説明

電子決済システム、携帯端末、電子決済端末、電子決済方法およびコンピュータ・プログラム

【課題】携帯端末に搭載された複数種類の電子決済に基づいて、前記携帯端末の利用者を補助する支払い方法を自動で生成し、提示する電子決済システム、携帯端末、電子決済端末、電子決済方法、およびコンピュータ・プログラムを提供すること。
【解決手段】電子決済システム1は、複数種類の電子マネーを保有可能な携帯電話機10と、電子マネーによる決済が可能な電子決済端末20とを備える。携帯電話機10は、保有する電子マネーリストを記憶する情報記憶部15と、電子決済端末20における電子マネーの使用可否情報等に基づき、所定の電子マネーを抽出する電子決済候補選出部13とを備える。電子決済端末20は、電子マネーリストに基づき、使用可否情報等を取得する電子マネー情報取得部23と、携帯電話機10から受信した所定の電子マネーに基づき電子決済を行う電子決済部24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末が保有する複数種類の電子決済データを用いて決済処理を行う電子決済システム、携帯端末、電子決済端末、電子決済方法、およびコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の電子マネーのアプリケーションを搭載することが可能な携帯端末が普及している。一方、電子マネーの規格は統一されておらず、店舗の読み取り端末は規格ごとに必要であった。しかし、昨今、異なった規格の各種電子マネーを1台で取り扱うことができる読み取り端末が登場し始めた。前記読み取り端末の登場で店舗にて各種電子マネーの取り扱いが可能となったことにより、利用者が各種電子マネーの中から決済を行う電子マネーを決定する必要が生じる。
【0003】
ここで、通信回線を介してオンラインで商品を購入する際に、複数の決済手段の中から購入者が任意の決済手段を選択する方法が、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の方法によれば、購入者が利用予定の決済手段を予めオンライン決済端末に登録しておき、決済時にオンライン端末に登録されている決済方法を購入者のクライアント端末のディスプレイに表示するというものである。
【0004】
また、仮想および現実の店舗にて買い物を行う際に、複数種類の電子マネーを所有する購入者が、店舗にて使用できる電子マネーを意識せずに支払いをすることができる方法が、特許文献2に開示されている。特許文献2に記載の方法によれば、複数電子マネー決済代行システムが、購入者が使用する電子マネーを店舗が指定する電子マネーに変換し、変換した電子マネーを前記店舗が指定する電子マネーの送付先に送金するというものである。
【0005】
さらに、利用者が所有する複数種類の電子マネー等のサービス情報を支払い前に店舗に設置された読み取り端末のディスプレイに表示し、利用者に使用する電子マネー等を選択させる方法が、特許文献3に開示されている。特許文献3に記載の方法によれば、読み取り端末が複数の電子マネー等のセキュリティ情報を記憶している情報媒体を有することにより、各種電子マネーのセキュリティを確保しつつそれぞれのサービス情報を提供するサーバに接続し、サービス情報を取得するというものである。
【特許文献1】特開2001−202418号公報
【特許文献2】特開2002−334285号公報
【特許文献3】特開2007−310575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、利用者が複数種類の電子マネーを所有している場合において上記従来技術には以下のような課題がある。特許文献1では、利用者は利用する電子マネーを予め決めなければならず、特許文献2では、利用者は任意の電子マネーにて支払いを行うことはできるが、実際の決済は店舗が指定する1つの電子マネーに決められてしまう。また、特許文献3では、各々の電子マネーのサービス情報が店舗に設置された読み取り端末のディスプレイに表示されるが、店頭決済という短いやりとりの中で表示されたサービス情報を利用者が考慮して利用する電子マネーを選択することは困難である。また、店頭決済という短いやりとりの中では、サービス情報のみならず、所有している電子マネーの残高を考慮することも困難である。さらには、利用者がどの電子マネーを利用するかを口頭で指定し、店員がレジにて指定された電子マネーを入力して、利用者がリーダ/ライタに対してカードや携帯端末を通信させて支払いを行わなければならない。
【0007】
本発明によれば、携帯端末に搭載された複数種類の電子決済に基づいて、前記携帯端末の利用者を補助する支払い方法を自動で生成し、提示する電子決済システム、携帯端末、電子決済端末、電子決済方法、およびコンピュータ・プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様によると、複数種類の電子決済データを保有可能な携帯端末と、前記電子決済データによる決済を行うことができる電子決済端末とを備える電子決済システムを提供する。前記携帯端末は、前記電子決済データによる決済が可能な電子決済データのリストである電子決済リストを記憶する記憶部と、前記電子決済リストを前記電子決済端末へ送信する送信部と、前記電子決済端末から、前記電子決済端末における電子決済データ別の使用可否情報および電子決済データ別の付加情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記使用可否情報、前記付加情報、および前記記憶部に記憶された前記電子決済リストに基づいて、所定の電子決済データを抽出する抽出部とを備え、前記携帯端末の前記送信部は、前記抽出部により抽出された所定の電子決済データを前記電子決済端末に送信する。
【0009】
一方、前記電子決済端末は、前記携帯端末から前記電子決済リストを受信する受信部と、前記受信部が受信した前記電子決済リストに基づき、前記使用可否情報および前記付加情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得された前記使用可否情報および前記付加情報を前記携帯端末に送信する送信部と、前記携帯端末から受信した前記電子決済データに基づき電子決済を行う電子決済部とを備える。
【0010】
「電子決済」とは、現金を用いずに電子的にデータを交換することにより商品の代価を支払うことであり、例えば、クレジットカードによるカード決済や電子マネーによる決済をいう。また、「電子決済データ」とは、電子決済に必要な情報のデジタルデータのことであり、例えば、電子マネーのことをいう。
【0011】
「携帯端末」とは、据え置き型端末に対し、携帯できる端末のことをいい、例えば、携帯電話機やPHS(Personal Handy−phone System)がある。一方、「電子決済端末」とは、電子決済を搭載した携帯端末と通信を行い、決済を行う店舗側に設置される、例えば、リーダ/ライタを有する端末であり、電子決済端末に、非接触方式で決済を行う携帯端末をかざすだけで決済を行うことができる。
【0012】
「所定の電子決済データ」とは、使用可否情報、付加情報、および記憶部に記憶された電子決済リストに基づいて、抽出部にて利用者等が設定した抽出条件に合致し、抽出された電子決済データである。また、「電子決済リスト」とは、携帯端末が保有する電子決済データによる決済が可能な電子決済データの一覧であり、例えば、携帯電話機にて使用できる電子マネーの一覧である。「使用可否情報」とは、電子決済端末にて、各々の電子決済データが使用できるか否かの情報である。「付加情報」とは、決済には直接は関係しない電子決済データ各々に固有の情報をいう。
【0013】
本態様によれば、携帯端末および電子決済端末により、電子決済データに関する情報に基づいて決済を行う電子決済データを抽出し、前記電子決済データにより決済を行うことができる。
【0014】
また、本態様の別の形態によると、前記抽出部は所定の電子決済データの候補を抽出し、携帯端末の提示部または電子決済端末の提示部に前記候補を提示する。前記候補は、電子決済リスト、前記電子決済端末における電子決済データ別の使用可否情報および電子決済データ別の付加情報、電子決済を行った電子決済データの履歴、ならびに端末を特定する前記端末特定情報等を用いて、携帯端末の利用者等が設定した条件に合致した電子決済データである。利用者にとって最適な電子決済データの候補を利用者に提示することで、利用者は決済を行う電子決済データの選択を容易に行うことができる。また、電子決済データの候補を抽出するために、電子決済データの履歴を用いることで携帯端末の利用者の行動パターンに合致した電子決済データを抽出することができる。
【0015】
また、本発明はさらに別の態様として、携帯端末、電子決済端末、電子決済方法、あるいはコンピュータにおいて実行されるコンピュータ・プログラムとしても提供できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、携帯端末に搭載された複数種類の電子決済に基づいて、前記携帯端末の利用者を補助する支払い方法を自動で生成し、提示する電子決済システム、携帯端末、電子決済端末、電子決済方法、およびコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態にかかる電子決済システム1の構成を示すブロック図である。電子決済システム1は、利用者端末である携帯電話機10と店舗等に設置される電子決済端末20とから構成される。ここで、電子決済端末20は、複数種類の電子マネー(電子決済データ)を扱うことのできるマルチ端末である。また、携帯電話機10は、複数種類の電子マネーにより決済を行うための電子決済機能を搭載している。携帯電話機10は、電子決済制御部11、情報記憶部15、および入出力部16を備える。電子決済制御部11は主な機能部として、通信部12、電子決済候補選出部13、および電子決済部14を備える。また、電子決済端末20は、電子決済制御部21、および入出力部26を備える。電子決済制御部21は主な機能部として、通信部22、電子マネー情報取得部23、および電子決済部24を備える。
【0018】
以下に携帯電話機10の各機能部について説明する。電子決済制御部11は、電子決済処理に関する一切の制御を行う。通信部12は、電子決済端末20の通信部22と互いに電子決済の情報の通信を行う。ここで、通信方式には、「接触型」と「非接触型」との2つがある。「接触型」とは、接触端子を利用してデータ通信を行う方式で、主にクレジットカード等の金融分野で利用されている。一方、「非接触型」とは、リーダ/ライタにカードをかざすだけで電磁界を利用して通信を行う方式で、バスや電車等の交通サービスや小売店での支払いに利用されている。携帯電話機10の通信部12と電子決済端末20の通信部22とによる通信は、「接触型」、「非接触型」のいずれによる方式でもよい。
【0019】
電子決済候補選出部13は、携帯電話機10が保有する電子マネーリスト(電子決済リスト)、前記電子マネーリストに基づいて電子マネー情報取得部23にて取得された情報、および情報記憶部15に記憶されている情報に基づいて支払い方法の候補(電子決済データの候補)を選出する。電子決済部14は、電子決済端末20の電子決済部24と情報のやり取りを行って電子決済を完了させる。情報記憶部15は、携帯電話機10が保有する電子マネーリスト、および過去に携帯電話機10の利用者が行った電子決済に関する情報、例えば、電子マネーの種類、電子マネーの組み合わせ、決済金額、を記憶している。入出力部16は、携帯電話機10のボタンやディスプレイ等であり、支払い方法の候補を出力し、利用者に選択されることで電子決済を入力する。例えば、携帯電話機10のタッチディスプレイである入出力部16に支払い方法の候補を提示し、タッチディスプレイに表示された候補の1つに利用者がタッチすることで支払い方法を入力する。
【0020】
通信部12は送信部および受信部の一例であり、電子決済候補選出部13は抽出部の一例であり、情報記憶部15は記憶部の一例であり、および入出力部16は提示部の一例である。
【0021】
続いて、以下に電子決済端末20の各機能部について説明する。電子決済制御部21は、電子決済処理に関する一切の制御を行う。通信部22は、上述したように携帯電話機10の通信部12と互いに電子決済の情報の通信を行う。電子マネー情報取得部23は、携帯電話機10が保有する電子マネーリストに基づいて、電子決済端末20における電子マネー別の使用可否情報および前記電子マネー別の付加情報を取得する。電子決済部24は、上述したように携帯電話機10の電子決済部14と情報のやり取りを行って電子決済を完了させる。入出力部26は、電子決済端末20のタッチディスプレイ等であり、上述した携帯電話機10の入出力部16と同様に支払い方法の候補を出力し、利用者に選択されることで電子決済方法を入力する。
【0022】
通信部22は送信部および受信部の一例であり、電子マネー情報取得部23は情報取得部の一例であり、および入出力部26は提示部の一例である。
【0023】
図2は、電子決済システム1において支払い方法の候補を携帯電話機10に表示する場合の電子マネーの決済処理のフローを示す図である。利用者が携帯電話機10を電子決済端末20の通信部22にかざすことで電子決済端末20は処理を開始する。処理を開始すると、携帯電話機10に搭載されている複数種類の電子マネーの一覧である電子マネーリストが、通信部12,22を介して電子決済端末20に通知される。電子マネーリストには、電子マネーの名称やID等が記録されている。IDとは、電子マネーを識別するための識別子である。携帯電話機10にABC、○○○、△△△、×××、xyzの5種類の電子マネーが搭載されているとすると、以下の電子マネーリストが電子決済端末20へ通知される。
電子マネーリスト{
ABC
○○○
△△△
×××
xyz

【0024】
電子マネー情報取得部23は、携帯電話機10から通知された電子マネーリストから、電子決済端末20にて利用可能な電子マネーを判断する(ステップS201)。電子決済端末20で電子決済利用可能と判断された電子マネーについて、電子マネー情報取得部23は、電子決済端末20により接続されている各電子マネーのサーバ(図示せず)から電子マネー別の付加情報を取得する(ステップS202)。ステップS202において取得される付加情報は、例えば、ポイントの有無、ポイントの付与率、割引率、「100人に1人タダ!」のようなキャンペーン等の情報である。取得した付加情報および電子決済の使用可否情報は、電子マネーリストに追加される。
【0025】
続いて、電子マネー情報取得部23は、決済額や決済を行う店舗ID等の電子決済端末情報(端末特定情報)を含む決済情報を取得する(ステップS203)。その後、電子決済制御部21は、ステップS201、ステップS202、およびステップS203にて取得した電子マネーリストおよび決済情報を携帯電話機10へ通信部22,12を介して通知する。上述した電子マネーリストを例に、ステップS201およびステップS202にて情報が追加された電子マネーリストを以下に示す。また、ステップS203にて取得される決済情報の例を示す。
電子マネーリスト{
ABC:利用可,ポイント無
○○○:利用可,ポイント有(還元率10%)
△△△:利用可,ポイント無
×××:利用可,ポイント有,3倍
xyz:利用不可

決済情報{
店舗ID:0000000001
決済額:500円

【0026】
電子決済候補選出部13は、電子決済端末20から通知された電子マネーリストおよび決済情報を用いて支払い方法の候補を選出する(ステップS204)。支払い方法の候補は1つでも複数でもよい。携帯電話機10が自動で利用者に最適な支払い方法の候補を選出して、提示することにより、利用者は電子マネーの残高やポイント等を意識せずに支払い方法を選択することができる。
【0027】
ここで、支払い方法の候補の選出方法について説明する。選出方法は、諸条件に合致した支払い方法のいくつかを候補として選出する。諸条件の1つには、電子マネーの残高と現金や電子マネーの使用履歴とに関するものがある。例えば、電子マネーの残高と決済額とから支払いに利用できる電子マネーであるか否かといった条件や、決済後の残高が多い電子マネーを優先するといった条件や、利用者が選択することが多い支払い方法を優先するといった条件である。また、支払いを行う店舗側から提供される情報、つまり、ステップS202で取得された電子マネー別の付加情報に関する条件もある。例えば、ポイントの有無や、割引率を加味した上で利用者が最も得をする支払い方法を優先するといった条件である。さらに、「○○デパートで頻繁に買い物をする」ことから、○○デパートのポイントが貯まる電子マネーを優先するといった利用者の行動履歴や、ポストペイ型の電子マネーやクレジットカードの場合に、利用限度額に近い支払い方法を除外するといった条件がある。
【0028】
その他に、携帯電話機10がGPS(Global Positioning System)を搭載している場合には、GPSを用いて取得できる店舗の所在地情報による条件がある。所在地情報による条件について、利用者は通勤の電車賃を携帯電話機10の電子マネーで支払っており、その利用者がお昼に電子マネーで買い物をする場合を例に説明する。この場合に、GPSにて取得した店舗の所在地情報から帰りの電車賃に使用する電子マネーおよび使用する額を電子決済制御部11が計算し、電車賃が確保できる支払い方法を候補とするといった条件がある。上述した諸条件を1または複数組み合わせて利用者に最適な支払い方法の候補を選出する。諸条件の内容、および諸条件の組み合わせは、携帯電話機10に予め携帯電話機10の販売会社等が決めて記憶してもよいし、利用者がカスタマイズしてもよい。また、組み合わせた諸条件に、利用者が優先順位を設定することができる。
【0029】
ここで、利用者に有益な支払い方法の候補を選出する選出方法の例を説明する。図3は、携帯電話機10における、電子決済候補選出処理のフローを示す図である。携帯電話機10へ電子マネーリストと決済情報とが通知されると、処理が開始する。まず、電子決済候補選出部13は、各電子マネーの残高と支払い金額とから、支払い可能な方法を絞る(ステップS301)。ここで、支払い方法は、必ずしも1つの電子マネーによる方法である必要はなく、複数の電子マネーを組み合わせて支払う方法もある。例えば、ある電子マネーの残高が支払い金額より少ない場合に、ある電子マネーの残高に、不足金額以上の残高を有する他の電子マネーを組み合わせることで、支払うことができる。電子決済候補選出部13は、ステップS301にて支払い可能と判断された方法を、決済後の各電子マネーの残高と、電子マネーリストのポイントの有無や、ポイントの付与率や、割引率等の付加情報に基づいて利用者にとって最適な順に支払い方法の優先順位をつける(ステップS302)。
【0030】
続いて、電子決済候補選出部13は、利用者がよく利用する支払い方法の順位を高くし、ステップS302にて作成された支払い方法の優先順位を入れ替える(ステップS303)。携帯電話機10の画面に4つの候補を表示するとしたとき、電子決済候補選出部13は、ステップS303にて決定された優先順位の上位4つの支払い方法を候補として選出する(ステップS304)。上述した図3に示す選出方法の例では、候補を選出するための条件を3つとしているが条件の数は任意であり、条件の内容もここで挙げたものに限られない。さらに、条件を判断する順については利用者が自由に設定することができる。
【0031】
図2に戻って、ステップS204にて支払い方法の候補が選出された後、入出力部16は、携帯電話機10の画面に支払い方法の候補を表示する(ステップS205)。画面には、各支払い方法の優先順位、支払い前の残高や支払い後の残高、各電子マネーのポイント情報や割引情報等が表示される。ただし、支払い方法の候補を利用者が選択する必要がない場合には、携帯電話機10の画面に支払い方法の候補は表示されない。詳細については後述する。
【0032】
図4は、携帯電話機10における支払い方法の候補表示画面を示す図である。提示する支払い方法の候補数は4つと設定し、500円の買い物をした場合の結果である。画面が4分割され、4つの候補が表示される。4分割された画面内には、優先順位、支払い方法、支払い前と支払い後の金額が表示され、合わせて電子マネー各々の固有の情報がある場合には図2のステップS202にて取得した付加情報が表示される。分割された画面30には優先順位1位の電子マネー「ABC」を用いた支払い方法、支払い前の残高950円、および支払い後の残高450円が表示されている。また、分割された画面31には、優先順位2位の電子マネー「○○○」を用いた支払い方法、支払い前の残高750円、および支払い後の残高250円が表示されている。合わせて、決済金額の10%のポイントである50ポイントがつくことが表示されている。
【0033】
さらに、分割された画面32には、優先順位3位の電子マネー「ABC」と電子マネー「△△△」とを用いた支払い方法、「ABC」の支払い前の残高950円、支払い後の残高500円、「△△△」の支払い前の残高50円、および支払い後の残高0円が表示される。「△△△」の残高は50円であるので全額支払うことができないため、「ABC」から不足分の450円を支払うようになっている。さらにまた、分割された画面33には、優先順位4位の電子マネー「×××」を用いた支払い方法、支払い前の残高800円、および支払い後の残高300円が表示されている。合わせて、付加情報である「ポイントが3倍」の情報が表示されている。このように、携帯電話機10のディスプレイに支払い方法の候補を支払い前後の残高やポイント等の情報と合わせて表示することにより、携帯電話機10の利用者は利用者にとって最適な支払い方法を迅速に選択することができる。
【0034】
図2に戻って、ステップS205により図4に示すように候補が提示された後、利用者は支払い方法を決定し、携帯電話機10の入出力部16であるタッチディスプレイの支払い方法に利用者がタッチすることで、電子決済制御部11は、入力を受け付ける(ステップS206)。支払い方法が選択され、入力されると、携帯電話機10の電子決済制御部11は、選択された支払い方法に用いられる電子マネーのIDとそれぞれの決済額とを電子決済端末20へ通信部12,22を介して通知する。通知されると、電子決済端末20と携帯電話機10の間で決済処理が行われる(ステップS207)。上述した図4の例において、優先順位3位の決済方法が選択された場合に、携帯電話機10から電子決済端末20に通知される決済情報は以下のようなリストである。
決済情報{
△△△:50円
ABC:450円

【0035】
電子決済端末20の電子決済部24は、それぞれの電子マネー固有の手順に従って、携帯電話機10の電子決済部14とそれぞれの電子マネーに対応した決済処理を行う。決済は電子マネーごとに行われるため、選択した支払い方法に用いられる電子マネーの種類の数だけ決済処理が繰り返される。
【0036】
ここで、ステップS204にて携帯電話機10の画面に支払い方法の候補が表示されない場合について説明する。支払い方法候補が表示されない場合の例として、1つには、上述した諸条件により支払い方法の候補が1つだけに絞られる場合や、店舗の電子決済端末20が1種類の電子マネーにしか対応していない場合がある。また、支払い方法の候補のうち優先順位が1番の候補にて自動的に決済を行うと利用者が設定している場合がある。自動で支払い方法が決定された場合は、ステップS205およびステップS206が省略され、電子決済制御部11が自動でステップS207の決済処理を開始する。このように、自動的に支払い方法が決定する場合には支払い方法の候補を表示せずに決済を行えることで、利用者が支払い方法を選択する手間や時間を省くことができる。
【0037】
次に、情報記憶部15は、ステップS206にて選択された支払い方法を決済履歴として記録する(ステップS208)。決済履歴は、決済情報の店舗ID、支払い方法、支払額、電子マネーや店舗の使用回数、ポイント等の利用統計情報である。決済履歴からは頻度の高い支払い方法だけでなく、店舗IDと店舗の利用回数とによりよく行く店舗がわかるため行動パターンの推測等もできる。また、ステップS208にて記録された情報をステップS204の支払い方法候補選出に用いることができる。さらに、現金で支払う場合に、携帯電話機10を電子決済端末20にかざすことで現金の利用履歴を記録することもできる。これにより、電子マネー、および現金の支出が携帯電話機10で一元管理することができ、家計簿として携帯電話機10を活用することが可能である。
【0038】
次に、図2とは異なる方法による処理について説明する。図5は、電子決済システム1において支払い方法の候補を電子決済端末20に表示する場合の電子マネーの決済処理のフローを示す図である。利用者が携帯電話機10を電子決済端末20の通信部22にかざすことで電子決済端末20は処理を開始する。処理を開始すると、携帯電話機10に搭載されている複数種類の電子マネーの一覧である電子マネーリストが、通信部12,22を介して電子決済端末20に通知される。電子マネー情報取得部23は、携帯電話機10から通知された電子マネーリストから、電子決済端末20にて電子決済利用可能な電子マネーを判断する(ステップS501)。電子決済端末20で利用可能と判断された電子マネーについて、電子決済端末20により接続されている各電子マネーのサーバ(図示せず)から電子マネー情報取得部23は、電子マネー別の付加情報を取得する(ステップS502)。
【0039】
続いて、電子マネー情報取得部23は、決済額や店舗ID等の決済情報を取得する(ステップS503)。その後、電子決済制御部21は、ステップS501、ステップS502、およびステップS503にて取得した電子マネーリストおよび決済情報を携帯電話機10へ通信部22,12を介して通知する。電子決済候補選出部13は、電子決済端末20から通知された電子マネーリストおよび決済情報を用いて支払い方法の候補を選出する(ステップS504)。ステップS504にて支払い方法の候補が選出された後、電子決済制御部11は、支払い方法の候補を電子決済端末20へ通信部12,22を介して通知する。通知された支払い方法の候補は電子決済端末20の入出力部26、例えば、タッチディスプレイに表示される(ステップS505)。
【0040】
利用者は支払い方法を決定し、電子決済端末20のタッチディスプレイの支払い方法に利用者がタッチすることで、電子決済制御部21は、入力を受け付ける(ステップS506)。ただし、支払い方法の候補を利用者が選択する必要がない場合には、ステップS505にて、電子決済端末20のタッチディスプレイに支払い方法の候補は表示されない。支払い方法の候補が表示されない場合については、支払い方法の候補を携帯電話機10に表示する場合の電子マネーの決済処理のフローの説明にて述べたとおりである。自動で支払い方法が決定された場合は、ステップS505およびステップS506が省略される。支払い方法が決定されると、電子決済部14,24は、電子決済端末20と携帯電話機10の間で決済処理を行う(ステップS507)。最後に、情報記憶部15は、ステップS506にて選択された支払い方法を決済履歴として記録する(ステップS508)。
【0041】
携帯電話機10に支払い方法を表示する場合と、電子決済端末20に支払い方法を表示する場合とでは、電子決済処理による支払い方法の候補を表示する場所が異なり、また、決済処理の始まりが異なる。さらに、電子決済端末20に支払い候補を表示する場合には、利用者から支払い方法の候補を電子決済端末20へ通知する必要がない点でも異なる。
【0042】
図6は、電子決済端末20における支払い方法の候補表示画面を示す図である。提示する支払い方法の候補数は4つとし、500円の買い物をした場合の結果である。提示する候補数を4つとしていても、選出方法の条件に合致する支払い方法が4つに満たない場合には条件に合致した支払い方法だけが表示される。図6において、条件に合致した支払い方法は3つとすると、画面には3つの候補が表示される。分割された画面40には優先順位1位の電子マネー「ABC」を用いた支払い方法、支払い前後の残高、および割引率が表示されている。5%割引されるため、支払い金額は475円になる。また、分割された画面41には、優先順位2位の電子マネー「○○○」を用いた支払い方法、支払い前後の残高、および使用されるPointが表示されている。所有しているPoint200円分を使用し、不足分の300円を電子マネーから支払うようになっている。さらに、分割された画面42には、優先順位3位の電子マネー「×××」を用いた支払い方法、支払い前後の残高、およびキャンペーン情報「100人に1人タダ!!」が表示されている。このように、電子決済端末20においても携帯電話機10のディスプレイと同じように支払い方法の候補が表示される。
【0043】
図7は、図1で説明した電子決済端末20の典型的なハードウェア構成例として情報処理装置400を示した図である。以下、この情報処理装置400のハードウェア構成の一例を示す。情報処理装置400は、CPU(Central Processing Unit)1010、バスライン1005、通信I/F1040、メインメモリ1050、BIOS(Basic Input Output System)1060、パラレルポート1080、USBポート1090、グラフィック・コントローラ1020、VRAM1024、音声プロセッサ1030、I/Oコントローラ1070、ならびにキーボードおよびマウス・アダプタ等1100の入力手段を備える。I/Oコントローラ1070には、フレキシブル・ディスク(FD)ドライブ1072、ハード・ディスク1074、光ディスクドライブ1076、半導体メモリ1078等の記憶手段を接続することができる。
【0044】
音声プロセッサ1030には、増幅回路1032、およびスピーカ1034が接続される。また、グラフィック・コントローラ1020には、表示装置1022が接続されている。
【0045】
BIOS1060は、情報処理装置400の起動時にCPU1010が実行するブートプログラムや、情報処理装置400のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。FD(フレキシブル・ディスク)ドライブ1072は、フレキシブル・ディスク1071からプログラムまたはデータを読み取り、I/Oコントローラ1070を介してメインメモリ1050またはハード・ディスク1074に提供する。
【0046】
光ディスクドライブ1076としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−RAMドライブ、CD−RAMドライブを使用することができる。この際は各ドライブに対応した光ディスク1077を使用する必要がある。光ディスクドライブ1076は光ディスク1077からプログラムまたはデータを読み取り、I/Oコントローラ1070を介してメインメモリ1050またはハード・ディスク1074に提供することもできる。
【0047】
情報処理装置400に提供されるコンピュータ・プログラムは、フレキシブル・ディスク1071、光ディスク1077、またはメモリカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。このコンピュータ・プログラムは、I/Oコントローラ1070を介して、記録媒体から読み出され、または通信I/F1040を介してダウンロードされることによって、情報処理装置400にインストールされ実行される。コンピュータ・プログラムが情報処理装置に働きかけて行わせる動作は、既に説明した装置における動作と同一であるので省略する。
【0048】
前述のコンピュータ・プログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としてはフレキシブル・ディスク1071、光ディスク1077、またはメモリカードの他に、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体を用いることができる。また、専用通信回線やインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハード・ディスクまたは光ディスク・ライブラリ等の記憶装置を記録媒体として使用し、通信回線を介してコンピュータ・プログラムを情報処理装置400に提供してもよい。
【0049】
以上の例は、情報処理装置400について主に説明したが、コンピュータに、情報処理装置で説明した機能を有するプログラムをインストールして、そのコンピュータを情報処理装置として動作させることにより上記で説明した情報処理装置と同様な機能を実現することができる。従って、本発明において1つの実施形態として説明した情報処理装置は、方法およびそのコンピュータ・プログラムによっても実現可能である。
【0050】
本発明の装置は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして実現可能である。ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによる実施では、所定のプログラムを有するコンピュータ・システムでの実施が典型的な例として挙げられる。かかる場合、該所定のプログラムが該コンピュータ・システムにロードされ実行されることにより、該プログラムは、コンピュータ・システムに本発明にかかる処理を実行させる。このプログラムは、任意の言語、コード、または表記によって表現可能な命令群から構成される。そのような命令群は、システムが特定の機能を直接実行すること、または(1)他の言語、コード、もしくは表記への変換、(2)他の媒体への複製、のいずれか一方もしくは双方が行われた後に、実行することを可能にするものである。もちろん、本発明は、そのようなプログラム自体のみならず、プログラムを記録した媒体を含むプログラム製品もその範囲に含むものである。本発明の機能を実行するためのプログラムは、フレキシブル・ディスク、MO、CD−ROM、DVD、ハード・ディスク装置、ROM、MRAM、RAM等の任意のコンピュータ可読媒体に格納することができる。かかるプログラムは、コンピュータ可読媒体への格納のために、通信回線で接続する他のコンピュータ・システムからダウンロードしたり、他の媒体から複製したりすることができる。また、かかるプログラムは、圧縮し、または複数に分割して、単一または複数の記録媒体に格納することもできる。
【0051】
図8は、図1で説明した携帯電話機10の典型的なハードウェア構成例として携帯電話装置500を示した図である。以下、この携帯電話装置500のハードウェア構成の一例を示す。携帯電話装置500は、CPU2010、メインメモリ2020、キーパット2030、通信処理部2040、外部メモリI/F2050、音響処理部2060、画像処理部2070を備える。その他、カメラ機能部、TV放送受信部、RFID(RadioFrequency Identification)機能部等を備えることもできる。
【0052】
CPU2010は、メインメモリ2020に記憶されるプログラムを実行するための処理ユニットであり、携帯電話装置500の各機能部を制御する処理を行うとともに、各機能部を実現する。メインメモリ2020は、RAM(Random Access Memory)等で構成され、携帯電話装置500の各機能部を実施するためのプログラムやデータを記憶している。また、CPU2010のワークメモリとしても動作する。
【0053】
キーパット2030は、数字キーや十字キー、特殊キー等で構成され、形態は任意であり、タッチパネル等としてもよい。また、キーパット2030は、このユーザからの入力操作を受け付け、入力されたデータをCPU2010に出力する。前記データには、例えば、メールの内容を示すデータ等種々のものが含まれる。
【0054】
通信処理部2040には、基地局装置(図示せず)との間で無線通信と通信を行うメインアンテナ2041が接続されている。通信処理部2040は、基地局装置から受信した通信データに対し復調処理等の信号処理を行いCPU2010に出力するとともに、CPU2010から入力される通信データに対し変調処理行いを基地局装置に対して送信する。また、通信処理部2040は、電波による通信を行ってもよい。そうすることで、携帯電話装置500を読み取り端末にかざすだけで、読み取り端末との通信を行うことができる。
【0055】
外部メモリI/F2050には、例えばSDメモリカードI/FやminiSDカードI/Fがあり、SDメモリカードやminiSDカード等の外部メモリ2051からプログラムまたはデータを読み取り、メインメモリ2020に提供することもできる。
【0056】
音響処理部2060には、音声出力部2061、音声入力部2062、ならびに着信音等が出力されるスピーカ2063が接続されている。画像処理部2070には、ディスプレイ2071が接続されている。ディスプレイ2071には、CPU2010から入力される着信通知やメール作成画面、電子マネーの支払い候補等のデータを表示出力する。
【0057】
以上、本発明を実施形態に則して説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態または実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施形態にかかる電子決済システムの構成を示すブロック図である。
【図2】電子決済システムにおいて支払い方法の候補を携帯電話機に表示する場合の電子マネーの決済処理のフローを示す図である。
【図3】携帯電話機における、電子決済候補選出処理のフローを示す図である。
【図4】携帯電話機における支払い方法の候補表示画面を示す図である。
【図5】電子決済システムにおいて支払い方法の候補を電子決済端末に表示する場合の電子マネーの決済処理のフローを示す図である。
【図6】電子決済端末における支払い方法候補表示画面を示す図である。
【図7】電子決済端末の典型的なハードウェア構成例として情報処理装置を示した図である。
【図8】携帯電話機の典型的なハードウェア構成例として携帯電話装置を示した図である。
【符号の説明】
【0059】
1 電子決済システム
10 携帯電話機
11 電子決済制御部
12 通信部
13 電子決済候補選出部
14 電子決済部
15 情報記憶部
16 入出力部
20 電子決済端末
21 電子決済制御部
22 通信部
23 電子マネー情報取得部
24 電子決済部
26 入出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の電子決済データを保有可能な携帯端末と、前記電子決済データによる決済を行うことができる電子決済端末とを備える電子決済システムであって、
前記携帯端末は、
前記電子決済データによる決済が可能な電子決済データのリストである電子決済リストを記憶する記憶部と、
前記電子決済リストを前記電子決済端末へ送信する送信部と、
前記電子決済端末から、前記電子決済端末における電子決済データ別の使用可否情報および電子決済データ別の付加情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記使用可否情報、前記付加情報、および前記記憶部に記憶された前記電子決済リストに基づいて、所定の電子決済データを抽出する抽出部と、
を備え、
前記携帯端末の前記送信部は、前記抽出部により抽出された所定の電子決済データを前記電子決済端末に送信し、
前記電子決済端末は、
前記携帯端末から前記電子決済リストを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記電子決済リストに基づき、前記使用可否情報および前記付加情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記使用可否情報および前記付加情報を前記携帯端末に送信する送信部と、
前記携帯端末から受信した前記電子決済データに基づき電子決済を行う電子決済部と、
を備える電子決済システム。
【請求項2】
前記携帯端末の前記抽出部は、所定の電子決済データの候補を抽出し、
前記携帯端末は、前記抽出部にて抽出された前記電子決済データの候補を提示する提示部を備える請求項1に記載の電子決済システム。
【請求項3】
前記携帯端末の前記抽出部は、所定の電子決済データの候補を抽出し、
前記携帯端末の前記送信部は、前記抽出部により抽出された前記電子決済データの候補を前記電子決済端末に送信し、
前記電子決済端末は、前記受信部が受信した前記電子決済データの候補を提示する提示部を備える請求項1に記載の電子決済システム。
【請求項4】
前記携帯端末の前記記憶部は、前記携帯端末の前記送信部が送信した電子決済データの履歴を記憶し、
前記携帯端末の前記抽出部は、前記記憶部に記憶された電子決済データの履歴に基づいて、所定の電子決済データを抽出する請求項1に記載の電子決済システム。
【請求項5】
前記電子決済端末の前記送信部は、前記電子決済端末を特定する端末特定情報を送信し、
前記携帯端末の前記受信部は、前記端末特定情報を受信し、
前記携帯端末の前記記憶部は、前記携帯端末の前記受信部が受信した前記端末特定情報を記憶し、
前記携帯端末の前記抽出部は、前記携帯端末の前記記憶部に記憶された前記端末特定情報に基づいて、所定の電子決済データを抽出する請求項1に記載の電子決済システム。
【請求項6】
複数種類の電子決済データによる決済を行うことができる電子決済端末に対して通信可能な携帯端末であって、
前記電子決済データによる決済が可能な電子決済データのリストである電子決済リストを記憶する記憶部と、
前記電子決済リストを前記電子決済端末へ送信する送信部と、
前記電子決済端末から、前記電子決済端末における電子決済データ別の使用可否情報および電子決済データ別の付加情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記使用可否情報、前記付加情報、および前記記憶部に記憶された前記電子決済リストに基づいて、所定の電子決済データを抽出する抽出部と、
を備え、
前記送信部は、前記抽出部により抽出された所定の電子決済データを前記電子決済端末に送信する携帯端末。
【請求項7】
前記抽出部は、所定の電子決済データの候補を抽出し、
前記抽出部により抽出された前記電子決済データの候補を提示する提示部を備える請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記記憶部は、前記送信部が送信した電子決済データの履歴を記憶し、
前記抽出部は、前記記憶部に記憶された電子決済データの履歴に基づいて、所定の電子決済データを抽出する請求項6に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記受信部は、前記電子決済端末から前記電子決済端末を特定する端末特定情報を受信し、
前記記憶部は、前記受信部により受信した前記端末特定情報を記憶し、
前記抽出部は、前記記憶部に記憶された前記端末特定情報に基づいて、所定の電子決済データを抽出する請求項6に記載の携帯端末。
【請求項10】
複数種類の電子決済データを保有可能な携帯端末に対して通信が可能な電子決済端末であって、
前記携帯端末から前記電子決済データによる決済が可能な電子決済データのリストである電子決済リストを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記電子決済リストに基づき、前記電子決済端末における電子決済データ別の使用可否情報および電子決済データ別の付加情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記使用可否情報および前記付加情報を前記携帯端末に送信する送信部と、
前記携帯端末から受信した前記電子決済データに基づき電子決済を行う電子決済部と、
を備える電子決済端末。
【請求項11】
前記受信部は、前記携帯端末から所定の電子決済データの候補を受信し、
前記受信部が受信した前記電子決済データの候補を提示する提示部を備える請求項10に記載の電子決済端末。
【請求項12】
複数種類の電子決済データを保有可能な携帯端末と、前記携帯端末に対して通信を行うことで前記電子決済データによる決済を行うことができる電子決済端末とによる電子決済方法であって、
前記電子決済端末が、前記携帯端末から前記電子決済データによる決済が可能な電子決済データのリストである電子決済リストを取得するステップと、
前記電子決済端末が、前記電子決済リストに基づき、前記電子決済端末における電子決済データ別の使用可否情報および電子決済データ別の付加情報を取得し、前記携帯端末に送信するステップと、
前記携帯端末が、前記電子決済端末から受信した前記使用可否情報、前記付加情報、および前記携帯端末の記憶部に記憶された前記電子決済リストに基づいて所定の電子決済データを抽出し、前記電子決済端末に送信するステップと、
前記電子決済端末が、前記携帯端末から受信した前記電子決済データに基づき電子決済を行うステップと、
を含む電子決済方法。
【請求項13】
前記携帯端末が、前記電子決済データの候補を抽出するステップと、
前記携帯端末が、抽出された前記電子決済データの候補を提示するステップと、
を含む請求項12に記載の電子決済方法。
【請求項14】
前記携帯端末が、前記電子決済データの候補を抽出するステップと、
前記携帯端末が、抽出された前記電子決済データの候補を前記電子決済端末に送信するステップと、
前記電子決済端末が、抽出された前記電子決済データの候補を提示するステップと、
を含む請求項12に記載の電子決済方法。
【請求項15】
前記携帯端末が、前記電子決済が行われた前記電子決済データの履歴を記憶するステップと、
前記携帯端末が、前記電子決済データの履歴に基づいて、前記電子決済データを抽出するステップと、
を含む請求項12に記載の電子決済方法。
【請求項16】
前記携帯端末が、前記電子決済端末から前記電子決済端末を特定する端末特定情報を受信するステップと、
前記携帯端末が、受信した前記端末特定情報を記憶するステップと、
前記携帯端末が、記憶した前記端末特定情報に基づいて、所定の電子決済データを抽出するステップと、
を含む請求項12に記載の電子決済方法。
【請求項17】
請求項12から請求項16までのいずれか一項に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させるための、コンピュータ・プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−181224(P2009−181224A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18168(P2008−18168)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
【Fターム(参考)】