説明

電子機器

【課題】機器本体に設けられた複数のコネクタに対する外部機器側のコネクタの誤挿入を防止する仕組みを提供する。
【解決手段】電子機器の機器本体101には、雌型端子構造の第1のコネクタ111a及び雄型端子構造の第2のコネクタ111bが設けられる。そして、外部機器に設けられた雄型端子構造の第1のプラグコネクタ110a及び雌型端子構造の第2のプラグコネクタ110bのうち、第1のプラグコネクタ110aが第1のコネクタ111aに接続されるとともに、2のプラグコネクタ110bが第2のコネクタ111bに接続されることで、機器本体101と外部機器104とが電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器本体に外部機器とのコネクタ接続部が複数設けられるデジタルビデオカメラ等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコネクタ接続構造として、一方のコネクタの凸部及び凹部に他方のコネクタの凹部及び凸部を嵌合させて、外周側に設けた固定ネジ部によりコネクタ同士を接続した状態で固定する技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3004347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1では、デジタルビデオカメラ等の電子機器の機器本体に複数のコネクタを隣接配置し、これらのコネクタに外部機器側の複数のコネクタを接続する場合、機器本体側のコネクタに対して外部機器側のコネクタを誤挿入するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、機器本体に設けられた複数のコネクタに対する外部機器側のコネクタの誤挿入を防止する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、雌型端子構造の第1のコネクタ及び雄型端子構造の第2のコネクタが設けられる機器本体を備え、外部機器に設けられた雄型端子構造の第1のプラグコネクタ及び雌型端子構造の第2のプラグコネクタのうち、前記第1のプラグコネクタが前記第1のコネクタに接続されるとともに、前記2のプラグコネクタが前記第2のコネクタに接続されることで、前記機器本体と前記外部機器とが電気的に接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機器本体に設けられた複数のコネクタに対して外部機器側のコネクタを誤挿入するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の電子機器の実施形態の一例であるデジタルビデオカメラを背面側から見た斜視図である。
【図2】カメラ本体におけるLジャックコネクタ及びRジャックコネクタの配置部分の斜視図である。
【図3】LプラグコネクタとRプラグコネクタの詳細を示す斜視図である。
【図4】カメラ本体と外部機器とを信号ケーブルを介して接続した状態での電気系の構成例を示すブロック図である。
【図5】カメラ本体から外部機器に給電する処理を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の電子機器の実施形態の一例であるデジタルビデオカメラを背面側から見た斜視図である。
【0011】
本実施形態のデジタルビデオカメラは、図1に示すように、カメラ本体101の前端側には、レンズユニット102が設けられ、カメラ本体101の上部には、ハンドルユニット103が装着されている。ハンドルユニット103には、外部機器104が着脱可能に装着される装着部105が設けられている。ここで、カメラ本体101は、本発明の機器本体の一例に相当する。
【0012】
外部機器104には、LCDパネル等の表示装置106、操作スイッチ107、及び音声入力コネクタ108が設けられている。表示装置106は、カメラ本体101から送られてくる映像信号や各設定情報を表示する。操作スイッチ107は、外部機器104やカメラ本体101の各種操作を行うためのスイッチである。音声入力コネクタ108は、外部マイクが接続され、外部マイクで集音された音声信号は、カメラ本体101に伝送される。
【0013】
また、外部機器104には、2つの信号ケーブル109a及び109bが接続されている。信号ケーブル109a及び109bは、外部機器104とカメラ本体101とを電気的に接続するためのケーブルである。信号ケーブル109aの先端部には、Lプラグコネクタ110aが設けられ、信号ケーブル109bの先端部には、Rプラグコネクタ110bが設けられている。
【0014】
そして、Lプラグコネクタ110aは、カメラ本体101に設けられたLジャックコネクタ111a(図2参照)に電気的に接続される。また、Rプラグコネクタ110bは、カメラ本体101に設けられたRジャックコネクタ111b(図2参照)に電気的に接続される。
【0015】
図2は、カメラ本体101におけるLジャックコネクタ111a及びRジャックコネクタ111bの配置部分の斜視図である。
【0016】
図2に示すように、カメラ本体101には、Lプラグコネクタ110aが接続されるLジャックコネクタ111aと、Rプラグコネクタ110bが接続されるRジャックコネクタ111bとが設けられている。
【0017】
Lジャックコネクタ111aは、複数の端子穴112を有する雌型端子構造とされ、一方、Rジャックコネクタ111bは、複数の端子ピン113を有する雄型端子構造とされている。ここで、Lジャックコネクタ111aは、本発明の第1のコネクタの一例に相当し、Rジャックコネクタ111bは、本発明の第2のコネクタの一例に相当する。
【0018】
図3は、Lプラグコネクタ110aとRプラグコネクタ110bの詳細を示す斜視図である。
【0019】
図3に示すように、Lプラグコネクタ110aは、カメラ本体101のLジャックコネクタ111aの複数の端子穴112に対応する複数の端子ピン121を有する雄型端子構造とされている。
【0020】
一方、Rプラグコネクタ110bは、カメラ本体101のRジャックコネクタ111bの複数の端子ピン113に対応する複数の端子穴122を有する雌型端子構造とされている。ここで、Lプラグコネクタ110aは、本発明の第1のプラグコネクタの一例に相当し、Rプラグコネクタ110bは、本発明の第2のプラグコネクタの一例に相当する。
【0021】
そして、Lプラグコネクタ110aの複数の端子ピン121をLジャックコネクタ111aの複数の端子穴112に挿入するとともに、Rプラグコネクタ110bの複数の端子穴122をRジャックコネクタ111bの複数の端子ピン113に挿入する。これにより、外部機器104とカメラ本体101とが電気的に接続される。
【0022】
なお、Lプラグコネクタ110aには、Lジャックコネクタ111aの不図示の凹部に位置決め嵌合されるリブ123が設けられ、Rプラグコネクタ110bには、Rジャックコネクタ111bの不図示の凹部に位置決め嵌合されるリブ124が設けられている。
【0023】
図4は、カメラ本体101と外部機器104とを信号ケーブル109a,109bを介して接続した状態での電気系の構成例を示すブロック図である。
【0024】
図4に示すように、外部機器104は、LCDパネル106、LCD駆動回路132、ROM134、操作スイッチ107、操作スイッチ制御部136、電源回路137、オーディオアンプ回路138、バックライト133、及び音声入力コネクタ108を備える。
【0025】
LCD駆動回路132は、カメラ本体101の制御部148から信号ケーブル109aのLCD駆動回路用電線141を介して伝送された映像信号をROM134に記憶されたLCD設定情報を基に制御して、LCDパネル106に表示する。バックライト133は、カメラ本体101の制御部148から信号ケーブル109aのバックライト制御用配線140を介して伝送された制御信号に基づき、電源回路137から電源が供給され、発光が行われる。
【0026】
ROM134は、カメラ本体101の制御部148から信号ケーブル109aのROM用配線142を介して伝送されたLCD設定情報を記憶する。操作スイッチ制御部136は、操作スイッチ107の操作情報を信号ケーブル109bの操作スイッチ制御部用配線143を介してカメラ本体101の制御部149に伝送する。
【0027】
電源回路137は、カメラ本体101の制御部149から信号ケーブル109bの電源回路用配線144を介して給電され、オーディオアンプ回路138、音声入力コネクタ108、LCD駆動回路132及びバックライト133に電源を供給する。
【0028】
オーディオアンプ回路138は、音声入力コネクタ108から音声信号を取得して増幅した後、信号ケーブル109bのオーディオアンプ回路用配線145を介してカメラ本体101の制御部149に音声信号を伝送する。
【0029】
ところで、雄型端子であるRジャックコネクタ111bと雄型端子であるLプラグコネクタ110aは、嵌合構造が同じであるため、Rジャックコネクタ111bにLプラグコネクタ110aを誤って挿入すると、異物混入等で電気的に接触する可能性がある。
【0030】
そこで、本実施形態では、カメラ本体101の制御部148がROM134に記憶されている所定のデータを読み込む処理を行うことで、Lプラグコネクタ110aがLジャックコネクタ111aに正常に接続されているか否かを判断する。そして、Lプラグコネクタ110aがLジャックコネクタ111aに正常に接続されていると制御部148が判断すると、制御部149が外部機器104の電源回路137に給電する。
【0031】
図5は、カメラ本体101から外部機器104に給電する処理を説明するためのフローチャート図である。図5での処理は、カメラ本体101の不図示のROM等に記憶されたプログラムが不図示のRAMにロードされて、CPU等から構成される制御部148,149により実行される。
【0032】
ステップS101でカメラ本体101の電源がONされると、制御部148は、ステップS102に進み、外部機器104のROM134から信号ケーブル109aのROM用配線142を介して所定のデータの読み込み動作を開始し、ステップS103に進む。
【0033】
ステップS103では、制御部148は、ROM134から所定のデータの読み込みが行われた場合は、Lプラグコネクタ110aがLジャックコネクタ111aに正常に接続されていると判断し、ステップS104に進む。また、制御部148は、ROM134からデータの読み込みができない場合は、Lプラグコネクタ110aがLジャックコネクタ111aに正常に接続されていないと判断して、ステップS102に戻る。
【0034】
ステップS104では、制御部149は、Rプラグコネクタ110bがRジャックコネクタ111bに正常に接続されているものと判断して、信号ケーブル109bの電源回路用配線144を介して外部機器104の電源回路137へ給電を開始し、処理を終了する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態では、カメラ本体101に設けられる2つのLジャックコネクタ111a及びRジャックコネクタ111bのうち、Lジャックコネクタ111aを雌型端子構造し、Rジャックコネクタ111bを雄型端子構造としている。
【0036】
このため、雄型端子構造のLプラグコネクタ110a及び雌型端子構造のRプラグコネクタ110bをカメラ本体101のコネクタに接続する際に、目視にて容易に接続対象であるカメラ本体101のコネクタを識別することができる。これにより、カメラ本体101に設けられた複数のコネクタ111a,111bに対して外部機器104側のコネクタを誤挿入するのを防止することができる。
【0037】
また、本実施形態では、ROM134から制御部148にデータを読み込むROM用配線142にLプラグコネクタ110aが接続され、制御部149から電源回路137に給電する電源回路用配線144にRプラグコネクタ110bが接続されている。
【0038】
そして、制御部148は、ROM134から所定のデータの読み込みが行われた場合は、Lプラグコネクタ110aがLジャックコネクタ111aに正常に接続されていると判断し、制御部149から電源回路137に給電が行われる。すなわち、Lプラグコネクタ110a及びRプラグコネクタ110bがそれぞれLジャックコネクタ111a及びRジャックコネクタ111bに正常に接続されない限り、制御部149から電源回路137に給電が行われないようになっている。
【0039】
従って、Rジャックコネクタ111bにLプラグコネクタ110aを誤って挿入して異物混入等で電気的に接触しても、カメラ本体101から外部機器104の電源回路137に給電が行われることがなく、機器損傷等のトラブルを避ける事が可能となる。
【0040】
なお、本発明の構成は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0041】
101 カメラ本体
104 外部機器
110a Lプラグコネクタ
110b Rプラグコネクタ
111a Lジャックコネクタ
111b Rジャックコネクタ
134 ROM
137 電源回路
148 制御部
149 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌型端子構造の第1のコネクタ及び雄型端子構造の第2のコネクタが設けられる機器本体を備え、
外部機器に設けられた雄型端子構造の第1のプラグコネクタ及び雌型端子構造の第2のプラグコネクタのうち、前記第1のプラグコネクタが前記第1のコネクタに接続されるとともに、前記2のプラグコネクタが前記第2のコネクタに接続されることで、前記機器本体と前記外部機器とが電気的に接続されることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記機器本体は、前記第1のコネクタに前記第1のプラグコネクタが接続されたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により前記第1のコネクタに前記第1のプラグコネクタが接続されたと判断された場合に、前記第2のコネクタ及び前記第2のプラグコネクタを介して前記外部機器に給電する給電手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記判断手段は、前記第1のプラグコネクタ及び前記第1のコネクタを介して前記外部機器の記憶手段に記憶されたデータの読み込みができた場合に、前記第1のコネクタに前記第1のプラグコネクタが接続されたと判断する、ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。

【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−97971(P2013−97971A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238795(P2011−238795)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】