説明

電子線スピン検出器

【目的】本発明は、走査型電子顕微鏡の対物レンズで細く絞った1次電子ビームで照射した磁区を含む試料の磁区構造を検出する電子線スピン検出器に関し、簡単な構造、かつ試料の1次電子ビーム照射位置に対する見込み角を大きくして高S/N比で磁区を極めて高分解能で表示することを目的とする。
【構成】走査型電子顕微鏡の対物レンズと磁区を含む試料との間に設け、1次電子ビームで照射した試料の位置を中心に、周囲に放出された2次電子のスピン偏極を検出する、対称の2つの部分検出部からなるスピン偏極検出器を、複数配置したスピン検出器と、スピン検出器を構成する複数のスピン偏極検出器でそれぞれ検出した2次電子のスピン偏極の違いをもとに試料の1次電子ビームの照射位置のスピン方向を判定するスピン方向判定手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査型電子顕微鏡などの対物レンズで細く絞った1次電子ビームで照射した磁区を含む試料の磁区構造を検出する電子線スピン検出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、磁性体の磁化領域(磁区)を観察するには、光学顕微鏡を用いたピッター法や直線偏向を使ったカー効果を用いた手法がある。これら光学顕微鏡を用いた手法では、磁区の微細構造は当該光学顕微鏡の分解能が限界であった。
【0003】
これに比して分解能が2桁程度高い、走査型電子顕微鏡を使って磁性体の磁区の微細構造を観察する手法として、図6に示すMott型検出器がある。
【0004】
図6のMott型検出器は、1次電子ビームを試料(観察対象の磁性体試料)に照射し、当該試料より放出された2次電子を25〜200KVの高電圧で加速し、加速した2次電子を金等のターゲットに垂直に照射し、その散乱電子を当該ターゲットを中心に円周状に配置したチャネルトロン検出器等でそれぞれ検出し、散乱電子の僅かな非対称性をもとに試料(観察対象の磁性体試料)の磁区を画像として表示装置に表示するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の上述した前者の光学顕微鏡を使った磁区観察では、分解能が低く微細構造、例えば数十nmの構造を観察することが不可であるという問題があった。
【0006】
従来の上述した後者の図6のMott型検出器を用いた磁区観察では、試料から放出された2次電子を25〜200KVの高電圧で加速し、更に、金のターゲットに垂直に照射し、かつその散乱電子を複数のチャネルトロン検出器等で検出して非対称性をもとに磁区を表示する必要があり、高加速するために装置が大げさになってしまうと共に、試料より相当離れた位置に検出器(チャネルトロン検出器等)を置かざるを得ない構造となり試料に対する見込み角が小さくなって信号量が少なく高S/N比を得難いという根本的な欠点が存在するという問題があった。更に、金ターゲットやチャネルトロン検出器やマルチチャネルプレートなどを使うために高真空が更に要求されてしまうという問題もあった。
【0007】
また、Mott型の欠点を一部解決する手法として、試料より発生した2次電子を当該試料近傍で偏向器で偏向し、途中にレンズを設けて発散を抑えながらMott検出器に当該2次電子を導入する手法もあるが、いずれにしても、Mott型検出器の構造が大型かつ多数のチャネルトロン検出器を用いる必要があり、装置が大げさかつ充分な見込み角を確保して高S/N比で試料の磁区のスピン方向を検出して画像(磁区)を表示し得ないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、これらの問題を解決するため、対物レンズで細く絞った1次電子ビームで照射した磁区を含む試料の磁区構造を検出する電子線スピン検出器において、対物レンズと磁区を含む試料との間に設け、1次電子ビームで照射した試料の位置を中心に、周囲に放出された2次電子のスピン偏極を検出する、対称の2つの部分検出部からなるスピン偏極検出器を、複数配置したスピン検出器と、スピン検出器を構成する複数のスピン偏極検出器でそれぞれ検出した2次電子のスピン偏極の違いをもとに試料の1次電子ビームの照射位置のスピン方向を判定するスピン方向判定手段とを備えるようにしている。
【0009】
この際、対称の2つの部分検出部として、直角三角錐あるいは直角三角錐の斜面をもちかつ当該直角三角錐の斜面あるいは当該斜面が対称で相互に電気的に絶縁したそれぞれの当該斜面の部分に2次電子をそれぞれ照射させて吸収させ、当該吸収された2次電子の電流量の差を検出してスピン偏極を検出するようにしている。
【0010】
また、直角三角錐あるいは直角三角錐の斜面の代わりに、当該直角三角錐の斜面あるいは当該斜面の部分を凹面形状とするようにしている。
【0011】
また、吸収された2次電子の電流量の差を、当該電流量の和で除算して正規化するようにしている。
【0012】
また、あるスピン偏極検出器と他のスピン偏極検出器との間に、シールド板を配置するようにしている。
【0013】
また、シールド板を2次電子を可及的に吸収かつ反射の少ない材質で形成あるいはコーティング、あるいは表面を凹凸にするようにしている。
【0014】
また、シールド板の材質あるいはコーティングする材質をカーボンとするようにしている。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、走査型電子顕微鏡などの対物レンズの下面と試料との間に、当該試料の1次電子ビーム照射位置を中心に、当該位置から周囲に放出された2次電子のスピン偏極の度合いを検出可能な検出器をリング状に複数配置し、当該複数の検出器の各位置におけるスピン偏極の度合いの違いをもとに試料の磁区を表示することにより、簡単な構造、かつ試料の1次電子ビーム照射位置に対する見込み角を大きくして高S/N比で磁区を極めて高分解能で表示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、走査型電子顕微鏡などの対物レンズの下面と試料との間に、当該試料の1次電子ビーム照射位置を中心に、当該位置から周囲に放出された2次電子のスピン偏極の度合いを検出可能な検出器をリング状に複数配置し、当該複数の検出器の各位置におけるスピン偏極の度合いの違いをもとに試料の磁区を表示し、簡単な構造、かつ試料の1次電子ビーム照射位置に対する見込み角を大きくして高S/N比で磁区を極めて高分解能で表示することを実現した。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の1実施例構造図を示す。
図1の(a)は要部断面図を示す。
【0018】
図1の(a)において、SEM鏡筒部1は、公知の走査型電子顕微鏡を構成する鏡筒部であって、電子線発生源、電子線発生源で発生された1次電子線を集束するコンデンサレンズ、コンデンサレンズで集束された1次電子ビームを磁性試料4上に細く絞る対物レンズ2、および磁性試料4上に細く絞られた1次電子ビームを平面走査する走査系(X方向およびY方向に走査する偏向走査系)などから構成されるものである。ここでは、SEM鏡筒1の下部に図示の対物レンズ2を設けたものである。
【0019】
対物レンズ2は、1次電子ビームを、磁性試料4の上に細く絞るものである。ここでは、当該対物レンズ2と磁性試料4との間の空間(あるいは距離(WD))に、本発明に係るスピン検出器11を図示のように配置する。
【0020】
磁性材料4は、1次電子ビームを対物レンズ2で細く絞って照射しつつ、図示外の偏向系で平面走査し、そのときに放出された2次電子のスピン方向を本発明に係るスピン検出器11で検出し、当該磁性材料4の磁区を画面上に表示する対象の試料である。
【0021】
試料室5は、磁性材料4およびスピン検出器11などを真空中に保持する部屋であって、図示外の真空排気系で真空配置される部屋である。
【0022】
2次電子6は、1次電子を磁性材料4に照射したときに当該1次電子の照射点を中心に周囲に放出される2次電子である。本発明のスピン検出器11で磁性材料4の磁区のスピン方向を検出するときは通常のSEMのように、これに具備する検出器の集束用の正電圧を印加することなく、ほぼゼロ電位(試料室5の電位)に保持し、2次電子が1次電子の照射点から放出された方向にそのまま走行するようにし、その方向に走行した当該2次電子についてスピン検出器11で電子のスピンの偏極度合い(非対称性)をそれぞれ検出し、偏極度合い(非対称性)の最大の方向がスピン方向(偏極方向)と判定する(図3を用いて後述する)。
【0023】
スピン検出器11は、複数のスピン偏極検出器12を、1次電子ビームを磁性材料4に照射した位置を中心に、放射状に配置したものであって(図3の(a)参照)、1次電子ビームを磁性材料4に照射した場所のスピン方向(磁区のスピン方向)を検出するものである(図1から図5を用いて後述する)。スピン検出器11は、図示外の機構により、図示の状態に挿入して磁区を表示する構成にしたり、外部に引き出して通常のSEM(2次電子像、反射電子像を表示するSEM)として動作させたり、必要に応じて切り替えることが可能となっている。
【0024】
図1の(b)は、図1の(a)に点線で示す方向に見たときの、スピン検出器11の模式図を示す。ここでは、図1の(a)のスピン検出器11は、外側から中心方向に眺めると、図1の(b)に示すように、直角三角形を2組対称に配置した構造となり、実際は直角三角錐を2組、対称に電気的に絶縁して配置した構造となる(図2参照)。
【0025】
図1の(c)は、図1の(b)のスピン偏極検出器12を拡大および、磁性試料4から放出された2次電子が照射する方向および当該スピン偏極検出器12を構成する対称の2つの部分で電流を検出する様子を模式的に示す。図1の(a)で1次電子ビームを磁性試料4に照射したときに上斜め方向に放出される2次電子が、図1の(c)の下から上方向に走行する2次電子に相当する。2次電子は、スピン偏極検出器12を構成する対称の2つの部分(直角三角錐)の斜面にそれぞれ図示のように衝突して吸収される。対称の2つの部分(直角三角錐)の角度はここでは、25°近辺(15〜35°程度)が最大の偏極度(非対称性)を検出する角度である(図1の(d)参照)。2つの直角三角錐の部分に吸収される2次電子の電流をそれぞれI右、I左として測定し、両者の差を両者の和で除算し、偏極度合い(非対称性)を算出する。
【0026】
図1の(d)は、図1の(c)のスピン偏極検出器12の左側、および右側で検出される2次電子の電流の大きさを模式的に説明する図を示す。
【0027】
図1の(d−1)は図1の(c)のスピン偏極検出器12を構成する左側の直角三角錐で2次電子を検出するときの様子を模式的に示し、図1の(d−2)は図1の(c)のスピン偏極検出器12を構成する右側の直角三角錐で2次電子を検出するときの様子を模式的に示す。
【0028】
図1の(d−1)において、図1の(a)で1次電子を磁性試料4に照射して放出された2次電子線について、放出されたときに磁性材料4の磁区(スピン)によってここでは、紙面の裏から表側にスピン偏極方向となるように偏極されたとすると、当該2次電子線(スピン偏極方向として紙面の裏から表方向に持つ)が約25°の直角三角錐の斜面に図示のように入射すると、左方向に反射される割合が減少し(弱くなり)、結果として、吸収される2次電子の電流量I左が増大した値として検出される。
【0029】
一方、直角三角錐の斜面の向きが逆の図1の(d−2)の場合には、右方向に2次電子が反射される割合が増大し(強くなり)、結果として、吸収される2次電子の電流量I右は減少した値として検出される。
【0030】
以上のように、図1の(d−1)で測定したI左と、図1の(d−2)で測定したI右との差を、両者の和で除算した値は、2次電子のスピンの偏極度合い(非対称性)(図1の(a)で1次電子ビーム3が磁性試料4に照射して2次電子が放出されたときに、当該2次電子が磁性材料4の磁区から受けたスピン偏極の度合い)について、当該スピン偏極検出器12の配置した方向における大きさを検出することが可能となる。従って、リング状にスピン偏極検出器12を複数配置し、各スピン偏極検出器12で検出したスピンの偏極度合い(非対称性)の最大の当該スピン偏極検出器12の方向がスピン方向に対応したものとして判定できる(図3の(b)参照)。
【0031】
図2は、本発明のスピン偏極検出器例を示す。図示のスピン偏極検出器12は、図1のスピン検出器11として、1次電子ビームを磁性材料4に照射した位置を中心にリング状に配置する1つの偏極検出器12を取り出したものである。XとYとからなる面が図1の(a)の磁性材料4の表面に対応する面に対応し、Z方向が図1の(a)の磁性試料4から上方向である。図示のスピン偏極検出器12は、直角三角錐を2つ対称に図示のように配置したものであって、検出面Aとその反対側の図示外の検出面A’が当該直角三角錐の斜面に対応する部分である。1次電子を磁性試料4に照射して放出された2次電子は、図示の検出面Aと図示外の反対側の検出面A’に下方向から上方向に照射され、既述した図1の(d)で説明したようにスピン偏極方向に応じた電流差(I左−I右)を電流和(I左+I右)で除算し、スピン偏極度合い(非対称性)を検出することが可能となる。
【0032】
図2の(b)は、図2の(a)の直角三角錐のX方向から見た様子を模式的に示す。ここでは、直角三角錐の斜面を検出面A(図2の(a)の検出面A)と、対応する反対側の検出面A’とを有するものである。試料(図1の(a)の磁性試料)は、下方向に位置する。従って、試料(磁性材料4)に上から下方向に1次電子ビームを照射し、上方向(正確には上斜め方向)に放出された2次電子が、図示の検出面A,A’にそれぞれ照射し、既述した図1の(d)で説明したように、当該2次電子が磁性試料4から受けたスピン偏極に応じた偏極度合い(非対称性)(I左−I右)/(I左+I右)を検出することが可能となる。
【0033】
図2の(c)は、検出面A,A’(直角三角形の斜面)を曲面(凹面)にした例を示す。曲面は、2次電子の検出面A,A’への入射角度を25°近辺になるようにした検出面である。検出面をY−Zから見ると、その曲線z=f(y)は、zのy微分をf’(y)として、
tan−1(f(y)/y)−tan−1(f’(y))=α
α=約25・π/180
を満足f(y)は唯一存在し、これを検出面A,A’として用いる。
【0034】
尚、検出面A,A’は、通常は金あるいは金スパッタ、金蒸着、金メッキした面である。金の他にトリウムなどの真空中で綺麗に面が保持され、かつ2次電子の偏極を検出しうる金属であればいずれの金属でもよい。
【0035】
図3は、本発明の実験例を示す。
図3の(a)は、スピン偏極検出器12の5組をθ=0°、67.5°、112.5°、180°、225°として配置した例を示す。
【0036】
図3の(b)は、図3の(a)の構造で、磁性材料4の磁区について測定した非対称性をプロットした曲線を示す。ここで、横軸は図3の(a)のスピン偏極検出器12を配置した角度を表し、縦軸は各スピン偏極検出器12で既述した図1の(d)で測定した非対称性(偏極度合い)(I左ーI右)/(I左+I右)を表す。また、
○は20KV
●は28KV
×は30KV
は、1次電子の加速電圧を表す。
【0037】
ここで、図3の(b)の曲線を見ると、SIN波となり、その頂点(最大)の角度は、約130度で、これがスピンの方向を表すとして判定できる。
【0038】
従って、1次電子ビーム3を磁性試料4に照射しつつ走査した各位置における、2次電子6のスピンの方向をそれぞれ判定し、磁区画像(特にスピンが反転する場所を明確に表示した磁区画像)として表示することが可能となる。
【0039】
図4は、本発明のシールド板例を示す。スピン偏極検出器12は、例えば図3の(a)では5組、1次電子ビーム3を磁性試料4に照射した位置を中心に、リング状に所定角度に配置する。このため、各スピン偏極検出器12が隣接するスピン偏極検出器12との間に検出器間シールド21を設け、2次電子があるスピン偏極検出器12で吸収されずに反射されて他のスピン偏極検出器12に入射し、ノイズとなってしまう事態を防止するようにする。この際、検出器間シールド21は、可及的に2次電子が入射したときに吸収され、反射され難い材質(例えばカーボンで作成、カーボンでコーティング)あるいは構造(表面を微細な凹凸かつカーボンあるいはカーボンコーティングする構造)とする。
【0040】
図5は、本発明の検出器ホルダ例を示す。これは、既述したスピン偏極検出器12を所定角度で複数、リング状に配置して固定する検出器ホルダ31の例を示す。
【0041】
図5の(a)は、検出器ホルダ31をカーボン製あるいはカーボンを被覆し、不要2次電子の反射を防止する例を示す。
【0042】
図5の(b)は、検出器ホルダ31のスピン偏極検出器12を固定する側の部分の表面に凹凸を設け、不要2次電子の反射を防止する例を示す。表面の凹凸として、例えば約60°以上の微細な切り込みを入れ、2次電子の反射を可及的に防止し、高S/N比で、既述した非対称性を検出できるようにする。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、簡単な構造、かつ試料の1次電子ビーム照射位置に対する見込み角を大きくして高S/N比で磁区を極めて高分解能で表示する電子線スピン検出器に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の1実施例構造図である。
【図2】本発明のスピン偏極検出器例である。
【図3】本発明の実験例である。
【図4】本発明のシールド板例である。
【図5】本発明の検出器ホルダ例である。
【図6】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1:SEM鏡筒部
2:対物レンズ
3:1次電子ビーム
4:磁性材料
5:試料室
6:2次電子
11:スピン検出器
12:スピン偏極検出器
21:検出器間シールド
31:検出器ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対物レンズで細く絞った1次電子ビームで照射した磁区を含む試料の磁区構造を検出する電子線スピン検出器において、
前記対物レンズと磁区を含む試料との間に設け、前記1次電子ビームで照射した試料の位置を中心に、周囲に放出された2次電子のスピン偏極を検出する、対称の2つの部分検出部からなるスピン偏極検出器を、複数配置したスピン検出器と、
前記スピン検出器を構成する前記複数のスピン偏極検出器でそれぞれ検出した2次電子のスピン偏極の違いをもとに前記試料の1次電子ビームの照射位置のスピン方向を判定するスピン方向判定手段と、
を備えたことを特徴とする電子線スピン検出器。
【請求項2】
前記対称の2つの部分検出部として、直角三角錐あるいは直角三角錐の斜面をもちかつ当該直角三角錐の斜面あるいは当該斜面が対称で相互に電気的に絶縁したそれぞれの当該斜面の部分に前記2次電子をそれぞれ照射させて吸収させ、当該吸収された2次電子の電流量の差を検出してスピン偏極を検出することを特徴とする請求項1記載の電子線スピン検出器。
【請求項3】
前記直角三角錐あるいは前記直角三角錐の斜面の代わりに、当該直角三角錐の斜面あるいは当該斜面の部分を凹面形状としたことを特徴とする請求項2記載の電子線スピン検出器。
【請求項4】
前記吸収された2次電子の電流量の差を、当該電流量の和で除算して正規化したことを特徴とする請求項2あるいは請求項3記載の電子線スピン検出器。
【請求項5】
前記あるスピン偏極検出器と他のスピン偏極検出器との間に、シールド板を配置したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子線スピン検出器。
【請求項6】
前記シールド板を2次電子を可及的に吸収かつ反射の少ない材質で形成あるいはコーティング、あるいは表面を凹凸にしたことを特徴とする請求項5記載の電子線スピン検出器。
【請求項7】
前記材質をカーボンとしたことを特徴とする請求項6記載の電子線スピン検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−269967(P2008−269967A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111695(P2007−111695)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(592191195)株式会社アプコ (9)
【出願人】(592101873)
【Fターム(参考)】