説明

電子決済システム、電子決済サーバ、移動体通信端末、並びに電子決済方法

【課題】遊技場においても利用可能な、現金決済と同様の電子決済方式を提供する。
【解決手段】電子決済システムにおいて、携帯電話機は、玉貸し機と非接触型ICカードによる通信を行うことにより玉貸し機から機器IDを取得し、この機器IDとユーザIDを含む支払要求メッセージを電子決済サーバに送信する。電子決済サーバは、ユーザ口座から決済事業者口座への振替金額をユーザ保有金額に加算し、支払要求メッセージに応じて、有価価値提供装置に貸し玉代に応じた貸し玉の提供を指示し、且つユーザ保有金額から貸し玉代に応じた額を減算すると共に、遊技場事業者保有金額に貸し玉代に応じた額を加算し、遊技場事業者保有金額を決済事業者口座から遊技場事業者口座へ振り替えるように収納ネットワークに振替要求を行う。有価価値提供装置は、電子決済サーバから提供指示メッセージを受け取った場合、貸し玉代に応じた貸し玉を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子決済システム、電子決済サーバ、移動体通信端末、並びに電子決済方法に関し、より詳しくは現金決済に準じた電子決済を実現するための電子決済システム、電子決済サーバ、移動体通信端末、並びに電子決済方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理技術、通信技術の発展及び通信インフラの普及により、料金・代金の支払方法が多様化し、現金による支払に代わるさまざまな方法が提案され利用されるようになってきている。
【0003】
現金に代わる代金支払方法としては、いわゆる後払い形式のクレジットカードや先払い形式のプリペイドカードや、即時決済型のデビットカードが存在している。
【0004】
さて、パチンコホール、カジノ、競輪や競馬などのレースのチケット売場、各種宝くじ販売所などの遊技場(以下、遊技場という)における支払においても、現金以外の支払方法が利用できれば、ユーザ(遊技者)の利便が向上するとともに、遊技機の稼働率が高まることによる遊技場の売り上げ向上も期待できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、遊技者が過大な借り入れをすることを防ぐ趣旨の規制により、一般に遊技場におけるクレジットカードの利用は制限されている。また、仮に、遊技場においてクレジットカードによる決済方法が可能になったとしても、クレジットによる利用の記録が自宅に郵送されてきたり、利用状況によっては、本人確認の電話がクレジット事業者からかかってきたりと、煩わしい状況であったり、さらには個人情報漏洩のおそれのために、クレジットカード番号、暗証番号を遊技場側に伝えて決済し、個人情報の記録が遊技場内部に残ってしまうことに遊技者は少なからぬ抵抗感を有するであろうため、遊技場におけるクレジットカードによる決済利用普及は現状では難しい。
【0006】
また、現金、クレジットカード以外の別の決済方法として、プリペイドカードによる支払方法もあるが、遊技の結果遊技者が手持ちの現金を全て消費してしまった場合には、プリペイドカードをさらに追加購入することはできない。遊技者が手持ちの現金を遊技において消費し終わった後、もう少し遊技したい、或いは遊技場において何らかの飲食や買い物をしたいという要求を持っていても、現状ではそのような要求に応えることができる決済方法が用意されておらず、遊技場はこのような潜在的な需要をみすみす見逃さざるを得なかった。
【0007】
またさらに、従来は現金以外の決済方法を利用するためには、事前に決済を行う業者である決済事業者とユーザが書面による契約を行うことが必要であって、ユーザが直ちにその現金以外の決済方法を利用することはできないという不便があった。
【0008】
本発明の目的は、遊技場においても利用可能な、現金決済と同様の新たな電子決済方式を提供することにある。
本発明の別の目的は、いわゆるオンライン上で電子決済方式の利用を可能とする契約をおこなうことができる電子決済方式を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段として、本発明は以下の特徴を有している。
本発明の第1の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座を管理する利用代金収納ネットワーク(例えば、日本にて運用されているマルチペイメントネットワークなどであり、特に限定はしない。以下利用代金利用代金収納ネットワークという)に口座間の振替を要求することができるとともにユーザ保有金額及び遊技場事業者保有金額を記憶可能な電子決済サーバと、移動体通信端末(例えば、非接触型ICカードを搭載した携帯電話機。以下移動体通信端末という)と、有価価値提供装置(例えば、貸し玉機、サンドマシン、プリペイド・カード発行機、ハウスカード発行機、カジノチップ提供機など。以下有価価値提供装置という)とを有する電子決済システムとして提案される。
【0010】
この電子決済システムにおいて、移動体通信端末は、有価価値提供装置と近距離通信手段(例えば、非接触型ICカード用チップ、及びそのリーダ/ライタや、赤外線通信、Bluetoothなどの無線通信手段。以下近距離通信手段という)による通信を行うことによりその有価価値提供装置を特定する機器特定情報(例えば、機器ID)を取得し、ユーザを特定するユーザ特定情報(例えば、ユーザID)と機器特定情報とを含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを電子決済サーバに送信する。また、電子決済サーバは、ユーザ口座から決済事業者口座への振替金額に応じたユーザ振替金額(例えば、振替金額から決済事業者に支払う手数料を差し引いた額)をユーザ保有金額に加算し、支払要求メッセージに応じて、有価価値提供装置にユーザ支払金額(例えば、¥1,000分の貸し玉代)に応じた有価価値の提供を指示し、且つユーザ保有金額からユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、遊技場事業者保有金額にユーザ支払金額に応じた額を加算し、遊技場事業者保有金額に応じた額(例えば、遊技場事業者保有金額から決済事業者に支払う手数料を差し引いた額)を決済事業者口座から遊技場事業者口座へ振り替えるように利用代金収納ネットワークに振替要求を行う。また、有価価値提供装置は、電子決済サーバから有価価値の提供の指示(例えば、提供指示メッセージ)を受け取った場合、ユーザ支払金額に応じた有価価値を提供する。
この電子決済システムによれば、クレジットカードやデビットカードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0011】
本発明の第2の態様は、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座を管理する利用代金収納ネットワークに口座間の振替を要求することができるとともに、移動体通信端末からの支払要求メッセージに応じて、有価価値提供装置(例えば、玉貸し機、サンドマシンなど)にユーザ支払金額(例えば、¥1,000分の貸し玉代)に応じた有価価値の提供を指示する電子決済サーバとして提案される。
【0012】
この電子決済サーバは、ユーザ保有金額及び遊技場事業者保有金額を記憶する記憶手段(例えば、データベース部)と、ユーザ口座から決済事業者口座への振替金額に応じたユーザ振替金額をユーザ保有金額に加算する振替要求処理手段(例えば、振替要求処理部)と、支払要求メッセージに応じて、ユーザ保有金額からユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、遊技場事業者保有金額にユーザ支払金額に応じた額を加算し、遊技場事業者保有金額に応じた額を決済事業者口座から遊技場事業者口座へ振り替えるように利用代金収納ネットワークに要求する支払要求処理手段(例えば、支払要求処理部)と、有価価値提供装置にユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する提供指示手段(例えば、提供指示部)とを有することを特徴としている。
この電子決済サーバによれば、クレジットカードやデビットカードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0013】
本発明の第3の態様は、電子決済システムのための移動体通信端末として提案される。この移動体通信端末は、近距離通信手段による通信を行うことによって、有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を取得し、ユーザを特定するユーザ特定情報と機器特定情報とを含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを電子決済サーバに送信して、電子決済サーバにユーザ支払金額(例えば、¥1,000分の貸し玉代)に応じた有価価値の提供を指示させることを特徴とする。
【0014】
この移動体通信端末は、クレジットカードやデビットカードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を実現するための端末装置として機能する。
【0015】
本発明の第4の態様は、電子決済方法として提案される。
この電子決済方法は、ユーザが指定した振替金額をユーザ口座から決済事業者口座へ振り替えるよう利用代金収納ネットワークに要求するステップ(例えば、振替依頼を送信する処理S204)と、振替金額に応じたユーザ振替金額をユーザ保有金額に加算して記憶させるステップ(例えば、保有金額データ処理S207)と、有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことにより取得されるその有価価値提供装置を特定する機器特定情報とユーザを特定するユーザ特定情報とを含む支払要求メッセージを受信するステップ(例えば、S303)と、支払要求メッセージに応じて、有価価値提供装置にユーザ支払金額(例えば、¥1,000分の貸し玉代)に応じた有価価値の提供を指示するステップ(例えば、提供指示メッセージを送信する処理S305)と、ユーザ保有金額からユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、遊技場事業者保有金額にユーザ支払金額に応じた額を加算するステップ(例えば、振替処理S307)と、遊技場事業者保有金額に応じた額を決済事業者口座から遊技場事業者口座へ振り替えるように利用代金収納ネットワークに振替要求を行うステップ(例えば、振替依頼の送信処理S402)とを有することを特徴としている。
この電子決済方法によれば、クレジットカードやデビットカードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0016】
本発明の第5の態様は、主として単一の遊技場事業者のための電子決済システムであって、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座を管理する利用代金収納ネットワークに口座間の振替を要求することができるとともにユーザ保有金額を記憶可能な電子決済サーバと、移動体通信端末と、有価価値提供装置とを有する電子決済システムとして提案される。
【0017】
この電子決済システムにおいて、移動体通信端末は、有価価値提供装置と近距離通信手段(例えば、非接触型ICカード用チップ、及びそのリーダ/ライタ)による通信を行うことによりその有価価値提供装置を特定する機器特定情報(例えば、機器ID)を取得し、ユーザを特定するユーザ特定情報(例えば、ユーザID)と機器特定情報とを含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを電子決済サーバに送信し、電子決済サーバは、ユーザ口座から決済事業者口座への振替金額に応じたユーザ振替金額(例えば、振替金額から決済事業者に支払う手数料を差し引いた額)をユーザ保有金額に加算するとともに決済事業者口座から遊技場事業者口座へ振替金額に応じた額(例えば、ユーザ振替金額から決済事業者に支払う手数料を差し引いた額)を振り替えるように利用代金収納ネットワークへ要求し、支払要求メッセージに応じて、有価価値提供装置にユーザ支払金額(例えば、¥1,000分の貸し玉代)に応じた有価価値の提供を指示し、ユーザ保有金額からユーザ支払金額に応じた額を減算し、有価価値提供装置は、電子決済サーバから有価価値の提供の指示を受け取った場合、ユーザ支払金額に応じた有価価値を提供する。
この電子決済システムによれば、クレジットカードやデビットカードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0018】
本発明の第6の態様は、として単一の遊技場事業者のための電子決済サーバであって、ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座を管理する利用代金収納ネットワークに口座間の振替を要求することができるとともに、移動体通信端末からの支払要求メッセージに応じて、有価価値提供装置にユーザ支払金額(例えば、¥1,000分の貸し玉代)に応じた有価価値の提供を指示する電子決済サーバとして提案される。
【0019】
この電子決済サーバは、ユーザ保有金額を記憶する記憶手段(例えば、データベース部)と、ユーザ口座から決済事業者口座への振替金額に応じたユーザ振替金額をユーザ保有金額に加算するとともに、振替金額に応じた額を決済事業者口座から遊技場事業者口座へ振り替えるよう利用代金収納ネットワークに要求する振替要求処理手段(例えば、振替要求処理部)と、支払要求メッセージに応じて、ユーザ保有金額からユーザ支払金額に応じた額を減算する支払要求処理手段(例えば、支払要求処理部)と、有価価値提供装置にユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する提供指示手段(例えば、提供指示部)とを有することを特徴としている。
この電子決済サーバによれば、クレジットカードやデビットカードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0020】
本発明の第7の態様は、電子決済方法として提案される。
この電子決済方法は、ユーザが指定した振替金額をユーザ口座から決済事業者口座へ振り返るよう利用代金収納ネットワークに要求するステップ(例えば、振替依頼を送信する処理S504)と、振替金額に応じた額を決済事業者口座から遊技場事業者口座へ振り替えるよう利用代金収納ネットワークに要求するステップ(例えば振替依頼を送信する処理S507)と、ユーザ口座から決済事業者口座への振替金額に応じたユーザ振替金額をユーザ保有金額に加算して記憶させるステップ(例えば、保有金額データ処理S510)と、有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことにより取得されるその有価価値提供装置を特定する機器特定情報とユーザを特定するユーザ特定情報とを含む支払要求メッセージを受信するステップ(例えば、S603)と、支払要求メッセージに応じて、有価価値提供装置にユーザ支払金額(例えば、¥1,000分の貸し玉代)に応じた有価価値の提供を指示するステップ(例えば、提供指示メッセージを送信する処理S605)と、ユーザ保有金額からユーザ支払金額に応じた額を減算するステップ(例えば、減算処理S607)とを有することを特徴としている。
この電子決済方法によれば、クレジットカードやデビットカードなどの既存の決済方法に変わる、新たな決済方法を提供することが可能となる。
【0021】
本発明は、さらに以下の特徴を有していてもよい。
すなわち、電子決済サーバは、提供指示メッセージ、及び振替依頼メッセージの送信に先立って、ユーザと電子決済システムの運営者である決済事業者との間の、決済事業者がユーザ口座から指定された金額を引き落とすことを内容とする契約の電子化契約書と、これに付された検証されたユーザの電子署名及び決済事業者の電子署名を有する電子化契約書保管原本を記憶する。
また、電子決済サーバは、当該取引するユーザ口座の存在する銀行のための電子化契約書保管原本を送信する。
【0022】
また、本発明にかかる電子決済方法は、ユーザと電子決済システムの運営者である決済事業者との間の、決済事業者がユーザ口座から指定された金額を引き落とすことを内容とする契約の電子化契約書と、これに付されたユーザの電子署名及び電子証明書を受信するステップと、ユーザの電子署名及び電子証明書の検証し、検証の結果に応じて電子化契約書と決済事業者の電子署名及び電子証明書を送信するステップと、電子化契約書とそれに付されたユーザの電子署名、決済事業者の電子署名、及びタイムスタンプを含む電子化契約書保管原本受信し、記憶するステップとをさらに有する。
【0023】
これらの追加的特徴を有する発明によれば、事前に決済を行う業者である決済事業者とユーザが書面による契約を行うことなく、ユーザが直ちにその現金以外の決済方法を利用することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、遊技場においても利用可能な、簡易且つ安全な電子決済を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
[I.第1の実施の形態]
[1.電子決済システムの構成例]
図1は電子決済システムの一例を示すネットワーク図である。
この図に示す例においては、電子決済システム1は、電子決済サーバ10と、移動体通信端末20と、有価価値提供装置30とを有している。また、電子決済システム1には、利用代金収納ネットワーク1と、認証サーバ92と、タイムスタンプサーバ94とが通信可能に接続されている。
【0026】
電子決済サーバ10は、利用代金収納ネットワーク40に接続されている。利用代金収納ネットワーク40は、電子決済サーバ10からの指示に基づいて、ユーザの口座から指定された振込先口座へ指定された金額の振込処理を実行するシステムであって、例えば日本で運用されている「マルチペイメントネットワーク」(例えば、http://www.jampa.gr.jp/pub/ 参照)である。
【0027】
図2は、利用代金収納ネットワーク40の概略構成を示すブロック図である。利用代金収納ネットワーク40は、銀行などの金融機関の金融機関システム44(共同利用センターのような形態を含む)が通信ネットワーク45を介して互いに通信可能に接続されている。金融機関システム44は、以下の口座の入出金を電子的に行うことができるシステムである。本電子決済システム1が利用する金融機関システム44は、遊技機を遊技する者であって、本電子決済システムを用いて支払いを行う者(以下、ユーザと呼ぶ)の口座(以下、ユーザ口座41と呼ぶ)、本電子決済システム1の運営、管理を直接又は間接に行い、電子決済システム1の運営の対価・代価・手数料などを受け取る者(以下、決済事業者と呼ぶ)の口座(以下、決済事業者口座42と呼ぶ)、及び遊技機による遊技をユーザに提供する者であって、本電子決済システム1を用いてユーザからの支払いを受け取る者(以下、遊技場事業者と呼ぶ)の口座(以下、遊技場事業者口座43と呼ぶ)を有する。これらの口座41,42,43は同一の金融機関システム44に設けられていてもよいし、互いに別の金融機関システム44に設けられていてもよい。図2では、これら口座41,42,43は異なる金融機関システム44に設けられているものとして図示したが、このような態様に本実施の形態が限定される趣旨ではない。
【0028】
通信ネットワーク45には、依頼者が利用代金収納ネットワーク40に対して支払い依頼を送信するための端末装置が接続されている。端末装置としては、パーソナルコンピュータ(PC)46,携帯電話機47,ATM(Automated Teller Machine)48などが用いられる。本実施形態にかかる電子決済システム1では、移動体通信端末20,又は電子決済サーバ10が利用代金収納ネットワーク40の端末装置として動作する。
【0029】
図1に戻り、電子決済システム1の構成の説明を続ける。
電子決済サーバ10は通信網50に接続されており、有価価値提供装置30と通信網50を介して通信可能となっている。移動体通信端末20は、基地局60、移動体通信網70、及び移動体通信網70と通信網50とを接続するゲートウエイ80とを介して電子決済サーバ10、利用代金収納ネットワーク40と通信可能であるとともに、近距離通信手段により有価価値提供装置30と通信可能である。認証サーバ92は電子決済サーバ10,移動体通信端末20と通信網50、移動体通信網70を介して接続可能である。タイムスタンプサーバ94は、移動体通信端末20と通信網50、移動体通信網70を介して接続可能である。以下、上記の電子決済システム1の各構成要素について説明する。
【0030】
[1.1.有価価値提供装置]
有価価値提供装置30は、ユーザが移動体通信端末20を用いて電子決済を行った対価として、なんらかの有価価値(金銭と交換して購入できる有体物、無体物をいうものとする)をユーザに提供する装置である。なお、本実施の形態における有価価値提供装置30は、必ずしも有価価値を直接ユーザに提供する装置である必要はなく、例えば、デビットカードのCAT端末のように、電子決済は可能である旨を遊技場(店舗)側に通知して、遊技場側に品物などをユーザに引き渡させるなどの間接的にユーザに有価価値を提供する装置も含む。
また、有価価値提供装置30は、有価価値として電子データを他の装置や記憶媒体に出力し、送信し、或いは書き込む装置であっても良い。例えば、有価価値提供装置30は、ネットワーク接続された遊技機やゲーム機に遊技やゲームの提供を行うメッセージやコマンドを送信する装置であっても良い。この場合、ユーザは本電子決済システム1を利用して支払った遊技代金、ゲーム代金分の遊技やゲームをこの有価価値提供装置30を通じて楽しむことができる。また、有価価値提供装置30は、ICカードやICカード機能を搭載した携帯電話機、USBメモリなどの記憶媒体にゲーム機利用可能回数、利用可能金額などを示す電子データを書き込む装置であっても良い。ユーザは、有価価値提供装置30によって電子データの書き込みが行われた記憶媒体を、遊技機、ゲーム機、発売機、精算機などの装置に読み取らせて、これら装置の提供する商品やサービスを取得することができる。
【0031】
図3は、有価価値提供装置30及び移動体通信端末20の構成例を示す機能ブロック図である。以下、図3を参照しながら有価価値提供装置30の構成について説明する。
有価価値提供装置30は、ネットワーク通信処理部301と、提供制御部302と、提供装置側近距離通信部303と、有価価値供給部304と、遊技履歴処理部305とを有している。
【0032】
ネットワーク通信処理部301は、通信網50を介して電子決済サーバ10と通信を実行する機能を有し、例えば、プロトコルスタックを搭載した通信ボードなどである。
【0033】
提供制御部302は、ネットワーク通信処理部301、提供装置側近距離通信部303、有価価値供給部304の動作を命令・制御する機能を有し、例えば有価価値提供装置30を実現するためのプログラムを搭載したマイクロコンピュータである。
【0034】
提供装置側近距離通信部303は、移動体通信端末20に搭載されている端末側近距離通信部201と通信を行う機能を有し、例えば、非接触式ICカードのリーダ/ライタである。なお、提供装置側近距離通信部303が用いる通信方式は、無線に限られる必要はなく、赤外線通信であっても構わない。また、必ずしも非接触式の通信方式でなくともよく、通信ケーブルやUSBソケットにより接続して通信する方式を採用しても本発明は成立する。
【0035】
有価価値供給部304は、提供制御部302の命令に応じて、有価価値をユーザに提供する機能を有する。有価価値供給部304は、例えば、玉貸し機の貸し玉出力部、メダル貸出機のメダルホッパー、カジノチップ貸出機、認証端末(例えば、CAT端末)のディスプレイ、或いはプリンタなどである。有価価値は、金銭により購入可能なものであれば、どのようなものでもよく、貸し玉、貸しメダル、カジノチップ、プリペイド・カード、オンバリューカード(ハウスカード)又は同等品、或いは無形のサービスなどである。有価価値供給部304は、必ずしも直接に有価価値をユーザに提供するものに限られず、間接的に有価価値をユーザに提供するものであってもよい。例えば、有価価値供給部304は液晶ディスプレイ装置であって、遊技場の店員やスタッフなどに、商品の引き渡しを指示するメッセージをこの液晶ディスプレイ装置が表示することも、本発明による有価価値の提供の一形態である。
【0036】
遊技履歴処理部305は、遊技者による有価価値提供装置30の使用に基づいて、遊技者の遊技履歴に関するデータである遊技履歴データを生成して、ネットワーク通信処理部301を介してサーバに送信する機能を有する。
【0037】
例えば、有価価値提供装置30がある特定の遊技機に付設されたサンドマシン(玉貸し機)であるとする。遊技者がこのサンドマシンが付設された遊技機で遊技を行うために、サンドマシンである有価価値提供装置30と、移動体通信端末20である自己の携帯電話機とにより本電子決済システム1による決済により玉貸しを受ける。遊技履歴処理部305は、どの遊技者がどの遊技機をいつ遊技したのか、どれだけの金額を遊技したのか、などのデータである遊技履歴データを提供制御部302の動作状況、及び遊技機の動作状況より生成し、これを遊技履歴データを管理するサーバに送信する。遊技履歴データは、すべての有価価値提供装置30が使用されるごとに、サーバに送られ蓄積される。この遊技履歴データを解析したり、データマイニングの手法などにより分析等することにより、遊技者の行動傾向、遊技機の人気傾向、時間帯別利用動向などが明らかになり、その結果店舗経営や遊技機開発などの資料となる有用な情報を取得できる。
【0038】
なお、この実施の形態では、遊技履歴データを管理するサーバとして、電子決済サーバ10を用いる構成として説明するが、遊技履歴データを管理するサーバは、電子決済サーバとは別のサーバ装置として本電子決済システム1に組み入れられるようにしてももちろん構わない。
【0039】
[1.2.移動体通信端末]
次に、図3を参照しながら移動体通信端末20について説明する。移動体通信端末20は、電子決済サーバ10、認証サーバ92,タイムスタンプサーバ94及び/又は利用代金収納ネットワーク40と通信網50を介して通信可能であるとともに、近距離通信手段を用いて有価価値提供装置30とも通信可能な端末装置である。移動体通信端末20は、例えば、非接触式ICカード(例えば、フェリカ;「フェリカ」はソニー社の登録商標)機能を有する携帯電話機、近距離通信手段及び無線通信手段を搭載した携帯電話機、PDA(Personal Data Assistant)、携帯ゲーム機、無線LANを搭載したIP電話機などである。移動体通信端末20は、前述の提供装置側近距離通信部303と通信を行うための端末側近距離通信部201と、支払要求生成部202と、無線通信部203と、入力部204と、出力部205と、ユーザ情報記憶部207ユーザ情報記憶部207と、振替要求生成部208と、電子契約申請部206とを有している。
【0040】
端末側近距離通信部201は、提供装置側近距離通信部303と通信を行う機能を有し、例えばICカード用チップ及びアンテナである。
【0041】
支払要求生成部202は、有価価値提供装置30に有価価値を提供してもらえるように、ユーザが受け取る有価価値の対価(代金)の支払、決済を電子決済サーバ10に要求する支払要求メッセージを生成する機能を有し、例えば、iアプリ(「iアプリ」はNTTドコモ社の登録商標であり、携帯電話にダウンロードする事で、付加価値機能を追加できるアプリケーションであり、特にOSを限定しない。以下iアプリという)を搭載したマイクロコンピュータである。
【0042】
無線通信部203は、移動体通信端末20が移動体通信網70に接続し、移動体通信網70を介した通信を実行する機能を有し、例えば変調回路、復調回路を有する無線通信回路である。移動体通信網は、一般的な携帯電話の通信網であっても、WIMAXや無線LANの通信網であってもよい。
【0043】
入力部204は、支払要求生成部202、振替要求生成部208などにユーザの支持を電気信号に変えて渡す機能を有し、例えば携帯電話機のキー、タッチペンとタッチパネル、ポインティングデバイスである。
【0044】
出力部205は、移動体通信端末20がユーザに情報を伝えるための情報出力機能を有し、例えば、携帯電話機の液晶パネル、CAT端末の液晶パネル、或いは小型プリンタなどである。
【0045】
ユーザ情報記憶部207は、ユーザの支払又は決済に要する情報を記憶する機能を有する。図4は、ユーザ情報記憶部207が記憶する情報の一例を示す。この例では、ユーザ情報記憶部207は、その移動体通信端末20の使用者として登録されたユーザを一意に特定する情報であるユーザID101と、電子決済サーバ10がユーザの本人認証を行うためのパスワード102と、ユーザが支払代金を引き出す口座であるユーザ口座41を特定する情報である銀行番号103、支店番号104、及び口座番号105、及びその口座に設定された暗証番号106を記憶する。これら情報、とりわけ銀行番号103、支店番号104、口座番号105、暗証番号106は、ユーザが移動体通信端末20に支払要求生成部202として機能させるアプリケーションのインストール時、或いは本電子決済のサービスを受けるためのユーザ登録時などにユーザにより入力されればよい。例えば、移動体通信端末20において起動したアプリケーションは、ユーザに入力部204からこれら情報を入力することを要求し、入力された情報101〜106はユーザ情報記憶部207に記憶される。これら情報101〜106は、ユーザ口座41から決済事業者口座42へのデポジットの振替要求のための振替要求メッセージを生成するときに使用され、振替要求メッセージの一部として電子決済サーバ10に送信されることになる。
【0046】
なお、ユーザID101は、電子決済サーバ10が自動的に割り当てる識別番号でもよいし、移動体通信端末20が有する識別情報、例えば、FelicaID(「FeliCa」はソニー株式会社の登録商標)、個体識別番号(FOMAカード識別情報を含む(「FOMA」は株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの登録商標))であってもよい。
【0047】
電子契約申請部206は、電子決済システム1の利用に先立って、ユーザと電子決済システム1の運用者、管理者など(決済事業者と呼ぶ)との間で決済事業者がユーザ口座から指定された金額を引き落とすことを内容とする契約を電子的に結ぶ処理を行う機能を有する。
【0048】
図5は、電子契約申請部206の構成例を示す機能ブロック図である。図示のように、電子契約申請部206は、制御部701と、暗号化処理部702と、記憶部703と、復号化処理部704と、判定部705と、タイムスタンプ取得部706とを有する。
【0049】
制御部701は、暗号化部702、記憶部703、復号化部704、判定部705、タイムスタンプ取得部706の各部の動作を統括して制御する機能を有し、各部の起動、各部への入力、各部からの出力などを命令する。
【0050】
暗号化処理部702は、所定の暗号化方法により、暗号鍵715を使って電子署名を生成する機能を有する。
記憶部703は、ユーザ側電子証明書711、決済事業者側電子証明書712、電子化契約書713、電子化契約書原本714、暗号鍵715などを記憶する機能を有する。
【0051】
ユーザ側電子証明書711は、電子契約書713の署名者の一方がユーザ本人であることを証明する電子データであって、例えば、ITU-T勧告のX.509に定義されており、本人情報(所属組織、識別名、名前等)、公開鍵、有効期限、シリアルナンバ、シグネチャ等が含まれている電子データである。この例では、ユーザ側電子証明書711は、認証サーバ92によって発行される電子データである。
なお、ユーザ側電子証明書711として以下のものを使用することも本実施の形態では可能である。
【0052】
a)ユーザ口座を有する金融機関のモバイル端末契約時に発行されるパスワード等
b)ユーザが、電子決済サーバ10からiアプリなどアプリケーションをダウンロードする際に、同時に移動体通信端末に書き込まれるシリアル番号(ユーザID)など
c)移動体通信端末20の製造番号
d)SIM(Subscriber Identity Module Card)のシリアル番号
e)移動体通信端末20の電話番号
f)OpenIDなどに代表される、標準規格の共通ID
g)aからの情報と、日付や金額などの記載されている情報との論理計算や暗号化によって生成されるものなどを、単独で、又は複数の条件を満たすなどの方法。
上記「OPenID」は、共通IDの標準規格の一つであって、OpenID対応サイトで共通して利用できるURL形式のIDである(http://openid.net/ 参照)。
【0053】
決済事業者側電子証明書712は、電子契約書713の署名者の他方が決済事業者であることを証明する電子データであって、例えば、ITU-T勧告のX.509に定義されており、本人情報(所属組織、識別名、名前等)、公開鍵、有効期限、シリアルナンバ、シグネチャ等が含まれている電子データである。この例では、決済事業者側電子証明書712は、認証サーバ92によって発行される電子データである。
【0054】
電子化契約書713は、ユーザと電子決済システムの運営者である決済事業者との間の、決済事業者がユーザ口座から指定された金額を引き落とすこと、及び決済事業者が前記ユーザの口座から指定された金額を引き落とす事を前記ユーザの口座が存在する銀行が承諾すること又は決済事業者が前記ユーザの口座から指定された金額を引き落とす事を前記銀行に求めることを内容とする契約内容を記述した電子データである。
【0055】
電子化契約書原本714は、電子化契約書713にユーザ及び決済事業者の電子署名、並びにタイムスタンプが付された電子データであって、当事者の捺印済みの契約書に相当する。
【0056】
暗号鍵715は、ユーザが電子署名を生成し、或いは電子決済サーバ10から送られた暗号を復号化するために使用する暗号鍵であって、例えば、公開鍵方式における秘密鍵、或いは共通鍵方式における共通暗号鍵である。
【0057】
ユーザ側電子証明書711、暗号鍵715は、認証局(CA)である認証サーバ92より事前に取得して記憶しておくものでもよいし、移動体通信端末20の出荷時に予めメーカ、ベンダなどがインストールしておいたものでもよい。
【0058】
本実施の形態では、電子化契約書713,決済事業者側電子証明書712は、後述するiアプリなどアプリケーションをアプリダウンロード時に電子決済サーバ10から取得する。もちろんその他の方法によって取得する方法を採用しても構わない。
【0059】
復号化処理部704は、電子決済サーバ10から受信した決済事業者の電子署名を復号化する機能を有する。
【0060】
判定部705は、電子決済サーバ10から電子化契約書とともに送信された決済事業者の電子証明書、電子署名を検証する機能を有する。
【0061】
タイムスタンプ取得部706は、電子決済サーバから返信された決済事業者の電子証明書、電子署名から電子化契約書が決済事業者によって電子署名されていると判定部705により判定された場合、電子署名の付された電子契約書のタイムスタンプをタイムスタンプサーバ94に要求し、これを取得し、取得したタイムスタンプとともに電子署名の付された電子化契約書713を電子決済サーバ10に送信させる機能を有する。また、タイムスタンプ及び電子署名の付された電子契約書は、電子化署名契約書原本714として記憶部703に記憶される。
以上で、電子契約申請部206及び移動体通信端末20の説明を終了する。
【0062】
[1.3.電子決済サーバ]
図1に戻り、電子決済システム1の構成要素の説明を続ける。
電子決済システム1は、その中核となる構成要素として電子決済サーバ10を有している。電子決済サーバ10は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置であって、例えばコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置である。前記ROM、若しくはハードディスク装置などに情報処理装置を電子決済サーバ10として機能させるためのプログラム、又は電子決済方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されており、このプログラムを主メモリ上に載せ、CPUがこれを実行することにより電子決済サーバ10が実現され、若しくは電子決済方法が実行される。また、上記プログラムは必ずしも情報処理装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく、外部の装置(例えば、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど))から提供され、これを主メモリに乗せる構成であってもよい。さらに、この電子決済サーバ10は単体の装置で構成されていてもよいし、複数の装置をネットワークにより結合して構成されるものでもよい。電子決済サーバ10は、一箇所に全ての機能を集約したセンター構成であってもよいし、また、機能毎に分割し、分散処理可能な分散サーバ構成であってもよい。
【0063】
以下、図6を参照しながら電子決済サーバ10について説明する。図6は、電子決済サーバ10の構成例を示す機能ブロック図である。
図6に示す電子決済サーバ10は、ネットワーク通信処理部401と、支払要求処理部402と、データベース部403と、振替要求処理部404と、精算処理部405と、提供指示部406と、結果通知部407と、遊技情報更新部408と、電子契約処理部409とを有している。なお、これら各部はプログラムを記憶した記憶装置、及びこのプログラムを実行するCPUなどによって構成される構成要素である。
【0064】
ネットワーク通信処理部401は、通信網50を介して移動体通信端末20、有価価値提供装置30、及び利用代金収納ネットワーク40と通信を実行する機能を有し、例えばプロトコルスタックを実行するための通信ボードである。ネットワーク通信処理部401は、移動体通信端末20からのリクエストメッセージを受け取ると、これを支払要求処理部402或いは振替要求処理部404に渡す。また、ネットワーク通信処理部401は、提供指示部406から有価価値提供装置30へ宛てた提供指示メッセージを受け取ると、これを有価価値提供装置30に宛てて送信する。また、ネットワーク通信処理部401は、精算処理部405から、利用代金収納ネットワーク40へ宛てた振替依頼メッセージを受け取ると、これを利用代金収納ネットワーク40へ宛てて送信する。
【0065】
支払要求処理部402は、移動体通信端末20から受信した支払要求メッセージを処理する機能を有する。支払要求処理部402はネットワーク通信処理部401を介して移動体通信端末20から支払要求メッセージを受け取る。すると、支払要求処理部402は、後述するデータベース部403に記憶されている該当ユーザの所有金額データをチェックする。ユーザの所有金額データと支払要求メッセージを比較して、支払い可能である場合には支払要求処理部402は、提供指示部406を起動させる。起動した提供指示部406は提供指示メッセージを生成し、この提供指示メッセージをネットワーク通信処理部401を介して有価価値提供装置30に宛てて送信する。
【0066】
また、支払要求処理部402は、前述の支払要求メッセージに応じた支払いが可能である場合には、データベース部403に記憶されている該当ユーザのユーザ保有金額データ700及び有価価値提供装置30により有価価値を提供する事業者である遊技場事業者の保有金額データ900を、支払額に応じて更新(書き換え)する。
【0067】
データベース部403は、本電子決済システム1に登録した各ユーザの保有金額データ700、遊技場事業者の保有金額データ900を記憶すると共に、利用代金収納ネットワーク40との間で行う振り替えに必要な情報であるユーザテーブル600、ユーザ保有金額データ700,遊技場事業者テーブル800、遊技場事業者保有金額データ900と、有価価値提供装置テーブル1000と、遊技履歴情報1100とを記憶する。
【0068】
図7は、データベース部403に記憶されるユーザテーブル600の構成例である。ユーザテーブル600は、ユーザ(遊技者)に関する情報を格納したデータである。ユーザテーブル600は、ユーザ毎に一つのレコード601を有するデータであって、各レコード601は、ユーザID602、パスワード603、メールアドレス604、及びユーザの口座であって引き落とし先口座を特定するための銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610を格納している。ユーザID602は、ユーザを一意に特定する情報である。パスワード603は、第三者がそのユーザになりすまして本電子決済システム1を不正利用することを防止する情報である。メールアドレス604は、結果通知部407が、支払処理の処理結果をユーザに通知する際にその電子メールの送り先である宛先アドレスとして使用する情報である。銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610は、利用代金収納ネットワーク40に対して引き落とし先口座を指定するための情報である。
ユーザテーブル600に格納される情報は、ユーザが電子決済サーバ10にユーザ登録する際に、電子決済サーバ10に入力される。
【0069】
図8は、データベース部403に記憶されるユーザ保有金額データ700の構成例である。ユーザ保有金額データ700は、ユーザ毎に一つのレコード1001を有するデータであって、各レコード1001は、ユーザIDを格納するユーザIDフィールド1002と、そのユーザが電子決済システム1に預けている金額である保有金額を格納する保有金額フィールド1003とを有している。保有金額フィールド1003に格納される値は、ユーザが電子決済システム1に預け入れると、預入額の分だけ増加し、一方有価価値提供装置30を利用して支払いを行うと、支払額の分だけ減少するように書き換えされる。
【0070】
図9は、データベース部403に記憶される遊技場事業者テーブル800の構成例である。遊技場事業者テーブル800は、遊技場事業者に関する情報を格納したデータである。遊技場事業者テーブル800は、電子決済システム1に加入している遊技場事業者毎に一つのレコード801を有するデータである。各レコード801は、遊技場事業者IDを格納する遊技場事業者ID802、及びその遊技場事業者の口座であって、有価価値提供装置30に支払われた金額を振り込む振込先口座を特定するための銀行番号803、支店番号804,口座種別805,口座番号806、口座名義807を格納している。遊技場事業者ID802は、遊技場事業者を一意に特定する情報である。銀行番号805、支店番号806,口座種別807,口座番号808、口座名義809は、利用代金収納ネットワーク40に対して振込先口座を指定するための情報である。
遊技場事業者テーブル800に格納される情報は、遊技場事業者が電子決済システム1に加入登録する際に、電子決済サーバ10に入力される。
【0071】
図10は、データベース部403に記憶される遊技場事業者保有金額データ900の構成例である。遊技場事業者保有金額データ900は、電子決済システム1に登録されている遊技場事業者毎に一つのレコード901を有するデータである。各レコード901は、遊技場事業者ID902と、電子決済システム1が遊技場事業者へ振り込む分の金額である保有金額を格納する保有金額903とを有している。保有金額903に格納される値は、有価価値提供装置30の利用によりユーザから支払われた分だけ増加し、利用代金収納ネットワーク40を利用した遊技場事業者口座43への振込額分だけ減少するように書き換えされる。
【0072】
図11は、データベース部403に記憶される有価価値提供装置テーブル1000の構成例である。有価価値提供装置テーブル1000は、各有価価値提供装置30について一つのレコード1301を有するデータであって、各レコード1301は、機器ID1302,機器IPアドレス1303、遊技場事業者ID1304を格納する。
【0073】
機器ID1302は、有価価値提供装置30を一意に特定するための情報であり、機器IPアドレス1303は、電子決済サーバ10が、ある機器ID1302を含む支払要求メッセージを受け取った場合、その支払要求メッセージに応答して、当該機器ID1302を有する有価価値提供装置30に提供指示メッセージを送信するための送信先アドレスとして利用する情報である。遊技場事業者ID1304は、その機器ID1302を付与された有価価値提供装置30へのユーザの支払いを受け取る権利を有する遊技場事業者を特定する情報であって、遊技場事業者テーブル800の遊技場事業者ID802と同一のIDが用いられている。
【0074】
遊技履歴情報1100は、遊技者がいつどこでどの遊技機でいくら遊技をしたのかという、遊技に関する履歴を示す情報であって、各有価価値提供装置30の履歴情報処理部305が生成し、送信する遊技履歴データを蓄積記憶することによって生成される情報である。この遊技履歴情報1100を、周知のマーケティング解析やデータマイニング手法により分析することにより、様々な有用な情報を得ることができる。
【0075】
図6に戻り、電子決済サーバ10の構成例の説明を続ける。
提供指示部406は、有価価値提供装置30へ送信するための提供指示メッセージを生成させ、この提供指示メッセージを、ネットワーク通信処理部401を介して有価価値提供装置30へ宛てて送信する。なお、提供指示メッセージの送り先である有価価値提供装置30のアドレスは、前述の有価価値提供装置テーブル1000を参照して取得する。
【0076】
結果通知部407は、支払要求メッセージが適切に処理されたか否かをユーザに通知する機能を有する。一例としては、結果通知部407は移動体通信端末20を宛先とする電子メールを生成し、これを送信する。或いはまた、結果通知部407は移動体通信端末20によって閲覧可能なウェブページに処理結果を示す情報を記載して移動体通信端末20からの閲覧を待つようにしてもよい。結果通知部407からの通知内容は、例えば「支払要求は処理されました。ご利用ありがとうございました。」、或いは「残高が不足しています。支払いはできませんでした。」などのメッセージとなる。
【0077】
次に、振替要求処理部404について説明する。振替要求処理部404は、移動体通信端末20から受信した振替要求メッセージを処理する機能を有する。振替要求処理部404はネットワーク通信処理部401を介して移動体通信端末20から振替要求メッセージを受け取る。振替要求メッセージの内容は、ユーザ口座41から指定した金額を引き落として、電子決済システム1で使用できるようにしてくれ、という内容である。この振替要求メッセージを受け取った振替要求処理部404は、データベース部403に記憶されているユーザテーブル600をチェックする。振替要求処理部404は、ユーザテーブル600から振替元口座となるユーザの口座を特定する情報である銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610を取得し、これら情報と合わせて振替先口座となる決済事業者口座43を特定する情報を振替要求メッセージとして利用代金収納ネットワーク40にネットワーク通信処理部401を介して送信する。利用代金収納ネットワーク40は、振替要求メッセージを受け取ると、指定された金額の資金をユーザ口座41から決済事業者口座42へ振り替える。振り替えられた資金は、ユーザが本電子決済システム1を利用して使用できる資金(手数料分は除く)となる。
【0078】
次に、精算処理部405について説明する。精算処理部405は、遊技場事業者保有金額データ900が示す金額を決済事業者口座42から各遊技場事業者の遊技場事業者口座43に振り替えるよう利用代金収納ネットワーク40に要求する。この振り替えられる資金の額は電子決済システム1がユーザから預かっている遊技場事業者への支払金額、すなわち遊技場事業者保有金額データ900の保有金額903に相当する。精算処理部405は、この実施の形態では、自律的に処理を行う。例えば、精算処理部405は、所定のタイミング(例えば、毎月月末とか、毎週末)で自動で起動する。起動した精算処理部405は、データベース部403に記憶されている全ての遊技場事業者保有金額データ900をチェックし、振り込みが済んでいないものについて利用代金収納ネットワーク40に決済事業者口座42から該当する遊技場事業者口座43に振替を行うように振替依頼を送信する。
【0079】
遊技情報更新部408は、有価価値提供装置30の履歴情報処理部305から受信した遊技履歴データを刻々蓄積記憶し、遊技履歴情報1100のアップデートを行う機能を有する。
【0080】
電子契約処理部409は、移動体通信端末20、より詳しくはその電子契約申請部206と協働して、電子決済システム1の利用開始に先立って、ユーザと電子決済システム1の運用者、管理者など(決済事業者と呼ぶ)との間で決済事業者がユーザ口座から指定された金額を引き落とすことを内容とする契約を電子的に結ぶ処理を行う機能を有する。
【0081】
また、電子契約処理部409は、ユーザと決済事業者との間で結ばれた契約を証する電子化契約書原本のデータを、当該ユーザ口座を有する金融機関に宛てて送信する機能を有する。
【0082】
具体的には、電子契約処理部409は、移動体通信端末20への電子化契約書713をダウンロードさせる機能、移動体通信端末20から送信された電子署名の付された電子化契約書711とユーザ側電子証明書711を受信する機能、受信した電子署名、ユーザ側電子証明書711の検証を行い、これらが正しいものと認証された場合ユーザの電子署名の付された電子化契約書713に決済事業者の電子署名と決済事業者側電子証明書712を移動体通信端末20に送信する機能、及び移動体通信端末20から送信された電子化契約書原本714を受信して、記憶させる機能、前記電子化契約書原本714を金融機関の指定された装置(例えば、利用代金収納ネットワーク40、或いは金融機関により指定されたネットワーク端末装置(例えば、PC)に宛てて送信する機能を有している。
【0083】
図12は、電子契約処理部409の構成例を示した機能ブロック図である。図示のように、電子契約処理部409は、制御部801と、暗号化処理部802と、記憶部803と、復号化処理部804と、判定部805とを有する。
【0084】
制御部801は、暗号化部802、記憶部803、復号化部804、判定部805の各部の動作を統括して制御する機能を有し、各部の起動、各部への入力、各部からの出力などを命令する。
【0085】
暗号化処理部802は、所定の暗号化方法により、暗号鍵811を用いて決済事業者の電子署名を生成する機能を有する。
記憶部803は、ユーザ側電子証明書711、決済事業者側電子証明書712、電子化契約書713、電子化契約書原本714、暗号鍵811などを記憶する機能を有する。
【0086】
上記のユーザ側電子証明書711、決済事業者側電子証明書712、電子化契約書713、電子化契約書原本714は、電子契約申請部20の記憶部703に記憶されているものと同一であるので、これらの説明は省略する。
【0087】
暗号鍵811は、電子決済事業者が電子署名を生成し、或いは移動体通信端末20から送られた暗号を復号化するために使用する暗号鍵であって、例えば、公開鍵方式における秘密鍵、或いは共通鍵方式における共通暗号鍵である。
【0088】
決済事業者側電子証明書712、暗号鍵811は、認証局(CA)である認証サーバ92より事前に取得して記憶しておくものでよい。
復号化処理部804は、移動体通信端末20から送信されるユーザの電子署名を復号化する機能を有する。
判定部805は、移動体通信端末20から電子化契約書とともに送信されたユーザの電子証明書、電子署名を検証する機能を有する。
【0089】
制御部801は、タイムスタンプ、電子署名の付された電子化契約書である電子化契約書保管原本714を受信すると、記憶部803に記憶させ、また前記ユーザの口座が存在する銀行に宛てた前記電子化契約書保管原本714を送信する。
1.3.1.電子決済サーバの分散サーバ構成]
【0090】
図6に示した例では、電子決済サーバ10は一つのサーバ装置で実現されるように図示したが、もちろん電子決済サーバ10はこのようなサーバ装置による構成に限定されるものではない。
【0091】
図13は、電子決済サーバ10を分散サーバ構成とした場合の一構成例を示す機能ブロック図である。図6に示した構成要素と同一の構成要素には、同じ参照番号を付して詳細な説明は省略する。
【0092】
電子決済サーバ10を分散サーバ構成とすることにより、ユーザや遊技場事業者に関する情報が漏洩したり盗まれたりする可能性を低下させ、本電子決済システム1の安全性に対する信頼を向上させることが可能となる。
【0093】
分散サーバ構成とした場合の電子決済サーバ10は、アプリケーションサーバ501と、複数のデータベースサーバ502により構成される。アプリケーションサーバ501は、ネットワーク通信処理部401と、支払要求処理部402と、振替要求処理部404と、精算処理部405と、提供指示部406と、結果通知部407と、遊技情報更新部408と、電子契約処理部409を有している。
【0094】
図13に示す例では、4つのデータベースサーバ502A,502B,502C、502Dがアプリケーションサーバ501にローカルネットワーク503を介して通信可能に接続されている。4つのデータベースサーバ502は、図6に示すデータベース部403に対応する構成要素である。この構成例では、第1のデータベースサーバ502Aがユーザテーブル600、ユーザ保有金額データ700を記憶し、第2のデータベースサーバ502Bが遊技場事業者テーブル800、遊技場事業者保有金額データ900を記憶し、第3のデータベースサーバ502Cが有価価値提供装置テーブル1000を記憶し、第4のデータベースサーバ502Dが遊技履歴情報1100を記憶する。アプリケーションサーバ501は、処理の必要に応じて必要な情報をこれらデータベースサーバ502A〜502Dに要求し、データベースサーバ502A〜502Dは要求に応じて記憶している内容から必要な情報を取り出して、アプリケーションサーバ501に渡す。
【0095】
なお、データベース部403をどのように分割して、いくつのデータベースサーバ502とするか、また、それぞれのデータベースサーバの記憶内容(テーブル、データ)をどのように割り当てるかは任意に定めることが可能であって、図13に示す構成に限定されるものではない。
【0096】
[1.4.通信網]
図1に戻り、本実施の形態にかかる電子決済システム1の構成要素の説明を再開する。
通信網50は、有線・無線、専用回線・交換回線を問わず、これに接続されている装置がそれぞれ目的とする装置に対しセッションを確立したときにその装置間での情報の送受を可能とするように作用する。通信網50は、インターネットのように、ゲートウエイを介して複数のネットワークが組み合わされて実現しても構わない。また、その接続についてもいわゆるバックボーンといわれる基幹線に直接接続せずとも、PPP接続などによって一時的に接続してあっても、セッションを確立したときにその間で情報の送受ができるようになっていれば構わない。なお、上記「通信網」は専用回線を固定的に張りめぐらせたような、交換機、スイッチ、ルータなど経路切り替え手段を用いない通信網も含むものとする。
【0097】
[1.5.移動体通信網、ゲートウエイ、基地局]
図1に示す電子決済システム1の構成例は、移動体通信端末20として携帯電話を用いた場合を想定している。そのため、移動体通信端末20である携帯電話はまず基地局60に無線回線で接続し、この基地局60から移動体通信網70及びゲートウエイ80を介して、電子決済サーバ10が接続している通信網50に接続するものとして図示した。しかし、移動体通信端末20が直接通信網50に接続できるのであれば、移動体通信端末20は移動体通信網70、或いはゲートウエイ80を介さずとも電子決済サーバ10に接続してよい。例えば、移動体通信端末20が無線LAN接続機能を有する場合には、移動体通信網70、及びゲートウエイ80を介して通信を行う必要はなくなる。例えば、移動体通信端末20は通信網50に接続されたホットスポット(無線LAN端末)にアクセすることにより、通信網50に接続する構成であっても、本発明は成立する。
【0098】
[1.6.利用代金収納ネットワーク]
利用代金収納ネットワーク40は、電子決済サーバ10からの振替要求に応じてユーザ口座41から決済事業者口座42へ、及び決済事業者口座42から遊技場事業者口座43へ指定された金額を振り替える機能を有するシステムである。なお、図1に示す例では、電子決済サーバ10と利用代金収納ネットワーク40は通信網50により接続されるものとして図示したが、通信網50を経由しない専用回線(図略)を介して電子決済サーバ10と利用代金収納ネットワーク40とが接続される構成としても、本実施の形態は成立する。
【0099】
また、利用代金収納ネットワーク40は、電子決済サーバ10がユーザの口座を有する金融機関に宛てて送信する電子化契約書原本714を受信し、記憶する機能を有していてもよい。金融機関は、この電子化契約書原本714に基づいて、決済事業者がユーザの口座から指定された金額を引き落とす事をユーザ及び決済事業者の双方が同意していることを確認できる。この電子化契約書原本714の受信の後、決済事業者がユーザの口座から指定された金額を引き落とすことを内容とする要求メッセージを受信した場合、利用代金収納ネットワーク40が、ユーザからの特別の指示を受けなくとも、要求メッセージに応じてユーザの口座から指定された金額の振り替えを行うことの法的根拠となる。
【0100】
[1.7.認証サーバ]
認証サーバ92は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置であって、例えばコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置である。
【0101】
認証サーバ92は、ユーザ側電子証明書711及び/又は決済事業者側電子証明書712を発行し、またこれら電子証明書711及び/又は決済時業者側電子証明書712の有効性のリストであるCRL(Certificate Revocation Lists)を管理し、問い合わせに応じる機能をさらに有していてもよい。
【0102】
[1.8.タイムスタンプサーバ]
タイムスタンプサーバ94は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置であって、例えばコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置である。
【0103】
タイムスタンプサーバ94は、移動体通信端末90からのタイムスタンプ発行要求に応じて、タイムスタンプ・トークンを生成しこれを移動体通信端末に送信する機能を有するタイムスタンプサーバ94はRFC3161に記述されるタイムスタンプ局(TSA, Time Stamping Authority)として動作する装置である。
【0104】
[2.電子決済システムの動作例]
次に、上記電子決済システム1の動作について図14,15,16,17、21を参照しながら説明する。図14、15、16は、上記電子決済システム1のユーザ登録時の動作例を示したシーケンス図であり、図17、21は、ユーザ登録後のユーザが本電子決済システム1による有価価値の取得を行った場合の動作例である。
【0105】
まず、上記電子決済システム1のユーザ登録までの動作について図14、15、16を参照しながら説明する。
まず、ユーザ登録をすませていないユーザは移動体通信端末20で電子決済サーバ10に接続し、電子決済システム1によるサービスを受けるための移動体通信端末20用ソフトウエア(iアプリなどのアプリケーション)を電子決済サーバ10に要求する(図14;S101)。電子決済サーバ10は、要求に応じてアプリのデータ及び電子化契約書713を移動体通信端末20にダウンロードさせる(S102)。アプリ、電子化契約書713を受信した移動体通信端末20は、アプリのデータなどをメモリなどの記憶装置、及び電子化契約書713を記憶部703に記憶させる(S103)。このアプリは、移動体通信端末20のCPUなどによって実行されることにより、前述した支払要求生成部202、振替要求生成部208、電子契約申請部206などとして機能する。
【0106】
なお、上記の実施の形態では、iアプリなどのアプリケーションダウンロード用のサーバ、電子化契約書713ダウンロード用のサーバとしても電子決済サーバ10を用いることとして説明したが、アプリなどのアプリケーションダウンロード用のサーバ、及び/又は電子化契約書713ダウンロード用のサーバは電子決済サーバ10とは別個の装置若しくはシステムであってももちろん構わない。
【0107】
ダウンロードされたアプリは、ユーザが移動体通信端末20で所定の操作を行うことなどにより起動する(S104)。アプリである電子契約申請部206はダウンロード後最初に起動したときに、電子化契約書713を出力部205に表示させ(S104)、ユーザに電子化契約書713に記載された内容の確認を促す。
【0108】
次に、移動体通信端末20、より詳しくは電子契約申請部206はユーザに電子契約を結ぶか否かの決定の入力を受け付ける(S105)。例えば、出力部205である液晶ディスプレイに、「この内容で契約をしますか? YES/NO」のようなメッセージを表示させてユーザの入力を促す。ユーザが電子化契約書713の内容に従って契約を結ぶことを選択した場合は、電子契約申請部206、より詳しくは暗号化処理部702は、暗号鍵715を用いて電子署名を生成する(S106)。なお、この実施の形態では、電子署名は電子化契約書713にユーザの住所氏名などを記入したもののハッシュ値を暗号鍵715によりRSA暗号方式により暗号化したものとするが、このようなものに限られず、例えば、ユーザを一意に特定可能な情報であって、第三者が容易に知り得ないものを暗号化したデータを使用しても構わない。但し、この場合には電子証明書711は利用しないこととなる。
【0109】
次に、移動体通信端末20、より詳しくは電子契約申請部206は、電子化契約書713(但し、ユーザの住所氏名の入力が書き加えられている)、S106において生成した電子署名、及びユーザ側電子証明書711を電子決済サーバ10に送信する(S107)。
【0110】
上記S107による電子化契約書713などを受信した電子決済サーバ10、より詳しくは電子契約処理部409は、ユーザ側電子証明書711の発行機関である認証サーバ92に、ユーザ側電子証明書711の有効性を問い合わせる(S108)。認証サーバ92は、CRL(Certified Revocation List)を参照して、ユーザ側電子証明書711の有効性を判定し、判定結果を電子決済サーバ10に送信する(S109)。
【0111】
以下、図15を参照しながら説明を続ける。
判定結果がユーザ側電子証明書711が有効であるとする場合、電子決済サーバ10、より詳しくは電子契約処理部409は、ユーザ側電子証明書711の検証処理を実行する(S110)。すなわち、電子決済サーバ10は、ユーザ側電子証明書711の電子署名が認証局(CA)によりなされたものかを認証局の公開鍵により電子署名を復号化して確認し、且つユーザ側電子証明書711が改ざんされていないかを確認する。S109からS111の検証が全て成功した場合、ユーザ側電子証明書711が信用できること、すなわちユーザ側電子証明書711に記述された暗号鍵(例えば、公開暗号鍵方式における公開鍵)がユーザのものであると信用できることが判明した。
【0112】
上記ユーザ側電子証明書711の検証が成功した場合、電子決済サーバ10、より詳しくは電子契約処理部409は、電子化契約書713に付された電子署名の検証を実行する(S111)。すなわち、電子決済サーバ10は、ユーザ側電子証明書711に記載された暗号鍵を用いて、電子化契約書713に付された電子署名を復号化し、電子署名の検証及び電子化契約書713の正当性(改ざんされていないこと)を検証する。
【0113】
S111における電子署名の検証に成功した場合、電子決済サーバ10、より詳しくは電子契約処理部409は電子化契約書711はユーザにより正当に署名されたものと判定する。電子決済サーバ10、より詳しくは電子契約処理部409は、移動体通信端末20から受信した電子化契約書713(ユーザの電子署名が付されている)に決済事業者の電子署名をさらに付すと共に、決済事業者側電子証明書712を付し、これら電子化契約書713、決済事業者の電子署名、及び決済時業者側電子証明書712を移動体通信端末20に送信する(S112)。
【0114】
ステップS112において送信された電子化契約書713などを受信した移動体通信端末20、より詳しくは電子契約申請部206は、決済事業者側電子証明書712の発行機関である認証サーバ92に、決済事業者側電子証明書712の有効性を問い合わせる(S113)。認証サーバ92は、CRL(Certified Revocation List)を参照して、決済事業者側電子証明書712の有効性を判定し、判定結果を電子決済サーバ10に送信する(S114)。
【0115】
判定結果が決済事業者電子証明書712が有効であるとする場合、移動体通信端末20、より詳しくは電子契約申請部206は、決済事業者側電子証明書712の検証処理を実行する(S115)。すなわち、移動体通信端末20、より詳しくは電子契約申請部206はは、決済事業者側電子証明書712の電子署名が認証局(CA)によりなされたものかを認証局の公開鍵により電子署名を復号化して確認し、且つ決済事業者側電子証明書712が改ざんされていないかを確認する。S113からS115の検証が全て成功した場合、決済事業者側電子証明書712が信用できること、すなわち決済事業者側電子証明書712に記述された暗号鍵(例えば、公開暗号鍵方式における公開鍵)が決済事業者のものであると信用できることが判明した。
【0116】
上記決済事業者側電子証明書712の検証が成功した場合、移動体通信端末20、より詳しくは電子契約申請部206は、電子化契約書713に付された決済事業者の電子署名の検証を実行する(S116)。すなわち、移動体通信端末20は、決済事業者側電子証明書712に記載された暗号鍵を用いて、電子化契約書713に付された決済事業者の電子署名を復号化し、決済事業者の電子署名の検証及び電子化契約書713の正当性(改ざんされていないこと)を検証する。
【0117】
S116における決済事業者の電子署名の検証に成功した場合、移動体通信端末20、より詳しくは電子契約申請部206は電子化契約書713は決済事業者により正当に署名されたものと判定する。
【0118】
次に、移動体通信端末20、より詳しくは電子契約申請部206は、ユーザ及び決済事業者の電子署名が付された電子化契約書713(或いはそのハッシュ値)をタイムスタンプサーバ94に送信し、タイムスタンプサーバ94にタイムスタンプの発行を要求する(S117)。このタイムスタンプ要求を受信したタイムスタンプサーバ94は、ユーザ及び決済事業者の電子署名が付された電子化契約書713のハッシュ値に日時を付与し、デジタル署名としたタイムスタンプ・トークンを生成し、これを移動体通信端末20に送信する(S118)。
【0119】
移動体通信端末20、より詳しくは電子契約申請部206は、このタイムスタンプ・トークンを取得する(S119)と、ユーザ及び決済事業者の電子署名が付された電子化契約書713にこのタイムスタンプ・トークンを付与して電子化契約書保管原本714として記憶部703に記憶させると共に、電子決済サーバ10に送信する(S120)。
【0120】
電子化契約書保管原本714を受信した電子決済サーバ10、より詳しくは電子契約処理部409は、これを記憶部803に記憶させる(S121)。
【0121】
これにより、ユーザ及び決済事業者の間で引き落とし代行契約が締結されたこととなる。この電子化契約書保管原本714が電子決済サーバ10に記憶されることを条件に、電子化決済サーバ10は、ユーザ登録を受け付ける。すなわち、電子化契約書保管原本714が電子決済サーバ10に記憶されなければ、ユーザ登録は行われず、従ってユーザが電子決済システム1の利用を開始することはできない。言い換えれば、電子化契約書保管原本714が電子決済サーバ10に記憶されることが、ユーザ登録の必須条件となっている。
【0122】
次に、図16を参照しながら、ステップS121の後の電子決済システム1の動作について説明する。なお、図16以降のシーケンス図においては、認証サーバ92,タイムスタンプサーバ94の図示は省略した。
【0123】
ステップS121の完了をトリガとして、電子決済サーバ10は移動体通信端末20にユーザ登録開始メッセージを送信する(S122)。
ユーザ登録開始メッセージを受信した移動体通信端末20は、アプリを起動させる(S123)。アプリはダウンロード後最初に起動したときに、ユーザに初期情報を入力させるための初期入力画面を出力部205に表示させ、ユーザに初期情報入力を促す(S124)。ここで、初期情報として要求されるのは、ユーザID602、パスワード603、メールアドレス604、銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610などである。なお、ユーザID602、パスワード603は予め電子決済サーバ10により設定されるようにして、ユーザの入力によらないものとしてもよい。
【0124】
ユーザが移動体通信端末20の入力部204を用いて初期情報の入力を完了させると、移動体通信端末20は、電子決済サーバ10に通信網50を介して接続し、入力された初期情報などを電子決済サーバ10に送信する(S125)。
【0125】
初期情報を受信した電子決済サーバ10は、この初期情報が正しい情報であるか、入力されたユーザ口座が有効であるかを、利用代金収納ネットワーク40に問い合わせるメッセージである口座確認要求メッセージを利用代金収納ネットワーク40に送信する(S126)。口座確認要求メッセージを受信した利用代金収納ネットワーク40は、口座のデータベースなどを検索して、口座確認要求メッセージにおいて確認対象とされたユーザ口座の有無、有効性を判定し、判定の結果を口座確認結果メッセージとして電子決済サーバ10に送信する(S127)。口座確認結果メッセージが、入力された口座情報が間違っている、又は口座が有効でないことを示している場合、口座確認結果メッセージを受信した電子決済サーバ10は、再度初期情報の入力を促すメッセージを移動体通信端末20に送信する(図16において図示省略)。一方、入力された口座情報が正しく、入力された口座が有効であるということを口座確認結果メッセージが示している場合、口座確認結果メッセージを受信した電子決済サーバ10は、入力された初期情報に基づいてユーザ登録を行う(S128)。すなわち、電子決済サーバ10は、データベース部403のユーザテーブル600及びユーザ保有金額データ700にそれぞれ新たなレコード601,1001を追加して、これらレコード601、1001にユーザID602、パスワード603、メールアドレス604、銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609,並びに暗証番号610、ユーザID1002、保有金額1003などを書き込んでおく。
【0126】
上記のユーザ登録(S128)が完了すると、電子決済サーバ10は、電子化契約書原本714を利用代金収納ネットワーク40に送信する(129)。電子化契約書原本714を受信した利用代金収納ネットワーク40は、これを記憶する(S130)。なお、この例では、電子化契約書原本714の受信先を利用代金収納ネットワーク40としたが、電子化契約書原本714の受信先は、ユーザ口座を有する金融機関が、電子化契約書原本714に基づいて契約成立を確認可能な装置であればどのようなものでも構わない。
【0127】
また、この例においては、電子化契約書原本714を利用代金収納ネットワーク40に送信するタイミングをユーザ登録(S128)の後として説明したが、電子化契約書原本714が生成された後(S119以後)であれば、どのようなタイミングで電子化契約書原本714を利用代金収納ネットワーク40に送信するようにしても本発明は成立する。
【0128】
さて、ユーザ登録(S128)完了後、そのユーザは電子決済システム1の利用が可能となる。以下、図17を参照しながら、ユーザ登録後の電子決済システム1の動作例を説明する。
【0129】
上記のユーザ登録が終了しただけでは、ユーザは電子決済システム1を利用して有価価値提供装置30から買い物(有価価値の受領)を行うことができるわけではない。ユーザは、移動体通信端末20から電子決済システム1、より詳しくは電子決済サーバ10に自分のユーザ口座41から決済事業者口座42に適当な金額の預入金を振り込むよう要求する必要がある。有価価値提供装置30による有価価値の提供によりユーザが消費した金額分はこの預入金より差し引かれる。差し引かれた分の金額は、有価価値提供装置30に支払われた金額であり、その支払いの受取人である遊技場事業者の口座、すなわち遊技場事業者口座43に利用代金収納ネットワーク40の処理により後に振り込まれる。以下、ユーザが電子決済サーバ10に自己の口座であるユーザ口座41から決済事業者口座42へ振替を要求した場合の、上記電子決済システム1の動作例を、図17を参照ながら説明する。図17は、ユーザ口座41から決済事業者口座42へ振替を要求した場合の電子決済システム1の動作例を示したシーケンス図である。
【0130】
まず、ユーザは移動体通信端末20においてアプリ、より詳しくは振替要求生成部208を起動させる(S201)。起動したアプリ、より詳しくは振替要求生成部208は、移動体通信端末20の出力部205に、入力インターフェイス画面などを表示させ、ユーザに振替要求メッセージに必要な情報、例えば振替金額、口座暗証番号などの入力を促す。
【0131】
これらの入力を受け付けると(S202)、移動体通信端末20、より詳しくは振替要求生成部208は振替要求メッセージを生成し、この振替要求メッセージを電子決済サーバ10に、通信網50などを介して送信する(S203)。この振替要求メッセージには、ユーザID101、パスワード102、口座暗証番号106、入力された振替金額などが格納されている。
【0132】
この振替要求メッセージを受信した電子決済サーバ10,より詳しくは振替要求処理部404は、振替要求メッセージに含まれるユーザID101をキーとして、ユーザテーブル600を検索し、そのユーザID101と一致するレコード601から、ユーザ口座41を指定する情報である銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609を取得する。さらに、別に記憶している決済事業者口座を特定する情報(図略)、すなわち決済事業者口座の銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号を読み出して、これら情報から振替依頼を生成し、利用代金収納ネットワーク40に送信する(S204)。なお、振替依頼の送信について、そのデータ構成や通信手順などについては、利用代金収納ネットワークが採用する方式に従うようにしてよい。
【0133】
振替依頼を受け取った利用代金収納ネットワーク40は、振替依頼の内容に従って、指定された金額(以下、「ユーザ振替金額」と呼ぶ)をユーザ口座41から決済事業者口座42に移すように、振替処理を行う(S205)。振替処理(S205)が正常に行われた場合は、利用代金収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知するため、振替結果通知を電子決済サーバ10に送信する(S206)。なお、ユーザ口座41の残高が不足しているなどの理由で、適正に振替処理が行えなかった場合には、利用代金収納ネットワーク40は、振替ができなかった旨の振替結果通知を電子決済サーバ10に送信する。
【0134】
振替処理が正常に行われた旨の振替結果通知を受信した電子決済サーバ10は、このユーザ振替金額をユーザ保有金額データ700の対応するレコード1001に反映させる処理である保有金額データ処理を実行する(S207)。この保有金額データ処理により、ユーザ振替金額に相当する金額をユーザは電子決済システム1を用いて使用できるようになる。
【0135】
図18から図19は、電子決済サーバ10と利用代金収納ネットワーク40との間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図である。
図18は、ユーザが電子決済サーバ10に振替要求メッセージ送信(図17,S203)を行う前の状態の一例を示している。この例では、利用代金収納ネットワーク40は、ユーザ口座41、決済所業者口座42、及び遊技場事業者口座43を有している。
【0136】
さて、一例として、ユーザ口座41の残高は¥100,000であり、決済所業者口座42、及び遊技場事業者口座43の残高はともに¥0であるものとしよう。なお、実際には、複数のユーザ、複数の遊技場事業者が利用代金収納ネットワーク40に口座を有していることになろうが、図18から図19では、代表例としてユーザ口座41、及び遊技場事業者口座43をそれぞれ一つずつ表示した。
【0137】
電子決済サーバ10は、前述の通りユーザ保有金額データ700、遊技場事業者保有金額データ900を記憶しており、ユーザ保有金額データ700はユーザ毎にレコード1001を有し、遊技場事業者保有金額データ900も遊技場事業者毎にレコード901を有している。なお、図中のレコード1001は、ユーザ口座41のユーザに対応するデータであり、またレコード901は、遊技場事業者口座43の遊技場事業者に対応するデータである。両レコード1001,901に格納されている保有金額はこの時点では¥0であるものとする。
【0138】
ここで、ユーザがユーザ口座41から¥10,000分だけ電子決済システム1により使用したいと考えたとしよう。図19は、図18の状態の後、¥10,000のユーザ振替金額を振り替えるよう、ユーザが移動体通信端末20から電子決済サーバ10に振替要求メッセージを送信した後の状態を示している。電子決済サーバ10は、この振替要求メッセージに応じて以下のような振替依頼を利用代金収納ネットワーク40に送信する。すなわち、ユーザ振替金額¥10,000及び決済事業者に支払う手数料(例えば、¥100)をユーザ口座41から決済事業者口座42に振り替えるという内容の振替依頼が利用代金収納ネットワーク40に送られる。
【0139】
この振替依頼を受信した利用代金収納ネットワーク40は、ユーザ口座41から¥10,100を決済事業者口座42に振り替える処理を行う。その結果、図19に示すように、ユーザ口座41の残高は、¥100,000ー¥10,100=¥89,900となり、決済事業者口座42の残高は、¥0+¥10,100=¥10,100となる。利用代金収納ネットワーク40は各口座41,42の残高を振替依頼に応じてこのように変更する。
【0140】
図20は、図19の状態の後に、電子決済サーバ10が保有金額データ処理(図17,S207)を行った後の状態を示す。前述の図19に示したように、利用代金収納ネットワーク40によって振替処理が行われると、利用代金収納ネットワーク40は電子決済サーバ10に¥10,100の振替が正常に行われた旨の振替結果通知を送信する(図17,S206)。電子決済サーバ10、より詳しくは振替要求処理部404は、この振替結果通知に応じて、振替が行われたユーザ口座41に対応するレコード1001が記憶しているユーザ保有金額1003の値に振り替えた金額を加算する。但し、手数料に相当する¥100は加算しない。この加算による保有金額データ処理(S207)の結果、レコード1001には、¥0+¥10,000=¥10,000が記録されることとなる。この¥10,000はユーザが電子決済システム1において使用できる金額となる。
【0141】
次に、ユーザが有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けようとした場合の、電子決済システム1の動作例について図21を参照しながら説明する。図21は、ユーザが有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けるために、移動体通信端末20と有価価値提供装置30との間で近距離通信手段201,303による通信を行わせた場合の、電子決済システム1の動作例を示すシーケンス図である。
【0142】
まず、ユーザが本電子決済システム1を利用して、有価価値提供装置30による有価価値の提供を受けようとしようとしたものとする。
この場合、ユーザは移動体通信端末20が有価価値提供装置30の機器IDなどを取得するよう、移動体通信端末20と有価価値提供装置30との間で近距離通信による通信を行わせる。例えば、端末側近距離通信部201が非接触式ICカード用ICチップであり、提供装置側近距離通信部303がリーダ/ライタである場合には、非接触式ICカード用チップの近接をリーダ/ライタが検知すると、提供装置側近距離通信部303であるリーダ/ライタは、自らが記憶している機器ID、iアプリなどアプリケーションを指定するアプリ番号、ユーザ支払金額を端末側近距離通信部201である非接触式ICカード用チップに送信する(S301)。ここで、機器IDは、有価価値提供装置30を一意に特定することができる識別情報であり、アプリ番号は、移動体通信端末20において動作するiアプリなどのアプリケーションを一意に特定する識別情報である。ユーザ支払金額は、有価価値提供装置30がユーザに提供する有価価値の対価の額を特定する情報である。有価価値提供装置30は、移動体通信端末20による有価価値の購入申し込みがあると、予め定められた支払金額分の有価価値の購入申し込みとして取り扱う。例えば、有価価値提供装置30が玉貸し機である場合には、ユーザが移動体通信端末30を有価価値提供装置30である玉貸し機に近づけて、非接触式ICカード用チップの読み取りを行わせると、その有価価値提供装置30について定められた支払金額(例えば、¥1,000)分の貸し玉の購入申し込みとして処理する。なお、ユーザ支払金額は有価価値提供装置30毎に異なっていてもよい。例えば、同一の遊技場内に設置された玉貸し機Aについては、支払金額は¥1,000と定められており、別の玉貸し機Bについては支払金額は¥5,000と定められているようにしてもよい。また、ユーザ支払金額はユーザの選択によって決定できるようにしてもよい。例えば、有価価値提供装置30がプリペイドカード発券装置である場合に、このプリペイドカード発券装置は複数の異なる金額のプリペイドカード(例えば、¥1,000、¥3,000、¥5,000、¥10,000)を発券できる装置であって、これらの金額を指定する複数の金額決定ボタンを有している。ユーザは、所望の金額の金額決定ボタンを押下することにより、望みの金額のプリペイドカードを購入する。この場合には、ユーザが金額決定ボタンにより選択した金額が上記ユーザ支払金額として電子決済システム1で扱われるようにしてもよい。
【0143】
上記のユーザ支払金額は必ずしもステップS301において、有価価値提供装置30から移動体通信端末20に送信されなくともよい。支払金額は機器IDに基づいて電子決済サーバ10が予め用意してあるテーブルを用いて判断するようにしても構わない。
【0144】
機器ID、アプリ番号、ユーザ支払金額を受信した端末側近距離通信部201は、このアプリ番号に対応するiアプリなどのアプリケーション、すなわち支払要求生成部202を起動させる(S302)。このとき、機器ID、ユーザ支払金額は端末側近距離通信部201から支払要求生成部202に渡される。
【0145】
起動した支払要求生成部202は、有価価値提供装置30から受け取った機器IDとユーザ支払金額、及びユーザ情報記憶部207に記憶されているユーザID101,パスワード102を含んだ支払要求メッセージを生成し、これを電子決済サーバ10に宛てて送信する(S303)。
【0146】
支払要求メッセージを受け取った電子決済サーバ10,より詳しくは支払要求処理部402は、まずユーザID101を検索キーとしてユーザ保有金額データ700を検索し、ユーザID101に該当するレコード1001の保有金額1003を取得する。支払要求処理部402は、ユーザ支払金額と保有金額1003とを比較し、保有金額1003からユーザ支払金額を引き落とすことができるかどうか判定する(S304)。
【0147】
ステップS304において、引き落とすことができないと判定した場合は、支払要求処理部402は結果通知部407を起動させる。結果通知部407は、判定に基づいた処理結果通知を生成し、これを有価価値提供装置30及び/又は移動体通信端末20に送信する。処理結果通知を受け取った移動体通信端末20は、その出力部205に処理結果通知の内容を表示する。例えば、「決済要求は処理されました。ご利用ありがとうございました。」或いは「残高が不足しています。決済はできませんでした。」などの内容が表示される。
【0148】
一方、ステップS304において引き落とすことができると判断した場合は、支払要求処理部402は提供指示部406を起動させる。起動した提供指示部406は有価価値提供装置30へ提供指示メッセージを送信する(S305)。有価価値提供装置30はユーザ支払金額に応じた有価価値をユーザに提供する(S306)。なお、提供指示メッセージの送信先アドレスは、機器IDをキーとして有価価値提供装置テーブル1000を検索し、該当するレコード1001の機器IDアドレス1003によって決定する。
【0149】
また、ステップS304において引き落とすことができると判断した場合は、支払要求処理部402は、ユーザ保有金額データ700、より詳しくは該当するユーザIDを有するレコード1001の保有金額1003、及び遊技場事業者保有金額データ900、より詳しくは該当する遊技場事業者IDを有するレコード901の保有金額903を、ユーザ支払金額を振り替えるように書き換える(S307)。
【0150】
また、電子決済サーバ10、より詳しくは支払要求処理部402は、ステップS304において引き落とすことができると判断した場合は、結果通知部407を起動させる。起動した結果通知部407は、移動体通信端末20に、指定された支払金額の支払いを行ったことを知らせるためのメッセージである実行完了メッセージを送信する(S308)。実行完了メッセージは、ユーザの指定した支払金額に応じた支払手続きが終了したことを示すメッセージである。なお、実行完了メッセージの送信先アドレスは、ユーザIDをキーとしてユーザテーブル600を検索し、該当するレコード601のメールアドレス604によって決定する。
【0151】
実行完了メッセージを受信した移動体通信端末20は、実行完了メッセージの内容として出力部205により結果表示を行う(S309)。例えば、移動体通信端末20の出力部205に、「○○様の保有金額より、¥1,000の支払いを行いました」などの表示をすることにより、結果表示が行われる。また、この結果表示の際に支払金額を引き落とした後の保有金額1003の値、すなわち電子決済サーバ10における残高を表示させるようにしてもよい。但し、保有金額1003は移動体通信端末20に記憶されることはなく、保有金額1003を記憶するのは電子決済サーバ10の役割である。
【0152】
図22は、図20の状態の後、ステップS301からステップS307までの処理が行われた後の電子決済サーバ10,利用代金収納ネットワーク40の記憶状態を図示した図である。ユーザ支払金額の振替が行われる以前の図20の状態では、ユーザ保有金額データ700の該当レコード1001の保有金額1003は¥10,000であり、また遊技場事業者保有金額データ900の該当レコード901の保有金額903は¥0であった。
【0153】
図22はユーザ支払金額が¥1,000である場合に、振替処理(S307)を行った後の状態である。この振替処理(S307)において、電子決済サーバ10の支払要求処理部402は、ユーザの保有金額である保有金額1003の値¥10,000からユーザ支払金額である¥1,000を差し引いて保有金額1003の値を¥9,000に書き換えると共に、遊技場事業者の保有金額である保有金額903の値¥0にユーザ支払金額である¥1,000を加算して、保有金額1003の値を¥1,000に書き換える。
【0154】
このような振替処理(S307)による保有金額1003,903の書き換えにより、有価価値提供装置30による有価価値の提供に対する対価の支払い、すなわちユーザから遊技場事業者への支払いが、電子決済サーバ10において実行されることとなる。
【0155】
上記のステップS301からステップS309までの処理は、各ユーザが有価価値提供装置30を利用して有価価値を購入する毎に行われ、それぞれのユーザ支払金額は、該当する遊技場事業者の保有金額として加算され記録される。すなわち、各ユーザが有価価値提供装置30を利用して有価価値を購入する毎に、その有価価値提供装置30を所有若しくは運営する遊技場事業者の保有金額903の値は増加してゆくこととなる。
【0156】
上記の遊技場事業者の保有金額903は、利用代金収納ネットワーク40上の遊技場事業者口座43に振り込まれなければならない。以下、電子決済システム1における遊技場事業者口座43への振り込みについて、図23を参照しながら説明する。図23は、電子決済システム1における遊技場事業者口座43への振込処理の例を示すシーケンス図である。
【0157】
電子決済サーバ10、より詳しくは精算処理部405は所定のタイミングで自動起動し、振替依頼生成処理を実行する(S401)。この振替依頼は、決済事業者口座42から遊技場事業者口座43へ、当該遊技場事業者の保有金額903に対応した額の振り込みを行うことを利用代金収納ネットワーク40に依頼するメッセージである。このメッセージの詳細は、利用代金収納ネットワーク40の定めた仕様に合致するよう定められればよい。
【0158】
振替依頼生成処理(S401)において、振替依頼は、遊技場事業者保有金額テーブル900の各レコード901について、一つ生成される。振替依頼は、振込先口座である遊技場事業者口座43を特定する情報、すなわち銀行番号805、支店番号806,口座種別807,口座番号808、口座名義809を格納している。また、振替依頼は、振替元口座である決済事業者口座42を特定する情報として決済事業者口座42の銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号、口座名義を格納している。またさらに振替依頼は、振込金額として保有金額809に基づいた金額の値を格納する。保有金額809に基づいた金額は、必ずしも保有金額と同じ値でなくともよく、例えば、決済事業者のための手数料を保有金額から差し引いた残りの額、などである。
【0159】
精算処理部405が自動起動する所定のタイミングは、CPUが判定可能なタイミングであればどのようなものでも構わないが、例えば時間的な条件によるタイミング(毎月30日、或いは第4月曜日、いわゆる五十日(ごとうび)、など)でもよいし、保有金額が所定の値に達したときなど金額的な条件によるタイミングなどでもよい。また、精算処理部405は必ずしも自動起動する必要はなく、電子決済サーバ10の管理者やオペレータなどが手動により精算処理部405を動作させる構成としても、本発明は成立する。
【0160】
精算処理部405は、各レコード903について振替依頼の生成を行うと、生成した振替依頼を利用代金収納ネットワーク40に送信する(S402)。これら振替依頼を受信した利用代金収納ネットワーク40は、各振替依頼の内容に従って、決済事業者口座42から遊技場事業者口座43への振替処理を実行する(S403)。これらステップS401からS403までの処理によって、各ユーザが有価価値提供装置30の利用対価として支払った金額の合計が、それぞれの遊技場事業者口座43に振り込まれることとなる。
【0161】
振替処理(S403)が正常に行われた場合は、利用代金収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知するため、振替結果通知を電子決済サーバ10に送信する(S404)。なお、決済事業者口座42の残高が不足しているなどの理由で、適正に振替処理が行えなかった場合には、利用代金収納ネットワーク40は振替ができなかった旨の振替結果通知を電子決済サーバ10に送信する。
【0162】
振替処理が正常に行われた旨の振替結果通知を受信した電子決済サーバ10は、この振替金額を遊技場事業者保有金額データ900の対応するレコード901に反映させる処理である保有金額データ処理を実行する(S405)。この保有金額データ処理により、遊技場事業者の保有金額903の値は「0」に戻される。
【0163】
図24は、図22に示した状態の後にステップS401からS405が実行された結果の電子決済サーバ10,利用代金収納ネットワーク40の記憶状態を示す図である。図22の状態において、レコード901の保有金額903は¥1,000であった。精算処理部405はこの保有金額903の値から決済事業者のための手数料(一例として¥10とする)を差し引いた額である¥990を決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振り込むように振替依頼を生成し、その振替依頼を利用代金収納ネットワーク40に送信する(S402)。
【0164】
この振替依頼を受け取った利用代金収納ネットワーク40は、決済事業者口座42から遊技場事業者口座43へ¥990を振り替える振替処理を行う(S403)。その結果、決済事業者口座42には、¥10,100から¥990を差し引いた¥9,110が残高として記憶され、一方、遊技場事業者口座43には、¥0に¥990を加算した¥990が残高として記憶される。なお、決済事業者口座42の残高¥9,110のうち¥9,000はユーザから預かっている金額であり、残りの¥110が決済事業者の利益である。これで、電子決済事業者は本電子決済システム1の運営から利益を得ることができるようになる。
【0165】
[II.第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態にかかる電子決済システム1が複数の異なる遊技場事業者に対する支払いを扱うのに対して、第2の実施の形態にかかる電子決済システム1は、単一の遊技場事業者に対する支払いを扱う点で異なる。従って、第2の実施の形態にかかる電子決済システム1は、各遊技場事業者について、一つずつ設けられることとなる。但し、同一の遊技場事業者の運営化にある遊技場は複数であっても同一の電子決済システム1により取り扱うことができる。
【0166】
また、第2の実施の形態にかかる電子決済サーバ10には、精算処理部405は不要である点で、第1の実施の形態と異なっている。
【0167】
[1.第2の実施の形態における電子決済システムの構成例]
第2の実施の形態にかかる電子決済システムの構成は、基本的に第1の実施の形態と同様であるので、これらの詳細な説明は省略する。なお、第2の実施の形態にかかる電子決済サーバ10は単一の遊技場事業者のみを扱うため、電子決済サーバ10のデータベース部403は、遊技場事業者テーブル800,遊技場事業者保有金額テーブル900を有しなくてよい。
【0168】
[2.第2の実施の形態における電子決済システムの動作例]
次に、第2の実施の形態にかかる電子決済システムの動作例について説明する。
【0169】
第2の実施の形態にかかる電子決済システム1についても、ユーザはまずiアプリなどのアプリケーションをダウンロードし、電子決済システム1、より詳しくは電子決済サーバ10にユーザ登録をする必要がある。この処理については、図14から図16に示した第1の実施の形態の動作例と同様なので、第2の実施の形態におけるこれら処理の詳細な説明は省略する。
【0170】
第1の実施の形態と同様に第2の実施の形態においても、上記のユーザ登録が終了しただけでは、ユーザは電子決済システム1を利用して有価価値提供装置30から買い物(有価価値の受領)を行うことができるわけではない。ユーザは、移動体通信端末20から電子決済システム1、より詳しくは電子決済サーバ10に自分のユーザ口座41から決済事業者口座42に適当な金額の預入金を振り込むよう要求する必要がある。ユーザが有価価値提供装置30により消費する金額分はこの預入金より差し引かれる。差し引かれた分の金額は、有価価値提供装置30に支払われた金額であり、その支払いの受取人である遊技場事業者の口座、すなわち遊技場事業者口座43に利用代金収納ネットワーク40の処理により振り込まれる。以下、ユーザが電子決済サーバ10に自己の口座であるユーザ口座41から決済事業者口座42へ振替を要求した場合の、第2の実施の形態における電子決済システム1の動作例を、図25を参照ながら説明する。図25は、ユーザ口座41から決済事業者口座42へ振替を要求した場合の電子決済システム1の動作例を示したシーケンス図である。
【0171】
まず、ユーザは移動体通信端末20においてアプリ、より詳しくは振替要求生成部208を起動させる(S501)。起動したアプリ、より詳しくは振替要求生成部208は、移動体通信端末20の出力部205に、入力インターフェイス画面などを表示させ、ユーザに振替要求メッセージに必要な情報、例えば振替金額、口座暗証番号などの入力を促す。
【0172】
これらの入力を受け付けると(S502)、移動体通信端末20、より詳しくは振替要求生成部208は振替要求メッセージを生成し、この振替要求メッセージを電子決済サーバ10に、通信網50などを介して送信する(S503)。この振替要求メッセージには、ユーザID101、パスワード102、入力された振替金額、口座暗証番号などが格納されている。
【0173】
この振替要求メッセージを受信した電子決済サーバ10,より詳しくは振替要求処理部404は、振替要求メッセージに含まれるユーザID101をキーとして、ユーザテーブル600を検索し、そのユーザID101と一致するレコード601から、ユーザ口座41を指定する情報である銀行番号605、支店番号606,口座種別607,口座番号608、口座名義609を取得する。さらに、別に記憶している決済事業者口座を特定する情報(図略)、すなわち決済事業者口座42の銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号を読み出して、これら情報から振替依頼を生成し、利用代金収納ネットワーク40に送信する(S204)。なお、振替依頼の送信について、そのデータ構成や通信手順などについては、利用代金収納ネットワーク40が採用する方式に従うようにしてよい。
【0174】
振替依頼を受け取った利用代金収納ネットワーク40は、振替依頼の内容に従って、指定された金額(以下、「ユーザ振替金額」と呼ぶ)をユーザ口座41から決済事業者口座42に移すように、振替処理を行う(S505)。振替処理(S505)が正常に行われた場合は、利用代金収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知するため、振替結果通知を電子決済サーバ10に送信する(S506)。なお、ユーザ口座41の残高が不足しているなどの理由で、適正に振替処理が行えなかった場合には、利用代金収納ネットワーク40は、振替ができなかった旨の振替結果通知を電子決済サーバ10に送信する。
なお、S501からS506までの処理は、第1の実施の形態におけるS201からS206と同様である。
【0175】
さて、S506の後、電子決済サーバ10,より詳しくは振替要求処理部404は、さらに決済事業者口座42から遊技場事業者口座43にユーザ振替金額に対応する金額を振り替えるように要求する振替依頼を生成し、これを利用代金収納ネットワーク40に送信する(S506)。
【0176】
電子決済サーバ10、より詳しくは振替要求処理部404は、予め記憶している決済事業者口座42を特定する情報、すなわち決済事業者口座42の銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号、及び遊技場事業者口座43を指定する情報である銀行番号、支店番号,口座種別,口座番号、口座名義を読み出して、これら情報とユーザ支払金額に基づく金額とから振替依頼を生成し、利用代金収納ネットワーク40に送信する(S507)。「ユーザ支払金額に基づく金額」は、この実施の形態においては、ユーザ支払金額から決済事業者に支払う手数料を差し引いた金額(以下、「遊技場事業者振込金額」と呼ぶ)であるものとする。なお、振替依頼の送信について、そのデータ構成や通信手順などについては、利用代金収納ネットワークが採用する方式に従うようにしてよい。
【0177】
振替依頼を受け取った利用代金収納ネットワーク40は、振替依頼の内容に従って、遊技場事業者振込金額を決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に移すように、振替処理を行う(S508)。振替処理(S508)が正常に行われた場合は、利用代金収納ネットワーク40は、振替処理を正常に実行したことを電子決済サーバ10に通知するため、振替結果通知を電子決済サーバ10に送信する(S509)。
【0178】
振替処理が正常に行われた旨の振替結果通知を受信した電子決済サーバ10は、このユーザ振替金額をユーザ保有金額データ700の対応するレコード1001に反映させる処理である保有金額データ処理を実行する(S510)。この保有金額データ処理により、ユーザ振替金額に相当する金額をユーザは電子決済システム1を用いて使用できるようになる。
【0179】
図26から図29は、第2の実施の形態における電子決済サーバ10と利用代金収納ネットワーク40との間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の電子決済サーバ10,利用代金収納ネットワーク40の記憶状態を説明する図である。
【0180】
図26は、ユーザが電子決済サーバ10に振替要求メッセージ送信(図25,S503)を行う前の状態の一例を示している。この例では、利用代金収納ネットワーク40は、ユーザ口座41、決済所業者口座42、及び遊技場事業者口座43を有している。
【0181】
さて、ユーザ口座41の残高は¥100,000であり、決済所業者口座42、及び遊技場事業者口座43の残高はともに¥0であるものとしよう。なお、実際には、複数のユーザ、複数の遊技場事業者が利用代金収納ネットワーク40に口座を有していることになろうが、図26から図29では、代表例としてユーザ口座41、及び遊技場事業者口座43をそれぞれ一つずつ表示した。
【0182】
電子決済サーバ10は、前述の通りユーザ保有金額データ700を記憶している。しかし、第2の実施の形態においては、遊技場事業者保有金額データ900を記憶する必要はない。
【0183】
ユーザ保有金額データ700はユーザ毎にレコード1001を有している。なお、図中のレコード1001は、ユーザ口座41のユーザに対応するデータである。レコード1001に格納されている保有金額はこの時点では¥0であるものとする。
【0184】
図27は、図26の状態の後、¥10,000のユーザ振替金額を振り替えるよう、ユーザが移動体通信端末20から電子決済サーバ10に振替要求メッセージを送信した後の状態を示している。電子決済サーバ10は、この振替要求メッセージに応じて以下のような振替依頼を利用代金収納ネットワーク40に送信する(S504参照)。すなわち、ユーザ振替金額¥10,000及び決済事業者の手数料(例えば、¥100とする)をユーザ口座41から決済事業者口座42に振り替えるという、内容の振替依頼が利用代金収納ネットワーク40に送られる。
【0185】
この振替依頼を受信した利用代金収納ネットワーク40は、ユーザ口座41から¥10,100を決済事業者口座42に振り替える処理を行う(S505参照)。その結果、図27に示すように、ユーザ口座41の残高は、¥100,000ー¥10,100=¥89,900となり、決済事業者口座42の残高は、¥0+¥10,100=¥10,100となる。利用代金収納ネットワーク40は各口座41,42の残高を振替依頼に応じてこのように変更する。
【0186】
図28は、図27の状態の後、遊技場事業者口座43に振込金額を振り替えるよう、電子決済サーバ10から利用代金収納ネットワーク40へ振替依頼が送信され(S507)、利用代金収納ネットワーク40がこの振替依頼に応じた振替処理(S508)を実行した後の状態を示している。
【0187】
電子決済サーバ10は、遊技場事業者口座43へ振込金額を振り替える旨の以下のような振替依頼を利用代金収納ネットワーク40に送信する(S507参照)。すなわち、ユーザ振替金額¥10,000から決済事業者の手数料(例えば、¥100とする)を差し引いた額(¥10,000ー¥100=¥9,900)である遊技場事業者振込金額を決済事業者口座42から遊技場事業者口座43に振り替えるという内容の振替依頼が利用代金収納ネットワーク40に送られる。
【0188】
この振替依頼を受信した利用代金収納ネットワーク40は、決済事業者口座41から¥9,900を遊技場事業者口座43に振り替える処理を行う(S508参照)。その結果、図23に示すように、決済事業者口座42の残高は、¥10,100ー¥9,900=¥200となり、遊技場事業者口座43の残高は、¥0+¥9,900=¥9,900となる。ユーザ口座41の残高は¥89,900のまま変わらない。利用代金収納ネットワーク40は各口座41,42の残高を振替依頼に応じて上述のように変更する。
【0189】
図29は、図28の状態の後に、電子決済サーバ10が保有金額データ処理(S510)を実行した後の電子決済サーバ10,利用代金収納ネットワーク40の記憶状態を示す図である。図25に示したように、利用代金収納ネットワーク40によって振替処理(S508)が行われると、利用代金収納ネットワーク40は電子決済サーバ10に遊技場事業者振込金額の振替が正常に行われた旨の振替結果通知を送信する(S509)。
【0190】
電子決済サーバ10、より詳しくは振替要求処理部404は、この振替結果通知に応じて、振替が行われたユーザ口座41に対応するレコード1001が記憶しているユーザ保有金額にユーザ振込金額を加算する保有金額データ処理を実行する(S510)。但し、手数料に相当する¥100は加算しない。この加算による保有金額データ処理(S510)の結果、レコード1001には、¥0+¥10,000=¥10,000が記録されることとなる。この¥10,000はユーザが電子決済システム1において使用できる金額となる。
【0191】
次に、第2の実施の形態にかかる電子決済システム1において、ユーザが有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けようとした場合の、電子決済システム1の動作例について図30を参照しながら説明する。図30は、ユーザが有価価値提供装置30から有価価値の提供を受けるために、移動体通信端末20と有価価値提供装置30との間で近距離通信手段による通信を行わせた場合の、電子決済システム1の動作例を示すシーケンス図である。
【0192】
まず、ユーザが電子決済システム1を利用して、有価価値提供装置30による有価価値の提供を受けようとしようとしたものとする。
【0193】
この場合、ユーザは移動体通信端末20が有価価値提供装置30の機器IDなどを取得するよう、移動体通信端末20と有価価値提供装置30との間で近距離通信による通信を行わせる。例えば、端末側近距離通信部201が非接触式ICカード用ICチップであり、提供装置側近距離通信部303がリーダ/ライタである場合には、非接触式ICカード用チップの近接をリーダ/ライタが検知すると、提供装置側近距離通信部303であるリーダ/ライタは、自らが記憶している機器ID、アプリ番号、ユーザ支払金額を端末側近距離通信部201である非接触式ICカード用チップに送信する(S601)。ここで、機器IDは、有価価値提供装置30を一意に特定することができる識別情報であり、アプリ番号は、移動体通信端末20において動作するiアプリなどのアプリケーションを一意に特定する識別情報である。ユーザ支払金額は、有価価値提供装置30がユーザに提供する有価価値の対価の額を特定する情報である。有価価値提供装置30は、移動体通信端末20による有価価値の購入申し込みがあると、予め定められた支払金額分の有価価値の購入申し込みとして取り扱う。例えば、有価価値提供装置30が玉貸し機である場合には、ユーザが移動体通信端末30を玉貸し機に近づけて、非接触式ICカード用チップの読み取りを行わせると、その有価価値提供装置30について定められた支払金額(例えば、¥1,000)分の貸し玉の購入申し込みとして処理する。なお、有価価値提供装置30毎に異なっていてもよい。例えば、同一の遊技場内に設置された玉貸し機Aについては、支払金額は¥1,000と定められており、別の玉貸し機Bについては支払金額は¥2,000と定められているようにしてもよい。また、支払金額はユーザの選択によって決定できるようにしてもよい。例えば、有価価値提供装置30がプリペイドカード発券装置である場合に、このプリペイドカード発券装置は複数の異なる金額のプリペイドカード(例えば、¥1,000、¥3,000、¥5,000、¥10,000)を発券できる装置であって、これらの金額を指定する複数の金額決定ボタンを有している。ユーザは、所望の金額の金額決定ボタンを押下することにより、望みの金額のプリペイドカードを購入する。この場合には、ユーザが金額決定ボタンにより選択した金額が上記支払金額として電子決済システム1で扱われるようにしてもよい。
【0194】
上記のユーザ支払金額は必ずしもステップS601において、有価価値提供装置30から移動体通信端末20に送信されなくともよい。支払金額は機器IDに基づいて電子決済サーバ10が予め用意してあるテーブルを用いて判断するようにしても構わない。
【0195】
機器ID、アプリ番号、支払金額を受信した端末側近距離通信部201は、このアプリ番号に対応するiアプリなどのアプリケーション、すなわち支払要求生成部202を起動させる(S602)。このとき、機器ID、ユーザ支払金額は端末側近距離通信部201から支払要求生成部202に渡される。
【0196】
起動した支払要求生成部202は、有価価値提供装置30から受け取った機器IDとユーザ支払金額、及びユーザ情報記憶部207に記憶されているユーザID101,パスワード102を含んだ支払要求メッセージを生成し、これを電子決済サーバ10に宛てて送信する(S603)。
【0197】
支払要求メッセージを受け取った電子決済サーバ10,より詳しくは支払要求処理部402は、まずユーザID101を検索キーとしてユーザ保有金額データ700を検索し、ユーザID101に該当するレコード1001の保有金額1003を取得する。支払要求処理部402は、ユーザ支払金額と保有金額1003とを比較し、保有金額1003から支払金額を引き落とすことができるかどうか判定する(S604)。
【0198】
ステップS604において、引き落とすことができないと判定した場合は、支払要求処理部402は結果通知部407を起動させる。結果通知部407は、判定に基づいた処理結果通知を生成し、これを有価価値提供装置30及び/又は移動体通信端末20に送信する。処理結果通知を受け取った移動体通信端末20は、その出力部205に処理結果通知の内容を表示する。例えば、「残高が不足しています。決済はできませんでした。」などの内容が表示される。
【0199】
一方、ステップS604において引き落とすことができると判断した場合は、支払要求処理部402は提供指示部406を起動させる。起動した提供指示部406は有価価値提供装置30へ提供指示メッセージを送信する(S605)。提供指示メッセージには支払金額が含まれており、有価価値提供装置30は支払金額に応じた有価価値をユーザに提供する(S606)。なお、提供指示メッセージの送信先アドレスは、機器IDをキーとして有価価値提供装置テーブル1000を検索し、該当するレコード1001の機器IDアドレス1003によって決定する。
【0200】
また、ステップS604において引き落とすことができると判断した場合は、支払要求処理部402は、ユーザ保有金額データ700、より詳しくは該当するユーザIDを有するレコード1001の保有金額1003を支払金額だけ減算するように書き換える減算処理を行う(S607)。
【0201】
また、電子決済サーバ10、より詳しくは支払要求処理部402は、ステップS604において引き落とすことができると判断した場合は、結果通知部407を起動させる。起動した結果通知部407は、移動体通信端末20に、指定された支払金額の支払いを行ったことを知らせるためのメッセージである実行完了メッセージを送信する(S608)。実行完了メッセージは、ユーザの指定した支払金額に応じた支払手続きが終了したことを示す。なお、実行完了メッセージの送信先アドレスは、ユーザIDをキーとしてユーザテーブル600を検索し、該当するレコード601のメールアドレス604によって決定する。
【0202】
実行完了メッセージを受信した移動体通信端末20は、実行完了メッセージの内容として出力部205により結果表示を行う(S609)。例えば、移動体通信端末20の出力部205に、「○○様の保有金額より、¥1,000の支払いを行いました」などの表示をすることにより、結果表示が行われる。また、この結果表示の際に支払金額を引き落とした後の保有金額1003の値、すなわち電子決済サーバ10における残高を表示させるようにしてもよい。但し、保有金額1003は移動体通信端末20に記憶されることはなく、保有金額1003を記憶するのは電子決済サーバ10の役割である。
【0203】
図31は、図29の状態の後、ステップS601からステップS607までの処理が行われた後の電子決済サーバ10,利用代金収納ネットワーク40の記憶状態を示した図である。支払金額の振替が行われる以前の状態である図24に示す状態では、ユーザ保有金額データ700の該当レコード1001の保有金額1003は¥10,000であった。
【0204】
図31は、支払金額¥1,000である場合に、振替処理(S607)を行った後の状態を示している。この振替処理(S607)において、電子決済サーバ10の支払要求処理部402は、ユーザの保有金額である保有金額1003の値¥10,000から支払金額である¥1,000を差し引いて保有金額1003の値を¥9,000に書き換える。
【0205】
このような振替処理(S607)による保有金額1003の書き換えにより、有価価値提供装置30による有価価値の提供に対する対価の支払い、すなわちユーザから遊技場事業者への支払いが、電子決済サーバ10において実行されることとなる。
【0206】
上記のステップS601からステップS609までの処理は、各ユーザが有価価値提供装置30を利用して有価価値を購入する毎に行われる。但し、第1の実施の形態とは異なり、それぞれのユーザの支払金額が該当する遊技場事業者の保有金額として加算され記録されることはない。また、第1の実施の形態と異なり、遊技場事業者の保有金額903を、電子決済サーバ10からの振替要求に従って利用代金収納ネットワーク40上の遊技場事業者口座43に振り込む必要もない。すなわち、第2の実施の形態においては、図23に示したような電子決済システム1における遊技場事業者口座43への振り込みを行う必要がない。
【0207】
[III.変形例、その他]
(1)有価価値提供装置30に設けた液晶ディスプレイなどにQRコードなどを表示しておき、移動体通信端末20にCCDカメラを利用したバーコードリーダを設けてバーコードの読み取りを行わせることにより、提供装置側近距離通信部303及び端末側近距離通信部201の代わりとしてもよい。この場合はバーコードが示す情報がそのまま機器IDとなればよい。
(2)上記の第1及び第2の実施の形態では、ユーザ口座41から決済事業者口座への振替は、移動体通信端末20から電子決済サーバ10を経由して利用代金収納ネットワーク40へ振替依頼を送信する構成としたが、移動体通信端末20から直接利用代金収納ネットワーク40に振替依頼を送信する構成としても本発明は成立する。
【0208】
[IV.本電子決済システムの利点]
(1)ユーザにとっての利点
遊技場において使用可能な、現金以外の決済方法となるため、遊技場において手持ちの現金がなくなった後でも、簡易な決済行為(移動体通信端末20を有価価値提供装置30にかざす程度の簡単な入力操作を行う処理)で貸し玉、貸しメダルの購入、商品の購入などが可能となる。
【0209】
それゆえ、遊技中に手持ちの現金がなくなったり少なくなった状態で大当たりを引き当てたが手持ちの玉やメダルが底を突きそうな場合に、簡単な操作で貸し玉などの追加購入ができるため、遊技者は現金の残高を気にすることなく、安心して遊技を続けることができる。
【0210】
また、この決済行為において、決済行為に使う端末は、利用者が所有する移動体通信端末である安心感に加え、カード番号や暗証番号の入力行為をする必要がないため、通常のクレジットカード、デビットカードのように、店舗側にカード番号や暗証番号の記録が残ったり、或いは悪意ある者に不正取得されたりするおそれがなくなり、安心して決済をすることが可能となる。
【0211】
また、電子決済サーバ10が取得する利用状況情報に基づいた、情報配信を受けることも可能であり、より多彩なサービスを受けることが期待できる。
【0212】
(2)店舗側(管理者)にとっての利益
遊技した結果手持ち現金がなくなったユーザであっても、本電子決済システムによりさ
らに貸し玉、貸しメダルの購入ができるので遊技機の稼働率が高まり、またそのようなユーザが店舗内で買い物等をしてくれる可能性も高まるので、遊技場の売り上げ向上が期待できる。同時に、利用者が、どの遊技機でどの程度遊技したのかの情報も得られることから、この情報を基に、遊技機の稼動状況の詳細を知ることができ、利用者の好みも知ることが可能であり、マーケティング情報として活用も可能である。
【0213】
本電子決済システムを利用した場合には、店舗内で取り扱う現金は増加しないため、入金管理が容易になると共に現金の保安管理も向上する。
【0214】
(3)決済事業者にとっての利点
決済事業者は、本電子決済システムを運営することにより、ユーザである遊技者の遊技状況を把握することが可能となり、遊技機の開発、販売、営業などで参照するデータを蓄積できる。
(4)認証局(CA)である認証サーバ92は、一般的に使われる他社のサーバであっても、また、自社で構築したサーバであったとしても、本発明は成立する。
[V.第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、前述の第1又は第2の実施の形態と基本的に同様の構成、機能を有し、さらに電子決済サーバ10に記憶されたユーザ保有金額1003に、手持ちのカジノチップ、或いはプリペイド・カードやICカードなどに記憶された金額、度数、或いは現金などを加算(入金)する機能を有することを特徴としている。上記の加算は、電子決済サーバと通信可能な端末装置を用いて行う。この端末装置は、例えば、当該ユーザの移動体通信端末や、カジノのフロントなど適宜の場所に設置されたコンピュータなどである。
第3の実施の形態では、上記の機能を有することによりユーザが遊技を終了したり、中断するなどの場合に余っているカジノチップやプリペイド・カードの金額、度数などを本電子決済システムに預からせることが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
図32に、第3の実施の形態にかかる電子決済システムの構成例を示す。第3の実施の形態にかかる電子決済システム1Bは、加算(入金)を電子決済サーバ10Bに要求するための端末装置であるコンピュータ98をさらに有する点で第1、第2の実施の形態の電子決済システム1(図1参照)と異なっている。また、電子決済サーバ10B、移動体通信端末20Bの構成が、第1、第2の実施の形態の電子決済サーバ10、移動体通信端末20と異なっている。移動体通信端末20Bは、移動体通信端末20Aと同様の機能を有するとともに、加算(入金)を電子決済サーバ10に要求するための端末装置としての機能を有する。
コンピュータ98は、電子決済サーバ10Bと通信する機能を有する装置であって、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置である。
コンピュータ98のオペレータは、ユーザ(プレイヤ)から加算(入金)の申し出を受けた場合、加算(入金)する金額、或いは度数などを確認する。例えば、カジノチップによる加算(入金)の申し出の場合は、カジノチップを数える等の作業を行う。また、プリペイド・カードによる加算(入金)の申し出の場合は、別途用意されているプリペイド・カード読み取り装置により残額を読み取る。また、プリペイド・カードの残額をホール・コンピュータなどの管理装置で管理している場合には、残額を読み取らなくとも、当該カードのID番号を読み取る。
次に、オペレータは、ユーザを特定する情報(例えば、ユーザID)、及び加算する金額、或いは度数などを示す情報をコンピュータ98に入力する。コンピュータ98は、加算(入金)処理を実行し、前記ユーザを特定する情報に対応するユーザレコード1001のユーザ保有金額1003の値に加算する金額、或いは度数などを示す情報に応じた値を加算することを要求するメッセージを生成し、このメッセージを通信網50を介して電子決済サーバ10Bに送信する。
このメッセージを受信した電子決済サーバ10Bは、前記ユーザを特定する情報に対応するユーザレコード1001のユーザ保有金額1003の値に加算する金額、或いは度数などを示す情報に応じた値を加算する処理を行う。
次に、第3の実施の形態における移動体通信端末20Bについて説明する。前述の通り、移動体通信端末20Bは、第1、第2の実施の形態における移動体通信端末20として機能するとともに、前述のコンピュータ98と同様に、ユーザレコード1001のユーザ保有金額1003の値に加算する金額、或いは度数などを示す情報に応じた値を加算することを要求するメッセージを生成し、このメッセージを通信網50を介して電子決済サーバ10Bに送信する機能を有する。加算する金額、或いは度数などを示す情報は、必ずしも金額や度数などを直接示す情報でなくともよく、それをキーとして検索することにより金額や度数などを直接示す情報が取得できる情報であっても良い。例えば、プリペイド・カードのID番号も、ここにいう「加算する金額、或いは度数などを示す情報」となりうる。この場合には、電子決済サーバ10Bは、プリペイド・カードのID番号などを受け取った場合、プリペイド・カードの残額を管理する管理装置(例えば、カジノのホール・コンピュータ)にプリペイド・カードのID番号に対応する残額を問い合わせ、問い合わせに応じて送信された残額を加算する金額、或いは度数として加算(入金)処理を行うようにしても良い。
図33に、第3の実施の形態における移動体通信端末20Bの構成例を示す。なお、有価価値提供装置30の構成は第1,第2の実施の形態の物と同一である。また、移動体通信端末20(図3参照)と同一の構成要素には同一の参照番号を付し、それら構成要素の詳細な説明は省略する。
移動体通信端末20Bは、端末側近距離通信部201と、支払要求生成部202と、無線通信部203と、入力部204と、出力部205と、ユーザ情報記憶部207と、振替要求生成部208と、電子契約申請部206と、入金要求生成部209とを有している。
入金要求生成部209は、入力部204から入力されたユーザを特定する情報、及び加算する金額、或いは度数などを示す情報に基づいて、ユーザを特定する情報に対応するユーザレコード1001のユーザ保有金額1003の値に加算する金額、或いは度数などを示す情報に応じた値を加算することを要求するメッセージを生成する。生成された要求メッセージは、無線通信部203に渡され、無線通信部203はこの要求メッセージに基づいて変調された無線信号を送信する。
次に、第3の実施の形態における電子決済サーバ10Bについて説明する。図34は、第3の実施の形態における電子決済サーバ10Bの構成例を示す図である。電子決済サーバ10Bは、第1、第2の実施の形態における電子決済サーバ10が有する構成要素を備えているとともに、さらに入金要求処理部410Bを備えている。なお、第1、第2の実施の形態における電子決済サーバ10の構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、これらの詳細な説明は省略する。
加算要求処理部410Bは、コンピュータ98又は移動体通信端末20Bから加算することを要求するメッセージをネットワーク通信処理部401を介して取得する。このメッセージを取得した加算要求処理部410Bは、ユーザ保有金額データ700を検索し、このメッセージに含まれるユーザを特定する情報に対応するユーザレコード1001のユーザ保有金額1003の値に加算する金額、或いは度数などを示す情報に応じた値を加算し、これを記憶させる。
次に、第1の実施の形態に基づいた第3の実施の形態にかかる電子決済システム1Bでの、加算処理の具体例を説明する。図35から図36は、第1の実施の形態に基づいた第3の実施の形態にかかる電子決済システム1Bでの、加算処理の例を示す図である。
図35では、ユーザ保有金額1003として「¥10,000」が電子決済サーバ10Bに記憶された状態を示す。なお、その他の条件については図15について述べたところと同様であるものとする。
この状態から、ユーザは、¥2,000分のプリペイド・カードを有価価値提供装置30から提供を受けたものとする。図36は、¥2,000分のプリペイド・カードをユーザが取得した後の電子決済サーバ10B、利用代金収納ネットワーク40の記憶内容の例を示す。ユーザ保有金額1003は「¥10,000」から¥2、000を減じた「¥8,000」に書き換えられており、また、遊技事業者保有金額903は「¥0」から「¥2,000」に書き換えられている。
次に、¥2,000分のプリペイド・カードを取得したユーザが¥1,000だけ消費して遊技を終了し、残金¥1,000を電子決済システム1Bに戻すため、コンピュータ98又は移動体通信端末20Bから¥1,000の加算を電子決済サーバ10Bに要求したものとする。
コンピュータ98又は移動体通信端末20Bから送信された¥1,000の加算を要求するメッセージを受信した電子決済サーバ10B、より詳しくは加算要求処理部410Bは、この要求メッセージの内容に応じてユーザ保有金額1003、及び遊技場事業者保有金額903を書き換える。図37は、この要求メッセージの内容に応じてユーザ保有金額1003、及び遊技場事業者保有金額903が書き換えられた例を示す。ユーザ保有金額1003は「¥8,000」に¥1、000を加算した「¥9,000」に書き換えられており、また、遊技事業者保有金額903は「¥2,000」から「¥1,000」に書き換えられている。
このように処理が行われることにより、ユーザは消費しきれなかった有価価値を後日電子決済システム1Bで再度利用することが可能となる。
次に、第2の実施の形態に基づいた第3の実施の形態にかかる電子決済システム1Bでの、加算処理の具体例を説明する。図38から図40は、第2の実施の形態に基づいた第3の実施の形態にかかる電子決済システム1Bでの、加算処理の例を示す図である。
図38では、ユーザ保有金額1003として「¥10,000」が電子決済サーバ10Bに記憶された状態を示す。なお、その他の条件については図29について述べたところと同様であるものとする。
この状態から、ユーザは、¥1,000分のプリペイド・カードを有価価値提供装置30Aから提供を受けたものとする。図39は、¥1,000分のプリペイド・カードをユーザが取得した後の電子決済サーバ10B、利用代金収納ネットワーク40の記憶内容の例を示す。ユーザ保有金額1003は「¥10,000」から¥1、000を減じた「¥9,000」に書き換えられている。
次に、¥1,000分のプリペイド・カードを取得したユーザが¥500だけ消費して遊技を終了し、残金¥500を電子決済システム1Bに戻すため、コンピュータ98又は移動体通信端末20Bから¥500の加算を電子決済サーバ10Bに要求したものとする。
コンピュータ98又は移動体通信端末20Bから送信された¥500の加算を要求するメッセージを受信した電子決済サーバ10B、より詳しくは加算要求処理部410Bは、この要求メッセージの内容に応じてユーザ保有金額1003を書き換える。図40は、この要求メッセージの内容に応じてユーザ保有金額1003が書き換えられた例を示す。ユーザ保有金額1003は「¥9,000」に¥500を加算した「¥9,500」に書き換えられている。
このように処理が行われることにより、ユーザは消費しきれなかった有価価値を後日電子決済システム1Bで再度利用することが可能となる。
なお、第3の実施の形態においても、第1から第2の実施の形態の変形と同様の変形を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】本発明にかかる電子決済システムの一例を示すネットワーク図
【図2】利用代金収納ネットワークの概略構成を示すブロック図
【図3】有価価値提供装置及び移動体通信端末の構成例を示す機能ブロック図
【図4】ユーザ情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図
【図5】電子契約申請部の構成例を示す機能ブロック図
【図6】電子決済サーバの構成例を示す機能ブロック図
【図7】データベース部に記憶されるユーザテーブルの構成例を示す図
【図8】データベース部に記憶されるユーザ保有金額データの構成例を示す図
【図9】データベース部に記憶される遊技場事業者テーブルの構成例を示す図
【図10】データベース部に記憶される遊技場事業者保有金額データの構成例を示す図
【図11】データベース部に記憶される有価価値提供装置テーブルの構成例を示す図
【図12】電子契約処理部の構成例を示す機能ブロック図
【図13】分散サーバ構成とした電子決済サーバの構成例を示す機能ブロック図
【図14】電子決済システムの動作例を示すシーケンス図
【図15】図14に続く、電子決済システムの動作例を示すシーケンス図
【図16】図15に続く、電子決済システムの動作例を示すシーケンス図
【図17】図16に続く、電子決済システムの動作例を示すシーケンス図
【図18】電子決済サーバと利用代金収納ネットワークとの間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図
【図19】図18に続く、電子決済サーバと利用代金収納ネットワークとの間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図
【図20】図19に続く、電子決済サーバと利用代金収納ネットワークとの間で行われるユーザ振替金額を処理する場合の動作例を説明する図
【図21】移動体通信端末と有価価値提供装置との間で近距離通信手段による通信を行わせた場合の、電子決済システムの動作例を示すシーケンス図
【図22】図19の状態の後、ステップS301からステップS307までの処理が行われた後の状態を示した図
【図23】電子決済システムにおける遊技場事業者口座への振り込み処理の例を示すシーケンス図
【図24】図22に示した状態の後にステップS401からS405が実行された結果を示す図
【図25】第2の実施の形態において、ユーザ口座から決済事業者口座へ振替を要求した場合の電子決済システムの動作例を示したシーケンス図
【図26】ユーザが電子決済サーバに振替要求メッセージ送信を行う前の状態の一例を示す図
【図27】図26の状態の後、¥10,000のユーザ振替金額を振り替えるよう、ユーザが移動体通信端末から電子決済サーバに振替要求メッセージを送信した後の状態を示す図
【図28】図27の状態の後、遊技場事業者振込金額を振り替えるよう、ユーザが移動体通信端末から電子決済サーバに振替要求メッセージを送信し、利用代金収納ネットワークがこのメッセージに応じた振替処理を実行した後の状態を示す図
【図29】図28の状態の後に、電子決済サーバが保有金額データ処理を実行した後の状態を示す図
【図30】移動体通信端末と有価価値提供装置との間で近距離通信手段による通信を行わせた場合の、電子決済システム1の動作例を示すシーケンス図
【図31】図29の状態の後、ステップS601からステップS607までの処理が行われた後の状態を示した図
【図32】第3の実施の形態にかかる電子決済システムの構成例を示すブロック図
【図33】第3の実施の形態にかかる有価価値提供装置、移動体通信端末の構成例を示すブロック図
【図34】第3の実施の形態にかかる電子決済サーバの構成例を示すブロック図
【図35】第3の実施の形態にかかる電子決済システムでの加算処理の例を示す図
【図36】図35の後の、第3の実施の形態にかかる電子決済システムでの加算処理の例を示す図
【図37】図36の後の、第3の実施の形態にかかる電子決済システムでの加算処理の例を示す図
【図38】図35とは別の、第3の実施の形態にかかる電子決済システムでの加算処理の例を示す図
【図39】図38の後の、第3の実施の形態にかかる電子決済システムでの加算処理の例を示す図
【図40】図39の後の、第3の実施の形態にかかる電子決済システムでの加算処理の例を示す図
【符号の説明】
【0216】
1、1B … 電子決済システム
10、10B … 電子決済サーバ
20、20B … 移動体通信端末
30 … 有価価値提供装置
40 … 利用代金収納ネットワーク
41 … ユーザ口座
42 … 決済事業者口座
43 … 遊技場事業者口座
208 … 電子契約申請部
402 … 支払要求処理部
403 … データベース部
404 … 振替要求処理部
405 … 精算処理部
406 … 提供指示部
409 … 電子契約処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座を管理する利用代金収納ネットワークに口座間の振替を要求することができるとともにユーザ保有金額及び遊技場事業者保有金額を記憶可能な電子決済サーバと、移動体通信端末と、有価価値提供装置とを有する電子決済システムであって、
前記移動体通信端末は、前記有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことによりその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を取得し、ユーザを特定するユーザ特定情報と前記機器特定情報とを含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを前記電子決済サーバに送信し、
前記電子決済サーバは、前記ユーザ口座から前記決済事業者口座への振替金額に応じたユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算し、前記支払要求メッセージに応じて、前記有価価値提供装置にユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示し、且つ前記ユーザ保有金額から前記ユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、前記遊技場事業者保有金額に前記ユーザ支払金額に応じた額を加算し、前記遊技場事業者保有金額に応じた額を前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座へ振り替えるように前記利用代金収納ネットワークに振替要求を行い、
前記有価価値提供装置は、前記電子決済サーバから有価価値の提供の指示を受け取った場合、前記ユーザ支払金額に応じた有価価値を提供する
ことを特徴とする、電子決済システム。
【請求項2】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座を管理する利用代金収納ネットワークに口座間の振替を要求することができるとともに、移動体通信端末からの支払要求メッセージに応じて、有価価値提供装置にユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する電子決済サーバであって、
ユーザ保有金額及び遊技場事業者保有金額を記憶する記憶手段と、
前記ユーザ口座から前記決済事業者口座への振替金額に応じたユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算する振替要求処理手段と、
前記支払要求メッセージに応じて、前記ユーザ保有金額から前記ユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、前記遊技場事業者保有金額に前記ユーザ支払金額に応じた額を加算し、前記遊技場事業者保有金額に応じた額を前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座へ振り替えるように前記利用代金収納ネットワークに要求する支払要求処理手段と、
前記有価価値提供装置に前記ユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する提供指示手段と
を有することを特徴とする電子決済サーバ。
【請求項3】
近距離通信手段による通信を行うことによって、有価価値提供装置からその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を取得し、ユーザを特定するユーザ特定情報と前記機器特定情報とを含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを電子決済サーバに送信して、前記電子決済サーバに所定のユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示させる、ことを特徴とする移動体通信端末。
【請求項4】
ユーザが指定した振替金額をユーザ口座から決済事業者口座へ振り返るよう利用代金収納ネットワークに要求するステップと、
前記振替金額に応じたユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算して記憶させるステップと、
有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことにより取得されるその有価価値提供装置を特定する機器特定情報とユーザを特定するユーザ特定情報とを含む支払要求メッセージを受信するステップと、
前記支払要求メッセージに応じて、前記有価価値提供装置にユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示するステップと、
前記ユーザ保有金額から前記ユーザ支払金額に応じた額を減算すると共に、前記遊技場事業者保有金額に前記ユーザ支払金額に応じた額を加算するステップと、
前記遊技場事業者保有金額に応じた額を前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座へ振り替えるように前記利用代金収納ネットワークに振替要求を行うステップと
を有することを特徴とする電子決済方法。
【請求項5】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座を管理する利用代金収納ネットワークに口座間の振替を要求することができるとともにユーザ保有金額を記憶可能な電子決済サーバと、移動体通信端末と、有価価値提供装置とを有する電子決済システムであって、
前記移動体通信端末は、前記有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことによりその有価価値提供装置を特定する機器特定情報を取得し、ユーザを特定するユーザ特定情報と前記機器特定情報とを含む支払要求メッセージを生成し、この支払要求メッセージを電子決済サーバに送信し、
前記電子決済サーバは、前記ユーザ口座から前記決済事業者口座への振替金額に応じたユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算するとともに前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座へ振替金額に応じた額を振り替えるように前記利用代金収納ネットワークへ要求し、前記支払要求メッセージに応じて、前記有価価値提供装置にユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示し、前記ユーザ保有金額から前記ユーザ支払金額に応じた額を減算し、
前記有価価値提供装置は、前記電子決済サーバから有価価値の提供の指示を受け取った場合、前記ユーザ支払金額に応じた有価価値を提供する
ことを特徴とする、電子決済システム。
【請求項6】
ユーザ口座、決済事業者口座、及び遊技場事業者口座を管理する利用代金収納ネットワークに口座間の振替を要求することができるとともに、移動体通信端末からの支払要求メッセージに応じて、有価価値提供装置にユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する電子決済サーバであって、
ユーザ保有金額を記憶する記憶手段と、
前記ユーザ口座から前記決済事業者口座への振替金額に応じたユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算するとともに、前記振替金額に応じた額を前記決済事業者口座から前記遊技場事業者口座へ振り替えるよう利用代金収納ネットワークに要求する振替要求処理手段と、
前記支払要求メッセージに応じて、前記ユーザ保有金額から前記ユーザ支払金額に応じた額を減算する支払処理手段と、
前記有価価値提供装置に前記ユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示する提供指示手段と
を有することを特徴とする電子決済サーバ。
【請求項7】
ユーザが指定した振替金額をユーザ口座から決済事業者口座へ振り返るよう利用代金収納ネットワークに要求するステップと、
前記振替金額に応じた額を決済事業者口座から遊技場事業者口座へ振り替えるよう利用代金収納ネットワークに要求するステップと、
前記ユーザ口座から前記決済事業者口座への振替金額に応じたユーザ振替金額を前記ユーザ保有金額に加算して記憶させるステップと、
有価価値提供装置と近距離通信手段による通信を行うことにより取得されるその有価価値提供装置を特定する機器特定情報とユーザを特定するユーザ特定情報とを含む支払要求メッセージを受信するステップと、
前記支払要求メッセージに応じて、前記有価価値提供装置にユーザ支払金額に応じた有価価値の提供を指示するステップと、
前記ユーザ保有金額から前記ユーザ支払金額に応じた額を減算するステップと
を有することを特徴とする電子決済方法。
【請求項8】
前記電子決済サーバは、前記提供指示メッセージ、及び振替依頼メッセージの送信に先立って、ユーザと電子決済システムの運営者である決済事業者との間の、決済事業者がユーザ口座から指定された金額を引き落とすことを内容とする契約の電子化契約書と、これに付された検証されたユーザの電子署名及び決済事業者の電子署名を有する電子化契約書保管原本を記憶することを特徴とする、請求項1又は請求項5に記載の電子決済システム。
【請求項9】
前記電子決済サーバは、当該取引するユーザ口座の存在する銀行のための前記電子化契約書保管原本を送信することを特徴とする、請求項9に記載の電子決済システム。
【請求項10】
前記電子決済サーバは、前記提供指示メッセージ、及び振替依頼メッセージの送信に先立って、ユーザと電子決済システムの運営者である決済事業者との間の、決済事業者がユーザ口座から指定された金額を引き落とすことを内容とする契約の電子化契約書と、これに付された検証されたユーザの電子署名及び決済事業者の電子署名を有する電子化契約書保管原本を記憶することを特徴とする、請求項2又は請求項6に記載の電子決済サーバ。
【請求項11】
前記電子決済サーバは、前記ユーザの口座が存在する銀行に宛てた前記電子化契約書保管原本を送信することを特徴とする、請求項10に記載の電子決済サーバ。
【請求項12】
ユーザと電子決済システムの運営者である決済事業者との間の、決済事業者がユーザ口座から指定された金額を引き落とすことを内容とする契約の電子化契約書と、これに付されたユーザの電子署名及び電子証明書を受信するステップと、
前記ユーザの電子署名及び電子証明書の検証し、検証の結果に応じて前記電子化契約書と決済事業者の電子署名及び電子証明書を送信するステップと、
前記電子化契約書とそれに付されたユーザの電子署名、決済事業者の電子署名、及びタイムスタンプを含む電子化契約書保管原本受信し、記憶するステップと
をさらに有することを特徴とする。請求項4又は請求項7に記載の電子決済方法。
【請求項13】
前記電子決済サーバは、ユーザ保有金額に加算を行うことを要求するメッセージを受信すると、対応するユーザのユーザ保有金額に加算を行うことを特徴とする、請求項1又は請求項5に記載の電子決済システム。
【請求項14】
前記電子決済サーバは、ユーザ保有金額に加算を行うことを要求するメッセージを受信すると、対応するユーザのユーザ保有金額に加算を行う加算要求処理部をさらに有することを特徴とする、請求項2又は請求項6に記載の電子決済サーバ。
【請求項15】
ユーザ保有金額に加算を行うことを要求するメッセージを受信すると、対応するユーザのユーザ保有金額に加算を行うステップをさらに有することを特徴とする請求項4又は請求項7に記載の電子決済方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2008−293491(P2008−293491A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125218(P2008−125218)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【分割の表示】特願2007−136194(P2007−136194)の分割
【原出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.Bluetooth
【出願人】(506314416)株式会社モビテクノ (10)
【Fターム(参考)】