック(登録商標)、外付けHDDなどの撮像装置1への着脱が自在な外部記録媒体が使用されても良い。
【0027】
センサ部30は、撮像装置1の現在位置を測位するGPS301、撮像装置1の姿勢を検出する傾斜センサ302、および、撮像装置1の本体内部の温度を検出する温度センサ303、などを備える。
【0028】
(撮像装置1の自動省電力モード)
次に、図2および図3を参照して、撮像装置1の自動省電力モードについて説明する。図2は、メモリ12の内部構成の概略を示すブロック図である。図3は、撮像装置1のバッテリー残量と各動作設定の対応(以下、設定情報と記載する。)の一例を示す模式図である。
【0029】
ここでいう動作設定とは、撮像装置1の各動作設定項目の設定パラメータの組み合わせである。動作設定項目については後述する。
【0030】
メモリ12は、設定情報を格納する設定情報格納エリア121、および現在のバッテリー残量を表す変数Kを保持する残量レベル格納エリア122を備える。
【0031】
また、メモリ12は、YUV変換、ホワイトバランス調整処理などの画像処理を行う場合に画像データを一時記録する画像処理エリア123を備える。
【0032】
また、メモリ12は、画像データ以外のデータ(例えば、撮像装置1のファームウェアのアップデートプログラムなど。)を一時的に記憶するフリーエリア124を備える。
【0033】
撮像装置1のバッテリー残量は、例えば、Lv.1〜Lv.4の4段階のレベル(以下、残量レベルと記載する。)に分類して管理される。
【0034】
Lv.1はバッテリー残量が81〜100%、Lv.2はバッテリー残量が51〜80%、Lv.3はバッテリー残量が21〜50%、Lv.4はバッテリー残量が0〜20%に相当する。
【0035】
変数Kは残量レベルに対応し、残量レベルがLv.1である場合はK=1、Lv.2である場合K=2、Lv.3である場合はK=3、Lv.4である場合はK=4として残量レベル格納エリア122に格納される。
【0036】
尚、このバッテリー残量の分類はこれに限定されず、より細かく分類(例えば、Lv.1〜Lv.10の10段階など。)して管理するようにしてもよい。
【0037】
動作設定項目は、1.スリープモードへ移行するまでの時間、2.表示部の明るさ、3.AF制御、4.傾斜センサーのオン/オフ、5.GPSのオン/オフ、および6.顔検出機能のオン/オフの6項目がある。
【0038】
各残量レベルにおける各動作設定項目の設定状態の組み合わせが動作設定である。
【0039】
例えば、残量レベルがLv.1の場合は、スリープモードへ移行するまでの時間は30秒、表示部の明るさ明るめ、AF制御はC−AF(Continuous-Auto Focus)、傾斜センサはオン状態、GPSはオン状態、顔検出機能はオン状態に動作設定される。
【0040】
残量レベルがLv.4の場合は、スリープモードへ移行するまでの時間は10秒、表示部の明るさは暗め、AF制御はS−AF(Single-Auto Focus)、傾斜センサはオフ状態、GPSはオフ状態、顔検出機能はオフ状態に動作設定される。
【0041】
尚、動作設定項目の数はこれに限定されず、より多数の動作設定項目(例えば、10項目など。)であってもよい。
【0042】
また、設定情報をユーザー自身が自由にカスタマイズできるようにしてもよい。設定情報がユーザーよって変更された場合、設定情報格納エリア121に格納されている設定情報が更新される。
【0043】
撮像装置1の電源がオンされると、バッテリー残量検出部20はにバッテリー18のバッテリー残量を検出する。
【0044】
バッテリー残量は、例えば、バッテリー18から供給される電力の電圧値、或いは電圧値の効果状況から検出する事が出来る。
【0045】
バッテリー残量検出方法の詳細は、特開2005−326233号公報に細かく開示されている。
【0046】
バッテリー残量検出部20は、バッテリー18のバッテリー残量を検出すると、検出結果をCPU28に出力する。
【0047】
CPU28は、バッテリー残量検出部20から出力された検出結果から残量レベルを検出し、残量レベルに対応する変数Kを生成し、残量レベル格納エリア122に格納する。
【0048】
次にCPU28は、設定情報格納エリアから現在の残量レベルに対応する設定(例えば、K=1である場合はLv.1に対応する設定)を読み出し、各部に反映させる。
【0049】
バッテリー残量検出部20は、以後、所定時間毎(例えば10分毎など。)にバッテリー残量の検出を繰り返し、検出結果をCPU28に出力する。
【0050】
CPU28は、所定時間毎にバッテリー残量検出部20から出力される検出結果に応じて、現在の残量レベルに対応する変数Kcを生成し、残量レベル格納エリア122に格納されている変数Kと比較を行う。
【0051】
K=Kcである場合は、残量レベルは変化していないと判断する。K≠Kcである場合は、残量レベルが変化したと判断する。
【0052】
CPU28は、残量レベルが変化したと判断した場合、残量レベル格納エリア122に格納されている変数Kの値をKcの値で更新する。
【0053】
続いてCPU28は、設定情報格納エリア121から対応する設定を読み出し、現在の撮像装置1の設定と比較を行い、6個の設定項目のうち、設定変更が必要な項目を検出する。
【0054】
例えば、残量レベルがLv.1からLv.2に変化した場合、スリープモードへ移行するまでの時間、表示部の明るさ、傾斜センサのオン/オフ状態の3項目の設定変更が必要になる。
【0055】
CPU28は、設定変更が必要な3項目の設定を変更し、設定の変更の変更があった旨を表示部24に表示させることでユーザーに報知する。
【0056】
このとき、例えば、示すようにどの設定項目に設定変更があったのかをユーザーが明確に理解できるように表示を行う。
【0057】
具体的には、例えば、図4Aに示すようなテキスト表示、あるいは図4Bに示すようなアイコン表示を行うことで、ユーザーはどの動作設定項目に変更があったかを明確に理解することができる。
【0058】
尚、残量レベルがLv.2からLv.3に変化した場合、CPU28は、AF制御とGPSのオン/オフ状態の2項目が設定変更され、表示部24に図5Aに示すようなテキスト表示、あるいは図5Bに示す様なアイコン表示をさせる。
【0059】
このようにすることで、ユーザーは、撮像装置1の設定に変更があった場合、どのような設定項目が変更されたのかを理解することができ、利便性が向上する。
【0060】
自動省電力モードは、撮像装置1の電源がオフされるまで繰り返される。
【0061】
図6は、撮像装置1の自動省電力モードにかかる処理動作を示すフローチャートである。撮像装置1の電源がオンされると、ステップS601に移行する。
【0062】
ステップS601では、バッテリー残量検出部20がバッテリー残量を検出し、検出結果をCPU28に出力する。
【0063】
ステップS603では、CPU28がバッテリー残量検出部20からの出力結果に基づき変数Kを生成し、残量レベル格納エリア122に変数Kの値を格納する。
【0064】
ステップS605では、変数Kの値に対応する設定を設定情報格納エリアから読み出し各部に反映させる。
【0065】
ステップS607では、CPU28は、所定時間が経過したか否かを判別する。所定時間が経過した場合はステップS609に進み、そうでない場合はステップS607を繰り返す。
【0066】
ステップS609では、バッテリー残量検出部20がバッテリー残量を検出し、検出結果をCPU28に出力する。
【0067】
ステップS611では、CPU28がバッテリー残量検出部20からの出力結果に基づき変数Kcを生成する。ステップS613では、変数Kの値と変数Kcの値が等しいか否かを判断する。
【0068】
CPU28によって、変数Kの値と変数Kcの値が等しいと判断された場合はステップS607に戻り、そうでない場合はステップS615に進む。
【0069】
ステップS615では、変数Kの値を変数Kcの値で更新する。ステップS617では、変数Kの値に対応する設定を設定情報格納エリアから読み出し各部に反映させる。
【0070】
ステップS619では、設定変更があった旨を表示部24にテキスト表示させることでユーザーに報知する。ステップS621では、ユーザーによって撮像装置1の電源をオフする操作がなされたか否かを判断する。
【0071】
ユーザーによって撮像装置1の電源をオフする操作がなされた場合は自動省電力モードを終了する。そうでない場合はステップS607に戻る。
【0072】
上記実施例では、設定変更があった場合に、その旨を表示部24にテキスト表示、あるいはアイコン表示させることでユーザーに報知するようにしているが、例えば、音声出力や振動出力によって設定変更があった旨を報知するようにしても良い。
【0073】
また、例えば、動画像撮影中などに残量レベルが変化した場合は、動画像の撮影が終了するまで設定の変更を保留するようにしても良い。
【0074】
また、自動省電力モードをユーザーが任意でオン/オフできるようにしても良い。
【0075】
また、バッテリー充電によってバッテリー残量が増えた場合についても上記実施例を適用すようにしても良い。
【0076】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0077】
2 撮像素子
4 ズームレンズ
6 フォーカスレンズ
8 絞り
12 メモリ
14 信号処理部
16 画像コーデック部
18 バッテリー
20 バッテリー残量検出部
22 操作部
221 シャッタボタン
24 表示部
26 記録媒体
28 CPU
30 センサ部
301 GPS
302 傾斜センサ
303 温度センサ
32 音声入出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を実行する実行手段、
自機に取り付けられたバッテリーの残量を検出する検出手段、
検出された前記残量に応じて、前記実行可能な機能の一部または全部を変更する変更手段、
前記変更手段によって前記実行手段による実行機能の一部または全部が変更された場合に変更された実行機能をユーザーに報知する報知手段を備える電子機器。
【請求項2】
前記報知手段は、音声出力手段、光出力手段、振動出力手段のうち、いずれかによって報知する請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
ユーザーの指示を受け付ける操作手段、をさらに備え、
前記変更手段は、前記操作部が受け付けたユーザーの指示に応じて、前記実行手段による実行機能の一部または全部を変更する、請求項1および2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記検出手段は、所定の時間毎に前記残量の検出を繰り返す請求項1乃至3に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−31121(P2013−31121A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167462(P2011−167462)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】